特許第6949357号(P6949357)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6949357末端マレイミド化オリゴイミドの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6949357
(24)【登録日】2021年9月27日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】末端マレイミド化オリゴイミドの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 73/12 20060101AFI20210930BHJP
   C08J 3/00 20060101ALI20210930BHJP
【FI】
   C08G73/12
   C08J3/00CFG
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-137163(P2017-137163)
(22)【出願日】2017年7月13日
(65)【公開番号】特開2018-21184(P2018-21184A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2020年6月9日
(31)【優先権主張番号】特願2016-142451(P2016-142451)
(32)【優先日】2016年7月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004503
【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山田 祐己
(72)【発明者】
【氏名】森北 達弥
(72)【発明者】
【氏名】吉田 猛
(72)【発明者】
【氏名】繁田 朗
(72)【発明者】
【氏名】越後 良彰
【審査官】 横山 法緒
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−526014(JP,A)
【文献】 特表2016−518511(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0228901(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0049731(US,A1)
【文献】 国際公開第2015/048575(WO,A1)
【文献】 特開平08−012914(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/032669(WO,A1)
【文献】 特開2008−149549(JP,A)
【文献】 特開2004−083650(JP,A)
【文献】 特開2000−182672(JP,A)
【文献】 特開2010−171087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 73/00−73/26
C08J 3/00−3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶媒中で、芳香族テトラカルボン酸二無水物および無水マレイン酸と、脂肪族ジアミンとを反応させて、末端をマレアミック酸としたオリゴアミック酸を生成させた後、これをイミド化することにより得られる末端マレイミド化オリゴイミド溶液を、抽出溶媒として水以外の溶媒単体または水含有率が非水溶媒質量に対し、10質量%以下の混合溶媒(非水溶媒)を用いた溶媒抽出法により精製することを特徴とする末端マレイミド化オリゴイミドの製造方法。
【請求項2】
脂肪族ジアミンが、ダイマジアミンである請求項1記載の末端マレイミド化オリゴイミドの製造方法。
【請求項3】
非水溶媒がメチルアルコールおよび/またはアセトンを含む溶媒である請求項1または2記載の末端マレイミド化オリゴイミドの製造方法。
【請求項4】
非水溶媒がさらにトリアルキルアミンを含む請求項1〜3いずれかに記載の末端マレイミド化オリゴイミドの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、末端マレイミド化オリゴイミドの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
末端変性されたオリゴイミドの中で、末端基の一部または全部がマレイミド化されたオリゴイミドが知られている。(特許文献1〜3) これらオリゴイミドは、熱硬化または光硬化することにより、イミド結合に基づく高い耐熱性と良好な機械的特性を有するフィルム等の成形体とすることができる。また、マレイミド基のビニル基は活性であるため、例えば、ビニルエーテル類、アクリレート類、メタアクリレート類のビニル化合物と共重合でき、これらの共重合体は、様々な耐熱性樹脂や接着剤の原料として有用である。
【0003】
末端マレイミド化オリゴイミドの中で、オリゴイミドを構成するテトラカルボン酸として芳香族テトラカルボン酸、ジアミンとして脂肪族ジアミンを用いたオリゴイミド(以下、「MOI」と略記することがある)は、シリコン基板のパシベーション膜、ダイボンディング用接着剤、高周波用基板等用として好適に使用できることが開示されている。(特許文献4、5) これらのMOIを製造する方法として、溶媒中で、芳香族テトラカルボン酸二無水物と脂肪族ジアミンから得られるアミック酸をイミド化して末端ジアミンとしたオリゴイミドに、無水マレイン酸を反応させて、末端マレアミック酸オリゴイミドを生成させ、しかる後、この末端マレアミック酸をイミド化する方法が用いられてきた。このイミド化に際しては、脱水触媒として、硫酸、メタンスルフォン酸、p−トルエンスルフォン酸等pKaが1未満の強酸と、トリエチルアミン等脂肪族3級アミンとの混合物を用い、100℃以上で長時間加熱して、イミド化の際、副生する水を、共沸により除去しつつ、末端をマレイミド化する方法(特許文献3、4)や、アミド系溶媒を含む溶媒中で、前記末端マレアミック酸オリゴイミドを前記強酸の共存下、100℃以上で長時間加熱して、イミド化の際、副生する水を共沸により除去しつつ、末端をマレイミド化する方法(特許文献5)が知られている。このようにして得られたMOI溶液は、イミド結合成分含有量の低い低分子量成分やマレイミド化されていない末端マレアミック酸オリゴイミドが不純物として残留しているため、この溶液を、アセトン等の貧溶媒中に注入してMOIを再沈殿して、MOIを固体として回収し、しかる後これを再溶解することにより、前記不純物が除去されたMOI溶液を得る方法が提案されている。(特許文献4)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5096998号
【特許文献2】特開平8−12914号公報
【特許文献3】米国特許第7208566号
【特許文献4】米国公開特許2013/0228901号
【特許文献5】国際公開2015/048575号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、再沈殿により不純物を除去するというような方法では、大量の貧溶媒を用いる必要があり、環境適合性および経済性の観点から問題があった。そこで本発明は、前記課題を解決するものであって、環境適合性および経済性に優れた簡便なMOI製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
溶媒中で、芳香族テトラカルボン酸二無水物および無水マレイン酸と、脂肪族ジアミンとを反応させて得られる末端マレイミド化オリゴイミド溶液(以下、「粗MOI溶液」と略記することがある)を精製するに際し、特定の溶媒を用いた溶媒抽出法により、マレイミド溶液中の不純物が効率よく除去され、この方法を用いることにより前記課題が解決されることを見出し、本発明の完成に至った。
【0007】
本発明は下記を趣旨とするものである。
1)溶媒中で、芳香族テトラカルボン酸二無水物および無水マレイン酸と、脂肪族ジアミンとを反応させて、末端をマレアミック酸としたオリゴアミック酸を生成させた後、これをイミド化することにより得られる粗MOI溶液を、抽出溶媒として非水溶媒を用いた溶媒抽出法により精製することを特徴とするMOIの製造方法。
2)脂肪族ジアミンが、ダイマジアミンである前記末端マレイミド化オリゴイミドの製造方法。
3)非水溶媒がメチルアルコールおよび/またはアセトンを含む溶媒である前記末端マレイミド化オリゴイミドの製造方法。
4)非水溶媒がさらにトリアルキルアミンを含む末端マレイミド化オリゴイミドの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明のMOI製造方法により、経済性および環境適合性に優れたプロセスで残留不純物が低減されたMOI溶液を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の製造方法で得られるMOIは、オリゴイミドの末端基の一部または全部がマレイミド変性されたものである。MOIの骨格を成すオリゴイミドは、主鎖にイミド結合を有するオリゴマであり、芳香族テトラカルボン酸二無水物と脂肪族ジアミンとの脱水縮合物である。
【0010】
芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、芳香環を有するテトラカルボン酸二無水物であれば制限はないが、例えば、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3′,3,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(4,4′−オキシジフタル酸二無水物)、2,3′,3,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナンスレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、PMDAが好ましく用いられる。これらの芳香族テトラカルボン酸二無水物は、単独、または2種以上を組み合わせて用いられる。
【0011】
脂肪族ジアミンとしては、主鎖にアルキレン基を有するジアミンであれば制限はないが、例えば、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,11−ジアミノドデカン、ダイマジアミン等の脂肪族ジアミンが挙げられ、ダイマジアミン(炭素数24〜48のダイマ酸から誘導される脂肪族ジアミン)が好ましく用いられる。ダイマジアミンは、コグニスジャパン社製、商品名「バーサミン551」、「バーサミン552」、クローダ社製、商品名「プリアミン1074」、「プリアミン1075」等の市販品が用いられる。これらの脂肪族ジアミンは、単独、または2種以上を組み合わせて用いられる。
【0012】
本発明の製造方法で用いられる粗MOI溶液を得るには、前記した公知の方法を用いることができるが、例えば以下のような方法を用いることもできる。すなわち、先ず、溶媒中で、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物を反応させて、末端ジアミンのオリゴアミック酸(オリゴイミド前駆体)を生成させ、しかる後、無水マレイン酸を反応させて、末端がマレアミック酸変性されたオリゴアミック酸を生成させる。このオリゴアミック酸溶液に、酸触媒を加えて反応させて、末端のマレアミック酸およびオリゴアミック酸の主鎖のアミック酸部分を、一括してイミド化することにより、粗MOI溶液とする。ここで、テトラカルボン酸二無水物は、ジアミン1モルに対し、0.5モル以上、0.9モル以下用いることが好ましい。 このようなモル比とすることにより、良好な成形性と高い耐熱性を同時に確保したMOIを得ることができる。
また、無水マレイン酸は、ジアミン1モルに対しテトラカルボン酸二無水物Xモル用いる場合、2*(1−X)モル以上、4*(1−X)モル以下用いることが好ましい。イミド化の際の反応温度としては、100℃以上、160℃以下とすることが好ましく、110℃以上、150℃以下とすることがより好ましい。また、イミド化の際の反応時間としては、2時間以上、20時間以下とすることが好ましい。イミド化反応に際しては、イミド化により生成する水を反応系外に共沸除去しつつ反応を行うことが好ましい。
【0013】
前記オリゴアミック酸を生成させる際の温度に制限はないが、10℃以上、80℃以下が好ましい。また反応時間としては、10分以上、120分以下が好ましい。
【0014】
反応の際の固形分濃度としては、5〜70質量%とすることが好ましく、10〜60質量%とすることがより好ましい。
【0015】
前記溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒およびこれらの炭化水素系溶媒にNMP(N−メチルピロリドン)やDMAc(ジメチルアセトアミド)等のアミド系溶媒を混合した混合溶媒を用いることが好ましい。
【0016】
前記一括イミド化の際に用いられる酸触媒としては、硫酸、メタンスルフォン酸、p−トルエンスルフォン酸等公知の強酸性触媒を用いることができる。 さらに、弱酸性(pKaが1以上)である脂肪族カルボン酸を用いることもできる。工業生産に用いる反応釜の材質の観点から、腐食性の弱い脂肪族カルボン酸を用いることが好ましい。脂肪族カルボン酸の使用量は、原料であるジアミン1モルに対し、0.1モル以上、2.0モル以下とすることが好ましく、0.2モル以上、1.0モル以下とすることがより好ましい。ここで、脂肪族カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸等が用いられ、マレイン酸が好ましく用いられる。なお、前記マレアミック酸を合成する際、反応の際の固形分濃度を高めれば、酸触媒を使用することなく、水を共沸除去するだけで一括イミド化を進めることもできる。
【0017】
前記のようにして得られた粗マレイミド溶液は、非水溶媒を抽出溶媒として用いた溶媒抽出法で、粗マレイミド溶液中の不純物を抽出除去することができる。この方法により、従来の再沈殿法と同等の除去効果を得ることができる。不純物であるイミド結合成分含有量の低い低分子量成分やマレイミド化されていない末端マレアミック酸オリゴイミドが抽出除去できているかどうかは、精製後の数平均分子量(Mn)の増加率で確認することができる。 すなわち、この増加率が10%以上の場合に、低分子量成分が除去されていると判定されるが、Mn増加率は、40%以下とすることが好ましい。なお、MnはGPCにより決定することができる。 GPCの測定条件は、以下の通りである。
<GPC測定条件>
カラム:昭和電工社製 Shodex(R) GPC KF‐803×1本, GPC KF‐804×2本 (3本連結)
溶離液:THF
温度:40℃
流量:1.0mL/分
検出器:UV検出器
【0018】
本発明の製造方法で用いられる「非水溶媒」とは、水以外の溶媒単体または水含有率が非水溶媒質量に対し、10質量%以下の混合溶媒をいう。水以外の溶媒単体の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、グライム、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒を挙げることができる。これらの中でも、メチルアルコール、アセトンが好ましい。これらの溶媒は、単独または2種以上混合して用いられる。非水溶媒には、MOIの精製効率を上げる目的で、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等のトリアルキルアミンを含ませることができる。これらの中でも、トリエチルアミンが好ましく、メチルアルコールにトリエチルアミンを含ませることが特に好ましい。 非水溶媒中のトリアルキルアミン含有量としては、非水溶媒質量に対し、0.1〜10質量%とすることが好ましく、0.5〜3質量%とすることがより好ましい。
【0019】
非水溶媒の使用量は、通常、マレイミド溶液質量に対し、10〜200質量%程度であり、20〜100質量%が好ましい。
【0020】
溶媒抽出の際の温度としては、通常5℃〜60℃程度であり、10℃〜30℃が好ましい。
【0021】
抽出操作は、1回または2回以上行うことができる。この溶媒抽出操作においては、粗マレイミド溶液、非水溶媒の両相でエマルジョン等が発生しないよう適宜、非水溶媒組成を決めればよい。
【0022】
粗マレイミド溶液の非水溶媒による溶媒抽出の前に、水または含水溶媒(水含有率が含水溶媒質量に対し90質量%超の混合溶媒)で、酸触媒等を予め抽出除去しておいてもよい。
【実施例】
【0023】
以下に、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。なお本発明は実施例により限定されるものではない。
【0024】
<実施例1>
水分離器付き還流冷却器、攪拌機、温度計を備えたガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、ダイマジアミン(クローダジャパン株式会社製「プリアミン1075」、分子量:549):1.0モル、キシレン(混合キシレン)とNMPとからなる混合溶媒(質量比:キシレン/NMP=80/20)を投入して攪拌した。得られた溶液に、室温(20℃)で、PMDA:0.66モル、続いて無水マレイン酸:0.80モルを加え、25℃で30分撹拌することにより、末端がマレアミック酸変性されたオリゴアミック酸溶液を得た。次に、この溶液に、酸触媒としてマレイン酸0.4モルを加え、得られた溶液を、攪拌しながら昇温して内容物を加熱還流させた。反応により生成する水を共沸分離しながら約140℃で5時間還流を続けたのち、冷却して、橙黄色の粗MOI溶液(固形分濃度;40質量%)を得た。前記したGPCによるMOIのMnは、4100であった。次に、この粗MOI溶液100gに、抽出溶媒として、メチルアルコール30gとアセトン10gとを加え、20℃で30分撹拌して、懸濁液を得た。この懸濁液を静置することにより、2相分離状態とした後、抽出溶媒層を分離除去した。この操作を、さらに2回繰り返し、精製MOI(MOI−1)を含む溶液を得た。MOI−1のMnを測定した所、4630となり、Mn上昇率は、12.9%であった。
【0025】
<実施例2>
抽出溶媒として、メチルアルコール30gとキシレン20gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、精製MOI(MOI−2)を含む溶液を得た。MOI−2のMnを測定した所、4580となり、Mn上昇率は、11.7%であった。
【0026】
<実施例3>
実施例1で得られたこの粗MOI溶液100gに、一回目の抽出溶媒として、メチルアルコール29.7gとトリエチルアミン0.3gとからなる混合物を加え、20℃で30分撹拌して、懸濁液を得た。この懸濁液を静置することにより、2相分離状態とした後、抽出溶媒層を分離除去したのち、得られたMOI溶液にメチルアルコール30gを加え20℃で30分撹拌して、懸濁液を得た。この懸濁液を静置することにより、2相分離状態とした後、抽出溶媒層を分離除去した。メチルアルコール30gによる抽出操作をさらに1回繰り返し、精製MOI(MOI−3)を含む溶液を得た。MOI−3のMnを測定した所、5230となり、Mn上昇率は、27.6%であった。
【0027】
<実施例4>
一回目の抽出溶媒として、メチルアルコール29.4gとトリエチルアミン0.6gとからなる混合物を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、精製MOI(MOI−4)を含む溶液を得た。MOI−4のMnを測定した所、5560となり、Mn上昇率は、35.6%であった。
【0028】
<比較例1>
抽出溶媒として、水50gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、精製MOI(MOI−5)を含む溶液を得ようとしたがエマルジョン化し、静置だけでは2相に分離させることができなかった。
【0029】
<比較例2>
抽出溶媒として、水50gとアセトン50gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、精製MOI(MOI−6)を含む溶液を得た。MOI−6のMnを測定した所、4170となり、Mn上昇率は、1.7%であった。
【0030】
実施例で示したように、非水溶媒による溶媒抽出で、不純物は効率的に除去されることが判る。これに対し、含水溶媒では、不純物の効率的な除去は難しいことが判る。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明のMOI製造方法は、環境適合性と経済性に優れており、MOIの工業生産に適している。 得られたMOIは、シリコン基板のパシベーション膜、ダイボンディング用接着剤、高周波用基板等用として好適に使用できる。また、ビニルエーテル類、アクリレート類、メタアクリレート類のビニル化合物と均一な共重合を製造することができ、これらの共重合体は、様々な耐熱性樹脂や接着剤の原料として有用である。