(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
正面部と、前記正面部の両側辺のそれぞれに連接する一対の側面部と、前記一対の側面部に連接する背面部と、前記正面部、前記一対の側面部及び前記背面部の少なくともいずれかの下辺に連なって設けられ、底面部を形成可能な複数の底フラップと、を備え、
前記正面部には、この正面部を上下部に分離可能な第1の破断線が形成され、前記一対の側面部には前記第1の破断線に連続する第2の破断線が形成され、
前記複数の底フラップの少なくともいずれか一つは、前記下辺において折り畳まれた際に、前記正面部の内側面又は前記正面部の側辺に重なり得る一辺を有し、更に前記下辺において折り畳まれた際に前記正面部に重なって貼着可能なポップ表示部を前記一辺を介して連接させており、
前記一辺は、前記ポップ表示部を連接させた底フラップから前記ポップ表示部を分離可能とするポップ破断線となっており、
前記複数の底フラップを内側に折り畳んだ状態で、筒状に連接させた前記正面部、前記一対の側面部及び前記背面部を平坦に折り畳んでおき、この際前記ポップ表示部を前記正面部の内面側に貼着させておくことにより、前記正面部、前記一対の側面部及び前記背面部、並びに前記複数の底フラップを立体の筒形状に引き起して製函した際に、前記ポップ表示部を連接させていた前記底フラップから分離させ、前記第1の破断線の上側を除去した前記正面部の開口端から前記ポップ表示部を前傾させ得るブランクシート。
前記第1の破断線を境として分けられる前記正面部の下部は、前記ポップ表示部を貼着させるとともに、前記ポップ表示部と共に正面側に折れ曲がって前記ポップ表示部を前傾させる接合代と、製函後に収容される商品の前面を支持する前面保持部とを有し、
前記ポップ表示部は、前記接合代の内側面に貼着されている請求項1又は2に記載のブランクシート。
正面部と、前記正面部の両側辺のそれぞれに連接する一対の側面部と、前記一対の側面部に連接する背面部と、前記正面部、前記一対の側面部及び前記背面部の少なくともいずれかの下辺に連なって設けられ、底面部を形成可能な複数の底フラップと、を備え、
前記複数の底フラップの少なくともいずれか一つは、前記下辺において折り畳まれた際に、前記正面部の内側面又は前記正面部の側辺に重なり得る一辺を有し、更に前記下辺において折り畳まれた際に前記正面部に重なって貼着可能なポップ表示部を前記一辺を介して連接させており、
前記一辺は、前記ポップ表示部を連接させた底フラップから前記ポップ表示部を分離可能とするポップ破断線となっており、
前記複数の底フラップを内側に折り畳んだ状態で、筒状に連接させた前記正面部、前記一対の側面部及び前記背面部を平坦に折り畳んでおき、この際前記ポップ表示部を前記正面部の内面側に貼着させておくことにより、前記正面部、前記一対の側面部及び前記背面部、並びに前記複数の底フラップを立体の筒形状に引き起して製函した際に、前記ポップ表示部を連接させていた前記底フラップから分離させ、前記正面部の開口端から前記ポップ表示部を前傾させ得るブランクシート。
前記複数の底フラップは、前記正面部の下辺に連接した第1底フラップと、前記一対の側面部の下辺のそれぞれに連接した一対の第2底フラップと、前記背面部の下辺に連接した第3底フラップとを有し、
一対の第2底フラップはそれぞれ、第1底フラップ及び第3底フラップのいずれか一方の一部と接合し、平坦に折り畳まれた状態の筒状の正面部、一対の側面部及び背面部を立体の筒形状に引き起こす動作に伴って、第2底フラップと第1底フラップとを連動させるとともに、第2底フラップと第3底フラップとを連動させて底面部を形成可能な連動接合部を有している請求項8に記載の製函前ブランク。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の包装容器は、商品情報をポップ表示するには、上面重合部の裏面に情報を印字しなければならず、包装容器のブランクシートを両面表示することになるため、製造工程が煩雑となり、コスト高になるという課題があった。
また、特許文献2に記載の包装用箱は、正面部から引き起こした表示部分を半分に折り畳んで表示するものであるため、正面部に表示する内容がポップ表示させたい内容に拘束されてしまうという課題があった。また、この包装用箱は、ポップ表示の大きさを正面部から切り離した表示部の半分程度に制限してしまうという課題があった。
そこで本発明は、ブランクシートの片面に情報を印刷するだけで、正面部の表面に表示された内容及び正面部の切り取り面積に拘束されずにポップ表示をすることができるブランクシート、製函前ブランク及び包装箱を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のブランクシートは、正面部と、前記正面部の両側辺のそれぞれに連接される一対の側面部と、前記一対の側面部に連接される背面部と、前記正面部、前記一対の側面部及び前記背面部の少なくともいずれかの下辺に連なって設けられ、底面部を形成可能な複数の底フラップと、を備え、前記正面部には、この正面部を上下部に分離可能な第1の破断線が形成され、前記一対の側面部には前記第1の破断線に連続する第2の破断線が形成され、前記複数の底フラップの少なくともいずれか一つは、前記下辺において折り畳まれた際に、前記正面部の内側面又は前記正面部の側辺に重なり得る一辺を有し、更に前記下辺において折り畳まれた際に前記正面部に重なって貼着可能なポップ表示部を前記一辺を介して連接させており、前記一辺は、前記ポップ表示部を有した底フラップから前記ポップ表示部を分離可能とするポップ破断線となっており、前記複数の底フラップを内側に折り畳んだ状態で、筒状に連接させた前記正面部、前記一対の側面部及び前記背面部を平坦に折り畳んでおき、この際前記ポップ表示部を前記正面部の内面側に貼着させておくことにより、前記正面部、前記一対の側面部及び前記背面部、並びに前記複数の底フラップを立体の筒形状に引き起して製函した際に、前記ポップ表示部を連接させた前記底フラップから分離させ、前記第1の破断線の上側を除去した前記正面部の開口端から前記ポップ表示部を前傾させ得る。
この構成によれば、一枚からなるブランクシートの一面に印刷をし、ポップ表示部を底フラップに分離可能に連結させるとともに、正面部に貼着させるだけで、簡単にポップ表示部を形成することができる。
【0006】
本発明のブランクシートの前記複数の底フラップは、少なくとも前記正面部の下辺及び前記側面部の一方の下辺のそれぞれに設けられ、前記正面部の下辺に設けられた底フラップ及び前記側面部の一方の下辺に設けられた底フラップの双方に、前記正面部の内側面もしくは前記正面部の側辺に重なり得る前記一辺を有し、前記ポップ表示部は、前記正面部の下辺に設けられた底フラップと、前記側面部の一方の下辺に設けられた底フラップとの双方に、異なる方向から連接していてもよい。
この構成によれば、ブランクシートからのポップ表示部の不用意な分離を防止することができる。
【0007】
本発明のブランクシートの前記第1の破断線を境として分けられる前記正面部の下部は、前記ポップ表示部を貼着させるとともに、前記ポップ表示部と共に正面側に折れ曲がって前記ポップ表示部を前傾させる接合代と、製函後に収容される商品の前面を支持する前面保持部とを有し、前記ポップ表示部は、前記接合代の内側面に貼着されていてもよい。
この構成によれば、接合代を確実にポップ表示に固定させることができるとともに、ポップ表示部を連接させた底フラップを確実に他の底フラップと連結させるための十分な面積を取りやすくなる。
【0008】
本発明のブランクシートの前記第1の破断線を境として分けられる前記正面部の下部は、製函後に収容される商品の前面を支持する前面保持部を構成し、前記ポップ表示部は、前記前面保持部の内側に貼着される接合代を有するとともに、この接合代の上端に折り曲げ線を有していてもよい。
この構成によれば、接合代が前面保持部の内側に貼着されるため、前面保持部に形成する破断線をシンプルにすることができ、ポップ表示部の前傾前の外観性を向上させることができる。
【0009】
本発明のブランクシートの前記正面部には、開口窓を形成可能で、前記第1の破断線と連続する窓形成破断線が形成され、前記ポップ表示部は、前記窓形成破断線において前記正面部の一部を除去し形成される開口窓よりも手前側に突出可能となっていてもよい。
この構成によれば、製函時に正面部等の上部を取り除くことなく開口窓から商品の一部を露出させることができ、かつこの開口窓からポップ表示部を突出させて掲示することができる。
【0010】
本発明のブランクシートの前記ポップ表示部の幅寸法は、前記側方支持部どうしの間又は前記開口窓の幅寸法よりも大きく形成されていてもよい。
この構成によれば、ポップ表示部の印刷領域を大きくすることができるとともに、開口窓の側方にポップ表示部を係止させることができる。
【0011】
正面部と、前記正面部の両側辺のそれぞれに連接される一対の側面部と、前記一対の側面部に連接される背面部と、前記正面部、前記一対の側面部及び前記背面部の少なくともいずれかの下辺に連なって設けられ、底面部を形成可能な複数の底フラップと、を備え、
前記複数の底フラップの少なくともいずれか一つは、前記下辺において折り畳まれた際に、前記正面部の内側面又は前記正面部の側辺に重なり得る一辺を有し、更に前記下辺において折り畳まれた際に前記正面部に重なって貼着可能なポップ表示部を前記一辺を介して連接させており、前記一辺は、前記ポップ表示部を有した底フラップから前記ポップ表示部を分離可能とするポップ破断線となっており、前記複数の底フラップを内側に折り畳んだ状態で、筒状に連接させた前記正面部、前記一対の側面部及び前記背面部を平坦に折り畳んでおき、この際前記ポップ表示部を前記正面部の内面側に貼着させておくことにより、前記正面部、前記一対の側面部及び前記背面部、並びに前記複数の底フラップを立体の筒形状に引き起して製函した際に、前記ポップ表示部を連接させた前記底フラップから分離させ、前記正面部の開口端から前記ポップ表示部を前傾させ得る。
この構成によれば、一枚からなるブランクシートの一面に印刷をし、ポップ表示部を底フラップに分離可能に連結させるとともに、正面部に貼着させるだけで、簡単にポップ表示部を形成することができる。
【0012】
本発明の製函前ブランクは、前記いずれか一のブランクシートを備え、前記ブランクシートの複数の底フラップが、筒状に連接した正面部、一対の側面部及び背面部の内側に折り畳まれるとともにポップ表示部が正面部の内面側に貼着した状態で、筒状の前記正面部、前記一対の側面部及び前記背面部が平坦に折り畳まれている。
この構成によれば、前記したブランクシートと同様の作用を発揮し得る。
【0013】
本発明の製函前ブランクの前記複数の底フラップは、前記正面部の下辺に連接した第1底フラップと、前記一対の側面部の下辺のそれぞれに連接した一対の第2底フラップと、前記背面部の下辺に連接した第3底フラップとを有し、一対の第2底フラップはそれぞれ、第1底フラップ及び第3底フラップのいずれか一方の一部と接合し、平坦に折り畳まれた状態の筒状の正面部、一対の側面部及び背面部を立体の筒形状に引き起こす動作に伴って、第2底フラップと第1底フラップとを連動させるとともに、第2底フラップと第3底フラップとを連動させて底面部を形成可能な連動接合部を有している。
この構成によれば、製函前ブランクによる包装箱の形成工程をシンプルにすることができる。
【0014】
本発明の包装箱は、前記いずれかの製函前ブランクを用いて製函されている。
この構成によれば、上記いずれかの作用を奏する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のブランクシート、製函前ブランク及び包装箱は、ブランクシートへの片面印刷で、正面部の表面に表示された情報内容及び正面部の切り取り面積に拘束されずにポップ表示をすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図を参照して本発明のブランクシート及び包装箱の各実施形態を説明する。
なお、本明細書において、上下左右とは、包装箱を底面部が下面となるように載置し包装箱を正面部から視た場合の相対的な位置関係を指すものであり、正面側を手前側又は前側、背面側を奥側又は後側ということもある。
図1,
図3,
図9,
図10,
図13及び
図18は、ブランクシート1Aを内面側から視た図であるため、後述する右側面部が正面部の左側に、左側面部が正面部の右側に表れている。
【0018】
図1又は
図2に示すように、本発明のブランクシート1Aは、製函時に矩形の四辺から立ち上がり筒状体2を形成する正面部3、一対の側面部4,5及び背面部6と、筒状体2の底側開口部を開閉する複数の底フラップ7,8,8,9と、底フラップ7に連接したポップ表示部15と、蓋部16とを有している。このブランクシート1Aは、剛性のある紙製又は合成樹脂製の1枚のシートを型抜きし,スリットや破断線を入れて形成されている。
【0019】
正面部3は、ブランクシート1Aの製函時、すなわち
図2に示す包装箱X1の状態で正面に向けられる矩形の板状部である。正面部3の上下方向の中間部(本実施形態ではやや下方寄りの位置)には、この正面部3を上下部に分断可能な第1の破断線20が形成されている。
図1に示すように、第1の破断線20は、正面部3の両側辺3s,3sから内側に向かって略水平方向に延びた後、湾曲しつつ少し下方に延びた線20aと、台形の両傾斜辺及び上辺を成す接合代形成線20bとを備えている。
【0020】
接合代形成線20bの両傾斜辺の下端どうしは、折り目線21で結ばれている。
接合代形成線20bと折り目線21とに囲まれた台形の部分は、正面部3の下部35の一部として設けられた接合代22であり、内側面3aに接着材Dを設けてポップ表示部15を接合させるようになっている。
【0021】
正面部3の下部35のうち接合代22を除いた部分は、ブランクシート1Aの製函後の
図2に示す包装箱X1の内部に収容する商品(不図示。以下同様)の前面を支持する前面保持部23を構成している。
詳細には、前面保持部23は、商品の前面下側を支持する下方支持部23kと、下方支持部23kの両側から上方に延び、商品の前面両側部の一部を支持する側方支持部23hとを有している。本実施形態では、側方支持部23hは小さく形成されている。
正面部3の上辺3tには、略台形の短フラップ24が設けられている。
【0022】
一対の側面部4,5は、正面部3の両側辺3s,3sに連なって設けられており、それぞれ右側面部4及び左側面部5を構成している。この一対の側面部4,5は、縦(高さ)方向及び横(幅)方向の寸法を同一とする矩形に形成されている。一対の側面部4,5は、製函時に互いに対向する。
【0023】
一対の側面部4,5には、第1の破断線20の両端20eから連続して、後側の側辺4s,5sに向かってそれぞれ斜め上方に向かって延び、一対の側面部4,5をそれぞれ上下部に分断させ得る第2の破断線25が形成されている。
一対の側面部4,5のうちの一方(本実施形態では右側面部4)の上端には、幅方向の中央部に、蓋部16の開閉を容易にするための台形の切欠部26を形成する切欠き用破断線26Lが形成されている。
【0024】
一対の側面部4,5のうちの他方(本実施形態では左側面部5)の上辺5tには、
図2に示す筒状体2の天面を開閉する蓋部16が連なって設けられている。
蓋部16は、
図2に示す筒状体2の上側開口部の全体を覆い得る面積を有する矩形に形成されている。
蓋部16には、製函時に右側面部4の内側面4aに沿って差し込まれる差し込み片27が形成されている。差し込み片27の先端角部は、製函時に筒状体2内への差し込みを容易にするようアールが形成されている。
【0025】
一対の側面部4,5のうちの一方(本実施形態では左側面部5)の後側の側辺5sには、左側面部5と背面部6とを連結させて
図2に示す筒状体2とするための接合代28が設けられており、同他方の後方側の側辺4sには、背面部6が連なって設けられている。
本実施形態では、接合代28は、台形で小幅に形成されている。
【0026】
背面部6は、本実施形態では、右側面部4の後側の側辺4sに連なって設けられており、縦(高さ)方向及び横(幅)方向の寸法が正面部3と同一である矩形に形成されている。
背面部6の上下方向中間部(本実施形態ではやや上方寄りの位置)には、製函時に2つの第2の破断線25の端部25e,25eと連続する第3の破断線29が形成されている。
【0027】
第3の破断線29は、第1の破断線20及び第2の破断線25と同様、背面部6を上下部に分断可能な線であり、下方に向かって緩やかに湾曲した線となっている。
背面部6の下部65の上端には、背面部6の内側面6a側に向かって折り曲げられ、開口部を形成可能とする折り曲げ片部30が、背面部6の中央又は左右いずれか寄り(本実施形態では右寄りの箇所)に設けられている。
【0028】
折り曲げ片部30は、第3の破断線29の一部と略垂直に交わり、所定の間隔を空けて互いに平行に形成された2つのスリット31,31と、スリット31,31の端部31e同士を結ぶ折り曲げ線32と、第3の破断線29とに囲まれて略矩形に形成されている。なお、折り曲げ片部30は、第3の破断線29から前側に向かって筒状体2の上部を分離するための始点になる箇所であるため、2つのスリット同士の間隔は、特に限定されないが、人の指が1〜3本同時に入る程度の幅寸法があればよい。
【0029】
背面部6の上辺6tには、正面部3と同様の略台形の短フリップ33が設けられている。
背面部6は、製函時には右側面部4の側辺4s及び左側面部5の側辺5sの双方に連接し、正面部3と対向する面を構成する。
【0030】
複数の底フラップ7,8,8,9は、正面部3の下辺3cに連なって設けられた第1底フラップ7と、一対の側面部4,5の下辺4c,5cに連なって設けられた一対の第2底フラップ8,8と、背面部6の下辺6cに連なって設けられた第3底フラップ9とを備えている。複数の底フラップ7,8,8,9は、
図2に示す底面部40を構成する。
以下、説明の便宜の点から、第2底フラップ8から順に説明する。
【0031】
第2底フラップ8は、一対の側面部4,5の下辺4c,5cを下底辺とする台形のベース部41と、ベース部41の内側傾斜辺41nから突出し、第1底フラップ7又は第3底フラップ9と接合してこれらと連動可能となる連動接合部42とを備えている。
【0032】
一対の側面部4,5の下辺4c,5cにそれぞれ設けられたベース部41は、下辺4c,5cが延びる方向に視て下辺4c,5cの中心に対応する幅方向の位置よりも一端側に寄せて先端辺41t(台形でいうと上辺に相当する辺)が位置するように設けられている。言い換えると、一方のベース部41は、第1底フラップ7寄りに、他方のベース部41は製函時に第3底フラップ9寄りに先端辺41tが位置するように形成されている。
【0033】
すなわち、ベース部41は、下辺4c,5cと、その一端から急峻に立ち上がる外側傾斜辺41mと、外側傾斜辺41mの先端から下辺4c,5cに略平行に延びる先端辺41tと、先端辺41tの端から下辺4c,5cに対して緩やかな傾斜を成す内側傾斜辺41z及び内側傾斜辺41nとに囲まれている。内側傾斜辺41zと内側傾斜辺41nとの間には小さな略三角形の切欠き46が形成され、製函時に他のベース部41の切欠き46と互いに係合可能になっている。
【0034】
第2底フラップ8,8は共に略同形状に形成されているが、第1底フラップ7との連動接合部42を有しない第2底フラップ8のベース部41には、連結部45が形成されている。
連結部45は、外側傾斜辺41mの先端辺41t側においてポップ表示部15に向けてわずかに突出するように形成されている。連結部45の側辺45sは、連結点p,p・・を介して連結部45を有する第2底フラップ8とポップ表示部15と連結又は分離させる連結部破断線45sとなっている。
連結部45の連結部破断線45sは、第2底フラップ8が右側面部4に折り重ねられた際に正面部3の内側面3a又は側辺3sと重なり得る一辺を構成している。
【0035】
連動接合部42は、隣り合う第1底フラップ7又は第3底フラップ9に強固に接合できる形状及び大きさで形成されている。
第3底フラップ9は、第2底フラップ8のベース部41よりもやや小さい台形で、下辺6cからの突出が第2底フラップ8よりも小さくなるように形成されている。
【0036】
第1底フラップ7は、第3底フラップ9と同形状の台形の下辺側の約半分のみが形成され、その先端辺7tに略矩形のポップ表示部15が形成されている。
先端辺7tは、第1底フラップ7側にやや湾曲して凹む形状を成している。この先端辺7t上には、ポップ表示部15を第1底フラップ7から分離させるポップ破断線50が形成されている。このポップ破断線50は、正面部3に折り重ねられた際に正面部3の内側面3aと重なり得る一辺を構成している。
【0037】
第1底フラップ7の突出寸法は、第1底フラップ7を正面部3の内側面3aに折り畳んだ際にその先端辺7tが正面部3の前面保持部23の折り目線21と略一致し得る寸法となるように形成されている。
【0038】
以上の構成を有する第1底フラップ7から第3底フラップ9は、それぞれ各下辺3c−6cから立ち上がった際に、それぞれの少なくとも一部が上面視時計回りに隣り合う底フラップに重なり、底面部40の全体をしっかりと閉塞できるようになっている。また、一対の第2底フラップ8,8には互いに係合する切欠き46が形成されており、底面部40の形成時にこれらが係合して容易には外れないボトムロック式の底面部40が形成されるようになっている。
【0039】
そして、連動接合部42が、接着材等によって隣り合う第1底フラップ7又は第3底フラップ9の外表面(
図1で表れている面の裏面)に貼着し、ベース部41の内側傾斜辺41nの一部を折り曲げた状態でベース部41と連接できるようになっている。
【0040】
次に、ブランクシート1Aを折り畳んだ製函前ブランクYにする方法について説明する。
ブランクシート1Aを製函前の折り畳んだ状態にするには、
図3に示すように、ブランクシート1Aの内側面3a―6aに向けて第1底フラップ7から第3底フラップ9を折り畳む。そして、第2底フラップ8の連動接合部42を更に谷折りし、ベース部41に折り重ねる。
【0041】
第1底フラップ7を折り畳む際には、正面部3の下部35に形成された接合代22の内側面3aに接着材Dを設けておき、第1底フラップ7及びポップ表示部15を折り畳んだ際にポップ表示部15を接合代22にしっかりと貼着させる。
【0042】
このように、全ての底フラップ7,8,8,9を正面部3等に折り重ねた状態で、
図4に示すように接合代28が形成された左側面部5を
図3に示す内側面3a,5a同士が対向するように正面部3に重ねる。次に、背面部6を
図3に示す内側面4a,6a同士が対向するように右側面部4に重ねる。
【0043】
そうすると、
図5に示すように第1底フラップ7に連動接合部42が、また他方の連動接合部42に第3底フラップ9が重なり、更に
図4に示すように接合代28に背面部6が重なるので、それぞれの重なる領域に接着材Dを設けておき、折り畳み時に貼着させる。
【0044】
以上により、
図4に示す正面部3、一対の側面部4,5及び背面部6が折り畳まれた筒状体2となるとともに、第1底フラップ7から第3底フラップ9が連動して
図7に示す底面部40の形成が可能な状態となって、製函前ブランクYが完成する。
【0045】
次に、製函前ブランクYを使用してポップ表示部15を前傾可能な包装箱X1を形成する方法と作用について説明する。
製函前ブランクYを包装箱X1にするには、
図4に示す折り畳まれた筒状体2の角部をなす両側部を互いに接近させるように押す。そうすると、連動接合部42が隣り合う第1底フラップ7又は第3底フラップ9に接合しているために,第1底フラップ7及び第2底フラップ8並びに第3底フラップ9と第2底フラップ8とが筒状体2の開口に伴って互いに引っ張り合って、筒状体2の下辺3c−6cから立ち上がり始める。
【0046】
筒状体2の両側部を更に押して開口を進めると、第2底フラップ8が右側面部4の下辺から立ち上がろうとする力が更に加わり、
図6に示すように、ポップ表示部15と連結させている連結部破断線45sが切断される。更には、第2底フラップ8の互いに折り畳まれた連動接合部42とベース部41とが共に底面部40を形成しようと平坦に立ち上がろうし、第1底フラップ7を強く引っ張るため、ポップ破断線50が切断されて、ポップ表示部15が接合代22に接着した状態で第1底フラップ7とポップ表示部15とが分離する。
【0047】
第1底フラップ7及び第2底フラップ8がポップ表示部15から分離することで第1底フラップ7から第3底フラップ9が筒状体2の各下辺から完全に立ち上がり可能になり、
図7に示すように第2底フラップ8のベース部41に形成された切欠き46,46同士が係合し、ロック状態が出来上がって底面部40が形成される。
以上のようにして、蓋部16が開口した状態の包装箱X1が完成する。
【0048】
この包装箱X1を使用する際には、包装箱X1の内部に適宜不図示の商品を収容し、蓋をして運搬又は保管をしておき、小売店等で商品を陳列する際には、切欠き26が形成された背面部6から第3の破断線29、第2の破断線25、及び第1の破断線20に沿って筒状体2の上部を切り取り、除去する。そうすると、
図2に示すように包装箱X1は、商品の上部側を露出可能な状態になり、ポップ表示部15が前面保持部23から突出した状態になるので、
図8に示すようにポップ表示部15を接合代22と共に手前側に折り返してポップ表示部15の表面を前傾させる。
以上により、ポップ表示をした状態で包装箱X1を陳列に使用することができる。
【0049】
このように、本発明のブランクシート1Aは、第1底フラップ7にポップ表示部15を連ね、ポップ表示部15を正面部3の内側面3aに折り重ね、折り目線21においてポップ表示部15を更に前方に折り返す構成となっている。即ち、ブランクシート1Aは、包装箱X1の印字面となる外表面と同じ側の面に印字した情報を前傾させて掲示することができるようになっており、外表面となる面に印字すればよいため、効率的かつ安価に製造をすることができるという効果を奏する。
【0050】
また、製函前ブランクYは、ポップ表示部15を第1底フラップ7に分離可能に設けた上で内側面3aに貼着させており、かつ、第1底フラップ7及び第2底フラップ8並びに第2底フラップ8及び第3底フラップ9を連動可能に貼着させて折り畳んでいる。したがって、製函前ブランクYは、畳まれた筒状体2を四角柱状に起こす動作をするだけで、底フラップ7−9を引き起こして底面部40を張り、更にポップ表示部15を第1底フラップ7から分離させて正面部3に貼り付けた包装箱X1にすることができる。すなわち、製函前ブランクYは、包装箱X1とポップ表示部15を別個に作成した上でポップ表示部15を包装箱X1に貼着させるという工程を回避して、極めて容易にポップ表示部15の掲示が可能な包装箱X1を作成することができるという効果を奏する。
【0051】
また、ブランクシート1A及び製函前ブランクYは、第1底フラップ7とポップ表示部15との接合代22を正面部3の下部35側に形成し、ポップ表示部15を接合代22の内側面3aに貼着させ、かつポップ破断線50をシンプルな湾曲線にしている。したがって、ブランクシート1A及び製函前ブランクYは、底面部40の形成時にポップ表示部15を第1底フラップ7から容易に分離させることができるという効果を奏する。
【0052】
また、ブランクシート1A及び製函前ブランクYは、ポップ表示部15の幅寸法を側方支持部23h,23h間の寸法よりもやや大きく形成している。したがって、ポップ表示部15を折り目線21において折り曲げて前傾させた際に、ポップ表示部15の角部に側方支持部23h,23hを乗り越えさせ、その後はポップ表示部15の角部が側方支持部23hに係合する。よって、ブランクシート1A及び製函前ブランクYは、ポップ表示部15を前傾させた後に折り曲げ前の状態に戻ろうとすることを防止することができるという効果を奏する。また、ブランクシート1A及び製函前ブランクYは、ポップ破断線50が湾曲しているという構成によっても同様の効果を奏する。
【0053】
また、ブランクシート1A及び製函前ブランクYは、第1底フラップ7の先端辺7tと第2底フラップ8の外側傾斜辺41mに設けられた連結部45の側辺45sとにポップ表示部15を連結させている。すなわち、ポップ表示部15が異なる2方向において連接している。したがって、ブランクシート1A及び製函前ブランクYは、印刷を含む製造時にポップ表示部15を分離させてしまうことを効果的に防止し、製造上の歩留まりを抑えることができるという効果を奏する。また、ブランクシート1A及び製函前ブランクYは、ポップ表示部15を異なる2方向から支持しているため、破断線45,50における連結点pの数を少なくし又は連結点pを小さくしてポップ表示部15の分離をより容易にすることが可能となるという効果を奏する。
【0054】
なお、第1の実施形態では、第1底フラップ7に接合する連動接合部42を有しない第2底フラップ8のベース部41は、ポップ表示部15と連結させる連結部45を有していたが、連結部45は必須ではない。具体的には、
図9に示すように、ポップ表示部15は、第1底フラップ7にのみ連結させたものであってもよい。
このような構成とすることで、連結部45を設けることによる第1底フラップ7と、ポップ表示部15と、第2底フラップ8との間の開口を打ち抜く作業を回避することができ、ブランクシート1Aの製造をより容易にすることが可能となる。また、第1の実施形態のブランクシート1A及び製函前ブランクYが有する作用、機能及び効果を発揮することができる。
また、ブランクシート1Aは、連結部45がなく、連結部破断線45sが、正面部3の側編3sに重なった構成であってもよい。
【0055】
また、図示しないが、ポップ表示部15は、
図1に示す連結部45とのみ連結させたものであってもよい。この場合には、連結部45を設けることにより開口部のうち抜きが発生し得るものの、第1の実施形態のブランクシート1A及び製函前ブランクYが有する作用、機能及び効果を発揮することができる。
また、本実施形態では、背面部6に第3の破断線29が形成され、背面部6が上下方向に分離できるようになっているが、背面部6は必ずしも第3の破断線29を有していなくてもよい。この場合、一対の側面部4,5に形成された第2の破断線25,25はそれぞれ、一対の側面部4,5の上端に至らせる等して一対の側面部4,5を上下部に分けるように形成されていればよい。
【0056】
次に、
図10−
図12を用いて本発明の第2の実施形態のブランクシート1B、製函前ブランクY及び包装箱X2について説明する。なお、本実施形態において第1の実施形態のブランクシート1A及び包装箱X1と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、主としてブランクシート1A等と異なる構成について説明する。
【0057】
ブランクシート1Bがブランクシート1Aと異なる点は、ポップ表示部15と正面部3の下部35との接合代80の構成である。すなわち、ブランクシート1Aでは、
図1に示すように、ポップ表示部15と正面部3の下部35との接合代22が下部35に形成されていたのに対し、ブランクシート1Bでは、
図10に示すようにポップ表示部15側に接合代80が形成されている。
詳細には、ポップ表示部15と第1底フラップ7との間に略楕円形状の接合代80が形成されている。そして、接合代80の周及びポップ表示部15と第1底フラップ7との間に破断線81が形成されている。
【0058】
接合代80は、切込み85,85によってポップ表示部15に食い込んで形成されている。切込み85,85の先端同士の間には、ポップ表示部15の一部を折り曲げ可能とする罫線84が形成されている。また、接合代80においてポップ表示部15の外縁の延長線が位置するライン上には、この線においてポップ表示部15を回動させて前傾させるための折り曲げ線86,86が形成されている。
折り曲げ線86,86同士の間には切込み82が形成されている。
一方、第1の破断線20には、上方に僅かに突出した形状の係止凸部83が形成されている。係止凸部83は、接合代80に形成された切込み82に対応する位置に形成されている。
【0059】
ブランクシート1Bによって製函前ブランクを作成する方法は、第1底フラップ7及びポップ表示部15並びに他の底フラップ8,9を正面部3,側面部4,5及び背面部6に折り重ねる際に、接合代80が正面部3の下部35に貼着し得るように接着材Dを接合代80に設ける点以外は、ブランクシート1Aの場合と同様である。
図11に示す包装箱X2において、ポップ表示部15を手前側に折り畳み前傾させた場合には、
図12に示すように係止凸部83を切込み82に挿入させる。また、罫線84において軽い折り癖を付ける。
【0060】
以上の構成を有することにより、ブランクシート1B、これにより作成される製函前ブランクY及び包装箱X2は、ブランクシート1A、製函前ブランクY及び包装箱X1と同様の作用、機能及び効果を得ることができる。
また、ポップ表示部15に形成した接合代80の係止凸部83を切込み82に挿入することができるため、ポップ表示部15の前傾を容易に固定することができるという効果を奏する。
また、折り曲げ線86,86に加え罫線84において、ポップ表示部15を更に前傾方向に折り曲げることができるため、ポップ表示部15の前傾をより安定させることができるという効果を奏する。
【0061】
また、ブランクシート1B、これにより作成される製函前ブランクY及び包装箱X2は、接合代80の罫線84によってポップ表示部15を正面部3の下部35から離して前傾させることができる。したがって、ブランクシート1B、これにより作成される製函前ブランクY及び包装箱X2は、ポップ表示部15において接合代80の両脇に水平方向に延びる不図示の補助罫線を入れ、ポップ表示部15と下部35との間に溝状の隙間を形成することにより、プライスレール等の部材を跨いでポップ表示部15を前傾させることも可能となるという効果を奏する。
【0062】
次に、
図13−
図16を用いて本発明の第3の実施形態のブランクシート1C、製函前ブランクY及び包装箱X3について説明する。なお、本実施形態において第1の実施形態のブランクシート1A及び包装箱X1と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、主としてブランクシート1A及び包装箱X1と異なる構成について説明する。
【0063】
ブランクシート1C、製函前ブランクY及び包装箱X3は、正面部3に第1の破断線20と連続する破断線(窓形成破断線)90Lを有し、この破断線90Lで正面部3を破断することにより開口窓90を形成可能としている点で、第1の実施形態と異なっている。
【0064】
開口窓90を形成する破断線90Lは、不図示の商品の下部をしっかり保持し得る程度に前面保持部23を確保した上で、前面保持部23の上方に略矩形に形成されている。
ポップ表示部15を接合させる接合代22は、開口窓90の幅よりも小さく形成する必要があるため、
図1に示す第1の実施形態における接合代22の幅寸法よりも小さく形成されている。
【0065】
破断線90Lの内側に形成され、開口窓90の形成時に取り除かれる開口片部91の上端部には、破断線90Lにおいて正面部3を破断するきっかけとなる破断開始スリット92が形成されている。
【0066】
以上のブランクシート1Cを用いて製函前ブランクY及び包装箱X3を形成する方法は、第1の実施形態と同様である。
包装箱X3と第1の実施形態の包装箱X1とは、正面部3に開口窓90を形成することにより
図14に示す筒状体2の上部を除去しなくても収容された商品の前面を見せることが可能であるとともに、
図14及び
図15に示すように、開口窓90からポップ表示部15を前傾させることができる点で相違している。この点以外については、ブランクシート1C、製函前ブランクY及び包装箱X3は、第1の実施形態と同一の作用、機能及び効果を奏する。
図16に示すように、包装箱X3の筒状体2の上部を取り除いた状態は、第1の実施形態と略同様である。
【0067】
なお、本実施形態では、ポップ表示部15の幅を開口部の幅以下に設定したが、ポップ表示部15の幅寸法は、
図17に示すように開口窓90の幅、すなわち側方支持部23h,23h間の幅よりも大きく形成されていてもよい。この場合は、ポップ表示部15を開口窓90から容易に出すことが可能なように、ポップ表示部15をその中心方向に折り曲げ可能にする折り曲げ線95,95を形成していることが好ましい。
【0068】
また、本実施形態は、第2の実施形態のブランクシート1B、製函前ブランクY及び包装箱X2に応用して開口窓90を形成しても、本実施形態と同様の作用、機能及び効果を発揮することができる。
【0069】
次に、
図18−
図21を用いて本発明の第4の実施形態のブランクシート1D、製函前ブランクY及び包装箱X4について説明する。なお、本実施形態において第3の実施形態のブランクシート1C及び包装箱X3と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、主としてブランクシート1C及び包装箱X3と異なる構成について説明する。
【0070】
ブランクシート1D及び包装箱X4は、ポップ表示部15を横方向に回動させて正面部3に対し斜め又は直交する方向に情報を掲示することができる点で第3の実施形態と異なる。
【0071】
具体的には、ブランクシート1D及び包装箱X4は、ポップ表示部15を正面部3の下部35にポップ表示部15を接合させる接合代96を開口窓90の一方の側部となる側方支持部23hに形成している。また、接合代96の側辺3s上には、切込み97が形成されている。
一方、ポップ表示部15は、接合代96に対向させることができる幅及び形状で形成されているとともに、幅方向中央部に折り曲げ線98が形成されている。更にポップ表示部15は、折り曲げ線98において折り曲げた際に切込み97に挿入可能な係止凸部99が形成されている。
【0072】
以上の構成により、
図19−
図21に示すように、ブランクシート1Dにより形成された包装箱X4は、ポップ表示部15を横方向に回動させて掲示することができる。また、
図20,
図21に示すように、ポップ表示部15を折り曲げ線98において畳むことによって、左右いずれの方向にも情報を示すことができるという効果を奏する。ブランクシート1D、製函前ブランクY及び包装箱X4は、上記のほかにも第1の実施形態及び第3の実施形態と同様の作用、機能及び効果を奏する。
【0073】
なお、第1の実施形態から第4の実施形態及び上記に示したこれらの変形例では、いずれも蓋部16を有する場合を例示してきたが、ブランクシート1A−1D,製函前ブランクY及び包装箱X1−X4は、蓋部16を有していなくてもよい。
具体的に本発明は、正面部3、一対の側面部4,5及び背面部6の縦(高さ)寸法を各実施形態で例示したものよりも小さく形成した、いわゆる蓋部16を有しないトレイ形状の包装箱又はこれを形成するブランクシート及び製函前ブランクに応用することもできる。
【0074】
また、本発明は、前述した各実施形態のように、ポップ表示部15を第1底フラップ7又は第2底フラップ8のいずれかに分離可能に設けるとともにポップ表示部15を正面部3に貼着させることができ、かつ、底面部40の形成時に第1底フラップ7又は第2底フラップ8から分離して正面部3の開口端から前方に突出して掲示可能に構成されてさえいれば、どのようなブランクシート、製函前ブランクY及び包装箱にも応用することができる。
【0075】
具体的には、トレイ形状の包装箱に天面及び筒状体2を覆う蓋部材を被せ、一対の側面部の互いに対向する箇所で包装箱Xと蓋部材と接合させるブランクシート、製函前ブランクY及び包装箱にも応用することができる。この応用例においては、蓋部材と一対の側面部との接合箇所の周囲に破断線を形成し、この接合箇所を引き起こし又は除去することによって一対の側面部の一部と蓋部材の一部との固定を解除し、蓋部材を着脱自在にできるようにしているとなおよい。
以上、本発明の主要な実施形態について説明したが、本発明は前述した各実施形態及びその変形例又は応用例に限定されるものではなく、係止凸部の差し込み、開口窓90の形成その他の各要素を適宜組み合わせて更に応用することができる。