特許第6949541号(P6949541)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6949541
(24)【登録日】2021年9月27日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】異常報知装置
(51)【国際特許分類】
   B60T 17/22 20060101AFI20210930BHJP
   F16D 66/00 20060101ALI20210930BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20210930BHJP
   B60Q 1/52 20060101ALI20210930BHJP
【FI】
   B60T17/22 Z
   F16D66/00 A
   B60Q1/00 G
   B60Q1/52
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-87383(P2017-87383)
(22)【出願日】2017年4月26日
(65)【公開番号】特開2018-184097(P2018-184097A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2020年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】000227216
【氏名又は名称】日通商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 伸直
(72)【発明者】
【氏名】水井 健介
(72)【発明者】
【氏名】岩下 詳
(72)【発明者】
【氏名】栗本 真也
(72)【発明者】
【氏名】室町 正博
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 正弘
【審査官】 山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0141965(US,A1)
【文献】 特開平11−166566(JP,A)
【文献】 実公昭58−019942(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 15/00−17/22
F16D 49/00−71/04
B60Q 1/00
B60Q 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレーラ(10,10A)の車軸に設けられた少なくとも1つのドラムブレーキ(5)のいずれかの異常が検知された場合に、前記トレーラに連結されたトラクタヘッド(11)に乗車中のドライバーが視認可能な前記トレーラの位置において、前記異常の発生を報知するように構成されており
前記トラクタヘッドに乗車中の前記ドライバーが視認可能な前記トレーラの位置に配置されており、前記異常の発生を点灯状態で報知する灯火装置(4)と、
前記少なくとも1つのドラムブレーキのうち、前記異常が検知された前記ドラムブレーキの位置を表示する表示装置(34)と、を備える
異常報知装置。
【請求項2】
前記表示装置は、前記トレーラの最も前方のタイヤ(13)から予め設定された安全回避距離(Ls)以上、前方に離れた位置に設置されている、請求項に記載の異常報知装置。
【請求項3】
トレーラ(10,10A)の車軸に設けられた少なくとも1つのドラムブレーキ(5)のいずれかの異常が検知された場合に、前記トレーラに連結されたトラクタヘッド(11)に乗車中のドライバーが視認可能な前記トレーラの位置において、前記異常の発生を報知するように構成されており
前記トラクタヘッドに乗車中の前記ドライバーが視認可能な前記トレーラの位置に設置された灯火装置であって、前記異常の発生を点灯状態で報知する第1灯火装置(4)と、
前記少なくとも1つのドラムブレーキのそれぞれごとに、前記少なくとも1つのドラムブレーキのそれぞれに対応したタイヤ(13)の周辺、且つ前記トレーラの外側面に設置された灯火装置であって、対応する前記ドラムブレーキの異常の発生を点灯状態で報知する第2灯火装置(9)と、を備える
異常報知装置。
【請求項4】
前記灯火装置(4,9)は、点灯パターンによって、検知された前記ドラムブレーキの異常の度合いを報知する、請求項のいずれか1項に記載の異常報知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両ブレーキの異常を報知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
トレーラでは、制動力を得やすいドラムブレーキを採用することが多い。しかしながら、ドラムブレーキは放熱性がよくないため、ドラムブレーキの引き摺りが生じると、ドラムブレーキは摩擦熱で過熱状態になりやすい。過熱状態のドラムブレーキの熱は、タイヤを高温にして、タイヤの破裂や車両の火災を引き起こす可能性がある。
【0003】
そこで、特許文献1に記載の異常温度状態検出装置は、車輪ごとの温度センサでドラムブレーキの温度を検出し、各車輪の温度状態が異常状態であるか否かを判定している。そして、上記異常温度状態検出装置は、異常状態であると判定した場合に、トレーラに設けられた送信部からトラクタヘッドの通信端末へ異常情報を送信し、ドライバーに異常状態を報知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3203803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、トラクタヘッドとトレーラの組み合わせは1対1で固定されているわけではなく、1つのトレーラに対して組み合わせられるトラクタヘッドはその時々で異なる。よって、上記異常温度検出装置では、トレーラに組み合わせるトラクタヘッドごとに、トラクタヘッドの通信端末とトレーラの送信部との間での無線通信のペアリングを設定しなければならない。そのため、上記異常温度検出装置は、ペアリングの組み合わせが複雑になり、運用が難しいという問題がある。
【0006】
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、容易に運用できる異常報知装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、異常報知装置であって、トレーラ(10,10A)の車軸に設けられた少なくとも1つのドラムブレーキ(5)のいずれかの異常が検知された場合に、トレーラに連結されたトラクタヘッド(11)に乗車中のドライバーが視認可能なトレーラの位置において、異常の発生を報知する。
【0008】
本開示によれば、トレーラにおいて異常の発生を報知するため、トレーラからトラクタヘッドへ異常情報を送信する必要がない。すなわち、トレーラをどのようなトラクタヘッドと組み合わせても、ペアリングなどの設定作業をする必要がない。また、トラクタヘッドに乗車中のドライバーが視認できるトレーラの位置において、異常の発生を報知するため、トレーラからトラクタヘッドへ異常情報を送信しなくても、ドライバーは異常の発生を認識することができる。よって、異常報知装置を容易に運用することができる。
【0009】
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る異常報知装置が搭載された車両の全体構成及び異常報知装置を構成する各部の配置を示す図である。
図2】制御ボックスの構成を示す図である。
図3】制御ボックスに設置された判定部の構成を示すブロック図である。
図4】第2実施形態に係る異常報知装置を構成する各部の配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。
(第1実施形態)
[1.構成]
まず、本実施形態に係る異常報知装置を搭載する車両の全体構成について、図1を参照して説明する。異常報知装置は、トラック、バス等の自動車や、自動車に牽引されるトレーラ等の被牽引車両に搭載することができる。異常検知装置は、車両が有する各車軸の両端に設けられたドラムブレーキの異常が検知された場合に、異常の発生を報知する。ここでは、ドラムブレーキの異常として、少なくとも、ドラムブレーキの引き摺り状態を検知する。以下では、異常報知装置をトレーラ10に搭載した例について説明する。
【0012】
図1に示すように、トレーラ10は、トラクタヘッド11の後方に連結して牽引されるものである。トレーラ10は、両端にタイヤ13が取り付けられた3本の車軸を有する。また、各車軸の両端には、それぞれドラムブレーキ5が設けられている。さらに、トレーラ10は、複数の温度検出部2、制御ボックス8、警告装置4、及び車載機器群6を備えている。
【0013】
ドラムブレーキ5は、ブレーキドラムと、ブレーキシューと、ブレーキライニングを備える。ブレーキドラムは、底面が除去された円筒状の部材であり、車軸に連結されて、タイヤ13と共に回転する。ブレーキシューは、円弧状に形成された部位を有する一対の部材であり、円弧状の部位が、ブレーキドラムの内周壁と一定の隙間を空けて対向する位置に配置されている。ブレーキライニングは、ブレーキシューのブレーキドラムとの対向面に、2枚ずつ取り付けられている。ブレーキシュー及びブレーキライニングは、タイヤ13と共に回転しない。ドラムブレーキ5は、一対のブレーキシューを移動させて、ブレーキライニングをブレーキドラムに押し付けることで、ブレーキライニングとブレーキドラムとの間で制動力を発生させる。
【0014】
ここで、ブレーキの引き摺りとは、トレーラ10のブレーキシステムの故障により、ブレーキライニングがブレーキドラムに押し付けられたままとなり、ドラムブレーキ5に制動力が発生し続ける状態のことである。このようなブレーキの引き摺りが発生すると、ドラムブレーキ5の温度が上昇し、ドラムブレーキ5内のグリス等油脂類が発火したり、タイヤ13の破裂・火災に至ったりするおそれがある。なお、一般に、トレーラ10のブレーキシステムが故障した場合、ドラムブレーキ5に制動力が発生する方向に、フェールセーフ制御が実施される。
【0015】
温度検出部2は、接触式の温度検出素子を備える周知の温度センサである。接触式の温度センサとしては、例えば、周囲の温度によって抵抗値が変化するサーミスタが挙げられる。温度検出部2は、複数のドラムブレーキ5のそれぞれに設けられ、ドラムブレーキ5又はドラムブレーキ5の周辺の温度を、ブレーキ温度として検出する。
【0016】
具体的には、温度検出部2は、ドラムブレーキ5のブレーキシューの露出部位に取り付けられ、ブレーキシューの温度をブレーキ温度として検出する。あるいは、温度検出部2
は、ドラムブレーキ5のブレーキライニングに取り付けられ、ブレーキライニングの温度をブレーキ温度として検出してもよい。また、温度検出部2は、ドラムブレーキ5のブレーキドラムの周辺に取り付けられ、ブレーキドラム周辺の温度をブレーキ温度として検出してもよい。
【0017】
警告装置4は、複数のドラムブレーキ5のいずれかの異常が検知された場合に、ドラムブレーキ5のいずれかの異常の発生を点灯状態で報知する装置である。本実施形態では、警告装置4として、LEDを備え、LEDの点灯状態で異常の発生を報知する灯火装置を採用している。具体的には、警告装置4は、ドラムブレーキ5の異常発生時に点滅し、異常なしの時に消灯する。警告装置4は、トレーラ10の前端、すなわち、トラクタヘッド11との境界付近で、トラクタヘッド11に乗車中のドライバーが、サイドミラーを介して点灯状態を視認することができる位置に設置されている。
【0018】
車載機器群6は、車両の挙動を表す信号(以下、挙動信号)を検出または伝送する機器である。
制御ボックス8は、図2に示すように、ドラムブレーキ5の異常を判定する判定部3を収納するボックスである。
【0019】
判定部3は、図3に示すように、電源部31、演算部32、測温部33、第2出力制御部35、第1出力制御部37、及び記憶部38を備えた基板である。判定部3の基板の中央には、表示装置34が搭載されている。判定部3は、複数の温度検出部2、車載機器群6、及び警告装置4と、ワイヤ7で接続されており、ワイヤ7を介して、信号のやり取りを行っている。
【0020】
電源部31は、判定部3の基板上の各部へ電源を供給する。
測温部33は、温度検出部2の電気抵抗の変化を検出し、検出した電気抵抗を温度に変換して演算部32へ出力する。
【0021】
記憶部38は、検知されたドラムブレーキ5の異常の履歴を含むデータを記憶する。
演算部32は、CPU、ROM、RAM及び半導体メモリなどを有するマイクロコンピュータを中心に構成されている。演算部32は、ドラムブレーキ5ごとに、ドラムブレーキ5の温度に基づいて、ドラムブレーキ5の異常を判定し、ドラムブレーキ5が異常であると判定した場合には、警告装置4や表示装置34を介してドライバーに報知する。演算部32の各種機能は、CPUが非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。なお、演算部32の機能を実現する手法はソフトウェアに限るものではなく、その一部又は全部の要素について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0022】
第2出力制御部35は、演算部32からの出力命令を受けて、表示装置34での表示を制御する。
第1出力制御部37は、演算部32からの出力命令を受けて、警告装置4の点灯を制御する。その際、第1出力制御部37は、演算部32により検知された異常の度合いに応じて、警告装置4の点灯パターンを変化させてもよい。具体的には、第1出力制御部37は、異常の度合いが直感的に認識されるように、異常の度合いが強いほど、警告装置4の点滅周期を短くしたり、警告装置4の点灯の強さを強くしたりする。これにより、警告装置4は、点灯パターンによって、ドラムブレーキ5の異常の度合いを報知することができる。
【0023】
表示装置34は、液晶パネルを含み、複数のドラムブレーキ5のいずれかの異常が検知された場合に、複数のドラムブレーキ5のうちの異常が検知されたドラムブレーキ5の位
置、つまりどのドラムブレーキ5が異常であるかを表示する。さらに、表示装置34は、検知されたドラムブレーキ5の異常内容を表示してもよい。
【0024】
制御ボックス8は、図2に示すように、前面が開口した方形状の本体部81と、開閉扉82とを備える。判定部3は、表示装置34が前方を向いた状態で、本体部81の後面に設置される。開閉扉82には、透明な覗き窓83が設けられており、覗き窓83から表示装置34を視認できるようになっている。また、判定部3に接続されたワイヤ7は、本体部81の底面に設けられた貫通孔から外部へ取り出される。そして、本体部81と開閉扉82との隙間、及び貫通孔とワイヤ7との隙間には、発泡ゴム材84が配置されて、防水処置がなされている。
【0025】
制御ボックス8は、図1に示すように、トレーラ10の最も前方のタイヤ13から安全回避距離Ls以上、前方に離れた位置に設置されている。安全回避距離Lsは、予め設定された距離であり、トレーラ10のタイヤ13が破裂した場合でも、爆風を避けるために必要な距離である。
【0026】
ドライバーは、トラクタヘッド11に乗車した状態で、警告装置4を視認できるものの、表示装置34を視認することはできない。そのため、ドライバーは、走行中に警告装置4の点灯状態を見てドラムブレーキ5の異常の発生を認識すると、トレーラ10を停車させる。そして、ドライバーは、停車させたトレーラ10の制御ボックス8に近づき、表示装置34の表示内容を見て、どのドラムブレーキ5で異常が発生しているか確認する。その際、制御ボックス8が、最も前方のタイヤ13から安全回避距離Ls以上離れた位置に設置されているため、ドライバーは、タイヤ13が破裂しても巻きこまれない安全な位置で、表示装置34の表示内容を確認することができる。本実施形態では、警告装置4が異常報知装置の灯火装置に相当し、表示装置34が異常報知装置の表示装置に相当する。
【0027】
[2.効果]
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)異常報知装置がトレーラ10に設置されているため、トレーラ10をどのようなトラクタヘッドと組み合わせても、ペアリングなどの設定作業を一切することなく、異常報知装置を使用することができる。
【0028】
(2)ドライバーが視認可能な位置には、警告装置4により異常の発生のみが示され、異常の詳細な情報は、表示装置34により他の位置で示される。そのため、ドライバーは、警告装置4の点灯状態を見て異常の発生を認識した後、トレーラ10を停車させてから、表示装置34を見て、どのドラムブレーキ5が異常であるかを確認することになる。よって、運転中のドライバーが異常の詳細情報に気を取られることが抑制され、ドライバーは運転に集中することができる。ひいては、ドライバーの安全を確保することができる。
【0029】
(3)表示装置34が、トレーラ10の最も前方のタイヤ13から安全回避距離Ls以上離れた位置に設置されているため、ドライバーが表示装置34に近づいて異常の詳細情報を確認する際に、タイヤ13の破裂事故や火災事故に巻き込まれることを抑制できる。
【0030】
(4)警告装置4の点灯パターンによって、検知された異常の度合いを報知することで、ドライバーは、直感的に危険度合を認識することができる。ひいては、ドライバーは運転に集中することを妨げられない。
【0031】
(第2実施形態)
[1.第1実施形態との相違点]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成につい
ては説明を省略し、相違点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0032】
前述した第1実施形態に係るトレーラ10は、複数のドラムブレーキ5のうちの異常箇所を報知する手段として、表示装置34を備えていた。これに対し、第2実施形態に係るトレーラ10Aは、図4に示すように、複数のドラムブレーキ5のうちの異常箇所を報知する手段として、表示装置34の代わりに警告装置9を備える点で、第1実施形態と相違する。
【0033】
図4に示すように、警告装置9は、ドラムブレーキ5ごとに、各ドラムブレーキ5に対応したタイヤ13の上部、且つ、トレーラ10Aの外側面に設置されており、ワイヤ7を介して判定部3と接続されている。本実施形態では、警告装置9は、警告装置4と同様にLEDを備え、LEDの点灯状態で、対応する位置に存在するドラムブレーキ5の異常の発生を報知する。具体的には、警告装置9は、対応する位置に存在するドラムブレーキ5の異常発生時に点滅し、異常なしの時に消灯する。
【0034】
また、本実施形態では、判定部3の第2出力制御部35は、演算部32からの出力命令を受けて、警告装置4の点滅を制御する。その際、第2出力制御部35は、第1出力制御部37と同様に、ドラムブレーキ5の異常の度合いに応じて、警告装置9の点灯パターンを変化させてもよい。本実施形態では、警告装置4が異常報知装置の第1灯火装置に相当し、警告装置9が異常報知装置の第2灯火装置に相当する。
【0035】
本実施形態では、ドライバーは、走行中に警告装置4の点灯状態を見てドラムブレーキ5の異常の発生を認識すると、トレーラ10Aを停車させる。そして、ドライバーは、タイヤ13が破裂しても爆風に巻き込まれない安全な位置から、トレーラ10Aの外側面を視認し、どのドラムブレーキ5で異常が発生しているか確認することができる。本実実施形態では、警告装置9がトレーラ10Aの外側面に設置されているため、ドライバーだけでなく、周囲の通行人や車両も、トレーラ10Aで異常が発生していることを認識することができる。
【0036】
[2.効果]
以上説明した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1)〜(4)に加え、以下の効果が得られる。
【0037】
(5)警告装置9がトレーラ10Aの外側面に設置されていることにより、ドライバー以外の周囲の通行人や並走車両の乗員などにも、異常の発生を知らせやすい。よって、通行人や並走車両の乗員などを、タイヤ13の破裂事故や火災事故に巻き込むことを抑制することができる。
【0038】
(他の実施形態)
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0039】
(a)上記各実施形態では、温度検出部2として、接触式の温度検出素子を備える温度センサを用いているが、非接触式の温度検出措置を備える温度センサを用いてもよい。
(b)上記実施形態では、温度検出部2がドラムブレーキ5のブレーキシューの露出部位に取り付けられているが、これに限定されるものではない。例えば、温度検出部2は、ドラムブレーキ5のブレーキライニングに埋め込まれていてもよい。また、温度検出部2は、ドラムブレーキ5のブレーキドラム側に設けられていてもよい。但し、この場合、判定部3は、ブレーキ温度を無線にて送受信する必要があるので、例えば、既存のTPMS
装置を用いてもよい。TPMSは、タイヤ空気圧監視システム、即ち、Tire Pressure Monitoring Systemの略語である。
【0040】
(c)上記各実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【0041】
(d)上述した異常報知装置の他、当該異常報知装置を構成要素とするシステム、当該異常報知装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、ブレーキの異常報知方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0042】
4…警告装置、5…ドラムブレーキ、10,10A…トレーラ、11…トラクタヘッド。
図1
図2
図3
図4