【実施例】
【0093】
一般的な合成経路
以下に示す方法A〜Fは、式(I)の化合物が得られるいくつかの一般的な合成経路の実施形態である。各方法の詳細な反応条件は下記実施例で確認できる。
【0094】
方法A:
【0095】
【化9】
【0096】
工程aにおいて、出発材料である5−ブロモ−2−クロロ−3−ニトロ−ピリジンを置換反応に供して、2−エトキシ−2−オキソ−エトキシ側鎖を導入することで、工程bにおいて閉環を確実に行うことができる。続いて、工程cにおいて、アミド基を還元してアミノ基を得る。次に、工程dにおいて、二級アミンを様々なアシル化試薬を使用してアシル化することで、工程eにおける鈴木カップリング反応のために保護された7−ブロモ−2,3−ジヒドロピリド[2,3−b][1,4]オキサジンを形成し、工程eの結果、式(I)の化合物を得る。方法Aに図示される一般化学反応に従って、表1の化合物B1、B2、B3、B15、B16、B24、B25、B26、B28、B29、B30及びB36を合成した。
【0097】
方法B:
【0098】
【化10】
【0099】
工程fにおいて、保護された7−ブロモ−2,3−ジヒドロピリド[2,3−b][1,4]オキサジンを宮浦ホウ素化反応に供して、ホウ素化物を得ることができる。ホウ素化物をハロゲン化又はスルホン酸ヘテロアリールと反応させて鈴木カップリング反応を行って、式(I)の化合物を得ることができる。方法Bに図示される一般化学反応に従って、表1の化合物B4、B5、B6、B7、B8、B9、B10、B11、B12、B13、B17、B18、B19、B20、B21、B22、B27、B31、B32及びB35を合成した。
【0100】
方法B’:
【0101】
【化11】
【0102】
方法B’を用いて、選択的脱保護条件下でアミンからtert−ブチルオキシカルボニル保護基(t−Boc)を除去して、遊離アミンを有する式(I)の化合物を得る。なお、別のアミノ基上の別のカルバメート部分は、脱保護中、無傷である。方法B’に図示される一般化学反応に従って、表1の化合物B14を合成した。
【0103】
方法C:
【0104】
【化12】
【0105】
工程hにおいて、4−ブロモ−2−フルオロ−1−ニトロ−ベンゼンでの求核芳香族置換によってアニリン分子を得ることができる。次に、工程iにおいて、ニトロ基を還元して、他のアミノ基に隣接した別の一級アミンを得ることができる。工程jにおいて、ジアミンを臭化シアンと反応させて、2−アミノベンゾイミダゾール誘導体を形成し、次いで分子内アミドを形成することができる。次に、臭化物を鈴木カップリングに供して、式(I)の化合物を得る。方法Cに図示される一般化学反応に従って、表1の化合物B33及びB34を合成した。
【0106】
方法D:
【0107】
【化13】
【0108】
工程lにおいて、5−ブロモ−2−クロロ−3−ニトロ−ピリジンでの求核芳香族置換によって中間体を得ることができ、次に、工程mにおいて中間体のニトロ基を還元し、分子内アシル化工程後に7−ブロモ−3−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−1,5−ナフチリジン−2−オンを得ることができる。次に、工程oにおいて二級アミンをアシル化する。臭化物を鈴木カップリングに供して、式(I)の化合物を得る。方法Dに図示される一般化学反応に従って、表1の化合物B37及びB38を合成した。
【0109】
方法E:
【0110】
【化14】
【0111】
工程qにおいて、還元的アミノ化及び分子内アミド形成によりジアミンから6−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オンを生成することができる。工程rにおいて、二級アミンのさらなるアシル化によって、カルバメート化合物B39−3を形成することができる。工程sにおいて、臭化物を鈴木カップリングに供して、式(I)の化合物を得る。方法Eに図示される一般化学反応に従って、表1の化合物B39を合成した。
【0112】
方法F:
【0113】
【化15】
【0114】
工程tにおいて、求核芳香族置換によって中間体を得ることができ、次に、工程uにおいて中間体のニトロ基を還元し、分子内アシル化工程後に7−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b]ピラジン−2−オン誘導体を得ることができる。工程vにおいて、アミド基を還元して、7−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン誘導体を得る。次に、工程wにおいて遊離二級アミンをアシル化する。臭化物を鈴木カップリングに供して、式(I)の化合物を得る。方法Fに図示される一般化学反応に従って、表1の化合物B40、B41、B42及びB47を合成した。
【0115】
方法G:
【0116】
【化16】
【0117】
工程yにおいて、還元的アミノ化によって臭化物中間体を得、これを鈴木カップリングに供して、式(I)の化合物を得る。方法Gに図示される一般化学反応に従って、表1の化合物B43、B44、B45及びB46を合成した。
【0118】
方法H:
【0119】
【化17】
【0120】
工程aaにおいて、1,3−ジカルボニル試薬を使用して求核芳香族置換を行うことによって、1,3−ジカルボニル部分を有する中間体を得、工程abにおいて酸性プロトンの脱プロトン化後に別のアルキル化を施すことができる。工程acにおける脱カルボキシル化及び工程adにおける還元/アミド形成の後、工程aeにおいてアミドを還元する。次に、工程afにおいて二級アミンをアシル化する。工程agにおいて、臭化物を鈴木カップリング反応に供して、式(I)の化合物を得る。方法Hに図示される一般化学反応に従って、表1の化合物B48及びB49を合成した。
【0121】
方法I:
【0122】
【化18】
【0123】
工程ahにおいて、保護された臭化物を宮浦ホウ素化反応に供して、ホウ素化物を得ることができる。工程aiにおいて、ホウ素化物をハロゲン化又はスルホン酸ヘテロアリールと反応させて鈴木カップリング反応を行って、式(I)の化合物を得ることができる。方法Iに図示される一般化学反応に従って、表1の化合物B50及びB51を合成した。
【0124】
方法J:
【0125】
【化19】
【0126】
工程ajにおいて、1,3−ジカルボニル部分に脱カルボキシル化を施すことができる。次に、工程akにおいて、ニトロ基をアニリンに還元できる。工程alにおいて、アニリン基をアシル化できる。工程amにおいて、エステル基をアルコールに還元し、次いで、工程anにおいて、アルコール基をメシレート基に変換する。工程aoにおいて、塩基性処理によりメシレート基の分子内置換を促進して、6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン誘導体を得、これを工程ahにおいて宮浦ホウ素化反応に供してホウ素化物を得る。工程aqにおいて、ホウ素化物をハロゲン化又はスルホン酸ヘテロアリールと反応させて鈴木カップリング反応を行って、式(I)の化合物を得ることができる。方法Jに図示される一般化学反応に従って、表1の化合物B55、B56、B57、B58、B59、B63、B64、B71、B72、B73、B74、B75、B76及びB77を合成した。
【0127】
方法K:
【0128】
【化20】
【0129】
工程arにおいて、保護された臭化物を鈴木カップリング反応に供して、式(I)の化合物を得ることができる。方法Kに図示される一般化学反応に従って、表1の化合物B52、B53、B54、B61、B62、B65、B66、69、B70及びB78を合成した。
【0130】
方法L:
【0131】
【化21】
【0132】
工程asにおいて、遊離一級アミンをアシル化反応に供して、式(I)の化合物を得ることができる。方法Lに図示される一般化学反応に従って、表1の化合物B60を合成した。
【0133】
方法M:
【0134】
【化22】
【0135】
工程atにおいて、酸性条件下、t−Boc保護基を除去して遊離二級アミンを得、これを工程auにおいて還元的アミノ化によりアルキル化して、式(I)の化合物を得る。方法Mに図示される一般化学反応に従って、表1の化合物B67及びB68を合成した。
【0136】
方法N:
【0137】
【化23】
【0138】
工程avにおいて、テトラヒドロチオピラン基を対応するスルホンへと酸化する。工程awにおいて、エステル基をアルコールに還元し、工程axにおいて、遊離アルコールをメシレートに変換する。工程ayにおいて、アミノ基による分子内置換により、6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン誘導体を形成する。工程azにおいて、鈴木カップリング反応により式(I)の化合物を得ることができる。方法Nに図示される一般化学反応に従って、表1の化合物B69を合成した。
【0139】
方法O:
【0140】
【化24】
【0141】
工程aaaにおいて、銅を触媒とする求核芳香族置換又はUllmann型反応により、6−ブロモキノリン−2−アミン誘導体を形成することができ、これを工程aabにおいて脱保護して、6−ブロモキノリン−2−アミンを得ることができる。工程aacにおけるアシル化及び工程aadにおける鈴木カップリング反応により、式(I)の化合物を形成する。方法Oに図示される一般化学反応に従って、表1の化合物B80を合成した。
【0142】
実施例1:方法Aにより製造した化合物B2
【0143】
【化25】
【0144】
工程1:1)エチル−2−((5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)オキシ)アセテート(B1−1)
5−ブロモ−2−クロロ−3−ニトロピリジン(6.0g、25.4mmol)及び2−ヒドロキシ酢酸エチル(2.9g、28.0mmol)をTHF(150mL)に加えた溶液に0℃で60%NaH(1.3g、1.8mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を室温で8時間撹拌した。水(20mL)を加えて反応をクエンチした後、混合物をブライン(100mL)で処理し、酢酸エチル(50mL×2)により抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。次に、この固体を濾過して、表題化合物を黄色固体として得た(5.5g、71%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.46(d,J=2.0Hz,1H)、8.39(d,J=1.6Hz,1H)、5.05(s,2H)、4.26−4.17(m,2H)、1.28(t,J=7.2Hz,3H)。
【0145】
工程2:7−ブロモ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−2(3H)−オン(B1−2)
B1−1(5.0g、16mmol)の酢酸(80mL)溶液に70℃でFe(5.5g、98mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を70℃で3時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、蒸発させて大部分の酢酸を除去した。この残渣を1N HCl(100mL)に注ぎ入れた。得られた懸濁液を濾過し、フィルターケーキを乾燥して、表題化合物を白色固体として得た(3.3g、91%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ10.94(s,1H)、7.88(s,1H)、7.33(s,1H)、4.81(s,2H)。
【0146】
工程3:7−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン(B1−3)
B1−2(3.3g、14mmol)のBH
3・THF(42mL、42mmol)溶液を80℃で3時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物の溶媒を除去し、残渣を3N HCl(25mL)に溶解した。この混合物を110℃で5時間撹拌し続けた。3N NaOHによりpHを8に調整し、酢酸エチル(50mL×3)により抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。表題化合物を白色固体として得た(2.5g、83%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ7.38(s,1H)、7.02(s,1H)、6.36(s,1H)、4.24(s,2H)、3.27(s,2H)。
【0147】
工程4:シクロヘキシル−7−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−1−カルボキシレート(B1−5)
B1−3(2.0g、9.3mmol)、DIPEA(5.6g、36mmol)及びB1−4(3.0g、18.3mmol)をトルエン(50mL)に加えた混合物を80℃で1時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物をブライン(50mL)で処理し、酢酸エチル(50mL×2)により抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)により精製して、表題化合物を褐色油状物として得た(2.8g、93%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.53(s,1H)、7.97(s,1H)、4.85(s,1H)、4.38(d,J=3.8Hz,3H)、3.91(d,J=3.8Hz,2H)、2.0(m,10H)。
【0148】
工程5:シクロヘキシル−7−(2−アセトアミドベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−1−カルボキシレート(B2)
B1−5(53mg、0.16mmol)、B1−6(330mg、1.0mmol)、Pd(PPh
3)
4(18mg、0.016mmol)、K
2CO
3(75mg、0.5mmol)及びH
2O(1mL)をジオキサン(7mL)に加えた混合物をN
2下、80℃で一晩撹拌した。この混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(15mg、23%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ12.40(s,1H)、8.62(s,1H)、8.24(d,J=5.9Hz,2H)、7.81(d,J=8.4Hz,1H)、7.65(d,J=8.3Hz,1H)、4.79(s,1H)、4.41(s,2H)、3.92(s,2H)、2.21(s,3H)、1.87(s,2H)、1.67(s,2H)、1.60−1.44(m,3H)、1.36(dd,J=22.1,9.8Hz,3H。
【0149】
実施例2:方法A及びBにより製造した化合物B17
【0150】
【化26】
【0151】
工程1:テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルカルボノクロリデート(B17−1)
炭酸ビス(トリクロロメチル)(23.7g、80mmol)のジクロロメタン(200mL)溶液に0℃でピリジン(13.4g、220mmol)を滴下した。10分間撹拌した後、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール(20.4g、200mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液をゆっくりと加えた。この混合物を1時間撹拌した後、得られた溶液を濾過した。濾液を蒸発させて、粗製表題化合物を無色油状物として得た(35g)。
【0152】
工程2:テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル−7−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−1−カルボキシレート(B17−2)
B1−3(2.2g、10mmol)、DIPEA(12.9g、100mmol)及びB17−1(4.9g、30mmol)をトルエン(70mL)に加えた混合物を80℃で1時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物をブライン(50mL)で処理し、酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2/1)により精製して、表題化合物を褐色油状物として得た(3.1g、91%)。
【0153】
工程3:テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル−7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−1−カルボキシレート(B17−3)
B17−2(3.0g、8.8mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(2.5g、9.7mmol)、KOAc(1.7g、17.6mmol)及びPd(dppf)Cl
2(482mg、0.6mmol)をTHF(100mL)に加えた混合物をN
2下、80℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、蒸発させて、粗製表題化合物を黒色油状物として得た(5g)。
【0154】
工程4:tert−ブチル(6−ブロモベンゾ[d]チアゾール−2−イル)カルバメート(B17−4)
6−ブロモベンゾ[d]チアゾール−2−アミン(500mg、2.8mmol)、ピロ炭酸ジ−tert−ブチル(571mg、2.6mmol)及びDMAP(27mg、0.2mmol)をジクロロメタン(20mL)に加えた混合物を室温で12時間撹拌した。この混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(675mg、95%)。
【0155】
工程5:テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル−7−(2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−1−カルボキシレート(B17)
B17−4(51mg、0.16mmol)、B17−3(61mg、0.16mmol)、Pd(PPh
3)
4(18mg、0.016mmol)、K
2CO
3(75mg、0.5mmol)及びH
2O(1mL)をジオキサン(10mL)に加えた混合物をN
2下、80℃で一晩撹拌した。この混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(55mg、50%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ10.10(s,1H)、8.65(s,1H)、8.24(s,1H)、8.00(m,2H)、7.58(d,J=7.6Hz,1H)、5.06(s,1H)、4.46(s,2H)、3.97(d,J=22.6Hz,4H)、3.59(m,2H)、2.04(s,3H)、1.79(d,J=9.0Hz,2H)、1.61(s,9H)。
【0156】
実施例3:方法Bにより製造した化合物B14
工程1:テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル7−(2−アミノベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−1−カルボキシレート塩酸塩(B14)
B17(50mg、0.1mmol)の酢酸エチル(2mL)溶液に室温で3N HCl/EA(5mL)を加えた。室温で12時間撹拌した後、混合物を濾過して、表題化合物を白色固体として得た(36mg、92%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ9.30(s,2H)、8.61(s,1H)、8.19(s,1H)、8.12(s,1H)、7.63(d,J=7.8Hz,1H)、7.55(d,J=8.3Hz,1H)、4.95(s,2H)、4.41(s,2H)、3.94(s,2H)、3.85−3.70(m,2H)、3.51(t,J=8.5Hz,2H)、1.96(d,J=12.2Hz,2H)、1.66(d,J=8.6Hz,2H)。
【0157】
実施例4:方法Cにより製造した化合物B33
【0158】
【化27】
【0159】
工程1:メチル3−((5−ブロモ−2−ニトロフェニル)アミノ)プロパノエート(B33−2)
4−ブロモ−2−フルオロ−1−ニトロベンゼン(2.2g、10mmol)、3−アミノプロパン酸メチル塩酸塩(1.7g、12mmol)及びK
2CO
3(4.1g、30mmol)をTHF(40mL)に加えた混合物を75℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、混合物をブライン(50mL)で処理し、酢酸エチル(40mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、表題化合物を黄色固体として得た(3.3g)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.22(br s,1H)、8.04(d,J=8.4Hz,1H)、7.04(s,1H)、6.79(d,J=8.4Hz,1H)、3.75(s,3H)、3.63(t,J=5.2Hz,2H)、2.75(d,J=6.0Hz,2H)。
【0160】
工程2:メチル3−((2−アミノ−5−ブロモフェニル)アミノ)プロパノエート(B33−3)
B33−2(3.3g、10.9mmol)、Fe(1.8g、32.1mmol)及び飽和NH
4Cl水溶液(20mL)をEtOH(40mL)に加えた混合物を60℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、蒸発させて大部分のEtOHを除去した。残渣をブライン(20mL)で処理し、酢酸エチル(40mL×3)により抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1から5/1)により精製して、表題化合物を褐色固体として得た(2.9g、96%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ6.78(d,J=8.0Hz,1H)、6.74(s,1H)、6.57(d,J=8.0Hz,1H)、3.71(s,3H)、3.40(t,J=6.2Hz,2H)、2.67(t,J=6.2Hz,2H)。
【0161】
工程3:7−ブロモ−3,4−ジヒドロベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−2(1H)−オン(B33−4)
B33−3(1g、3.6mmol)及び臭化シアン(582mg、5.5mmol)からなる混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物を蒸発させた。残渣をTHF(20mL)及びMeOH(2mL)に溶解した。この溶液に1N LiOH(11mL、11mmol)を加え、この混合物を室温で一晩撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、フィルターケーキを真空乾燥して、表題化合物を白色固体として得た(880mg、90%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δ7.23(s,1H)、7.01(d,J=8.4Hz,1H)、6.96(d,J=8.4Hz,1H)、3.96(t,J=7.2Hz,2H)、2.40(t,J=7.2Hz,2H)。
【0162】
工程4:シクロヘキシル7−(2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロベンゾ[4,5]イミダゾ[1,2−a]ピリミジン−7−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−1−カルボキシレート(B33)
B33−4(40mg、0.15mmol)、B4−4(116mg、0.3mmol)、K
3PO
4(127mg、0.6mmol)、Pd(dppf)Cl
2(22mg、0.03mmol)及び水(1mL)を1,4−ジオキサン(7mL)に加えた混合物を、反応系に窒素をパージしながら、80℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(10mg、15%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ11.49(s,1H)、8.59(s,1H)、8.22(s,1H)、7.67(s,1H)、7.48(d,J=8.0Hz,1H)、7.34(d,J=7.6Hz,1H)、4.84−4.73(m,1H)、4.39(s,2H)、4.35−4.25(m,2H)、3.91(s,2H)、2.97−2.86(m,2H)、1.95−1.80(m,2H)、1.73−1.60(m,2H)、1.60−1.27(m,6H)。
【0163】
実施例5:方法Dにより製造した化合物B37
【0164】
【化28】
【0165】
工程1:メチル(R)−2−((5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)オキシ)プロパノエート(B37−1)
5−ブロモ−2−クロロ−3−ニトロピリジン(1.2g、5mmol)及び(R)−2−ヒドロキシプロパン酸メチル(572mg、5.5mmol)をTHF(40mL)に加えた溶液に0℃で60%NaH(220mg、5.5mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を室温で1時間撹拌した。水(20mL)を加えた後、混合物をブライン(100mL)で処理し、酢酸エチル(50mL×2)により抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100/1)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(1.2g、80%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.75(s,1H)、8.62(s,1H)、5.50−5.34(m,1H)、3.67(s,3H)、1.56(d,J=6.4Hz,3H)。
【0166】
工程2:(R)−7−ブロモ−3−メチル−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−2(3H)−オン(B37−2)
B37−1(1.2g、4.0mmol)の酢酸(25mL)溶液に70℃でFe(1.1g、20mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を70℃で3時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、蒸発させて大部分の酢酸を除去した。残渣を1N HCl(20mL)に注ぎ入れた。得られた懸濁液を濾過し、フィルターケーキを乾燥して、表題化合物を白色固体として得た(800mg、82%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ10.92(s,1H)、7.90(s,1H)、7.35(s,1H)、5.02−4.87(m,1H)、1.47(d,J=6.8Hz,3H)。
【0167】
工程3:(R)−7−ブロモ−3−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン(B37−3)
B37−2(800mg、3.3mmol)のBH
3・THF(16mL、16mmol)溶液を80℃で3時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物の溶媒を除去し、残渣を3N HCl(15mL)に溶解した。この混合物を110℃で5時間撹拌し続けた。3N NaOHによりpHを8に調整し、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。表題化合物を白色固体として得た(550mg、73%)。
【0168】
工程4:シクロヘキシル−(R)−7−ブロモ−3−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−1−カルボキシレート(B37−4)
B37−3(253mg、1.1mmol)のTHF(20mL)溶液にN
2下、0℃でNaHMDS(1mL、2mmol)をゆっくりと加えた。10分後、(4−ニトロフェニル)炭酸シクロヘキシル(324mg、1.4mmol)のTHF(5mL)溶液をゆっくりと加え、10分間撹拌した。次に、この反応物にNaHMDS(0.65mL、1.3mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。これを飽和NH
4Cl水溶液によりクエンチし、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)により精製して、表題化合物を無色油状物として得た(200mg、51%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.44(s,1H)、7.99(d,J=1.6Hz,1H)、4.85−4.70(m,1H)、4.55−4.40(m,1H)、4.17−4.04(m,1H)、3.43−3.33(m,1H)、1.91−1.77(m,2H)、1.73−1.59(m,2H)、1.59−1.30(m,9H)。
【0169】
工程5:シクロヘキシル−(R)−7−(2−アセトアミドベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−3−メチル−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−1−カルボキシレート(B37)
B37−4(71mg、0.2mmol)、B1−6(64mg、0.2mmol)、Pd(PPh
3)
4(23mg、0.02mmol)、K
2CO
3(69mg、0.5mmol)及びH
2O(1mL)をジオキサン(7mL)に加えた混合物をN
2下、80℃で一晩撹拌した。この混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(15mg、16%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ12.41(s,1H)、8.56(s,1H)、8.32−8.20(m,2H)、7.81(d,J=8.4Hz,1H)、7.65(d,J=8.0Hz,1H)、4.88−4.71(m,1H)、4.56−4.45(m,1H)、4.14(d,J=12.0Hz,1H)、3.48−3.33(m,1H)、2.21(s,3H)、1.94−1.78(m,2H)、1.76−1.60(m,2H)、1.58−1.30(m,9H)。
【0170】
実施例6:方法Eにより製造した化合物B38
【0171】
【化29】
【0172】
工程1:7−ブロモ−1,4−ジヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3(2H)−オン(B39−2)
5−ブロモピリジン−2,3−ジアミン(2g、10.6mmol)及び50%2−オキソ酢酸(2g、13.8mmol)をH
2O(50mL)に加えた混合物を室温で48時間撹拌した。この反応物を濾過し、フィルターケーキを水で洗浄した。残渣を50mLのメタノールに溶解し、0℃でNaBH
4(1g、26.0mmol)を小分けにして加えた。この混合物を室温で2時間撹拌した。次に、この反応物に6N HCl(10mL)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応物を50℃まで2時間温めた。得られた反応物を蒸発させ、飽和NaHCO
3水溶液によりpHを8に調整した。次に、この混合物を濾過して、灰色固体を得た(2.3g、96%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ7.64(s,1H)、7.01−6.98(m,2H)、3.93(s,2H)。
【0173】
工程2:シクロヘキシル−7−ブロモ−3−オキソ−3,4−ジヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−1(2H)−カルボキシレート(B39−3)
B39−2(1.2g、5.3mmol)のDMF(40mL)溶液にN
2下、0℃でNaHMDS(2M、5mL)をゆっくりと加えた。この混合物を0℃で1時間撹拌した。(4−ニトロフェニル)炭酸シクロヘキシル(1.7g、6.4mmol)のDMF(10mL)溶液をゆっくりと加え、10分間撹拌した。次に、この反応物にNaHMDS(3mL)を加え、室温で一晩撹拌した。これを飽和NH
4Cl水溶液によりクエンチし、酢酸エチル(20mL×3)により抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(34mg、2%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.26(s,1H)、7.30(s,1H)、4.79−4.74(m,1H)、3.97(s,2H)、1.98−1.94(m,2H)、1.80−1.76(m,2H)、1.61−1.58(m,2H)、1.45−1.41(m,2H)、1.40−1.36(m,2H)。
【0174】
工程3:シクロヘキシル−7−(2−アセトアミドベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−1(2H)−カルボキシレート(39)
39−3(32mg、0.1mmol)、B1−6(43mg、0.1mmol)、CsF(27mg、0.2mmol)及びPd(PPh
3)
4(10mg、0.01mmol)をイソプロパノール/H
2O(5mL/1mL)に加えた混合物をN
2下、95℃で一晩撹拌した。この反応物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=200/1から100/1)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(13mg、32%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ12.43(s,1H)、10.88(s,1H)、8.43(s,1H)、8.31(s,1H)、7.88−7.76(m,1H)、7.70−7.68(m,1H)、7.57(s,2H)、4.75(s,1H)、4.39(s,2H)、2.21(s,3H)、1.84−1.76(m,2H)、1.72−1.62(m,2H)、1.56−1.42(m,3H)、1.39−1.28(m,3H)。
【0175】
実施例7:方法Fにより製造した化合物40
【0176】
【化30】
【0177】
工程1:エチル(5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)グリシネート(B40−2)
5−ブロモ−2−クロロ−3−ニトロピリジン(5g、21.0mmol)、グリシンエチルエステル塩酸塩(8.8g、63.0mmol)をTHF(30mL)に加えた懸濁液に0℃でTEA(10g、105.0mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。これを飽和NaCl水溶液(50mL)によりクエンチし、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20/1から5/1)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(6.7g、粗製物)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.57(s,1H)、8.54−8.38(m,2H)、4.35(s,2H)、4.26(s,2H)、1.31(s,3H)。
【0178】
工程2:7−ブロモ−3,4−ジヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−2(1H)−オン(B40−3)
B40−2(3g、9.8mmol)のEtOH(10mL)溶液にSnCl
2・2H
2O(9.1g、49mmol)を小分けにして加えた。この混合物を80℃で2時間撹拌した。この反応物を濾過し、フィルターケーキをEtOH(10mL×2)により洗浄した。表題化合物をオレンジ色固体として得た(2.7g)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ10.49(s,1H)、7.65(s,1H)、7.03−6.99(m,2H)、3.93(s,2H)。
【0179】
工程3:7−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン(B40−4)
B40−3(1.5g、6.6mmol)のBH
3・THF(15mL)溶液を80℃で1.5時間撹拌した。この混合物を冷却し、メタノールによりクエンチしてから、0℃で3N HCl(2mL)を加えた。この混合物を110℃で3時間撹拌し続けた。飽和NaHCO
3水溶液によりpHを9に調整し、ジクロロメタン(10mL×3)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。表題化合物を黄色固体として得た(685mg、48%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ7.23(s,1H)、6.65(s,1H)、6.42(s,1H)、5.89(s,1H)、3.28(s,2H)、3.16(s,2H)。
【0180】
工程4:シクロヘキシル7−ブロモ−3,4−ジヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−1(2H)−カルボキシレート(B40−5)
B40−4(470mg、2.2mmol)及びピリジン(521mg、6.6mmol)をTHF(10mL)に加えた溶液に0℃でB1−4(356mg、2.2mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を0℃で2時間撹拌した。この混合物に飽和NaHCO
3水溶液(20mL)を加え、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)により精製して、表題化合物を無色油状物として得た(340mg、45%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.04(s,1H)、7.82(s,1H)、5.12(s,1H)、3.82(s,2H)、3.50(s,2H)、1.95−1.83(m,2H)、1.58−1.51(m,3H)、1.48−1.36(m,3H)、1.31−1.21(m,3H)。
【0181】
工程5:シクロヘキシル−7−(2−アセトアミドベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−3,4−ジヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−1(2H)−カルボキシレート(B40)
B40−5(100mg、0.3mmol)、B1−6(138mg、0.4mmol)、CsF(88mg、0.6mmol)及びPd(PPh
3)
4(35mg、0.03mmol)をイソプロパノール/H
2O(10mL/1mL)に加えた混合物をN
2下、95℃で一晩撹拌した。得られた反応物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100/2)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(69mg、53%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ12.36(s,1H)、8.13(s,2H)、7.76(d,J=8.4Hz,1H)、7.59(d,J=8.0Hz,1H)、7.10(s,1H)、4.74(s,1H)、3.73(s,2H)、3.42−3.38(m,2H)、2.20(s,3H)、1.93−1.75(m,2H)、1.73−1.60(m,2H)、1.55−1.43(m,3H)、1.39−1.33(m,3H)。
【0182】
実施例8:方法F及びGにより製造した化合物43
【0183】
【化31】
【0184】
工程1:シクロヘキシル−7−ブロモ−4−メチル−3,4−ジヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−1(2H)−カルボキシレート(B43−1)
B40−5(140mg、0.4mmol)及び37%CH
2O(66mg、0.8mmol)をメタノール(3mL)に加えた溶液を室温で30分間撹拌した。次に、この混合物にNaBH
3CN(52mg、0.8mmol)を小分けにして加え、一晩撹拌した。これをH
2Oによりクエンチし、ジクロロメタン(10mL×3)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20/1)により精製して、表題化合物を無色油状物として得た(44mg、30%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.90(s,2H)、4.80(s,1H)、3.86−3.70(m,2H)、3.45−3.40(m,2H)、3.12(s,3H)、1.95−1.78(m,2H)、1.77−1.60(m,2H)、1.55−1.45(m,2H)、1.42−1.37(m,2H)、1.36−1.28(m,2H)。
【0185】
工程2:シクロヘキシル7−(2−アセトアミドベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−4−メチル−3,4−ジヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−1(2H)−カルボキシレート(B43)
B43−1(34mg、0.1mmol)、B1−6(47mg、0.2mmol)、CsF(29mg、0.2mmol)及びPd(PPh
3)
4(8.8mg、0.01mmol)をイソプロパノール/H
2O(5mL/1mL)に加えた混合物をN
2下、95℃で一晩撹拌した。この反応物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100/2)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(7mg、15%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ12.35(s,1H)、8.22(s,1H)、8.14−8.08(m,2H)、7.77−7.75(m,1H)、7.61−7.59(m,1H)、4.74(s,1H)、3.83(s,2H)、3.46(s,2H)、3.12(s,3H)、2.21(s,3H)、1.92−1.78(m,2H)、1.74−1.58(m,2H)、1.57−1.43(m,3H)、1.40−1.28(m,3H)。
【0186】
実施例9:方法Hにより製造した化合物B48
【0187】
【化32】
【0188】
工程1:ジエチル(5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)マロネート(B48−2)
NaH(鉱油中60%、5g、126.0mmol)のDMF(100mL)懸濁液に0℃でマロン酸エチル(20g、126.0mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を室温で30分間撹拌した。5−ブロモ−2−クロロ−3−ニトロピリジン(10g、42.1mmol)のDMF(20mL)溶液をゆっくりと加えた。得られた暗赤色混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を蒸発させ、酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液(50mL×3)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。表題化合物を黄色油状物として得た(18.2g)。
【0189】
工程2:トリエチル1−(5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)エタン−1,1,2−トリカルボキシレート(B48−3)
NaH(鉱油中60%、2.2g、53.2mmol)をDMF(40mL)に加えた混合物に0℃でB48−2(9.6g、26.2mmol)のDMF(5mL)溶液を滴下した。この混合物を1時間撹拌した。2−ブロモ酢酸エチル(6.6g、40.0mmol)のDMF(10mL)溶液をゆっくりと加えた。そして、この反応物を一晩撹拌し続けた。得られた反応物を蒸発させ、飽和NaHCO
3水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(20mL×3)により抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100/1)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(4.9g、41%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.79−8.74(m,1H)、8.57−8.53(m,1H)、4.27−4.18(m,6H)、3.51(s,2H)、1.26−1.21(m,9H)。
【0190】
工程3:エチル3−(5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)プロパノエート(B48−4)
B48−2(2.5g、5.6mmol)を6N HCl(10mL)に加えた混合物をN
2下、80℃で一晩撹拌した。次に、反応物を室温まで冷却し、飽和NaHCO
3水溶液によりpHを9に調整し、ジクロロメタン(10mL×3)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100/1)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(420mg、25%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.81(s,1H)、8.43(s,1H)、4.23(q,J=7.0Hz,2H)、3.44(t,J=6.6Hz,2H)、2.93(t,J=6.6Hz,2H)、1.27−1.25(m,3H)。
【0191】
工程4:7−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1,5−ナフチリジン−2(1H)−オン(B48−5)
B48−3(420mg、1.4mmol)のEtOH(10mL)溶液にSnCl
2・2H
2O(1.3g、7.0mmol)を小分けにして加えた。この混合物を80℃で一晩撹拌した。この混合物を濾過して、表題化合物を白色固体として得た(200mg、63%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.81(s,1H)、8.43(s,1H)、3.45(t,J=6.6Hz,2H)、2.94(t,J=6.4Hz,2H)。
【0192】
工程5:7−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,5−ナフチリジン(B48−6)
B48−4(200mg、0.9mmol)をBH
3・THF(5mL)に加え、この混合溶液を80℃で2時間撹拌した。この混合溶液を冷却し、0℃でMeOHによりクエンチしてから、3N HCl(5mL)を加えた。この混合物を110℃で3時間撹拌し続けた。飽和NaHCO
3水溶液により反応物のpHを9に調整し、ジクロロメタン(20mL)で抽出した。表題化合物を無色油状物として得た(100mg)。
【0193】
工程6:シクロヘキシル−7−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1,5−ナフチリジン−1(2H)−カルボキシレート(B48−7)
B48−6(40mg、0.19mmol)のTHF(10mL)溶液にN
2下、0℃でNaHMDS(0.12mL、0.24mmol)をゆっくりと加えた。10分後、(4−ニトロフェニル)炭酸シクロヘキシル(61mg、0.23mmol)のTHF(2mL)溶液をゆっくりと加え、10分間撹拌した。次に、この反応物にNaHMDS(0.12mL、0.24mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。これを飽和NH
4Cl水溶液(20mL)によりクエンチし、酢酸エチル(20mL×3)により抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=50/1)により精製して、表題化合物を無色油状物として得た(45mg、70%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.42(br s,1H)、8.25(s,1H)、4.91−4.76(m,1H)、3.78(t,J=5.6Hz,2H)、2.92(t,J=6.8Hz,2H)、2.08−1.95(m,2H)、1.94−1.86(m,2H)、1.78−1.66(m,2H)、1.58−1.38(m,6H)。
【0194】
工程7:シクロヘキシル−7−(2−アセトアミドベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−3,4−ジヒドロ−1,5−ナフチリジン−1(2H)−カルボキシレート(B48)
B48−7(45mg、0.13mmol)、B1−6(51mg、0.16mmol)、Pd(PPh
3)
4(15mg、0.013mmol)、K
2CO
3(45mg、0.33mmol)及びH
2O(1mL)をジオキサン(7mL)に加えた混合物をN
2下、80℃で一晩撹拌した。この混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=80/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(19mg、32%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ12.43(s,1H)、8.54(s,1H)、8.40(s,1H)、8.28(s,1H)、7.82(d,J=8.4Hz,1H)、7.69(d,J=8.4Hz,1H)、4.82−4.70(m,1H)、3.77(t,J=5.6Hz,2H)、2.92(t,J=6.0Hz,2H)、2.21(s,3H)、2.02−1.92(m,2H)、1.90−1.79(m,2H)、1.71−1.58(m,2H)、1.58−1.28(m,6H)。
【0195】
実施例10:方法H及びIにより製造した化合物B50
【0196】
【化33】
【0197】
工程1:テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル−7−(2−(シクロプロパンカルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−3,4−ジヒドロ−1,5−ナフチリジン−1(2H)−カルボキシレート(B50)
B49−1(50mg、0.2mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(59mg、0.2mmol)、Pd(dppf)Cl
2(11mg、0.01mmol)及びKOAc(37mg、0.4mmol)をジオキサン(5mL)に加えた懸濁液をN
2下、100℃で5時間撹拌した。この反応物を濾過した。そして、濾液にA61−2(32mg、0.1mmol)、Pd(PPh
3)
4(13mg、0.01mmol)、K
2CO
3(38mg、0.3mmol)及びH
2O(2mL)を加えた。この混合物を85℃で一晩撹拌した。この混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(20mg、38%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ12.84(s,1H)、8.96−8.78(m,2H)、8.18(d,J=8.4Hz,1H)、8.08(d,J=8.4Hz,1H)、4.98(s,1H)、3.88−3.74(m,4H)、3.57−3.47(m,2H)、2.99−2.90(m,2H)、2.08−1.86(m,5H)、1.73−1.59(m,2H)、1.03−0.93(m,4H。
【0198】
実施例11:方法H及びJにより製造した化合物B53
【0199】
【化34】
【0200】
工程1:エチル2−(5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)アセテート(B53−3)
B48−2(8.6g、23.8mmol)及びH
2O(43mg、2.3mmol)をDMSO(20mL)に加えた溶液にLiCl(2.5g、23.8mmol)を加えた。この混合物をN
2下、100℃で一晩撹拌した。この混合物に酢酸エチル(50mL)を加え、飽和NaHCO
3水溶液(50mL×3)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100/1)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(4.1g、67%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.85(s,1H)、8.57(s,1H)、4.28(s,2H)、4.22−4.15(m,2H)、1.29−1.22(m,3H)。
【0201】
工程2:エチル2−(3−アミノ−5−ブロモピリジン−2−イル)アセテート(B53−4)
B53−3(4.1g、14.2mmol)及び飽和NH
4Cl水溶液(20mL)をEtOH(20mL)に加えた懸濁液に室温でFe(2.4g、42.5mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を80℃で3時間撹拌した。この反応物を濾過し、DCM(10mL×3)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(550mg、71%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.02(s,1H)、7.15(s,1H)、4.30−4.05(m,4H)、3.77(s,2H)、1.26(t,J=7.0Hz,3H)。
【0202】
工程3:エチル2−(5−ブロモ−3−((((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)オキシ)カルボニル)アミノ)ピリジン−2−イル)アセテート(B53−5)
B53−4(500mg、1.9mmol)のピリジン(10mL)溶液に0℃でB17−1(467mg、2.8mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。得られた反応物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(1.9g、53%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.43(s,1H)、8.37−8.20(m,2H)、4.96(s,1H)、4.21(q,J=6.8Hz,2H)、4.00−3.92(m,2H)、3.87(s,2H)、3.56(t,J=10.0Hz,2H)、2.08−1.90(m,2H)、1.85−1.70(m,2H)、1.30(t,J=7.0Hz,3H)。
【0203】
工程4:テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル(5−ブロモ−2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン−3−イル)カルバメート(B53−6)
B53−5(550mg、1.4mmol)のEtOH(10mL)溶液に0℃でNaBH
4(81mg、2.1mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。この反応物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(440mg、83%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.40(s,1H)、8.31(s,1H)、5.02−4.87(m,1H)、4.08(s,2H)、3.99−3.91(m,2H)、3.61−3.49(m,2H)、2.97(t,J=5.0Hz,2H)、2.08−1.94(m,2H)、1.80−1.68(m,2H)。
【0204】
工程5:テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(B53−8)
B53−6(200mg、0.5mmol)及びTEA(117mg、1.1mmol)をジクロロメタン(4mL)に加えた溶液に0℃でMsCl(80mg、0.7mmol)を加えた。この混合物を室温で2時間撹拌した。この反応物を蒸発させ、残渣を4mLのジオキサンに溶解した。この溶液にCs
2CO
3(284mg、0.8mmol)を加え、120℃で一晩撹拌した。得られた反応物に飽和NaHCO
3水溶液(10mL)を加え、酢酸エチル(10mL×3)により抽出した。有機層を合わせ、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)により精製して、表題化合物を無色油状物として得た(65mg、34%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.15(s,2H)、5.15−4.90(m,1H)、4.10−4.06(m,2H)、3.96−3.89(m,2H)、3.59(t,J=9.2Hz,2H)、3.19(t,J=8.4Hz,2H)、2.03−1.92(m,2H)、1.78−1.68(m,2H)。
【0205】
工程6:テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル6−(2−アセトアミドベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(B53)
B53−8(50mg、0.15mmol)、B1−6(71mg、0.22mmol)、Pd(PPh
3)
4(17mg、0.015mmol)、K
2CO
3(41mg、0.3mmol)及びH
2O(1mL)をジオキサン(5mL)に加えた懸濁液をN
2下、90℃で一晩撹拌した。この混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100/1)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(36mg、55%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ12.42(s,1H)、8.42(s,1H)、8.28(s,1H)、8.19(s,1H)、7.83(d,J=8.4Hz,1H)、7.68(d,J=8.0Hz,1H)、4.96(s,1H)、4.18−4.00(m,2H)、3.88−3.78(m,2H)、3.60−3.50(m,2H)、3.27−3.18(m,2H)、2.22(s,3H)、2.02−1.88(m,2H)、1.74−1.56(m,2H)。
【0206】
実施例12:方法H及びJにより製造した化合物B59
【0207】
【化35】
【0208】
工程1:テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル6−(2−(シクロプロパンカルボキサミド)チアゾロ[5,4−b]ピリジン−5−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(B59)
B53−8(90mg、0.3mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(101mg、0.4mmol)、Pd(dppf)Cl
2(19mg、0.03mmol)及びKOAc(65mg、0.7mmol)をジオキサン(5mL)に加えた懸濁液をN
2下、100℃で一晩撹拌した。この反応物を濾過した。そして、濾液にB32−1(57mg、0.2mmol)、Pd(PPh
3)
4(23mg、0.02mmol)、K
2CO
3(66mg、0.5mmol)及びH
2O(2mL)を加えた。この混合物をN
2下、90℃で4時間撹拌した。この混合物を濾過し、濾液を蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100/1)により精製して、表題化合物を灰色固体として得た(13mg、15%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ12.88(s,1H)、8.82(s,1H)、8.70−8.58(m,1H)、8.18(d,J=8.4Hz,1H)、8.15−8.06(m,1H)、5.20−4.90(m,1H)、4.18−4.00(m,2H)、3.95−3.80(m,2H)、3.65−3.60(m,2H)、3.31−3.24(m,2H)、2.10−1.90(m,4H)、1.75(s,1H)、0.99(s,4H)。
【0209】
実施例13:方法H、J及びKにより製造した化合物B62
【0210】
【化36】
【0211】
工程1:エチル2−(5−ブロモ−3−(2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アセトアミド)ピリジン−2−イル)アセテート(B61−2)
B53−4(1.5g、5.8mmol)及びピリジン(1.4g、17.4mmol)をTHF(25mL)に加えた溶液に0℃でB61−1(1.2g、7.0mmol)を加えた。この混合物を室温で4時間撹拌した。得られた反応物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2/1)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(1.4g、64%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ9.21(br s,1H)、8.56(s,1H)、8.35(s,1H)、4.27−4.14(m,2H)、4.05−3.91(m,2H)、3.86(s,2H)、3.49−3.35(m,2H)、2.43−2.29(m,2H)、2.26−2.10(m,1H)、1.77−1.65(m,2H)、1.49−1.35(m,2H)、1.31(t,J=7.2Hz,3H)。
【0212】
工程2:N−(5−ブロモ−2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン−3−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アセトアミド(B61−3)
B61−2(1.4g、3.6mmol)のEtOH(10mL)溶液に0℃でNaBH
4(680mg、18mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。この反応物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=30/1)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(1.1g、92%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ9.69(br s,1H)、8.40(s,1H)、8.20(s,1H)、4.95(br s,1H)、3.99−3.63(m,4H)、3.33−3.25(m,2H)、2.98−2.81(m,2H)、2.39−2.20(m,2H)、2.08−1.87(m,1H)、1.77−1.49(m,2H)、1.38−1.14(m,2H)。
【0213】
工程3:2−(5−ブロモ−3−(2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アセトアミド)ピリジン−2−イル)エチルメタンスルホネート(B61−4)
B61−3(1.1g、3.5mmol)及びTEA(400mg、3.9mmol)をジクロロメタン(30mL)に加えた溶液に0℃でMsCl(440mg、3.9mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物をブライン(50mL)で処理し、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、表題化合物を褐色固体として得た(1.4g、95%)。
【0214】
工程4:1−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−イル)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)エタン−1−オン(B61−5)
B61−4(1.4g、3.3mmol)及びCs
2CO
3(1.3g、4.0mmol)をジオキサン(30mL)に加えた混合物を110℃で5時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=70/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(800mg、75%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.37(s,1H)、8.19(s,1H)、4.17(s,2H)、3.83(s,2H)、3.28−2.99(m,4H)、2.49−2.25(m,2H)、2.15−1.91(m,1H)、1.78−1.42(m,2H)、1.40−1.00(m,2H)。
【0215】
工程6:N−(6−(1−(2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アセチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−イル)ベンゾ[d]チアゾール−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド(B62)
B62−5(65mg、0.2mmol)、B3−1(206mg、0.6mmol)、Pd(PPh
3)
4(23mg、0.02mmol)、K
2CO
3(69mg、0.5mmol)及びH
2O(1mL)をジオキサン(7mL)に加えた混合物をN
2下、80℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(20mg、22%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ12.72(br s,1H)、8.58(s,1H)、8.45(s,1H)、8.27(s,1H)、7.81(d,J=8.4Hz,1H)、7.68(d,J=8.0Hz,1H)、4.20(t,J=8.0Hz,2H)、3.89−3.78(m,2H)、3.30−3.19(m,4H)、2.45(d,J=6.4Hz,2H)、2.15−1.94(m,2H)、1.73−1.60(m,2H)、1.36−1.19(m,2H)、1.02−0.88(m,4H)。
【0216】
実施例14:方法H、J及びKにより製造した化合物B78
【0217】
【化37】
【0218】
工程1:エチル2−(5−ブロモ−3−(((オキセタン−3−イルオキシ)カルボニル)アミノ)ピリジン−2−イル)アセテート(B78−1)
炭酸ビス(トリクロロメチル)(1.6g、5.6mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液に0℃でピリジン(1.2g、15.2mmol)を滴下した。10分間撹拌した後、オキセタン−3−オール(1g、14.0mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液をゆっくりと加えた。この混合物を1時間撹拌した。得られた溶液を濾過した。濾液をB53−4(1.2g、4.6mmol)のピリジン(50mL)溶液に加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を蒸発させ、飽和NaHCO
3水溶液(50mL)を加え、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1から5/1)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(1.2g、75%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.61(s,1H)、8.42−8.27(m,2H)、5.57−5.47(m,1H)、4.96−4.90(m,2H)、4.76−4.70(m,2H)、4.22(q,J=7.2Hz,2H)、3.88(s,2H)、1.30(t,J=7.2Hz,3H)。
【0219】
工程2:オキセタン−3−イル(5−ブロモ−2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン−3−イル)カルバメート(B78−2)
B78−1(500mg、1.4mmol)をTHF(20mL)及びH
2O(4mL)の混合溶液に加えた溶液に0℃でNaBH
4(159mg、4.2mmol)を小分けにして加えた。この混合物を0℃で2時間撹拌した。この混合物に飽和NaHCO
3水溶液(20mL)を加え、酢酸エチル(20mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)により精製して、表題化合物を無色油状物として得た(273mg、62%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.42−8.28(m,2H)、8.22(s,1H)、5.57−5.45(m,1H)、4.93(t,J=7.0Hz,2H)、4.76−4.66(m,2H)、4.10(t,J=5.2Hz,2H)、3.00(t,J=5.2Hz,2H)。
【0220】
工程3:2−(5−ブロモ−3−(((オキセタン−3−イルオキシ)カルボニル)アミノ)ピリジン−2−イル)エチルメタンスルホネート(B78−3)
B78−2(273mg、0.86mmol)及びTEA(96mg、0.95mmol)をジクロロメタン(10mL)に加えた溶液に0℃でMsCl(109mg、0.95mmol)を加えた。この混合物を室温で1時間撹拌した。この混合物に飽和NaHCO
3水溶液(10mL)を加え、ジクロロメタン(10mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、表題化合物を黄色油状物として得た(200mg)。
【0221】
工程4:オキセタン−3−イル6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(B78−4)
NaH(鉱油中60%、40mg、1.0mmol)のTHF(15mL)懸濁液に0℃でB78−3(200mg、0.5mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を0℃で1.5時間撹拌した。これを飽和NH
4Cl水溶液によりクエンチし、酢酸エチル(10mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)により精製して、表題化合物を無色固体として得た(120mg、80%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.28−8.11(m,2H)、5.68−5.45(m,1H)、5.05−4.85(m,2H)、4.83−4.60(m,2H)、4.19−4.05(m,2H)、3.33−3.14(m,2H)。
【0222】
工程5:オキセタン−3−イル−6−(2−(シクロプロパンカルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(B78)
B78−4(60mg、0.2mmol)、B1−3(138mg、0.4mmol)、CsF(106mg、0.7mmol)及びPd(PPh
3)
4(23mg、0.02mmol)をイソプロパノール/H
2O(10mL/2mL)に加えた混合物をN
2下、95℃で一晩撹拌した。この反応物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=200/1)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(20mg、23%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ12.72(s,1H)、8.50−8.40(m,1H)、8.29(s,1H)、8.14(s,1H)、7.82(d,J=8.4Hz,1H)、7.68(d,J=8.4Hz,1H)、5.49(s,1H)、4.85(t,J=7.0Hz,2H)、4.62(s,2H)、4.25−4.05(m,2H)、3.24(t,J=8.8Hz,4H)、2.06−1.94(m,1H)、1.02−0.88(m,4H)。
【0223】
実施例15:方法H、J、K及びLにより製造した化合物60
【0224】
【化38】
【0225】
工程1:6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゾ[d]チアゾール−2−アミン(B60−1)
6−ブロモベンゾ[d]チアゾール−2−アミン(500mg、2.2mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(1.1g、4.4mmol)、Pd(dppf)Cl
2(161mg、0.2mmol)及びKOAc(754mg、7.7mmol)をジオキサン(20mL)に加えた懸濁液をN
2下、100℃で一晩撹拌した。この反応物を濾過した。そして、濾液を蒸発させて、表題化合物を黒色油状物として得た(1.5g)。
【0226】
工程2:テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル6−(2−アミノベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(B60−2)
B53−8(100mg、0.3mmol)、B60−1(165mg、0.6mmol)、Pd(PPh
3)
4(35mg、0.03mmol)、K
2CO
3(145mg、1.0mmol)及びH
2O(2mL)をジオキサン(10mL)に加えた懸濁液を90℃で一晩撹拌した。この混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100/1)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(86mg、73%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.35(s,1H)、7.97(s,1H)、7.59(s,2H)、7.49−7.44(m,1H)、7.43−7.38(m,1H)、4.44(s,1H)、4.12−4.02(m,2H)、3.89−3.77(m,2H)、3.40−3.37(m,2H)、3.23−3.18(m,2H)、2.02−1.90(m,2H)、1.71−1.60(m,2H)。
【0227】
工程3:テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル6−(2−(3−メチルウレイド)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(B60)
B60−2(70mg、0.2mmol)及びCDI(142mg、0.9mmol)をDMF(5mL)に加えた溶液を室温で一晩撹拌した。次に、この反応物にTEA(171mg、1.7mmol)及びメチルアミン塩酸塩(115mg、1.7mmol)を加えた。この混合物を室温で3時間撹拌した。得られた反応物を蒸発させ、飽和NaHCO
3水溶液(10mL)を加え、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100/1)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(3mg、4%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ10.92(s,1H)、8.40(s,1H)、8.19(s,2H)、7.70(d,J=8.0Hz,1H)、7.60(d,J=8.0Hz,1H)、6.68(s,1H)、4.96(s,1H)、4.25−3.95(m,2H)、3.92−3.75(m,2H)、3.60−3.45(m,2H)、3.22(t,J=8.6Hz,2H)、2.73(d,J=4.4Hz,3H)、2.05−1.90(m,2H)、1.75−1.60(m,2H)。
【0228】
実施例16:方法H、J、K及びMにより製造した化合物67及び68
【0229】
【化39】
【0230】
工程1:tert−ブチル−4−((クロロカルボニル)オキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(B67−1)
炭酸ビス(トリクロロメチル)(592mg、2mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液に0℃でピリジン(553mg、7mmol)を滴下した。10分間撹拌した後、tert−ブチル4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(950mg、4.7mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液をゆっくりと加えた。この混合物を1時間撹拌した。得られた溶液を濾過し、濾液を蒸発させて、粗製表題化合物を無色油状物として得た(1.1g、92%)。
【0231】
工程2:tert−ブチル−4−(((5−ブロモ−2−(2−エトキシ−2−オキソエチル)ピリジン−3−イル)カルバモイル)オキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(B67−2)
B53−4(130mg、0.5mmol)及びピリジン(160mg、2mmol)をTHF(25mL)に加えた溶液に0℃でB67−1(264mg、1mmol)を加えた。この混合物を室温で4時間撹拌した。得られた反応物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2/1)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(120mg、50%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.42(br s,1H)、8.36−8.22(m,2H)、5.03−4.87(m,1H)、4.28−4.11(m,2H)、3.87(s,2H)、3.81−3.70(m,2H)、3.28−3.15(m,2H)、2.00−1.90(m,2H)、1.76−1.67(m,2H)、1.48(s,9H)。1.30(t,J=6.8Hz,3H)。
【0232】
工程3:tert−ブチル−4−(((5−ブロモ−2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン−3−イル)カルバモイル)オキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(B67−3)
B67−2(850mg、1.8mmol)のEtOH(30mL)溶液に0℃でNaBH
4(333mg、8.8mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。この反応物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=30/1)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(760mg、95%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.40(br s,1H)、8.30(s,1H)、7.93(s,1H)、4.00−4.85(m,1H)、4.17−4.08(m,2H)、3.93−3.75(m,2H)、3.29−3.17(m,2H)、3.04−2.93(m,2H)、2.00−1.85(m,2H)、1.75−1.65(m,2H)、1.46(s,9H)。
【0233】
工程4:tert−ブチル−4−(((5−ブロモ−2−(2−((メチルスルホニル)オキシ)エチル)ピリジン−3−イル)カルバモイル)オキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(B67−4)
B67−3(753mg、1.7mmol)及びTEA(189mg、1.9mmol)をジクロロメタン(20mL)に加えた溶液に0℃でMsCl(213mg、1.9mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物をブライン(50mL)で処理し、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、表題化合物を褐色固体として得た(890mg)。
【0234】
工程5:1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル−6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(B67−5)
B67−4(886mg、1.7mmol)及びCs
2CO
3(665mg、2.0mmol)をジオキサン(30mL)に加えた混合物を110℃で5時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(400mg、55%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.30−8.08(m,2H)、5.11−4.93(m,1H)、4.14−4.04(m,2H)、3.75−3.65(m,2H)、3.38−3.26(m,2H)、3.22−3.14(m,2H)、2.00−1.85(m,2H)、1.82−1.65(m,2H)。1.46(s,9H)。
【0235】
工程6:1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−イル−6−(2−(シクロプロパンカルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(B67−6)
B67−5(106mg、0.25mmol)、B3−1(172mg、0.5mmol)、Pd(PPh
3)
4(29mg、0.025mmol)、K
2CO
3(87mg、0.63mmol)及びH
2O(1mL)をジオキサン(7mL)に加えた混合物をN
2下、80℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(100mg、71%)。
【0236】
工程7:ピペリジン−4−イル−6−(2−(シクロプロパンカルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(B67)
B67−6(50mg、0.09mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液に0℃でTFA(0.5mL)を滴下した。この混合物を室温で4時間撹拌した。得られた反応物を蒸発させた。飽和NaHCO
3水溶液により残渣のpHを8に調整し、ジクロロメタン(20mL×3)により抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、表題化合物を白色固体として得た(20mg、48%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ8.43(s,1H)、8.28(s,1H)、8.17(br s,1H)、7.82(d,J=7.6Hz,1H)、7.68(d,J=8.0Hz,1H)、5.09−4.94(m,1H)、4.26−3.94(m,2H)、3.29−2.96(m,6H)、2.21−1.78(m,5H)、0.96(s,4H)。
【0237】
工程8:1−メチルピペリジン−4−イル−6−(2−(シクロプロパンカルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(B68)
B67(46mg、0.1mmol)及び37%CH
2O(180mg、2mmol)をメタノール(3mL)に加えた溶液を30分間撹拌した。次に、この混合物にNaBH
3CN(13mg、0.2mmol)を小分けにして加え、一晩撹拌した。これをH
2Oによりクエンチし、ジクロロメタン(10mL×3)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(20mg、43%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ11.33(br s,1H)、8.43(s,1H)、8.31(s,1H)、8.04(s,1H)、7.82(d,J=8.0Hz,1H)、7.66(d,J=8.0Hz,1H)、5.18−4.95(m,1H)、4.14(t,J=8.0Hz,2H)、3.33(t,J=8.0Hz,2H)、3.10−2.66(m,4H)、2.58(s,3H)、2.38−2.18(m,2H)、2.15−2.04(m,2H)、1.84−1.71(m,1H)、1.32−1.27(m,2H)、1.09−0.95(m,2H)。
【0238】
実施例17:方法H、J及びNにより製造した化合物B69
【0239】
【化40】
【0240】
工程1:テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イルカルボノクロリデート(B69−1)
炭酸ビス(トリクロロメチル)(1.2g、4mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液に0℃でピリジン(1.1g、14mmol)を滴下した。10分間撹拌した後、tert−ブチル4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(1g、8.5mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液をゆっくりと加えた。この混合物を1時間撹拌した。得られた溶液を濾過した。濾液を蒸発させて、粗製表題化合物を無色油状物として得た(1.5g、98%)。
【0241】
工程2:エチル2−(5−ブロモ−3−((((テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ)カルボニル)アミノ)ピリジン−2−イル)アセテート(B69−2)
B53−4(1.3g、5mmol)及びピリジン(1.2g、15mmol)をTHF(25mL)に加えた溶液に0℃でB69−1(1.4g、7.5mmol)を加えた。この混合物を室温で4時間撹拌した。得られた反応物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(820mg、41%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.42(br s,1H)、8.35−8.18(m,2H)、4.91−4.74(m,1H)、4.29−4.11(m,2H)、3.87(s,2H)、2.91−2.71(m,2H)、2.66(t,J=10.4Hz,2H)、2.30−2.10(m,2H)、2.07−1.84(m,2H)、1.30(t,J=6.8Hz,3H)。
【0242】
工程3:エチル2−(5−ブロモ−3−((((1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ)カルボニル)アミノ)ピリジン−2−イル)アセテート(B69−3)
B69−2(804mg、2mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液に0℃で3−クロロ過安息香酸(1.1g、14mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した後、飽和Na
2S
2O
3水溶液(50mL)を加えて、過剰の3−クロロ過安息香酸をクエンチした。有機相を飽和水溶液(50mL×3)で洗浄し、蒸発させた後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(800mg、92%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.67(br s,1H)、8.41(br s,1H)、8.36(s,1H)、5.18−5.06(m,1H)、4.30−4.15(m,2H)、3.89(s,2H)、3.41−3.20(m,2H)、3.11−2.94(m,2H)、2.48−2.38(m,4H)、1.32(t,J=7.2Hz,3H)。
【0243】
工程4:1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル(5−ブロモ−2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン−3−イル)カルバメート(B69−4)
B69−3(900mg、2.1mmol)のEtOH(50mL)溶液に0℃でNaBH
4(394mg、10.5mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物を濾過して、表題化合物を白色固体として得た(700mg、85%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ9.28(br s,1H)、8.36(d,J=8.4Hz,1H)、8.18(d,J=8.0Hz,1H)、5.05−4.90(m,1H)、3.87−3.61(m,2H)、3.25−3.10(m,4H)、3.02−2.82(m,2H)、2.33−2.05(m,4H)。
【0244】
2−(5−ブロモ−3−((((1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)オキシ)カルボニル)アミノ)ピリジン−2−イル)エチルメタンスルホネート(B69−5)
B69−4(700mg、1.8mmol)及びTEA(200mg、2.0mmol)をジクロロメタン(20mL)に加えた溶液に0℃でMsCl(224mg、2.0mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物をブライン(50mL)で処理し、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、表題化合物を褐色固体として得た(850mg)。
【0245】
工程5:1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(B69−6)
B69−5(844mg、1.8mmol)及びCs
2CO
3(717mg、2.2mmol)をジオキサン(20mL)に加えた混合物を110℃で5時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(600mg、89%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ8.21(s,1H)、8.18(s,1H)、5.22−5.11(m,1H)、4.11(t,J=8.8Hz,2H)、3.30−3.18(m,4H)、3.10−3.05(m,2H)、2.55−2.38(m,4H)。
【0246】
工程6:1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル6−(2−(シクロプロパンカルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(B69)
B69−6(75mg、0.2mmol)、B3−1(124mg、0.36mmol)、Pd(PPh
3)
4(23mg、0.02mmol)、K
2CO
3(70mg、0.5mmol)及びH
2O(1mL)をジオキサン(7mL)に加えた混合物をN
2下、80℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=50/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(57mg、56%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ12.73(br s,1H)、8.43(s,1H)、8.28(s,1H)、8.18(br s,1H)、7.82(d,J=8.4Hz,1H)、7.68(d,J=8.4Hz,1H)、5.22−4.98(m,1H)、4.26−3.97(m,2H)、3.31−3.12(m,6H)、2.38−2.18(m,4H)、2.07−1.95(m,1H)、1.09−0.88(m,4H)。
【0247】
実施例18:方法Oにより製造した化合物80
【0248】
【化41】
【0249】
工程1:6−ブロモ−N−(4−メトキシベンジル)キノリン−2−アミン(B80−1)
6−ブロモ−2−クロロキノリン(242mg、1mmol)、CuI(19mg、0.1mmol)、L−プロリン(23mg、0.2mmol)、Na
2CO
3(212mg、2mmol)及び(4−メトキシフェニル)メチルアミン(410mg、3mmol)をDMSO(10mL)に加えた混合物を80℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=40/1)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(110mg、32%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.71(d,J=7.2Hz,2H)、7.58(s,2H)、7.32(d,J=8.0Hz,2H)、8.88(d,J=8.0Hz,2H)、8.62(d,J=8.8Hz,1H)、5.02(s,1H)、4.63(d,J=4.8Hz,2H)、3.80(s,3H)。
【0250】
工程2:6−ブロモキノリン−2−アミン(B80−2)
B80−1(100mg、0.29mmol)をTFA(4mL)に加えた混合物を80℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を蒸発させた。残渣を1N HCl(10mL)に溶解し、酢酸エチル(10mL×3)で洗浄した。1N NaOHによりpHを9に調整し、ジクロロメタン(20mL×3)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、表題化合物を黄色油状物として得た(50mg、78%)。
【0251】
工程3:N−(6−ブロモキノリン−2−イル)アセトアミド(B80−3)
B80−2(45mg、0.2mmol)の酢酸(2mL)溶液に0℃で無水酢酸(0.5mL)をゆっくりと加えた。この混合物を80℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を蒸発させた。室温まで冷却した後、混合物をNaHCO
3水溶液(20mL)で処理し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、濃縮して、表題化合物を白色固体として得た(30mg、57%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ10.90(s,1H)、8.32(s,2H)、8.19(d,J=1.6Hz,1H)、7.84−7.77(m,1H)、7.72(d,J=8.8Hz,1H)、2.15(s,3H)。
【0252】
工程4:シクロヘキシル7−(2−アセトアミドキノリン−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−1−カルボキシレート(B80)
B80−3(28mg、0.11mmol)、B4−4(70mg、0.18mmol)、Pd(PPh
3)
4(13mg、0.01mmol)、K
2CO
3(38mg、0.28mmol)及びH
2O(1mL)をジオキサン(7mL)に加えた混合物をN
2下、80℃で一晩撹拌した。この混合物を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=80/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(15mg、31%)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ10.86(s,1H)、8.70(s,1H)、8.43−8.36(m,1H)、8.35−8.28(m,2H)、8.13(s,1H)、7.96(d,J=8.4Hz,1H)、7.87(d,J=8.4Hz,1H)、8.87−8.69(m,1H)、4.42(s,2H)、3.93(s,2H)、2.16(s,3H)、1.95−1.82(m,2H)、1.77−1.61(m,2H)、1.61−1.26(m,6H)。
【0253】
【表1-1】
【0254】
【表1-2】
【0255】
【表1-3】
【0256】
【表1-4】
【0257】
【表1-5】
【0258】
【表1-6】
【0259】
【表1-7】
【0260】
【表1-8】
【0261】
【表1-9】
【0262】
【表1-10】
【0263】
【表1-11】
【0264】
【表1-12】
【0265】
【表1-13】
【0266】
【表1-14】
【0267】
生物活性
化合物B1〜B80の有効性は、以下の通り、ネクロトーシスアッセイにおいてそれらの阻害活性を試験した。
【0268】
実施例19:化合物B3の生物学的インビトロHT29細胞アッセイ
ヒト結腸がんHT29細胞をネクロトーシスアッセイに使用した。このアッセイでは、HT29細胞を96ウェルプレートに加えてから、10μMの試験化合物で1時間、前処理した。次に、細胞をTNF−α(40ng/mL)、Smacmimetic(100nM)及びz−VAD(20μM)で48時間処理し、細胞の生存率を定量した。DMSO前処理群を陰性対照として、Nec−1前処理群を陽性対照として使用した。化合物B3を一例として、その結果を
図1に示す。
図1に示される通り、インビトロHT29細胞アッセイにおける化合物B3のIC
50は0.5nMである。
【0269】
実施例20:化合物B3の生物学的インビトロL929細胞アッセイ
マウスL929マウス皮膚線維芽細胞を96ウェルプレートに加えてから、10μMの試験化合物で1時間、前処理した。次に、細胞をTNF−α(40ng/mL)及びz−VAD(20μM)で48時間処理し、アデノシン三リン酸(ATP)濃度を検出することにより、細胞の生存率を定量した。DMSO前処理群を陰性対照として、Nec−1前処理群を陽性対照として使用した。化合物B3を一例として、その結果を
図2に示す。
図2に示される通り、インビトロHT29細胞アッセイにおける化合物B3のIC
50は0.59nMである。
【0270】
【表2-1】
【0271】
【表2-2】
【0272】
【表2-3】
【0273】
表2中、(1)「ND」は「検出せず」を示す。(2)阻害率%の説明:化合物B14を一例として、その阻害率%は30%(50nM)であった。これは、50nMの濃度の化合物B14をHT29細胞アッセイに使用すると、細胞のネクローシスが30%阻害されたことを意味する。
【0274】
図1及び2並びに表2に示される通り、本開示のヘテロアリール化合物は、ネクローシスに対して有効な阻害剤となり得、活性化されたネクローシス経路に起因又は関連する疾患の治療又は予防に使用することができる。