(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つのコンピュータ可読コマンドを記憶するための記憶装置と、少なくとも1つのコンピュータ可読コマンドを実行するためのプロセッサとを含むコンピュータ装置であって、
前記プロセッサによって前記少なくとも1つのコンピュータ可読コマンドが実行される際、
感染症モニタリングの時系列データを取得するステップと、
前記時系列データにおける各感染症モニタリングデータ別の対応時点が流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を計算し、確率系列を獲得するステップと、
前記確率系列における確率ピークを決定して確率ピーク系列を得るステップと、
前記確率ピーク系列における確率ピークを選別し、選別した確率ピークに基づき前記時系列データにおける流行季節/非流行季節の転換点を得るステップと、
流行季節/非流行季節ごとに、流行季節の起点である上昇転換点と、流行季節の終点である下降転換点を含む転換点のタイプを決定するステップと、を実現することを特徴とするコンピュータ装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の上記の目的、特徴及び利点をより明確に理解させるため、図面及び具体的な実施形態を参照しながら本発明を詳しく説明する。なお、矛盾しない限り、本発明の実施例及びその特徴を相互に組み合わせてもよい。
【0014】
本発明を理解させるため、下記の明細書に具体的な細部が記載されているが、記述する実施例は本発明の一部実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。
【0015】
本発明の実施例に基づき、当業者が創造的労働をせずに取得したすべてのその他実施例は、すべて本発明の保護範囲に入る。
【0016】
別段の定義がない限り、本願で使用されるすべての技術および科学用語は、本願発明の技術分野に属する技術者が通常理解する意味と同じである。
【0017】
本願において、本明細書で使用される用語は、特定の実施例を説明するためのものだけであり、本願発明の範囲を制限する意図はない。
【0018】
好ましくは、本願発明の感染症流行予測方法は、1つまたは複数のコンピュータ装置に適用されてもよい。
【0019】
前記コンピュータ装置は、予め設定または記憶したコマンドに従い、数値の計算および/または情報処理を自動的に行うことができるデバイスであり、そのハードウェアは、マイクロプロセッサ、専用集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、プログラマブルゲートアレイ(Field−Programmable Gate Array、FPGA)、デジタルプロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、組み込み式デバイスなどを含むが、これに限定されない。
【0020】
前記コンピュータ装置は、デスクトップコンピュータ、ノートパソコン、パームトップコンピュータ、クラウドサーバなどのコンピュータデバイスであっても良い。
【0021】
前記コンピュータ装置はキーボード、マウス、リモコン、タッチパネル、または音響制御機器などを介してヒューマンコンピュータインタラクションを行う。
【0022】
実施例1
図1は本願発明の実施例1に係る感染症流行予測方法を示すフローチャートである。
【0023】
前記感染症流行予測方法は、コンピュータ装置に適用される。
【0024】
前記感染症流行予測方法は、感染症モニタリング時系列データにおける各感染症モニタリングデータの対応時点が流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を計算し、前記確率に基づき流行季節/非流行季節の転換点を決定し、かつ各流行季節/非流行季節の転換点のタイプを決定し、それによって流行季節と非流行季節を区別する。
【0025】
図1に示したように、前記感染症流行予測方法は、具体的には以下のステップを含む。
【0026】
ステップ101では、感染症モニタリング時系列データを取得する。
【0027】
予め設定された地域(例えば、省、市、地域)に、複数の監視拠点からなる感染症モニタリングネットワークを構築して、前記監視拠点から感染症モニタリングデータを採集し、前記感染症モニタリングデータから感染症モニタリング時系列データを構成する。
【0028】
医療機関、学校、保育所、薬局などを監視拠点として選定してもよく、それぞれの監視対象者に対して感染症の監視を行い、データを採集する。
【0029】
予め設定された条件を充足した場所を監視拠点として選定してもよい。
【0030】
予め設定された条件は、人数、規模などを含んでもよい。
【0031】
例えば、予め設定された在学生人数に達した学校、保育所を監視拠点として選定する。
【0032】
また、薬局の例として、予め設定された規模(例えば日売上実績の統計に基づく規模)に達した薬局を監視拠点として選定する。
【0033】
また、病院の例として、予め設定された規模(例えば1日あたりの外来診療人数実績の統計に基づく規模)に達した病院を監視拠点として選定する。
【0034】
異なる時間帯の感染症モニタリングデータから感染症モニタリング時系列データが構成される。
【0035】
例えば、1日単位で採集した感染症モニタリングデータから感染症モニタリングデータ時系列データを構成してもよい。
【0036】
或いは、1週間単位で採集した感染症モニタリングデータから感染症モニタリング時系列データを構成してもよい。
【0037】
医療機関(例えば主に病院を含む)は、感染症の大流行の予兆を最も早期発見することができる場所であり、感染症モニタリング作業を展開する最優先の選択肢である。
【0038】
患者の診察状況に基づき、感染症のモニタリングデータを取得してもよい。
【0039】
一部の感染症患者は早期症状を緩和するために、自分で薬局に行って薬を購入するので、薬局の薬品販売実績に基づき感染症モニタリングデータを取得してもよい。
【0040】
児童と青少年は感染症のハイリスク集団及び感染症伝播における重要な一環であり、同ハイリスク集団に対するモニタリングも強化しなければならない。
【0041】
学校と保育所は児童と青少年の感染症の発病状況を監視するのに良い場所である。
【0042】
学校と保育所の児童と青少年の病欠状況に基づき、感染症モニタリングデータを得ることができる。
【0043】
そのため、本願発明では主に医療機関、学校、保育所、薬局という3種類の場所を選んで感染症モニタリングデータの採集を行うようにする。
【0044】
もちろん、前記データ源の選定は、他の実施形態でモニタリングデータのデータ源として他の重点対象集団や場所を追加したり置き換えたりすることを制限するものではない。
【0045】
例えば、ホテルを感染症モニタリングの範囲に組み入れ、ホテルの入居者の感染症モニタリングデータを採集してもよい。
【0046】
必要に応じ、いずれかの種類の監視拠点(例えば医療機関)を選定し、そこから採集した感染症モニタリングデータで、感染症モニタリング時系列データを構成してもよい。
【0047】
例えば、病院から採集した感染症モニタリングデータで、感染症モニタリング時系列データを構成してもよい。
【0048】
或いは、複数種類の監視拠点から採集した感染症モニタリングデータを合わせて感染症モニタリング時系列データを構成してもよい。
【0049】
例えば、病院から採集した感染症モニタリングデータを主とし、薬局から採集した感染症モニタリングデータを補足として、感染症モニタリング時系列データを構成してもよい。
【0050】
感染症モニタリングデータには、感染症の受診数、受診率、発病数や発病率などが含まれてもよい。
【0051】
例えば、病院などの医療機関(例えば、病院)から1日あたりの感染症(例えば、インフルエンザ)の受診数を感染症モニタリングデータとして採集してもよい。
【0052】
また、学校の在学生から1日あたりの感染症(例えば、インフルエンザ)の発病数を感染症モニタリングデータとして採集してもよい。
【0053】
ステップ102では、前記時系列データにおける各感染症モニタリングデータの対応時点が流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を計算し、確率系列を獲得する。
【0054】
時間の順に前記時系列データにおける各感染症モニタリングデータの対応時点が流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を計算する。
【0055】
前記時系列データにおける各感染症モニタリングデータの対応時点が流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を、次のように計算する。
【0056】
感染症モニタリング時系列データは、X=[x
0、x
1、χ
2、…、x
t]であり、そのうち時点0は、既知の前の流行季節/非流行季節の転換点であり、時点tは、所定の時点である。
【0057】
表示が時点tから前の流行季節/非流行季節の転換点までの間隔を示す。
【0058】
時点tが流行季節/非流行季節の転換点であれば、r
t=0となる。
【0059】
例えば、時点t=3は流行季節/非流行季節の転換点であれば、r
t=3=0、かつr
t=5=2となり、時点t=5と、前の流行季節/非流行季節の転換点t=3との間隔は2である。
【0060】
したがって、時点tにとっては、その次の時点r
t+1が流行季節/非流行季節の転換点でなければ、r
t+1=r
t+1となり、その次の時点r
t+1が流行季節/非流行季節の転換点であれば、r
t+1=0となる。
【0061】
初期化時に時系列データにおける最初の時点が流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を1に設定する。
【0063】
時点tにおけるr
tの取り得る値の確率には3つの要素がある。
【0065】
そのうちμ
1:t−1、が[x
0、
…、x
t−1]の平均値を示し、σ
1:t−1が[x
0、
…、x
t−1]の標準偏差を示す。
【0066】
てr
t=r
t−1+1またはr
t=0となる。
【0067】
(3)r
t−1がr
tの確率P(r
t|r
t−1)に転化する。
【0068】
確率P(r
t|r
t−1)は人為的に調整できるパラメータである。
P(r
t|r
t−1)が大きくなればなるほど、次の時点tが流行季節/非流行季節の転換点となる確率が高くなる。
【0069】
したがって、時点tが流行季節/非流行季節の転換点に属する確率P
tは次の通りである。
【0070】
以上の方法で時点0から時点tまで流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を計算し、以下の確率系列を得る。
P=[P
0、P
1、P
2、…、P
t]
ステップ103では、前記確率系列における確率ピークを決定して確率ピーク系列を得る。
【0071】
確率系列における各確率とその前・後に隣接する確率の大きさを順に比較し、確率系列における或る1つの確率がその前・後に隣接する確率よりも同時に大きい場合、当該確率は確率系列における確率ピークである。
【0072】
例えば、P
1、P
2、P
3が隣接しており、P
1<P
2かつP
3<P
2の場合は、P
2が確率系列における確率ピークとなる。
【0073】
前記確率系列におけるすべての確率ピークから確率ピーク系列が構成される。
【0074】
ステップ104では、前記確率ピーク系列における確率ピークを選別し、選別した確率ピークに基づき、前記時系列データの流行季節/非流行季節の転換点を得る。
【0075】
前記確率ピーク系列の予め設定された百分位数(または分位数)を算出し、前記予め設定された百分位数(または分位数)を選別の閾値とし、前記確率ピーク系列における確率ピークが予め設定された百分位数(または分位数)より大きい場合、前記確率ピークは流行季節/非流行季節の転換点となる。
【0076】
例えば、確率ピーク系列における第70百分位数(または0.7分位数)を算出し、前記確率ピーク系列における確率ピークが前記確率ピーク系列における第70百分位数(または0.7分位数)より大きい場合、前記確率ピークは流行季節/非流行季節の転換点となる。
【0077】
或いは、前記確率ピーク系列の平均値を算出し、前記平均値を選別の閾値とし、確率ピーク系列における確率ピークが前記平均値よりも大きい場合、前記確率ピークは流行季節/非流行季節の転換点である。
【0078】
或いは、前記確率ピーク系列の中央値を算出し、前記中央値を選別の閾値とし、確率ピーク系列における確率ピークが前記中央値よりも大きい場合、前記確率ピークは流行季節/非流行季節の転換点である。
【0079】
ステップ105では、各流行季節/非流行季節の転換点のタイプを決定し、前記タイプは上昇転換点と下降転換点を含む。
【0080】
前記上昇転換点は感染症流行季節の起点(すなわち感染症非流行季節の終点)であり、前記下降転換点は感染症流行季節の終点(すなわち感染症非流行季節の起点)である。
【0081】
上昇転換点から隣接の下降転換点までは感染症流行季節であり、下降転換点から隣接の上昇転換点までは感染症非流行季節である。
【0082】
流行季節/非流行季節の転換点ごとに、前記時系列データにおける前記流行季節/非流行季節の転換点からその前の流行季節/非流行季節の転換点(前記流行季節/非流行季節の転換点を含まない。その前の流行季節/非流行季節の転換点を含む)までの平均値を算出し、前記流行季節/非流行季節の転換点に対応する感染症モニタリングデータが平均値よりも大きい場合、前記流行季節/非流行季節の転換点は上昇転換点となる。
【0083】
一方、前記流行季節/非流行季節の転換点に対応する感染症モニタリングデータが前記平均値より小さい場合、前記流行季節/非流行季節の転換点は下降転換点となる。
【0084】
或いは、流行季節/非流行季節の転換点ごとに、前記時系列データにおける前記流行季節/非流行季節の転換点からその前の流行季節/非流行季節の転換点(前記流行季節/非流行季節の転換点を含まない。その前の流行季節/非流行季節の転換点を含む)までの平均値、及び前記流行季節/非流行季節の転換点からその次の流行季節/非流行季節の転換点(前記流行季節/非流行季節の転換点を含まない。その次の流行季節/非流行季節の転換点を含む)までの平均値を算出する、としてもよい。
【0085】
前記流行季節/非流行季節の転換点からその前の流行季節/非流行季節の転換点までの平均値が、前記流行季節/非流行季節の転換点からその次の流行季節/非流行季節の転換点までの平均値よりも小さい場合、前記流行季節/非流行季節の転換点は上昇転換点となる。
【0086】
そうでなければ、前記流行季節/非流行季節の転換点からその前の流行季節/非流行季節の転換点までの平均値が、前記流行季節/非流行季節の転換点からその次の流行季節/非流行季節の転換点までの平均値よりも大きい場合、前記流行季節/非流行季節の転換点は下降転換点となる。
【0087】
或いは、流行季節/非流行季節の転換点ごとに、前記時系列データにおける前記流行季節/非流行季節の転換点からその前の流行季節/非流行季節の転換点(前記流行季節/非流行季節の転換点を含まない。その前の流行季節/非流行季節の転換点を含む)までの中央値、及び前記流行季節/非流行季節の転換点からその次の流行季節/非流行季節の転換点(前記流行季節/非流行季節の転換点を含まない。その次の流行季節/非流行季節の転換点を含む)までの中央値を算出する。
【0088】
前記流行季節/非流行季節の転換点からその前の流行季節/非流行季節の転換点までの中央値が、前記流行季節/非流行季節の転換点からその次の流行季節/非流行季節の転換点までの中央値よりも小さい場合、前記流行季節/非流行季節の転換点は上昇転換点となる。
【0089】
そうでなければ、前記流行季節/非流行季節の転換点からその前の流行季節/非流行季節の転換点までの中央値が、前記流行季節/非流行季節の転換点からその次の流行季節/非流行季節の転換点までの中央値よりも大きい場合、前記流行季節/非流行季節の転換点は下降転換点となる。
【0090】
次に、前記感染症流行予測方法について例を挙げて説明する。
【0091】
ステップ101において、感染症モニタリング時系列データ[2、2.5、2、3、2、4、3、6、7、6、5]を取得し、そのうち2、2.5、2、3、2、4、3、6、7、6、5はそれぞれ時点0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10に対応する。
【0092】
ステップ102において、前記時系列データ[2、2.5、2、3、2、4、3、6、7、6、5]における各感染症モニタリングデータ別の対応時点が流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を計算し、確率系列[0.01、0.02、0.01、0.03、0.03、0.06、0.04、0.4、0.02、0.04、0.05]を獲得する。
【0093】
ステップ103において、確率系列[0.01、0.02、0.01、0.03、0.03、0.06、0.04、0.4、0.02、0.04、0.05]における確率ピーク値は、時点t=1の0.02と、時点t=5の0.06と、時点t=7の0.4と決定され、確率ピーク系列[0.02、0.06、0.4]が得られる。
【0094】
ステップ104では、前記確率ピーク系列における[0.02、0.06、0.4]確率ピークを選別し、選別した確率ピークに基づき、前記時系列データの流行季節/非流行季節の転換点を得る。
【0095】
例えば、第0.2分位数の0.026を閾値とし、0.026以下の確率ピークをすべて削除し、すなわち、時点t=1の0.02を削除し、残りの時点t=5の0.06と時点t=7の0.4を残すと、時点t=5とt=7は流行季節/非流行季節の転換点となる。
【0096】
ステップ105において、時点t=5とt=7が流行季節/非流行季節の転換点であるというタイプを判定する。
【0097】
時点t=5前の感染症モニタリングデータは、[2、2.5、2、3、2]であり、平均値は2.3である。
【0098】
時点t=5は4であり、かつ2.3より大きいため、時点t=5は上昇転換点となる。
【0099】
時点t=7から時点t=5の間の感染症モニタリングデータは[4、3]であり、平均値は3.5である。
【0100】
時点t=7は6であり、かつ3.5より大きいため、時点t=7は上昇転換点となる。
【0101】
なお、上記の例では2つの連続的な上昇転換点が現れ、1つ目の上昇転換点は感染症の流行季節の始まりを表し、2つ目の上昇転換点は、低リスクレベルの流行季節から高リスクレベルの流行季節に入ったことを表している。
【0102】
実施例1で開示した感染症流行予測方法は、感染症モニタリングの時系列データを獲得ステップと、前記時系列データにおける各感染症モニタリングデータ別の対応時点が流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を計算し、確率系列を獲得するステップと、前記確率系列における確率ピークを決定して確率ピーク系列を得るステップと、前記確率ピーク系列における確率ピークを選別し、選別した確率ピークに基づき前記時系列データにおける流行季節/非流行季節の転換点を得るステップと、流行季節/非流行季節ごとに、流行季節の起点である上昇転換点と、流行季節の終点である下降転換点を含む転換点のタイプを決定するステップを含む。
【0103】
実施例1は、確率の計算は予測モデルのパラメータによる影響を受けないため、パラメータの調整に多大な時間がかかることを避け、効率的かつ迅速な感染症流行予測を実現する。
【0104】
実施例2
図2は本願発明の実施例2に係る感染症流行予測装置を示した構造図である。
【0105】
図2に示すように、前記感染症流行予測装置10は、取得ユニット201、計算ユニット202、第1決定ユニット203、選別ユニット204、及び第2決定ユニット205、を備える。
【0106】
取得ユニット201は感染症モニタリング時系列データを取得するように構成される。
【0107】
予め設定された地域(例えば、省、市、地域)に、複数の監視拠点からなる感染症モニタリングネットワークを構築してもよく、前記監視拠点から感染症モニタリングデータを採集し、前記感染症モニタリングデータから感染症モニタリング時系列データを構成することができる。
【0108】
医療機関、学校と保育所、薬局などを監視拠点として選定してもよく、それぞれの監視対象者に対し感染症の監視を行い、データを採集する。
【0109】
予め設定された条件を充足した場所を監視拠点として選定してもよい。
【0110】
予め設定された条件は、人数、規模などを含んでもよい。
【0111】
例えば、予め設定された在学生人数に達した学校、保育所を監視拠点として選定する。
【0112】
また、薬局の例として、予め設定された規模(例えば日売上実績の統計に基づく規模)に達した薬局を監視拠点として選定する。
【0113】
また、病院の例として、予め設定された規模(例えば1日あたりの外来診療人数実績の統計に基づく規模)に達した病院を監視拠点として選定する。
【0114】
異なる時間帯の感染症モニタリングデータから感染症モニタリング時系列データが構成される。
【0115】
例えば、1日単位で採集した感染症モニタリングデータから感染症モニタリングデータ時系列データを構成してもよい。
【0116】
或いは、1週間単位で採集した感染症モニタリングデータから感染症モニタリング時系列データを構成してもよい。
【0117】
医療機関(例えば主に病院を含む)は、感染症の大流行の予兆を最も早期発見することができる場所であり、感染症モニタリング作業を展開する最優先の選択肢である。
【0118】
患者の診察状況に基づき、感染症のモニタリングデータを取得してもよい。
【0119】
一部の感染症患者は早期症状を緩和するために、自分で薬局に行って薬を購入するので、薬局の薬品販売実績に基づき感染症モニタリングデータを取得してもよい。
【0120】
児童と青少年は感染症のハイリスク集団及び感染症伝播における重要な一環であり、同ハイリスク集団に対するモニタリングも強化しなければならない。
【0121】
学校と保育所は児童と青少年の感染症の発病状況を監視するのに良い場所である。
【0122】
学校と保育所の児童と青少年の病欠状況に基づき、感染症モニタリングデータを得てもよい。
【0123】
そのため、本願発明では主に医療機関、学校、保育所、薬局という3種類の場所を選んで感染症モニタリングデータの採集を行うようにする。
【0124】
もちろん、前記データ源の選定は、他の実施形態でモニタリングデータのデータ源として他の重点対象集団や場所を追加したり置き換えたりすることを制限するものではない。
【0125】
例えば、ホテルを感染症モニタリングの範囲に組み入れ、ホテルの入居者の感染症モニタリングデータを採集してもよい。
【0126】
必要に応じ、いずれかの種類の監視拠点(例えば医療機関)を選定してもよく、そこから採集した感染症モニタリングデータで、感染症モニタリング時系列データを構成する。
【0127】
例えば、病院から採集した感染症モニタリングデータで、感染症モニタリング時系列データを構成してもよい。
【0128】
或いは、複数種類の監視拠点から採集した感染症モニタリングデータを合わせて感染症モニタリング時系列データを構成してもよい。
【0129】
例えば、病院から採集した感染症モニタリングデータを主とし、薬局から採集した感染症モニタリングデータを補足として、感染症モニタリング時系列データを構成してもよい。
【0130】
感染症モニタリングデータには、感染症の受診数、受診率、発病数や発病率などが含まれてもよい。
【0131】
例えば、病院などの医療機関(例えば、病院)から1日あたりの感染症(例えば、インフルエンザ)の受診数を感染症モニタリングデータとして採集してもよい。
【0132】
また、学校の在学生から1日あたりの感染症(例えば、インフルエンザ)の発病数を感染症モニタリングデータとして採集してもよい。
【0133】
計算ユニット202は、前記時系列データにおける各感染症モニタリングデータの対応時点が流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を計算し、確率系列を獲得するように構成される。
【0134】
時間の順に前記時系列データにおける各感染症モニタリングデータの対応時点が流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を計算する。
【0135】
前記時系列データにおける各感染症モニタリングデータの対応時点が流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を、次のように計算する。
【0136】
感染症モニタリング時系列データは、X=[x
0、x
1、x
2、…、x
t]であり、そのうち時点0は、既知の前の流行季節/非流行季節の転換点であり、時点tは、所与の時点である。
【0137】
が表示時点tから前の流行季節/非流行季節の転換点までの間隔を示す。
【0138】
時点tが流行季節/非流行季節の転換点であれば、r
t=0となる。
【0139】
例えば、時点t=3は流行季節/非流行季節の転換点であれば、r
t=3=0、かつr
t=5=2となり、時点t=5と、前の流行季節/非流行季節の転換点t=3との間隔は2である。
【0140】
したがって、時点tにとっては、その次の時点r
t+1が流行季節/非流行季節の転換点でなければ、r
t+1=r
t+1となり、その次の時点r
t+1が流行季節/非流行季節の転換点であれば、r
t+1=0となる。
【0141】
初期化時に時系列データにおける最初の時点が流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を1に設定する。
【0143】
時点tにおけるr
tの取り得る値の確率には3つの要素がある。
【0144】
(1)時点tの実績値x
tが[x
0…x
t−1]系列分布に基づく確率P(x
t|x
1:t−1)、
【0145】
そのうちμ
1:t−1が[x
0、
…、x
t−1]の平均値を示し、σ
1:t−1が[x
0、
…、x
t−1]の標準偏差を示す。
【0146】
てr
t=r
t−1+1またはr
t=0となる。
【0147】
(3)r
t−1がr
tの確率P(r
t|r
t−1)に転化する。
【0148】
確率P(r
t|r
t−1)は人為的に調整できるパラメータである。
P(r
t|r
t−1)が大きくなればなるほど、次の時点tが流行季節/非流行季節の転換点となる確率が高くなる。
【0149】
したがって、時点tが流行季節/非流行季節の転換点に属する確率P
tは次の通りである:
P
t(r
t)=P
t−1(r
t−1)*P
t(r
t|r
t−1)*P(x
t|x
1:t−1)
以上の方法で時点0から時点tまで流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を計算し、以下の確率系列を得る。しかし
P=[P
0、P
1、P
2、…、P
t]
第1決定ユニット203は、前記確率系列における確率ピークを決定して確率ピーク系列を得るように構成される。
【0150】
確率系列における各確率とその前・後に隣接する確率の大きさを順に比較し、確率系列における或る1つの確率がその前・後に隣接する確率よりも同時に大きい場合、当該確率は確率系列における確率ピークである。
【0151】
例えば、P
1、P
2、P
3が隣接しており、P
1<P
2かつP
3<P
2の場合は、P
2が確率系列における確率ピークとなる。
【0152】
前記確率系列におけるすべての確率ピークから確率ピーク系列が構成される。
【0153】
選別ユニット204は、前記確率ピーク系列における確率ピークを選別し、選別した確率ピークに基づき、前記時系列データの流行季節/非流行季節の転換点を得るように構成される。
【0154】
前記確率ピーク系列の予め設定された百分位数(または分位数)を算出し、前記予め設定された百分位数(または分位数)を選別の閾値とし、前記確率ピーク系列における確率ピークが予め設定された百分位数(または分位数)より大きい場合、前記確率ピークは流行季節/非流行季節の転換点となる。
【0155】
例えば、確率ピーク系列における第70百分位数(または0.7分位数)を算出し、前記確率ピーク系列における確率ピークが前記確率ピーク系列における第70百分位数(または0.7分位数)より大きい場合、前記確率ピークは流行季節/非流行季節の転換点となる。
【0156】
或いは、前記確率ピーク系列の平均値を算出し、前記平均値を選別の閾値とし、確率ピーク系列における確率ピークが前記平均値よりも大きい場合、前記確率ピークは流行季節/非流行季節の転換点である。
【0157】
或いは、前記確率ピーク系列の中央値を算出し、前記中央値を選別の閾値とし、確率ピーク系列における確率ピークが前記中央値よりも大きい場合、前記確率ピークは流行季節/非流行季節の転換点である。
【0158】
第2決定ユニット205は、上昇転換点と下降転換点を含む各流行季節/非流行季節の転換点のタイプを決定するように構成される。
【0159】
前記上昇転換点は感染症流行季節の起点(すなわち感染症非流行季節の終点)であり、前記下降転換点は感染症流行季節の終点(すなわち感染症非流行季節の起点)である。
【0160】
上昇転換点から隣接の下降転換点までは感染症流行季節であり、下降転換点から隣接の上昇転換点までは感染症非流行季節である。
【0161】
流行季節/非流行季節の転換点ごとに、前記時系列データにおける前記流行季節/非流行季節の転換点からその前の流行季節/非流行季節の転換点(前記流行季節/非流行季節の転換点を含まない。その前の流行季節/非流行季節の転換点を含む)までの平均値を算出し、前記流行季節/非流行季節の転換点に対応する感染症モニタリングデータが平均値よりも大きい場合、前記流行季節/非流行季節の転換点は上昇転換点となる。
【0162】
一方、前記流行季節/非流行季節の転換点に対応する感染症モニタリングデータが前記平均値より小さい場合、前記流行季節/非流行季節の転換点は下降転換点となる。
【0163】
或いは、流行季節/非流行季節の転換点ごとに、前記時系列データにおける前記流行季節/非流行季節の転換点からその前の流行季節/非流行季節の転換点(前記流行季節/非流行季節の転換点を含まない。その前の流行季節/非流行季節の転換点を含む)までの平均値、及び前記流行季節/非流行季節の転換点からその次の流行季節/非流行季節の転換点(前記流行季節/非流行季節の転換点を含まない。その次の流行季節/非流行季節の転換点を含む)までの平均値を算出する、としてもよい。
【0164】
前記流行季節/非流行季節の転換点からその前の流行季節/非流行季節の転換点までの平均値が、前記流行季節/非流行季節の転換点からその次の流行季節/非流行季節の転換点までの平均値よりも小さい場合、前記流行季節/非流行季節の転換点は上昇転換点となる。
【0165】
そうでなければ、前記流行季節/非流行季節の転換点からその前の流行季節/非流行季節の転換点までの平均値が、前記流行季節/非流行季節の転換点からその次の流行季節/非流行季節の転換点までの平均値よりも大きい場合、前記流行季節/非流行季節の転換点は下降転換点となる。
【0166】
或いは、流行季節/非流行季節の転換点ごとに、前記時系列データにおける前記流行季節/非流行季節の転換点からその前の流行季節/非流行季節の転換点(前記流行季節/非流行季節の転換点を含まない。その前の流行季節/非流行季節の転換点を含む)までの中央値、及び前記流行季節/非流行季節の転換点からその次の流行季節/非流行季節の転換点(前記流行季節/非流行季節の転換点を含まない。その次の流行季節/非流行季節の転換点を含む)までの中央値を算出する。
【0167】
前記流行季節/非流行季節の転換点からその前の流行季節/非流行季節の転換点までの中央値が、前記流行季節/非流行季節の転換点からその次の流行季節/非流行季節の転換点までの中央値よりも小さい場合、前記流行季節/非流行季節の転換点は上昇転換点となる。
【0168】
そうでなければ、前記流行季節/非流行季節の転換点からその前の流行季節/非流行季節の転換点までの中央値が、前記流行季節/非流行季節の転換点からその次の流行季節/非流行季節の転換点までの中央値よりも大きい場合、前記流行季節/非流行季節の転換点は下降転換点となる。
【0169】
次に、前記感染症流行予測装置について例を挙げて説明する。
【0170】
取得ユニット201は、感染症モニタリング時系列データ[2、2.5、2、3、2、4、3、6、7、6、5]を取得し、そのうち2、2.5、2、3、2、4、3、6、7、6、5はそれぞれ時点0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10に対応する。
【0171】
計算ユニット202は、前記時系列データ[2、2.5、2、3、2、4、3、6、7、6、5]における各感染症モニタリングデータ別の対応時点が流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を計算し、確率系列[0.01、0.02、0.01、0.03、0.03、0.06、0.04、0.4、0.02、0.04、0.05]を獲得する。
【0172】
第1決定ユニット203は、確率系列[0.01、0.02、0.01、0.03、0.03、0.06、0.04、0.4、0.02、0.04、0.05]における確率ピーク値が、時点t=1の0.02と、時点t=5の0.06と、時点t=7の0.4と決定され、確率ピーク系列[0.02、0.06、0.4]が得られる。
【0173】
選別ユニット204は、前記確率ピーク系列における[0.02、0.06、0.4]確率ピークを選別し、選別した確率ピークに基づき、前記時系列データの流行季節/非流行季節の転換点を得る。
【0174】
例えば、第0.2分位数の0.026を閾値とし、0.026以下の確率ピークをすべて削除し、すなわち、時点t=1の0.02を削除し、残りの時点t=5の0.06と時点t=7の0.4を残すと、時点t=5とt=7は流行季節/非流行季節の転換点となる。
【0175】
第2決定ユニット205は、時点t=5とt=7が流行季節/非流行季節の転換点であるというタイプを判定する。
【0176】
時点t=5前の感染症モニタリングデータは、[2、2.5、2、3、2]であり、平均値は2.3である。
【0177】
時点t=5は4であり、かつ2.3より大きいため、時点t=5は上昇転換点となる。
【0178】
時点t=7から時点t=5の間の感染症モニタリングデータは[4、3]であり、平均値は3.5である。
【0179】
時点t=7は6であり、かつ3.5より大きいため、時点t=7は上昇転換点となる。
【0180】
なお、上記の例では2つの連続的な上昇転換点が現れ、1つ目の上昇転換点は感染症の流行季節の始まりを表し、2つ目の上昇転換点は、低リスクレベルの流行季節から高リスクレベルの流行季節に入ったことを表している。
【0181】
実施例2で開示した感染症流行予測装置10は、感染症モニタリングの時系列データを獲得するステップと、前記時系列データにおける各感染症モニタリングデータ別の対応時点が流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を計算し、確率系列を獲得するステップと、前記確率系列における確率ピークを決定して確率ピーク系列を得るステップと、前記確率ピーク系列における確率ピークを選別し、選別した確率ピークに基づき前記時系列データにおける流行季節/非流行季節の転換点を得るステップと、流行季節/非流行季節ごとに、流行季節の起点である上昇転換点と、流行季節の終点である下降転換点を含む転換点のタイプを決定するステップを含む。
【0182】
実施例2は、確率の計算は予測モデルのパラメータによる影響を受けないため、効率的かつ迅速な感染症流行予測を実現する。
【0183】
実施例3
図3は本願発明の実施例3に係るコンピュータ装置の模式図である。
【0184】
前記コンピュータ装置1は、記憶装置20と、プロセッサ30と、記憶装置20に格納されプロセッサ30で実行可能な、感染症流行予測プログラムなどのコンピュータ可読コマンド40とを備える。
【0185】
プロセッサ30は、前記コンピュータ可読コマンドを実行することにより、例えば、
図1に示すステップ101〜105のような、前記感染症流行予測方法の実施例におけるステップを実現する。
【0186】
ステップ101では、感染症モニタリング時系列データを取得する。
【0187】
ステップ102では、前記時系列データにおける各感染症モニタリングデータの対応時点が流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を計算し、確率系列を獲得する。
【0188】
ステップ103では、前記確率系列における確率ピークを決定して確率ピーク系列を得る。
【0189】
ステップ104では、前記確率ピーク系列における確率ピークを選別し、選別した確率ピークに基づき、前記時系列データの流行季節/非流行季節の転換点を得る。
【0190】
ステップ105では、各流行季節/非流行季節の転換点のタイプを決定し、前記タイプは上昇転換点と下降転換点を含む。
【0191】
或いは、前記プロセッサ30は、コンピュータ可読コマンド40を実行することにより、前記感染症流行予測実施例における各モジュール/ユニット(例えば
図2に示すユニット(201〜205))の機能を実現する。
【0192】
取得ユニット201は感染症モニタリング時系列データを取得するように構成される。
【0193】
計算ユニット202は、前記時系列データにおける各感染症モニタリングデータの対応時点が流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を計算し、確率系列を獲得するように構成される。
【0194】
第1決定ユニット203は、前記確率系列における確率ピークを決定して確率ピーク系列を得るように構成される。
【0195】
選別ユニット204は、前記確率ピーク系列における確率ピークを選別し、選別した確率ピークに基づき、前記時系列データの流行季節/非流行季節の転換点を得るように構成される。
【0196】
第2決定ユニット205は、上昇転換点と下降転換点を含む各流行季節/非流行季節の転換点のタイプを決定するように構成される。
【0197】
一例として、前記コンピュータ可読コマンド40は、1つまたは複数のモジュール/ユニットに分けられる。
【0198】
前記1つまたは複数のモジュール/ユニットが前記記憶装置20に格納され、前記プロセッサ30により実行され、本願発明の機能を実現するように構成されてもよい。
【0199】
1つまたは複数の前記モジュール/ユニットは、前記コンピュータ可読コマンド40が前記コンピュータ装置1で実行されるプロセスを記述する為の、特定の機能を実現することができる一連のコンピュータ可読コマンドセグメントであってもよい。
【0200】
例えば、
図2に示すように、コンピュータ可読コマンド40は、取得ユニット201、計算ユニット202、第1決定ユニット203、選別ユニット204、第2決定ユニット205に分割されてもよく、各ユニットの具体的な機能は実施例2を参照してください。
【0201】
前記コンピュータ装置1は、デスクトップコンピュータ、ノートパソコン、パームトップコンピュータ、クラウドサーバなどのコンピュータデバイスであっても良い。
【0202】
当業者であれば理解できるように、前記模式
図3はコンピュータ装置1の一例に過ぎず、コンピュータ装置1に関し、何の限定をも示唆することも意図しておらず、例えば、前記コンピュータ装置は入出力機器、ネットワークアクセス機器、バス等を含んでいてもよく、図示よりも多くなったり少なくなったりした構成要素を含んでも、一部の構成要素を組み合わせていても、他の異なった構成要素を搭載したりしてもよい。
【0203】
前記プロセッサ30は、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)であっても、他の汎用処理装置、デジタル信号処理装置(DigitalSignal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、既成のプログラマブルゲートアレイ(Field−Programmable Gate Array、FPGA)あるいは他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリート素子またはトランジスタ論理デバイス、ディスクリート・ハードウェア・コンポーネントなどであってもよい。
【0204】
汎用処理装置は、マイクロプロセッサであっても良く、または前記プロセッサ30は前記コンピュータ装置1の各部を様々なインターフェースおよび回線で接続するいかなる通常のプロセッサなどであってもよい。
【0205】
前記記憶装置20は、コンピュータ可読コマンド40および/またはモジュール/ユニットを記憶するために使用されてもよい。
【0206】
前記プロセッサ30は、前記記憶装置20に記憶されたコンピュータ可読コマンド40および/またはモジュール/ユニットを運行するか実行し、及び記憶装置20に記憶されたデータを呼び出すことにより、前記コンピュータ装置1の様々な機能を実現するように構成されてもよい。
【0207】
記憶装置20は主に、オペレーティングシステム、少なくとも一つの機能に必要なアプリケーションプログラム(例えば音声再生機能、映像再生機能)などを記憶する為のプログラム記憶領域と、コンピュータ装置1の運用に伴い作成したデータ(例えばオーディオデータや電話帳)を記憶するデータ為の記憶領域を含んでもよい。
【0208】
さらに、記憶装置20は、ハードディスク、内部メモリ、プラグイン型ハードディスク、スマート・メモリカード(Smart Media Card、 SMC)、SDメモリーカードSecure Digital、SD)、フラッシュメモリカード(Flash Card)、少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリ装置、または他の揮発性固体記憶装置など、高速ランダムアクセス記憶装置や、不揮発性記憶装置を含んでもよい。
【0209】
前記コンピュータ装置1にて統合したモジュール/ユニットは、ソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、かつ独立した製品として販売または使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよい。
【0210】
このような理解に基づき、本願発明において前記実施例を実現する方法のフローの全部または一部は、上述した様々な方法の実施例のステップを実現する為の不揮発性記憶媒体に格納されたコンピュータ可読コマンドがプロセッサによって実行された時に、関連するハードウェアを制御して実現されてもよい。
【0211】
そのうち、前記コンピュータ可読コマンドは、ソースコード形式、オブジェクトコード形式、実行可能ファイル、または何らかの中間形式などのコンピュータ可読コマンドコードを含んでもよい。
【0212】
前記コンピュータ可読記憶媒体は、前記コンピュータ可読コマンドコードを搭載した任意のエンティティまたは装置、記録媒体、USBメモリ、ポータブルハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、コンピュータ記憶装置、読み取り専用メモリ(ROM,Read−Only Memory)、ランダムアクセス記憶装置(RAM,Random Access Memory)、電気搬送波信号、通信信号、およびソフトウェア配布媒体などを含んでもよい。
【0213】
なお、前記コンピュータ可読媒体に含まれるコンテンツは、司法管轄区域内の法律および特許実践の要求に応じて適切に増減してもよく、例えば、或る司法管轄区域では、法律および特許実践に基づき、不揮発性可読媒体は電気搬送波信号や電気通信信号を含まない。
実施例4
本実施例は、プロセッサによって実行される時に、上述した疾患異常データ検出方法の実施例におけるステップ、例えば、
図1に示すステップ101〜105を実現するためのコンピュータ可読コマンドを格納する不揮発性可読記憶媒体を提供する。
【0214】
ステップ101では、感染症モニタリング時系列データを取得する。
【0215】
ステップ102では、前記時系列データにおける各感染症モニタリングデータの対応時点が流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を計算し、確率系列を獲得する。
【0216】
ステップ103では、前記確率系列における確率ピークを決定して確率ピーク系列を得る。
【0217】
ステップ104では、前記確率ピーク系列における確率ピークを選別し、選別した確率ピークに基づき、前記時系列データの流行季節/非流行季節の転換点を得る。
【0218】
ステップ105では、各流行季節/非流行季節の転換点のタイプを決定し、前記タイプは上昇転換点と下降転換点を含む。
【0219】
あるいは、前記コンピュータ可読コマンドがプロセッサにより実行される時に、前記装置実施例における各モジュール/ユニット(例えば
図2に示すユニット201〜205)の機能が実現される。
【0220】
取得ユニット201は感染症モニタリング時系列データを取得するように構成される。
【0221】
計算ユニット202は、前記時系列データにおける各感染症モニタリングデータの対応時点が流行季節/非流行季節の転換点に属する確率を計算し、確率系列を獲得するように構成される。
【0222】
第1決定ユニット203は、前記確率系列における確率ピークを決定して確率ピーク系列を得るように構成される。
【0223】
選別ユニット204は、前記確率ピーク系列における確率ピークを選別し、選別した確率ピークに基づき、前記時系列データの流行季節/非流行季節の転換点を得るように構成される。
【0224】
第2決定ユニット205は、上昇転換点と下降転換点を含む各流行季節/非流行季節の転換点のタイプを決定するように構成される。
本願発明で提供されるいくつかの実施例で開示されたコンピュータ装置および方法は、他の方法で実施されてもよいことを理解されたい。
【0225】
例えば、前記コンピュータ装置の実施例は単に例示的なものであり、例えばユニットの分割は、論理的な機能分割のみであり、実際の実装時に別の分割方法を採用してもよい。
【0226】
また、本願発明の各実施例における各機能ユニットは、1つのユニットに統合されていてもよく、様々な物理的な実体に別々に存在してもよく、2つあるいは複数のユニットが同一のユニットに統合されていてもよい。
【0227】
前記統合ユニットは、ハードウェアの形態で、またはハードウェア化のソフトウェア機能モジュールの形態で実施されてもよい。
【0228】
当業者にとって、本願発明は、上述の例示的な実施例の詳細に限定されるものではなく、本願発明の精神または基本的な特徴を逸脱することなく、他の具体的な形で本願発明を実現することができることは明らかである。
【0229】
したがって、いずれの点から見ても、実施例が例示的なものであり、これを根拠として本願発明を限定解釈することは許されない。
【0230】
本願発明の権利範囲は上記の説明に限定されるものではなく、添付する特許請求の範囲によるものである。
【0231】
上記の説明は、特許請求の範囲の等価要件の意味および範囲内に含まれるすべての変化をなるべく本出願に網羅するよう意図したことに過ぎない。
【0232】
特許請求の範囲内のいかなる図面や符号も、特許請求の範囲を制限するものと見なされてはならない。
【0233】
また、明らかなように、「含む」という言葉は他のユニットやステップを除外するものではなく、単数の場合でも複数が除外されない。
【0234】
コンピュータ装置の請求項に記載される複数のユニットまたはコンピュータ装置は、ソフトウェアまたはハードウェアにより、同一のユニットまたはコンピュータ装置によって実現されてもよい。
【0235】
「第1」、「第2」などの単語は名称を表すために使用され、特定の順序を表すものではない。
【0236】
最後に、前述の実施例は、本願発明のソリューションを説明するため例示的なものであり、これを根拠として、本願発明を限定解釈することは許されない。
【0237】
上述したような好ましい実施例により、本願発明を詳しく説明したが、同技術分野の一般的な技術者にとって理解しやすいように、本願発明で説明したソリューションを変更したり、技術的特徴を同質的に置き換えたりしても、本願発明のソリューションの精神と本願発明の権利範囲を離脱させることができない。