(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の解決しようとする技術的課題は、二重接合太陽電池の直列連結した下部InGaAs太陽電池と上部GaAs太陽電池との間に金属ナノディスクアレイ及び前記金属ナノディスクアレイと整列した空きスペースを配置して、光反射特性及び優秀な電気的特性を二重接合太陽電池に提供することである。
【0007】
本発明の解決しようとする技術的課題は、二重接合太陽電池の直列連結した下部InGaAs太陽電池と上部GaAs太陽電池との間に金属ナノディスクアレイ及び前記金属ナノディスクアレイと整列した空きスペースが形成された二重接合太陽電池の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例によるフレキシブル二重接合太陽電池は、下部電極層を含むフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板の前記下部電極層と接触するInGaAs太陽電池と、前記InGaAs太陽電池上に配置され、前記InGaAs太陽電池と直列連結したGaAs太陽電池と、を含む。前記GaAs太陽電池はその下部面に形成された金属ナノディスクアレイを含み、前記金属ナノディスクアレイの下部には前記金属ナノディスクアレイと整列した空きスペースアレイが配置される。
【0009】
本発明の一実施例において、前記InGaAs太陽電池は、前記下部電極層上に配置された下部金属接着層と、前記上部金属接着層上に配置された半導体接着層と、前記半導体接着層上に配置された上部金属接着層と、前記上部金属接着層上に配置されたn
+−InPコンタクト層と、前記n−InPコンタクト層上に配置されたn−InGaAsベース層と、前記n−InGaAsベース層上に配置されたp
+−InGaAsエミッタ層と、前記p−InGaAsエミッタ層上に配置されたp
+−InP窓層と、前記p
+−InP窓層上に配置されたp
++−InGaAsコンタクト層と、を含む。
【0010】
本発明の一実施例において、前記GaAs太陽電池は、前記p
++−InGaAsコンタクト層上に配置されたn
+−GaAsコンタクト層と、前記n
+−GaAsコンタクト層上に配置されたn+−InGaPバックサーフェイスフィールド層(back−surface field layer)と、前記n
+−InGaPバックサーフェイスフィールド層上に配置されたn−GaAsベース層と、前記n−GaAsベース層上に配置されたp
+−GaAsエミッタ層と、前記p
+−GaAsエミッタ層上に配置されたp
+−InGaP窓層と、前記p
+−InGaP窓層上に配置されたp
+−GaAsコンタクト層と、を含む。前記金属ナノディスクアレイは、前記n
+−GaAsコンタクト層の下部面に配置され、前記空きスペースアレイは、前記p
++−InGaAsコンタクト層と前記金属ナノディスクアレイとの間に配置される。
【0011】
本発明の一実施例において、前記p
+−GaAsコンタクト層は、陷沒部を含み、前記陥没部を埋める無反射コーティング層と、前記p
+−GaAsコンタクト層上に配置された上部電極層と、をさらに含む。
【0012】
本発明の一実施例において、前記金属ナノディスクアレイは金(Au)であり、前記金属ナノディスクアレイの厚さは40nmないし60nmであり、前記金属ナノディスクアレイの周期は50nmないし200nmであり、前記金属ナノディスクアレイの直径は30nmないし120nmである。
【0013】
本発明の一実施例によるフレキシブル二重接合太陽電池の製造方法は、n
+−GaAs基板上にGaAsバッファ層、AlAs犠牲層、p
+−GaAsコンタクト層、p
+−InGaP窓層、p
+−GaAsエミッタ層、n−GaAsベース層、n
+−InGaPバックサーフェイスフィールド層、及びn
+−GaAsコンタクト層を備えたGaAs太陽電池を用意する段階と、前記GaAs太陽電池のn
+−GaAsコンタクト層に形成されたホールアレイの下部面に金属ナノディスクアレイを形成し、前記金属ナノディスクアレイの上部には空きスペースを形成する段階と、n
+−InP基板上に順次積層されたInPバッファ層、AlAs補助犠牲層、p
++−InGaAsコンタクト層、p
+−InP窓層、p
+−InGaAsエミッタ層、n−InGaAsベース層、及びn
+−InPコンタクト層を備えたInGaAs太陽電池を用意する段階と、前記InGaAs太陽電池のn
+−InPコンタクト層上に上部金属接着層、半導体接着層、及び下部金属接着層を積層する段階と、前記InGaAs太陽電池に積層された下部金属接着層と下部電極層を含むフレキシブル基板とボンディングする段階と、前記InGaAs太陽電池のAlAs補助犠牲層を除去してp
++−InGaAsコンタクト層を露出させる段階と、前記InGaAs太陽電池の前記p
++−InGaAsコンタクト層と前記GaAs太陽電池のn
+−GaAsコンタクト層をウエハボンディングして二重接合太陽電池を形成する段階と、前記二重接合太陽電池で前記GaAs太陽電池の前記AlAs犠牲層を除去して前記p
+−GaAsコンタクト層を露出させる段階と、を含む。
【0014】
本発明の一実施例において、前記p
+−GaAsコンタクト層上に局部的に上部電極層を形成する段階と、前記p
+−GaAsコンタクト層が局部的に除去された陥没部に無反射コーティング層を形成する段階と、をさらに含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一実施例による二重接合太陽電池は、金属ナノディスクアレイ及び前記金属ナノディスクアレイと整列した空きスペースによって光反射特性及び優秀な電気的特性を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施例によるフレキシブル二重接合太陽電池を説明する概念図である。
【
図2A】本発明の一実施例によるGaAs太陽電池の製造方法を説明する断面図である。
【
図2B】本発明の一実施例によるGaAs太陽電池の製造方法を説明する断面図である。
【
図2C】本発明の一実施例によるGaAs太陽電池の製造方法を説明する断面図である。
【
図2D】本発明の一実施例によるGaAs太陽電池の製造方法を説明する断面図である。
【
図2E】本発明の一実施例によるGaAs太陽電池の製造方法を説明する断面図である。
【
図3A】本発明の一実施例によるInGaAs太陽電池の製造方法を説明する断面図である。
【
図3B】本発明の一実施例によるInGaAs太陽電池の製造方法を説明する断面図である。
【
図3C】本発明の一実施例によるInGaAs太陽電池の製造方法を説明する断面図である。
【
図3D】本発明の一実施例によるInGaAs太陽電池の製造方法を説明する断面図である。
【
図3E】本発明の一実施例によるInGaAs太陽電池の製造方法を説明する断面図である。
【
図4A】本発明の一実施例によるInGaAs太陽電池とGaAs太陽電池を接合する段階を説明する断面図である。
【
図4B】本発明の一実施例によるInGaAs太陽電池とGaAs太陽電池を接合する段階を説明する断面図である。
【
図4C】本発明の一実施例によるInGaAs太陽電池とGaAs太陽電池を接合する段階を説明する断面図である。
【
図4D】本発明の一実施例によるInGaAs太陽電池とGaAs太陽電池を接合する段階を説明する断面図である。
【
図4E】本発明の一実施例によるInGaAs太陽電池とGaAs太陽電池を接合する段階を説明する断面図である。
【
図4F】本発明の一実施例によるInGaAs太陽電池とGaAs太陽電池を接合する段階を説明する断面図である。
【
図5】本発明の一実施例によるフレキシブル二重接合太陽電池の波長による表面反射度を示すシミュレーション結果である。
【
図6】
図5の結果を金属ナノディスクアレイの存在による波長による表面反射率向上度(enhancement factor、F)に表示する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施例によると、表面プラズモン共鳴構造製作技術とウエハボンディング技術を用いて格子不整合構造を有した高効率フレキシブルGaAs/InGaAs二重接合太陽電池が提供される。二重接合太陽電池製作に必要な単一接合GaAs太陽電池及びInGaAs太陽電池のエピタキシャル薄膜は、分子線エピタキシ(molecular beam epitaxy)又は有機金属化学蒸着(metalorganic chemical vapor deposition)法を用いて、それぞれGaAs及びInP基板上に格子整合で高品質のエピタキシャル成長が行われる。
【0018】
GaAs単一接合太陽電池構造は、選定された薄膜層を基板から分離するようにAlAs犠牲層が含まれた逆方向成長構造である。InGaAs単一接合太陽電池構造は、選定された薄膜層を基板から分離するようにAlAs補助犠牲層が含まれた逆方向成長構造である。
【0019】
フレキシブルGaAs/InGaAs二重接合太陽電池は、下部電極層が蒸着したポリイミドフィルム上に製作される。前記フレキシブル二重接合太陽電池に入射される太陽光の中で可視光線帯域(300〜800nm)の光は、主に上部GaAsセルのn−GaAsベース層によって吸収される。赤外線帯域(800〜1800nm)の光は、下部InGaAsセルのn−InGaAsベース層によって吸収される。前記n−GaAsベース層に吸収されない光は、前記フレキシブル二重接合太陽電池の下部面に位置する前記下部金属層で反射される。前記下部金属層は、前記ポリイミドフィルム上に配置され、90%以上の高い反射率を有する。前記下部金属層で入射された光は、前記フレキシブル二重接合太陽電池に反射する。反射した光は、前記フレキシブル二重接合太陽電池のn−InGaAsベース層内で再吸収されて、光電流向上に寄与する。
【0020】
本発明の一実施例によるフレキシブルGaAs/InGaAs二重接合太陽電池は、ポリイミドフィルムのようなフレキシブル基板上に配置され、設置及び加工に有利である。
【0021】
本発明の一実施例によるフレキシブルGaAs/InGaAs二重接合太陽電池において、InGaAs太陽電池は、下部電極層と金属ナノディスクアレイによってファブリ・ペロー共鳴(Fabry−Perot Cavity)構造を有する。したがって、InGaAs太陽電池の薄膜厚さの最適設計を通じて、特定波長(λ=2nL/m、λ:共鳴波長、n:下部InGaAs太陽電池薄膜の有効屈折率、L:太陽電池薄膜の総厚さ、m:1、2、3、...)の光は、ファブリ・ペロー共鳴(resonance)現象を発生させる。これによって、前記下部InGaAs太陽電池の光吸収効率を高めることができる。前記特定波長は、1000nm付近である。
【0022】
本発明の一実施例によると、金属ナノディスクアレイが前記GaAs太陽電池(上部セル)と前記InGaAs太陽電池(下部セル)との間に挿入されて、前記GaAs太陽電池の主な吸収帯域である可視光線領域の波長吸収を増加させ、前記InGaAs太陽電池の主な吸収帯域である赤外線領域の波長吸収を増加させる。
【0023】
本発明の一実施例によると、InGaAs太陽電池の上に位置した金属ナノディスクアレイは、300〜550nm波長範囲で反射率を増加させ、780〜1800nm領域では反射率を減少させる。
【0024】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。本発明のメリット及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付する図面とともに詳細に後述されている実施例を参照すると明確になる。しかし、本発明は、ここで説明される実施例に限られるものではなく、互いに異なる形態で具体化されることもある。むしろ、ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底かつ完全になるよう、そして当業者に本発明の思想が十分伝えるように提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0025】
明細書全体に亘って、同一の参照番号は、同一の構成要素を指す。したがって、同一又は類似の参照符号は、当該図面で言及又は説明されなかったとしても、他の図面を参照して説明することができる。また、参照符号が表示されなかったとしても、他の図面を参照して説明することができる。
【0026】
図1は、本発明の一実施例によるフレキシブル二重接合太陽電池を説明する概念図である。
【0027】
図1に示すように、前記フレキシブル二重接合太陽電池10は、下部電極層332を含むフレキシブル基板334と、前記フレキシブル基板334の前記下部電極層332と接触するInGaAs太陽電池201と、前記InGaAs太陽電池201上に配置され、前記InGaAs太陽電池と直列連結したGaAs太陽電池101と、を含む。前記GaAs太陽電池101はその下部面に配置された金属ナノディスクアレイ128を含む。前記金属ナノディスクアレイ128の下部には前記金属ナノディスクアレイ128と整列した空きスペースアレイ129が配置される。
【0028】
前記フレキシブル基板334は、柔軟性を有するポリイミドフィルム、プラスチックフィルム、又は金属フィルムである。
【0029】
前記下部電極層332は、前記フレキシブル基板334上に配置される。前記下部電極層332は、金(Au)薄膜である。前記下部電極層332は、外部回路に連結される。
【0030】
前記InGaAs太陽電池201は、前記下部電極層332上に配置される。前記InGaAs太陽電池201は、前記下部電極層332上に配置された下部金属接着層228と、前記下部金属接着層228上に配置された半導体接着層226と、前記半導体接着層226上に配置された上部金属接着層224と、前記上部金属接着層224上に配置されたn
+−InPコンタクト層222と、前記n−InPコンタクト層222上に配置されたn−InGaAsベース層220と、前記n−InGaAsベース層220上に配置されたp
+−InGaAsエミッタ層218と、前記p
+−InGaAsエミッタ層218上に配置されたp
+−InP窓層216と、前記p
+−InP窓層216上に配置されたp
++−InGaAsコンタクト層214と、を含む。
【0031】
前記下部金属接着層228、前記半導体接着層226、及び前記上部金属接着層224は、前記n
+−InPコンタクト層222とオーミック接合を提供する。前記下部金属接着層228は、前記下部電極層228と同一の材質である。具体的に、前記下部金属接着層228及び前記下部電極層228は、金(Au)薄膜である。前記半導体接着層226はゲルマニウム(Ge)である。前記上部金属接着層224はパラジウム(Pd)である。
【0032】
前記n
+−InPコンタクト層222は、前記上部金属接着層224上に配置されて前記n−InGaAsベース層220で形成されたキャリアを収集する。
【0033】
前記n−InGaAsベース層220は、空乏層(depletion region)領域を有する。空乏層領域で主に光吸収を通じてキャリア(電子、正孔)が作られる。キャリアは、p−n接合界面に存在する内部電場によって、電子はn−type半導体側に、正孔はp−type半導体側にドリフト(drift)して移動する。前記n−InGaAsベース層220は、n−InGa
0.53As
0.47である。
【0034】
前記p
+−InGaAsエミッタ層218は、前記n−InGaAsベース層220とpn接合を構成する。前記p
+−InGaAsエミッタ層218は、p
+−In
0.53Ga
0.47Asである。
【0035】
前記p
+−InP窓層216は、キャリアの再結合速度を下げて外部量子効率を高める役割をする。前記p
+−InP窓層216は、エミッタ半導体物質のバンドギャップよりさらに大きなバンドギャップを有する物質が使用される。エミッタの上に窓層が存在しないならば、エミッタ物質は非常に速い表面再結合速度を有するため、キャリアが外部回路に抜け出せずエミッタ内部で再結合(carrier recombination)されて消滅する。
【0036】
前記p
++−InGaAsコンタクト層214はキャリアを収集する。前記p
++−InGaAsコンタクト層214はp
++−In
0.53Ga
0.47Asである。
【0037】
前記InGaAs太陽電池201上に前記GaAs太陽電池101が配置される。垂直に積層された二重接合太陽電池10は、寄生接合(palasitic junction)を生成する。通常、前記寄生接合を減少させるために、高濃度にドーピングされたp−nトンネル接合が使用される。太陽電池電極層のオーミック接合形成のために摂氏数百度で急速熱処理工程が必要であるが、この過程でトンネル接合に存在するドーパント(dopant)が熱拡散によって移動してp−nトンネル接合界面特性を低下させ、寄生接合を形成させる。しかし、本発明の一実施例による積層された二重接合太陽電池の間に周期的に配列された空きスペースアレイ129の構造は、金属ナノディスクアレイの面積ほどp−nトンネル接合界面の面積が減るようになって、界面で発生するドーパントの熱拡散を減少させることで、前記寄生接合を最小化できるメリットがある。
【0038】
また、前記空きスペースアレイの上部面に金属ナノディスクアレイ128が配置される。前記金属ナノディスクアレイ128は、前記GaAs太陽電池101方向から入射する可視光線波長帯域を反射させ、赤外線波長帯域を透過させる。また、前記金属ナノディスクアレイ128は、前記InGaAs太陽電池201方向から入射する赤外線波長帯域を反射させる。
【0039】
前記GaAs太陽電池101は、前記InGaAs太陽電池201の前記p
++−InGaAsコンタクト層214上に配置されたn
+−GaAsコンタクト層124と、前記n
+−GaAsコンタクト層124上に配置されたn
+−InGaPバックサーフェイスフィールド層122(back−surface field layer)と、前記n
+−InGaPバックサーフェイスフィールド層122上に配置されたn−GaAsベース層120と、前記n−GaAsベース層120上に配置されたp
+−GaAsエミッタ層118と、前記p
+−GaAsエミッタ層118上に配置されたp
+−InGaP窓層116と、前記p
+−InGaP窓層116上に配置されたp
+−GaAsコンタクト層114と、を含む。
【0040】
前記金属ナノディスクアレイ128は、前記n
+−GaAsコンタクト層124の下部面に配置され、前記空きスペースアレイ129は、前記p
++−InGaAsコンタクト層214と前記金属ナノディスクアレイ128との間に配置される。
【0041】
前記n
+−InGaPバックサーフェイスフィールド層122は、界面電場によって少数キャリアが前記n
+−GaAsコンタクト層124で多数キャリアと再結合することを防止する。前記n
+−InGaPバックサーフェイスフィールド層122は、n
+−In
0.49Ga
0.51Pである。前記p
+−InGaP窓層116は、p
+−In
0.49Ga
0.51Pである。
【0042】
前記n
+−GaAsコンタクト層124は、その下部面にマトリックスの形に配置されたホールを含む。前記ホールは前記n
+−GaAsコンタクト層を貫通しない。前記ホールの上部面には金属ナノディスクがそれぞれ配置される。 これによって、金属ナノディスクは金属ナノディスクアレイ128を構成する。前記金属ナノディスクは前記ホールを全部埋めず、下側には空きスペースを有する。
【0043】
前記金属ナノディスクアレイ128は、金(Au)である。前記金属ナノディスクアレイ128の厚さは40nmないし60nmである。前記金属ナノディスクアレイの周期は50nmないし200nmである。前記金属ナノディスクアレイの直径は30nmないし120nmである。前記空きスペースのアレイ129の厚さは40nmないし60nmである。前記空きスペースアレイ129は、真空状態に維持される。
【0044】
金属ナノディスクアレイを埋め込むための誘導結合プラズマエッチング深さ調整や金属ナノディスクアレイの厚さ調整によって、前記空きスペースアレイの厚さを適切に制御する。これよって、金属ナノディスク−空きスペース界面の有効屈折率の変調が可能であり、前記InGaAs太陽電池201方向から入射する赤外線帯域の波長を効果的に反射させる。
【0045】
前記p
+−GaAsコンタクト層114は、陷沒部114aを含む。前記陷沒部114aは、前記p
+−InGaP窓層116を露出させる。無反射コーティング層115は、前記陷沒部114aを埋める。前記無反射コーティング層115は、ZnS又はMgF
2である。
【0046】
上部電極層111は、前記p
+−GaAsコンタクト層114に配置される。前記上部電極層111は、前記p
+−GaAsコンタクト層114とオーミック接合を提供し、フィンガーパターンを有する。前記上部電極層は、前記p
+−GaAsコンタクト層114と整列され、フィンガーパターンを有する。前記上部電極層111は、AuZn/Ni/Au多重金属層を蒸着し、窒素雰囲気下で摂氏280〜300度の範囲で数分間熱処理してオーミック接合を形成する。
【0047】
前記上部電極層111は、外部回路に連結される。
【0048】
図2Aないし
図2Eは、本発明の一実施例によるGaAs太陽電池の製造方法を説明する断面図である。
【0049】
図2Aないし
図2Eに示すように、GaAs太陽電池101の製造方法が説明される。MOCVD(metalorganic chemical vapor deposition)やMBE(molecular beam epitaxy)のような薄膜エピタキシ装備を用いてGaAs太陽電池エピタキシを成長する。n
+−GaAs基板110上にGaAsバッファ層112が形成される。前記n
+−GaAs基板110は、n−typeにドーピングされるが、p−typeにドーピングされるが、ドーピングされない場合もある。前記GaAsバッファ層112上に格子整合(lattice−match)に成長されたAlAs犠牲層113を形成する。前記AlAs犠牲層113上にp
+−GaAsコンタクト層116、p
+−InGaP窓層116、p
+−GaAsエミッタ層118、n−GaAsベース層120、n
+−InGaPバックサーフェイスフィールド層122、及びn
+−GaAsコンタクト層124を順次に形成する。
【0050】
図2Bに示すように、前記n
+−GaAsコンタクト層124上に、パターニング工程を通じてレジストマスクパターン126を形成する。前記パターニング工程は、フォトリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、ナノインプリントリソグラフィ、又はレーザ干渉リソグラフィによって行われる。前記レジストマスクパターン126は、周期的に配列されたマトリックスの形である。
【0051】
図2Cに示すように、前記レジストマスクパターン126をエッチングマスクを使用して、異方性エッチングを行う。これによって、前記n
+−GaAsコンタクト層126にホールアレイ124aが形成される。前記異方性エッチングは、誘導結合プラズマ(inductively coupled plasma)エッチング装備を使用して行う。
【0052】
図2D及び
図2Eに示すように、前記レジストマスクパターン126がいる前記n
+−GaAs基板110上に金属薄膜を蒸着した後、前記レジストマスクパターン126をウェットエッチングで除去する。前記金属薄膜は電子ビーム蒸着法によって形成される。前記金属薄膜の材質は金(Au)である。これによって、前記ホールアレイ124aの下部面は、金属薄膜で埋められる。具体的に、アセトン溶液を使用してリフト−オフ(lift−off)工程を進行すれば、金ナノディスクアレイ128が前記GaAs太陽電池101のn
+−GaAsコンタクト層124に形成される。
【0053】
図3Aないし
図3Eは、本発明の一実施例によるInGaAs太陽電池の製造方法を説明する断面図である。
【0054】
図3Aに示すように、InGaAs太陽電池201の製造方法が説明される。MOCVD(metalorganic chemical vapor deposition)やMBE(molecular beam epitaxy)のような薄膜エピタキシ装備を用いてInGaAs太陽電池エピタキシを成長させる。
【0055】
n
+−InP基板210上にInPバッファ層212を形成する。前記InPバッファ層212上に順次にAlAs補助犠牲層213、p
++−InGaAsコンタクト層214、p
+−InP窓層216、p
+−InGaAsエミッタ層218、n−InGaAsベース層220、及びn
+−InPコンタクト層222を形成する。
【0056】
図3Bに示すように、前記n
+−InPコンタクト層222上に順次に上部金属接着層224、半導体接着層226、及び下部金属接着層228を積層する。上部金属接着層224、半導体接着層226、及び下部金属接着層228を蒸着した後、急速熱処理が行われる。前記急速熱処理は、大気圧以下の窒素雰囲気下で摂氏300度ないし摂氏400度の範囲で数分以内に行われる。これによって、前記上部金属接着層224、前記半導体接着層226、及び前記下部金属接着層228は、前記n
+−InPコンタクト層とオーミック接合を形成する。前記上部金属接着層224はPdであり、前記半導体接着層226はGeであり、前記下部金属接着層228はAuである。
【0057】
図3Cに示すように、下部電極層332を含むフレキシブル基板334が用意される。前記下部電極層332は金薄膜であり、前記フレキシブル基板334はポリイミドフィルムである。
【0058】
前記フレキシブル基板334上に前記n
+−InP基板210を覆して、前記下部電極層332と前記下部金属接着層228が対向するように接合する。前記下部電極層332と前記下部金属接着層228が互いにボンディングするように、摂氏180度の温度で50MPaの圧力を印加する。前記下部電極層332と前記下部金属接着層228のボンディングは、通常のウエハボンダを使用して行われる。
【0059】
図3D及び
図3Eに示すように、前記フレキシブル基板334と前記n
+−InP基板210が互いに接合されたInGaAs太陽電池基板で、フッ酸―対―超純水(HF:de−ionized water)が1:5の割合で希釈したフッ酸液を用いて前記AlAs補助犠牲層213を除去する。即ち、前記n
+−InP基板210と前記InPバッファ層212を前記p
++−InGaAsコンタクト層214から分離するエピタキシャルリフト―オフ(epitaxial lift−off)工程を行う。これによって、InGaAs太陽電池201が提供される。
【0060】
図4Aないし
図4Fは、本発明の一実施例によるInGaAs太陽電池とGaAs太陽電池を接合する段階を説明する断面図である。
【0061】
図4A及び
図4Bに示すように、GaAs太陽電池101のn
+−GaAsコンタクト層124は、ウエハボンディング前にアルゴン又は酸素プラズマを用いて表面処理されて表面活性化される。また、InGaAs太陽電池201のp
++−InGaAsコンタクト層214は、ウエハボンディングの前にアルゴン又は酸素プラズマを用いて表面処理されて表面活性化される。
【0062】
アルゴンプラズマ表面処理の後、前記GaAs太陽電池101のn
+−GaAsコンタクト層124及び金属ナノディスクアレイ128は、前記InGaAs太陽電池201のp
++−InGaAsコンタクト層214を対向するように配置される。ウエハボンダは、前記GaAs太陽電池101と前記InGaAs太陽電池201を常温で真空状態で約50MPaの圧力を印加してウエハボンディングする。ウエハボンディングの後、金属ナノディスクアレイの周りの空きスペースアレイ129は、真空状態に維持される。
【0063】
図4C及び
図4Dに示すように、二重結合された太陽電池は、フッ酸―対―超純水(HF:de−ionized water)が1:5の割合で希釈したフッ酸液を用いて前記GaAs太陽電池のAlAs犠牲層113を除去する。即ち、n
+−GaAs基板110とGaAsバッファ層112を前記p
+−GaAsコンタクト層114から分離するエピタキシャルリフト―オフ(epitaxial lift−off)工程を行う。
【0064】
図4E及び
図4Fに示すように、前記GaAs太陽電池101のp
+−GaAsコンタクト層114上にフォトリソグラフィ工程を行ってフォトレジストマスク191を形成する。前記フォトレジストマスク191が形成された基板上に上部電極層を形成する金属薄膜を蒸着する。その次に、前記フォトレジストマスク191を除去する。これによって、前記p
+−GaAsコンタクト層114上に局部的に配置されたフィンガーパターン形状の上部電極層111が形成される。
【0065】
その次に、前記上部電極層111をエッチングマスクを使用して前記p
+−GaAsコンタクト層114をエッチングして陷沒部114aを形成する。前記陷沒部114aは、前記p
+−InGaP窓層116の上部面を露出させる。
【0066】
再び
図1に示すように、フォトリソグラフィ工程を使用して前記上部電極層111上に補助フォトレジストマスクを形成する。その次に、無反射コーティング層115(anti−refelction coating layer)を形成する薄膜が蒸着される。前記薄膜は、ZnS又はMgF
2である。その次に、前記補助フォトレジストマスクは除去される。前記無反射コーティング層115は、前記p
+−InGaP窓層116と接触するように配置され、前記陷沒部114aを埋める。前記無反射コーティング層115は、太陽光の反射を最小化させる。前記無反射コーティング層115は、ZnS又はMgF
2である。
【0067】
図5は、本発明の一実施例によるフレキシブル二重接合太陽電池の波長による表面反射度を示すシミュレーション結果である。
【0068】
図5に示すように、金属ナノディスクアレイは、マトリックスの形に配置され、周期は100nmであり、ナノディスクの直径は60nmであり、厚さは50nmである。この条件において、表面反射率スペクトルをシミュレーションするために時間領域有限差分法(finite difference time domain、FDTD)法を用いた。金属ナノディスクアレイ128が前記InGaAs太陽電池201と前記GaAs太陽電池101との間に存在する場合と存在しない場合によって、波長による表面反射率が表示される。
【0069】
図6は、
図5の結果を金属ナノディスクアレイの有無による波長による表面反射率向上度(enhancement factor、F)に表示する。
【0070】
図6に示すように、
図5のシミュレーション結果を用いて、金属ナノディスクアレイ128の有無による両反射率の値を分けて表面反射率向上度(enhancement factor、F)が表示される。300nm〜550nm波長範囲で反射率の向上度が1より大きくなる。これは、金属ナノディスクアレイの光反射効果によって、当該波長の反射率が向上することを意味する。反射された光は、金属ナノディスクアレイ上に位置するGaAs太陽電池101によって再吸収されて光吸収効率を増加させる。また、InGaAs太陽電池201の主な吸収波長である780〜1800nm領域では、金属ナノディスクアレイの表面プラズモン効果によって反射率の向上度が1より小さくなる。これは当該波長の反射率の減少を意味する。これによって、減少された反射率分だけInGaAs太陽電池の光吸収は向上するようになる。
【0071】
以上、添付図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須的な特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施されるということが理解できるはずである。したがって、以上の実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的ではないと理解しなければならない。