(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記蛇行補正テーブルは、搬送される用紙の紙種、坪量、剛度、サイズ、摩擦係数、前記搬送される用紙に形成される画像の画像条件、用紙搬送時の環境条件及び転写部−定着部間のループ量設定の少なくともいずれか1つと、前記ベルトの移動量と、の対応関係を示すことを特徴とする請求項2に記載のベルト蛇行補正装置。
前記蛇行補正テーブルは、搬送される用紙の紙種、坪量、剛度、サイズ、摩擦係数、前記搬送される用紙に形成される画像の画像条件、用紙搬送時の環境条件及び転写部−定着部間のループ量設定の少なくともいずれか2つからなる組み合わせと、前記ベルトの移動量と、の対応関係を示すことを特徴とする請求項2に記載のベルト蛇行補正装置。
トナー像の転写時に回転駆動される無端状の中間転写ベルトと、用紙上に前記中間転写ベルト上の前記トナー像を転写する転写部と、を備え、前記用紙に前記トナー像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により形成されたトナー像を前記用紙に定着させる定着部と、
を備え、
前記画像形成部は、前記中間転写ベルトの幅方向の蛇行を補正する請求項1〜12のいずれか一項に記載のベルト蛇行補正装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、転写部と定着部の用紙の送り方向がずれていると、用紙から受ける力により転写ベルトに片寄り(蛇行)が発生する。
一方、装置の小型化を実現するには、転写部−定着部間の距離を近づけることが必要である。
しかしながら、転写部−定着部間の距離を近づけると、転写ベルトが用紙から受ける力を転写部−定着部間で作成するループによりキャンセルすることができなくなるため、転写ベルトに加わる片寄り力が大きくなる。特に、厚紙の場合、剛性が高いため、ループの形成が困難であり、転写ベルトに加わる片寄り力が大きくなる。
【0006】
また、用紙が長尺になればなるほど転写部−定着部間における用紙の歪み量が大きくなるため、片寄り力が大きくなる。
また、用紙が長尺になればなるほど、転写部及び定着部の双方で用紙をニップした状態での紙搬送距離と用紙の有無における用紙有のDuty比とが増えるため、転写ベルトが用紙から受ける力を受ける時間が長くなり、転写ベルトが更に片寄りやすくなる。
【0007】
ところで、上記従来技術では、色ずれの抑制を優先して、ベルト補正量が小さくなるように制御している。したがって、厚紙や長尺紙の通紙時のように、ベルトの蛇行量が大きくなりやすい条件では、ベルト蛇行を制御しきれなくなるため、ベルト破損が発生する。また、ベルト破損に至らないケースであっても、ベルトの移動速度が速くなり、ベルトの蛇行制御範囲が広がることに因るベルト斜行により、色ずれが悪化する。
また、上記特許文献1記載の技術は、作動状況に応じて蛇行補正テーブルを切り替える構成であるため、作動状況の判定前までにベルト破損や色ずれ悪化が生じるケースがある。
また、上記特許文献1、2記載の技術は、用紙の搬送により転写ベルトが用紙から受ける力を考慮していないため、ベルト破損や色ずれの悪化が生じるという課題がある。
【0008】
本発明は、ベルト破損や色ずれの悪化を抑制することが可能なベルト蛇行補正装置及び当該ベルト蛇行補正装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
ベルトの幅方向に前記ベルトを移動するベルト移動部と、
前記ベルトの前記幅方向の蛇行を検出する蛇行検出部と、
前記蛇行検出部により検出された前記ベルトの蛇行に基づいて、前記ベルト移動部による前記ベルトの移動を制御する移動制御部と、
を備えるベルト蛇行補正装置において、
用紙搬送性を取得する取得部を備え、
前記取得部は、転写部−定着部間のループ量設定を取得し、
前記移動制御部は、前記取得部により取得された
転写部−定着部間のループ量設定に基づいて、前記ベルト移動部による前記ベルトの移動量を制御することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
ベルトの幅方向に前記ベルトを移動するベルト移動部と、
前記ベルトの前記幅方向の蛇行を検出する蛇行検出部と、
前記蛇行検出部により検出された前記ベルトの蛇行に基づいて、前記ベルト移動部による前記ベルトの移動を制御する移動制御部と、
を備えるベルト蛇行補正装置において、
用紙搬送性を取得する取得部を備え、
前記移動制御部は、前記蛇行検出部により前記ベルトの蛇行が検出された場合に、前記取得部により取得された用紙搬送性と前記ベルトの移動量との対応関係を示す蛇行補正テーブルに基づいて、前記ベルト移動部による前記ベルトの移動量を制御することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のベルト蛇行補正装置において、
前記蛇行補正テーブルは、搬送される用紙の紙種、坪量、剛度、サイズ、摩擦係数、前記搬送される用紙に形成される画像の画像条件、用紙搬送時の環境条件及び転写部−定着部間のループ量設定の少なくともいずれか1つと、前記ベルトの移動量と、の対応関係を示すことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のベルト蛇行補正装置において、
前記蛇行補正テーブルは、搬送される用紙の紙種、坪量、剛度、サイズ、摩擦係数、前記搬送される用紙に形成される画像の画像条件、用紙搬送時の環境条件及び転写部−定着部間のループ量設定の少なくともいずれか2つからなる組み合わせと、前記ベルトの移動量と、の対応関係を示すことを特徴とする。
【0010】
請求項
5に記載の発明は、請求項1
〜4のいずれか一項に記載のベルト蛇行補正装置において、
前記取得部は、搬送される用紙のパラメーターを取得し、
前記移動制御部は、前記取得部により取得された用紙のパラメーターに基づいて、前記ベルトの移動量を制御することを特徴とする。
【0011】
請求項
6に記載の発明は、請求項
5に記載のベルト蛇行補正装置において、
前記取得部は、前記搬送される用紙の紙種、坪量、剛度、サイズ及び摩擦係数の少なくともいずれか1つを取得し、
前記移動制御部は、前記取得部により取得された紙種、坪量、剛度、サイズ及び摩擦係数の少なくともいずれか1つに基づいて、前記ベルトの移動量を制御することを特徴とする。
【0012】
請求項
7に記載の発明は、請求項1〜
6のいずれか一項に記載のベルト蛇行補正装置において、
前記取得部は、搬送される用紙に形成される画像の画像条件を取得し、
前記移動制御部は、前記取得部により取得された画像条件に基づいて、前記ベルトの移動量を制御することを特徴とする。
【0013】
請求項
8に記載の発明は、請求項1〜
7のいずれか一項に記載のベルト蛇行補正装置において、
前記取得部は、用紙搬送時の環境条件を取得し、
前記移動制御部は、前記取得部により取得された環境条件に基づいて、前記ベルトの移動量を制御することを特徴とする。
【0015】
請求項
9に記載の発明は、請求項1〜
8のいずれか一項に記載のベルト蛇行補正装置において、
前記ベルト移動部は、前記ベルトを張架するステアリングローラーの前記幅方向の傾きを調整するステアリング機構を含み、
前記移動制御部は、前記ベルトの移動量を制御する際、前記ステアリング機構を制御して、前記ステアリングローラーの前記幅方向の傾き角度を制御することを特徴とする。
【0016】
請求項
10に記載の発明は、請求項
9に記載のベルト蛇行補正装置において、
前記ベルト移動部は、前記ベルトの張力を調整する張力調整機構を含み、
前記移動制御部は、前記ベルトの移動量を制御する際、前記張力調整機構を制御して、前記ベルトの張力を制御することを特徴とする。
【0017】
請求項
11に記載の発明は、請求項
9又は
10に記載のベルト蛇行補正装置において、
前記ベルト移動部は、前記ベルトの前記ステアリングローラーに対する巻きつけ角度を調整する角度調整機構を含み、
前記移動制御部は、前記ベルトの移動量を制御する際、前記角度調整機構を制御して、前記巻きつけ角度を制御することを特徴とする。
【0021】
請求項1
2に記載の発明は、請求項1〜1
1のいずれか一項に記載のベルト蛇行補正装置において、
前記用紙搬送性に基づいて、紙間距離を制御する紙間制御部を備えることを特徴とする。
【0022】
請求項1
3に記載の発明は、
画像形成装置において、
トナー像の転写時に回転駆動される無端状の中間転写ベルトと、用紙上に前記中間転写ベルト上の前記トナー像を転写する転写部と、を備え、前記用紙に前記トナー像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により形成されたトナー像を前記用紙に定着させる定着部と、
を備え、
前記画像形成部は、前記中間転写ベルトの幅方向の蛇行を補正する請求項1〜1
2のいずれか一項に記載のベルト蛇行補正装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ベルト破損や色ずれの悪化を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
本実施形態に係る画像形成装置1は、搬送部16により搬送される用紙に対し、画像形成部20及び定着部30により画像を形成する複合機等の画像形成装置である。
画像形成装置1は、
図1及び
図2に示すように、制御部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14と、原稿読取部15と、搬送部16と、画像処理部17と、給紙部18と、通信部19と、画像形成部20と、定着部30と、を備えて構成されている。
【0027】
制御部11は、CPU、RAM、ROMを備えて構成され、画像形成装置1の各部を制御する。ROMは、各種プログラム及び各種データが記憶されている記憶部である。制御部11は、CPUがROMから各種プログラムを読み出して適宜RAMに展開し、展開したプログラムとCPUの協働で、各種処理を実行する。例えば、制御部11は、原稿読取部15により生成され又は通信部19を介して受信され、記憶部12に保持されたビットマップ形式の原画像を、画像処理部17により画像処理させて、画像処理後の原画像データに基づき、画像形成部20により用紙上に画像を形成させる。
【0028】
記憶部12は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、各種画像処理に係る画像データ等の各種データを一時的に記憶する画像メモリーである。また、記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)等を有し、各種データを書き込み及び読み出し可能に記憶する構成としてもよい。
また、記憶部12は、用紙搬送性と中間転写ベルト22の移動量との対応関係を示す蛇行補正テーブルを記憶している。
【0029】
操作部13及び表示部14は、ユーザーインターフェイスとして画像形成装置1に設けられる。
操作部13は、ユーザーの操作に応じた操作信号を生成し、制御部11に出力する。操作部13としては、キーパッド、表示部14と一体に構成されたタッチパネル等を用いることができる。
表示部14は、制御部11の指示に従って、操作画面等を表示する。表示部14としては、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro Luminescence Display)等を用いることができる。
【0030】
原稿読取部15は、コピー用に設けられたスキャナー等であり、制御部11の指示に従って、原稿台上にセットされた原稿dを読み取り、画素ごとにR(赤)、G(緑)及びB(青)の色値を有するビットマップ形式の原画像を生成する。原稿読取部15により生成されたR、G及びBの色値を有する原画像は、図示しない色変換部によりC、M、Y及びKの色値を有する原画像に色変換された後、記憶部12に記憶される。
【0031】
搬送部16は、複数の搬送ローラー161A、161B、161C、161D、レジストローラー162及び排紙ローラー163等で構成されている。搬送部16は、制御部11の指示に従って、給紙部18や手差しトレイから給紙された用紙を画像形成部20及び定着部30へと搬送し、画像形成及び定着された用紙を排紙口24から排紙トレイ25に排出する。排紙トレイ25は、排出された用紙を載置する。
また、搬送部16は、定着部30から搬送された用紙を反転して再度画像形成部20に搬送する反転部16aを有する。
【0032】
画像処理部17は、記憶部12に記憶された画像データ、原稿読取部15により原稿から画像を読み取って得られた画像データ、通信部19を介して外部装置から入力された画像データに必要な画像処理を行い、画像処理後の画像データを画像形成部20に出力する。画像処理には、階調処理、中間調処理、色変換処理等が含まれる。階調処理は、画像データの各画素の階調値を、用紙上に形成された画像の濃度特性が目標の濃度特性と一致するように補正された階調値に変換する処理である。中間調処理は、誤差拡散処理、組織的ディザ法を用いたスクリーン処理等である。色変換処理は、RGBの各階調値をCMYKの各階調値に変換する処理である。
【0033】
給紙部18は、複数の給紙トレイを備え、制御部11の指示に従って、給紙手段181により画像形成部20に用紙を供給する。各給紙トレイには、それぞれ予め定められた紙種やサイズの用紙が収納されている。
【0034】
通信部19は、ネットワークカード等で構成され、LAN(Local Area Network)等のネットワークに接続される。通信部19は、ネットワーク上の外部装置、例えばPC等のユーザー端末、サーバー等と通信する。通信部19は、ネットワークを介して、画像を形成するための画像データを外部装置から受信する。
【0035】
画像形成部20は、制御部11の指示に従って、画像処理部17により画像処理された原画像に基づいて、C、M、Y及びKの複数の色からなる画像を用紙上に形成する。
画像形成部20は、4つの書込みユニット21Y、21M、21C、21Kと、中間転写ベルト22と、2次転写部23と、クリーニングブレード27と、ステアリング機構28と、蛇行検出部29と、を備えて構成されている。
【0036】
4つの書込みユニット21Y、21M、21C、21Kは、中間転写ベルト22のベルト面に沿って直列(タンデム)に配置され、それぞれC、M、Y及びKの色の画像を形成する。
書込みユニット21Yは、感光体211Yと、帯電部212Yと、光走査装置213Yと、現像部214Yと、1次転写ローラー215Yと、クリーニング部216Yと、を備えて構成されている。画像形成時、書込みユニット21Yでは、帯電部212Yにより感光体211Yに電圧を印加して帯電させた後、光走査装置213Yにより原画像に基づいて発光させた光束で感光体211Y上を走査して静電潜像を形成する。現像部214Yによりトナー等の色材を供給して、感光体211Y上の静電潜像を現像すると、像担持体である感光体211Y上にトナー像が形成される。
なお、各書込みユニット21M、21C、21Kは、書込みユニット21Yと同様に構成されているため、その説明を省略する。
【0037】
各書込みユニット21Y〜21Kにおいて、感光体211Y〜211K上にトナー像が形成されると、1次転写ローラー215Y〜215Kにより、感光体211Y〜211K上のトナー像が中間転写ベルト22上に順次重ねて転写(1次転写)される。これにより、中間転写ベルト22上には複数の色からなるトナー像が形成される。1次転写後、クリーニング部216Y〜216Kにより感光体211Y〜211K上に残留する色材が除去される。
【0038】
中間転写ベルト(ベルト)22は、複数のローラーにより巻き回されて回転する無端ベルト状の像担持体である。中間転写ベルト22は、トナー画像の転写時に回転駆動される。複数のローラーの中には、1次転写ローラー215Y〜215K、ローラー26及びステアリング機構28のステアリングローラー281も含まれる。
【0039】
2次転写部(転写部)23は、給紙部18から搬送される用紙の搬送経路上に配置されている。2次転写部23は、給紙部18から給紙された用紙上に、中間転写ベルト22上のトナー像を転写(2次転写)し、定着部30に搬送する。
【0040】
クリーニングブレード27は、無端状の中間転写ベルト22の回転方向において、2次転写部23と各書込みユニット21との間に設けられ、中間転写ベルト22の外側表面に当接してクリーニングを行う。
【0041】
ステアリング機構28は、ローラー26の近傍に設けられ、中間転写ベルト22を張架する複数のローラーのうちの一つであるステアリングローラー281を有する。ステアリング機構28は、ステアリングローラー281の軸部281aを傾けて中間転写ベルト22を幅方向に移動させ、中間転写ベルト22の幅方向の位置を調整する。これにより、中間転写ベルト22の幅方向の蛇行を補正することができる。すなわち、ステアリング機構28は、本発明のベルト移動部として機能する。
ステアリング機構28は、
図3に示すように、ステアリングローラー281と、アーム282と、バネ部材283と、偏心カム284と、支持部285と、連結部286と、を備えて構成されている。
【0042】
ステアリングローラー281は、中間転写ベルト22の回転方向におけるクリーニングブレード27と各書込みユニット21との間であって、中間転写ベルト22の内側表面に当接して設けられている。ステアリングローラー281の軸部281aの軸方向一端部は、支持部285に支持されている。
支持部285は、連結部286を介してアーム282の上端部に連結されている。
連結部286は、アーム282に対して長さ方向にスライド可能に取り付けられ、連結部286の先端部に支持部285が固定されている。また、連結部286は、図示しない付勢部材により
図3における上方に付勢され、これにより連結部286に固定されている支持部285及びステアリングローラー281が上方に付勢されている。よって、ステアリングローラー281が中間転写ベルト22の内側の表面に押し付けられ、中間転写ベルト22に張力が付与されている。また、制御部11は、付勢部材により連結部286の付勢力を調整することで、中間転写ベルト22の張力を低減させることができる。
【0043】
アーム282の下端部には、バネ部材283が接続されている。
バネ部材283は、アーム282を、隣接する位置に回転駆動可能に固定された偏心カム284に近付ける方向に付勢している。これにより、アーム282の下端部が偏心カム284に押し付けられた状態となっている。
偏心カム284は、制御部11の指示に従って、図示しないモーターにより正方向又は逆方向に所定の回転量で回転する。偏心カム284が所定の回転量で正方向又は逆方向に回転することで、偏心カム284に押し付けられたアーム282が支点282aを中心に
図3に示す矢印a1方向に回動し、これによりアーム282の上端部に連結された連結部286及び支持部285が移動し、ステアリングローラー281の軸方向一端部が矢印a2方向に移動する。
ステアリングローラー281の軸方向他端部(
図1の紙面に対して手前側の端部、
図3の紙面に対して奥側の端部)には、アーム282、バネ部材283、偏心カム284、支持部285及び連結部286等が設けられておらず、ステアリングローラー281は、軸方向他端部を支点として傾きが変更可能に構成されている。
【0044】
蛇行検出部29は、ラインセンサーから構成され、中間転写ベルト22の幅方向の位置を検出する。制御部11は、蛇行検出部29により検出された中間転写ベルト22の幅方向の位置に基づいて、中間転写ベルト22の幅方向の蛇行量を算出する。
【0045】
定着部30は、制御部11の指示に従って、画像形成部20により色材の像としてのトナー像が形成された用紙に、画像を熱定着させる。すなわち、定着部30は、画像形成部20によりトナー像が形成された用紙を加熱及び加圧する。用紙の両面に画像を形成する場合、定着部30により一方の面に画像が定着された用紙は、反転部16aにより用紙面を反転された後、再度2次転写部23の位置へ給紙される。
【0046】
なお、本発明のベルト蛇行補正装置は、少なくともベルト移動部としてのステアリング機構28と、蛇行検出部29と、移動制御部及び取得部としての制御部11と、を備えて構成される。
【0047】
次に、本実施形態に係る画像形成装置1の動作について、
図4のフローチャートを参照して説明する。この動作は、制御部11が、画像形成装置1の電源の起動を検出したことを契機として開始される。
【0048】
まず、制御部11は、中間転写ベルト22の蛇行が検出されたか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、制御部11は、蛇行検出部29により検出された中間転写ベルト22の幅方向の位置に基づいて、中間転写ベルト22の蛇行が検出されたか否かを判定する。
制御部11は、中間転写ベルト22の蛇行が検出されたと判定した場合(ステップS101:YES)、次のステップS102へと移行する。
一方、制御部11は、中間転写ベルト22の蛇行が検出されていないと判定した場合(ステップS101:NO)、中間転写ベルト22の蛇行が検出されるまでステップS101の処理を繰り返す。
【0049】
次に、制御部11は、用紙搬送性を取得する(ステップS102)。すなわち、制御部11は、本発明の取得部として機能する。
ここで、用紙搬送性とは、用紙の搬送に係る物性値(パラメーター)のことである。
【0050】
用紙搬送性の一例は、用紙搬送時に中間転写ベルト22が用紙から受ける力に影響を及ぼす用紙のパラメーターである。具体的には、搬送される用紙の紙種、坪量、剛度、サイズ、摩擦係数(μ)、用紙厚等が挙げられる。
【0051】
また、用紙搬送性の他の例は、用紙搬送時に中間転写ベルト22が用紙から力を受ける時間(比率)に影響を及ぼすパラメーターである。具体的には、用紙長、紙間距離等が挙げられる。
【0052】
また、用紙搬送性の他の例は、用紙の搬送により中間転写ベルト22が用紙から受ける力に影響を及ぼすパラメーターである。具体的には、搬送される用紙に形成される画像の画像条件(例えば印字率)、用紙搬送時の環境条件、2次転写部23−定着部30間のループ量設定等が挙げられる。
【0053】
ステップS102において、制御部11は、用紙搬送性(用紙の搬送に係るパラメーター)の少なくともいずれか1つを取得する。
例えば、制御部11は、紙種、坪量、剛度、サイズ、摩擦係数の少なくともいずれか1つを取得するようにしてもよい。また、制御部11は、用紙長、紙間距離の少なくともいずれか1つを取得するようにしてもよい。また、制御部11は、画像条件、環境条件、2次転写部23−定着部30間のループ量設定の少なくともいずれか1つを取得するようにしてもよい。
なお、用紙搬送性を複数取得するときは、適宜任意の組み合わせで取得することができる。例えば、制御部11は、紙種、用紙長、画像条件を取得するようにしてもよい。
【0054】
次に、制御部11は、用紙搬送性と中間転写ベルト22の移動量との対応関係を示す蛇行補正テーブルを参照する(ステップS103)。蛇行補正テーブルは、記憶部12に記憶されている。
【0055】
蛇行補正テーブルの一例は、搬送される用紙の紙種、坪量、剛度、サイズ、摩擦係数、搬送される用紙に形成される画像の画像条件、用紙搬送時の環境条件及び2次転写部23−定着部30間のループ量設定の少なくともいずれか1つと、中間転写ベルト22の移動量と、の対応関係を示すテーブルである。すなわち、用紙搬送性の1つ(例えば紙種)と中間転写ベルト22の移動量との対応関係を示すテーブルが記憶部12に記憶されている。
【0056】
また、蛇行補正テーブルの他の例は、搬送される用紙の紙種、坪量、剛度、サイズ、摩擦係数、搬送される用紙に形成される画像の画像条件、用紙搬送時の環境条件及び2次転写部23−定着部30間のループ量設定の少なくともいずれか2つからなる組み合わせと、ベルトの移動量と、の対応関係を示すテーブルである。すなわち、用紙搬送性の少なくともいずれか2つからなる組み合わせと中間転写ベルト22の移動量との対応関係を示すテーブルが記憶部12に記憶されている。
【0057】
図5に、搬送される用紙の坪量及びサイズ(用紙長)と中間転写ベルト22の移動量(本実施形態では、ステアリングローラー281の幅方向の傾き角度)との対応関係を示す蛇行補正テーブルT1の一例を示す。
図5に示す例では、坪量が「200g/m
2以下」の場合、用紙長にかかわらず、ステアリングローラー281の傾き角度が「小」となるように設定されている。また、坪量が「201〜350g/m
2」の場合、用紙長が「420mm以下」の場合は「小」、「421〜700mm」の場合は「中」、「700mm以上」の場合は「大」となるように設定されている。また、坪量が「351g/m
2以上」の場合、用紙長が「420mm以下」の場合は「中」、「421mm以上」の場合は「大」となるように設定されている。
図5に示す蛇行補正テーブルT1では、坪量が大きければ大きいほど、また、用紙長が長ければ長いほど、ステアリングローラー281の傾き角度が大きくなるように(すなわち、中間転写ベルト22の移動量が大きくなるように)設定されている。これは、坪量が大きければ大きいほど、また、用紙長が長ければ長いほど、用紙搬送時に中間転写ベルト22が用紙から受ける力が大きくなって、中間転写ベルト22の幅方向の蛇行量が大きくなるからである
【0058】
図6に、搬送される用紙の坪量及び画像条件(印字率)と中間転写ベルト22の移動量(ステアリングローラー281の幅方向の傾き角度)との対応関係を示す蛇行補正テーブルT2の一例を示す。
図6に示す例では、坪量が「200g/m
2以下」の場合、印字率にかかわらず、ステアリングローラー281の傾き角度が「小」となるように設定されている。また、坪量が「201〜350g/m
2」の場合、印字率が「30%以下」の場合は「大」、「31〜100%」の場合は「中」となるように設定されている。また、坪量が「351g/m
2以上」の場合、印字率が「60%以下」の場合は「大」、「61〜100%」の場合は「中」となるように設定されている。
図6に示す蛇行補正テーブルT2では、
図5に示す蛇行補正テーブルT1と同様、坪量が大きければ大きいほど、ステアリングローラー281の傾き角度が大きくなるように(すなわち、中間転写ベルト22の移動量が大きくなるように)設定されている。
また、
図6に示す蛇行補正テーブルT2では、印字率が大きければ大きいほど、ステアリングローラー281の傾き角度が小さくなるように(すなわち、中間転写ベルト22の移動量が小さくなるように)設定されている。これは、印字率が大きければ大きいほど、用紙搬送時に用紙と中間転写ベルト22とでスリップが発生しやすいため、中間転写ベルト22が用紙から受ける力が小さくなって、中間転写ベルト22の幅方向の蛇行量が小さくなるからである
【0059】
ステップS103において、制御部11は、ステップS102で取得した用紙搬送性に対応する蛇行補正テーブルを記憶部12から読み出して、参照する。例えば、制御部11は、ステップS102で取得した用紙搬送性が「坪量及びサイズ(用紙長)」であった場合、
図5に示す蛇行補正テーブルT1を記憶部12から読み出して、参照する。
【0060】
次に、制御部11は、ステップS103で参照した蛇行補正テーブルに基づいて、ステアリング制御を行う(ステップS104)。ここで、ステアリング制御とは、ステアリング機構28を制御して、ステアリングローラー281の幅方向の傾き角度を制御することで、中間転写ベルト22の幅方向の移動量を調整する制御のことである。すなわち、制御部は、ステップS104でステアリング制御を行うことで、本発明の移動制御部として機能する。
【0061】
具体的には、制御部11は、蛇行検出部29により検出された中間転写ベルト22の幅方向の蛇行量に基づいて、その蛇行の方向(中間転写ベルト22の幅方向のいずれか)に応じて偏心カム284を正方向又は逆方向に回転させる。より具体的には、例えば、制御部11は、偏心カム284をステアリングローラー281の幅方向の傾き角度が蛇行補正テーブルに設定された傾き角度となるように回転させて、アーム282の上端部をクリーニングブレード27に近付く方向又は離れる方向に移動させる。例えば、制御部11は、ステップS102で取得した用紙搬送性が「坪量及びサイズ(用紙長)」であって、坪量が「400g/m
2」、用紙長が「600mm」の場合、傾き角度が「大」となるように、偏心カム284を回転させる。これにより、ステアリングローラー281の幅方向の傾き角度を制御することができるので、中間転写ベルト22が幅方向にずれて蛇行を生じた場合であっても、中間転写ベルト22の蛇行を補正することができる。
【0062】
次に、制御部11は、蛇行検出部29により検出された中間転写ベルト22の幅方向の位置に基づいて、中間転写ベルト22の所定以上の蛇行が検出されたか否かを判定する(ステップS105)。ここで、所定以上の蛇行とは、ベルト破損や色ずれの悪化等の不具合が生じるおそれのある蛇行量のことである。
制御部11は、中間転写ベルト22の所定以上の蛇行が検出されたと判定した場合(ステップS105:YES)、次のステップS106へと移行する。
一方、制御部11は、中間転写ベルト22の所定以上の蛇行が検出されていないと判定した場合(ステップS101:NO)、中間転写ベルト22の蛇行が解消されたと判断して、処理を終了する。
【0063】
次に、制御部11は、ステップS102で取得した用紙搬送性に基づいて、紙間距離を制御する(ステップS106)。すなわち、制御部11は、本発明の紙間制御部として機能する。
具体的には、制御部11は、ステップS102で取得した用紙搬送性に基づいて、紙間距離が長くなるように制御する。これは、紙間距離を長くするほど、中間転写ベルト22が用紙から力を受ける時間が短くなり、中間転写ベルト22の蛇行を抑制しやすくなるからである。
【0064】
制御部11は、ステップS106で紙間距離を制御した後、ステップS105へと移行して、再度中間転写ベルト22の所定以上の蛇行が検出されたか否かを判定する。そして、ステップS105で中間転写ベルト22の所定以上の蛇行が検出されなくなるまで、ステップS105及びステップS106の処理を繰り返す。これにより、中間転写ベルト22の蛇行を解消することができる。
【0065】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1のベルト蛇行補正装置は、ベルト(中間転写ベルト22)の幅方向にベルトを移動するベルト移動部(ステアリング機構28)と、ベルトの幅方向の蛇行を検出する蛇行検出部29と、蛇行検出部29により検出されたベルトの蛇行に基づいて、ベルト移動部によるベルトの移動を制御する移動制御部(制御部11)と、用紙搬送性を取得する取得部(制御部11)と、を備える。また、移動制御部は、取得部により取得された用紙搬送性に基づいて、ベルト移動部によるベルトの移動量を制御する。
したがって、本実施形態に係るベルト蛇行補正装置によれば、用紙搬送性を考慮して中間転写ベルト22の幅方向の移動量を調整することができるので、厚紙や長尺紙の通紙時であっても中間転写ベルト22の蛇行を補正することが可能となり、ベルト破損や色ずれの悪化を抑制することができる。また、ベルト蛇行補正装置が作動する前であっても用紙搬送性に基づいて中間転写ベルト22の幅方向の移動量を調整することができるので、ベルト破損や色ずれの悪化を抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態に係るベルト蛇行補正装置によれば、取得部は、搬送される用紙のパラメーター(紙種、坪量、剛度、サイズ及び摩擦係数の少なくともいずれか1つ)を取得し、移動制御部は、取得部により取得された用紙のパラメーターに基づいて、ベルトの移動量を制御する。
したがって、本実施形態に係るベルト蛇行補正装置によれば、用紙搬送時に中間転写ベルト22が用紙から受ける力に影響を及ぼす用紙のパラメーターを考慮して中間転写ベルト22の幅方向の移動量を調整することができるので、精度よく中間転写ベルト22の蛇行を補正することが可能となり、ベルト破損や色ずれの悪化を抑制することができる。
【0067】
また、本実施形態に係るベルト蛇行補正装置によれば、取得部は、搬送される用紙に形成される画像の画像条件、用紙搬送時の環境条件、転写部(2次転写部23)−定着部30間のループ量設定を取得し、移動制御部は、取得部により取得された画像条件、環境条件、転写部−定着部30間のループ量設定に基づいて、ベルトの移動量を制御する。
したがって、本実施形態に係るベルト蛇行補正装置によれば、用紙の搬送により中間転写ベルト22が用紙から受ける力に影響を及ぼすパラメーターを考慮して中間転写ベルト22の幅方向の移動量を調整することができるので、精度よく中間転写ベルト22の蛇行を補正することが可能となり、ベルト破損や色ずれの悪化を抑制することができる。
【0068】
また、本実施形態に係るベルト蛇行補正装置によれば、ベルト移動部は、ベルトを張架するステアリングローラー281の幅方向の傾きを調整するステアリング機構28を含み、移動制御部は、ベルトの移動量を制御する際、ステアリング機構28を制御して、ステアリングローラー281の幅方向の傾き角度を制御する。
したがって、本実施形態に係るベルト蛇行補正装置によれば、中間転写ベルト22の幅方向の移動量を容易に調整することができるので、中間転写ベルト22の蛇行を容易に補正することができる。
【0069】
また、本実施形態に係るベルト蛇行補正装置によれば、移動制御部は、用紙搬送性とベルトの移動量との対応関係を示す蛇行補正テーブルに基づいて、ベルトの移動量を制御する。蛇行補正テーブルの一例は、搬送される用紙の紙種、坪量、剛度、サイズ、摩擦係数、搬送される用紙に形成される画像の画像条件、用紙搬送時の環境条件及び転写部−定着部間のループ量設定の少なくともいずれか1つと、ベルトの移動量と、の対応関係を示すものである。また、蛇行補正テーブルの他の例は、搬送される用紙の紙種、坪量、剛度、サイズ、摩擦係数、搬送される用紙に形成される画像の画像条件、用紙搬送時の環境条件及び転写部−定着部間のループ量設定の少なくともいずれか2つからなる組み合わせと、ベルトの移動量と、の対応関係を示すものである。
したがって、本実施形態に係るベルト蛇行補正装置によれば、ベルト蛇行補正装置が作動する前であっても用紙搬送性に基づいて中間転写ベルト22の幅方向の移動量を調整することができるので、ベルト破損や色ずれの悪化を抑制することができる。
【0070】
また、本実施形態に係るベルト蛇行補正装置によれば、用紙搬送性に基づいて、紙間距離を制御する紙間制御部(制御部11)を備える。
したがって、本実施形態に係るベルト蛇行補正装置によれば、ステアリング制御で中間転写ベルト22の蛇行を補正しきれなかった場合に、中間転写ベルト22の蛇行を補正することができるので、より確実にベルト破損や色ずれの悪化を抑制することができる。
【0071】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0072】
例えば、ステアリング制御(
図4のステップS104参照)を行う際、さらに、中間転写ベルト22の張力を制御するようにしてもよい。すなわち、ステアリング機構28に、中間転写ベルト22の張力を調整する張力調整機構を新たに備えるようにし、制御部11が、ステアリング制御を行う際、張力調整機構を制御して、中間転写ベルト22の張力を制御するようにしてもよい。そうすることで、中間転写ベルト22の張力を調整した状態でステアリング制御を行うことができる。
なお、張力調整機構としては、例えば、中間転写ベルト22に内方から当接する当接部材と、当接部材を中間転写ベルト22に付勢するバネと、バネの付勢力を調整するカムと、を備える構成等が挙げられる。制御部11は、張力を弱くする際には、バネの付勢力が弱まるようにカムを制御し、張力を強くする際には、バネの付勢力が強まるようにカムを制御する。
【0073】
以上のように、ベルト移動部は、ベルトの張力を調整する張力調整機構を含み、移動制御部は、ベルトの移動量を制御する際、張力調整機構を制御して、ベルトの張力を制御することで、中間転写ベルト22の張力を調整した状態でステアリング制御を行うことができるので、ステアリングローラー281の幅方向の傾き角度に制約がある場合であっても、所望する移動量を得ることができる。
【0074】
また、ステアリング制御を行う際、さらに、中間転写ベルト22のステアリングローラー281に対する巻きつけ角度を調整するようにしてもよい。すなわち、ステアリング機構28に、中間転写ベルト22のステアリングローラー281に対する巻きつけ角度を調整する角度調整機構を新たに備えるようにし、制御部11が、ステアリング制御を行う際、角度調整機構を制御して、中間転写ベルト22のステアリングローラー281に対する巻きつけ角度を制御するようにしてもよい。そうすることで、中間転写ベルト22のステアリングローラー281に対する巻きつけ角度を調整した状態でステアリング制御を行うことができる。
なお、角度調整機構としては、例えば、ステアリングローラー281よりも搬送方向下流側に、中間転写ベルト22を内方から押し出す方向に移動可能なローラーを備える構成等が挙げられる。制御部11は、巻きつけ角度を緩くする際には、中間転写ベルト22を内方から押し出すようにローラーを制御し、巻きつけ角度を急にする際には、中間転写ベルト22から退避する方向に移動するようローラーを制御する。
【0075】
以上のように、ベルト移動部は、ベルトのステアリングローラー281に対する巻きつけ角度を調整する角度調整機構を含み、移動制御部は、ベルトの移動量を制御する際、角度調整機構を制御して、巻きつけ角度を制御することで、中間転写ベルト22のステアリングローラー281に対する巻きつけ角度を調整した状態でステアリング制御を行うことができるので、ステアリングローラー281の幅方向の傾き角度に制約がある場合であっても、所望する移動量を得ることができる。
【0076】
また、上記実施形態では、ステアリング制御(
図4のステップS104参照)を行った後、中間転写ベルト22の所定以上の蛇行が検出された場合(ステップS105:YES)に、紙間距離を制御する(ステップS106)ようにしているが、これに限定されるものではない。すなわち、ステアリング制御を行った後、蛇行の検出や紙間距離の制御を行うことなく、そのまま処理を終了するようにしてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、ステアリング制御を行う際、蛇行補正テーブルに基づいて、中間転写ベルト22の幅方向の移動量を調整するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、蛇行補正テーブルを用いた制御の他、更に、蛇行検出部29を用いて算出した中間転写ベルト22の幅方向の蛇行量を加味して、中間転写ベルト22の幅方向の移動量を調整するようにしてもよい。これにより、設計値と異なる蛇行量が発生した場合となっても、中間転写ベルト22の蛇行を補正することができる。
【0078】
また、上記実施形態では、本発明のベルトとして、中間転写ベルト22を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、定着ベルト等に適用するようにしてもよい。
【0079】
その他、画像形成装置を構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。