(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザを認証する認証手段により認証された第1ユーザに係る自装置の設定変更処理の実行の承認を要求する承認要求画面の表示を、前記認証手段により認証された第2ユーザが操作する装置に指示する指示手段と、
前記承認要求画面に対する前記第2ユーザの応答を取得する応答取得手段と、
前記応答取得手段が取得した応答に応じて前記設定変更処理を実行する実行手段と、
前記実行手段が前記第1ユーザに係る設定変更処理を実行したあとで自装置の再起動を行うときに前記第2ユーザに係る設定変更処理が実行されていない場合、前記第2ユーザに係る設定変更処理を記憶する記憶手段と、
前記再起動後に前記第2ユーザが前記認証手段により認証された場合、前記記憶手段に記憶された前記第2ユーザに係る設定変更処理を復元する復元手段と
を備える情報処理装置。
前記指示手段は、前記第1ユーザの設定変更処理で変更される設定項目と、前記第2ユーザの設定変更処理で変更される設定項目との間に関係がある場合、当該関係を表す画面の表示を第2ユーザが操作する装置に指示する
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の端末装置からアクセスされる情報処理装置においては、複数の端末装置から操作が行われることがある。印刷や文書のスキャンなどの処理の予約実行については、複数の端末装置から予約されて衝突する処理について利用の許可や拒否を行うことにより、処理の衝突を回避することができる。一方、情報処理装置の設定の変更の処理については、ユーザが随時行うものであるため、複数のユーザが同じ期間に設定の変更の操作を行っていると、あるユーザが行った設定が、他のユーザによって変更されてしまい、あるユーザにとっては所望の設定にならない場合が生じ得る。
【0005】
本発明は、複数のユーザによる設定変更が背反するのを防ぐ技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る情報処理装置は、ユーザを認証する認証手段により認証された第1ユーザに係る自装置の設定変更処理の実行の承認を要求する承認要求画面の表示を、前記認証手段により認証された第2ユーザが操作する装置に指示する指示手段と、前記承認要求画面に対する前記第2ユーザの応答を取得する応答取得手段と、前記応答取得手段が取得した応答に応じて前記設定変更処理を実行する実行手段と、
前記実行手段が前記第1ユーザに係る設定変更処理を実行したあとで自装置の再起動を行うときに前記第2ユーザに係る設定変更処理が実行されていない場合、前記第2ユーザに係る設定変更処理を記憶する記憶手段と、前記再起動後に前記第2ユーザが前記認証手段により認証された場合、前記記憶手段に記憶された前記第2ユーザに係る設定変更処理を復元する復元手段とを備える。
【0007】
本発明の請求項2に係る情報処理装置においては、前記実行手段は、前記応答取得手段が取得した応答が前記設定変更処理の実行を承認する応答である場合、前記設定変更処理実行する。
【0008】
本発明の請求項3に係る情報処理装置においては、前記設定変更処理は、実行時刻が指定されており、前記実行手段は、前記実行時刻に前記設定変更処理を実行する。
【0009】
本発明の請求項4に係る情報処理装置においては、前記実行手段は、前記応答取得手段が取得した応答が前記設定変更処理の実行を拒否する応答である場合、前記設定変更処理を実行しない。
【0010】
請求項5に係る情報処理装置においては、前記応答取得手段が取得した応答が前記設定変更処理の実行を拒否する応答である場合、前記第1ユーザが操作する装置と前記第2ユーザが操作する装置との間
で音声またはテキストの通信
を開始させる。
【0011】
本発明の請求項6に係る情報処理装置においては、前記設定変更処理は、装置の設定を変更する設定変更処理あり、前記指示手段は、前記第1ユーザの設定変更処理で変更される設定項目と、前記第2ユーザの設定変更処理で変更される設定項目との間に関係がある場合、当該関係を表す画面の表示を第2ユーザが操作する装置に指示する。
【0013】
本発明の請求項
7に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザを認証する認証手段により認証された第1ユーザに係る自装置の設定変更処理の実行の承認を要求する承認要求画面の表示を、前記認証手段により認証された第2ユーザが操作する装置に指示する指示手段と、前記承認要求画面に対する前記第2ユーザの応答を取得する応答取得手段と、前記応答取得手段が取得した応答に応じて前記設定変更処理を実行する実行手段と、
前記実行手段が前記第1ユーザに係る設定変更処理を実行したあとで自装置の再起動を行うときに前記第2ユーザに係る設定変更処理が実行されていない場合、前記第2ユーザに係る設定変更処理を記憶する記憶手段と、前記再起動後に前記第2ユーザが前記認証手段により認証された場合、前記記憶手段に記憶された前記第2ユーザに係る設定変更処理を復元する復元手段ととして機能させるためのプログラムである。
【0014】
本発明の請求項
8に係る情報処理ステムは、ユーザを認証する認証手段により認証された第1ユーザに係る自装置の設定変更処理の実行の承認を要求する承認要求画面の表示を、前記認証手段により認証された第2ユーザが操作する装置に指示する指示手段と、前記承認要求画面に対する前記第2ユーザの応答を取得する応答取得手段と、前記応答取得手段が取得した応答に応じて前記設定変更処理を実行する実行手段と、
前記実行手段が前記第1ユーザに係る設定変更処理を実行したあとで自装置の再起動を行うときに前記第2ユーザに係る設定変更処理が実行されていない場合、前記第2ユーザに係る設定変更処理を記憶する記憶手段と、前記再起動後に前記第2ユーザが前記認証手段により認証された場合、前記記憶手段に記憶された前記第2ユーザに係る設定変更処理を復元する復元手段とを有する情報処理装置と、前記指示手段からの指示に応じて前記承認要求画面を表示する表示手段と、前記表示手段が表示した前記承認要求画面に対するユーザからの応答を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた応答を前記情報処理装置へ送信する送信手段とを有する端末装置とを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に係る情報処理装置によれば、複数のユーザの設定変更処理が背反するのを防
ぎ、あるユーザの設定変更処理の実行後に再起動が行われた場合、他のユーザの設定変更処理を復元することができる。
本発明の請求項2に係る情報処理装置によれば、あるユーザに係る設定変更処理について、他のユーザにより実行が承認されると、設定変更処理を実行することができる。
本発明の請求項3に係る情報処理装置によれば、設定変更処理の実行時刻を指定することができる。
本発明の請求項4に係る情報処理装置によれば、あるユーザに係る設定変更処理について、他のユーザにより実行が拒否されると、設定変更処理が実行されず、設定変更処理が背反するのを防ぐことができる。
本発明の請求項5に係る情報処理装置によれば、設定変更処理の実行が拒否された場合、音声またはテキストの通信により、ユーザ同士が設定変更処理の背反を解決することができる。
本発明の請求項6に係る情報処理装置によれば、あるユーザによる設定変更について、他のユーザの設定変更が関係する場合、ユーザは、設定項目の関係を知ることができ、設定変更が背反するのを防ぐことができる。
本発明の請求項7に係るプログラムによれば、複数のユーザの設定変更処理が背反するのを防
ぎ、あるユーザの設定変更処理の実行後に再起動が行われた場合、他のユーザの設定変更処理を復元することができる。
本発明の請求項8に係る情報処理システムによれば、複数のユーザの設定変更処理が背反するのを防
ぎ、あるユーザの設定変更処理の実行後に再起動が行われた場合、他のユーザの設定変更処理を復元することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施形態]
(全体構成)
図1は、本発明の一実施形態の情報処理システム1に係る装置を示した図である。通信回線2は、データ通信が行われる通信回線であり、データ通信を行う複数のコンピュータ装置が接続される。通信回線2には、例えば有線LAN(Local Area Network)および無線LANが含まれる。
【0018】
本発明に係る情報処理装置の一例である画像形成装置20は、用紙に画像を形成する画像形成機能、文書を読み取るスキャン機能、複写機能、ファクシミリ機能および写真印刷機能などを備えた装置である。画像形成装置20は、通信回線2に接続されており、通信回線2を介して他のコンピュータ装置と接続してデータ通信を行う。
【0019】
本発明に係る端末装置の一例である端末装置10は、データ通信を行う装置であり、本実施形態においては、スマートフォンである。端末装置10は、通信回線2に含まれている無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントにアクセスして通信回線2に接続し、通信回線2を介してデータ通信を行う。本実施形態においては、複数の端末装置10が通信回線2に接続可能であるが、
図1においては、図面が煩雑になるのを防ぐため、一つの端末装置10のみを示す。なお、端末装置10は、スマートフォンに限定されるものではなく、例えば、タブレット端末、デスクトップ型のパーソナルコンピュータまたはラップトップ型のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0020】
情報処理システム1においては、端末装置10と画像形成装置20が通信回線2を介して通信を行い、画像形成装置20の操作や設定を行うための画面を端末装置10で表示し、表示された画面を操作することにより、端末装置10から画像形成装置20の操作や設定を行うことが可能となっている。
【0021】
(端末装置10の構成)
図2は、端末装置10のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。タッチパネル103は、液晶ディスプレイと、液晶ディスプレイの表示面において指の接触を検出するセンサーとを組み合わせた装置である。タッチパネル103は、文字やGUI(Graphical User Interface)などを表示する。また、タッチパネル103は、ユーザが指で触れた位置をセンサーで検出する。
【0022】
通信部105は、通信回線2を介した通信を行う通信インターフェースとして機能する。また、通信部105は、移動体通信網を介して音声通話の通信およびデータ通信を行う通信インターフェースとしても機能する。
【0023】
音声処理部107は、マイクロフォンとスピーカを有している。音声処理部107は、端末装置10で音声通話を行う場合、通話相手の音声に係るデジタル信号が通信部105から供給されると、供給されたデジタル信号をアナログ信号に変換する。このアナログ信号は、スピーカへ供給され、スピーカからは、通話相手の音声が放音される。また、音声処理部107は、マイクロフォンが音声を収音すると、収音した音声をデジタル信号に変換する。音声処理部107は、端末装置10で音声通話を行う場合、ユーザの音声を変換して得られたデジタル信号を通信部105へ供給する。このデジタル信号は、通信部105から移動体通信網へ送信され、通話相手の端末装置10へ送信される。
【0024】
記憶部102は、データを永続的に記憶する不揮発性メモリーを有している。記憶部102は、スマートフォンにインストールされる周知のオペレーティングシステムのプログラム、アプリケーションプログラムおよび各種プログラムが使用するファイルを記憶する。また、記憶部102は、画像形成装置20の操作や設定を行うための専用のアプリケーションプログラム(以下、専用アプリと称する)および専用アプリが使用する各種情報を記憶する。
【0025】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)を備えており、オペレーティングシステムのプログラムやアプリケーションプログラムを実行する。プログラムを実行している制御部101は、タッチパネル103が検出した位置と、タッチパネルに表示されている画面に応じてユーザの操作を特定し、特定した操作に応じて各部の制御や各種処理を実行する。
【0026】
(端末装置10の機能構成)
図3は、専用アプリを実行することにより端末装置10において実現する機能のうち、本発明に係る特徴的な機能の構成の一例を示した機能ブロック図である。
本発明に係る表示手段の一例である表示制御部1001は、画像形成装置20からの指示に応じて、ジョブの実行の承認を要求する承認要求画面がタッチパネル103に表示されるようにタッチパネル103を制御する。
本発明に係る受付手段の一例である受付部1002は、タッチパネル103に表示された承認要求画面に対して行われたユーザの応答を受け付ける。
本発明に係る送信手段の一例である送信部1003は、受付部1002が受け付けた応答を画像形成装置20へ送信する。
【0027】
(画像形成装置20の構成)
図4は、画像形成装置20のハードウェア構成の一例を示した図である。操作部204は、画像形成装置20を操作するための複数のボタンを有する。また、操作部204は、液晶ディスプレイと液晶ディスプレイの表示面において指の接触を検出するセンサーとを組み合わせたタッチパネルを備えている。タッチパネルは、画像形成装置20を操作するためのGUIの画面を表示する。なお、本実施形態においては、画像形成装置20はタッチパネルを有し、タッチパネルとボタンで画像形成装置20を操作可能であるが、タッチパネルの替わりに液晶ディスプレイを有し、液晶ディスプレイでGUIの画面を表示し、ボタンで画像形成装置を操作する構成であってもよい。
【0028】
通信部205は、通信回線2に有線または無線で接続されており、通信回線2に接続されている他の装置とデータ通信を行う。
【0029】
スキャン部206は、文書を光学的に読み取り、読み取った文書の画像を表す画像ファイルを生成する画像読取装置(図示略)を備えている。画像処理部208は、用紙に形成する画像を表す画像データに各種処理を施すものである。画像処理部208は、制御部201から供給される画像データが表す画像に色補正や階調補正等の画像処理を施し、画像処理が施された画像からYellow(Y)、Magenta(M)、Cyan(C)、Black(K)の各色の画像の画像データを生成して画像形成部207へ出力する。
【0030】
画像形成部207は、電子写真方式によって用紙にトナー像を形成する。具体的には、画像形成部207は、Yellowの色のトナー像を形成する画像形成部、Magentaの色のトナー像を形成する画像形成部、Cyanの色のトナー像を形成する画像形成部、Blackの色のトナー像を形成する画像形成部を備えている。各画像形成部は、画像処理部208が出力した画像データに従って感光体上に静電潜像を形成した後、感光体表面にトナーを付着させてYellow、Magenta、Cyan、Blackの各色のトナー像を形成し、このトナー像を用紙に転写する。そして、用紙に転写されたトナー像に熱と圧力を加えて定着させた後、トナー像が形成された用紙を画像形成装置20の外へ排出する。なお、画像形成部207は、本実施形態においてはトナーを用いて用紙に画像を形成するが、インクジェット方式などのインクを用いて用紙に画像を形成する構成としてもよい。
【0031】
本発明に係る記憶手段の一例である記憶部202は、データを永続的に記憶する記憶装置を有しており、他の装置から送信されて通信部205が受信した文書ファイルや画像ファイル、スキャン部206が生成した画像ファイルを記憶する。また、記憶部202は、予め画像形成装置20の使用を許可されたユーザのユーザIDおよびパスワードを記憶する。画像形成装置20は、ユーザが入力したユーザIDおよびパスワードと、記憶しているユーザIDおよびパスワードを比較し、ユーザが入力したユーザIDおよびパスワードが記憶されている場合、ユーザがログインした状態となり、ユーザが使用可能な状態となる。また、記憶部202は、ユーザが行った画像形成装置20の設定に係る情報を記憶する。
【0032】
制御部201は、CPU、RAMおよび不揮発性メモリーを備えており、不揮発性メモリーに記憶されているオペレーティングシステムのプログラムやアプリケーションプログラムを実行する。
【0033】
図5は、画像形成装置20において実現する機能のうち、本発明に係る機能の構成を示したブロック図である。
本発明に係る指示手段の一例である指示部2001は、画像形成装置20の使用を認証されてログインしたユーザに係るジョブの実行の承認を要求する承認要求画面の情報を、ログインした他のユーザが操作する装置に指示する。例えば、指示部2001は、画像形成装置20を操作してログインしたユーザAに係るジョブの実行の承認を要求する承認要求画面の情報を、端末装置10を操作して画像形成装置20にログインしたユーザBが操作する端末装置10へ送信し、当該画面の表示を指示する。また、指示部2001は、端末装置10を操作してログインしたユーザBに係るジョブの実行の承認を要求する承認要求画面の表示を、操作部204を操作して画像形成装置20にログインしたユーザAが操作する画像形成装置20、即ち自装置に指示する。
【0034】
本発明に係る応答取得手段の一例である応答取得部2002は、上述の承認要求画面に対するユーザの応答を取得する。本発明に係る実行手段の一例である実行部2003は、応答取得部2002が取得した応答に応じてジョブを実行する。
【0035】
(実施形態の動作例)
次に本実施形態の動作の一例について説明する。なお、以下の説明においては、画像形成装置20を操作するユーザAと、端末装置10を操作するユーザBが、画像形成装置20の設定が可能なユーザとして登録されている状態を想定して動作例の説明を行う。
【0036】
ユーザAがユーザIDおよびパスワードを操作部204で入力し、入力されたユーザIDとパスワードの組と同じ組が記憶部202に記憶されている場合、画像形成装置20においては、ユーザAがログインした状態となる(
図6:ステップSA1)。ここで制御部201は、ユーザを認証する認証手段の一例である。ユーザAが画像形成装置20にログインした状態となると、画像形成装置20は、画像形成装置20を操作するためのGUI画面を操作部204のタッチパネルで表示する(ステップSA2)。また、画像形成装置20は、ログインしたユーザAに係るジョブについて、ジョブの種類を操作ジョブとする(ステップSA3)。
【0037】
また、ユーザBが画像形成装置20へのログインのための画面を表示している端末装置10において、ユーザIDおよびパスワードをタッチパネル103で入力すると、端末装置10は、入力されたユーザIDおよびパスワードを取得する(ステップSA4)。ユーザIDおよびパスワードの入力後、ユーザBがログインの操作を行うと、端末装置10は、取得したユーザIDおよびパスワードの組を画像形成装置20へ送信する(ステップSA5)。
【0038】
画像形成装置20は、ステップSA5で送信されたユーザIDとパスワードの組を取得する。画像形成装置20においては、この取得したユーザIDとパスワードの組と同じ組が記憶部202に記憶されている場合、ユーザBが画像形成装置20にログインした状態となる(ステップSA6)。画像形成装置20は、ログインしたユーザBに係るジョブについて、ジョブの種類を操作ジョブとする(ステップSA7)。画像形成装置20は、ユーザBがログインすると、画像形成装置20を操作するためのGUI画面を表す画面情報を端末装置10へ送信する(ステップSA8)。端末装置10は、ステップSA6で送信された画面情報を取得する。ステップSA6で送信された画面情報を取得した端末装置10は、取得した画面情報が表すGUI画面をタッチパネル103で表示する(ステップSA9)。
【0039】
図7(a)は、ステップSA2で操作部204に表示されるGUI画面の一例を示した図であり、
図7(b)は、ステップSA9でタッチパネル103に表示されるGUI画面の一例を示した図である。ユーザAとユーザBが画像形成装置20にログインしている場合、ユーザAが操作する操作部204で表示されるGUI画面においては、
図7(a)に示したように、ユーザAに係るジョブの種類と、ユーザBに係るジョブの情報が右上に表示される。
図7(a)に示した例においては、「自:操作中」との表示がユーザAに係るジョブを表しており、「他:操作中」との表示がユーザBに係るジョブを表している。また、ユーザBが操作するタッチパネル103で表示されるGUI画面においては、
図7(b)に示したように、ユーザBに係るジョブの情報と、ユーザAに係るジョブの情報が右上に表示される。
図7(b)に示した例においては、「自:操作中」との表示がユーザBに係るジョブを表しており、「他:操作中」との表示がユーザAに係るジョブを表している。
【0040】
次に、ユーザAが画像形成装置20の設定を行うための設定画面の表示を指示する操作を行うと(
図8:ステップSB1)、画像形成装置20は、ユーザAのジョブの種類を設定ジョブとし、設定ジョブの状態を「未確定」とする(ステップSB2)。設定ジョブは、本発明に係る自装置の設定変更処理の一例である。また、画像形成装置20は、操作部204において画像形成装置20の設定画面を表示する(ステップSB3)。
図9(a)は、ステップSB3で表示される設定画面の一例を示した図である。
図9(a)に示したように、操作部204で表示される画面においては、ユーザAに係るジョブの状態がユーザAに係るジョブに応じて「自:設定中」と表示される。
【0041】
また、画像形成装置20は、ユーザAのジョブが設定ジョブ(未確定)となると、画像形成装置20を操作するためのGUI画面を更新し(ステップSB4)、更新されたGUI画面の情報を端末装置10へ送信する(ステップSB5)。端末装置10は、画像形成装置20から送信された情報を受信し、受信した情報が表す画面を表示する(ステップSB6)。
図9(b)は、ステップSB6でタッチパネル103に表示される画面の一例を示した図である。
図9(b)に示したように、タッチパネル103においては、ユーザAに係るジョブの情報が更新されて「他:設定中」と表示され、ユーザAのジョブが設定ジョブ(未確定)となったことがわかる。
【0042】
ユーザAは、表示された設定画面で設定変更の操作を行った後、設定を確定する場合、
図9(a)に示した「確定」のボタンをタップする(
図10:ステップSC1)。画像形成装置20は、複数のユーザがログインしている状態において、設定を確定する操作が行われると、設定を確定したユーザAの設定ジョブの状態を「承認待ち」とする(ステップSC2)。また、画像形成装置20は、操作部204で表示する設定画面を更新し(ステップSC3)、
図11(a)に示したように、ユーザAに係るジョブの情報の表示を「自:設定承認待ち」とする。ジョブの状態が設定ジョブ(承認待ち)の状態においては、ユーザAが行った設定変更は確定されていない状態となっている。
【0043】
また、画像形成装置20は、ユーザAのジョブの状態が設定ジョブ(承認待ち)となると、画像形成装置20を操作するためのGUI画面を更新し(ステップSC4)、更新されたGUI画面の情報を端末装置10へ送信する(ステップSC5)。端末装置10は、画像形成装置20から送信された情報を受信し、受信した情報が表す画面を表示する(ステップSC6)。
図11(b)は、ステップSC6でタッチパネル103に表示される画面の一例を示した図である。
図11(b)に示したように、タッチパネル103においては、ユーザAに係るジョブの情報が更新されて「他:設定承認待ち」と表示され、ユーザAのジョブの状態が設定ジョブ(承認待ち)となったことがわかる。
【0044】
図11(b)の画面において、ユーザBが、「他:設定承認待ち」のボタンをタップする操作を行うと(ステップSC7)、端末装置10は、設定承認待ちとなっているユーザAの設定内容を表す画面を要求するメッセージを画像形成装置20へ送信する(ステップSC8)。画像形成装置20は、ステップSC8で端末装置10が送信したメッセージを受信すると、設定承認待ちとなっているユーザAの設定内容を表す画面の情報を端末装置10へ送信し(ステップSC9)、当該画面の表示を端末装置10へ指示する。
【0045】
端末装置10(表示制御部1001)は、画像形成装置20から送信された情報を受信し、受信した情報が表す画面を表示する(ステップSC10)。
図12は、ステップSC10でタッチパネル103に表示される画面の一例を示した図である。
図12に示した画面は、本発明に係る承認要求画面の一例である。
図12に示したように、端末装置10においては、ユーザAが行った設定の内容と、設定を承認するためのYESボタンおよび拒否するためのNOボタンが表示される。
【0046】
図12(b)の画面において、ユーザBがYESのボタンをタップする操作を行うと(
図13:ステップSD1)、端末装置10は、タップ操作によるユーザからの応答を受け付け、設定変更を承認することを表すメッセージ(応答)を画像形成装置20へ送信する(ステップSD2)。画像形成装置20は、ステップSD2で送信されたメッセージを受信する。画像形成装置20は、設定変更を承認することを表すメッセージを受信すると、設定承認待ちとなっているユーザAの設定変更を実行して確定する(ステップSD3)。画像形成装置20は、ユーザAが行った設定変更を確定すると、ユーザAのジョブの種類を操作ジョブとする(ステップSD4)。また、画像形成装置20は、ユーザAのジョブの状態に応じて、操作部204で表示している画面を更新する(ステップSD5)。画像形成装置20が画面を更新すると、ユーザAに係るジョブの情報の表示は、「自:操作中」に更新される。
【0047】
また、画像形成装置20は、ユーザAのジョブの種類が操作ジョブとなると、画像形成装置20を操作するためのGUI画面を更新し(ステップSD6)、更新されたGUI画面の情報を端末装置10へ送信する(ステップSD7)。端末装置10は、画像形成装置20から送信された情報を受信し、受信した情報が表す画面を表示する(ステップSD8)。ステップSD8で表示される画面においては、ユーザAのジョブが操作ジョブとなったため、ユーザAに係るジョブについて「他:操作中」と表示される。
【0048】
一方、
図12(b)の画面において、ユーザBがNOのボタンをタップする操作を行うと(
図14:ステップSE1)、端末装置10は、設定変更を拒否することを表すメッセージを画像形成装置20へ送信する(ステップSE2)。画像形成装置20は、ステップSE2で送信されたメッセージを受信する。画像形成装置20は、設定変更を拒否することを表すメッセージを受信すると、承認待ちとなっているユーザAの設定変更を破棄し(ステップSE3)、設定が拒否されたことを操作部204で表示する(ステップSE4)。
図15は、ステップSE4で表示される画面の一例を示した図である。
図15に示した画面において、ユーザが「戻る」のボタンをタップする操作を行うと(ステップSE5)、画像形成装置20は、ユーザAのジョブの種類を操作ジョブとし(ステップSE6)、ユーザAのジョブの種類に応じて、操作部204で表示している画面を更新する(ステップSE7)。画像形成装置20が画面を更新すると、ユーザAに係るジョブの表示は、「自:操作中」に更新される。
【0049】
また、画像形成装置20は、ユーザAのジョブの種類が操作ジョブとなると、画像形成装置20を操作するためのGUI画面を更新し(ステップSE8)、更新されたGUI画面の情報を端末装置10へ送信する(ステップSE9)。端末装置10は、画像形成装置20から送信された情報を受信し、受信した情報が表す画面を表示する(ステップSE10)。ステップSE10で表示される画面においては、ユーザAのジョブが操作ジョブとなったため、ユーザAに係るジョブについて「他:操作中」と表示される。
【0050】
以上説明したように、本実施形態によれば、複数のユーザが画像形成装置20を使用しているときに画像形成装置20の設定が変更された場合、設定を行ったユーザ以外のユーザが設定変更を承認すると、設定変更が確定し、設定を行ったユーザ以外のユーザが設定を拒否すると設定変更が確定せず、複数のユーザが行う設定が背反することがない。
【0051】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態および以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。
【0052】
(変形例1)
上述した実施形態においては、二人のユーザが画像形成装置20にログインした場合の動作を説明したが、同時にログインが可能なユーザの数は、二人に限定されるものではなく、3人以上であってもよい。同時にユーザが3人以上、画像形成装置20にログインしている場合、ユーザ毎に、ユーザに係るジョブの情報を表示してもよい。例えば、画像形成装置20を操作するユーザAに係るジョブが操作ジョブ、第1の端末装置10を操作するユーザBに係るジョブが操作ジョブ、第2の端末装置10を操作するユーザCに係るジョブが設定ジョブ(未確定)である場合、各ユーザが操作する画面においては、操作ジョブであるユーザAのジョブの情報、操作ジョブであるユーザBのジョブの情報および設定ジョブ(未確定)であるユーザCのジョブの情報が表示される。
【0053】
(変形例2)
上述した実施形態においては、端末装置10が画像形成装置20の操作のための画面を表示しているときに、ユーザAに係るジョブの情報とユーザBに係るジョブの情報を画面上に表示しているが、端末装置10Bが設定画面を表示している状態においても、ユーザAに係るジョブの情報とユーザBに係るジョブの情報を画像形成装置20と端末装置10の画面上で表示してもよい。
【0054】
(変形例3)
本発明においては、例えば、
図9(a)の画面において、キャンセルのボタンをタップする操作が行われ、ユーザAが設定を確定せずにキャンセルした場合、ユーザAのジョブの種類を操作ジョブに戻してもよい。この場合、画像形成装置20は、画像形成装置20を操作するためのGUI画面を表示するが、
図7(a)に示したように、ユーザAに係るジョブを「自:操作中」と表示する。また、画像形成装置20は、ユーザAのジョブの種類が操作ジョブとなったことに応じて、端末装置10で表示する画面を更新し、更新された画面の情報を端末装置10へ送信する。端末装置10が、画像形成装置20から送信された更新された画面の情報を受信し、受信した情報が表す画面を表示すると、
図7(b)に示したように、タッチパネル103においては、ユーザAに係るジョブについて「他:操作中」と表示される。
【0055】
(変形例4)
本発明においては、画像形成装置20は、ユーザAのジョブが設定ジョブ(承認待ち)となったときに、他の全てのユーザのジョブが操作ジョブである場合、他のユーザの承認を得ずにユーザAが行った設定変更を確定してもよい。また、本変形例においては、画像形成装置20は、設定変更を行ったユーザ以外の他のユーザの承認を得ずに設定変更を実行した場合、設定変更の内容を表す画面の情報を他のユーザが操作する装置へ送信し、この情報を受信した装置は、受信した情報が表す画面を表示してもよい。この構成によれば、設定変更を行ったユーザ以外の他のユーザは、設定変更の内容を知ることができる。
【0056】
(変形例5)
上述した実施形態においては、
図12に示した画面においてユーザBがNOのボタンをタップする操作を行った場合、画像形成装置20と端末装置10がチャットの通信を開始する構成としてもよい。この構成によれば、設定変更を拒否した理由をユーザAがチャットでユーザBに対して問い合わせることができる。なお、チャットの通信においては、テキストによるチャットに限定されず、音声によるチャットであってもよい。
【0057】
(変形例6)
画像形成装置20においては、設定の変更が確定した場合、画像形成装置20を再起動する場合がある。例えば、ユーザBが画像形成装置20の設定を変更しており、ユーザBのジョブが設定ジョブ(未確定)である状態において、ユーザAが設定した再起動を要する設定変更が確定した場合、再起動の前にユーザBに係る設定ジョブの情報を記憶部202に記憶させ、再起動後にユーザBがログインした場合、記憶部202に記憶させていたユーザBのジョブの情報を復元する構成としてもよい。本変形例においては、制御部201は、本発明に係る復元手段の一例である。記憶していたジョブの情報を画像形成装置20が復元すると、タッチパネル103においては、再起動が行われる前に端末装置10において表示されていた設定画面が表示され、ユーザBは、再起動により中断した設定変更を再開することができる。
【0058】
(変形例7)
本発明においては、画像形成装置20の設定変更について、設定変更を実行する時刻(実行時刻)を設定する構成としてもよい。この構成によれば、ログインしているユーザに承認された設定変更を、設定変更を行ったユーザが指定した時刻に行うことが可能となる。
【0059】
(変形例8)
本発明においては、ログインしているユーザに係るジョブの情報を表示する際に、ジョブの情報を表す文字の背景の色がジョブの状態に応じて異なる構成であってもよい。例えば、ログインしているユーザに係るジョブが操作ジョブである場合には、
図7に例示した「自:操作中」および「他:操作中」の文字列の背景を青としてもよい。また、ログインしているユーザに係るジョブが設定ジョブ(未確定)である場合には、
図9(a)に示した「自:設定中」の文字列の背景と、
図9(b)に示した「他:設定中」の文字列の背景を青とし、ログインしているユーザに係るジョブが設定ジョブ(承認待ち)である場合、
図11(a)に示した「自:設定承認待ち」の文字列の背景と、
図11(b)に示した「他:設定承認待ち」の文字列の背景を赤としてもよい。また、設定変更を実行する時刻が指定されている場合、ユーザに承認されて実行待ちとなっている設定ジョブについては、「設定(実行待ち)」と表示し、この文字列の背景の色を黄色としてもよい。
【0060】
(変形例9)
本発明においては、ユーザBが、「他:設定承認待ち」のボタンをタップすると、端末装置10は、設定承認待ちとなっているユーザAのジョブの内容を表す画面を表示するが、この画面において、設定の変更前の状態と変更後の状態を表示するようにしてもよい。例えば、操作部204のタッチパネルで表示する文字のフォントを変更した場合、変更前のフォントと変更後のフォントを表示するようにしてもよい。また、設定の変更前の状態と変更後の状態を表示する構成においては、操作部204で表示する言語、画面の背景、画面のデザインなどについても、設定の変更前の状態と変更後の状態を表示してもよい。
【0061】
(変形例10)
画像形成装置20の設定を行うための画面の構成については、例えば階層構造としてもよい。例えば、ユーザの認証を行うか否かを設定する画面において、認証を行わない設定とした場合、ユーザのユーザIDおよびパスワードを設定する画面へ遷移するためのボタンのGUIをグレーアウトし、ユーザの認証を行う設定とした場合、ユーザのユーザIDおよびパスワードを設定する画面へ遷移するためのボタンのGUIのグレーアウトを解除する。ユーザのユーザIDおよびパスワードを設定する画面へ遷移するためのボタンのGUIをユーザがタップした場合、画像形成装置20は、ユーザのユーザIDおよびパスワードを設定する画面を表示する。この場合、ユーザの認証を行うか否かの設定と、ユーザIDおよびパスワードの設定は互いに関係があり、ユーザの認証を行うか否かを設定する画面は、ユーザIDおよびパスワードを設定する画面の上の階層となる。
【0062】
このように設定の画面が階層構造になっている構成において、ユーザBが端末装置10でユーザIDおよびパスワードの設定を行っているときに、ユーザAが画像形成装置20でユーザの認証を行わない設定に変更した場合を想定する。この場合、ユーザAが画像形成装置20でユーザの認証を行わない設定に変更し、設定を確定する操作を行うと、画像形成装置20は、設定を行っていた画面から上の階層の画面および/または下の階層の画面で設定を行っているユーザBを特定する。画像形成装置20は、ユーザAが設定を行った設定項目と、特定したユーザBが行っている設定の項目を操作部204で表示し、ユーザAが行った設定により影響を受ける設定項目をユーザAに報知する。また、画像形成装置20は、ユーザAが設定を行った設定項目と特定したユーザBが行っている設定の項目を表示する画面の情報をユーザBの端末装置10へ送信する。端末装置10は、画像形成装置20から送信された情報が表す画面を表示し、ユーザBの設定に影響がある設定が行われたことをユーザBに報知する。
【0063】
(変形例11)
上述した実施形態においては、画像形成装置20が記憶部202に記憶されているユーザIDおよびパスワードでユーザの認証を行っているが、通信回線で接続された認証サーバで画像形成装置20のユーザの認証を行う構成であってもよい。