(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記データ取得手段は、被検者の所定動作を動態撮影している放射線画像撮影装置から順次送信されてくる複数の画像データの中から、任意の画像データを取得するよう構成され、
前記動作量算出手段は、前記データ取得手段が取得した画像データに基づいて前記被検者の動作量を算出することを特徴とする請求項1に記載の動作指示装置。
前記動作量算出手段は、前記呼吸の強度を、横隔膜の移動量、肺尖と横隔膜の距離、肋骨の移動量、肋間距離、胸郭の移動量、胸郭間距離、肺の面積、肺の画素値、肺の画素値変化量、任意の領域の画素値及び任意の領域の画素値変化量のうちのいずれかの特徴量に、対応する変換係数を乗じることにより算出することを特徴とする請求項3に記載の動作指示装置。
前記動作情報出力手段は、前記指示を、音声、振動、光の点滅、グラフ、メーター、文字、イラスト、撮影画像及びアノテーションのうちの少なくともいずれかを用いて出力することを特徴とする請求項8に記載の動作指示装置。
前記差算出手段が算出した差に基づいて、被検者の動作量が目標動作状態にどの程度近づいているのかを表す目標到達度を算出する到達度算出手段を備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の動作指示装置。
前記動作情報出力手段は、グラフ、メーター、文字、イラスト、撮影画像及びアノテーションのうちの少なくともいずれかを用いて、目標動作状態及び算出した動作量を同期させながら表示することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の動作指示装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
以下、
図1〜6を参照して本発明の第1実施形態について詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されるものではない。
【0010】
〔放射線撮影システムの構成〕
まず、本実施形態に係る放射線撮影システムの構成について説明する。
図1は、本実施形態の放射線撮影システム100の概略構成図である。
本実施形態の放射線撮影システム100は、
図1に示したように、放射線照射装置1や、放射線画像撮影装置2、コンソール3、同期制御装置4、動作指示装置5等で構成されている。
また、放射線撮影システム100は、図示しない放射線科情報システム(Radiology Information System:RIS)や、画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication System:PACS)等と接続可能となっている。
【0011】
放射線照射装置1は、ジェネレーター11、曝射スイッチ12、放射線源13等を備えている。
ジェネレーター11は、曝射スイッチ12が操作されたことに基づいて、予め設定された放射線照射条件(管電圧や管電流、照射時間(mAs値)等)に応じた電圧を放射線源13に印加することが可能に構成されている。
放射線源13(管球)は、図示しない回転陽極やフィラメント等を有している。そして、ジェネレーター11から電圧が印加されると、フィラメントが印加された電圧に応じた電子ビームを回転陽極に向けて照射し、回転陽極が電子ビームの強度に応じた線量の放射線X(X線等)を生成するようになっている。
【0012】
なお、
図1には、各部11〜13が別々に分かれたものを例示したが、これらは一体となっていてもよい。
また、
図1には、曝射スイッチ12がジェネレーター11に接続されたものを例示したが、曝射スイッチ12は他の装置(例えば図示しない操作卓)に備えられていてもよい。
また、放射線照射装置1は、撮影室内に据え付けてもよいし、回診車等に組み込むことで移動可能に構成してもよい。
【0013】
放射線画像撮影装置2は、図示を省略するが、放射線Xを受けることで線量に応じた電荷を発生させる放射線検出素子や電荷の蓄積・放出を行うスイッチ素子を備えた画素が二次元状(マトリクス状)に配列された基板や、各画素から放出された電荷の量を信号値として読み出す読み出し回路、読み出し回路が読み出した複数の信号値から画像データを生成する制御部、生成した画像データ等を有線又は無線で外部へ送信する出力部等を備えている。
【0014】
なお、放射線画像撮影装置2は、シンチレーター等を内蔵し、照射された放射線Xをシンチレーターで可視光等の他の波長の光に変換し、変換した光に応じた電荷を発生させるもの(いわゆる間接型)であってもよいし、シンチレーター等を介さずに放射線Xから直接電荷を発生させるもの(いわゆる直接型)であってもよい。
また、放射線画像撮影装置2は、撮影台と一体化された専用機型のものでも、可搬型(カセッテ型)のものであってもよい。
【0015】
コンソール3は、PCや携帯端末、あるいは専用の装置によって構成されており、放射線照射装置1や放射線画像撮影装置2等と有線又は無線で通信可能に接続されている。
そして、コンソール3は、外部装置(RIS等)からの撮影オーダーやユーザーによる操作に基づいて、放射線照射装置1や放射線画像撮影装置2の各種撮影条件(例えば、撮影する部位等の被写体に関する条件や、管電圧や管電流、照射時間等の放射線の照射に関する条件)を設定することが可能となっている。
【0016】
同期制御装置4は、コンピューター又は専用の装置によって構成されており、コンソール3から動態画像の撮影を指示する制御信号を受信すると、放射線照射装置1と放射線画像撮影装置2とにパルス状の同期信号をそれぞれ所定回数送信して、放射線照射装置1と放射線画像撮影装置2との同期をとるようになっている。
なお、同期制御装置4は、コンソール3と一体に構成してもよい。
また、放射線画像撮影装置2が、放射線の照射を自動で検知し撮影に移行するAED(Auto Exposure Detect)機能を有するものである場合には、この同期制御装置4を用いずに、各構成1,2とコンソール3を直接接続するようにしてもよい。
【0017】
動作指示装置5は、これから所定動作を動態撮影する被検者、あるいは動態撮影を行っている被検者に対し、適切な大きさやタイミングで所定動作を行わせるためのものである。
ここで、「所定動作」とは、呼吸等の周期的に繰り返される動作であって、被検者の意思でタイミングや大きさがある程度変更可能な動作を指す(心臓の膨張・収縮等は除く)。以下、ここでは、「所定動作」を呼吸とした場合を例に説明することとする。
動作指示装置5は、PCや携帯端末、あるいは専用の装置によって構成されており、放射線画像撮影装置2やコンソール3等と有線又は無線で通信可能に接続されている。
なお、動作指示装置5の詳細については後述する。
【0018】
このように構成された本実施形態の放射線撮影システム100は、放射線照射装置1から放射線画像撮影装置2の手前に位置する被検者へ放射線Xを照射することにより、被検者の動態撮影(シリアル撮影ともいう)を行うことが可能となっている。
本実施形態における動態撮影とは、1回の撮影操作(曝射スイッチの押下)に基づいて、放射線画像撮影装置2が電荷の蓄積と信号値の読み出しを短時間で複数回(例えば1秒間に15回)繰り返すことにより、放射線照射装置から照射された放射線に基づく一連の複数の画像データを繰り返し生成することをいう。
以下、動態撮影により得られた一連の複数枚の画像を動態画像と称し、動態画像を構成する個々の画像をフレーム画像と称する。
【0019】
〔動作指示装置の構成〕
次に、上記放射線撮影システム100を構成する動作指示装置5の構成について説明する。
図2は、動作指示装置5の構成を表すブロック図である。
【0020】
動作指示装置5は、PCや携帯端末、あるいは専用の装置によって構成されており、
図2に示したように、制御部51や、通信部52、記憶部53、操作部54、動作情報出力部55等を備えている。各部51〜55はバス56によって接続されている。
【0021】
制御部51は、CPU、RAM等で動作指示装置5の各部の動作を統括的に制御するように構成されている。具体的には、記憶部53に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、当該処理プログラムに従って各種処理を実行する。
【0022】
通信部52は、ネットワークインターフェース等により、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の通信ネットワークを介して接続された各構成1〜3との間で信号やデータの送受信を行うことが可能に構成されている。
【0023】
記憶部53は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリー等により構成され、後述する動作指示等の各種処理を実行するための処理プログラムや、当該処理プログラムの実行に必要なパラメーターや、ファイル等を記憶している。
【0024】
操作部54は、各種キーを備えたキーボードやマウス等のポインティングデバイス、あるいはモニターに積層可能なタッチパネル等で構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作、あるいはタッチパネルに対するタッチ操作の位置に応じて入力された操作信号を制御部51に出力する。
【0025】
動作情報出力部55は、LCD等のモニターや、スピーカー、ランプ等で構成されており、制御部51から入力される制御信号の指示に従って各種画像を表示、音声を出力、あるいは発光することが可能となっている。
なお、動作情報出力部55は、被検者の近傍にあることが求められる一方で、動作指示装置5におけるその他の構成51〜54は必ずしも被検者の近傍にある必要は無い。このため、動作情報出力部55を、動作指示装置5における他の構成51〜54から分離可能に構成してもよい。また、その際、他の構成51〜54をコンソールと一体に構成する(コンソールに動作指示装置5の機能を持たせる)ようにしてもよい。
【0026】
上述したように構成された本実施形態の動作指示装置5は、以下のような動作を行うことが可能となっている。
例えば、動作指示装置5は、目標動作状態を設定する機能を有している。この「目標動作状態」とは、所定動作における時間と望ましい動作量との関係を表すものである。
なお、設定する目標動作状態は、操作部54によって入力してもよいし、通信部52を用いて外部(コンソール3やRIS等)から受信するようにしてもよい。
動作指示装置5は、このような機能を有することにより、本発明における目標設定手段をなす。
【0027】
なお、外部の記憶装置から、被検者に行った過去の動態撮影により得られた過去の動作状態を取得することが可能に構成し、取得した過去の動作状態を目標動作状態として設定することが可能に構成してもよい。
このように構成すれば、動作指示装置5は、本発明における過去情報取得手段として機能することとなり、同一被検者の経時観察を行うことができる。
【0028】
また、被検者の主訴、疾患、症状の少なくともいずれかを被検者情報として入力し、入力した被検者情報に基づいて目標動作状態を変更することが可能に構成してもよい。
このように構成すれば、動作指示装置5は、本発明における情報入力手段として機能することとなり、被検者の体調に応じた撮影が可能となる。
【0029】
また、動作指示装置5は、被検者の所定動作に基づくデータを取得する機能を有している。本実施形態においては、被検者の所定動作を動態撮影している放射線画像撮影装置2から順次送信されてくる複数の画像データの中から、任意の画像データを取得するよう構成されている。
動作指示装置5は、このような機能を有することにより、本発明におけるデータ取得手段をなす。
【0030】
なお、放射線画像撮影装置から順次送信されてくる複数の画像データの中から、所定枚数おきに画像データを取得するようにしてもよい。
このように構成すれば、呼吸状態解析の処理時間を短縮することができる。
【0031】
また、取得した画像データに、データ量を低下させる画像処理を施し、画像処理が施された画像データに基づいて動作量を算出するようにしてもよい。施す画像処理としては、具体的には、二値化や縮小等がある。
このように構成すれば、動作指示装置5は、本発明における画像処理手段として機能することとなり、所定枚数おきに画像データを取得する場合と同様に、呼吸状態解析の処理時間を短縮することができる。
【0032】
また、動作指示装置5は、取得したデータに基づいて所定動作を行っている被検者の動作量を算出する機能を有している。本実施形態においては、放射線画像撮影装置2から取得した「画像データ」に基づいて被検者の動作量を算出するようになっている。
そして、動作指示装置5は、動作量として、呼吸の強度を算出する。
動作指示装置5は、このような機能を有することにより、本発明における動作量算出手段をなす。
【0033】
なお、呼吸の強度は、下記の複数の式のいずれかを用いて算出するのが好ましい。すなわち、いずれかの特徴量a〜kに、対応する変換係数A〜Kを乗じることにより呼吸の強度を算出する。
変換係数A〜Kは、実験等によってあらかじめ最適化された値を用いる。
(1)横隔膜の移動量a×変換係数A
(2)肺尖と横隔膜の距離b×変換係数B
(3)肋骨の移動量c×変換係数C
(4)肋間距離d×変換係数D
(5)胸郭の移動量e×変換係数E
(6)胸郭間距離f×変換係数F
(7)肺の面積g×変換係数G
(8)肺の画素値h×変換係数H
(9)肺の画素値変化量i×変換係数I
(10)任意の領域の画素値j×変換係数J
(11)任意の領域の画素値変化量k×変換係数K
【0034】
また、動作指示装置5は、設定した目標動作状態を動作情報出力部55に出力するとともに、算出した動作量を動作情報出力部55に順次出力する機能を有している。出力の態様は特に限定されるものでは無いが、グラフ、メーター、文字、イラスト、撮影画像及びアノテーション等のうちの少なくともいずれかを用いて、目標呼吸状態及び算出した動作量を同期させながら表示するのが好ましい。
動作指示装置5は、このような機能を有することにより、本発明における動作情報出力手段をなす。
【0035】
なお、動作情報出力部55を表示装置で構成し、
図3(a)に示したように、目標動作状態をグラフG
1で表示するとともに、撮影の進行に伴い、フレーム画像を解析して得られた各フレーム画像における動作量のグラフG
2を、
図3(b)〜(d)に示したように順次表示していくようにするのが好ましい。
このように構成すれば、目標動作状態に対する自身の呼吸の現状を容易に把握することができる。
【0036】
また、算出した動作量と、設定されている目標動作状態における所定時点の動作量との差を算出し、算出する差が小さくなっていくようにするために被検者に行わせるべき動作の指示Iを生成し、動作情報出力部55に、生成した指示Iを出力するようにしてもよい。
指示Iの出力の仕方は特に限定されるものでは無いが、音声、振動、光の点滅、グラフ、メーター、文字、イラスト、撮影画像及びアノテーション等のうちの少なくともいずれかを用いて出力するのが好ましい。
【0037】
なお、動作情報出力部55を表示装置で構成し、
図4に示したように、「もっと吸って」、「少しずつ吐いて」、「そのまま吸って」等の指示を文字で表示するのが好ましい。
このように構成すれば、動作指示装置5が、本発明における差算出手段及び指示生成手段として機能することとなり、被検者が呼吸状態をどう変更すればよいのか、容易に理解できるようになる。
【0038】
また、算出した差に基づいて、被検者の呼吸状態が目標呼吸状態にどの程度近づいているのかを表す目標到達度を算出するようにしてもよい。具体的には、例えば、一定時間における強度の標準偏差又は体動量を解析することにより目標到達度を算出する。
このように構成すれば、動作指示装置5は、本発明における到達度算出手段として機能することとなり、被検者は目標動作状態と自身の動作(呼吸)状態とのかい離の程度を数値で把握することができる。
【0039】
また、算出した差の絶対値を、所定の閾値と比較し、差の絶対値が閾値以下であると判定した場合に、動態撮影を行うのに必要な撮影線量で放射線を出力することを指示する信号を放射線照射装置1(外部)へ出力し、差の絶対値が閾値以上であると判定した場合に、撮影線量よりも低い線量で放射線を出力することを指示する信号を放射線照射装置1へ出力するとともに、放射線照射装置1のジェネレーター11を、動作指示装置5からの信号に基づいて印加電圧を変更するようにしてもよい。
このように構成すれば、動作指示装置5は、本発明における比較手段及び信号出力手段として機能することとなり、呼吸状態が安定するまで低線量で撮影することで被曝量を抑えることができる。
【0040】
このような動作指示装置5を備えた本実施形態の放射線撮影システム100を用いた動態撮影では、被検者が動作情報出力部55の出力(表示)を確認しながら撮影が行われる。
このとき、例えば、被検者の息の吸い込みが弱いと、肺の膨らみが小さくなるため、
図5(a)に示したように、表示される動作量のグラフG
2が、目標動作状態のグラフG
1よりも低い山を描く。しかし、被検者は、目標動作状態のグラフG
1と動作量のグラフG
2とを見比べることで、自身の呼吸が目標からずれたこと(適切な大きさで動作できていないこと)を即時に把握することができる。また、
図4に示したような指示Iを同時に表示することで、この後にどのような動作をすればよいかも即時に把握することができる。このため、次に息を吸い込むときには、目標動作状態と同程度になるよう意識して強く吸い込むようになる。その結果、被検者の動作が直ちに目標動作状態に沿った形に修正され、
図5(b)に示したように、次周期目からは目標動作状態のグラフG
1と動作量のグラフG
2がほぼ一致するようになる。
【0041】
また、例えば、被検者の息を吸い込むタイミングが遅いと、肺が膨らみ始める時間や最も膨らむ時間が遅くなるため、
図6(a)に示したように、表示される動作量のグラフG
2の極大が、目標動作状態のグラフG
1の極大よりも右(後の時間)にずれる。しかし、被検者は、目標動作状態のグラフG
1と動作量のグラフG
2とを見比べることで、自身の呼吸が目標からずれたこと(適切なタイミングで動作できていないこと)を即時に把握することができる。また、
図4に示したような指示Iを同時に表示することで、この後にどのような動作をすればよいかも即時に把握することができる。このため、次に息を吸い込むときには、目標動作状態と同程度になるよう意識して早く吸い込むようになる。その結果、被検者の動作が直ちに目標動作状態に沿った形に修正され、
図6(b)に示したように、次周期目からは目標動作状態のグラフG
1と動作量のグラフG
2がほぼ一致するようになる。
【0042】
以上説明してきたように、本実施形態の放射線撮影システム100が備える動作指示装置5は、所定動作における時間と望ましい動作量との関係である目標動作状態を設定する目標設定手段と、被検者の所定動作を動態撮影している放射線画像撮影装置から順次送信されてくる複数の画像データの中から、任意の画像データを取得するデータ取得手段と、データ取得手段が取得した画像データに基づいて所定動作を行っている被検者の動作量を算出する動作量算出手段と、目標設定手段が設定した目標動作状態を出力するとともに、動作量算出手段が算出した動作量を順次出力する動作情報出力手段と、を備えたものとなっている。
これにより、被検者の所定動作を動態撮影する際に、適切なタイミングや大きさで動作できているか否かを被検者自身が即時に把握することができる。
【0043】
<第2実施形態>
次に、
図7,8を参照して本発明の第2実施形態について説明する。なお、ここでは、第1実施形態と共通する構成についての説明は省略し、相違する構成についてのみ説明することとする。
【0044】
第1実施形態に係る放射線撮影システムは、放射線画像撮影装置2から送信されてきた画像データを解析することにより被検者の動作量を算出するようにしていたが、本実施形態の放射線撮影システム100Aは、動作指示装置5Aが検出した被検者の体表の動きに基づいて動作量を算出するようになっている。
このため、本実施形態の放射線撮影システム100Aは、動作指示装置5Aの構成が第1実施形態とは異なっている。
【0045】
具体的には、本実施形態の動作指示装置5は、
図7に示したように、本体5aと、本体5aとは切り離された外部測定部5bと、で構成されている。本体5aと外部測定部5bとは有線又は無線で通信可能に接続されている。
外部測定部5bは、例えば移動量測定装置等であり、
図8(b)に示したように、制御部57、センサー部58、送信部59の他、図示しない取付部等を備えている。
【0046】
制御部57は、CPU、RAM、記憶手段等で動作指示装置5の各部の動作を統括的に制御するように構成されている。具体的には、記憶手段に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、当該処理プログラムに従って各種処理を実行する。
センサー部58は、例えば、加速度センサー等のモーションセンサーや反射センサー等で構成される。
送信部59は、ネットワークインターフェース等により、LAN、WAN、インターネット等の通信ネットワークを介して接続された本体5aへ動作量等を送信することが可能に構成されている。
取付部は、被検者(例えば腹部)に固定するためのもので、ベルトや吸盤、フック等で構成される。
【0047】
このように構成された外部測定部5bの制御部57は、センサー部58を用いて被検者の体表の動作を表す体表データを取得する機能を有している。
また、外部測定部5bの制御部57は、取得した体表データに基づいて被検者の動作量を算出する機能を有している。
また、外部測定部5bの制御部57は、算出した動作量のデータを、送信部59を用いて本体5aへ送信する機能を有している。
すなわち、本実施形態の動作指示装置5Aの外部測定部5bは、本発明におけるデータ取得手段及び動作量算出手段を、本体5aとは異なる外部測定部5bに備えていることになる。
【0048】
本体5aは、
図8(a)に示したように、第1実施形態の動作指示装置5とハード的な構成はほぼ同じであるが、実行可能な機能が一部異なる。
具体的には、本体5aは、第1実施形態が有していたデータ取得手段及び動作量算出手段としての機能を有していない。
また、第1実施形態の動作指示装置5は、自ら算出した動作量を動作情報出力部55に出力していたが、本実施形態の本体5aは、外部測定部5bから受信した動作量を動作情報出力部55へ出力するようになっている。
なお、目標設定手段としての機能は第1実施形態の動作指示装置5と同様に有している。
すなわち、本実施形態の動作指示装置5Aの本体5aは、本発明における目標設定手段及び動作情報出力手段を本体5aに備えている。
【0049】
以上説明してきたように、本実施形態の放射線撮影システム100Aが備える動作指示装置5Aは、所定動作における時間と望ましい動作量との関係である目標動作状態を設定する目標設定手段と、被検者の体表の動作を表す体表データを取得するデータ取得手段と、データ取得手段が取得した体表データに基づいて所定動作を行っている被検者の動作量を算出する動作量算出手段と、目標設定手段が設定した目標動作状態を出力するとともに、動作量算出手段が算出した動作量を順次出力する動作情報出力手段と、を備え、目標設定手段及び動作情報出力手段を本体に備えるとともに、データ取得手段及び動作量算出手段を、本体とは異なる外部測定部に備えたものとなっている。
これにより、第1実施形態の動作指示装置5を用いた場合と同様、被検者の所定動作を動態撮影する際に、適切なタイミングや大きさで動作できているか否かを被検者自身が即時に把握することができる。
また、画像データに画像処理を施す手間が省けるため、制御を簡素にすることができる。