(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記案内手段は、前記先行するシートを前記第2搬送路に順方向に案内し、前記後続するシートを前記第1搬送路に順方向に案内し、前記第2搬送路から逆方向に搬送されてくる前記先行するシートを前記第4搬送路に案内し、前記第1搬送路から逆方向に搬送されてくる前記後続するシートを前記第3搬送路に案内し、
前記案内手段は、前記第3搬送路から搬送されてくる前記後続するシートと前記第4搬送路から搬送されてくる前記先行するシートとが相互に重ね合わされた状態で前記処理手段に供給されるように、前記後続するシートと前記先行するシートとを前記第3搬送路に案内する、
請求項7に記載の後処理装置。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施の形態1における画像形成装置1および後処理装置2の外観を模式的に示す図である。
【
図2】実施の形態1における後処理装置2に備えられる第1搬送路11、第2搬送路12、第3搬送路13および案内手段20などを示す図である。
【
図3】実施の形態1の後処理装置2において、先行するシートP1が第1搬送路11の中で順方向に搬送されている様子を示す第1図である。
【
図4】実施の形態1の後処理装置2において、先行するシートP1が第1搬送路11の中で順方向に搬送されている様子を示す第2図である。
【
図5】実施の形態1の後処理装置2において、後続するシートP2が第2搬送路12の中で順方向に搬送されている様子を示す図である。
【
図6】実施の形態1の後処理装置2において、先行するシートP1が第1搬送路11の中を逆方向に、第3搬送路13に向かって搬送されている様子を示す図である。
【
図7】実施の形態1の後処理装置2において、後続するシートP2が第2搬送路12の中を逆方向に、第3搬送路13に向かって搬送されている様子を示す図である。
【
図8】実施の形態1の後処理装置2において、先行するシートP1および後続するシートP2が順に中綴じステープル装置30に供給されている様子を示す図である。
【
図9】実施の形態2の後処理装置2Aにおいて、先行するシートP1が第2搬送路12の中で順方向に搬送されている様子を示す第1図である。
【
図10】実施の形態2の後処理装置2Aにおいて、先行するシートP1が第2搬送路12の中で順方向に搬送されている様子を示す第2図である。
【
図11】実施の形態2の後処理装置2Aにおいて、後続するシートP2が第1搬送路11の中で順方向に搬送されている様子を示す第1図である。
【
図12】実施の形態2の後処理装置2Aにおいて、後続するシートP2が第1搬送路11の中で順方向に搬送されている様子を示す第2図である。
【
図13】実施の形態2の後処理装置2Aにおいて、先行するシートP1および後続するシートP2が相互に重ね合わされた状態で第3搬送路13に向かって搬送されている様子を示す図である。
【
図14】実施の形態2の後処理装置2Aにおいて、先行するシートP1および後続するシートP2が相互に重ね合わされた状態で中綴じステープル装置30に供給されている様子を示す図である。
【
図15】比較例1における後処理装置2Z1に備えられる搬送路および中綴じステープル装置30等を示す図である。
【
図16】比較例2における後処理装置2Z2に備えられる搬送路および中綴じステープル装置30等を示す図である。
【
図17】比較例3における後処理装置2Z3に備えられる搬送路および中綴じステープル装置30等を示す図である。
【
図18】実施の形態3における後処理装置2Bに備えられる第1搬送路11、第2搬送路12、第3搬送路13および案内手段20などを示す図である。
【
図19】実施の形態3における後処理装置2Bに備えられる案内手段20などを示す図である。
【
図20】実施の形態3における後処理装置2Bに備えられる案内手段20(第1ガイド201および第3ガイド203)の分解した状態を示す斜視図である。
【
図21】実施の形態3の後処理装置2Bにおいて、先行するシートP1が第1搬送路11の中で順方向に搬送されている様子を示す図である。
【
図22】実施の形態3の後処理装置2Bにおいて、後続するシートP2が第2搬送路12の中で順方向に搬送されている様子を示す図である。
【
図23】実施の形態3の後処理装置2Bにおいて、先行するシートP1が第1搬送路11の中を逆方向に、第3搬送路13に向かって搬送されている様子を示す図である。
【
図24】実施の形態3の後処理装置2Bにおいて、後続するシートP2が第2搬送路12の中を逆方向に、第3搬送路13に向かって搬送されている様子を示す図である。
【
図25】実施の形態4の後処理装置2Cにおいて、先行するシートP1が第2搬送路12の中で順方向に搬送されている様子を示す図である。
【
図26】実施の形態4の後処理装置2Cにおいて、後続するシートP2が第1搬送路11の中で順方向に搬送されている様子を示す図である。
【
図27】実施の形態4の後処理装置2Cにおいて、先行するシートP1および後続するシートP2が相互に重ね合わされた状態で第3搬送路13に向かって搬送されている様子を示す図である。
【
図28】実施の形態5における後処理装置2Dに備えられる第1搬送路11、第2搬送路12、第3搬送路13、第4搬送路14および案内手段20などを示す図である。
【
図29】実施の形態5における後処理装置2Dに備えられる案内手段20などを示す図である。
【
図30】実施の形態5の後処理装置2Dにおいて、先行するシートP1が第1搬送路11の中で順方向に搬送されている様子を示す図である。
【
図31】実施の形態5の後処理装置2Dにおいて、後続するシートP2が第2搬送路12の中で順方向に搬送されている様子を示す図である。
【
図32】実施の形態5の後処理装置2Dにおいて、先行するシートP1が、第1搬送路11の中を逆方向に搬送されるとともに、第3搬送路13により搬送されている様子を示す図である。
【
図33】実施の形態5の後処理装置2Dにおいて、後続するシートP2が、第2搬送路12の中を逆方向に搬送されるとともに、第4搬送路14により搬送されている様子を示す図である。
【
図34】実施の形態6の後処理装置2Eにおいて、先行するシートP1が第2搬送路12の中で順方向に搬送されている様子を示す図である。
【
図35】実施の形態6の後処理装置2Eにおいて、後続するシートP2が第1搬送路11の中で順方向に搬送されている様子を示す図である。
【
図36】実施の形態6の後処理装置2Eにおいて、先行するシートP1および後続するシートP2が相互に重ね合わされた状態で第3搬送路13(第3搬送路13と第4搬送路14との合流地点)に向かって搬送されている様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
発明を実施するための形態について、以下、図面を参照しながら説明する。以下の説明において同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0022】
[実施の形態1]
(画像形成装置1および後処理装置2)
図1は、実施の形態1における画像形成装置1および後処理装置2の外観を模式的に示す図である。画像形成装置1は、用紙に対して印刷を行なう。後処理装置2は、画像形成装置1と一体化されており、画像形成装置1から排出されたシートに後処理を施す。
【0023】
後処理装置2は、第1搬送路11、第2搬送路12、第3搬送路13、案内手段20、中綴じステープル装置30(処理手段)、端綴じステープル装置40、第1排出トレイE1(第1処理部)、および、第2排出トレイE2(第2処理部)を備える。
図2は、第1搬送路11、第2搬送路12、第3搬送路13および案内手段20などを示す図である。
【0024】
(第1搬送路11)
第1搬送路11は、画像形成装置1から排出部10を通して排出されたシートを搬送する。第1搬送路11は、排出部10の位置から概ね水平方向に沿って、排出部10から遠ざかるように延在している。第1搬送路11は、搬送部11a,11b,11cを有している。シートが第1搬送路11の中を移動する際、シートが排出部10から遠ざかる方向に移動する場合をシートが順方向に移動している(あるいは順方向に搬送されている)と称し、シートが排出部10に近づく方向に移動している場合をシートが逆方向に移動している(あるいは逆方向に搬送されている)と称する。
【0025】
搬送部11a,11b,11cは、順方向においてこの記載順に並んでいる。第1搬送路11のうち、排出部10と搬送部11aとの間の位置には搬送ローラーR11aが設けられている。第1搬送路11のうち、搬送部11bと搬送部11cの間には搬送ローラーR11bが設けられている。第1搬送路11のうちの搬送部11aと搬送部11bとの間の位置には、後述する案内手段20が設けられている。第1搬送路11(搬送部11c)の順方向の下流端は、第1排出トレイE1(第1処理部)への排紙口11Eを形成している。端綴じステープル装置40等で処理されたシートやシート束は、排紙口11Eを通して第1排出トレイE1に排出される。
【0026】
(第2搬送路12)
第2搬送路12は、第1搬送路11の上側(ここでは搬送部11bの上側)に位置する。第2搬送路12は、案内手段20が設けられている位置(すなわち搬送部11a,11bの間)において第1搬送路11から分岐している。シートが第2搬送路12の中を移動する際、シートが案内手段20から遠ざかる方向に移動する場合をシートが順方向に移動している(あるいは順方向に搬送されている)と称し、シートが案内手段20に近づく方向に移動している場合をシートが逆方向に移動している(あるいは逆方向に搬送されている)と称する。
【0027】
第2搬送路12の順方向における上流端は、第1搬送路11に接続されている。第2搬送路12は、案内手段20から遠ざかるにつれて斜め上に向かって延びるように形成されている。第2搬送路12の順方向における上流端の少し下流側には、搬送ローラーR12aが設けられている。第2搬送路12の順方向における下流端の少し上流側には、搬送ローラーR12bが設けられている。第2搬送路12の順方向における下流端は、第2排出トレイE2(第2処理部)への排紙口12Eを形成している。後処理装置2によって特段の処理が施されなかったシートやシート束は、排紙口12Eを通して第2排出トレイE2に排出される。
【0028】
(第3搬送路13)
第3搬送路13は、第1搬送路11の下側(ここでは搬送部11aの下側)に位置する。第3搬送路13は、案内手段20が設けられている位置(すなわち搬送部11a,11bの間)において第1搬送路11から分岐している。第3搬送路13の上流端は、第1搬送路11に接続されている。第3搬送路13のうちの上流側の部分は、案内手段20から遠ざかるにつれて斜め下に向かって延びるように形成されている。第3搬送路13の上流端の少し下流側には、搬送ローラーR13が設けられている。第3搬送路13の下流端は中綴じステープル装置30(
図1)に接続されている。
【0029】
(中綴じステープル装置30)
図1を再び参照して、中綴じステープル装置30は、搬送ローラー31、折りローラー32、スタッカー33、ストッパー34およびブレード35等を含み、第3搬送路13を通して中綴じステープル装置30に供給されたシートを積載して後処理(ここでは中折り処理や中綴じ処理)を施し、外部にシート束(
図8に示すシート束50)として排出する。
【0030】
処理手段としての中綴じステープル装置30は、中綴じステープル装置30によって処理されたシート束を中綴じステープル装置30から排出する方向(
図1に示す矢印DRの方向)が、第1搬送路11の順方向と同じ向き(すなわち、画像形成装置1から遠ざかる方向であり、
図1紙面内において右側から左側に向かう方向)になるように構成されている。
【0031】
中綴じステープル装置30のうち、中綴じステープル装置30によって処理されるシート束が積載される部分(すなわちスタッカー33)は、第3搬送路13から遠ざかるにつれて、
図1紙面内において右上側から左下側に向かうように傾斜した載置面形状を有している。換言すると、第3搬送路13は、矢印DR1に示す方向(上記の排出する方向)とは反対向きの順番で複数のシートが収容されるための傾きを有するように構成されている(
図8参照)。
【0032】
(案内手段20)
案内手段20(
図2)は、間隔を空けて相互に対向するように配置された上ガイド部21と下ガイド部22とを含む。上ガイド部21および下ガイド部22は、回転軸23により軸支されており、図示しない駆動源により駆動されることで、回転軸23を中心として一体的に回動可能である。回転軸23は、シート搬送方向に対して直交し、且つ水平方向に対して平行な方向に延びている。上ガイド部21と下ガイド部22との間には、案内路24が形成されている。下ガイド部22のうちの案内路24を形成している側とは反対側の位置には、案内面25が形成されている。
【0033】
案内手段20は、先行するシートP1を第1搬送路11および第2搬送路12のうちの一方の搬送路に順方向に案内し、先行するシートP1に後続するシートP2を第1搬送路11および第2搬送路12のうちの他方の搬送路に順方向に案内する。案内手段20はさらに、一方の搬送路から逆方向に搬送された先行するシートP1と他方の搬送路から逆方向に搬送された後続するシートP2とを、第3搬送路13に案内する。本実施の形態においては、第1搬送路11が「一方の搬送路」に相当し、第2搬送路12が「他方の搬送路」に相当する。
【0034】
図3および
図4に示すように、案内手段20は、先行するシートP1を第1搬送路11に順方向に案内する。具体的には、排出部10を通して後処理装置2に供給された先行するシートP1は、搬送ローラーR11aによって搬送部11aに送り込まれ、案内手段20の案内路24の内側に進入する。第1搬送路11(搬送部11b)に向かって順方向に搬送される先行するシートP1は、案内路24の内側を通過することで案内手段20により案内され、第1搬送路11の下流側の部分に向かってさらに搬送される。先行するシートP1はさらに、搬送部11bの内側を通過し、搬送ローラーR11bによって搬送部11cに送り込まれる。その後、案内手段20は回転軸23を中心として第2搬送路12を向く方に回動する。
【0035】
図4および
図5に示すように、後続するシートP2は、先行するシートP1に後続して後処理装置2の中に供給される。後続するシートP2は、搬送ローラーR11aによって搬送部11aに送り込まれた後、案内路24の内側に進入する。第2搬送路12に向かって順方向に搬送される後続するシートP2は、案内路24の内側を通過することで案内手段20により案内され、第2搬送路12の下流側の部分に向かってさらに搬送される。先行するシートP1は、所定のタイミング(先行するシート束に対する後処理が終わるタイミング)で搬送部11cを逆方向に、第3搬送路13に向けて搬送される。
【0036】
先行するシートP1の逆方向への搬送が開始される時点、すなわち第1搬送路11においてシートが順方向の搬送から逆方向の搬送に反転される時には、シートの一部が、第1排出トレイE1への排紙口11Eから第1排出トレイE1(第1排出トレイE1の上方空間内)に露出している。後処理装置2においては、このような反転を行なう際に排紙口11Eよりも外の空間(第1排出トレイE1の上方に位置する空間)を有効に活用しており、後処理装置2の内部で反転動作を行なう場合に比べて、後処理装置2の装置の小型化を図ることが可能となっている。
【0037】
図6に示すように、第1搬送路11(搬送部11c,11b)から逆方向に搬送される先行するシートP1は、案内手段20(下ガイド部22)の案内面25により案内されることで第3搬送路13に搬送される。案内手段20は、第1搬送路11から逆方向に搬送されてくる先行するシートP1を第3搬送路13に案内している時に、後続するシートP2を第2搬送路12に順方向に案内するとよい。この場合、先行するシートP1が案内面25によって案内されて第3搬送路13に向かって搬送されている状態と、後続するシートP2が案内路24の内側で搬送されて第2搬送路12に向かって搬送されている状態とが、同時に形成されることとなる。
【0038】
図7に示すように、先行するシートP1が第3搬送路13に向けて案内されて第3搬送路13の中に進入した後、後続するシートP2は、所定のタイミングで第2搬送路12を逆方向に、第3搬送路13に向けて搬送される。
【0039】
後続するシートP2の逆方向への搬送が開始される時点、すなわち第2搬送路12においてシートが順方向の搬送から逆方向の搬送に反転される時には、シートの一部が、第2排出トレイE2への排紙口12Eから第2排出トレイE2(第2排出トレイE2の上方空間内)に露出している。後処理装置2においては、このような反転を行なう際に排紙口12Eよりも外の空間(第2排出トレイE2の上方に位置する空間)を有効に活用しており、後処理装置2の内部で反転動作を行なう場合に比べて、後処理装置2の装置の小型化を図ることが可能となっている。
【0040】
第2搬送路12から逆方向に搬送される後続するシートP2は、案内面25により案内されることで第3搬送路13に搬送される。この際、後続するシートP2の次に搬送されるシートP3は、搬送ローラーR11aの位置で停止していてもよいし、所定の搬送速度で搬送ローラーR11aにより搬送されていてもよい。
【0041】
図8を参照して、上述のとおり、処理手段としての中綴じステープル装置30は、中綴じステープル装置30によって処理されたシート束50を中綴じステープル装置30から排出する方向(
図8に示す矢印DRの方向)が、第1搬送路11(
図3,
図4等参照)の順方向と同じ向き(すなわち、画像形成装置1から遠ざかる方向であり、
図8紙面内において右側から左側に向かう方向)になるように構成されている。
【0042】
中綴じステープル装置30のうち、中綴じステープル装置30によって処理されるシート束が積載される部分(すなわちスタッカー33)は、第3搬送路13(
図1)から遠ざかるにつれて、
図8紙面内において右上側から左下側に向かうように傾斜した載置面形状を有している。換言すると、スタッカー33は、矢印DRに示す方向(上記の排出する方向)とは反対向きの順番で複数のシートが収容されるための傾きを有するように構成されている。
【0043】
したがって本実施の形態の後処理装置2においては、スタッカー33の上に、先行するシートP1が1番目に積載され、先行するシートP1に後続するシートP2が2番目(すなわち先行するシートP1の上)に積載され、後続するシートP2の次に搬送されるシートP3が3番目(すなわち後続するシートP2の上)に積載されることとなる。シートP3以降に搬送されるシートについても同様に順々に積載され、中綴じステープル装置30には適切な順番で複数のシートが供給されることとなる。
【0044】
(作用および効果)
後処理装置2によれば、上記の先行するシートP1に先立って後処理装置2(中綴じステープル装置30)に供給されたシート束に対して、中綴じ処理または中折り処理が施される。このシート束に対してこれらの処理が実施されている間に、先行するシートP1はいったん第1搬送路11に順方向に搬送されるとともに、その後、第1搬送路11の中を逆方向に搬送される。
【0045】
後処理装置2においてはさらに、先行するシートP1が第1搬送路11の中を順方向および逆方向に搬送されるとともに、後続するシートP2も第2搬送路12の中を順方向および逆方向に搬送される。これらの搬送が実施される時間の存在は、たとえば、画像形成装置1から後処理装置2にシートを連続して供給することを許容し、画像形成装置1の画像形成動作を停止ないし遅延させる必要もなくすることが可能となる。後処理装置2においては、先行するシートP1および後続するシートP2、ならびにその後に後処理装置2の中綴じステープル装置30に供給されたシートが、適切な順番でスタッカー33の上に積載されることも可能となっている。
【0046】
したがって本実施の形態における後処理装置2によれば、シート(先行するシートP1および後続するシートP2)を第1搬送路11および第2搬送路12の双方の中で順方向に搬送した後に逆方向に搬送するという動作を従前に比して有効に活用することにより、画像形成装置1と後処理装置2とを含むシステム全体としての生産性の向上を図ることが可能となっている。後処理装置2により得られるさらなる作用および効果については、比較例1〜3(
図15〜
図17)と対比しながら後述する。
【0047】
[実施の形態2]
図9〜
図14を参照して、実施の形態2における後処理装置2Aについて説明する。実施の形態1,2は、以下の点で相違している。実施の形態2においては、第1搬送路11が「他方の搬送路」に相当し、第2搬送路12が「一方の搬送路」に相当する。
【0048】
図9および
図10に示すように、案内手段20は、先行するシートP1を第2搬送路12に順方向に案内する。具体的には、排出部10を通して後処理装置2に供給された先行するシートP1は、搬送ローラーR11aによって搬送部11aに送り込まれ、案内手段20の案内路24の内側に進入する。第2搬送路12に向かって順方向に搬送される先行するシートP1は、案内路24の内側を通過することで案内手段20により案内され、第2搬送路12の下流側の部分に向かってさらに搬送される。先行するシートP1は、搬送ローラーR12aによって第2搬送路12に送り込まれる。先行するシートP1が案内手段20から離れた後、案内手段20は回転軸23を中心として第1搬送路11を向く方に回動する。
【0049】
図10〜
図12に示すように、後続するシートP2は、先行するシートP1に後続して後処理装置2の中に供給される。後続するシートP2は、搬送ローラーR11aによって搬送部11aに送り込まれ、案内路24の内側に進入する。第1搬送路11(搬送部11b)に向かって順方向に搬送される後続するシートP2は、案内路24の内側を通過することで案内手段20により案内され、第1搬送路11の下流側の部分に向かってさらに搬送される。後続するシートP2はさらに、搬送部11bの内側を通過し、搬送ローラーR11bによって搬送部11cに送り込まれる。その後、案内手段20は回転軸23を中心として第2搬送路12を向く方に回動する。
【0050】
図13に示すように、先行するシートP1および後続するシートP2は、所定のタイミング(先行するシート束に対する後処理が終わるタイミング)で第2搬送路12および第1搬送路11(搬送部11c,11b)をそれぞれ逆方向に、第3搬送路13に向けて搬送される。案内手段20はここで、第1搬送路11から逆方向に搬送されてくる後続するシートP2と第2搬送路12から逆方向に搬送されてくる先行するシートP1とが相互に重ね合わされた状態で中綴じステープル装置30に供給されるように、後続するシートP2と先行するシートP1とを第3搬送路13に案内する。先行するシートP1と後続するシートP2とは、相互に重ね合わされた状態では、先行するシートP1が搬送部11a(排出部10)の側に位置し、後続するシートP2が搬送部11cの側に位置することとなる。
【0051】
図14を参照して、処理手段としての中綴じステープル装置30は、中綴じステープル装置30によって処理されたシート束50を中綴じステープル装置30から排出する方向(
図14に示す矢印DRの方向)が、第1搬送路11(
図9,
図10等参照)の順方向と同じ向き(すなわち、画像形成装置1から遠ざかる方向であり、
図14紙面内において右側から左側に向かう方向)になるように構成されている。
【0052】
中綴じステープル装置30のうち、中綴じステープル装置30によって処理されるシート束が積載される部分(すなわちスタッカー33)は、第3搬送路13(
図13)から遠ざかるにつれて、
図14紙面内において右上側から左下側に向かうように傾斜した載置面形状を有している。換言すると、スタッカー33は、矢印DRに示す方向(上記の排出する方向)とは反対向きの順番で複数のシートが収容されるための傾きを有するように構成されている。
【0053】
したがって本実施の形態の後処理装置2Aにおいては、スタッカー33の上に、先行するシートP1と後続するシートP2とが重ね合わされた状態で同時に積載され、この状態においては、先行するシートP1がスタッカー33の側に位置し、後続するシートP2が先行するシートP1の上側に位置することとなる。先行するシートP1および後続するシートP2の次に搬送されるシートP3は、後続するシートP2の上に積載されることとなる。シートP3以降に搬送されるシートについても同様に順々に積載され、中綴じステープル装置30には適切な順番で複数のシートが供給されることとなる。
【0054】
(作用および効果)
後処理装置2Aにおいても、上記の先行するシートP1に先立って後処理装置2(中綴じステープル装置30)に供給されたシート束に対して、中綴じ処理または中折り処理が施される。このシート束に対してこれらの処理が実施されている間に、先行するシートP1はいったん第2搬送路12に順方向に搬送されるとともに、その後、第2搬送路12の中を逆方向に搬送される。
【0055】
後処理装置2Aにおいてはさらに、先行するシートP1が第2搬送路12の中を順方向および逆方向に搬送されるとともに、後続するシートP2も第1搬送路11の中を順方向および逆方向に搬送される。これらの搬送が実施される時間の存在は、たとえば、画像形成装置1から後処理装置2Aにシートを連続して供給することを許容し、画像形成装置1の画像形成動作を停止ないし遅延させる必要もなくすることが可能となる。後処理装置2Aにおいては、先行するシートP1および後続するシートP2、ならびにその後に後処理装置2Aに導入されたシートが、適切な順番でスタッカー33の上に積載されることも可能となっている。
【0056】
したがって本実施の形態における後処理装置2Aによっても、シート(後続するシートP2および先行するシートP1)を第1搬送路11および第2搬送路12の双方の中で順方向に搬送した後に逆方向に搬送するという動作を従前に比して有効に活用することにより、画像形成装置1と後処理装置2とを含むシステム全体としての生産性の向上を図ることが可能となっている。後処理装置2Aにより得られるさらなる作用および効果については、比較例1〜3(
図15〜
図17)と対比しながら次述する。
【0057】
[比較例1]
図15は、比較例1における後処理装置2Z1を模式的に示す図である。後処理装置2Z1においては、たとえば先行するシートP1を順方向に搬送した後に、先行するシートP1を逆方向に搬送し、中綴じステープル装置30に供給する。同様に、後続するシートP2を、先行するシートP1と同一の搬送路にて順方向に搬送した後に、後続するシートP2を逆方向に搬送し、中綴じステープル装置30に供給する。
【0058】
後処理装置2Z1においては、同一の(1つの)搬送路の中で、先行するシートP1が順方向および逆方向に搬送されるという動作と、後続するシートP2が順方向および逆方向に搬送されるという動作とが行なわれる。上記の先行するシートP1に先立って後処理装置2Z1(中綴じステープル装置30)に供給されたシート束に対して、中綴じ処理または中折り処理が施される。後処理装置2Z1の場合には、先行するシート束に対して後処理が実施されている間に、画像形成装置1の画像形成動作を停止ないし遅延させたり、先行するシートP1や後続するシートP2の搬送を呈しないし遅延させたりする必要が生じる。
【0059】
後処理装置2Z1においては、先行するシートP1および後続するシートP2を相互に重ね合わせた状態で中綴じステープル装置30に供給するという動作を行なうことも考えらえる。しかしながら後処理装置2Z1の構成においてこのような動作を行なった場合には、スタッカー33の上に、先行するシートP1と後続するシートP2とが重ね合わされた状態で同時に積載され、この状態においては、後続するシートP2がスタッカー33の側に位置し、先行するシートP1が後続するシートP2の上側に位置することとなる。その後、シートP3およびそれ以降のシートが先行するシートP1の上に積載されることとなり、順番が適切ではなくなってしまう(すなわち、スタッカー33の側から、後続するシートP2、先行するシートP1、シートP3の順に並ぶこととなる)。
【0060】
[比較例2]
図16は、比較例2における後処理装置2Z2を模式的に示す図である。比較例1の構成において、先行するシートP1および後続するシートP2を相互に重ね合わせた状態で中綴じステープル装置30に供給するという動作を行なうことで生じる不具合(順番の入れ替え)は、
図16に示す後処理装置2Z2のように、中綴じステープル装置30を比較例1の場合とは逆向きに傾斜させることで解消可能である。
【0061】
スタッカー33の上に、先行するシートP1と後続するシートP2とが重ね合わされた状態で同時に積載され、この状態においては、先行するシートP1がスタッカー33の側に位置し、後続するシートP2が先行するシートP1の上側に位置することとなる。その後、シートP3およびそれ以降のシートが後続するシートP2の上に適切な順番で積載されることとなる。
【0062】
しかしながら後処理装置2Z2の構成を採用した場合には、後処理装置2Z2は機械幅L2を有することとなり、後処理装置2Z1(
図15に示す比較例1)の場合の機械幅L1よりも大きくなってしまう。なお比較例1,2の場合において、シート束の後から順番にスタッカー33に積載されるようにするために、画像形成順番を正反対とするという対策も採り得るが、この場合にはいわゆるジャムが発生した場合やエンプティ(用紙欠如)が発生した場合には適切に対処することが困難となる。
【0063】
[比較例3]
図17は、比較例3における後処理装置2Z3を模式的に示す図である。
図17に示すように、先行するシートP1および後続するシートP2などを、順方向にのみ搬送して中綴じステープル装置30に供給することも考えられる。この場合には、先行するシート束に対して後処理が実施されている間に、画像形成装置1の画像形成動作を停止ないし遅延させたり、先行するシートP1や後続するシートP2の搬送を呈しないし遅延させたりする必要が生じる。後処理装置2Z3の構成を採用した場合には、後処理装置2Z3は機械幅L3を有することとなり、後処理装置2Z1(
図15に示す比較例1)の場合の機械幅L1よりも大きくなってしまう。
【0064】
(まとめ)
これらの比較例1〜3に対して、上述の実施の形態1,2における後処理装置2,2Aによれば、先行するシートP1および後続するシートP2、ならびにその後に後処理装置2,2Aの中綴じステープル装置30に供給されたシートが、適切な順番でスタッカー33の上に積載されることが可能である。上述の実施の形態1,2における後処理装置2,2Aによればさらに、たとえば比較例2,3のように機械幅を大きくすることもなく、シート(先行するシートP1および後続するシートP2)を第1搬送路11および第2搬送路12の双方の中で順方向に搬送した後に逆方向に搬送するという動作を従前に比して有効に活用することにより、画像形成装置1と後処理装置2,2Aとを含むシステム全体としての生産性の向上を図ることが可能となっている。
【0065】
[実施の形態3]
図18〜
図24を参照して、実施の形態3における後処理装置2Bについて説明する。
図18は、後処理装置2Bに備えられる第1搬送路11、第2搬送路12、第3搬送路13および案内手段20などを示す図である。
図18に示すように、後処理装置2Bは、案内手段20以外の構成においては上述の実施の形態1(
図2)と同一の構成を備えており、案内手段20の構成において実施の形態1と相違している。
【0066】
図19は、後処理装置2Bに備えられる案内手段20などを示す図である。後処理装置2Bの案内手段20は、第1ガイド201、第2ガイド202、および第3ガイド203を含む。第1ガイド201、第2ガイド202、および第3ガイド203はいずれも、シート搬送方向に対して直交し、且つ水平方向に対して平行な方向に延びる回転軸によって回動可能に軸支されている。
【0067】
第1ガイド201は、排出部10および搬送部11aを通して搬送されてきたシートを、搬送部11b(第1搬送路11)に順方向に搬送するか、第2搬送路12に順方向に搬送するかを規定する。第2ガイド202は、搬送部11a(第1搬送路11)から第2搬送路12に向かって順方向に搬送されるシートを案内するか、第2搬送路12から逆方向に搬送されてきたシートを第3搬送路13に向かって搬送されるように案内する。第3ガイド203は、搬送部11aから搬送部11bに向かって順方向に搬送されるシートを案内するか、搬送部11bから逆方向に搬送されてきたシートを第3搬送路13に向かって搬送されるように案内する。
【0068】
図20に示すように、案内手段20の第1ガイド201および第3ガイド203は、好適には以下のように構成される。第1ガイド201は、軸方向における端部に、台座部201a、凹部201bおよび回転軸201cを備えている。第3ガイド203は、軸方向における端部に、回動軸203a、レバー部203b、および挿入軸203cを備えている。案内手段20の上側に配置される搬送路形成部材205(
図19,
図20)は、軸方向における端部に、垂下片205aを有しており、垂下片205aには円孔205bおよび長穴205cが形成されている。
【0069】
第3ガイド203の回動軸203aは、第1ガイド201の凹部201bの内側に嵌め込まれ、その状態で押さえ部材206が台座部201aに取り付けられることで、第1ガイド201と第3ガイド203とが互いに一体化される。第1ガイド201の回転軸201cは、搬送路形成部材205の円孔205bの中に挿入され、第3ガイド203の挿入軸203cは、搬送路形成部材205の長穴205cの中に挿入される。すなわち、搬送路形成部材205の垂下片205a、円孔205bおよび長穴205cが「リンク機構」を構成しており、第1ガイド201および第3ガイド203は、このリンク機構を介して互いに連結されるとともに、一つの駆動源によって連動して回動する用に構成されている。
【0070】
図19を再び参照して、したがって第1ガイド201および第3ガイド203はたとえば、第1ガイド201が
図19に示す状態から反時計回り方向に回動した場合には(第1ガイド201が実線で示す状態から点線で示す状態に遷移した場合には)、この動作に連動して、第3ガイド203が
図19に示す状態から時計回り方向に回動する(第3ガイド203も実線で示す状態から点線で示す状態に遷移する)。この動作とは逆に、第1ガイド201が
図19の点線に示す状態から実線に示す状態に遷移した場合には、この動作に連動して、第3ガイド203も
図19の点線に示す状態から実線に示す状態に遷移する。
【0071】
図21に示すように、本実施の形態の案内手段20は、上述の実施の形態1の場合と同様に、先行するシートP1を第1搬送路11に順方向に案内する。すなわち本実施の形態においても、第1搬送路11が「一方の搬送路」に相当し、第2搬送路12が「他方の搬送路」に相当する。
【0072】
具体的には、排出部10を通して後処理装置2Bに供給された先行するシートP1は、搬送ローラーR11aによって搬送部11aに送り込まれ、案内手段20の第1ガイド201の下面と第2ガイド202の上面とによって案内され、第1搬送路11(搬送部11b)に向かって順方向に搬送される。先行するシートP1はさらに、搬送部11bの内側を通過し、搬送ローラーR11bによって搬送部11cに送り込まれる。その後、案内手段20の第1ガイド201は反時計回り方向に回動し、この動作に連動して、第3ガイド203は時計回り方向に回動する。
【0073】
図22に示すように、後続するシートP2は、搬送ローラーR11aによって搬送部11aに送り込まれた後、案内手段20の第1ガイド201の上面と第3ガイド203の上面とによって案内され、第2搬送路12に向かって順方向に搬送される。後続するシートP2はさらに、搬送ローラーR12aによって第2搬送路12の下流側の部分に向かってさらに搬送される。先行するシートP1は、所定のタイミング(先行するシート束に対する後処理が終わるタイミング)で搬送部11cを逆方向に、第3搬送路13に向けて搬送される。
【0074】
図23に示すように、第1搬送路11(搬送部11c,11b)から逆方向に搬送される先行するシートP1は、案内手段20(第2ガイド202)の下面により案内されることで第3搬送路13に搬送される。案内手段20は、第1搬送路11から逆方向に搬送されてくる先行するシートP1を第3搬送路13に案内している時に、後続するシートP2を第2搬送路12に順方向に案内するとよい。この場合、先行するシートP1が第2ガイド202の下面によって案内されて第3搬送路13に向かって搬送されている状態と、後続するシートP2が第1ガイド201の上面および第3ガイド203の上面によって搬送されて第2搬送路12に向かって搬送されている状態とが、同時に形成されることとなる。
【0075】
図24に示すように、先行するシートP1が第3搬送路13に向けて案内されて第3搬送路13の中に進入した後、案内手段20の第1ガイド201は時計回り方向に回動し、この動作に連動して、第3ガイド203は反時計回り方向に回動する。後続するシートP2は、所定のタイミングで第2搬送路12を逆方向に、第3搬送路13に向けて搬送される。第2搬送路12から逆方向に搬送される後続するシートP2は、第3ガイド203の下面と第2ガイド202の上面とにより案内されることで第3搬送路13に搬送される。この際、後続するシートP2の次に搬送されるシート(図示せず)は、搬送ローラーR11aの位置で停止していてもよいし、所定の搬送速度で搬送ローラーR11aにより搬送されていてもよい。
【0076】
本実施の形態においても、処理手段としての中綴じステープル装置30(
図1参照)は、中綴じステープル装置30によって処理されたシート束50を中綴じステープル装置30から排出する方向(
図1に示す矢印DRの方向)が、第1搬送路11(
図21等参照)の順方向と同じ向き(すなわち、画像形成装置1から遠ざかる方向であり、
図1紙面内において右側から左側に向かう方向)になるように構成されている。
【0077】
中綴じステープル装置30のうち、中綴じステープル装置30によって処理されるシート束が積載される部分(すなわちスタッカー33)は、第3搬送路13(
図21)から遠ざかるにつれて、
図1紙面内において右上側から左下側に向かうように傾斜した載置面形状を有している。換言すると、スタッカー33は、矢印DRに示す方向(上記の排出する方向)とは反対向きの順番で複数のシートが収容されるための傾きを有するように構成されている。
【0078】
したがって本実施の形態の後処理装置2Bにおいても、スタッカー33の上に、先行するシートP1が1番目に積載され、先行するシートP1に後続するシートP2が2番目(すなわち先行するシートP1の上)に積載され、後続するシートP2の次に搬送されるシートが3番目(すなわち後続するシートP2の上)に積載されることとなる。3番目のシート以降に搬送されるシートについても同様に順々に積載され、中綴じステープル装置30には適切な順番で複数のシートが供給されることとなる。
【0079】
以上のような構成を備えた後処理装置2Bによっても、上述の実施の形態1と同様の作用および効果を得ることができる。また、第1ガイド201および第3ガイド203が1つの駆動源によって回動可能に構成されていることで、第1ガイド201および第3ガイド203を別々に駆動する場合に比べて駆動源の設置数という点において削減を図ることが可能となっている。
【0080】
[実施の形態4]
図25〜
図27を参照して、実施の形態4における後処理装置2Cについて説明する。実施の形態3,4は、以下の点で相違している。実施の形態4においては、第1搬送路11が「他方の搬送路」に相当し、第2搬送路12が「一方の搬送路」に相当する。
【0081】
図25に示すように、案内手段20の第1ガイド201は、先行するシートP1を第2搬送路12に順方向に案内する。具体的には、排出部10を通して後処理装置2Cに供給された先行するシートP1は、搬送ローラーR11aによって搬送部11aに送り込まれる。第1ガイド201が先行するシートP1を第2搬送路12に順方向に案内する位置に配置されている状態では、第3ガイド203も先行するシートP1を第2搬送路12に順方向に案内する位置に配置されている。
【0082】
先行するシートP1は、案内手段20の第1ガイド201の上面と第3ガイド203の上面とによって案内され、第2搬送路12に向かって順方向に搬送される。先行するシートP1はさらに、搬送ローラーR12aによって第2搬送路12の下流側の部分に向かってさらに搬送される。その後、案内手段20の第1ガイド201は反時計回り方向に回動し、この動作に連動して、第3ガイド203は時計回り方向に回動する。
【0083】
図26に示すように、案内手段20の第1ガイド201は、後続するシートP2を第1搬送路11に順方向に案内する。第1ガイド201が後続するシートP2を第1搬送路11に順方向に案内する位置に配置されている状態では、第3ガイド203は先行するシートP1を第2搬送路12から第3搬送路13に向かって逆方向に搬送する位置に配置されている。
【0084】
後続するシートP2は、搬送ローラーR11aによって搬送部11aに送り込まれ、案内手段20の第1ガイド201の下面と第2ガイド202の上面とによって案内され、第1搬送路11(搬送部11b)に向かって順方向に搬送される。後続するシートP2はさらに、搬送部11bの内側を通過し、搬送ローラーR11bによって搬送部11cに送り込まれる。その後、案内手段20の第2ガイド202は時計回り方向に回動する。
【0085】
図27に示すように、先行するシートP1および後続するシートP2は、所定のタイミング(先行するシート束に対する後処理が終わるタイミング)で第2搬送路12および第1搬送路11(搬送部11c,11b)をそれぞれ逆方向に、第3搬送路13に向けて搬送される。第2ガイド202は、第1搬送路11から逆方向に搬送されてくる後続するシートP2を第3搬送路13に案内し、第3ガイド203は、第2搬送路12から逆方向に搬送されてくる先行するシートP1を第3搬送路13に案内する。
【0086】
案内手段20はここで、第1搬送路11から逆方向に搬送されてくる後続するシートP2と第2搬送路12から逆方向に搬送されてくる先行するシートP1とが相互に重ね合わされた状態で中綴じステープル装置30に供給されるように、後続するシートP2と先行するシートP1とを第3搬送路13に案内する。先行するシートP1と後続するシートP2とは、相互に重ね合わされた状態では、先行するシートP1が搬送部11a(排出部10)の側に位置し、後続するシートP2が搬送部11cの側に位置することとなる。
【0087】
本実施の形態においても、処理手段としての中綴じステープル装置30(
図1参照)は、中綴じステープル装置30によって処理されたシート束50を中綴じステープル装置30から排出する方向(
図1に示す矢印DRの方向)が、第1搬送路11(
図25等参照)の順方向と同じ向き(すなわち、画像形成装置1から遠ざかる方向であり、
図1紙面内において右側から左側に向かう方向)になるように構成されている。
【0088】
中綴じステープル装置30のうち、中綴じステープル装置30によって処理されるシート束が積載される部分(すなわちスタッカー33)は、第3搬送路13(
図25)から遠ざかるにつれて、
図1紙面内において右上側から左下側に向かうように傾斜した載置面形状を有している。換言すると、スタッカー33は、矢印DRに示す方向(上記の排出する方向)とは反対向きの順番で複数のシートが収容されるための傾きを有するように構成されている。
【0089】
したがって本実施の形態の後処理装置2Cにおいても、スタッカー33の上に、先行するシートP1と後続するシートP2とが重ね合わされた状態で同時に積載され、この状態においては、先行するシートP1がスタッカー33の側に位置し、後続するシートP2が先行するシートP1の上側に位置することとなる。先行するシートP1および後続するシートP2の次に搬送されるシートは、後続するシートP2の上に積載されることとなる。3番目のシート以降に搬送されるシートについても同様に順々に積載され、中綴じステープル装置30には適切な順番で複数のシートが供給されることとなる。
【0090】
以上のような構成を備えた後処理装置2Cによっても、上述の実施の形態2と同様の作用および効果を得ることができる。また、第1ガイド201および第3ガイド203が1つの駆動源によって回動可能に構成されていることで、第1ガイド201および第3ガイド203を別々に駆動する場合に比べて駆動源の設置数という点において削減を図ることが可能となっている。
【0091】
[実施の形態5]
図28〜
図33を参照して、実施の形態5における後処理装置2Dについて説明する。
図28は、後処理装置2Dに備えられる第1搬送路11、第2搬送路12、第3搬送路13、第4搬送路14および案内手段20などを示す図である。
図28に示すように、後処理装置2Dは、後処理装置2Dが第4搬送路14をさらに備えているという点と、案内手段20の構成とにおいて実施の形態1と相違している。
【0092】
(第4搬送路14)
第4搬送路14は、第1搬送路11の下側(ここでは搬送部11aの下側)に位置する。第4搬送路14は、第1搬送路11から第2搬送路12への分岐の位置よりも画像形成装置1(排出部10)の側において、第1搬送路11から分岐して設けられており、第4搬送路14の下流側の部分は第3搬送路13に合流している。
【0093】
第4搬送路14の上流端は、第1搬送路11に接続されている。第4搬送路14が第1搬送路11から分岐している位置に、案内手段20の第1ガイド201が配置される。第4搬送路14は、第1ガイド201から遠ざかるにつれて斜め下(排出部10に近づく方向の斜め下)に向かって延びるように形成されている。第4搬送路14の上流端の少し下流側には、搬送ローラーR14が設けられている。
【0094】
図29は、後処理装置2Dに備えられる案内手段20などを示す図である。後処理装置2Dの案内手段20は、第1ガイド201、第2ガイド202、および第3ガイド203を含む。第1ガイド201、第2ガイド202、および第3ガイド203はいずれも回動式であり(移動式であってもよい)、シート搬送方向に対して直交し、且つ水平方向に対して平行な方向に延びる回転軸によって回動可能に軸支されている。
【0095】
第1ガイド201は、第1搬送路11から第4搬送路14への分岐の位置に設けられる。第1ガイド201は、排出部10および搬送部11aを通して搬送されてきたシートを、第1搬送路11に順方向に案内したり、第2搬送路12から逆方向に搬送されたシートを第4搬送路14に案内したりする。
【0096】
第2ガイド202は、第1搬送路11から第2搬送路12への分岐の位置に設けられる。第2ガイド202は、排出部10および搬送部11aを通して搬送されてきたシートを、搬送部11b(第1搬送路11)に順方向に搬送するか、第2搬送路12に順方向に搬送するかを規定する。第2ガイド202は、第2搬送路12から逆方向に搬送されたシートを第4搬送路14に案内することもできる。
【0097】
第3ガイド203は、第1搬送路11から第3搬送路13への分岐の位置に設けられる。第3ガイド203は、搬送部11aから搬送部11bに向かって順方向に搬送されるシートを案内したり、搬送部11bから逆方向に搬送されてきたシートを第3搬送路13に向かって搬送されるように案内したりする。
【0098】
以上のように構成される案内手段20は、先行するシートP1および先行するシートP1に後続するシートP2のうちの一方のシートを、第1搬送路11に順方向に案内し、先行するシートP1および後続するシートP2のうちの他方のシートを第2搬送路12に順方向に案内する。案内手段20はさらに、第1搬送路11から逆方向に搬送された一方のシートを第3搬送路13に案内し、第2搬送路12から逆方向に搬送された他方のシートを第4搬送路に案内する。本実施の形態においては、先行するシートP1が「一方のシート」に相当し、後続するシートP2が「他方のシート」に相当する。
【0099】
図30に示すように、案内手段20は、先行するシートP1を第1搬送路11に順方向に案内する。具体的には、排出部10を通して後処理装置2Dに供給された先行するシートP1は、搬送ローラーR11aによって搬送部11aに送り込まれ、案内手段20の第1ガイド201の上面と第2ガイド202の下面とによって案内され、第1搬送路11の下流側の部分に向かってさらに搬送される。先行するシートP1はさらに、搬送部11bの内側を通過し、搬送ローラーR11bによって搬送部11cに送り込まれる。その後、案内手段20の第2ガイド202は時計回り方向に回動する。
【0100】
図31に示すように、後続するシートP2は、搬送ローラーR11aによって搬送部11aに送り込まれた後、案内手段20の第1ガイド201の上面と第2ガイド202の上面とによって案内され、第2搬送路12に向かって順方向に搬送される。後続するシートP2はさらに、搬送ローラーR12aによって第2搬送路12の下流側の部分に向かってさらに搬送される。先行するシートP1は、所定のタイミング(先行するシート束に対する後処理が終わるタイミング)で搬送部11cを逆方向に、第3搬送路13に向けて搬送される。
【0101】
図32に示すように、第1搬送路11(搬送部11c,11b)から逆方向に搬送される先行するシートP1は、案内手段20の第3ガイド203の下面により案内されることで第3搬送路13に搬送される。案内手段20は、第1搬送路11から逆方向に搬送されてくる先行するシートP1を第3搬送路13に案内している時に、後続するシートP2を第2搬送路12に順方向に案内するとよい。この場合、先行するシートP1が第3ガイド203の下面によって案内されて第3搬送路13に向かって搬送されている状態と、後続するシートP2が第1ガイド201の上面あるいは第2ガイド202の上面により搬送されて第2搬送路12に向かって搬送されている状態とが、同時に形成されることとなる。
【0102】
図33に示すように、先行するシートP1が第3搬送路13に向けて案内されて第3搬送路13の中に進入した後、後続するシートP2は、所定のタイミングで第2搬送路12を逆方向に、第4搬送路14に向けて搬送される。第2搬送路12から逆方向に搬送される後続するシートP2は、第1ガイド201の下面により案内されることで第4搬送路14に搬送される。この際、後続するシートP2の次に搬送されるシートは、搬送ローラーR11aの位置で停止していてもよいし、所定の搬送速度で搬送ローラーR11aにより搬送されていてもよい。
【0103】
本実施の形態においても、処理手段としての中綴じステープル装置30(
図1参照)は、中綴じステープル装置30によって処理されたシート束50を中綴じステープル装置30から排出する方向(
図1に示す矢印DRの方向)が、第1搬送路11(
図30等参照)の順方向と同じ向き(すなわち、画像形成装置1から遠ざかる方向であり、
図1紙面内において右側から左側に向かう方向)になるように構成されている。
【0104】
中綴じステープル装置30のうち、中綴じステープル装置30によって処理されるシート束が積載される部分(すなわちスタッカー33)は、第3搬送路13(
図30)から遠ざかるにつれて、
図1紙面内において右上側から左下側に向かうように傾斜した載置面形状を有している。換言すると、スタッカー33は、矢印DRに示す方向(上記の排出する方向)とは反対向きの順番で複数のシートが収容されるための傾きを有するように構成されている。
【0105】
したがって本実施の形態の後処理装置2Dにおいても、スタッカー33の上に、先行するシートP1が1番目に積載され、先行するシートP1に後続するシートP2が2番目(すなわち先行するシートP1の上)に積載され、後続するシートP2の次に搬送されるシートが3番目(すなわち後続するシートP2の上)に積載されることとなる。3番目のシート以降に搬送されるシートについても同様に順々に積載され、中綴じステープル装置30には適切な順番で複数のシートが供給されることとなる。したがって以上のような構成を備えた後処理装置2Dによっても、上述の実施の形態1と同様の作用および効果を得ることができる。
【0106】
[実施の形態6]
図34〜
図36を参照して、実施の形態6における後処理装置2Eについて説明する。実施の形態5,6は、以下の点で相違している。実施の形態6においては、先行するシートP1が「他方のシート」に相当し、後続するシートP2が「一方のシート」に相当する。
【0107】
図34に示すように、案内手段20の第1ガイド201は、先行するシートP1を第2搬送路12に順方向に案内する。具体的には、排出部10を通して後処理装置2Eに供給された先行するシートP1は、搬送ローラーR11aによって搬送部11aに送り込まれる。第1ガイド201が先行するシートP1を第2搬送路12に順方向に案内する位置に配置されている状態では、第2ガイド202も先行するシートP1を第2搬送路12に順方向に案内する位置に配置されている。
【0108】
先行するシートP1は、案内手段20の第1ガイド201の上面と第2ガイド202の上面とによって案内され、第2搬送路12に向かって順方向に搬送される。先行するシートP1はさらに、搬送ローラーR12aによって第2搬送路12の下流側の部分に向かってさらに搬送される。その後、案内手段20の第2ガイド202は時計回り方向に回動する。
【0109】
図35に示すように、案内手段20の第1ガイド201は、後続するシートP2を第1搬送路11に順方向に案内する。具体的には、後続するシートP2は、搬送ローラーR11aによって搬送部11aに送り込まれ、案内手段20の第1ガイド201の上面と、第2ガイド202の下面と、第3ガイド203の上面とによって案内され、第1搬送路11(搬送部11b)に向かって順方向に搬送される。後続するシートP2はさらに、搬送部11bの内側を通過し、搬送ローラーR11bによって搬送部11cに送り込まれる。その後、案内手段20の第1ガイド201、第2ガイド202および第3ガイド203はいずれも、時計回り方向に回動する。
【0110】
図36に示すように、先行するシートP1および後続するシートP2は、所定のタイミング(先行するシート束に対する後処理が終わるタイミング)で第2搬送路12および第1搬送路11(搬送部11c,11b)をそれぞれ逆方向に、第4搬送路14および第3搬送路13に向けて搬送される。第1ガイド201および第2ガイド202は、第2搬送路12から逆方向に搬送されてくる先行するシートP1を第4搬送路14に案内する。第3ガイド203は、第1搬送路11から逆方向に搬送されてくる後続するシートP2を第3搬送路13に案内する。
【0111】
案内手段20はここで、第3搬送路13から逆方向に搬送されてくる後続するシートP2と第4搬送路14から逆方向に搬送されてくる先行するシートP1とが相互に重ね合わされた状態で中綴じステープル装置30に供給されるように、後続するシートP2と先行するシートP1とを第3搬送路13(第3搬送路13と第4搬送路14との合流地点)に案内する。先行するシートP1と後続するシートP2とは、相互に重ね合わされた状態では、先行するシートP1が搬送部11a(排出部10)の側に位置し、後続するシートP2が搬送部11cの側に位置することとなる。
【0112】
本実施の形態においても、処理手段としての中綴じステープル装置30(
図1参照)は、中綴じステープル装置30によって処理されたシート束50を中綴じステープル装置30から排出する方向(
図1に示す矢印DRの方向)が、第1搬送路11(
図35等参照)の順方向と同じ向き(すなわち、画像形成装置1から遠ざかる方向であり、
図1紙面内において右側から左側に向かう方向)になるように構成されている。
【0113】
中綴じステープル装置30のうち、中綴じステープル装置30によって処理されるシート束が積載される部分(すなわちスタッカー33)は、第3搬送路13(
図35)から遠ざかるにつれて、
図1紙面内において右上側から左下側に向かうように傾斜した載置面形状を有している。換言すると、スタッカー33は、矢印DRに示す方向(上記の排出する方向)とは反対向きの順番で複数のシートが収容されるための傾きを有するように構成されている。
【0114】
したがって本実施の形態の後処理装置2Eにおいても、スタッカー33の上に、先行するシートP1と後続するシートP2とが重ね合わされた状態で同時に積載され、この状態においては、先行するシートP1がスタッカー33の側に位置し、後続するシートP2が先行するシートP1の上側に位置することとなる。先行するシートP1および後続するシートP2の次に搬送されるシートは、後続するシートP2の上に積載されることとなる。3番目のシート以降に搬送されるシートについても同様に順々に積載され、中綴じステープル装置30には適切な順番で複数のシートが供給されることとなる。以上のような構成を備えた後処理装置2Eによっても、上述の実施の形態2と同様の作用および効果を得ることができる。
【0115】
以上、実施の形態について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。