(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6950479
(24)【登録日】2021年9月28日
(45)【発行日】2021年10月13日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/393 20060101AFI20210930BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20210930BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20210930BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20210930BHJP
B65H 33/04 20060101ALI20210930BHJP
【FI】
B41J29/393 105
B41J29/42 F
G03G21/00 386
G03G15/00 437
G03G15/00 403
B65H33/04
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-220352(P2017-220352)
(22)【出願日】2017年11月15日
(65)【公開番号】特開2019-89268(P2019-89268A)
(43)【公開日】2019年6月13日
【審査請求日】2020年10月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121599
【弁理士】
【氏名又は名称】長石 富夫
(72)【発明者】
【氏名】成松 英一
【審査官】
上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−070343(JP,A)
【文献】
特開2005−205747(JP,A)
【文献】
特開2012−093601(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0212097(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/393
B41J 29/42
G03G 21/00
G03G 15/00
B65H 33/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙された用紙に画像を形成して排出する画像形成部と、
前記画像形成部から排出された用紙がヤレ紙であるか否かを検出するヤレ検出部と、
前記画像形成部から排出された用紙のスタッカに、一の給紙トレイから給紙された用紙を合紙として出力する合紙出力部と、
前記ヤレ検出部によってヤレ紙が検出された場合に、前記合紙出力部にヤレ紙抽出用の合紙の出力を指示する第1指示部と、
前記第1指示部の指示によって出力されたヤレ紙抽出用の合紙の前記スタッカでの積載順位を記憶する第1記憶部と、
前記合紙出力部にヤレ紙抽出用以外の合紙である通常合紙の出力を指示する第2指示部と、
前記第2指示部の指示によって出力された通常合紙の前記スタッカでの積載順位を記憶する第2記憶部と、
前記第1記憶部に記憶されているヤレ紙抽出用の合紙の積載順位の情報と前記第2記憶部に記憶されている通常合紙の積載順位の情報とに基づいて、前記スタッカに積載されているヤレ紙抽出用の合紙と通常合紙の双方の合紙の中でのヤレ紙抽出用の合紙の位置を表示部に表示する表示制御部と、
を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記双方の合紙の中でのヤレ紙抽出用の合紙の位置を表示する方法として、前記スタッカに積載されている各合紙の位置をヤレ紙抽出用の合紙と通常合紙を区別して表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、一の合紙から次の合紙までの積載枚数を表示する
ことを請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記双方の合紙の中でヤレ紙抽出用の合紙の位置を表示する方法として、前記スタッカに積載されているヤレ紙抽出用の合紙と通常合紙の双方の合紙の中でのヤレ紙抽出用の合紙の順位を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記表示制御部によるヤレ紙抽出用の合紙の位置の表示方法を、前記双方の合紙の中でヤレ紙抽出用の合紙の位置を表示する第1表示方法と、前記第1記憶部に記憶されているヤレ紙抽出用の合紙の積載順位の情報に基づいてヤレ紙抽出用の合紙の位置のみを表示する第2表示方法とに切り替える切替部を有する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタッカに排紙された用紙の中のヤレ紙の位置に合紙を出力することのできる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷工場等で使用される画像形成装置には、画像形成部の下流の搬送路上にスキャナを設け、該スキャナで用紙上の画像を読み取ってヤレ紙を検出することが行われる。しかし、通常は、検出されたヤレ紙も正常な成果物と同じ排紙トレイやスタッカに排出されるため、積載された用紙の中からヤレ紙を判別して抜き取る作業が必要になる。
【0003】
排紙トレイ等に積載された用紙束の中にあるヤレ紙の位置を示す方法の1つとして、ヤレ紙のある位置に合紙を出力する方法がある。
図11に示すように、合紙は、通常の用紙から少しオフセットされて排紙トレイに排出されるので、ユーザは出力完了後に合紙の場所を頼りにして用紙束の中からヤレ紙を取り除くことができる。
【0004】
また、出力時にヤレが発生したときの情報(全体の中の何枚目か等)を記憶部に保持しておき、出力物の中での不良箇所の情報を、操作パネルにリスト表示する画像形成装置もある(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−2057227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
章分け有りの冊子を出力するためには、表紙、本身、章分け用の合紙の3種類の用紙を使用し、3つの給紙トレイが必要となる。ここで、印刷装置の給紙トレイが3個しかない場合、3個の給紙トレイの全てが必要となるため、ヤレ紙抽出用の合紙用の給紙トレイを別途用意することはできない。そのため、ヤレ紙抽出用の合紙として章分け用の合紙と同じ用紙を利用する場合がある。
【0007】
この場合、
図12に示すように、章分け用の合紙とヤレ紙抽出用の合紙の区別がつかず、ヤレ紙抽出用の合紙を頼りにヤレ紙を取り除くことが困難になる。
【0008】
特許文献1に開示された技術は、ヤレ抽出用の合紙を使用しないでヤレ紙の位置を示す技術であり、上記の問題は解決されない。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、排紙された用紙束の中に混在する章分け用の合紙とこれと同じ用紙のヤレ紙抽出用の合紙の中からヤレ紙抽出用の合紙を容易に認識することのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0011】
[1]給紙された用紙に画像を形成して排出する画像形成部と、
前記画像形成部から排出された用紙がヤレ紙であるか否かを検出するヤレ検出部と、
前記画像形成部から排出された用紙のスタッカに、一の給紙トレイから給紙された用紙を合紙として出力する合紙出力部と、
前記ヤレ検出部によってヤレ紙が検出された場合に、前記合紙出力部にヤレ紙抽出用の合紙の出力を指示する第1指示部と、
前記第1指示部の指示によって出力されたヤレ紙抽出用の合紙の前記スタッカでの積載順位を記憶する第1記憶部と、
前記合紙出力部にヤレ紙抽出用以外の合紙である通常合紙の出力を指示する第2指示部と、
前記第2指示部の指示によって出力された通常合紙の前記スタッカでの積載順位を記憶する第2記憶部と、
前記第1記憶部に記憶されているヤレ紙抽出用の合紙の積載順位の情報と前記第2記憶部に記憶されている通常合紙の積載順位の情報とに基づいて、前記スタッカに積載されているヤレ紙抽出用の合紙と通常合紙の双方の合紙の中でのヤレ紙抽出用の合紙の位置を表示部に表示する表示制御部と、
を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【0012】
上記発明では、一の給紙トレイから給紙した用紙は、ヤレ紙抽出用の合紙としてスタッカに出力されるほか、章分け用の合紙などヤレ紙抽出用以外の合紙(通常合紙)としてもスタッカに出力される。第1記憶部にはヤレ紙抽出用の合紙としてスタッカに出力された用紙の積載順位が記録され、第2記憶部には通常合紙としてスタッカに出力された用紙の積載順位が記録される。表示制御部は、第1記憶部にあるヤレ紙抽出用の合紙の積載順位の情報と第2記憶部にある通常合紙の積載順位の情報とに基づいて、スタッカに積載されているヤレ紙抽出用の合紙と通常合紙の双方の合紙の中でのヤレ紙抽出用の合紙の位置を表示部に表示する。
【0013】
[2]前記表示制御部は、前記双方の合紙の中でのヤレ紙抽出用の合紙の位置を表示する方法として、前記スタッカに積載されている各合紙の位置をヤレ紙抽出用の合紙と通常合紙を区別して表示する
ことを特徴とする[1]に記載の画像形成装置。
【0014】
上記発明では、スタッカに積載されているヤレ紙抽出用の合紙と通常合紙を区別してこれらの合紙の位置を表示する。
【0015】
[3]前記表示制御部は、一の合紙から次の合紙までの積載枚数を表示する
ことを[2]に記載の画像形成装置。
【0016】
上記発明では、合紙と次の合紙のとの相対位置を、その間にある用紙の枚数で示す。
【0017】
[4]前記表示制御部は、前記双方の合紙の中でヤレ紙抽出用の合紙の位置を表示する方法として、前記スタッカに積載されているヤレ紙抽出用の合紙と通常合紙の双方の合紙の中でのヤレ紙抽出用の合紙の順位を表示する
ことを特徴とする[1]に記載の画像形成装置。
【0018】
上記発明では、ヤレ紙抽出用の合紙の位置を、合紙全体の中で上から何番目等の順位で表示する。
【0019】
[5]前記表示制御部によるヤレ紙抽出用の合紙の位置の表示方法を、前記双方の合紙の中でヤレ紙抽出用の合紙の位置を表示する第1表示方法と、前記第1記憶部に記憶されているヤレ紙抽出用の合紙の積載順位の情報に基づいてヤレ紙抽出用の合紙の位置のみを表示する第2表示方法とに切り替える切替部を有する
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0020】
上記発明では、ヤレ紙抽出用の合紙の積載順位のみを表示する第2表示方法にも切り替えることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る画像形成装置によれば、排紙された用紙束の中に章分け用の合紙とこれと同じ用紙のヤレ紙抽出用の合紙とが混在する場合にも、これらの中からヤレ紙抽出用の合紙を容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【
図2】画像形成装置のヤレ紙識別情報の表示に係る機能部分等を示すブロック図である。
【
図3】ヤレ履歴情報バッファに記憶されるヤレ目印合紙情報リストの例を示す図である。
【
図4】章分け情報バッファに記憶される章分け合紙情報リストの一例を示す図である。
【
図5】ジョブ実行中に、章分け情報バッファおよびヤレ履歴情報バッファに合紙の情報を記録する処理を示す流れ図である。
【
図6】ヤレ紙識別情報の第1の表示例を示す図である。
【
図7】ヤレ紙識別情報の第2の表示例を示す図である。
【
図9】ジョブの出力枚数が多大で合紙が大量に発生した場合のヤレ紙識別情報の表示例を示す図である。
【
図10】ヤレ紙識別情報の表示に関する処理を示す流れ図である。
【
図11】ヤレ目印合紙を含む用紙束がスタッカに積載された状態の一例を示す図である。
【
図12】ヤレ目印合紙と同じ用紙による章分け合紙とを含む用紙束がスタッカに積載された状態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置10の構成を示している。画像形成装置10は、給紙された用紙に画像を形成して排出する画像形成部15を含む本体部11と、本体部11の画像形成部15に給紙される用紙を収納する複数の給紙トレイ12と、本体部11の画像形成部15の下流に設けられ、画像形成部15から排出された用紙がヤレ紙であるか否かを検出する等のために用紙上の画像を読み取るスキャナ部13と、スキャナ部13の下流に設けられ、スキャナ部13を通過した用紙を順次積載するスタッカ14を備えて構成される。画像形成装置10では、給紙トレイ12から給紙された用紙は、画像形成部15、スキャナ部13を経由してスタッカ14に排出されるように搬送され、スキャナ部13は搬送路上の用紙を光学的に読み取る。
【0025】
給紙トレイ12は、給紙トレイ1、給紙トレイ2、給紙トレイ3の3個の給紙トレイを有する。ここでは、給紙トレイ1には冊子の表紙用の用紙が、給紙トレイ2には本身用の用紙が、給紙トレイ3には章分け用の合紙とされる用紙が収納される。給紙トレイ3の用紙は、ヤレ紙抽出用の合紙(以後、これをヤレ目印合紙とする)としても使用される。合紙としてスタッカ14に排出される用紙は、
図11、
図12に示すように、他の用紙から所定方向にオフセットして排出される。
【0026】
画像形成装置10は、画像形成部15で画像形成した用紙を順次スキャナ部13で読み取ってスタッカ14に排出する。読み取った用紙がヤレ紙であると判定した場合は、ヤレ目印合紙の出力指示を出力する。この指示により、画像形成装置10は給紙トレイ3から用紙を給紙し、この用紙をヤレ目印合紙としてスタッカ14にオフセットして排出する。
【0027】
本実施の形態に係る画像形成装置10では、ヤレ目印合紙と章分け用の合紙などのヤレ目印合紙以外合紙(以後、これを通常合紙とする)の双方を含む、スタッカ14に積載された全ての合紙、の中からヤレ目印合紙を容易に区別して認識できる情報(ヤレ紙識別情報)を操作パネル16の表示部に表示する機能を備えている。なお、以後の例では、通常合紙が章分け合紙である場合を例に説明する。
【0028】
図2は、画像形成装置10の概略構成およびヤレ紙識別情報の表示に係る機能部分を示すブロック図である。本体部11の画像形成部15から出力された用紙は、スキャナ部13のおもて画像読取センサ21で用紙のおもて面の画像が読み取られ、裏画像読取センサ22で用紙の裏面の画像が読み取られる。おもて画像読取センサ21、裏画像読取センサ22から出力される読取画像のデータは画像送信部23により本体部11の画像受信部31に向けて送信される。
【0029】
画像受信部31が画像送信部23から受信した読取画像のデータは読取画像バッファ32に書き込まれて記憶される。ヤレ画像判断部33は、読取画像のデータを読取画像バッファ32から読み出して解析し、スキャナ部13で読み取った用紙がヤレ紙であるか否かをリアルタイムに判断する。
【0030】
第1指示部34は、ヤレ画像判断部33の判断結果が「ヤレ紙」であった場合、合紙出力部36にヤレ目印合紙を出力するように指示する。さらに、この指示によって合紙出力部36が出力するヤレ目印合紙のシート番号(スタッカ14での積載順位に相当)等をヤレ履歴情報バッファ35(第1記憶部)に格納する。合紙出力部36は、上記の指示を受けると、ヤレ目印合紙を出力する。具体的には、給紙トレイ3から用紙を給紙し、該用紙を、画像形成部15、スキャナ部13を通過させ、スタッカ14に、通常の用紙に対してオフセットさせて排出する。
【0031】
ジョブ制御部37は、ジョブの実行を管理しており、表紙、本身、章分け紙などの印刷、出力を制御する。ジョブ制御部37の第2指示部38は、ジョブの中で章分け紙の挿入タイミングになると、章分け合紙の出力指示を合紙出力部36に対して出力する。また、この指示によって合紙出力部36が出力する章分け合紙のシート番号(スタッカ14での積載順位に相当)を章分け情報バッファ39(第2記憶部)に格納する。合紙出力部36は、上記の指示を受けると、章分け合紙を、ヤレ目印合紙の場合と同様にしてスタッカ14に出力する。
【0032】
ヤレ紙情報表示制御部41は、操作パネル16にてユーザからヤレ履歴情報の表示要求を受けると、ヤレ履歴情報バッファ35と章分け情報バッファ39から読み出した情報に基づいて、スタッカ14に積載されているヤレ目印合紙と通常合紙の双方の合紙の中でのヤレ目印合紙の位置を示すヤレ紙識別情報を作成し、これを操作パネル16の表示部に表示する制御を行う。
【0033】
ヤレ紙情報表示制御部41の切替部42は、ヤレ紙識別情報を表示する第1表示方法と、通常合紙の情報を含まずにヤレ目印合紙の情報のみを表示する第2表示方法とに、ヤレ紙に関する情報の表示方法を切り替える。切替部42による切り替えは、操作パネル16で受けるユーザからの切り替え操作に応じて行われる。
【0034】
図3は、ヤレ履歴情報バッファ35に記憶される情報の例を示している。ヤレ目印合紙の挿入位置がジョブの先頭から何枚目の用紙であるかを示すシート番号と、そのヤレ目印合紙の有る位置から何枚の用紙を除去すべきかを示す除去枚数とが紐付けてヤレ目印合紙情報リスト50に登録される。ヤレ紙が複数回検出された場合は各検出に対してシート番号と除去枚数がヤレ目印合紙情報リスト50に順に記録される。なお、連続印刷では、スキャナ部13でヤレ紙を検出した直後に給紙トレイ3からヤレ目印合紙となる用紙を送り出した場合でも、ヤレ紙とヤレ目印合紙となる用紙との間の搬送路上に数枚の用紙が存在する。そこで、ヤレ紙とヤレ目印合紙との間にある用紙をすべて除去するための枚数が除去枚数で示される。
【0035】
図4は、章分け情報バッファ39に記録される情報の一例を示している。章分け合紙の挿入位置がジョブの先頭から何枚目の用紙であるかを示すシート番号が順次、章分け合紙情報リスト52に記録される。
【0036】
図5は、ジョブ実行中に、章分け情報バッファ39およびヤレ履歴情報バッファ35に合紙の情報を記録する処理を示す流れ図である。ジョブを開始すると、まず、シート番号を示す変数nを1に初期化する。次にn枚目の用紙が章分け紙であるか否かを判断し、章分け紙でなければ(ステップS102;No)、n枚目の用紙は本身(あるいは表紙)として通常の印刷処理を行い(ステップS103)、ステップS106へ移行する。
【0037】
n枚目の用紙が章分け紙の場合は(ステップS102;Yes)、n枚目を章分け合紙として出力する(ステップS104)。すなわち、第2指示部38から合紙出力部36に合紙の出力指示を出力し、これを受けた合紙出力部36が給紙トレイ3から給紙した用紙を章分け合紙としてスタッカ14に排紙する。また、第2指示部38は章分け合紙情報リスト52に、n枚目の用紙が章分け合紙である旨の情報を追加登録して(ステップS105)、ステップS106に移行する。
【0038】
ステップS106では、スキャナ部13によって読み取られたn枚目の用紙の画像に基づいて、n枚目の用紙がヤレ紙であるか否かを判断する。ヤレ紙でなければ(ステップS106;No)、ステップS109に移行する。ヤレ紙の場合は(ステップS1106;Yes)、nを+1し、ヤレ目印合紙を出力する(ステップS107)。すなわち、第1指示部34から合紙出力部36に合紙の出力指示を出力し、これを受けた合紙出力部36が給紙トレイ3から給紙した用紙をヤレ目印合紙としてスタッカ14に排紙する。また、第1指示部34はヤレ目印合紙情報リスト50に、n枚目の用紙がヤレ目印合紙である旨の情報を追加登録して(ステップS108)、ステップS109に移行する。
【0039】
ステップS109では、このジョブに次のシートがあるか否かを判断し、次のシートがあれば(ステップS109;Yes)、nを+1して(ステップS110)、ステップS102に戻って処理を継続する。このジョブに次のシートがなければ(ステップS109;No)、本処理を終了する。
【0040】
図6は、ヤレ紙識別情報の第1の表示例を示している。操作パネル16には、ヤレ履歴情報バッファ35から読み出したヤレ目印合紙情報リスト50と章分け情報バッファ39から読み出した章分け合紙情報リスト52とを、シート番号順に統合して作成した合紙一覧61が表示されている。スタッカ14にはジョブの先頭の用紙が最下となり、その上に順次用紙が積載されるので、これにならって、合紙一覧61には、最上欄から降順に合紙の情報が表示される。
【0041】
図6の例では、下から20枚目、40枚目、60枚目、80枚目、85枚目、100枚目のシートが合紙であり、そのうち、85枚目のシートがヤレ目印合紙であることが表示されている。なお、合紙一覧61には、合紙毎に、その合紙が出力された日時、ジョブのファイル名、シート番号(枚数)、除去枚数、種別(章分け合紙、ヤレ目印合紙等を示す)が表示される。このように、合紙一覧61には、章分け合紙とヤレ目印合紙の双方が区別して表示される。
【0042】
操作パネル16において合紙一覧61の左隣のエリアには、スタッカ14に積載されたシートの積載状況が模式的に表示されている。このシート積載の模式表示63においても、章分け合紙と、ヤレ目印合紙がそのシート番号に対応する位置に、かつ合紙の種類を区別可能に、表示されている。
図6では、章分け合紙はグレー表示され、ヤレ目印合紙にはハッチングが施されている。また、各合紙の右隣には、その用紙の種別が文字で表示されている。
【0043】
このように、合紙一覧61やシート積載の模式表示63には、章分け合紙とヤレ目印合紙の双方の合紙の情報が、積載順にかつ章分け合紙であるかヤレ目印合紙であるかを区別できるように表示されるので、実際のスタッカ14においては章分け合紙とヤレ目印合紙が同じ用紙であったとしても、合紙一覧61やシート積載の模式表示63を見ることで、ヤレ目印合紙の位置を容易に確認して、スタックされている用紙束の中からヤレ紙を容易かつ迅速に取り出すことができる。
【0044】
図7は、ヤレ紙識別情報の第2の表示例を示している。合紙一覧61の枚数の欄には、その合紙のシート番号と下隣の合紙のシート番号との差分が表示される。なお、最下の合紙についてはジョブ先頭との差分が示してある。その他の表示は
図6と同様である。
図7の差分表示においても、章分け合紙とヤレ目印合紙の双方の合紙の情報が、積載順にかつ章分け合紙であるかヤレ目印合紙であるかを区別可能に表示されるので、実際のスタッカ14においては章分け合紙とヤレ目印合紙が同じ用紙であったとしても、合紙一覧61やシート積載の模式表示63を見ることで、ヤレ目印合紙の位置を容易に確認して、スタックされている用紙束の中からヤレ紙を容易かつ迅速に取り出すことができる。
【0045】
図8は、第2表示方法による表示例を示している。合紙一覧61には、ヤレ目印合紙の情報だけが表示される。同様にシート積載の模式表示63においても、合紙としてはヤレ目印合紙のみが表示され、章分け合紙などの通常合紙は表示されない。ユーザは、
図6、
図7等に示す第1表示方法(通常合紙とヤレ目印合紙の双方の合紙の情報を区別して表示する表示方法)と第2表示方法とを任意に切り替えることができる。
【0046】
図9は、ジョブの出力枚数が多大で合紙が大量に発生した場合のヤレ紙識別情報の表示例を示す図である。同図では、1000枚のジョブにおいて20枚毎に章分け合紙が挿入されるため、章分け合紙だけでも50枚になる。
図9の合紙一覧61には、積載順に上から8枚の合紙に関する情報のみが表示されている。全体の中で合紙一覧61に表示する箇所を移動させるために、画面の左下にページ遷移釦65、66が設けてある。
【0047】
下向きのページ遷移釦66を操作すると合紙一覧61に表示される箇所が積載順で下方向に1ページ分移動し、上向きのページ遷移釦65を操作すると合紙一覧61に表示される箇所が積載順で上方向に1ページ分移動する。表示ページ表示欄67には、全ページ数と現在表示されているページ番号が表示される。合紙一覧61に表示される箇所に対応してシート積載の模式表示63の表示内容も変化する。なお、表示位置の移動はページ単位に限定されず、たとえば、リストの一行単位としてもよい。
【0048】
図9の合紙一覧61には、順位の欄が設けてあり、ヤレ目印合紙については、そのヤレ目印合紙が、合紙全体の中で、積載順の上から数えて何番目の合紙であるか、および、下から数えて何番目の合紙であるかを示す情報(順位)が表示される。
図9の例では、985枚目の位置にあるヤレ目印合紙は、上から数えて2番目の合紙であり、下から数えて50番目の合紙であることが表示されている。これにより、合紙一覧61やシート積載の模式表示63に合紙全体の中の一部の合紙の情報しか表示されない場合でも、合紙全体の中でのヤレ目印合紙の位置を容易に認識することができる。
【0049】
なお、下から何番目の表示と上から何番目の表示の両方を表示するほか、いずれか一方でもよい。上からと下からのどちらを表示するかはユーザ選択可能としてもよいし、ヤレ目印合紙の位置に応じて自動的に近い方(シート番号で近い方、あるいは順位で近い方)を選択するようにしてもよい。
【0050】
図10は、ヤレ紙識別情報の表示に関する処理を示す流れ図である。まず、指示された表示方法が第1表示方法か第2表示方法かを判別する(ステップS201)。第1表示方法ならば(ステップS201;Yes)、章分け情報バッファ39から章分け合紙情報リスト52を読み出し(ステップS202)、さらにヤレ履歴情報バッファ35からヤレ目印合紙情報リスト50を読み出して(ステップS203)、ステップS204へ移行する。第2表示方法が指示されている場合は(ステップS201;No)、ヤレ履歴情報バッファ35からヤレ目印合紙情報リスト50を読み出して(ステップS204)、ステップS205へ移行する。この場合は章分け合紙情報リスト52は読み出さなくて良い。
【0051】
ステップS205では、読み出した各合紙の情報にその合紙の種別情報を付加した後、シート番号順に並べて統合する。なお、ステップS204からステップS205に移行した場合には、統合の必要はない。
【0052】
次にユーザから指示された表示方法が差分表示か否かを判別する(ステップS206)。差分表示の場合は(ステップS206;Yes)、統合したデータにおける各シート番号を、1つ前の合紙のシート番号からの差分に変換する(ステップS207)。その後、ステップS208に移行する。差分表示でない場合は(ステップS206;No)、差分変換を行わずに、ステップS208に移行する。
【0053】
ステップS208では、統合したデータに基づいて合紙一覧61およびシート積載の模式表示63の表示データを作成し、これを操作パネル16の表示部に転送して表示させる。これにて本処理を終了する。
【0054】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0055】
実施の形態では、給紙トレイ12は給紙トレイ1〜3のみの例を示したが、より多くの給紙トレイが存在する場合であっても、ジョブで使用可能な給紙トレイが足りずに章分け合紙等の通常合紙とヤレ目印合紙が同じ用紙で兼用されるといった場合に本発明は好適である。
【0056】
排紙先はスタッカ14に限定されず、排紙トレイであってもかまわない。本発明の画像形成装置は、スタッカを含まない構成であってもよく、別体のスタッカを接続して使用されてもよい。
【符号の説明】
【0057】
10…画像形成装置
11…本体部
12…給紙トレイ
13…スキャナ部
14…スタッカ
15…画像形成部
16…操作パネル
21…おもて画像読取センサ
22…裏画像読取センサ
23…画像送信部
31…画像受信部
32…読取画像バッファ
33…ヤレ画像判断部
34…第1指示部
35…ヤレ履歴情報バッファ
36…合紙出力部
37…ジョブ制御部
38…第2指示部
39…章分け情報バッファ
41…ヤレ紙情報表示制御部
42…切替部
50…ヤレ目印合紙情報リスト
52…章分け合紙情報リスト
61…合紙一覧
63…シート積載の模式表示
65…ページ遷移釦(上)
66…ページ遷移釦(下)
67…表示ページ表示欄