(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記支持体が、少なくとも1つの機能層を含み、前記少なくとも1つの機能層が、ボイド層、凹凸層、粒子含有層、着色層、蒸着層、及び触感層の何れかである、請求項24乃至26の何れか1項に記載の加飾シート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。なお、本発明は多くの異なる態様で実施でき、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。また、説明の便宜上、上又は下等という語句を用いて説明するが、上下方向が逆転してもよい。左右方向についても同様である。
【0015】
<<第1実施形態の加飾品の製造方法>>
本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法は、貼合工程、及び一体化工程を含む。
図1A、
図1B、及び
図2A、
図2B、
図2Cは、本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法の一例を示す工程図である。
貼合工程は、支持体1上に画像層10が設けられた加飾シート100の画像層10側に接着層200を貼合する工程である(
図1A、
図2A参照)。加飾シート10の画像層10は熱転写画像50を有する。
一体化工程は、貼合工程より後に、加飾シート100の接着層200側で加飾シート100と加飾対象物300とを一体化させる工程である(
図1B、
図2C参照)。
【0016】
本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法は、熱転写画像が形成された画像層10を有する加飾シート100を使用する。本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法は、意匠性の高い加飾品400を製造できる。製造された加飾品は、加飾対象物300が加飾シート100で装飾されたものである。本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法は、加飾対象物300と一体化される加飾シート100に、接着層200が貼合されている。本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法は、加飾シート100と加飾対象物300を重ねるだけで、加飾品400を簡便に製造できる。以下、各工程について一例を挙げて説明する。
【0017】
<貼合工程>
貼合工程は、加飾シート100の画像層10側に、接着層200を貼合する工程である。一例としての貼合工程は、加飾シート100の画像層10側に、接着層200を重ねる(
図1A参照)。次いで、加飾シート100側、又は接着層200側を押圧して、加飾シート100に接着層200を貼合する。
【0018】
図1Aに示す形態では、押圧部材で接着層200側を押圧している。押圧部材は、加飾シート100、又は接着層200を押圧できればよい。一例としての押圧部材は、加圧ロールである。加飾シート100、又は接着層200を手で押圧してもよい。
図1Aに示す形態では、接着層200側を押圧しているが、加飾シート100側を押圧してもよい。
【0019】
(接着層)
接着層200は、接着成分を含有している。接着成分としては、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリイミド、及び合成ゴム等を例示できる。接着層200が含有する接着成分は、1種でもよく、2種以上でもよい。接着層200は、接着フィルムでもよく、接着シートでもよい。接着層200の厚みは、1μm以上1000μm以下が好ましい。
【0020】
接着層200は、加飾シート100及び、加飾対象物300と接する面が接着性を有する。接着層200は、単層構造でもよく、接着性を有する層を積層した積層構造でもよい。一例としての接着層は、接着性を有しない部材の両面に接着性を有する層が設けられた積層構造である。一例としての接着層は、フィルム等の両面に接着性を有する層が設けられた積層構造である。
【0021】
一例としての接着層200は、接着層200と、接着層の一方面に設けられたマスキング部材210を含むマスキング部材付き接着層200Aである(
図2A参照)。
図2Aに示す形態では、マスキング部材付き接着層200Aの他方面と加飾シート100が接している。マスキング部材付き接着層200Aは、接着層200の両面にマスキング部材210が設けられたものでもよい。接着層200の両面にマスキング部材210が設けられたマスキング部材付き接着層200Aを使用する場合、貼合工程より前に、マスキング部材付き接着層200Aの他方面に設けられたマスキング部材210を剥離する。次いで、マスキング部材付き接着層200Aの一方面にマスキング部材210を残した状態で、加飾シート100とマスキング部材付き接着層200Aを貼合すればよい(
図2A参照)。マスキング部材付き接着層200Aの一方面に残存しているマスキング部材210は、一体化工程より前に剥離すればよい。
【0022】
マスキング部材210は、接着層200の接着性をマスキングする機能を有する。マスキング部材210は、接着層200よりも接着性が低ければよい。マスキング部材210は、接着層200から剥離できればよい。マスキング部材210としては、離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、剥離フィルム、及び剥離紙等を例示できる。マスキング部材210は、樹脂層でもよい。一例としてのマスキング部材210は、離型性を有する成分を含有している。離型性を有する成分としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、及びワックス等を例示できる。
【0023】
図2Aに示す形態は、接着層200の一方面に、マスキング部材210が位置している。この形態は、接着層200と押圧部材との接着を抑制できる。この形態は、押圧部材による押圧性、及び押圧部材の移動性が良好である。この形態は、加飾シート100に接着層200を貼合したものを巻取り保管等したときの、接着層200と加飾シート100の支持体1との貼りつきを抑制できる。
【0024】
図2Bは、マスキング部材付き接着層200Aが貼合された加飾シート100から、マスキング部材210を剥離した状態を示している。本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法は、接着層200と貼合された加飾シート100の接着層200側に、加飾対象物300を重ねるだけで、加飾シート100と加飾対象物300とが一体化された加飾品400を得る(
図1B、
図2C参照)。
【0025】
図3A、
図3B、及び
図4A、
図4Bは、貼合工程の別の形態であり、接着層転写シート250の接着層200を転写して、加飾シート100に接着層200を貼合している(
図3B、
図4B参照)。
図3Aに示す形態では、支持体260上に接着層200が設けられた接着層転写シート250を用いている。接着層転写シート250の接着層200は、支持体260から剥離できる。この形態の接着層転写シート250は、加飾シート100と接着層転写シート250とを重ね合わせる。次いで、接着層転写シート250側、又は加飾シート100側を押圧して、接着層200を加飾シート側に転写できる。この転写により、加飾シート100に接着層200を貼合できる。接着層転写シート250の支持体260と接着層200の間に各種の層を設けてもよい。各種の層としては、離型層等を例示できる。離型層は、接着層200を加飾シート10側に移行させるときに、支持体260側に残る層である。
【0026】
一例としての接着層転写シート250は、接着層200と支持体260側の構成部材との接着力が、接着層200と加飾シート100との接着力よりも小さい。接着層転写シート250を用いた接着層200の転写は、サーマルヘッド等の加熱デバイス、ホットスタンプ、ヒートロール等、押圧部材に熱エネルギーを印加しながら行ってもよい。接着層転写シート250を用いた接着層200の転写は、コールドロール等、押圧部材に熱エネルギーを印加することなく行ってもよい。
【0027】
図4Aに示す形態では、支持体260上に、マスキング部材210、接着層200がこの順で設けられた接着層転写シート250を用いている。支持体260上にマスキング部材付き接着層200Aが設けられた接着層転写シート250を用いてもよい。この形態の接着層転写シート250は、接着層200、及びマスキング部材210を、支持体260側から剥離できる。
【0028】
<一体化工程>
一体化工程は、接着層200が貼合された加飾シート100と、加飾対象物300とを一体化させる工程である。本工程を経ることで、加飾シート100と加飾対象物300とが一体化された加飾品400を得る。
【0029】
一体化工程では、接着層200が貼合された加飾シート100を用いる。一体化工程では、加飾シートの接着層200側に、加飾対象物300を重ねるだけで、加飾シート100と加飾対象物300とを一体化できる。必要に応じて、接着層200と貼合された加飾シート100と加飾対象物300とを重ね、次いで、加飾シート100側、又は加飾対象物300側を押圧してもよい。
【0030】
加飾対象物300の形状、加飾対象物300の大きさ、加飾対象物300の材質等について限定はない。加飾対象物300としては、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、木材、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリ塩化ビニル等の樹脂板(フィルムでもよい)、アルミ等の金属板、ガラス板、及び陶器等のセラミック板を例示できる。加飾対象物300は、複数の部材が積層されたものでもよい。加飾対象物300は、所定の画像を有してもよい。加飾対象物300は、その全体、又は一部が、曲率や、凹凸構造等を有してもよい。
【0031】
一例としての加飾対象物300は、透明性を有する。この形態の加飾対象物300は、製造された加飾品400を加飾対象物300側からみたときに、加飾シート100の画像層10が有する熱転写画像を視認できる。加飾対象物300は、一部分が透明性を有するものでもよい。透明性は、無色透明、半透明、及び有色透明を含む。製造された加飾品400の一形態は、画像層10よりも加飾対象物300側に位置する部材のすべてが透明性を有する。本開示の第1実施形態の製造方法で製造された加飾品400は、画像層10が有する熱転写画像50を、加飾品400の加飾シート100側、及び加飾対象物300側の何れか一方、又は双方の側から視認できればよい。製造された加飾品400の一形態は、加飾シート100側から熱転写画像50を視認できる。この形態の加飾品400における加飾対象物300は、透明性を有してもよく、透明性を有しなくてもよい。
【0032】
<耐久層形成工程>
本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法は、耐久層形成工程を含んでもよい。耐久層形成工程は、貼合工程より前に、加飾シート100の画像層10上に、耐久層230を形成する工程である(
図10A参照)。
図10A、
図10B、
図10Cは、本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法の一例を示す工程図である。
耐久層形成工程を含む本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法で製造された加飾品400は、画像層10と接着層200の間に、耐久層230が位置する。耐久層形成工程を含む加飾品の製造方法は、耐久層230で、熱転写画像50に含まれる成分の接着層200側への移行を抑制できる。これにより、熱転写画像50に滲みが生ずること等を抑制できる。
耐久層形成工程は、画像層10が有する熱転写画像50が、昇華型熱転写方式で形成された熱転写画像である場合に特に好適である。耐久層形成工程は、
図10A、
図10B、
図10Cに示す形態に限定されない。耐久層形成工程は、各図に示す形態や、本願明細書で説明する各種実施形態の加飾品の製造方法に適用できる。本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法が、後述する加飾シート製造工程を含む場合、耐久層形成工程は、加飾シート製造工程より後に行えばよい。
【0033】
画像層10と接着層200の間に位置する耐久層230は、画像層10と接着層200とが直接接する場合よりも、画像層10が有する熱転写画像50の滲みを抑制できる機能を有する。耐久層230は、単層構造でもよく、積層構造でもよい。耐久層230の成分は、画像層10の成分や、熱転写画像50の成分等を考慮して決定すればよい。一例としての耐久層230は、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース樹脂、ポリビニルピロリドン、及びポリビニルアルコール等を含有している。耐久層230が含有する成分は、1種でもよく、2種以上でもよい。
【0034】
好ましい形態の耐久層230は、単層構造、又は積層構造であり、以下の関係式(1)を満たす層Xを含む。この形態の耐久層230は、熱転写画像50の滲みを抑制でき、且つ、耐久層230の熱耐久性を高くできる。熱耐久性の高い耐久層230は、加飾品400を製造する各工程での、耐久層230の意図しない溶融や、耐久層230の意図しない軟化等を抑制できる。この形態の耐久層230は、加飾品400を製造する各工程での、画像層10の熱転写画像50が受けるダメージを低くできる。この形態の耐久層230は、加飾品400を製造する各工程での、画像層10と耐久層230の間での意図しない分離や、接着層200と耐久層230の間での意図しない分離等を抑制できる。
一例としての耐久層230は、積層構造であり、少なくとも1つの層が、層Xである。耐久層230が積層構造の場合、接着層200から最も近くに位置する層を、層Xとすることが好ましい。一例としての耐久層230は、積層構造であり、耐久層270を構成する全ての層が、層Xである。
【0035】
接着層の主成分のガラス転移温度(Tg)<層Xの主成分のガラス転移温度(Tg)・・・(関係式(1))。
ここでいう主成分とは、接着層200が含有している成分のうち、その含有量が最も多い成分を意味する。耐久層230の主成分も同様である。一例としての層Xは、ガラス転移温度(Tg)が50℃以上、好ましくは、60℃以上の成分を主成分として含有している。
【0036】
好ましい形態の耐久層230は、紫外線吸収剤を含有する層を含む。この形態の耐久層230は、製造された加飾品400の熱転写画像50の耐光性が良好である。この形態の耐久層230は、熱転写画像50が、昇華型熱転写方式で形成された画像である場合に好適である。より好ましい形態の耐久層230は、紫外線吸収剤を含有する層、及び層Xを含む積層構造である。より好ましい形態の耐久層230は、紫外線吸収剤を含有する層Xを含む、単層構造、又は積層構造である。
【0037】
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、トリアジン系、及びサリシレート系等を例示できる。
【0038】
加飾シート100上への耐久層230の形成は、耐久層230の成分を適当な溶媒に分散、又は溶解した耐久層用塗工液を調製し、この塗工液を加飾シートの画像層10上に塗布、乾燥して形成できる。耐久層230を転写できる耐久層転写シートを使用し、加飾シート100の画像層10上に、耐久層230を転写で形成してもよい。耐久層230の厚みは、0.01μm以上5μm以下が好ましい。
【0039】
図20A、
図20B、
図20Cは、耐久層230を転写できる耐久層転写シートの一例を示す概略断面図である。この耐久層転写シートは、支持体260上に、耐久層230が設けられている。
図20Bに示す形態の転写シートは、支持体260上に、接着層200、及び耐久層230を含む転写層240が設けられている。
図20Bに示す形態の転写シートは、転写層240を転写することで、加飾シート100上に、耐久層230、及び接着層200を一括して形成できる。一例としての耐久層転写シートは、支持体260と耐久層230の間や、支持体260と転写層240の間に、離型層等が設けられている。耐久層転写シート250の支持体260は、耐久層や、転写層を保持できるものであればよい。
【0040】
また、
図20A、
図20B、
図20Cに示す形態の転写シート250を、接着層200と面順次に、1つ、又は複数の色材層が設けられた転写シート250としてもよい。このような転写シート250は、加飾シート前駆体100Aの画像形成用層10Aへの画像の形成、及び加飾シート100の画像層10上への耐久層230の転写を、1つの転写シートで行える。画像形成用層10Aへの画像の形成を昇華型熱転写方式で行う場合、色材層を、イエロー染料、マゼンタ染料、シアン染料、蛍光染料等の染料を含有する染料層とすればよい。溶融型熱転写方式で行う場合、色材層を、ブラック顔料、メタリック顔料、パール顔料等の着色剤を含有する溶融インキ層とすればよい。また、染料層と、溶融インキ層を面順次に設けた転写シート250としてもよい。
図20D、
図20E、
図20Fに示す、機能層150や、機能層150を含む転写層240を有する転写シートについても同様である。また、各図に示す形態を組み合わせてもよい。
【0041】
図1Aに示す形態では、加飾シート100の画像層10側に接着層200を貼合しているが、加飾シート100の支持体1側に接着層200を貼合してもよい。この場合、加飾シート100の支持体1側で、加飾対象物300と一体化すればよい。
【0042】
<<第1実施形態の変形例の加飾品の製造方法>>
本開示の第1実施形態の変形例の加飾品の製造方法は、貼合工程、及び一体化工程を含む。この変形例における貼合工程は、加飾対象物300に接着層200を貼合する工程である(
図5A参照)。この変形例における一体化工程は、接着層200が貼合された加飾対象物300と加飾シート100とを一体化させる工程である(
図5B参照)。
本開示の第1実施形態の変形例の加飾品の製造方法は、貼合工程で、接着層200を加飾対象物300に貼合している点で、本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法と相違している。この相違点以外は、本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法を適宜選択して使用できる。
【0043】
図6Aは、
図5Aの接着層200を、マスキング部材付き接着層200Aとしたものである。
図6Bは、マスキング部材付き接着層200Aが貼合された加飾シート100から、マスキング部材210を剥離した状態を示している。本開示の第1実施形態の変形例の加飾品の製造方法は、
図5B、
図6Cに示すように、接着層200で加飾対象物300と加飾シート100とが一体化された加飾品400を製造できる。
【0044】
接着層200を転写できる接着層転写シート250を使用して、接着層200の転写で加飾対象物300と接着層200を貼合してもよい。
【0045】
本開示の第1実施形態の変形例の加飾品の製造方法は、加飾シート100の画像層10上に耐久層230を形成する耐久層形成工程を含んでもよい(
図10A参照)。本開示の第1実施形態の変形例の加飾品の製造方法における耐久層形成工程は、一体化工程より前に行えばよく、貼合工程より前でも、貼合工程より後でもよい。
【0046】
図5B、
図6Cに示す形態では、加飾シート100の画像層10側で、接着層200が貼合された加飾対象物300と加飾シート100を一体化している。加飾シート100の支持体1側で、接着層200が貼合された加飾対象物300と加飾シート100を一体化してもよい。
【0047】
(加飾シート)
次に、本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法に使用できる加飾シート100について一例を挙げて説明する。本開示の第1実施形態の変形例の加飾品の製造方法にも適用できる。
【0048】
(画像層)
図1A、
図2A、
図8A、
図8B、
図8Cに示すように、支持体1上には、画像層10が設けられている。画像層10には、熱転写画像50が形成されている。
【0049】
熱転写画像50は、昇華型熱転写方式で形成された熱転写画像50でもよく、溶融型熱転写方式で形成された熱転写画像50でもよい。昇華型熱転写方式によって形成された熱転写画像50と、溶融型熱転写方式によって形成された熱転写画像50の双方を含んでもよい。昇華型熱転写方式は、昇華性染料を含有する色材層が設けられた熱転写シートを用い、当該熱転写シートに画像情報に応じた熱エネルギーを印加し、色材層が含有している昇華性染料を移行させて熱転写画像を形成する画像形成方式である。溶融型熱転写方式は、溶融インキを含む色材層が設けられた熱転写シートを用い、当該熱転写シートに画像情報に応じた熱エネルギーを印加して、熱エネルギーの印加により溶融、或いは軟化した色材層を、層ごと転写して熱転写画像を形成する画像形成方式である。
【0050】
本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法は、加飾シート製造工程で製造された加飾シート100を用いてもよい。
【0051】
<加飾シート製造工程>
図7A、
図7Bは、加飾シートの製造工程の一例を示す説明図であり、
図7Cは、熱転写画像50の形成に使用できる熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
【0052】
加飾シート製造工程は、加飾シート前駆体100Aの画像形成用層10Aに熱転写画像50を形成する工程である。具体的には、加飾シート前駆体100Aの画像形成用層10Aと、熱転写シート270の色材層273を重ねる(
図7A参照)。次いで、熱転写シートの支持体271側に熱エネルギーを印加し、画像形成用層10Aに熱転写画像50を形成する(
図7B参照)工程である。形成される熱転写画像50は、昇華型熱転写方式による熱転写画像50、又は溶融型熱転写方式による熱転写画像50である。熱転写シート270は、支持体271と、支持体271上に設けられた色材層273を有する。
【0053】
(加飾シート前駆体)
加飾シート前駆体100Aは、支持体1と、支持体1上に設けられた画像形成用層10Aを有する。画像形成用層10Aには各種の画像形成方式で画像を形成できる。画像形成用層10Aは、予め所定の画像を有してもよい。画像形成用層10の成分に限定はなく、画像形成用層10に形成される画像に応じて適宜設定できる。加飾シート前駆体100Aの画像形成用層10A以外は、加飾シート100の各構成を適宜選択して用いることができる。
【0054】
画像形成用層10が含有する成分は、1種でもよく、2種以上でもよい。一例としての画像形成用層10Aは、昇華性染料を受容可能な成分を含有している。この形態の画像形成用層10Aは、昇華型熱転写方式で熱転写画像を形成できる。この形態の画像形成用層10Aは、熱転写受像シート等の分野で従来公知の受容層を適宜選択して使用できる。昇華性染料を受容可能な成分としては、アクリル樹脂、アクリル−スチレン共重合体、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、エチレン、オレフィンと他のビニルポリマーの共重合体、アイオノマー、セルロース樹脂、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、及びゼラチン等を例示できる。ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン等を例示できる。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、及びポリブチレンテレフタレート等を例示できる。
好ましい形態の画像形成用層10Aは、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、アクリル−スチレン共重合体、ポリエステル、及びエポキシ樹脂の少なくとも1つを含有している。中でも、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有する画像形成用層10Aは、昇華型熱転写方式で、濃度の高い熱転写画像を形成できる。これにより、製造される加飾品400の意匠性をより良好なものとできる。
【0055】
本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法では、加飾シート100と貼合された接着層200、又は加飾対象物300と貼合された接着層200で、加飾シート100と加飾対象物を一体化できる。したがって、画像層10に、加飾対象物300との密着性を高めるための対策を施すことなく、その設計の自由度を高めた画像層10とできる。例えば、画像層10として、染料の染着性が良好なものを選択できる。加飾シート前駆体100Aの画像形成用層10Aも同様である。
【0056】
昇華性染料を受容可能な成分を含有する画像形成用層10Aは、例えば、上記で例示した成分を適当な溶媒に分散、又は溶解した塗工液を調製し、この塗工液を塗布、乾燥して形成できる。画像層10、及び画像形成用層10Aの厚みに限定はなく、1μm以上10μm以下が好ましい。
【0057】
一例としての画像形成用層10Aは、溶融型熱転写方式で熱転写画像50を形成できる。溶融型熱転写方式で熱転写画像50を形成できる画像形成用層10Aに限定はなく、溶融型熱転写方式で形成された熱転写画像50を保持できるものであればよい。
【0058】
(熱転写シート)
加飾シート100の製造に用いられる熱転写シート270は、
図7Aに示すように、熱転写シート270の支持体271と、支持体271上に設けられた色材層273を有する。熱転写シート270は、支持体271、及び色材層273以外を有してもよい。一例としての熱転写シート270は、支持体271と色材層273の間に設けられた色材プライマー層を有する。一例としての熱転写シート270は、昇華型熱転写方式に用いられ、色材層273は、昇華性染料、及び樹脂成分を含有している。この形態の色材層273は、昇華型熱転写方式で、画像形成用層10Aに熱転写画像を形成できる。
【0059】
昇華性染料に限定はなく、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、ピラゾロメチン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料等を例示できる。
具体的には、MSRedG(三井化学(株))、Macrolex Red Violet R(バイエル社)、CeresRed 7B(バイエル社)、Samaron Red F3BS(三菱ケミカル(株))等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社)、PTY−52(三菱ケミカル(株))、マクロレックスイエロー6G(バイエル(株))等の黄色染料、カヤセット(登録商標)ブルー714(日本化薬(株))、ホロンブリリアントブルーS−R(クラリアント社)、MSブルー100(三井化学(株))、C.I.ソルベントブルー63等の青色染料等を例示できる。
【0060】
樹脂成分としては、セルロース樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル等を例示できる。セルロース樹脂としては、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、メチルセルロース、及び酢酸セルロース等を例示できる。ビニル樹脂としては、ポリビニルピロリドン等を例示できる。アクリル樹脂としては、ポリ(メタ)アクリレート、及びポリ(メタ)アクリルアミド等を例示できる。
これらの中でも、セルロース樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、及びポリエステルは、耐熱性、染料移行性が良好であり、好ましい。
【0061】
昇華型熱転写方式に用いられる色材層273は、無機微粒子、及び有機微粒子等の添加材を含有してもよい。無機微粒子としては、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、及び二硫化モリブデン等を例示できる。有機微粒子としては、ポリエチレンワックス等を例示できる。色材層273は、離型剤を含有してもよい。離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル、及びフッ素材料等を例示できる。色材層273は、各種の硬化剤を含有してもよい。硬化剤としては、イソシアネート、エポキシ樹脂、及びカルボジイミド等を例示できる。
【0062】
一例としての熱転写シート270は、溶融型熱転写方式に用いられ、色材層273は、溶融インキ、及び樹脂成分を含有している。
溶融インキとしては、有機顔料、無機顔料、染料等を例示できる。一例としての色材層273は、顔料を含有する顔料層である。溶融インキは、十分な着色濃度を有し、光、熱等により変色、退色しないものが好ましい。溶融インキの色は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックに限定されず、これ以外の色でもよい。このような色材層273としては、ブラック顔料を含有するブラック顔料層(ブラックの溶融インキ層)、メタリック顔料を含有するメタリック顔料層(メタリックの溶融インキ層)、及びパール顔料を含有するパール顔料層(パールの溶融インキ層)等を例示できる。
【0063】
樹脂成分としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリブデン、石油樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、アセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリイソブチレン、エチルセルロース又はポリアセタール等を例示できる。
一例としての色材層273は、ワックスを含有している。ワックスとしては、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワックス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、及び脂肪酸アミド等を例示できる。
【0064】
色材層273が含有する各種成分の含有量は、熱転写画像50の濃度や、熱転写シートの保存性等を考慮して適宜設定すればよい。一例としての色材層273は、樹脂成分、及び昇華性染料を含有しており、樹脂成分の総質量に対する昇華性染料の含有量が、15質量%以上300質量%以下である。
【0065】
図7Aに示す形態の熱転写シート270は、熱転写シートの支持体271の一方の面上に、1つの色材層273が設けられている。
図7Cに示すように、色相が異なる複数の色材層を面順次に設けてもよい。例えば、イエロー染料層273Y、マゼンタ染料層273M、シアン染料層273C、ブラック顔料層273BK等を面順次に設けてもよい。染料を含有する染料層の1つ、又は複数と、顔料を含有する顔料層の1つ、又は複数を面順次に設けてもよい。複数の染料層を面順次に設けてもよい。複数の顔料層を面順次に設けてもよい。
【0066】
一例としての熱転写シート270は、熱転写シートの支持体271の一方の面に、1つ、又は複数の色材層273と、耐久層が面順次に設けられている。この熱転写シート270は、加飾シート製造工程における熱転写画像の形成と、耐久層形成工程における画像層10上への耐久層の形成を、1つの熱転写シートを用いて行える。
【0067】
(支持体)
加飾シート100の支持体1は、熱転写画像50が形成された画像層10を支持できればよい。支持体1は、単層構造でもよく、積層構造でもよい。一例としての支持体1は、複数の構成部材を含む積層構造である。一例としての支持体1は、複数の基材を含む積層構造である。支持体1を、複数の基材を含む積層構造とする場合、これら基材は、同一でもよく、異なってもよい。一例としての支持体1は、紙基材と、フィルム基材を含む積層構造である。
【0068】
支持体1を構成する基材としては、紙基材や、フィルム基材(樹脂基材、樹脂シートと称される場合もある)等を例示できる。紙基材としては、上質紙、コート紙、レジンコート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系)、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、及びセルロース繊維紙等を例示できる。フィルム基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、及びポリメチルペンテン等を例示できる。これらフィルム基材は、延伸されたものでもよく、未延伸でもよい。フィルム基材は、白色顔料や充填剤を含有する白色フィルム基材でもよい。また、内部にミクロボイドを有するフィルム基材でもよい。また、市販の基材を用いることもでき、例えば、紙基材として、RC紙ペーパー(STF−150 三菱製紙(株))、コート紙(オーロラコート 日本製紙(株))、上質紙等を好適に使用可能である。
【0069】
基材として凹凸を有するものを用いてもよい。凹凸を有する基材としては、粒子を含有する基材、エンボス加工された基材、ブラスト加工された基材等を例示できる。
【0070】
支持体1の厚みは、10μm以上300μm以下が好ましく、80μm以上200μm以下がより好ましい。支持体1を含む加飾シート100全体の厚みは、50μm以上1500μm以下が好ましく、100μm以上300μm以下がより好ましく、150μm以上250μm以下が特に好ましい。
【0071】
一例としての支持体1は、ボイド層を含む。一例としての支持体1は、積層構造であり、画像層10側に位置する基材が、ボイド層である。ボイド層を含む支持体1は、加飾シート100の断熱性を高めることができる。これにより、画像層10が有する熱転写画像50の濃度を高くできる。ボイド層を含む支持体1は、加飾シート前駆体100Aの画像形成用層10Aに濃度の高い熱転写画像50を形成できる。
ボイド層としては、内部にボイドを有するフィルム基材等を例示できる。ボイド層は、ポリマー中に無機粒子を混練し、その混合物を延伸するときに無機粒子を核としてボイドを生じさせて製造したもの、主体とする樹脂に対して非相溶なポリマーを混合し、その混合物を延伸するときにボイドを生じさせたもの等を例示できる。ポリマーは、1種でもよく、2種以上でもよい。ボイド層が有するボイドは、ミクロボイドや、空孔と称される場合もある。ボイド層は、多孔質層、多孔質フィルム等と称される場合もある。ボイド層の厚さは、通常10μm以上150μm以下であり、20μm以上80μm以下が好ましい。上記各種形態の支持体1と画像層10の間に断熱層を設け、この断熱層を、ボイド層としてもよい。断熱層は、熱転写受像シートの分野で従来公知の断熱層を適宜選択して使用できる。
【0072】
支持体1を複数の基材を含む積層構造とする場合、基材間にプライマー層を設けてもよい。一例としてのプライマー層は、接着成分を含有し、接着機能を有する。接着成分としては、ウレタン樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリイミド、ポリ酢酸ビニル、シアノアクリレート、及び合成ゴム樹脂等を例示できる。ポリオレフィンとしては、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体等を例示できる。中でも、反応型のアクリル樹脂、及び変性アクリル樹脂等が好ましい。接着成分を硬化剤で硬化したものを用いてもよい。接着成分を硬化剤で硬化したものは、接着性、及び耐熱性が良好である。硬化剤としては、イソシアネート化合物、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物等を例示できる。プライマー層を設けずに、表面が接着性を有する基材、又は表面に接着処理が施された基材を用いてもよい。
【0073】
プライマー層の厚みは、通常、2μm以上10μm以下である。プライマー層の形成は、上記で例示した接着成分や、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶媒に分散、又は溶解したプライマー層用塗工液を調製し、この塗工液を、塗布、乾燥して形成できる。
【0074】
ポリエチレン等を使用したECサンドラミネーションで、基材同士を貼り合せてもよい。予め、各構成部材が積層された支持体1を用いてもよい。
【0075】
<分離工程>
一例としての加飾シート100は、画像層10側から支持体1の一部分、又は全部が分離可能となっている。
支持体1の分離される部分としては、最終的に製造される加飾品400において不要となる構成部分等を例示できる。
支持体1の一部分、又は全部を分離できる加飾シート100を使用する場合、分離工程を含んでもよい。分離工程は、一体化工程より前、又は一体化工程より後に、加飾シート100の画像層10側から支持体1の一部分、又は全部を分離する工程である。支持体1を、複数回にわけて段階的に分離できる積層構造とし、支持体1を段階的に分離してもよい。支持体1の段階的な分離は、支持体1を、後述する分離補助層6を複数含む積層構造とすることで実現できる。これ以外の手段で実現してもよい。例えば、支持体1を、分離補助層6を含む積層構造とし、この支持体1と画像層10の間に剥離層5を設けた構成とすることで、分離を段階的に行える。
【0076】
分離工程を含む本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法は、分離される構成部材で、支持体1の見掛け上の厚みを厚くでき、製造時における加飾シート100のハンドリング性が良好である。製造される加飾品400に、分離される支持体1の一部分、又は全部を残しておくことで、当該支持体1の一部分、又は全部が分離される前の加飾品400のハンドリング性を良好にできる。加飾シート前駆体100Aを用いて、加飾シート100を製造する場合においても、加飾シート前駆体100Aの支持体1の一部分、又は全部を、画像形成用層10A側から分離できる構成とすることで、熱転写画像形成時の支持体1の見掛け上の厚みを厚くできる。これにより、熱転写画像形成時のプリンタの搬送性を良好にできる。また、最終的に支持体1の一部分、又は全部を画像層10側から分離することで、製造される加飾品400全体の厚みを薄くできる。
【0077】
以下、支持体1の一部分、又は全部を画像層10側から分離できる加飾シート100について一例を挙げて説明する。
【0078】
図9A、
図9B、
図9C、
図9Dは、加飾シート100の一例を示す概略断面図である。
図9A、
図9B、
図9C、
図9Dでは、画像層10に形成されている熱転写画像50を省略している。支持体1は、層1A、層1B等を含んでいる。層1A、層1Bは、上記で説明した基材等を適宜選択して使用できる。また、層1A、層1Bは、単層構造でも、積層構造でもよい。例えば、層1Aや、層1Bは、複数の基材を含む積層構造でもよい。支持体1は、これ以外の構成を含んでいてもよい。支持体1は、層1A、層1Bの何れか一方を有するものでもよい。支持体1は、層1A、層1Bの双方を有しなくてもよい。
【0079】
図9A、
図9Bに示す形態の支持体1は、分離補助層6を含む積層構造である。
図9A、
図9Bに示す形態では、分離補助層6の画像層10側の面を上面、その反対側の面を下面としたときに、分離補助層6の下面を分離界面として、当該分離補助層6の下面側に位置する支持体1の構成部材を、加飾シート100から分離できる。
【0080】
図9C、
図9Dに示す形態の支持体1は、分離補助層6を含む積層構造である。
図9C、
図9Dに示す形態では、分離補助層6の画像層10側の面を上面、その反対側の面を下面としたときに、分離補助層6の上面を分離界面として、当該分離補助層6、及び分離補助層6の下面側に位置する支持体1の構成部材を加飾シート100から分離できる。
【0081】
分離補助層6の下面を分離界面とする手段としては、分離補助層6と分離補助層6の上面側の構成部材の接着力が、分離補助層6と分離補助層6の下面側の構成部材の接着力よりも高くなるように調整する手段や、分離補助層6に剥離性を付与する手段等を例示できる。分離補助層6の下面を分離界面とした場合には、分離後の表面には、分離補助層6が位置する。接着力を調整は、分離補助層6の上面で接する構成部材、及び下面で接する構成部材の成分を調整する手段や、分離補助層6の上面で接する構成部材を表面処理する手段等を例示できる。
【0082】
分離補助層6の上面を分離界面とする手段としては、分離補助層6と分離補助層6の上面側の構成部材の接着力が、分離補助層6と分離補助層6の下面側の構成部材の接着力よりも低くなるように調整する手段等を例示できる。分離補助層6の上面を分離界面とする構成とした場合には、分離後の表面には、分離補助層6の上面で接する構成部材が位置する。
【0083】
上記では、支持体1の一部分、又は全部が画像層10側から分離できる加飾シート100について説明したが、支持体1の画像層10とは反対側に、支持体1から分離できる離型部材を設けてもよい。また、支持体1と画像層10の間に、支持体1を構成しない分離補助層6を設け、支持体1を分離可能としてもよい。
一例としての加飾シート100は、画像層10の支持体1側の面を第1面としたときに、当該画像層10の第1面側に位置する構成部材の一部、又は全部を画像層10側から分離できる。この加飾シート100を用いた分離工程は、一体化工程より前、又は後に、加飾シート100の画像層10の第1面側に位置する構成部材の一部分、又は全部を分離する工程である。
【0084】
一例としての支持体1は、機能層7を含む単層構造、又は積層構造である。一例としての機能層7は、装飾層、隠蔽層、又は触感層である。装飾層を含む支持体1は、製造された加飾品400を装飾できる。装飾層としては、ボイド層、凹凸層、粒子含有層、着色層、及び蒸着層等を例示できる。一例としての装飾層はメタリック顔料を含有する着色層、又はパール顔料等を含有する着色層である。この形態の装飾層は光沢感を有する。この形態の装飾層は、製造された加飾品400に光沢感を付与できる。この形態の装飾層は、製造された加飾品400を、加飾対象物300側からみたときの熱転写画像50に光沢感を付与できる。
【0085】
一例としての支持体1は、積層構造であり、支持体1の全部ではなく一部分を分離できる。
図9B、
図9Dに示す形態の支持体1は、機能層7を含む積層構造である。
図9Bに示す形態の支持体1は、分離補助層6と層1Aの間が分離界面であり、画像層10側から層1Aを分離できる。
図9Dに示す形態の支持体1は、機能層7と分離補助層6の間が分離界面であり、画像層10側から分離補助層6、及び層1Aを分離できる。画像層10と機能層7との間に位置する一例としての構成部材は透明性を有する。一例としての支持体1は、積層構造であり、支持体1を構成する層のうち画像層10から最も近くに位置する層が、機能層7である。
【0086】
一例としての隠蔽層は、白色顔料を含有する着色層、又は黒色顔料を含有する着色層である。白色顔料としては、酸化チタン等を例示できる。黒色顔料としては、カーボンブラック等を例示できる。この形態の隠蔽層は、下地層、及び隠蔽層として機能する。隠蔽層は、これ以外の顔料を含有してもよい。本開示の製造方法で製造された加飾品400が、下地層として機能する隠蔽層を有する場合、加飾品400を加飾対象物300側からみたときの熱転写画像50の視認性が良好である。本開示の製造方法で製造された加飾品400が、隠蔽層を有する場合、画像層10と反対側に位置する支持体1の地合いを隠蔽できる。本開示の製造方法で製造された加飾品400が、隠蔽層を有する場合、支持体1側からの熱転写画像の視認性を低くできる。一例としての支持体1は、紙基材を含む。一例としての支持体1は、白色の紙基材、又は黒色の紙基材を含む。一例としての支持体1は、紙基材、及び機能層7を含む。
【0087】
支持体1は、複数の機能層7を含んでもよい。一例としての支持体1は、機能が異なる複数の機能層7を含む。一例としての支持体1は、各種の顔料を含有する複数の機能層7を含む。一例としての複数の機能層7は、着色層である。複数の着色層は、それぞれ、黒色顔料、白色顔料、パール顔料、及びメタリック顔料の何れかを含有している。各機能層7の間に透明フィルムや、他の層を設けてもよい。
【0088】
支持体1が機能層7を含む積層構造であり、支持体1の一部分を画像層10側から分離できる場合、一例としての機能層7は、支持体1の一部分を分離したときに画像層10側に残る。一例としての加飾シート100は、機能層7の画像層10側の面を上面としたときに、機能層7の下面側に、分離補助層6が位置している(
図9D参照)。この形態では、分離補助層6の分離界面で支持体1の一部分を分離したときに、画像層10側に機能層7が残る。
【0089】
一例としての機能層7は着色剤を含有している。着色剤としては、染料、有機着色顔料、蛍光顔料、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、カーボンブラック、酸化鉄、鉄黄、群青、ホログラム粉末、アルミニウム粉末、メタリック顔料、及びパール顔料等を例示できる。
【0090】
一例としての支持体1は、積層構造であり、支持体1を構成する少なくとも1つの構成部材が、各種の顔料や、各種の着色剤を含有している。
【0091】
一例としての加飾シート100は、画像層10上に、少なくとも1つの機能層が設けられている(
図21A参照)。
一例としての加飾シート100は、支持体1と画像層10の間に、少なくとも1つの機能層が設けられている(
図21B参照)。
一例としての加飾シート100は、支持体1と画像層10の間の一部分に少なくとも1つの機能層7が設けられている(
図21C参照)。支持体1と画像層10の間に位置する機能層7は、厚み方向で、画像50と重なってもよく、画像50と重ならなくてもよい。
一例としての加飾シート100は、支持体1と画像層10の間、及び画像層10上の何れか一方、又は双方に少なくとも1つの機能層7が設けられている。
一例としての加飾シートは、加飾シート100と機能層7が一体化された機能層付き加飾シートである。機能層7は、支持体1で説明した機能層7を適宜選択して使用できる。一例としての機能層付き加飾シート100Bは、加飾シート100の支持体1側で機能層7と加飾シート100が一体化されている(
図21D参照)。一例としての機能層付き加飾シート100Bは、画像層10側で機能層7と加飾シート100が一体化されている(
図21E参照)。
これら機能層7は、支持体1で説明した機能層7を適宜選択して使用できる。
【0092】
本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法は、一体化工程より前に、加飾シート100上に機能層7を形成する機能層形成工程を含んでもよい。加飾シート100の接着層200が貼合される側に機能層7を形成する場合、貼合工程より前に機能層形成工程を行えばよい。
本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法は、一体化工程より後に、加飾シート100上に機能層7を形成する機能層形成工程を含んでもよい。
機能層7の形成を、一部分が分離された支持体1側に行う場合、分離工程より後に行えばよい。
機能層形成工程で形成される機能層7は、支持体1で説明した機能層7を適宜選択して使用できる。
【0093】
機能層7は、機能層7の成分を適当な溶媒に溶解、又は分散した塗工液を調整し、この塗工液を塗布、乾燥して形成できる。機能層7を転写できる転写シートを用い、機能層7を転写で形成してもよい。機能層7を蒸着で形成してもよい。各種の蒸着フィルム等を機能層7としてもよい。機能層7は、その表面が凹凸形状を有してもよい。
【0094】
図9Dに示すように、分離補助層6と機能層7の間を分離界面とする場合や、支持体1の画像層10とは反対側の表面に機能層7が位置する場合、機能層7を、各種の触感を有する触感層としてもよい。触感層としては、発泡材料等を含む層、及び表面が凹凸形状を有する層等を例示できる。この形態において、機能層7を隠蔽層や、装飾層としてもよい。この形態において、機能層7を、耐指紋性を有する層や、帯電防止性を有する層としてもよい。
【0095】
(剥離層)
図8A、
図8Bに示す形態の加飾シート100は、支持体1と画像層10との間に剥離層5が設けられている。この形態では、剥離層5の画像層10側の面を上面としたときに、剥離層5の下面を剥離界面として、剥離層5の下面側の構成部材を分離できる。剥離層5は、支持体1等を分離したときに、画像層10側に残る層である。
【0096】
剥離層5の成分としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂、及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等を例示できる。剥離層5が含有する成分は、1種でもよく、2種以上でもよい。剥離層5の厚みは、0.5μm以上5μm以下が好ましい。
【0097】
剥離層5と画像層10の間に、各種の層を設けてもよい。
図8Bに示す形態の加飾シート100は、剥離層5と画像層10との間に機能層7が設けられている。
図8Cに示す形態の加飾シート100は、支持体1と画像層10の間に、機能層7が設けられており、支持体1が分離できないように構成されている。各図に示す形態において、剥離層5と画像層10の間に複数の機能層7を設けてもよい。各図に示す形態において、支持体1と画像層10の間に複数の機能層7を設けてもよい。
【0098】
(離型層)
支持体1と画像層10の間に、離型層(図示しない)を設けてもよい。支持体1を積層構造とし、支持体1を構成する層のうち、画像層10から最も近くに位置する層を離型層としてもよい。離型層は、支持体1とともに分離される層である。
【0099】
離型層の成分としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂などの各種シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂、メラミン樹脂、セルロース樹脂、尿素樹脂、ポリオレフィン、及び繊維素樹脂等を例示できる。離型層が含有する成分は、1種でもよく、2種以上でもよい。離型層の厚みは、0.1μm以上1μm以下が好ましい。
【0100】
<<加飾シート>>
次に、本開示の加飾シートについて説明する。本開示の加飾シート100は、支持体1、画像層10、接着層200がこの順番で積層された積層構造である(
図1A、
図2A、
図10B参照)。
【0101】
接着層200は、マスキング部材付き接着層200Aでもよい。接着層200上に、耐久層230を設けてもよい。支持体1や、支持体1と画像層10との間に設けられる構成については、
図8A〜
図8C、
図9A〜
図9Dに示す構成などを適宜選択して用いることができる。また、これ以外の構成でもよい。
【0102】
本開示の加飾シート100は、加飾対象物300と重ね合せるだけで、簡便に、加飾シート100と加飾対象物300とが一体化された加飾品を製造できる。製造された加飾品400の意匠性を良好にできる。
【0103】
本開示の加飾シート100は、上記加飾品の製造方法で説明した各種形態の加飾シート100を適宜選択して用いることができる。各図に示す形態では、接着層200や、耐久層230は、加飾シート100とは別構成として説明しているが、一例としての加飾シート100は、接着層200や、耐久層230を含む。
【0104】
<<加飾品>>
次に、本開示の加飾品について説明する。本開示の加飾品400は、本開示の加飾シート100と加飾対象物300が一体化されたものである(
図1B、
図2C、
図5B、
図6C参照)。本開示の加飾品400を構成する一例としての加飾シート100は、支持体1、画像層10、耐久層230がこの順番で積層された積層構造である。一例としての加飾シート100は、支持体1、画像層10、接着層200がこの順番で積層された積層構造である。一例としての加飾シート100は、支持体1、画像層10、耐久層230、接着層200がこの順番で積層された積層構造である。
【0105】
本開示の加飾品400は、熱転写画像50が形成された画像層10を有する。本開示の加飾品400は、意匠性が良好である。一例としての加飾品400は、画像層10と接着層200の間に、耐久層230が設けられている。この形態の加飾品400は、熱転写画像50の成分の接着層200側への移行を抑制できる。この形態の加飾品400は、熱転写画像50の滲みを抑制できる。
【0106】
本開示の加飾品400を構成する一例としての加飾シート100は、1つ、又は複数の機能層7を有する。一例としての機能層7は、装飾層である。装飾層を含む加飾品400は、高い意匠性を有する。
本開示の加飾品400を構成する一例としての加飾シート100は、触感層を有する。一例としての加飾品は、触感層が表面に位置する。この形態の加飾品400は、触感を有する。
【0107】
本開示の加飾品400は、上記本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法とは異なる製造方法で製造してもよい。本開示の加飾品400を構成する加飾シート100についても同様である。本開示の加飾品400は、加飾シート100の支持体1の一部分、又は全部を分離できるものでもよい。本開示の加飾品400は、加飾シート100の支持体1の一部分、又は全部が分離されたものでもよい。本開示の一例としての加飾品400は、支持体1側に分離部材が設けられた分離部材付き加飾品である。分離部材は、支持体1から分離できる。分離部材は、単層構造でもよく、積層構造でもよい。
【0108】
<<第2実施形態の加飾品の製造方法>>
図11A、
図11B、
図11C、
図11Dに示すように、本開示の第2実施形態の加飾品の製造方法は、加飾シート製造工程、一体化工程、及び機能層形成工程を含む。
加飾シート製造工程は、加飾シート前駆体100Aの画像形成用層10Aに画像50を形成して、加飾シート100を得る工程である。(
図11B参照)。製造された加飾シート100は、支持体1と、支持体1上に設けられた画像層10を有する。
一体化工程は、加飾シート製造工程より後に、加飾対象物300と加飾シート100を一体化させる工程である(
図11C参照)。
機能層形成工程は、一体化工程より後に、加飾シート100に機能層150を形成する工程である(
図11D参照)。本開示の第2実施形態の加飾品の製造方法は、加飾対象物300、加飾シート100、機能層150がこの順番で積層された加飾品400を製造できる。
【0109】
本開示の第2実施形態の加飾品の製造方法は、各種の機能を有する加飾品400を簡便に製造できる。本開示の第2実施形態の加飾品の製造方法は、製造される加飾品に要求される機能を低下させることなく、各種の機能を有する加飾品400を製造できる。本開示の第2実施形態の加飾品の製造方法は、従来公知の加飾シート前駆体を用いて、この加飾シート前駆体が有しない機能を有する加飾品を製造できる。
【0110】
本開示の第2実施形態の加飾品の製造方法は、加飾シート製造工程より後に、機能層形成工程が行われる。したがって、加飾シート製造工程時に機能層150はダメージを受けない。例えば、プリンタ内での搬送時や、画像形成時の熱エネルギーで、機能層はダメージを受けない。本開示の第2実施形態加飾品の製造方法は、加飾シート製造工程で、物理的なエネルギーがかかる場合や、熱エネルギーがかかる場合に、好適である。機能層形成工程で形成される機能層は、加飾シート製造工程で使用される加飾シート前駆体100Aの構成から除くことができる。
【0111】
<加飾シート製造工程>
加飾シート製造工程は、
図11A、
図11Bに示すように、加飾シート前駆体100Aの画像形成用層10Aに画像50を形成して加飾シート100製造を製造する工程である。加飾シート前駆体100Aは、支持体1と、支持体1上に設けられた画像形成用層10Aを有する。
【0112】
画像形成方法に限定はなく、従来公知の各種の画像形成方法を使用できる。画像形成用層10Aは、各種の画像形成方法で画像50を形成できるものであればよい。
画像形成方法としては、本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法で説明した昇華型熱転写方式、溶融型熱転写方式を例示できる。これ以外にも、インクジェット印刷方式、トナー印刷方式(レーザー印刷方式)等を例示できる。
インクジェット印刷方式は、ピエゾ駆動で発生させた圧力波で、インクジェット用のインクをノズルから噴出する、又は加熱により管内のインクに気泡を発生させてインクを噴射する等により、このインクを画像形成用層10Aに付着させて画像を形成する画像形成方式である。トナー印刷方式は、レーザー等の熱によりトナーを静電転写方式で画像形成用層10Aに定着(融着)させる画像形成方式である。
【0113】
オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、スクリーン印刷方式等で画像を形成してもよい。また、これ以外の印刷方式で画像を形成してもよい。
【0114】
(加飾シート前駆体)
本開示の第2実施形態の加飾品の製造方法で使用される加飾シート前駆体100Aは、支持体1上に、画像形成用層10Aが設けられている。本開示の第2実施形態の加飾品の製造方法では、画像形成用層10A以外の全ての構成部材を纏めて、支持体1と称して説明する。画像形成用層10A以外の構成部材は、全て支持体1に含まれるものとする。例えば、加飾シート前駆体100Aが、紙基材、プライマー層、画像形成用層10Aがこの順番で積層され積層構造である場合、紙基材、及びプライマー層は、支持体1の構成部材である。
【0115】
(画像形成用層)
画像形成用層10Aは、加飾シート製造工程で画像を形成するときの画像形成方式に応じて、適宜選択すればよい。
【0116】
画像形成用層10Aの厚みについて限定はなく、画像形成方法等に応じて適宜設定すればよい。熱転写方式で画像を形成できる画像形成用層10Aの厚みは、0.1μm以上10μm以下が好ましい。インクジェット印刷方式で画像を形成できる画像形成用層10Aの厚みは、0.1μm以上50μm以下が好ましく、1μm以上40μm以下がより好ましく、3μm以上30μm以下がさらに好ましい。トナー印刷方式で画像を形成できる画像形成用層10Aの厚みは、0.01μm以上5μm以下が好ましく、0.05μm以上1μm以下がより好ましい。
【0117】
画像形成用層10Aは、塗工液を塗布、乾燥して形成してもよく、シート等を支持体1と貼り合わせて形成してもよい。
【0118】
(支持体)
加飾シート前駆体100Aの支持体1は、画像形成用層10Aを支持できればよい。加飾シート前駆体100Aの支持体1は、上記第1実施形態の加飾品の製造方法で説明した支持体1の構成を適宜選択して使用できる。
一例としての支持体1は、機能層形成工程で説明する機能層の少なくとも1つを含む。
一例としての支持体1は、装飾層、隠蔽層、及び触感層の少なくとも1つを含む。
一例としての支持体1は、ボイド層を含む。ボイド層を含む支持体1は、画像形成用層10Aに濃度の高い画像を形成できる。
一例としての支持体1は、積層構造であり、画像形成用層10Aから最も近くに位置する層が、プライマー層である。
一例としての支持体1は、積層構造であり、画像形成用層10Aから最も遠くに位置する層が背面層である。
一例としての支持体1は、剥離層を含む。
一例としての支持体1は、離型層を含む。
一例としての支持体1は、紙基材を含む。
【0119】
一例としての支持体1は、その一部分を画像形成用層10A側から分離できる。
一例としての支持体1は、1つ、又は複数の分離補助層6を含む。
一例としての分離補助層6は、剥離層である。一例としての剥離層は、表面が凹凸構造を有する。一例としての剥離層は、着色剤や、粒子等を含有している。このような剥離層は、装飾層7として機能する。
一例としての分離補助層6は、離型層である。
一例としての分離補助層6は、粘着性を有する。
一例としての支持体1は、当該支持体1の一部分を分離したときに、画像形成用層10A側の表面に残る層が粘着層である。一例としての機能層形成工程は、表面に残る粘着層で、加飾シート100と機能層150を密着させている。粘着層は、プライマー層で説明した構成を適宜選択して使用できる。一例としての粘着層は、事後的に粘着性が増大、又は事後的に粘着性が発現する層である。
一例としての支持体1は、紙基材を含み、当該紙基材は、画像形成用層10A側から分離できる。
支持体1は、本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法で説明した加飾シート100や、加飾シート前駆体100Aの支持体1の、あらゆる形態を適宜選択して使用できる。
【0120】
支持体1の厚みに限定はないが、1μm以上300μm以下が好ましい。加飾シート前駆体100Aの厚みに限定はなく、画像形成用層10Aに画像を形成するときの画像形成方法等を考慮して適宜決定すればよい。例えば、プリンタ内で画像形成を行う場合には、プリンタの搬送適性を考慮した厚みとすればよい。一例としての加飾シート前駆体100Aの厚みは、100μm以下である。この厚みの加飾シート前駆体100Aを用いて加飾品を製造することで、加飾品の見栄え等を良好にできる。加飾シート前駆体100Aの厚みを100μm以下としたときの、プリンタの搬送適性等が不十分な場合には、支持体1の一部分を分離可能とし、支持体1の一部分を分離した後の加飾シート前駆体100Aの厚みが100μm以下となるようにすればよい。
【0121】
一例としての支持体1は、その一部分を画像形成用層10A側から分離できる。この形態の支持体1を含む加飾シート前駆体100Aは、ハンドリング性が良好である。また、加飾シート製造工程をプリンタ等で行う場合には、分離できる支持体の一部分の厚みを適宜設定し、支持体1の一部分が分離される前の加飾シート前駆体100の全体の厚みを、プリンタの搬送性に適した厚みとすることで、画像形成時におけるプリンタの搬送性を良好にできる。さらには、加飾シート製造工程より後に、支持体1の一部分を分離することで、製造される加飾品400全体の厚みを薄くできる。
一例としての加飾シート前駆体100Aは、分離部材、支持体1、画像形成用層10Aがこの順番で積層された、分離部材付き加飾シート前駆体である。分離部材は、支持体1から分離できる。分離部材は、単層構造でもよく、積層構造でもよい。
【0122】
支持体1が、紙基材を含む場合であって、本開示の加飾品の製造方法で製造される加飾品400に所定の透明性を付与することを所望する場合には、紙基材を分離できるように構成してもよい。また、支持体1が背面層等を含む場合に、この背面層を分離できるように構成してもよい。
【0123】
<一体化工程>
一体化工程は、
図11Cに示すように、加飾シート製造工程で製造された加飾シート100と加飾対象物300を一体化させる工程である。加飾対象物300は、本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法で説明した加飾対象物300を使用できる。
【0124】
一体化工程は、本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法の一体化工程で説明した方法を適宜選択して行えばよい。これ以外の方法で一体化させてもよい。例えば、加飾シート100の転写層を、加飾対象物300側に転写して一体化してもよい。加飾シート100の転写層は、画像層10を含み、加飾対象物300側に転写できる。一例としての加飾シート100は、剥離層や、離型層を含む。剥離層は、転写層に含まれる。離型層は、転写層に含まれない。一例としての画像層10を含む転写層は、熱転写方式で転写できる。このような加飾シート100としては、画像が形成された中間転写媒体等を例示できる。
図9Aに示す形態の分離補助層6、層1B、及び画像層10を転写層とし、層1Aから分離した転写層を加飾対象物300に転写して加飾対象物300と一体化させてもよい。
図9Aに示す形態の層1Aを積層構造とし、分離補助層6の下面側での分離より前に、層1Aを構成する層の何れかの層間で、層1Aの一部分を分離できる構成としてもよい。また、この転写より前に、加飾シート100の画像層10上に、ヒートシール層等を形成してもよい。
【0125】
図9Aに示す形態の層1B、及び画像層10を転写層とし、分離補助層6から分離した転写層を加飾対象物300に転写してもよい。この形態では、画像層10側から層1Aを分離できる。層1Aの分離後、加飾対象物300上に、層1B、及び画像層10を含む転写層を転写して加飾対象物300と一体化できる。この形態の加飾シート100は、層1Aと分離補助層6の界面で層1Aを分離でき、層1Aを分離後、分離補助層6と層1Bの界面で分離補助層6を分離できる。支持体1の複数回の分離は、各図に示す形態においても適用できる。支持体1が、装飾層、隠蔽層、及び触感層等を含む場合には、これら装飾層、隠蔽層、及び触感層が、画像層10とともに、加飾対象物300側に転写されるように、支持体1を構成すればよい。例えば、
図9Aに示す形態において、分離補助層6と層1Aとの界面のみを分離界面とする場合には、分離補助層6よりも画像層10側に、装飾層、隠蔽層、及び触感層の1つ、又は複数を位置させればよい。また、
図9Aに示す形態において、分離補助層6と層1Aとの界面を分離界面とし、さらに、層1Bと分離補助層6の界面を剥離界面とする場合、層1Bよりも画像層10側に、装飾層、隠蔽層、及び触感層の1つ、又は複数を位置させればよい。層1Bの画像層10側の面を分離界面とする場合も同様である。
【0126】
(耐久層)
加飾シート100と加飾対象物300との一体化を、接着層200を用いて行う場合、加飾シート100と接着層200の間に耐久層230を設けてもよい。例えば、加飾シート100の画像層10側に接着層200を貼合する場合には、当該貼合より前に、加飾シート100の画像層10上に、耐久層230を設けてもよい。加飾対象物300に接着層200を貼合する場合、加飾シート100と加飾対象物300とを一体化させる前に、加飾シート100の画像層10上に、耐久層230を設ければよい。耐久層230の形成は、加飾シート製造工程において、画像層10に形成される画像が、昇華型熱転写方式で形成された画像である場合に特に好適である。
【0127】
耐久層230は、本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法で説明した耐久層230を適宜選択して用いることができる。耐久層230の形成方法も同様である。
【0128】
図11C、
図12Dに示す形態では、加飾シート100の画像層10側で、加飾シート100と加飾対象物300とを一体化している。この形態で製造される加飾品400は、加飾対象物300、画像層10、支持体1がこの順番で積層された積層構造である。この形態は、画像層10の画像を支持体1で保護できる。
【0129】
図16Cに示すように、加飾シート100の支持体1側で、加飾シート100と加飾対象物300とを一体化してもよい。接着層200を用いて加飾シート100と加飾対象物300とを一体化してもよい。同様に、
図5、
図6に示す形態では、加飾シート100の画像層10側で、加飾シート100と加飾対象物300とを一体化しているが、加飾シート100の支持体1側で、加飾対象物300とを一体化させてもよい。
図16は、本開示の第2実施形態の加飾品の製造方法の一例を示す工程図であり、加飾シート100と加飾対象物300とを一体化させるときの、加飾シート100の向きが異なる点において、
図11に示す形態の一体化工程と相違する。
図16A、
図16Bは、
図11A、
図11Bと共通している。
【0130】
<分離工程>
加飾シート前駆体100Aの支持体1が、その一部分を画像層10側から分離できる場合、一体化工程より前に、又は一体化工程より後に、支持体1の一部分を画像層10側から分離する分離工程を行ってもよい。分離工程は、支持体1の一部分を分離する分離を1回行ってもよく、分離補助層6等を複数含む支持体1として、分離を複数回にわけて行ってもよい。
【0131】
本開示の第2実施形態の加飾品の製造方法に使用できる加飾シート100としては、(i)加飾シート前駆体100Aの画像形成用層10Aに画像が形成された加飾シート100、(ii)加飾シート前駆体100Aの画像形成用層10Aに画像が形成され、画像層10上に耐久層230が設けられた加飾シート100、(iii)加飾シート前駆体100Aの画像形成用層10Aに画像が形成され、画像層10上に接着層200が設けられた加飾シート、(iv)加飾シート前駆体100Aの画像形成用層10Aに画像が形成され、画像層10上に耐久層230、接着層200がこの順番で設けられた加飾シート100、(v)加飾シート前駆体100Aの画像形成用層10Aに画像が形成され、支持体1の画像層10とは反対側に接着層200が設けられた加飾シート100等を例示できる。これら形態を組み合わせた加飾シートでもよい。接着層200をマスキング部材付き接着層200Aとしてもよい。これら形態の加飾シートの支持体1は、その一部分を画像層10側から分離できるものでもよい。
これら形態の加飾シート100は、支持体1側に、当該支持体1から分離できる分離部材が設けられた、分離部材付き加飾シートでもよい。分離部材付き加飾シート前駆体100Aでもよい。分離部材は、単層構造でもよく、積層構造でもよい。
【0132】
<機能層形成工程>
図11Dに示すように、機能層形成工程は、一体化工程より後に、加飾シート100の加飾対象物300とは反対側に機能層150を形成する工程である。本工程を経ることで、加飾品400を製造できる。製造された加飾品400は、加飾対象物300、加飾シート100、機能層150がこの順番で積層された積層構造である。
図11Dに示す形態は、加飾シート100の加飾対象物とは反対側に支持体1が位置している。
図11Dに示す形態は、支持体1上に機能層150を形成している。
図16Dに示すように、一体化工程における加飾シート100の向きを異ならせ、画像層10側に機能層150を形成してもよい。
【0133】
支持体1が、その一部分を分離でき、支持体1上に機能層150を形成する場合、分離工程より後に、画像層10側に残る支持体1上に機能層150を形成すればよい。
【0134】
機能層150は、本開示の加飾品の製造方法で製造される加飾品400に、各種の機能を付与する層であり、製造される加飾品400に求められる機能に応じて適宜選択すればよい。
【0135】
一例としての機能層150は、画像層に形成された画像を装飾できる機能を有する。一例としての機能層150は、ボイド層、凹凸層、粒子含有層、着色層、蒸着層等の装飾層である。以下、これらの層を総称して装飾層という場合がある。機能層150は、複数の装飾層が積層された積層構造でもよい。
【0136】
ボイド層、凹凸層等の機能層150は、製造される加飾品400にマット感を付与できる。粒子含有層等の機能層は、その粒子を適宜選択することで、製造される加飾品400にマット感を付与できる。また、製造される加飾品400の透明性等を調整できる。
【0137】
機能層の一例としての凹凸層は、何れか一方の表面、又は双方の表面が凹凸構造を有する。製造される加飾品において、凹凸層の表面のうち、加飾対象物300側の面が凹凸構造を有してもよく、反対側の面が凹凸構造を有してもよい。双方の面が凹凸構造を有するものでもよい。
【0138】
一例としての凹凸層は、粒子を含有しており、粒子の一部が突出している。一例としての凹凸層は、粒子を含有しており、凹凸層の表面が隆起している。一例としての凹凸層は、粒子を含有するフィルムである。一例としての凹凸層は、粒子が練りこまれたフィルムである。一例としての凹凸層は、表面処理が施されたフィルムである。表面処理の方法としては、エンボス加工、及びブラスト加工等を例示できる。凸部の高さ、凸部同士の間隔は、機能層150に求められる機能に応じて適宜決定すればよい。
【0139】
機能層の一例としての粒子含有層は、粒子を含有する層である。粒子としては、無機粒子、及び有機粒子を例示できる。このような粒子としては、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、多孔質粒子、中空粒子、タルク、ジカルボン酸エステルアミド、及びポリエチレン等を例示できる。粒子含有層は、粒子が練りこまれたフィルム基材等を使用できる。粒子、及びバインダーを適当な溶媒に分散、又は溶解した塗工液を調整し、この塗工液を塗布、乾燥して得られる塗工層等を粒子含有層としてもよい。
【0140】
機能層の一例としての着色層は、着色剤を含有している。着色剤としては、染料、有機着色顔料、蛍光顔料、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、カーボンブラック、酸化鉄、鉄黄、群青、ホログラム粉末、アルミニウム粉末、メタリック顔料、及びパール顔料等を例示できる。機能層150を、カーボンブラック等の黒色顔料や、酸化チタン等の白色顔料を含有する着色層とする場合、顔料の含有量などを適宜調整することで、当該着色層に隠蔽層としての機能を付与できる。この場合、本開示の加飾品の製造方法で製造される加飾品400を機能層150とは反対側から視認したときの画像50の視認性を良好にできる。機能層150を、メタリック顔料や、パール顔料等を含有する着色層とした場合には、製造される加飾品400に高級感を付与できる。
【0141】
一例としての機能層150は、蒸着層を含む。このような機能層150としては、
図13Cに示すように、機能層支持体151上に、蒸着で形成された蒸着層152が設けられたもの等を例示できる。機能層支持体151の何れか一方の面に蒸着層152が形成されたものでもよい。蒸着層を含む機能層150は、製造される加飾品400に、隠蔽性や、光沢感等の意匠性を付与できる。
【0142】
機能層150は、画像層に形成された画像を装飾できる機能とは異なる機能を有してもよい。画像を装飾する機能とは異なる機能を有する機能層としては、帯電防止層、触感層、耐指紋層、触感層、及び保護層等を例示できる。
【0143】
図13は、機能層150の一例を示す概略断面図である。機能層150は、単層構造でもよく、
図13A、
図13B、
図13C、
図13D、
図13Eに示すように、積層構造でもよい。
図13A、
図13Bに示す形態の機能層150は、機能層支持体151上に、各種の機能を有する層152が積層された積層構造である。各種の機能を有する層152としては、装飾層や、画像を装飾する機能とは異なる機能を有する層等を例示できる。機能層支持体151としては、各種基材、例えば、フィルム基材等を例示できる。機能層支持体151を機能層としてもよい。各種の機能を有する層は、塗工液の塗布、乾燥で形成してもよく、フィルム貼り合わせや、蒸着等で形成してもよい。
図13Cに示す形態の機能層150は、蒸着で機能層支持体151上に蒸着層152が形成されている。
図13Cでは、機能層支持体151の全周に蒸着層152が設けられているが、機能層支持体151の何れか一方の面に蒸着層152が形成されたものでもよい。
図13Dに示す形態の機能層150は、各種の機能を有する層152を、フィルム基材151で挟んだ形態を示している。機能層150は、図示する形態に限定されるものではなく、これらを組み合わせたものでもよい。また、これ以外の構成を含んでもよい。機能層150は、複数の装飾層を含んでもよい。
図13Eに示す形態は、機能層150と分離部材160が一体化された分離部材付き機能層である。分離部材160は、機能層150から分離できる。
図13Eに示す形態は、加飾シート100上に機能層150を形成するときの作業性等が良好である。分離部材としては、離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、剥離フィルム、及び剥離紙等を例示できる。支持体1として、これら機能層150の構成の一部、又は全部を適用してもよい。
【0144】
本開示の一例としての加飾品の製造方法は、加飾シート100の支持体1側に機能層150を形成する。この製造方法では、一体化工程を、加飾シート100の画像層10側で行う。製造された加飾シート400は、加飾対象物300、画像層10、支持体1、機能層150がこの順番で積層された積層構造である。この製造方法は、機能層150の機能を充分に発揮できる。この製造方法で製造された加飾品400の加飾対象物300が透明性を有し、機能層150を装飾層とした場合、加飾対象物300側から画像層10の画像を視認したときの画像の意匠性をより良好なものとできる。機能層150を適宜選択することで、支持体1側から視認したときの画像の意匠性を良好なものとできる。
【0145】
本開示の他の一例としての加飾品の製造方法は、加飾シート100の画像層10側に機能層150を形成する。この製造方法では、一体化工程を、加飾シート100の支持体1側で行う。製造された加飾シート400は、加飾対象物300、支持体1、画像層10、機能層150がこの順番で積層された積層構造である。この製造方法では、機能層150で画像層10の画像を保護できる。
【0146】
なお、
図11Dに示す形態の加飾品400を、機能層150側から画像層10の画像を視認できる加飾品400とする場合には、機能層150や、支持体1として、画像層10の画像を視認できる透明性を有するものを用いればよい。一方、加飾対象物300側から画像層10の画像50を視認できる加飾品とする場合には、透明性を有する加飾対象物300を用いればよい。
【0147】
機能層150の形成方法に限定はなく、接着層を用いて、加飾シート100と機能層150を貼り合わせる方法等を例示できる。
図14A、
図14Bに示すように、加飾対象物300と一体化された加飾シート100上に接着層200や、マスキング部材付き接着層200Aを貼合する。又は、
図15A、
図15Bに示すように、機能層150上に接着層200や、マスキング部材付き接着層200Aを貼合する。
図14A、
図14B、及び
図15A、
図15Bに示す形態では、加飾対象物300の記載を省略している。
図14A、
図14Bに示す形態では、加飾シート100の画像層10側に機能層150を形成しているが、加飾シートの画像層10側で、加飾対象物300と加飾シート100との一体化を行い、加飾シート10の支持体1側に機能層150を形成してもよい(
図17C参照)。
【0148】
支持体1が、その一部分を分離できる場合、分離後に画像層10側に残る支持体1の表面に粘着層を位置させ、分離後に露出する粘着層で加飾シート100と機能層150を貼り合わせてもよい。
【0149】
図20D、
図20E、
図20Fに示すように、支持体260上に、機能層150が設けられた機能層転写シート250を用い、機能層150を転写で形成してもよい。
図20D、
図20E、
図20Fは機能層形成工程で使用できる機能層転写シート250の一例を示す概略断面図である。これら転写シートは、支持体260と機能層150や、支持体260と転写層240の間に、これらの層の剥離性(転写性)を良好なものとするための離型層等を含んでもよい。自己吸着性を有する機能層150を用いて、加飾シート100上に機能層150を形成してもよい。自己吸着性を有する機能層150とは、接着層や、粘着層等を用いることなく、機能層150自体の機構によって加飾シート100に吸着可能な性質を有する機能層150を意味する。セル吸盤構造等を有する機能層150を用いて、加飾シート100上に機能層150を形成してもよい。
【0150】
図20Eに示すような、支持体260上に、転写層240が設けられた転写シート250を用いてもよい。この転写層240は、機能層150、及び接着層200を含む積層構造である。
図20Fに示すような、支持体260上に、機能層150と接着層200が面順次に設けられた転写シート250を用いてもよい。機能層150、及び接着層200は、支持体260から剥離できる。
図20Fに示す形態の転写シート250は、加飾シート100に接着層を転写で形成し、次いで、この接着層200上に機能層150を転写で形成できる。
加飾シート100の画像層10側で、加飾シート100と加飾対象物300とを一体化させた後に(
図11C参照)、加飾シート100の支持体1側に、接着層200(図示しない)を転写する。次いで、加飾シート100に転写された接着層200で、加飾シート100の支持体1側に機能層150を貼り合わせてもよい。
【0151】
次に、本開示の第2実施形態の加飾品の製造方法で製造される加飾品400の一例について説明する。一例としての加飾品400は、加飾対象物300、画像層10、支持体1、機能層150がこの順番で積層された積層構造である。この形態の加飾品400の加飾対象物300が透明性を有し、機能層150を装飾層とした場合、製造された加飾品400を加飾対象物300側から視認したときの意匠性を良好なものとできる。この形態における支持体1は、機能層150で例示した各種の層の1つ、又は複数を含んでもよい。一例としての支持体1は、加飾対象物300側から機能層150を視認できる透明性を有している。
一例としての加飾品400は、加飾対象物300、支持体1、画像層10、機能層150がこの順番で積層された積層構造である。この形態における一例としての機能層150は、ボイド層、及び凹凸層の何れか一方、又は双方を含んでいる。この形態の加飾品400は、マット感を有する。この形態の加飾品400の加飾対象物300や、支持体1が透明性を有する場合、加飾対象物300側から画像層10の画像を視認できる。この形態における支持体1は、機能層150で例示した各種の層の1つ、又は複数を含んでもよい。
【0152】
<<第2実施形態の変形例の加飾品の製造方法>>
本開示の第2実施形態の変形例の加飾品の製造方法は、加飾シート製造工程、機能層形成工程、一体化工程を含む。
加飾シート製造工程は、加飾シート前駆体100Aの画像形成用層10Aに画像50を形成する工程である(
図12A、
図12B参照)。
機能層形成工程は、加飾シート製造工程より後に、加飾シート100上に機能層150を形成する工程である(
図12C参照)。
一体化工程は、機能層形成工程より後に、加飾シート100と加飾対象物300を一体化させる工程である(
図12D参照)。
【0153】
本開示の第2実施形態の加飾品の製造方法が、加飾シート100と加飾対象物300とを一体化させた後に、加飾シート100上に機能層150を形成しているのに対し、変形例の加飾品の製造方法は、加飾シート100上に機能層150を形成した後に、機能層150が形成された加飾シート100と加飾対象物300を一体化させている点において相違している。つまり、機能層形成工程と、一体化工程の順序が異なっている点で相違している。この相違点以外は、上記で説明した構成や、工程を適宜選択して用いることができる。加飾シート100、加飾対象物300、加飾シート製造工程などについての詳細な説明は省略する。
【0155】
支持体1が、その一部分を分離可能な場合であって、
図12Cや、
図17Cに示すように、加飾シート100の支持体1側に機能層150を形成する場合には、支持体1の一部分を分離した後に、機能層150を形成すればよい。支持体1の一部分を分離した後の加飾シート100の表面に粘着層等が位置する場合、この粘着層で、加飾シート100と機能層150を貼り合わすことができる。一方、
図18Cや、
図19Cに示すように、加飾シート1の画像層10側に機能層150を形成する場合には、支持体1の一部分の分離は、機能層形成工程より前でもよく、機能層形成工程より後でもよい。
【0156】
<変形例の一体化工程>
図12D、
図17D、
図18D、
図19Dは、一体化工程を示す。機能層が形成された加飾シート100の機能層150側を上側、その反対側を下側としたときに、
図12Dや、
図18Dに示すように、加飾シート100の下側で行ってもよく、
図17Dや、
図19Dに示すように、加飾シート100の上側で行ってもよい。一体化工程は、接着層200を用いて行えばよい。
【0157】
(切断工程)
本開示の各種実施形態の加飾品の製造方法は、一体化工程より後に、加飾シート100と加飾対象物300の積層体を、厚み方向に切断する切断工程を含んでもよい。
一体化工程より後に切断工程を行うことで、加飾シート100と加飾対象物300の端面が揃った加飾品を製造できる。
各種実施形態の加飾品の製造工程が、機能層形成工程を含む場合、切断工程は、機能層形成工程より前でもよく、機能層形成工程より後でもよい。機能層形成工程より後に切断工程を行う場合、加飾シート100、加飾対象物300、及び機能層の端面が揃った加飾シートを製造でき、好ましい。
一体化工程より前に、加飾シート100、及び加飾対象物300の何れか一方、又は双方を切断してもよい。
各種実施形態の加飾品の製造工程が、分離工程を含み、この分離工程を、一体化工程より後に行う場合、切断工程は、分離工程より前でもよく、分離工程より後でもよい。
【0158】
切断方法に限定はなく、切断刃、レーザーカッター等を例示できる。これ以外の切断方法でもよい。レーザーカッターによる切断は、加飾シート100、加飾対象物300を切断するときに、バリや、滓の発生を抑制でき、好ましい。
【0159】
以上、本開示の加飾品の製造方法、本開示の加飾シート、本開示の加飾品について種々の形態を例に挙げて説明したが、これらの種々の形態を適宜組み合わせてもよい。一例としての本開示の加飾品の製造方法は、本開示の第1実施形態の加飾品の製造方法と、本開示の第2実施形態の加飾品の製造方法を組み合わせた製造方法である。
【0160】
本開示の実施形態Aの加飾品の製造方法は、支持体上に熱転写画像を有する画像層が設けられた加飾シートの前記画像層側に接着層を貼合する貼合工程と、前記接着層が貼合された前記加飾シートの接着層側で前記加飾シートと加飾対象物とを一体化させる一体化工程とを含む。本開示の実施形態Aの加飾品の製造方法は、下記(1)〜(3)の1つ、又は複数を満たしてもよい。複数を満たす場合、何れを組合せてもよい。
(1)前記接着層が、前記接着層の一方面にマスキング部材が設けられたマスキング部材付き接着層であり、前記貼合工程において、前記マスキング部材付き接着層の他方面で前記加飾シートと前記マスキング部材付き接着層を貼合させ、前記貼合工程より後に、前記マスキング部材付き接着層からマスキング部材を剥離し、その後、前記一体化工程を行う。
(2)前記接着層を有する接着層転写シートを用い、前記貼合工程において、前記加飾シートの前記画像層側に前記接着層転写シートの前記接着層を転写する。
(3)前記貼合工程より前に、前記加飾シートの前記画像層上に耐久層を形成する耐久層形成工程を含む。
【0161】
本開示の実施形態Bの加飾品の製造方法は、加飾対象物に接着層を貼合する貼合工程と、前記接着層が貼合された前記加飾対象物の接着層側で、支持体上に熱転写画像を有する画像層が設けられた加飾シートと前記加飾対象物を一体化させる一体化工程とを含む。
本開示の実施形態Bの加飾品の製造方法は、下記(4)〜(6)の1つ、又は複数を満たしてもよい。複数を満たす場合、何れを組合せてもよい。
(4)前記接着層が、前記接着層の一方面にマスキング部材が設けられたマスキング部材付き接着層であり、前記貼合工程において、前記マスキング部材付き接着層の他方面で前記加飾対象物と前記マスキング部材付き接着層を貼合させ、前記貼合工程より後に、前記マスキング部材付き接着層からマスキング部材を剥離し、その後、前記一体化工程を行う。
(5)前記接着層を有する接着層転写シートを用い、前記貼合工程において、前記加飾シートの前記画像層側に前記接着層転写シートの前記接着層を転写する。
(6)前記一体化工程より前に、前記加飾シートの前記画像層上に耐久層を形成する耐久層形成工程を含む。
【0162】
本開示の実施形態Aの加飾品の製造方法は、上記(1)〜(3)、及び下記(7)〜(25)の1つ、又は複数を満たしてもよい。複数を満たす場合、何れを組合せてもよい。
本開示の実施形態Bの加飾品の製造方法は、上記(4)〜(6)、及び下記(7)〜(25)の1つ、又は複数を満たしてもよい。複数を満たす場合、何れを組合せてもよい。
(7)前記一体化工程より前に、前記加飾シートの前記画像層上に耐久層を形成する耐久層形成工程を含む。
(8)前記熱転写画像が、昇華型熱転写方式で形成されたものである。
(9)前記熱転写画像が、溶融型熱転写方式で形成されたものである。
(10)前記加飾シートの前記画像層の前記支持体側の面を第1面としたときに、当該画像層の前記第1面側に位置する構成部材の一部分、又は全部を前記画像層側から分離でき、前記一体化工程より前、又は前記一体化工程より後に、前記画像層の前記第1面側に位置する前記構成部材の一部分、又は全部を分離する分離工程を含む。
(11)前記加飾シートの支持体が単層構造、又は積層構造であり、且つ前記支持体の一部分、又は全部を前記画像層側から分離でき、前記一体化工程より前、又は前記一体化工程より後に、前記支持体の一部分、又は全部を分離する分離工程を含む。
(12)前記加飾シートの前記支持体と前記画像層の間に、剥離層が設けられ、前記分離工程において、前記剥離層の前記支持体側の面を剥離界面として、前記加飾シートから前記支持体を分離する。
(13)前記支持体が、分離補助層を含む積層構造であり、前記分離補助層の前記画像層側の面を上面、その反対側の面を下面としたときに、前記分離工程において、前記分離補助層の下面を分離界面として、前記分離補助層の下面に位置する支持体の構成部材を分離する。
(14)前記支持体が、分離補助層を含む積層構造であり、前記分離補助層の前記画像層側の面を上面、その反対側の面を下面としたときに、前記分離工程において、前記分離補助層の上面を分離界面として、前記分離補助層、及び前記分離補助層の下面に位置する支持体の構成部材を分離する。
(15)前記支持体と前記画像層の間、及び前記画像層上の何れか一方、又は双方に、少なくとも1つの機能層が設けられた加飾シートを用いる。
(16)前記支持体と前記画像層の間の一部分に、前記少なくとも1つの機能層が設けられている。
(17)前記加飾シートの前記支持体が、少なくとも1つの機能層を含む。
(18)前記支持体が積層構造であり、且つ前記支持体の全部ではなく一部分を分離でき、前記支持体の一部分を、前記加飾シートから分離したときに、前記画像層側に残る前記支持体が、前記少なくとも1つの機能層を含む。
(19)前記一体化工程より後に、前記加飾シート上に少なくとも1つの機能層を形成する機能層形成工程を含む。
(20)前記少なくとも1つの機能層が、ボイド層、凹凸層、粒子含有層、着色層、蒸着層、及び触感層の何れかである。
(21)前記少なくとも1つの機能層が前記着色層であり、前記着色層が、黒色顔料、白色顔料、パール顔料、メタリック顔料の何れかを含有している。
(22)前記支持体が、紙基材を含む。
(23)前記加飾対象物として、前記一体化工程より後に、前記加飾対象物側から前記画像層に形成された前記熱転写画像を視認できるものを用いる。
(24)前記一体化工程より後に、前記加飾シートと前記加飾対象物の積層体を、厚み方向に切断する切断工程を含む。
(25)前記切断工程を、レーザーカッターで行う。
本開示の実施形態Cの加飾品の製造方法は、支持体上に、画像形成用層が設けられた加飾シート前駆体の前記画像形成用層に画像を形成して、画像層を有する加飾シートを製造する加飾シート製造工程と、前記加飾シート製造工程後に、加飾対象物と前記加飾シートを一体化させる一体化工程と、前記一体化工程後に、前記加飾シート上に機能層を形成する機能層形成工程とを含む。
本開示の実施形態Cの加飾品の製造方法は、下記(26)、(27)の何れか一方、又は双方を満たしてもよい。
(26)前記一体化工程が、前記加飾シートの前記画像層側で前記加飾対象物と一体化させる工程である。
(27)前記一体化工程が、前記加飾シートの前記支持体側で前記加飾対象物と一体化させる工程である。
本開示の実施形態Dの加飾品の製造方法は、支持体上に画像形成用層が設けられた加飾シート前駆体の前記画像形成用層に画像を形成して、画像層を有する加飾シートを製造する加飾シート製造工程と、前記加飾シート製造工程後に、前記加飾シート上に機能層を形成する機能層形成工程と、前記機能層形成工程後に、前記加飾対象物と前記加飾シートを一体化させる一体化工程とを含む。
【0163】
本開示の実施形態Dの加飾品の製造方法は、下記(28)〜(31)の1つ、又は複数を満たしてもよい。複数を満たす場合、何れを組合せてもよい。
(28)前記機能層形成工程が、前記加飾シートの前記画像層側に機能層を形成する工程である。
(29)前記機能層形成工程が、前記加飾シートの前記支持体側に機能層を形成する工程である。
(30)前記一体化工程が、前記機能層が形成された前記加飾シートの前記機能層側を上側、その反対を下側としたときに、前記加飾シートの上側で前記加飾対象物と一体化させる工程である。
(31)前記一体化工程が、前記機能層が形成された前記加飾シートの前記機能層側を上側、その反対を下側としたときに、前記加飾シートの下側で前記加飾対象物と一体化させる工程である。
【0164】
本開示の実施形態Cの加飾品の製造方法は、上記(26)、(27)、及び下記(32)〜(52)の1つ、又は複数を満たしてもよい。複数を満たす場合、何れを組合せてもよい。
本開示の実施形態Dの加飾品の製造方法は、上記(28)〜(31)、及び下記(32)〜(52)の1つ、又は複数を満たしてもよい。複数を満たす場合、何れを組合せてもよい。
(32)前記支持体が積層構造であり、前記支持体の一部分を分離でき、
前記支持体の一部分を分離する分離工程を含み、前記機能層形成工程が、前記分離工程後の加飾シート前駆体、又は前記分離工程後の前記加飾シート上に前記機能層を形成する工程である。
(33)前記加飾シート製造工程後に前記分離工程を行う。
(34)前記支持体が、分離補助層を含む積層構造であり、前記分離補助層の前記画像形成用層側の面を上面、その反対側の面を下面としたときに、前記分離工程において、前記分離補助層の下面を分離界面として、前記支持体の一部分を分離する工程である。
(35)前記分離補助層が剥離層である。
(36)前記支持体が、分離補助層を含む積層構造であり、前記分離補助層の前記画像形成用層側の面を上面、その反対側の面を下面としたときに、前記分離工程において、前記分離補助層の上面を分離界面として、前記支持体の一部分を分離する工程である。
(37)前記分離補助層が離型層である。
(38)前記機能層形成工程において、接着層を用いて前記機能層と前記加飾シートを貼り合わせる。
(39)前記機能層形成工程において、前記機能層に貼合された接着層、又は前記加飾シートに貼合された接着層を用いる。
(40)前記接着層の貼合を、接着層を転写できる転写シートを用い、接着層を転写して行う。
(41)前記機能層形成工程を、機能層を転写できる転写シートを用い、機能層を転写して行う。
(42)前記記録媒体の前記支持体が粘着層を含み、前記粘着層は、前記分離補助層の上面側において前記分離補助層と接している。
(43)前記一体化工程の前に、前記画像が形成された前記画像層上に耐久層を形成する耐久層形成工程を含む。
(44)前記加飾シート製造工程後と前記一体化工程の間に、前記加飾対象物、又は前記加飾シートに接着層を貼合する工程を含み、前記接着層を用いて、前記一体化工程を行う。
(45)前記接着層の貼合を、前記接着層を有する接着層転写シートを用いて行う。
(46)前記機能層形成工程で形成される前記機能層が、ボイド層、凹凸層、粒子含有層、着色層、蒸着層、及び触感層の少なくとも1つを含む。
(47)前記記録媒体の前記支持体が、ボイド層、凹凸層、粒子含有層、着色層、蒸着層、及び触感層の少なくとも1つを含む。
(48)前記着色層が、黒色顔料、白色顔料、パール顔料、及びメタリック顔料の何れかを含有する着色層である。
(49)前記加飾対象物として、前記一体化工程後に、前記加飾対象物側から前記画像層に形成された前記画像を視認できるものを用いる。
(50)前記画像形成用層に形成された前記画像が、昇華型熱転写方式で形成されたものである。
(51)前記画像形成用層に形成された前記画像が、溶融型熱転写方式で形成されたものである。
(52)前記画像形成用層に形成された前記画像が、インクジェット印刷方式、又はトナー印刷方式で形成されたものである。
【0165】
本開示の実施形態Aの加飾シートは、支持体、熱転写画像が形成された画像層、接着層がこの順番で積層されている。
【0166】
本開示の実施形態Aの加飾シートは、下記(53)〜(57)の1つ、又は複数を満たしてもよい。複数を満たす場合、何れを組合せてもよい。
(53)前記接着層上に、当該接着層から剥離できるマスキング部材が設けられている。
(54)前記画像層と前記接着層の間に、耐久層が設けられている。
(55)前記支持体と前記画像層の間、及び前記画像層と前記接着層の間の何れか一方、又は双方に、少なくとも1つの機能層が設けられ、前記少なくとも1つの機能層が、ボイド層、凹凸層、粒子含有層、着色層、蒸着層、及び触感層の何れかである。
(56)前記支持体と前記画像層の間の一部分に、前記少なくとも1つの機能層が設けられている。
(57)前記支持体が、少なくとも1つの機能層を含み、前記少なくとも1つの機能層が、ボイド層、凹凸層、粒子含有層、着色層、蒸着層、及び触感層の何れかである。
【0167】
本開示の実施形態Aの加飾品は、支持体、熱転写画像が形成された画像層、接着層、加飾対象物がこの順番で積層されている。
【0168】
本開示の実施形態Bの加飾品は、加飾シートと加飾対象物が一体化された加飾品であって、前記加飾シートが、実施形態Aの加飾シートである。
【0169】
本開示の実施形態Cの加飾品は、実施形態Aの加飾品の製造方法で製造された加飾品である。
本開示の実施形態Dの加飾品は、実施形態Bの加飾品の製造方法で製造された加飾品である。
本開示の実施形態Eの加飾品は、実施形態Cの加飾品の製造方法で製造された加飾品である。
本開示の実施形態Fの加飾品は、実施形態Dの加飾品の製造方法で製造された加飾品である。