(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなチャイルドシートへのニーズの一つとして、チャイルドシートを構成する部品の小型化が挙げられる。とりわけ、座席の上記接続部を補強する補強部品は、寸法が大きく、チャイルドシートを大型化させ、部品コストを上昇させる要因となっていた。
【0005】
本件発明は、このような点を考慮してなされたものであって、座席の受台ユニットへの接続部が小型化されたチャイルドシートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるチャイルドシートは、
座席と、
前記座席を支持する受台ユニットと、を備え、
前記受台ユニットは、前記座席と接続するための受台側接続突出部を有し、
前記座席は、座席フレームと、前記座席フレームから延び出し前記受台側接続突出部と接触する座席側接続突出部と、を有し、
前記受台側接続突出部および前記座席側接続突出部が接触することで、前記座席が前記受台ユニットから外れることを規制し、
前記座席側接続突出部は、前記座席フレームのリブ補強された部分に接続した樹脂本体部と、前記樹脂本体部に保持された金属製板材とを含む。
【0007】
本発明によるチャイルドシートにおいて、
前記樹脂本体部は、リブ補強されていてもよい。
【0008】
本発明によるチャイルドシートにおいて、
前記座席側接続突出部は、前記座席フレームから上下方向に延び出す突出部と、前記上下方向と非平行な方向に前記突出部から延び出すフランジ部と、を有し、
前記金属製板材は、前記突出部及び前記フランジ部の一部を構成していてもよい。
【0009】
本発明によるチャイルドシートにおいて、
前記金属製板材は上下方向に広がっていてもよい。
【0010】
本発明によるチャイルドシートにおいて、
前記樹脂本体部は、前記金属製板材を収容する凹部を有していてもよい。
【0011】
本発明によるチャイルドシートにおいて、
前記座席側接続突出部は、前後方向に互いから離間して設けられた第1座席側接続突出部および第2座席側接続突出部を有し、
前記第1座席側接続突出部および前記第2座席側接続突出部は、それぞれ、前記樹脂本体部および前記金属製板材を含み、
前記第1座席側接続突出部の前記樹脂本体部と前記第2座席側接続突出部の前記樹脂本体部とは、前後方向に延びるリブによって接続されていてもよい。
【0012】
本発明によるチャイルドシートにおいて、
前記第1座席側接続突出部は、前記座席の幅方向の一側および他側にそれぞれ設けられた一側第1座席側接続突出部および他側第1座席側接続突出部を含み、
前記第2座席側接続突出部は、前記座席の幅方向の一側および他側にそれぞれ設けられた一側第2座席側接続突出部および他側第2座席側接続突出部を含み、
前記一側第1座席側接続突出部、前記他側第1座席側接続突出部、前記一側第2座席側接続突出部および前記他側第2座席側接続突出部は、それぞれ、前記樹脂本体部および前記金属製板材を含み、
前記一側第1座席側接続突出部の前記樹脂本体部と前記一側第2座席側接続突出部の前記樹脂本体部とは、前後方向に延びるリブによって接続されており、
前記他側第1座席側接続突出部と前記他側第2座席側接続突出部とは、前後方向に延びるリブによって接続されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、座席の受台ユニットへの接続部が小型化されたチャイルドシートを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
【0016】
図1は本発明によるチャイルドシート(チャイルドカーシート)10の一実施の形態を説明するための図である。
図2は、チャイルドシート10の回転動作を説明するための図である。
【0017】
図1および
図2に示すように、本実施の形態におけるチャイルドシート10は、チャイルドシート本体11として、車両(例えば自動車)の座席1に取り付けられる受台ユニット20と、受台ユニット20に対して回転可能に受台ユニット20に支持された座席40と、を有する。また、チャイルドシート10は、受台ユニット20の背部20aから後方に延び出す一対の固定ユニット100を有している。固定ユニット100が車両の座席1に設けられた図示しない固定具(例えばISOFIX方式対応のラッチ)に接続されることにより、受台ユニット20は、車両の座席1に対して固定される。また、チャイルドシート10は、チャイルドシート本体11の受台ユニット20から延び出したサポートレッグ110を有している。
図1に示すように、サポートレッグ110は、車両の座席1を支持する車両の床面3まで延び、チャイルドシート本体11(受台ユニット20)の前方部分を下方から支持する。
【0018】
なお、本明細書中において、チャイルドシート10に対する「上」、「下」、「前」、および「後」の用語は、特に指示がない場合、車両の通常の走行を基準とした「上」、「下」、「前」および「後」を意味するものとする。また、座席40に対する「上」、「下」、「前」、および「後」の用語は、特に指示がない場合、座席40に着座した乳幼児を基準とした「上」、「下」、「前」および「後」を意味するものとする。
【0019】
以下において、
図1乃至
図8を参照して、チャイルドシート本体11の各部分について詳細に説明する。
図3は、受台ユニット20の斜視図であり、
図4は、受台ユニット20の分解斜視図である。また、
図5は、座席40の底部の側を示す斜視図であり、
図6は、座席フレーム41および座席側接続突出部42の斜視図である。また、
図7は、座席フレーム41と座席側接続突出部42とレール部材23とを示す側面図であり、
図8は、
図7のI−I線に沿った座席側接続突出部42およびレール部材23の断面図である。
【0020】
まず、
図1乃至
図4を参照して、受台ユニット20について説明する。
図1乃至
図3に示すように、受台ユニット20は、車両の座席1の座面1a上に配置される受台21と、受台21に保持され座席40と接続するベース22と、を含む。受台21は、一対の固定ユニット100を保持している。また、受台21の前端部には、サポートレッグ110が接続されている。
【0021】
図4に示すように、ベース22は、前後方向に延びる二本のレール部材23,23を有する。二本のレール部材23、23は、ベース22の幅方向に互いから離間して配置され、受台21に保持されている。各レール部材23は、前後方向に延びる基部24と、基部24から延び出した受台側接続突出部25と、を有する。
【0022】
図示された例では、各レール部材23の受台側接続突出部25は、前後方向に互いから離間した第1受台側接続突出部25aおよび第2受台側接続突出部25bを含んでいる。各受台側接続突出部25a,25bは、それぞれ、座席40の受台ユニット20に対する回転軸線Rxと平行な方向(上下方向)に上方に基部24から延び出す突出部26と、回転軸線Rxと平行な上記方向と非平行な方向(図示された例では前後方向)に突出部26から延び出すフランジ部27と、を含む。座席40は、4つの受台側接続突出部25a,25a,25b,25bの周りを回転可能である。
【0023】
なお、このようなレール部材23,23を用いることにより、座席40を囲むように形成された円形のレール部材を用いて座席40を保持する場合と比較して、ベース22を(したがってチャイルドシート10を)小型化および軽量化し、更には受台ユニット20の部品コストを低減させることができる。
【0024】
ベース22は、また、レール部材23,23を上方から覆う第1ベースカバー35および第2ベースカバー36を有する。第1ベースカバー35は、後述する座席40の外側突出部52を収容する凹部35aを有する。凹部35aは、円筒状の周壁面35bと底面35cとによって画成されている。底面35cには受台側接続突出部25が通過する貫通穴35hが設けられている。第2ベースカバー36は、第1ベースカバー35の貫通穴35hを通過して第1ベースカバー35の上方に延び出す受台側接続突出部25を上方から覆う。第2ベースカバー36の中央には、後述する座席40の内側突出部51を収容する円形の貫通穴36hが形成されている。
【0025】
次に、
図1並びに
図5乃至
図8を参照して、座席40について説明する。
図1および
図5に示すように、座席40は、座席フレーム41と、座席フレーム41から延び出す座席側接続突出部42と、座席フレーム41を下方且つ後方から覆う座席カバー50と、を有する。
【0026】
座席フレーム41は、座席40に着座する乳幼児の臀部と対面する座部41aと、乳幼児の背中と対面する背部41bと、を含む。
図6に示すように、座席フレーム41は、その裏側(乳幼児が着座する側とは反対の側)において、リブ41iでリブ補強された部分41jを有している。このリブ補強された部分41jは、座席フレーム41の前端から後端に亘って前後方向に延びている。これにより、座席フレーム41を前後方向に沿って曲げるように働く曲げ応力に対する座席フレーム41の強度が向上する。この結果、車両が急停止あるいは急発進するなどして座席40に前方あるいは後方への慣性力が働いた際に座席フレーム41が変形し損傷する虞を、低減させることができる。
【0027】
図6に示すように、座席側接続突出部42は、前後方向に互いから離間して設けられた第1座席側接続突出部42aおよび第2座席側接続突出部42bを有する。図示された例では、第1座席側接続突出部42aは、座席40の幅方向の一側および他側にそれぞれ設けられた一側第1座席側接続突出部42cおよび他側第1座席側接続突出部42dを含む。また、第2座席側接続突出部42bは、座席40の幅方向の一側および他側にそれぞれ設けられた一側第2座席側接続突出部42eおよび他側第2座席側接続突出部42fを含む。各座席側接続突出部42c,42d,42e,42fは、座席フレーム41から回転軸線Rxと平行な方向(上下方向)に下方に延び出す突出部43と、回転軸線Rxと平行な上記方向と非平行な方向(図示された例では前後方向)に突出部43から延び出すフランジ部44と、を有する。
【0028】
ここで、
図7および
図8から理解されるように、回転軸線Rxに平行な方向(上下方向)への投影において、一側第1座席側接続突出部42cおよび他側第1座席側接続突出部42dのフランジ部44がそれぞれ一方および他方のレール部材23,23の第1受台側接続突出部25aのフランジ部27に重なるとき、一側第2座席側接続突出部42eおよび他側第2座席側接続突出部42fのフランジ部44は、それぞれ一方および他方のレール部材23,23の第2受台側接続突出部25bのフランジ部27に重なる。さらに、一側第1座席側接続突出部42cおよび他側第1座席側接続突出部42dのフランジ部44がそれぞれ他方および一方のレール部材23,23の第2受台側接続突出部25bのフランジ部27に重なるとき、一側第2座席側接続突出部42eおよび他側第2座席側接続突出部42fのフランジ部44は、それぞれ他方および一方のレール部材23,23の第1受台側接続突出部25aのフランジ部27に重なる。
【0029】
図5に示すように、座席カバー50は、座席フレーム41を座席側接続突出部42と共に、後方且つ下方から覆う。座席カバー50は、受台ユニット20の第2ベースカバー36の貫通穴36hに収容される円錐台形の内側突出部51と、内側突出部51を囲むように形成され第1ベースカバー35の凹部35aに収容される円筒状の外側突出部52と、を有する。
【0030】
座席カバー50の内側突出部51と外側突出部52との間には、座席側接続突出部42c,42d,42e,42fが通過する貫通穴50hが設けられている。座席側接続突出部42c,42d,42e,42fは、貫通穴50hを通過して座席カバー50の外側に露出している。
【0031】
図7に示すように、座席側接続突出部42のフランジ部44が、受台側接続突出部25のフランジ部27の下方且つ基部24の上方に配置されることにより、座席40は受台ユニット20に対して回転可能に受台ユニット20に接続される。そして、座席側接続突出部42のフランジ部44が受台側接続突出部25のフランジ部27に下方から接触することにより、座席40が受台ユニット20から外れることが規制される。なお、座席40が受台ユニット20に対して回転するとき、座席側接続突出部42の突出部43およびフランジ部44は、それぞれ、受台側接続突出部25のフランジ部27および突出部26の周囲を回転する。
【0032】
なお、
図8に示す例では、受台側接続突出部25のフランジ部27は、座席側接続突出部42の突出部43に対面し且つ回転軸線Rxを中心とする円に沿った縁部27sを含む。また、受台側接続突出部25の突出部26は、座席側接続突出部42のフランジ部44に対面し且つ回転軸線Rxを中心とする円に沿った壁部26tを含む。さらに、座席側接続突出部42のフランジ部44は、受台側接続突出部25の突出部26に対面し且つ回転軸線Rxを中心とする円に沿った縁部44sを含む。また、座席側接続突出部42の突出部43は、受台側接続突出部25のフランジ部27に対面し且つ回転軸線Rxを中心とする円に沿った壁部43tを含む。このように受台側接続突出部25および座席側接続突出部42が形成されていることにより、座席40の受台ユニット20に対する回転が安定する。
【0033】
また、
図3および
図5に示すように、受台ユニット20および座席40には、座席40の受台ユニット20に対する回転を規制する回転規制手段60が設けられている。図示された例では、回転規制手段60は、座席40から受台ユニット20に向かう方向に突出する回転規制突出部61と、受台ユニット20に設けられた回転規制凹部65と、を含む。
【0034】
回転規制突出部61は、座席フレーム41の前端部から受台ユニット20の第2ベースカバー36に向かう方向に延び出している。回転規制突出部61は、座席40に設けられた操作部62を操作することにより、第2ベースカバー36から座席フレーム41に向かう方向に移動可能である。
【0035】
回転規制凹部65は、受台ユニット20の第2ベースカバー36の上面に設けられている。回転規制凹部65は、第2ベースカバー36の前方領域および後方領域にそれぞれ設けられた第1回転規制凹部66および第2回転規制凹部67を含む。第1回転規制凹部66は、回転軸線Rxに平行な方向(上下方向)への投影において、第1座席側接続突出部42aのフランジ部44が第1受台側接続突出部25aのフランジ部27に重なり、第2座席側接続突出部42bのフランジ部44が第2受台側接続突出部25bのフランジ部27に重なるとき、回転規制突出部61を収容して受台ユニット20に対する座席40の回転を規制する。また、第2回転規制凹部67は、回転軸線Rxに平行な方向(上下方向)への投影において、第1座席側接続突出部42aのフランジ部44が第2受台側接続突出部25bのフランジ部27に重なり、第2座席側接続突出部42bのフランジ部44が第1受台側接続突出部25aのフランジ部27に重なるとき、回転規制突出部61を収容して受台ユニット20に対する座席40の回転を規制する。すなわち、第1回転規制凹部66に回転規制突出部61が収容されるとき、座席40は、座席40に着座した乳幼児が受台ユニット20の前方を向く前向き状態で、その受台ユニット20に対する回転が規制され、受台ユニット20から外れることが規制される。また、第2回転規制凹部67に回転規制突出部61が収容されるとき、座席40は、座席40に着座した乳幼児が受台ユニット20の後方を向く後向き状態で、その受台ユニット20に対する回転が規制され、受台ユニット20から外れることが規制される。
【0036】
次に、
図9乃至
図13を参照して、受台側接続突出部25および座席側接続突出部42の構成について、さらに詳述する。
図9は、レール部材23の分解斜視図である。また、
図10は、座席フレーム41から延び出す座席側接続突出部42の側面図である。また、
図11および
図12は、それぞれ、第1座席側接続突出部42aおよび第2座席側接続突出部42bの斜視図である。また、
図13は、座席側接続突出部42の組み立て方法を説明するための分解斜視図である。
【0037】
まず、受台側接続突出部25および座席側接続突出部42は、座席40が受台ユニット20から外れることを防止するため、十分な強度を有することが要求される。十分な強度を実現するために、受台側接続突出部25を金属部品で構成することが考えられる。また、座席側接続突出部42を金属製の補強部品で覆うことが考えられる。しかしながら、座席側接続突出部42を金属製の補強部品で覆うと、座席40が大型化してしまう。また、受台側接続突出部25と座席側接続突出部42の補強部品とを共に金属部品で構成すると、座席40を受台ユニット20に対して回転させる場合等に受台側接続突出部25と上記補強部品とが摺接して、異音が発生する虞がある。また、受台側接続突出部25および上記補強部品を金属部品で構成する場合、座席40と受台ユニット20との接続強度を維持するために、金属部品の腐食を防止する必要がある。金属部品の腐食を防止する方法としては、腐食防止用の塗装を施すことが考えられる。しかしながら、塗装を施しても、受台側接続突出部25および上記補強部品が共に金属部品で構成されている場合、両者25,42の摺接によって当該塗装が剥がれ、受台側接続突出部25および上記補強部品が腐食する虞がある。さらに、受台側接続突出部25および上記補強部品を共に金属部品で構成した場合、受台側接続突出部25および上記補強部品を所望の形に成形することは、容易ではない。このことは、チャイルドシート10の部品コストの増大をもたらす。
【0038】
このような事情を考慮して、本実施の形態の受台側接続突出部25および座席側接続突出部42は、以下のように構成されている。
【0039】
図9を参照して、受台側接続突出部25について説明する。まず、第1受台側接続突出部25aおよび第2受台側接続突出部25bのうち、後方に位置する第1受台側接続突出部25aと前方に位置する第2受台側接続突出部25bとでは、座席側接続突出部42から加わる最大負荷が異なるものと考えられる。具体的には、後方に位置する第1受台側接続突出部25aに加わる最大負荷は、前方に位置する第2受台側接続突出部25bに加わる最大負荷よりも大きいと考えられる。これは、次のような理由による。まず、例えば車両に前方から衝撃が加わる等して座席40が受台ユニット20に対して前方に傾倒する場合、座席40の座席側接続突出部42から第1受台側接続突出部25aに上方へ向かう負荷が加わる。また、車両に後方から衝撃が加わる等して座席40が受台ユニット20に対して後方に傾倒する場合、座席40の座席側接続突出部42から第2受台側接続突出部25bに上方へ向かう負荷が加わる。ここで、座席40が後方へ傾倒する場合、座席40は、受台ユニット20の背部20aあるいは車両の座席のシートの背部1bによって後方から支持される。このため、座席側接続突出部42から第2受台側接続突出部25bに加わる負荷は、その分軽減される。一方で、座席40が前方へ傾倒する場合は、座席40を前方から支持するものが存在しない。このため、座席40の座席側接続突出部42から第1受台側接続突出部25aに加わる負荷は軽減されない。
【0040】
このような事情を考慮して、前方に位置する第2受台側接続突出部25bは、金属部品を用いずに樹脂で構成する。第2受台側接続突出部25bを樹脂で構成することにより、上述した円に沿った縁部27sや壁部26tを含むフランジ部27や突出部26を作製することが容易である。これにより、チャイルドシート10の部品コストを低減させることができる。図示された例では、第2レール側接続突出部25bは、基部24と一体に形成されている。
【0041】
一方で、第1受台側接続突出部25aは、その一部に金属部材31を含む。図示された例では、第1受台側接続突出部25aは、レール部材23の基部24から回転軸線Rxと平行な方向(上下方向)に上方に延び出す樹脂製の突出部本体部30と、突出部本体部30に対して固定された金属部材31と、を含む。突出部本体部30は、基部24と一体に形成されている。金属部材31は、座席側接続突出部42と接触する接触面を構成する主板状部31aと、主板状部31aに対して屈曲して接続し突出部本体部30と共に突出部26を構成する側板状部31bと、を有する。図示された例では、金属部材の側板状部31bは、主板状部31aを介して離間して設けられた一対の側板状部31c,31cを有する。一対の側板状部31c,31cは、突出部本体部30の両側面に配置され、突出部26の両側面を構成している。金属部材31が突出部26の側面を構成する側板状部31c,31cを含むことにより、突出部26の強度が担保される。なお、このような金属部材31は、板金を打ち抜き加工及び曲げ加工することにより容易に作製することができる。これにより、受台ユニット20の(したがってチャイルドシート10の)部品コストを低減させることができる。各受台側接続突出部25a,25bは、さらに、金属部材30に固定されて受台側接続突出部25a,25bのフランジ部27を構成する金属製の補強部材32を含む。これにより、フランジ部27の強度が担保される。なお、受台側接続突出部25が樹脂製の突出部本体部30を含むことにより、上述した円に沿った壁部26tを含む突出部26を作製することが容易である。このことによっても、受台ユニット20の(したがってチャイルドシート10の)部品コストを低減させることができる。
【0042】
次に、
図10乃至
図13を参照して座席側接続突出部42について説明する。図示された例では、各座席側接続突出部42c,42d,42e,42fは、座席40の受台ユニット20に対する回転軸線Rxと平行な方向(上下方向)に広がる金属製板材45と、金属製板材45を収容するスリット状の凹部46rが形成された樹脂本体部46と、を有する。樹脂本体部46は、金属製板材45と共に、対応する座席側接続突出部42c,42d,42e,42fの突出部43およびフランジ部44を構成している。より具体的には、樹脂本体部46は、座席フレーム41から回転軸線Rxと平行な方向(上下方向)に下方に延び出す樹脂本体部突出部46aと、回転軸線Rxと平行な方向と非平行な方向に(図示された例では前後方向に)樹脂本体部突出部46aから延び出す樹脂本体部フランジ部46bと、を有する。樹脂本体部フランジ部46bは、受台側接続突出部25のフランジ部27と接触する接触面46pを有する。また、金属製板材45は、平板状の部材であり、樹脂本体部突出部46a内および樹脂本体部フランジ部46b内を回転軸線Rxと平行な方向(上下方向)に広がっている。このような金属製板材45により、座席側接続突出部42の強度を担保することができる。なお、このような金属製板材45は、板金を打ち抜き加工することにより容易に製造することができる。これにより、座席40の(したがってチャイルドシート10の)部品コストを低減させることができる。また、座席側接続突出部42が樹脂本体部46を含むことにより、上述した円に沿った縁部44sや壁部43tを含むフランジ部44や突出部43を作製することが容易である。このことによっても、座席40の(したがってチャイルドシート10の)部品コストを低減させることができる。
【0043】
なお、金属製板材45は、受台側接続突出部25のフランジ部27と接触することのないよう、その形状および寸法が決定されている。
【0044】
上述したように、第1受台側接続突出部25aおよび第2受台側接続突出部25bのフランジ部27がそれぞれ金属および樹脂で構成され、各座席側接続突出部42c,42d,42e,42fのフランジ部44が樹脂で構成されている。すなわち、第1受台側接続突出部25aおよび第2受台側接続突出部25bは、それぞれ、座席側接続突出部42と接触する金属製の接触面31pおよび樹脂製の接触面27pを有し、座席側接続突出部42は、受台側接続突出部25と接触する樹脂製の接触面46pを有する。これにより、座席40と受台ユニット20との接続部における異音の発生や腐食の虞を低減させることができる。
【0045】
また、座席側接続突出部42が金属製板材45を含むことにより、座席側接続突出部42の強度が向上する。この結果、座席40の受台ユニット20への接続部分の強度を向上させることができる。
【0046】
なお、図示された例では、各座席側接続突出部42c,42d,42e,42fの樹脂本体部46は、座席フレーム41と一体に形成された本体部基部47と、本体部基部47に保持された本体部接続部48と、を含む。
図13から理解されるように、本体部接続部48は、その一部が本体部基部47に形成された凹部47rに収容されて、当該本体部基部47に固定されている。また、本体部接続部48は、金属製板材45を収容する凹部46rを有し、金属製板材45を保持している。金属製板材45は、本体部接続部48の本体部基部47への接続部分まで延び入っている。座席側接続突出部42c,42d,42e,42fがこのように構成されていることにより、座席フレーム41から延び出し金属製板材45を保持する座席側接続突出部42c,42d,42e,42fを組み立てることが容易である。また、座席側接続突出部42c,42d,42e,42fと座席フレーム41との接続強度を低下させることなく、座席側接続突出部42c,42d,42e,42fを小型化することができる。具体的には、座席フレーム41と本体部接続部48とを接続する本体部基部47の寸法を、本体部基部47と座席フレーム41および本体部接続部48との間の十分な接続強度を担保可能な寸法(厚み)にしつつ、金属製板材45で補強された本体部接続部48の寸法を小さくすることができる。図示された例では、本体部接続部48は、リブ48iによってリブ補強されている。これにより、本体部接続部48を(したがって座席側接続突出部42c,42d,42e,42fを)さらに小型化しつつ、その強度をさらに向上させることができる。
【0047】
さらに、図示された例では、座席側接続突出部42の各樹脂本体部46(より具体的には本体部基部47)は、幅方向に延びるリブ46iによって座席フレーム41のリブ補強された部分41jに接続されている。これにより、樹脂本体部46(より具体的には本体部基部47)と座席フレーム41との接続強度が向上する。また、座席フレーム41そのものの強度も向上する。したがって、例えば車両が急停止するなどして座席40に慣性力が働いた際に、樹脂本体部46が受台側接続突出部25に強固に保持されていることで、樹脂本体部46に接続された座席フレーム41が破壊される、という虞が低減される。すなわち、座席40と座席40を受台ユニット20へ接続する接続部分との接続強度を向上させることができる。
【0048】
さらに、図示された例では、一側第1座席側接続突出部42cの樹脂本体部46(より具体的には本体部基部47)と一側第2座席側接続突出部42eの樹脂本体部46(より具体的には本体部基部47)とは、前後方向に延びるリブ46mによって接続されている。また、他側第1座席側接続突出部42dの樹脂本体部46(より具体的には本体部基部47)と他側第2座席側接続突出部42fの樹脂本体部46(より具体的には本体部基部47)とは、前後方向に延びるリブ46nによって接続されている。これにより、座席フレーム41を前後方向に沿って曲げるように働く曲げ応力に対する座席フレーム41の強度が向上する。この結果、車両が急停止あるいは急発進するなどして座席40に前方あるいは後方への慣性力が働いた際に座席フレーム41が変形し損傷する虞を、低減させることができる。
【0049】
なお、上述した例では、受台側接続突出部25が金属製の接触面31pを有し、座席側接続突出部42が樹脂製の接触面46pを有する例について説明してきたが、これに限られない。受台側接続突出部25が樹脂製の接触面を有し、座席側接続突出部42が金属製の接触面を有していてもよい。この場合、受台側接続突出部25が、金属製板材45および金属製板材45を収容する凹部46rが形成された樹脂本体部46を有してよい。また、座席側接続突出部42が、金属製の接触面を構成する金属部材31およびフランジ44を構成する補強部材32を含んでよい。
【0050】
また、上述した例では、回転規制手段60の回転規制突出部61が座席40に設けられ、回転規制凹部65が受台ユニット20に設けられる例について説明してきたが、これに限られない。回転規制突出部61が受台ユニット20に設けられ、回転規制凹部65が座席40に設けられてもよい。この場合、回転規制突出部61は、受台ユニット20から座席40に向かう方向に突出し、座席40から受台ユニット20に向かう方向に移動可能であってよい。
【0051】
以上のように、本実施の形態によれば、チャイルドシート10は、座席40と、座席40を支持する受台ユニット20と、を備えている。受台ユニット20は、座席40と接続するための受台側接続突出部25を有し、座席40は、座席フレーム41と、座席フレーム41から延び出し受台側接続突出部25と接触する座席側接続突出部42と、を有している。受台側接続突出部25および座席側接続突出部42が接触することで、座席40が受台ユニット20から外れることを規制している。そして、座席側接続突出部42は、座席フレーム41のリブ補強された部分41jに接続した樹脂本体部46と、樹脂本体部46に保持された金属製板材45とを含む。
【0052】
このようなチャイルドシート10によれば、追加の補強部品を用いることなく、座席40の受台ユニット20への接続強度を向上させることができる。言い換えると、座席40の受台ユニット20への接続強度を損なうことなく、座席40を小型化することができる。
【0053】
本実施の形態において、樹脂本体部46は、リブ補強されている。これにより、樹脂本体部46を小型化しつつ、その強度を向上させることができる。
【0054】
本実施の形態において、座席側接続突出部42は、座席フレーム41から上下方向に延び出す突出部43と、上下方向と非平行な方向に突出部43から延び出すフランジ部44と、を有している、そして、金属製板材45は、突出部43及びフランジ部44の一部を構成している。これにより、座席側接続突出部42を小型化しつつ、その強度を効果的に向上させることができる。
【0055】
本実施の形態において、金属製板材45は上下方向に広がる。このような金属製板材45によれば、座席側接続突出部42を大型化することなく、座席側接続突出部42の強度を向上させることができる。
【0056】
本実施の形態において、樹脂本体部46は、金属製板材45を収容する凹部45rを有する。これにより、金属製板材45を樹脂本体部46に容易に保持させることができる。
【0057】
本実施の形態において、座席側接続突出部42は、前後方向に互いから離間して設けられた第1座席側接続突出部42aおよび第2座席側接続突出部42bを有している。第1座席側接続突出部42aおよび第2座席側接続突出部42bは、それぞれ、樹脂本体部46および金属製板材45を含んでいる。そして、第1座席側接続突出部42aの樹脂本体部46と第2座席側接続突出部42bの樹脂本体部46とは、前後方向に延びるリブ46m,46nによって接続されている。これにより、座席フレーム41を前後方向に沿って曲げるように働く曲げ応力に対する座席フレーム41の強度を向上させることができる。この結果、車両が急停止あるいは急発進するなどして座席40に前方あるいは後方への慣性力が働いた際に座席フレーム41が変形し損傷する虞を、低減させることができる。
【0058】
図示された例では、第1座席側接続突出部42aは、座席40の幅方向の一側および他側にそれぞれ設けられた一側第1座席側接続突出部42cおよび他側第1座席側接続突出部42dを含んでいる。第2座席側接続突出部42bは、座席40の幅方向の一側および他側にそれぞれ設けられた一側第2座席側接続突出部42eおよび他側第2座席側接続突出部42fを含んでいる。一側第1座席側接続突出部42c、他側第1座席側接続突出部42d、一側第2座席側接続突出部42eおよび他側第2座席側接続突出部42fは、それぞれ、樹脂本体部46および金属製板材45を含んでいる。そして、一側第1座席側接続突出部42cの樹脂本体部46と一側第2座席側接続突出部42eの樹脂本体部46とは、前後方向に延びるリブ46mによって接続されており、他側第1座席側接続突出部42dと他側第2座席側接続突出部42fとは、前後方向に延びるリブ46nによって接続されている。
【0059】
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。