特許第6951353号(P6951353)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6951353X線撮像装置におけるクロス散乱を補償するためのX線検出器の駆動
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6951353
(24)【登録日】2021年9月28日
(45)【発行日】2021年10月20日
(54)【発明の名称】X線撮像装置におけるクロス散乱を補償するためのX線検出器の駆動
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/02 20060101AFI20211011BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20211011BHJP
   H04N 5/32 20060101ALI20211011BHJP
【FI】
   A61B6/02 301A
   A61B6/00 320Z
   H04N5/32
【請求項の数】10
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2018-544160(P2018-544160)
(86)(22)【出願日】2017年2月21日
(65)【公表番号】特表2019-508133(P2019-508133A)
(43)【公表日】2019年3月28日
(86)【国際出願番号】EP2017053951
(87)【国際公開番号】WO2017144474
(87)【国際公開日】20170831
【審査請求日】2020年2月18日
(31)【優先権主張番号】16156997.5
(32)【優先日】2016年2月23日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】アルヴィン ペーター レックス
(72)【発明者】
【氏名】スタインハウザー ヘイドラン
(72)【発明者】
【氏名】ステージフース ハーマン
【審査官】 遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−205767(JP,A)
【文献】 特開2005−137878(JP,A)
【文献】 特開2010−115270(JP,A)
【文献】 特開2010−094509(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/046875(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0245545(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0157841(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00−6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を撮像するための装置であって、前記装置は、
X線検出器と、
少なくとも1つのX線供給源と
を含み、
前記少なくとも1つのX線供給源は、前記少なくとも1つのX線供給源と前記X線検出器との間の領域の少なくとも一部が、物体を収容するための検査領域となるように、前記X線検出器に対して位置決めされており、
前記X線検出器は、複数のX線放射検出エリアを含み、前記複数のX線検出エリアは、複数の第1のピクセルを含む第1のエリアと、複数の第2のピクセルを含む第2のエリアとを含み、
前記少なくとも1つのX線供給源によって前記少なくとも1つのX線供給源の第1の空間的位置から放出される第1の放射線は、前記少なくとも1つのX線供給源によって前記少なくとも1つのX線供給源の第2の空間的位置から放出される第2の放射線が、前記第2のピクセルの少なくとも一部分によって受け取られる前に、前記第1のピクセルの少なくとも一部分によって受け取られるように、前記装置が構成され、前記第1の放射線は、放射線のパルスであり、前記第2の放射線は、前記第1の放射線とは異なる放射線のパルスであり、前記X線検出器は、ピクセルによって受け取られるX線放射がそのピクセルの中の信号の発生につながるように構成されており、
前記X線検出器は、前記第1のエリアに関連付けられている第1の複数のストレージノードと、前記第2のエリアに関連付けられている第2の複数のストレージノードとを含み、前記第1の複数のストレージノードは、前記複数の第1のピクセル上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶し、前記第2の複数のストレージノードは、前記複数の第2のピクセル上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶し、
前記X線検出器は、前記複数の第1の信号が記憶された後に、前記複数の第2の信号が記憶されるように構成されており、
前記X線検出器は、少なくとも1つのリセットを含み、前記少なくとも1つのリセットは、前記複数の第1のピクセルをリセットし、また、前記複数の第2のピクセルをリセットし、前記少なくとも1つのリセットが前記複数の第2のピクセルをリセットする前に、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される前記第1の放射線が第1のピクセルの前記一部分によって受け取られ、また、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される前記第2の放射線が第2のピクセルの前記一部分によって受け取られる前に、前記少なくとも1つのリセットが前記複数の第2のピクセルをリセットし、
前記X線検出器は、前記第1の複数のストレージノードに関連付けられた第1の読み出しと、前記第2の複数のストレージノードに関連付けられた第2の読み出しとを含み、前記第1の読み出しは、前記複数の第1の信号を読み出し、前記第2の読み出しは、前記複数の第2の信号を読み出し、前記複数の第1の信号の読み出しが終了する前に、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される前記第2の放射線が第2のピクセルの前記一部分によって受け取られるように、前記X線検出器が構成されている、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのリセットが前記複数の第1のピクセルをリセットする前に、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される前記第2の放射線が第2のピクセルの前記一部分によって受け取られるように、前記X線検出器が構成されており、また、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される第3の放射線が第1のピクセルの前記一部分によって受け取られる前に、前記少なくとも1つのリセットが前記複数の第1のピクセルをリセットするように、前記X線検出器が構成されており、前記第3の放射線が、前記第1の放射線及び前記第2の放射線とは異なる放射線のパルスである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の第2の信号の読み出しが終了する前に、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される前記第3の放射線が第1のピクセルの前記一部分によって受け取られるように、前記X線検出器が構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
物体を撮像するためのX線検出器であって、前記X線検出器は、複数のX線放射検出エリアを含み、前記複数のX線検出エリアは、複数の第1のピクセルを含む第1のエリアと、複数の第2のピクセルを含む第2のエリアとを含み、
動作中、少なくとも1つのX線供給源によって第1の空間的位置から放出される第1の放射線は、前記少なくとも1つのX線供給源によって第2の空間的位置から放出される第2の放射線が、前記第2のピクセルの少なくとも一部分によって受け取られる前に、前記第1のピクセルの少なくとも一部分によって受け取られ、前記第1の放射線は、放射線のパルスであり、前記第2の放射線は、前記第1の放射線とは異なる放射線のパルスであり、前記X線検出器は、ピクセルによって受け取られるX線放射がそのピクセルの中の信号の発生につながるように構成されており、
前記X線検出器は、前記第1のエリアに関連付けられている第1の複数のストレージノードと、前記第2のエリアに関連付けられている第2の複数のストレージノードとを含み、前記第1の複数のストレージノードは、前記複数の第1のピクセル上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶し、前記第2の複数のストレージノードは、前記複数の第2のピクセル上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶し、
前記X線検出器は、前記複数の第1の信号が記憶された後に、前記複数の第2の信号が記憶されるように構成されており、
前記X線検出器は、少なくとも1つのリセットを含み、前記少なくとも1つのリセットは、前記複数の第1のピクセルをリセットし、また、前記複数の第2のピクセルをリセットし、前記少なくとも1つのリセットが前記複数の第2のピクセルをリセットする前に、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される前記第1の放射線が第1のピクセルの前記一部分によって受け取られ、また、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される前記第2の放射線が第2のピクセルの前記一部分によって受け取られる前に、前記少なくとも1つのリセットが前記複数の第2のピクセルをリセットし、
前記X線検出器は、前記第1の複数のストレージノードに関連付けられた第1の読み出しと、前記第2の複数のストレージノードに関連付けられた第2の読み出しとを含み、前記第1の読み出しは、前記複数の第1の信号を読み出し、前記第2の読み出しは、前記複数の第2の信号を読み出し、
前記複数の第1の信号の読み出しが終了する前に、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される前記第2の放射線が第2のピクセルの前記一部分によって受け取られるように構成されている、X線検出器。
【請求項5】
X線検出器による物体の撮像のための方法であって、前記X線検出器は、複数のX線放射検出エリアを含み、前記複数のX線検出エリアは、複数の第1のピクセルを含む第1のエリアと、複数の第2のピクセルを含む第2のエリアとを含み、前記方法は、
前記X線検出器の前記第1のエリアの前記複数の第1のピクセルの少なくとも一部分によって、少なくとも1つのX線供給源によって第1の空間的位置から放出される第1の放射線を受け取るステップa)であって、前記第1の放射線は、放射線のパルスであり、前記X線検出器は、ピクセルによって受け取られるX線放射がそのピクセルの中の信号の発生につながるように構成される、ステップa)と、
前記第1のエリアに関連付けられた第1の複数のストレージノードの中に、前記複数の第1のピクセル上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶するステップb)と、
前記ステップa)の後、及び、ステップe)の前に、前記複数の第2のピクセルをリセットするステップc)と、
前記ステップb)の後に、前記第1の複数のストレージノードに関連付けられた第1の読み出しによって、前記複数の第1の信号を読み出すステップd)と、
前記ステップa)の後に、前記X線検出器の前記第2のエリアの前記複数の第2のピクセルの少なくとも一部分によって、前記少なくとも1つのX線供給源によって前記少なくとも1つのX線供給源の第2の空間的位置から放出される第2の放射線を受け取るステップe)であって、前記第2の放射線は、前記第1の放射線とは異なる放射線のパルスであり、前記ステップd)が終了する前に、前記ステップe)が開始する、ステップe)と、
前記第2のエリアに関連付けられた第2の複数のストレージノードの中に、前記複数の第2のピクセル上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶するステップg)と
を有する、方法。
【請求項6】
前記ステップe)の後に、前記複数の第1のピクセルをリセットするステップf)と、
前記ステップf)の後に、前記X線検出器の前記第1のエリアの第1のピクセルの前記一部分によって、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される第3の放射線を受け取るステップi)と、
を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップg)の後に、前記少なくとも1つの第2の複数のストレージノードに関連付けられた少なくとも1つの第2の読み出しによって、前記複数の第2の信号を読み出すステップh)を有し、
前記ステップh)が終了する前に、前記ステップi)を開始する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ステップa)は、
前記X線検出器の前記第1のエリアの第1のピクセルの第1のサブ部分によって、X線供給源によって放出される放射線を受け取るステップa1)と、
前記X線検出器の前記第1のエリアの第1のピクセルの第2のサブ部分によって、前記ステップa1)の前記X線供給源とは異なるX線供給源によって放出される放射線を受け取るステップa2)とを有し、
前記少なくとも1つの第1の複数のストレージノードは、少なくとも2つの複数のストレージノードを含み、前記ステップb)は、
前記第1のエリアに関連付けられた複数のストレージノードの中に、第1のピクセルの前記第1のサブ部分上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶するステップb1)と、
前記第1のエリアに関連付けられた複数のストレージノードの中に、第1のピクセルの前記第2のサブ部分上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶するステップb2)であって、前記ステップb2中の前記複数のストレージノードは、前記ステップb1中の前記複数のストレージノードとは異なっている、ステップb2)と
を有し、
前記ステップc)は、
記複数の第1のピクセルをリセットし、前記複数の第2のピクセルをリセットするステップc1)を有し、
前記ステップe)は、
前記X線検出器の前記第2のエリアの第2のピクセルの第1のサブ部分によって、X線供給源によって放出される放射線を受け取るステップe1)と、
前記X線検出器の前記第2のエリアの第2のピクセルの第2のサブ部分によって、前記ステップe1)の中の前記X線供給源とは異なるX線供給源によって放出される放射線を受け取るステップe2)と
を有し、
前記少なくとも1つの第2の複数のストレージノードは、少なくとも2つの複数のストレージノードを含み、前記ステップg)は、
前記第2のエリアに関連付けられた複数のストレージノードの中に、第2のピクセルの前記第1のサブ部分上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶するステップg1)と、
前記第2のエリアに関連付けられた複数のストレージノードの中に、第2のピクセルの前記第2のサブ部分上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶するステップg2)であって、前記ステップg2)中の前記複数のストレージノードは、前記ステップg1)中の前記複数のストレージノードとは異なっている、ステップg2)とを有する、請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか一項に記載の装置を制御するためのコンピュータープログラムであって、前記コンピュータープログラムは、プロセッサーによって実行されるときに、請求項5から8のいずれか一項に記載の方法を実施する、コンピュータープログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のコンピュータープログラムを記憶した、コンピューター可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体を撮像するための装置、物体を撮像するためのX線検出器、並びに、物体を撮像するための方法、並びに、コンピュータープログラムエレメント及びコンピューター可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像の中のモーションアーチファクトを最小化するために、異なる視線方向からのビームが、可能な限り時間的に近くで獲得されるべきである。同時の露光は、容認できないクロス散乱を与える可能性がある。第1の露光の検出器読み出しは、第2の露光が起こり得る前に終了されるべきである。これは、第2の露光からのクロス散乱が、読み出されている第1の露光の信号電荷に追加されるからである。他方では、非同時の(又は、続いて起こる)露光は、容認できないモーションアーチファクトにつながる可能性がある。4つの同時のビームを備えた従来の検出器では、全体的な読み出し時間は、検出器を読み出すための時間に露光パルス持続期間を加えたものに等しく、高いクロス散乱に悩まされている。他方では、4つのビームのシーケンシャルな読み出しは、同時のケースに関するものの4倍に等しい全体的な読み出しを必要とし、モーションアーチファクトは、容認できない可能性がある。
【0003】
米国特許出願公開第2005/157841A号明細書は、物体の平面的なセグメントのイメージを発生させるための撮像システムを説明している。撮像システムは、X線供給源、平面的な検出器、及びコントローラーを含む。X線供給源は、第1及び第2の供給源ポイントからX線を発生させ、第1及び第2の供給源ポイントからのX線は、物体を通過する。平面的な検出器は、複数の光検出器を含み、複数の光検出器は、X線を可視光へ変換するシンチレーション材料の層によってカバーされており、平面的な検出器は、X線が物体を通過した後に、第1及び第2の供給源ポイントからX線を受け取るように位置決めされている。コントローラーは、供給源ポイントのどちらが任意の所与の時間においてX線を発生させるかを選択する。コントローラーは、第1のイメージを読み取り、第1のイメージは、第1の供給源ポイントからのX線によって形成されており、また、平面的な検出器の第1の部分の中に記憶されており、一方、光検出器の第2の部分は、第2の供給源ポイントからのX線を測定する。
【0004】
米国特許出願公開第2013/240712A号明細書は、放射線撮像装置を説明しており、放射線撮像装置は、撮像ユニットと制御ユニットとを含み、撮像ユニットの中には、複数のピクセルが、複数の行及び複数の列を形成するように配置されており、制御ユニットは、撮像ユニットを制御するように構成されており、複数のピクセルのそれぞれを繰り返して初期化するためのリセット動作を実施するようになっており、また、リセット動作の後に、複数のピクセルのそれぞれからの信号をシーケンシャルに読み出すための読み出し動作を実施するようになっており、リセット動作の1つのサイクル長さは、読み出し動作のために必要とされる時間の期間よりも短くなっており、リセット動作の中で複数のピクセルのそれぞれに供給される信号のパルス幅は、読み出し動作の中で複数のピクセルのそれぞれに供給される信号のパルス幅よりも短くなっている。
【0005】
米国特許第5432334A号明細書は、さまざまな撮像技法において使用するための放射線撮像方法及びシステムが、第1及び第2の波長における放射線の供給源を含むということを説明している。第1の放射線ターゲットアレイは、第1の特別な場所において第1の波長から放射線を受け取り、第1の特別な場所のそれぞれにおける放射線の大きさに関連する、第1の放射線ターゲットアレイの中の場所において出力信号のアレイを作り出す。第2の放射線ターゲットアレイは、第2の特別な場所において第2の波長における放射線を受け取り、第2の特別な場所のそれぞれにおける放射線の大きさに関連する、第2の放射線ターゲットアレイの中の場所において出力信号のアレイを作り出す。第1及び第2の出力は、組み合わせられたイメージ信号を作り出すように組み合わせられ、組み合わせられたイメージ信号は、第1の出力又は第2の出力のいずれかの単独によって作り出されるものよりも増加したコントラストを有する。好適な実施形態では、第1及び第2の放射線ターゲットアレイは、アモルファスシリコンアレイを含み、アモルファスシリコンアレイでは、第1及び第2の放射線ターゲットからのセンサーデータが、アレイから同調してクロックされる(clocked)。
【0006】
米国特許出願公開第2005/018065A号明細書は、イメージピックアップ装置を説明しており、イメージピックアップ装置は、2次元の状態で配置されたピクセルを有するイメージピックアップエレメントを含み、それぞれのピクセルは、光電変換部分と、光電変換部分の中で発生させられる光電変換信号を保持するための第1の保持部分と、ピクセルの中で発生させられるノイズ信号を保持するための第2の保持部分とを備えている。
【0007】
米国特許出願公開第2009/244337A号明細書は、ソリッドステート撮像装置を説明しており、ソリッドステート撮像装置は、光電変換デバイスをそれぞれ含有する複数のピクセルがアレイになるように形成されているピクセルセクションと;ピクセルからの信号のうちのリセット信号及び光信号の一方又は他方を保持するための保持回路と;ADコンバーターとを含み、ADコンバーターは、2つの入力信号端子を有する遅延回路であって、その入力信号端子のうちの一方には、保持回路に保持されている信号が入力され、また、その入力信号端子のうちの他方には、保持回路に保持されていない他方の信号が入力され、前記遅延回路は、遅延デバイスを有しており、遅延デバイスは、前記一方及び他方の入力信号端子に入力された信号の差の範囲に対応する遅延量を走行パルスに与えるために、複数のステージへと接続されている、遅延回路と;パルスの走行位置を所定のタイミングごとにサンプリング及びエンコードし、入力信号同士の間の差に対応するデジタル値を発生させるためのエンコーダーとを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
たとえば、4D撮像などのための、物体を撮像するための改善された装置を有することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決され、さらなる実施形態が、従属請求項の中に組み込まれている。また、以下の説明されている本発明の態様は、物体を撮像するための装置、物体を撮像するためのX線検出器、物体を撮像するための方法、並びに、コンピュータープログラムエレメント及びコンピューター可読媒体にも適用されるということが留意されるべきである。
【0010】
第1の態様によれば、物体を撮像するための装置であって、前記装置は、
X線検出器と、
少なくとも1つのX線供給源と
を含む、装置が提供される。
【0011】
少なくとも1つのX線供給源は、少なくとも1つのX線供給源とX線検出器との間の領域の少なくとも一部が、物体を収容するための検査領域となるように、X線検出器に対して位置決めされるように構成されている。X線検出器は、複数のX線放射検出エリアを含む。複数のX線検出エリアは、複数の第1のピクセルを含む第1のエリアと、複数の第2のピクセルを含む第2のエリアとを含む。少なくとも1つのX線供給源によって放出される第1の放射線は、第1のピクセルの少なくとも一部分によって受け取り可能であり、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第2の放射線は、第2のピクセルの少なくとも一部分によって受け取り可能である。X線検出器は、ピクセルによって受け取られるX線放射がそのピクセルの中の信号の発生につながるように構成されている。X線検出器は、第1のエリアに関連付けられている少なくとも1つの第1の複数のストレージノードと、第2のエリアに関連付けられている少なくとも1つの第2の複数のストレージノードとを含む。少なくとも1つの第1の複数のストレージノードは、複数の第1のピクセル上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶するように構成されており、少なくとも1つの第2の複数のストレージノードは、複数の第2のピクセル上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶するように構成されている。少なくとも1つの第1の複数のストレージノードが複数の第1の信号を記憶するように構成された後に、少なくとも1つの第2の複数のストレージノードは、複数の第2の信号を記憶するように構成されている。
【0012】
換言すれば、装置は、物体を4D撮像するために使用され得る。ここで、第1の放射線は、少なくとも1つのX線供給源によって放出され得る放射線のパルスを意味しており、第2の放射線は、第1の放射線とは異なる、少なくとも1つのX線供給源によって放出され得る放射線のパルスを意味している。一例では、第1及び第2の放射線は、異なるX線供給源によって放出される。一例では、第1及び第2の放射線は、同じX線供給源によって放出され、そのX線供給源は、拡張された放出エリアを有しており、アパーチャー及び/又はシャッターが使用されている。一例では、第1及び第2の放射線は、同じX線供給源によって放出され、そのX線供給源は、第1の放射線の放出のために1つの空間的位置にあり、また、第2の放射線の放出のために第2の空間的位置にある(換言すれば、X線供給源は、この例では移動可能であり得る)。
【0013】
このように、単一の検出器は、2つの検出器又は3つ以上の検出器の使用を通して必要とされる利点を提供することが可能であるが、しかし、信号がハンドリングされる様式が、単一の検出器の中にこの機能性を提供し、検出器同士の間にデッドエリアが存在しないという追加された利点を伴い、コスト、サイズ、及び電力消費の低減の追加された利点を伴う。1つだけの検出器を有することによって、システムインテグレーションが改善され得る。
【0014】
このように、2つのX線ビームが検出器の一方のハーフを同時に照射し、それに続いて、2つのX線ビームが検出器の第2のハーフを同時に照射する状態で動作するシステムにおいて、クロス散乱は低減され得、動作のサイクル時間は、読み出し時間に等しい。このように、サイクル時間は、ここで、2つの読み出し及び2つの露光時間の総和とは対照的に、2つの露光時間又は1つの読み出し時間のいずれか、どちらか長い方によって支配される。このように、1つのX線ビームが検出器の一方のハーフの第1のパートを照射し、それに続いて、第2のX線ビームが検出器のその第1のハーフの第2のパートを照射し、それに続いて、第3のX線ビームが、検出器の第2のハーフの第1のパートを照射し、それに続いて、第4のX線ビームが検出器の第2のハーフの第2のパートを照射する状態で動作するシステムにおいて、クロス散乱はさらに低減され得、動作のサイクル時間は、1つの露光時間プラス1つの読み出し時間に4を掛けたものとは対照的に、読み出し時間の2倍に等しいか、又は、露光時間(露光の間の読み出し時間)の4倍であるか、どちらか長い方である。したがって、2つのX線ビームが検出器の一方のハーフを同時に照射し、次いで、検出器の他方のハーフを同時に照射するケースに関して、サイクルレートはより遅くなるが、その利点は、散乱が少なくなり、したがって、より良好な信号対ノイズ比となり、また、特定の状況では、たとえば、X線放射のパルスがシーケンシャルに受け取られるときには、クロス散乱が全くないことさえもあるということである。6つのX線ビームが、クロス散乱が低減された状態で検出器を照射し、動作のサイクル時間は、読み出し時間の3倍(又は、上記に議論されているように露光時間の6倍、のいずれか長い方)であり、8つのX線ビームが、クロス散乱が低減された状態で検出器を照射し、ここで、それらの8つのX線ビームのうち、第1のペアのビームが検出器を同時に照射し、第2のペアのビームが検出器を同時に照射し、残りの4つのX線ビームが異なる時間に検出器を照射することによって、さらなる照射可能性が実現され得、動作のサイクル時間は、読み出し時間の3倍に等しいか、又は、サイクル時間は、このケースでは、6つの露光時間プラス1つの読み出し時間であるか、いずれか長い方である。
【0015】
換言すれば、検出器は、半分に区分され得、それらの半分は、さらに半分に区分されており、過剰なフレキシビリティーを提供し、ここでは、露光が、時間的に分離され、クロス散乱の影響を低減及び/又は回避することが可能であり、一方、検出器の半分は、依然として一緒に読み出され得、また、検出器の一方のハーフが照射されている間に、他方のハーフが読み出され得る。
【0016】
このように、フレームトランスファーが検出器の異なるパートに適用される状態で動作する検出器を利用する装置が提供され、検出器の一方のパートのデータの読み出しは、検出器の別のパートの同時の照射に沿って可能になる。
【0017】
フレームトランスファーは、以下のように説明され得る。ピクセルの中に収集された信号は、(リセット又は新しい信号収集のような)任意の他の動作が信号を破壊する前に、読み出されるか又は記憶されなければならない。読み出しフェーズが比較的に長い時間を要するときには、ピクセルの中のストレージノードの上にピクセル信号を記憶することが有益である可能性がある。ストレージノードの上にピクセル信号を記憶することは、通常は、いわゆるサンプルアンドホールド回路によって行われる。コピープロセスが完了したときに、オリジナル信号は破壊され得る。ピクセル信号(電荷)をストレージキャパシターに転送することも可能である。ここで、異なる検出器区分化スキームに関して適用されるように、フレームトランスファーは、ピクセルの中の1つ又は複数のストレージノードにピクセル信号をコピー又は転送するために使用され、後の時間に、信号が読み出されることを可能にする。
【0018】
第1の例によれば、X線検出器は、少なくとも1つのリセットを含み、少なくとも1つのリセットは、複数の第1のピクセルをリセットするように構成されており、また、複数の第2のピクセルをリセットするように構成されている。少なくとも1つのリセットが複数の第2のピクセルをリセットする前に、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第1の放射線が第1のピクセルの一部分によって受け取り可能であるように、X線検出器が構成されている。また、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第2の放射線が第2のピクセルの一部分によって受け取り可能である前に、少なくとも1つのリセットが複数の第2のピクセルをリセットするように、検出器が構成されている。
【0019】
換言すれば、検出器の第1のエリア(これは、第1のピクセルを有している)が照射され得る。次いで、リセットが、検出器の第2のエリア(これは、第2のピクセルを有している)に適用され得る。このように、第2のエリアの中の任意のクロス散乱信号が消去され得る。次いで、第2のエリアが照射され得、正確な信号が獲得されることを可能にする。また、(第1のエリアの)第1のピクセルの中に発生させられる信号が、少なくとも1つの複数のストレージノード(たとえば、サンプルアンドホールド回路)の中に記憶され得るので、リセットが、検出器の1つのパートに適用され得、一方、サンプルアンドホールドフェーズが検出器の別のパートに適用された状態になっている。したがって、これは、検出器の別のパートが照射されている間に、信号が検出器の一方のパートから読み出されることを可能にする。
【0020】
一例では、X線検出器は、少なくとも1つの第1の複数のストレージノードに関連付けられた少なくとも1つの第1の読み出しと、少なくとも1つの第2の複数のストレージノードに関連付けられた少なくとも1つの第2の読み出しとを含む。少なくとも1つの第1の読み出しは、複数の第1の信号を読み出すように構成されており、少なくとも1つの第2の読み出しは、複数の第2の信号を読み出すように構成されている。複数の第1の信号の読み出しが終了する前に、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第2の放射線が第2のピクセルの一部分によって受け取り可能であるように、検出器が構成されている。
【0021】
一例では、少なくとも1つのリセットが複数の第1のピクセルをリセットする前に、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第2の放射線が第2のピクセルの一部分によって受け取り可能であるように、X線検出器が構成されており、また、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第3の放射線が第1のピクセルの一部分によって受け取り可能である前に、少なくとも1つのリセットが複数の第1のピクセルをリセットするように、X線検出器が構成されている。
【0022】
換言すれば、第1の供給源(又は、アパーチャー及び/若しくはシャッター又は移動式供給源によって拡張されたもの)によって、検出器の第1のエリア(これは、第1のピクセルを有している)が照射され得る。次いで、リセットが、検出器の第2のエリア(これは、第2のピクセルを有している)に適用され得る。このように、第1のエリアの照射に起因する、第2のエリアの中の任意のクロス散乱信号が消去され得る。次いで、第2の供給源(又は、アパーチャー及び/若しくはシャッター又は移動式供給源によって拡張されたもの)によって、第2のエリアが照射され得、正確な信号が獲得されることを可能にする。また、(第1のエリアの)第1のピクセルの中に発生させられる信号が、少なくとも1つの複数のストレージノード(たとえば、サンプルアンドホールド回路)の中に記憶され得るので、リセットが、検出器の1つのパートに適用され得、一方、サンプルアンドホールドフェーズが検出器の別のパートに適用された状態になっている。したがって、これは、検出器の第2のエリアが照射されている間に、信号が検出器の第1のエリアから読み出されることを可能にする。検出器の第2のパートの照射は、第1のエリア(これは、第1のピクセルを有している)の中のクロス散乱信号につながることとなる。したがって、リセットを第1のエリアに適用することによって、第2のエリアの照射に起因する、第1のエリアの中の任意のクロス散乱信号が消去され得る。次いで、第1のエリアは、第1の供給源によって(再び)照射され得、正確な信号が獲得されることを可能にする。また、(第2のエリアの)第2のピクセルの中に発生させられる信号は、少なくとも1つの複数のストレージノード(たとえば、サンプルアンドホールド回路)の中に記憶され得るので、リセットが、検出器の第1のエリアに適用され得、一方、サンプルアンドホールドフェーズが検出器の第2のエリアに適用された状態になっている。このように、装置の検出器が、循環的な様式で動作され得、ムービーのような様式で画像を獲得する。
【0023】
ここで、放射線の第3のパルスは、少なくとも1つのX線供給源によって放出され得る放射線のパルスを意味しており、この放射線は、第1の放射線とは異なっており、また、第2の放射線とは異なっている。
【0024】
一例では、第1及び第3の放射線は、異なるX線供給源によって放出される。一例では、第1及び第3の放射線は、同じX線供給源によって放出される。一例では、第1及び第2の放射線は、同じX線供給源によって放出され、そのX線供給源は、第1の放射線の放出のために1つの空間的位置にあり、また、第2の放射線の放出のために第2の空間的位置にあり、X線供給源は、オリジナル位置に戻り、第3の放射線を放出する(換言すれば、X線供給源は、この例では移動可能であり得る)。
【0025】
一例では、複数の第2の信号の読み出しが終了する前に、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第3の放射線が第1のピクセルの一部分によって受け取り可能であるように、X線検出器が構成されている。
【0026】
別の態様では、物体を撮像するためのX線検出器が提供される。X線検出器は、複数のX線放射検出エリアを含む。複数のX線検出エリアは、複数の第1のピクセルを含む第1のエリアと、複数の第2のピクセルを含む第2のエリアとを含む。少なくとも1つのX線供給源によって放出される第1の放射線は、第1のピクセルの少なくとも一部分によって受け取り可能であり、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第2の放射線は、第2のピクセルの少なくとも一部分によって受け取り可能である。X線検出器は、ピクセルによって受け取られるX線放射がそのピクセルの中の信号の発生につながるように構成されている。X線検出器は、第1のエリアに関連付けられている少なくとも1つの第1の複数のストレージノードと、第2のエリアに関連付けられている少なくとも1つの第2の複数のストレージノードとを含む。少なくとも1つの第1の複数のストレージノードは、複数の第1のピクセル上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶するように構成されており、少なくとも1つの第2の複数のストレージノードは、複数の第2のピクセル上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶するように構成されている。少なくとも1つの第1の複数のストレージノードが複数の第1の信号を記憶するように構成された後に、少なくとも1つの第2の複数のストレージノードは、複数の第2の信号を記憶するように構成されている。X線検出器は、少なくとも1つのリセットを含み、少なくとも1つのリセットは、複数の第1のピクセルをリセットするように構成されており、また、複数の第2のピクセルをリセットするように構成されている。少なくとも1つのリセットが複数の第2のピクセルをリセットする前に、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第1の放射線が第1のピクセルの一部分によって受け取り可能であるように、X線検出器が構成されている。また、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第2の放射線が第2のピクセルの一部分によって受け取り可能である前に、少なくとも1つのリセットが複数の第2のピクセルをリセットするように、検出器が構成されている。
【0027】
換言すれば、X線検出器は、物体を4D撮像する際に使用され得る。
【0028】
別の態様によれば、物体の撮像のための方法であって、方法は、
X線検出器の第1のエリアの第1のピクセルの少なくとも一部分によって、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第1の放射線を受け取るステップa)であって、X線検出器は、ピクセルによって受け取られるX線放射がそのピクセルの中の信号の発生につながるように構成されている、ステップa)と、
第1のエリアに関連付けられた少なくとも1つの第1の複数のストレージノードの中に、複数の第1のピクセル上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶するステップb)と、
ステップa)の後に、X線検出器の第2のエリアの第2のピクセルの少なくとも一部分によって、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第2の放射線を受け取るステップe)と、
第2のエリアに関連付けられた少なくとも1つの第2の複数のストレージノードの中に、複数の第2のピクセル上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶するステップg)と
を有する、方法が提供される。
【0029】
換言すれば、方法は、物体を4D撮像するために使用され得る。
【0030】
換言すれば、検出器には、検出器の異なるパートに関して区分されたフレームトランスファーが提供されており、1つのパートに関するフレームトランスファーは、第2のパートに関するフレームトランスファーから独立している。
【0031】
このように、異なるX線ビームが物体を通過する間の時間が最小化され得、検査の間の物体移動の有害な影響の低減につながり、クロス散乱の影響が最小化され得る。
【0032】
別の言い方をすれば、一例では、第1のX線ビームは、物体を通過し、検出器の第1のエリアの第1のパートを照射することが可能である。次いで、第1のストレージノード回路(サンプルアンドホールド回路)の一部が、検出器の第1のエリアの第1のパートのピクセルの上に信号を記憶することが可能である。次いで、第2のX線ビームが、物体を通過し、検出器の第1のエリアの第2のパートを照射することが可能である。次いで、第1のストレージノード回路(サンプルアンドホールド回路)の別の一部が、検出器の第1のエリアの第2のパートのピクセルの上に信号を記憶することが可能である。上記に議論されているように、第1のエリアのこの第2のパートは、第1のX線ビームからのクロス散乱によって汚染されることとなる。両方の露光が異なるエリアを照射する場合には、このクロス散乱が除去され得る。次いで、検出器の第1のエリアに関連付けられた信号が読み出され得る。しかし、読み出しと同時に、検出器の第2のエリアが照射され得、ここで、第3のX線ビームが、物体を通過し、検出器の第2のエリアの第1のパートを照射することが可能である。次いで、第2のストレージノード回路(サンプルアンドホールド回路)の一部が、検出器の第2のエリアの第1のパートのピクセルの上に信号を記憶することが可能である。次いで、第4のX線ビームが、物体を通過し、検出器の第2のエリアの第2のパートを照射することが可能である。次いで、第2のストレージノード回路(サンプルアンドホールド回路)の別の一部が、検出器の第2のエリアの第2のパートのピクセルの上に信号を記憶することが可能である。次いで、検出器の第2のエリアに関連付けられた信号が読み出され得、同時に、検出器の第1のエリアの照射が再び開始することが可能である。例では、第1及び第2のX線ビームは、同時期に適用され得るが、ここで、単一のストレージノード回路(サンプルアンドホールド回路)が、関連の信号を記憶するように使用され得る。一例では、第3及び第4のX線ビームは、同時期に適用され得るが、ここで、単一のストレージノード回路(サンプルアンドホールド回路)が、関連の信号を記憶するように使用され得る。
【0033】
このように、検出器の別の一部が照射されているのと同時に、検出器の一部が読み出され得る。
【0034】
このように、良好なイメージ品質(モーションアーチファクト及びクロス散乱が最小化されている)を有する高速撮像が提供される。これは、単一の検出器を備えた幅広い角度の2次元の供給源構成の中で利用され得、また、4D撮像のために使用され得る。
【0035】
別の言い方をすれば、すべてのX線ビームが同じ検出器エリアを使用するわけではないので、第1のビームに関連付けられた情報は、1つの(又は、いくつかの)サブフレームトランスファーの中に記憶され得、それの直後に、第2のビームなどが続く。検出器エリア(必ずしも検出器全体ではない)が露光されると(及び、すべての情報が安全に記憶されると)、検出器エリアが読み出され得る。特定のサブエリアだけが露光され得、検出器全体が、情報を含有する検出器のすべて又はその一部だけのいずれかを読み出す。
【0036】
本方法のこの態様によれば、方法は、
ステップa)の後、及び、ステップe)の前に、複数の第2のピクセルをリセットするステップc)を有する。
【0037】
換言すれば、リセットは、検出器の1つのパートに適用され得、一方、サンプルアンドホールドフェーズが検出器の別のパートに適用された状態になっている。リセット及びサンプルアンドホールドの両方は、特定の量の時間を要し、このように、装置の動作は、スピードアップされる。
【0038】
このように、鼓動する心臓などのような物体の多数のビューが、さまざまなサブエリアの中に検出器エリアが区分されていることを通して、モーションアーチファクトが最小化された状態で、及び、クロス散乱が低減又は回避された状態で提供され得、それによって、それぞれのサブエリアは、それ自身のサブフレームトランスファーを有することが可能であり、それ自身のリセットを有することが可能であり、また、それ自身のサブフレーム読み出しを有することが可能である。
【0039】
一例では、複数の第2のピクセルをリセットすることは、複数の第1のピクセルもリセットする。
【0040】
換言すれば、グローバルリセットが検出器を横切って適用され得、それによって、区分されたリセットを有することを必要としない簡単化されたデバイスにつながる。
【0041】
一例では、方法は、
ステップb)の後に、少なくとも1つの第1の複数のストレージノードに関連付けられた少なくとも1つの第1の読み出しによって、複数の第1の信号を読み出すステップd)を有し、
ステップd)が終了する前に、ステップe)が開始する。
【0042】
換言すれば、区分されたフレームトランスファーを使用することによって、検出器の第1のパートからの信号が、サンプルアンドホールドの中に獲得及び転送され、又は、コピー(記憶)され得、次いで、即座に、第1のパートに関連付けられたサンプルアンドホールドが読み出されている間に、検出器の第2のパートが照射され得る。このように、4D撮像などのような撮像のために使用可能な検出器を獲得及び読み出すためにかかる時間が低減される。
【0043】
別の言い方をすれば、一例では、フレームトランスファーを備えた検出器は、上側パネルハーフA及び下側パネルハーフBに区分されている(デュアルブロックフレームトランスファー)。Aの一部が露光され得、Aの露光が終了し、データがサンプルアンドホールドの中に安全に記憶されると、即座に、サンプルアンドホールドからのAの読み出しが開始することが可能であり、同時に、Bのリセットが、Aの照射の間に引き起こされるクロス散乱を排除するために使用され、それに続いて、Bが露光され得る。Aの読み出しが終了し、露光Bが終了し、サンプルアンドホールドの中に安全に記憶されると、Aのリセットが使用され得、それに続いて、Aが再び露光され得る。例では、検出器パネルは、より多くのサブエリアに区分され得、サブエリアは、それに対応して、適用され得るスイッチングスキームに関してより多くの可能性を与える。
【0044】
例では、方法は、
ステップe)の後に、複数の第1のピクセルをリセットするステップf)と、
ステップf)の後に、X線検出器の第1のエリアの第1のピクセルの一部分によって、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第3の放射線を受け取るステップとi)を有する。
【0045】
換言すれば、リセットは、検出器の1つのパートに適用され得、一方、サンプルアンドホールドフェーズが検出器の別のパートに適用された状態になっている。リセット及びサンプルアンドホールドの両方は、特定の量の時間を要し、このように、装置の動作は、スピードアップされる。
【0046】
一例では、方法は、
ステップg)の後に、少なくとも1つの第2の複数のストレージノードに関連付けられた少なくとも1つの第2の読み出しによって、複数の第2の信号を読み出すステップh)を有し、
ステップh)が終了する前に、ステップi)を開始する。
【0047】
一例では、方法は、以下を含む。
ステップa)は、
X線検出器の第1のエリアの第1のピクセルの第1のサブ部分によって、X線供給源によって放出される放射線を受け取るステップa1)と、
X線検出器の第1のエリアの第1のピクセルの第2のサブ部分によって、ステップa1)のX線供給源とは異なるX線供給源によって放出される放射線を受け取るステップa2)とを有し、
少なくとも1つの第1の複数のストレージノードは、少なくとも2つの複数のストレージノードを含み、
ステップb)は、
第1のエリアに関連付けられた複数のストレージノードの中に、第1のピクセルの第1のサブ部分上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶するステップb1)と、
第1のエリアに関連付けられた複数のストレージノードの中に、第1のピクセルの第2のサブ部分上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶するステップb2)であって、ステップb2)中の複数のストレージノードは、ステップb1)中の複数のストレージノードとは異なっている、ステップb2)と
を有し、
ステップc)は、
ステップa1)の後に、複数の第1のピクセルをリセットし、ステップa2)の後に、複数の第2のピクセルをリセットするステップc1)を有し、
ステップe)は、
X線検出器の第2のエリアの第2のピクセルの第1のサブ部分によって、X線供給源によって放出される放射線を受け取るステップe1)と、
X線検出器の第2のエリアの第2のピクセルの第2のサブ部分によって、ステップe1)中のX線供給源とは異なるX線供給源によって放出される放射線を受け取るステップe2)とを有し、
少なくとも1つの第2の複数のストレージノードは、少なくとも2つの複数のストレージノードを含み、
ステップg)は、
第2のエリアに関連付けられた複数のストレージノードの中に、第2のピクセルの第1のサブ部分上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶するステップg1)と、
第2のエリアに関連付けられた複数のストレージノードの中に、第2のピクセルの第2のサブ部分上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶するステップg2)であって、ステップg2)中の複数のストレージノードは、ステップg1)中の複数のストレージノードとは異なっている、ステップg2)と
を有する。
【0048】
別の態様によれば、以前に説明されている装置を制御するコンピュータープログラムエレメントであって、コンピュータープログラムエレメントは、コンピュータープログラムエレメントが処理ユニットによって実行される際に、以前に説明されているような方法のステップを実施するように適合されている、コンピュータープログラムエレメントが提供される。
【0049】
別の態様によれば、以前に説明されているようなコンピューターエレメントを記憶するコンピューター可読媒体が提供される。
【0050】
有利には、上記の態様のうちのいずれかによって提供される利益は、他の態様のすべてに等しく適用され、その逆もまた同様である。
【0051】
上記の態様及び例は、以降に説明されている実施形態から明らかになることとなり、また、以降に説明されている実施形態を参照して解明されることとなる。
【0052】
例示的な実施形態は、以下の図面を参照して、以下に説明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】物体を撮像するための装置の例の概略セットアップを示す図である。
図2】物体を撮像する際に使用され得る検出器の概略ダイアグラム及び関連のタイミングダイアグラムを示す図である。
図3】物体を撮像するための装置の概略ダイアグラムを示す図である。
図4】物体を撮像するための方法を示す図である。
図5】物体を撮像するための検出器の概略ダイアグラム及び関連のタイミングダイアグラムを示す図である。
図6】物体を撮像するための検出器の概略ダイアグラム及び関連のタイミングダイアグラムを示す図である。
図7】物体を撮像するための検出器の概略ダイアグラム及び関連のタイミングダイアグラムを示す図である。
図8】物体を撮像するための検出器の概略ダイアグラム及び関連のタイミングダイアグラムを示す図である。
図9】物体を撮像するための検出器の概略ダイアグラム及び関連のタイミングダイアグラムを示す図である。
図10】物体を撮像するために使用される検出器に関するグループ割り当ての概略的な例を示す図である。
図11】物体を撮像するための装置の物体を通過するX線ビームの概略図である。
図12】物体を撮像するための検出器の一部に関するフレームトランスファー機能性の例の部分的な配置の回路概略ダイアグラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、物体を撮像するための装置の例を示しており、また、「クロス散乱」の意味するところを示している。装置は、3つのX線供給源A’、B’、及びC’を有しており、対応するX線ビームが作り出され、X線ビームは、撮像されている物体の同じ領域を粗く通過する。3つのX線供給源というよりもむしろ、拡張型のX線供給源が提供され得、拡張型のX線供給源は、適当にシャッターを閉められ、及び/又は開口される。物体は、X線供給源とX線検出器との間に設置されている。供給源A’、B’、及びC’から発生させられるX線ビームは、それぞれ、検出器の別々の領域A、B、及びCの上に当たる。検出器の領域A、B、及びCの中の別々のイメージが、知られている様式で、物体の3Dイメージを形成するために適当に組み合わせられ得る。次いで、「3D」は、たとえば、デカルト座標系の中の3つの座標x、y、及びz、又は、球面座標系の中の3つの座標r、θ及びρに関係している。ビームが物体を照明した時間期間は、次いで、時間の中の「モーメント」又はスナップショットを提供し、また、4D撮像の中の第4の次元の「時間」を提供する。しかし、供給源B’から発生させられ、検出器エリアBの上に当たるように配置されているX線は、特定の量の物体の中の散乱に悩まされることとなり、いくらかのX線は、検出器のエリアAの上に散乱することとなり、また、いくらかのX線は、検出器のエリアCの上に散乱することとなる。これは、クロス散乱と呼ばれており、検出器のそれぞれの領域の中に得られるイメージを悪化させる役割を果たす。次いで、これは、撮像の中の悪化につながることとなる。装置は、物体を4D撮像するために使用され得る。
【0055】
図2は、図の上側部分に、検出器の例を示しており、検出器は、物体を撮像する際に使用され得、また、物体を4D撮像する際に使用され得る。4つのX線ビームが、図1を参照して議論されているものと同様の様式で作り出され、これらは、図1の左上側部に示されているように、X線検出器の4つの別々の領域の上に当たる。4つのX線ビームは、検出器が入射X線から信号を発生させるように構成されているときに、同時に、又は、同じ時間期間にわたって、検出器を照明する。これは、持続期間tpulseを有する「パルス」期間と称される。次いで、検出器上の信号が読み出され、これは、「パネル」期間と称され、「パネル」期間は、パルス期間の後に起こり、持続期間tpanelを有している。次いで、撮像を提供するときに、そのような検出器のサイクル時間は、持続期間tpanel+tpulseを有する時間に等しい。そのような検出器の利点は、すべてのビームが時間の中の同じ瞬間に物体を通過するということであり、したがって、それぞれのビーム照明の間に移動する物体によって引き起こされる相対運動アーチファクトは存在しないこととなる。しかし、図1を参照して上記に議論されているように、イメージは、クロス散乱に悩まされることとなる。
【0056】
図2は、図の下側部分において、検出器の別の例を示しており、その検出器は、たとえば、4D撮像のためなどに、物体を撮像する際に使用され得る。上記に議論されている4つのX線ビームのうちの2つが、ここで、検出器の一方の半分を照射する。次いで、検出器が読み出される。4つのX線ビームのうちの他方の2つのビームが、ここで、検出器の他方の半分を照射し、検出器が読み出される。次いで、撮像を提供するときに、そのような検出器のサイクル時間は、持続期間2tpanel+2tpulseを有する時間に等しい。そのような検出器の利点は、低減されたクロス散乱が存在するということであり、不利益は、このシーケンスに必要とされる時間が、図2の装置に関するものに対して2倍になるということである。
【0057】
図3は、たとえば、4D撮像のためなどに、物体を撮像するための装置10の例を示している。装置10は、X線検出器20、及び、少なくとも1つのX線供給源30を含む。少なくとも1つのX線供給源30は、X線検出器20に対して位置決めされるように構成されており、少なくとも1つのX線供給源30とX線検出器20との間の領域の少なくとも一部が、物体を収容するための検査領域となるようになっている。X線検出器20は、複数のX線放射検出エリアA、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8;B、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8;Cを含む。複数のX線検出エリアは、複数の第1のピクセルを含む第1のエリアA、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8と、複数の第2のピクセルを含む第2のエリアB、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8;Cとを含む。少なくとも1つのX線供給源30によって放出される第1の放射線は、第1のピクセルの少なくとも一部分によって受け取り可能であり、少なくとも1つのX線供給源30によって放出される第2の放射線は、第2のピクセルの少なくとも一部分によって受け取り可能である。X線検出器20は、ピクセルによって受け取られるX線放射がそのピクセルの中の信号の発生につながるように構成されている。X線検出器20は、第1のエリアに関連付けられている少なくとも1つの第1の複数のストレージノードと、第2のエリアに関連付けられている少なくとも1つの第2の複数のストレージノードとを含む。少なくとも1つの第1の複数のストレージノードは、複数の第1のピクセル上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶するように構成されている。少なくとも1つの第2の複数のストレージノードは、複数の第2のピクセル上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶するように構成されている。少なくとも1つの第1の複数のストレージノードが複数の第1の信号を記憶するように構成された後に、少なくとも1つの第2の複数のストレージノードは、複数の第2の信号を記憶するように構成されている。
【0058】
一例では、少なくとも1つのX線供給源は、複数のX線供給源である。一例では、複数のX線供給源は、第1のX線供給源及び第2のX線供給源を含む。一例では、第1のX線供給源によって放出される放射線は、第1のピクセルの少なくとも一部分によって受け取り可能であり、第2のX線供給源によって放出される放射線は、第2のピクセルの少なくとも一部分によって受け取り可能である。
【0059】
換言すれば、一例では、第1の放射線は、1つのX線供給源によって放出され、第2の放射線は、別のX線供給源によって放出され、又は、別の例では、これらは、同じX線供給源によって放出される。
【0060】
一例では、X線供給源は、拡張型のX線供給源であり、拡張型のX線供給源は、たとえば、アパーチャーの使用を通して、異なる空間的位置から放射線を放出するように構成されている。一例では、X線供給源は移動可能であり、これが異なる空間的位置から放射線を放出するように構成されるようになっている。
【0061】
一例では、ピクセルの中に発生させられる信号は、電荷である。一例では、少なくとも1つの複数のストレージノードは、少なくとも1つの複数のサンプルアンドホールドである。換言すれば、サンプルアンドホールドは、まさにストレージノードの形態である。一例では、それぞれのピクセルは、それ自身のサンプルアンドホールド(ストレージノード)を有している。一例では、この少なくとも1つの複数のストレージノードの制御は、少なくとも1つの複数のストレージノードを検出器エリアのうちの1つにグループ化する。
【0062】
一例では、「デュアルブロック」フレームトランスファーは、検出器の別々の半分が交互に露光されるときに、最も効率的に働く。一例では、「クワッドブロック」フレームトランスファーは、過剰なフレキシビリティーを与え、効率的な露光スキームを可能にし、スプリットされた行が、さらにより多くのフレキシビリティーを与える。
【0063】
一例によれば、X線検出器20は、少なくとも1つのリセットを含む。少なくとも1つのリセットは、複数の第1のピクセルをリセットするように構成されており、また、複数の第2のピクセルをリセットするように構成されている。少なくとも1つのリセットが複数の第2のピクセルをリセットする前に、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第1の放射線が第1のピクセルの一部分によって受け取り可能であるように、検出器は構成されており、また、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第2の放射線が第2のピクセルの一部分によって受け取り可能である前に、少なくとも1つのリセットが複数の第2のピクセルをリセットするように、検出器は構成されている。
【0064】
一例では、少なくとも1つのリセットは、複数の第1のピクセルをリセットするように構成されている。
【0065】
一例では、少なくとも1つのリセットは、それが複数の第2のピクセルをリセットするのと同時に、複数の第1のピクセルをリセットするように構成されている。
【0066】
一例では、区分されたフレームトランスファーを備えた検出器は、それ自身のフレームトランスファーを備えたパートAと、それ自身のフレームトランスファーを備えたパートBとを有している。検出器パートBが露光される場合には(X線ビームが、物体、たとえば患者を通り、検出器パートBに着地し、物体の2Dイメージ−イメージBを与えるということを意味する)、通常は、いくらかのX線が、物体の中で又は物体において散乱させられ、検出器エリアAに着地する。この種類の散乱は、クロス散乱と呼ばれ、ここでは、異なるビームが物体を通り、検出器パートAに着地する場合に、信号が、検出器パートBの露光の間に散乱したものによって増大され、イメージAを悪化させることとなる。しかし、検出器パートBの露光の後に、及び、検出器パートAの露光の前に、検出器パートAは、検出器パートAだけに適用するリセット、又は、グローバルリセットのいずれかによって、リセットされ得、これは、クロス散乱信号を排除する。
【0067】
一例によれば、X線検出器20は、少なくとも1つの第1の複数のストレージノードに関連付けられた少なくとも1つの第1の読み出し、及び、少なくとも1つの第2の複数のストレージノードに関連付けられた少なくとも1つの第2の読み出しを含む。少なくとも1つの第1の読み出しは、複数の第1の信号を読み出すように構成されており、少なくとも1つの第2の読み出しは、複数の第2の信号を読み出すように構成されている。複数の第1の信号の読み出しが終了する前に、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第2の放射線が第2のピクセルの一部分によって受け取り可能であるように、X線検出器は構成されている。
【0068】
一例によれば、少なくとも1つのリセットが複数の第1のピクセルをリセットする前に、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第2の放射線が、第2のピクセルの一部分によって受け取り可能であるように、X線検出器20は構成されている。また、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第3の放射線が第1のピクセルの一部分によって受け取り可能である前に、少なくとも1つのリセットが、複数の第1のピクセルをリセットするように、X線検出器は構成されている。
【0069】
一例によれば、複数の第2の信号の読み出しが終了する前に、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第3の放射線が、第1のピクセルの一部分によって受け取り可能であるように、X線検出器20は構成されている。
【0070】
一例では、装置は、物体を表すデータを出力するように構成されている出力ユニットを含む。
【0071】
一例では、システムは、C字アーム配置、又は、CT配置若しくはトモシンセシス配置である。
【0072】
一例によれば、物体を撮像するためのX線検出器20は、複数のX線放射検出エリアA、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8;B、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8;Cを含む。複数のX線検出エリアは、複数の第1のピクセルを含む第1のエリアA、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8と、複数の第2のピクセルを含む第2のエリアB、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8;Cとを含む。少なくとも1つのX線供給源によって放出される第1の放射線は、第1のピクセルの少なくとも一部分によって受け取り可能であり、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第2の放射線は、第2のピクセルの少なくとも一部分によって受け取り可能である。X線検出器は、ピクセルによって受け取られるX線放射がそのピクセルの中の信号の発生につながるように構成されている。X線検出器は、第1のエリアに関連付けられている少なくとも1つの第1の複数のストレージノードと、第2のエリアに関連付けられている少なくとも1つの第2の複数のストレージノードとを含む。少なくとも1つの第1の複数のストレージノードは、複数の第1のピクセル上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶するように構成されており、少なくとも1つの第2の複数のストレージノードは、複数の第2のピクセル上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶するように構成されている。少なくとも1つの第1の複数のストレージノードが複数の第1の信号を記憶するように構成された後に、少なくとも1つの第2の複数のストレージノードは、複数の第2の信号を記憶するように構成されている。検出器は、物体を4D撮像するために使用され得る。
【0073】
図4は、その基本的なステップの中の物体の撮像のための方法100の例を示している。方法は、以下のステップを有する。
【0074】
ステップa)とも称される受け取りステップ110において、少なくとも1つのX線供給源30によって放出される第1の放射線が、X線検出器20の第1のエリアA、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8の第1のピクセルの少なくとも一部分によって受け取られ、ここで、X線検出器は、ピクセルによって受け取られるX線放射がそのピクセルの中の信号の発生につながるように構成されている。
【0075】
ステップb)とも称される記憶ステップ120において、複数の第1のピクセル上の対応する信号を表す複数の第1の信号が、第1のエリアに関連付けられた少なくとも1つの第1の複数のストレージノードの中に記憶される。
【0076】
ステップa)の後に、ステップe)とも称される受け取りステップ150において、少なくとも1つのX線供給源30によって放出される第2の放射線が、X線検出器の第2のエリアB、B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8;Cの第2のピクセルの少なくとも一部分によって受け取られる。ステップg)とも称される記憶ステップ190において、複数の第2のピクセル上の対応する信号を表す複数の第2の信号が、第2のエリアに関連付けられた少なくとも1つの第2の複数のストレージノードの中に記憶される。
【0077】
方法100は、物体を4D撮像するために使用され得る。一例では、ステップe)は、ステップb)の後にある。
【0078】
一例では、X線検出器は、4つのエリアが設けられており、それぞれが、独立したフレームトランスファーを有している。一例では、検出器には、2×2幾何学形状で、4つのエリアが設けられている。一例では、検出器には、4×1幾何学形状で、4つのエリアが設けられている。一例では、検出器には、n×m幾何学形状で、n×m個のエリアが設けられている。
【0079】
一例によれば、方法は、以下のステップを有する。
【0080】
ステップa)の後及びステップe)の前において、ステップc)とも称されるリセットステップ130において、複数の第2のピクセルがリセットされる。
【0081】
一例では、ステップb)が実行されている間に、及び、ステップb)の実行の間に、ステップc)の実行が開始される。
【0082】
一例では、ステップc)が実行されている間に、及び、ステップc)の実行の間に、ステップb)の実行が開始される。
【0083】
一例では、リセットが、複数の第2のピクセルだけに適用される。換言すれば、リセットは、検出器を横切って区分されている。
【0084】
一例によれば、複数の第2のピクセルをリセットすることは、複数の第1のピクセルもリセットする。
【0085】
換言すれば、グローバルリセットは、検出器を横切って適用され得、それによって、区分されたリセットを有することを必要としない簡単化されたデバイスにつながる。
【0086】
一例によれば、方法は、以下のステップを有する。
【0087】
ステップb)の後に、ステップd)とも称される読み出しステップ140において、少なくとも1つの第1の複数のストレージノードに関連付けられた少なくとも1つの第1の読み出しによって、複数の第1の信号を読み出し、ここで、ステップd)が終了する前にステップe)が開始する。
【0088】
一例では、単一の読み出しは、検出器の第1のエリアに関連付けられた2つ以上のサンプルアンドホールドに関連付けられた信号を読み出すように構成されている。一例では、単一の読み出しは、検出器の第2のエリアに関連付けられた2つ以上のサンプルアンドホールドに関連付けられた信号を読み出すように構成されている。
【0089】
一例によれば、方法は、以下のステップを有する。
【0090】
ステップe)の後に、ステップf)とも称されるリセットステップ160において、複数の第1のピクセルがリセットされる、及び、
ステップfの後に、ステップi)とも称される受け取りステップ180において、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第3の放射線が、X線検出器の第1のエリアの第1のピクセルの一部分によって受け取られる。
【0091】
一例では、ステップi)は、ステップg)の後にある。
【0092】
一例では、ステップf)が実行されている間に、及び、ステップf)の実行の間に、ステップg)の実行が開始される。
【0093】
一例では、ステップg)が実行されている間に、及び、ステップg)の実行の間に、ステップf)の実行が開始される。
【0094】
一例では、リセットすることが、複数の第1のピクセルだけに適用される。換言すれば、リセットは、検出器を横切って区分されている。
【0095】
一例によれば、方法は、以下のステップを有する。
【0096】
ステップg)の後に、ステップh)とも称される読み出しステップ170において、少なくとも1つの第2の複数のストレージノードに関連付けられた少なくとも1つの第2の読み出しによって、複数の第2の信号を読み出し、ここで、ステップh)が終了する前にステップi)が開始する。
【0097】
一例によれば、ステップa)は、
a1) X線検出器の第1のエリアの第1のピクセルの第1のサブ部分によって、X線供給源A1によって放出される放射線を受け取るステップ112と、
a2) X線検出器の第1のエリアの第1のピクセルの第2のサブ部分によって、ステップa1のX線供給源とは異なるX線供給源A2によって放出される放射線を受け取るステップ114と
を有し、
少なくとも1つの第1の複数のストレージノードは、少なくとも2つの複数のストレージノードを含み、ステップb)は、
b1) 第1のエリアに関連付けられた複数のストレージノードSHA1の中に、第1のピクセルの第1のサブ部分上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶するステップ122と、
b2) 第1のエリアに関連付けられた複数のストレージノードSHA2の中に、第1のピクセルの第2のサブ部分上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶するステップ124であって、ステップb2の中の複数のストレージノードは、ステップb1の中の複数のストレージノードとは異なっている、ステップと
を有し、ステップc)は、
c1) ステップa1)の後に、複数の第1のピクセルをリセットするステップ132と、ステップa2)の後に、複数の第2のピクセルをリセットするステップ134とを有し、ステップe)は、
e1) X線検出器の第2のエリアの第2のピクセルの第1のサブ部分によって、X線供給源B1によって放出される放射線を受け取るステップ152と、
e2) X線検出器の第2のエリアの第2のピクセルの第2のサブ部分によって、ステップe1の中のX線供給源とは異なるX線供給源B2によって放出される放射線を受け取るステップ154と
を有し、少なくとも1つの第2の複数のストレージノードは、少なくとも2つの複数のストレージノードを含み、ステップg)は、
g1) 第2のエリアに関連付けられた複数のストレージノードSHB1の中に、第2のピクセルの第1のサブ部分上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶するステップ192と、
g2) 第2のエリアに関連付けられた複数のストレージノードSHB2の中に、第2のピクセルの第2のサブ部分上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶するステップ194であって、ステップg2の中の複数のストレージノードは、ステップg1の中の複数のストレージノードとは異なっている、ステップと
を有する。
【0098】
一例では、少なくとも1つの第1の読み出しは、複数のストレージノード(サンプルアンドホールド回路)SHA1を読み出すように構成されている読み出しROA1を含み、また、少なくとも1つの第1の読み出しは、複数のストレージノード(サンプルアンドホールド回路)SHA2を読み出すように構成されている読み出しROA2を含む。
【0099】
一例では、リセットは、ステップa1)とステップa2)との間に適用される。一例では、リセットは、ステップe1)とステップe2)との間に適用される。
【0100】
一例では、少なくとも1つの第2の読み出しは、複数のストレージノード(サンプルアンドホールド回路)SHB1を読み出すように構成されている読み出しROB1を含み、また、少なくとも1つの第2の読み出しは、複数のストレージノード(サンプルアンドホールド回路)SHB2を読み出すように構成されている読み出しROB2を含む。
【0101】
一例では、リセットは、第1のピクセルの第1のサブ部分に適用することが可能であり、検出器の他のピクセルには適用しないことが可能である。一例では、リセットは、第1のピクセルの第2のサブ部分に適用することが可能であり、検出器の他のピクセルには適用しないことが可能である。一例では、リセットは、第2のピクセルの第1のサブ部分に適用することが可能であり、検出器の他のピクセルには適用しないことが可能である。一例では、リセットは、第2のピクセルの第2のサブ部分に適用することが可能であり、検出器の他のピクセルには適用しないことが可能である。一例では、検出器のうちの1つ、2つ、3つ、又は、すべての4つのエリアが、適用されるリセットを有することが可能であるという点において、すべての他の組み合わせが可能である。換言すれば、検出器の1つのエリアの中のリセットは、検出器の他のエリアの中のから独立して適用され得る。
【0102】
ここで、物体を撮像するための装置及び方法の例が、図5図12に関連してより詳細に説明されることとなり、ここでは、検出器が、撮像のための区分されたフレームトランスファーによって使用され、物体のモーションアーチファクト及びクロス散乱の両方を最小化する。装置及び方法の例は、4D撮像のために使用され得る。
【0103】
図5は、デュアルブロックフレームトランスファーを備えた検出器の例を示しており、そこでは、増幅器が使用されており、増幅器は、1つの例では、電圧を読み出すことが可能であり、別の例では、電荷を読み出すことが可能である。換言すれば、出力増幅器(Amp)が使用されており、出力増幅器(Amp)は、1つの例では、図5に示されているようにチャージセンシティブ増幅器(CSA)である。2つのX線ビームは、検出器のエリアAを照明し、フレームトランスファーが、照明の後に適用され、また、2つのX線ビームが、検出器のエリアBを照明し、フレームトランスファーが照明の後に適用される。下側パネル及び上側パネル(それぞれ、エリアA及びエリアB)に関してフレームトランスファー(及び、リセット)を区分することは、独立したフレームトランスファー及び読み出しを備えた2つのパネル半分を与える。エリアが照明された後に、フレームトランスファーが適用され、フレームトランスファーは、検出器ピクセル上の電荷をサンプルアンドホールドにコピー又は転送し、リセットが適用される。上記に議論されているように、照明の間に、クロス散乱は、検出器の他のエリアが照射に悩まされることにつながることとなる。リセット、複数のリセット、又はワイプが、電荷をクリーニングするか、又は別の方法で検出器の1つ又は複数の他のエリアを、別の放射線ビームに関連付けられた信号の獲得の準備ができた状態にするが、ここでは、クロス散乱信号がない状態になっている。リセットは、グローバルに適用され得、すなわち、すべての検出器エリア、又は、ここで照射されることとなる1つ若しくは複数のエリアに適用され得る。これは、エリアAが照明された後にエリアAが読み出されることを可能にし、また、エリアBが照明された後にエリアBが読み出されることを可能にする。このように、エリアAは、読み出され得、その読み出しの間に、エリアBが照明され得、その逆もまた同様である。個々のパネル読み出しの中で、関連の持続期間は、tpanelであり、次いで、4D撮像などのような撮像を提供するときに、そのような検出器のサイクル時間は、持続期間tpanelを有する時間に等しい。これは、フレームトランスファーを備えた2つの別々の検出器が設けられている場合と同じ利点を意味しており、2つの検出器エリア同士の間にギャップが存在しない(中央露光を可能にする)などのようなさらなる利点が提供されており、コンパクトでコスト効率の良い解決策を提供する。
【0104】
図6は、デュアルブロックフレームトランスファーを備えた検出器の例を示しているが、8つのビームが、物体を通過している。以下では、検出器エリアのそれぞれの照明の後に、フレームトランスファーが適用される。したがって、2つのビームが、検出器のエリアAを照明し、フレームトランスファーが適用され、次いで、そのエリアが読み出される。エリアAの読み出しの間に、2つのビームが、エリアBを照射し、フレームトランスファーが適用され、次いで、そのエリアが読み出される。エリアAの一部が、単一のX線ビームによって照明され、それに続いて、フレームトランスファーが適用され、エリアAが読み出され、エリアAの読み出しの間に、エリアBが照明され、それに続いて、フレームトランスファーが適用され、エリアBが読み出される。最後に、エリアAの一部が、単一のX線ビームによって照明され、それに続いて、エリアBが、単一のX線ビームによって照明され、これらのエリアは、フレームトランスファーが適用され、上記に説明されているように読み出される。このように、そのような検出器のサイクル時間は、パネルの読み出し時間の3倍である(3tpanel)。
【0105】
図7は、クワッドブロックフレームトランスファーを備えた検出器の例を示しており、4つのビームが物体を通過している。それぞれの照明フェーズの後に、フレームトランスファーが適用される。これは、検出器エリアAの第1のパートA1が照明され得、それに続いて、検出器エリアAの第2のパートA2が照明され得、次いで、検出器エリアAが読み出されるということを意味している。検出器エリアAの読み出しの間に、検出器エリアBの第1のパートB1が照明され得、それに続いて、検出器エリアBの第2のパートB2が照明され得、次いで、検出器エリアBが読み出される。このように、そのような検出器のサイクル時間は、パネルの読み出し時間の2倍である(2tpanel)。また、フレームトランスファーを列のブロックに区分することは、過剰なフレキシビリティーを与える。たとえば、A1及びA2の露光は、依然として一緒に読み出され得るが、順序に関して分離され、クロス散乱を低減させるか又はさらには回避することが可能である。デュアルブロックフレームトランスファーは、検出器の上側パネル及び下側パネルが代替的に露光される場合には、最も効率的に働く。クワッドブロックフレームトランスファーは、過剰なフレキシビリティーを与え、追加的な効率的な露光スキームを可能にする。スプリットされた行を使用することは、さらにより多くのフレキシビリティーを与えることが可能であり、区分された読み出しを有する方法を促進させる。また、これは、より一般的なピクセルアドレッシング方法によって行われ得る。一例では、図7の検出器は、スプリットされた行を有している(これは、図9に示されている検出器に関して示されており、ここで、図9に関して、同じ行の中の中間の(A2、A3、A6など)複数の行の中のエリアに到達することが必要とされる)。このように、エリアA1は、エリアA2とは別々に読み出され得、エリアB1は、エリアB2とは別々に読み出され得る。これは、その照射の間に、エリアA1が読み出され得、エリアA2が読み出され得るということを意味している。この検出器に関するサイクル時間は、パネルの読み出し時間(tpanel)に等しい。リセットが、エリアA1の照射の後に、及び、次いでエリアA2の照射の後に、適用され得、このリセットは、グローバルであり、照射の準備ができた検出器を「クリーニング」するか、又は、ローカルであるかのいずれかであり、エリアBを照明の準備ができた状態にする。このように、システムアーキテクチャーは、簡単であることが維持されている。又は、エリアA1の照射の後に、及び、フレームトランスファーの後に、リセットが適用され得る。これは、繰り返しになるが、グローバルリセットであることが可能であるか、又は、エリアA2に適用されることが可能であり、エリアA2が、次に照射されることとなり、又は、必要に応じて他のエリアが照射されることとなる。
【0106】
図8は、クワッドブロックフレームトランスファーを備えた検出器の例を示しており、6つのビームが、物体を通過している。それぞれの照明フェーズの後に、フレームトランスファーが適用される。これは、検出器エリアAの第1のパートA1が照明され得、それに続いて、検出器エリアAの第2のパートA2が照明され得、次いで、検出器エリアAが読み出されるということを意味している。検出器エリアAの読み出しの間に、検出器エリアBの第1のパートB1が照明され得、それに続いて、検出器エリアBの第2のパートB2が照明され得、次いで、検出器エリアBが読み出される。次いで、エリアA1及びA2の両方の一部分を含むエリアが照明され得、フレームトランスファーが両方のエリアに適用され、それに続いて、エリアAが読み出される。読み出しの間に、次いで、エリアB1及びB2の両方の一部分を含むエリアが照明され得、フレームトランスファーが両方のエリアに適用され、それに続いて、エリアBが読み出される。このように、そのような検出器のサイクル時間は、パネルの読み出し時間の3倍である(3tpanel)。リセットは、上記に議論されているように動作することが可能である。
【0107】
図9は、n×mブロックフレームトランスファーを備えた検出器の例を示しており、図9に示されている特定の例は、エリアAの8つのエリア、及び、エリアBの8つのエリアを有している。他の数のエリアも可能である。検出器の動作は、図5図8を参照して上記に説明されているようなものである。典型的なスイッチングスキームは、以下の通りである。
パネルハーフAの1つ又は複数の区分を露光する。
露光は、クロス散乱を回避するために、続いて行われるか、又は、モーションアーチファクトを低減させるために、同時に行われることが可能である。
フレームトランスファーブロック(区分)が露光されるとすぐに、信号電荷が、サンプルアンドホールドの中に安全に貯蔵され得る。
パルスは、互いに非常に近く「立て続け(back to back)」になっていることが可能である。
パネルハーフAの読み出し
次いで、同じことが、パネルハーフBに関して適用され得る。
【0108】
図9の下側半分は、スプリットされた行を備えた検出器を示しており、検出器エリアAが2つ以上のフレームトランスファーを有するようになっている。スプリットされた行を使用することは、さらにより多くのフレキシビリティーを与える。
【0109】
概要
説明されている装置及び検出器は、4D撮像などのような、撮像用途に向けられたものである。これは、3D患者ボリュームがリアルタイム(第4の次元)で獲得及び表示されるということを意味している。ここで、3Dボリュームを再構築することは時間がかかるので、この意味での「リアルタイム」は、「半リアルタイム」を意味しているが、ユーザーは、リアルタイムの動作が提供されているという印象を有する。3Dボリュームを生成させるために、異なる角度からのいくつかの露光が、ボリュームを再構築するために必要とされる。1つのボリュームに関するビューを獲得するために必要とされる時間が大き過ぎ、現在の平坦なX線検出器は、ボリュームの中にモーションアーチファクトを引き起こす。そのうえ、ボリューム更新レート(ムービーの中のフレームレートに匹敵する)が、手順にとって十分なライブフィードバックを得るには低過ぎる。必要とされる獲得時間を減少させるために、互いの直後に発射するいくつかのX線供給源が使用され得る。また、いくつかの(又は、すべての)X線供給源が同時に発射し、さらに獲得時間を減少させることも可能であり、このケースでは、クロス散乱が問題になることとなる。すべてのこれらの供給源は、いくつかの固定された角度から、4D撮像だけでなく、トモグラフィック撮像又は従来の2D撮像も可能にするということが留意されるべきである。
【0110】
X線検出側において、いくつかの検出器が、すべてのX線供給源の放射線を獲得するために必要とされる。実際にはこれは、複数の検出器が必要とされ、これは、システムを非現実的に高価なものにすることとなり、また、患者アクセスが限定されることとなるということを意味している。これに対処するために、ここで説明される装置及び検出器は、本質的に、1つの大型の平坦なX線検出器を提供し、1つの大型の平坦なX線検出器は、いくつかの個々の検出器の機能性を模倣することが可能である。
【0111】
現在の平坦なX線検出器は、露光されるイメージを読み出すために時間を必要とする。この時間の間に、検出器の他のパーツは照射されることができない。その理由は、イメージコンテンツが変化させられることとなるからである。しかし、検出器にストレージメモリーを提供することによって、イメージは、照射の後に、検出器のメモリー部に転送され得る。次いで、検出器は、以前のイメージコンテンツを乱すことなく、次の照射パルスを即座に受け入れることが可能である。この機能性は、「フレームトランスファー」と呼ばれる。ストレージノードは、ピクセルの中に物理的に設置され得、また、平坦なX線検出器の専用部の上に設置され得る。
【0112】
検出器は、いくつかの機能性状態を有しており、読み出しストレージノードを有することを含む。
センサーエレメント(フォトダイオード、直接変換材料、フォトンカウンティングピクセル、及び検出器など)上の照射を受け入れ、及び、いくつかのケースでは、統合する。
センサーエレメントからストレージノードへイメージコンテンツを移動させる。
センサーエレメントをリセットする(これは、ポイント2と組み合わせられ得る)。
【0113】
検出器内部制御をより容易にするために、上記の3つの機能性が、ピクセルのグループに関して制御され得る。したがって、1つのコマンドによって、イメージコンテンツが、そのグループの中のすべてのピクセルに関して、ストレージノードへ移動させられる(又は、リセットされる)。グループのサイズ及び形状は、平坦なパネル自身の中の配線によって定義されるか、又は、グループアドレスをそれぞれのピクセルに割り当てることによって定義され得る(異なるアドレスがオンザフライでプログラムされ得る)。また、グループが重複することも可能であり、次いで、重複エリアは、両方のグループからのコマンドによって制御されることとなる。ピクセルのグルーピングの例が、図10に下記に示されている。
【0114】
さらなる適用例
フレームトランスファーは、連続的な照射の間に、イメージの中に均等時間ウィンドウを提供する。
【0115】
フレームトランスファーは、モノプレーン用途及びバイプレーン用途の間に、より高いフレームレートを可能にする。
【0116】
フレームトランスファーは、バイプレーン獲得の間に、立て続けの照射を可能にする。
【0117】
図10は、ピクセルのグループ割り当ての例を示している。ピクセルのグループは、図10に示されているように設計される場合に、重複していることが可能である。これが意味するものは、たとえば、グループAが完全な検出器エリアを制御し、グループBが中間の小さい正方形を制御し、グループCが円形だけを制御するということである。グループは、より小さくなるように設計され得、したがって、読み出しがより速くなっている。たとえば、「9つのグループ」に関して、エリアは、より速い読み出しのためにより小さくされ、完全な検出器エリアをカバーする1つの大きいグループに重複することが可能である。
【0118】
図11は、たとえば、4D撮像のためなどに、物体を撮像するために使用され得る装置の代表的な幾何学形状を示している。図11の左手側に示されている装置では、3つのX線供給源30が、間隔を離して配置されていることが示されており、それらのそれぞれのX線ビームが、物体を通過しており、検出器20のそれぞれの別々のエリアに入射している。このように、ビームは、互いにクロスし、3D再構築のための情報を与えることが可能である。また、図11の右手側に示されている装置では、いくつかのX線ビームは、平行であることも可能であり、たとえば、図11の左手側に示されている装置の中の中央のビームが、3つのビームに分割され得る。このように、小さいアノード角度を有するいくつかの供給源を使用する同じ視野(FOV)が、大きいアノード角度を有する1つの供給源のFOVとして到達又は実現され得る。この利点は、低減された散乱、及び、より小さいスポットサイズが存在するということである。図11の右手側に示されている中央のビームの露光は、対応するパネルハーフ(検出器上のビーム重複に起因する)の後続のサイクルの中にあるということが留意されるべきである。図12は、4D撮像などのような、物体を撮像する際に使用されることとなる検出器に、どのようにフレームトランスファーが適用され得るかということを説明するために使用されている。フレームトランスファーは、以下のように説明され得る。ピクセルの中に収集された信号は、(リセット又は新しい信号収集のような)任意の他の動作が信号を破壊する前に、読み出されるか又は記憶されなければならない。読み出しフェーズが比較的に長い時間を要するときには、ピクセルの中のストレージノードの上にピクセル信号を記憶することが有益である可能性がある。ストレージノードの上にピクセル信号を記憶することは、通常は、いわゆるサンプルアンドホールド回路によって行われる。コピープロセスが完了したときに、オリジナル信号は破壊され得る。ここでより詳細に議論されるように、ピクセル信号(電荷)をストレージキャパシターに転送することも可能である(図12のキャパシター4の上で行われるように)。
【0119】
図12は、1つの放射線感受性センサーS(検出器のピクセル又は検出器マトリックス)だけを示しており、nチャネル電界効果トランジスターが設けられており、そのようなセンサーは米国特許第6894283号明細書にも説明されている。異なる構造を有する電界効果トランジスターも、本発明のコンテキストにおいて使用され得る。検出器は、知られている様式で、行及び列に配置されている多くの、たとえば2000×2000センサーSから構成されている。上記に議論されているように、区分されたフレームトランスファーが検出器に適用され、しかし、図12に関連して、フレームトランスファーは、検出器の区分されたパート(たとえば、エリアA又はエリアBが説明されている)に適用されるようなものである。検出器マトリックスの行のそれぞれの第1のセンサーSは、第1の列を一緒に形成しており、一方、それぞれの行のそれぞれの第2のセンサーは、第2の列を一緒に構成している、などとなっている。それぞれのセンサーSは、フォトセンサーエレメントを含む。適切な半導体が使用されるときに、フォトセンサーエレメント自身は、すでに、X線に対して高感度である。しかし、それは、光感受性フォトダイオード1でもあり、光感受性フォトダイオード1は、光感受性フォトダイオード1の上又は上方に配置されているシンチレーター層の上にX線が入射するときはいつでも、光を受け取る。シンチレーター層がないときには、配置は、光の直接的な検出にも適切である。フォトダイオード1の端子に平行に、ストレージキャパシター2が接続されている。フォトダイオード1のアノード、及び、ストレージキャパシター2の電極は、共通の電極9に接続されており、共通の電極9は、マイナスのDC電圧でそれをバイアスしている。フォトダイオード1のカソード、及び、ストレージキャパシター2の他方の電極は、制御電界効果トランジスター5のソース端子に接続されている。順番に、制御電界効果トランジスター5のドレイン端子は、スイッチング電界効果トランジスター3のソース端子に接続されている。放射線がフォトダイオード1の上に入射するときに、電荷キャリアペア(電荷)がフォトダイオード1の中に発生させられ、その結果、充電されたストレージキャパシターが部分的に放電される。放電は、フォトダイオード1の上に入射する光子の数に依存する。電界効果トランジスター3、5の導電チャネルを介してそれぞれの電荷欠乏を補償することによって、それぞれのセンサーは、個別に読み出され得る。この目的のために、制御ライン6及びスイッチングライン7が、センサー検出器マトリックスの区分されたパートのそれぞれの行に関して設けられている。スイッチングライン7は、スイッチング電界効果トランジスター3のゲート端子に接続されており、制御ラインは、センサーSの制御電界効果トランジスター5のゲート端子に接続されている。したがって、スイッチング及び制御ライン6、7は、検出器の関連の行の電界効果トランジスター3を活性化させる。これらは、たとえば、異なるアナログ制御電圧をライン6、7に印加する適切なドライバー回路によって駆動される。ドライバー回路は、その区分されたパートのセンサーSの中に貯蔵された電荷を読み出すために、センサー区分された検出器の行を連続して活性化させる役割を果たす。読み出しライン8が、検出器マトリックスのそれぞれの列に関して設けられている。すべての読み出しライン8は、関連の列のセンサーのスイッチング電界効果トランジスター3のドレイン端子に接続されている。増幅器11が、それぞれの読み出しライン8に関連付けられており、増幅器は、個々のセンサーSの中を行方向に流れる電荷を統合する。アナログマルチプレクサー(図示せず)が増幅器11に先行しており、アナログマルチプレクサーの入力が、増幅器の出力に接続されている。アナログマルチプレクサーは、検出器マトリックスのそれぞれの時間の1つの行から同時に及び並列に到着する電荷をシリアル信号に変換し、シリアル信号は、アナログマルチプレクサーのシリアル出力の上に提示され、さらに処理されるようになっている。さらなるキャパシター4の電極は、制御電界効果トランジスター5のドレイン端子、及び、スイッチング電界効果トランジスター3のソース端子にそれぞれ接続されており、また、前記さらなるキャパシターの他方の電極4aは、一般的な電極9、又は、それから独立している一般的な電極にも接続されている。制御電界効果トランジスター5を横切るドレイン電圧を安定化させるために、それぞれのセンサーSの制御電界効果トランジスター5とスイッチング電界効果トランジスター3との間の接続の中に、1つ又は複数のカスコードトランジスターを挿入することが可能である。
【0120】
別の例示的な実施形態では、適当なシステムにおいて、先行する実施形態のうちのいずれかによる方法の方法ステップを実行するように構成されていることを特徴とする、コンピュータープログラム又はコンピュータープログラムエレメントが提供される。
【0121】
したがって、コンピュータープログラムエレメントは、コンピューターユニットの上に記憶され、コンピューターユニットは、実施形態の一部であることも可能である。このコンピューティングユニットは、上記に説明されている方法のステップを実施するか、又は、その実施を誘導するように構成されている。そのうえ、コンピューティングユニットは、上記に説明されている装置のコンポーネントを動作させるように構成されている。コンピューティングユニットは、自動的に動作するように、及び/又は、ユーザーの命令を実行するように構成され得る。コンピュータープログラムは、データプロセッサーの作業メモリーの中へロードされる。したがって、データプロセッサーは、先行の実施形態のいずれかによる方法を実施するように装備されている。
【0122】
本発明のこの例示的な実施形態は、そもそも初めから本発明を使用するコンピュータープログラムと、アップデートによって、既存のプログラムを、本発明を使用するプログラムに変えるコンピュータープログラムとの両方をカバーする。
【0123】
さらに、コンピュータープログラムエレメントは、上記に説明されているような本方法の例示的な実施形態の手順を充足するために必要なすべてのステップを提供することが可能である。
【0124】
本発明のさらなる例示的な実施形態によれば、CD−ROMなどのようなコンピューター可読媒体が提示され、ここで、コンピューター可読媒体は、その上に記憶されたコンピュータープログラムエレメントを有しており、このコンピュータープログラムエレメントは、先行する章で説明されている。
【0125】
コンピュータープログラムは、適切な媒体の上に、たとえば、他のハードウェアと一緒に供給されるか、又は、他のハードウェアの一部として供給される、光学的な記憶媒体又はソリッドステート媒体などの上に、記憶及び/又は分配されてもよいが、また、他の形態で、たとえば、インターネット又は他のワイヤード若しくはワイヤレス電気通信システムなどを介して、分配されてもよい。
【0126】
しかし、また、コンピュータープログラムは、ワールドワイドウェブのようなネットワークを介して提供され、そのようなネットワークからデータプロセッサーの作業メモリーの中へダウンロードされ得る。本発明のさらなる例示的な実施形態によれば、コンピュータープログラムエレメントをダウンロードして利用可能なものにするための媒体が提供され、そのコンピュータープログラムエレメントは、以前に説明されている本発明の実施形態のいずれかによる方法を実施するように配置されている。
【0127】
本発明の実施形態は、異なる主題を参照して説明されているということが留意されなければならない。とりわけ、いくつかの実施形態は、方法タイプの請求項を参照して説明されており、一方、他の実施形態は、デバイスタイプの請求項を参照して説明されている。しかし、上記の説明及び以下の説明から、別段の通知がない限り、1つのタイプの主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴同士の間の任意の組み合わせも、本願に開示されていると考えられるということを、当業者は推量することとなる。しかし、すべての特徴は、特徴の単純な総和よりも大きな相乗効果を提供するように組み合わせられ得る。
【0128】
本発明は、図面及び先述の説明において詳細に図示及び説明されてきたが、そのような図示及び説明は、例示目的のためのもの又は例示的であると考えられるべきであり、限定的なものであると考えられるべきではない。本発明は、開示されている実施形態に限定されない。開示されている実施形態に対する他の変形例が、特許請求されている発明を実施する際に、図面、本開示、及び従属請求項の検討から、当業者によって理解且つ実現され得る。
【0129】
特許請求の範囲において、「備える/含む/有する(comprising)」という用語は、他のエレメント又はステップを除外しておらず、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外していない。単一のプロセッサー又は他のユニットは、特許請求の範囲に記載されているいくつかのアイテムの機能を充足する。特定の対策が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの対策の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。特許請求の範囲の中の任意の参照記号は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
(付記1)
物体を撮像するための装置であって、前記装置は、
X線検出器と、
少なくとも1つのX線供給源と
を含み、
前記少なくとも1つのX線供給源は、前記少なくとも1つのX線供給源と前記X線検出器との間の領域の少なくとも一部が、物体を収容するための検査領域となるように、前記X線検出器に対して位置決めされており、
前記X線検出器は、複数のX線放射検出エリアを含み、前記複数のX線検出エリアは、複数の第1のピクセルを含む第1のエリアと、複数の第2のピクセルを含む第2のエリアとを含み、
前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される第1の放射線は、前記第1のピクセルの少なくとも一部分によって受け取り可能であり、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される第2の放射線は、前記第2のピクセルの少なくとも一部分によって受け取り可能であり、前記第1の放射線は、放射線のパルスであり、前記第2の放射線は、前記第1の放射線とは異なる放射線のパルスであり、前記X線検出器は、ピクセルによって受け取られるX線放射がそのピクセルの中の信号の発生につながるように構成されており、
前記X線検出器は、前記第1のエリアに関連付けられている少なくとも1つの第1の複数のストレージノードと、前記第2のエリアに関連付けられている少なくとも1つの第2の複数のストレージノードとを含み、前記少なくとも1つの第1の複数のストレージノードは、前記複数の第1のピクセル上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶し、前記少なくとも1つの第2の複数のストレージノードは、前記複数の第2のピクセル上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶し、
前記少なくとも1つの第1の複数のストレージノードが前記複数の第1の信号を記憶した後に、前記少なくとも1つの第2の複数のストレージノードは、前記複数の第2の信号を記憶し、
前記X線検出器は、少なくとも1つのリセットを含み、前記少なくとも1つのリセットは、前記複数の第1のピクセルをリセットし、また、前記複数の第2のピクセルをリセットし、前記少なくとも1つのリセットが前記複数の第2のピクセルをリセットする前に、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される前記第1の放射線が第1のピクセルの前記一部分によって受け取り可能であるように、前記X線検出器が構成されており、また、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される前記第2の放射線が第2のピクセルの前記一部分によって受け取り可能である前に、前記少なくとも1つのリセットが前記複数の第2のピクセルをリセットするように、前記X線検出器が構成されている、装置。
(付記2)
前記X線検出器は、前記少なくとも1つの第1の複数のストレージノードに関連付けられた少なくとも1つの第1の読み出しと、前記少なくとも1つの第2の複数のストレージノードに関連付けられた少なくとも1つの第2の読み出しとを含み、前記少なくとも1つの第1の読み出しは、前記複数の第1の信号を読み出し、前記少なくとも1つの第2の読み出しは、前記複数の第2の信号を読み出し、前記複数の第1の信号の読み出しが終了する前に、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される前記第2の放射線が第2のピクセルの前記一部分によって受け取り可能であるように、前記X線検出器が構成されている、付記1に記載の装置。
(付記3)
前記少なくとも1つのリセットが前記複数の第1のピクセルをリセットする前に、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される前記第2の放射線が第2のピクセルの前記一部分によって受け取り可能であるように、前記X線検出器が構成されており、また、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される第3の放射線が第1のピクセルの前記一部分によって受け取り可能である前に、前記少なくとも1つのリセットが前記複数の第1のピクセルをリセットするように、前記X線検出器が構成されている、付記1又は2に記載の装置。
(付記4)
前記複数の第2の信号の読み出しが終了する前に、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される前記第3の放射線が第1のピクセルの前記一部分によって受け取り可能であるように、前記X線検出器が構成されている、付記2に従属する付記3に記載の装置。
(付記5)
物体を撮像するためのX線検出器であって、前記X線検出器は、複数のX線放射検出エリアを含み、前記複数のX線検出エリアは、複数の第1のピクセルを含む第1のエリアと、複数の第2のピクセルを含む第2のエリアとを含み、
少なくとも1つのX線供給源によって放出される第1の放射線は、前記第1のピクセルの少なくとも一部分によって受け取り可能であり、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される第2の放射線は、前記第2のピクセルの少なくとも一部分によって受け取り可能であり、前記第1の放射線は、放射線のパルスであり、前記第2の放射線は、前記第1の放射線とは異なる放射線のパルスであり、前記X線検出器は、ピクセルによって受け取られるX線放射がそのピクセルの中の信号の発生につながるように構成されており、
前記X線検出器は、前記第1のエリアに関連付けられている少なくとも1つの第1の複数のストレージノードと、前記第2のエリアに関連付けられている少なくとも1つの第2の複数のストレージノードとを含み、前記少なくとも1つの第1の複数のストレージノードは、前記複数の第1のピクセル上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶し、前記少なくとも1つの第2の複数のストレージノードは、前記複数の第2のピクセル上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶し、
前記少なくとも1つの第1の複数のストレージノードが前記複数の第1の信号を記憶した後に、前記少なくとも1つの第2の複数のストレージノードは、前記複数の第2の信号を記憶し、
前記X線検出器は、少なくとも1つのリセットを含み、前記少なくとも1つのリセットは、前記複数の第1のピクセルをリセットし、また、前記複数の第2のピクセルをリセットし、前記少なくとも1つのリセットが前記複数の第2のピクセルをリセットする前に、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される前記第1の放射線が第1のピクセルの前記一部分によって受け取り可能であるように、前記X線検出器が構成されており、また、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される前記第2の放射線が第2のピクセルの前記一部分によって受け取り可能である前に、前記少なくとも1つのリセットが前記複数の第2のピクセルをリセットするように、前記検出器が構成されている、X線検出器。
(付記6)
物体の撮像のための方法であって、前記方法は、
X線検出器の第1のエリアの第1のピクセルの少なくとも一部分によって、少なくとも1つのX線供給源によって放出される第1の放射線を受け取るステップであって、前記第1の放射線は、放射線のパルスであり、前記X線検出器は、ピクセルによって受け取られるX線放射がそのピクセルの中の信号の発生につながるように構成される、ステップa)と、
前記第1のエリアに関連付けられた少なくとも1つの第1の複数のストレージノードの中に、前記複数の第1のピクセル上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶するステップb)と、
前記ステップa)の後、及び、ステップe)の前に、前記複数の第2のピクセルをリセットするステップc)と、
前記ステップa)の後に、前記X線検出器の第2のエリアの第2のピクセルの少なくとも一部分によって、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される第2の放射線を受け取るステップe)であって、前記第2の放射線は、前記第1の放射線とは異なる放射線のパルスである、ステップe)と、
前記第2のエリアに関連付けられた少なくとも1つの第2の複数のストレージノードの中に、前記複数の第2のピクセル上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶するステップg)と
を有する、方法。
(付記7)
前記ステップb)の後に、前記少なくとも1つの第1の複数のストレージノードに関連付けられた少なくとも1つの第1の読み出しによって、前記複数の第1の信号を読み出すステップd)を有し、
前記ステップd)が終了する前に、前記ステップe)が開始する、付記6に記載の方法。
(付記8)
前記ステップe)の後に、前記複数の第1のピクセルをリセットするステップf)と、
前記ステップf)の後に、前記X線検出器の前記第1のエリアの第1のピクセルの前記一部分によって、前記少なくとも1つのX線供給源によって放出される第3の放射線を受け取るステップi)と、
を有する、付記6又は7に記載の方法。
(付記9)
前記ステップg)の後に、前記少なくとも1つの第2の複数のストレージノードに関連付けられた少なくとも1つの第2の読み出しによって、前記複数の第2の信号を読み出すステップh)を有し、
前記ステップh)が終了する前に、前記ステップi)を開始する、付記8に記載の方法。
(付記10)
前記ステップa)は、
前記X線検出器の前記第1のエリアの第1のピクセルの第1のサブ部分によって、X線供給源によって放出される放射線を受け取るステップa1)と、
前記X線検出器の前記第1のエリアの第1のピクセルの第2のサブ部分によって、前記ステップa1)の前記X線供給源とは異なるX線供給源によって放出される放射線を受け取るステップa2)とを有し、
前記少なくとも1つの第1の複数のストレージノードは、少なくとも2つの複数のストレージノードを含み、前記ステップb)は、
前記第1のエリアに関連付けられた複数のストレージノードの中に、第1のピクセルの前記第1のサブ部分上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶するステップb1)と、
前記第1のエリアに関連付けられた複数のストレージノードの中に、第1のピクセルの前記第2のサブ部分上の対応する信号を表す複数の第1の信号を記憶するステップb2)であって、前記ステップb2中の前記複数のストレージノードは、前記ステップb1中の前記複数のストレージノードとは異なっている、ステップb2)と
を有し、
前記ステップc)は、
前記ステップa1)の後に、前記複数の第1のピクセルをリセットし、前記ステップa2)の後に、前記複数の第2のピクセルをリセットするステップc1)を有し、
前記ステップe)は、
前記X線検出器の前記第2のエリアの第2のピクセルの第1のサブ部分によって、X線供給源によって放出される放射線を受け取るステップe1)と、
前記X線検出器の前記第2のエリアの第2のピクセルの第2のサブ部分によって、前記ステップe1)の中の前記X線供給源とは異なるX線供給源によって放出される放射線を受け取るステップe2)と
を有し、
前記少なくとも1つの第2の複数のストレージノードは、少なくとも2つの複数のストレージノードを含み、前記ステップg)は、
前記第2のエリアに関連付けられた複数のストレージノードの中に、第2のピクセルの前記第1のサブ部分上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶するステップg1)と、
前記第2のエリアに関連付けられた複数のストレージノードの中に、第2のピクセルの前記第2のサブ部分上の対応する信号を表す複数の第2の信号を記憶するステップg2)であって、前記ステップg2)中の前記複数のストレージノードは、前記ステップg1)中の前記複数のストレージノードとは異なっている、ステップg2)とを有する、付記6乃至9のいずれか一項に記載の方法。
(付記11)
付記1乃至4のいずれか一項に記載の装置を制御するためのコンピュータープログラムであって、前記コンピュータープログラムは、プロセッサーによって実行されるときに、付記6乃至10のいずれか一項に記載の方法を実施する、コンピュータープログラム。
(付記12)
付記11に記載のコンピュータープログラムを記憶した、コンピューター可読媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12