(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
液体を受け入れて収容するための少なくとも1つのチャンバ(1)であり、開放上部(11)と、開放底部(12)と、横方向側壁(13)とを備え、回転体形状を有し、回転軸線(XX’)が前記チャンバの前記上部と前記底部との間に延びている、少なくとも1つのチャンバ(1)と、
前記チャンバ(1)を前記回転軸線(XX’)を中心に回転させるための回転ユニット(2)と
を備える飲料調製デバイス(10)であって、
前記チャンバは、前記チャンバが回転しているときに、前記チャンバ内に存在する液体が、前記開放底部(12)の上方で前記チャンバの前記横方向側壁(13)に沿って液体のリングを形成するような形状を有する、飲料調製デバイス(10)。
前記チャンバ(1)は、前記横方向側壁の下部(133)が水平に対して少なくとも5°の勾配を有するように、形状を有するとともに前記飲料調製デバイスの内側に配置される、請求項1又は2に記載の飲料調製デバイス。
前記チャンバ(1)は、前記チャンバの前記上部と前記底部との間に延びる前記回転軸線(XX’)が垂直から傾斜するように、前記飲料調製デバイスの内側に配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の飲料調製デバイス。
前記デバイスは、前記開放上部(11)を通って前記チャンバ内に導入された液体を、前記開放底部(12)から離れるように方向転換させるように設計された、液体偏向器(5)を備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の飲料調製デバイス。
前記デバイスは、前記開放上部(11)を通して前記チャンバ内に液体を供給するための液体供給部(3)を備え、前記デバイスは、前記チャンバの前記開放底部(12)からオフセットするように液体を向けるように構成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の飲料調製デバイス。
前記デバイスは、少なくとも1つのスタティックミキサ(6)を備え、前記スタティックミキサは、前記チャンバの内容積部内に配置され、液体が前記チャンバと共に回転するときに液体によって交差されるように、前記チャンバに対して配置される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の飲料調製デバイス。
複数のチャンバ及び前記複数のチャンバを回転させるための複数の回転ユニットを含み、前記複数の回転ユニットの各々は、1つの専用チャンバを回転させるように構成されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の飲料調製デバイス。
複数のチャンバを備え、前記複数のチャンバは、内部形状、内容積、及び少なくとも1つのスタティックミキサの有無のうちの少なくともいずれかによって異なる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の飲料調製デバイス。
最終飲料の第1の部分が、ステップa)〜d)を実施することによって生成され、前記最終飲料の第2の部分が、ステップa)〜d)を再度実施することによって生成され、
前記最終飲料の前記第1の部分を生成するためのステップb)及びc)中の前記チャンバの回転速度ω1が、前記最終飲料の前記第2の部分を生成するためのステップb)及びc)中の前記チャンバの回転速度ω2とは異なり、
一方の回転速度ω1又はω2が、泡の生成を可能にするように設定され、他方の回転速度ω2又はω1が、前記泡の生成を回避するように設定される、請求項16又は17に記載の方法。
請求項14に記載の飲料調製デバイスを用いて飲料を調製するための方法であって、前記デバイスは2つのチャンバを備え、前記チャンバの一方はスタティックミキサを備えており、他方のチャンバはスタティックミキサを備えておらず、前記方法は、両方のチャンバに、同じ飲料成分、好ましくは可溶性コーヒーを導入するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
エスプレッソ及びその他のコーヒー飲料、ミルク飲料、チョコレート飲料などの多くの飲料は、飲料可溶性粉末を希釈液と混合して調製される。他のデバイスは、例えば、コーヒーなどの別の飲料成分と組み合わせて使用するために、新鮮なミルクを泡立たせるなど、既存の飲料に食感を与える、一般には泡立てるために、単に使用される。
【0003】
飲料の可溶性粉末を、水などの希釈剤と混合するか、又はミルクなどの液体を撹拌することによって、そのような飲料の迅速な調製のための様々な混合及び泡立てデバイスが知られている。
【0004】
複数のデバイスは、可溶性成分及び希釈剤がホイッパによって供給及び混合されるホイップチャンバを含む。次いで、飲料は飲用のためにレセプタクルに排出される。ホイッピングチャンバの不都合なことは、メンテナンスである。チャンバの定期的なクリーニングは、チャンバの取り外し、モータシャフトからのホイッパの取り外し、シャフト周囲のシールを保証するガスケットの取り外しを必要とする。操作は長くて厄介なことがある。
【0005】
他のデバイスは、ガスケットの使用を避けるために磁気駆動を使用するが、限られたトルクだけがホイッパに伝達され得る。したがって、飲料によっては、溶解又は泡立てが十分に効率的でない可能性がある。
【0006】
他のデバイスは、カップ又はチャンバ内で投与される飲料成分に当たって、混合、溶解及び/又は泡立てを与える希釈剤ジェットを備える。これらのデバイスの不都合なことは、飲料へのジェットによって生じる機械的エネルギが、飲料自体の量によって制限されることである。希釈剤の全量がジェットによって注出されると、飲料を更に撹拌することはできない。したがって、溶解又は泡立てが、十分に効率的でない可能性がある。
【0007】
米国特許出願公開第2003/007061号では、垂直軸線を中心に回転する回転混合チャンバを実装することによって、公知のホイップチャンバのクリーニングの問題を解決することが提案されている。チャンバ自体の回転のために、チャンバは、取り外し可能にロータに単に取り付けられていて、その結果、容易な取り外しを可能にするので、チャンバの取り外し及びクリーニングの問題が改善される。しかし、ブレードは、回転チャンバ内に固定されて取り付けられ、チャンバと共に回転する。その結果、チャンバはロータから取り外し易いが、チャンバの内部のクリーニングは非常に困難なままである。
【0008】
飲料調製に関しては、回転中、これらのブレードは混合のために飲料成分を一緒にチャンバの中心に向かって移動させる。したがって、チャンバの上部から落下する飲料成分は、混合ブレードを通過する間に互いに混合され、次いで、チャンバがまだ回転している間に、チャンバの底部出口を通して注出される。
【0009】
この従来技術は、デバイスからのチャンバの取り外しの問題を解決するが、この混合チャンバは、成分の混合の良好な制御を可能にしない。しかし、混合は、チャンバに導入される飲料成分の性質及び得られる飲料の所望の特性に応じて適合される必要がある。特に、従来技術のこの回転チャンバは、チャンバ内での混合時間の制御を可能にしない。成分は、ブレードによって混合されるべきチャンバの中央に向けられるので、同時に重力によって落下し、出口を通って迅速に注出される。
【0010】
そのようなチャンバは、溶解特性が悪く、飲料粉末と希釈剤との間のより長い接触を必要とする可能性がある成分には適合しない。
【0011】
そのようなチャンバは、少量の希釈剤と粉末との間の十分な接触を可能にしないので、少量の飲料の調製を可能にしない。
【0012】
そのようなチャンバは、混合チャンバが十分に速く回転しないと、粉末及び希釈剤がチャンバ出口に直接落ちるので、粉末と希釈剤の穏やかな混合を可能にしない。例えば、このチャンバは、泡立ちのないブラックコーヒーの生成を可能にしない。その結果、このチャンバは、泡立ちの有無にかかわらず、様々な異なる飲料の生成を可能にしない。
【0013】
本発明の目的は、従来技術の飲料調製デバイスの欠点の少なくともいくつかに対処するか、又は少なくともその代替を提供することである。
【0014】
本発明の目的は、飲料調製に使用される液体の量によらず、様々な異なる飲料の調製を可能にする飲料調製デバイスを提供することである。
【0015】
解体しやすく、解体されたらクリーニングしやすいデバイスを提供することは有利である。
【0016】
希釈剤の量、混合時間、混合又は非混合、ブレードの形状に関して、混合パラメータの微調整を可能にするデバイスを提供することは有利である。
【発明の概要】
【0017】
本発明の第1の態様では、
液体を受け入れて収容するためのチャンバであり、
開放上部と、開放底部と、横方向側壁とを備え、
回転体形状を有し、回転軸線がチャンバの上部と下部との間に延びている、チャンバと、
チャンバをその回転軸線を中心に回転させるための回転ユニットとを備える飲料調製デバイスであって、
チャンバは、チャンバが回転しているときに、チャンバ内に存在する液体が、底部の上方でチャンバの横方向側壁に沿って液体のリングを形成するような形状を有する、飲料調製デバイスが提供される。
【0018】
飲料調製デバイスは、少なくとも液体をチャンバに導入し、チャンバ内の液体を撹拌することによって飲料を調製するように構成される。
【0019】
調製は、飲料液体を形成するために飲料成分を液体と混合することからなることができる。この飲料成分は、好ましくは、可溶性飲料成分(可溶性飲料粉末又は飲料濃縮物)である。液体は好ましくは水である。チャンバは、少なくとも1つの飲料成分と液体の接触を可能にし、結果として飲料が調製される。
【0020】
調製は、空気を飲料に組み込み、その結果として飲料を泡立てるために、チャンバ内の既存の飲料を撹拌することからなることができる。例えば、ミルクは、泡立てられるデバイスに導入され得る。
【0021】
飲料調製デバイスは、撹拌チャンバを備え、該チャンバは、開放上部、開放底部と、その間に延びている横方向側壁を含む。したがって、チャンバは大気に開放される。開放上部は、重力落下による飲料成分の導入を可能にする。好ましくは、それは、それを通して粉末成分の導入を可能にするのに十分大きい。
【0022】
開放底部は、重力落下による調製された飲料の注出を可能にする。通常、チャンバはその底部において弁を備えていない。
【0023】
チャンバは、回転体形状を有し、回転軸線はチャンバの上部と下部との間に延びている。
【0024】
飲料調製デバイスは、回転軸線を中心にチャンバを回転させるために構成された回転ユニットを備える。
【0025】
チャンバの形状は、チャンバが回転しているときに、チャンバ内に存在する液体が、チャンバの底部の上方で横方向側壁に沿って液体のリングを形成するように画定される。
【0026】
回転に起因して、チャンバ内に存在する液体に、遠心力が作用する。液体は、チャンバの横方向側壁に導かれ、開放底部の上の横方向側壁の表面上に広がる。横方向側壁は、チャンバと共に回転する液体がリングの形状をとるように設計されている。
【0027】
したがって、チャンバが回転している間に、液体は底部を通して注出されず、飲料の調製は、少なくとも最終的な飲料の特性、例えば、更に説明される完全溶解又は必要な泡立ちを得るために必要な限り長くすることができる。有利には、チャンバは底部で開放されているが、回転中に滴下は観察されない。
【0028】
チャンバの形状に加えて、チャンバの特定のエリア、すなわちリングの容積におけるすべての飲料成分(複数可)の濃縮が可能にされる。この容積中の液体及び飲料に可溶な成分の濃度は、それらの間の接触を増加させ、溶解を改善する。
【0029】
好ましい実施形態によれば、チャンバは、チャンバの垂直断面において、
チャンバの最大直径が、チャンバの上部と下部との間にあり、
チャンバの直径が、最大直径から上部直径まで減少し、かつ、
チャンバの直径が、最大直径から底部直径まで減少するような形状を有する。
【0030】
好ましくは、チャンバは本質的に上部の形状を有する。
【0031】
その結果、チャンバが回転している間に、回転液が最大直径を示すチャンバのエリアの周りに残り、したがって、液体と飲料成分(複数可)との間の相互作用が改善される。
【0032】
したがって、チャンバが回転する限り、液体は開放底部から流れない。混合又は撹拌時間は、回転時間によって直接制御され、必要な溶解及び飲料特性に達するまで、少量の液体との長時間の混合を得ることが可能である。
【0033】
最大直径のエリアから底部までの直径の減少に起因して、チャンバの底部は、チャンバの回転が停止されたときに、飲料を開放底部に向かう方向及びそこを通って注出することを可能にする傾斜した傾斜面を有する。弁を設置して作動させる必要はない。
【0034】
最大直径のエリアから上部までの直径の減少のために、液体のリングがチャンバの横方向側壁に沿って形成される。
【0035】
好ましくは、最大直径は、チャンバの回転軸線に本質的に平行な横方向側壁の一部に沿って延びる。この部分は、直線状であるか、又は部分的に若しくは完全に丸くてもよい(ドーナツ形状など)。
【0036】
一般に、チャンバは、その内部最大直径対内部高さの比が1〜5に含まれるように設計される。そのような設計では、回転チャンバは、最大直径を有する部分の液体に対して接線方向速度の増加を提供することができる。したがって、スタティックミキサを回転チャンバに導入すると、ミキサと液体との相対速度の差、及び液体に適用される剪断応力の差が大きくなる。
【0037】
一般に、チャンバは、横方向側壁の下部、すなわち上記の構成で最大直径から底部直径に減少する部分が、チャンバが回転を停止したときに、液体、及び任意選択で泡の完全な排出を可能にするのに十分な傾斜を有するように、形状を有し、飲料調製デバイスの内部に配置される。
【0038】
好ましくは、いったん飲料調製デバイス内に配置されると、チャンバの横方向側壁の下部は、水平に対して少なくとも5°の勾配を有する。
【0039】
1つの第1の実施形態によれば、チャンバは、チャンバの上部と底部との間に延びる回転軸線(XX’)が本質的に垂直方向に向くように、飲料調製デバイスの内側に配置され得る。
【0040】
1つの第2の実施形態によれば、チャンバは、チャンバの上部と底部との間に延びる回転軸線(XX’)が垂直方向に向くように、飲料調製デバイスの内側に配置され得る。
【0041】
チャンバの回転軸線の傾斜度は可変であり、チャンバの設計に本質的に依存することができる。横方向側壁の下部が、チャンバが回転を停止すると、液体、及び任意選択で泡の完全な排気を可能にするのに十分な勾配を有する、すなわち水平面と少なくとも5°の勾配を有する限り、一般に、この傾斜度は無関係である。
【0042】
一般に、チャンバの壁の内面は平滑であり、任意のエンボス加工又は隆起加工された設計を備えていない。したがって、チャンバ内の液体はチャンバと共に回転する。
【0043】
あまり好ましくない実施形態では、チャンバの壁の内面は、チャンバ内の液体の撹拌を増加させるために、ブレードなどの隆起加工設計を含むことができる。
【0044】
好ましくは、チャンバは、開放上部を通ってチャンバ内に導入された液体を、開放底部から離れるように方向転換させるように設計された、液体偏向器を備える。
【0045】
したがって、この液体偏向器は、液体がチャンバ内で回転されることなくチャンバの上部から開放底部へ直接通過することを回避する。
【0046】
一実施形態によれば、偏向器は、開放底部の上に中心が置かれた円錐の形状を有することができ、上部が上方に向けられる。
【0047】
好ましくは、液体偏向器は、チャンバの開放上部を通って落下する液体をチャンバの横方向側壁にそらすように設計される。したがって、液体が上部を通って落下し、チャンバが回転しているとき、液体は回転横方向側壁に方向転換されてそこから回転する。
【0048】
好ましくは、液体偏向器は、チャンバの横方向側壁に沿って底部にスライドする液体を保持しないように設計される。したがって、チャンバが回転を停止すると、液体は、偏向器によって保持されることなく、横方向側壁に沿って開放底部に落下する。
【0049】
一実施形態によれば、偏向器は、チャンバの横方向側壁の上部の方向に液体を導くように設計されている。したがって、飲料調製の終わりに、チャンバがゆっくりと回転し、水のカーテンがチャンバの横方向側壁をすすぐことができる間に、水を偏向器に導くことができる。そのようなすすぎは、重要な量の液体を使用せずにチャンバのすべての内面をすすぐことができるので効率的である。
【0050】
好ましくは、飲料調製デバイスは、チャンバの開放底部を介してチャンバ内に液体を供給するための液体供給部を備え、そのデバイスは、チャンバの開放底部からオフセットするように液体を向けるように構成されている。
【0051】
したがって、液体が、チャンバ内で回転されることなく、チャンバの上部を通って開放底部に直接通過する危険性はより少ない。
【0052】
一実施形態によれば、飲料調製デバイスはスタティックミキサを備え、スタティックミキサは、チャンバの内容積部内に配置され、液体がチャンバと共に回転するときに液体によって交差されるように、前記チャンバに対して相対的に配置されている。
【0053】
回転され得るチャンバとは対照的に、スタティックミキサは不動である。したがって、チャンバの回転は、チャンバとミキサとの間、したがって液体とミキサとの間に速度の差を生じさせる。
【0054】
スタティックミキサは、チャンバ内に導入された成分の良好な混合を可能にし、任意選択で成分の泡立てを可能にする。混合効果は、液体及び他の飲料成分(複数可)がチャンバと共に回転するとすぐに得られる。泡立て効果は、液体が十分な速度で回転するときに得られる。
【0055】
好ましくは、スタティックミキサは、部分的に回転液体のリングの内部に、及び部分的にリングの外側になるように、混合チャンバ内に設計及び/又は配置される。この配置のために、回転液体の空気との界面は不安定化され、速度が十分であれば空気が液体に導入され最終的な泡立て効果が得られる。この速度は、チャンバに導入される構成要素の性質、チャンバの形状、スタティックミキサの形状によって変化する。一般に、スタティックミキサは、チャンバ内に導入される液体の量に関わらずこの効果を得るのに十分に大きい。
【0056】
好ましくは、スタティックミキサは、デバイスの固定部分に取り付けられ、開放底部又は開放上部を通って延びるアームによって、チャンバ内で不動に保持される。アームは、マシンの固定部分に取り付けられる。好ましくは、アームは、開放底部を通って延びている。
【0057】
好ましくは、スタティックミキサはマシンから取り外し可能である。クリップ又はマグネットなどの取り外し可能な手段によって、スタティックミキサを、マシンに取り付けることが可能であり、好ましくは、何ら工具を必要とせずに容易に手動で取り外すか又は取り付けることができる。
【0058】
スタティックミキサを取り外すとき、
それを適切にクリーニングするのは容易である。
チャンバが高速で回転しても、泡立ちのない飲料を調製することが可能である。
【0059】
調製される飲料の容積、所望の気泡のサイズ、所望の泡の厚さ及び/又は飲料の性質に応じて、異なるスタティックミキサを設計することも可能である。
【0060】
チャンバ及びスタティックミキサは、クルトンなどの大きな非可溶性成分を含む飲料用に設計することができ、具体的には、チャンバの底部は、これらの成分の注出を可能にするのに十分な大きさであることができる。
【0061】
スタティックミキサは、混合及び/又は泡立てを可能にする任意の形状を有することができる。一実施形態によれば、それは、バネであることができる。
【0062】
それは回転する液体であり、不動のままであるミキサであるので、複数のミキサ、例えば、複数のブレード、又はチャンバの長い部分上に延びるミキサ、を備える必要はない。スタティックミキサは、小型のデバイスであることができる。それは、製造するのに高価ではない。それは、クリーニングするのに容易なままである。
【0063】
特定の実施形態によれば、スタティックミキサは、チャンバ内の液体を加熱するように構成され得る。スタティックミキサは、ヒータからスタティックミキサに熱を伝達するように構成されたアームによって支持され得る。
【0064】
1つのモードによれば、ヒータはアームの外側に配置され、次いで、アームはヒータからアームを介してスタティックミキサに熱を伝導する少なくとも1つの熱伝導部材を含むことができる。
【0065】
別のモードによれば、ヒータはアームの内側に配置され得る。次いで、アームは、飲料調製デバイス内のエネルギ供給部と電気的接続を有する。
【0066】
ヒータは、抵抗器又は任意の他の同等の公知のヒータであることができる。
【0067】
チャンバの壁の内面が、隆起デザインを含むあまり好ましくない実施形態では、この隆起デザインのスタティックミキサとの組み合わせは、ミキサとそのデザインとの間で剪断されることになる液体の撹拌を強く増加させる。
【0068】
好ましくは、チャンバの上部は、開放上部の縁部から下方に延びるリップを備える。リップは、開放上部からチャンバの内容積部内に下方に延びる。このリップは、大きな開放上部の設計を可能にし、回転液体が上部開放部を通ってオーバーフローすることを回避する。チャンバが、チャンバ内に導入される液体の量に応じて、かなり小さい高さ(又はその内部最大直径対内部高さのかなり高い比)を示すとき、チャンバ内で回転する液体リングの厚さが重要になることができ、リップは液体のオーバーフローを回避する。
【0069】
飲料調製デバイスでは、チャンバを回転軸線を中心に回転させるための回転ユニットは、少なくとも歯車又はプーリなどの機械的手段、又は電磁誘導手段、又はデバイスを直接的又は間接的に回転させる任意の他の手段によってチャンバと協働する回転モータを備えることができる。
【0070】
間接的には、回転チャンバは、回転ユニットによって直接回転駆動されないことを意味し、チャンバは、回転ユニットによって回転される中間デバイスによって保持され得る。
【0071】
好ましくは、チャンバは支持体によって保持されており、支持体は回転ユニットによって回転される。チャンバは、何ら固定デバイスなしに支持体上に単に置かれ得る。したがって、チャンバは容易に取り外し可能であり、支持体から取り外すことができる。具体的には、シールによる気密性を保証する必要はない。メンテナンスと交換は非常に容易である。特に、オペレータは、自分が望むように飲料調製デバイスを設計することができる。
【0072】
好ましくは、オペレータが引き出しを引っ張り、動作状態のチャンバの上に配置されたデバイスの他の要素に当たることなく、支持体からチャンバを持ち上げることができるように、チャンバ、支持体及び回転ユニットのアセンブリを、引き出し上に保持することができる。
【0073】
一実施形態によれば、飲料調製デバイスは、チャンバ内の液体を加熱するためのヒータを備えることができる。加熱は、チャンバ、スタティックミキサ、又はチャンバの開放上部又は開放底部を通して導入された加熱部材などの、液体と接触する任意の表面に、適用され得る。
【0074】
1つの変形によれば、チャンバは強磁性材料から作られてもよく、デバイスはチャンバを加熱するための熱インダクタを備えてもよい。
【0075】
あるいは、チャンバは、抵抗加熱、赤外線加熱、マイクロ波加熱、超音波加熱、又はチャンバを加熱するための任意の他の手段によって加熱され得る。
【0076】
チャンバ内で調製された飲料の性質に応じて、チャンバは、飲料を注出するための注出チューブを備えることができ、チューブは、注出中に飲料の回転運動を切断するように設計されたデバイスを備える。このデバイスは、コーヒーなどの低密度の飲料に特に使用される。
【0077】
このデバイスは、少なくとも部分的にチューブを通って延びる交差部であることができる。
【0078】
他のタイプのより厚い飲料、又はスープ中のパンなどの固形物を含む飲料については、注出チューブの存在は不要であり得る。チャンバは、底部に大きな開放部を設ける利点を有する(チャンバが回転する限り、チャンバは飲料をチャンバ内に保持するので)。
【0079】
一実施形態によれば、飲料調製デバイスは、上述のような複数のチャンバを備えることができる。
【0080】
1つのモードによれば、チャンバは同一であることができる。その結果、複数の飲料を同時に調製することができる。そのような飲料調製デバイスは、オペレータが複数の顧客に迅速にサービスすることができるので、自宅外エリアで特に有用である。
【0081】
別のモードによれば、チャンバは、少なくともそれらの内部形状、それらの内容積によって、及び任意選択で少なくとも1つのスタティックミキサの有無のうちの少なくともいずれかによって異なることができる。結果として、飲料調製デバイスは、完全に各タイプの飲料に対して構成されたチャンバを有する様々な異なる飲料の調製を可能にする。例えば、飲料調製デバイスは、
ミルクを泡立てるための大きな内容積部及びスタティックな、−任意選択で加熱−ミキサを備えたチャンバと、
コーヒーを調製するためのより小さい内容積部を有するチャンバと、を備えることができる。
【0082】
各チャンバは、泡立てられたミルク及びコーヒーの最良の調製のために特に設計され、オペレータは、1つのチャンバを飲料調製デバイス内の別のチャンバに交換することなく、1つの調製から他の調製に切り替えることができる。
【0083】
一般に、複数のチャンバを有する飲料調製デバイスは、各々が1つの専用チャンバを回転させるように構成された、複数の回転ユニットを備える。そのようなデバイスは、異なる飲料の連続的な調製を可能にする利点を有し、これらの飲料は、同じ飲料カップで互いに更に混合され得る。そのようなデバイスは、各チャンバの速度及び回転時間の正確な制御を可能にする利点を有し、各飲料は最適条件で調製される。
【0084】
特定の実施形態によれば、飲料調製デバイスは、複数のチャンバ、及び複数のチャンバを同時に回転させるための1つの回転ユニットを備える。その飲料調製デバイスは、より安価である。そのような実施形態は、デバイスが、同一の飲料を同時に調製するように構成された同一のチャンバを備える場合に有用である。更に、そのような実施形態は、カプチーノ又はラテマッキアートなどの2つの飲料から作られる最終的な飲料の調製時間を短縮するのに有用である。コーヒーが調製されている間にミルクを泡立たせることができ、共通の回転ユニットが停止したときに両方を飲料カップに同時に注出することができる。
【0085】
一実施形態によれば、飲料調製デバイスは、少なくとも2つのチャンバを備えることができ、1つのチャンバは他方のチャンバの上方に配置され、上部チャンバ内で調製された飲料は下部チャンバ内に注出される。そのような実施形態では、上部チャンバは、可溶性飲料粉末からの飲料の単純な再構成に専用にされてもよく、下部チャンバは、この再構成飲料の任意選択で別の成分を用いた泡立てに専用にされてもよい。この第2の成分は、成分供給源から若しくは手動で、下部チャンバに導入されることが可能であり、又は第2の上部チャンバ内で調製された再構成飲料であってもよい。
【0086】
第2の態様によれば、上記のような飲料調製デバイスを用いて飲料を調製するための方法であって、
a) チャンバを回転させるステップと、
b) 次いで、少なくとも1つの液体を含む少なくとも1つの飲料成分を、回転しているチャンバに導入するステップと、
c) 次いで、飲料が調製されるまでチャンバの回転を続けるステップと、
d) 次いで、回転を停止し、チャンバの開放底部を通した飲料の注出を可能にするステップとを含む方法が提供される。
【0087】
その方法は、チャンバが回転している間に水がチャンバ内に導入される、最後のすすぎステップを含むことができる。
【0088】
一般に、飲料成分は、少なくとも飲料液体であり、任意選択で可溶性飲料成分である。
【0089】
少なくとも1つの飲料液体が飲料成分として導入される。この液体は、好ましくはミルク又は水である。ミルクは単独で導入されてもよく、一方、水は少なくとも1つの追加の可溶性飲料成分を有する希釈剤として導入される。
【0090】
可溶性飲料成分は、コーヒー、紅茶又はミルク濃縮物、又はシロップなどの液体濃縮物であることができる。それらは水やミルクに加えて導入され得る。
【0091】
可溶性飲料成分は、インスタント可溶性コーヒー、インスタント可溶性茶、チョコレートパウダー3イン1粉末、などの、粉末濃縮物であることができ、水又はミルクに加えてスープ粉末を導入することができる。
【0092】
異なる成分は同時に又は別々に導入され得る。それらは、チャンバが回転している間に導入されなければならず、さもなければ、開放底部を通って直接流れる。
【0093】
一実施形態によれば、ミルクのみがチャンバに導入される。その方法はミルクの泡立てを可能にする。その方法では、チャンバは、ミルクを泡立たせるためのスタティックミキサを備える。好ましくは、ミルクは、回転されている間にチャンバ内で加熱される。
【0094】
別の実施形態によれば、少なくとも1つの液体及び少なくとも1つの可溶性飲料成分がチャンバに導入されて、少なくとも1つの可溶性飲料成分が液体に溶解する。
【0095】
その方法は、上記2つの実施形態にしたがって、飲料のその後の調製を実施することもできる。例えば、カプチーノは、第1の実施形態にしたがってミルクを泡立たせることによって、次いで、第2の実施形態にしたがって、可溶性コーヒー及び水からコーヒーを調製することによって、調製され得る。
【0096】
飲料調製の間、チャンバの回転速度は、少なくとも、チャンバのサイズ及び形状、チャンバに導入される液体の性質、最終的な飲料に望まれる特性、加熱、スタティックミキサの形状に依存し得る。
【0097】
例えば、速度はすすぎステップ中の60rpmと泡立て中の6000rpmの間で変動し得る。
【0098】
通常、チャンバ内に導入される飲料又は液体の温度は、チャンバ内に導入される前に調節され得る。加熱のための任意の公知の技術を実施することができる。
【0099】
一実施形態によれば、最終飲料の第1の部分が、ステップa)〜d)を実施することによって生成され、最終飲料の第2の部分が、ステップa)〜d)を再度実施することによって生成され、
最終飲料の第1の部分を生成するためのステップb)及びc)中のチャンバの回転速度ω
1が、最終飲料の第2の部分を生成するためのステップb)及びc)中のチャンバの回転速度ω
2とは異なり、
一方の回転速度ω
1又はω
2が、泡の生成を可能にするように設定され、他方の回転速度ω
2又はω
1が、泡の生成を回避するように設定される。
【0100】
この実施形態は、好ましくは、クレマを用いてコーヒーを調製するために実施される。第1のステップa)〜d)はクレマの調製を可能にするが、第2のステップa)〜d)はブラックコーヒーの調製を可能にするか、あるいは第1のステップa)〜d)はブラックコーヒーの調製を可能にするが、第2のステップa)〜d)はクレマの調製を可能にする。
【0101】
好ましくは、最終飲料の第1の部分及び最終飲料の第2の部分の容積は異なり、最高回転速度で生成される部分の容積は他の部分の容積よりも最も小さい。クレマによるコーヒーの調製の場合、それは、クレマを含む部分の容積は、ブラックコーヒーの部分の他の容積よりも少ないことを意味する。
【0102】
好ましくは、最終飲料の第1の部分と最終飲料の第2の部分の回転時間は異なり、最高回転速度で生成された部分の回転時間は他の部分の回転時間よりも長い。クレマによるコーヒーの調製の場合、それは、クレマを含む部分の回転時間は、ブラックコーヒーの部分の他の回転時間よりも長いことを意味する。
【0103】
ブラックコーヒーは、以前にチャンバから生成された残りの気泡を排出するという利点を示す。最終すすぎステップは短縮され得る。
【0104】
エスプレッソコーヒーのカップ内の香りは、ワンショットで調製されたものと比較して改善されることも観察されている。実際、コーヒーの剪断応力及び回転時間を短縮することにより、カップ内の香りがより良好になることが観察されている。したがって、より低速かつ最短の回転時間でのステップa)〜d)の実施において、香りが保存される。
【0105】
一実施形態によれば、本方法は、複数のチャンバ及び複数のチャンバを同時に回転させるための1つの回転ユニットを備えた飲料調製デバイスを用いて実施され、そのデバイスは2つのチャンバを備え、チャンバの一方はスタティックミキサを備えており、他方のチャンバはスタティックミキサを備えておらず、本方法は、両方のチャンバに、同じ飲料成分、好ましくは可溶性コーヒーを導入するステップを含む。
【0106】
そのような方法は、特に、クレマによるコーヒーの調製に適合される。デバイスの2つのチャンバは同じ回転速度で回転するように構成されているが、1つはスタティックミキサを備えていない。したがって、スタティックミキサを備えていないチャンバは、低剪断応力下でブラックコーヒーを調製することを可能にし、スタティックミキサを備える他のチャンバは、高剪断応力下でクレマの調製を可能にする。
【0107】
本方法は、同じ飲料の両方の部分を同時に調製し、最終飲料を迅速に注出するという利点を示す。
【0108】
飲料成分は、各1つのチャンバ内に異なる時間に導入され得る。
【0109】
好ましくは、ブラックコーヒーの容積はクレマの容積より大きい。
【0110】
本出願において、用語「内部」、「底部」、「上部(top)」、「上部(upper)」、「下部」、「上方に」及び「横方向」は、本発明の特徴の関係上の配置を説明するのに使用される。これらの用語は、
図1又は
図13に示す飲料を生成するための飲料調製ディスペンサに配置されたときに、その/それらの通常の向きのチャンバ(複数可)を指すと理解されるべきである。
【0111】
本発明の上記態様は、任意の適切な組み合わせで組み合わせられ得る。更に、本明細書の様々な特徴は、具体的に例示及び記載されたもの以外の組み合わせを提供するために、上記態様の1つ以上と組み合わせられ得る。本発明の更なる目的及び有利な特徴は、「特許請求の範囲」、「発明を実施するための形態」、及び添付図面から明らかとなるであろう。
【0112】
本発明の特徴及び利点は、以下の図との関連で、より良好に理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0114】
図1は、通常はドリップトレイ上に配置される、カップ7内で飲料を調製するためのデバイスを示す。
【0115】
デバイスは、液体供給部3を備える。液体供給部は、一般に、デバイス内に設けられて熱水を供給する流体システムに連結されている。そのために、デバイスは、一般に、清水を補充され得る水タンクを備える。水ポンプは、タンクから、サーモブロック又はカートリッジ式ヒータなどの温水器に、最終的には逆止弁に水を輸送する。ポンプは、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプ又は蠕動ポンプなどの任意のタイプのポンプであってもよい。ヒータからの熱水は、単純なノズル又は更にチャンバの開放上部に配置されたチューブを通して注出され得る。
【0116】
あるいは、液体は、オペレータによってチャンバ内に導入され得る(例えば、新鮮なミルク)。
【0117】
デバイスは、飲料成分供給部4を備える。
図1において、供給部は、混合チャンバ1内に成分用量を注出するために、その出口に投与器41を備えた飲料可溶性粉末のタンクとして示されている。
【0118】
チャンバの回転、及びユーザが作動させるか又はデバイスにコマンドを強いるように促されたときに液体及び成分のチャンバ内への導入、を開始させるためのコントローラ(図示せず)が更に設けられる。
【0119】
デバイスはチャンバ1を備える。液体供給部は、液体が撹拌されるチャンバ1に液体を供給するように構成される。デバイスは、チャンバの軸線XX’に沿ってチャンバを回転させるための回転ユニットを備える。
図1の実施形態では、この軸線XX’は垂直に向けられている。チャンバを回転させるための回転ユニットは、チャンバを保持する支持体21、並びに支持体の回転及び、垂直に向けられている、軸線XX’を中心としたチャンバの回転のためのモータ22を含む。
【0120】
チャンバは回転体形状を有し、回転軸線XX’はチャンバの上部と底部との間に向けられている。
図2は、そのような特定の形状の回転体を示す。
【0121】
その形状は、チャンバが回転しているときに、チャンバ内に存在する液体が、チャンバの底部12の上方でチャンバの横方向側壁に沿って液体のリングを形成するように設計されている。
図1では、チャンバ1は、回転中のチャンバ内の液体31の位置を示すために垂直断面で示されている。
【0122】
別の実施形態では、液体供給部及び飲料成分が存在しない。デバイスはチャンバのみを備える。消費者は、所望の液体を導入して、チャンバ内で泡立てる。
【0123】
図3は、本発明のデバイスにおいて使用されるチャンバ1の垂直断面を概略的に示す。チャンバ1は回転体形状を有し、回転軸線XX’はチャンバの上部11と底部12との間に向けられている。
【0124】
チャンバの上部11は開放される。上部11が開放されると、液体及び最終的に飲料成分は、
図1に示すように容易にそこを通って落下することができる。リップ111は、飛散を避けるために上部12に取り付けられるが、必須ではない。このリップは、大きな開放上部の設計を可能にし、後述するように、スタティックミキサのアームの導入を可能にする。
【0125】
チャンバの底部12は開放される。チャンバは、飲料をカップに案内するために、開放底部12の下流にチューブ121を備えることができるが、必須ではない。
【0126】
横方向側壁13は、上部と底部との間に延びている。好ましくは、横方向側壁13は、少なくとも垂直部分131を備える。この垂直部分は必須ではない。チャンバは、例えば上部又はドーナツの形状を有することができる。
【0127】
断面に示すように、チャンバの最大直径D
Maxは、チャンバの上部と底部との間にあり、好ましくは垂直部分131に沿っている。
【0128】
チャンバの直径は、最大直径D
Maxから上部の直径D
Topまで減少し、かつ、チャンバの直径は最大直径D
Maxから底部の直径D
Bottomまで減少する。
【0129】
チャンバのこの設計では、チャンバが回転しているとき、チャンバ内に存在する液体は遠心力にかけられ、最大直径を有する横方向側壁に沿って濃縮される。結果として、飲料31のリングが回転チャンバ内に形成される。
【0130】
このチャンバの重要な利点は、チャンバが回転する限り、液体がチャンバ内に留まることである。したがって、チャンバ内の任意の量の液体を所望の限り保持することが可能である。特に、少量の液体を十分に撹拌されるまで保持することが可能である。
【0131】
したがって、チャンバの底部の下流に弁を設ける必要がなく、製造及びコストが簡単なままである。
【0132】
好ましくは、チャンバは、その内部最大直径D
Max対その内部高さhの比が1〜5になるように設計される。そのような設計では、回転チャンバは、最大直径を有する部分の液体に対して接線方向速度の増加を提供することができる。したがって、スタティックミキサを回転チャンバに導入すると、ミキサと液体との相対速度の差、及び液体に適用される剪断応力の差が大きくなる。
【0133】
図示のように、チャンバの内面は、好ましくは平滑であり、任意のエンボス加工又は隆起加工された設計を備えていない。その結果、チャンバ内に存在する液体は、チャンバとほぼ同じ速度で回転する。一実施形態によれば、チャンバ内の液体の撹拌を避けることが可能であり、気泡及び泡立ちのない平坦な飲料を調製することが可能である。その場合、チャンバは単に成分間の接触を可能にする。
【0134】
横方向側壁の下部133は、チャンバが回転を停止するとき、液体、特に泡の完全な排出を可能にするのに十分な勾配を有する。
図3に示すチャンバが
図1の飲料調製マシン内に回転軸線XX’を垂直に向けられて配置されている場合、好ましくは横方向側壁の下部133と水平との間の角度αは少なくとも5°である。
【0135】
開放底部12には、注出チューブ121が取り付けられている。このチューブは、開放底部から飲料カップに流れる飲料の適切な注出を可能にする。
【0136】
図4は、
図3のチャンバの特定の特徴を示す。
【0137】
第1に、チャンバ1は、開放上部11からチャンバ内に導入された液体を、開放底部12から離れるように方向転換させるように設計された、液体偏向器5を備えることができる。したがって、チャンバが回転している間に液体が導入されると、偏向器は液体を回転チャンバの横方向側壁13の方向に方向転換させ、液体は遠心力によって捕捉され、液体は底部に到達せず、注出される。
【0138】
図4において、偏向器5は、開放された底部12の上方に中心が置かれた単純な円錐であり、円錐の上部は上方に向けられている。円錐は、チューブ121を通って下方に延びる部材によって支持され得る。この部材は、クリーニングのために取り外され得る。この部材は、後述するようにチューブ121を通して注出される飲料を安定化させるように設計された形状を有することができる。以下に説明するように、他の設計を実施することができる。
図4において、2つの矢印は、円錐5上のチャンバの上部11から落下する液体30の動きを示す。
【0139】
代替実施形態では、チャンバは偏向器を備えなくてもよく、液体は、開放底部の方向ではなく、チャンバの横方向側壁の方向に供給され得る。この液体は、横方向側壁の方向に向けられた液体ノズル32によって供給され得る。液体ノズルを、
図4aに示すように横方向側壁の方向に固定して向けることができ、又は
図4bに示す特定の変形例では、液体ノズル32に取り付けられた可撓性チューブ33を多関節アーム34によって支持することができ、開放上部を通してノズル32を導入し、次いで、その向きを開放底部から離れるようにすることを可能にする。
【0140】
第2に、
図4は、チャンバ1が、チャンバの内容積部に配置された少なくとも1つのスタティックミキサ6、ここでは2つのミキサ、をどのように備えることができるかを示す。これらのスタティックミキサは不動であり、チャンバ1と共に回転する液体31と交差するようにチャンバの内部に配置される。したがって、スタティックミキサ6を通過する液体31は泡立てられる。これらのスタティックミキサ6は、アーム61によって保持され、その端部はデバイスの固定部分に取り付けられる。デバイスは、以下に示すように、1つのスタティックミキサ6だけを備えることができる。好ましくは、スタティックミキサ(複数可)は、
図3に示すように、クリーニングするために、又は泡立てられずに飲料を調製するために、取り外し可能である。
【0141】
混合チャンバのサイズ、撹拌される飲料の性質及び/又は調製される飲料、及び/又は飲料の量に応じて、異なるタイプのミキサを使用することができる。スタティックミキサは、チャンバによる回転の横方向側壁に沿った回転液の流れを不安定にする任意の形状を有し得る。例えば、スタティックミキサは、バネ又は波の形状を有することができる。バネは、好ましくは、その長手方向軸が軸線XX’に垂直な平面内に延びるように配置され、バネは、本質的に横方向側壁13の湾曲に従う。同様に、波は好ましくは軸線XX’に垂直な平面内に延び、波は本質的に横方向側壁13の湾曲に従う。
【0142】
一般に、チャンバは、最小容積と最大容積との間に設定された特定の容積の液体を受け入れることができるように設計され、チャンバが回転しているときに、チャンバ内に存在する液体の最小及び最大の両方の容積が、チャンバの横方向側壁13に沿って液体のリングを形成することを保証する。スタティックミキサ6は、回転液体の最小及び最大容積の両方について、液体の回転リングに当たるようにチャンバ内に配置される。
【0143】
チャンバの設計に影響を及ぼす他の要因は、
粘度(特にデンプンなどの飲料成分から生成された飲料の)に関して、生成される飲料の性質、
内部に導入された成分の性質(粉末、濃縮物、不溶性片)、であることができる。
【0144】
図5は、チャンバが回転しているときの液体31のリングを示す、
図2のチャンバの垂直断面である。液体31は、チャンバの横方向側壁13に沿って維持される。遠心力のために、液体は、最大直径の横方向側壁に沿って、すなわち部分131に沿って維持される。上部のリップ111は、大きな開放上部を維持しながら、オーバーフロー及び飛散を回避する。
【0145】
スタティックミキサ6は、液体のリング内に配置され、液体を撹拌する。撹拌は、チャンバ内に導入された飲料成分及び液体の溶解を改善する。撹拌は、液体のリングを乱し、気泡及び泡立ちが発生され得る液体/空気界面を生成することによって泡立ちを可能にすることができる。
【0146】
図示の実施形態では、スタティックミキサ6はバネである。
【0147】
図5のこの特定の実施形態では、スタティックミキサのアーム61は液体偏向器としても設計されている。点線30は、液体供給源から出る液体の流れを示す。スタティックミキサのアーム61は、開放上部から落下する液体30の流れを受け取り、この流れをチャンバの横方向側壁131の方向に、好ましくは横方向側壁の上方部分132の方向に上方に偏向させるように設計されている。この偏向器は、液体がチャンバ内を流れ始めるときに液体が開放部を通って落下することを回避する。この偏向器は、飲料調製の後、上部から底部へのチャンバのすすぎも可能にする。
【0148】
図6a及び
図6bは、偏向器機能を提供するスタティックミキサのアーム61の分離された斜視図である。アームの1つの端部611は、バネであるスタティックミキサ6を支持する。他方の端部612は、飲料調製デバイスに、例えば、図示された穴によって固定されて取り付けられているので、アームは、チャンバの開放上部を通って延び、スタティックミキサを横方向側壁13の近くのチャンバ内に配置する。アームは、液体の流れを受け入れるためのシュート613、及び液体を上方に向けるためのシュートの底部の案内面614を備える。
【0149】
この実施形態は、偏向器とスタティックミキサ支持機能の組み合わせを可能にし、上部を通してのクラッタを制限する。
【0150】
更に別の実施形態では、偏向器はスタティックミキサのアームから分離されてもよい。例えば、泡立てないことが望まれる場合。
【0151】
これは特定の実施形態であり、本発明もこれに限定されない。
【0152】
図7は、
図1〜
図5に示すチャンバの上面図である。開放底部に取り付けられた注出チューブは、注出中に飲料の回転運動を停止するように設計されたデバイス122を備える。このデバイスは、チューブに沿って延びる交差部122である。この交差部は、液体が開放底部内で回転して、下流でより長くて汚い注出を引き起こすことを回避する。交差部は滑らかで層状の流れを生じさせ、大きな気泡を濾過することさえ可能にする。
【0153】
他の変形では、開放底部は、気泡の発生を制限するか、又は穴を備えたプレートを用いて飲料の気泡のサイズを篩い分けするなど、注出された飲料の特性を改善するための他のデバイスを備えることができる。
【0154】
図8は
図1の飲料調製デバイスの回転ユニットである。この回転ユニット2は、第1の歯車24に取り付けられた細長い回転軸線221を備えたモータ22を備え、その歯車を回転させることができる。
【0155】
チャンバ1は、プーリ27を介して第1の歯車24と協働する第2の歯車23に取り付けられた回転支持体21内に配置されている。
【0156】
図9に示すように、チャンバ1は単に支持体21上に載置される。チャンバ1及び支持体21は相補的な外面を有し、チャンバ1が支持体21上に配置されると、支持体の運動によって駆動される。チャンバは、回転中にチャンバと支持体との間の滑りを回避する界面形状を有する支持体に取り付けられ得る。チャンバ1は、機械的ロックによっても支持体21に取り付けられてもよく、又はチャンバ1は、磁石によって支持体21に取り付けられてもよい。
【0157】
支持体12は、モータ22の回転が支持体21の回転を誘発するように、第2歯車23に固定して取り付けられる。チャンバ支持体21は、ボールベアリング26を介して固定ホルダ25上に立設されている。
【0158】
オペレータがデバイスからチャンバを取り外そうとするとき、デバイス内の任意の他の解体操作なしにチャンバを支持体21から単に取り外す必要がある。これは、モータによって作動されるホイッパを備えたチャンバと比較して、重要な利点である。
【0159】
好ましくは、チャンバは2つの部品のアセンブリであり、これらの部品は手動で容易に取り外される。好ましくは、チャンバは、上部1Aと底部1Bのアセンブリである。2つの部分は、それらの外面のバンプと穴を協働させることによって組み立てられ得る。あるいは、2つの部分を互いにクリップすることができ、分離されたときには、ヒンジを介して取り付けられたままである。したがって、オペレータは、2つの部品を外して内面を洗浄することができる。
【0160】
好ましくは、チャンバの内面は、ブレードなどの任意の隆起された設計を備えない。したがって、液体及び他の飲料成分は、チャンバ内でブロックされたままではない。飲料調製の終わりにすすぐと、それらは開放底部を通ってドラッグされる。クリーニング動作中に、チャンバの滑らかな内面を迅速に拭くことができる。
【0161】
更に、デバイスは、混合中にチャンバ内に液体を保持するためのチャンバの出口における弁を必要としない。遠心分離及びチャンバの設計によって、チャンバが回転する限り、液体は内部に保持される。したがって、弁からチャンバを取り外す必要はない。
【0162】
図10は、本発明に係る飲料調製デバイスを用いて飲料を調製する方法を示す。
【0163】
第1のステップa)において、垂直軸線XX’に沿ったチャンバ1の回転が作動される。
【0164】
更なるステップb)では、液体30及び任意選択で飲料成分(複数可)41が、回転している間にチャンバの開放上部11を通して導入される。それらは、それらをチャンバの回転横方向側壁13にそらせる偏向器5上に落下する。液体及び成分(複数可)は同時に又はその後に導入され得る。
【0165】
チャンバが回転する限り、液体及び飲料成分(複数可)はチャンバと共に回転し、c)に示すように横方向側壁13に沿って残る。
【0166】
更なるステップd)では、回転が停止され、飲料はチャンバの開放底部12を通って流れる。
【0167】
その方法は、チャンバが回転している間に水がチャンバに導入される、最後のすすぎステップ(図示せず)を含むことができる。回転は、水がチャンバの内面に沿ってカーテンとして流れることができるように、低速度で実施され得る。
【0168】
図10は、液体及び粉末飲料成分の導入を示す。本発明は、液体のみがチャンバ内に導入される方法も包含する。
【0169】
その方法は、スタティックミキサがチャンバ内に配置されたときに、泡立ち又はクレマを有する飲料の調製を可能にする。回転速度は、スタティックミキサの形状及び液体を撹拌するその能力に応じて適合され得る。例えば、スタティックミキサが液体と空気との間の界面を剪断し難い形状を有する場合、次いで、所望の剪断応力レベルを補償し生じさせるために回転速度を高くしなければならない。逆に、スタティックミキサが液体と空気との間の界面を大きく乱すように設計されている場合、より低い回転速度で同等のレベルの剪断応力に到達することができる。
【0170】
その方法は、回転速度とスタティックミキサ形状の組み合わせが、泡立ちレベルよりも低い剪断応力を発生させるとき、泡立ちのない飲料の調製を可能にする。したがって、スタティックミキサが存在しても、泡立ちのない飲料を調製することが可能である。
【0171】
その方法は、スタティックミキサがチャンバ内に配置されていないときにも、泡立ちのない飲料の調製を可能にする。
【0172】
図1に記載のマシンを、
図5に記載のチャンバ及び
図8及び
図9に記載の実施形態と共に使用して、コーヒーを生成した。
【0173】
チャンバは、
80mmの最大直径D
Maxと、
40mmの上部直径D
Topと、
8mmの底部直径D
Bottomと、
50mmの内部高さhと、を有する。
【0174】
コーヒー調製中に、チャンバを4000rpmで回転させた。次いで、2gの可溶性コーヒー及び50mLの水を導入した。チャンバは10秒間回転し続け、液体は、回転中に開放出口から落下しなかった。10秒後、回転が停止され、コーヒーは開放底部を通って飛散した。
【0175】
図11a及び
図11bは、
図1に係るデバイスに実装され得るチャンバの垂直断面及び水平断面の概略図であり、チャンバは、その内面から立ち上がるブレード14を備える。チャンバは、チャンバの内周のまわりに均等に配置された8つのブレード14を備える。これらのブレード14は、好ましくは、最大直径D
Maxを示す横方向側壁の部分に近い位置、すなわち、チャンバが回転しているときに液体がリングを形成するエリアにある。
【0176】
チャンバは、8つのスタティックミキサ6を備え、各々は、チャンバの中心から、横方向側壁の方向に、好ましくはブレード14の方向に、放射状に延びるブレードから形成される。すべてのスタティックミキサ6は、共通のアーム61に取り付けられる。
【0177】
図12a及び
図12bは、
図11a、
図11bのチャンバの変形を示しており、チャンバ1は、その内面から立ち上がるブレード14を備える。チャンバは、チャンバの内周の周りに均等に配置された8つのブレード14の2つのリングを備える。2つのリングは、特定の間隔dだけ離れている。チャンバは、8つのスタティックミキサ6を備え、各々は、チャンバの中心から、横方向側壁の方向に、好ましくはブレード14の方向に、放射状に延びるブレードから形成される。すべてのスタティックミキサ6は、共通のアーム61に取り付けられる。8つのスタティックブレードは、チャンバのブレードの2つのリング14の間の空間dに配置される。
【0178】
内部チャンバ内及びスタティックミキサ用の様々な他の形態のブレードを設計することができる。
【0179】
図11a、
図11b、
図12a及び
図12bに示されるこれらの実施形態は、チャンバの回転中に液体の非常に効率的な剪断を提供する。しかし、それらのクリーニングはより困難である。
【0180】
図13は、チャンバの回転軸線XX’が垂直から傾斜するように、チャンバ1が飲料調製デバイス内に配置されている、
図1のデバイスの代替例を示す。
【0181】
図14は、
図13のデバイスから分離されたチャンバのためのチャンバ1及び支持体21の概略図である。支持体21は、その回転軸線XX’が垂直に対して角度βだけ配置されるように、飲料調製デバイス内のチャンバ1を向ける。チャンバは、飲料調製マシン内のこの特定の向きにおいて、チャンバの横方向側壁の下部133は、チャンバが回転を停止したときに、液体及び任意選択で泡の完全な排出を可能にするのに十分な角度αを有するように設計される。チャンバの傾斜により、この角度はチャンバの円周に沿って変化する(α
1、α
2)が、常に概して5°を超えて維持される。
【0182】
飲料調製デバイスにおけるチャンバ1のこの向きは、液体供給出口から落下する希釈剤30の流れの直接の向きを、開放底部12から離れるようにすることを可能にするという利点を有する。したがって、開放底部の上方の偏向器又は多関節アームは不要である。開放上部11を通って落下する成分41についても同じ利点が存在する。
【0183】
図15は、液体が回転チャンバの内部に手動で導入される本発明に係る飲料調製デバイスを示す。このデバイスは、いずれの液体供給部もいずれの飲料成分供給部も備えていない。オペレータは、液体容器8によって、撹拌され、通常は泡立てられる液体を導入する。好ましくは、液体容器8は、チャンバの横方向側壁の方向に液体を向けるように設計された液体出口81を備える。例えば、液体出口は、チャンバの開放上部を通して容易に挿入され得るエルボー部を有することができる。
【0184】
そのようなデバイスは、特にミルクを泡立てるのに適合される。したがって、好ましくは、デバイスは、液体を泡立てるための少なくとも1つのスタティックミキサを備える。好ましくは、デバイスは、上述のようにチャンバ1内の液体を加熱するヒータを備える。
【0185】
図16は、上下に配置される2つのチャンバ1,1’を備える、本発明に係る飲料調製デバイスを示す。
【0186】
上部チャンバ1’は、液体供給部3からの液体で供給部4からの飲料成分を再構成することによって飲料を調製するように構成される。再構成された飲料は、上部チャンバの底部12’を通って下部チャンバ1に注出される。この注出動作は、下部チャンバ1が回転している間に行われる。下部チャンバは、上部チャンバ1’から流れる飲料を泡立てることができる。任意選択で、例えば液体容器8に貯蔵された別の飲料は、再構成された飲料と共に回転下部チャンバ1に導入され得る。弁82は、チャンバが回転している間に液体の導入を可能にするように操作され得る。
【0187】
図16は、上部及び下部チャンバ1,1’及び液体容器8を有する飲料調製デバイスの特定の実施形態を示しているが、本発明はそのような実施形態に限定されない。具体的には、液体容器は、
第2の上部回転チャンバ、又は
飲料成分供給部及び任意選択で希釈剤供給部によって、置き換えられ得る。
【0188】
飲料調製デバイスは、下部チャンバ1内の飲料成分の任意の追加の源を欠いていてもよく、そのチャンバは、上部チャンバ1’のみから注出された飲料を泡立たせるのに専用にされている。
【0189】
図17は、本発明に係る飲料調製デバイスを示し、
互いに上下に配置され、回転軸線XX’を有する2つのチャンバ1、1’と、
チャンバ1,1’を同時に回転させるための1つの回転ユニット2と、を備える。
【0190】
チャンバ1、1’は、互いに取り付けられるか、又は単一の材料片を形成し、1つのモータ22による1つのチャンバ(例示された実施形態のチャンバ1)を回転させると、他のチャンバ1’も同じ速度で同じ方向に回転させる。
【0191】
各チャンバ1,1’はそれぞれスタティックミキサ6、6’と関連付けられる。各スタティックミキサ6、6’のアームは、上記の
図5に示した原理にも基づいて、液体偏向器としても設計されている。点線30、30’は、2つの別個のノズル32、32’から出て、好ましくは両方のノズルに対して同じ液体供給部に接続された、2つの液体の流れを示す。各スタティックミキサ6、6’に対して、アームは、液体30、30’の流れを受け取り、この流れを、対応するチャンバ1、1’のそれぞれの横方向側壁の方向に、好ましくは、横方向側壁の上方部分132の方向に上方に偏向させる。代替的な実施形態によれば、チャンバの両方又は少なくとも1つは、スタティックミキサを備えなくてもよく、液体を、ノズル又はチューブ、及び最終的には偏向器によって導入され得る。
【0192】
飲料調製デバイスは、各チャンバ1、1’内に飲料成分42、42’の用量を注出するために、少なくとも1つの飲料成分供給部を含む。例示された実施形態では、各チャンバの上部及び下部の直径は、単純な重力落下による各チャンバの供給を可能にするようにチャンバが設計され、このチャンバの最低点における下部チャンバの直径は、チャンバの最高点における下部チャンバの直径、及びチャンバの最低点における上部チャンバの直径よりも小さい。したがって、飲料成分注出出口を、軸線XX’から異なる距離に配置することによって、飲料成分を上部チャンバ又は下部チャンバのいずれかに送達することが可能である。飲料成分42、42’は、同一又は異なる性質であることができる。
【0193】
飲料成分42、42’は、異なる時間の回転プロセスで、対応するチャンバに導入され得る。したがって、各成分の溶解時間及び泡立て時間を制御することが可能である。
【0194】
そのようなデバイスは、同一の飲料成分を両方のチャンバ1、1’に同時に異なる条件下で溶解することによって、具体的には1つのチャンバ内でスタティックミキサを用いて混合し、他のチャンバ内でスタティックミキサなしで混合することによって、飲料を調製することを可能にする。この実施形態は、泡立ちのない飲料の部分及び泡立ちを有する同じ飲料の部分の調製を可能にする。この実施形態は、クレマを有するコーヒーを調製するのに特に有用であり、より重要な量のブラックコーヒーがスタティックミキサを備えていないチャンバ内で穏やかに調製され、少量のクレマがスタティックミキサを備えたチャンバ内で調製される。したがって、最終的な飲料は、穏やかに溶解されたコーヒーの香り、及び強く泡立てられたクレマの風味の良い態様を含む。両方の結果は、両方のチャンバを、同じ速度で同じ時間長で同時に回転させることによって得られた。任意選択で、スタティックミキサを備えていないチャンバに導入された可溶性コーヒーを、スタティックミキサを用いてチャンバに導入された可溶性コーヒーよりも後に導入することができ、最終的な香りを更に改善することができる。
【0195】
所望であれば、そのようなデバイスは、液体及び飲料成分が1つの同一のチャンバ1又は1’、好ましくは下部チャンバに供給され、他のチャンバには何も導入されないときに、1つのチャンバだけで最も簡単な飲料調製を可能にする。したがって、本発明のデバイスは、簡単な飲料又は複合飲料を調製するために代替的に使用され得る。
【0196】
本発明を上述の実施形態を参照して説明したが、特許請求の範囲に記載された発明は、これらの例示された実施形態によって決して限定されないことが理解されよう。
【0197】
特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、変形及び修正を行うことができる。更に、公知の均等物が特定の特徴に存在する場合、そのような均等物は、あたかも本明細書中で具体的に参照されるかのように組み込まれる。
【0198】
本明細書で使用される場合、用語「備える」、「備えている」、及び同様の語は、排他的又は包括的な意味で解釈されるべきではない。換言すれば、それらは、「〜を備えるが、それらに限定されない」ことを意味することが意図される。