特許 6951370 取り外し可能なフィルターセグメントを有する喫煙物品

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6951370

(24)【登録日】2021年9月28日

(45)【発行日】2021年10月20日

(54)【発明の名称】取り外し可能なフィルターセグメントを有する喫煙物品

(51)【国際特許分類】

   A24D 3/04 20060101AFI20211011BHJP

   A24D 1/02 20060101ALI20211011BHJP

【ＦＩ】

   A24D3/04

   A24D1/02

【請求項の数】13

【全頁数】17

(21)【出願番号】特願2018-568906(P2018-568906)

(86)(22)【出願日】2017年7月3日

(65)【公表番号】特表2019-522990(P2019-522990A)

(43)【公表日】2019年8月22日

(86)【国際出願番号】EP2017066468

(87)【国際公開番号】WO2018007300

(87)【国際公開日】20180111

【審査請求日】2020年4月1日

(31)【優先権主張番号】16177732.1

(32)【優先日】2016年7月4日

(33)【優先権主張国】EP

(73)【特許権者】

【識別番号】516004949

【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エス．エイ．

【氏名又は名称原語表記】ＪＴ ＩＮＴＥＲＮＡＴＩＯＮＡＬ Ｓ．Ａ．

(74)【代理人】

【識別番号】110003281

【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所

(74)【代理人】

【識別番号】100076428

【弁理士】

【氏名又は名称】大塚 康徳

(74)【代理人】

【識別番号】100115071

【弁理士】

【氏名又は名称】大塚 康弘

(74)【代理人】

【識別番号】100134175

【弁理士】

【氏名又は名称】永川 行光

(74)【代理人】

【識別番号】100188857

【弁理士】

【氏名又は名称】木下 智文

(74)【代理人】

【識別番号】100169100

【弁理士】

【氏名又は名称】辰川 肇

(72)【発明者】

【氏名】クルカルニ，プラナフ

(72)【発明者】

【氏名】ヘイネン，フロリアン

【審査官】 山本 崇昭

(56)【参考文献】

【文献】 欧州特許出願公開第０２００２７３７（ＥＰ，Ａ１）

【文献】 欧州特許出願公開第００６６４０８９（ＥＰ，Ａ１）

【文献】 特開２００８−１７３０９９（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特表２００６−５１７１０６（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ａ２４Ｄ １／００−３／１８

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

外側包装体によって囲まれた喫煙可能材料を有する喫煙可能ロッドであって、フィルターエンドとスモークエンドとを有する前記喫煙可能ロッドと、
スモークエンドとマウスエンドと軸方向に整列されフィルター包装体に囲まれた複数のフィルターセグメントとを有するフィルターロッドであって、隣接するフィルターセグメントは対応するフィルター接触面において互いに接していて、前記フィルターロッドの前記スモークエンドは前記喫煙可能ロッドの前記フィルターエンドに接している前記フィルターロッドと、
前記フィルターロッドと少なくとも前記喫煙可能ロッドの前記フィルターエンドとを包囲して前記フィルターロッドと前記喫煙可能ロッドとに付けられるティッピング包装体と、を備える喫煙物品であって、
前記フィルター包装体及び前記ティッピング包装体は、前記フィルターロッドの周りに円周状に配列された複数の穿孔を備え、前記穿孔は、前記フィルターロッドを、前記スモークエンドを含むフィルターセグメントの第１のセットと前記マウスエンドを含むフィルターセグメントの第２のセットとに分割するように実質的にフィルター接触面の位置において配置され、
前記穿孔は、
（ｉ）前記喫煙可能ロッド及び前記フィルターロッドを介して前記スモークエンドから前記マウスエンドへと流れる主流煙からの送煙を、前記主流煙に空気を導入することで減少させ、
（ｉｉ）前記フィルターセグメントの前記第２のセットから前記フィルターセグメントの前記第１のセットを取り外すことで、第１の所定レベルから第２の所定レベルへと送煙を増加可能なように破断線を提供するように構成され、
前記フィルター包装体における前記複数の穿孔は、前記ティッピング包装体における前記複数の穿孔に実質的に整列されている、喫煙物品。

【請求項2】

請求項１に記載の喫煙物品であって、
前記フィルター包装体及び前記ティッピング包装体は更に、前記主流煙からの送煙を減らすように少なくとも１つの通気領域を備え、前記少なくとも１つの通気領域は、前記穿孔の上流又は下流に配置されている、喫煙物品。

【請求項3】

請求項２に記載の喫煙物品であって、
前記通気領域は、前記フィルター包装体及び前記ティッピング包装体のうちの少なくとも１つにおいて通気穴を備える、喫煙物品。

【請求項4】

請求項３に記載の喫煙物品であって、
前記通気穴は、円周状に配列されている、分散されている又は整列されて配列されている、喫煙物品。

【請求項5】

請求項１乃至４のいずれかに記載の喫煙物品であって、
少なくとも１つのフィルターセグメントは、微粒子状の材料、壊れやすいカプセル、空洞又は凹部のうちの少なくとも１つを備える、喫煙物品。

【請求項6】

請求項１乃至５のいずれかに記載の喫煙物品であって、
前記ティッピング包装体は更に窓を備え、前記フィルターロッドの少なくとも一部が前記窓を介して見えるようになっている、喫煙物品。

【請求項7】

請求項６に記載の喫煙物品であって、
前記フィルター包装体は、前記窓を介して少なくともフィルターセグメントの一部が見えるように、少なくとも前記窓の一部領域が透明又は半透明である、喫煙物品。

【請求項8】

請求項１乃至７のいずれかに記載の喫煙物品であって、
前記フィルターセグメントの第１のセットは、１つのフィルターセグメントを備える、喫煙物品。

【請求項9】

請求項１乃至８のいずれかに記載の喫煙物品であって、
前記フィルターセグメントの第２のセットは、１つのフィルターセグメントを備える、喫煙物品。

【請求項10】

請求項１乃至９のいずれかに記載の喫煙物品であって、
前記破断線のｃｍ当たりの前記穿孔の数は、少なくとも１２個である、喫煙物品。

【請求項11】

喫煙物品を製造する方法であって、
外側包装体によって囲まれた喫煙可能材料を有する喫煙可能ロッドであって、フィルターエンドとスモークエンドとを有する前記喫煙可能ロッドを提供する工程と、
スモークエンドとマウスエンドとフィルター包装体に対して軸方向に整列された複数のフィルターセグメントとを有するフィルターロッドであって、隣接するフィルターセグメントは対応するフィルター接触面において互いに接していて、前記フィルターロッドの前記スモークエンドは前記喫煙可能ロッドの前記フィルターエンドに接している前記フィルターロッドを提供する工程と、
前記フィルターロッドと少なくとも前記喫煙可能ロッドの前記フィルターエンドとがティッピング包装体を備えるように前記フィルターロッドと前記喫煙可能ロッドとを付ける工程と、
前記フィルター包装体及び前記ティッピング包装体に、前記フィルターロッドの周りに円周状に配列された複数の穿孔を設けるとともに、前記フィルターロッドを、前記スモークエンドを含むフィルターセグメントの第１のセットと前記マウスエンドを含むフィルターセグメントの第２のセットとに分割するように、実質的にフィルター接触面の位置に前記穿孔を配置する工程とを備え、
これにより、
（ｉ）前記喫煙可能ロッド及び前記フィルターロッドを介して前記スモークエンドから前記マウスエンドへと流れる主流煙からの送煙を、前記主流煙に空気を導入することで減少させ、
（ｉｉ）前記フィルターセグメントの前記第２のセットから前記フィルターセグメントの前記第１のセットを取り外すことで、第１の所定レベルから第２の所定レベルへと送煙を増加可能なように破断線を提供するように構成され、
前記フィルター包装体における前記複数の穿孔は、前記ティッピング包装体における前記複数の穿孔に実質的に整列されている、方法。

【請求項12】

請求項１１に記載の方法であって、
前記フィルター包装体及び前記ティッピング包装体に、前記主流煙からの送煙を減らすように通気穴を設ける工程を更に備え、前記通気穴は、前記穿孔の上流又は下流に配置される領域に設けられる、方法。

【請求項13】

請求項１１又は１２に記載の方法であって、
前記フィルター包装体及び前記ティッピング包装体の前記複数の穿孔は、レーザによって設けられる、方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、フィルター、喫煙物品、及び製造方法に関する。

【背景技術】

【0002】

喫煙物品は、喫煙中に異なるレベルの強度に消費者が調整することができる。これらの異なるレベルの強度は、喫煙物品の異なるＴＮＣＯレベルに関連し、このＴＮＣＯレベルは、全エアロゾル残留物（タール）、ニコチン、及び一酸化炭素（ＣＯ）のレベルに対応する。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】国際公開第２０１１−１２１３２８Ａ２号

【特許文献2】国際公開第２０１２−１２０００１号

【0004】

国際公開第２０１１−１２１３２８Ａ２号には、喫煙物品に流入又は喫煙物品を通過するガスフローを調整する可変流量システムを有するフィルターを備えた喫煙物品が記載されている。こうした可変流量システムの生成に関する複数の可能性が述べられており、バルブに、ガスフローを可能にする変形可能な穴を設けることや、１つ以上の通気エリアを覆う着脱可能な部分を設けることなどが記載されている。しかし、ほとんどの例においては、移動可能部上に設けられた通気穴の閉塞度によって通気を調整する相対移動部を備える喫煙物品を、述べている。これらの例は一般に、このような相対移動を制限する係合面と、消費者に主流煙の強度を示すインデックス機構を必要とする。これらの例は、製造が複雑になるため、満足できるものではない場合がある。また、主流煙の強度の表示が消費者にとって見にくく、調整時に強度のレベルを上げているのか下げているのか分からない。そのため、調整がうまくゆかず、不快な体験に繋がる場合がある。

【0005】

国際公開第２０１２−１２０００１号には、接触面において互いに接している２つ以上のフィルターセグメントを有する喫煙物品が記載されている。フィルターセグメントは、実質的に空気不透過性のプラグラップによって囲まれている。フィルター包装体は、フィルターの一部とたばこロッドの隣接部を囲み、フィルターとたばこロッドとをともに接続する。フィルター包装体は、フィルターセグメント間の接触面に対応する位置に周状穿孔を備える。接触面は、非多孔質であり穿孔を持たないプラグラップによって覆われている。ユーザは、フィルター包装体の穿孔の位置においてフィルターのマウスエンドから１つ以上のフィルターセグメントを切り取ることで、主流煙の味に関する強度を増やすことができる。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

国際公開第２０１２−１２０００１号に記載の喫煙物品には、多くの欠点があることが分かった。まず、フィルター包装体を喫煙物品上に配置した後に、プラグラップを穿孔せずにフィルター包装体に穿孔を形成するような実用的な方法が存在しないため、喫煙物品には製造上の課題があると考えられている。よって、国際公開第２０１２−１２０００１号のフィルター包装体は、喫煙物品上に配置される前に、穿孔されている必要があると考えられる。フィルターセグメント間の接触面に、フィルター包装体の位置に対する位置合わせをする製造工程を別途設ける必要があり、これは望ましくなく、また非効率である。このような場合、取り外したフィルターセグメントのうちの１つの接触面において、フィルター包装体からプラグラップの縁が目立つように飛び出て、切断されたフィルター包装体の外観が醜くなることを避けるために、製造上の許容差が非常に重要になる。このことは、フィルター包装体と不透過性のプラグラップが異なる色からなる場合に更に顕著になる。次ぎに、空気不透過性のプラグラップは、穿孔を備えるようには設計されていないことに注目されたい。フィルター包装体の穿孔を空気が通過することが実質的に防止されているので、国際公開第２０１２−１２０００１号の状況においては、プラグラップに穿孔が無いことが望ましい。しかし、プラグラップの裂け目が雑になる場合があるので、これは、欠点を有する可能性がある。切断されたプラグラップは、醜い外観をもたらす場合があると共に、繊維材料のほつれに繋がるが、これは、喫煙物品のマウス端に位置することになるため、ユーザにとって不快になる場合がある。穿孔が施されていないプラグラップに起因する潜在的な欠点としては、プラグラップの厚さによってはフィルターセグメントを切断する際に抵抗となってしまうことが挙げられる。よって、厚さのあるプラグラップは更に切断しにくくなり、切断しにくくなることによって消費者の満足度の低下に繋がる可能性がある。

【0007】

本発明の目的は、消費者にとって明確な方法でＴＮＣＯレベルを調節できると共に既存の紙巻たばこ製造装置に対する軽微な調整で製造することが可能な喫煙物品用のフィルターを提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0008】

本発明の態様によれば、喫煙物品が提供される。この喫煙物品は、外側包装体によって囲まれたカットフィラーたばこなどの喫煙可能材料を有する喫煙可能ロッドであって、フィルターエンドとスモークエンドとを有する前記喫煙可能ロッドと、スモークエンドとマウスエンドと軸方向に整列されフィルター包装体に囲まれた複数のフィルターセグメントとを有するフィルターロッドであって、隣接するフィルターセグメントは対応するフィルター接触面において互いに接していて、前記フィルターロッドの前記スモークエンドは前記喫煙可能ロッドの前記フィルターエンドに接している前記フィルダーロッドと、前記フィルターロッドと少なくとも前記喫煙可能ロッドの前記フィルターエンドとを包囲して前記フィルターと喫煙可能ロッドとを取り付けるティッピング包装体と、を備える喫煙物品であって、前記フィルター及びティッピング包装体は、前記フィルターロッドの周りに円周状に配列された複数の穿孔を備え、前記穿孔は、前記フィルターロッドを、前記スモークエンドを含むフィルターセグメントの第１のセットと前記マウスエンドを含むフィルターセグメントの第２のセットとに分割するように実質的にフィルター接触面の位置において配置され、
前記穿孔は、
（ｉ）前記喫煙可能ロッド及びフィルターロッドを介して前記スモークエンドから前記マウスエンドへと流れる主流煙からの送煙を、前記主流煙に空気を導入することで減少させ、
（ｉｉ）前記フィルターセグメントの第２のセットから前記フィルターセグメントの第１のセットのを取り外すことで、第１の所定レベルから第２の所定レベルへと送煙を増加可能なように破断線を提供するように構成する。

【0009】

このようにして、フィルターセグメントの第２のセットは、喫煙物品から取り外すことができる。これによって、ユーザがユーザの好みに応じて喫煙物品からの送煙を増やすことができる簡単な機構が提供される。有利なことに、穿孔がフィルター及びティッピング包装体の両方に設けられており、容易に切り裂くことができる。これによって、切り裂くことに関連して発生する可能性のある不備を最小限にしながら、フィルターセグメントの第２のセットが取り外された後、マウスエンドにおいて新たなフィルターをユーザに提供することができる。フィルター及びティッピング包装体の穿孔はまた、有利なことに、主流煙に空気を通すことで、主流煙からの送煙を減らしてＴＮＣＯレベルを制御する。

【0010】

好ましくは、破断線は、少なくとも９Ｎ以下の、例えば少なくとも１２Ｎ以下の剪断力を受けて分断又は破断するように構成されている。この最低破断力は、フィルターのセットが適切に取り外され、切り裂かれていないことを確認するための感覚的なフィードバックを消費者に提供することになるので、有利である。

【0011】

好ましくは、破断線は、２０Ｎ以下の、例えば１５Ｎ以下の剪断力を受けて分断又は破断するように構成されている。この最大破断力によれば、消費者が容易にフィルターセグメントを取り外すことができることが分かった。

【0012】

好ましくは、破断力を、破断線のｃｍ当たりの穿孔の数を選択することで調整する。必要であれば、フィルター及びティッピング包装体の厚さを、破断力の微調整のために選択してもよい。

【0013】

好ましくは、破断線のｃｍ当たりの穿孔の数は、２０個以下、例えば、１８個以下、例えば、１６個以下である。穿孔の数を大きくすると、穿孔の分布にばらつきが生じ、第１と第２のセットのフィルターが取り外されると外観が醜くなることが分かった。また、このような多数の穿孔によって、フィルターセグメント間の取り付けが脆くなり、喫煙物品を取り扱う際、例えば、パッケージから取り出す際又は口に入れる際に、消費者が意図せずフィルターセグメントを取り外してしまうリスクが増えることになる。

【0014】

好ましくは、破断線のｃｍ当たりの穿孔の数は、少なくとも１２個、例えば、少なくとも１４個である。ｃｍ当たりの穿孔の数を少なくとも１２個にすることで、タバコ業界で一般的な厚さを有するティッピング及びフィルター包装体を使用した際に、きれいな切り裂きを更に容易に実現できる。

【0015】

好ましくは、フィルター及びティッピング包装体は更に、主流煙からの送煙を減らすように通気領域を備えている。通気領域は、主流煙内に空気を通し、これにより、送煙内のＴＮＣＯレベルを下げる。結果として、取り外し前において、送煙は、ティッピング及びフィルター包装体内の穿孔と通気領域によって希釈されることになる。

【0016】

１つの構成において、通気領域は、穿孔の下流に設けられていてもよい。言い換えれば、通気領域は、穿孔とフィルターロッドのマウスエンドとの間に配置されてもよい。このような場合、取り外し後においては、送煙は、フィルター包装体及びティッピング包装体を介して主流煙内に空気を通すことでは希釈が行われない。

【0017】

別の構成において、通気領域は、穿孔の上流に設けられてもよい。この結果、送煙は、取り外し後は通気領域のみによって希釈されることになる。

【0018】

また別の構成において、２つの通気領域が設けられる。１つは、穿孔の上流に設けられた領域で、２つ目は、穿孔の下流に設けられた領域。取り外し前は、送煙は、穿孔と両方の通気領域を介して主流煙内に空気を通すことで希釈される。取り外し後は、送煙は、穿孔の上流に配置された通気領域のみによって希釈される。

【0019】

好ましくは、通気領域は、フィルター及びティッピング包装体のうちの少なくとも１つにおいて通気穴からなる。好ましくは、通気穴は、円周状に配列されてもよく、分散されていてもよく又は整列されて配列されていてもよい。

【0020】

好ましくは、少なくとも１つのフィルターセグメントは、微粒子状の材料からなる。微粒子状の材料としては、カーボンなど吸着剤や植物葉などの風味付けであってもよい。１つの構成において、フィルターセグメントの第２のセット内に微粒子状の材料が設けられていてもよい。従って、フィルターセグメントの第２のセットを取り外した後に、微粒子状の材料の効果を減少（又は実質的に除去）させてもよい。別の構成においては、微粒子状の材料を、フィルターセグメントの第１のセット内に設けるようにしてもよい。このようにすることで、取り外し後に、微粒子状の材料の効果が高められる。同様に、少なくとも１つのフィルターセグメントは、例えば香味料や液体が封入された壊れやすいカプセルを備えてもよい。カプセルの内容物は、例えば、圧縮力などの必要な力を加えることで消費者が壊れやすいカプセルを分断することで放出される。

【0021】

少なくとも１つのフィルターセグメントは、空洞又は凹部を備えてもよい。好ましくは、空洞又は凹部は、フィルターセグメントの第１のセット及び第２のセットのうちの１つだけに設けられている。このようにすることで、フィルターセグメントの第２のセットが取り外された後に、喫煙構成を変更することができる。１つの例において、取り外し後に、中身の詰まったフィルターエンドから中央に穴を有するフィルターエンドへと変換できるように、空洞又は凹部をフィルターセグメントの第１のセット内に設けるようにしてもよい。

【0022】

ティッピング包装体は、窓を備えていてもよく、少なくともフィルターロッドの一部がこの窓を介して見えるようにしてもよい。窓によって、ユーザは、フィルター接触面において互いに接している隣接フィルターセグメントを観察することができる。これにより、破断線に沿って穿孔された包装体が取り外されることによってフィルターロッドを引き離すことができることを、ユーザに教示するのに役立てることができる。こうすることによって、ユーザが喫煙物品の利用方法を理解するのに役立つシンプルな機構を提供することができる。フィルター包装体は、窓を介して少なくともフィルターセグメントの一部が見えるように、少なくとも窓の一部領域において透明であってもよい。これは、フィルター包装体に透明又は半透明な窓を設けることで実現してもよい。窓は、フィルター接触面を構成しないフィルターセグメントの少なくとも一部が窓を介して見えるように、穿孔の上流又は下流に設けられていてもよい。

【0023】

ティッピング包装体は、１つ以上の香味料組成物を備えていてもよい。香味料組成物は、冷却効果及び／又は味覚を提供してもよい。本発明に使用するのに好適な冷却組成物の例が、ＥＰ０８４７２６８に述べられており、参照により本明細書に組み込むことにする。１つ以上の香味料組成物は、ティッピング包装体全体に適用されてもよいし、その１つ以上の領域に適用されてもよい。

【0024】

１つの構成において、穿孔列の下流のティッピング包装体の部分は、香味料組成物を備えるが、穿孔列の上流のティッピング包装体の部分は、香味料組成物を備えない。よって、フィルターセグメントの第２のセットの取り外し後は、香味料組成物の効果を実質的に除去することができる。

【0025】

別の構成において、穿孔列の上流のティッピング包装体の部分は、香味料組成物を備えるが、穿孔列の下流のティッピング包装体の部分は、香味料組成物を備えない。よって、フィルターセグメントの第２のセットを取り外してはじめて、香味料組成物の効果は存在することができる。

【0026】

更なる構成において、穿孔列の下流のティッピング包装体の部分は、第１の香味料組成物を備え、穿孔列の上流のティッピング包装体の部分は、第１の香味料組成物とは異なる第２の香味料組成物を備える。よって、フィルターセグメントの第２のセットの取り外しによって、消費者に、異なる冷却効果及び／又は味覚を提供する。

【0027】

好ましくは、フィルター包装体の複数の穿孔と、ティッピング包装体の複数の穿孔は、両方の包装体がフィルターの周りに巻かれた後に、同時に形成される。よって、フィルターの穿孔とティッピング包装体の穿孔とは、好ましくは、それぞれ整列している。整列した穿孔は共に、レーザによって単純な方法で形成してもよい。しかし、打ち抜き加工などに限定されるものでは無いが、同時に穿孔を形成する別の形態もまた想定されうる。

【0028】

ティッピング及びフィルター包装体の複数の穿孔は、それぞれ別々に形成してもよい。この場合、好ましくは、穿孔が最終的な喫煙物品において正しく位置合わせされるように、ティッピング包装体及びフィルター包装体は、喫煙物品の製造工程中において１つの包装体を他方の包装体に対して位置決めしやすくする基準や見当マークを備えている。

【0029】

一部の実施形態において、フィルター及びティッピング包装体のうちの少なくとも１つは空気透過性を有していて空気を通すため、フィルター及びティッピング包装体の穿孔は、整列していなくてもよい。一部の構成において、フィルター包装体は、空気透過性を有していてもよく、ティッピング包装体は、空気不透過性であってもよい。両方の包装体の穿孔が正しく位置合わせされていないと、ティッピング包装体の穿孔を通過する空気が、空気透過性を有するフィルター包装体にも通過し、主流煙内に通ってしまう。この場合、ティッピング包装体のみに通気穴を形成する、又はティッピング及びフィルター包装体の両方に通気穴を形成することで、通気領域を設けてもよい。別の構成においては、フィルター包装体が空気不透過性であってもよく、ティッピング包装体が空気透過性を有している。この場合、両方の包装体の穿孔が正しく位置合わせされていない場合、フィルター包装体の穿孔がティッピング包装体の穿孔とある程度位置合わせがされていないと、ティッピング包装体の穿孔を通過する空気が、主流煙内に通らない。しかし、重ねられたティッピング包装体が空気透過性を有していて空気が通過するので、フィルター包装体の穿孔を通って穿孔が整列されているにもかかわらず、空気は主流煙内を通る。通気領域は、フィルター包装体だけに通気穴を形成する、又はティッピング及びフィルター包装体の両方に通気穴を形成することで、設けてもよい。

【0030】

好ましくは、喫煙可能ロッドは、たばこロッドである。また、好ましくは、喫煙可能材料は、たばこからなる。例えば、喫煙可能材料はカットフィラーたばこであってもよい。カットフィラーたばこは、再生たばこや膨化たばこなどの他の既知のたばこ材料とブレンドされていてもよい。

【0031】

フィルターは、中間製品として喫煙物品とは別に生成してもよい。喫煙物品の使用時には、ティッピング包装体は、フィルター包装体の周りに円周状に設けられていることができる。一部の実施形態においては、フィルター包装体は、フィルターセグメントと直接隣接して設けられる、又はフィルターセグメントと接触して設けられる。

【0032】

本発明の更に別の様態において、喫煙物品を組み立てる方法を提供し、この方法は、外側包装体によって囲まれたカットフィラーたばこなどの喫煙可能材料を有する喫煙可能ロッドであって、フィルターエンドとスモークエンドとを有する前記喫煙可能ロッドを提供し、スモークエンドとマウスエンドとフィルター包装体に対して軸方向に整列された複数のフィルターセグメントとを有するフィルターロッドであって、隣接するフィルターセグメントが、対応するフィルター接触面において互いに接していて、前記フィルターロッドの前記スモークエンドが前記喫煙可能ロッドの前記フィルターエンドに接している前記フィルダーロッドを提供し、前記フィルターロッドと少なくとも前記喫煙可能ロッドの前記フィルターエンドとがティッピング包装体を包囲することで、前記フィルター及び喫煙可能ロッドとを取り付け、前記フィルター及びティッピング包装体に、前記フィルターロッドの周りに円周状に配列された複数の穿孔を設けるとともに、前記フィルターロッドを、前記スモークエンドを含むフィルターセグメントの第１のセットと前記マウスエンドを含むフィルターセグメントの第２のセットとに分割するように、実質的にフィルター接触面の位置に前記穿孔を配置する工程を備え、
これにより、
（ｉ）前記喫煙可能ロッド及びフィルターロッドを介して前記スモークエンドから前記マウスエンドへと流れる主流煙からの送煙を、前記主流煙に空気を導入することで減少させ、
（ｉｉ）前記フィルターセグメントの第２のセットから前記フィルターセグメントの第１のセットを取り外すことで第１の所定レベルから第２の所定レベルへと送煙を増加可能なように破断線を提供する。

【0033】

上記方法は、主流煙からの送煙を減らすようにフィルター及びティッピング包装体に通気穴を設けることを備えていてもよい。通気穴は、穿孔の上流又は下流に配置された領域に設けられてもよい。

【0034】

上記方法は、フィルター及びティッピング包装体に通気穴の２つの領域を設けることを備えていてもよい。好ましくは、１つの領域は、穿孔の上流に設けられ、もう１つの領域は、穿孔の下流に設けられる。

【0035】

好ましくは、ティッピング及びフィルター包装体の複数の穿孔は、実質的に整列して、レーザによって設けられる。レーザ穿孔によって、製造工程中に、フィルター及びティッピング包装体に穿孔を同時に形成することができる。特に、１つの包装体が繊維材料（例えば紙）で形成されている場合、レーザ穿孔はまた、フィルターロッドが分断された後に、整った仕上げをもたらす。フィルターロッドへのレーザの穿孔は、喫煙物品の通気を調整するために制御されてもよい。

【0036】

機器の特徴は、方法の特徴を提供してもよく、また逆も同じである。

【図面の簡単な説明】

【0037】

本発明を、例示のみを目的として、添付の図面に基づいて説明する。これらの図面において：

【図1】図１は、本発明の実施形態における喫煙物品の側面図を示す；

【図2】図２は、未包装の構成を有するフィルター紙とティッピング紙を備えた図１に示す喫煙物品の別の側面図を示す；

【図3】図３は、部分的に取り外されたフィルターのセグメントを有する図１に示す喫煙物品の別の側面図を示す；

【図4】図４は、図１に示す喫煙物品のフィルターの側面図を示す；

【図5】図５は、本発明の実施形態における喫煙物品に使用される別のフィルターの側面図を示す；

【図6】図６は、本発明の実施形態における喫煙物品に使用される別のフィルターの側面図を示す；

【図7】図７は、本発明の実施形態における喫煙物品に使用される別のフィルターの側面図を示す；

【図8】図８は、本発明の実施形態における喫煙物品に使用される更に別のフィルターの側面図を示す；

【図9】図９は、本発明の実施形態における、製造中の喫煙物品の側面図を示す；

【図10】図１０は、本発明における破断剪断力を測定するテスト装置の詳細図を示す；

【図11】図１１Ａから図１１Ｄは、取り外し後のテスト紙巻たばこの写真を示す。

【発明を実施するための形態】

【0038】

図１及び図２は、スモークエンド１０とマウスエンド１１を有する喫煙物品２の側面図を示す。喫煙物品２は、外側包装体６によって囲まれたカットフィラーたばこを有するたばこロッド４を備える。喫煙可能ロッド４は、フィルターエンド８を備え、スモークエンド１０において、喫煙可能材料が空気に晒されている。喫煙物品はまた、軸方向に整列された第１及び第２のフィルターセグメント１４、１６を有するフィルター１２を備える。第１及び第２のフィルターセグメント１４、１６は、接触面において互いに接するように配列されている。フィルターセグメント１４、１６は、接触していてもよいし、小さな隙間を挟んでいてもよい。第１のフィルターセグメント１４の一端は、喫煙可能ロッド４のフィルターエンド８に接している。

【0039】

フィルター包装体１８は、フィルター１２の周りに設けられ、第１と第２のセグメント１４、１６を含む。フィルター包装体１８は、空気透過性を有する繊維状の紙や空気不透過性を有する非繊維状のプラスチック材料で形成されてもよい。ティッピング包装体２０は、フィルター包装体１８の周りに設けられる。ティッピング包装体２０は、第１と第２のフィルターセグメント１４、１６を包囲し、喫煙可能ロッド４のフィルターエンド８もまた包囲し、フィルター１２と喫煙可能ロッド４を一体に取り付ける。

【0040】

穿孔２２は、フィルター包装体１８とティッピング包装体２０に設けられ、フィルター１２の周りにおいて円周状に設けられている。穿孔２２は、実質的に、第１と第２のフィルターセグメント１４、１６の間の接触面の位置に配置されている。穿孔２２は、フィルター包装体１８とティッピング包装体２０において複数の穴（ｈｏｌｅｓ）からなる。穿孔２２は、フィルター包装体１８の複数の穴が、ティッピング包装体２０の複数の穴と実質的に整列するように喫煙物品２の製造中にレーザによって形成される。

【0041】

複数の通気穴２４がまた、フィルター包装体１８とティッピング包装体２０に設けられ、フィルター１２の周りにおいて円周状に設けられている。通気穴２４は、第１と第２のフィルターセグメント１４、１６の間の接触面とは整列していない。通気穴２４は、第１のフィルターセグメント１４の長さに沿った位置の送煙に関して穿孔の上流に、設けられている。通気穴２４はまた、フィルター包装体１８とティッピング包装体２０のそれぞれの穴が実質的に整列するように、製造中にレーザによって作られる。

【0042】

使用中、穿孔２２は、フィルター１２の破断線を提供する。ユーザは、第２のフィルターセグメント１６を取り外すために、穿孔２２によって画定される破断線に沿ってフィルター１２を分断することができる。このようにして、送煙を第１の所定レベルから第２の所定レベルへと増加することができる。

【0043】

穿孔２２と通気穴２４によって、喫煙可能ロッド４とフィルター１２を介してスモークエンド１０からマウスエンド１１へと流れる主流煙からの送煙を減少させるために、喫煙物品２への空気の流がそれぞれ提供される。通気穴２４は、第２のフィルターセグメント１６を取り外した後においても、主流への通気を提供し続ける。第２のフィルターセグメント１６を取り外した後は、通気穴２４と穿孔２２の両方によって通気が提供される。これによって、第２のフィルターセグメント１６の取り外し後は、一酸化炭素を含むＴＮＣＯレベルを調整することができる。

【0044】

別の実施形態において、通気穴２４はティッピング包装体２０のみに設けられ、フィルター包装体１８は空気透過性を有する。よって、使用中は、ティッピング包装体２０の通気穴２４を通過する空気が、空気透過性を有するフィルター包装体１８を通過し、主流煙内を通る。ティッピング包装体２０の通気穴２４は、喫煙物品２の製造中にレーザによって作られるのでは無く、ティッピング包装体２０を適用して喫煙可能ロッド４をフィルター１２に接続する前に、形成される。本実施形態は、追加のレーザビームスプリッタなどの通気穴２４を形成するための追加の機器を削減できるので、特に穿孔２２をレーザによって形成する場合に有利であることが分かる。

【0045】

一部の実施形態において、窓２３は、第１と第２のフィルターセグメント１４、１６間の接触面に対応する位置に、フィルター包装体１８とティッピング包装体２０に対して設けられている。窓によって、ユーザは、フィルター包装体１８とティッピング包装体２０の穿孔２２に対応する位置において互いに接しているそれぞれのフィルターセグメントを見ることができる。よって、窓２３は、喫煙物品２の意図された機能に関しユーザを啓蒙するのに役立ち、第２のフィルターセグメント１６が取り外し可能であることを理解するのに役立つ。窓２３は、フィルター包装体１８とティッピング包装体２０に存在する。窓は、包装材料がないことで形成してもよいし、透明な包装材料によって形成してもよい。透明な包装材料は、全体が透明であってもよいし、一部領域のみが透明であってもよい。

【0046】

図３は、図１及び図２に示す喫煙物品の側面図であり、第２のフィルターセグメント１６が部分的に取り外された状態を示す。ユーザは、第２のフィルターセグメント１６をつかんで、フィルター包装体１８とティッピング包装体２０を穿孔２２の線に沿って切り裂くことで取り外すことができる。取り外し後は、より強い風味かつ高いＴＮＣＯレベルで喫煙物品２を喫煙する。フィルター包装体１８とティッピング包装体２０の穿孔２２によって、きれいな切り裂きと、当初のマウスエンドに実質的に同じ外観を有する新たなマウスエンドを提供しやすくなることが分かった。

【0047】

図４は、フィルター１２の側面図を示す。本実施形態において、第１と第２のフィルターセグメント１４、１６の２つの酢酸セルロースフィルター１２は、２７ｍｍの長さを有する。第１のフィルターセグメント１４は、１５ｍｍの長さを有する。第２のフィルターセグメント１６は、１２ｍｍの長さを有する。フィルター包装体１８とティッピング包装体２０の穿孔２２は、フィルターの接触面と整列し、マウスエンド１１から１２ｍｍの場所にレーザによって設けられる。フィルター包装体１８とティッピング包装体２０の通気穴２４もまた、マウスエンド１１から１９ｍｍの所にレーザによって設けられる。

【0048】

２つの型の紙巻たばこを、第２のフィルターセグメント１６の取り外し前後においてＴＮＣＯレベルを測定する試験において解析した。紙巻たばこの両方の型は、長さ５７ｍｍのたばこロッド４と、図４を参照して述べたように長さ２７ｍｍのフィルターロッド１２とを備えて、全長を８４ｍｍとした。それぞれのテスト紙巻たばこのフィルター包装体１８とティッピング包装体２０には、３３個の穿孔２２を第１と第２のフィルターセグメント１４、１６（フィルターロッド１２のマウスエンド１１から１２ｍｍの位置）間の接触面に設けた。それぞれのテスト紙巻たばこのフィルター包装体１８とティッピング包装体２０には、１２個の通気穴２４（穿孔２２の上流のフィルターロッド１２のマウスエンド１１から２３ｍｍの距離）を設けた。両方の型の紙巻たばこの穿孔２２と通気穴２４を、レーザによって形成した。２つのテスト紙巻たばこ間の唯一の相違点は、通気穴２４形成時における第１のフィルターセグメント１４内へのレーザ穿孔の深さであり、通気穴によってもたらされる通気のレベルを変えている。テスト紙巻たばこＡは、テスト紙巻たばこＢよりも第１のフィルターセグメント１４へのレーザ穿孔のレベルが高く、紙巻たばこＡは、テスト紙巻たばこＢよりも高いレベルの通気を有した。

【0049】

紙巻たばこＡと紙巻たばこＢに対して、ＴＮＣＯレベルと紙巻たばこ毎の吸う回数を、それぞれの第２のフィルターセグメント１６の取り外し前後においてＩＳＯ３３０８の条件に基づいて測定した。

【0050】

【表1】

【0051】

【表2】

【0052】

紙巻たばこＡ及びＢに対するテスト結果は、第２のフィルターセグメント１６の取り外し後の通気レベルに関して異なることが分かった。

【0053】

図５は、フィルター１１２の別の実施形態の側面図である。この実施形態において、フィルターセグメントの第１のセット１１４と第２のフィルターセグメント１１６は、穿孔２２に関連する破断線の両側に設けられている。フィルターセグメントの第１のセット１１４は、マウスエンドに向かう中央に穴を有するフィルターセグメント１１８と、スモークエンドに向かう中身の詰まった端面の酢酸セルロースフィルター１２０とを備える。第２のフィルターセグメント１１６もまた、中身の詰まった端面を備える酢酸セルロースセグメントである。第２のフィルターセグメント１１６は、中身の詰まった端面の喫煙物品を中央に穴を有する喫煙物品へと変換するために、破断線に沿って取り外し可能である。

【0054】

図６は、フィルター２１２の別の実施形態の側面図である。本実施形態において、第１のフィルターセグメント２１４とフィルターセグメントの第２のセット２１６は、穿孔２２に関連する破断線の両側に設けられている。第１のフィルターセグメント２１４は、中身の詰まった端面を備える酢酸セルロースセグメントである。フィルターセグメントの第２のセット２１６は、喫煙物品のマウスエンドに向かう中身の詰まった端面２１８を備えた酢酸セルロースのフィルターセグメントと、主流煙に風味を設けるカプセル２２０とを備える。カプセル２２０は、メントールなどの風味を提供することができ、また、水の放出を行うことができる。カプセル２２０は、壊れやすくてもよく、また、使用前にカプセル２２０を破断することで風味付けが放出されてもよい。カプセル２２０を含むフィルターセグメントの第２のセット２１６は、カプセルの効果を減少させ、たばこの味を増加させるために、破断線に沿って取り外されてもよい

【0055】

図７は、フィルター３１２の別の実施形態を示す側面図である。この実施形態においては、フィルターセグメントの第１のセット３１４と第２のフィルターセグメント３１６は、穿孔２２に関連する判断線の両側に設けられている。フィルターセグメントの第１のセット３１４は、マウスエンドに向かう中空セグメント３１８と、スモークエンドに向かう石炭フィルター３２０とを備える。第２のフィルターセグメント３１６は、中身の詰まった端面の酢酸セルロースフィルターである。第２のフィルターセグメント３１６は、破断線に沿って取り外されて、喫煙物品の中身の詰まった端面を喫煙物品の凹部フィルターへと変換してもよい。

【0056】

図８は、フィルター４１２の更に別の実施形態を示す側面図である。この実施形態において、フィルターセグメントの第１のセット４１４と第２のフィルターセグメント４１６は、穿孔２２に関連する判断線の両側に設けられている。フィルターセグメントの第１のセット４１４は、それぞれ軸方向に整列された３つのフィルターセグメント４１８、４２０、４２２を備えている。第２のフィルターセグメント４１６は、ＴＮＣＯレベルを増加し、たばこの味を増加させるために、取り外されるようにしてもよい。

【0057】

上記した喫煙物品２は、本発明による特定の変更を施した既存の一般的な喫煙物品の製造機械で製造される。通常、数多くのコンベアドラムが設けられ、生産ステージ間において喫煙可能ロッド４とフィルター１２を搬送し、外側包装体６、フィルター包装体１８、及びティッピング包装体２０を関連位置に配置する。図９は、製造工程中の喫煙物品の側面図である。フィルター包装体１８とティッピング包装体２０はまず、所定の位置に穿孔や通気穴を設けない状態で、フィルター１２の周りに設けられる。穿孔２２と通気穴２４は、フィルター包装体１８とティッピング包装体２０が喫煙物品２に設けられた後に、それぞれのレーザ３０、３２によって設けられる。穴を形成するために、喫煙物品２がローラー（図示せず）によって回転され、フィルター１２上に光がレーザ３０、３２によって向けられて、フィルター１２の全周に渡って延在する穿孔２２のラインと通気穴２４のラインを作る。この製造の工程は、フィルター包装体１８とティッピング包装体２０の各穿孔（及び通気穴）は、実質的に整列されることを意味している。別の実施形態において、１つのレーザで、ミラーやビームスプリッタの適切な構成によって穿孔２２と通気穴２４の両方を作ってもよい。

【0058】

レーザ３２は、フィルター包装体１８とティッピング包装体２０にスルーホールとしての通気穴２４を作る。レーザ光はまた、フィルター包装体１８とティッピング包装体２０の下にある第１のフィルターセグメント１４内へとある程度伸長し、窪みやへこみをそこに形成する。レーザ３２の第１のフィルターセグメント１４内への穿孔は、通気レベルを調整するように制御される。製造中にレーザ３２による第１のフィルターセグメント１４内への穿孔を大きくすると、通気穴２４を介した通気がより大きくなる。一般に、レーザ３０は、第１と第２のフィルターセグメント１４と１６間の接触面に配置されているので、第１と第２のフィルターセグメント１４と１６内へは延在しない。

【0059】

４つの型の紙巻たばこを、第１とフィルターセグメントの第２のセット１４、１６を取り外すのに必要な剪断力を測定する試験において解析した。全ての型では、長さ５７ｍｍのたばこロッド４と、長さ２７ｍｍのフィルターロッド１２とを備えて全長を８４ｍｍとし、紙巻たばこの円周を２４．５ｍｍとした。全てのテスト紙巻たばこに使用するフィルター包装体１８は、坪量２１．５ｇ／ｍ^２、厚さ７０μｍとし、全てのテスト紙巻たばこに使用するティッピング包装体２０は、坪量３１ｇ／ｍ^２、厚さ３６μｍとした。各テスト紙巻たばこのフィルター包装体１８とティッピング包装体２０は、複数の穿孔２２を、フィルターロッド１２のマウスエンド１１から１２ｍｍの位置における第１と第２のフィルターセグメント１４、１６間の接触面に設けた。これらの穿孔２２は、レーザによって形成した。４つのテスト紙巻たばこ間の唯一の相違点は、第１と第２のフィルターセグメント１４、１６間の接触面における穿孔２２の数である。テスト紙巻たばこＣは、３０個の穿孔２２（１ｃｍ当たり１３個の穿孔）を有し、テスト紙巻たばこＤは、３３個の穿孔２２（１ｃｍ当たり１４個の穿孔）を有し、テスト紙巻たばこＥは、３６個の穿孔２２（１ｃｍ当たり１６個の穿孔）を有し、そして、テスト紙巻たばこＦは、３８個の穿孔２２（１ｃｍ当たり１７個の穿孔）を有する。

【0060】

破断力は、株式会社山電（Ｙａｍａｄｅｎ Ｃｏ．， Ｌｔｄ）から市販されているクリープメータ装置Ｒｈｅｏｎｅｒ ＩＩ， ＲＥ２−３３００５Ｂを使用して測定した。試験に用いたクリープメータ装置は、図１０で示すように、喫煙物品を保持するホルダ５０１と、先端が先細りヘッド５０４である円柱状の硬質ロッド５０３を備えたロードセル５０２とを有する。ホルダ５０１は、ロードセル５０２に向かって移動可能であるが、ロードセル５０２は固定されている。

【0061】

剪断力の試験を実施するために、フィルターセグメントの第２のセット１６だけがホルダ５０１から突き出るまで、喫煙物品をホルダ５０１内に挿入する。喫煙物品の長手軸に沿って測定された硬質ロッド５０３とホルダ５０１との間の距離は、４．５ｍｍに設定され、消費者が第１とフィルターセグメントの第２のセット１４、１６を取り外すために喫煙物品を保持する方法を再現する。次ぎに、ホルダ５０１を、喫煙物品のフィルターロッド１２が硬質ロッド５０３のヘッド５０４と接触するように、所定の試験速度でロードセルの方に移動する。試験中は、ホルダ５０１の移動とフィルターロッド１２に加わる剪断力の両方を測定する。ホルダ５０１が、テスト喫煙物品の直径より長い距離である、硬質ロッド５０３のヘッド５０４とフィルターロッド１２が接触する位置から所定の距離だけ進んだ後に、試験は終了する。これによって、確実に、フィルターセグメントの第２のセット１６が完全に取り外されることになる。この所定の距離は、テスト喫煙物品の直径より少なくとも１０％長くすることを推奨する。試験中に測定する最大剪断力を記録し、試験をその他の２０個のサンプルに対して繰り返す。テスト喫煙物品の破断剪断力は、喫煙物品の２０個のサンプルに対して測定した最大剪断力の平均値である。

【0062】

紙巻たばこＣ、Ｄ、Ｅ及びＦの第１とフィルターセグメントの第２のセット１４、１６を取り外すのに必要な剪断力は、上記手順によって測定された。紙巻たばこのホルダが進む速度は、１０ｍｍ／ｓに設定され、試験は、紙巻たばこのホルダ５０１が接触位置から１０ｍｍ進んだら停止するように設定された。以下の表は、異なるテスト紙巻たばこの破断剪断力を示している。

【0063】

【表3】

【0064】

第１とフィルターセグメントの第２のセット１４、１６を手で取り外した後に、４つの型の紙巻たばこの破断線の様子も解析した。全ての型ともに、長さ５７ｍｍのたばこロッド４と、長さ２７ｍｍのフィルターロッド１２とを備えて全長を８４ｍｍとし、紙巻たばこの円周を２４．５ｍｍとした。全てのテスト紙巻たばこに使用するフィルター包装体１８は、坪量２１．５ｇ／ｍ^２、厚さ７０μｍとし、全てのテスト紙巻たばこに使用するティッピング包装体２０は、坪量３１ｇ／ｍ^２、厚さ３６μｍとした。各テスト紙巻たばこのフィルター包装体１８とティッピング包装体２０は、複数の穿孔２２を、フィルターロッド１２のマウスエンド１１から１２ｍｍの位置における第１と第２のフィルターセグメント１４、１６間の接触面に設けた。これらの穿孔２２は、レーザによって形成した。４つのテスト紙巻たばこ間の唯一の相違点は、第１と第２のフィルターセグメント１４、１６間の接触面における穿孔２２の数である。

【0065】

図１１Ａに示すテスト紙巻きたばこは、２０個の穿孔２２を有する。切り口はきれいでは無く、繊維が明確に見えることが分かる。

【0066】

図１１Ｂに示すテスト紙巻たばこは、２８個の穿孔２２を有する。前出のものより、切り口はきれいだが、いくつかの繊維が見えることが分かる。

【0067】

図１１Ｃに示すテスト紙巻たばこは、３３個の穿孔２２を有する。切り口はきれいで、繊維はほとんど見えないことがわかる。これは、テスト紙巻たばこＤに対応する。

【0068】

図１１Ｄに示すテスト紙巻たばこは、４０個の穿孔２２を有する。切り口は前出のものほどきれいでは無いことが分かる。原因としては、穿孔２２が高密度になっているため、破断線に沿った穿孔２２の分布が不均一になっていることである。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11A】

【図11B】

【図11C】

【図11D】