(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置は、前記2次コイルの受電した受電電力の変動が小さい状態であるか大きい状態であるかに応じて前記自然数を可変とし、前記受電電力の変動が小さい場合には、前記受電電力の変動が大きい場合に比べて、前記自然数を大きくする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の受電機器。
前記制御装置は、前記交流電力の周波数を検出し、検出した周波数を2以上の自然数で除した値に前記駆動周波数を制御する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の受電機器。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
本実施形態は、車両に搭載された受電機器を対象にしている。
図1は、本実施形態における非接触電力伝送装置10の概略構成図である。車両15は、例えば、EV(電気自動車)やPEV(プラグインハイブリッド自動車)といった電動の車両駆動装置(駆動モータ等)で走行する自動車である。
【0010】
送電機器20は、車両15に搭載された受電機器30に対して非接触の状態で、送電(給電)を行う。送電機器20は、地面Gに埋設又は地面Gから露出するように地面G上に設置される。送電機器20は、例えば車両15の走行道路に設けられ、車両15の進行方向に沿って複数並んで埋設されている。また、送電機器20は、車両15の走行中に送電する。
【0011】
送電機器20は、1次コイル21を備えている。1次コイル21は、フェライトコア等の心材に巻線(例えばリッツ線)が例えば平面状に巻かれることで形成されている。1次コイル21は、その軸線が地面Gに直交する、つまり平面状に巻かれた平面が地面Gと平行になるように配されている。
【0012】
受電機器30は、2次コイル31を備えており、2次コイル31は、車体に取り付けられている。より具体的には、2次コイル31は、車両底部15aに設けられている。車両底部15aは、車両15の車室を形成する床部やアンダーカバー等、車両15の下面を形成する部分を示している。
【0013】
2次コイル31は、フェライトコア等の心材に巻線(例えばリッツ線)が例えば平面状に巻かれることで形成されている。2次コイル31は、その軸線が地面Gに直交する、つまり平面状に巻かれた平面が地面Gと平行で、1次コイル21に平行に対向するように配される。
【0014】
受電機器30で受電した電力は、蓄電池16に供給される。蓄電池16は、例えば二次電池(リチウムイオン電池又はニッケル水素電池等)である。蓄電池16は、受電機器30から供給される電力を蓄えて、車両駆動装置へ電力を供給する。なお、蓄電池16が「蓄電装置」に相当する。
【0015】
受電機器30には、受電機器30を制御するための制御装置であるECU50が設けられている。ECU50は、CPU,ROM,RAM等を有するマイコンとその周辺回路とを具備する電子制御装置である。ECU50には、蓄電池16のSOC等の監視状況が入力される。なお、ECU50は、2次コイル31等と同じ位置に設けられていてもよいし、ECU50は車両15の別の位置に設けられていてもよい。
【0016】
図2は、非接触電力伝送装置10の電気回路図である。非接触電力伝送装置10は、送電機器20と受電機器30とを備えている。送電機器20は、送電側共振部23と、送電側フィルタ回路24と、インバータ25と、コンバータ26と、送電側駆動回路27とを備えている。
【0017】
送電機器20には、電源装置28から電力が供給されている。電源装置28は、電力会社等によって提供される電力網から電力供給を受ける交流電源である。電源装置28は、例えば、3相200Vや400Vで50kHz程度の交流電力を供給する。
【0018】
コンバータ26は、AC/DCコンバータであって、電源装置28から供給された交流電力を所定の電圧の直流電力に変換しており、例えばスイッチング方式で交流電力を直流電力に変換している。コンバータ26のスイッチは送電側駆動回路27によって駆動される。
【0019】
インバータ25は、コンバータ26から供給された直流電力を所定周波数f0の交流電力に変換する。インバータ25は、スイッチのスイッチングにより、直流電流を所定周波数f0の交流電流に変換する。インバータ25のスイッチは、送電側駆動回路27により駆動される。
【0020】
インバータ25と送電側共振部23との間には、送電側フィルタ回路24が設けられているのが望ましい。送電側フィルタ回路24は、高周波成分がカットされるローパスフィルタの一種である。送電側フィルタ回路24は、コイルと、コンデンサと、コイルとがT字状に接続されており、イミタンスフィルタとして作用する。
【0021】
送電側共振部23は、1次コイル21と送電側コンデンサ22が直列に接続された共振回路となっている。送電側共振部23は、所定周波数f0の交流電力が入力されると共振し、受電側共振部33に送電する。
【0022】
受電機器30は、受電側共振部33と、受電側フィルタ回路34と、整流回路35と、電力調整回路40と、ECU50とを備える。受電機器30は、蓄電池16に電力を供給する。
【0023】
受電側共振部33は、2次コイル31と受電側コンデンサ32が直列に接続された共振回路となっている。送電側共振部23と受電側共振部33とは、S−S方式で構成されていることが望ましい。受電側共振部33は、送電側共振部23との間の磁界共振が成立するように、調整されている。具体的には、受電側共振部33の共振周波数は、送電側共振部23の共振周波数と一致することが望ましい。
【0024】
そして、送電機器20と受電機器30との相対位置が磁界共振が成立する位置にある状況において、インバータ25から所定周波数f0の交流電力が入力されると、送電側共振部23(1次コイル21)と受電側共振部33(2次コイル31)とが磁界共振する。これにより、受電側共振部33は送電側共振部23から交流電力を受電する。なお、インバータ25から入力される交流電力の所定周波数f0は、送電側共振部23と受電側共振部33間にて電力伝送が可能な周波数となっているとよい。具体的には、インバータ25で生成される交流電力の所定周波数f0は、送電側共振部23と受電側共振部33の共振周波数に設定されていることが望ましい。
【0025】
受電側共振部33と整流回路35との間には、受電側フィルタ回路34が設けられている。受電側フィルタ回路34は、送電側フィルタ回路24と同様の構成を有している。受電側フィルタ回路34は、高周波成分がカットされるローパスフィルタの一種である。受電側フィルタ回路34は、コイルと、コンデンサと、コイルとがT字状に接続されている。
【0026】
受電側フィルタ回路34の共振周波数を所定周波数f0に基づいて設計することで、受電側フィルタ回路34はイミタンスフィルタとして作用している。イミタンスフィルタ(受電側フィルタ回路34)は、インピーダンス・アドミタンス変換器であり、イミタンスフィルタの入力端から見たインピーダンスが、出力端に接続された負荷のアドミタンスに比例するように構成されたフィルタである。イミタンスフィルタ(受電側フィルタ回路34)に入力される電力が定電圧である場合、イミタンスフィルタから出力される電力は定電流に変換される。
【0027】
整流回路35は、交流電力を直流電力に変換する周知の構成である。整流回路35は、例えば、4つのダイオードからなるダイオードブリッジ回路によって構成される。整流回路35から出力される電力は、交流電力を全波整流した電力になる。
【0028】
整流回路35からの出力電力は、蓄電池16への供給電力を調整する電力調整回路40に入力される。電力調整回路40は、スイッチ41と、ダイオード42と、コンデンサ43とを備えている。電力調整回路40は、スイッチ41がオフになることで、2次コイル31側から蓄電池16への通電を可能とするチョッパ回路である。スイッチ41は、例えばMOSFET等の半導体スイッチング素子であって、受電側駆動回路45によって駆動される。スイッチ41をオンオフすることで、蓄電池16側に流す電力量を調整する。電力調整回路40から出力される電圧は、蓄電池16の電池電圧に依存する。
【0029】
受電側駆動回路45は、ECU50からの指令に基づいて、スイッチ41を駆動周波数f1でオンオフ制御する。スイッチ41は、所定周期内でオン状態にする時間が制御されるPWM制御によって制御されており、一定周期におけるスイッチ41のオン時間(オンデューティ)を制御することで、出力する電力を調整する。
【0030】
ところで、車両15の受電機器30と送電機器20との間の非接触給電のように大電力を受電し、電力調整回路40で蓄電池16への供給電力を調整する場合には、スイッチ41のオンオフ時のスイッチング損失も大きなものとなりやすい。従来は、スイッチ41の駆動周波数を受電電力の周波数と一致させていたが、スイッチング損失を低減するためには、スイッチ41の駆動周波数を下げることが考えられる。
【0031】
図3は、本実施形態に依らず駆動周波数を設定した場合に整流回路35から出力される電力の例を示す図である。
図3の破線は、整流回路35からの出力電力を示しており、所定周波数f0を例えば85kHzとする場合に、所定の直流電力にf0×2である170kHzの周波数成分が重畳されているものである。
図3の実線は、比較例における駆動周波数、例えば30kHzでスイッチ41をオンオフした場合のスイッチ41を通過した出力を示している。なお、整流回路35で、全波整流していることから、その出力波形は、所定周波数f0の2倍のf0×2の周波数成分を有する。整流回路が、半波整流回路であってもよく、その場合には、整流回路からの出力波形は、所定周波数f0の周波数成分を有する。
【0032】
比較例の駆動周波数のように、所定周波数f0との関連がない周波数でスイッチングをする場合には、スイッチングタイミングにおける整流回路35の出力位相が毎回異なっており、出力される電力もスイッチングごとに異なった値となる。そのため、
図4に示すように、電力調整回路40の出力電力に脈動が生じる。
図4は、比較例における電力調整回路40から蓄電池16への出力電力の波形を示す図である。比較例においては、定常的に脈動が生じている。このように蓄電池16に供給される電力に脈動が生じると、蓄電池16の劣化を加速したり、脈動対策の部品を追加したりしなければいけないため、望ましくない。
【0033】
そこで、本実施形態においては、スイッチ41の駆動周波数f1が受電した交流電力の所定周波数f0を2以上の自然数Nで除した周波数にする。
図5は、整流回路35の出力電力と本実施形態における駆動周波数f1の関係を示す図である。
図5の破線は、整流回路35からの出力電力を示しており、所定の直流電力に所定周波数f0×2、例えば170kHzの周波数成分が重畳されているものである。
図5の実線は、本実施形態における駆動周波数f1、例えば、所定周波数f0(85kHz)を3で除した28.33kHzでスイッチ41をオンオフした場合のスイッチ41を通過した出力を示している。
【0034】
本実施形態の駆動周波数f1のように、所定周波数f0を自然数Nで除した駆動周波数f1でスイッチングをする場合には、スイッチングタイミングにおける整流回路35の出力位相が毎回同じになり、出力される電力も毎回同じ値となる。そのため、電力調整回路40の出力電力に脈動が生じることなく、スイッチング損失を低減することができる。
図6は、本実施形態における電力調整回路40から蓄電池16への出力電力の波形を示す図である。本実施形態においては、脈動の発生がない。また、スイッチング損失も、従来のように駆動周波数を所定周波数f0と同じ値にした場合に比べて、3分の1程度に抑えることができる。
【0035】
なお、本実施形態では、電力調整回路40のスイッチ41と整流回路35との間にエネルギー蓄積用のインダクタを有していないため、駆動周波数f1を下げることによる損失も生じない。本実施形態の電力調整回路40は、いわゆる昇圧チョッパ回路において、エネルギー蓄積用のインダクタを有さない構成となっている。昇圧チョッパ回路を用いる場合には、スイッチ41に入力される電力が定電流である必要があるが、一般的に入力電力は定電圧であるため、スイッチ41の前にインダクタを設ける。しかしながら、スイッチ41の前にインダクタを設ける場合には、駆動周波数f1が低下するとこのインダクタで損失が生じる。
【0036】
更なる損失低減のために、電力調整回路40にインダクタを用いない構成が望まれる。そこで、本実施形態では、送電側共振部23と受電側共振部33とがS−S方式で構成されており、イミタンスフィルタとして作用する受電側フィルタ回路34が設けられていることによって、整流回路35から定電流が出力される。そのため、電力調整回路40のスイッチ41と整流回路35との間にエネルギー蓄積用のインダクタを設ける必要がなく、スイッチ41と整流回路35との間にインダクタを有していない。これにより、スイッチ41の駆動周波数f1を下げることによるインダクタでの損失が生じなくなり、駆動周波数f1を下げることで損失をさらに抑制できる。
【0037】
また、スイッチ41の駆動周波数f1を下げるとスイッチング損失を低減できる一方で、受電した交流電力の変動への制御性が低下する。特に、車両15の走行中に非接触給電を実施する場合には、種々の要因により受電電力が変動する。制御性が低下し、受電電力の変動によって蓄電池16への供給電力が変動することは望ましくないため、制御性が低下することは望ましくない。
【0038】
そこで、所定周波数f0を2〜10の範囲の自然数Nで除した周波数にスイッチ41の駆動周波数f1をする。より好ましくは、除する自然数Nは、2〜5の範囲にする。この範囲では、スイッチング損失を低減しつつ、電力調整回路40の電力調整の制御性を確保することができる。
【0039】
また、駆動周波数f1を算出するために、所定周波数f0を除する自然数Nは可変であってもよい。スイッチ41による制御性を高くする必要がない場合がある。例えば、車両15の停止中や蓄電池16からの出力変動が小さい場合等、受電電力の変動が小さい場合には、制御性を高くする必要がない。そこで、2次コイル31での受電電力の変動が小さい場合には、受電電力の変動が大きい場合に比べて、除する自然数Nを大きくする構成にしてある。
【0040】
図7は、駆動周波数f1を可変にした場合の駆動周波数f1を設定するためのフローチャートである。この処理は、ECU50によって、所定周期で実施される。
【0041】
S11で、2次コイル31での受電電力の安定度を推定する。受電電力は、例えば車両15の走行中において車高変化等により1次コイル21と2次コイル31との間の距離が変化する場合に変動する。また、蓄電池16のSOCが変化する場合にも受電電力は変動する。蓄電池16のSOCは、車両15の走行中、特に加速中に変化しやすい。そこで、車両15の走行状態等に基づいて、受電電力の安定度を推定する。例えば、車両15の速度変化の大きい状態では、受電電力の変動が大きく、安定度が小さいと推定する一方、車両15の速度変化の小さい状態や停止中の状態では、受電電力の変動が小さく、安定度が大きいと推定する。より具体的には、車速変化率(すなわち加速度)が所定以上であれば、安定度が小さいと推定し、所定以下であれば、安定度が大きいと判定する。
【0042】
S12で、受電電力の安定度に基づいて、駆動周波数f1を設定する。受電電力の変動が小さいと推定された場合には、所定周波数f0を除する自然数Nを大きくする。例えば所定周波数f0を5で除した値を駆動周波数f1として、駆動周波数f1を下げる。一方、受電電力の変動が大きいと推定された場合には、所定周波数f0を除する自然数Nを小さくする。例えば所定周波数f0を2で除した値を駆動周波数f1として、駆動周波数f1を大きくする。そして、算出した駆動周波数f1にて受電側駆動回路45を制御する。これにより、制御性を高くする必要がない場合には、駆動周波数f1を下げることによりスイッチング損失をさらに抑制することができる。
【0043】
以上説明した本実施形態では以下の効果を奏する。
【0044】
2次コイル31は、1次コイル21から所定周波数f0の交流電力を受電する。そして、電力調整回路40のスイッチ41をオンオフすることで、蓄電池16に供給される電力が調整される。そして、スイッチ41の駆動周波数f1を受電した交流電力の所定周波数f0を2以上の自然数Nで除した周波数にする構成としている。交流電力の所定周波数f0を自然数Nで除した周波数に駆動周波数f1をすることで、電力調整回路40に入力された電力に対して、常に同じ位相でスイッチングすることができ、蓄電池16に供給される電力の脈動を抑制できる。また、自然数Nを2以上の値とすることで、駆動周波数f1を下げることができ、スイッチング損失を低減することができる。
【0045】
スイッチ41の駆動周波数f1を下げるとスイッチング損失を低減できる一方で、2次コイル31で受電する交流電力の変動への制御性が低下する。特に、車両15の走行中に非接触給電を実施する場合には、種々の要因により受電電力が変動するため、制御性が低下することは望ましくない。そこで、2次コイル31が受電した交流電力の所定周波数f0を2〜10の範囲内の自然数Nで除した周波数にスイッチ41の駆動周波数f1をする。これにより、スイッチング損失を低減しつつ、制御性を確保することができる。
【0046】
本実施形態では、電力調整回路40として、チョッパ回路を用いている。例えば、昇圧チョッパ回路を用いる場合には、入力電力が定電流である必要があるが、一般的に入力電力は定電圧である。そこで、昇圧チョッパ回路とスイッチ41との間にインダクタを設けて入力電力のエネルギーを蓄積させることで、電力調整を行う。しかしながら、電力調整回路40にインダクタが設けられている場合には、スイッチ41の駆動周波数f1を下げると、インダクタで損失が生じてしまう。
【0047】
そこで、本実施形態では、送電側共振部23と受電側共振部33とがS−S方式で構成されており、イミタンスフィルタとして作用する受電側フィルタ回路34が設けられていることで、整流回路35から定電流が出力される構成としている。そして、整流回路35とスイッチ41との間にエネルギー蓄積用のインダクタを有しない構成としている。これにより、スイッチ41の駆動周波数f1を下げることによるインダクタでの損失が生じなくなり、駆動周波数f1を下げることによって損失をさらに抑制できる。
【0048】
駆動周波数f1は蓄電池16に供給される電力の制御性に関わっているが、蓄電池16に供給される電力の制御性を高くする必要がない場合がある。例えば、車両15の停止中や蓄電池16からの出力変動が小さい場合等、受電電力の変動が小さい場合には、制御性を高くする必要がない。そこで、自然数N、つまり駆動周波数f1を可変とし、2次コイル31での受電電力の変動が小さい場合には、受電電力の変動が大きい場合に比べて、除する自然数Nを大きくする構成にしてある。つまり、2次コイル31での受電電力の変動が小さい場合には、スイッチ41の駆動周波数f1を下げる。これにより、制御性を高くする必要がない場合には、駆動周波数f1を下げることにより損失をさらに抑制することができる。
【0049】
<他の実施形態>
本発明は、上記実施形態に限定されず、例えば以下のように実施してもよい。
【0050】
・1次コイル21と2次コイル31とを多相化してもよい。例えば、
図8に示すように、1次コイル21と2次コイル31とを3相に多相化してもよい。1次コイル21と2次コイル31とを多相化した場合には、インバータ25、送電側フィルタ回路24、受電側フィルタ回路34、整流回路35も相数に応じて複数にする。
【0051】
整流回路35からの出力を調整する電力調整回路40の構成は、多相の場合であっても同じになる。なお、3相の場合には、整流回路35からの出力電力は、所定の直流電力に所定周波数f0×3の周波数成分を有するものとなる。この場合にも、所定周波数f0を自然数Nで除した値にスイッチ41の駆動周波数f1をすることで、電力調整回路40に入力された電力に対して、常に同じ位相でスイッチングすることができ、脈動を抑制しつつ、スイッチング損失を低減することができる。
【0052】
・ECU50やマイコンによって、2次コイル31の受電した交流電力の周波数を検出し、検出した周波数を2以上の自然数Nで除した値に駆動周波数f1を制御してもよい。一般的に送電側の周波数は、インバータ25によって一定に保持されている。しかしながら、まれにインバータ25で生成された交流電力の周波数に予期せぬ変動が発生したり、インバータ25で生成された交流電力の周波数が予め判明していなかったりすることがある。そこで、ECU50やマイコンなどで周波数カウンタ機能を構成し、受電した交流電力の周波数を検出する。受電した交流電力の周波数を検出し、それに基づいて駆動周波数f1を設定することで、脈動を抑制しつつ損失を低減することができる。
【0053】
・整流回路35とスイッチ41との間にエネルギー蓄積用のイミタンスを設けてもよい。駆動周波数f1を下げると、イミタンスで損失が発生するが、この損失はスイッチング損失に比べて小さい。整流回路35とスイッチ41との間にイミタンスが設けられていても、受電機器30として損失を低減することができる。
【0054】
・受電機器30は、車両15の側部に設けられていてもよい。この場合には、送電機器20が道路の側方に配されたガードレール等に埋め込まれていてもよい。