(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記脂肪が、水素添加植物油、水素添加綿実油、水素添加パーム核油、水素添加大豆油、水素添加ヒマワリ種子油、水素添加落花生油、水素添加ヤシ油、水素添加ゴマ油、又はこれらの組み合わせである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のチューインガム組成物。
前記ワックスが、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、石油ワックス、ポリエチレンワックス、ミツロウ、植物ワックス、コメヌカロウ、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、又はこれらの組み合わせである、請求項9に記載のチューインガム組成物。
バルク甘味料と、ガムベースと、任意選択的に追加のチューインガム成分と、を含み、前記脂肪、ワックス、又はその両方が、前記ガムベースの一部であり得るか、別個のチューインガム組成物成分として添加され得るか、又はその両方であり得る、請求項1〜10のいずれか一項に記載のチューインガム組成物。
バルク甘味料を含み、前記バルク甘味料が、糖甘味料、単糖類、二糖類、多糖類、ショ糖(砂糖)、デキストロース、マルトース、デキストリン、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース(レブロース)、ラクトース、転化糖、フラクトオリゴ糖シロップ、部分加水分解デンプン、固形コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ、糖アルコール、エリスリトール、ガラクチトール、イソマルト、水素化デンプン加水分解物、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ポリグリシトール、ソルビトール、キシリトール、又はこれらの組み合わせである、請求項1〜11のいずれか一項に記載のチューインガム組成物。
バルク甘味料及び追加のチューインガム成分を含み、前記追加のチューインガム成分が、風味剤、高甘味度甘味料、食用酸若しくはその塩、感覚惹起剤、風味調節剤若しくは増強剤、着色料、保湿剤、軟化剤、又はこれらの組み合わせである、請求項1〜12のいずれか一項に記載のチューインガム組成物。
前記脂肪多型の比が、示差走査熱量測定、X線回折分析、ラマン分光法、又はこれらの組み合わせを使用して決定される、請求項1〜14のいずれか一項に記載のチューインガム組成物。
前記脂肪が、水素添加植物油、水素添加綿実油、水素添加パーム核油、水素添加大豆油、水素添加ヒマワリ種子油、水素添加落花生油、水素添加ヤシ油、水素添加ゴマ油、又はこれらの組み合わせである、請求項16〜23のいずれか一項に記載の方法。
前記ワックスが、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、石油ワックス、ポリエチレンワックス、ミツロウ、植物ワックス、コメヌカロウ、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、又はこれらの組み合わせである、請求項26に記載の方法。
前記ガムベースが、エラストマーと、前記脂肪と、任意選択的にワックス、乳化剤、充填剤、酸化防止剤、又はこれらの組み合わせを含む追加のガムベース成分と、を含む、請求項16〜27のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
結晶性脂質を含む、より具体的には結晶性脂肪、及び任意選択的にワックスを含むチューインガム組成物について開示する。
【0023】
特定の比率の脂肪多型を有するチューインガム組成物は、望ましい感覚特性を維持しながら、包装、コーティング、又は加工に必要とされる必要な硬度を達成することが判明している。脂肪、具体的にはトリグリセリドは、一般に、多型:α(アルファ)、β’(ベータプライム)、及びβ(ベータ)と称される3つの別個の構造に結晶化する。ベータ多型は、最も熱力学的に安定であり、続いてベータプライム多型、次いでアルファ多型である。しかしながら、液体脂肪からの活性化エネルギーは、アルファ多型が最低であり、続いてベータプライム、次いでベータである。したがって、アルファ多型形態は、低温で迅速に形成される一方で、脂肪がより高い活性化バリアを突破するのに十分なエネルギーを有すると、ベータプライム及びベータはより高い温度でのみ形成される。
【0024】
3つの脂肪多型は全て、融解物から直接形成することができ、アルファはベータ及びベータプライムの両方に変換することができるが、ベータ及びベータプライムは、最初に融解することなくアルファに戻ることはできない。脂肪のより安定な多型は、より小さいサイズであり、よりコンパクトに詰まっており、それによって脂肪の硬度が増加する。次に、ガムベース又は脂肪を含むチューインガム組成物は、ベータプライム及びベータ脂肪多型対アルファ脂肪多型の比が増加するにつれて、硬度の増加を呈するであろう。
【0025】
一実施形態では、チューインガム組成物は、ベータプライム及び/又はベータ多型が優勢である、ベータプライム及び/又はベータ多型対アルファ多型の比を有する脂肪を含む。更に、この比は、チューインガム組成物の製造から約60日以内、具体的には約45日以内、より具体的には約30日以内、更に具体的には約15日以内に決定することができる。本明細書で使用する場合、「ベータプライム及び/又はベータ」という用語は、「ベータプライム、ベータ、又はベータプライムとベータとの組み合わせ」を意味する。
【0026】
一実施形態では、チューインガム組成物は、比が、チューインガムの調整の完了と、チューインガム組成物の包装、ラッピング、又はコーティングする時間との間の時間で決定されるとき、ベータプライム及び/又はベータ多型が優勢である、ベータプライム及び/又はベータ多型対アルファ多型の比を有する脂肪を含む。別の実施形態では、比は、チューインガム組成物を包装、ラッピング、又はコーティングする前に決定される。
【0027】
チューインガム組成物は、ベータプライム及び/又はベータ多型が優勢である、ベータプライム及び/又はベータ多型対アルファ多型の比を有する脂肪を含有し得、具体的には、脂肪が、約50〜約100%のベータプライム及び/又はベータ多型と、残りのアルファ多型、より具体的には約55〜約95%のベータプライム及び/又はベータ多型と、残りのアルファ多型、更により具体的には約60〜約90%のベータプライム及び/又はベータ多型と、残りのアルファ多型、なお更により具体的には約65〜約85%のベータプライム及び/又はベータ多型と、残りのアルファ多型、より具体的には、約70〜約80%のベータプライム及び/又はベータ多型と、残りのアルファ多型、更により具体的には約55〜約85%ベータプライム及び/又はベータ多型と、残りのアルファ多型と、を含む。
【0028】
本明細書に記載のチューインガム組成物又はガムベース中のベータ及び/又はベータプライム脂肪多型対アルファ脂肪多型の比は、示差走査熱量測定、X線回折分析、ラマン分光法、又はこれらの組み合わせを含むいくつかの分析方法を使用して決定することができる。
【0029】
チューインガム組成物中で使用することができる脂肪は、以下より詳細に記載されるものであってもよく、チューインガムベースの構成成分、ガムベースとは別個に添加される別個のチューインガム成分又はガムベースの両方の一部としてであってもよく、ガムベースに加えて別個のチューインガム成分として添加されてもよい。一実施形態では、脂肪は、水素添加植物油、水素添加綿実油、水素添加パーム核油、水素添加大豆油、水素添加ヒマワリ種子油、水素添加落花生油、水素添加ヤシ油、水素添加ゴマ油、又はこれらの組み合わせである。
【0030】
一実施形態では、脂肪は、50%以上のC18飽和脂肪酸、具体的には60%以上のC18飽和脂肪酸、より具体的には70%以上のC18飽和脂肪酸、更により具体的には80%以上のC18飽和脂肪酸、なおより具体的には90%以上のC18飽和脂肪酸を含む混合トリグリセリドである。更に、この実施形態内では、脂肪は、飽和50%未満のC16飽和、具体的には40%以下のC16飽和脂肪酸、より具体的には30%以下のC16飽和脂肪酸、なおより具体的には20%以下のC16飽和脂肪酸、更により具体的には10%以下のC16飽和脂肪酸を含む混合トリグリセリドである。
【0031】
更なる実施形態では、脂肪は、優勢なC18の飽和脂肪酸、及び25%以上のトリステアリン、具体的には30%以上のトリステアリン、より具体的には35%以上のトリステアリン、更により具体的には40%以上のトリステアリン、なお更により具体的には45%以上のトリステアリン、より具体的には50%以上のトリステアリンを有する混合トリグリセリドである。更に、この実施形態では、脂肪は、40%以下のトリパルミチン、具体的には30%以下のトリパルミチン、更により具体的には20%以下のトリパルミチン、なお更により具体的には10%以下のトリパルミチン、なお更により具体的には3%以下のトリパルミチンを含む。
【0032】
定義された量のC18脂肪酸トリグリセリド含量、低C16脂肪酸トリグリセリド含量、トリステアリン含量及び低トリパルミチン含量を有する脂肪は、天然又は市販の脂肪を分画、ブレンド、エステル交換、又はこれらの組み合わせによって修飾することによって調製することができる。
【0033】
一実施形態では、脂肪は、
a)ジグリセリドを上回る優勢なトリグリセリド、アシルグリセロール総含量に基づいて、具体的には50%以上のトリグリセリド、より具体的には60%以上、更により具体的には70%以上、なおより具体的には80%以上、なおより具体的には90%以上のトリグリセリド、
b)飽和及び不飽和の両方の、C16トリグリセリドを上回る優勢なC18トリグリセリド、C18及びC16の総含量に基づいて、具体的には70%以上のC18、より具体的には80%以上のC18、更により具体的には85%以上のC18、なお更により具体的には90%以上のC18、及び30%以下のC16、具体的には20%以下のC16、より具体的には15%以下のC16、なおより具体的には10%以下のC16、
c)トリグリセリドとして優勢なトリステアリン、総トリグリセリドに基づいて、具体的には30%以上のトリステアリン、より具体的には40%以上のトリステアリン、更により具体的には50%以上のトリステアリン、
d)トリグリセリドとしての低レベルのトリパルミチン、総トリグリセリドに基づいて、具体的には20%以下のトリパルミチン、具体的には10%以下のトリパルミチン、具体的には7%以下のトリパルミチン、具体的には3%以下のトリパルミチン、又は
e)a)、b)、c)、及びd)のうちの1つ以上の任意の組み合わせ、を含む混合トリグリセリドである。
【0034】
チューインガム組成物は、チューインガム組成物の総重量に基づいて、約0.5〜約15重量%、具体的には約2〜約12、より具体的には約4〜約10、なお更により具体的には約6〜約8の量で脂肪を含む。
【0035】
一実施形態では、チューインガム組成物は、ワックスを更に含むことができ、脂肪対ワックスの重量比は、約99:1〜約9:91、具体的には約90:10〜約20:80、より具体的には約80:20〜約20:80、更により具体的には約60:40〜約40:60、なお更により具体的には約55:45〜約45:55、具体的には約50:50である。
【0036】
ベータプライム及び/又はベータ多型が優勢であるベータプライム及び/又はベータ多型対アルファ多型の比を有する脂肪を含むチューインガム組成物は、約200kPaの上限で、少なくとも120kPa、具体的には少なくとも130kPa、より具体的には少なくとも140kPa、更により具体的には少なくとも150kPaのヤング率を有する。
【0037】
ベータプライム及び/又はベータ多型が優勢であるベータプライム及び/又はベータ多型対アルファ多型の比を有する脂肪を含むチューインガム組成物は、約60デュロの上限で、少なくとも45デュロ、具体的には少なくとも46、より具体的には少なくとも48、更により具体的には少なくとも50、なお更により具体的には少なくとも55のデュロメータショアA硬度を有する。
【0038】
一般に、チューインガム組成物は、ガムベースと、バルク甘味料と、脂肪と、任意選択的にワックスと、任意選択的に本明細書に記載の追加のチューインガム成分、例えば、風味剤、高甘味度甘味料、感覚惹起剤、着色剤、又はこれらの組み合わせとを含む。脂肪は、ガムベースの一部であってもよいか、又はガムベースとは別個に添加される別個のチューインガム成分であってもよいか、又は脂肪は、ガムベースの一部であってもよく、ガムベースに加えてチューインガム成分として添加されてもよい。
【0039】
本明細書で使用する場合、「ガムベース」という用語は、不水溶性材料(複数可)を指し、例えば、エラストマー、ビニルポリマー、樹脂、ワックス、エラストマー溶剤、乳化剤、可塑剤、増量剤/充填剤、脂肪、又はこれらの組み合わせ等の成分を挙げることができる。一実施形態では、ガムベースは、エラストマーと、任意選択的に追加のガムベース成分と、を含み、追加のガムベース成分は、ビニルポリマー、樹脂、ワックス、脂肪、乳化剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、酸化防止剤、又はこれらの組み合わせである。
【0040】
使用されるガムベースの量は、使用されるベースの種類、所望されるチューインガムの稠度、及び最終的なチューインガム製品を製造するためにこの組成物において使用される他の成分等の、様々な要素に応じて変化するであろう。概して、ガムベースは、チューインガム組成物の総重量に基づいて、約5〜約65重量パーセント(重量%)、具体的には約10〜約55重量%、より具体的には約15〜約45重量%、更に具体的には約20〜約35重量%の量で存在することになる。
【0041】
チューインガムベースで使用される例示的なエラストマーとしては、天然、並びに、合成エラストマー及びゴムの両方、例えば、植物由来の物質、例えば、チクル、クラウンガム、ニスペロ、ロサジンハ、ジェルトン、ペリロ、ニジェールグッタ、チュニュ、バラタ、グタペルカ、レチカプシ、ソルバ、グッタケイ等、又はこれらの組み合わせが挙げられる。ブタジエン−スチレンコポリマー、ポリイソブチレン、イソブチレンイソプレンコポリマー、ポリエチレン、これらの組み合わせ等の合成エラストマー、又はこれらの組み合わせもまた有用である。ガムベースは、非毒性ビニル重合体、例えば、ポリ酢酸ビニル及びその部分加水分解物、ポリビニルアルコール、又はこれらの組み合わせを含むことができる。使用される場合、ビニル重合体の分子量は、約3,000〜約94,000まで(約94,000を含む)の範囲とすることができる。追加の有用なポリマーとしては、架橋ポリビニルピロリドン、ポリメチルメタクリレート;乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、可塑化エチルセルロース、ポリビニルアセテートフタレート、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0042】
種々の望ましい質感及び稠度特性を提供するための可塑剤又は軟化剤等の従来の添加剤を、このガムベース中に有効量で含めることができる。これらの成分が低分子量であることから、可塑剤及び軟化剤は、ガムベースの基本構造に浸透することができ、ガムベースを可塑性及びより低粘性にする。好適な可塑剤及び軟化剤としては、ラノリン、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、三酢酸グリセリル、グリセリルレシチン、モノステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸プロピレングリコール、アセチル化モノグリセリド、グリセリン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。これらの成分のいくつかは、ガムベース形成時に添加されるか、又はチューインガム組成物の製造中の後半に添加してもよい。
【0043】
ワックス、例えば、天然及び合成ワックス、ポリウレタンワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の石油ワックス、マイクロクリスタリンワックス、脂肪ワックス、ミツロウ、植物ワックス、コメヌカロウ、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ソルビタンモノステアレート、タロー、プロピレングリコール等、又はこれらの組み合わせはまた、種々の所望の質感及び稠度特性を得るために、ガムベースに組み込むことができる。
【0044】
ワックスは、ガムベースの総重量に基づいて約0.1〜約25重量%、具体的には約3〜約20重量%、より具体的に屋約5〜約15重量%、更により具体的には約8〜約12重量%の量でガムベース中に存在することができる。
【0045】
ガムベースは、脂肪を含む固体又は液体(例えば、油)の脂質材料を含有することができる。例示的な脂肪としては、植物由来、動物由来、又はこれらの組み合わせに由来する脂肪及び油が挙げられる。好適な植物性脂肪としては、大豆、綿実、トウモロコシ、アーモンド、落花生、ヒマワリ、菜種、オリーブ、パーム、パーム核、イリッペ、シア、ヤシ、ココア、ココアバター、又はこれらの組み合わせが挙げられ得る。上記植物性脂肪は、所望の様々な度合いまで水素添加するか、又は分別結晶により分離することができる。好適な動物性脂肪は、乳脂及びバター等の乳性脂肪を含む。例示的な脂質物質は、トリグリセリド、脂肪族アルコール、脂肪酸、又はこれらの組み合わせを含む。トリグリセリドとしては、中鎖トリグリセリド、長鎖トリグリセリド等を挙げることができる。特定の脂肪としては、水素添加ヤシ油、水素添加綿実油、水素添加パーム油、水素添加パーム核油、水素添加落花生油、水素添加ヒマワリ種子油、水素添加大豆油、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0046】
脂肪は、ガムベースの総重量に基づいて、約0.5〜約30重量%、具体的には約2〜約25重量%、より具体的には約5〜約20重量%、更により具体的には約10〜約20重量%、なお更により具体的には約15〜約18重量%の量でガムベース中に存在することができる。
【0047】
ガムベースは、任意選択的に、エラストマーベース成分を軟化する助けとなる従来のエラストマー溶剤、例えば、アルファ−ピネン若しくはベータ−ピネンの重合体等の樹脂;ロジン若しくは修飾ロジン及びガムのメチルエステル、グリセロールエステル、若しくはペンタエリスリトールエステル、例えば、水素添加、二量化、若しくは重合化ロジン、若しくはこれらの組み合わせ;部分水素添加木材若しくはガムロジンのペンタエリスリトールエステル;木材若しくはガムロジンのペンタエリスリトールエステル;木材ロジンのグリセロールエステル;部分二量化木材若しくはガムロジンのグリセロールエステル;重合化木材若しくはガムロジンのグリセロールエステル;トール油ロジンのグリセロールエステル;木材若しくはガムロジンのグリセロールエステル;部分水素添加木材若しくはガムロジン;木材若しくはロジンの部分水素添加メチルエステル;及び同等のもの;又はこれらの組み合わせを含有することができる。エラストマー溶剤は、ガムベースの総重量に基づいて、約5〜約75重量%、具体的には約45〜約70重量%の量で使用することができる。
【0048】
ガムベースは、有効量のミネラル補助剤等の増量剤を含むことができ、これらは充填剤及び質感剤として機能することができる。好適な鉱質補助剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、リン酸三カルシウム、リン酸三カルシウム等、又はこれらの組み合わせが挙げられる。これらの充填剤又は補助剤は、種々の量でガムベース中において使用することができる。具体的には、充填剤を使用する場合、その量は、ガムベースの総重量に基づいて約5〜約60重量%、より具体的には約20〜約30重量%の量で存在してもよい。
【0049】
ガムベースにおける使用に好適な乳化剤としては、蒸留モノグリセリド、モノ及びジグリセリドの酢酸エステル、モノ及びジグリセリドのクエン酸エステル、モノ及びジグリセリドの乳酸エステル、モノ及びジグリセリド、脂肪酸のポリグリセロールエステル、セテアレス−20、ポリグリセロールポリリシノール酸塩、脂肪酸のプロピレングリコールエステル、ラウリン酸ポリグリセリル、ヤシ脂肪酸グリセリル、アラビアガム、アカシアガム、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、ステアロイルラクチレートナトリウム、ステアロイルラクチレートカルシウム、モノ及びジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、グリセリルトリカプリル酸塩−カプリン酸塩/中鎖トリグリセリド、ジオレイン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、脂肪酸のグリセリルラクトエステル、グリセリルラクトパルミチン酸塩、ステアリン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、ジラウリン酸グリセリル、モノリシノール酸グリセリル、モノステアリン酸トリグリセリル、ジステアリン酸ヘキサグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、ジパルミチン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、ヘキサオレイン酸ポリグリセリル10、中鎖トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、モノステアリン酸プロピレングリコール、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリソルベート65、ジステアリン酸ヘキシルグリセリル、モノステアリン酸トリグリセリル、ツイン、スパン、ステアロイルラクチレート、ステアロイル−2−ラクチレートカルシウム、ステアロイル−2−ラクチレートナトリウム、レシチン、アンモニウムホスファチド、脂肪酸のショ糖エステル、スクログリセリド、脂肪酸のプロパン−1,2−ジオールエステル、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0050】
チューインガム組成物のバルク甘味料は、糖系又は無糖のバルク甘味料、特に無糖とすることができる。バルク糖甘味料は、概して、糖類を含む。好適な糖甘味料としては、単糖類、二糖類、及び多糖類を含み、例えば、ショ糖(砂糖)、デキストロース、麦芽糖、デキストリン、キシロース、リボース、ブドウ糖、マンノース、ガラクトース、フルクトース(レブロース)、ラクトース、転化糖、フラクトオリゴ糖シロップ、部分加水分解デンプン、固形コーンシロップ、例えば、高フルクトースコーンシロップ、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0051】
バルク甘味料はまた、糖アルコール等の無糖バルク甘味料でもあり得、「糖ポリオール」とも称される。糖アルコールは、エリスリトール、ガラクチトール、イソマルト、水素化デンプン加水分解物、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ポリグリシトール、ソルビトール、キシリトール等、又はこれらの組み合わせであり得る。糖アルコールは、粉末形態(結晶質又は非晶質のいずれか)、低含水率(例えば10重量%未満、具体的には5重量%未満)の溶融(融解)形態、又は水を含むシロップ形態(「溶液」とも称される)であり得る。例示的な糖アルコールシロップとしては、ソルビトールシロップ、マルチトールシロップ、水素化デンプン加水分解物シロップ、ポリグリシトールシロップ等が挙げられる。
【0052】
チューインガム組成物中のバルク甘味料の量は、チューインガム組成物の総重量に基づいて約10〜約85重量%、具体的には約20〜約80重量%、より具体的には約30〜約75重量%、更により具体的には約40〜約70重量%であってよい。
【0053】
一実施形態では、チューインガム組成物は、無糖である。
【0054】
チューインガム組成物は、追加のチューインガム成分を更に含んでもよく、追加成分は、風味剤、脂肪、高甘味度甘味料、食用酸若しくはその塩、感覚惹起剤、風味調節剤若しくは増強剤、着色料、保湿剤、軟化剤、又はこれらの組み合わせである。
【0055】
チューインガム組成物で使用される例示的な風味剤(香料、香味剤)として、当該技術分野で既知の人工又は天然香料、例えば、合成香味油、天然香味付与芳香油及び/若しくは油、オレオレジン、植物、葉、花、果実等由来抽出物、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。非限定的な代表的な風味料は、スペアミント油、シナモン油、ウインターグリーン油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズク油、オールスパイス、セージ油、メース、苦扁桃油、ケイヒ油、及びレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツを含む柑橘油等の油;バニラ;リンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アプリコット、バナナ、メロン、熱帯果実、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤを含む果実エキス;ハチミツレモン等;又はこれらの組み合わせを含む。
【0056】
他の種類の風味剤としては、様々なアルデヒド及びエステル、例えば、酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p−メチルアミソール、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスアルデヒド(カンゾウ、アニス)、ケイ皮アルデヒド(シナモン)、シトラール、即ち、アルファ−シトラール(レモン、ライム)、ネラール、即ち、ベータ−シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ、即ち、ピペロナール(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、アルファ−アミルシンナムアルデヒド(スパイシーなフルーツ様の風味)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(変性、多くの型)、デカナール(柑橘類)、アルデヒドC−8(柑橘類)、アルデヒドC−9(柑橘類)、アルデヒドC−12(柑橘類)、2−エチルブチルアルデヒド(液果)、ヘキセナール、即ち、トランス−2(液果)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトルアルデヒド(バニラ)、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、即ち、メロナール(メロン)、2,6−ジメチルオクタナール(青玉果)及び2−ドデセナール(柑橘類、マンダリン)が挙げられる。
【0057】
風味剤は、液体又は固体の形態で使用することができる。風味剤は、遊離形態又はカプセル封入形態で使用することができる。固体(乾燥)の形態で使用する場合、香味油の噴霧乾燥等の好適な乾燥手段を使用することができる。代替的に、風味剤は、当該技術分野で既知の手段により、例えば、セルロース、デンプン、糖、マルトデキストリン、アラビアガム等の水溶性物質にカプセル封入され、吸収されてもよい。一実施形態では、風味剤は、香味の初期バースト又は香味の遅延性感覚を提供するために有効な物理的形態で使用することができる。
【0058】
チューインガム組成物において、1つよりも多い風味剤を使用することができる。風味剤の量及び種類は、目標とする放出プロファイル及び所望の香味強度に基づいて選択することができる。チューインガム組成物は、概してチューインガム組成物の総重量に基づいて、約0.001〜約5重量%、具体的には約0.01〜約4重量%、更により具体的には約0.1〜約3重量%、なお更により具体的には約1.0〜約2重量%の量で風味剤を含む。
【0059】
チューインガム組成物は、高甘味度甘味料を更に含有してもよい。本明細書で使用する場合、「高甘味度甘味料」とは、スクロースの甘味より強い甘味を有する剤を意味する。一実施形態では、高甘味度甘味料は、1重量当たり、糖(ショ糖)の甘味の少なくとも100倍、具体的には1重量当たり、糖の甘味の少なくとも500倍の甘味を有する。一実施形態では、高甘味度甘味料は、1重量当たり、糖の甘味の少なくとも1,000倍、より具体的には1重量当たり、糖の甘味の少なくとも5,000倍である。高甘味度甘味料は、水溶性甘味料、水溶性人工甘味料、天然水溶性甘味料由来の水溶性甘味料、ジペプチド系甘味料、及びタンパク質系甘味料を含む、広範囲の物質から選択することができる。1つ以上の甘味料、又は前述の種類の甘味料のうちの1つ以上を含む組み合わせを使用することができる。特定の甘味料に限定されず、代表的な部類及び例としては、
a)水溶性甘味剤、例えば、ジヒドロカルコン、モネリン、ステビオシド、レバウジオシド、グリチルリジン、ジヒドロフラベノール、モナチン、及びL−アミノジカルボン酸アミノアルケン酸エステルアミド、例えば、米国特許第4,619,834号に開示されるもの、又はこれらの組み合わせ;
b)水溶性人工甘味料、例えば、可溶性サッカリン塩、即ち、サッカリンナトリウム又はカルシウム塩、チクロ塩、アセスルファム塩、例えば、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのナトリウム、アンモニウム、又はカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩(Acesulfame−K)、サッカリンの遊離酸形、又はこれらの組み合わせ;ジペプチド系甘味料、例えば、L−アスパラギン酸由来甘味料、例えば、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)及び米国特許第3,492,131号で説明される物質、L−アルファ−アスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(アリテーム)、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリン及びL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニル−グリシンのメチルエステル、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニン;L−アスパルチル−L−(1−シクロヘキセン)−アラニン、ネオテーム、又はこれらの組み合わせ;
c)天然水溶性甘味料由来の水溶性甘味料、例えば、ステビオシド及びステビア由来化合物、例えば、ステビオール配糖体、例えば、レバウジオシドAを含むレバウジオシド等、羅漢果及び羅漢果由来化合物、例えば、イソ−モグロシドV等、普通の糖(ショ糖)の塩素化誘導体、例えば、クロロデオキシスクロース又はクロロデオキシガラクトスクロースの誘導体等のクロロデオキシ糖誘導体、例えば、スクラロースの品名で知られているもの;(クロロデオキシスクロース及びクロロデオキシガラクトスクロース誘導体の例としては、例えば、1−クロロ−1’−デオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−アルファ−D−ガラクトピラノシル−アルファ−D−フルクトフラノシド又は4−クロロ−4−デオキシガラクトスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−アルファ−D−ガラクトピラノシル−1−クロロ−l−デオキシ−ベータ−D−フルクト−フラノシド、若しくは4,1’−ジクロロ−4,1’−ジデオキシガラクトスクロース;1’,6’−ジクロロ−1’,6’−ジデオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−アルファ−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−ベータ−D−フルクトフラノシド又は4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−アルファ−D−ガラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−ベータ−D−フルクトフラノシド又は4,6,6’−トリクロロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトスクロース;6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデオキシスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−アルファ−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−y−ベータ−D−フルクトフラノシド又は4,6,1’,6’−テトラクロロ4,6,1’,6’−テトラデオキシガラクトスクロース;4,6,1’,6’−テトラデオキシ−スクロース又はこれらの組み合わせを含む);
d)タンパク質系甘味料、例えば、タウマッコスダニエリ、タリン、又はこれらの組み合わせ;並びに、
e)アミノ酸系甘味料、が挙げられる。
【0060】
更に、高甘味度甘味料は、様々な明確な物理的形態、例えば、甘味の初期バースト及び/又は甘味の遅延性感覚を提供するために当該技術分野で既知の形態で使用することができる。これらに限定されることなく、このような物理的形態は、遊離形態(例えば、噴霧乾燥若しくは粉末化)、ビーズ化形態、カプセル封入形態、又はこれらの組み合わせを含む。
【0061】
チューインガム組成物は、必要に応じて着色剤を更に含んでもよい。着色剤(色素、着色料、染色料)は、チューインガムの所望の色素を生成するのに有効な量で使用することができる。好適な着色剤は、顔料を含み、これは、チューインガムの総重量に基づいて最大約6重量%の量で組み込むことができる。例えば、二酸化チタンは、チューインガムの総重量に基づいて最大約2重量%、具体的には約1重量%未満の量で組み込むことができる。好適な着色剤は、食品、薬物及び化粧品適用に好適な、天然の食紅及び染料も含む。
【0062】
好適な色素としては、アナトー抽出物(E160b)、ビキシン、ノルビキシン、アスタキサンチン、脱水テンサイ(テンサイ粉末)、テンサイ根赤色/ベタニン(E162)、ウルトラマリンブルー、カンタキサンチン(E161g)、クリプトキサンチン(E161c)、ルビキサンチン(E161d)、ビオランキサンチン(E161e)、ロドキサンチン(E161f)、キャラメル(E150(a〜d))、ベータ−アポ−8’−カロテナール(E160e)、ベータ−カロチン(E160a)、アルファカロチン、ガンマカロチン、ベータ−アポ−8カロテナールのエチルエステル(E160f)、フラボキサンチン(E161a)、ルテイン(E161b)、コチニール抽出物(E120)、カーマイン(E132)、カルモイシン/アゾルビン(E122)、銅クロロフィリンナトリウム(E141)、クロロフィル(E140)、焼き部分脱脂料理済み綿実粉、グルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、ブドウ色素抽出物、ブドウ果皮抽出物(エノシアニナ)、アントシアニン(E163)、ヘマトコッカス藻粗粉、合成酸化鉄、酸化鉄及び水酸化鉄(E172)、果汁、野菜汁、乾燥藻粗粉、マンジュギク(Aztec marigold)粗粉及び抽出物、ニンジン油、トウモロコシ胚乳油、パプリカ、パプリカオレオレジン、ファフィア属酵母、リボフラビン(E101)、サフラン、二酸化チタン、ウコン(E100)、ウコンオレオレジン、アマランス(E123)、カプサンシン/カプソルビン(E160c)、リコピン(E160d)、FD&C青色1号、FD&C青色2号、FD&C緑色3号、FD&C赤色3号、FD&C赤色40号、FD&C黄色5号及びFD&C黄色6号、タートラジン(E102)、キノリン黄色(E104)、サンセットイエロー(E110)、ポンソー(E124)、エリトロシン(E127)、パテントブルーV(E131)、二酸化チタン(E171)、アルミニウム(E173)、銀(E174)、金(E175)、顔料ルビン/リソールルビンBK(E180)、炭酸カルシウム(E170)、カーボンブラック(E153)、ブラックPN/ブリリアントブラックBN(E151)、グリーンS/アシッドブリリアントグリーンBS(E142)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。ある実施形態では、公認の色素は、FD&Cアルミニウムレーキ、又はこれらの組み合わせを含み得る。全てのFD&C着色料及びそれらの対応する化学構造の完全な詳細説明は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第4版(第1巻、492〜494頁)に見出すことができる。
【0063】
チューインガムで使用される例示的な食用酸又はその塩としては、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、及びこれらのアルカリ金属塩(例えば、クエン酸ナトリウム二水和物)、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。食用酸又はその塩は、遊離形態又はカプセル封入形態で使用してもよい。
【0064】
チューインガム組成物は、感覚惹起剤を含んでもよい。例示的な感覚惹起剤は、冷感剤、温感剤、刺痛剤、発泡剤、又はこれらの組み合わせを含む。冷感剤(「冷却剤」)は、口内、鼻腔内、又は皮膚上に冷感又は清涼感効果を与える添加剤である。例えば、有用な冷感剤の中でも、メンタン、メントン、ケタール、メントンケタール、メントングリセロールケタール、置換pメンタン、非環状カルボキサミド、モノメンチルグルタレート、置換シクロヘキサナミド、置換シクロヘキサンカルボキサミド、置換尿素及びスルホンアミド、置換メンタノール、p−メンタンのヒドロキシメチル及びヒドロキシメチル誘導体、2−メルカプト−シクロ−デカノン、2〜6個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸、シクロヘキサナミド、酢酸メンチル、サリチル酸メンチル、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23)、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミド、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(WS−3)、N−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキシル]カルボニル]グリシン(WS−5)のエチルエステル、並びに参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Ermanらによる米国特許第7,189,760号に開示される、N−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキシル]カルボニル]グリシンの実質的に純粋なエチルエステル、イソプレゴール、メンチルオキシプロパンジオール、3−(1−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、3−(1−メントキシ)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−2,3−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−メンタノール、コハク酸メンチル及びそのアルカリ土類金属塩、トリメチルシクロヘキサノール、N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド、N−(4−シアノメチルフェニル)p−メンタンカルボキサミド(G−180)、ハッカ油、ペパーミント油、3−(1−メントキシ)エタン−1−オール、3−(1−メントキシ)プロパン−1−オール、3−(1−メントキシ)ブタン−1−オール、1−メンチル酢酸N−エチルアミド、1−メンチル−4−ヒドロキシペンタノエート、1−メンチル−3−ヒドロキシブチレート、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)−ブタンアミド、n−エチル−t−2−c−6ノナジエナミド、N,N−ジメチルメンチルコハク酸アミド、置換p−メンタン、置換p−メンタン−カルボキサミド、2−イソプロパニル−5−メチルシクロヘキサノール(Hisamitsu Pharmaceuticals製、以下「イソプレゴール」);メントングリセロールケタール(FEMA3807、商標名FRESCOLAT(登録商標)タイプMGA);3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール(高砂製、FEMA3784);及び乳酸メンチル;(Haarman&Reimer製、FEMA3748、商標名FRESCOLAT(登録商標)タイプML)、WS−30、WS−14、ユーカリ抽出物(p−Mehtha−3,8−ジオール)、メントール(その天然又は合成誘導体)、メントールPG炭酸塩、メントールEG炭酸塩、メントールグリセリルエーテル、N−t−ブチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、P−メンタン−3−カルボン酸グリセロールエステル、メチル−2−イソプリル−ビシクロ(2.2.1)、ヘプタン−2−カルボキサミド;メントールメチルエーテル、メンチルピロリドンカルボキシレート;2,5−ジメチル−4−(1−ピロリジニル)−3(2H)−フラノン;環状アルファ−ケトエナミン、3−メチル−2−(1−ピロリジニル)−2−シクロペンテン−1−オン及び5−メチル−2−(1−ピロリジニル)−2−シクロペンテン−1−オンを含むシクロペンテン等のシクロテン誘導体、次式の化合物が挙げられ:
【化1】
式中、Bが、H、CH
3、C
2H
5、OCH
3、OC
2H
5;及びOHから選択され、
Aが、式−CO−Dの部分であり、Dが、以下の部分:(i)−NR
1R
2(式中、R
1及びR
2が、H及びC
1〜C
8直鎖又は分岐鎖脂肪族、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アラリファティック及びシクロアルキル基から独立して選択され、あるいは、R
1及びR
2が、それらが結合する窒素原子と一緒に、任意選択的に置換される5又は6員ヘテロ環状環の一部を形成する)、(ii)−NHCH
2COOCH
2CH
3、−NHCH
2CONH
2、−NHCH
2CH
2OCH
3、−NHCH
2CH
2OH、−NHCH
2CH(OH)CH
2OH、並びに(iii)とりわけ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBellらによるPCT特許出願第WO2006/125334号で開示されるような
【化2】
からなる群から選択される部分;又はこれらの組み合わせから選択される。他の化合物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Hofmannらによる米国特許第6,592,884号で開示されるアルファ−ケトエナミンを含む。これら及び他の好適な冷感剤は、以下の米国特許に更に記載されており、これらは全て参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。米国特許第4,230,688号、同第4,032,661号、同第4,459,425号、同第4,178,459号、同第4,296,255号、同第4,136,163号、同第5,009,893号、同第5,266,592号、同第5,698,181号、同第6,277,385号、同第6,627,233号、同第7,030,273号。更に他の好適な冷感剤は、以下の米国特許出願公開に更に記載されており、これらは全て参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる:米国特許出願公開第2005/0222256号、同第2005/0265930号。
【0065】
温感剤は、使用者に温感の感覚信号をもたらすことが知られている多種多様な化合物から選択してもよい。これらの化合物は、特に口腔内で、温感の感知感覚を与え、多くの場合、風味料、甘味料及びその他の感覚刺激性成分の感知を向上させる。有用な温感剤の中でも、日本、東京の高砂香料工業株式会社によって供給されるバニリルアルコールn−ブチルエーテル(TK−1000)、バニリルアルコールn−プロピルエーテル、バニリルアルコールイソプロピルエーテル、バニリルアルコールイソブチルエーテル、バニリルアルコールn−アミノエーテル、バニリルアルコールイソアミルエーテル、バニリルアルコールn−ヘキシルエーテル、バニリルアルコールメチルエーテル、バニリルアルコールエチルエーテル、ジンジェロール、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、エタノール、イソプロポールアルコール、イソ−アミルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0066】
一実施形態では、刺痛剤を用いて、使用者に打診痛、刺痛、又は麻痺の感覚を与えてもよい。刺痛剤としては、ジャンブオレオレジン又はパラクレス(スピランテス属)(活性成分はスピラントールである);サーンショオール−I、サーンショオール−II、及びサンショアミドとして知られる成分を含む、日本の山椒抽出物(サンショウ(Zanthoxylum peperitum);ペリラルチン;4−(1−メントキシメチル)−2−フェニル−1,3−ジオキソラン;活性成分チャビシン及びピペリンを含む、黒コショウ抽出物(コショウ(piper nigrum));エキナセア抽出物;アメリカザンショウ抽出物;トランス−ペリトリン、及びトウガラシオレオレジン;又はこれらの組み合わせから選択される。一実施形態では、ジャンブ又はサーンショオール等の物質から抽出したアルキルアミドを含んでもよい。加えて、一実施形態では、感覚は、発泡のために作り出される。このような発泡は、アルカリ性物質を酸性物質と組み合わせることにより作り出され、これらの物質のいずれか又は両方は、カプセル封入されてもよい。一実施形態では、アルカリ性物質は、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属重炭酸塩、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。一実施形態では、酸性物質は、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。「刺痛」タイプの感覚惹起剤の例としては、米国特許第6,780,443号、同第6,159,509号、同第5,545,424号及び同第5,407,665号で開示されるものが挙げられ、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0067】
チューインガム組成物は、任意選択的に風味調節剤又は増強剤を更に含んでもよい。甘味は、風味調節剤若しくは増強剤から、及び/又は風味剤から、並びに甘味料から生じ得る。風味増強剤は、それら自体の特徴的な味又は芳香知覚を導入することなく、元の物質の味又は芳香知覚を増強、補充、調節、又は向上させる物質からなり得る。風味調節剤は、別の成分の特徴を捕捉するか、又は打ち消す、それら自体の特徴を与え得る。一実施形態では、風味、甘味、酸味、旨味、こく味、塩味、又はこれらの組み合わせの知覚を増強、補充、調節、又は向上させるように設計された風味調節剤又は増強剤を含むことができる。したがって、風味調節剤又は増強剤の添加は、チューインガム全体の味に影響を与えることができる。例えば、風味料は、バニラ、バニリン、エチルマルトール、フルフアール、プロピオン酸エチル、ラクトン、又はこれらの組み合わせ等の、風味調節剤又は増強剤の包含により追加の甘味特色を有するように組み合わせることができる。
【0068】
例示的な風味調節剤又は増強剤は、グリチルリチン酸モノアンモニウム、カンゾウグリチルリチン酸塩、ダイダイ、アラピリダイン、アラピリダイン(N−(1−カルボキシエチル)−6−(ヒドロキシメチル)ピリジニウム−3−オール)分子内塩、ミラクリン、クルクリン、ストロジン、マビンリン、ギムネマ酸、シナリン、グルピリダイン、ピリジニウム−ベタイン化合物、ネオテーム、タウマチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、タガトース、トレハロース、マルトール、エチルマルトール、バニラ抽出物、バニラオレオレジン、バニリン、テンサイ抽出物(アルコール抽出物)、サトウキビ葉エキス(アルコール抽出物)、G−タンパク質連結受容体(T2R及びT1R)に応答する化合物、又はこれらの組み合わせを含む。一実施形態では、糖酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、重硫酸ナトリウム、又はこれらの組み合わせが使用される。一実施形態では、グルタミン酸一ナトリウム、グルタミン酸一カリウム等のグルタミン酸塩、加水分解植物性タンパク質、加水分解動物性タンパク質、酵母抽出物、又はこれらの組み合わせが含まれる。更なる例は、アデノシン一リン酸(AMP)、グルタチオン及びイノシン一リン酸等のヌクレオチド、イノシン酸二ナトリウム、キサントシン一リン酸、グアニル酸一リン酸、又はこれらの組み合わせを含む。こく味を与える風味増強剤組成物の更なる例はまた、Kurodaらによる米国特許第5,679,397号に包含される。
【0069】
本明細書で使用される風味調節剤、風味増強剤、及び風味剤の量は、最終生成組成物の種類、個々の風味、及び所望される風味の強さ等の要素を対象とする好みの問題であり得る。したがって、風味料の量は、最終生成物において所望の結果を得るように変化し得、このような変化は、過度の実験をすることなく、当業者の能力の範囲内である。
【0070】
チューインガム組成物は、任意選択的に湿潤剤を更に含んでもよい。例示的な湿潤剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、又はこれらの組み合わせが挙げられる。最終的なチューインガム製品が、製造、包装、保管、及び使用中に周辺環境から水分を過剰に吸収しないように、湿潤剤の量を制御することができる。
【0071】
チューインガム組成物は、ガムベースで使用される本明細書に記載されるもの等の軟化剤を更に含んでもよい。
【0072】
チューインガム組成物は、当該技術分野で既知の標準的な技術及び装置を用いて調製することができる。
【0073】
例示的な一プロセスでは、ガムベースは、ガムベースの物理的及び化学的性質に悪影響を及ぼさずにガムベースを軟化するのに十分に高い温度まで加熱されるが、これは、使用されるガムベースの組成により変化し、過度の実験を行うことなく当業者により容易に決定される。例えば、ブレンドを可塑化し、ガムベースの硬度、粘弾性及び成形性を調節するための可塑剤、充填剤、及び軟化剤等いずれかが存在する場合、ガムベースが十分に融解するのに十分な時間かけて、例えば約30分間、ガムベースを慣例的に約40℃〜約160℃に溶かしてもよく、又は約150℃〜約175℃に溶かしてもよく、その直後に、ガムベースの残りの成分と増加的に混合させる。チューインガム成分を次に融解したガムベースと配合する。チューインガム塊の均一な又は均質な混合物が得られるまで、混合を続ける。次いで、チューインガム塊を、従来の調整技術を使用して調整するか、又はチューインガム中のベータプライム及び/又はベータ多型脂肪結晶の形成を促進し、続いて冷却及び調整してチューインガム組成物を形成する手段として、本明細書に記載の加熱/保持工程を施してもよい。
【0074】
別の例示のプロセスでは、ガムベース又はガムベース成分を事前融解せずに、チューインガム成分をガムベースと混合する。チューインガム組成物の均一な又は均質な混合物が得られるまで、混合を続ける。この実施形態の範囲内では、ガムベースは、より高い温度での融解ではなく、むしろ、40〜50℃で軟化することができるペレット化ガムベースの形態であってもよい。
【0075】
別の実施形態では、融解したガムベース及びペレット化ガムベースの組み合わせを使用することができる。
【0076】
チューインガム組成物からチューインガム製品を形成することは、共押出プロセス、積層プロセス、圧縮プロセス、圧延及びスコアリングプロセス、チェーンダイプロセス、ロータリーダイプロセス、若しくはカット及びラッププロセス、又はこれらの組み合わせによって形成することができる。チューインガム製品を作製するために使用される組成物は、バッチ方法又は連続方法を使用して形成することができる。
【0077】
一実施形態では、チューインガム組成物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2013年3月15日に出願された国際公開第2013158291号のSystem and Method for Manufacturing Chewing Gumに記載される連続法において調製される。
【0078】
チューインガム及びチューインガム製品を作製するのに好適なプロセスとしては、各々その全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,254,373号及び同第8,226,401号、並びに2016年12月22日出願の国際特許出願第PCT/US2016/068317号に見出されるものが挙げられる。
【0079】
一実施形態では、チューインガムを形成する方法は、ガムベース、バルク甘味料、及び脂肪を含む初期チューインガム塊を形成することであって、初期チューインガム塊中の脂肪が、アルファ多型が優勢である、ベータプライム及び/又はベータ多型脂肪対アルファ多型脂肪の比を有する、形成することと、初期チューインガム塊を、脂肪の結晶化温度をちょうど超える高温に、具体的には脂肪のアルファ多型転移をちょうど超える、例えば、約35〜約60℃、より具体的には約40〜約55℃、更により具体的には約45〜約50℃に加熱することと、初期チューインガム塊を高温で約20分〜約6時間、具体的には約30分〜約5時間、より具体的には約45分〜約3時間維持すること(これは、代替的に「保持工程」と呼ばれる)と、初期チューインガム塊を冷却及び調整して、ベータプライム及び/又はベータ多型が優勢である、ベータプライム及び/又はベータ多型脂肪対アルファ多型脂肪の比を有する、調整されたチューインガムをもたらす、冷却及び調整することと、を含む。この実施形態内では、調整されたチューインガム中の脂肪は、約50〜約100%、具体的には約55〜約95%、より具体的には約60〜約90%、更により具体的には約65〜約85%、なお更により具体的には約70〜約80%、具体的には約55〜約85%のベータプライム及び/又はベータ多型と残りのアルファ多型を含む。この実施形態内では、加熱、保持、冷却、及び/又は調整工程のうちのいずれか1つ以上は、約7%〜約45%、具体的には約13%〜約40%、より具体的には約15%〜約35%、更により具体的には約18%〜約30、なおより具体的には約24%〜約30%の相対湿度で実施することができる。
【0080】
脂肪多型の比は、調整されたチューインガム組成物を製造することから、約60日以内、具体的には約45日以内、より具体的には約30日以内、なおより具体的には約15日以内に決定することができる。別の実施形態では、この比は、チューインガムの調整の完了と、調整されたチューインガム組成物の包装、ラッピング、又はコーティングする時間との間の時間で決定される。
【0081】
調整工程は、周囲温度未満、具体的には20℃以下、より具体的には18℃以下、更により具体的には15℃以下、なおより具体的には13℃以下の温度で実施することができる。
【0082】
調整されたチューインガムは、約200kPaの上限で、少なくとも120kPa、具体的には少なくとも130kPa、より具体的には少なくとも140kPa、更により具体的には少なくとも150kPaのヤング率を有する。
【0083】
調整されたチューインガムは、約60の上限で、少なくとも45、具体的には少なくとも46、より具体的には少なくとも48、更により具体的には少なくとも50、なお更により具体的には少なくとも55のデュロメータショアA硬度を有する。
【0084】
「初期チューインガム硬度」とは、形成直後及び加熱/保持工程又は調整前のチューインガム組成物の硬度を意味する。
【0085】
「調整されたチューインガム硬度」とは、調整プロセス後、及びチューインガムのラッピング、包装、又はコーティング前のチューインガム組成物の硬度を意味する。
【0086】
本明細書に開示の調整されたチューインガムを形成するプロセスは、従来の調整プロセスよりも短い時間スケールで実施することができる。一実施形態では、加熱/保持、冷却、及び調整工程の合計時間は、24時間未満、具体的には18時間未満、より具体的には12時間未満、なおより具体的には10時間未満、更により具体的には8時間未満、なおより具体的には6時間未満、具体的には4時間未満、なおより具体的には2時間以下である。
【0087】
チューインガム組成物は、スラブ、スティック、ペレット、立方体等の形態の個別の単位に調製することができる。個別の単位での作製は、チェーン・ダイ法、又は圧延及びスコアリング法を用いて実現できる。
【0088】
チューインガム組成物の個別の単位は、ラッピング及び包装することができる。代替的に、チューインガム組成物の個別の単位は、硬質若しくは軟質のパンコーティング、又は当該技術分野において既知の他のコーティングプロセスでコーティングすることができる。
【0089】
また、糖菓塊を提供することと、糖菓塊を所定の時間の間、約25℃〜約75℃、具体的には約30℃〜約65℃の温度及び80%未満の相対湿度で保持することと、保持の下流で糖菓塊を冷却することと、を含む糖菓の製造方法も開示される。
【0090】
本明細書で使用する場合、糖菓(Confection)/糖菓(confectionery)としては、チューインガム、チューインガムベース、噛みごたえのあるキャンディ、キャラメル、ヌガー、ナッツペースト、チョコレート、ファッジ、脂肪ベースのキャンディ、及びこれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、糖菓/糖菓は、チューインガムである。
【0091】
一実施形態によれば、複数の成分を混合して糖菓塊又はシートを形成するための混合ステーションと、糖菓塊及び糖菓シートのうちの1つを、所定の時間の間、約25℃〜約75℃、具体的には約30℃〜約65℃の温度、及び80%未満、具体的には約5〜80%、より具体的には約20〜約70%、更により具体的には約30〜約60%の相対湿度で保持するための処理ステーションと、を含む、糖菓を製造するためのシステムが提供される。処理ステーションは、冷却トンネルから上流に配置される。所定の時間は、約6時間以下、具体的には約5分〜約5時間、より具体的には約10分〜約3時間、更により具体的には約15分〜約1時間、なおより具体的には約20分〜約30分であり得る。
【0092】
図8の例示的な糖菓製造システム10では、混合ステーション20は、複数の成分を混合して糖菓を形成するように構成されている。混合ステーション20は、単一の混合デバイスを含んでもよいか、又は代替的に、直列に配置され、糖菓構造若しくは塊を作製するように構成された複数の混合デバイスを含んでもよい。混合ステーション20は、混合される成分の種類又は状態に応じて、1つ以上の異なる種類の混合を提供してもよい。主な2種類の混合としては、分配混合及び分散混合が挙げられる。分散混合は典型的には、組成物内の個々の成分及び成分の凝集をより小さい片に分解する、高せん断混合である。分配混合は典型的には、分散混合よりも低いせん断混合であり、より均一な組成物を提供するために、組成物全体に個々の成分を分配するために使用される。分散混合及び分配混合は、米国特許第5,562,936号により完全に記載され、かつ論じられており、その教示及び開示は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。糖菓製造システム10は、加えて、糖菓を処理するための処理ステーション100を含む。処理ステーション100の温度は、約25℃〜約75℃であり得る。更に、処理ステーション100の相対湿度は、典型的には約20%〜約80%であるが、より低くてもよい。いくつかの実施形態では、製造システム10が多湿な領域に位置するとき等、処理ステーション100の湿度は、周囲湿度未満であってもよい。糖菓塊又は糖菓シートのいずれかを、任意の長さの時間の間高温及び周囲湿度又は目標湿度で保持することにより、従来製造されている糖菓と比較して、糖菓の硬度が増加する。一実施形態では、糖菓塊又は糖菓シートを高温で保持することにより、ショアA硬度スケールで測定した際に、糖菓塊又はシートの硬度が約5ポイント、約10ポイント、又は約15ポイント増加する。この増加した高度は、製造システム10の残り全体で行われる追加の加工によって維持又は更に増加する。糖菓塊又は糖菓シートは、6時間未満、4時間未満、2時間未満、1時間未満、又は更には30分未満、又は5分だけ高い状態で保持してもよい。しかしながら、最高約6時間の任意の時間の長さが、本開示の範囲内であることが理解されるべきである。
【0093】
糖菓製造システム10内の処理ステーション100の位置は、加えて、糖菓に対する処理ステーション100の効果に影響し得る。処理ステーション100は、混合ステーション20の下流及び冷却ステーション60の上流に位置し、システム10の他の構成要素のうちの1つ以上と並んで配置されてもよい。一実施形態では、処理ステーション100は、混合ステーション20の下流及び形成ステーション30の上流に位置する。代替的に、処理ステーション100は、形成ステーション30の下流にあるが冷却ステーション60の上流に位置してもよい。しかしながら、糖菓塊及び糖菓シートの両方が高温で保持される実施形態はまた、2つ以上の処理ステーション100を有するシステムとして、本開示の範囲内である。
【0094】
従来の糖菓製造システムでは、所望の硬度を達成するための全ての前処理は、ほぼ10℃の低温の部屋で行われてきた。しかしながら、高温でガムを調整又は保持することにより、低温調整のみで得られるよりも更に高い硬度が提供されることが見出されている。加えて、低温調整及び付随する中断を排除することができるように硬度が十分であり得、混合から包装まで完全につながった作業を達成することができる。
【0095】
図8の例示的な糖菓製造システム10では、形成ステーション30のすぐ下流に配置された冷却トンネル60と同様であっても異なっていてもよい冷却トンネル80が存在する。一実施形態では、例えば、糖菓がペレットガムであるとき等、糖菓片は、包装装置90を介してコーティング及び/又は包装される前に、収集され、調整ルーム85に提供されてもよい。
【0096】
システム10は、連続ラインとして示されているが、他の実施形態では、糖菓製造システム10のこれらの構成要素のうちの1つ以上が、製造プラントの異なる部分に、又は更には異なる製造プラントに位置する場合があることが理解されるべきである。
【0097】
図9は、連続押出機を含み得る混合ステーション20と、1回通過又は複数回通過であり得る処理ステーション100と、2つのロールミル又は圧延及びスコアリングライン、又は押出成形機であり得る形成ステーション30と、1回通過又は複数回通過であり得る冷却トンネル80と、包装ステーション90と、任意選択的に包装ステーション90の上流に位置しバッファとも称される、包装ステーション90が投入物を受け取ることが不可能であるときに糖菓塊又は糖菓シートを保持する蓄積ステーション82と、を含む、連続ガム製造及び包装ラインの例示的な要素を示す。
【0098】
ここで
図10を参照すると、高温条件で糖菓塊24又はシート26を保持するための処理ステーション100の例が示されている。非限定的な実施形態では、処理ステーション100は、筐体102の入口点106と出口点(図示せず)との間で糖菓塊24又は糖菓シート26を輸送するように構成され、筐体内部に配置されている少なくとも1つのコンベヤ104を有する囲い又は筐体102を含むトンネルである。しかしながら、糖菓が筐体102内で実質的に静止している実施形態もまた、本開示の範囲内である。
【0099】
本発明の特徴及び利点を、以下の実施例により、より完全に示すが、これらの実施例は例示の目的のために提供されるものであって、いかなる意味においても本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0100】
実施例1.加熱/保持工程、続いて調整プロセスを受けた後のガムベース硬度に対する綿実脂肪多型の調査
水素添加綿実油、及び水素添加綿実油から調製された綿実ガムベースを、X線回折(X-ray diffraction、XRD)及び示差走査熱量測定(differential scanning calorimetry、DSC)によって分析して、3つの異なるプロセス下で形成されたアルファ及びベータプライム脂肪多型の相対量を監視した。第1のプロセスは、材料を25℃で保持して、従来の調整を模倣することを伴った。第2のプロセスは、25℃で開始し、材料を45℃の温度に加熱し、その温度で60分間保持し、次いで25℃に冷却(13℃/分)することを伴った。第3のプロセスは、25℃で開始し、材料を55℃の温度に加熱し、その温度で60分間保持し、次いで25℃に冷却(13℃/分)することを伴った。材料を、TAXT2質感分析器を使用して硬度について更に分析して、圧縮力を測定した。ガムベース/脂肪に使用される圧縮方法:
試験モード:圧縮
予備試験速度:0.10mm/秒
試験速度:0.15mm/秒
試験後速度:5.00mm/秒
標的モード:ひずみ
ひずみ:40.0%
トリガー種類:Pre Travel
トリガー距離:0.000mm
高度なオプション:オフ
【0101】
力曲線の勾配を、綿実脂肪及び綿実ガムベースの両方における硬度の指標として使用した。8つのデータ点を各温度条件で採取し、平均勾配を報告した。
【0102】
表1は、各プロセスのアルファ及びベータプライム多型の相対量及び各材料の硬度データを報告する。
【表1】
【0103】
図1は、25℃での3つの異なる加熱/保持サイクルを比較している、綿実ガムベースのレオロジー結果を示す(データは線形スケールである)。これは、25℃に冷却する前に25℃、45℃、又は55℃で1時間保持されたときの、綿実ガムベースの剛性率を提供している。
【0104】
質感データは、綿実脂肪及び綿実脂肪ガムベースが、25℃で保持したときに対して、45℃及び55℃で保持したときに質感がより硬いことを示している。ベータプライム脂肪多型は、加熱/保持プロセスを受けた材料中により多量存在する。調整工程の前に加熱/保持工程を用いることにより、脂肪の多型転移が生じ、アルファ多型を上回るより多くのベータプライム多型をもたらし、したがってより高いガムベース硬度をもたらすことが見出された。同様に、より高いガムベース硬度は、チューインガムが脂肪を含むガムベースで調製され、加熱/保持工程に曝されると、より高いチューインガム硬度をもたらすであろう。
実施例2.加熱/保持工程後に形成される多型を監視するための純粋な脂肪の示差走査熱量測定調査
【0105】
純粋な脂肪をDSC調査で分析して、10℃/分で加熱−冷却−加熱方法を行った後の、脂肪多型の種類及び量を監視した。「20℃方法」では、冷却工程後2時間の間、試料を20℃の等温で放置した。「45℃〜20℃方法」では、冷却前に2時間の間、試料を45℃の等温で放置した。表2に示されるデータは、第2の加熱からのものであり、「MP」が融点である。
【表2】
実施例3.様々な種類の脂肪で作製されたチューインガムのチューインガム硬度の調査
【0106】
各々異なる種類の脂肪:「全脂肪」(65%水素添加綿実、35%水素添加大豆)、「綿実」水素添加綿実脂肪、「パーム」水素添加パーム脂肪、「大豆」水素添加大豆脂肪、及び「ヒマワリ」水素添加ヒマワリ種子脂肪、を含有する5つのチューインガムを調製した。表3に各脂肪のトリグリセリドプロファイルを提供し、これは大豆及びヒマワリが、より低いレベルのC16トリグリセリド及びより高いレベルのC18を有することを示す。綿実及びパームの両方は、多くの混合トリアシルグリセロール(triacylglycerol、TAG)を有し、ヒマワリは多くのジアシルグリセロール(diacylglycerol、DAG)を有する。
【0107】
チューインガム配合物を、6.08重量%の脂肪、28重量%のガムベース、44.67重量%のソルビトール、6.5重量%のマンニトール、7.06重量%のタルク、3重量%の香味料、並びに残りの封入された香味料、高甘味度甘味料、軟化剤、及び着色料から調製した。配合物間の唯一の違いは、脂肪の種類である。
【0108】
4つの追加のチューインガムを調製した:
f)「脂肪なしワックスなし」は、22重量%のガムベース、50.67重量%のソルビトール、6.5重量%のマンニトール、7.08重量%のタルク、3重量%の香味料、並びに残りの封入された香味料、高甘味度甘味料、軟化剤、及び着色料を含有していた:
g)「対照ブレンド」は、4.72重量%の綿実、大豆65:35(0.25 C16:C18)、1.36重量%のマイクロクリスタリンワックス、28重量%のガムベース、44.67重量%のソルビトール、6.5重量%のマンニトール、7.06重量%のタルク、3重量%の香味料、並びに残りの封入された香味料、高甘味度甘味料、軟化剤、及び着色料を含有していた;
h)「香味料なしの対照ブレンド」は、「対照ブレンド」と同じ成分だが、香味料を含まず、加えてソルビトールを含有していた;
i)「全ワックス」6.08重量%のマイクロクリスタリンワックス、28重量%のガムベース、44.67重量%のソルビトール、6.5重量%のマンニトール、7.06重量%のタルク、3重量%の香味料、並びに残りの封入された香味料、高甘味度甘味料、軟化剤、及び着色料を含有していた。
【0109】
チューインガムを調製し、時間ゼロでの(「T0」)、及び13℃、24%RHで調整後28時間での(「T0−28」)、ヤング率(Pa)について試験した。単一の脂肪試料についての結果を表4Aに、残りの試料についての結果を表5Aに提供する。チューインガムを、時間ゼロでの(「T0」)、及び45℃、30%RHで調整後28時間での(「T0−28」)、ヤング率(Pa)についても試験した。単一の脂肪試料についての結果を表4Bに、残りの試料についての結果を表5Bに提供する。
【表3】
1トリステアリン
2トリパルミチン
【表4】
【0110】
この調査により、パームガムベースから作製されたチューインガムは脆性であることが明らかになり、加工性に問題があることが観察されている。6時間の調整後のチューインガムのヤング率の変化により、次のように、パーム、全脂肪>大豆>ヒマワリ、綿実、の傾向を有することが明らかになった。大豆ガムは、6時間以内で最も堅い。大豆、ヒマワリ、及びパームは、経時的に最も高い絶対Ymを有する(データは表4Aに示されていない)。綿実は、経時的に最も軟らかいチューインガムを提供した。全脂肪は、トリグリセリドの混合に起因して、大豆及び綿実と比較して、より低い初期Ymを有したが、大豆の結果とより同様に経時的にYmが増加した。
【表5】
【0111】
45℃、30%RHでの調査により、「全脂肪」及び単一の脂肪から作製されたチューインガムが、表4Bで6時間以内に目標Ymに到達したことが明らかになった。6時間でのYmの変化:パーム>大豆>全脂肪>ヒマワリ>綿実。大豆又はパームから作製されたチューインガムは、経時的に最も高い絶対Ymを有した。パームガムは、開始時には最も軟らかかったが、45℃、30%RHで調整すると、YMの最高の増加を有した。全てのチューインガムは、45℃で4時間加熱/保持することによって、目標Ymに到達した。
【表6】
【0112】
表5Aに示されるように、13℃、24%RHで調整されたチューインガムの初期Ymは、脂肪なしワックスなし、香味料なしの対照ブレンド>全脂肪、全ワックス>対照ブレンド、の傾向を有する。6時間でのYmの変化(データ図示せず):対照ブレンド及び香味料なしの対照ブレンド>全脂肪>全ワックス>脂肪なしワックスなし。香味料なしの対照ブレンドは、6時間及び経時的に最も高いYmを有した。脂肪/ワックスの結晶化は、主にYMの0〜6時間での増加をもたらす。理論に束縛されることを望むものではないが、脂肪及びワックスは、脂肪のみを含有するか、又は高速結晶化ワックスを含有するチューインガムと比較して、対照ブレンド中で互いの結晶化に影響を及ぼし得、結晶化、多型の形成、及び安定化により長い時間がかかる。表5Aの結果は、香味料が脂肪及び/又はワックスに結合し、結晶化を阻害し、並びに潜在的にガムベースポリマーを可塑化し、それによってYmを低下させることを示唆している。
【表7】
【0113】
表5Bに示されるように、45℃、30%RHで調整すると、6時間でのYmの変化の次の傾向:香味料なしの対照ブレンド>対照ブレンド>全脂肪、全ワックス>脂肪なしワックスなし、が観察された。香味料なしの対照ブレンドは、6時間及び経時的に最も高いYmを有した。全てのチューインガムは、45℃で4時間加熱保持することによって、目標Ymに到達する。全ワックスは、全脂肪よりもわずかに高いYmを有したが、経時的に減少した。対照ブレンドは、経時的に最も高いYmに到達し、全脂肪及び全ワックスチューインガムよりも良好である。結果は、脂肪−ワックスの相互作用に起因する、対照ブレンド中の遅い結晶化及び多型形成が、経時的にYmの連続的な増加をもたらすことを示唆している。
実施例4.脂肪及びワックスの相互作用の調査、及びチューインガム硬度に対するそれらの効果
【0114】
加熱/保持工程、続いて調整プロセスを伴う加工条件下で、水素添加綿実脂肪とマイクロクリスタリンワックスとの異なるブレンドの結晶化挙動を調査した。パルス核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance、NMR)分光法を使用して、各ブレンドの固形分含量パーセントを、
図2に示すように温度を調整しながら経時的に測定した。調査の結果は、綿実:ワックスの4:1の重量比が、1:1及び1:4よりも、55℃及び25℃の両方でより高い結晶化固形分%を達成したことを明らかにした。これは、より少ない量のワックスがより結晶化を可能にし、したがって硬度をより高く増加することを示している。
実施例5.脂肪の結晶化に対するワックスの効果に関するパルスNMR分光法調査
【0115】
45℃又は55℃のいずれかでの加熱/保持工程、続いて調整プロセスを伴う加工条件下で、脂肪とマイクロクリスタリンワックスとの異なるブレンドについて、パルス核磁気共鳴(NMR)分光法調査を行った。脂肪は、「大豆」水素添加大豆脂肪、「ヒマワリ」水素添加ヒマワリ種子脂肪、「綿実」水素添加綿実脂肪、及び「パーム」水素添加パーム脂肪を含んだ。固形分含量パーセントを、式(実験固形分−計算固形分)/計算固形分に従って表5に報告する。
【表8】
【0116】
調査の結果は、全脂肪:ワックスブレンドが、45℃及び55℃の両方で同様の固形分含量%に到達するが、純粋な脂肪よりも低いことを示している。4:1の脂肪:ワックスブレンドは、ヒマワリ(1.2%)<大豆(−2%)<綿実(−5%)<パーム(−7%)の、45℃での結晶化の遅延、及び55℃での固形分%の減少に起因して、パーム(−10%)<ヒマワリ(−12%)<大豆(−14%)<綿実(−20%)の55℃での結晶化の遅延の傾向を示した。1:1の脂肪:ワックスブレンドは、大豆(−3%)<綿実(−5%)<ヒマワリ(−7%)<パーム(−12%)の、45℃での結晶化の遅延、及び55℃での固形分%の減少に起因して、ヒマワリ(−22%)<大豆(−24%)<綿実(−27%)<パーム(−33%)の55℃での結晶化の遅延の傾向を示した。1:4の脂肪:ワックスブレンドは、大豆(−3%)<綿実(−5%)<ヒマワリ(−7%)<パーム(−13%)の、45℃での結晶化の遅延、及び55℃での固形分%の減少に起因して、大豆(−27%)<綿実(−28%)<ヒマワリ(−28%)<パーム(−35%)の、55℃での結晶化の遅延の傾向を示した。
実施例6.脂肪多型の形成に対するワックスの効果に関するDSC調査
【0117】
全ての脂肪、及び脂肪とマイクロクリスタリンワックスとの2つの異なるブレンド(4:1及び1:4の重量比)のDSC曲線を得て、脂肪多型の形成に対するワックスの効果を調査した。脂肪は、「パーム」水素添加パーム脂肪、「ヒマワリ」水素添加ヒマワリ種子脂肪、「綿実」水素添加綿実脂肪、及び「大豆」水素添加大豆脂肪を含んだ。加熱条件は、20−85−20℃(等温120分)−85℃であった。ワックスの存在が脂肪/ワックス混合物の粘度を増加させる4つの脂肪全てについて同様の傾向が見出され、これはより低い脂肪多型の形成を促進する。
【0118】
実施例4〜6の結果に基づいて、次のように結論付けることができる。ワックスは、脂肪−ワックスブレンド中の脂肪の融点を低下させ、粘度を増加させ、結晶化を遅延させ、アルファ多型含量を増加させ、水素添加パーム脂肪で作製されたもの等の低融点脂肪チューインガムの質感、軟らかさのための調整剤として使用することができる。水素添加パーム脂肪は、結晶化及び融点において、ブレンド中のワックスによって最も大きく影響され、一方、水素添加大豆脂肪及び水素添加ヒマワリ種子脂肪は、ワックスによる影響が少なかった。脂肪:ワックスブレンドは、使用される脂肪の融点及び質感のための所望の脂肪多型に基づいて、10:1〜1:10、具体的には4:1〜1:4の範囲であり得る。ワックスは、脂肪の融点を低下させ、それによって、高融点の脂肪を使用して調製されたチューインガム組成物中のベータプライム及び/又はベータ脂肪多型含量を増加させるために使用される加熱−保持工程を低下させためにチューインガム組成物に使用することができることが見出された。アルファ:ベータプライム脂肪多型の比は、高粘度マトリックス中で多型化が遅いことに起因して、脂肪−ワックスブレンドよりも高い。ワックス含量が高いほど、脂肪結晶化への影響がより大きい。脂肪:ワックス=3.5:1を有する対照ブレンドガム(65%綿実、35%大豆)は、最も劣る。
実施例7.チューインガムにおけるソルビトールと脂肪との相互作用に関するDSC及び質感の調査
【0119】
バルク甘味料としてソルビトール、及び水素添加大豆、綿実、ヒマワリ、又はパームから選択される水素添加脂肪を使用して、チューインガムスラブを調製した。DSC方法は、3℃/分の熱サイクルを使用した。ソルビトール及び脂肪のエンタルピーピークを、ヤング率と共に表6に報告する。チューインガム中に見られるソルビトール融解ピークは、通常、80〜85℃である。一実施形態では、少なくとも120,000Paのヤング率を有するチューインガムを得るために、ソルビトールのエンタルピーピークは42.0J/g超であり、脂肪のエンタルピーピークは6J/g未満である。
【表9】
実施例8.形成後、調整後、及び加熱/保持工程に続いて調整後の、脂肪多型の存在を監視するための、水素添加脂肪、水素添加脂肪+ワックス、ガムベース、及びチューインガムの示差走査熱量測定調査
【0120】
4組の試料材料をDSCにより分析して、アルファ脂肪多型及びベータ/ベータプライム脂肪多型の量を決定した。
【0121】
第1の組の試料材料は、次の種類:大豆、ヒマワリ、綿実、及びパームの水素添加脂肪であった。
【0122】
第2の組の試料材料は、ワックス80:脂肪20及び脂肪80:ワックス20の2つの比の水素添加脂肪とマイクロクリスタリンワックスとの混合物であった。第2の組で使用される脂肪は、次の種類:大豆、ヒマワリ、綿実、及びパームの水素添加脂肪であった。
【0123】
第3の組の試料材料は、21.5%の水素添加綿実と、残りの軟化剤、レシチン、ブチルゴム、及びタルクとを含有する綿実ガムベースであった。
【0124】
第4の組の試料材料は、脂肪、ワックス、又は脂肪及びワックスの両方:大豆、ヒマワリ、綿実、パームガム、ワックスガム、及び対照ガム(大豆、綿実、ワックス)を含有するチューインガム組成物であった。
【0125】
この調査では、Discovery DSC及び3〜8mgの成分(複数可)を使用し、気密封止DSCパンで測定した。DSCでの加熱/保持条件を設定し、経時的な温度に対する熱流量を監視する。使用されるプログラム:第1の加熱13℃/分で20〜80℃、13℃/分で80℃〜20℃に冷却、20℃で1時間等温、第2の加熱13℃/分で20℃〜80℃。第4の試料材料の組は、3℃/分で加熱−冷却−加熱を受けた。
【0126】
図3は、アルファ脂肪多型ピーク(左ピーク)及びベータプライム脂肪多型ピーク(右ピーク)が存在する、水素添加パーム脂肪とマイクロクリスタリンワックスとの混合物の代表的なDSCトレースを示す。計算されたエンタルピーデータから、アルファ脂肪多型とベータ/ベータプライム脂肪多型との比を決定することができる。
実施例9.形成後、調整後、及び加熱/保持工程に続いて調整後の、脂肪多型の存在を監視するための、水素添加脂肪、水素添加脂肪+ワックス、ガムベース、及びチューインガムのXRD調査
【0127】
4組の試料材料をXRDにより分析して、アルファ脂肪多型及びベータ/ベータプライム脂肪多型の量を決定した。
【0128】
第1の組の試料材料は、次の種類:大豆(Soybean)、大豆(soy)、綿実、及びパームの水素添加脂肪であった。
【0129】
第2の組の試料材料は、ワックス80:脂肪20及び脂肪80:ワックス20の2つの比の水素添加脂肪とマイクロクリスタリンワックスとの混合物であった。第2の組で使用される脂肪は、次の種類:大豆、大豆、綿実、及びパームの水素添加脂肪であった。
【0130】
第3の組の試料材料は、21.5%の水素添加綿実と、残りの軟化剤、レシチン、ブチルゴム、及びタルクとを含有する綿実ガムベースであった。
【0131】
第4の組の試料材料は、脂肪、ワックス、又は脂肪及びワックスの両方:大豆、ヒマワリ、綿実、パームガム、ワックスガム、及び対照ガム(大豆、綿実、ワックス)を含有するチューインガム組成物であった。
【0132】
分析された第1、第2、及び第3の組の試料材料の各試料について、試料が均質な混合物を形成するまで、全ての試料成分を融解し、ホットプレート上で混合した。次いで、XRD試料ホルダをホットプレート上で加熱し、試料を試料ホルダの上部と同じ高さのレベルまで試料ホルダに注いだ。綿実ガムベース試料については、小片のガムベースを試料ホルダ上で直接融解させ、シリコンの焼き型を使用して試料の上部を平らにした。
【0133】
次いで、試料をホットプレートから外し、室温(20℃)で1時間冷却させるか(急冷)、又は1時間の間インキュベータ内に置き、1℃/分で70℃〜20℃まで下降させた(徐冷)。次いで、試料を、所望の結晶化温度(45℃、55℃、又は60℃)で1時間の間、別のインキュベータ内に置いた。高温で結晶化した後、試料を再び室温(20℃)で1時間置いた。
【0134】
RIGAKU Miniflex600XRDを使用して、各時間の終わりにXRDスペクトルを取った。XRD試料ホルダをXRDの内側に置き、次の条件を使用してスキャンを行った。
開始(deg):1
停止(deg):30
ステップ(deg):0.020
速度(deg/分):3.000
電圧(kV):40
電流(mA):15
【0135】
図4Aは、25℃(トレースA)、45℃での加熱/保持工程(トレースB)、及び55℃での加熱/保持工程(トレースC)の3つの条件下で冷却された綿実脂肪のXRDトレースである。25℃の下側トレースは、全てのアルファ脂肪多型を呈し、一方45/55℃で保持された試料のトレースは、ベータプライム脂肪多型ピークを呈した。かかるデータから、アルファ脂肪多型とベータ/ベータプライム脂肪多型との比を決定することができる。同様に、
図4Bは、25℃(トレースA)、45℃での加熱/保持工程(トレースB)、及び55℃で1時間の加熱/保持工程(トレースC)の3つの条件下で冷却されたヒマワリ種子脂肪のXRDトレースである。ヒマワリ油は、加熱し、55℃で1時間保持すると、ベータ多型へと結晶化する。大豆、パーム、及び綿実油を含む他の脂肪は、この挙動を示さない。
【0136】
第4の組の試料材料のチューインガム組成物を、次の手順に従ってXRDにより分析した。各試料の前処理:
1)1又は2スラブのガムを取り、それらをXRD試料ホルダ上に押し付け、試料の高さが試料ホルダと同じ高さであることを確認する
2)試料を次の条件下で、Rigaku pxRD Miniflexにかける。
開始(deg):1
停止(deg):60
ステップ(deg):0.020
速度(deg/分):5.000
電圧(kV):40
電流(mA):15
【0137】
XRDデータを2シータ20度と2シータ30度との間で走査してピークを同定した。19.9(+/−0.5)2シータ、22.3(+/−0.5)2シータ、及び22.6(+/−0.5)2シータにおける3つの特徴的な高いピークの存在は、脂肪がベータ多型に結晶化したことを示している。ベータプライム脂肪多型対アルファ脂肪多型の比を定量化するために、21.1+/−0.1 2シータ(ベータプライム)及び21.5+/−0.1 2シータ(アルファ)におけるピークを同定する(第2のピークは、第1のピークに対する肩部として現れるであろう)。次に、これら2つの個々のピークのピーク高さを決定し、これら2つを使用して2つのピークの比を計算する。ピーク高さが配向、結晶サイズ等を含むいくつかの要因によって影響され得るため、第1のピーク対第2のピークの比は、アルファに対するベータプライムの相対濃度を提供する。ピークはスペクトル内で比較的近いため、両方のピークが存在しない場合、いずれの多型の有無を確認することができない。
【0138】
図5は、パームチューインガムの、13℃で調整された(上部トレース)、45℃での加熱/保持工程後に調整された(下部トレース)、2つのXRDトレースを示す。
【0139】
図6は、ヒマワリチューインガムの、13℃で調整された(上部トレース)、45℃での加熱/保持工程後に調整された(下部トレース)、2つのXRDトレースを示す。
【表10】
【0140】
表7は、XRDを使用してチューインガム中のベータプライム脂肪多型の決定に関する結果を含有する。45℃での加熱/保持工程後に13℃で調整した試料と比較して、13℃で調整した綿実チューインガム試料のベータプライム脂肪多型対アルファ脂肪多型の比に差は観察されなかった。大豆及びヒマワリのチューインガム試料は、13℃で調整した試料と、45℃での加熱/保持工程後に13℃で調整した試料との間のベータプライム脂肪多型対アルファ脂肪多型の比に有意な変化を呈した。45℃での加熱/保持工程後に調整した大豆及びヒマワリのチューインガム試料中のベータプライム脂肪多型では、全体的な増加があった。
【0141】
ヒマワリ油脂肪、40〜50%の糖アルコール、及び3%の香味料を含むガムベースを37%含有するペレットチューインガムの試料を50℃で30分間保持し、次いでゆっくりと冷却し、そのXRDトレース中のベータ多型の非常に異なるパターンの特徴をはっきりと示した(
図7)。異なるアルファ/ベータ’ショルダーピークは、この試料ガムのXRDトレースには現れない。観察されるのは、特徴的なベータパターンであり、これは、よりゆっくりと冷却することにより、最も安定なベータ多型を形成することを可能にすることを明らかにしている。このガムには、検出可能なアルファ多型はない。脂肪、脂肪/ワックス、及び脂肪/香味料混合物のDSCを介したヒマワリ脂肪の調査は、加熱/保持がアルファ多型の存在を排除することを示している。
【0142】
「含む(comprising)」(「含む(comprises)」等も)、「有する(having)」及び「含む(including)」という用語は、本明細書で使用する場合、包括的(上限なし)であり、追加の列挙されていない要素又は方法の工程を除外しない。文脈が明らかに既定しない限り、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、複数の指示対象を含む。同じ特徴又は成分を目的とする全ての範囲の端点は、独立して組み合わせ可能であり、列挙された端点を包含する。「これらの組み合わせ」という用語は、一覧の2種以上の成分を包含する。「均質」という用語は、各成分の均一な混合を指す。「第1の」、「第2の」等、「1次」、「2次」等という用語は、本明細書で使用する場合、順序、量、又は重要性を一切示さず、むしろ一要素を他から区別するために使用される。
【0143】
本発明は、例示的な実施形態を参照して説明されているが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ、均等物をその要素と置き換えることができることを理解するであろう。加えて、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は物質を本発明の教示に適合させるために、多くの改変がなされ得る。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図される最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の特許請求の範囲の範疇内の全ての実施形態を含むよう意図される。