(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6951475
(24)【登録日】2021年9月28日
(45)【発行日】2021年10月20日
(54)【発明の名称】中心脚部を後退させることを伴うシールを有する結合具
(51)【国際特許分類】
F16L 17/04 20060101AFI20211011BHJP
F16L 23/06 20060101ALI20211011BHJP
F16L 25/14 20060101ALI20211011BHJP
【FI】
F16L17/04
F16L23/06
F16L25/14
【請求項の数】22
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-566334(P2019-566334)
(86)(22)【出願日】2018年5月31日
(65)【公表番号】特表2020-521925(P2020-521925A)
(43)【公表日】2020年7月27日
(86)【国際出願番号】US2018035388
(87)【国際公開番号】WO2018222867
(87)【国際公開日】20181206
【審査請求日】2019年11月29日
(31)【優先権主張番号】62/514,229
(32)【優先日】2017年6月2日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510218928
【氏名又は名称】ビクターリック カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】バンクロフト, フィリップ ウェイン
【審査官】
柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−210043(JP,A)
【文献】
特開2011−017444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 17/04
F16L 25/14
F16L 21/06
F16L 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ要素を端間関係で継合するための結合具であって、前記結合具は、
端間において相互に取り付けられ、中心空間を囲繞する、第1および第2の区画であって、前記区画のそれぞれは、前記中心空間の周囲に円周方向に延在し、それに面する、チャネルを有し、前記チャネルのそれぞれは、前記区画の対向側上に位置する第1および第2の肩部と、前記肩部の間に延在する背面とによって画定され、各前記肩部は、前記中心空間に面する第1の表面と、前記第1の表面に対してある角度で配向された第2の表面とを備え、前記第1の肩部の前記第1および第2の表面は、第1のカスプにおいて衝合し、前記第2の肩部の前記第1および第2の表面は、第2のカスプにおいて衝合する、第1および第2の区画と、
前記中心空間内に位置付けられたシールであって、前記シールは、その対向側上に位置付けられた第1および第2のローブを有するリングを備える、シールと、
前記区画を相互に取り付ける、前記区画のそれぞれの対向端部に位置付けられている、第1および第2の取付部材であって、前記第1および第2の取付部材は、前記区画を相互に向かって引き込むために調節可能に緊締可能である、第1および第2の取付部材と
を備え、
各前記区画上の前記第1および第2の取付部材の間における、前記第1のカスプと前記第1のローブとの間、および前記第2のカスプと前記第2のローブとの間の接触は、前記第1および第2の区画を、前記中心空間の中への前記パイプ要素の挿入を可能にするために十分な離間関係に維持し、
前記第1および第2のローブは、前記第1および第2の取付部材を緊締すると相互に向かって移動するように構成される、結合具。
【請求項2】
前記第1および第2のローブは、前記第1および第2の区画が前記離間関係にあるとき、前記第1および第2の取付部材に隣接する、前記第1および第2の肩部の前記第2の表面に接触する、請求項1に記載の結合具。
【請求項3】
前記シールはさらに、前記第1および第2のローブの間に位置付けられた中心脚部を備え、前記中心脚部は、前記中心空間に向かって突出し、
前記シールが、前記第1のローブの少なくとも一部が前記第1の肩部の前記第2の表面に接触し、前記第2のローブの少なくとも一部が前記第2の肩部の前記第2の表面に接触するように、前記チャネルの中に着座されると、前記シールは、前記中心脚部が前記背面に向かって後退させられるように変形される、請求項1に記載の結合具。
【請求項4】
前記第1および第2の区画のそれぞれの対向側上に配列された第1および第2の弓形突出部をさらに備え、前記第1の弓形突出部は、前記第1および第2の区画上の前記第1の肩部から延在し、前記第2の弓形突出部は、前記第1および第2の区画の前記第2の肩部から延在する、請求項1に記載の結合具。
【請求項5】
前記第1の弓形突出部は、前記第2の弓形突出部より大きい曲率半径を有する、請求項4に記載の結合具。
【請求項6】
パイプ要素を端間関係で継合するための結合具であって、前記結合具は、
端間において相互に取り付けられ、中心空間を囲繞する、第1および第2の区画であって、前記区画のそれぞれは、前記中心空間の周囲に円周方向に延在し、それに面する、チャネルを有し、前記チャネルのそれぞれは、前記区画の対向側上に位置する第1および第2の肩部と、前記肩部の間に延在する背面とによって画定され、各前記肩部は、前記中心空間に面する第1の表面と、前記第1の表面に対してある角度で配向された第2の表面とを備え、前記第1の肩部の前記第1および第2の表面は、第1のカスプにおいて衝合し、前記第2の肩部の前記第1および第2の表面は、第2のカスプにおいて衝合する、第1および第2の区画と、
前記中心空間内に位置付けられたシールであって、前記シールは、その対向側上に位置付けられた第1および第2のローブを有するリングと、前記第1および第2のローブの間の中心脚部とを備え、前記中心脚部は、前記中心空間に向かって突出する、シールと、
前記区画を相互に取り付ける、前記区画のそれぞれの対向端部に位置付けられている、第1および第2の取付部材であって、前記第1および第2の取付部材は、前記区画を相互に向かって引き込み、前記シールを前記チャネル内に着座させ、それによって、前記シールを変形させるために調節可能に緊締可能である、第1および第2の取付部材と
を備え、
前記シールが前記チャネル内に着座されると、前記第1および第2のローブの少なくとも一部は、前記シールを変形させるように、前記第1および第2の肩部の前記第2の表面と接触し、前記中心脚部は、前記シールの変形に応じて前記背面に向かって後退させられ、
前記第1および第2のローブは、前記第1および第2の取付部材を緊締すると相互に向かって移動するように構成される、結合具。
【請求項7】
各前記区画上の前記第1および第2の取付部材の間における、前記第1のカスプと前記第1のローブとの間、および前記第2のカスプと前記第2のローブとの間の接触は、前記第1および第2の区画を、前記中心空間の中への前記パイプ要素の挿入を可能にするために十分な離間関係に維持する、請求項6に記載の結合具。
【請求項8】
前記第1および第2のローブは、前記区画が前記離間関係にあるとき、前記第1および第2の取付部材に隣接する、前記第1および第2の肩部の前記第2の表面に接触する、請求項7に記載の結合具。
【請求項9】
前記第1および第2の区画のそれぞれの対向側上に配列された第1および第2の弓形突出部をさらに備え、前記第1の弓形突出部は、前記第1および第2の区画上の前記第1の肩部から延在し、前記第2の弓形突出部は、前記第1および第2の区画の前記第2の肩部から延在する、請求項6に記載の結合具。
【請求項10】
前記第1の弓形突出部は、前記第2の弓形突出部より大きい曲率半径を有する、請求項9に記載の結合具。
【請求項11】
パイプ要素の対と、前記パイプ要素を端間関係で継合するための結合具との組み合わせであって、前記結合具は、
端間において相互に取り付けられ、中心空間を囲繞する、第1および第2の区画であって、前記区画のそれぞれは、前記中心空間の周囲に円周方向に延在し、それに面する、チャネルを有し、前記チャネルのそれぞれは、前記区画の対向側上に位置する第1および第2の肩部と、前記肩部の間に延在する背面とによって画定され、各前記肩部は、前記中心空間に面する第1の表面と、前記第1の表面に対してある角度で配向された第2の表面とを備え、前記第1の肩部の前記第1および第2の表面は、第1のカスプにおいて衝合し、前記第2の肩部の前記第1および第2の表面は、第2のカスプにおいて衝合する、第1および第2の区画と、
前記中心空間内に位置付けられたシールであって、前記シールは、その対向側上に位置付けられた第1および第2のローブを有するリングを備える、シールと、
前記区画を相互に取り付ける、前記区画のそれぞれの対向端部に位置付けられている、第1および第2の取付部材であって、前記第1および第2の取付部材は、前記区画を相互に向かって引き込むために調節可能に緊締可能である、第1および第2の取付部材と
を備え、
各前記区画上の前記第1および第2の取付部材の間における、前記第1のカスプと前記第1のローブとの間、および前記第2のカスプと前記第2のローブとの間の接触は、前記第1および第2の区画を、前記中心空間の中への前記パイプ要素の挿入を可能にするために十分な離間関係に維持し、
前記第1および第2のローブは、前記第1および第2の取付部材を緊締すると相互に向かって移動するように構成される、組み合わせ。
【請求項12】
前記第1および第2のローブは、前記第1および第2の区画が前記離間関係にあるとき、前記第1および第2の取付部材に隣接する、前記第1および第2の肩部の前記第2の表面に接触する、請求項11に記載の組み合わせ。
【請求項13】
前記シールはさらに、前記第1および第2のローブの間に位置付けられた中心脚部を備え、前記中心脚部は、前記中心空間に向かって突出し、
前記シールが、前記第1のローブの少なくとも一部が前記第1の肩部の前記第2の表面に接触し、前記第2のローブの少なくとも一部が前記第2の肩部の前記第2の表面に接触するように、前記チャネルの中に着座されると、前記シールは、前記中心脚部が前記背面に向かって後退させられるように変形される、請求項11に記載の組み合わせ。
【請求項14】
前記第1および第2の区画のそれぞれの対向側上に配列された第1および第2の弓形突出部をさらに備え、前記第1の弓形突出部は、前記第1および第2の区画上の前記第1の肩部から延在し、前記第2の弓形突出部は、前記第1および第2の区画の前記第2の肩部から延在する、請求項11に記載の組み合わせ。
【請求項15】
前記第1の弓形突出部は、前記第2の弓形突出部より大きい曲率半径を有する、請求項14に記載の組み合わせ。
【請求項16】
パイプ要素の対と、前記パイプ要素を端間関係で継合するための結合具との組み合わせであって、前記結合具は、
端間において相互に取り付けられ、中心空間を囲繞する、第1および第2の区画であって、前記区画のそれぞれは、前記中心空間の周囲に円周方向に延在し、それに面する、チャネルを有し、前記チャネルのそれぞれは、前記区画の対向側上に位置する第1および第2の肩部と、前記肩部の間に延在する背面とによって画定され、各前記肩部は、前記中心空間に面する第1の表面と、前記第1の表面に対してある角度で配向された第2の表面とを備え、前記第1の肩部の前記第1および第2の表面は、第1のカスプにおいて衝合し、前記第2の肩部の前記第1および第2の表面は、第2のカスプにおいて衝合する、第1および第2の区画と、
前記中心空間内に位置付けられたシールであって、前記シールは、その対向側上に位置付けられた第1および第2のローブを有するリングと、前記第1および第2のローブの間の中心脚部とを備え、前記中心脚部は、前記中心空間に向かって突出する、シールと、
前記区画を相互に取り付ける、前記区画のそれぞれの対向端部に位置付けられている、第1および第2の取付部材であって、前記第1および第2の取付部材は、前記区画を相互に向かって引き込み、前記シールを前記チャネル内に着座させ、それによって、前記シールを変形させるために調節可能に緊締可能である、第1および第2の取付部材と
を備え、
前記シールが前記チャネル内に着座されると、前記第1および第2のローブの少なくとも一部は、前記シールを変形させるように、前記第1および第2の肩部の前記第2の表面と接触し、前記中心脚部は、前記シールの変形に応じて前記背面に向かって後退させられ、
前記第1および第2のローブは、前記第1および第2の取付部材を緊締すると相互に向かって移動するように構成される、組み合わせ。
【請求項17】
各前記区画上の前記第1および第2の取付部材の間における、前記第1のカスプと前記第1のローブとの間、および前記第2のカスプと前記第2のローブとの間の接触は、前記第1および第2の区画を、前記中心空間の中への前記パイプ要素の挿入を可能にするために十分な離間関係に維持する、請求項16に記載の組み合わせ。
【請求項18】
前記第1および第2のローブは、前記区画が前記離間関係にあるとき、前記第1および第2の取付部材に隣接する、前記第1および第2の肩部の前記第2の表面に接触する、請求項17に記載の組み合わせ。
【請求項19】
前記第1および第2の区画のそれぞれの対向側上に配列された第1および第2の弓形突出部をさらに備え、前記第1の弓形突出部は、前記第1および第2の区画上の前記第1の肩部から延在し、前記第2の弓形突出部は、前記第1および第2の区画の前記第2の肩部から延在する、請求項16に記載の組み合わせ。
【請求項20】
前記第1の弓形突出部は、前記第2の弓形突出部より大きい曲率半径を有する、請求項19に記載の組み合わせ。
【請求項21】
離間関係にある結合具の第1および第2の区画を事前に組み立てられた状態に維持し、前記区画が端間において取り付けられると、パイプ要素が前記区画によって囲繞される中心空間の中に挿入されることを可能にする、方法であって、前記方法は、
前記中心空間内にシールを位置付けることであって、前記シールは、その対向側上に位置付けられた第1および第2のローブを有する、ことと、
前記第1のローブを、前記第1および第2の区画の端部の間の第1および第2の点において、前記第1および第2の区画の第1の肩部のカスプと接触させ、前記第2のローブを、前記第1および第2の区画の端部の間の第1および第2の点において、第2の肩部のカスプと接触させることと、
前記第1のローブを、前記第1および第2の区画の端部に近接する点において、前記第1および第2の区画の前記第1の肩部の表面と接触させ、前記第2のローブを、前記第1および第2の区画の端部に近接する点において、前記第1および第2の区画の前記第2の肩部の表面と接触させることと
を含み、
前記第1および第2のローブは、第1および第2の取付部材を緊締すると相互に向かって移動するように構成される、方法。
【請求項22】
端間において相互に取り付けられ、中心空間を囲繞する、第1および第2の区画と、前記区画の間に位置付けられたシールであって、前記シールは、その対向側面上の第1および第2のローブと、前記ローブの間に位置付けられた中心脚部とを備え、前記中心脚部は、前記中心空間に向かって突出する、シールとを備える、結合具を使用して、第1および第2のパイプ要素を相互に接続する方法であって、前記方法は、
前記第1のローブ上の第1および第2の点を、前記第1および第2の区画の第1の肩部の第1のカスプと接触させることであって、前記第1のローブ上の前記第1および第2の点は、前記第1および第2の区画の端部の間にある、ことと、前記第2のローブ上の第1および第2の点を、前記第1および第2の区画の第2の肩部の第2のカスプと接触させることであって、前記第2のローブ上の前記第1および第2の点は、前記第1および第2の区画の端部の間にある、こととによって、前記区画を前記シール上に離間関係に支持することと、
前記パイプ要素を前記中心空間の中に挿入することであって、前記中心脚部は、前記パイプ要素の間にある、ことと、
前記第1および第2の区画を、相互に向かって引き込み、それによって、前記中心脚部が前記中心空間から離れる方向に後退させられるように、前記シールを変形させることと
を含み、
前記第1および第2のローブは、第1および第2の取付部材を緊締すると相互に向かって移動するように構成される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2017年6月2日に出願された米国仮出願第62/514,229号に基づき、およびそれに対して優先権の利益を主張する。上記文献は、ここで参照することによって本明細書において援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、パイプ要素を継合するための、機械的結合具およびシールに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
機械的パイプ結合具の1つの形態は、端間において相互に取り付けられ、中心空間を囲繞する、区画を備える。シール、例えば、エラストマ材料で形成されるリングシールが、区画の間に捕捉される。区画は、調節可能な取付部材、例えば、端部を継合する締結具を受容する、各区画の各端部に位置付けられる、突起を使用して、端間において取り付けられる。そのような結合具の実施例が、米国特許第7,712,796号に開示される。区画は、パイプ要素の端部を囲繞および係合し、機械的継手を形成し、シールは、区画とパイプ要素との間で圧縮され、液密性を確実にする。
【0004】
区画が締結具によってまとめられている間、区画を、パイプ要素が区画によって画定される中心空間の中に挿入することを可能にするために十分な離間関係に支持することが、有利である。結合具の本「事前に組み立てられた状態」は、パイプ要素を接続するとき、結合具が分解および再組み立てされる必要がないため、継手の迅速な形成を助長する。従来技術の結合具は、区画を、リングシールの外周上に事前に組み立てられた状態で支持する。しかしながら、区画が依然として、シールを、パイプ要素が中心空間の中に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に支持する、より小型の結合具設計を達成する機会がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,712,796号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(要約)
本発明の1つの側面は、パイプ要素を端間関係で継合するための結合具に関する。一例示的実施形態では、結合具は、端間において相互に取り付けられ、中心空間を囲繞する、第1および第2の区画を備える。区画のそれぞれは、中心空間の周囲に円周方向に延在し、それに面する、チャネルを有する。チャネルのそれぞれは、区画の対向側上に位置する第1および第2の肩部と、肩部の間に延在する背面とによって画定される。各肩部は、中心空間に面する第1の表面と、第1の表面に対してある角度で配向された第2の表面とを備える。第1の肩部の第1および第2の表面は、第1のカスプにおいて衝合し、第2の肩部の第1および第2の表面は、第2のカスプにおいて衝合する。シールが、中心空間内に位置付けられる。シールは、その対向側上に位置付けられた第1および第2のローブを有するリングを備える。第1および第2の取付部材は、区画を相互に取り付ける、区画のそれぞれの対向端部に位置付けられる。取付部材は、区画を相互に向かって引き込むために調節可能に緊締可能である。各区画上の第1および第2の取付部材の間における、第1のカスプと第1のローブとの間、および第2のカスプと第2のローブとの間の接触は、第1および第2の区画を、中心空間の中へのパイプ要素の挿入を可能にするために十分な離間関係に維持する。
【0007】
具体的実施例では、第1および第2のローブは、第1および第2の区画が離間関係にあるとき、第1および第2の取付部材に隣接する、第1および第2の肩部の第2の表面に接触する。
【0008】
一例として、シールはさらに、第1および第2のローブの間に位置付けられる、中心脚部を備える。中心脚部は、中心空間に向かって突出する。シールが、第1のローブの少なくとも一部が第1の肩部の第2の表面に接触し、第2のローブの少なくとも一部が第2の肩部の第2の表面に接触するように、チャネルの中に着座されると、シールは、中心脚部が背面に向かって後退させられるように変形される。
【0009】
例示的実施形態はさらに、第1および第2の区画のそれぞれの対向側上に配列される、第1および第2の弓形突出部を備えてもよい。本実施例では、第1の突出部は、第1および第2の区画上の第1の肩部から延在し、第2の突出部は、第1および第2の区画の第2の肩部から延在する。さらに一例として、第1の弓形突出部は、第2の弓形突出部より大きい曲率半径を有してもよい。
【0010】
パイプ要素を端間関係で継合するための別の例示的結合具は、端間において相互に取り付けられ、中心空間を囲繞する、第1および第2の区画を備える。区画のそれぞれは、中心空間の周囲に円周方向に延在し、それに面する、チャネルを有する。チャネルのそれぞれは、区画の対向側上に位置する第1および第2の肩部と、肩部の間に延在する背面とによって画定される。各肩部は、中心空間に面する第1の表面と、第1の表面に対してある角度で配向された第2の表面とを備える。第1の肩部の第1および第2の表面は、第1のカスプにおいて衝合し、第2の肩部の第1および第2の表面は、第2のカスプにおいて衝合する。シールが、中心空間内に位置付けられる。シールは、その対向側上に位置付けられた第1および第2のローブを有するリングと、第1および第2のローブの間の中心脚部とを備える。中心脚部は、中心空間に向かって突出する。第1および第2の取付部材が、区画を相互に取り付ける、区画のそれぞれの対向端部に位置付けられる。取付部材は、区画を相互に向かって引き込み、シールをチャネル内に着座させ、それによって、シールを変形させるために調節可能に緊締可能である。シールがチャネル内に着座されると、第1および第2のローブの少なくとも一部は、シールを変形させるように、第1および第2の肩部の第2の表面と接触する。中心脚部は、シールの変形に応じて背面に向かって後退させられる。
【0011】
さらに一例として、各区画上の第1および第2の取付部材の間における、第1のカスプと第1のローブとの間、および第2のカスプと第2のローブとの間の接触は、第1および第2の区画を、中心空間の中へのパイプ要素の挿入を可能にするために十分な離間関係に維持する。事前に組み立てられた状態にある間、第1および第2のローブは、区画が離間関係にあるとき、第1および第2の取付部材に隣接する、第1および第2の肩部の第2の表面に接触してもよい。
【0012】
別の実施例では、第1および第2の弓形突出部が、第1および第2の区画のそれぞれの対向側上に配列されてもよい。第1の突出部は、第1および第2の区画上の第1の肩部から延在し、第2の突出部は、第1および第2の区画の第2の肩部から延在する。また一例として、第1の弓形突出部は、第2の弓形突出部より大きい曲率半径を有してもよい。
【0013】
本発明はまた、パイプ要素の対と、パイプ要素を端間関係で継合するための結合具との組み合わせを包含する。一例として、結合具は、端間において相互に取り付けられ、中心空間を囲繞する、第1および第2の区画を備える。区画のそれぞれは、中心空間の周囲に円周方向に延在し、それに面する、チャネルを有する。チャネルのそれぞれは、区画の対向側上に位置する第1および第2の肩部と、肩部の間に延在する背面とによって画定される。各肩部は、中心空間に面する第1の表面と、第1の表面に対してある角度で配向された第2の表面とを備える。第1の肩部の第1および第2の表面は、第1のカスプにおいて衝合し、第2の肩部の第1および第2の表面は、第2のカスプにおいて衝合する。シールが、中心空間内に位置付けられる。シールは、その対向側上に位置付けられた第1および第2のローブを有するリングを備える。第1および第2の取付部材が、区画を相互に取り付ける、区画のそれぞれの対向端部に位置付けられる。取付部材は、区画を相互に向かって引き込むために調節可能に緊締可能である。各区画上の第1および第2の取付部材の間における、第1のカスプと第1のローブとの間、および第2のカスプと第2のローブとの間の接触は、第1および第2の区画を、中心空間の中へのパイプ要素の挿入を可能にするために十分な離間関係に維持する。
【0014】
例示的実施形態では、第1および第2のローブは、第1および第2の区画が離間関係にあるとき、第1および第2の取付部材に隣接する、第1および第2の肩部の第2の表面に接触する。
【0015】
本発明はまた、パイプ要素の対と、パイプ要素を端間関係で継合するための結合具との組み合わせを含む。例示的実施形態では、結合具は、端間において相互に取り付けられ、中心空間を囲繞する、第1および第2の区画を備える。区画のそれぞれは、中心空間の周囲に円周方向に延在し、それに面する、チャネルを有する。チャネルのそれぞれは、区画の対向側上に位置する第1および第2の肩部と、肩部の間に延在する背面とによって画定される。各肩部は、中心空間に面する第1の表面と、第1の表面に対してある角度で配向された第2の表面とを備える。第1の肩部の第1および第2の表面は、第1のカスプにおいて衝合し、第2の肩部の第1および第2の表面は、第2のカスプにおいて衝合する。シールが、中心空間内に位置付けられる。シールは、その対向側上に位置付けられた第1および第2のローブを有するリングと、第1および第2のローブの間の中心脚部とを備える。中心脚部は、中心空間に向かって突出する。第1および第2の取付部材が、区画を相互に取り付ける、区画のそれぞれの対向端部に位置付けられる。取付部材は、区画を相互に向かって引き込み、シールをチャネル内に着座させ、それによって、シールを変形させるために調節可能に緊締可能である。シールがチャネル内に着座されると、第1および第2のローブの少なくとも一部は、シールを変形させるように、第1および第2の肩部の第2の表面と接触し、中心脚部は、シールの変形に応じて背面に向かって後退させられる。一例として、各区画上の第1および第2の取付部材との間における、第1のカスプと第1のローブとの間、および第2のカスプと第2のローブとの間の接触は、第1および第2の区画を、中心空間の中へのパイプ要素の挿入を可能にするために十分な離間関係に維持する。
【0016】
本発明はまた、端間において相互に取り付けられ、中心空間を囲繞する、第1および第2の区画を備える、結合具を使用して、第1および第2のパイプ要素を相互に接続する方法を包含する。シールは、区画の間に位置付けられ、シールは、その対向側面上の第1および第2のローブと、ローブの間に位置付けられる、中心脚部とを備え、中心脚部は、中心空間に向かって突出する。例示的実施形態では、本方法は、
第1のローブ上の第1および第2の点を、第1および第2の区画の第1の肩部の第1のカスプと接触させることであって、第1のローブ上の第1および第2の点は、第1および第2の区画の端部の間にある、ことと、第2のローブ上の第1および第2の点を、第1および第2の区画の第2の肩部の第2のカスプと接触させることであって、第2のローブ上の第1および第2の点は、第1および第2の区画の端部の間にある、こととによって、区画をシール上に離間関係に支持することと、
パイプ要素を中心空間の中に挿入することであって、中心脚部は、パイプ要素の間にある、ことと、
第1および第2の区画を、相互に向かって引き込み、それによって、中心脚部が中心空間から離れる方向に後退させられるように、シールを変形させることと
を含む。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
パイプ要素を端間関係で継合するための結合具であって、前記結合具は、
端間において相互に取り付けられ、中心空間を囲繞する、第1および第2の区画であって、前記区画のそれぞれは、前記中心空間の周囲に円周方向に延在し、それに面する、チャネルを有し、前記チャネルのそれぞれは、前記区画の対向側上に位置する第1および第2の肩部と、前記肩部の間に延在する背面とによって画定され、各前記肩部は、前記中心空間に面する第1の表面と、前記第1の表面に対してある角度で配向された第2の表面とを備え、前記第1の肩部の前記第1および第2の表面は、第1のカスプにおいて衝合し、前記第2の肩部の前記第1および第2の表面は、第2のカスプにおいて衝合する、第1および第2の区画と、
前記中心空間内に位置付けられたシールであって、前記シールは、その対向側上に位置付けられた第1および第2のローブを有するリングを備える、シールと、
前記区画を相互に取り付ける、前記区画のそれぞれの対向端部に位置付けられている、第1および第2の取付部材であって、前記取付部材は、前記区画を相互に向かって引き込むために調節可能に緊締可能である、第1および第2の取付部材と
を備え、
各前記区画上の前記第1および第2の取付部材の間における、前記第1のカスプと前記第1のローブとの間、および前記第2のカスプと前記第2のローブとの間の接触は、前記第1および第2の区画を、前記中心空間の中への前記パイプ要素の挿入を可能にするために十分な離間関係に維持する、結合具。
(項目2)
前記第1および第2のローブは、前記第1および第2の区画が前記離間関係にあるとき、前記第1および第2の取付部材に隣接する、前記第1および第2の肩部の第2の表面に接触する、項目1に記載の結合具。
(項目3)
前記シールはさらに、前記第1および第2のローブの間に位置付けられた中心脚部を備え、前記中心脚部は、前記中心空間に向かって突出し、
前記シールが、前記第1のローブの少なくとも一部が前記第1の肩部の前記第2の表面に接触し、前記第2のローブの少なくとも一部が前記第2の肩部の前記第2の表面に接触するように、前記チャネルの中に着座されると、前記シールは、前記中心脚部が前記背面に向かって後退させられるように変形される、項目1に記載の結合具。
(項目4)
前記第1および第2の区画のそれぞれの対向側上に配列された第1および第2の弓形突出部をさらに備え、前記第1の突出部は、前記第1および第2の区画上の前記第1の肩部から延在し、前記第2の突出部は、前記第1および第2の区画の前記第2の肩部から延在する、項目1に記載の結合具。
(項目5)
前記第1の弓形突出部は、前記第2の弓形突出部より大きい曲率半径を有する、項目4に記載の結合具。
(項目6)
パイプ要素を端間関係で継合するための結合具であって、前記結合具は、
端間において相互に取り付けられ、中心空間を囲繞する、第1および第2の区画であって、前記区画のそれぞれは、前記中心空間の周囲に円周方向に延在し、それに面する、チャネルを有し、前記チャネルのそれぞれは、前記区画の対向側上に位置する第1および第2の肩部と、前記肩部の間に延在する背面とによって画定され、各前記肩部は、前記中心空間に面する第1の表面と、前記第1の表面に対してある角度で配向された第2の表面とを備え、前記第1の肩部の前記第1および第2の表面は、第1のカスプにおいて衝合し、前記第2の肩部の前記第1および第2の表面は、第2のカスプにおいて衝合する、第1および第2の区画と、
前記中心空間内に位置付けられたシールであって、前記シールは、その対向側上に位置付けられた第1および第2のローブを有するリングと、前記第1および第2のローブの間の中心脚部とを備え、前記中心脚部は、前記中心空間に向かって突出する、シールと、
前記区画を相互に取り付ける、前記区画のそれぞれの対向端部に位置付けられている、第1および第2の取付部材であって、前記取付部材は、前記区画を相互に向かって引き込み、前記シールを前記チャネル内に着座させ、それによって、前記シールを変形させるために調節可能に緊締可能である、第1および第2の取付部材と
を備え、
前記シールが前記チャネル内に着座されると、前記第1および第2のローブの少なくとも一部は、前記シールを変形させるように、前記第1および第2の肩部の前記第2の表面と接触し、前記中心脚部は、前記シールの変形に応じて前記背面に向かって後退させられる、結合具。
(項目7)
各前記区画上の前記第1および第2の取付部材の間における、前記第1のカスプと前記第1のローブとの間、および前記第2のカスプと前記第2のローブとの間の接触は、前記第1および第2の区画を、前記中心空間の中への前記パイプ要素の挿入を可能にするために十分な離間関係に維持する、項目6に記載の結合具。
(項目8)
前記第1および第2のローブは、前記区画が前記離間関係にあるとき、前記第1および第2の取付部材に隣接する、前記第1および第2の肩部の前記第2の表面に接触する、項目7に記載の結合具。
(項目9)
前記第1および第2の区画のそれぞれの対向側上に配列された第1および第2の弓形突出部をさらに備え、前記第1の突出部は、前記第1および第2の区画上の前記第1の肩部から延在し、前記第2の突出部は、前記第1および第2の区画の前記第2の肩部から延在する、項目6に記載の結合具。
(項目10)
前記第1の弓形突出部は、前記第2の弓形突出部より大きい曲率半径を有する、項目9に記載の結合具。
(項目11)
パイプ要素の対と、前記パイプ要素を端間関係で継合するための結合具との組み合わせであって、前記結合具は、
端間において相互に取り付けられ、中心空間を囲繞する、第1および第2の区画であって、前記区画のそれぞれは、前記中心空間の周囲に円周方向に延在し、それに面する、チャネルを有し、前記チャネルのそれぞれは、前記区画の対向側上に位置する第1および第2の肩部と、前記肩部の間に延在する背面とによって画定され、各前記肩部は、前記中心空間に面する第1の表面と、前記第1の表面に対してある角度で配向された第2の表面とを備え、前記第1の肩部の前記第1および第2の表面は、第1のカスプにおいて衝合し、前記第2の肩部の前記第1および第2の表面は、第2のカスプにおいて衝合する、第1および第2の区画と、
前記中心空間内に位置付けられたシールであって、前記シールは、その対向側上に位置付けられた第1および第2のローブを有するリングを備える、シールと、
前記区画を相互に取り付ける、前記区画のそれぞれの対向端部に位置付けられている、第1および第2の取付部材であって、前記取付部材は、前記区画を相互に向かって引き込むために調節可能に緊締可能である、第1および第2の取付部材と
を備え、
各前記区画上の前記第1および第2の取付部材の間における、前記第1のカスプと前記第1のローブとの間、および前記第2のカスプと前記第2のローブとの間の接触は、前記第1および第2の区画を、前記中心空間の中への前記パイプ要素の挿入を可能にするために十分な離間関係に維持する、組み合わせ。
(項目12)
前記第1および第2のローブは、前記第1および第2の区画が前記離間関係にあるとき、前記第1および第2の取付部材に隣接する、前記第1および第2の肩部の前記第2の表面に接触する、項目11に記載の組み合わせ。
(項目13)
前記シールはさらに、前記第1および第2のローブの間に位置付けられた中心脚部を備え、前記中心脚部は、前記中心空間に向かって突出し、
前記シールが、前記第1のローブの少なくとも一部が前記第1の肩部の前記第2の表面に接触し、前記第2のローブの少なくとも一部が前記第2の肩部の前記第2の表面に接触するように、前記チャネルの中に着座されると、前記シールは、前記中心脚部が前記背面に向かって後退させられるように変形される、項目11に記載の組み合わせ。
(項目14)
前記第1および第2の区画のそれぞれの対向側上に配列された第1および第2の弓形突出部をさらに備え、前記第1の突出部は、前記第1および第2の区画上の前記第1の肩部から延在し、前記第2の突出部は、前記第1および第2の区画の前記第2の肩部から延在する、項目11に記載の組み合わせ。
(項目15)
前記第1の弓形突出部は、前記第2の弓形突出部より大きい曲率半径を有する、項目14に記載の組み合わせ。
(項目16)
パイプ要素の対と、前記パイプ要素を端間関係で継合するための結合具との組み合わせであって、前記結合具は、
端間において相互に取り付けられ、中心空間を囲繞する、第1および第2の区画であって、前記区画のそれぞれは、前記中心空間の周囲に円周方向に延在し、それに面する、チャネルを有し、前記チャネルのそれぞれは、前記区画の対向側上に位置する第1および第2の肩部と、前記肩部の間に延在する背面とによって画定され、各前記肩部は、前記中心空間に面する第1の表面と、前記第1の表面に対してある角度で配向された第2の表面とを備え、前記第1の肩部の前記第1および第2の表面は、第1のカスプにおいて衝合し、前記第2の肩部の前記第1および第2の表面は、第2のカスプにおいて衝合する、第1および第2の区画と、
前記中心空間内に位置付けられたシールであって、前記シールは、その対向側上に位置付けられた第1および第2のローブを有するリングと、前記第1および第2のローブの間の中心脚部とを備え、前記中心脚部は、前記中心空間に向かって突出する、シールと、
前記区画を相互に取り付ける、前記区画のそれぞれの対向端部に位置付けられている、第1および第2の取付部材であって、前記取付部材は、前記区画を相互に向かって引き込み、前記シールを前記チャネル内に着座させ、それによって、前記シールを変形させるために調節可能に緊締可能である、第1および第2の取付部材と
を備え、
前記シールが前記チャネル内に着座されると、前記第1および第2のローブの少なくとも一部は、前記シールを変形させるように、前記第1および第2の肩部の前記第2の表面と接触し、前記中心脚部は、前記シールの変形に応じて前記背面に向かって後退させられる、組み合わせ。
(項目17)
各前記区画上の前記第1および第2の取付部材の間における、前記第1のカスプと前記第1のローブとの間、および前記第2のカスプと前記第2のローブとの間の接触は、前記第1および第2の区画を、前記中心空間の中への前記パイプ要素の挿入を可能にするために十分な離間関係に維持する、項目16に記載の組み合わせ。
(項目18)
前記第1および第2のローブは、前記区画が前記離間関係にあるとき、前記第1および第2の取付部材に隣接する、前記第1および第2の肩部の前記第2の表面に接触する、項目17に記載の組み合わせ。
(項目19)
前記第1および第2の区画のそれぞれの対向側上に配列された第1および第2の弓形突出部をさらに備え、前記第1の突出部は、前記第1および第2の区画上の前記第1の肩部から延在し、前記第2の突出部は、前記第1および第2の区画の前記第2の肩部から延在する、項目16に記載の組み合わせ。
(項目20)
前記第1の弓形突出部は、前記第2の弓形突出部より大きい曲率半径を有する、項目19に記載の組み合わせ。
(項目21)
離間関係にある結合具の第1および第2の区画を事前に組み立てられた状態に維持し、前記区画が端間において取り付けられると、パイプ要素が前記区画によって囲繞される中心空間の中に挿入されることを可能にする、方法であって、前記方法は、
前記中心空間内にシールを位置付けることであって、前記シールは、その対向側上に位置付けられた第1および第2のローブを有する、ことと、
前記第1のローブを、前記第1および第2の区画の端部の間の第1および第2の点において、前記第1および第2の区画の第1の肩部のカスプと接触させ、前記第2のローブを、前記第1および第2の区画の端部の間の第1および第2の点において、第2の肩部のカスプと接触させることと、
前記第1のローブを、前記第1および第2の区画の端部に近接する点において、前記第1および第2の区画の前記第1の肩部の表面と接触させ、前記第2のローブを、前記第1および第2の区画の端部に近接する点において、前記第1および第2の区画の前記第2の肩部の表面と接触させることと
を含む、方法。
(項目22)
端間において相互に取り付けられ、中心空間を囲繞する、第1および第2の区画と、前記区画の間に位置付けられたシールであって、前記シールは、その対向側面上の第1および第2のローブと、前記ローブの間に位置付けられた中心脚部とを備え、前記中心脚部は、前記中心空間に向かって突出する、シールとを備える、結合具を使用して、第1および第2のパイプ要素を相互に接続する方法であって、前記方法は、
前記第1のローブ上の第1および第2の点を、前記第1および第2の区画の第1の肩部の第1のカスプと接触させることであって、前記第1のローブ上の前記第1および第2の点は、前記第1および第2の区画の端部の間にある、ことと、前記第2のローブ上の第1および第2の点を、前記第1および第2の区画の第2の肩部の第2のカスプと接触させることであって、前記第2のローブ上の前記第1および第2の点は、前記第1および第2の区画の端部の間にある、こととによって、前記区画を前記シール上に離間関係に支持することと、
前記パイプ要素を前記中心空間の中に挿入することであって、前記中心脚部は、前記パイプ要素の間にある、ことと、
前記第1および第2の区画を、相互に向かって引き込み、それによって、前記中心脚部が前記中心空間から離れる方向に後退させられるように、前記シールを変形させることと
を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、事前に組み立てられた状態に示される、本発明による、例示的結合具の等角図である。
【
図2】
図2は、
図1の線2−2において得られる断面図である。
【
図3】
図3は、
図1の線3−3において得られる断面図である。
【
図4】
図4は、その事前に組み立てられた状態にあるとき、パイプ要素を受容する、
図1に示される結合具の等角図である。
【
図5】
図5は、
図4の線5−5において得られる断面図である。
【
図6】
図6は、パイプ要素を継合する、
図1に示される結合具の等角図である。
【
図7】
図7は、
図6の線7−7において得られる断面図である。
【
図8】
図8は、本発明による、結合具の別の実施形態の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(詳細な説明)
図1は、本発明による、結合具10の例示的実施形態を示す。例示的結合具10は、端間において相互に取り付けられ、中心空間16を囲繞する、第1および第2の区画12および14を備える。本実施例では、区画12および14の相互への取付は、各区画12、14の対向端部に位置付けられる突起20、22を備える、第1および第2の調節可能に緊締可能な取付部材18によってもたらされる。突起20、22は、緊締されると、区画12および14を相互に向かって引き込むボルト24およびナット26等の締結具を受容する。シール28が、区画12および14の間に位置付けられる。
図2に示されるように、シール28は、リングの対向側上に位置付けられる、第1および第2のローブ32および34を有する、リング30を備える。ローブ32および34は、リング30の周囲に円周方向に延在する。円周方向に延在するシール表面36が、各ローブ32、34の端部に位置付けられる。シール表面36は、中心空間16に面し、パイプ要素に係合し、下記に説明されるような液密継手をもたらす。中心脚部38が、リング30から中心空間16に向かって延在する。中心脚部38は、リング30の周囲に円周方向に延在し、パイプ停止部として作用し、パイプ要素が下記に説明されるような結合具の中に適切に着座されることを確実にする。
【0019】
図2に示されるように、各区画12および14(14が示される)は、各区画の周囲に円周方向に延在するチャネル40を備え、チャネル40は、中心空間16に面する。各チャネル40は、第1および第2の肩部42および44と、背面46とによって画定される。肩部42および44は、区画12および14の対向側上に位置し、背面46は、肩部の間に延在する。第1の肩部42は、中心空間16に面する第1の表面48と、第1の表面48に対してある角度で配向される第2の表面50とを備える。第1および第2の表面48、50は、第1のカスプ52において衝合する。第2の肩部44は、中心空間16に面する第1の表面54と、第1の表面54に対してある角度で配向される第2の表面56とを備える。第1および第2の表面54、56は、第2のカスプ58において衝合する。本例示的実施形態では、第1および第2のカスプ52、58は、丸みを帯びているが、他の形状もまた、実現可能である。本例示的結合具では、区画12および14はまた、各区画12および14の対向側上に配列される、弓形突出部60および62を備える。「キー」とも呼ばれる弓形突出部は、パイプ要素内の円周方向溝に係合し、下記に説明されるような機械的係合を提供する。
【0020】
図1は、「事前に組み立てられた状態」の結合具10を示し、区画12および14は、シール28上に、下記に説明されるような、パイプ要素が中心空間16の中に挿入されることを可能にするために十分な離間関係に支持される。締結具(ボルト24、ナット26)は、事前に組み立てられた状態で、区画12および14をシール28に対して保持する。
図2に示されるように、第1および第2のカスプ52および58が、それぞれ、シール28の第1および第2のローブ32および34に接触するため、事前に組み立てられた状態での区画12および14の分離が、維持される。カスプ52、58とローブ32、34との間の接触部が、区画12および14の実質的部分にわたって円周方向に延在する。
図3に示されるように、結合具10が事前に組み立てられた状態にあるとき、第1のローブ32が第1の肩部42の第1の表面50に接触し、第2のローブ34が第2の肩部44の第2の表面56に接触するにつれた相互に向かったローブ32および34の変形によって明示されるように、取付部材18に隣接するシール28の一部が、チャネル40内に着座する。
【0021】
図4−7は、例示的結合具10の使用を図示する。
図4に示されるように、結合具10が事前に組み立てられた状態では、パイプ要素64および66が、区画12および14によって画定される、中心空間16の中に挿入される。挿入は、区画12および14が、
図5に示されるようなカスプ52および58とローブ32および34との間の接触による離間関係に支持されるため、可能性として考えられる。パイプ要素は、それらが、パイプ停止部として作用する、シール28の中心脚部38に接触している限り、中心空間16の中に挿入される。パイプ要素64および66の端部が中心脚部38に接触すると、各弓形突出部60、62は、各パイプ要素内の個別の円周方向溝68、70と整合する。
【0022】
次いで、
図6に示されるように、締結具(ボルト24、ナット26)は、緊締され、区画12および14は、相互に向かって引き込まれる。
図7に示されるように、シール28は、したがって、区画12および14とパイプ要素64、66との間で圧縮され、それが取付部材18(
図6も参照)の間の領域にわたってチャネル40内に着座するにつれて変形する。シール28が変形するにつれて、シール表面36は、パイプ要素64および66に密閉状態で係合し、ローブ32および34は、第1および第2の肩部42および44の第2の表面50および56に接触するにつれて、相互に向かって移動する。シール28が着座するにつれた相互に向かったローブ32および34の運動は、中心脚部38を区画12および14(14が図示される)の背面46に向かって後退させる。中心脚部38の後退は、パイプ要素64および66を通した流路からそれを除去し、それによって、乱流および結果として生じる損失水頭を低減させる。区画12および14がさらに相互に向かって引き込まれるにつれて、弓形突出部60および62は、それらの個別の円周方向溝68および70に係合し、結合具10とパイプ要素64および66との間の機械的接続をもたらす。
【0023】
図8は、本発明による、パイプ結合具80の別の実施形態を示す。結合具80は、区画86および88の片側上の第1の弓形突出部が、区画86および88の反対側上の第2の弓形突出部94および96の曲率半径92より大きい曲率半径90を有する点で、上記に説明される例示的実施形態と異なる。結合具80は、より大きい直径のパイプ要素98がより小さい直径のパイプ要素100に接続されることを可能にする、「遷移」結合具である。
図8は、変形し、パイプ要素98および100と結合具80との間の液密シールを形成する、シール102のローブ102を示す。中心脚部は、それが乱流および損失水頭をもたらさないように、流体流経路から後退させられた状態で示される。
【0024】
シールの外周と対照的に、区画が、シールのローブ上に、事前に組み立てられた状態で離間関係に支持される場合、本発明によるパイプ結合具を使用することは、事前に組み立てられた結合具が最小限の楕円率のリングシールとともに形成されることを可能にし、所与のリングシール直径に関して区画のより多くの分離を可能にし、中心脚部を流体流経路から外に後退させ、乱流に起因する損失水頭を低減させる。