(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被包装物が、商品と、商品明細情報及び識別情報を含む納品書とを含み、前記被包装物の上面と下面をそれぞれ覆う上側シートと下側シートを有する包装シートを、前記被包装物の移送路に供給する包装シート供給装置と、
少なくとも前記被包装物の配送先を含む出荷情報を表示する出荷ラベルを前記上側シートに対して貼付けるラベラーと、
前記上側シートと前記下側シートとの間に前記被包装物を配置した状態で、前記上側シートを前記被包装物に押し付けることで、前記被包装物を覆う前記上側シートと前記下側シートとの間に形成される嵩を減少可能に構成される上下に可動なプッシャーと、
前記プッシャーが前記上側シートを前記被包装物に押し付けた状態で前記上側シートと前記下側シートを袋状に封止して包装袋を形成する封止装置と、
前記包装シート供給装置の一次側に配置され、前記納品書から前記識別情報を読み取る一次側読取装置と、
前記識別情報に対応する前記出荷情報を蓄積する記憶部と、前記一次側読取装置が読み取った前記識別情報に基づいて前記記憶部が蓄積する前記出荷情報を抽出し、前記識別情報に対応する出荷ラベル用バーコードと前記出荷情報とを含む印字データを生成して前記ラベラーに出力する制御部とを有する出荷情報管理装置と、
前記封止装置の二次側に配置され、前記出荷ラベル用バーコードを読み取る二次側読取装置と、を備えており、
前記ラベラーは、前記印字データに基づいて前記出荷ラベル用バーコードと前記出荷情報とを前記出荷ラベルに印刷するものであり、
さらに、出荷情報管理装置は、前記出荷ラベルにエラーが発生している場合に、前記二次側読取装置による前記出荷ラベル用バーコードの読取エラーを検知するものであることを特徴とする包装装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した従来の包装装置は、物品の包装作業を自動化できる点で優れているものの、そのままでは宅配貨物用の包装には使用することができない。即ち、商品を包装する包装フィルムは、プライバシー保護等の観点から着色されており、包装袋の外部から商品に同梱される納品書等を視認することは不可能である。また、前記包装装置を使用する場合、出荷ラベル(宅配ラベル)は、包装袋の封止後に貼付けられる。そのため出荷ラベルは、目視で確認できなくても、包装袋に封入されている商品の納品書等に記載された送付先と、間違い無く一致していなければならない。しかしながら、前述した従来の包装装置では、出荷ラベルを包装袋の封止後に貼付けることは考慮されていない。
【0006】
また、宅配ラベルとして日本で一般的に使用されている出荷ラベルには、三層ラベルが用いられている。三層ラベルは、台紙と、台紙の表面に積層したラベルと、台紙の裏面に積層した粘着層との三層で構成されている。台紙の表面に積層するラベルは、複数部分で構成されていて、その中には配送時に宅配業者が受領印を得て回収する受領書が含まれている。こうした受領書が必要でなければ三層ラベルではなく、台紙が不要な二層ラベルを用いることができるが、宅配業者にとっては受領書が必要であるため、三層ラベルの使用は欠かせないものとなっている。しかしながら、こうした三層ラベルによる出荷ラベルは、受領書の面積分だけ出荷ラベルの全体サイズが大きくなってしまい、その分、それを自動で綺麗に包装袋に貼付けるのは難しいという問題がある。
【0007】
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明である。その目的は、商品を自動包装しつつも、包装袋に出荷ラベルを自動で正確に貼付けることができる包装装置を実現することにある。また、本発明の他の目的は、そのような包装装置について、宅配ラベルとして使用されているサイズが大きな出荷ラベルであっても自動で包装袋に貼付けることを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明は以下の特徴を有するものとして構成される。
【0009】
本発明は、被包装物の上面と下面をそれぞれ覆う上側シートと下側シートを有する包装シートを、前記被包装物の移送路に供給する包装シート供給装置と、前記被包装物を挟むように配置した前記上側シートと前記下側シートを袋状に封止して、その内部に前記被包装物を収容する包装袋を形成する封止装置とを備える包装装置について、前記包装シート供給装置と前記封止装置との間に配置され、少なくとも前記包装袋の配送先を含む出荷情報を表示する出荷ラベルを前記上側シートに貼付けるラベラーを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の包装装置では、封止装置が包装袋を形成するだけでなく、ラベラーが包装袋に出荷ラベルを貼付ける。したがって被包装物の包装作業と出荷ラベルの貼付作業を自動化することができる。また、包装袋の形成後に出荷ラベルを貼付けるようにすると、包装袋の内部の残存空気によって出荷ラベルの貼付面が不安定となる。このため包装袋の表面に貼付けた出荷ラベルに浮きが生じて正しく貼付けられないおそれがある。これに対して本発明の包装装置では、ラベラーが包装シート供給装置と封止装置との間に配置されており、包装袋の形成前の上側シートに出荷ラベルを貼付けるようにする。したがって上側シートの貼付面をより安定させることができ、出荷ラベルの貼付品質を高めることができる。
【0011】
前記ラベラーは、前記出荷ラベルを前記上側シートの表面に押付けて貼付ける押圧貼付部材と、前記上側シートと被包装物との間に配置され、前記上側シートの表面に貼付ける前記出荷ラベルを前記上側シートの裏面から支えて、前記押圧貼付部材の押圧力を受け止める貼付支持部材とを有するように構成できる。
【0012】
本発明によれば、押圧貼付部材が出荷ラベルを上側シートの表面に押付けて貼付ける際に、貼着支持部材が上側シートの裏面で出荷ラベルを受け止める。したがって、本発明によれば、出荷ラベルを上側シートの表面に確実に貼付けることができる。また、貼着支持部材が上側シートの裏面を支持するので、出荷ラベルを貼付ける上側シートのシート面が平らに張った状態で支持され、貼付面に皺が発生するのを抑制している。したがって、上側シートにうねりが生じて貼り付けた出荷ラベルに浮きが生じることを抑制することができる。
【0013】
前記本発明は、前記包装シート供給装置の一次側に配置され、前記被包装物から識別情報を読み取る一次側読取装置と、前記識別情報に対応する前記出荷情報を蓄積する記憶部と、前記一次側読取装置が読み取った前記識別情報に基づいて前記記憶部が蓄積する前記出荷情報を抽出し、前記識別情報と前記出荷情報とを含む印字データを生成して前記ラベラーに出力する制御部とを有する出荷情報管理装置と、を備えており、前記ラベラーは、前記印字データに基づいて前記識別情報と前記出荷情報とを前記出荷ラベルに印刷するように構成できる。
【0014】
本発明によれば、出荷情報管理装置の制御部が、まだ上側シートに覆われていない被包装物から識別情報を取得し、それに対応する出荷情報を記憶部から抽出し、印字データとしてラベラーに出力する。ラベラーは、その印字データ(識別情報と出荷情報)を出荷ラベルに印刷する。つまり、被包装物からの識別情報の読取りとラベラーでの出荷ラベルの印刷処理とは、途中に他の処理が介在することなくシームレスに連動する。このため包装袋の中の被包装物に付された識別情報と包装袋に表面に貼付けた出荷ラベルの識別情報とは一致し、包装袋に誤った出荷ラベルが貼付けられることはない。識別情報は、例えばバーコード等の二次元コード、マイクロチップ等の記憶媒体により記憶されているものとして構成できる。
【0015】
前記本発明は、前記封止装置の二次側に配置され、前記出荷ラベルに印刷された前記識別情報を読み取る二次側読取装置を備えるように構成できる。
【0016】
本発明では、二次側読取装置が封止装置から排出された包装袋の出荷ラベルに印刷された識別情報を読み取るため、これを正常に読み取ることができれば、包装袋に正しい出荷ラベルが正しく貼付けられていることを、人手によらず機械的に確認できる。他方、二次側読取装置が識別情報を読み取れない場合は、何らかのエラーが発生していることを検出することができる。その一例としては、ラベル自体の不良(皺、折れ、破損による識別情報の読取不良)、ラベルの貼付処理の不良(ラベルが複数枚繋がっており複数の識別情報を読み取れた場合、ラベルが存在しない場合等)、ラベルの印字不良(印刷のかすれや部分的に印刷されていない箇所ある場合等)等がある。
【0017】
前記本発明は、前記一次側読取装置が読み取った前記識別情報にトラッキングナンバーを付与するコントローラを備えており、前記コントローラは、前記二次側読取装置が読み取った前記識別情報についての前記トラッキングナンバーを照合して前記出荷ラベルのエラーを検出するように構成できる。
【0018】
本発明によれば、コントローラが、二次側読取装置が読み取った識別情報を一次側読取装置が読み取った識別情報に付与されているトラッキングナンバーと照合することで、出荷ラベルの貼付作業のエラーを自動で検出することができる。
【0019】
前記本発明は、前記封止装置の二次側に配置され、前記包装袋の長さ、幅、高さを測定する才数計を備えるように構成できる。
【0020】
本発明によれば、包装袋の長さ、幅、高さを測定した才数データを取得できる。才数データは、包装袋(宅配貨物)の配送費用を算出するデータとして利用することができる。
【0021】
前記被包装物は、商品と、商品明細情報及び前記識別情報を含む納品書として構成できる。
【0022】
本発明によれば、被包装物が商品と納品書であるため、納品書に印刷された識別情報を有効活用して出荷ラベルの作成と貼付けを正確に且つ容易に行うことができる。
【0023】
前記本発明は、前記包装シート供給装置の一次側に配置され、被包装物に静電気を照射する静電気付与装置を備えるように構成できる。
【0024】
本発明によれば、静電気付与装置が被包装物に静電気を放射することで、移送路に供給した被包装物の載置状態を安定化することができる。例えば、商品は、破損、汚損、型崩れ等を防ぐため、透明なビニール袋やシュリンクフィルムによって包まれている。この商品を包装装置の移送路に供給する際には、ビニール袋等で包まれた商品の上に紙製の納品書を載せるようにするが、包装装置での処理を進める過程で、移送路を停止させたり、再び進行させたりすることがある。その停止や進行の際に、納品書がビニール袋の上を滑って商品の上から落ちたり、ずれてしまうことがある。また、納品書だけでなく、複数の商品を積層させている場合にも、上側の商品が滑って下側の商品から落ちたり、ずれてしまうことがある。そうすると納品書の識別情報を読み取ることができなかったり、包装袋のサイズが無駄に大きくなってしまうなどの不具合が生じる。しかしながら、本発明によれば、静電気付与装置が静電気を放射することで、静電気によって商品の上に納品書が保持され、また上側の商品が下側の商品の上に保持されるので、前述のような不具合の発生を抑制し、包装作業を効率的に行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の包装装置によれば、出荷ラベルを包装袋に自動で正確に貼付けることができ、特に宅配貨物の包装作業の効率化に貢献することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の「包装装置」の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、包装装置1が、宅配物品である商品P1(被包装物)と納品書P2(被包装物)とを包装フィルムF(包装シート)でなる包装袋P3に収納し、且つ出荷ラベルP4を包装袋P3に貼付けることで、宅配貨物P5を自動で包装する例について説明する。以下の説明では、包装装置1の長手方向(商品P1の移送方向)をX方向、幅方向をY方向、高さ方向をZ方向として説明する。本明細書、特許請求の範囲に記載されている「第1」、「第2」という用語は、異なる構成要素を区別するために用いられており、特定の順序や優劣を示すために用いられているものではない。包装装置1を示す
図1、
図2は、理解を容易にするため、装置構成の要部を模式的に示している。
【0029】
包装装置1は、商品供給装置2、「包装シート供給装置」としての包装フィルム供給装置3、ラベラー4、封止装置5及び商品排出装置6と、これらの各装置(各装置を構成する機器を含む。)の動作を制御する制御装置7とを備えている(
図1、2、4)。また、制御装置7は、「出荷情報管理装置」として機能するシステム制御PC8とコントローラ9とを備えている。なお、
図1、2では制御装置7を省略しているが、制御装置7はラベラ−4等と電気ケーブル等で接続されていれば良いので、任意の場所に設置できる。
【0030】
商品供給装置2は、「移送路」の一部をなす第1のベルトコンベア2aを有する。第1のベルトコンベア2aには、商品P1の移送方向Xの一次側(上流側、供給側)に商品P1と納品書P2(以下、商品P1及び納品書P2を合わせて「商品P1等」という。)を第1のベルトコンベア2aに載置する作業エリア2bが設けられている。作業エリア2bで商品P1等を載置する作業は、人手で行っても、また図示しない作業ロボットによって自動で行ってもよい。
【0031】
作業エリア2bにおける移送方向Xの二次側(下流側、排出側)には、静電気付与装置2cが設置されている。静電気付与装置2cは、門形の支持部材2c2に取付けられた静電電極2c1を有している。静電気付与装置2cは、商品P1等が通過する際に、それらに向けて静電気を放射する。商品P1は、破損、汚損、型崩れ等を防ぐため、透明なビニール袋やシュリンクフィルムによって包まれている。納品書P2は、その商品P1の上に載置されるが、第1のベルトコンベア2aを停止したり、進行させた際に、納品書P2が慣性力によって滑って、商品P1からずれたり、商品P1から落ちてしまうことがある。そうすると後述する供給側バーコードリーダ2dによって納品書P2のバーコードを読み取ることができなかったり、包装袋P3のサイズが大きくなってしまう等の不具合を生じるおそれがある。しかしながら、この包装装置1では、作業エリア2bの隣に位置する静電気付与装置2cが静電気を放射することで、静電気により納品書P2を商品P1の上に保持することができ、前述した不具合が生じないようにすることができる。
【0032】
静電気付与装置2cの二次側には、「一次側読取装置」としての供給側バーコードリーダ2dが門形の支持部材2d1に設置されている。供給側バーコードリーダ2dは、バーコードを読み取る光を照射して、第1のベルトコンベア2aに載って移送されてくる納品書P2に印刷されている納品書バーコードP2aを読み取る動作を行う。
【0033】
さらに、商品供給装置2は、第1のベルトコンベア2aを流れる商品P1等の存在を検知する第1のセンサ2eと、第2のセンサ2fとを有する。
【0034】
第1のセンサ2eは、移動してくる商品P1等を検知すると、検知信号を制御装置7のコントローラ9に送る。検知信号を受けたコントローラ9は、静電気付与装置2cを作動させて静電気を放射させる。これとともに供給側バーコードリーダ2dを作動させて、納品書P2の納品書バーコードP2aを読み取るための光を照射する。これにより供給側バーコードリーダ2dが納品書バーコードP2aを読み取り、バーコード情報を取得する。
【0035】
第2のセンサ2fは、商品供給装置2の出口側に位置しており、ここを商品P1等が通過すると、検知信号がコントローラ9に送られて、コントローラ9は第1のベルトコンベア2aの回転を一次停止させる。これとともに、コントローラ9は、ラベラー4に対する出荷ラベルP4の貼付処理を実行させるための指示を出す。
【0036】
包装フィルム供給装置3は、包装フィルムFを供給するフィルム供給装置3aと、「移送路」の一部をなす第2のベルトコンベア3bとを有する。
【0037】
フィルム供給装置3aは、半折りでロール状に巻かれている包装フィルムFを引き出して、第2のベルトコンベア3bに供給する。半折りにされている包装フィルムFは、移送方向Xに沿う一辺が折られた状態で、第2のベルトコンベア3bに供給される。その折られている一辺は、本実施形態では、包装フィルムFの供給側に位置する一辺である。包装フィルムFは、その一辺で繋がった状態で、上側フィルムF1(上側シート)と下側フィルムF2(下側シート)とに分かれて第2のベルトコンベア3bに供給される(
図2)。上側フィルムF1は、Z方向で第2のベルトコンベア3bの上側に位置する三角形状の上側偏向板3cにガイドされることによって、Y方向(引出方向)からX方向(送り方向)に偏向される。したがって、上側フィルムF1は、第2のベルトコンベア3bを流れる商品P1等の上側に覆い被さるように供給されてX方向に沿って送られていく。下側フィルムF2は、Z方向で第2のベルトコンベア3bの下側に位置する三角形状の下側偏向板3dにガイドされることによって、Y方向(引出方向)からX方向(送り方向)に偏向されて、X方向に沿って送られる。
【0038】
包装フィルム供給装置3は、第2のベルトコンベア3bを流れる商品P1等の存在を検知する第3のセンサ3eを有する。第3のセンサ3eは、商品P1等の通過を検知すると、検知信号を制御装置7のコントローラ9に送る。検知信号を受けたコントローラ9は、第2のベルトコンベア3bの駆動と包装フィルムFの送りを停止して、ラベラー4の下方に商品P1等を位置決めした状態で、ラベラー4に出荷ラベルP4の貼付を実行させる。
【0039】
ラベラー4は、本体4aと、本体4aに対してZ方向に上下動する押圧貼付部材4bとを有する。本体4aは、図示しない支持部材によって支持されている。本体4aには、図示しない未使用の多数の出荷ラベルP4を収納する収納部と、各出荷ラベルP4に宛先等を印字する印字ユニットとを備えている。
【0040】
収納部に収納されている多数の出荷ラベルP4は、ロール巻ではなく、蛇腹折りの束として収納されている。そのため出荷ラベルP4は、一枚一枚が巻き癖のついていない平面形状を維持しており、包装袋P3に対して全面を平坦に貼付け易くしている。各出荷ラベルP4の一例を
図3で示す。
【0041】
出荷ラベルP4は、上部P4a、中央部P4b、下部P4cにラベル面が分かれている。このうち上部P4aには出荷ラベル用バーコードP4a1が印字ユニットにより印刷されている。この出荷ラベル用バーコードP4a1は、宅配貨物P5を識別する情報を含むものである。中央部P4bには、宅配貨物P5の荷主情報、配送先情報、品名情報などが、印字ユニットにより印刷されている。下部P4cには、受領書が印刷されている。受領書には、配送先の受取人が押印又は署名する受領確認部が含まれている。したがって、宅配業者は、出荷ラベルP4の台紙から下部P4cを剥がし取ることで、その受領書を持ち帰ることができる。このように出荷ラベルP4は、下部P4cを剥がし取ることができる三層ラベルとなっている。より具体的には、台紙と、台紙の底面に積層されており包装袋P3に貼付ける粘着層と、台紙の表面に粘着層を介して積層されているラベル面用シートとの三層構造となっている。そのためラベル面用シートの裏面に包装袋P3に貼付ける粘着層がある二層ラベル(ラベル面用シートと粘着層の二層構造)と比べると、より面積が広く、サイズが大きいものとなっている。
【0042】
押圧貼付部材4bは、印字された出荷ラベルP4を真空吸着により保持し、下方に移動することで上側フィルムF1に対して出荷ラベルP4を押し付けて貼付ける。貼付け後は、次の出荷ラベルP4を貼付けるために上方に退避する。
【0043】
押圧貼付部材4bの下方位置における上側フィルムF1と商品P1等との間には、貼付支持部材4cが配置されている(
図1、2)。貼付支持部材4cは、ブラケット4c1によって第2のベルトコンベア3bの外側に位置する外枠部3b1に対して固定されている。ブラケット4c1に支持されている支持板4c2は、出荷ラベルP4よりも大きなサイズとされており、押圧貼付部材4bにより押し付けられる出荷ラベルP4の全面を受け止めることができる。
【0044】
こうした貼付支持部材4cは、押圧貼付部材4bが出荷ラベルP4を上側フィルムF1の表面に押付けて貼付ける際に、上側フィルムF1の裏面で出荷ラベルP4を貼付ける力を受け止める。したがって、出荷ラベルP4を上側フィルムF1の表面に対して、確実に貼付けることができる。また、貼付支持部材4cが上側フィルムF1をその裏面から支持するので、出荷ラベルP4を貼付ける上側フィルムF1のフィルム面が平らに張った状態で支持されて、貼付面にできるだけ皺が寄らないようにしている。したがって、上側フィルムF1にうねりが生じて貼り付けた出荷ラベルP4に浮きが生じることを抑制することができる。このように出荷ラベルP4が平坦に正しく貼付けられることで、後述する排出側バーコードリーダ6bにおける出荷ラベル用バーコードP4a1の読取りを正しく行うことができる。
【0045】
封止装置5は、脱気装置5a、熱融着封止装置であるL型シーラー5b、第3のベルトコンベア5c、第4のセンサ5dを備える。また、第3のベルトコンベア5cの一次側端部と、前述した第2のベルトコンベア3bの二次側端部との間には、下側フィルムF2を第3のベルトコンベア5cの上に引き出す引出部5eが形成されている。したがって、下側フィルムF2は、引出部5eから第3のベルトコンベア5cの上に引き出されるとともに、商品P1の下側を覆うように配置される。この時点では、包装フィルムFは、商品P1等の上面、下面、一方の側面(移送方向Xにおける右側面)、前部(移送方向Xにおける前端部)を覆う状態である一方で、商品P1等の他方の側面(移送方向Xにおける左側面)と後部(移送方向Xにおける後端部)は封止されていない開口部となっている。この開口部を封止し、切断することで、密閉された包装袋P3を形成するのが、封止装置5である。包装袋P3に出荷ラベルP4が貼付けられ、密閉された包装袋P3の内部に商品P1等が収納されることで、宅配貨物P5となる。
【0046】
脱気装置5aは、包装フィルムFの開口部を封止する前に、第3のベルトコンベア5cが停止した状態で、上から上側フィルムF1を軽く押し付けて、包装フィルムFの内部の空気を抜いて、封止後の包装袋P3の嵩を減らすためのものである。そのため脱気装置5aには、上下に可動するプッシャー5a1が設けられている。脱気装置5aは図示しない支持部材に設置されている。
【0047】
L型シーラー5bは、前述した未封止の開口部を封止する開口封止装置である。L型シーラー5bは、図示しない駆動装置によって支持されており且つ上下に駆動する。L型シーラー5bによる封止は、上側フィルムF1と下側フィルムF2とを挟み込んだ状態で熱融着するとともに切断して行う。L型シーラー5bにおける移送方向Xに沿って伸長する縦シール部5b1では、包装袋P3の左側面を形成するため、縦シール部5b1の幅方向Yにおける1箇所で、移送方向Xに沿って熱融着と切断が行われる。他方、L型シーラー5bにおける幅方向Yに沿って伸長する横シール部5b2では、移送方向Xで前後する2箇所で熱融着が行われ、その2箇所の間で切断が行われる。包装袋P3における移送方向Xの一次側に位置する後端封止部P3aは、
図2の部分拡大図で示すように、包装袋P3の後端部を封止する部分である。そして、包装袋P3における移送方向Xの二次側に位置する前端封止部P3bは、後続の包装袋P3の前端部を封止する部分となる。したがって、L型シーラー5bの横シール部5b2には、後端封止部P3aと前端封止部P3bとを同時に形成するために、2つのヒートシール部5b3が形成されている。そして、その2つのヒートシール部5b3の間に挟まれるように、包装フィルムFを切断するための切断刃5b4が配置されている。これにより、二次側のヒートシール部5b3によって後端封止部P3aが封止され、一次側のヒートシール部5b3によって前端封止部P3bが封止されると同時に、切断刃5b4によって包装フィルムFが切断され、移送方向Xの一次側の包装袋P3と二次側の包装袋P3とが分離される。ヒートシール部5b3と切断刃5b4は、引出部5eに配置した受け部材5b5によって受け止められる。また、縦シール部5b1にも図示しない受け部材が配置されている。
【0048】
以上のようなL型シーラー5bによる封止と切断は、脱気装置5aのプッシャー5a1が上側フィルムF1を商品P1等に押し付けている状態で行われる。これによって上側フィルムF1を商品P1の上面に密着させて、封止後の包装袋P3の中の残存空気を少なくし、宅配貨物P5の嵩を全体的に小さく形成することができる。宅配貨物P5の配送料金は、一般的に長さ、幅、高さを合計した長さ(才数)によって決められる。そのため宅配貨物P5は、小さければ小さいほど配送料金を削減できることから、上記のように押圧状態で封止及び切断を行うことが好ましい。また、プッシャー5a1で上側フィルムF1を商品P1等に密着させて抑えておくことで、L型シーラー5bで上側フィルムF1と下側フィルムF2とを挟み込んで熱融着し切断するときに、商品P1等の包装に不要な包装フィルムFの無駄な部分を、できるだけ多く除去することができる。
【0049】
第3のベルトコンベア5cは、第2のベルトコンベア3bと同期して駆動及び停止が行われる。第4のセンサ5dは、封止装置5の出口側に位置しており、宅配貨物P5の通過を検知すると、検知信号がコントローラ9に送られる。検知信号を受けたコントローラ9は、後述する才数計6aと「二次側読取装置」としての排出側バーコードリーダ6bを作動させる。
【0050】
商品排出装置6は、才数計6a、排出側バーコードリーダ6b、第4のベルトコンベア6c、第5のセンサ6dを備えている。
【0051】
才数計6aは、宅配貨物P5(包装袋P3)の長さ(X方向)、幅(Y方向)、高さ(Z方向)を計測する。才数計6aは、門形の支持部材6a3の縦枠部6a4に取付けた第1のサイズ測定センサ6a1と、支持部材6a3の横枠部6a5に取付けた第2のサイズ測定センサ6a2とを備えている。宅配貨物P5の長さは、例えば、第1のサイズ測定センサ6a1又は第2のサイズ測定センサ6a2を宅配貨物P5が通過する時間によって測定する。宅配貨物P5の幅は、第1のサイズ測定センサ6a1により測定する。宅配貨物P5の高さは、第2のサイズ測定センサ6a2により測定する。計測した才数データはコントローラ9に出力される。
【0052】
排出側バーコードリーダ6bは、光を照射して、宅配貨物P5に貼付けられた出荷ラベルP4に印刷されている出荷ラベル用バーコードP4a1を読み取る動作を行う。読み取られたバーコード情報は、コントローラ9に出力される。排出側バーコードリーダ6bは、支持部材6a3の横枠部6a5に設置されている。
【0053】
第4のベルトコンベア6cでは、排出側バーコードリーダ6bでバーコードの読取エラー(読取不能、バーコード情報の誤読又は不存在)が発生した際には、リジェクト処理が行われる。リジェクト処理は、第4のベルトコンベア6cを含めて包装装置1の全体の運転を停止するか、
図2で二点鎖線で示すように、第4のベルトコンベア6cの二次側を一次側にスライド移動させることで排出口を開いて宅配貨物P5を下方に落とすようにする。
【0054】
第5のセンサ6dは、宅配貨物P5の通過を検知すると、検知信号がコントローラ9に送られる。検知信号を受けたコントローラ9は、第4のベルトコンベア6cを前述のように一次側にスライド移動させて排出口を開くようにする。
【0055】
商品排出装置6の二次側には、移送用ベルトコンベア6eが設置されており、その先は作業台等に通じている。
【0056】
制御装置7は、「出荷情報管理装置」として機能するシステム制御PC8とコントローラ9とを備えている。制御装置7は、包装装置1を構成するものとして、例えばラベラー4の周囲に設置されている。
【0057】
システム制御PC8は、制御部と、制御部に接続され、制御部から出力される情報を表示する液晶表示装置等の表示画面である表示部と、制御部に対して情報を入力するキーボード等による入力操作部と、ハードディスク装置等の外部記憶装置でなる外部記憶部とを備えている。そのうち制御部は、主に半導体装置とそれらを接続する配線とからなり、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)である揮発性記憶部と、ROM(Read Only Memory)である不揮発性記憶部と、ファイヤーウォールやスイッチ等のアクセス中継部やネットワークに接続される通信インターフェースと、外部接続機器と接続するための外部接続機器インターフェースとを有している。外部接続機器インターフェースは、表示部に接続する表示インターフェースと、入力操作部に接続する入力インターフェースと、外部記憶部に接続するメモリインターフェースとを有する。こうしたシステム制御PC8は、例えばパーソナルコンピュータを利用することができ、CPUがシステム制御PC用プログラムを実行することで、システム制御PC8として機能することができる。
【0058】
コントローラ9は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)にて構成することができる。コントローラ9は、
図4で示すように包装装置1を構成するすべての装置(当該装置を構成する機器を含む。)に接続されており、その動作を制御する。コントローラ9は、包装装置1のコントローラ用プログラムを実行することで、コントローラ9として機能することができる。
【0059】
システム制御PC8は、
図4で示すように、ネットワーク網を通じて倉庫管理システム10に接続されている。倉庫管理システム10からは出荷情報がシステム制御PC8に出力される。その出荷情報は、システム制御PC8に接続された出荷情報データベース11に蓄積されている。
【0061】
次に、以上のような包装装置1の動作について
図5、
図6を中心に説明する。
【0062】
商品供給装置2の第1のベルトコンベア2aの作業エリア2bに、商品P1と納品書P2を重ねて状態で載置する。第1のベルトコンベア2aにより商品P1等が移動し、第1のセンサ2eが商品P1等の通過を検知すると、検知信号がコントローラ9に送信される。コントローラ9は、その検知信号を受けると、静電気付与装置2cと供給側バーコードリーダ2dを作動する。即ち、静電気付与装置2cは、静電電極2c1により商品P1等に向けて静電気を放射する。供給側バーコードリーダ2dは、納品書バーコードP2aを読み取って得たバーコード情報をコントローラ9に出力する(s1−1)。
【0063】
コントローラ9は、トラッキングナンバーを生成し(s2−1)、そのトラッキングナンバーをバーコード情報と関連付けて記憶装置に記憶する(s2−3)。またコントローラ9は、トラッキングナンバーとバーコード情報をシステム制御PC8に出力する(s2−3)。
【0064】
システム制御PC8は、バーコード情報を取得すると(s3−1)、それに基づいて出荷情報データベース11に蓄積されている出荷情報を検索して、出荷ラベルP4に印刷するラベル印字情報を取得する(s3−3)。
【0065】
出荷情報データベース11には、出荷情報として、宅配貨物P5を配送するために必要な情報、例えば注文を一意に識別するための注文番号、注文番号に対応する納品書バーコードP2aのバーコード情報等を含む「受注情報」、顧客の住所、氏名、連絡先を含む「顧客情報」、購入した商品、数量等を含む「商品明細情報」、購入日、配送日時、配送先の住所、氏名、連絡先等を含む「出荷関連情報」が少なくとも記憶されている。
【0066】
システム制御PC8は、納品書バーコードP2aのバーコード情報に基づいて、これに対応する注文情報を検索し、該当する注文情報からラベル印字情報を取得する(s3−3)。ラベル印字情報には、少なくとも「受注情報」の注文番号、バーコード情報、「出荷情報」の配送先の住所、氏名、連絡先、配送日時が含まれる。システム制御PC8は、これらの情報をラベル印字データとしてラベラー4に出力するとともに、出荷ラベルP4への印字を指示する(s3−5)。これとともにシステム制御PC8は、そのラベラー4に印字を指示した前記注文のバーコード情報を、コントローラ9に出力する(s3−7)。コントローラ9では、それに対応するバーコード情報からトラッキングナンバーを特定し、印字指示を行ったことを処理情報として記憶する(s2−5)。
【0067】
商品P1等が、供給側バーコードリーダ2dを通過したことを第2のセンサ2fが検知すると、その検知信号を受けたコントローラ9は、第1のベルトコンベア2aを数秒間一時停止する。そしてその時間の経過後に第1のベルトコンベア2aを駆動して、商品P1等を第2のベルトコンベア3bに供給し、包装フィルム供給装置3を通じてラベラー4に移送する(s1−3)。そして、ラベラー4は、出荷ラベルP4に対する印字を実行する(s1−5)。
【0068】
ラベラー4の一次側には、商品P1等の通過を検知する第3のセンサ3eが配置されている。第3のセンサ3eで商品P1等を検知すると(s1−7)、検知信号がコントローラ9に出力される。コントローラ9は、第2のベルトコンベア3bの駆動を停止する。
【0069】
また、コントローラ9は、第2のベルトコンベア3bの駆動後(即ち第1のベルトコンベア2aから商品等を受け取った後)、所定の移動時間内に、第3のセンサ3eの検知信号を受けたかを検出する。ここで検知信号の受信が所定の移動時間を超えている場合には、途中で商品P1等が抜き取られた可能性があるため、コントローラ9は包装装置1の全体の稼働を停止する。これにより印字済み出荷ラベルP4に対応しない商品P1等に、その出荷ラベルP4を誤って貼付けてしまうことを防止することができる。
【0070】
他方、検知信号の受信が所定の移動時間を超えていない場合には、コントローラ9は、ラベラー4の貼付位置に、ラベラー4で印字され貼付待ちの出荷ラベルP4に対応する商品P1等が正しく配置されているものと判断する(s2−7)。これによりコントローラ9は、ラベラー4に対して出荷ラベルP4の貼付指示を出力する(s2−9)。ラベラー4では、押圧貼付部材4bを駆動して、出荷ラベルP4を上側フィルムF1に対して押し付けて貼付ける(s1−9)。これにより商品P1等の注文に対応する正しい出荷ラベルP4を自動で貼付けることができる。
【0071】
前述した所定の移動時間を経過すると、第2のベルトコンベア3bが駆動し、商品P1等を上側フィルムF1及び下側フィルムF2とともに、封止装置5の第3のベルトコンベア5cに移送する。
【0072】
封止装置5まで商品P1等が移動すると、コントローラ9は、封止装置5を作動する。即ち、コントローラ9は、脱気装置5aのプッシャー5a1を駆動して上側フィルムF1を商品P1等に押し付け、その押し付けた状態のままL型シーラー5bを下降させて、上側フィルムF1と下側フィルムF2とを熱融着するとともに切断する。これによって、商品P1等は包装フィルムFの開口部が封止された包装袋P3に封入され、これが宅配貨物P5となる(s1−11)。
【0073】
封止装置5での封止及び切断が終わると、コントローラ9は、第3のベルトコンベア5cを駆動して、宅配貨物P5を二次側に移送する。そして、第4のセンサ5dが宅配貨物P5の通過を検知すると、第4のセンサ5dは検知信号をコントローラ9に出力する。これを受けたコントローラ9は、排出側バーコードリーダ6bと才数計6aを作動する。
【0074】
排出側バーコードリーダ(BCR)6bは、出荷ラベルP4に印字されている出荷ラベル用バーコードP4a1を読み取る動作を行う(
図6、s1−13)。ここで、排出側バーコードリーダ(BCR)6bが出荷ラベル用バーコードP4a1を正常に読み取ることができれば、宅配貨物P5に正しい出荷ラベルP4が正しく貼付けられていることを、人手によらず機械的に確認できる。そして、読み取れた場合には、読み取ったバーコード情報をコントローラ9に出力する(s1−15)。
【0075】
他方、排出側バーコードリーダ6bが出荷ラベル用バーコードP4a1を読み取れない場合は、何らかのエラーが発生していることを検出することができる。その一例としては、出荷ラベルP4自体の不良(しわ、折れ、破損による出荷ラベル用バーコードP4a1の読取不良)、出荷ラベルP4の貼付処理の不良(出荷ラベルP4が複数枚繋がっており複数の出荷ラベル用バーコードP4a1を読み取れているような場合、出荷ラベルP4自体が存在しない場合等)、出荷ラベルP4の印字不良(印刷のかすれや部分的に印刷されていない箇所ある場合等)等がある。こうしたエラーを検出した場合には、リジェクト処理を行う(
図6、s2−11、s1−23)。即ち、リジェクト処理では、包装装置1の稼働を停止して、人手でエラーのチェックを行い、再稼働するための必要な措置をとる。
【0076】
ここで
図6のステップs1−15に戻る。コントローラ9は、バーコード情報を取得すると(s2−13)、コントローラ9が備える記憶部に蓄積されている情報について、そのバーコード情報に対応するトラッキングナンバーの有無を検索する(s2−15)。
【0077】
ここで一致するトラッキングナンバーがある場合には、出荷情報データベース11の注文番号に対するバーコード情報、宅配貨物P5中の納品書P2の納品書バーコードP2a、コントローラ9の保持する納品書バーコードP2aのバーコード情報、宅配貨物P5に貼付けた出荷ラベルP4の出荷ラベル用バーコードP4a1のバーコード情報は、トラッキングナンバーにより関連付けられて、すべて同一の注文に関するもので正しいということになる。
【0078】
そこでコントローラ9は、システム制御PC8に完了通知を出力し(s2−17)、システム制御PC8では完了通知を受信し、出荷情報データベース11の包装済みであることを記録する等の処理を行う(
図6、s3−9)。
【0079】
他方、ステップs2−15で、出荷ラベル用バーコードP4a1のバーコード情報に対応するトラッキングナンバーが存在しない場合には、何らかのエラーが発生していることになるため、宅配貨物P5を人手で除去する前述のリジェクト処理を行う(s2−11、s1−23)。
【0080】
ここで
図6のステップs1−15に戻る。排出側バーコードリーダ6bを通過した宅配貨物P5は、才数計6aを通過する。才数計6aは、宅配貨物P5の才数を計測すると、その才数計測データをコントローラ9に出力する(s1−17)。コントローラ9は、才数計測データを取得すると、それをバーコード情報に関連付けて記録し(s2−19)、トラッキングデータを削除する(s2−21)。コントローラ9のバーコード情報に関連付けて蓄積されている才数計測データは、システム制御PC8によって取得される。システム制御PC8の才数計測データは、出荷情報データベース11に蓄積されるほか、配送費用を自動計算するための情報として、倉庫管理システム10に提供されることとなる。
【0081】
ここで
図6のステップs1−17に戻る。才数計6aに続けて第5のセンサ6dは、ここを宅配貨物P5が通過すると、検知信号がコントローラ9に送られる。コントローラ9は、ステップs2−15でトラッキングナンバーが存在しない場合には、第4のベルトコンベア6cを前述のように一次側にスライド移動させて排出口を開くこともできる。前述のリジェクト処理(s2−11、s1−23)で包装装置1の稼働を止めない場合には、このようなリジェクト処理を実行することもできる。
【0082】
他方、ステップs2−15でトラッキングナンバーが存在する場合には、宅配貨物P5が第4のベルトコンベア6cから移送用ベルトコンベア6eに移送される(s1−21)。
【0083】
以上のような本実施形態の包装装置1によれば、封止装置5が包装袋P3を形成するだけでなく、ラベラー4が包装袋P3に出荷ラベルP4を貼付ける。したがって商品P1等の包装作業と出荷ラベルP4の貼付作業を自動化することができる。しかも、ただ自動化するだけでなく、宅配貨物P5を自動で連続して包装することができ、人手による包装作業を廃止して大幅に効率化できる。
【0084】
また、P3包装袋の形成後に出荷ラベルP4を貼付けると、包装袋P3の内部の残存空気によって出荷ラベルP4の貼付面が不安定となる。このため包装袋P3の表面に貼付けた出荷ラベルP4に皺や浮きが生じるおそれがある。しかしながら、包装装置1によれば、ラベラー4が包装フィルム供給装置3と封止装置5との間に配置されており、包装袋P3の形成前の上側フィルムF1に出荷ラベルP4を貼付ける。このため上側フィルムF1の貼付面をより安定させることができ、出荷ラベルP4の貼付品質を高めることができる。
【0085】
包装装置1は、「出荷情報管理装置」をなすシステム制御PC8が、まだ上側フィルムF1に覆われていない商品P1等に付された納品書バーコードP2aから「識別情報」としてのバーコード情報を取得し、それに対応する出荷情報を抽出し、印字データとしてラベラー4に出力する。ラベラー4は、その印字データ(バーコード情報と出荷情報)を出荷ラベルP4に印刷する。つまり、商品P1等に付された納品書バーコードP2aの読取りとラベラー4での出荷ラベルP4の印刷処理とはシームレスに連動する。このため包装袋P3の中の納品書バーコードP2aから得られるバーコード情報と、包装袋P3に表面に貼付けた出荷ラベルP4の出荷ラベル用バーコードP4a1から得られるバーコード情報とは一致し、包装袋P3に誤った出荷ラベルP4が貼付けられることはない。
【0087】
前記包装装置1については変形例による実施が可能であるため、その一例を説明する。
【0088】
前記実施形態では、二次元コードである納品書バーコードP2a、出荷ラベル用バーコードP4a1を例示したが、単なる英数字による識別コードを利用したり、マイクロチップ等を利用することもできる。
【0089】
前記実施形態では、商品供給装置2に1つの商品P1と納品書P2を載置する例を示したが、複数の商品P1を載置したり、納品書P2以外の物品を同梱してもよい。
【0090】
前記実施形態では、商品供給装置2に第1のベルトコンベア2aを流れる納品書バーコードP2aを読み取る供給側バーコードリーダ2dを設置する例を示したが、商品P1を作業エリア2bに載置する前に、作業者が手元で使用するハンディタイプのバーコードリーダを使用して納品書バーコードP2aを読み取り、その納品書P2を商品P1に載置するようにしてもよい。
【0091】
前記実施形態では、第1のベルトコンベア2aに商品P1等を投入する例を示したが、第1のベルトコンベア2aを使用せず、包装フィルム供給装置3の第2のベルトコンベア3bに商品P1等を載置してもよい。この場合、前記実施形態における供給側バーコードリーダ2dによる読み取りは、前述したように作業者が手元で使用するバーコードリーダを使用して読み取るようにしてもよい。
【0092】
前記実施形態では、包装フィルム供給装置3として、半折りロール状の包装フィルムFを使用する例を示したが、半折りロール状ではないその他の包装フィルムを用いてもよい。したがって、前記実施形態では包装袋P3を形成するために、商品P1等の他方の側面、後部に対応する開口部を封止する例を示したが、包装袋P3の四辺を熱融着し、必要に応じて切断するものとしてもよい。また、前記実施形態では、「包装シート」として包装フィルム(樹脂フィルム)を例示したが、樹脂フィルム以外の素材、樹脂フィルムと他の素材(例えば気泡緩衝材)を積層した包装素材を用いてもよい。
【0093】
前記実施形態では、出荷ラベルP4として三層ラベルのものを例示したが、包装装置1は三層ラベルのようなサイズの大きなものでも、きれいに貼付けることができる、というものである。したがって包装装置1のラベラー4は、二層ラベルの出荷ラベルを使用することもできる。
【0094】
前記実施形態では、封止装置5として脱気装置5aを使用する例を示したが、脱気装置5aの使用は省略してもよい。この場合には、例えば包装袋P3が脱気穴を有するものとしてもよく、脱気穴は包装フィルムF自体に設けた穴でも、包装袋P3を形成する過程で設けた穴でもよい。
【0095】
前記実施形態では、封止装置5として、包装袋P3の幅方向Yのサイズを商品P1等のサイズに合わせて調整する機能を持たない例を示したが、そうした機能を有する装置構成としてもよい。