特許第6951619号(P6951619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6951619抽出プログラム、抽出方法、抽出システム、抽出装置、施設情報格納プログラム、及び施設設置候補地点情報格納プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6951619
(24)【登録日】2021年9月29日
(45)【発行日】2021年10月20日
(54)【発明の名称】抽出プログラム、抽出方法、抽出システム、抽出装置、施設情報格納プログラム、及び施設設置候補地点情報格納プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20211011BHJP
【FI】
   G06Q10/08
【請求項の数】14
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-35430(P2017-35430)
(22)【出願日】2017年2月27日
(65)【公開番号】特開2018-142141(P2018-142141A)
(43)【公開日】2018年9月13日
【審査請求日】2019年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】島田 孝司
(72)【発明者】
【氏名】吉川 勇人
(72)【発明者】
【氏名】高野 耕世
(72)【発明者】
【氏名】清田 奈緒
(72)【発明者】
【氏名】山下 聡子
(72)【発明者】
【氏名】八巻 功
【審査官】 梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−217990(JP,A)
【文献】 特開2009−300179(JP,A)
【文献】 インターネットと自動車情報の融合,コンピュータソフトウエア VOL.31 NO.3,2014年07月25日,p.17-31
【文献】 NTTデータのスマートビジネスへの取組み,BUSINESS COMMUNICATION 第48巻 第6号,2011年06月01日,p.72-73
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、既存及び/又は新設予定の施設の位置情報を含む施設情報に基づき、既存及び/又は新設予定の前記施設を抽出すると共に、
車両の速度、位置及び時刻の情報を含む走行情報に基づいて生成した前記施設の周辺の交通道路環境情報を併せて抽出する第一の抽出処理と、
第二の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、前記第一の抽出処理で前記施設が存在しないと判定した前記所定の範囲の、前記第一の利用者に前記指定された地点を施設設置候補地点として抽出すると共に、
前記走行情報に基づいて生成した前記施設設置候補地点の周辺の前記交通道路環境情報を併せて抽出する第二の抽出処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする抽出プログラム。
【請求項2】
前記交通道路環境情報が、前記車両の平均速度情報、前記車両の通行量情報、前記車両の等時間移動圏情報、及び、前記施設又は前記施設設置候補地点から所定のランドマーク地点までの所要時間のうち少なくともいずれかを含む請求項1に記載の抽出プログラム。
【請求項3】
前記平均速度情報、前記通行量情報、前記等時間移動圏情報、及び、前記所定のランドマーク地点までの所要時間のうち少なくともいずれかが、曜日別、日別、時間帯別、及び上下車線別の少なくともいずれかに分類される請求項2に記載の抽出プログラム。
【請求項4】
前記交通道路環境情報が、道路に関する情報を更に含む請求項1から3のいずれかに記載の抽出プログラム。
【請求項5】
前記道路に関する情報が、道路の平坦性情報、道路のひび割れ情報、道路の路面下の空洞情報、道路に設置された付属物情報、道路の路面下のインフラ設備情報、道路標識情報、及び道路の補修履歴情報の少なくともいずれかである請求項4に記載の抽出プログラム。
【請求項6】
前記第一の抽出処理において、前記第一の利用者により抽出条件を更に指定され、前記指定された地点の位置情報を前記抽出条件の情報と対応付けて格納し、
前記第二の抽出処理において、抽出した前記施設設置候補地点の位置情報及び前記施設設置候補地点の周辺の前記交通道路環境情報と共に、前記第一の利用者により指定された前記抽出条件の情報を抽出する請求項1から5のいずれかに記載の抽出プログラム。
【請求項7】
前記抽出条件が、利用できる業種、前記施設の規模、及び、利用開始時期のうち少なくともいずれかを含む請求項6に記載の抽出プログラム。
【請求項8】
前記所定の範囲を第一の範囲とし、前記第一の範囲における抽出結果を第一の抽出結果とした場合、前記第一の抽出結果において前記施設が存在しないとき、前記第一の範囲を含み、かつ前記第一の範囲よりも広い第二の範囲を設定して、前記第二の範囲において前記施設を抽出する請求項1から7のいずれかに記載の抽出プログラム。
【請求項9】
前記第一の抽出処理において抽出した既存及び/又は新設予定の前記施設、又は前記第二の抽出処理において抽出した前記施設設置候補地点を、地図画像に表示する制御を行う請求項1から8のいずれかに記載の抽出プログラム。
【請求項10】
前記地図画像において、前記施設設置候補地点を抽出した時期に応じた色彩、模様、図形、記号、及び文字の少なくともいずれかにより表示する制御を行う請求項9に記載の抽出プログラム。
【請求項11】
第一の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、既存及び/又は新設予定の施設の位置情報を含む施設情報に基づき、既存及び/又は新設予定の前記施設を抽出すると共に、
車両の速度、位置及び時刻の情報を含む走行情報に基づき、抽出した前記施設の周辺の交通道路環境情報を併せて抽出する第一の抽出工程と、
第二の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、前記第一の抽出工程で前記施設が存在しないと判定した前記所定の範囲で、前記第一の利用者に前記指定された地点を施設設置候補地点として抽出すると共に、
前記走行情報に基づき、生成した前記施設設置候補地点の周辺の前記交通道路環境情報を併せて抽出する第二の抽出工程と、
を含む工程をコンピュータが実行することを特徴とする抽出方法。
【請求項12】
車両の速度、位置及び時刻の情報を含む走行情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記走行情報を抽出装置に送信する通信手段と、
を有する走行情報取得端末装置と、
第一の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、既存及び/又は新設予定の施設の位置情報を含む施設情報に基づき、既存及び/又は新設予定の前記施設を抽出すると共に、
前記走行情報に基づいて生成した前記施設の周辺の交通道路環境情報を併せて抽出する第一の抽出処理と、
第二の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、前記第一の抽出処理で前記施設が存在しないと判定した前記所定の範囲で、前記第一の利用者に前記指定された地点を施設設置候補地点として抽出すると共に、
前記走行情報に基づいて生成した前記施設設置候補地点の周辺の前記交通道路環境情報を併せて抽出する第二の抽出処理と、を行う抽出装置と、
を有することを特徴とする抽出システム。
【請求項13】
第一の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、既存及び/又は新設予定の施設の位置情報を含む施設情報に基づき、既存及び/又は新設予定の前記施設を抽出すると共に、
車両の速度、位置及び時刻の情報を含む走行情報に基づいて生成した前記施設の周辺の交通道路環境情報を併せて抽出する第一の抽出処理と、
第二の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、前記第一の抽出処理で前記施設が存在しないと判定した前記所定の範囲で、前記第一の利用者に前記指定された地点を施設設置候補地点として抽出すると共に、
前記走行情報に基づいて生成した前記施設設置候補地点の周辺の前記交通道路環境情報を併せて抽出する第二の抽出処理と、
を行う抽出手段を有することを特徴とする抽出装置。
【請求項14】
第二の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、第一の利用者に指定された地点を含む所定の範囲で既存及び/又は新設予定の施設の位置情報を含む施設情報に基づき、既存及び/又は新設予定の前記施設を抽出した際に前記施設が存在しないと判定した前記所定の範囲の、前記第一の利用者に前記指定された地点を施設設置候補地点として抽出すると共に、
車両の速度、位置及び時刻の情報を含む走行情報に基づいて生成した前記施設設置候補地点の周辺の交通道路環境情報を併せて抽出して格納する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする施設設置候補地点情報格納プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抽出プログラム、抽出方法、抽出システム、抽出装置、施設情報格納プログラム、及び施設設置候補地点情報格納プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
会社の事業所や工場、ショッピングセンター等の商業施設、物流センター等の物流拠点、などを設置あるいは建設する場所については、施設の役割、生産性、需要条件、輸送条件などを考慮に入れながら細心の配慮が必要となる。
【0003】
近年では、施設を設置する場所を選定するための処理をコンピュータに実行させる方法について様々な提案がされている。例えば、複数の従業員が勤務する会社において、事業所を移転又は新設する場合に、会社にとって適切な最寄り駅候補を提示する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−95706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
物流の事業分野において、「物流センター」(「流通センター」、「配送センター」と称されることもある)は、多種大量の商品を供給者から荷受けし、積換え、保管、仕分けなどを行い、多数の注文に応じて品揃えして配送する重要な物流拠点であり、物流効率の観点においても極めて重要である。
【0006】
しかしながら、物流センターの利用希望者による既存の物流センターの選定、あるいは物流センターの提供希望者による物流センターを設置する用地の選定については、物流センターや物流センターの設置候補地点における周辺の交通量調査などにより利便性の高さを厳密に評価しようとすると、交通量などは様々な要因により変化してしまうため、選定しにくいという問題がある。
【0007】
一つの側面では、利便性の高い施設又は施設設置候補地点の選定を容易にする抽出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの実施態様では、抽出プログラムは、第一の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、既存及び/又は新設予定の施設の位置情報を含む施設情報に基づき、既存及び/又は新設予定の前記施設を抽出すると共に、車両の速度、位置及び時刻の情報を含む走行情報に基づいて生成した前記施設の周辺の交通道路環境情報を併せて抽出する第一の抽出処理と、第二の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、前記第一の抽出処理で前記施設が存在しないと判定した前記所定の範囲の、前記第一の利用者に前記指定された地点を施設設置候補地点として抽出すると共に、前記走行情報に基づいて生成した前記施設設置候補地点の周辺の前記交通道路環境情報を併せて抽出する第二の抽出処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
一つの側面では、利便性の高い施設又は施設設置候補地点の選定を容易にする抽出プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施例に係る抽出装置を含む抽出システムの構成を示す説明図である。
図2図2は、既存及び/又は新設予定の物流センターを抽出した結果の地図表示の一例を示す説明図である。
図3図3は、既存及び/又は新設予定の物流センターを抽出した結果の表の一例を示す説明図である。
図4図4は、交通道路環境情報に含まれる周辺幹線道路の平均速度情報の一例を示す説明図である。
図5図5は、交通道路環境情報に含まれる周辺幹線道路の大型車通行量情報の一例を示す説明図である。
図6図6は、交通道路環境情報に含まれる等時間移動圏情報の一例を示す説明図である。
図7図7は、交通道路環境情報に含まれる、所定のランドマーク地点までの所要時間の一例を示す説明図である。
図8図8は、物流センターの設置候補地点を抽出した結果の地図表示の一例を示す説明図である。
図9図9は、物流センターの設置候補地点を抽出した結果の表の一例を示す説明図である。
図10図10は、3年前から2年前までに更新した物流センターの設置候補地点の抽出結果の地図表示の一例を示す説明図である。
図11図11は、3年前から1年前までに更新した物流センターの設置候補地点の抽出結果の地図表示の一例を示す説明図である。
図12図12は、3年前から1ヶ月前までに更新した物流センターの施設設置候補地点の抽出結果の地図表示の一例を示す説明図である。
図13図13は、3年前から現在までに更新した物流センターの施設設置候補地点の抽出結果の地図表示の一例を示す説明図である。
図14図14は、抽出装置の機能構成の一例を示す説明図である。
図15図15は、走行情報DBに格納される走行情報の一例を示す説明図である。
図16図16は、施設情報DBに格納される施設情報の構成の一例を示す説明図である。
図17図17は、施設情報に含まれる基本情報の一例を示す説明図である。
図18図18は、施設情報に含まれる契約情報の一例を示す説明図である。
図19図19は、施設情報に含まれる第一の処理の情報の一例を示す説明図である。
図20図20は、施設情報に含まれる第二の処理の情報の一例を示す説明図である。
図21図21は、本発明の一実施例に係る抽出装置のハードウェア構成を示す説明図である。
図22図22は、物流センターの利用希望者に対して、抽出装置が物流センターを抽出し、画面上に抽出結果を表示する制御を行う流れの一例を示すフローチャートである。
図23図23は、物流センターの提供希望者に対して、抽出装置が物流センターの施設設置候補地点を抽出し、画面上に抽出結果を表示する制御を行う流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施例を説明するが、本発明は、この実施例に何ら限定されるものではない。
なお、本発明の「抽出システム」は、「抽出装置」と、「走行情報取得装置」と、を有する。本発明の「抽出装置」における各手段が行う制御は、本発明の「抽出方法」を実施することと同義であるので、本発明の「抽出装置」の説明を通じて本発明の「抽出方法」の詳細についても明らかにする。また、本発明の「抽出プログラム」は、ハードウェア資源としてのコンピュータ等を用いることにより、本発明の「抽出装置」として実現させることから、本発明の「抽出装置」の説明を通じて本発明の「抽出プログラム」の詳細についても明らかにする。
また、「抽出プログラム」は、後述する第一の抽出処理及び第二の抽出処理に分けることができ、「施設情報格納プログラム」は第一の抽出処理に含まれる施設情報を格納する処理をコンピュータに実行させるものであり、「施設設置候補地点情報格納プログラム」は第二の抽出処理に含まれる施設設置候補地点情報を格納する処理をコンピュータに実行させるものである。
なお、「抽出装置」は「情報処理装置」又は「サーバ装置」と称することもあり、「走行情報取得端末装置」は「車載装置」と称することもある。
【実施例】
【0012】
図1は、本発明の一実施例に係る抽出装置100を含む抽出システム10の構成を示す説明図である。なお、抽出装置100には抽出プログラムが内蔵されており、抽出装置100を実施すると抽出方法が実施される。抽出システム10は、本実施例では、施設として物流センターを対象とする。
抽出システム10に含まれる抽出装置100は、第一の利用者に対する第一の抽出処理と、第二の利用者に対する第二の抽出処理と、を行うシステムである。
第一の利用者とは、抽出システム10を利用する者であり、本実施例では、物流センターの利用を希望する希望者(以下、利用希望者とする)である。
第二の利用者とは、第一の利用者と同様に、抽出システム10を利用する者であり、本実施例では、物流センターの提供を希望する提供者(以下、提供希望者とする)である。
【0013】
第一の抽出処理では、抽出システム10は、物流センターの利用希望者に指定された地点を含む所定の範囲において、既存及び/又は新設予定の物流センターの位置情報を含む施設情報に基づき、既存及び/又は新設予定の物流センターを抽出すると共に、車両の速度、位置及び時刻の情報を含む走行情報に基づいて生成した物流センターの周辺の交通道路環境情報を併せて抽出する。
これにより、物流センターの利用希望者が、物流センターの位置を把握できると共に、複数の物流センターが抽出された場合であっても、各物流センターの周辺の交通道路環境情報を比較できるため、利便性の高い物流センターを選定しやすくなる。
【0014】
第二の抽出処理では、抽出システム10は、物流センターの提供希望者に指定された地点を含む所定の範囲において、第一の抽出処理で施設が存在しないと判定した所定の範囲の、物流センターの利用希望者に指定された地点を物流センターの設置候補地点として抽出すると共に、走行情報に基づいて生成した物流センターの設置候補地点の周辺の交通道路環境情報を併せて抽出する。
物流センターの利用希望者に指定された地点とは、物流センターの利用希望者が、物流センターが存在して欲しいと考えた位置であり、第二の抽出処理では、この位置を物流センターの設置候補として挙げられる地点(以下、「設置候補地点」と称することがある)として抽出すると共に、設置候補地点の周辺の交通道路環境情報を併せて抽出する。
これにより、物流センターの提供希望者が、物流センターの設置候補地点の位置を把握できると共に、複数の設置候補地点が抽出された場合であっても、各設置候補地点の周辺の交通道路環境情報を比較できるため、利便性の高い物流センターの設置候補地点を選定しやすくなる。
【0015】
所定の範囲は、本実施例では、物流センターの利用希望者又は提供希望者により指定された地点(以下、「指定地点」と称することもある)を中心として、物流センターの利用希望者又は提供希望者により入力された所定の範囲の辺長a又はbの値に基づき、矩形状の範囲に設定される。
なお、所定の範囲は、これに限ることなく、物流センターの利用希望者又は提供希望者に指定された地点を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて物流センターの利用希望者又は提供希望者により任意に指定される範囲であってもよく、国、都道府県、市町村などの単位で指定される範囲であってもよい。
【0016】
また、所定の範囲を第一の範囲とし、第一の範囲における抽出結果を第一の抽出結果とした場合、第一の抽出結果において所望の物流センター又は物流センターの設置候補地点が存在しないとき、物流センターの利用希望者又は提供希望者の指示により、第一の範囲を含み、かつ第一の範囲よりも広い第二の範囲を設定して、第二の範囲において所望の物流センター又は物流センターの設置候補地点を抽出することができる。即ち、所望の物流センター又は物流センターの設置候補地点が存在しないときは範囲を拡張して抽出することができる。
【0017】
交通道路環境情報は、物流センター周辺の環境における交通及び/又は道路に関わる情報であり、本実施例では、車両の平均速度情報、車両の通行量情報、車両の等時間移動圏情報、及び、所定のランドマーク地点までの所要時間のうち少なくともいずれかを含む。
これにより、物流センターの利用希望者又は提供希望者に対し、物流センター又は物流センターの設置候補地点における詳細な交通道路環境情報を示すことができるため、物流センターの利用希望者又は提供希望者が、利便性の高い物流センター又は物流センターの設置候補地点をより選定しやすくなる。
また、平均速度情報、通行量情報、等時間移動圏情報、及び、所定のランドマーク地点までの所要時間のうち少なくともいずれかが、曜日別、日別、時間帯別、及び上下車線別の少なくともいずれかに分類されるようにしてもよい。
【0018】
また、交通道路環境情報は、道路に関する情報を更に含むようにしてもよい。
道路に関する情報は、道路の平坦性情報、道路のひび割れ情報、道路の路面下の空洞情報、道路に設置された付属物情報、道路の路面下のインフラ設備情報、道路標識情報、及び道路の補修履歴情報の少なくともいずれかを含むようにしてもよい。
これにより、物流センターの利用希望者又は提供希望者に対し、物流センター又は物流センターの設置候補地点の周辺について、更に詳細な交通道路環境情報を示すことができる。
【0019】
本実施例では、第一の抽出処理において、物流センターの利用希望者により抽出条件を更に指定され、指定された地点の位置情報を抽出条件の情報と対応付けて格納し、第二の抽出処理において、抽出した物流センターの設置候補地点の位置情報及び物流センターの設置候補地点の周辺の交通道路環境情報と共に、物流センターの利用希望者により指定された抽出条件の項目を抽出する。
抽出条件は、物流センターの利用希望者が物流センターに求める条件であり、本実施例では、物流センターにおいて利用できる業種、物流センターの規模、及び、利用開始時期のうち少なくともいずれかの項目である。
これにより、第二の抽出処理において、抽出した物流センターの設置候補地点では、物流センターの提供希望者に対し、どのような物流センターを提供すればよいのかを明確に示すことができる。
【0020】
本実施例では、第一の抽出処理において抽出した既存及び/又は新設予定の物流センター、又は第二の抽出処理において抽出した物流センターの設置候補地点を、地図画像に表示する制御を行う。更に、地図画像において、物流センターの設置候補地点を抽出した時期に応じた色彩、模様、図形、記号、及び文字の少なくともいずれかにより表示する制御を行う。
これにより、既存及び/又は新設予定の物流センター、又は物流センターの設置候補地点の位置を、物流センターの利用希望者又は提供希望者が一見して把握することができる。
【0021】
[第一の抽出処理についての詳細]
ここで、第一の抽出処理についての詳細を、図2図7を参照しながら説明する。
まず、第一の抽出処理では、物流センターの利用希望者により、物流センターが存在して欲しいと考えた指定地点α、及び、指定地点αを中心とする矩形状の所定の範囲の辺長aを入力され、更に抽出条件としての「物流センターの規模、物流センターの利用開始時期」の項目が抽出装置100に入力される。
【0022】
次に、抽出装置100は、図2に示すように、物流センターの利用希望者により指定された所定の範囲(図2中エリアA−I)内において、予め取得した物流センターの位置情報を含む施設情報に基づき、既存及び/又は新設予定の物流センターを抽出すると共に、予め取得した走行情報に基づき、物流センターの周辺の交通道路環境情報を生成して抽出し、画面上に表示する制御を行う。
このとき、所定の範囲において物流センターを抽出しなかった場合には、指定地点αの位置情報は、物流センターの設置候補地点の位置情報として抽出装置100の記憶手段120に格納されると共に、物流センターの設置候補地点の位置情報に対応付けられて設置候補地点の周辺の交通道路環境情報と、抽出条件の情報も格納される。
【0023】
また、図2中エリアA−I内における抽出結果としては、既存の物流センターが1つ存在したが抽出条件が合致せず、また新設予定の物流センターも1つ存在したが抽出条件が合致しなかったため、抽出結果に対応するマーク(図2中の右側にある凡例に示す)を物流センターの位置情報に基づき、画面上に表示する制御を行う。マークの横の数字は、物流センターの提供者を識別するものである。
【0024】
これらの抽出結果と、交通道路環境情報とをまとめたものを図3のエリアA−Iの欄に表示する。図3に示すように、交通道路環境情報は、本実施例では、物流センター周辺の幹線道路(以下、「周辺幹線道路」と称する)の平均速度情報(図3中では「周辺平均速度」)、周辺幹線道路の大型車通行量(図3中では「周辺通行量」)、物流センターから等時間で移動可能な範囲を示す情報である等時間移動圏情報(図3中では「等時間移動圏」)、所定のランドマーク地点までの所要時間(図3中では「ランドマーク所要時間」)の項目を含む。図3中の交通道路環境情報の欄の画像ファイルをクリックなどにより指定すると、図4図7に示すような画像が表示される。
「周辺幹線道路の平均速度情報」は、図4に示すように、当該物流センターの周辺における幹線道路の平均速度情報である。
「周辺幹線道路の大型車通行量」は、図5に示すように、当該物流センターの周辺における幹線道路の大型車通行量の情報である。
「等時間移動圏情報」は、図6に示すように、例えば、当該物流センターから30分間、45分間、及び60分間で移動できる範囲の情報である。
「所定のランドマーク地点までの所要時間」は、図7に示すように、例えば、当該物流センターから空港、港、駅などの所定のランドマーク地点までの所要時間の情報である。
【0025】
なお、抽出装置100は、物流センターの利用希望者の指示に基づき、図2に示すように、エリアA−IをエリアA−IIのように拡張して、既存及び/又は新設予定の物流センターを抽出し、物流センターの周辺の交通道路環境情報などを図3のエリアA−IIの欄に表示する。そして、抽出装置100は、物流センターの利用希望者の指示に基づき、拡張したエリアA−IIを図2に示すエリアA−III及びエリアA−IVのように更に拡張し、物流センターの周辺の交通道路環境情報などを図3のエリアA−III及びエリアA−IVの欄に表示する。このように、所定の範囲内において、所望の物流センターが存在しなければ、「所定の範囲」を拡張して物流センターの設置候補地点を抽出することを繰り返すことができる。
また、図3の表には、物流センターの利用希望者により入力された抽出条件の情報を追加してもよい。
【0026】
画面上の表示に基づいて交通道路環境の良い最適な物流センターを選定した物流センターの利用希望者は仲介者などを介して物流センターの利用を約定した後、抽出装置100は、物流センターの利用希望者により、本実施例では「業種、施設の規模、利用開始日、及び約定金額レンジ」の項目を含む契約情報が入力され更新する。
【0027】
また、抽出装置100は、所定の範囲内に既存及び/又は新設予定の物流センターが存在しない場合、物流センターの利用希望者により、物流センターが存在して欲しいと考えて入力した「指定地点」を物流センターの設置候補地点として記憶すると共に、走行情報に基づき、その物流センターの設置候補地点の周辺の交通道路環境情報を抽出して物流センターの設置候補地点の位置情報と対応付けて記憶し、第二の抽出処理において物流センターの設置候補地点を抽出する際に用いることができるようにする。
【0028】
[第二の抽出処理についての詳細]
次に、第二の抽出処理についての詳細を、図8図13を参照しながら説明する。
まず、第二の抽出処理では、物流センターの提供希望者により、物流センターの設置候補地点が存在して欲しいと考えた指定地点β、及び、指定地点βを中心とする矩形状の所定の範囲の辺長bを入力され、更に抽出条件としての交通道路環境情報の項目が抽出装置100に入力される。
【0029】
次に、抽出装置100は、図8に示すように、物流センターの提供希望者により指定された所定の範囲(図8中エリアB−I)内において、第一の抽出処理で格納した物流センターの設置候補地点の位置情報に基づき、物流センターの設置候補地点を抽出すると共に、第一の抽出処理で格納した、設置候補地点の周辺の交通道路環境情報を、図9のエリアB−Iの欄に示すように画面上に表示する制御を行う。
具体的には、図8中エリアB−I内における抽出結果としては、1年前〜1ヶ月前に登録された設置候補地点が1つ存在し、既存の物流センターが1つ存在しており、抽出結果に対応するマーク(図8中の右側にある凡例に示す)を物流センターの位置情報に基づき、画面上に表示する制御を行う。既存施設及び新規予定施設のマークの横の数字は、物流センターの提供者を識別するものであり、施設設置候補地点のマークの横の数字は、物流センターの利用希望者を識別するものである。マークの横の数字の表示により、どのような物流センターの利用希望者がどの位置に物流センターを求めているのかについて容易に把握することができる。また、他の情報を参照することにより、求めている物流センターの詳細を把握することができる。
【0030】
これらの抽出結果と、交通道路環境情報とをまとめたものを、図9のエリアB−Iの欄に表示する。図9に示すように、交通道路環境情報は、本実施例では、図3と同様に、周辺幹線道路の平均速度情報、周辺幹線道路の大型車通行量、等時間移動圏情報、所定のランドマーク地点までの所要時間の項目を含む。図9中の交通道路環境情報の欄の画像ファイルをクリックなどにより指定すると、図3と同様に、図4図7に示すような画像が表示される。
【0031】
なお、抽出装置100は、第一の抽出処理と同様に、図8に示すように、物流センターの提供希望者の指示に基づき、エリアB−IをエリアB−IIのように拡張して、物流センターの設置候補地点を抽出し、設置候補地点の周辺の交通道路環境情報などの情報を図9のエリアB−IIの欄に示すように表示する。そして、抽出装置100は、物流センターの提供希望者の指示に基づき、拡張したエリアB−IIをエリアB−III及びエリアB−IVのように更に拡張し、設置候補地点の周辺の交通道路環境情報などの情報を、図9のエリアB−III及びエリアB−IVの欄に示すように表示する。このように、所定の範囲内において、所望の物流センターの設置候補地点が存在しなければ、「所定の範囲」を拡張して物流センターの設置候補地点を抽出することを繰り返すことができる。
【0032】
画面上の表示に基づいて交通道路環境の良い最適な物流センターの設置候補地点を選定した物流センターの提供希望者は仲介者などを介して用地の購入を約定した後、抽出装置100は、物流センターの提供希望者により、「業種、施設の規模、提供開始時期、約定金額、及び竣工情報」の項目を含む契約情報が入力され更新する。
【0033】
抽出装置100は、所定の範囲内に物流センターの設置候補地点が存在しない場合、物流センターの提供希望者により、物流センターの設置候補地点が存在して欲しいと考えて入力した「指定地点」を物流センターの設置検討地点として記憶すると共に、走行情報に基づき、その物流センターの設置検討地点の周辺の交通道路環境情報を抽出して物流センターの設置検討地点の位置情報と対応付けて記憶し、第一の抽出処理において物流センターを抽出する際に用いることができるようにしてもよい。
【0034】
次に、図8に示した物流センターの設置候補地点の抽出結果に至るまでの経過について説明する。
【0035】
図10は、3年前から2年前までに更新した物流センターの設置候補地点の抽出結果の地図表示の一例を示す説明図であり、物流センターの提供希望者に指定された所定の領域を4回拡張した抽出結果を表示している。
まず、前提として、本実施例では、当初及び1ヶ月に1回の頻度で、既存及び/又は新設予定の施設情報、施設設置候補地点の位置情報、及び、提供希望者により指定された位置の位置情報を更新する。
図10に示すように、3年前から2年前までに更新した物流センターの設置候補地点は5箇所存在し、既存及び/又は新設予定の物流センターは存在していない。
【0036】
図11は、図10に示した3年前から2年前までに更新した物流センターの設置候補地点の抽出結果に、2年前から1年前までに更新した物流センターの設置候補地点の抽出結果を更に加えたもの、即ち、3年前から1年前までに更新した物流センターの設置候補地点の抽出結果の地図表示の一例を示す説明図である。
図11に示すように、図10と比較すると、2年前から1年前までにおいては、新たに登録した物流センターの設置候補地点は4箇所追加されており、更に、物流センターが新たに2箇所設置され、新設予定の物流センターが1箇所存在する。なお、新設予定の物流センター(図11中、新設予定施設マークの横の数字が「3」のもの)は、図10に示した物流センターの設置候補地点(図11中、設置候補地点マークの横の数字が「1」〜「4」のもの)の抽出結果に基づき、物流センターの提供希望者が決定したものである。
【0037】
図12は、図11に示した3年前から1年前までに登録した施設設置候補地点の抽出結果に、1年前から1ヶ月前までに登録した施設設置候補地点の抽出結果を更に加えたもの、即ち、3年前から1ヶ月前までに更新した物流センターの施設設置候補地点の抽出結果の地図表示の一例を示す説明図である。
図12に示すように、図11と比較すると、1年前から1ヶ月前までにおいては、新たに登録された施設設置候補地点は3箇所追加されており、更に、物流センターが新たに1箇所設置され、新設予定の物流センターが1箇所存在する。なお、新設予定の物流センター(図12中、新設予定施設マークの横の数字が「2」のもの)は、図11に示した物流センターの設置候補地点(図12中、設置候補地点マークの横の数字が「3」の2つ)の抽出結果に基づき、物流センターの提供希望者が決定したものである。
【0038】
図13は、図12に示した3年前から1ヶ月前までに登録した施設設置候補地点の抽出結果に、1ヶ月前から現在までに登録した施設設置候補地点の抽出結果を更に加えたもの、即ち、3年前から現在までに更新した物流センターの施設設置候補地点の抽出結果の地図表示の一例を示す説明図である。
図13に示すように、図12と比較すると、1ヶ月前から現在までにおいては、新たに登録された施設設置候補地点は存在せず、更に、物流センターが新たに1箇所設置され、新設予定の物流センターが1箇所存在する。なお、新設予定の物流センターは、図12に示した物流センターの設置候補地点の抽出結果に基づき、物流センターの提供希望者が決定したものである。
【0039】
なお、本実施例では、抽出装置100では、物流センターの利用希望者に対して第一の抽出処理を行い、物流センターの提供希望者に対して第二の抽出処理を行うようにしたが、これに限ることなく、物流センターの利用希望者又は提供希望者が仲介者に代行を依頼し、仲介者に対して第一の抽出処理又は第二の抽出処理を行うようにしてもよい。
【0040】
次に、抽出システム10が有する抽出装置100及び走行情報取得端末装置300における機能構成及びハードウェア構成についてそれぞれ説明する。
【0041】
(抽出装置)
<抽出装置の機能構成>
図14は、抽出装置100の機能構成の一例を示す説明図である。図14に示すように、抽出装置100は、通信手段110と、記憶手段120と、制御手段130と、抽出手段140と、入力手段150と、出力手段160と、を有する。
【0042】
通信手段110は、制御手段130の指示に基づき、車両400に搭載される走行情報取得端末装置300から走行情報を、ネットワーク200を介してそれぞれ受信し、後述する走行情報データベース121に格納する。走行情報の詳細についても後述する。
以下、データベースをDBと称することもある。
【0043】
記憶手段120は、走行情報DB121と、施設情報DB122と、施設設置候補地点情報DB123と、地図情報DB124と、を有する。通信手段110が受信した走行情報は、走行情報DB121に格納される。
【0044】
図15は、走行情報DB121に格納される走行情報の一例を示す説明図である。図15に示すように、走行情報は、「車両ID、時刻、位置(経度、緯度)、速度」の項目を含む。本実施例では、これらの項目を1秒ごとに取得する。
【0045】
「車両ID」は、車両を識別するための情報であり、予め設定される。
「時刻」及び「位置(経度、緯度)」は、走行情報取得端末装置300に搭載されているGPS(Global Positioning System)ユニットを用いて、取得される時間情報及び位置情報である。
「速度」は、時間情報と同期させ、速度センサを用いて車両の車軸から取得される速度情報である。
【0046】
図16は、施設情報DB122に格納される施設情報の構成の一例を示す説明図である。図16に示すように、施設情報は、本実施例では、基本情報、契約情報、交通道路環境情報、第一の処理の情報、及び第二の処理の情報を含む。
【0047】
図17は、施設情報に含まれる基本情報の一例を示す説明図である。図17に示すように、基本情報は、本実施例では「施設管理者名、施設名称、位置情報(経度、緯度)、提供開始日、提供終了予定日」の項目を含む。
【0048】
「施設管理者名」は、当該物流センターを管理する提供者の名称の情報である。
「施設名称」は、当該物流センターの名称の情報である。
「位置情報(経度、緯度)」は、経度及び緯度により示される当該物流センターの位置情報である。
「提供開始日」は、当該物流センターの提供を開始した日の情報である。
「提供終了予定日」は、当該物流センターの提供の終了を予定している日の情報である。
【0049】
図18は、施設情報に含まれる契約情報の一例を示す説明図である。図18に示すように、契約情報は、本実施例では図17の「施設管理者名、施設名称」の項目を含み、「業種、利用規模、利用開始時期、約定金額、約定日」の項目を含む。
【0050】
「業種」は、当該物流センターにおいて利用できる業種の情報である。
「利用規模」は、当該物流センターを利用する規模の情報である。
「利用開始時期」は、当該物流センターの利用を開始した日の情報である。
「約定金額」は、当該物流センターの利用について約定した金額の情報である。
「約定日」は、当該物流センターの利用を約定した日の情報である。
【0051】
施設情報に含まれる交通道路環境情報については、上述した図4図7に示したとおりであるため、説明を省略する。
【0052】
図19は、施設情報に含まれる第一の処理の情報の一例を示す説明図である。図19に示すように、第一の処理の情報は、物流センターの利用希望者が所望の物流センターを抽出する際に入力した情報を含み、本実施例では「指定地点α、所定の範囲の辺長a、抽出したときの流れ、業種、施設の規模、利用開始時期、抽出日」の項目を含む。
【0053】
「指定地点α」は、当該物流センターを抽出した際に物流センターの利用希望者が入力した指定地点αの位置情報である。
「所定の範囲の辺長a」は、当該物流センターを抽出した際に物流センターの利用希望者が入力した所定の範囲の辺長aの情報である。
「抽出したときの流れ」は、当該物流センターを抽出した際に物流センターの利用希望者が所定の範囲の拡張などを行った履歴の情報である。
「業種」は、当該物流センターで取り扱うことができる業種の情報である。
「施設の規模」は、当該物流センターの規模の情報である。
「利用開始時期」は、物流センターの利用希望者が当該物流センターの利用を開始したい時期である。
「抽出日」は、当該物流センターを抽出した日の情報である。
【0054】
図20は、施設情報に含まれる第二の処理の情報の一例を示す説明図である。図20に示すように、第二の処理の情報は、物流センターの提供希望者が所望の物流センターの設置候補地点を抽出する際に入力した情報を含み、本実施例では「指定地点β、所定の範囲の辺長b、抽出したときの流れ、抽出日」の項目を含む。
【0055】
「指定地点β」は、当該物流センターの設置候補地点を抽出した際に物流センターの提供希望者が入力した指定地点βの位置情報である。
「所定の範囲の辺長b」は、当該物流センターの提供希望者を抽出した際に物流センターの提供希望者が入力した所定の範囲の辺長bの情報である。
「抽出したときの流れ」は、当該物流センターの設置候補地点を抽出した際に物流センターの提供希望者が所定の範囲の拡張などを行った履歴の情報である。
「抽出日」は、当該物流センターの設置候補地点を抽出した日の情報である。
【0056】
<<制御手段>>
制御手段130は、記憶手段120に記憶された各種プログラムを実行し、抽出装置100全体を制御する。
制御手段130は、本実施例では、範囲設定部131と、表示制御部132とを有する。
【0057】
−範囲設定部−
範囲設定部131は、本実施例では、物流センターの利用希望者又は提供希望者により指定された地点を中心として、物流センターの利用希望者又は提供希望者により入力された所定の範囲の辺長a又はbの値に基づき、矩形状の所定の範囲を設定する。
また、範囲設定部131は、本実施例では、最初に設定した所定の範囲を第一の範囲とし、第一の範囲における抽出結果を第一の抽出結果とした場合、第一の抽出結果において施設又は施設設置候補地点が存在しないとき、第一の範囲を含み、かつ第一の範囲よりも広い第二の範囲を設定する。
なお、本実施例では、拡張する範囲は、検出した各エリアを含むように拡張したエリアを設定したが、これに限られることなく、拡張する大きさ、位置などは目的に応じて適宜設定できる。
【0058】
−表示制御部−
表示制御部132は、第一の抽出処理において抽出した既存及び/又は新設予定の施設、又は第二の抽出処理において抽出した施設設置候補地点を、地図画像に表示する制御を行う。また、表示制御部132は、地図画像において、施設設置候補地点を抽出した時期に応じた色彩、模様、図形、記号、及び文字の少なくともいずれかにより表示する制御を行うようにしてもよい。
【0059】
<<抽出手段>>
抽出手段140は、前述のように、第一の抽出処理と、第二の抽出処理と、を行う。
【0060】
第一の抽出処理では、抽出システム10は、物流センターの利用希望者に指定された地点を含む所定の範囲において、既存及び/又は新設予定の物流センターの位置情報を含む施設情報に基づき、既存及び/又は新設予定の物流センターを抽出すると共に、走行情報に基づいて生成した物流センターの周辺の交通道路環境情報を併せて抽出する。
第二の抽出処理では、抽出システム10は、物流センターの提供希望者に指定された地点を含む所定の範囲において、第一の抽出処理で物流センターが存在しないと判定した所定の範囲の、物流センターの利用希望者に指定された地点を施設設置候補地点として抽出すると共に、走行情報に基づいて生成した施設設置候補地点の周辺の交通道路環境情報を併せて抽出する。
また、抽出手段140は、第一の抽出処理において、物流センターの利用希望者により、利用できる業種、物流センターの規模、及び、利用開始時期などの抽出条件を更に指定され、指定された地点の位置情報を抽出条件の情報と対応付けて格納し、第二の抽出処理において、抽出した施設設置候補地点の位置情報及び施設設置候補地点の周辺の交通道路環境情報と共に、物流センターの利用希望者により指定された抽出条件の情報を抽出する。
なお、本実施例では、抽出手段140は、制御手段130とは別の手段として示したが、これに限ることなく、抽出手段140は制御手段130に含まれるようにしてもよい。
【0061】
入力手段150は、制御手段130の指示に基づき、物流センターの利用希望者、物流センターの提供希望者、又は仲介者から、指定された地点の経度及び緯度により示される座標、所定の範囲の辺長、抽出条件などを受け付けるほか、抽出装置100に対する各種指示を受け付ける。
【0062】
出力手段160は、制御手段130の表示制御部132の指示に基づき、抽出手段140による抽出結果を、物流センターの利用希望者、物流センターの提供希望者、又は仲介者に対して表示するほか、抽出装置100の内部状態の表示を行う。
【0063】
<抽出装置のハードウェア構成>
図21は、本発明の一実施例に係る抽出装置のハードウェア構成を示す説明図である。
図21に示すように、抽出装置100は、通信手段110と、記憶手段120と、制御手段130と、抽出手段140と、入力手段150と、出力手段160と、ROM(Read Only Memory)170と、RAM(Random Access Memory)180とを有する。なお、抽出装置100の各手段は、バス190を介してそれぞれ通信可能に接続されている。
【0064】
通信手段110は、制御手段130の指示に基づき、車両400に搭載される走行情報取得端末装置300から走行情報を受信する。
なお、本実施例では、通信手段110は、制御手段130の指示に基づき、走行情報を受信するとしたが、ネットワーク200を介して各走行情報取得端末装置から走行情報を送信する指示を出力してもよい。また、走行情報の受信は、無線又は有線であってもよく、記憶媒体を介してでもよい。
【0065】
記憶手段120は、各種情報を記憶できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブなどのほか、CD(Compact Disc)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)ドライブなどの可搬記憶装置であってもよく、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドの一部であってもよい。
【0066】
制御手段130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などが挙げられる。ソフトウェアを実行するプロセッサはハードウェアである。
【0067】
抽出手段140は、制御手段130と同様に、例えば、CPUなどが挙げられる。
【0068】
入力手段150は、抽出装置100に対する各種要求を受け付けることができれば特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、マイクなどが挙げられる。
【0069】
出力手段160は、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、ディスプレイ、スピーカーなどが挙げられる。
【0070】
ROM170は、記憶手段120に記憶された各種プログラムを制御手段130が実行するために必要な各種プログラム、データ等を記憶する。具体的には、ROM160は、BIOS(Basic Input/Output System)、EFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラムなどを記憶する。
【0071】
RAM180は、主記憶装置であり、記憶手段120に記憶された各種プログラムが制御手段130により実行される際に展開される作業範囲として機能する。
RAM180としては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)などが挙げられる。
【0072】
次に、図1に戻り、抽出装置100にネットワーク200を介して通信可能に接続されている走行情報取得端末装置300a、300b、300c、及び各走行情報取得端末を搭載する車両400a、400b、400cの詳細について説明する。
なお、走行情報取得端末装置300a、300b、300cは、機能構成及びハードウェア構成についてそれぞれ同様であることから、「走行情報取得端末装置300」と称してまとめて説明する。また、車両400a、400b、400cは、機能構成及びハードウェア構成についてそれぞれ同様であることから、「車両400」と称してまとめて説明する。更に、走行情報取得端末300を搭載する車両400は多いほうが好ましく、抽出装置100は複数であってもよい。
【0073】
走行情報取得端末装置300としては、本実施例では、トラックなどの大型車に搭載されるデジタルタコグラフ(「デジタコ」と称することもある)であり、車両400の速度、位置及び時刻の情報を含む走行情報を取得する取得手段と、取得手段が取得した走行情報を抽出装置に送信する通信手段と、を有する。
取得手段は、GPSユニットと、車両の車軸に搭載された速度センサと、を有する。取得手段は、GPSユニット及び速度センサを同期させて取得した位置の情報及び速度の情報を、同期させた時刻の情報と対応付けて走行情報とする。
通信手段は、取得手段が取得した走行情報を、ネットワーク200を介して抽出装置100に送信する。
【0074】
車両400としては、例えば、商用トラック等の商用車が挙げられるが、乗用車などでもよい。また、車両の台数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、多いほうが好ましい。
【0075】
図22は、物流センターの利用希望者に対して、抽出装置100が物流センターを抽出し、画面上に抽出結果を表示する制御を行う流れの一例を示すフローチャートである。抽出装置100が物流センターを抽出し、画面上に抽出結果を表示する制御を行うフローを、図14を参照しながら図22に示すフローチャートにしたがって説明する。
【0076】
ステップS101では、制御手段130は、物流センターの利用希望者により入力手段150を用いて入力された「指定地点α、所定の範囲の辺長a、規模、利用開始時期」の抽出条件の指定を受け付け、処理をS102に移行させる。なお、所定の範囲の辺長aは、物流センターの利用希望者により「5km」と入力された。
【0077】
ステップS102では、範囲設定部131は、所定の範囲の拡張回数Nに対して0を入力し、処理をS103に移行させる。
【0078】
ステップS103では、制御手段130は、物流センターの利用希望者に指定された指定地点αを中心に5km四方とした初期の所定の範囲を設定し、物流センターの位置情報を含む施設情報に基づき、既存及び/又は新設予定の物流センターを抽出し、処理をS104に移行させる。
【0079】
ステップS104では、制御手段130は、物流センターが存在するか否かを判定する。制御手段130は、物流センターが存在すると判定すると、処理をS108に移行させ、物流センターが存在しないと判定すると、処理をS105に移行させる。
【0080】
ステップS105では、制御手段130は、所定の範囲の拡張回数Nが0より大きいか否かを判定する。制御手段130は、Nが0より大きいと判定すると処理をS107に移行させ、Nが0より大きくないと判定すると処理をS106に移行させる。
【0081】
ステップS106では、抽出手段140は、指定地点αの位置情報を格納(記憶)すると共に、車両の速度、位置及び時刻の情報を含む走行情報に基づき、指定された地点の周辺の交通道路環境情報を生成して抽出し、抽出した交通道路環境情報を格納すると、処理をS107に移行させる。
【0082】
ステップS107では、制御手段130は、物流センターの利用希望者に対し、処理を終了させるか否かを判断させる。制御手段130は、物流センターの利用希望者により、入力手段などを用いて処理を終了するボタンを画面上で押下されると本処理を終了させ、処理を継続するボタンを画面上で押下されると処理をS110に移行させる。
【0083】
ステップS108では、抽出手段140は、走行情報に基づき、抽出した物流センターの周辺の交通道路環境情報を生成して抽出すると処理をS109に移行させる。
【0084】
ステップS109では、表示制御部132は、抽出した物流センター及びその周辺の交通道路環境情報を、出力手段160であるディスプレイに地図画像に表示する制御を行い、処理をS107に移行させる。
【0085】
ステップS110では、制御手段130は、物流センターの利用希望者に対し、所定の範囲を拡張させるか否かを判断させる。制御手段130は、物流センターの利用希望者により、入力手段などを用いて所定の範囲を拡張するボタンを画面上で押下されると処理をS111に移行させ、処理を終了するボタンを画面上で押下されると本処理を終了させる。
【0086】
ステップS111では、制御手段130は、所定の範囲の拡張回数Nに1を加え、処理をS112に移行させる。
【0087】
ステップS112では、範囲設定部131は、所定の範囲の拡張回数Nに、物流センターの利用希望者により指定された所定の範囲の辺長aを乗じて、拡張した所定の範囲を設定すると処理をS103に戻す。
【0088】
図23は、物流センターの提供希望者に対して、抽出装置100が物流センターの施設設置候補地点を抽出し、画面上に抽出結果を表示する制御を行う流れの一例を示すフローチャートである。抽出装置100が物流センターの施設設置候補地点を抽出し、画面上に抽出結果を表示する制御を行うフローを、図14を参照しながら図23に示すフローチャートにしたがって説明する。
【0089】
ステップS201では、制御手段130は、物流センターの提供希望者により入力手段150を用いて入力された「指定地点β、所定の範囲の辺長b、規模、利用開始時期」の抽出条件の指定を受け付け、処理をS202に移行させる。なお、所定の範囲の辺長bは、物流センターの提供希望者により「10km」と入力された。
【0090】
ステップS202では、範囲設定部131は、所定の範囲の拡張回数Nに対して0を入力し、処理をS203に移行させる。
【0091】
ステップS203では、制御手段130は、物流センターの提供希望者に指定された指定地点βを中心に10km四方とした初期の所定の範囲を設定し、施設設置候補地点の位置情報を含む施設情報に基づき、施設設置候補地点を抽出し、処理をS204に移行させる。
【0092】
ステップS204では、制御手段130は、施設設置候補地点が存在するか否かを判定する。制御手段130は、施設設置候補地点が存在すると判定すると、処理をS208に移行させ、施設設置候補地点が存在しないと判定すると、処理をS205に移行させる。
【0093】
ステップS205では、制御手段130は、所定の範囲の拡張回数Nが0より大きいか否かを判定する。制御手段130は、Nが0より大きいと判定すると処理をS207に移行させ、Nが0より大きくないと判定すると処理をS206に移行させる。
【0094】
ステップS206では、抽出手段140は、指定地点βの位置情報を記憶すると共に、車両の速度、位置及び時刻の情報を含む走行情報に基づき、指定された地点の周辺の交通道路環境情報を生成して抽出すると、処理をS207に移行させる。
【0095】
ステップS207では、制御手段130は、物流センターの提供希望者に対し、処理を終了させるか否かを判断させる。制御手段130は、物流センターの提供希望者により、入力手段などを用いて処理を終了するボタンを画面上で押下されると本処理を終了させ、処理を継続するボタンを画面上で押下されると処理をS210に移行させる。
【0096】
ステップS208では、抽出手段140は、走行情報に基づき、抽出した施設設置候補地点の周辺の交通道路環境情報を生成して抽出すると処理をS209に移行させる。
【0097】
ステップS209では、表示制御部132は、抽出した施設設置候補地点及びその周辺の交通道路環境情報を、出力手段160であるディスプレイに地図画像に表示する制御を行い、処理をS207に移行させる。
【0098】
ステップS210では、制御手段130は、物流センターの提供希望者に対し、所定の範囲を拡張させるか否かを判断させる。制御手段130は、物流センターの提供希望者により、入力手段などを用いて所定の範囲を拡張するボタンを画面上で押下されると処理をS211に移行させ、処理を終了するボタンを画面上で押下されると本処理を終了させる。
【0099】
ステップS211では、制御手段130は、所定の範囲の拡張回数Nに1を加え、処理をS212に移行させる。
【0100】
ステップS212では、範囲設定部131は、所定の範囲の拡張回数Nに、物流センターの提供希望者により指定された所定の範囲の辺長bを乗じて、拡張した所定の範囲を設定すると処理をS203に戻す。
【0101】
本実施例では、施設として物流センター又は物流センターの設置候補地点を抽出するが、これに限られることなく、例えば、会社の事業所や工場、ショッピングセンター等の商業施設、などの設置候補地点を抽出するようにしてもよい。
【0102】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
第一の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、既存及び/又は新設予定の施設の位置情報を含む施設情報に基づき、既存及び/又は新設予定の前記施設を抽出すると共に、
車両の速度、位置及び時刻の情報を含む走行情報に基づいて生成した前記施設の周辺の交通道路環境情報を併せて抽出する第一の抽出処理と、
第二の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、前記第一の抽出処理で前記施設が存在しないと判定した前記所定の範囲の、前記第一の利用者に前記指定された地点を施設設置候補地点として抽出すると共に、
前記走行情報に基づいて生成した前記施設設置候補地点の周辺の前記交通道路環境情報を併せて抽出する第二の抽出処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする抽出プログラム。
(付記2)
前記交通道路環境情報が、前記車両の平均速度情報、前記車両の通行量情報、前記車両の等時間移動圏情報、及び、前記施設又は前記施設設置候補地点から所定のランドマーク地点までの所要時間のうち少なくともいずれかを含む付記1に記載の抽出プログラム。
(付記3)
前記平均速度情報、前記通行量情報、前記等時間移動圏情報、及び、前記所定のランドマーク地点までの所要時間のうち少なくともいずれかが、曜日別、日別、時間帯別、及び上下車線別の少なくともいずれかに分類される付記2に記載の抽出プログラム。
(付記4)
前記交通道路環境情報が、道路に関する情報を更に含む付記1から3のいずれかに記載の抽出プログラム。
(付記5)
前記道路に関する情報が、道路の平坦性情報、道路のひび割れ情報、道路の路面下の空洞情報、道路に設置された付属物情報、道路の路面下のインフラ設備情報、道路標識情報、及び道路の補修履歴情報の少なくともいずれかである付記4に記載の抽出プログラム。
(付記6)
前記第一の抽出処理において、前記第一の利用者により抽出条件を更に指定され、前記指定された地点の位置情報を前記抽出条件の情報と対応付けて格納し、
前記第二の抽出処理において、抽出した前記施設設置候補地点の位置情報及び前記施設設置候補地点の周辺の前記交通道路環境情報と共に、前記第一の利用者により指定された前記抽出条件の情報を抽出する付記1から5のいずれかに記載の抽出プログラム。
(付記7)
前記抽出条件が、利用できる業種、前記施設の規模、及び、利用開始時期のうち少なくともいずれかを含む付記6に記載の抽出プログラム。
(付記8)
前記所定の範囲を第一の範囲とし、前記第一の範囲における抽出結果を第一の抽出結果とした場合、前記第一の抽出結果において前記施設が存在しないとき、前記第一の範囲を含み、かつ前記第一の範囲よりも広い第二の範囲を設定して、前記第二の範囲において前記施設を抽出する付記1から7のいずれかに記載の抽出プログラム。
(付記9)
前記第一の抽出処理において抽出した既存及び/又は新設予定の前記施設、又は前記第二の抽出処理において抽出した前記施設設置候補地点を、地図画像に表示する制御を行う付記1から8のいずれかに記載の抽出プログラム。
(付記10)
前記地図画像において、前記施設設置候補地点を抽出した時期に応じた色彩、模様、図形、記号、及び文字の少なくともいずれかにより表示する制御を行う付記9に記載の抽出プログラム。
(付記11)
第一の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、既存及び/又は新設予定の施設の位置情報を含む施設情報に基づき、既存及び/又は新設予定の前記施設を抽出すると共に、
車両の速度、位置及び時刻の情報を含む走行情報に基づき、抽出した前記施設の周辺の交通道路環境情報を併せて抽出する第一の抽出工程と、
第二の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、前記第一の抽出工程で前記施設が存在しないと判定した前記所定の範囲で、前記第一の利用者に前記指定された地点を施設設置候補地点として抽出すると共に、
前記走行情報に基づき、生成した前記施設設置候補地点の周辺の前記交通道路環境情報を併せて抽出する第二の抽出工程と、
を含むことを特徴とする抽出方法。
(付記12)
車両の速度、位置及び時刻の情報を含む走行情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記走行情報を情報処理装置に送信する通信手段と、
を有する走行情報取得端末装置と、
第一の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、既存及び/又は新設予定の施設の位置情報を含む施設情報に基づき、既存及び/又は新設予定の前記施設を抽出すると共に、
前記走行情報に基づいて生成した前記施設の周辺の交通道路環境情報を併せて抽出する第一の抽出処理と、
第二の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、前記第一の抽出処理で前記施設が存在しないと判定した前記所定の範囲で、前記第一の利用者に前記指定された地点を施設設置候補地点として抽出すると共に、
前記走行情報に基づいて生成した前記施設設置候補地点の周辺の前記交通道路環境情報を併せて抽出する第二の抽出処理と、を行う抽出装置と、
を有することを特徴とする抽出システム。
(付記13)
第一の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、既存及び/又は新設予定の施設の位置情報を含む施設情報に基づき、既存及び/又は新設予定の前記施設を抽出すると共に、
車両の速度、位置及び時刻の情報を含む走行情報に基づいて生成した前記施設の周辺の交通道路環境情報を併せて抽出する第一の抽出処理と、
第二の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、前記第一の抽出処理で前記施設が存在しないと判定した前記所定の範囲で、前記第一の利用者に前記指定された地点を施設設置候補地点として抽出すると共に、
前記走行情報に基づいて生成した前記施設設置候補地点の周辺の前記交通道路環境情報を併せて抽出する第二の抽出処理と、
を行う抽出手段を有することを特徴とする抽出装置。
(付記14)
第一の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、既存及び/又は新設予定の施設の位置情報を含む施設情報に基づき、既存及び/又は新設予定の前記施設を抽出すると共に、
車両の速度、位置及び時刻の情報を含む走行情報に基づいて生成した前記施設の周辺の交通道路環境情報を併せて抽出して格納する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする施設情報格納プログラム。
(付記15)
第二の利用者に指定された地点を含む所定の範囲において、第一の利用者に指定された地点を含む所定の範囲で既存及び/又は新設予定の施設の位置情報を含む施設情報に基づき、既存及び/又は新設予定の前記施設を抽出した際に前記施設が存在しないと判定した前記所定の範囲の、前記第一の利用者に前記指定された地点を施設設置候補地点として抽出すると共に、
車両の速度、位置及び時刻の情報を含む走行情報に基づいて生成した前記施設設置候補地点の周辺の交通道路環境情報を併せて抽出して格納する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする施設設置候補地点情報格納プログラム。
【符号の説明】
【0103】
10 抽出システム
100 抽出装置(情報処理装置)
110 通信手段
120 記憶手段
130 制御手段
131 範囲設定部
132 表示制御部
140 抽出手段
150 入力手段
160 出力手段
300 走行情報取得端末装置
400 車両
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