【実施例】
【0016】
以下、本発明の一実施例を説明するが、本発明は、この実施例に何ら限定されるものではない。
以下では、移動体としての車両を用いて説明する。このため、移動体を車両と、移動履歴データを走行履歴データと、移動経路を走行経路と、移動区間を走行区間と、適宜読み替えて説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施例に係る移動経路検索装置100を含むシステム10の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、システム10は、本発明の移動経路検索装置100と、車両A、B、C、・・・にそれぞれ搭載されている端末装置200a、200b、200c、・・・を有し、ネットワーク300を介してそれぞれ通信可能に接続されている。
移動経路検索装置100は、車両A、B、C、・・・にそれぞれ搭載されている端末装置200a、200b、200c、・・・から、走行履歴データをそれぞれ取得して格納する。
【0018】
なお、端末装置200a、200b、200c、・・・は、装置の構成についてそれぞれ同様であることから、以下では「端末装置200」と称してまとめて説明する。
また、端末装置は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタルタコグラフや、カーナビゲーションシステムの車載装置などが挙げられる。
【0019】
次に、移動経路検索装置100のハードウェア構成及び機能構成についてそれぞれ説明する。
【0020】
(移動経路検索装置)
<移動経路検索装置のハードウェア構成>
図2は、移動経路検索装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、移動経路検索装置100は以下の各部を有する。各部は、バス107を介してそれぞれ接続されている。
【0021】
CPU(Central Processing Unit)101は、種々の制御や演算を行なう処理装置である。CPU101は、主記憶装置102などが記憶するOS(Operating System)やプログラムを実行することにより、種々の機能を実現する。すなわち、CPU101は、本実施例では、移動経路検索プログラムを実行することにより、後述する制御部140として機能する。
移動経路検索プログラムは、必ずしも最初から主記憶装置102、補助記憶装置103などに記憶されていなくともよい。また、インターネット、LAN、WANなどを介して移動経路検索装置100に接続される他の情報処理装置などに移動経路検索プログラムを記憶させ、移動経路検索装置100がこれらから移動経路検索プログラムを取得して実行するようにしてもよい。
【0022】
また、CPU101は、移動経路検索装置100全体の動作を制御する。なお、本実施例では、移動経路検索装置100全体の動作を制御する装置をCPU101としたが、これに限ることなく、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)などとしてもよい。
【0023】
主記憶装置102は、各種プログラムを記憶し、各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。
主記憶装置102は、図示しない、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を有する。
ROMは、BIOS(Basic Input/Output System)等の各種プログラムなどを記憶している。
RAMは、ROMに記憶された各種プログラムがCPU101により実行される際に展開される作業範囲として機能する。RAMとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。RAMとしては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)などが挙げられる。
【0024】
補助記憶装置103としては、各種情報を記憶できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブなどが挙げられる。また、補助記憶装置103は、CD(Compact Disc)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)ドライブなどの可搬記憶装置としてもよい。
【0025】
通信インターフェイス104は、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、無線又は有線を用いた通信デバイスなどが挙げられる。
【0026】
入力装置105は、移動経路検索装置100に対する各種要求を受け付けることができれば特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。
【0027】
出力装置106は、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、ディスプレイ、スピーカーなどが挙げられる。出力装置106としては、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどが挙げられる。
【0028】
なお、移動経路検索装置100は、ネットワーク上のコンピュータ群であるクラウドの一部であってもよい。
【0029】
<移動経路検索装置の機能構成>
図3は、移動経路検索装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、移動経路検索装置100は、通信部110と、記憶部120と、入力部130と、制御部140と、を有する。
【0030】
通信部110は、制御部140の指示に基づき、通信インターフェイス104を用いて走行履歴データを各端末装置200から受信する。
【0031】
記憶部120は、補助記憶装置103に、走行履歴データベース121と、道路地図データベース122と、走行経路別走行履歴データベース123と、代表走行経路データベース124と、を有する。以下、「データベース」を「DB」と称することもある。
走行履歴DB121は、通信部110が受信した走行履歴データを走行履歴データ群として記憶する。
【0032】
図4は、走行履歴DB121が記憶する走行履歴データの一例を示す図である。
図4に示すように、走行履歴データは、本実施例では「車両ID、トリップID、取得日時、位置情報(経度、緯度)、速度、出発日時、出発地(経度、緯度)、到着日時、目的地(経度、緯度)」のデータ項目を含む。
【0033】
「車両ID」のデータ項目は、本実施例では、端末装置200が搭載されている当該車両を識別するためのデータであり、予め設定される。
「トリップID」のデータ項目は、本実施例では、目的をもってある出発地からある到着地へ移動する単位であるトリップを識別するためのデータである。
「取得日時」及び「位置情報(経度、緯度)」のデータ項目は、本実施例では、端末装置200に搭載されているGPS(Global Positioning System)ユニットにより取得される。
「速度」のデータ項目は、本実施例では、GPSユニットと同期させ、端末装置200が有する速度センサを用いて車両の車軸から計測した結果である。
「出発日時」及び「出発地(経度、緯度)」のデータ項目は、本実施例では、当該トリップの出発日時及び出発地の経度緯度である。
「到着日時」及び「目的地(経度、緯度)」のデータ項目は、本実施例では、当該トリップの到着日時及び目的地の経度緯度である。
【0034】
図5及び
図6は、道路地
図DB122が記憶する道路地図データの一例を示す図である。本実施例では、道路地図データは、ノード及びリンクにより形成されている。
【0035】
図5に示すように、道路地図データにおける交差点や分岐点等を示すノードのデータは、本実施例では、「ノード番号、ノード位置(緯度、経度)」のデータ項目を含む。
【0036】
「ノード番号」のデータ項目は、本実施例では、ノードを識別するための番号である。
「ノード位置(緯度、経度)」のデータ項目は、本実施例では、ノードの位置を示す緯度経度である。
【0037】
図6に示すように、道路地図データにおける道路区間としてのリンクのデータは、本実施例では、「リンク番号、リンク位置(緯度、経度)、リンク距離」のデータ項目を含む。
【0038】
「リンク番号」のデータ項目は、本実施例では、リンクを識別するための番号である。
「リンク位置(緯度、経度)」のデータ項目は、本実施例では、リンクの両端の位置を示す緯度経度である。
「リンク距離」のデータ項目は、本実施例では、リンクの一端から他端までの距離を示す。
【0039】
図7は、走行経路別走行履歴DB123が記憶する走行経路別走行履歴データの一例を示す図である。
図7に示すように、走行経路別走行履歴データは、本実施例では、「走行順序、リンク番号、リンク距離、走行履歴データ数」のデータ項目を含む。
【0040】
「走行順序」のデータ項目は、本実施例では、出発地から目的地までに通過するリンクに対し、走行順に番号を付したものである。
「リンク番号」及び「リンク距離」のデータ項目は、
図6の「リンク番号」及び「リンク距離」のデータ項目と同様であるため、その説明を省略する。
「走行履歴データ数」のデータ項目は、本実施例では、当該リンクを通過した車両の走行履歴データの数を示す。
なお、代表走行経路DB124が記憶する代表走行経路データは、走行経路別走行履歴データから抽出されたデータであり、走行経路別走行履歴データのデータ項目と同様になるため、説明を省略する。
【0041】
図3に戻り、入力部130は、ユーザから、出発地及び目的地の情報、及び目的地への到着時刻の情報を受け付ける。
出発地及び目的地の情報は、本実施例では、点での情報として地点の名称を受け付け、範囲での情報として、所定の半径の情報を受け付けている。
具体的には、地点の名称「大阪」、目的地としての地点の名称「名古屋」を受け付け、
図8中の点線で示すように、それぞれ「大阪」を中心に所定の半径の範囲を出発地とし、「名古屋」を中心に所定の半径の範囲を目的地とする。
なお、地点の名称として「大阪」を受け付けた場合には、「大阪」を大阪府庁、大阪駅などのいずれかの位置としてもよい。
また、入力部130は、移動経路検索装置100に対する各種指示を受け付ける。
【0042】
<<制御部>>
制御部140は、第1の抽出部141と、第2の抽出部142と、を有する。
第1の抽出部141は、
図8に示すように、出発地及び目的地を通過した車両の走行履歴データ群から、出発地から目的地までの走行経路を抽出する。
【0043】
第2の抽出部142は、抽出した走行経路において、走行経路の一致率が相互間で所定値以上となる走行経路を群として抽出する。例えば、
図9に示すように、第2の抽出部142は、走行経路の一致率が相互間で所定値以上となる走行経路、即ち類似の走行経路を、群としてまとめることができる。第2の抽出部142は、群としてまとめた走行経路のうち、最も走行履歴データの数が多い走行経路を代表走行経路とすることができる。
ここで、
図10及び
図11に示す走行経路のデータを例に、走行経路の一致率の算出方法を説明する。
図10は、出発地から目的地までの走行経路のデータの一例を示す図である。
図11は、出発地から目的地までの走行経路のデータの他の一例を示す図である。
まず、第2の抽出部142は、
図10及び
図11の2つの走行経路のデータを比較する。その結果、
図10及び
図11におけるそれぞれ網掛け部が不一致部分であることが確認できる。次に、第2の抽出部142は、出発地から目的地までの全距離をそれぞれ算出する。そして、第2の抽出部142は、それぞれの走行経路において、出発地から目的地までの走行経路における全距離に対する、共通する移動区間の距離の割合を走行経路の一致率として算出する。
所定の値を90%とすると、
図10及び
図11における走行経路の一致率が90%以上であるから、第2の抽出部142は、
図10及び
図11の2つの走行経路は1つの群として抽出する。
このとき、
図10及び
図11の2つの走行経路を道路地図上に表すと、
図12に示すように、群として抽出した走行経路には不一致部分A及びBがそれぞれ存在する。
【0044】
次に、第2の抽出部142は、群として抽出した走行経路毎に、走行経路の不一致部分を走行履歴データの数が多い方に集約した走行経路を代表走行経路として抽出する。
ここで、
図13は、
図12の不一致部分A及びBの近傍における、リンク、ノード、及び走行履歴データ数の一例を示す図である。
図13に示すように、不一致部分Aよりも不一致部分Bのほうが、走行履歴データ数が多いため、第2の抽出部142は、不一致部分Bのほうに集約された走行経路を、
図14中の代表走行経路1として抽出する。また、
図14では、第2の抽出部142が、代表走行経路1とは別の2つの走行経路で、代表走行経路1と同様に、群の状態から不一致部分を集約した走行経路を、代表走行経路2及び3として抽出している状態を示している。
【0045】
第1の抽出部141は、受け付けた始点(出発地)及び/又は終点(目的地)の情報に基づき、走行経路を抽出する。この際、抽出した走行経路における走行履歴データの数が所定数以下の場合には、次のようにすることができる(
図17のS107)。第1の抽出部141は、受け付けた出発地及び目的地の情報により指定された少なくともいずれかの点を、所定の大きさの範囲に拡大することができる(
図17のS108)。つまり、第1の抽出部141は、受け付けた指定点を範囲にする、又は範囲を拡大することができる。
例えば、第1の抽出部141は、受け付けた指定点を、指定点を中心とする円などの範囲、或いは、指定点を含む標準地域メッシュや行政区画に範囲を広げることができる。
更に、第1の抽出部141は、指定点を中心とする円の範囲とした場合、円の半径を大きくすることができる。または、第1の抽出部141は、標準地域メッシュの範囲を、狭いメッシュから広いメッシュに変更することができる。第1の抽出部141は、行政区画の範囲を、丁目番地レベルから市町村レベルに、或いは、市町村レベルから都道府県レベルなどに変更することができる。
このようにすることで、第1の抽出部141は、走行履歴データの数を所定の数より大きくすることができ、十分な走行履歴データの数を確保し、確度の高い走行経路の候補を提示することができる。
【0046】
また、制御部140は、終点の到着時刻の情報を更に受け付け、群として抽出した走行経路毎に、到着時刻を超えない代表走行経路を抽出する。
これにより、例えば、目的地の到着時刻の指定を受け付けた制御部140は、所要時間を優先した走行経路を提示することができる。
【0047】
なお、制御部140は、記憶部120に記憶された各種プログラムを実行し、移動経路検索装置100全体を制御する。
【0048】
次に、
図1に戻り、移動経路検索装置100にネットワーク300を介して接続されている端末装置200について説明する。端末装置200のハードウェア構成及び機能構成について以下説明する。
【0049】
(端末装置)
端末装置200は、走行時の車両の位置及び時刻の情報を含む走行履歴データを取得し、ネットワーク300を介して、移動経路検索装置100へ送信する。また、端末装置200は、移動経路検索装置100で得られた走行経路の候補の結果を受信し提示してもよい。
【0050】
<端末装置のハードウェア構成>
図15は、端末装置200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図15に示すように、端末装置200は、以下の各部を有する。各部は、バス207を介してそれぞれ接続されている。
【0051】
CPU201は、種々の制御や演算を行う処理装置である。CPU201は、主記憶装置202などが記憶するOSやプログラムを実行することにより、種々の機能を実現する。すなわち、CPU201は、端末装置の各種プログラムを実行することにより端末装置の制御部240として機能する。
端末装置の各種プログラムは、必ずしも最初から主記憶装置202に、補助記憶装置203などに記憶されていなくともよい。また、インターネット、LAN、WANなどを介して、端末装置200に接続される他の情報処理装置などに端末装置の各種プログラムを記憶させ、端末装置200がこれらから端末装置の各種プログラムを取得して実行するようにしてもよい。
また、CPU201は、端末装置200全体の動作を制御する。なお、本実施例では、端末装置200全体の動作を制御する装置をCPU201としたが、これに限ることなく、例えば、FPGAなどとしてもよい。
主記憶装置202は、各種プログラムを記憶し、各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。
主記憶装置202は、図示しない、ROMと、RAMと、を有する。
ROMは、BIOS等の各種プログラム等を記憶している。
RAMは、ROMに記憶された各種プログラムがCPU201により実行される際に展開される作業範囲として機能する。RAMとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。RAMとしては、例えば、DRAM、SRAMなどが挙げられる。
【0052】
補助記憶装置203としては、各種情報を記憶できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブなどが挙げられる。また、補助記憶装置203は、CDドライブ、DVDドライブ、BDドライブなどの可搬記憶装置としてもよい。
【0053】
通信インターフェイス204は、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、無線又は有線を用いた通信デバイスなどが挙げられる。
【0054】
入力装置205は、端末装置200に対する各種要求を受け付けることができれば、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、タッチパネルなどが挙げられる。
【0055】
出力装置206は、ディスプレイやスピーカーなどを用いることができる。ディスプレイとしては、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイが挙げられる。
【0056】
<端末装置の機能構成>
図16は、端末装置200の機能構成の一例を示すブロック図である。
図16に示すように、端末装置200は、通信部220と、記憶部230と、制御部240と、取得部250と、出力部260と、を有する。
【0057】
通信部220は、制御部240の指示に基づき、通信インターフェイス204を用いて、走行データを移動経路検索装置100へ送信する。
また、通信部220は、移動経路検索装置100で得られた走行経路の候補の検索結果を受信してもよい。
記憶部230は、移動経路検索装置100から受信した走行経路の候補の検索結果を補助記憶装置203に記憶する。記憶部230は、道路地
図DBを有していてもよい。
制御部240は、本実施例では、端末装置200全体の動作を制御する機能を有する。
取得部250は、GPSユニットと、速度センサなどを有する。
GPSユニット及び速度センサを同期させて取得した位置の情報及び速度の情報を、同期させた時刻の情報と対応づけて走行データとする。
出力部260は、移動経路検索装置100から受信した走行経路の候補の検索結果を、ディスプレイやスピーカーで出力する。例えば、
図14で示すように、地図上に走行経路の候補を表示する。
【0058】
図17は、移動経路検索装置100が出発地及び目的地の情報を受け付け、出発地から目的地までの走行経路を抽出する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ここでは、移動経路検索装置100が出発地及び目的地の情報を受け付け、出発地から目的地までの走行経路を抽出する処理を、
図17に示すフローチャートにしたがって説明する。
【0059】
ステップS101では、制御部140は、道路地
図DB122に基づき、ユーザから入力部130により出発地及び目的地の情報を受け付け、処理をS102に移行する。
【0060】
ステップS102では、制御部140は、受け付けた出発地及び目的地を通過した車両の走行履歴DB121から、出発地から目的地までの走行経路のリンク番号を抽出し、処理をS103に移行する。
【0061】
ステップS103では、制御部140は、抽出したリンク番号のリンクを通過した走行経路を抽出し、処理をS104に移行する。
【0062】
ステップS104では、制御部140は、出発地及び目的地の両方を通過した走行経路が存在するか否かを判定する。制御部140は、出発地及び目的地の両方を通過した走行経路が存在すると判定すると、処理をS105に移行する。制御部140は、出発地及び目的地の両方を通過した走行経路が存在しないと判定すると、処理をS106に移行する。
【0063】
ステップS105では、制御部140は、出発地及び目的地の両方を通過した走行経路を走行経路別走行履歴DB123に出力し、処理をS106に移行する。
【0064】
ステップS106では、制御部140は、まだ抽出していない走行経路が存在するか否かを判定する。制御部140は、まだ抽出していない走行経路が存在すると判定すると、処理をS103に戻す。制御部140は、まだ抽出していない走行経路が存在しないと判定すると、処理をS107に移行する。
【0065】
ステップS107では、制御部140は、走行経路の走行履歴データの数が所定値以上か否かを判定する。制御部140は、走行経路の走行履歴データの数が所定値以上であると判定すると、本処理を終了する。制御部140は、走行経路の走行履歴データの数が所定値以上ではないと判定すると、処理をS108に移行する。
【0066】
ステップS108では、制御部140は、指定範囲の半径を拡大し、処理をS101に戻す。
【0067】
図18は、移動経路検索装置100が不一致部分を集約して代表走行経路を出力する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
ここでは、移動経路検索装置100が不一致部分を集約して代表走行経路を出力するフローを、
図18に示すフローチャートにしたがって説明する。
【0068】
ステップS201では、制御部140は、基準にする走行経路を走行経路別走行履歴DB123から読み出し、処理をS202に移行する。なお、基準にする走行経路は、走行履歴データの数が最大の走行経路である。
【0069】
ステップS202では、制御部140は、比較する走行経路を走行経路別走行履歴DB123から読み出し、処理をS203に移行する。
【0070】
ステップS203では、制御部140は、走行経路の一致率が所定値以上か否かを判定する。制御部140は、走行経路の一致率が所定値以上であると判定すると、処理をS204に移行する。制御部140は、走行経路の一致率が所定値以上ではないと判定すると、処理をS205に移行する。
【0071】
ステップS204では、制御部140は、不一致部分を走行履歴データの数が多い走行経路に集約し、処理をS205に移行する。
【0072】
ステップS205では、制御部140は、まだ比較していない走行経路が存在するか否かを判定する。制御部140は、比較していない走行経路が存在すると判定すると、処理をS202に戻る。制御部140は、比較していない走行経路は存在しないと判定すると、処理をS206に移行する。
【0073】
ステップS206では、制御部140は、集約した走行経路を代表走行経路として代表走行経路DB124に出力すると、本処理を終了する。
【0074】
以上説明したように、移動経路検索装置は、始点及び終点を受け付け、移動体の移動履歴データ群から抽出した始点から終点までの移動経路において、移動経路の一致率が相互間で所定値以上の移動経路を群として複数抽出する。これにより、移動経路検索装置は、非類似の移動経路を提示できる。
【0075】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
始点及び終点の情報を受け付け、
前記始点及び前記終点を通過した移動体の移動履歴データ群から、前記始点から前記終点までの移動経路を抽出し、
抽出した前記移動経路において、前記移動経路の一致率が相互間で所定値以上となる前記移動経路を群として複数抽出する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする、移動経路検索プログラム。
(付記2)
抽出した前記移動経路の一致率をそれぞれ算出する際に、前記移動履歴データの数が最大である前記移動経路を基準にして他の前記移動経路と比較する、
ことを特徴とする、付記1に記載の移動経路検索プログラム。
(付記3)
群として抽出した前記移動経路毎に、前記移動経路の不一致部分を前記移動履歴データの数が多い方に集約した前記移動経路を代表移動経路として抽出する、
ことを特徴とする、付記1又は2に記載の移動経路検索プログラム。
(付記4)
前記終点の到着時刻の情報を更に受け付け、
群として抽出した前記移動経路毎に、前記到着時刻を超えない前記代表移動経路を抽出する、
ことを特徴とする、付記3に記載の移動経路検索プログラム。
(付記5)
抽出した前記移動経路における前記移動履歴データの数が所定数以下の場合には、受け付けた前記始点及び前記終点の情報により指定された少なくともいずれかの点を、所定の大きさの範囲に拡大する、
ことを特徴とする、付記1から4のいずれか一項に記載の移動経路検索プログラム。
(付記6)
始点及び終点の情報を受け付け、
前記始点及び前記終点を通過した移動体の移動履歴データ群から、前記始点から前記終点までの移動経路を抽出し、
抽出した前記移動経路において、前記移動経路の一致率が相互間で所定値以上となる前記移動経路を群として複数抽出する、
処理を実行する制御部を有することを特徴とする、移動経路検索装置。
(付記7)
抽出した前記移動経路の一致率をそれぞれ算出する際に、前記移動履歴データの数が最大である前記移動経路を基準にして他の前記移動経路と比較する、
ことを特徴とする、付記6に記載の移動経路検索装置。
(付記8)
群として抽出した前記移動経路毎に、前記移動経路の不一致部分を前記移動履歴データの数が多い方に集約した前記移動経路を代表移動経路として抽出する、
ことを特徴とする、付記6又は7に記載の移動経路検索装置。
(付記9)
前記終点の到着時刻の情報を更に受け付け、
群として抽出した前記移動経路毎に、前記到着時刻を超えない前記代表移動経路を抽出する、
ことを特徴とする、付記8に記載の移動経路検索装置。
(付記10)
抽出した前記移動経路における前記移動履歴データの数が所定数以下の場合には、受け付けた前記始点及び前記終点の情報により指定された少なくともいずれかの点を、所定の大きさの範囲に拡大する、
ことを特徴とする、付記6から9のいずれか一項に記載の移動経路検索装置。
(付記11)
始点及び終点の情報を受け付け、
前記始点及び前記終点を通過した移動体の移動履歴データ群から、前記始点から前記終点までの移動経路を抽出し、
抽出した前記移動経路において、前記移動経路の一致率が相互間で所定値以上となる前記移動経路を群として複数抽出する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする、移動経路検索方法。
(付記12)
抽出した前記移動経路の一致率をそれぞれ算出する際に、前記移動履歴データの数が最大である前記移動経路を基準にして他の前記移動経路と比較する、
ことを特徴とする、付記11に記載の移動経路検索方法。
(付記13)
群として抽出した前記移動経路毎に、前記移動経路の不一致部分を前記移動履歴データの数が多い方に集約した前記移動経路を代表移動経路として抽出する、
ことを特徴とする、付記11又は12に記載の移動経路検索方法。
(付記14)
前記終点の到着時刻の情報を更に受け付け、
群として抽出した前記移動経路毎に、前記到着時刻を超えない前記代表移動経路を抽出する、
ことを特徴とする、付記13に記載の移動経路検索方法。
(付記15)
抽出した前記移動経路における前記移動履歴データの数が所定数以下の場合には、受け付けた前記始点及び前記終点の情報により指定された少なくともいずれかの点を、所定の大きさの範囲に拡大する、
ことを特徴とする、付記11から14のいずれか一項に記載の移動経路検索方法。