特許第6951698号(P6951698)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6951698ペット用薬箱、ペット用薬剤特定方法、ペット用薬剤特定プログラム、およびペット用遠隔医療診断システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6951698
(24)【登録日】2021年9月29日
(45)【発行日】2021年10月20日
(54)【発明の名称】ペット用薬箱、ペット用薬剤特定方法、ペット用薬剤特定プログラム、およびペット用遠隔医療診断システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20211011BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20211011BHJP
【FI】
   G16H20/10
   G06Q50/10
【請求項の数】18
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-226739(P2019-226739)
(22)【出願日】2019年12月16日
(65)【公開番号】特開2020-144840(P2020-144840A)
(43)【公開日】2020年9月10日
【審査請求日】2019年12月20日
(31)【優先権主張番号】特願2019-36816(P2019-36816)
(32)【優先日】2019年2月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】516231165
【氏名又は名称】株式会社ネクイノ
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】渡部 弘一
(72)【発明者】
【氏名】石井 健一
【審査官】 岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−215769(JP,A)
【文献】 特開2005−251129(JP,A)
【文献】 特開2010−170504(JP,A)
【文献】 特開平09−034942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 − 80/00
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
獣医からの薬剤を示す薬剤情報を受け付ける受付部と、
前記薬剤情報に基づいてペットに処方すべき薬剤を特定する特定部と、
前記特定部が特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤から区別可能に提示する提示部と、
前記獣医の端末と通信する通信部と、
薬剤を収納するためのものであって、薬剤毎に設けられた収納部と、
前記収納部各々に収納されている薬剤を示す収納薬剤情報を記憶する記憶部と、
前記収納部毎に設けられた発光部と、
を備え、
前記受付部は、前記通信部を介して前記薬剤情報を受け付け、
前記特定部は、前記受付部が受け付けた薬剤情報が示す薬剤が収納されている収納部を、前記収納薬剤情報に基づいて特定し、
前記提示部は、前記特定部が特定した収納部に対応する発光部を発光させることにより、前記ペットに処方すべき薬剤を提示する
ペット用薬箱。
【請求項2】
獣医からの薬剤を示す薬剤情報を受け付ける受付部と、
前記薬剤情報に基づいてペットに処方すべき薬剤を特定する特定部と、
前記特定部が特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤から区別可能に提示する提示部と、
前記獣医の端末と通信する通信部と、
薬剤を収納するためのものであって、薬剤毎に設けられ、個々に蓋部を有する収納部と、
前記収納部各々に収納されている薬剤を示す収納薬剤情報を記憶する記憶部と、
を備え、
前記受付部は、前記通信部を介して前記薬剤情報を受け付け、
前記特定部は、前記受付部が受け付けた薬剤情報が示す薬剤が収納されている収納部を、前記収納薬剤情報に基づいて特定し、
前記提示部は、前記特定部が特定した収納部の蓋部を開くことにより、前記ペットに処方すべき薬剤を提示する、
ペット用薬箱。
【請求項3】
獣医からの薬剤を示す薬剤情報を受け付ける受付部と、
前記薬剤情報に基づいてペットに処方すべき薬剤を特定する特定部と、
前記特定部が特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤から区別可能に提示する提示部と、
前記獣医の会話音を取得する音声入力部と、
前記音声入力部に入力された会話音から前記薬剤情報を解析する解析部と、
薬剤を収納するためのものであって、薬剤毎に設けられた収納部と、
前記収納部各々に収納されている薬剤を示す収納薬剤情報を記憶する記憶部と、
前記収納部毎に設けられた発光部と、
を備え、
前記受付部は、前記解析部が解析した前記薬剤情報を受け付け、
前記特定部は、前記受付部が受け付けた薬剤情報が示す薬剤が収納されている収納部を、前記収納薬剤情報に基づいて特定し、
前記提示部は、前記特定部が特定した収納部に対応する発光部を発光させることにより、前記ペットに処方すべき薬剤を提示する
ペット用薬箱。
【請求項4】
獣医からの薬剤を示す薬剤情報を受け付ける受付部と、
前記薬剤情報に基づいてペットに処方すべき薬剤を特定する特定部と、
前記特定部が特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤から区別可能に提示する提示部と、
前記獣医の会話音を取得する音声入力部と、
前記音声入力部に入力された会話音から前記薬剤情報を解析する解析部と、
薬剤を収納するためのものであって、薬剤毎に設けられ、個々に蓋部を有する収納部と、
前記収納部各々に収納されている薬剤を示す収納薬剤情報を記憶する記憶部と、
を備え、
前記受付部は、前記解析部が解析した前記薬剤情報を受け付け、
前記特定部は、前記受付部が受け付けた薬剤情報が示す薬剤が収納されている収納部を、前記収納薬剤情報に基づいて特定し、
前記提示部は、前記特定部が特定した収納部の蓋部を開くことにより、前記ペットに処方すべき薬剤を提示する、
ペット用薬箱。
【請求項5】
前記収納部各々の重量を測定するための測定部と、
前記測定部が測定した重量が所定の閾値を下回った場合に、重量が所定の閾値を下回った収納部に収納されている薬剤の補充を提案する提案部を備える、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のペット用薬箱。
【請求項6】
前記提案部は、前記獣医の端末に、重量が所定の閾値を下回った収納部に収納されている薬剤の情報を通知することにより、薬剤の補充を提案する、
ことを特徴とする請求項5に記載のペット用薬箱。
【請求項7】
ペット用薬箱のコンピュータが、
獣医からの薬剤を示す薬剤情報を受け付ける受付ステップと、
前記薬剤情報に基づいてペットに処方すべき薬剤を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにおいて特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤
から区別可能に提示する提示ステップと、
を実行し、
ペット用薬箱は、
前記獣医の端末と通信する通信部と、
薬剤を収納するためのものであって、薬剤毎に設けられた収納部と、
前記収納部各々に収納されている薬剤を示す収納薬剤情報を記憶する記憶部と、
前記収納部毎に設けられた発光部と、
を備え、
前記受付ステップは、前記通信部を介して前記薬剤情報を受け付け、
前記特定ステップは、前記受付ステップが受け付けた薬剤情報が示す薬剤が収納されている収納部を、前記収納薬剤情報に基づいて特定し、
前記提示ステップは、前記特定ステップが特定した収納部に対応する発光部を発光させることにより、前記ペットに処方すべき薬剤を提示する
ペット用薬剤特定方法。
【請求項8】
ペット用薬箱のコンピュータが、
獣医からの薬剤を示す薬剤情報を受け付ける受付ステップと、
前記薬剤情報に基づいてペットに処方すべき薬剤を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにおいて特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤
から区別可能に提示する提示ステップと、
を実行し、
ペット用薬箱は、
前記獣医の端末と通信する通信部と、
薬剤を収納するためのものであって、薬剤毎に設けられ、個々に蓋部を有する収納部と、
前記収納部各々に収納されている薬剤を示す収納薬剤情報を記憶する記憶部と、
を備え、
前記受付ステップは、前記通信部を介して前記薬剤情報を受け付け、
前記特定ステップは、前記受付ステップが受け付けた薬剤情報が示す薬剤が収納されている収納部を、前記収納薬剤情報に基づいて特定し、
前記提示ステップは、前記特定ステップが特定した収納部の蓋部を開くことにより、前記ペットに処方すべき薬剤を提示する
ペット用薬剤特定方法。
【請求項9】
ペット用薬箱のコンピュータが、
獣医からの薬剤を示す薬剤情報を受け付ける受付ステップと、
前記薬剤情報に基づいてペットに処方すべき薬剤を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにおいて特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤
から区別可能に提示する提示ステップと、
を実行し、
ペット用薬箱は、
前記獣医の会話音を取得する音声入力部と、
前記音声入力部に入力された会話音から前記薬剤情報を解析する解析部と、
薬剤を収納するためのものであって、薬剤毎に設けられた収納部と、
前記収納部各々に収納されている薬剤を示す収納薬剤情報を記憶する記憶部と、
前記収納部毎に設けられた発光部と、
を備え、
前記受付ステップは、前記解析部が解析した前記薬剤情報を受け付け、
前記特定ステップは、前記受付ステップが受け付けた薬剤情報が示す薬剤が収納されている収納部を、前記収納薬剤情報に基づいて特定し、
前記提示ステップは、前記特定ステップが特定した収納部に対応する発光部を発光させることにより、前記ペットに処方すべき薬剤を提示する
ペット用薬剤特定方法。
【請求項10】
ペット用薬箱のコンピュータが、
獣医からの薬剤を示す薬剤情報を受け付ける受付ステップと、
前記薬剤情報に基づいてペットに処方すべき薬剤を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにおいて特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤
から区別可能に提示する提示ステップと、
を実行し、
ペット用薬箱は、
前記獣医の会話音を取得する音声入力部と、
前記音声入力部に入力された会話音から前記薬剤情報を解析する解析部と、
薬剤を収納するためのものであって、薬剤毎に設けられ、個々に蓋部を有する収納部と、
前記収納部各々に収納されている薬剤を示す収納薬剤情報を記憶する記憶部と、
を備え、
前記受付ステップは、前記解析部が解析した前記薬剤情報を受け付け、
前記特定ステップは、前記受付ステップが受け付けた薬剤情報が示す薬剤が収納されている収納部を、前記収納薬剤情報に基づいて特定し、
前記提示ステップは、前記特定ステップが特定した収納部の蓋部を開くことにより、前記ペットに処方すべき薬剤を提示する
ペット用薬剤特定方法。
【請求項11】
ペット用薬箱のコンピュータに、
獣医からの薬剤を示す薬剤情報を受け付ける受付機能と、
前記薬剤情報に基づいてペットに処方すべき薬剤を特定する特定機能と、
前記特定機能が特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤から区別可
能に提示する提示機能と、
を実行させ、
ペット用薬箱は、
前記獣医の端末と通信する通信部と、
薬剤を収納するためのものであって、薬剤毎に設けられた収納部と、
前記収納部各々に収納されている薬剤を示す収納薬剤情報を記憶する記憶部と、
前記収納部毎に設けられた発光部と、
を備え、
前記受付機能は、前記通信部を介して前記薬剤情報を受け付け、
前記特定機能は、前記受付機能が受け付けた薬剤情報が示す薬剤が収納されている収納部を、前記収納薬剤情報に基づいて特定し、
前記提示機能は、前記特定機能が特定した収納部に対応する発光部を発光させることにより、前記ペットに処方すべき薬剤を提示する
ペット用薬剤特定プログラム。
【請求項12】
ペット用薬箱のコンピュータに、
獣医からの薬剤を示す薬剤情報を受け付ける受付機能と、
前記薬剤情報に基づいてペットに処方すべき薬剤を特定する特定機能と、
前記特定機能が特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤から区別可
能に提示する提示機能と、
を実行させ、
ペット用薬箱は、
前記獣医の端末と通信する通信部と、
薬剤を収納するためのものであって、薬剤毎に設けられ、個々に蓋部を有する収納部と、
前記収納部各々に収納されている薬剤を示す収納薬剤情報を記憶する記憶部と、
を備え、
前記受付機能は、前記通信部を介して前記薬剤情報を受け付け、
前記特定機能は、前記受付機能が受け付けた薬剤情報が示す薬剤が収納されている収納部を、前記収納薬剤情報に基づいて特定し、
前記提示機能は、前記特定機能が特定した収納部の蓋部を開くことにより、前記ペットに処方すべき薬剤を提示する
ペット用薬剤特定プログラム。
【請求項13】
ペット用薬箱のコンピュータに、
獣医からの薬剤を示す薬剤情報を受け付ける受付機能と、
前記薬剤情報に基づいてペットに処方すべき薬剤を特定する特定機能と、
前記特定機能が特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤から区別可
能に提示する提示機能と、
を実行させ、
ペット用薬箱は、
前記獣医の会話音を取得する音声入力部と、
前記音声入力部に入力された会話音から前記薬剤情報を解析する解析部と、
薬剤を収納するためのものであって、薬剤毎に設けられた収納部と、
前記収納部各々に収納されている薬剤を示す収納薬剤情報を記憶する記憶部と、
前記収納部毎に設けられた発光部と、
を備え、
前記受付機能は、前記解析部が解析した前記薬剤情報を受け付け、
前記特定機能は、前記受付機能が受け付けた薬剤情報が示す薬剤が収納されている収納部を、前記収納薬剤情報に基づいて特定し、
前記提示機能は、前記特定機能が特定した収納部に対応する発光部を発光させることにより、前記ペットに処方すべき薬剤を提示する
ペット用薬剤特定プログラム。
【請求項14】
ペット用薬箱のコンピュータに、
獣医からの薬剤を示す薬剤情報を受け付ける受付機能と、
前記薬剤情報に基づいてペットに処方すべき薬剤を特定する特定機能と、
前記特定機能が特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤から区別可
能に提示する提示機能と、
を実行させ、
ペット用薬箱は、
前記獣医の会話音を取得する音声入力部と、
前記音声入力部に入力された会話音から前記薬剤情報を解析する解析部と、
薬剤を収納するためのものであって、薬剤毎に設けられ、個々に蓋部を有する収納部と、
前記収納部各々に収納されている薬剤を示す収納薬剤情報を記憶する記憶部と、
を備え、
前記受付機能は、前記解析部が解析した前記薬剤情報を受け付け、
前記特定機能は、前記受付機能が受け付けた薬剤情報が示す薬剤が収納されている収納部を、前記収納薬剤情報に基づいて特定し、
前記提示機能は、前記特定機能が特定した収納部の蓋部を開くことにより、前記ペットに処方すべき薬剤を提示する
ペット用薬剤特定プログラム。
【請求項15】
獣医用端末と、ペット用薬箱と、を含むペット用遠隔医療診断システムであって、
前記獣医用端末は、
前記ペット用薬箱と通信する第1通信部と、
前記ペットに処方すべき薬剤を指定し、当該薬剤を示す薬剤情報を前記第1通信部に
より送信する薬剤情報指定部とを備え、
前記ペット用薬箱は、
前記獣医用端末と通信する第2通信部と、
前記第2通信部を介して、前記薬剤情報を受け付ける受付部と、
前記薬剤情報に基づいてペットに処方すべき薬剤を特定する特定部と、
前記特定部が特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤から区別可
能に提示する提示部と、
薬剤を収納するためのものであって、薬剤毎に設けられた収納部と、
前記収納部各々に収納されている薬剤を示す収納薬剤情報を記憶する記憶部と、
前記収納部毎に設けられた発光部と、
を備え、
前記受付部は、前記第2通信部を介して前記薬剤情報を受け付け、
前記特定部は、前記受付部が受け付けた薬剤情報が示す薬剤が収納されている収納部を、前記収納薬剤情報に基づいて特定し、
前記提示部は、前記特定部が特定した収納部に対応する発光部を発光させることにより、前記ペットに処方すべき薬剤を提示する
ペット用遠隔医療診断システム。
【請求項16】
獣医用端末と、ペット用薬箱と、を含むペット用遠隔医療診断システムであって、
前記獣医用端末は、
前記ペット用薬箱と通信する第1通信部と、
前記ペットに処方すべき薬剤を指定し、当該薬剤を示す薬剤情報を前記第1通信部に
より送信する薬剤情報指定部とを備え、
前記ペット用薬箱は、
前記獣医用端末と通信する第2通信部と、
前記第2通信部を介して、前記薬剤情報を受け付ける受付部と、
前記薬剤情報に基づいてペットに処方すべき薬剤を特定する特定部と、
前記特定部が特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤から区別可
能に提示する提示部と、
薬剤を収納するためのものであって、薬剤毎に設けられ、個々に蓋部を有する収納部と、
前記収納部各々に収納されている薬剤を示す収納薬剤情報を記憶する記憶部と、
を備え、
前記受付部は、前記第2通信部を介して前記薬剤情報を受け付け、
前記特定部は、前記受付部が受け付けた薬剤情報が示す薬剤が収納されている収納部を、前記収納薬剤情報に基づいて特定し、
前記提示部は、前記特定部が特定した収納部の蓋部を開くことにより、前記ペットに処方すべき薬剤を提示する、
ペット用遠隔医療診断システム。
【請求項17】
医者からの薬剤を示す薬剤情報を受け付ける受付部と、
前記薬剤情報に基づいて患者に処方すべき薬剤を特定する特定部と、
前記特定部が特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤から区別可能
に提示する提示部と、
前記医者の会話音を取得する音声入力部と、
前記音声入力部に入力された会話音から前記薬剤情報を解析する解析部と、
薬剤を収納するためのものであって、薬剤毎に設けられた収納部と、
前記収納部各々に収納されている薬剤を示す収納薬剤情報を記憶する記憶部と、
前記収納部毎に設けられた発光部と、
を備え、
前記受付部は、前記解析部が解析した前記薬剤情報を受け付け、
前記特定部は、前記受付部が受け付けた薬剤情報が示す薬剤が収納されている収納部を、前記収納薬剤情報に基づいて特定し、
前記提示部は、前記特定部が特定した収納部に対応する発光部を発光させることにより、前記ペットに処方すべき薬剤を提示する
ことを特徴とする薬箱。
【請求項18】
医者からの薬剤を示す薬剤情報を受け付ける受付部と、
前記薬剤情報に基づいて患者に処方すべき薬剤を特定する特定部と、
前記特定部が特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤から区別可能
に提示する提示部と、
前記医者の会話音を取得する音声入力部と、
前記音声入力部に入力された会話音から前記薬剤情報を解析する解析部と、
薬剤を収納するためのものであって、薬剤毎に設けられ、個々に蓋部を有する収納部と、
前記収納部各々に収納されている薬剤を示す収納薬剤情報を記憶する記憶部と、
を備え、
前記受付部は、前記解析部が解析した前記薬剤情報を受け付け、
前記特定部は、前記受付部が受け付けた薬剤情報が示す薬剤が収納されている収納部を、前記収納薬剤情報に基づいて特定し、
前記提示部は、前記特定部が特定した収納部の蓋部を開くことにより、前記ペットに処方すべき薬剤を提示する
ことを特徴とする薬箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットの薬剤を収納するペット用薬箱、ペット用薬剤特定方法、ペット用薬剤特定プログラム、およびペット用遠隔医療診断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人間用の薬剤の種類は多数であり、その管理は非常に煩雑なものとなる。そのため、その管理の一助とすべく、例えば、特許文献1には、バイアル瓶に一旦充填された薬剤を薬剤カセット(薬剤収納容器)に戻す場合を典型例とする薬剤カセットへの薬剤の補給作業において、薬剤補給先となる薬剤カセットを特定する作業を的確化及び効率化することができ、また、薬剤の有効期限管理や薬剤カセットにおける残量管理を適切に支援できる薬剤払出装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−54430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、今後、人間に限らず、ペットの薬剤についてもその運用の簡便性、利便性の向上が望まれている。
【0005】
そこで、本発明は上記要望に鑑みて成されたものであり、従来よりも利便性の高いペット用薬箱、ペット用薬剤特定方法、ペット用薬剤特定プログラム、およびペット用遠隔医療診断システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るペット用薬箱は、獣医からの薬剤を示す薬剤情報を受け付ける受付部と、薬剤情報に基づいてペットに処方すべき薬剤を特定する特定部と、特定部が特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤から区別可能に提示する提示部と、を備える。
【0007】
また、本発明の一態様に係るペット用薬剤特定方法は、ペット用薬箱のコンピュータが、獣医からの薬剤を示す薬剤情報を受け付ける受付ステップと、薬剤情報に基づいてペットに処方すべき薬剤を特定する特定ステップと、特定ステップにおいて特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤から区別可能に提示する提示ステップと、を実行する。
【0008】
また、本発明の一態様に係るペット用薬剤特定プログラムは、ペット用薬箱のコンピュータに、獣医からの薬剤を示す薬剤情報を受け付ける受付機能と、薬剤情報に基づいてペットに処方すべき薬剤を特定する特定機能と、特定部が特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤から区別可能に提示する提示機能と、を実行させる。
【0009】
また、本発明の一態様に係るペット用遠隔医療診断システムは、獣医用端末と、ペット用薬箱と、を含むペット用遠隔医療診断システムであって、獣医用端末は、ペット用薬箱と通信する第1通信部と、ペットに処方すべき薬剤を指定し、当該薬剤を示す薬剤情報を第1通信部により送信する薬剤情報指定部とを備え、ペット用薬箱は、獣医端末と通信する第2通信部と、第2通信部を介して、薬剤情報を受け付ける受付部と、薬剤情報に基づいてペットに処方すべき薬剤を特定する特定部と、特定部が特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤から区別可能に提示する提示部と、備える。
【0010】
上記装置において、ペット用薬箱は、獣医の端末と通信する通信部を更に備え、受付部は、通信部を介して薬剤情報を受け付けることとしてもよい。
【0011】
上記装置において、ペット用薬箱は、獣医の会話音を取得する音声入力部と、音声入力部に入力された会話音から薬剤情報を解析する解析部とを更に備え、受付部は、解析部が解析した薬剤情報を受け付けることとしてもよい。
【0012】
上記装置において、ペット用薬箱は、薬剤を収納するためのものであって、薬剤毎に設けられた収納部と、収納部各々に収納されている薬剤を示す収納薬剤情報を記憶する記憶部と、収納部毎に設けられた発光部とを備え、特定部は、受付部が受け付けた薬剤情報が示す薬剤が収納されている収納部を、収納薬剤情報に基づいて特定し、提示部は、特定部が特定した収納部に対応する発光部を発光させることにより、ペットに処方すべき薬剤を提示することとしてもよい。
【0013】
上記装置において、ペット用薬箱は、薬剤を収納するためのものであって、薬剤毎に設けられ、個々に蓋部を有する収納部と、収納部各々に収納されている薬剤を示す収納薬剤情報を記憶する記憶部と、を備え、特定部は、受付部が受け付けた薬剤情報が示す薬剤が収納されている収納部を、収納薬剤情報に基づいて特定し、提示部は、特定部が特定した収納部の蓋部を開くことにより、ペットに処方すべき薬剤を提示することとしてもよい。
【0014】
上記装置において、収納部各々の重量を測定するための測定部と、測定部が測定した重量が所定の閾値を下回った場合に、重量が所定の閾値を下回った収納部に収納されている薬剤の補充を提案する提案部を備えることとしてもよい。
【0015】
また、本発明の一態様に係る薬箱は、医者からの薬剤を示す薬剤情報を受け付ける受付部と、前記薬剤情報に基づいて患者に処方すべき薬剤を特定する特定部と、前記特定部が特定した薬剤を、ペットに処方すべき薬剤として、他の薬剤から区別可能に提示する提示部と、前記医者の会話音を取得する音声入力部と、前記音声入力部に入力された会話音から前記薬剤情報を解析する解析部と、を備え、前記受付部は、前記解析部が解析した前記薬剤情報を受け付ける。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様に係るペット用薬箱は、ペット処方すべき薬剤を、他の薬剤から区別可能なように提示する。したがって、ペット用薬箱は、飼い主がペットに対して処方すべき薬剤がわからなくても、薬剤の誤用を防止して、適切な薬剤を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ペット用遠隔医療診断システムの概要を示す概要図である。
図2】(a)は、ペット用薬箱の平面図である。(b)は、ペット用薬箱の平面図であって、他の例を示す図である。
図3】ペット用薬箱および獣医用端末の構成例を示すブロック図である。
図4】ペット用薬剤データベース121の構成例をデータ概念図である。
図5】ペット用遠隔医療診断システムに係る各装置間のやり取りの例を示すシーケンス図である。
図6】ペット用薬箱の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施態様に係るペット用薬箱ならびにペット用遠隔医療診断システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
<実施の形態>
<構成>
図1は、ペット用遠隔医療診断システムの概要を示す概要図である。ペット用遠隔医療診断システムでは、獣医20の端末である獣医用端末200と、ペット31の飼主30の端末である患者用端末32と、ペット用薬箱100とが、ネットワーク300を介して、互いに通信可能に接続されている。獣医用端末200は、PC、タブレット端末などにより実現される情報処理装置である。患者用端末32は、PC、タブレット端末などにより実現される情報処理装置である。また、ネットワーク300は、有線、無線のいずれで構成されてよく、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)や広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ISDNs(integrated service digital networks)、無線LANs、LTE(long term evolution)、LTE−Advanced、第4世代(4G)、第5世代(5G)、CDMA(code division multiple access)、WCDMA(登録商標)、イーサネット(登録商標)などにより実現されてよいが、これらに限定するものではなく、本実施の形態専用に構築された専用回線であってもよい。ペット用薬箱100は、ユーザである飼主30にペット31に投与すべき薬剤を提示することができる薬箱であり、ペット用の置き薬を収納する薬箱として用いることもできる。
【0020】
ペット用遠隔医療診断システムは、ビデオ通話によるペットの医療診断システムである。図1に示すように、ペット用遠隔医療診断システムでは、ペット31の飼主30は、自身の患者用端末32に付随するカメラ(不図示)で、ペット31を撮影し、その映像データを、ネットワーク300を介して、獣医用端末200に送信する。獣医20は、獣医用端末200に表示されたペット31の様子を見て、ペット31の容体を確認する。そして、獣医20は、診断結果に基づいて、ペット31に処方すべき薬剤を特定する。すると、獣医20は、獣医用端末200を用いて、特定した薬剤を示す情報を、ネットワーク300を介して、飼主30が保持するペット用薬箱100に送信する。ペット用薬箱100は、獣医用端末から薬剤を示す情報を受信すると、その情報に対応する薬剤が収納されている収納部を特定し、特定した収納部を他の収納部から区別可能に提示する。図1の例では、特定した収納部102の蓋101のみを開けることで、薬剤410を飼主30に提示する様子を示している。このように、本実施形態に係るペット用薬箱ならびにペット用遠隔医療診断システムでは、ペットの容体を遠隔で獣医が確認でき、遠隔でペットに処方すべき薬剤を特定し、飼主30がどの薬剤を処方すべきからわからずとも、ペット用薬箱100が、処方すべき薬剤を提示するので、投与すべき薬剤を一目で理解することができる。以下、詳細に説明する。
【0021】
図2(a)は、ペット用薬箱100をその上面から見た平面図の一例である。ペット用薬箱100は、ペット用の薬剤毎に、その薬剤を収納するための収納部を備える。図2(a)に示す例では、ペット用薬箱100は、収納部102a、102b、102c、102d、…、102lの12個の薬剤を収納する収納部を備え、その中に薬剤410a、410b、410c、410d、…が収納されているが、収納部の数は12個に限定するものではなく、12個より少なくてもよいし、多くてもよい。収納部各々には、蓋が設けられており、図2(a)に示す例では、収納部102gに設けられた蓋101gが開けられ、その中の薬剤401gが提示されている様子を示している。なお、以降においては、蓋、収納部、薬剤それぞれを特別に区別する必要がない場合には、蓋101、収納部102、薬剤410と記載する。
【0022】
図2(a)に示すように、ペット用薬箱100は、特定の蓋101が開くことによって、他の薬剤から区別してペットに処方すべき薬剤410を提示することができる。なお、蓋101の開閉機構は、自動でペット用薬箱100に設けられたコンピュータ(制御回路)からの信号による開閉が実現できれば、どのようなものであってもよく、例えば、バネ機構を利用したものであってもよいし、モータによる開閉機構であってもよい。
【0023】
また、ペット用薬箱100は、薬剤410が他の薬剤410から区別可能なように特定できるようになっていればよく、特定の蓋101の開閉以外の手法を用いて、提示できる構成を採ることとしてもよい。例えば、図2(b)に示すように、ペット用薬箱100は、各収納部に対応付けて、発光部103a〜103l(以降、特定の発光部を区別する必要がない場合には、発光部103と記載する。)を備えることとしてもよい。そして、ペット用薬箱100は、特定の薬剤を提示する際に、対応する発光部103を発行させることによって、提示する。図2(b)に示す例では、発光部103cを発行させて、対応する収納部102cに収納されている薬剤410cが、処方すべき薬剤であることを提示している例を示している。
【0024】
図3は、ペット用薬箱100及び獣医用端末200の構成例を示すブロック図である。図3に示すようにペット用薬箱100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0025】
通信部110は、ネットワーク300を介して、獣医用端末200と通信する機能を有する通信インターフェースである。通信部110は、獣医用端末200と通信ができれば、有線通信、無線通信のいずれで実現されてもよく、使用する通信プロトコルを問わないものとするが、飼主30による持ち運びの利便性を考慮すると無線による通信の方が有線による通信よりも好ましい。通信部110は、獣医用端末200からペット31に処方すべき薬剤に関する情報を受信し、制御部130に伝達する。
【0026】
記憶部120は、ペット用薬箱100が動作上必要とする各種プログラムならびに各種データを記憶する機能を有する。記憶部120は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなど、各種の記録媒体により実現することができるがこれらに限定するものではない。記憶部120は、ペット用薬剤データベース121を記憶している。ペット用薬剤データベース121の詳細については後述する。
【0027】
制御部130は、ペット用薬箱100の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部130は、記憶部120に記憶されている各種のプログラムを実行し、記憶部120に記憶されているデータを利用して、ペット用薬箱100の機能を実現する。
【0028】
制御部130は、通信部110から伝達されたペット31に処方すべき薬剤に関する情報に基づいて、ペット31に処方する薬剤を特定する特定部と、特定部が特定した薬剤を他の薬剤から区別可能に飼主30に提示する提示部として機能する。
【0029】
制御部130は、通信部110から、獣医用端末200から送信されたペット31に処方すべき薬剤に関する情報を受信すると、その薬剤がどの薬剤であるかを、ペット用薬剤データベース121を参照して特定する。そして特定した薬剤がどの収納部102に収納されているかを、ペット用薬剤データベースを用いて特定する。そして、特定した収納部102を、他の収納部から区別可能なように提示することで、飼主30にペット31に処方すべき薬剤を提示する。
【0030】
以上が、ペット用薬箱100の構成である。
【0031】
次に、獣医用端末200の構成について説明する。図3に示すように、獣医用端末200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230と、入力部240とを備える。
【0032】
通信部210は、ネットワーク300を介して、患者用端末32およびペット用薬箱100と通信する機能を有する通信インターフェースである。通信部210は、患者用端末32およびペット用薬箱100と通信ができれば、有線通信、無線通信のいずれで実現されてもよく、使用する通信プロトコルを問わないものとする。通信部210は、患者用端末32からペット31の様子を示す映像信号を受信して制御部130に伝達して表示させ、制御部230から指定されたペット31に処方すべき薬剤に関する情報をペット用薬箱100に送信する。
【0033】
記憶部220は、獣医用端末200が動作上必要とする各種プログラムならびに各種データを記憶する機能を有する。記憶部220は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなど、各種の記録媒体により実現することができるがこれらに限定するものではない。記憶部220は、ペット用薬剤データベース221を記憶している。ペット用薬剤データベース221の詳細については後述する。
【0034】
制御部230は、獣医用端末200の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部230は、記憶部220に記憶されている各種のプログラムを実行し、記憶部220に記憶されているデータを利用して、獣医用端末200の機能を実現する。制御部230は、通信部210から伝達された患者用端末32から送信されたペット31の様子を示す映像を、獣医用端末200に接続されているモニタに表示したり、入力部240から伝達された薬剤を指定する情報を、通信部210を介してペット用薬箱100に送信するように通信部210に指示する。
【0035】
入力部240は、獣医20からの入力を受け付ける入力インターフェースであり、例えば、マウスやキーボード等の入力機器により実現することができるが、これらに限定されるものではない。例えば、音声入力により実現されてもよい。入力部240は、獣医20から薬剤を指定する情報の入力を受けて、制御部230に伝達する。
【0036】
以上が、獣医用端末200の構成である。なお、患者用端末32は、一般的なPCであり、撮影機能を有し、撮影した映像を獣医用端末200に送信できればどのような端末であってもよい。
【0037】
<データ>
図4は、ペット用薬剤データベース121のデータ構成例を示すデータ概念図である。図4に示すように、ペット用薬剤データベース121は、収納部識別情報401と、薬剤識別情報402とが対応付けられた情報である。
【0038】
収納部識別情報401は、ペット用薬箱100の各収納部102を一意に特定することが可能な識別情報である。
【0039】
薬剤識別情報402は、対応する収納部識別情報401が示す収納部102に収納されている薬剤を一意に特定することが可能な識別情報である。図4においては、風邪薬、鼻炎薬、目薬などの一般名称で示しているが、実際には、各薬剤に付与されている固有の識別子を用いることとする。
【0040】
ペット用薬箱100の制御部130は、獣医から指定された処方すべき薬剤の情報を用いて、薬剤識別情報402を参照して、薬剤を特定し、ペット用薬剤データベース121の対応する収納部識別情報401から収納されている収納部102を特定する。そして、特定した収納部102の蓋101を開けることで、ペット31の飼主30に、処方すべき薬剤を一意に提示することができる。
【0041】
なお、獣医用端末200に記憶されているペット用薬剤データベース221は、ペット用薬剤データベース121の集合であり、各患者(ペットおよび飼主)に対応付けて、各飼主ごとに区別可能に構成されたデータとなる。
【0042】
<動作>
図5は、ペット用遠隔医療診断システムに係る各装置間のやり取りの一例を示すシーケンス図である。
【0043】
図5に示すように、飼主30は、自身が飼育しているペット31に何らかの異常があると判断した場合に、患者用端末32から、獣医用端末200にペットの遠隔診断を依頼する(ステップS501)。
【0044】
当該依頼を受けて、獣医20は、獣医用端末200を用いてペット31の容体を確認する(ステップS502)。即ち、飼主30はペット31の様子を撮影し、その映像を、患者用端末32から、獣医用端末200に送信する。獣医20は受信した映像を、獣医用端末200のモニタで確認して、ペット31の容体を確認する。
【0045】
飼主30は、ペット31に処方すべき薬剤の特定を獣医20に依頼する(ステップS503)。そして、獣医20は、ペット31の容体から特定した処方すべき薬剤の情報を、獣医用端末200に入力する。すると。獣医用端末200は、処方すべき薬剤の情報を、ペット用薬箱100に送信する(ステップS504)。
【0046】
ペット用薬箱100は、処方すべき薬剤の情報を受信すると、その薬剤が収納されている収納部を特定し、他の収納部から区別可能に提示することで、ペット31に処方すべき薬剤を提示する(ステップS505)。
【0047】
図5に示す処理をペット用薬箱100が実現するための動作について、図6のフローチャートを用いて詳細に説明する。図6は、ペット用薬箱100の動作を示すフローチャートである。
【0048】
図6に示すように、ペット用薬箱100の通信部110は、獣医用端末200から送信されたペット31に処方すべき薬剤を示す情報を、ネットワーク300を介して受信する(ステップS601)。通信部110は、受信したペット31に処方すべき薬剤を示す情報を、制御部130に伝達する。
【0049】
制御部130は、通信部110から、ペット31に処方すべき薬剤を示す情報を受け取ると、ペット用薬剤データベース121の薬剤識別情報402を参照して、その薬剤がいずれであるかを特定するとともに、特定した薬剤が収納されている収納部がいずれであるかを、対応する収納部識別情報401を参照して特定する(ステップS602)。
【0050】
そして、制御部130は、特定した収納部識別情報401で示される収納部102を他の収納部から区別可能に提示する(ステップS603)。即ち、制御部130は、特定した収納部102の蓋101を開けて、飼主30にペット31に投与すべき薬剤を提示する。
【0051】
これにより、ペット用薬箱100は、飼主30に、ペット31に処方すべき薬剤を一意に示すことができる。したがって、飼主30が、どの薬剤を処方すべきかを認識しておらずとも、飼主30は間違えることなくペット31に薬剤を処方することができる。よって、ペット用薬剤の誤用を防止することができる。
【0052】
<補足>
上記実施の形態に係る装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、他の手法により実現されてもよいことは言うまでもない。以下、各種変形例について説明する。
【0053】
(1)上記実施の形態においては、ペット用薬箱100は、飼主30に、ペット31に処方すべき薬剤を提示するのみであったが、その他にも以下に示すような機能を有してもよい。即ち、ペット用薬箱100は、収納している薬剤のうち、その量が所定以上減少した場合に、その補充を提案する機能である。ペット用薬箱100は、各収納部毎に重量センサを設けることで、それぞれどれだけの量を使用したかを特定することができる。そして、各薬剤について、補充するタイミングを定めるための閾値を設け、その閾値と比較して、重量がその閾値を上回っている場合は、まだ、薬剤が十分にあると判断するとともに、下回った場合には、薬剤を補充すべきであると判断して、補充を提案することとしてよい。なお、精度は低下するものの、重量センサを各収納部ごとに設けずに、全体で一つ、あるいは、複数で一つ設けるようにし、薬剤を使用するごとに減少した重量から使用した薬剤を特定した薬剤を使用した記録をつけ、薬剤毎の使用量が一定の閾値を超えると、薬剤の補充を提案する構成としてもよい。なお、薬剤の補充の提案は、例えば、ペット用薬箱100の各収納部毎に発光部を設けて、その発光部を発光させることで薬剤の補充を提案することとしてもよいし、獣医用端末200に通信により提案することとしてもよいし、あるいは、ペット用薬剤を配信する配信会社に通信により提案することとしてもよい。
【0054】
(2) 上記実施の形態においては、ペット用薬箱100は、獣医20の獣医用端末200から薬剤を示す情報を受信することで、処方すべき薬剤を特定することとしたが、これはその限りではない。ペット用遠隔医療診断システムにおいては、遠隔で診断する特性上、ビデオ通話による診断を行うことなる。したがって、患者用端末32は、獣医20の声を出力するためのスピーカを備えることとなる。そこで、ペット用薬箱100は、マイクを備え、その音声を取得する機能を有してもよい。そして、ペット用薬箱100の制御部130は、マイクが集音した音声を音声認識処理により、テキストデータに変換し、その中から薬剤に関する情報を抽出することで、薬剤を特定することとしてもよい。この場合、ペット用薬箱100は、テキストデータと、ペット用薬剤データベース121の薬剤識別情報402が示す名称とのパターンマッチングによる薬剤を特定してもよいし、予め、薬剤の名称を含む音声を入力として、薬剤を特定する情報を出力する学習モデルを記憶部120に記憶させておくことで、深層学習における推定機能を用いた薬剤の特定を行ってもよい。
【0055】
(3) 上記実施の形態においては、医者20と、ペット31およびペット31の飼主30が、それぞれのモニタ越しで動画(ビデオ通話)によるやり取りをする例を示しているが、これはその限りではない。飼主30と医者20とは、互いにテキストによるやり取り(例えば、メールやチャットなど)を行ってもよいし、ペット31の様子を示す映像として、動画ではなく、静止画(写真)によって、ペット31の様子を医者20に伝えるようにしてもよい。
【0056】
(4) 上記実施の形態においては、ペット用の薬箱について説明したが、ペット用薬箱は、その内容物(薬剤)を人間用の医薬品に変更することで、人間用の薬箱としても活用することができる。
【0057】
即ち、薬箱の中の各収納部には人間用の医薬品を収納する。そして、収納した医薬品と箱との対応を示すペット用薬剤データベース121の代替となる人間用薬剤データベースを薬箱100及び医者の端末200それぞれの記憶部120、記憶部220に記憶させる。
【0058】
そして、上記実施形態に示したようにペットの代わりに、病気を患った患者が、遠隔で医者の診察を受け、その結果として処方される薬剤を、人間用の薬箱100を用いて指定する。この指定は、医者が、端末200を利用して、ネットワーク300を介して、薬箱100に指示することで、薬箱100が対応する薬剤が格納されている収納部がわかるように患者に示す(収納部のランプが光ったり、収納部の蓋が空いたり、など)こととしてもよい。また、あるいは、薬箱100は、患者と医者との会話を、録音し、その音声信号に解して音声認識処理を行って、患者が使用すべき薬剤を、患者と医者との会話から特定し、特定した薬剤が収納されている収納部を患者に通知するという構成を備えてもよい。
【0059】
患者と医者の会話から薬剤を特定する手法は、上記補足(2)に示した場合と同様に、患者と医者との間の会話音声に対して音声認識処理をかけることで得られるテキストデータと、人間用薬剤データベース121の薬剤識別情報402が示す名称とのパターンマッチングにより薬剤を特定してもよいし、予め、薬剤の名称を含む音声を入力として、薬剤を特定する情報を出力する学習モデルを記憶部120に記憶させておくことで、深層学習における推定機能を用いた薬剤の特定を行ってもよい。なお、ここでは、音声による入力としているが、これは、患者と医者との間のチャットによるテキスト情報を入力として薬剤を特定することとしてもよい。また、提示する薬剤の特定は、医者の端末200から薬箱100に対して直接通信による指示であってもよい。また、医者は、端末200から患者のPCに対して、使用する薬剤を格納した場所を示す位置を画像によって示したり、テキストによって示したりしてもよい。
【0060】
(5) 上記実施の形態においては、ペット用薬箱におけるペットに処方すべき薬剤を提示する手法として、ペット用薬箱のプロセッサが薬剤特定プログラム等を実行することにより、処方すべき薬剤を提示することとしているが、これは装置に集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、上記実施の形態に示した複数の機能部の機能を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。
【0061】
また、上記薬剤特定プログラムは、プロセッサが読み取り可能な記録媒体に記録されていてよく、記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記薬剤特定プログラムは、当該薬剤特定プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記プロセッサに供給されてもよい。本発明は、上記歩行教示プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0062】
なお、上記薬剤特定プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
【0063】
(6)上記実施形態及び各補足に示した各構成は、適宜組み合わせることとしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
100 ペット用薬箱
110 通信部
120 記憶部
130 制御部(特定部、提示部)
200 獣医用端末
210 通信部
220 記憶部
230 制御部
240 入力部
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6