特許第6951711号(P6951711)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6951711エンボスステンレスパイプ製造装置及びこれを用いたエンボスステンレスパイプ製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6951711
(24)【登録日】2021年9月29日
(45)【発行日】2021年10月20日
(54)【発明の名称】エンボスステンレスパイプ製造装置及びこれを用いたエンボスステンレスパイプ製造方法
(51)【国際特許分類】
   B21C 37/15 20060101AFI20211011BHJP
   B21C 37/08 20060101ALI20211011BHJP
   B21C 37/083 20060101ALI20211011BHJP
   B21D 22/02 20060101ALI20211011BHJP
【FI】
   B21C37/15 K
   B21C37/15 C
   B21C37/08 C
   B21C37/08 A
   B21C37/083 Z
   B21D22/02 B
【請求項の数】9
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2020-556213(P2020-556213)
(86)(22)【出願日】2018年12月26日
(65)【公表番号】特表2021-509090(P2021-509090A)
(43)【公表日】2021年3月18日
(86)【国際出願番号】KR2018016609
(87)【国際公開番号】WO2020059969
(87)【国際公開日】20200326
【審査請求日】2020年7月1日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0112755
(32)【優先日】2018年9月20日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520240041
【氏名又は名称】イ、ボ ヒョン
【氏名又は名称原語表記】LEE,Bohyun
(73)【特許権者】
【識別番号】520240052
【氏名又は名称】イ、チャン ヨプ
【氏名又は名称原語表記】LEE,Changyub
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、ボ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、チャン ヨプ
【審査官】 瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録特許第10−1868064(KR,B1)
【文献】 特開2002−028729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D22/02
B21C37/08
B21C37/15
B21H 8/00
B21D43/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステンレス平板(100)を提供するアンコイラー(1)と、
前記アンコイラー(1)から供給されるステンレス平板(100)を後段のエンボシング機3に案内するセンタリングガイドローラ(2)と、
前記センタリングガイドローラ(2)を経て供給されるステンレス平板(100)をエンボス処理してエンボスステンレス板(100’)に成形するエンボシング機(3)と、
前記エンボシング機(3)から供給されるエンボスステンレス板(100’)の曲面化、円形化工程を経て長さ方向に溶接継ぎ目部(201)を有するエンボスステンレスパイプ(200)を製造し、該製造されたエンボスステンレスパイプ(200)の溶接継ぎ目部(201)を溶接してエンボスステンレスパイプ(200)を完成する造管機(4)と、
を含んでなり、
前記エンボシング機(3)は、
陽刻のエンボスパターンが形成されている上部ローラ(31)と陰刻のエンボスパターンが形成されている下部ローラ(32)とが噛み合って回転するように構成されたエンボス金型ローラ(30)と、
外骨格を形成しながら前記エンボス金型ローラ(30)を支持するフレーム部(33)と、
前記フレーム部(33)の上端に設置される油圧シリンダー(34)とを含んでなり、
前記上部ローラ(31)は、
ローラボディー(311)と、
前記ローラボディー(311)の両側面の中央に設置される回転軸(312)と、
前記ローラボディー(311)の表面に形成される陽刻のエンボスパターン部(313)とを含んでなり、前記ローラボディー(311)の表面に形成される陽刻のエンボスパターン部(313)よりも低くローラ回転方向に沿って形成されて前記陽刻のエンボスパターン部(313)を一定間隔に区画する帯状の溝部(314)が形成され、
前記下部ローラ(32)は、
ローラボディー(321)と、
前記ローラボディー(321)の両側面の中央に形成される回転軸(322)と、
前記ローラボディー(321)の表面に形成される陰刻のエンボスパターン部(323)とを含んでなり、ローラボディー(321)の表面に形成される陰刻のエンボスパターン部(323)よりも高くローラ回転方向に沿って形成されて前記陰刻のエンボスパターン部(323)を一定間隔に区画する帯状の突出部(324)が形成され、該突出部(324)が前記溝部(314)に内入するように構成され、
前記アンコイラー(1)の前段に設置され、広幅のステンレス平板を複数の平板にスリッティング(Slitting)するが、切断されたステンレス平板(100)の側面が垂直面となるようにするスリッティング装置(10−1)であって、
前記スリッティング装置(10−1)は、
切断していないステンレス平板が巻かれているステンレスコイル(11−1)と、
前記ステンレスコイル(11−1)の中心回転軸をなし、回転によってステンレス平板を前記アンコイラー(1)に供給するステンレスコイル供給ローラ12−1と、
前記ステンレスコイル(11−1)の後段に設置され、ステンレスコイル供給ローラ12−1から前記アンコイラー(1)に供給される広幅のステンレス平板(100)を複数の平板にスリッティングし、製作しようとするステンレスパイプ外径寸法に合うステンレス平板(100)の幅に応じて調整された間隔に横方向に複数設置され、ステンレス平板(100)の両側面が垂直面をなすように細く切るスリッター(13−1)とを含んでなるものであって、
前記エンボシング機(3)と造管機(4)との間に曲面化調節手段(30−1)をさらに含んで構成され、
前記曲面化調節手段(30−1)は、
曲面化雄ローラ(31−1)と、
前記曲面化雄ローラ(31−1)の下部に形成され、前記曲面化雄ローラ(31−1)と水平方向に一定間隔を維持しながら形成される曲面化雌ローラ(32−1)と、
前記曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)の左右方向に対を成して形成され、前記曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)に連結される回転軸(31a−1,32a−1)を支持する回転軸支持部(33−1)と、
前記回転軸支持部(33−1)の上端に形成される締めナット(34−1)とを含んでなり、
前記締めナット(34−1)を緩めたり締めたりすることによって前記曲面化雄ローラ(31−1)が上下に移動し、これによって、前記曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)との間に進入したエンボスステンレス板(100’)の挟み間隙が調節される
ことを特徴とするエンボスステンレスパイプ製造装置。
【請求項2】
ステンレス平板(100)を提供するアンコイラー(1)と、
前記アンコイラー(1)から供給されるステンレス平板(100)を後段のエンボシング機(3)に案内するセンタリングガイドローラ(2)と、
前記センタリングガイドローラ(2)を経て供給されるステンレス平板(100)をエンボス処理してエンボスステンレス板(100’)に成形するエンボシング機(3)と、
前記エンボシング機(3)から供給されるエンボスステンレス板(100’)の曲面化、円形化工程を経て長さ方向に溶接継ぎ目部(201)を有するエンボスステンレスパイプ(200)を製造し、該製造されたエンボスステンレスパイプ(200)の溶接継ぎ目部(201)を溶接してエンボスステンレスパイプ(200)を完成する造管機(4)と、
を含んでなり、
前記エンボシング機(3)は、
陽刻のエンボスパターンが形成されている上部ローラ(31)と陰刻のエンボスパターンが形成されている下部ローラ(32)とが噛み合って回転するように構成されたエンボス金型ローラ(30)と、
外骨格を形成しながら前記エンボス金型ローラ(30)を支持するフレーム部(33)と、
前記フレーム部(33)の上端に設置される油圧シリンダー(34)とを含んでなり、
前記上部ローラ(31)は、
ローラボディー(311)と、
前記ローラボディー(311)の両側面の中央に設置される回転軸(312)と、
前記ローラボディー(311)の表面に形成される陽刻のエンボスパターン部(313)とを含んでなり、前記ローラボディー(311)の表面に形成される陽刻のエンボスパターン部(313)よりも低くローラ回転方向に沿って形成されて前記陽刻のエンボスパターン部(313)を一定間隔に区画する帯状の溝部(314)が形成され、
前記下部ローラ(32)は、
ローラボディー(321)と、
前記ローラボディー(321)の両側面の中央に形成される回転軸(322)と、
前記ローラボディー(321)の表面に形成される陰刻のエンボスパターン部(323)とを含んでなり、ローラボディー(321)の表面に形成される陰刻のエンボスパターン部(323)よりも高くローラ回転方向に沿って形成されて前記陰刻のエンボスパターン部(323)を一定間隔に区画する帯状の突出部(324)が形成され、該突出部(324)が前記溝部(314)に内入するように構成され、
前記アンコイラー(1)の前段に設置され、広幅のステンレス平板を複数の平板にスリッティングし、切断されたステンレス平板(100)の側面が垂直面となるようにするスリッティング装置(10−1)であって、
前記スリッティング装置(10−1)は、
切断していないステンレス平板が巻かれているステンレスコイル(11−1)と、
前記ステンレスコイル(11−1)の中心回転軸をなし、回転によってステンレス平板を前記アンコイラー(1)に供給するステンレスコイル供給ローラ12−1と、
前記ステンレスコイル(11−1)の後段に設置され、ステンレスコイル供給ローラ12−1から前記アンコイラー(1)に供給される広幅のステンレス平板(100)を複数の平板にスリッティングするものであり、製作しようとするステンレスパイプ外径寸法に合うステンレス平板(100)の幅に応じて調整された間隔に横方向に複数設置され、ステンレス平板(100)の両側面が垂直面をなすように細く切るスリッター(13−1)とを含んでなり、
前記エンボシング機(3)と造管機(4)との間に曲面化調節手段(30−1)をさらに含んで構成され、
前記曲面化調節手段(30−1)は、
曲面化雄ローラ(31−1)と、
前記曲面化雄ローラ(31−1)の下部に形成され、前記曲面化雄ローラ(31−1)と水平方向に一定間隔を維持しながら形成される曲面化雌ローラ(32−1)と、
前記曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)の左右方向に対を成して形成され、前記曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)に連結される回転軸(31a−1,32a−1)を支持する回転軸支持部(33−1)と、
前記回転軸支持部(33−1)の上端に形成される締めナット(34−1)とを含んでなり、
前記締めナット(34−1)を緩めたり締めたりすることによって前記曲面化雄ローラ(31−1)が上下に移動し、これによって、前記曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)との間に進入したエンボスステンレス板(100’)の挟み間隙が調節され、
ンボシング機(3)と造管機(4)との間にテンパリング処理電気炉(20−1)が設置されてなり、
前記テンパリング処理電気炉(20−1)によって、厚さとエンボス処理によって硬度が高くなった厚さ2.5mm以上のステンレス平板(100)をテンパリング処理してエンボス処理前の硬度に下げる
ことを特徴とするエンボスステンレスパイプ製造装置。
【請求項3】
ステンレス平板(100)を提供するアンコイラー(1)と、
前記アンコイラー(1)から供給されるステンレス平板(100)を後段のエンボシング機(3)に案内するセンタリングガイドローラ(2)と、
前記センタリングガイドローラ(2)を経て供給されるステンレス平板(100)をエンボス処理してエンボスステンレス板(100’)に成形するエンボシング機(3)と、
前記エンボシング機(3)から供給されるエンボスステンレス板(100’)の曲面化、円形化工程を経て長さ方向に溶接継ぎ目部(201)を有するエンボスステンレスパイプ(200)を製造し、該製造されたエンボスステンレスパイプ(200)の溶接継ぎ目部(201)を溶接してエンボスステンレスパイプ(200)を完成する造管機(4)と、
を含んでなり、
前記エンボシング機(3)は陽刻のエンボスパターンが形成されている上部ローラ(31)と陰刻のエンボスパターンが形成されている下部ローラ(32)とが噛み合って回転するように構成されたエンボス金型ローラ(30)と、
外骨格を形成しながら前記エンボス金型ローラ(30)を支持するフレーム部(33)と、
前記フレーム部(33)の上端に設置される油圧シリンダー(34)とを含んでなり、
前記上部ローラ(31)は、
ローラボディー(311)と、
前記ローラボディー(311)の両側面の中央に設置される回転軸(312)と、
前記ローラボディー(311)の表面に形成される陽刻のエンボスパターン部(313)とを含んでなり、前記ローラボディー(311)の表面に形成される陽刻のエンボスパターン部(313)よりも低くローラ回転方向に沿って形成されて前記陽刻のエンボスパターン部(313)を一定間隔に区画する帯状の溝部(314)が形成され、
前記下部ローラ(32)は、
ローラボディー(321)と、
前記ローラボディー(321)の両側面の中央に形成される回転軸(322)と、
前記ローラボディー(321)の表面に形成される陰刻のエンボスパターン部(323)とを含んでなり、ローラボディー(321)の表面に形成される陰刻のエンボスパターン部(323)よりも高くローラ回転方向に沿って形成されて前記陰刻のエンボスパターン部(323)を一定間隔に区画する帯状の突出部(324)が形成され、該突出部(324)が前記溝部(314)に内入するように構成され、
前記アンコイラー(1)の前段に設置され、広幅のステンレス平板を複数の平板にスリッティングし、切断されたステンレス平板(100)の側面が垂直面となるようにするスリッティング装置(10−1)であって、
前記スリッティング装置(10−1)は、
切断していないステンレス平板が巻かれているステンレスコイル(11−1)と、
前記ステンレスコイル(11−1)の中心回転軸をなし、回転によってステンレス平板を前記アンコイラー(1)に供給するステンレスコイル供給ローラ12−1と、
前記ステンレスコイル(11−1)の後段に設置され、ステンレスコイル供給ローラ12−1から前記アンコイラー(1)に供給される広幅のステンレス平板(100)を複数の平板にスリッティングするものであり、製作しようとするステンレスパイプ外径寸法に合うステンレス平板(100)の幅に応じて調整された間隔に横方向に複数設置され、ステンレス平板(100)の両側面が垂直面をなすように細く切るスリッター(13−1)とを含んでなり、
前記エンボシング機(3)と造管機(4)との間に曲面化調節手段(30−1)をさらに含んで構成され、
前記曲面化調節手段(30−1)は、
曲面化雄ローラ(31−1)と、
前記曲面化雄ローラ(31−1)の下部に形成され、前記曲面化雄ローラ(31−1)と水平方向に一定間隔を維持しながら形成される曲面化雌ローラ(32−1)と、
前記曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)の左右方向に対を成して形成され、前記曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)に連結される回転軸(31a−1,32a−1)を支持する回転軸支持部(33−1)と、
前記回転軸支持部(33−1)の上端に形成される締めナット(34−1)とを含んでなり、
前記締めナット(34−1)を緩めたり締めたりすることによって前記曲面化雄ローラ(31−1)が上下に移動し、これによって、前記曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)との間に進入したエンボスステンレス板(100’)の挟み間隙が調節され、
ンボシング機(3)と造管機(4)との間にテンパリング処理電気炉(20−1)が設置されてなり、
前記テンパリング処理電気炉(20−1)によって、厚さとエンボス処理によって硬度が高くなった厚さ2.5mm以上のステンレス平板(100)をテンパリング処理してエンボス処理前の硬度に下げ、
前記テンパリング処理電気炉(20−1)は、
電気炉(21−1)と、
前記電気炉(21−1)にエンボスステンレス板(100’)を供給するトンネル形投入部(22−1)と、
前記電気炉(21−1)の温度及び時間を制御する制御部(23−1)とを含んでなる
ことを特徴とするエンボスステンレスパイプ製造装置。
【請求項4】
アンコイラー(1)から供給されてセンタリングガイドローラ(2)を経てエンボシング機(3)にステンレス平板(100)を供給する第1段階と、
前記ステンレス平板(100)をエンボシング機(3)のエンボス金型ローラ(30)を用いてエンボス処理し、エンボスパターンが形成されたエンボスステンレス板(100’)に成形する第2段階と、
前記エンボスステンレス板(100’)を造管機(4)に供給して曲面化、円形化過程を経て長さ方向に溶接継ぎ目部(201)を有するエンボスステンレスパイプ(200)を製造し、該エンボスステンレスパイプ(200)の溶接継ぎ目部(201)を溶接してエンボスステンレスパイプ(200)を完成する第3段階と、
を含んでなり、
前記エンボスステンレス板(100’)は全面がエンボス構造をなすが、両側縁が小幅平面をなすことによって、前記造管機(4)の曲面化、円形化過程によって前記エンボスステンレス板(100’)の両側面が当接してV字溝(201a)を有する溶接継ぎ目部(201)を形成し、前記V字溝(201a)を溶接で溶融融着することによってエンボスステンレスパイプ(200)が完成し、
前記第1段階の前工程として、
生産しようとするエンボスステンレスパイプの外径が得られるステンレス平板幅を設定した後、前記ステンレス平板幅に合わせてスリッティング装置(10−1)のスリッター(13−1)を配置し、
スリッティング装置(10−1)を用いてステンレスコイル供給ローラ(12−1)から前記アンコイラー(1)に供給される広幅のステンレス平板(100)を前記設定幅に合わせて複数の平板にスリッティングするが、前記ステンレス平板(100)の両側面が垂直面をなすようにスリッティングする工程をさらに含んでなり、
前記第2段階と第3段階との間に、
曲面化調節手段(30−1)の曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)との間に進入したエンボスステンレス板(100’)の挟み間隙の調節によって、エンボスステンレス板(100’)のエンボス高さ寸法を、曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)との間に進入する前の10%〜15%に縮める過程をさらに含んでなる
ことを特徴とするエンボスステンレスパイプ製造方法。
【請求項5】
アンコイラー(1)から供給されてセンタリングガイドローラ(2)を経てエンボシング機(3)にステンレス平板(100)を供給する第1段階と、
前記ステンレス平板(100)をエンボシング機(3)のエンボス金型ローラ(30)を用いてエンボス処理し、エンボスパターンが形成されたエンボスステンレス板(100’)に成形する第2段階と、
前記エンボスステンレス板(100’)を造管機(4)に供給して曲面化、円形化過程を経て長さ方向に溶接継ぎ目部(201)を有するエンボスステンレスパイプ(200)を製造し、該エンボスステンレスパイプ(200)の溶接継ぎ目部(201)を溶接してエンボスステンレスパイプ(200)を完成する第3段階と、を含んでなり、
前記エンボスステンレス板(100’)は全面がエンボス構造をなすが、両側縁が小幅平面をなすことによって、前記造管機(4)の曲面化、円形化過程によって前記エンボスステンレス板(100’)の両側面が当接してV字溝(201a)を有する溶接継ぎ目部(201)を形成し、前記V字溝(201a)を溶接で溶融融着することによってエンボスステンレスパイプ(200)が完成し、
前記第1段階の前工程として、
生産しようとするエンボスステンレスパイプの外径が得られるステンレス平板幅を設定した後、前記ステンレス平板幅に合わせてスリッティング装置(10−1)のスリッター(13−1)を配置し、
スリッティング装置(10−1)を用いてステンレスコイル供給ローラ(12−1)から前記アンコイラー(1)に供給される広幅のステンレス平板(100)を前記設定幅に合わせて複数の平板にスリッティングするが、前記ステンレス平板(100)の両側面が垂直面をなすようにスリッティングする工程をさらに含んでなり、
前記第2段階と第3段階との間に、
曲面化調節手段(30−1)の曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)との間に進入したエンボスステンレス板(100’)の挟み間隙の調節によって、エンボスステンレス板(100’)のエンボス高さ寸法を、曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)との間に進入する前の10%〜15%に縮める過程をさらに含んでなり、
2段階と第3段階との間にテンパリング処理電気炉(20−1)を用いた厚さ2.5mm以上のステンレス平板(100)のテンパリング処理工程がさらに含まれてなる
ことを特徴とするエンボスステンレスパイプ製造方法。
【請求項6】
アンコイラー(1)から供給されてセンタリングガイドローラ(2)を経てエンボシング機(3)にステンレス平板(100)を供給する第1段階と、
前記ステンレス平板(100)をエンボシング機(3)のエンボス金型ローラ(30)を用いてエンボス処理し、エンボスパターンが形成されたエンボスステンレス板(100’)に成形する第2段階と、
前記エンボスステンレス板(100’)を造管機(4)に供給して曲面化、円形化過程を経て長さ方向に溶接継ぎ目部(201)を有するエンボスステンレスパイプ(200)を製造し、該エンボスステンレスパイプ(200)の溶接継ぎ目部(201)を溶接してエンボスステンレスパイプ(200)を完成する第3段階と、
を含んでなり、
前記エンボスステンレス板(100’)は全面がエンボス構造をなすが、両側縁が小幅平面をなすことによって、前記造管機(4)の曲面化、円形化過程によって前記エンボスステンレス板(100’)の両側面が当接してV字溝(201a)を有する溶接継ぎ目部(201)を形成し、前記V字溝(201a)を溶接で溶融融着することによってエンボスステンレスパイプ(200)が完成し、
前記第1段階の前工程として、
生産しようとするエンボスステンレスパイプの外径が得られるステンレス平板幅を設定した後、前記ステンレス平板幅に合わせてスリッティング装置(10−1)のスリッター(13−1)を配置し、
スリッティング装置(10−1)を用いてステンレスコイル供給ローラ(12−1)から前記アンコイラー(1)に供給される広幅のステンレス平板(100)を前記設定幅に合わせて複数の平板にスリッティングするが、前記ステンレス平板(100)の両側面が垂直面をなすようにスリッティングする工程をさらに含んでなり、
前記第2段階と第3段階との間に、
曲面化調節手段(30−1)の曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)との間に進入したエンボスステンレス板(100’)の挟み間隙の調節によって、エンボスステンレス板(100’)のエンボス高さ寸法を、曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)との間に進入する前の10%〜15%に縮める過程をさらに含んでなり、
2段階と第3段階との間にテンパリング処理電気炉(20−1)を用いた厚さ2.5mm以上のステンレス平板(100)のテンパリング処理工程がさらに含まれてなり、
前記テンパリング処理は600℃〜1,300℃で1分〜15分間なされる
ことを特徴とするエンボスステンレスパイプ製造方法。
【請求項7】
アンコイラー(1)から供給されてセンタリングガイドローラ(2)を経てエンボシング機(3)にステンレス平板(100)を供給する第1段階と、
前記ステンレス平板(100)をエンボシング機(3)のエンボス金型ローラ(30)を用いてエンボス処理し、エンボスパターンが形成されたエンボスステンレス板(100’)に成形する第2段階と、
前記エンボスステンレス板(100’)を造管機(4)に供給して曲面化、円形化過程を経て長さ方向に溶接継ぎ目部(201)を有するエンボスステンレスパイプ(200)を製造し、該エンボスステンレスパイプ(200)の溶接継ぎ目部(201)を溶接してエンボスステンレスパイプ(200)を完成する第3段階と、を含んでなり、
前記エンボスステンレス板(100’)は全面がエンボス構造をなすが、両側縁が小幅平面をなすことによって、前記造管機(4)の曲面化、円形化過程によって前記エンボスステンレス板(100’)の両側面が当接してV字溝(201a)を有する溶接継ぎ目部(201)を形成し、前記V字溝(201a)を溶接で溶融融着することによってエンボスステンレスパイプ(200)が完成し、
前記第1段階の前工程として、
生産しようとするエンボスステンレスパイプの外径が得られるステンレス平板幅を設定した後、前記ステンレス平板幅に合わせてスリッティング装置(10−1)のスリッター(13−1)を配置し、
スリッティング装置(10−1)を用いてステンレスコイル供給ローラ(12−1)から前記アンコイラー(1)に供給される広幅のステンレス平板(100)を前記設定幅に合わせて複数の平板にスリッティングするが、前記ステンレス平板(100)の両側面が垂直面をなすようにスリッティングする工程をさらに含んでなり、
前記第2段階と第3段階との間に、
曲面化調節手段(30−1)の曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)との間に進入したエンボスステンレス板(100’)の挟み間隙の調節によって、エンボスステンレス板(100’)のエンボス高さ寸法を、曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)との間に進入する前の10%〜15%に縮める過程をさらに含んでなり、
製作しようとする外径のエンボスステンレスパイプに使用されるステンレス平板のスリッティング幅を決定するとき、
エンボスパターンが異なる場合にもステンレス平板(100)のスリッティング幅を同一に維持するために、
第一、エンボスパターンが異なっても同一厚さのステンレス平板(100)を用いることと
第二、前記同一厚さのステンレス平板(100)において、エンボスパターンが異なっても同一エンボス高さに成形するエンボスステンレス板(100’)を用いることと
第三、前記エンボスステンレス板(100’)の全面にエンボスパターンを形成することと
の三つの条件を全て満たす
ことを特徴とするエンボスステンレスパイプ製造方法。
【請求項8】
アンコイラー(1)から供給されてセンタリングガイドローラ(2)を経てエンボシング機(3)にステンレス平板(100)を供給する第1段階と、
前記ステンレス平板(100)をエンボシング機(3)のエンボス金型ローラ(30)を用いてエンボス処理し、エンボスパターンが形成されたエンボスステンレス板(100’)に成形する第2段階と、
前記エンボスステンレス板(100’)を造管機(4)に供給して曲面化、円形化過程を経て長さ方向に溶接継ぎ目部(201)を有するエンボスステンレスパイプ(200)を製造し、該エンボスステンレスパイプ(200)の溶接継ぎ目部(201)を溶接してエンボスステンレスパイプ(200)を完成する第3段階と、
を含んでなり、
前記エンボスステンレス板(100’)は全面がエンボス構造をなすが、両側縁が小幅平面をなすことによって、前記造管機(4)の曲面化、円形化過程によって前記エンボスステンレス板(100’)の両側面が当接してV字溝(201a)を有する溶接継ぎ目部(201)を形成し、前記V字溝(201a)を溶接で溶融融着することによってエンボスステンレスパイプ(200)が完成し、
前記第1段階の前工程として、
生産しようとするエンボスステンレスパイプの外径が得られるステンレス平板幅を設定した後、前記ステンレス平板幅に合わせてスリッティング装置(10−1)のスリッター(13−1)を配置し、
スリッティング装置(10−1)を用いてステンレスコイル供給ローラ(12−1)から前記アンコイラー(1)に供給される広幅のステンレス平板(100)を前記設定幅に合わせて複数の平板にスリッティングするが、前記ステンレス平板(100)の両側面が垂直面をなすようにスリッティングする工程をさらに含んでなり、
前記第2段階と第3段階との間に、
曲面化調節手段(30−1)の曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)との間に進入したエンボスステンレス板(100’)の挟み間隙の調節によって、エンボスステンレス板(100’)のエンボス高さ寸法を、曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)との間に進入する前の10%〜15%に縮める過程をさらに含んでなり、
2段階と第3段階との間にテンパリング処理電気炉(20−1)を用いた厚さ2.5mm以上のステンレス平板(100)のテンパリング処理工程がさらに含まれてなり、
製作しようとする外径のエンボスステンレスパイプに使用されるステンレス平板のスリッティング幅を決定するとき、
エンボスパターンが異なる場合にもステンレス平板(100)のスリッティング幅を同一に維持するために、
第一、エンボスパターンが異なっても同一厚さのステンレス平板(100)を用いることと
第二、前記同一厚さのステンレス平板(100)において、エンボスパターンが異なっても同一エンボス高さに成形するエンボスステンレス板(100’)を用いることと
第三、前記エンボスステンレス板(100’)の全面にエンボスパターンを形成することと
の三つの条件を全て満たす
ことを特徴とするエンボスステンレスパイプ製造方法。
【請求項9】
アンコイラー(1)から供給されてセンタリングガイドローラ(2)を経てエンボシング機(3)にステンレス平板(100)を供給する第1段階と、
前記ステンレス平板(100)をエンボシング機(3)のエンボス金型ローラ(30)を用いてエンボス処理し、エンボスパターンが形成されたエンボスステンレス板(100’)に成形する第2段階と、
前記エンボスステンレス板(100’)を造管機(4)に供給して曲面化、円形化過程を経て長さ方向に溶接継ぎ目部(201)を有するエンボスステンレスパイプ(200)を製造し、該エンボスステンレスパイプ(200)の溶接継ぎ目部(201)を溶接してエンボスステンレスパイプ(200)を完成する第3段階と、
を含んでなり、
前記エンボスステンレス板(100’)は全面がエンボス構造をなすが、両側縁が小幅平面をなすことによって、前記造管機(4)の曲面化、円形化過程によって前記エンボスステンレス板(100’)の両側面が当接してV字溝(201a)を有する溶接継ぎ目部(201)を形成し、前記V字溝(201a)を溶接で溶融融着することによってエンボスステンレスパイプ(200)が完成し、
前記第1段階の前工程として、
生産しようとするエンボスステンレスパイプの外径が得られるステンレス平板幅を設定した後、前記ステンレス平板幅に合わせてスリッティング装置(10−1)のスリッター(13−1)を配置し、
スリッティング装置(10−1)を用いてステンレスコイル供給ローラ(12−1)から前記アンコイラー(1)に供給される広幅のステンレス平板(100)を前記設定幅に合わせて複数の平板にスリッティングするが、前記ステンレス平板(100)の両側面が垂直面をなすようにスリッティングする工程をさらに含んでなり、
前記第2段階と第3段階との間に、
曲面化調節手段(30−1)の曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)との間に進入したエンボスステンレス板(100’)の挟み間隙の調節によって、エンボスステンレス板(100’)のエンボス高さ寸法を、曲面化雄ローラ(31−1)と曲面化雌ローラ(32−1)との間に進入する前の10%〜15%に縮める過程をさらに含んでなり、
2段階と第3段階との間にテンパリング処理電気炉(20−1)を用いた厚さ2.5mm以上のステンレス平板(100)のテンパリング処理工程がさらに含まれてなり、
前記テンパリング処理は600℃〜1,300℃で1分〜15分間行われ、
製作しようとする外径のエンボスステンレスパイプに使用されるステンレス平板のスリッティング幅を決定するとき、
エンボスパターンが異なる場合にもステンレス平板(100)のスリッティング幅を同一に維持するために、
第一、エンボスパターンが異なっても同一厚さのステンレス平板(100)を用いることと
第二、前記同一厚さのステンレス平板(100)において、エンボスパターンが異なっても同一エンボス高さに成形するエンボスステンレス板(100’)を用いることと
第三、前記エンボスステンレス板(100’)の全面にエンボスパターンを形成することと
の三つの条件を全て満たす
ことを特徴とするエンボスステンレスパイプ製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明の出願人が2018年02月28日付に韓国特許出願番号第10−2018−24243号として出願して2018年06月08日付に特許を受けた特許文献6の“エンボスステンレス板の両側面の溶接を容易にするエンボスステンレスパイプ製造装置及びこれを用いたエンボスステンレスパイプ製造方法”に開示された技術を補完及び改良した発明である。
【0002】
より詳細には、エンボスステンレスパイプ製造装置において、パイプ外径に所要されるステンレス平板の所要幅の設定し難さを解決し、広幅のステンレス平板を複数の平板にスリッティング(Slitting)するが、スリッティングされたステンレス平板の側面が垂直となるようにするスリッティング装置(Slitting machine)と、厚さ2.5mm以上の厚いステンレス板でエンボスステンレスパイプを製造時に、これを円滑に達成可能にするテンパリング電気炉を導入して全体構成をなすエンボスステンレスパイプ製造装置に関する。
【0003】
また、エンボスステンレスパイプ製造方法において、多年間の実験から蓄積した技術に基づき、生産しようとするステンレスパイプ外径寸法に合うステンレス板幅の設定方法、スリッティング工程の追加、エンボスローラのエンボス処理工程で成形されるエンボスステンレス板の構造変更、エンボス程度とエンボスパターンによって生成された弾性を勘案した最上の間隙調節寸法の確定、及び狭小で、精密・正確な溶接が要求されるエンボスステンレスパイプに適する自己材質溶融融着方法によって改善されたエンボスステンレスパイプ製造方法に関する。
【背景技術】
【0004】
金属パイプは、溶融金属を押し出して得られた金属パイプと、金属平板を用いて造管機で曲面化、円形化段階を経てパイプに成形し、長さ方向につながる両側面を一致させて溶接することによって形成される継ぎ目のある金属パイプと、の2種類に区別できる。
【0005】
前者は、厚い厚さと耐圧性を有する金属パイプであり、上水管、下水管、石油管、高圧ガス管、化学工場の液状反応物移送管、送油管、電線配管などの様々な用途に大量で使用されている。
【0006】
後者は、パイプの厚さが比較的薄いため、支持力や強度面において、押出方式の金属パイプに比べて弱く、主に室内欄干用、街灯の支柱などの装飾性の用途に使用されている。しかも、用途及び需要量において前者の金属パイプに至っていない実情である。
【0007】
上記のような金属パイプは、それぞれ上述した用途に用いられてはいるが、益々金属パイプの加工技術が向上するにつれて用途が多様化し、需要量も増えている。これに伴って、エンボスステンレスパイプの技術分野も加工技術の向上と共にその需要量が増大している。
【0008】
本発明に係るエンボスステンレスパイプと比較される製品として、平滑面を有する金属パイプの表面に部分的にニッケルのような有色金属をメッキして文様をつけたパイプ、酸化チタンでプラズマイオン蒸着によって文様をつけたパイプ、エッチング方法で文様をつけたパイプ、機械的な切削加工によって文様をつけたパイプ及びエンボス処理した金属パイプなどが従来から販売されている。
これらの金属パイプに付加される加工技術のうち、本発明に関連している公知技術について説明する。
【0009】
第一に、特許文献1の‘金属パイプの文様成形機’には、プランジャーが後方に移動すると、ハウジングに設置された内部金型がプランジャーに押されて金属パイプの内周面側に移動し、その結果、内部金型の外周面に加工された陽刻の文様が外部金型の内周面に加工された陰刻の文様に噛み合いながら、内部金型と外部金型との間に位置している金属パイプの表面に文字文様が形成されるエンボス処理技術が開示されている。
【0010】
第二に、特許文献2の‘金属パイプのエンボス突起成形装置’には、フレームの中心部に設置固定されている移動固定台とフレームに設置固定されている左右移動固定台を、それぞれの後側に連結されたそれぞれの第1移動力発生部材によって複数の円形のケーシング内側に移動させて一致させることによって複数の円形のケーシング通孔を備えた円筒形ケーシングが形成され、この円筒形ケーシング内に金属パイプを密着するように押し込んで固定させた後、金属パイプの内側に、パイプ状の円周面に穿孔された複数の通孔にパンチングが装着されているパイプ状のコアを密着するように押し込んで装着させるが、円筒形ケーシングの内面に形成されたケーシング通孔とコアの外面に形成された大径のコア通孔を一致するように装着させて固定し、コアの内径と等しいとともに前端部が円錘状に形成されており、ボディー部が封状体からなるプランジャーを第2移動力発生部材のシリンダーによる強力な圧力で押し入れながら、プランジャー前端部の円錘形の傾斜面によって、小径の通孔から内側に突出したパンチ小径部の下端湾曲部を垂直上方に押し上がるようにすることによって、小径部と一体となっているドーム形大経部のパンチも、ケーシング内面に形成されたケーシング通孔の方に押し上げられてパイプ表面が湾曲突出することによってパイプに多数の突起を形成する金属パイプのエンボス突起成形方法が開示されている。
【0011】
第三に、特許文献3の‘改善された構造のパイプエンボス成形装置’には、空圧によって作動するシリンダー及び該シリンダーによって作動するピストンで構成されたシリンダー部と、前記ピストンの前端に形成されたエンボス成形突起で構成された装置の複数のシリンダーを、金属パイプ中心線に対して垂直方向に一定間隔の位置から空圧によりエンボス成形突起を打撃することによって金属パイプに円形の溝を形成する装置に関する技術が開示されている。
これらの従来技術に開示されている、金属パイプ表面に成形された文様は繊細さと精巧さが大きく劣っている。
【0012】
製造装置も、一定の長さに切断された平滑面の金属パイプを製造装置に装着して1段階〜5段階又は1段階〜6段階に作動させてエンボスステンレスパイプを成形した後に取り出す方法であり、連続した方法でないため、生産性が低下して大量生産が不可能であり、その生産原価も高価である。
そして、金属パイプ上に円形の溝が形成されたパイプも、エンボス柄が繊細、精巧でなく、単純である。
【0013】
その他にも、パイプの外周面にエンボス処理する装置に関する技術として、特許文献4の‘パイプ外周縁の菱形成形金型及びこれを用いた成形方法’、特許文献5の ‘パイプのシワ成形装置’に対する技術が開示されたことがある。
【0014】
以上で説明した通り、現在使用されているエンボスのパイプは、だいてい、平板の金属板を造管機を用いて、長さ方向に溶接継ぎ目を有する平滑面の金属パイプを製造した後、一つずつエンボス処理ハウジング内に装着した後、5〜6段階の操作でエンボスステンレスパイプを製造するため、
【0015】
ステンレス平板をエンボスローラで成形したエンボスステンレス板を造管機を用いて製造するエンボスステンレスパイプに比べて繊細さや精巧さに劣るだけでなく、連続反復作業が不可能なため生産性が低下し、動力及び人件費の上昇によって価格競争力が低下する。
かかる従来のエンボスステンレスパイプ製造装置とその製造装置を用いたエンボスステンレスパイプ製造方法の問題点を解決するために、
【0016】
本出願人は、エンボスステンレス板の両側面の溶接を容易にできるエンボスローラを開発してエンボスステンレス板を得、これを平滑面を有するステンレスパイプ製造用の造管機に通過させることによって発生する問題点を解決した。
【0017】
また、エンボス処理可能な陰陽刻エンボスパターンが一致するように噛み合うローラでステンレス板をエンボス処理すると、前面には凸状のエンボスパターンが形成され、背面には凹状のエンボスパターンが対応して形成され、エンボスステンレス板の長さ方向の端部や幅方向の端部はエンボスパターンによる凹凸によって曲面をなすことになり、このため、曲面の端部と曲面の端部とを一致させて溶接することは極めて難しいだけでなく、造管機の曲面化のための上・下陽陰刻の噛み合いローラの間と円形化のための対称形噛み合い円形化ローラを通過する過程で加えられる圧力及びせん断力によってエンボスパターンの変形が発生するため、継ぎ目端部の一致性をさらに失うことになり、実質的に溶接ができないということを解決するために、
【0018】
エンボスステンレス板の両側面の縁に小幅の平面を形成できる陰陽刻エンボスローラの開発によってエンボスステンレスパイプの溶接を容易にし、連続反復作業が可能な造管機を組み合わせることによってエンボスステンレスパイプの生産能力を極大化させることができた。そして、これに対するエンボスステンレスパイプ製造装置及び該装置を用いたエンボスステンレスパイプ製造方法を出願して特許文献6として登録したことがある。
【0019】
しかしながら、特許文献6は、全面が凹凸の曲面となっているエンボスステンレス板を、金属平板を用いて平滑面のエンボスステンレスパイプを製造する造管機でエンボスステンレスパイプを製造する技術であり、韓国内及び海外で初めて試みて開発した発明であるため、まだ技術の補完及び付加技術の向上が必要な発明であるといえよう。
【0020】
本発明は、特許文献6のエンボス金属パイプ製造装置のアンワイダーの前端部にスリッティング装置を追加し、且つ厚いエンボスステンレスパイプ製造時にエンボスローラと造管機との間にテンパリング処理装置をさらに設置することによって改良されたエンボスステンレスパイプ製造装置に関するといえ、また、本発明のエンボスステンレスパイプ製造方法は、前記改良されたエンボスステンレスパイプ製造装置の利用と共に、前記登録特許第10−1868064号のエンボスステンレスパイプ製造方法で発生する問題点を解決した改良されたエンボスステンレスパイプ製造方法であって、次の問題点を解決した工程で構成されたエンボスステンレスパイプ製造方法であるといえる。
【0021】
第一、生産しようとするエンボスステンレスパイプの正確な外径が得られるステンレス平板の幅を設定し、バンド状広幅のステンレス平板を設定幅にしたがってスリッティングする工程が追加されないと、正確なエンボスステンレスパイプの外径寸法が得られない。
【0022】
第二に、通常、ステンレス平板としてエンボス可能な厚さの範囲は0.5〜5mmであり、エンボス処理程度はステンレス平板の厚さの1.5倍まで可能であるとされているが、2.5mm以上のステンレス平板はエンボスローラに無理を与え、薄膜のステンレス平板で処理したエンボスステンレス板に比べて陽陰刻のエンボスパターンの鮮明性と精巧さが劣る。
【0023】
低い硬度の軟性のステンレス平板を使用することによって精巧性と鮮明性が補償されるが、エンボス処理によってエンボスステンレス板の硬度が著しく上昇したうえに、ステンレス板の厚い厚さによって引張強度及び曲げ強度が上昇するため、造管機で円滑な曲面化及び円形化を期待できず、非常に多い動力が所要され、深刻には造管機の作動が止まることもあるため、熱処理(Tempering)によって、上昇したエンボスステンレス板の硬度をエンボス処理前の軟性の硬度に原状復帰する必要がある。
【0024】
第三、エンボスローラでエンボス処理された後に造管機に進入したエンボスステンレス板が挿入される、上下水平に設置された凸曲面を有する雄ローラと凹曲面を有する雌ローラとの間でなされる間隙調節固定の問題に関し、ステンレス平板を用いて造管機でステンレス平滑面のパイプを製造する場合には、ステンレス平板を曲面化雄雌ローラの間に挿入させ、上側にある雄ローラの自重で密着させた状態で、螺旋形固定手段で雄雌ローラ間の間隙を固定させて曲面化及び円形化を進行すればいいが、エンボス処理されたステンレス板は前面の陽刻エンボスパターンに対応するように後面に形成される陰刻エンボスパターンによって弾性を有することになるため、ステンレス平板の曲面化のための雄雌曲面化ローラの間隙調節とは大きく異なる。
【0025】
第四、エンボス処理されたステンレス平板の曲面化雄雌ローラ間の間隙調節は、曲面化雄雌ローラの間にエンボスステンレス板を挿入して曲面化雄ローラの自重で雌ローラに密着させた状態で、エンボス処理によって高くなった寸法の10%〜15%の範囲に該当する寸法に間隙をさらに狭めて調節固定させた後に曲面化及び円形化を進行し、密着された状態で間隙を狭めないと曲面化ローラと円形化ローラの空回転が発生することがあり、円滑な曲面化及び円形化のために過度に間隙を狭めると、エンボスパターンに変形が発生することがあり、不良のエンボスステンレスパイプが発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10−1611572号(登録日2016.04.05)
【特許文献2】大韓民国登録特許第10−404895号(登録日2003.10.28)
【特許文献3】大韓民国登録特許第10−1399231号(登録日2014.05.19)
【特許文献4】大韓民国登録特許第10−1017890号(登録日2011.02.21)
【特許文献5】大韓民国登録特許第10−1604011号の(登録日2016.03.10)
【特許文献6】大韓民国登録特許第10−1868064号(登録日2018.06.08)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本発明は、本発明の出願人が2018年02月28日付に出願番号第10−2018−24243号として出願して2018年06月08日付に特許を受けた特許文献6の“エンボスステンレス板の両側面の溶接を容易にするエンボスステンレスパイプ製造装置及びこれを用いたエンボスステンレスパイプ製造方法”に開示された技術を補完及び改良した発明であり、発明の目的は次の通りである。
【0028】
第一に、生産しようとする外径のエンボスステンレスパイプを得るためのステンレス平板の幅を設定するとき、使用されるステンレス平板の幅がエンボス処理工程及び造管機の曲面化及び円形化工程を経る過程で増えたり減ったりする変化が発生し、エンボス処理程度と使用されるステンレス平板の厚さによってもステンレス平板幅の変化にばらつきがあるため、生産しようとする外径のエンボスステンレスパイプを製造できるステンレス平板の幅が設定されなければならず、これを正確に垂直に裁断するスリッティング装置が設置される必要があるが、そのための工程を追加することによって、エンボスステンレスパイプ外径寸法の正確性を確保し、高品質のエンボスステンレスパイプを提供できるエンボスステンレスパイプ製造装置及びこれを用いたエンボスステンレスパイプ製造方法を提供することを発明の目的とする。
【0029】
第二に、2.5mm以上の厚いエンボスステンレスパイプを製造するとき、厚い厚さのうえに、エンボス処理による大幅の硬度上昇によって、引張強度、曲げ強度が大きく上昇して造管機の曲面化及び円形化が円滑にならず、不良のエンボスステンレスパイプが発生する問題を解決するために、エンボスステンレス板をエンボス処理前の軟性の硬度に復元できるテンパリング装置の設置及びテンパリング工程を追加することによって、厚いステンレス板を用いてエンボスステンレスパイプを製造時にそれを円滑に達成できるようにするエンボスステンレスパイプ製造装置及びこれを用いたエンボスステンレスパイプ製造方法を提供することを発明の目的とする。
【0030】
第三に、造管機で曲面化及び円形化を達成するために水平に設置された雄雌噛み合い曲面化ローラの間に、エンボスステンレス板の表面が下側の雌ローラと接し、裏面が上側の雄ローラと接するようにして間隙調節をするが、ステンレス平板で平滑面のステンレスパイプを製造する場合には、曲面化雄雌噛み合いローラの間にステンレス平板を挿入し、曲面化雄ローラの自重で密着させた状態で間隙を調節固定すると、曲面化及び円形化が円滑に進行して平滑面のステンレスパイプを製造することができるが、エンボスステンレス板でエンボスステンレスパイプを製造する場合には大きな相違がある。エンボスステンレス板の表面にはエンボス凸状パターンが形成され、突出パターンの裏面には対応する凹状エンボスパターンが形成されるので、エンボスステンレス板は上下に弾性を有することになり、四方にも若干の弾性を有することになり、よって、下側の雌曲面化ローラと上側の雄曲面化ローラとの間に挿入されて円形化雄ローラの自重で密着された状態では空回転が発生して曲面化、円形化が円滑でなく、間隙を過度に狭めて固定した状態では曲面化及び円形化の進行によってエンボスパターンが損傷して不良製品の発生率が増加するため、最上の間隙調節固定状態を維持しなければならない。そこで、本発明では、最上の間隙調節固定状態を維持して高品質のステンレスパイプを提供するエンボスステンレスパイプ製造装置及びこれを用いたエンボスステンレスパイプ製造方法を提供することを発明の目的とする。
【0031】
第四に、エンボスステンレス板の両側面に形成された小幅平面をエンボスステンレス板の底面層レベルに水平に形成し、小幅平面の外側断面を垂直に形成することによって、継ぎ目の溝を狭めて継ぎ目が見えないようにし、継ぎ目の溝の底面に形成されるV字溝の上端幅を狭くして継ぎ目の薄膜現象を防止すると同時に、円形化ローラ内部で継ぎ目端部の重なり現象を防止できるエンボスステンレスパイプ製造装置及びこれを用いたエンボスステンレスパイプ製造方法を提供することを発明の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0032】
前記の目的を達成するために、本発明は、
ステンレス平板(100)を提供するアンコイラー(1)と、
前記アンコイラー(1)から供給されるステンレス平板(100)を後段のエンボシング機(3)に案内するセンタリングガイドローラ(2)と、
前記センタリングガイドローラ(2)を経て供給されるステンレス平板(100)をエンボス処理してエンボスステンレス板(100’)に成形するエンボシング機(3)と、
前記エンボシング機(3)から供給されるエンボスステンレス板(100’)の曲面化、円形化工程を経て長さ方向に溶接継ぎ目部(201)を有するエンボスステンレスパイプ(200)を製造し、該製造されたエンボスステンレスパイプ(200)の溶接継ぎ目部(201)を溶接してエンボスステンレスパイプ(200)を完成する造管機(4)と、を含んでなるものであって、
前記エンボシング機(3)は、陽刻のエンボスパターンが形成されている上部ローラ(31)と陰刻のエンボスパターンが形成されている下部ローラ(32)とが噛み合って回転するように構成されたエンボス金型ローラ(30)と、
外骨格を形成しながら前記エンボス金型ローラ(30)を支持するフレーム部(33)と、
前記フレーム部(33)の上端に設置される油圧シリンダー(34)とを含んでなり、
前記上部ローラ(31)は、ローラボディー(311)と、
前記ローラボディー(311)の両側面の中央に設置される回転軸(312)と、
前記ローラボディー(311)の表面に形成される陽刻のエンボスパターン部(313)と、を含んでなるが、前記ローラボディー(311)の表面に形成される陽刻のエンボスパターン部(313)よりも低くローラ回転方向に沿って形成されて前記陽刻のエンボスパターン部(313)を一定間隔に区画する帯状の溝部(314)が形成され、
前記下部ローラ(32)は、ローラボディー(321)と、
前記ローラボディー(321)の両側面の中央に形成される回転軸(322)と、
前記ローラボディー(321)の表面に形成される陰刻のエンボスパターン部(323)とを含んでなるが、ローラボディー(321)の表面に形成される陰刻のエンボスパターン部(323)よりも高くローラ回転方向に沿って形成されて前記陰刻のエンボスパターン部(323)を一定間隔に区画する帯状の突出部(324)が形成され、該突出部(324)が前記溝部(314)に内入するように構成され、
前記アンコイラー(1)の前段に設置され、広幅のステンレス平板を複数の平板にスリッティング(Slitting)するが、切断されたステンレス平板(100)の側面が垂直面となるようにするスリッティング装置(10−1)であって、
前記スリッティング装置(10−1)は、
切断していないステンレス平板が巻かれているステンレスコイル(11−1)と、
前記ステンレスコイル(11−1)の中心回転軸をなし、回転によってステンレス平板を前記アンコイラー(1)に供給するステンレスコイル供給ローラ(12−1)と、
前記ステンレスコイル(11−1)の後段に設置され、ステンレスコイル供給ローラ(12−1)から前記アンコイラー(1)に供給される広幅のステンレス平板(100)を複数の平板にスリッティング(Slitting)するが、製作しようとするステンレスパイプ外径寸法に合うステンレス平板(100)の幅に応じて調整された間隔に横方向に複数設置され、ステンレス平板(100)の両側面が垂直面をなすように細く切るスリッター(13−1)とを含んでなるエンボスステンレスパイプ製造装置を提供する。
【0033】
前記スリッティング装置(10−1)によってスリッティングされたステンレス平板(100)は複数のアンコイラー(1)に巻き取られ、このようにスリッティングステンレス平板(100)が巻き取られたアンコイラー(1)を前記スリッティング装置(10−1)から分離した後、センタリングガイドローラ(2)の前段に装着して使用する。
【0034】
また、本発明は、
アンコイラー(1)から供給されてセンタリングガイドローラ(2)を経てエンボシング機(3)に平面金属板(100)を供給する第1段階と、
前記ステンレス平板(100)をエンボシング機(3)のエンボス金型ローラ(30)を用いてエンボス処理し、エンボスパターンが形成されたエンボス金属板(100’)に成形する第2段階と、
前記エンボスステンレス板(100’)を造管機(4)に供給して曲面化、円形化過程を経て長さ方向に溶接継ぎ目部(201)を有するエンボスステンレスパイプ(200)を製造し、該エンボスステンレスパイプ(200)の溶接継ぎ目部(201)を溶接してエンボスステンレスパイプ(200)を完成する第3段階と、を含んでなり、
前記エンボス金属板(100’)は全面がエンボス構造をなすが、両側縁が小幅平面をなすことによって、前記造管機(4)の曲面化、円形化過程によって前記エンボスステンレス板(100’)の両側面が当接してV字溝(201a)を有する溶接継ぎ目部(201)を形成し、前記V字溝(201a)を溶接で溶融融着することによってエンボスステンレスパイプ(200)が完成し、
前記第1段階の前工程として、
生産しようとするエンボスステンレスパイプの外径が得られるステンレス平板幅を設定した後、前記ステンレス平板幅に合わせてスリッティング装置(10−1)のスリッター(13−1)を配置し、
スリッティング装置(10−1)を用いてステンレスコイル供給ローラ(12−1)から前記アンコイラー(1)に供給される広幅のステンレス平板(100)を前記設定幅に合わせて複数の平板にスリッティングするが、前記ステンレス平板(100)の両側面が垂直面をなすようにスリッティングする工程をさらに含んでなるエンボスステンレスパイプ製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係るエンボスステンレスパイプ製造装置及びこれを用いたエンボスステンレスパイプ製造方法は次の効果を奏する。
【0036】
第一、必要な外径のエンボスステンレスパイプを製造できるステンレス平板の幅を正確に設定することによって必要な外径のステンレス板を容易に製造することができ、2.5mm以上の厚い厚さを有するステンレス平板でエンボスステンレスパイプを製造する場合、厚い厚さとエンボス処理によって大幅に上昇した硬度のために引張強度及び曲げ強度が大きく上昇したエンボスステンレス板を高温の炉でテンパリング処理によってエンボス処理前の軟性の硬度に原状復帰して造管機で円滑に曲面化及び円形化が行われるようにし、品質の向上した定型のエンボスステンレスパイプを得ることができる。
【0037】
第二、陰陽刻の噛み合ったエンボスローラでエンボス処理されたエンボスステンレス板を造管機の雄雌ローラの間で最上の状態に間隙を調節固定させることによって、曲面化ローラと垂直・水平の対称噛み合い円形化ローラの空回転が発生せず、エンボスパターンの損傷なしに全体的なパイプラインの進行移動が一定となって円滑であり、前後装置に無理なく全工程を円滑に行うことができる。
【0038】
第三、エンボスステンレス板の両側面の端部が垂直に形成され、小幅平面がエンボスステンレス板の底面レベルで外側に水平に形成されるので、エンボスステンレスパイプの形成後、継ぎ目部の溝の入口幅を最小限に減らし、継ぎ目部の溝の底面にV字溝の溶接部が見えなくようにし、小幅平面の端部を垂直にすることによってエンボスステンレスパイプの完全円形化によって形成されるV字溝の入口幅を最小化でき、自己材質溶接継ぎ目部の薄板化の防止と円形化の完成によって、溶接段階で対称噛み合い円形化ローラ内で小幅平面端部が重なり合う現象を防止でき、その他にもスリッティング装置及びテンパリング処理装置の追加設置による製造工程の追加と曲面化ローラ間の最上の間隙調節固定によって曲面化及び円形化を行うので、寸法安定性の確保と品質の向上を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の第1実施例によるエンボスステンレスパイプ製造装置の全体構成図である。
図2】本発明の第2実施例によるエンボスステンレスパイプ製造装置の全体構成図である。
図3】本発明の第3実施例によるエンボスステンレスパイプ製造装置の全体構成図である。
図4】本発明に係るスリッティング装置の斜視図である。
図5】本発明に係るテンパリング処理電気炉の斜視図である。
図6】本発明に係る曲面化調節手段の斜視図である。
図7】本発明に係る曲面化調節手段の正面図である。
図8】本発明のエンボスステンレスパイプ製造装置を構成するエンボス金型ローラの第1実施形態の斜視図である。
図9】本発明のエンボスステンレスパイプ製造装置を構成するエンボス金型ローラの第1実施形態の正面図である。
図10】本発明のエンボスステンレスパイプ製造装置を構成するエンボス金型ローラの第2実施形態の正面図である。
図11】本発明のエンボスステンレスパイプ製造装置を構成するエンボス金型ローラの第3実施形態の正面図である。
図12】本発明のエンボスステンレスパイプ製造装置を構成するエンボス金型ローラの第4実施形態の正面図である。
図13】本発明のエンボスステンレスパイプ製造装置を構成するエンボス金型ローラの第5実施形態の正面図である。
図14】本発明のエンボスステンレスパイプ製造装置を構成するエンボス金型ローラの第6実施形態の正面図である。
図15】本発明に係るエンボス金型ローラのエンボスパターンののうち、四角錐形エンボスパターンを示す正面図である。
図16】本発明に係るエンボス金型ローラのエンボスパターンのうち、正六角形エンボスパターンを示す正面図である。
図17】本発明に係るエンボス金型ローラのエンボスパターンのうち、櫛目形エンボスパターンを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
ステンレス平板100を提供するアンコイラー1と、
前記アンコイラー1から供給されるステンレス平板100を後段のエンボシング機3に案内するセンタリングガイドローラ2と、
前記センタリングガイドローラ2を経て供給されるステンレス平板100をエンボス処理してエンボスステンレス板100’に成形するエンボシング機3と、
前記エンボシング機3から供給されるエンボスステンレス板100’の曲面化、円形化工程を経て長さ方向に溶接継ぎ目部201を有するエンボスステンレスパイプ200を製造し、該製造されたエンボスステンレスパイプ200の溶接継ぎ目部201を溶接してエンボスステンレスパイプ200を完成する造管機4と、を含んでなるものであって、
前記エンボシング機3は、陽刻のエンボスパターンが形成されている上部ローラ31と陰刻のエンボスパターンが形成されている下部ローラ32とが噛み合って回転するように構成されたエンボス金型ローラ30と、
外骨格を形成しながら前記エンボス金型ローラ30を支持するフレーム部33と、
前記フレーム部33の上端に設置される油圧シリンダー34と、を含んでなり、
前記上部ローラ31は、ローラボディー311と、
前記ローラボディー311の両側面の中央に設置される回転軸312と、
前記ローラボディー311の表面に形成される陽刻のエンボスパターン部313と、を含んでなるが、前記ローラボディー311の表面に形成される陽刻のエンボスパターン部313よりも低くローラ回転方向に沿って形成されて前記陽刻のエンボスパターン部313を一定間隔に区画する帯状の溝部314が形成され、
前記下部ローラ32は、ローラボディー321と、
前記ローラボディー321の両側面の中央に形成される回転軸322と、
前記ローラボディー321の表面に形成される陰刻のエンボスパターン部323とを含んでなるが、ローラボディー321の表面に形成される陰刻のエンボスパターン部323よりも高くローラ回転方向に沿って形成されて前記陰刻のエンボスパターン部323を一定間隔に区画する帯状の突出部324が形成され、該突出部324が前記溝部314に内入するように構成され、
前記アンコイラー1として前段に設置され、広幅のステンレス平板を複数の平板にスリッティングするが、切断されたステンレス平板100の側面が垂直面となるようにするスリッティング装置10−1であって、
前記スリッティング装置10−1は、
切断していないステンレス平板が巻かれているステンレスコイル11−1と、
前記ステンレスコイル11−1の中心回転軸をなし、回転によってステンレス平板を前記アンコイラー1に供給するステンレスコイル供給ローラ12−1と、
前記ステンレスコイル11−1の後段に設置され、ステンレスコイル供給ローラ12−1から前記アンコイラー1に供給される広幅のステンレス平板100を複数の平板にスリッティングするが、製作しようとするステンレスパイプ外径寸法に合うステンレス平板100の幅に応じて調整された間隔に横方向に複数設置され、ステンレス平板100の両側面が垂直面をなすように細く切るスリッター13−1と、を含んでなるものであって、
前記エンボシング機3と造管機4との間に曲面化調節手段30−1をさらに含んで構成され、
前記曲面化調節手段30−1は、
曲面化雄ローラ31−1と、
前記曲面化雄ローラ31−1の下部に形成され、前記曲面化雄ローラ31−1と水平方向に一定間隔を維持しながら形成される曲面化雌ローラ32−1と、
前記曲面化雄ローラ31−1と曲面化雌ローラ32−1の左右方向に対を成して形成され、前記曲面化雄ローラ31−1と曲面化雌ローラ32−1に連結される回転軸31a−1,32a−1を支持する回転軸支持部33−1と、
前記回転軸支持部33−1の上端に形成される締めナット34−1と、を含んでなり、
前記締めナット34−1を緩めたり締めたりすることによって前記曲面化雄ローラ31−1が上下に移動し、これによって、前記曲面化雄ローラ31−1と曲面化雌ローラ32−1との間に進入したエンボスステンレス板100’の挟み間隙を調節することを特徴とするエンボスステンレスパイプ製造装置。
【実施例】
【0041】
以下、本発明に係る技術構成を図面と共に具体的に説明する。
図1図3に示すエンボスステンレスパイプ製造装置1は、装置構成の付加によって実施形態を異ならせて提示している第1実施例〜第3実施例によるエンボスステンレスパイプ製造装置1に関する。
【0042】
図1に示す第1実施例によるエンボスステンレスパイプ製造装置1は、ステンレス平板100を提供するアンコイラー1と、
前記アンコイラー1から供給されるステンレス平板100を後段のエンボシング機3に案内するセンタリングガイドローラ2と、
前記センタリングガイドローラ2を経て供給されるステンレス平板100をエンボス処理してエンボスステンレス板100’に成形するエンボシング機3と、
前記エンボシング機3から供給されるエンボスステンレス板100’の曲面化、円形化工程を経て長さ方向に溶接継ぎ目部201を有するエンボスステンレスパイプ200を製造し、該製造されたエンボスステンレスパイプ200の溶接継ぎ目部201を溶接してエンボスステンレスパイプ200を完成する造管機4と、を含んでなり、
前記エンボシング機3は、陽刻のエンボスパターンが形成されている上部ローラ31と陰刻のエンボスパターンが形成されている下部ローラ32とが噛み合って回転するように構成されたエンボス金型ローラ30と、
外骨格を形成しながら前記エンボス金型ローラ30を支持するフレーム部33と、
前記フレーム部33の上端に設置される油圧シリンダー34とを含んでなり、
前記上部ローラ31は、ローラボディー311と、
前記ローラボディー311の両側面の中央に設置される回転軸312と、
前記ローラボディー311の表面に形成される陽刻のエンボスパターン部313とを含んでなるが、前記ローラボディー311の表面に形成される陽刻のエンボスパターン部313よりも低くローラ回転方向に沿って形成されて前記陽刻のエンボスパターン部313を一定間隔に区画する帯状の溝部314が形成され、
前記下部ローラ32は、ローラボディー321と、
前記ローラボディー321の両側面の中央に形成される回転軸322と、
前記ローラボディー321の表面に形成される陰刻のエンボスパターン部323とを含んでなるが、ローラボディー321の表面に形成される陰刻のエンボスパターン部323よりも高くローラ回転方向に沿って形成されて前記陰刻のエンボスパターン部323を一定間隔に区画する帯状の突出部324が形成され、前記突出部324が前記溝部314に内入するように構成され、
前記アンコイラー1として前段に設置され、広幅のステンレス平板を複数の平板にスリッティングするが、切断されたステンレス平板100の側面が垂直面となるようにするスリッティング装置10−1であって、
前記スリッティング装置10−1は、
切断していないステンレス平板100が巻かれているステンレスコイル11−1と
前記ステンレスコイル11−1の中心回転軸をなし、回転によってステンレス平板を前記アンコイラー1に供給するステンレスコイル供給ローラ12−1と、
前記ステンレスコイル11−1の後段に設置され、ステンレスコイル供給ローラ12−1から前記アンコイラー1に供給される広幅のステンレス平板100を複数の平板にスリッティングするが、製作しようとするステンレスパイプ外径寸法に合うステンレス平板100の幅に応じて調整された間隔に横方向に複数設置され、ステンレス平板100の両側面が垂直面をなすように細く切るスリッター13−1とを含んでなる。
【0043】
前記第1実施例によるエンボスステンレスパイプ製造装置1は、最終的に製作しようとするエンボスステンレスパイプの外径に従うステンレス平板幅設定の難しさを解決しようとするものであって、
広幅のステンレス平板100を、エンボスステンレスパイプの外径に従ってスリッティングしようとする区間に複数設置されたスリッター13−1を用いて、複数の平板にスリッティングする技術を提示している。
【0044】
このとき、前記スリッティング装置10−1によって複数の平板にスリッティングされるステンレス平板100の両側面は垂直面をなす。
【0045】
前記スリッティング装置10−1は、図4に示すように、
切断していないステンレス平板100が巻かれているステンレスコイル11−1と、
前記ステンレスコイル11−1の中心回転軸をなし、回転によってステンレス平板を前記アンコイラー1に供給するステンレスコイル供給ローラ12−1と、
前記ステンレスコイル11−1の後段に設置され、ステンレスコイル供給ローラ12−1から前記アンコイラー1に供給される広幅のステンレス平板100を複数の平板にスリッティングするものであって、製作しようとするステンレスパイプ外径寸法に合うステンレス平板100の幅に応じて調整された間隔に横方向に複数設置され、ステンレス平板100の両側面が垂直面をなすように細く切るスリッター13−1とを含んでなる。
【0046】
前記ステンレスコイル11−1は、スリッティング前状態の広幅のステンレス平板が巻かれているものであり、広幅のステンレス平板が巻かれているステンレスコイル11−1の中心回転軸に形成されているコイル供給ローラ12−1の回転によってスリッター13−1の方に供給される。
【0047】
前記ステンレスコイル11−1の後段には、前記ステンレスコイル11−1の横方向と並んで所定の間隔に離隔して設置された軸に複数のスリッター13−1が設置される。
このとき、スリッター13−1の配置間隔は、製作しようとするエンボスステンレスパイプの外径に従って決定される。
【0048】
前記ステンレスコイル11−1から供給される広幅のステンレス平板100は、前記スリッター13−1によって設定された数値に合わせて複数の平板にスリッティングされた後、アンコイラー1に供給されて巻き取られる。
【0049】
前記スリッティング装置10−1は、エンボスステンレスパイプの外径の寸法に関連するものであり、mm単位で少数点2桁まで表す精密度及び正確性が要求される。
一般に、ステンレス平板は、コイル状態に巻き取られたバンド形のステンレス平板であり、幅、厚さ、硬度を示す規格で販売される。
【0050】
すなわち、造管機を用いて製造した平滑面のステンレスパイプやエンボスステンレスパイプの外径が得られる寸法で販売されていないため、ステンレス平板幅をスリッティングして必要な幅に一致させなければならない。
【0051】
造管機で製造する平滑面を有する金属パイプは、金属を溶融し押し出して製造する金属パイプ以前に生産された、長い歴史と相当な技術蓄積がなされた金属パイプであり、一定寸法の外径を得るために必要な平板ステンレスの幅が得られる公式(式(1))がある。この公式は、エンボスステンレスパイプの外径設定のためのものであり、この公式を用いた“円パイプスリッティングコイル(Slitting coil)幅”を、下記表1に示す。
【0052】
(外径−厚さ)×π+厚さ=平滑面のステンレスパイプの一定外径を得るために必要なステンレス平板幅−−−−−−−−−−−−−−−式(1)
【0053】
一例として、1.00mm厚さのステンレス平板を用いて外径30.00mmの平滑面のステンレスパイプを製造しようとする時、必要なステンレス平板幅は(30.00−1.00)×π+1.00=92.06mmである。
【0054】
以上のように、平滑面を有するステンレスパイプを製造するに当たって必要な厚さと必要な外径を得たい場合、所要されるステンレス平板幅を容易に設定できるが、ステンレス平板を用いてエンボスステンレスパイプを製造する場合には、一定の厚さで必要な外径のエンボスステンレスパイプを製造しようとするとき、必要なステンレス平板の幅が分からず、設定することもできなく、前記式(1)のような公式もない。
【0055】
その理由は、エンボス処理された金属板で造管機を用いてエンボス金属パイプを作るために開発を始めた初期段階で、新規性の有無及び開発に必要な参考資料を確保するために韓国、米国、日本の特許公報を検索した結果、造管機を用いたエンボスステンレスパイプ製造に関連した資料が意外に皆無であり、実際に造管機でエンボスステンレスパイプを製造する技術分野は新規の技術分野であったためである。
【0056】
本発明出願人の先登録特許である登録特許第10−1868064号でもこの問題点を解決できず、一定の厚さ及び幅のエンボスパターンにエンボスステンレスパイプの新規規格(外径)をいちいち製造してその結果を規格資料として蓄積しているが、このような方式は原材料の損失が多く、動力及び人件費の浪費が大きいため、エンボスステンレスパイプの製造に適したステンレス平板幅設定方法が必要であった。
【0057】
そこで、本発明では、アンコイラー1として前段にスリッティング装置10−1を配置し、一定外径を有するエンボスステンレスパイプを得るためのステンレス平板幅の設定のための画一的な原則を導出することによって、不要な装置稼動の軽減、ステンレス平板原材料の節約及び人件費の節約を可能にする。
平滑面を有するステンレスパイプ外径を得るためのステンレス平板の幅を“円パイプスリッティングコイル幅”と表現し、表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
前記表1は、一定の厚さのステンレス平板で製造された平滑面を有するステンレスパイプの一定寸法の外径を得るのに所要されるステンレス平板の幅を設定する表である。一例として、ステンレス平板1.00mm厚さで外径10.00mmの平滑面のステンレスパイプを造管機を用いて製造しようとする場合、所要される1.00mm厚さのステンレス平板幅を求めるために前述の公式:(外径−厚さ)×π+厚さ=必要なステンレス幅を利用すれば、(10.00−1.00)×3.14+1.00=29.26mmである。
【0060】
言い換えると、厚さ1.00mmステンレス平板でエンボス高さ0.5mmにエンボスしたステンレス板で造管機を用いて外径10.00mmの平滑面のステンレスパイプを得るために必要なステンレス平板幅は29.26mmである。
次に、一定のエンボスステンレスパイプ外径を得るためのステンレス平板の幅を“エンボスステンレスパイプスリッティングコイル幅”と表現し、表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】
(表2で、SPは、平滑面のステンレスパイプの一定の外径に所要される平板ステンレスの幅を表し、ESPは、エンボスステンレスパイプの一定の外径に所要される平板ステンレスの幅を表す。そして、表2でエンボス処理高さは0.5mmである。)本発明は、より効率的なスリッティング幅を設定するために、様々な規格の製作過程で得られた技術蓄積と多段階工程過程で製品の外径、内径及びエンボスパターンの変化される状態を持続的に研究検討して総合した結果、下のような条件下で、異なるエンボスパターンであっても同一のスリッティング幅を使用できることを確認した。
【0063】
同一の厚さのステンレス平板を使用し、エンボス高さが同一であり、エンボスパターンがエンボスステンレス板の全面に密集した状態に成形されたエンボスステンレス板を用いてエンボスステンレスパイプを製造する場合、エンボスパターンの形状に関係なく予め定められたスリッティング幅をエンボスパターンの種類に関係なく適用することができる。
すなわち、製作しようとする外径のエンボスステンレスパイプに使用されるステンレス平板のスリッティング幅を決定するとき、
エンボスパターンが異なる場合にも、次の条件を全て満たせば、ステンレス平板100のスリッティング幅は同一に維持され得る。
【0064】
第一、同一厚さのステンレス平板100。
第二、前記同一厚さのステンレス平板100を用いて形成された同一エンボス高さのエンボスステンレス板100’。
第三、前記エンボスステンレス板100’の全面に成形され、且つ密集した状態に成形されたエンボスパターン。
【0065】
したがって、前記の条件を満たせば、新しいエンボスパターンを適用する場合にも、製作しようとする外径のエンボスステンレスパイプを作るためのサンプル製作過程が不要であり、余計な装置稼動による動力消耗、リソース浪費及び労力浪費の問題を解決することができる。
【0066】
一例として、表2でダイヤモンド(四角錐)形エンボスパターンが成形された外径φ25.4mmのエンボスステンレスパイプ製作に使用されたステンレス平板の幅は77.4mmである。
【0067】
前記ダイヤモンド(四角錐)形エンボスパターンを有するエンボスステンレスパイプと同じ外径で製作しようとするエンボスステンレスパイプのパターン形状が異なる場合には、ステンレス平板の厚さ、エンボス高さが同一であり、エンボスステンレス板の全面にパターンが密集して成形された状態であれば、ステンレス平板幅は、上に提示された77.4mmに決定すればよい。これで、パターンは異なるが、外径φ25.4mmのエンボスステンレスパイプの製作が可能である。
【0068】
第2実施例によるエンボスステンレスパイプ製造装置1は、図2に示すように、図1に示したエンボスステンレスパイプ製造装置1にテンパリング処理電気炉20−1がさらに設置されて構成される。
【0069】
前記エンボスステンレスパイプ製造装置1は、テンパリング処理電気炉20−1をエンボシング機3と造管機4との間に設置し、2.5〜5.0mmの厚い厚さ及びエンボス処理によって硬度の高くなったステンレス平板100をテンパリング処理してエンボス処理前の硬度に下げることによって、2.5〜5.0mmの厚い厚さを有するエンボスステンレス板100’を用いて造管機4で円滑に曲面化及び円形化がなされるようにし得る。
【0070】
前記テンパリング処理電気炉20−1は、図5に示すように、
電気炉21−1と、
前記電気炉21−1にエンボスステンレス板100’を供給するトンネル形投入部22−1と、
前記電気炉21−1の温度及び時間を制御する制御部23−1とを含んでなる。
【0071】
前記テンパリング処理電気炉20−1は、エンボシング機3と造管機4との間に設置されるものであり、ステンレス平板100の厚さが2.5mm以上である時に使用される。
【0072】
前記テンパリング処理電気炉20−1は、厚さとエンボス処理で硬度の高くなったステンレス平板100をテンパリング処理し、エンボス処理前の硬度に下げる役割を担う。
前記テンパリング処理電気炉20−1を用いたテンパリング処理は、600℃〜1,300℃で1分〜15分間行われる。
【0073】
2.5mm以上の厚いステンレス平板100を用いてエンボスステンレスパイプを製造する場合に、厚い厚さ及びエンボス処理で大きく上昇した硬度によって引張強度及び曲げ強度が高く上昇するため、造管機で曲面化及び円形化が円滑になされず、不良のエンボスステンレスパイプが量産される。
【0074】
したがって、造管機4の前段に設置されたテンパリング処理電気炉20−1を用いて2.5mm以上の厚い厚さのステンレス平板100をテンパリング処理することによって、エンボス処理前の軟性の硬度に原状復帰し、これによって造管機で曲面化及び円形化が円滑になされることによって、2.5mm以上の厚いステンレス平板100を用いた高品質のエンボスステンレスパイプを得ることができる。
前記厚い厚さのステンレス平板100は、より具体的には2.5mm〜5.0mm範囲内の厚さを有するものである。
2.5mm〜5.0mm厚さのステンレス平板100は、エンボス処理のために硬度100HV〜200HV範囲のものを使用する。
【0075】
このような硬度のステンレス平板100は、エンボス処理後、エンボスパターン形状による構造的補強によって引張強度、曲げ強度などが40〜50%上昇して、全体的に硬度が最大300HVまで上昇することになり、これは造管機4を用いた曲面化及び円形化を難しくする。
【0076】
第3実施例によるエンボスステンレスパイプ製造装置1は、図3に示すように、図2に示したエンボスステンレスパイプ製造装置1に曲面化調節手段30−1がさらに設置されて構成される。
より具体的には、エンボシング機3と造管機4に設置されるが、前記テンパリング処理電気炉20−1の前段又は後段に設置される。
【0077】
前記曲面化調節手段30−1は、図6及び図7に示すように、
曲面化雄ローラ31−1と、
前記曲面化雄ローラ31−1の下部に形成され、前記曲面化雄ローラ31−1と水平方向に一定間隔を維持しながら形成される曲面化雌ローラ32−1と、
前記曲面化雄ローラ31−1と曲面化雌ローラ32−1の左右方向に対を成して形成され、前記曲面化雄ローラ31−1と曲面化雌ローラ32−1に連結される回転軸31a−1,32a−1を支持する回転軸支持部33−1と、
前記回転軸支持部33−1の上端に形成される締めナット34−1とを含んでなるものであり、
前記締めナット34−1を緩めたり締めたりすることによって前記曲面化雄ローラ31−1が上下に移動し、これによって、前記曲面化雄ローラ31−1と曲面化雌ローラ32−1との間に進入したエンボスステンレス板100’の挟み間隙が調節される。
【0078】
前記曲面化調節手段30−1は、前過程でエンボス処理されたエンボスステンレス板を曲面化雄ローラ31−1と曲面化雌ローラ32−1に進入させて間隙を調節固定した後、造管機4で曲面化及び円形化がなされるようにする。
【0079】
前記造管機4を用いた曲面化及び円形化において、間隙を緩くすると、曲面化ローラの空回転が発生して、流れを共にする一連の装置に問題が生じ、間隙が狭すぎると、エンボスステンレス板に形成された陽刻エンボスパターンの傷つき現象、密集現象などの問題が発生するので、挟み間隙を調節することは非常に重要である。
【0080】
エンボスステンレス板100’はステンレス平板と違い、エンボスパターンの生成によって上下方向に弾性を有し、これを勘案した間隙調節固定は、曲面化雌ローラ32−1上にエンボスステンレス板100’の表面が接し、裏面が曲面化雄ローラ31−1に接するが、1次曲面化雄ローラ31−1の自重で密着させた後、エンボス高さ寸法の10%〜15%に該当する寸法だけ間隙をさらに狭めて調節固定する。
このような間隙調節がなされた後には、造管機4で曲面化及び円形化過程が行われる。
【0081】
次に、スリッティング装置10−1で幅調整がなされたステンレス平板100に、陽刻のエンボスパターンが形成されている上部ローラ31と陰刻のエンボスパターンが形成されている下部ローラ32とが噛み合って回転しながらエンボスパターンを形成するエンボス金型ローラ30について説明する。
【0082】
図8図14は、前記エンボス金型ローラ30の様々な実施形態を示すものであり、その形態及び構造によって6つの実施形態に区分できる。
図8及び図9に示すエンボス金型ローラ30は、第1実施形態である。
【0083】
前記エンボス金型ローラ30は、
ローラボディー311と、
前記ローラボディー311の両側面の中央に設置される回転軸312と、
前記ローラボディー311の表面に形成される陽刻のエンボスパターン部313と、
前記ローラボディー311の両側縁に沿って前記陽刻のエンボスパターン部313よりも低く形成される第1左・右側端部315,316とを含んでなる上部ローラ31;
ローラボディー321と、
前記ローラボディー321の両側面の中央に形成される回転軸322と、
前記ローラボディー321の表面に形成される陰刻のエンボスパターン部323と、
前記ローラボディー321の両側縁に沿って前記陰刻のエンボスパターン部323よりも高く形成される第2左・右側端部325,326とを含んでなる下部ローラ32;で構成される。
【0084】
第1実施形態の上部ローラ31と下部ローラ32には、陽刻のエンボスパターン部313と陰刻のエンボスパターン部323を区画する帯状の溝部314と帯状の突出部324が形成されていない。
【0085】
図10に示す第2実施形態の上部ローラ31と下部ローラ32には、前記陽刻のエンボスパターン部313と陰刻のエンボスパターン部323を区画する帯状の溝部314と帯状の突出部324が形成されている。
【0086】
第2実施形態のエンボス金型ローラ30は
ローラボディー311と、
前記ローラボディー311の両側面の中央に設置される回転軸312と、
前記ローラボディー311の表面に形成される陽刻のエンボスパターン部313と、
前記ローラボディー311の表面に形成される陽刻のエンボスパターン部313よりも低くローラ回転方向に沿って形成されて前記陽刻のエンボスパターン部313を一定間隔に区画する帯状の溝部314と、
前記ローラボディー311の両側縁に沿って前記陽刻のエンボスパターン部313よりも低く形成される第1左・右側端部315,316とを含んでなる上部ローラ31;
ローラボディー321と、
前記ローラボディー321の両側面の中央に形成される回転軸322と、
前記ローラボディー321の表面に形成される陰刻のエンボスパターン部323と、
前記ローラボディー321の表面に形成される陰刻のエンボスパターン部323よりも高くローラ回転方向に沿って形成されて前記陰刻のエンボスパターン部323を一定間隔に区画する帯状の突出部324と、
前記ローラボディー321の両側縁に沿って前記陰刻のエンボスパターン部323よりも高く形成される第2左・右側端部325,326とを含んでなる下部ローラ32;で構成される。
このとき、前記下部ローラ32の突出部324は前記上部ローラ31の溝部314に内入するように構成される。
【0087】
前記第1及び第2実施形態のエンボス金型ローラ30と第3実施形態のエンボス金型ローラ30との相違は、上部ローラ31のローラボディー311の両側端の構造にある。すなわち、第3実施形態のエンボス金型ローラ30を構成する上部ローラ31のローラボディー311の両側端に左・右側傾斜面形成部317,318が形成されていることが異なる。図11は、第3実施形態のエンボス金型ローラ30を示している。
【0088】
第3実施形態のエンボス金型ローラ30は
ローラボディー311と、
前記ローラボディー311の両側面の中央に形成される回転軸312と、
前記ローラボディー311の表面に形成される陽刻のエンボスパターン部313と、
前記ローラボディー311の両側縁に沿って前記陽刻のエンボスパターン部313よりも低く形成される第1左・右側端部315,316と、
前記第1左・右側端部315,316から外側横方向に拡張して一体をなすが、前記第1左・右側端部315,316から延長される地点から外側斜線方向に突出形成されて、下部ローラ32の第2左・右側端部325,326と噛み合って回転することによって、平面金属板100の両側面を斜線方向に成形する左・右側傾斜面形成部317,318とを含んでなる上部ローラ31;
ローラボディー321と、
前記ローラボディー321の両側面の中央に形成される回転軸322と、
前記ローラボディー321の表面に形成される陰刻のエンボスパターン部323と、
前記ローラボディー321の両側縁に沿って前記陰刻のエンボスパターン部323よりも高く形成される第2左・右側端部325,326とを含んでなる下部ローラ32;で構成される。
【0089】
第3実施形態の上部ローラ31と下部ローラ32には陽刻のエンボスパターン部313と陰刻のエンボスパターン部323を区画する帯状の溝部314、帯状の突出部324が形成されていない。
【0090】
図12に示す第4実施形態の上部ローラ31と下部ローラ32には前記陽刻のエンボスパターン部313と陰刻のエンボスパターン部323を区画する帯状の溝部314と帯状の突出部324が形成されている。
【0091】
第4実施形態のエンボス金型ローラ30は、
ローラボディー311と、
前記ローラボディー311の両側面の中央に形成される回転軸312と、
前記ローラボディー311の表面に形成される陽刻のエンボスパターン部313と、
前記ローラボディー311の表面に形成される陽刻のエンボスパターン部313よりも低くローラ回転方向に沿って形成され、前記陽刻のエンボスパターン部313を一定間隔に区画する帯状の溝部314と、
前記ローラボディー311の両側縁に沿って前記陽刻のエンボスパターン部313よりも低く形成される第1左・右側端部315,316と、
前記第1左・右側端部315,316から外側横方向に拡張されて一体をなすが、前記第1左・右側端部315,316で延長される地点から外側斜線方向に突出形成されて、下部ローラ32の第2左・右側端部325,326と噛み合って回転することによって平面金属板100の両側面を斜線方向に成形する左・右側傾斜面形成部317,318とを含んでなる上部ローラ31;
ローラボディー321と、
前記ローラボディー321の両側面の中央に形成される回転軸322と、
前記ローラボディー321の表面に形成される陰刻のエンボスパターン部323と、
前記ローラボディー321の表面に形成される陰刻のエンボスパターン部323よりも高くローラ回転方向に沿って形成されて前記陰刻のエンボスパターン部323を一定間隔に区画する帯状の突出部324と、
前記ローラボディー321の両側縁に沿って前記陰刻のエンボスパターン部323よりも高く形成される第2左・右側端部325,326とを含んでなる下部ローラ32;で構成される。
第5及び第6実施形態のエンボス金型ローラ30は、前記第1〜第4実施形態で提示されたエンボス金型ローラ30とは異なるエンボスパターンで構成される。
【0092】
図13に示すように、第5実施形態のエンボス金型ローラ30は、エンボスパターンが異なるだけで、第2実施形態のエンボス金型ローラ30と実質的に同じ構造を有する。
【0093】
図14に示すように、第6実施形態のエンボス金型ローラ30は、エンボスパターンが異なるだけで、第4実施形態のエンボス金型ローラ30と実質的に同じ構造を有する。
【0094】
以下では、前記第1〜第6実施形態で提示しているエンボス金型ローラ30の各部の構成についてより具体的に説明する。
前記エンボス金型ローラ30は、高強度金属材の上部ローラ31と下部ローラ32とが相互噛み合って回転するように構成される。
【0095】
前記上部ローラ31と下部ローラ32の表面には陽刻のエンボスパターン部313と陰刻のエンボスパターン部323をなすパターンが形成されており、前記陽刻のエンボスパターン部313と陰刻のエンボスパターン部323は互いに噛み合うように形成される。
【0096】
このとき、パターンはそれ自体の柄と陰陽刻によるボリューム感が混じり合って、成形されたエンボス金属板の美感に直接的な影響を及ぼす。このとき、パターン柄は好みによって設定可能である。
具体的な例として、
【0097】
図8図11に示したエンボスパターン部313,323は、両端が丸まった長い長方形の模様がパターンをなしており、図13及び図14に示したエンボスパターン部313,323は、四角錐形の突出部を有する模様がパターンをなしている。
【0098】
図9及び図11に示した第1及び第3実施形態によるエンボス金型ローラ30と、図13及び図14に示した第5及び第6実施形態によるエンボス金型ローラ30の相違は、上部ローラ31と下部ローラ32に形成される小幅帯状の溝部314と小幅帯状の突出部324の有無にある。
【0099】
前記帯状の溝部314と帯状の突出部324は、上部ローラ31と下部ローラ32とが平面金属板100を挟んで回転しながら、互いに噛み合って回転するように構成される。この時、噛み合って回転するということは、前記帯状の突出部324が金属板を前記溝部314の方に押し込みながら内入して回転することを意味する。
【0100】
このように形成された小幅帯状の溝部314と小幅帯状の突出部324によって、エンボス柄を有するパターンが一定間隔に円周面に沿って区画され、このように区画された小幅の溝部314によってエンボス柄と一緒に装飾効果を与えることができる。
【0101】
本発明に係るエンボス金型ローラ30のの重要構成は、図8図14に示すように、上部ローラ31と下部ローラ32の両側端に形成される第1左・右側端部315,316と第2左・右側端部325,326である。
【0102】
前記第1左・右側端部315,316と第2左・右側端部325,326の重要性は、エンボス金属板100’を用いてエンボスステンレスパイプ200を製造する時に発生する溶接問題を解消することにある。
【0103】
すなわち、前記エンボス金型ローラ30の両側端に形成されている第1左・右側端部315,316と第2左・右側端部325,326は、エンボス処理された金属板の両側面が小幅の平面となるようにすることによって、従来の平滑面の金属パイプを製造する造管機を用いてエンボスステンレスパイプ製造時に、エンボス金属板に形成された凹凸状のエンボス柄に変形が発生したり、長さ方向の継ぎ目に形成されている凹凸状のエンボス柄の不一致によって溶接が不可能となる問題を解決することができる。
【0104】
図15図17は、本発明に係るエンボス金型ローラ30を用いて表現されるエンボスパターンの様々な形態を示すものであり、同一外径に用いられてステンレス平板幅は同一であるが、エンボスパターンの形状が全く異なるエンボスパターンをなすことができる。
【0105】
図15は、四角錐形エンボスパターン、図16は正六角形エンボスパターン、図17は櫛目形エンボスパターンをそれぞれ示しており、その他、寺を表す記号のエンボスパターンなどの様々な表現も可能である。
【0106】
このとき、前記提示されたエンボスパターンが適用されるパイプ外径、ステンレス平板幅に対する具体的な例としては、パイプ外径25.4mmであり、該外径を得るために所要されるステンレス平板幅は77.4mmである。もちろん、平板厚さ、エンボス高さも同一である。
以下、本発明に係るエンボスステンレスパイプ製造方法について説明する。
本発明に係るエンボスステンレスパイプ製造方法は、第1実施例〜第3実施例に区別できる。
第1実施例によるエンボスステンレスパイプ製造方法は、
アンコイラー1から供給されてセンタリングガイドローラ2を経てエンボシング機3に平面金属板100を供給する第1段階と、
【0107】
前記ステンレス平板100をエンボシング機3のエンボス金型ローラ30を用いてエンボス処理し、エンボスパターンが形成されたエンボス金属板100’に成形する第2段階と、
【0108】
前記エンボスステンレス板100’を造管機4に供給して曲面化、円形化過程を経て長さ方向に溶接継ぎ目部201を有するエンボスステンレスパイプ200を製造し、該エンボスステンレスパイプ200の溶接継ぎ目部201を溶接してエンボスステンレスパイプ200を完成する第3段階と、を含んでなり、
【0109】
前記エンボス金属板100’は全面がエンボス構造をなすが、両側縁が小幅平面をなすことによって、前記造管機4の曲面化、円形化過程によって前記エンボスステンレス板100’の両側面が当接してV字溝201aを有する溶接継ぎ目部201を形成し、前記V字溝201aを溶接で溶融融着することによってエンボスステンレスパイプ200が完成するが、
前記第1段階の前工程として、
生産しようとするエンボスステンレスパイプの外径が得られるステンレス平板幅を設定した後、前記ステンレス平板幅に合わせてスリッティング装置10−1のスリッター13−1を配置し、
スリッティング装置10−1を用いてステンレスコイル供給ローラ12−1から前記アンコイラー1に供給される広幅のステンレス平板100を前記設定幅に合わせて複数の平板にスリッティングするが、前記ステンレス平板100の両側面が垂直面をなすようにスリッティングする工程をさらに含んでなる。
第2実施例によるエンボスステンレスパイプ製造方法は、前記第1実施例によるエンボスステンレスパイプ製造方法の全体工程を含むが、
【0110】
第2段階と第3段階との間に、
曲面化調節手段30−1の曲面化雄ローラ31−1と曲面化雌ローラ32−1との間に進入したエンボスステンレス板100’の挟み間隙の調節によって、エンボスステンレス板100’のエンボス高さ寸法を10%〜15%さらに狭める過程をさらに含んでなることを特徴とする。
第3実施例によるエンボスステンレスパイプ製造方法は、前記第2実施例によるエンボスステンレスパイプ製造方法の全体工程を含むが、
ステンレス平板100の厚さが2.5mm以上の条件で、
第2段階と第3段階との間にテンパリング処理電気炉20−1を用いたテンパリング処理工程がさらに含まれてなることを特徴とする。
このとき、前記テンパリング処理は600℃〜1,300℃で1分〜15分間行われる。
【0111】
前記実施例1〜実施例3において、
造管機4による曲面化及び円形化以前の全過程を経たエンボスステンレス板100’は、曲面化及び円形化によって長さ方向に垂直端部を有する小幅平面を一致させてV字溝201aを形成すると同時に溶接継ぎ目部201を形成する。そして、前記V字溝201aを自己材質・溶融融着方法で溶接することで、本発明に係るエンボスステンレスパイプが完成する。
【0112】
以上で説明した本発明のエンボスステンレスパイプ製造過程を具体的な例を用いて説明する。
四角柄、櫛目柄のエンボスパターンを有するが、厚さ1.1mm、エンボス高さ0.5mm、エンボスパターンの外径が38.1mmであるエンボスステンレスパイプを製作しようとする場合、次の過程を経てエンボスステンレスパイプを製作する。
【0113】
表2で、厚さ、エンボス高さをまず考慮し、厚さ1.1mm、エンボス高さ0.5mm、エンボスパターンの外径38.10mmのダイヤモンド(四角錐)形エンボスパターンのエンボスステンレスパイプに対する資料を確認した後、前記ダイヤモンド(四角錐)形エンボスパターンのエンボスステンレスパイプ製作に使用されたステンレス平板100の幅を確認する。この幅は116.7mmである。
【0114】
四角形、櫛目柄エンボスパターンと配置状態、密集状態、パターンの大きさなどを比較・検討・調査して、ダイヤモンド(四角錐)形エンボスパターンのエンボスステンレスパイプの製作に使用されたステンレス平板幅を適用すればいいかどうか判断する。
【0115】
適用すればいいと判断されると、広幅のステンレス平板コイル(coil)を、幅が116.7mmであり、両側面が正確に垂直に切断された複数のステンレス平板にスリッティングする。
【0116】
四角柄、櫛目柄のエンボスパターンを有するエンボスローラを用いて、前記スリッティングされたステンレス平板100をエンボス処理した後、これを曲面化調節手段30−1に押し込んで密着させた状態で間隙を0.1mmだけさらに狭めて固定する。次に、造管機4による曲面化及び円形化を経た後、小幅平面端部を一致させることによって形成される継ぎ目部とV字溝に自己材質溶融融着によるアルゴン溶接を施し、エンボスステンレスパイプを完成する。
このような過程を経て製造した四角柄及び櫛目柄エンボスパターンの規格は、次の表3の通りである。
【0117】
【表3】
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明に係るエンボスステンレスパイプ製造装置及びこれを用いたエンボスステンレスパイプ製造方法は、
【0119】
垂直に正確に裁断するスリッティング装置を用いてエンボスステンレスパイプ外径寸法に合うステンレス平板を提供することができ、このようなステンレス平板を用いた高品質のエンボスステンレスパイプの提供が可能であり、
【0120】
2.5mm以上の厚い厚さを有するステンレス平板でエンボスステンレスパイプを製造時に、高温の炉でテンパリング処理することによって造管機で曲面化及び円形化を円滑に行うことができ、2.5mm以上の厚いステンレス平板を用いて高品質のエンボスステンレスパイプを得ることができ、
【0121】
エンボス処理されたエンボスステンレス板を造管機雄雌ローラの間で最上の状態に間隙を調節固定させることによって、エンボスパターンの損傷無しで全体的なパイプラインの進行移動が一定となって円滑であり、前後装置に無理なく全工程を円滑に行うことができるので、産業上の利用可能性が大きい。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17