【実施例1】
【0024】
パチンコ機1は、
図1,2に示すように、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51によって構成の各部を保持する構造である。外枠51には、その左側上下に設けられたヒンジを介して、内枠70(
図3参照)が該外枠51に対して開閉可能に取り付けられている。また、内枠70の前面には、前枠(ガラス枠)52が該内枠70に対して開放可能に取り付けられ、前枠52には、図示しない板ガラスが脱着可能に設けられている。さらに、この板ガラスの奥側(後側)には、内枠70に取り付けられた遊技盤2が配設されている。
【0025】
前枠52には、その上部左右に、スピーカ66が配設されており、該スピーカ66から発せられる遊技音や警報音によって、遊技の趣向性を向上させたり、遊技者に注意喚起する。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65が複数配設されており、該発光によって遊技の趣向性を向上させる。さらに、前枠52の下部中央部分には、後述するCRユニット46のユニット表示装置47が脱着可能に取り付けられる取付部55が設けられている。そして、この取付部55の右方に、発射ハンドル64が配設されている。この発射ハンドル64は、遊技者によって時計回りに回動操作されることで、発射装置31(
図3参照)を稼動させて、遊技球を遊技盤2の遊技領域3に向かって発射する。
【0026】
また、前枠52には、上記の取付部55(ユニット表示装置47)の直上部位に、遊技可能な持球数を表示する持球数表示装置61と、枠制御装置81側で保有する持球数情報をCRユニット46側へ移動させるための計数スイッチ62とが配設されている。さらに、計数スイッチ62の左方に、遊技者が操作可能な演出ボタン63が配設されている。
【0027】
本実施例のパチンコ機1は、所謂封入式遊技機であって、ICカードの読み書きなどを行うカードユニット(CRユニット)46が隣接されている。CRユニット46には、ICカードを挿入および取り出し可能なカード挿入口49と、紙幣を挿入可能な紙幣挿入口48とを備え、さらに、該CRユニット46の下部から右方へ突出するように、ユニット表示装置47が設けられている。ユニット表示装置47は、上記した前枠52の取付部55に脱着可能に設けられており、CRユニット46がパチンコ機1の左側に隣接された状態で、該取付部55を覆うように取り付けられる。このユニット表示装置47は、タッチパネル式のLCD画面を備え、該画面に、貸出操作領域158、返却操作領域159、および残高表示領域157が表示される。貸出操作領域158と返却操作領域159は、遊技者のタッチ操作により、クレジット残高情報と持球数情報との増減処理を行うためのものである。また、残高表示領域157は、前記カード挿入口49に挿入されたICカードに記憶されたクレジット残高情報(持球数情報に変換可能な情報)を表示するものであり、持球数情報への変換(貸出)や該持球数情報からの変換(返却)に応じて更新されたクレジット残高情報をリアルタイムで表示する。
【0028】
また、パチンコ機(封入式遊技機)1は、CRユニット46を介してホールコンピュータ87に接続されていると共に、外部の情報管理センタと広域ネットワークを介して管理コンピュータとにも接続されている(図示せず)。これにより、各パチンコ機1は、夫々の認証情報に基づいて、メーカーからの出荷情報、設置された遊技施設の情報、遊技施設間での移動情報、廃棄情報等が管理され、不正な使用や不正な改造などを防ぐ高いセキュリティ能力を有している。
【0029】
遊技盤2には、ガイドレール3aによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられ、該遊技領域3には多数の遊技釘(図示せず)が植設されている。遊技領域3の中央部には、図示しないセンターケースが配設されており、該センターケースの中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCD画面が前方から視認可能に配設されている。このセンターケースには、図示しないワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
【0030】
センターケースの直下(演出図柄表示装置6の下方)には、第一始動口11が配設され、該センターケースの右方には、普通図柄作動ゲート17と第二始動口12とが上下に並んで配設されている。第二始動口12は開閉可能な翼片を備えた普通電動役物により構成されており、この翼片の開放状態でのみ遊技球を入賞可能とする構成である。さらに、第一始動口11の直下には、大入賞口14が配設されている。また、第一始動口11の左方に、四個の一般入賞口15が配設されている。これら一般入賞口15は、遊技球を常時入賞可能な構成である。
【0031】
遊技領域3の最下流部には、アウト口16が配設されており、該遊技領域3に発射された遊技球がいずれの入賞口14,15や始動口11,12にも入賞しなかった場合に、該アウト口16に入球する。
【0032】
遊技盤2の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普図保留数表示装置8と、第一特図保留数表示装置18と、第二特図保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第一特図表示装置9および第二特図表示装置10とが配設されている。
【0033】
図3は、パチンコ機1の裏面図である。パチンコ機1の裏側には、上記の遊技盤2を脱着可能に取り付けた内枠70が外枠51に収納されている。内枠70の上部には、上記の遊技領域3へ遊技球を発射する発射装置31が配設されており、該発射装置31により発射された遊技球は、遊技領域3の左上部から該遊技領域3内に飛び出して、該遊技領域3を流下する。また、内枠70の下部には、遊技領域3へ発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を研磨する研磨装置35が設置されている。この研磨装置35は、上述した始動口11,12、大入賞口14、各一般入賞口15、およびアウト口16と、図示しない回収路とを介して連通されており、これら始動口11,12、大入賞口14、各一般入賞口15、およびアウト口16に入球した遊技球が該回収路を通って送られてくる。また、内枠70には、研磨装置35で研磨された遊技球を前記発射装置31へ送る揚送装置33が上下方向に沿って配設されている。こうした発射装置31、回収路、研磨装置35、および揚送装置33によって、遊技球を循環させる構成が設けられている。すなわち、発射装置31から遊技領域3へ発射された遊技球は、前記の始動口11,12やアウト口16などのいずれかに入球した後に、前記の回収路から研磨装置35へ送られ、さらに揚送装置33を介して再び発射装置31へ供給される。尚、発射装置31、回収路、研磨装置35、および揚送装置33は、従前から知られている構成のものを適用できることから、その詳細な説明を省略する。
【0034】
また、パチンコ機1の裏側には、主制御装置80、枠制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、電源装置(図示せず)が配設されている。主制御装置80、演出図柄制御装置82、およびサブ統合制御装置83は、遊技盤2に設けられており、枠制御装置81および電源装置は、内枠70に設けられている。
【0035】
また、本実施例の主制御装置80には、確率設定スイッチ95と設定変更ボタン96が操作可能な位置に設けられている。これら確率設定スイッチ95と設定変更ボタン96とは、予め設定された複数の設定値のなかからいずれか一の設定値を選択してセットするためのものであり、遊技施設の管理者により操作される。ここで、本実施例では、設定値1〜3の三種類の設定値が予め設定されており、各設定値に、相互に異なる大当りの当選確率が割り当てられている。具体的には、
図6に示すように、設定値1の当選確率(通常モード:1/200、確変モード:1/20)が、大当りに当選する確率が最も高く、設定値2の当選確率(通常モード:1/250、確変モード:1/25)が、次に高く、設定値3の当選確率(通常モード:1/285、確変モード:1/28.5)が、最も低い。換言すると、設定値1の当選確率が、遊技者に最も有利であり、設定値2の当選確率が、次に有利であり、設定値3の当選確率が、最も不利である。
こうした設定値1〜3のセット方法を以下に説明する。
上記した管理者が所定の鍵を確率設定スイッチ95に挿入して所定方向(例えば、右方向)に回転させることで該確率設定スイッチ95をONにして、主制御装置80のRAMクリアボタン(図示せず)を押圧操作したまま、電源を入れることにより、上記の設定値を変更可能な状態となる。この状態で、管理者が設定変更ボタン96を押圧操作することで、設定値1〜3のいずれかを選択できる。詳述すると、設定変更ボタン96を押圧操作する毎に、第一特図表示装置9に「1」〜「3」の数値が順番に表示される。そして、所望の数値を第一特図表示装置9に表示することで、当該数値に対応する設定値1〜3のいずれかが選択される。こうして選択した状態で、確率設定スイッチ95に挿入した鍵を回転させて初期位置に戻す操作を行うことにより、選択した設定値が確定した状態となり、当該設定値に含まれる大当りの当選確率がセットされる。このようにして、遊技施設の管理者が、各パチンコ機1毎に、設定値1〜3のいずれかをセットできる。尚、本実施例にあっては、一の設定値をセットすると、セットされた設定値を示す信号を、主制御装置80から枠制御装置81へ送信し、枠制御装置81では、セットされた設定値をRAMに記憶する。
また、確率設定スイッチ95に前記鍵を挿入して所定方向に回転させることで該確率設定スイッチ95をONにして、前記RAMクリアボタンを操作せずに、電源を入れると、現状でセットされている設定値が第一特図表示装置9に表示される。この操作により、現状でセットされている設定値を確認することができる。そして、確率設定スイッチ95に挿入した鍵を回転させて初期位置に戻す操作を行うことにより、設定値の表示が終了して、通常の処理に移行する。
尚、本実施例では、確率設定スイッチ95と設定変更ボタン96との操作により、設定値を選択してセットする構成としたが、これに限定されるものでなく、他の操作手段を適用することも可能である。例えば、専用のボタンや摘まみを操作することで、設定値の選択とセットとを実行できるものであっても良い。また、本実施例では、設定値1〜3を第一特図表示装置9で表示したが、これに限らず、他の表示装置で表示するようにしても良い。又は、音声により設定値を報知したり、所定のLEDの点灯態様によって設定値を報知するようにしても良い。また、設定値は、3段階に限らず、例えば、2段階(設定値1,2)や6段階(設定値1〜6)などとすることも可能である。
【0036】
図4は、パチンコ機1の電気配線を示すブロック図である。尚、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源装置等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、枠制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。そして、これら各制御装置のCPUにより、2ms周期の割込信号により各ROMに搭載されたプログラムを開始し、各種制御を実行する。尚、枠制御装置81は、後述するように、性能等表示装置60の情報、および遊技に使用可能な持球数情報などを扱うことから、万が一、電源供給が遮断された場合にもこれら情報を保持できるように、不揮発性メモリ(フラッシュメモリや不揮発性RAMなど)を用いることがあり得る。これにより、電源供給が遮断された場合にも、遊技者が不利益を被る可能性を低減できる。
【0037】
主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、第一始動口11に入球した遊技球を検出する第一始動口スイッチ11a、第二始動口12に入球した遊技球を検出する第二始動口スイッチ12a、普通図柄作動ゲート17を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、各一般入賞口15に入球した遊技球を夫々検出する各一般入賞口スイッチ15a、磁気を検知する磁石センサ、電波を検知する電波センサ等からの検出信号が入力される。
【0038】
主制御装置80は、そのROMに搭載されたプログラムに従って動作して、上記の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、該コマンドを枠制御装置81およびサブ統合制御装置83へ出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板71を介して、第一特図表示装置9、第二特図表示装置10、および普通図柄表示装置7の表示制御を行うと共に、第一特図保留数表示装置18、第二特図保留数表示装置19、および普図保留数表示装置8の点灯制御を行う。さらに、主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、大入賞口ソレノイド14bおよび普通電動役物ソレノイド12bも接続されている。主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド12bを制御することで第二始動口12の開閉を制御する。また、主制御装置80は、図柄変動や大当り等の管理用の信号を出力し、該出力信号は、枠制御装置81からCRユニット46を介してホールコンピュータに送られる。さらに、主制御装置80は、賞球数表示装置99が接続されており、賞球数の表示制御を行う。尚、この賞球数表示装置99により、夫々の入賞口(始動口、一般入賞口、大入賞口など)に入賞することで発生した賞球数を、遊技者が把握し易い。但し、封入式遊技機では、枠制御装置81により表示制御される持球数表示装置61を備えており、該持球数表示装置61で前記賞球数を把握することも可能であるから、賞球数表示装置99は必須のものではない。
【0039】
主制御装置80と枠制御装置81とは、該主制御装置80から枠制御装置81への一方向のみで通信可能とするように接続されている。すなわち、主制御装置80から枠制御装置81へ向けて信号を送信可能で、該信号を枠制御装置81が受信可能である一方、枠制御装置81からは、主制御装置80へ向けて信号を送信不能である。そのため、本実施例の構成では、枠制御装置81で管理または制御する情報(遊技球の発射や循環などに関する情報)を、主制御装置80へ送信できない。そして、遊技進行の全般を統括する主制御装置80は、外部から一切信号を入力することができない(遊技に関する入賞情報や、上述した各種スイッチからの入力は除く)。これにより、遊技性能に影響を与えようとするような不正な信号を主制御装置80に入力させることを、構造的に排除でき、極めて不正に強い(不正され難い)構成となっている。
【0040】
枠制御装置81には、CRユニット端子板75を介してCRユニット46が双方向通信可能に接続されている。枠制御装置81は、CRユニット46から取得した持球数情報を管理すると共に、管理していた持球数情報を計数スイッチ62の操作に応じてCRユニット46へ送信する処理等を行う。さらに、枠制御装置81は、CRユニット46を介してホールコンピュータ87と通信可能に接続されており、パチンコ機1の遊技情報を該ホールコンピュータ87に送信する。
【0041】
また、枠制御装置81には、発射操作部中継端子板76を介して、ハンドルボリューム101から発射ハンドル64の回動量信号、発射停止スイッチ103から発射停止信号、およびタッチスイッチ102からタッチ信号が夫々入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を回動操作することで出力され、タッチ信号は、遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止信号は、遊技者が発射停止スイッチ103を押すことで出力される。なお、タッチ信号が入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。さらに、前記発射操作部中継端子板76および操作部中継端子板73を介して、上記した計数スイッチ62と持球数表示装置61とが接続されており、枠制御装置81は、計数スイッチ62の操作信号が入力されると共に、持球数表示装置61を表示制御する。持球数表示装置61は、枠制御装置81側で遊技者が保有している持球数(遊技者が遊技に使用可能な遊技球の球数)を、持球数情報に従って表示するものである。ここで、枠制御装置81は、持球数を示す持球数情報を、発射装置31での遊技球発射による減算(又は入賞球センサ120の検知とアウト球センサ121の検知とによる減算)と、始動口11,12、一般入賞口15、および大入賞口14への入賞による夫々の賞球数の加算とにより随時更新する処理を行い、前記持球数表示装置61で、該持球数情報に従って持球数をリアルタイムで表示する。
【0042】
また、枠制御装置81は、発射装置中継端子板77を介して、発射装置31の球送センサ104、発射入口センサ105、発射モータ106、および球送りソレノイド107が接続されている。球送センサ104は、発射装置31の発射位置に送られた遊技球を検知するものであり、遊技球の検知信号を出力する。また、発射入口センサ105は、上記した揚送装置33から発射装置31に供給される遊技球を検知するものであり、該遊技球の検知信号を出力する。そして、枠制御装置81は、上記のハンドルボリューム101、発射停止スイッチ103、タッチスイッチ102、球送センサ104、および発射入口センサ105から送信される各信号に基づいて、発射モータ106および球送りソレノイド107を駆動制御して遊技球を発射または停止させる。尚、当然ながら、上記した持球数情報の示す持球数が零の場合には、枠制御装置81が球送りソレノイド107を駆動停止することから、発射装置31により遊技球が発射されない。
【0043】
さらに、枠制御装置81は、研磨装置中継端子盤78を介して、カセットスイッチ108、研磨モータセンサ109、カセットモータ110、および研磨モータ111が接続されており、該カセットスイッチ108と研磨モータセンサ109とからの検知信号に基づいて、カセットモータ110と研磨モータ111とを駆動制御することで、上記の研磨装置35を駆動させる。尚、研磨装置35は、消耗品であることから、カセット形式の構造として、取り替えを容易にしている。また、枠制御装置81は、揚送中継端子板79を介して、揚送入口センサ113、揚送モータ監視センサ114、および揚送モータ112が接続されており、該揚送入口センサ113および揚送モータ監視センサ114からの検知信号に基づいて揚送モータ112を駆動制御することで、上記の揚送装置33を駆動させる。
【0044】
さらにまた、枠制御装置81は、内枠中継端子板72を介して、入賞球センサ120、アウト球センサ121、適正量センサ122、満タンセンサ123、および夜間監視スイッチ124が接続されており、これら各センサやスイッチからの信号が入力される。ここで、入賞球センサ120は、始動口11,12、大入賞口14、および一般入賞口15の各入賞口と上記研磨装置35とを連通する回収路に配設されており、これら各入賞口に入賞した遊技球を検知するものである。また、アウト球センサ121は、アウト口16と上記研磨装置35とを連通する回収路に配設されており、アウト口16に入球した遊技球を検知するものである。また、適正量センサ122は、機台の内部で循環させる遊技球の適正量を検知するものである。さらに、枠制御装置81には、ガラス枠開放スイッチ125や内枠開放スイッチ126も接続され、これらからの検知信号が入力される。
【0045】
また、枠制御装置81には、性能等表示装置60も接続されている。性能等表示装置60は、遊技釘を不正に調整することにより機台の性能を変えられてしまうことを防止するために配設されたものであり、通常状態におけるベース値を表示する。尚、通常状態のベース値は、主制御装置80から通常状態であることを示されている場合に(通常状態を示す信号を受信している場合に)、発射装置31に遊技球を送る球送センサ104による遊技球の検知(又は入賞球センサ120とアウト球センサ121とによる遊技球の検知)によって、発射された遊技球の数を確認し、この発射数と、主制御装置80から送信される賞球数情報に示された賞球数とにより、戻り球数を算出して得られる。ここで、発射数は1分間で概ね100個であることから、例えば、約10時間で発射される60000個を発射したときのベース値を、確定した値として用いることができる。
【0046】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されたデータおよびコマンドを受信し、これらを演出表示制御用、音制御用およびランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンドなどを演出図柄制御装置82へ送信し、音制御用およびランプ制御用のデータを自身に含まれている各制御部位(音声制御装置およびランプ制御装置しての機能部品)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによって、スピーカ66から音声を出力制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって、各種LEDやランプ65を発光制御する。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80との間は、主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信のみの回路として構成されている。
【0047】
さらに、サブ統合制御装置83には、演出ボタン63やジョグダイヤル等の操作を夫々検出するスイッチが接続されており、各スイッチが遊技者による操作を検出すると、その信号が入力される。
【0048】
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から送信されたデータおよびコマンド(主制御装置80から送信されたものと、サブ統合制御装置83で主制御装置80からの入力および演出ボタン等の入力に基づいて生成されたもの)に基づく制御を行い、擬似図柄などの演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示する。
【0049】
電源装置(図示せず)は、外部のAC電源から供給される電力により直流電圧を生成する直流電源として構成されており、該電源装置に設けられた電源スイッチの操作によってパチンコ機1を構成する各部位に電力を供給する。この電源装置は、コンデンサなどから構成されるバックアップ電源を備えており、AC電源から電力供給中に該バックアップ電源に電力を蓄える。このバックアップ電源は、電源スイッチのOFF時や停電時に、主制御装置80等(例えば、主制御装置80のRAM等)に電力供給し、AC電源からの電力供給が停止後も、一定期間にわたって主制御装置80のRAM内のデータを保存する。尚、バックアップ電源は、主制御装置80に設けても良いし、電源装置以外の他の装置に設けて良い。この場合には、電源装置は、AC電源から電力供給されている状態で、バックアップ電源を備えた装置へ供給信号を出力し、電力供給が停止した状態で、バックアップ電源を備えた装置へ停電信号を出力する。
【0050】
CRユニット46は、カード挿入口49に挿入されたICカードに対して、クレジット残高の情報の読み取りおよび書き換え処理を行うと共に、該クレジット残高の情報を上記した遊技球の持球数情報に変換する処理と該持球数情報をクレジット残高情報に変換する処理とを行うものであり、
図5に示すように、これら処理を実行するユニット制御装置91を備えている。ユニット制御装置91は、CPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、該CPUにより、該ROMに搭載されたプログラムに従って、前記各処理を実行する。このユニット制御装置91には、カード挿入口49の情報アクセス装置92と、紙幣挿入口48の紙幣検知スイッチ93と、上記したユニット表示装置47とが接続されている。情報アクセス装置92は、カード挿入口49に挿入されたICカードに記憶されたクレジット残高情報を読み取る機能と、該ICカードのクレジット残高情報を書き換える機能とを有するものであり、前記ユニット制御装置91からのコマンド信号に従って、クレジット残高情報の読み取りと書き換えとを行う。紙幣検知スイッチ93は、紙幣挿入口48に挿入された紙幣を検出し、この検出信号をユニット制御装置91へ出力するものである。
【0051】
ユニット制御装置91は、カード挿入口49にICカードが挿入されると、情報アクセス装置92により該ICカードから読み取ったクレジット残高情報を、ユニット表示装置47で表示する。また、ユニット表示装置47の貸出スイッチ58から貸出信号を入力すると、クレジット残高情報を、後述する変換レートに従って上記の持球数情報に変換し、CRユニット端子板75を介して枠制御装置81へ出力する。また、ユニット制御装置91は、上述した枠制御装置81の計数スイッチ62の操作によって該枠制御装置81から持球数情報を入力すると、入力した持球数情報を前記変換レートに従ってクレジット残高情報に変換する。このようにユニット制御装置91は、クレジット残高情報を管理する。さらに、ユニット表示装置47の返却スイッチ59から返却信号を入力すると、ユニット制御装置91は、情報アクセス装置92を介して、カード挿入口49に挿入されているICカードのクレジット残高情報を書き換える。
紙幣挿入口48に紙幣が挿入された場合には、該紙幣の金額に応じたクレジット残高情報が生成され、該クレジット残高情報を、ユニット表示装置47で表示する。ここで、ICカードから読み取ったクレジット残高情報が残っている場合には、紙幣の挿入により生成されたクレジット残高情報を、ICカードから読み取ったクレジット残高情報に加算する。このようにユニット制御装置91は、クレジット残高情報を管理する。
【0052】
CRユニット46は、上述したように、ICカードに記憶されるクレジット残高情報の管理、前記貸出スイッチ58のON作動に応じた持球数情報への変換、前記返却スイッチ59のON作動に応じたクレジット残高情報の書き換え、枠制御装置81から入力した持球数情報のクレジット残高情報への変換等を行う。さらに、CRユニット46は、ホールコンピュータ87と通信可能に接続されており、パチンコ機1の遊技情報やICカードの認識情報などを該ホールコンピュータ87に送信する。
【0053】
次に、本実施例のパチンコ機1の動作について説明する。
パチンコ機1は、機台の内部に所定数の遊技球を封入して、封入した遊技球を循環させて遊技を行う構成であるため、遊技に使用する遊技球の持球数情報(持球数を示すデータ)を遊技の進行に従って増減処理することによって管理するのみであり、実際の遊技球を貸し出したり、賞球として遊技球を払い出したりしない。
【0054】
遊技者が遊技を開始する際には、CRユニット46のカード挿入口49にICカードが挿入され、該ICカードから読み取ったクレジット残高情報が、ユニット表示装置47で表示される。そして、遊技者がユニット表示装置47の貸出操作領域158(
図2参照)を操作すると、貸出スイッチ58がON作動し、該操作に応じてクレジット残高情報から持球数情報に変換され、該持球数情報が枠制御装置81へ出力されて持球数表示装置61で表示される。これにより、CRユニット46で保有(管理)するクレジット残高情報が減少し、これに伴って、枠制御装置81で保有(管理)する持球数情報が増加する。ここで、貸出操作領域158の一回の操作により、クレジット残高情報から所定単位の持球数情報(例えば、125個)を変換して、枠制御装置81へ出力する。また、枠制御装置81が持球数情報を有している場合には、貸出操作領域158を操作することにより、枠制御装置81で保有する持球数情報に加算される。こうして枠制御装置81で保有された持球数情報の範囲内で遊技を行うことができる。
【0055】
遊技者による発射ハンドルの操作により遊技が開始されると、遊技球の発射毎に持球が消化されると共に、上記した始動口11,12や一般入賞口15へ入賞する毎に発生する賞球によって、該持球が増える。遊技中では、このように持球数情報が増減し、該増減に従って持球数表示装置61の表示が更新される。
【0056】
遊技領域に発射された遊技球が普通図柄作動ゲート17を通過(
図4の普通図柄作動スイッチ17aが遊技球を検知)すると、普通図柄表示装置7で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄が所定の当り態様であると、普通電動役物の羽根部材が駆動して、第二始動口12へ遊技球が入賞可能となる。ここで、普通電動役物の羽根部材は、一回の普通図柄の当りによって、通常状態で0.2秒間の開放を一回実行し、時短状態で1秒間の開放を三回実行する。尚、こうした時短状態における普通電動役物の開放作動を、該普通電動役物の開放延長機能と言う。
【0057】
第一始動口11に遊技球が入賞(
図4の第一始動口スイッチ11aが遊技球を検出)すると、第一特図表示装置9で第一特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第二始動口12に遊技球が入賞(
図4の第二始動口スイッチ12aが遊技球を検出)すると、第二特図表示装置10で第二特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。こうした第一特別図柄および第二特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置6で各特別図柄の変動に連動した擬似図柄の演出変動を表示する。この演出図柄表示装置6での擬似図柄の表示によって、各特別図柄の変動や当りハズレを認識できる。ここで、第一特別図柄と第二特別図柄とは、第一始動口11と第二始動口12への入賞順に関係無く、第二特別図柄の変動を優先して実行する。具体的には、第一特別図柄の保留記憶がある場合、第二特別図柄の変動が停止し且つ該第二特別図柄の保留記憶が無い状態となって、保留記憶されている第一特別図柄の変動を開始する。
【0058】
第一特図表示装置9で停止した第一特別図柄および第二特図表示装置10で停止した第二特別図柄が所定の大当り態様であると、大入賞口14を開閉する大当り遊技を実行する。また、演出図柄表示装置6では、第一特別図柄および第二特別図柄の当り態様に対応する態様で擬似図柄が表示される。
【0059】
大当り遊技では、大入賞口14を開閉する開閉ラウンドを所定回数(例えば、16回)繰り返し実行する。大入賞口14には、後述する大入賞口ソレノイド14bの駆動によって開閉作動する扉部材が設けられており、該扉部材の開閉作動により、遊技球を入球可能な開放状態と入球不能な閉鎖状態とに変換される。そして、扉部材による所定の開閉動作によって、一回の開閉ラウンドが実行され、大当り遊技では、この開閉ラウンドが16回繰り返し実行される。
【0060】
本実施例のパチンコ機1は、確率変動機として構成されている。すなわち、本構成による遊技は、大入賞口14を閉鎖した遊技と該大入賞口14を開放する上記の大当り遊技とに大別され、大入賞口14を閉鎖した遊技には、通常確率状態(以下、通常状態という)と、該通常状態に比べて特別図柄の当り確率が高くなる高確率状態(以下、確率変動状態という)とが設定されており、大当り遊技の終了後に、該通常状態と確率変動状態とのいずれかに移行する。ここで、通常状態では、上記した通常モードの当選確率が使用され、確率変動状態では、上記した確変モードの当選確率が使用される。尚、これら当選確率は、上述したように、確率設定スイッチ95および設定変更ボタン96により設定される。
【0061】
さらに、通常状態では、大当り遊技から移行後に、規定回数(例えば、100回)だけ時短状態となる。この時短状態では、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮されると共に、開放延長機能の作動により普通電動役物の開放時間と開放回数とが増加される。また、確率変動状態では、前記時短状態と同様に、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され且つ普通電動役物の開放時間と開放回数とが増加される。尚、開放延長機能は、普通電動役物の開放時間のみを増加するものであっても良いし、開放回数のみを増加するものであっても良い。
【0062】
また、このように遊技が進行している状態では、発射装置31により発射された遊技球が、始動口11,12、一般入賞口15、又はアウト口16のいずれかに入球する。大当り遊技中では、さらに大入賞口14に入球する。こうして入球した遊技球は、上記した回収路を介して、研磨装置35へ送られ、その後に、揚送装置33を介して、再び発射装置31へ供給される。このように機台の内部に封入された所定個数の遊技球が循環され、上述した遊技が進行する。
【0063】
次に、主制御装置80で実行される各種プログラムの処理について説明する。
主制御装置80で実行されるメインルーチンを、
図7のフローチャートに示す。メインルーチンは、S10〜S22までの本処理と、該本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返されるS25の残余処理とから構成され、2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。マイコンによるハード割り込みが実行されると、先ず正常割込であるか否かを判断する(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いか否かを判断するためのものである。
【0064】
ここで、否定判定(すなわち、正常割り込みでないと判定)されると(S10:No)、初期設定(S11)を実行し、残余処理(S25)に移行する。この初期設定では、例えば、上記RAMの所定領域への所定値の書き込み、特別図柄および普通図柄を初期図柄とする等のRAMの作業領域への各初期値の書き込み等が実行される。一方、肯定判定(すなわち、正常割り込みであると判定)されると(S10:Yes)、初期値乱数の更新処理(S12)、大当り決定用乱数の更新処理(S13)、大当り図柄決定用乱数の更新処理(S14)、当り決定用乱数の更新処理(S15)、リーチ判定用乱数の更新処理(S16)、変動パターン決定用乱数の更新処理(S17)、入賞確認処理(S18)、当否判定処理(S19)、特別遊技処理(S20)、不正監視処理(S21)、枠制御装置81等に各種情報を送信する各出力処理(S22)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内で初期値乱数の更新処理(S25)をループ処理する。
【0065】
尚、本実施例の封入式のパチンコ機1では、上述したように、主制御装置80には他の制御装置からの信号が一切入力されない構成である。そのため、ホールコンピュータ87などの外部の制御装置との通信は、上記した出力処理(S22)等によって、主制御装置80から枠制御装置81に各情報内容を送信し、該枠制御装置81を介して行われる。こうした構成により、主制御装置80に対して不正を働くことが困難であるため、本実施例のパチンコ機1は、高いセキュリティ能力を有している。
【0066】
次に、主制御装置80で実行される始動入賞処理を、
図8のフローチャートに示す。この始動入賞処理は、上記したメインルーチンの入賞確認処理(S18)でコールされるサブルーチンの一つである。
【0067】
始動入賞処理では、第一始動口スイッチ11aが遊技球を検知したか否かを判定し(S50)、否定判定の場合には(S50:No)、S70に進む。S50が肯定判定の場合には(S50:Yes)、第一保留記憶の数が上限値(例えば、4個)に達しているか否かを判定する(S55)。S55で肯定判定の場合には(S55:Yes)、S70へ進み、否定判定の場合には(S55:No)、第一抽出乱数保留記憶処理(S60)を実行する。第一抽出乱数保留記憶処理(S60)では、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第一保留記憶として記憶すると共に、第一保留記憶の数を示す第一保留数カウンタに1を加算して、該第一保留数カウンタの情報を、サブ統合制御装置83に送信する。
【0068】
S70では、第二始動口スイッチ12aが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には(S70:No)、始動入賞処理を終了し、肯定判定の場合には(S70:Yes)、第二保留記憶の数が上限値(例えば、4個)に達しているか否かを判定する(S75)。S75で肯定判定の場合には(S75:Yes)、始動入賞処理を終了し、否定判定の場合には(S75:No)、第二抽出乱数保留記憶処理(S80)を実行する。第二抽出乱数保留記憶処理(S80)では、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第二保留記憶として記憶すると共に、第二保留記憶の数を示す第二保留数カウンタに1を加算して、該第二保留数カウンタの情報を、サブ統合制御装置83に送信する。
【0069】
尚、サブ統合制御装置83は、第一保留数カウンタの情報および第二保留数カウンタの情報を受信すると、該情報にしたがって、第一特図保留数表示装置18および第二特図保留数表示装置19を点灯させるために必要な処理を行う。
【0070】
次に、主制御装置80で実行する当否判定処理を、
図9〜12のフローチャートを用いて説明する。当否判定処理は、メインルーチンから実行される処理である。
【0071】
当否判定処理では、
図9に示すように、特別電動役物の作動中(すなわち、大当り遊技または小当り遊技の実行中)であるか否かを判定する(S100)。そして、肯定判定の場合には(S100:Yes)、当否判定処理を終了し、否定判定の場合には(S100:No)、S105に進む。S105では、第一,第二特別図柄の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S105:Yes)、
図11のS250に進み、否定判定の場合には(S105:No)、S110に進む。S110では、第一,第二特別図柄の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S110:Yes)、
図12のS300に進み、否定判定の場合には(S110:No)、S115に進む。
【0072】
S115では、第二保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S115:Yes)、S120に進み、否定判定の場合には(S115:No)、S125に進む。S120では、第二保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い第二保留記憶を選択し、当該第二保留記憶に記憶された情報(乱数値等の数値データ)を大当り判定用の所定のバッファに移動させる。その後に、S135に進む。
【0073】
S125では、第一保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S125:Yes)、S130に進み、否定判定の場合には(S125:No)、当否判定処理を終了する。S130では、第一保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い第一保留記憶を選択し、上記S120と同様に、当該第一保留記憶に記憶された情報を大当り判定用の所定のバッファに移動処理させ、その後に、S135に進む。尚、本実施例の当否判定処理では、第一保留記憶よりも第二保留記憶を優先して、当否判定の対象とする。そのため、第一保留記憶は、第二保留記憶が無い場合にのみ、当否判定の対象となる。
【0074】
S135では、確率変動状態であることを示す確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S135:Yes)、S140に進み、否定判定の場合には(S135:No)、S145に進む。
【0075】
S140では、確変モードの当選確率に対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)を選択し、選択した確変テーブルに基づいて、大当り判定用のバッファに移動された大当り判定用乱数を、大当りか否か判定し、当該大当り判定用乱数に係る保留記憶を消化する。ここで、本実施例では、選択した確変テーブルに基づいて、大当り判定用乱数が、小当りか否かも判定する。このS140の処理後に、
図10のS150に進む。尚、確変テーブルは、上記した確変モードの当選確率に従って定められてなり、該当選確率に従って、大当り判定用乱数を大当り、小当り、又はハズレ判定する。
【0076】
一方、S145では、通常モードの当選確率に対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)を選択し、選択した通常テーブルに基づいて、大当り判定用のバッファに移動された大当り判定用乱数を、大当りか否か判定し、当該大当り判定用乱数に係る保留記憶を消化する。ここで、本実施例では、選択した通常テーブルに基づいて、大当り判定用乱数が、小当りか否かも判定する。このS145の処理後に、
図10のS150に進む。尚、通常テーブルは、上記した通常モードの当選確率に従って定められてなり、該当選確率に従って、大当り判定用乱数を大当り、小当り、又はハズレ判定する。
【0077】
図10のS150では、S140又はS145の判定結果に基づいて、大当りか否かを判定し、肯定判定の場合には(S150:Yes)、S155に進み、否定判定の場合には(S150:No)、S170に進む。
【0078】
S155では、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき大当り図柄を決定する。そして、S160に進む。S160では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定し、S165に進む。S165では、大当り遊技のラウンド数、大入賞口の開放パターン、大当り遊技に係る演出時間、インターバル時間、及び大当り遊技の演出態様等を設定し、S200に進む。
【0079】
一方、S150の否定判定から続くS170では、S140又はS145の判定結果に基づいて、小当りか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S170:Yes)、S175に進み、否定判定の場合には(S170:No)、S190に進む。
【0080】
S175では、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき小当り図柄を決定し、S180に進む。S180では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定し、S185に進む。S185では、小当り遊技における大入賞口の開放パターン、小当り遊技に係る演出時間、および小当り遊技の演出態様などを設定し、S200に進む。
尚、S185では、後述するS195と同様に、確変モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタや、時短モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタの更新も行う。
【0081】
さらに、S170の否定判定から続くS190では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定すると共に、これに先だって、ハズレ図柄を決定する処理を行う。このS190の後に、S195に進む。S195では、確変モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタや、時短モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタの更新などを行う。そして、S200に進む。尚、本実施例では、S190でハズレ図柄を決定する処理を行うようにしたが、これに限らず、S190の前に、ハズレ図柄を決定する処理を備えた構成であっても良い。
【0082】
S200では、上記したS120およびS130でデクリメントした保留記憶の数を示す保留数コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。さらに、特別図柄の変動時間や大当り抽選の結果等を示す変動開始コマンドをサブ統合制御装置83に送信すると共に、特別図柄の変動を開始させ、当否判定処理を終了する。尚、変動開始コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、大当り抽選の結果、特別図柄の変動時間をもとに、特別図柄の変動時間と同じ時間の演出の中から演出図柄表示装置6にて表示する疑似演出を選択し、選択した疑似演出を表示させる。
【0083】
上記したS105の肯定判定から続く
図11のS250では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S250:Yes)、S255に進み、否定判定の場合には(S250:No)、当否判定処理を終了する。S255では、特別図柄の変動表示を終了し、特別図柄の確定図柄(すなわち、上記したS255で決定した大当り図柄、S175で決定した小当り図柄、又はS190で決定したハズレ図柄)を表示させると共に、サブ統合制御装置83に、演出図柄の確定表示を実行させる図柄確定コマンドを送信し、当否判定処理を終了する。
【0084】
また、上記したS110の肯定判定から続く
図12のS300では、特別図柄の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S300:Yes)、S305に進み、否定判定の場合には(S300:No)には、当否判定処理を終了する。S305では、特別図柄の確定表示を終了し、S310に進む。S310では、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定し、肯定判定の場合には(S310:Yes)、S315に進み、否定判定の場合には(S310:No)、S360に進む。S315では、確率変動状態であることを示す確変フラグを参照して、確変フラグ=1である場合には確変フラグをクリアし(S320)、S325に進む。S325では、時短状態であることを示す時短フラグを参照して、時短フラグ=1である場合には時短フラグをクリアし(S330)、S340に進む。その後、状態指定コマンド送信処理(S340)、条件装置作動開始処理(S345)、役物連続作動装置作動開始処理(S350)、大当り開始演出処理(S355)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して大当り遊技を開始し、当否判定処理を終了する。
【0085】
一方、S310の否定判定から続くS360では、確変フラグを参照し、該フラグ=1である場合には(S360:Yes)、確変モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数(確変回数)を参照する(S365)。そして、確変回数=0である場合には(S365:Yes)、確変フラグをクリアし(S370)、S375に進む。S375では、時短フラグを参照し、該フラグ=1である場合には(S375:Yes)、時短モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数(時短回数)を参照する(S380)。そして、時短回数=0である場合には(S380:Yes)、時短フラグをクリアし(S385)、S390に進む。S390では、状態指定コマンド送信処理を実行し、S395に進む。
【0086】
S395では、確定表示された特別図柄が小当りになる図柄か否かを判定し、肯定判定の場合には(S395:Yes)、S400に進み、特別電動役物作動開始処理(S400)、小当り開始演出処理(S405)を順次実行することで、小当り遊技の態様を示すコマンドや、小当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して小当り遊技を開始し、当否判定処理を終了する。また、S395で否定判定の場合(S395:No)には、当否判定処理を終了する。
【0087】
次に、主制御装置80で実行する大当り遊技処理を、
図13〜15のフローチャートを用いて説明する。この大当り遊技処理は、上記した当否判定処理により大当りとなった場合に、上記したメインルーチンの特別遊技処理(S20)でコールされるサブルーチンの一つである。
【0088】
大当り遊技処理では、
図13に示すように、役物連続作動装置の作動中(すなわち、大当り遊技の実行中)であるか否かを判定する(S500)。ここで、肯定判定の場合には(S500:Yes)、S505に進み、否定判定の場合には(S500:No)、大当り遊技処理を終了する。
【0089】
S505では、大入賞口14の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S505:Yes)、
図14のS550に進み、否定判定の場合には(S505:No)、S510に進む。S510では、大当り遊技における各開閉ラウンドのインターバル中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S510:Yes)、
図14のS570に進み、否定判定の場合には(S510:No)、S515に進む。S515では、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S515:Yes)、
図15のS600に進み、否定判定の場合には(S515:No)、S520に進む。
【0090】
S520では、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S520:Yes)、S525に進み、否定判定の場合には(S520:No)、大当り遊技処理を終了する。S525では、大入賞口開放処理を実行し、大入賞口14を開放させると共に、該大入賞口14を開放開始したことを示すコマンドを、枠制御装置81へ送信する。S525の後に、大当り遊技処理を終了する。
【0091】
上記のS505の肯定判定から続く
図14のS550では、大入賞口14に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。肯定判定の場合には(S550:Yes)、S560に進み、否定判定の場合には(S550:No)、S555に進む。S555では、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S555:Yes)、S560に進み、否定判定の場合には(S555:No)、大当り遊技処理を終了する。S560では、大入賞口閉鎖処理を実行し、大入賞口14を閉鎖させると共に、該大入賞口14の閉鎖を示すコマンドを、枠制御装置81へ送信する。S560の後に、S565に進む。S565では、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。
【0092】
一方、上記のS510の肯定判定から続くS570では、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S570:Yes)、S575に進み、否定判定の場合には(S570:No)、大当り遊技処理を終了する。S575では、最終ラウンド(16ラウンド)の終了か否かを判定し、肯定判定の場合には(S575:Yes)、S580に進み、否定判定の場合には(S575:No)、S585に進む。S580では、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。尚、本実施例の大当り終了演出処理では、大当り遊技の終了を示す信号を、枠制御装置81へ送信する処理を行う。この信号を受信することにより、枠制御装置81は、大当り遊技の終了を認識できる。
S585では、大入賞口開放処理を実行し、大入賞口14を開放させると共に、該大入賞口14を開放開始したことを示すコマンドを、枠制御装置81へ送信する。S585の後に、大当り遊技処理を終了する。
【0093】
また、上記のS515の肯定判定から続く
図15のS600では、終了演出の時間が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S600:Yes)、S605に進み、該S605とS610とを順次実行する一方、否定判定の場合には(S600:No)、大当り遊技処理を終了する。S605とS610とでは、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S615に進む。S615では、大当り遊技後に確率変動状態に移行するか否かを判定する。肯定判定の場合には(S615:Yes)、確率変動状態を継続する大当り抽選の回数(確変回数)を設定し(S620)、確変フラグをセットし(S625)、S630に進む。S630では、大当り遊技後に時短状態とするか否かを判定し、肯定判定の場合には(S630:Yes)、時短状態を継続する大当り抽選の回数(時短回数)を設定すると共に(S635)、時短フラグをセットし(S640)、S645に進む。S645とS650とでは、サブ統合制御装置83に対して、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、大当り遊技処理を終了する。
【0094】
次に、本発明の要部について説明する。
本実施例のパチンコ機1は、上述したように、機台の内部に封入した所定個数の遊技球を循環させる封入式の構成であり、枠制御装置81が、遊技球を循環させる各装置(発射装置31、揚送装置33、研磨装置35など)の駆動制御と、発射装置31で使用可能な遊技球の持球数情報の管理等とを行う。そして、上述したように、枠制御装置81が、CRユニット端子板75を介して、CRユニット46と相互通信可能に接続されており、前記の持球数情報を該CRユニット46との間で入出力する。
【0095】
本実施例のCRユニット46は、上記したクレジット残高情報と持球数情報とを変換するための変換レートを、遊技者により変更可能とする機能を備えている。CRユニット46の正面には、
図2に示すように、変換レートを選択する選択ボタン131と、該選択ボタン131で選択した変換レートを決定する決定ボタン132とが、遊技者により操作可能に配設されていると共に、変換レートを表示するレート表示器133とが、遊技者により視認可能に配設されている。この選択ボタン131と決定ボタン132とは、上記したユニット制御装置91に接続されており(
図5参照)、各ボタンの操作によってON信号が該ユニット制御装置91に入力される。また、レート表示器133も、ユニット制御装置91に接続されており、該ユニット制御装置91からのコマンド信号に従って、変換レートを表示する。
尚、こうしてレート表示器133で変換レートを表示することにより、遊技者が、現状でセットされている変換レートを視認できる。この表示により、遊技者が変換レートを勘違いすることを抑制でき、該勘違いによる遊技施設とのトラブルを防止できる。
【0096】
ここで、本実施例では、二種類の変換レートが予め設定されており、上記した選択ボタン131と決定ボタン132とにより、遊技者が一の変換レートを選択してセットできるようになっている。本実施例の変換レートは、1球/1円(以下、1パチという)と、1球/4円(以下、4パチという)とが予め設定されている。1パチは、1円が1球に変換されることから、低い変換レートであり、少ない金額で遊技ができる一方、4パチは、4円が1球に変換されることから、高い変換レートであり、賞球の獲得量が多くなるにつれて、クレジット残高数が増大する(獲得利益が大きくなる)。
【0097】
上記の変換レートの変更方法を説明する。レート表示器133には、現状でセットされている変換レートが表示される。遊技者が決定ボタン132を押圧操作すると、レート表示器133での表示が点滅して、変換レートを変更可能な状態となる。この状態で、遊技者が選択ボタン131を押圧操作する毎に、レート表示器133での点滅表示が、1パチを示す点滅表示と4パチを示す点滅表示とに交互に変わる。そして、所望の変換レートを点滅表示したままで、決定ボタン132を押圧操作することにより、点滅から点灯表示に変わって該変換レートが確定される。こうして変換レートが選択決定されると、ユニット制御装置91は、該変換レートをRAMに記憶し、持球数情報を枠制御装置81へ出力する際に、セットされた変換レートを該持球数情報と共に該枠制御装置81へ出力する。これにより、枠制御装置81は、持球数情報を取得する際に、その変換レートも取得する。
【0098】
本実施例1にあって、例えば、遊技開始する際に変換レートを変更する場合には、遊技者が、上記変更方法に従って所望の変換レートをセットし、ユニット表示装置47の貸出操作領域158を操作する。この操作により、CRユニット46は、ICカードから読み取ったクレジット残高情報を、当該変換レートに従って持球数情報に変換する。そして、クレジット残高情報から変換した持球数情報を、セットされている変換レートの情報と共に枠制御装置81へ出力する。ここで、本実施例では、貸出操作領域158の一回の操作毎に、所定単位(例えば125個)分の持球数情報を、クレジット残高情報から変換する。そのため、遊技者による貸出操作領域158の操作回数に応じて、クレジット残高情報から持球数情報に変換されて、枠制御装置81へ出力される。
一方、遊技中に変換レートを変更する場合には、遊技者により計数スイッチ62が操作されると、枠制御装置81で保有する全ての持球数情報をCRユニット46へ出力する。そして、CRユニット46では、枠制御装置81から持球数情報を入力すると、セットされている変換レートに従って該持球数情報をクレジット残高情報に変換し、該CRユニット46で管理しているクレジット残高情報に加算する。こうして枠制御装置81から全ての持球数情報がCRユニット46へ入力されてクレジット残高情報に変換されると、変換レートを変更可能となって、上述したように、遊技者による決定ボタン132と選択ボタン131との操作によって、変換レートを変更してセットできる。そして、新たに変換レートをセットした後に、ユニット表示装置47の貸出操作領域158が操作されることにより、当該変換レートにより変換された持球数情報が、枠制御装置81へ出力され、遊技を再開できる。
【0099】
尚、CRユニット46における変換レートの変更操作は、枠制御装置81側で持球数情報を有していない場合に限って有効とする。すなわち、枠制御装置81で管理される持球数情報が零であることを条件として、変換レートの変更操作を可能としている。これにより、異なる変換レートで変換した持球数情報が混在することを防止できる。本実施例では、変換レートの変更操作が可能であるか否かを、遊技者に報知する機能を備える。具体的には、変換レートの変更操作が可能な状態では、レート表示器133の背景色を所定色(例えば、青色)とし、該変更操作を不能な状態では、該背景色を異なる色(例えば、赤色)とする。この報知機能は、背景色に限らず、他の手段によることもできる。例えば、変換レートの変更操作可能な状態で、選択ボタン131や決定ボタン132を点灯(又は点滅)させ、操作不能な状態では消灯させる構成であっても良い。
【0100】
また、本実施例では、4パチを変換レートの標準値として定めており、ICカードが排出されると、ユニット制御装置91が、変換レートを4パチに設定変更する処理を実行する。すなわち、当該機台での遊技を終了する際には、ICカードが排出されることから、遊技の終了毎に、変換レートを標準値とする処理を行うようにしている。
【0101】
一方、本実施例のパチンコ機1では、上記した大当り遊技の終了時に、上記した設定値1〜3を示唆する指標報知を、演出図柄表示装置6で表示する演出により行う。具体的には、上述した大当り遊技処理の大当り終了演出処理(S580)で、主制御装置80から枠制御装置81に大当り遊技の終了信号が送信されると、該信号を受信した枠制御装置81が、セットされている設定値を示唆する指標報知を行うコマンドを、サブ統合制御装置83へ送信する。そして、このコマンドを受信したサブ統合制御装置83が、該コマンドに従って、演出図柄表示装置6で指標報知を行う。
ここで、本実施例では、
図4に示すように、枠制御装置81とサブ統合制御装置83とが通信可能に接続されており、該枠制御装置81からサブ統合制御装置83へ前記コマンドを送信可能である。
【0102】
枠制御装置81は、指標報知で発生させる複数の指標図柄と、各指標図柄を該指標報知で発生する確率(以下、指標発生率という)とを複数備え、各指標図柄と指標発生率とを、上記した変換レートと設定値とに従って選択する。本実施例では、
図16に示すように、指標図柄161a〜161cの三種類の指標図柄が予め設定されており、セットされている各設定値1〜3毎に、セットされた変換レートに応じて選択される前記指標図柄161a〜161c毎の指標発生率が設定されている。すなわち、管理者によりセットされた設定値に応じて、遊技者がセットした変換レートに対応付けられた各指標図柄161a〜161cの指標発生率が選択され、該選択された指標発生率に従って、指標報知で発生させる指標図柄161a〜161cを含む指標報知パターンが決定される。そして、決定された指標報知パターンを表示させるコマンドをサブ統合制御装置83に送信すると、サブ統合制御装置83は、演出図柄表示装置6で、大当り終了演出内で該指標図柄を表示して、指標報知を行う。
【0103】
ここで、4パチと1パチのいずれの変換レートの場合にあっても、各設定値1〜3毎に、一の指標図柄の指標発生率が最も高く設定されており、他の指標図柄の指標発生率が低く設定されている。すなわち、設定値1の場合には、指標図柄161aの指標発生率が、他の指標図柄161b,161cに比して高く、設定値2の場合には、指標図柄161bの指標発生率が、他の指標図柄161a,161cに比して高く、設定値3の場合には、指標図柄161cの指標発生率が、他の指標図柄161a,161bに比して高い。これにより、指標報知では、指標図柄161aが表示されると、設定値1である可能性が高く、指標図柄161bが表示されると、設定値2である可能性が高く、指標図柄161cが表示されると、設定値3である可能性が高いことを示す。このように、各指標図柄161a〜161cは、その表示によって、設定値1〜3を示唆する役割または該設定値1〜3を遊技者に推測させる役割を有する。尚、指標報知では、複数の指標図柄が表示される場合もあることから、この場合には、表示された指標図柄によって、遊技者が設定値を推測する。
本実施例1では、
図16に示すように、4パチの場合に、一の指標図柄の指標発生率と、他の指標図柄の指標発生率との差が、10%〜20%に設定されていることに対して、1パチの場合には、この差が50%〜60%に設定されている。これにより、1パチの場合には、一の指標図柄が単独で表示される可能性が高く、4パチの場合には、複数の指標図柄が表示される可能性が高い。そのため、1パチの変換レートがセットされている状態は、4パチの場合に比して、指標報知により、セットされた設定値が分かり易い。具体例で示すと、設定値1がセットされた機台で、1パチの変換レートにより遊技を行うと、大当り終了演出内で、指標図柄161aのみを表示する指標報知が行われる可能性が高い。一方、同じ機台で、4パチの変換レートにより遊技を行うと、指標図柄161aに加えて、他の指標図柄161b,161cを表示する指標報知が行われる可能性が高くなる。このように、本実施例1にあっては、4パチの変換レートをセットする場合に比して、1パチの変換レートをセットする場合の方が、指標報知により、セットされている設定値1〜3を遊技者が分かり易くなっている。
【0104】
上記した指標図柄と指標発生率とをさらに詳述すると、本実施例1にあっては、4パチの変換レートの場合に選択される指標発生内容と、1パチの変換レートの場合に選択される指標発生内容とが夫々設定されており、各指標発生内容が、指標図柄161a〜161cと各指標図柄161a〜161cの指標発生率とにより夫々構成されている。そして、機台にセットされた設定値1〜3に応じて、4パチか1パチかのいずれかの指標発生内容が選択される。換言すれば、遊技中は、管理者によって設定値1〜3のいずれかがセットされた状態であるから、4パチか1パチかのどちらかの指標発生内容が選択される。
ここで、4パチの変換レートには、設定値1で選択される第一高指標発生内容と、設定値2で選択される第二高指標発生内容と、設定値3で選択される第三高指標発生内容とが、該4パチ用の指標発生内容として設定されている。同様に、1パチの変換レートには、設定値1で選択される第一低指標発生内容と、設定値2で選択される第二低指標発生内容と、設定値3で選択される第三低指標発生内容とが、該1パチ用の指標発生内容として設定されている。
具体的に述べると、(1)設定値1がセットされた機台では、4パチの変換レートがセットされた状態で、指標図柄161a〜161cと各指標図柄161a〜161cの指標発生率(80%、70%、60%)とにより構成される前記第一高指標発生内容が選択される。一方、同じ設定値1の機台では、1パチの変換レートがセットされた状態で、指標図柄161a〜161cと各指標図柄161a〜161cの指標発生率(80%、30%、20%)とにより構成される前記第一低指標発生内容が選択される。(2)設定値2がセットされた機台では、4パチの変換レートの状態で、指標図柄161a〜161cと各指標図柄161a〜161cの指標発生率(60%、80%、70%)とにより構成される第二高指標発生内容が選択される一方、1パチの状態では、指標図柄161a〜161cと各指標図柄161a〜161cの指標発生率(20%、80%、30%)とによる第二低指標発生内容が選択される。(3)設定値3がセットされた機台では、4パチの変換レートの状態で、指標図柄161a〜161cと各指標図柄161a〜161cの指標発生率(70%、60%、80%)とによる第三高指標発生内容が選択される一方、1パチの状態では、指標図柄161a〜161cと各指標図柄161a〜161cの指標発生率(30%、20%、80%)とによる第三低指標発生内容が選択される。
【0105】
次に、枠制御装置81で実行する指標報知処理を、
図17のフローチャートを用いて説明する。指標報知処理は、上述した指標報知を行うための処理であり、枠制御装置81で定期的(例えば、2ms周期のタイマ割り込み処理)に実行される。
【0106】
指標報知処理は、S800で、主制御装置80から、大当り遊技の終了を示す信号を入力したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S800:Yes)、S805に進み、否定判定の場合には(S800:No)、指標報知処理を終了する。ここで、大当り遊技の終了を示す信号は、上述した大当り遊技処理の大当り終了演出処理(S580)で、主制御装置80から送信される信号である。
【0107】
S805では、指標発生内容選択処理を実行する。この指標発生内容選択処理は、CRユニット46でセットされている変換レートと、セットされている設定値とにより、一の指標発生内容(
図16参照)を選択して決定する。
次のS810では、指標図柄抽選処理を実行する。指標図柄抽選処理は、前記指標報知態様選択処理で決定した一の指標発生内容を構成する各指標発生率に従って、各指標図柄161a〜161cを指標報知で発生させるか否かを夫々判定する。この判定は、各指標発生内容毎に夫々の指標発生率に基づいて予め設定された抽選テーブルにより、行う。
次のS815では、指標報知パターン決定処理を実行する。指標報知パターン決定処理は、前記指標図柄抽選処理での判定結果に従って、指標報知で発生させる指標図柄を決定し、当該指標図柄を含む指標報知パターンを決定する。
次のS820では、指標報知コマンド送信処理を実行する。指標報知コマンド送信処理では、前記指標報知パターン決定処理で決定した指標報知パターンを示すコマンドを、サブ統合制御装置83へ送信する処理を行う。このS820の処理後に、指標報知処理を終了する。
【0108】
サブ統合制御装置83は、上記の指標報知パターンを示すコマンドを入力すると、該指標報知パターンに従って図柄や演出のデータを選択し、該選択したデータに従って、演出図柄表示装置6で指標報知を行う。
【0109】
次に、上記した演出図柄表示装置6で実行する指標報知の表示例を、
図18,19により説明する。
本実施例1では、
図18(A)および
図19(A)に示すように、大当り終了演出として、演出図柄表示装置6で、三個のキャラクタを同時に表示する演出図柄165が表示される。この演出図柄165の表示により、遊技者に大当り遊技の終了を報知する。尚、本実施例にあって、前記演出図柄165を構成する三個のキャラクタは、指標図柄161a〜161cと同じキャラクタにより構成されている。そのため、この演出図柄165は、三個の指標図柄161a〜161cを全て表示した状態と、実質的に同じ表示形態である。
【0110】
こうした演出図柄165を表示する大当り終了演出内で、上記した指標報知パターンに従って、指標図柄161a〜161cを表示する指標報知を行う。
ここで、設定値1がセットされた機台では、遊技者によりセットされた変換レートに応じて、第一低指標発生内容と第一高指標発生内容とのいずれかを選択し、選択した指標発生内容に基づいて指標報知パターンを決定する。例えば、1パチの変換レートがセットされている状態では、上述した指標報知処理により、第一低指標発生内容に基づいて指標報知パターンを決定する。この第一低指標発生内容は、上述したように、指標図柄161aの指標発生率が高く、他の指標図柄161b,161cの指標発生率が極めて低いことから、該指標図柄161aのみによる指標報知パターンとなる可能性が高い。この第一低指標発生内容によって、指標図柄161aのみの指標報知パターンが決定された場合には、
図18(B)に示すように、演出図柄表示装置6で、指標図柄161aのみが表示される。こうした指標図柄161aのみを表示する指標報知によって、遊技者は、最も有利な設定値1(最も高い当選確率)が設定されていることを、明確に知得できる。尚、この指標報知パターンでは、演出図柄表示装置6で、
図18(A)の演出図柄165の中央のキャラクタのみが拡大表示されるように、
図18(B)へ変化して、指標図柄161aが表示される。
一方、同じ設定値1の機台で、4パチの変換レートがセットされている状態では、第一高指標発生内容に基づいて指標報知パターンを決定することから、指標図柄161aだけでなく、他の指標図柄161b,161cも発生する指標報知パターンとなる可能性が高い。例えば、指標図柄161aと指標図柄161bとによる指標報知パターンが決定された場合には、
図18(C)に示すように、演出図柄表示装置6で、指標図柄161aと指標図柄161bとが並んで表示される。この指標報知によれば、遊技者は、設定値1か設定値2のいずれかであることを知得できるだけである(換言すれば、設定値3がセットされていないことを、知得できる)。
さらに、前記と同様に、第一高指標発生内容に基づいて指標報知パターンを決定する場合には、
図16に示すように、各指標発生率の差が比較的小さいことから、全ての指標図柄161a〜161cを発生する指標報知パターンが設定される可能性も高い。この指標報知パターンが決定された場合には、
図18(D)に示すように、演出図柄表示装置6で、全ての指標図柄161a〜161cが表示される。この指標報知では、全ての設定値1〜3を示唆する指標図柄161a〜161cが表示されることから、遊技者が設定値を知得できない。
尚、このように4パチがセットされた状態では、一回の指標報知により設定値を正確に知り得ることが難しいため、複数回の指標報知により一の設定値に絞り込んでゆくことで、正確な設定値を知得又は推測できる。
【0111】
また、設定値2がセットされた機台で、1パチの変換レートがセットされた状態では、第二低指標発生内容に基づいて指標報知パターンを決定することから、指標図柄161bのみによる指標報知パターンとなる可能性が高い。例えば、指標図柄161bのみによる指標報知パターンが決定されると、
図19(B)に示すように、演出図柄表示装置6で、指標図柄161bのみが表示される。
また、設定値3がセットされた機台で、1パチの変換レートがセットされた状態では、第三低指標発生内容に基づいて指標報知パターンを決定することから、指標図柄161cのみよる指標報知パターンとなる可能性が高い。例えば、指標図柄161cのみによる指標報知パターンが決定されると、
図19(C)に示すように、演出図柄表示装置6で、指標図柄161cのみが表示される。
【0112】
また、設定値3がセットされた機台で、4パチの変換レートがセットされた状態では、第三高指標発生内容に基づいて指標報知パターンを決定することから、指標図柄161bだけでなく、他の指標図柄161a,161cも発生する指標報知パターンとなる可能性が高い。例えば、指標図柄161bと指標図柄161cとによる指標報知パターンが決定されると、
図19(D)に示すように、演出図柄表示装置6で、指標図柄161bと指標図柄161cとが並んで表示される。
【0113】
このように本実施例1では、1パチの変換レートをセットした場合に、4パチに比して、一の指標図柄を単独で表示する指標報知が実行される可能性が高い。そのため、指標報知によって、遊技者は、セットされた設定値を知得できる可能性が高い。
尚、当然ながら、指標報知を決定する各指標発生内容は、
図16に示すように、指標図柄161a〜161bの指標発生率を定めているだけであるから、1パチの変換レートの場合であっても、全ての指標図柄161a〜161cを表示する指標報知(
図18(D))が行われる可能性もある。同様に、4パチの変換レートの場合であっても、セットされた指標図柄のみによる指標報知が行われる可能性もある。ただし、こうした指標報知の実行される可能性は低く、1パチの場合に指標図柄を単独表示したり、4パチの場合に複数の指標図柄を表示するなどの上記例示の指標報知(
図18,19)が実行される可能性が高い。そのため、1パチの場合には、一回又は極少ない回数の指標報知によって、セットされた設定値を正確に知得または推測することができる。一方、4パチの場合には、通常、少ない回数の指標報知によって、セットされた設定値を正確に知得または推測することが難しいことから、比較的多くの回数の指標報知によって、セットされた設定値を絞り込んでいくことが求められる。
【0114】
本実施例1のパチンコ機1は、上述したように、遊技者により変換レートを変更可能なCRユニット46に接続されるものであって、セットされた変換レートに対応付けられた指標発生内容に基づいて、管理者によりセットされた設定値(当選確率)に係る指標報知を行う。そして、本実施例1では、低い変換レート(1パチ)をセットして遊技を行う場合に、高い変換レート(4パチ)に比して、指標報知により、セットされた設定値を遊技者が正確に知得(または推測)できる可能性が高い。これにより、例えば、遊技者は、セットされた設定値を容易に知得できる1パチで遊技を開始し、指標報知の実行によって、有利な設定値1がセットされていることを知得すれば、変換レートを4パチへ変更して、同機台で遊技を続ける可能性が高い。一方、指標報知の実行によって、不利な設定値3がセットされていることを知得すれば、このまま1パチで遊技を続けるか、機台を変える等を選択できる。そして、この場合には、不利な設定値3の機台で、4パチの遊技をすることを、遊技者は控えることも可能である。
このように本実施例1の構成によれば、セットされた設定値に係る指標報知によって、遊技者が変換レートの変更機能を適正に利用することができる。そして、変換レートに応じて異なる前記指標報知が実行され得ることによって、多様な遊技性と従来に無い興趣性とを遊技者に提供できる。
【0115】
また、上述したように、遊技者に最も有利な設定値1がセットされた機台では、指標報知によって、遊技者が高い変換レート(4パチ)で遊技する可能性が安定して高くなる。そのため、遊技客を惹き付ける見せ台とするために前記設定値1がセットされた機台では、高い変換レートによる遊技が行われ易くなるため、前記見せ台として十分な効果が期待できる。
詳述すると、見せ台として前記設定値1がセットされた機台で、低い変換レートによる遊技が行われ続けると、遊技客へのインパクトが弱く、該見せ台としての効果が十分に発揮されない。こうした問題を、前記のように、本実施例1の構成は解決できる。したがって、本実施例1のパチンコ機1は、遊技施設にとっても有益な効果を奏する。
【実施例6】
【0148】
実施例6は、パチンコ機1の枠制御装置81が、変換レートを変更する機能を備えた構成である。本実施例6のCRユニット46は、枠制御装置81との間でクレジット残高情報を入出力するものであり、変換レートを変更する機能および該クレジット残高情報を持球数情報に変換する機能とを備えていない。そして、枠制御装置81が、変換レートを変更する機能を備えると共に、CRユニット46から入力したクレジット残高情報を、該変換レートに従って変換する機能を備えている。
【0149】
実施例6のCRユニット46は、
図28に示すように、ユニット制御装置91、情報アクセス装置92、紙幣検知スイッチ93、およびユニット表示装置47とを備える一方、該実施例1と異なり、選択ボタン131、決定ボタン132、およびレート表示器133を備えていない。そして、このCRユニット46は、ユニット制御装置91が、情報アクセス装置92を介して、カード挿入口49に挿入されたICカードに対して、クレジット残高の情報を読み取りおよび書き換える処理を行うと共に、紙幣検知スイッチ93の検出信号によりクレジット残高情報を生成する処理とを行う。そして、ユニット表示装置47の貸出操作領域158(
図27参照)が操作されると、所定単位のクレジット残高情報を、枠制御装置81へ出力する処理と行う。また、ユニット表示装置47の返却操作領域159(
図27参照)が操作されると、ICカードのクレジット残高情報を書き換える処理を行う。
【0150】
本実施例6の枠制御装置81は、CRユニット46から入力したクレジット残高情報を変換レートに従って持球数情報に変換する機能と、該変換レートを1パチと4パチとに変換する機能とを備えており、
図27に示すように、変換レートを選択する選択ボタン131と、選択した変換レートを決定する決定ボタン132と、変換レートを表示するレート表示器133とが接続されている。枠制御装置81は、遊技者の操作により選択ボタン131および決定ボタン132から入力した信号により、変換レートを変更する処理を実行する。
本実施例6における変換レートの変更方法は、遊技者の操作対象が異なるのみで、上述した実施例1の変更方法と実質的に同じである。すなわち、
図27に示すように、パチンコ機1には、決定ボタン132、決定ボタン132、およびレート表示器133が配設されており、該レート表示器133に、現状でセットされている変換レートが表示される。変換レートを変更する際には、遊技者が決定ボタン132を操作することで、該レート表示器133が点滅表示して、変換レートを変更可能な状態とする。次に、選択ボタン131を操作することで、1パチの変換レートと4パチの変換レートとのいずれかを選択する。そして、一方の変換レートを点滅表示させた状態で、決定ボタン132を操作することによって、当該変換レートが有効とされてセットされる。
尚、本実施例6にあっては、変換レートを変更する際に、計数スイッチ62を操作して、枠制御装置81で管理している全ての持球数情報を、現状の変換レートに従って、クレジット残高情報に変換して、CRユニット46へ出力することが必要である。そして、変換レートを変更後に、CRユニット46の貸出操作領域158を操作することにより、該CRユニット46からクレジット残高情報を再び入力し、入力したクレジット残高情報を、変更後の変換レートに従って持球数情報に変換する。このようにすることで、異なる変換レートで変換した持球数情報が混在することを防止している。
【0151】
このように枠制御装置81が、変換レートを変更する機能と、該変換レートに従ってクレジット残高情報と持球数情報とを変換する機能とを備えること以外は、上述した実施例1と同じである。すなわち、本実施例6のパチンコ機1にあっても、実施例1と同様に、設定値1〜3を管理者により変更可能な機能や、該設定値および変換レートに応じて選択した指標発生内容に基づいて指標報知を行う機能などを備えている。こうした実施例1と同様の機能については、その説明を省略する。
【0152】
本実施例6のパチンコ機1にあっても、上述した実施例1と同様に、セットされた変換レートに対応付けられた指標発生内容に基づいて、セットされた設定値(当選確率)に係る指標報知を行うものであるから、該実施例1と同様の作用効果を奏し得る。
【0153】
上述した実施例1〜6にあって、パチンコ機1が、本発明にかかる弾球遊技機に相当すし、CRユニット46が、本発明にかかる有価情報ユニットに相当する。
ICカードが、本発明にかかる有価情報記憶媒体に相当し、クレジット残高情報が、本発明にかかる有価情報に相当する。
情報アクセス装置92とが、本発明にかかる媒体アクセス手段に相当する。
実施例1〜5にあって、ユニット制御装置91、選択ボタン131、および決定ボタン132が、レートセット手段に相当し、該ユニット制御装置91が、本発明にかかる情報変換手段に相当する。
実施例6にあって、枠制御装置81が、レートセット手段に相当する。
始動口11,12、大入賞口14、および一般入賞口15が、本発明にかかる入賞口に相当し、該始動口11,12が、特別遊技の実行契機となる特定の入賞口に相当する。
研磨装置35、揚送装置33、および回収路が、本発明にかかる球循環手段に相当する。
大当り遊技が、本発明にかかる特別遊技に相当し、該大当り遊技による大入賞口14の開閉作動が、本発明にかかる所定の利得に相当する。
主制御装置80、確率設定スイッチ95、および設定変更ボタン96が、本発明にかかる確率セット手段に相当する。
実施例1〜3,5,6にあって、演出図柄表示装置6が、本発明にかかる指標報知装置に相当する。
実施例4にあって、ユニット表示装置47が、本発明にかかる指標報知装置に相当する。
枠制御装置81が、本発明にかかる指標報知制御手段に相当する。そして、4パチの状態で選択される指標発生内容(第一〜第三高指標発生内容のいずれか)と1パチの状態で選択される指標発生内容(第一〜第三低指標発生内容のいずれか)とが、本発明にかかる指標発生内容に相当する。
指標図柄161a〜161cおよび指標図柄171a〜171cが、本発明にかかる指標態様に相当する。そして、実施例1,2,4〜6にあっては、各指標図柄161a〜161cが、本発明にかかる特定の指標態様に相当し、実施例3にあっては、指標図柄171a,171bが、本発明にかかる特定の指標態様に相当する。
【0154】
以下に、上述の実施例の別例について、例示する。
実施例1〜6は、変換レートを1パチと4パチとの二種類に設定した構成であるが、これに限らず、三種類や五種類等のように多種類の変換レートを設定して変更可能とすることも可能である。また、変換レートについても、上述の実施例に限定されず、1球/0.5円や1球/2円などを設定することも可能である。
同様に、設定値にあっても、実施例1〜6の三段階(設定値1〜3)に限らず、2段階(設定値1,2)や6段階(設定値1〜6)などとすることも可能である。
【0155】
また、上述した実施例1〜6にあって、各指標発生内容を構成する指標図柄および指標発生率は、各実施例に限らず、様々に設定可能である。例えば、実施例1の各指標発生率は、特定の指標図柄と他の指標図柄とでの差を、実施例と異なるように設定しても良いし、該他の指標図柄の指標発生率を全て同じとしても良い。また、実施例3の各指標発生率にあって、指標図柄171aや指標図柄171bの指標発生率を、該実施例3と異なるように設定しても良い。具体例として、設定値3の場合に選択される指標発生内容が、指標図柄171a,171bの指標発生率を0%より大きい所定値(例えば、5%など)としても良い。また、実施例5の変更用の指標発生内容にあっても、各指標発生率を、該実施例5と異なるように設定することもできる。
【0156】
また、上述した実施例4〜6は、低い変換レートの場合に、高い変換レートに比して、指標報知により、セットされた設定値を遊技者が知得または推測できる可能性が高くなるように、各指標発生内容が夫々設定された構成であるが、これに限らず、実施例2と同様に、高い変換レートと低い変換レートとで指標発生率を逆に設定した指標発生内容を定めて、高い変換レートの場合に、指標報知により、セットされた設定値を知得または推測できる可能性が高くなるようにしても良い。
また、実施例1,4〜6にあっては、低い変換レートの場合に、高い変換レートに比して、有利な設定値を知得または推測できるように、特定の指標図柄のみを表示する可能性が高くなるようにしているが、逆に、特定の指標図柄のみを非表示とする可能性が高くなるように、各指標発生内容を夫々設定することも可能である。この場合には、一の指標図柄の非表示によって、遊技者が設定値を推測できるため、上述の実施例と同様の作用効果を奏し得る。尚、実施例2についても、高い変換レートの場合に、低い変換レートに比して、特定の指標図柄のみを非表示とする可能性が高くなるように、各指標発生内容を夫々設定可能である。
また、実施例3にあっては、最も有利な設定値1の場合にのみ、特定の指標図柄を表示する可能性があるように、各指標発生内容を設定しているが、逆に、最も不利な設定値3の場合にのみ、特定の指標図柄を表示する可能性があるように、各指標発生内容を設定することも可能である。この場合には、特定の指標図柄の表示によって、最も不利な設定値3を知得または推測できるため、上述した実施例2と同様の作用効果を奏し得る。
【0157】
上述した実施例1,2,4〜6は、指標報知によって、セットされた設定値1〜3のいずれかを知得または推測できるようにした構成であるが、実施例3と同様に、最も有利な設定値1のみを、特定の指標図柄の指標報知によって知得または推測可能とする構成としても良い。ここで、指標報知により知得または推測可能な設定値は、最も有利な設定値に限らず、遊技者に有利な複数の設定値とすることも可能である。具体的には、設定値1〜6が設定されている構成で、遊技者に有利な設定値1〜3を、指標報知により知得または推測可能な構成としても良い。又は、指標報知により、有利な複数の設定値のいずれかであることを、遊技者が知得または推測可能とする構成であっても良い。例えば、指標報知により、前記有利な設定値1〜3のいずれかであると知得または推測できるようにしても良い。尚、こうした有利な設定値のみを知得または推測可能とすれば、不利な設定値であることを除外できる。こうした有利な設定値を知得または推測させる構成は、実施例3と同様の指標発生内容を適用することで実施可能である。
また、指標報知により知得または推測可能な設定値は、有利な設定値だけでなく、予め設定された所定の設定値のみとすることもできる。例えば、有利な順序で列べた場合に、奇数番目(設定値1,3など)又は偶数番目(設定値2,4など)の設定値を、指標報知により知得または推測可能とするようにしても良い。又は、特定の順位(例えば、設定値2など)の設定値のみを、指標報知により知得または推測可能として良い。
尚当然ながら、指標報知により不利な設定値を知得または推測可能とすることもできる。この場合には、指標報知により不利な設定値を知得または推測できなければ、有利な設定値と推測できる。
【0158】
また、上述した実施例1〜6は、一方の変換レートの場合に、他方の変換レートに比して、特定の指標図柄を表示する可能性が高くなるように、各指標発生内容が夫々設定された構成であるが、この他の構成として、特定の指標図柄の表示可能性が高くなる変換レートを、選択できるようにしても良い。例えば、特定の指標図柄の表示可能性を高くする指標発生内容を対応付ける変換レートを、管理者により選択されてセットできるセット手段を備えた構成が好適である。
尚、このセット手段は、一方を他方に比して、特定の指標図柄の表示可能性の高い変換レートを選択してセットするだけでなく、両方を同じ変換レートとする選択もできる構成であっても良い。
【0159】
上述した実施例1〜6は、1パチの変換レートと4パチの変換レートとに変更可能な構成としたが、これに限らず、1パチから4パチへの変更(換言すると、低い変換レートから高い変換レートへの変更)のみ可能とする構成とすることもできる。この場合には、例えば、1パチの変換レートを標準値として設定し、遊技者が4パチへの変更のみ可能とする構成とすることで実現できる。かかる構成によれば、1パチという低い変換レートで遊技する遊技者が想定外に増加することによって遊技施設の被る損失を、抑制することができる。
また、逆に、4パチから1パチへの変更(換言すると、高い変換レートから低い変換レートへの変更)のみ可能とする構成としても良い。
さらに、変換レートを変更可能な条件を設定した構成としても良い。すなわち、予め設定された条件が成立した場合にのみ、変換レートを変更可能とする。例えば、持球数情報が所定個数に達すること、特別図柄の変動回数が所定回数に達すること等を、前記条件として設定できる。こうした条件を定めることにより、遊技者の利益と遊技施設の利益とのバランスを保つことができる。
【0160】
また、上述した実施例1〜6は、大当り終了演出内で指標報知を実行するようにした構成であるが、該指標報知を実行するタイミング(又は条件)は適宜設定することが可能である。例えば、大当り開始演出内で指標報知を実行しても良いし、小当り遊技中(又は小当り遊技の前後)で指標報知を実行しても良い。さらには、特別図柄の変動回数が所定の閾値に達した場合に、指標報知を実行したり、特別図柄のハズレ判定の累積数が所定の閾値に達した場合に、指標報知を実行しても良い。このように指標報知する条件を設定し、該条件を充足すると、指標報知を実行することもできる。
【0161】
また、上述した実施例1〜6の構成は、枠制御装置81が指標発生内容と指標報知処理とを備え、該枠制御装置81が、サブ統合制御装置83を介して指標報知を実行制御するようにした構成であるが、これに限らず、サブ統合制御装置83が、指標発生内容と指標報知処理とを備え、指標報知を実行制御する構成としても良い。この場合には、セットされた設定値の情報が、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ送られて記憶されると共に、変換レートの情報が、枠制御装置81からサブ統合制御装置83へ送られて記憶される。そして、大当り終了演出を行う際に、サブ統合制御装置83は、指標報知処理を実行して、記憶している設定値と変換レートとにより選択した指標発生内容に基づいて指標報知パターンを決定し、該決定した指標報知パターンに従って指標報知を行う。かかる構成にあっても、実施例1〜6と同様に指標報知を行うことができるため、各実施例と同様の作用効果を奏し得る。
【0162】
上述した実施例5の構成は、遊技者の操作による1パチから4パチへの変換レートの変更を契機として、変更時指標報知を行うようにした構成であり、該変更時指標報知の実行契機を遊技者の意思で決定できる構成とも言える。そのため、変更時指標報知が比較的頻繁に実行される可能性もあり得る(例えば、1パチと4パチとの変更を繰り返した場合など)。これを防止するために、1パチから4パチへの変換レートの変更を契機として変更時指標報知を行った場合に、所定の再変更条件が成立するまで、変更時指標報知を実行しないように制御する構成が好適である。具体的には、前記の再変更条件が、遊技を継続する時間(例えば、15分間や30分間)が経過すること、大当りの発生、大当り遊技の終了などを設定できる。さらに、この再変更条件として、当否判定を行った回数が所定値に達することや、持球数情報により示される持球数が所定数値に達すること等を設定しても良い。また、変換レートを変更すると、所定の再変更条件が成立するまで、該変換レートを変更不能とする構成としても良い。この場合の再変更条件にも、前記と同様の条件が設定可能である。
【0163】
また、上述した実施例5は、1パチから4パチへのレート変更の際に、専用(変更用)の指標発生内容(
図24)を選択する構成としたが、これに限らず、実施例1と同様の第一〜第三低指標発生内容(又は第一〜第三高指標発生内容)を選択する構成としても良い。又は、実施例3と同様の第一〜第三低指標発生内容(又は第一〜第三高指標発生内容)を選択する構成とすることも可能である。
また、1パチから4パチへのレート変更に伴う変更時指標報知は、その報知タイミングを実施例5のタイミング(始動口11又は始動口12への入球時)に限らず、適宜設定可能である。例えば、変換レートを変更して遊技開始した直後や、特別図柄が所定回数変動したとき等のように、変換レートの変更後遊技中で所定の遊技条件が成立したときに設定できる。
また、実施例5にあって、1パチから4パチへのレート変更の際に、該レート変更の完了を演出図柄表示装置6又はユニット表示装置47で報知するようにしても良い。そして、こうした完了報知を行う構成では、変更時指標報知を、該完了報知の実行タイミングで実行することも可能である。
【0164】
上述した実施例5の構成にあっては、大当り終了演出内での指標報知と、1パチから4パチへのレート変更による変更時指標報知との両方を実行する構成としたが、該大当り終了演出内での指標報知を実行しない構成としても良い。すなわち、1パチから4パチへのレート変更による変更時指標報知のみを行う構成とできる。かかる構成によれば、セットされた設定値の知得を希求する遊技者に、1パチから4パチへのレート変更を勧める効果が一層向上する。尚、この構成は、実施例5と同様の、変換レートの変更機構をCRユニット46が備えた構成だけでなく、実施例6と同様の、該変換レートの変更機能を枠制御装置81が備えた構成でも適用できる。
こうした変更時指標報知を行う構成としては、「セットされている変換レートから、当該変換レートよりも高い変換レートに変更されることを条件として、所定の報知タイミングで、指標報知を実行制御する指標報知制御手段」を備えた弾球遊技機として規定できる。
【0165】
また、上述した実施例6は、枠制御装置81が、変換レートの変更の際に、持球数情報を全てクレジット残高情報に変換してCRユニットへ出力するようにした構成であるが、この他の構成として、該クレジット残高情報をCRユニットに出力しない構成とすることもできる。具体的には、変換レートの変更の際に、全ての持球数情報をクレジット残高情報に変換して枠制御装置81のRAMに一時記憶し、変換レートの変更後に、該RAMに記憶したクレジット残高情報を持球数情報に変換する。この構成では、変換レートの変更の際に、枠制御装置とCRユニットとの間で情報の入出力を要しないことから、該入出力にかかる負荷を軽減できる。
【0166】
また、上述した実施例6は、指標報知を演出図柄表示装置6で実行するようにした構成であるが、これに限らず、ユニット表示装置47で実行するようにしても良い。
また、上述した実施例1〜6にあって、指標報知を実行する表示装置は、演出図柄表示装置やユニット表示装置に限定されず、これらの他の表示装置であっても良く、指標報知を実行する専用の表示装置が配設された構成とすることもできる。尚、指標報知を、ユニット表示装置と演出図柄表示装置との両方で実行することも、当然可能である。
【0167】
また、上述した実施例1〜5にあっては、CRユニット46のレート表示器133で、セットされている変換レートを表示するようにしたものであるが、パチンコ機1でも該変換レートを表示するようにしても良い。例えば、実施例6と同様のレート表示器を、機台に設けた構成としても良いし、演出図柄表示装置6で、セットされている変換レートを表示するようにしても良い。このようにパチンコ機1で変換レートを表示することによって、遊技者が変換レートを勘違いしてしまうことを、可及的に抑制でき、該勘違いによる遊技施設とのトラブルを防止できる。
また、上述した実施例1〜6にあって、持球数表示装置61の表示態様を変換レートに応じて変更することも可能である。例えば、各変換レートに応じて、持球数表示装置61の表示色を変えることが好適である。かかる構成によれば、持球数表示装置61を視認することで、遊技者が変換レートを比較的容易に認識可能である。この構成にあっても、前記のように、遊技者の勘違いによるトラブルを防止できる。