(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
【0012】
<遊技機10の概要について>
まず、本実施形態の遊技機10の概要について、
図1、
図5、
図6、
図9を用いて説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図5は、遊技機10の主要な電気的構成を示すブロック図である。
図6は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
図9は、或るキャラクターの顔部分に係る画像の一具体例を示す図である。
遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であって、記憶手段と、演出制御手段と、を備える。
【0013】
記憶手段は、複数のレイヤーに配置された画像を合成して構成される複数とおりの演出動画を記憶している。
本実施形態における記憶手段は、例えば、ROM203によって実現される。
ここでレイヤーとは、コンピュータ処理によって画像を生成する場合に、複数の画像を重ね合わせて一つの画像を合成する機能、又は当該機能によって重ね合わされる一つ一つの画像の階層をいう。
【0014】
演出表示制御手段は、記憶手段から演出動画を読み出して所定の表示領域に表示させる。
本実施形態における演出表示制御手段は、例えば、演出表示制御部211によって実現される。また、本実施形態において演出表示制御手段によって読み出された演出動画が表示される所定の表示領域とは、例えば演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83、右サブ表示部84)の表示領域の少なくとも一部である。
【0015】
記憶手段には、互いに共通している第一画像が、それぞれ同一又は異なるレイヤーに配置されている一の演出動画と他の演出動画とが記憶されており、第一画像が配置されたレイヤーとは異なるレイヤーに配置された第二画像が、一の演出動画と他の演出動画とによって異なる。
換言すれば、記憶手段に記憶されている一の演出動画及び他の演出動画は、内容が共通している第一画像を含んでおり、当該第一画像が互いに同一のレイヤーに配置されてもよいし、異なるレイヤーに配置されてもよい。また、一の演出動画及び他の演出動画は、第一画像とは内容が異なる第二画像を含んでおり、第一画像が配置されているレイヤーとは異なるレイヤーに配置されている。なお、一の演出動画及び他の演出動画は、第二画像が互いに同一のレイヤーに配置されてもよいし、異なるレイヤーに配置されてもよい。
本実施形態における第一画像とは、例えば、或るキャラクターの顔、髪及び耳が描かれているベース画像BAである。また、本実施形態における第二画像とは、例えば、或るキャラクターの目や眉が描かれているパーツ画像EY、又は或るキャラクターの口周辺が描かれているパーツ画像MOである。
【0016】
本実施形態の遊技機10は、予め生成して記憶している一の演出動画と他の演出動画とを読み出して表示させるので、表示処理に係る処理負荷が軽減される、即ち演出動画を表示する度に各レイヤーに配置された画像を合成する必要がない。従って、演出動画の表示に関して処理負荷の軽減を図ることができる。
以下、本実施形態に係る遊技機10についてより詳しく説明する。
【0017】
<遊技機10の構造について>
図1から
図4を用いて遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、
図1に示す領域IIに配設されるLED群を示す図である。
図3は、
図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す瞰図である。
図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。
なお、
図1から
図4に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
【0018】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示せず)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射し、遊技球が特定の入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。
【0019】
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示せず)と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0020】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50a及び遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27及び下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0021】
図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、遊技中に発生する演出を切り替える又は遊技者が遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができるプッシュボタン37の他、それぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(38a、38b、38c、38d)、玉貸操作を受け付ける玉貸ボタン39a、及び、プリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39bなどが含まれる。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
【0022】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
【0023】
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ照明装置35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声出力又は点灯若しくは消灯することができる。
【0024】
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82と、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部83と、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部84と、を含んでいる。メイン表示部81は固定式の液晶装置であり、上サブ表示部82・左サブ表示部83・右サブ表示部84は可動式の液晶装置である。
【0025】
メイン表示部81は、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92における図柄変動ゲームに連動して行われる演出図柄の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。
メイン表示部81に表示される演出図柄群の変動表示において、表示される演出図柄群は、一又は複数の列をなす。変動表示されている演出図柄群がなす列の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、又はこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な表示変動であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向又はその逆方向に演出図柄が変動しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
【0026】
メイン表示部81は演出図柄の表示の他にも、いわゆる保留表示(図示せず)を表示画面の一部に表示することができる。保留表示が表示される表示領域と、演出図柄が表示される表示領域とは、離間してもよいし重複してもよい。ここで保留表示とは、いわゆる保留玉と称される演出画像のことであり、始動口への入球を契機として取得された乱数のうち、現時点において実行されている図柄変動ゲームに用いられた乱数又は現時点において保留されている乱数を模している。保留表示は、その形状や色彩等によって特典(例えば、大当り遊技)が付与される可能性を示唆しうる。
【0027】
上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84は、主として演出に関連する演出画像を表示するために設けられるものであり、特定の演出の実行時に移動しうる。それぞれの原位置はメイン表示部81を基準として上側、左側又は右側であり、これらの原位置からメイン表示部81における演出図柄の表示領域に重なる位置まで上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84は移動しうる。
【0028】
なお、本実施形態における演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84)には、いずれも液晶表示装置が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示装置80として採用しうる。
【0029】
メイン表示部81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下LEDと称す)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されている。図柄表示装置90はメイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域はメイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は
図2に示すとおりであるが、これは一具体例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
【0030】
ここで特別図柄とは、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動ゲームの結果として停止表示される特定の図柄群である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
第1特別図柄は、「特
図1」と略称される場合があり、第2特別図柄は、「特
図2」と略称される場合がある。また、特別図柄は、「特図」と略称される場合がある。
【0031】
ここで普通図柄とは、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動ゲームの結果として停止表示される特定の図柄群である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
なお、以下、普通図柄のことを「普図」と略して表記する場合がある。
【0032】
以下の説明において、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92を変動表示させた後に特別図柄を停止表示させる図柄変動ゲームを「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
また、以下の説明において、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普通図柄を停止表示させる図柄変動ゲームを「普通図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
或いは、以下の説明において、上述のメイン表示部81に表示される演出図柄の変動表示は、「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」や「普通図柄に係る図柄変動ゲーム」と区別して「演出図柄に係る図柄変動ゲーム」と称する場合がある。
なお、以下の説明において、単に「図柄変動ゲーム」と称した場合には、特段の説明がない限り「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」を意味する。
【0033】
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示せず)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。また、遊技領域50aの左側及び上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51及び内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。
ここで風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
【0034】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっている。また、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0035】
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59、ゲート63、普通入賞口67(67a、67b)を図示する。ここで図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0036】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57にはカウントスイッチSW1が付設されており、カウントスイッチSW1の検知に応じて第1始動口57に係る入賞が判定されて、第1始動口57に対応付けられた賞球が付与される。
第1始動口57に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、第1特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0037】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59にはカウントスイッチSW2が付設されており、カウントスイッチSW2の検知を契機として第2始動口59に係る入賞が判定されて、第2始動口59に対応付けられた賞球が付与される。
第2始動口59に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、第2特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件が成立する。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0038】
第2始動口59には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、ソレノイドコイルSOL4の作動により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。なお、普通電動役物61の制御については、後に詳述する。
【0039】
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に配置されている。大入賞口55にはカウントスイッチSW7が付設されており、カウントスイッチSW7の検知を契機として大入賞口55に係る入賞が判定されて、大入賞口55に対応付けられた賞球が付与される。
大入賞口55の上方には特別電動役物65が配設されている。特別電動役物65は、大入賞口55に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、ソレノイドコイルSOL1の作動により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
【0040】
特別電動役物65は、特別図柄に係る図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への遊技球の入球が許容される。なお、本実施形態における特別電動役物65は、第1始動口57への入球及び第2始動口59への入球のいずれに起因する大当り遊技においても開放状態になりうるように構成されている。
特別電動役物65が開放状態である場合には、大入賞口55への遊技球の入球が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大しうる。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0041】
普通入賞口67(67a、67b)は、遊技領域50aの左下部に配置されている。普通入賞口67aには入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW51が付設されており、カウントスイッチSW51の検知を契機として普通入賞口67に係る入賞が判定されて、普通入賞口67に対応付けられた賞球が付与される。普通入賞口67bには入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW52が付設されており、カウントスイッチSW52の検知を契機として普通入賞口67に係る入賞が判定されて、普通入賞口67に対応付けられた賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が普通入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0042】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述した各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0043】
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
【0044】
<遊技機10の制御構成について>
続いて、
図5又は
図6を用いて遊技機10の制御構成について説明する。なお、上述した
図1から
図4に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
図5は、遊技機10の主要な電気的構成を示すブロック図である。
図6は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
なお、
図5又は
図6で図示される各構成要素は本実施形態の遊技機10を説明する上で必要な構成要素を挙げたものであり、ここに図示しない構成要素を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成要素の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成要素が省かれても良い。
【0045】
遊技機10は、メイン制御基板100、サブ制御基板200などの制御基板を自機の内部に備えており、種々の機能を各基板と当該各基板に電気的に接続されている部品とによって実現している。
より具体的には、メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201、RAM102又はRAM202、ROM103又はROM203などを有している。メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201がROM103又はROM203から読み出した制御プログラムを実行し、RAM102又はRAM202に種々のデータを書き込み又は読み出しを行うことにより種々の機能を実現する。
図5では、一つのサブ制御基板200が図示されているが、サブ制御基板200は、複数の基板で形成されていてもよい。サブ制御基板200が複数の基板で形成される場合、メイン制御基板100に複数のサブ制御基板200が並列に接続されていてもよいし、メイン制御基板100に対して複数のサブ制御基板200が階層的に接続されていてもよい。
また、各機能構成を実現する基板は、
図5に示される基板に限定されるものではなく、メイン制御基板100若しくはサブ制御基板200又は他の基板上で実現されてもよい。
【0046】
メイン制御基板100は、遊技を統括的に制御し、遊技に関連する演出等について、サブ制御基板200にコマンドを伝送する。メイン制御基板100は、遊技の結果に影響を及ぼす又は及ぼす虞がある機能を実現する基板であり、サブ制御基板200は、メイン制御基板100から送られるコマンドに従って、各種制御を行う基板である。
【0047】
図6には、メイン制御基板100で実現される主要な機能構成として、始動口入球時処理部110、特図遊技制御部120、普図遊技制御部130、遊技状態制御部140、図柄表示制御部150、情報伝送部190が例示されている。また、同図には、サブ制御基板200で実現される主要な機能構成として、演出制御部210が例示されている。
【0048】
始動口入球時処理部110は、第1始動口57又は第2始動口59に遊技球が入球した時に大当り遊技の当否判定に用いる乱数を取得すると共に所定の処理を実行する。
特図遊技制御部120は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する。
普図遊技制御部130は、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する。
遊技状態制御部140は、大当り遊技を制御する機能、確変状態や変短状態を管理し、これらの付与や解除(通常遊技状態への移行)を制御する機能を有する。
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された特別図柄、又は、普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された普通図柄、を図柄表示装置90に表示させる。
情報伝送部190は、メイン制御基板100で実現される各機能構成にて生成された制御情報(コマンド)をサブ制御基板200上で実現される機能構成(例えば、演出制御部210等)に伝送する。情報伝送部190によって伝送されるコマンドには、特図抽選や普図抽選の結果、確変状態の有無、変短状態の有無、保留されている乱数に関する情報、大当り遊技の実行に関する情報等が含まれてもよい。
【0049】
演出制御部210は、情報伝送部190を介してメイン制御基板100で実現される各種機能構成にて生成された制御情報(コマンド)を受け、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出表示を、演出表示装置80に表示させる。例えば、演出制御部210は、図柄変動ゲームの実行中に演出図柄を演出表示装置80に変動表示又は停止表示させる。
演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、又はスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。また、演出制御部210は、プッシュボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
【0050】
<始動口の入球時処理について>
以下、始動口の入球時処理を制御する始動口入球時処理部110について詳述する。
始動口入球時処理部110は、特図保留制御部111と、事前判定部112と、を有する。
【0051】
特図保留制御部111は、第1始動口57に遊技球が入球した時、即ち第1始動口57に入賞した時に、保留されている乱数M1の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M1を取得して保留させる。
また、特図保留制御部111は、第2始動口59に遊技球が入球した時、即ち第2始動口59に入賞した時に、保留されている乱数M2の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M2を取得して保留させる。
特図保留制御部111は、第1始動口57の入賞を契機として取得される乱数M1と、第2始動口59の入賞を契機として取得される乱数M2と、を区別して保留する。
【0052】
特図保留制御部111は、保留されている乱数の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部150を要求してもよいし、演出表示装置80に表示させるように情報伝送部190を介して演出制御部210にコマンドを出してもよい。
このとき、図柄表示制御部150は、特図保留制御部111の要求に応じて、保留されている乱数の数をLEDの発光パターンによって図柄表示装置90に表示させてもよい。
また、演出制御部210は、情報伝送部190を介して入力したコマンドに応じて、保留されている乱数の個数に等しい数の保留表示を、演出表示装置80に表示させてもよい。
【0053】
事前判定部112は、特図保留制御部111が乱数M1又は乱数M2を保留させた場合の少なくとも一部において、保留させた乱数M1又は乱数M2が当否判定部121によって当選と判定されるか否かを、当否判定部121による判定の事前に判定する事前判定を実行する。
また、事前判定部112は、事前判定の他に、事前判定の結果に基づく演出に関する処理を実行してもよい。ここで「事前判定の結果に基づく演出」とは、例えば、事前判定の対象となった乱数を表す保留表示の色彩や形態等を変化させる演出や、事前判定の対象となった乱数を表す保留表示が表示されている期間(いわゆる先読みゾーン)にわたって実行される演出等が挙げられる。
なお、「事前判定の結果に基づく演出」は、複数回の特別図柄に係る図柄変動ゲームにわたって連続性を有する構成になっていることがあり、当該構成である場合には後述する連続演出に該当する。
【0054】
<特別図柄に係る図柄変動ゲームについて>
以下、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する特図遊技制御部120について詳述する。
特図遊技制御部120は、当否判定部121と、特図選択部122と、リーチ抽選部123と、変動パターン決定部124と、を有する。
【0055】
当否判定部121は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御又は大当り遊技に係る制御が行われていないとき、保留されている乱数M1又は乱数M2を所定の周期で読み出す。このとき、当否判定部121は、乱数M2の読み出しを優先的に実行し、乱数M2が読み出せなかった場合(保留されている乱数M2が零個である場合)に乱数M1を読み出す。このような制御によって、乱数M2が乱数M1より優先的に読み出される。その結果、当否判定部121は、乱数M1よりも乱数M2を優先的に判定することになる。
【0056】
特図選択部122は、当否判定部121による当否判定の結果に基づいて特別図柄を選択する。
より具体的には、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122は乱数抽選を行うことによって当選を示す特別図柄(当選図柄)を選択する。即ち、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122は、予め複数とおりに用意されている当選図柄のうちいずれか一つを選択する。
或いは、当否判定部121によって落選が判定された場合、特図選択部122はハズレを示す特別図柄(ハズレ図柄)を一意に決定する。
【0057】
当否判定部121によって乱数M1が判定された場合、特図選択部122によって選択された特別図柄は、後述する第1特別図柄表示制御部151によって第1特別図柄表示装置91に表示される。
当否判定部121によって乱数M2が判定された場合、特図選択部122によって選択された特別図柄は、後述する第2特別図柄表示制御部152によって第2特別図柄表示装置92に表示される。
【0058】
リーチ抽選部123は、当否判定部121によって落選が判定された場合、その判定結果を示す特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に、リーチ演出をするか否かを乱数抽選で選択する。ここでリーチ演出とは、メイン表示部81における演出図柄の変動表示において、最後に仮停止する列を除く複数の列に演出図柄が仮停止しており、仮停止している各々の演出図柄が同種である状態に行われる演出をいう。なお、当該状態について、本実施形態においてはリーチ状態と称する場合がある
なお、当否判定部121によって落選が判定された場合、その判定に起因する図柄変動ゲームの結果はハズレであるため、当該図柄変動ゲームでリーチ演出を実行したとしても最後に仮停止する列の演出図柄は他の列の演出図柄と異なる種別になる。
また、当否判定部121によって当選が判定された場合、その判定に起因する図柄変動ゲームの結果は当選であるため、リーチ抽選部123による抽選が行われずとも、当該図絵の実行中には原則としてメイン表示部81においてリーチ演出が行われ、さらに最後に仮停止する列の演出図柄が他の列の演出図柄と同種になる。
【0059】
変動パターン決定部124は、特別図柄に係る図柄変動ゲームにおいて変動表示を開始してから停止表示を行うまでの時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを決定する。なお、変動パターン決定部124によって決定される変動パターン(変動時間情報)は、一回の特別図柄に係る図柄変動ゲーム(遊技)の実行期間とも換言できる。
変動パターン決定部124によって決定された変動パターンは、第1特別図柄表示制御部151又は第2特別図柄表示制御部152に対する制御情報として出力され、当該制御情報を入力した第1特別図柄表示制御部151又は第2特別図柄表示制御部152は当該制御情報が示す時間にわたって特別図柄に係る図柄変動ゲームを実行する。
また、変動パターン決定部124によって決定された変動パターンは、情報伝送部190を介して伝送されるコマンドとして演出制御部210に出力され、当該コマンドを入力した演出制御部210は当該コマンドに含まれる変動パターンを用いて演出(リーチ演出等)を制御する。より具体的には、演出制御部210は、入力した変動パターン(変動時間情報)が示す時間に合わせて、当該変動パターンに基づく演出図柄に係る図柄変動ゲームを終了させるように演出図柄の変動態様及びそれに付随する演出態様を決定して実行する。
これにより、演出制御部210は、特別図柄に係る図柄変動ゲームが実行時間に合わせて、当該図柄変動ゲームに対する演出を実行することができる。
【0060】
なお、リーチ演出を実行する場合は、リーチ演出が非実行である場合に比べて長い時間を要するので、変動パターン決定部124は、リーチ抽選部123によってリーチ演出の実行が選択された場合には、リーチ演出の非実行が選択された場合に比べて、長い時間を示す変動パターン(変動時間情報)を決定する割合が高くなるように構成されている。
【0061】
<普通図柄に係る図柄変動ゲームについて>
以下、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関する制御を実行する普図遊技制御部130について詳述する。
普図遊技制御部130は、普図保留制御部131と、普図抽選部132と、普通電役制御部133と、を有する。
【0062】
普図保留制御部131は、ゲート63に遊技球が入球した時に、保留されている乱数M3の数が保留上限数(例えば、4個)に達していない場合には乱数M3を取得して保留させる。
【0063】
普図抽選部132は、普通図柄に係る図柄変動ゲームが実行されていないとき、保留されている乱数M3を所定の周期で読み出し、読み出された乱数M3を用いて普通電動役物61を開放状態に遷移させるか否かの抽選を行う。なお、普図抽選部132によって行われる抽選の当選確率は、後述する変短状態であるときは通常遊技状態であるときより高くなっている。
【0064】
普図抽選部132による抽選結果は、後述する普通図柄表示制御部153に伝送される。普通図柄表示装置93に対応している二つのLEDは一方が当選、他方が落選に対応しており、普通図柄表示制御部153は伝送された抽選結果に応じていずれかのLEDを発光させる。
【0065】
普通電役制御部133は、普図抽選部132による抽選に当選したとき、ソレノイドコイルSOL4を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。ここで所定の開放条件には、普図抽選部132による一回の当選に応じて普通電動役物61が開放される時間(以下、開放時間と称する)や開放される回数(以下、開放回数と称する)等が含まれる。
普通電役制御部133は、変短制御部144によって変短状態が付与されているとき、開放状態をとる時間が単位時間あたりで増加するように普通電動役物61を制御する。即ち、普通電役制御部133の制御は、後述する変短制御部144による変短状態の付与に起因して変動する。
【0066】
<遊技状態制御について>
以下、大当り遊技、確変状態、及び変短状態を制御する遊技状態制御部140について詳述する。
遊技状態制御部140は、大当り制御部141と、確変制御部143と、変短制御部144と、を有している。
【0067】
ここで大当り遊技とは、特別電動役物65を連続して作動させることができる特別の遊技状態をいう。ここで「特別電動役物を連続して作動」とは、後述のラウンド遊技の回数(ラウンド回数)が複数回であることをいう。
ここで確変状態とは、当否判定部121による当否判定の当選確率が通常遊技状態より高確率になる遊技状態をいう。
ここで変短状態とは、以下の少なくとも一つが行われる遊技状態をいう。
(i)普図抽選部132による抽選の当選確率が通常遊技状態より高確率になる。
(ii)普通電動役物61の開放時間が通常遊技状態より延長される。
(iii)普通電動役物61の開放回数が通常遊技状態より増加される。
(iv)普通図柄表示装置93における一回あたりの変動表示時間が通常遊技状態より短縮される。
なお、(i)において言及した普図抽選部132によって行われる抽選の当選確率は、通常遊技状態において零であっても良いし、零でなくても良い。
【0068】
確変制御部143は、特定の特別図柄(当選図柄)が図柄表示装置90に停止表示されたことに起因する大当り遊技の終了を契機として確変状態を付与する。
なお、本実施形態に係る確変状態の付与条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の付与条件はこの例に限られない。例えば、いわゆるVゾーンと称される特定領域に遊技球が入球したことを契機として確変状態を付与してもよい。
【0069】
確変制御部143は、確変状態に移行してから所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われた場合、又は所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われる前に新たに大当り遊技に当選した場合に、確変状態を解除する。
なお、本実施形態に係る確変状態の解除条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の解除条件はこの例に限られない。例えば、特別図柄に係る図柄変動ゲームの回数に関わらず大当り遊技に当選することのみを契機として、確変制御部143は確変状態を解除してもよい。或いは、確変状態を解除するか否かを決定する抽選(転落抽選)に当選することを契機として、確変制御部143は確変状態を解除してもよい。
【0070】
変短制御部144は、大当り制御部141によって実行される大当り遊技が終了した場合のすべてを契機として、変短状態を付与する。
なお、本実施形態に係る変短状態の付与条件は一具体例であって、本発明の実施に係る遊技機における確変状態の付与条件はこの例に限られない。例えば、大当り制御部141によって実行される大当り遊技が終了した場合の一部を契機として、変短制御部144は変短状態を付与してもよい。
【0071】
変短制御部144は、変短状態に移行してから所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われた場合、又は所定回数の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われる前に新たに大当り遊技に当選した場合に、変短状態を解除する。
なお、変短制御部144による変短状態の解除条件は、確変状態の解除条件と同一の条件であってもよいし、異なる条件であってもよい。本実施形態に即していえば、変短状態の解除に係る所定回数は、確変状態の解除に係る所定回数と同一の回数であってもよいし、異なる回数であってもよい。
【0072】
大当り制御部141は、当否判定部121によって当選が判定された場合に、大当り遊技を実行する。本実施形態における大当り遊技は、具体的には以下のように実行される。
まず、当否判定部121によって当選が判定された場合、特図選択部122によって特別図柄が選択され、選択された特別図柄が第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92に停止表示された後に、大当り制御部141は大当り遊技を開始させる。
大当り遊技が開始されると、大当り制御部141は演出制御部210に大当り遊技の開始を示すオープニング演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力する。演出制御部210は当該コマンドに従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。なお、本実施形態に係るオープニング演出では、遊技者に右打ちを推奨する等して、大入賞口55に向かう第2流路Yへの遊技球の打ち出しを促すことが好ましい。
オープニング演出の終了後には、大入賞口55が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定回数(ラウンド回数)を上限として複数回行われる。ラウンド遊技では、大入賞口55が所定回数(例えば1回)開放される。また、開放された大入賞口55に規定個数の遊技球が入球した後、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過後に、大入賞口55が閉鎖されてそのラウンド遊技が終了する。
ラウンド遊技の終了後には、大入賞口55が所定時間(インターバル時間)だけ閉鎖され、次のラウンド遊技の開始と共に再び大入賞口55が開放される。
【0073】
大当り制御部141は、上記のラウンド回数・ラウンド遊技時間・インターバル時間等を含む制御情報を特別電役制御部142に伝送する。
特別電役制御部142は、大当り制御部141から受けた制御情報に従って、特別電動役物65を開放させる。
特別電役制御部142は、特別電動役物65を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口55に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW7の検知に基づいて監視している。そして、特別電役制御部142は、監視している入賞した遊技球が上限数に達したとき、ソレノイドコイルSOL1を作動させて特別電動役物65を閉鎖させる。
【0074】
大当り制御部141は、ラウンド遊技中に係る演出に関するコマンドを情報伝送部190を介して演出制御部210に出力する。演出制御部210は入力したコマンドに従ってラウンド演出を実行する。
規定のラウンド回数が終了すると、大当り制御部141は情報伝送部190を介して演出制御部210に大当り遊技の終了を示すエンディング演出に関するコマンドを出力する。演出制御部210は入力したコマンドに従い所定時間(エンディング時間)にわたってエンディング演出を実行し、大当り制御部141は大当り遊技を終了させる。
【0075】
<各図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示について>
以下、各図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示について詳述する。
【0076】
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果である特別図柄、又は普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果である普通図柄を図柄表示装置90に表示させる。
図柄表示制御部150は、第1特別図柄表示制御部151と、第2特別図柄表示制御部152と、普通図柄表示制御部153と、を有する。
第1特別図柄表示制御部151は、第1特別図柄表示装置91における特別図柄の変動表示と停止表示を制御する。
第2特別図柄表示制御部152は、第2特別図柄表示装置92における特別図柄の変動表示と停止表示を制御する。
普通図柄表示制御部153は、普通図柄表示装置93における普通図柄の変動表示と停止表示を制御する。
【0077】
演出制御部210は、予告演出を実行する。ここで予告演出とは、その実行時より後の遊技展開を示唆する演出であり、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出である。
【0078】
演出制御部210は、予告演出を実行する場合、予告演出に係る演出表示を演出表示装置80に表示させる演出表示制御部211を有している。特に特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に関していえば、演出表示制御部211は、複数列の演出図柄群がスクロールした後に確定停止した演出図柄の組合せによって、大当り遊技に当選したか否かを、演出表示装置80に報知させる。
【0079】
演出表示制御部211は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中において、演出制御部210は、図柄表示装置90による特別図柄の変動時間に合わせて、演出表示装置80による演出表示(演出図柄に係る図柄変動ゲームを含む)を実行させている。換言すれば、演出表示制御部211は、図柄表示装置90における一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームと、演出表示装置80における一回の演出表示(演出図柄に係る図柄変動ゲームを含む)とを、原則として対応付けて実行する。
ただし、複数回の特別図柄に係る図柄変動ゲームにわたって連続性を有している予告演出が実行される場合や、一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームに対して複数回の演出図柄の変動表示を含む予告演出が実行される場合もある。前者の代表例は連続演出と称される予告演出であり、後者の代表例は擬似連演出と称される予告演出である。
ここで連続演出とは、数回の遊技(特別図柄に係る図柄変動ゲーム)にわたって連続性を有する演出である。また、ここで擬似連演出とは、遊技者に認識可能な区切りから区切りまでの期間である変動サイクルにおいて一連の演出図柄群をスクロールさせ、一回の遊技(特別図柄に係る図柄変動ゲーム)において複数回の変動サイクルを含める演出である。
【0080】
なお、上記の説明において、演出制御部210(演出表示制御部211)は、演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82、左サブ表示部83、右サブ表示部84)の演出表示を制御する旨を説明したが、演出制御部210の制御対象はこれに限られない。その他にも、演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、又はスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。
また、演出制御部210は、プッシュボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
また、演出制御部210は、上サブ表示部82、左サブ表示部83又は右サブ表示部84の移動制御を実行することができ、さらに
図5では図示していないが、いわゆる装飾可動体の移動制御を実行することができてもよい。
【0081】
<各種処理の処理手順について>
次に、上記で説明した各種処理の処理手順について、
図7又は
図8を用いて説明する。なお、上述した
図1から
図6に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
【0082】
図7は、始動口入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。
図8は、図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、これらのフローチャートで図示される処理手順は、本発明の処理手順やその実行タイミングを限定するものではない。このため、本発明に関する処理を実施するときには、その複数の処理手順は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の処理の実行タイミングの一部又は全部が互いに重複していてもよい。
また、
図7又は
図8に図示される各処理は、本発明の説明に必要な主たる処理であって、遊技機10によって実行される全ての処理を示すものではない。
【0083】
まず、始動口入球時処理について説明する。ここで「始動口入球時処理」とは、第1始動口57又は第2始動口59に対して遊技球が入球した後に実行される一連の処理である。
第1始動口57又は第2始動口59への入球がカウントスイッチSW1又はカウントスイッチSW2で検知されるまで(ステップS102のNO)、ステップS104以降の処理は行われないまま待機となる。
また、第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されたとしても(ステップS102のYES)、特図保留制御部111による保留数が上限に達していれば(ステップS104のYES)、ステップS106以降の処理は行われないまま待機となる。
【0084】
第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されて(ステップS102のYES)、かつ特図保留制御部111による保留数が上限に達していないとき(ステップS104のNO)、特図保留制御部111による保留数が加算される(ステップS106)。また、特図保留制御部111によって乱数M1又は乱数M2が取得されて、専用の記憶領域に保留記憶される(ステップS108)。
【0085】
事前判定部112が事前判定を行う場合(ステップS110のYES)、事前判定部112は、ステップS108において保留記憶された乱数M1又は乱数M2が当否判定部121によって当選と判定されるか否かを判定する(ステップS112)。
また、事前判定部112が事前判定を行わない場合(ステップS110のNO)、ステップS112の処理は行われないままステップS114の処理に移行する。
【0086】
ステップS102からステップS112までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部190からサブ制御基板200へ出力されて(ステップS114)、その始動口入球時処理は終了となる。
【0087】
続いて、図柄変動開始処理の処理手順について説明する。ここで「図柄変動開始処理」とは、特別図柄に係る図柄変動ゲームを開始させる際に行われる一連の処理である。
まず、特図遊技制御部120は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS202)。ここで「変動開始条件」とは、(i)ステップS202の判定時において特別図柄に係る図柄変動ゲームが実行されていないこと、(ii)ステップS202の判定時において大当り遊技が実行されていないこと、(iii)ステップS202の判定時において保留記憶が1個以上存在すること等が挙げられる。
ステップS202の判定が否定されるとき(ステップS202のNO)、ステップS204以降の処理は実行されずに、その図柄変動開始処理は終了となる。
【0088】
ステップS202の判定が肯定されるとき(ステップS202のYES)、当否判定部121は、特図保留制御部111に保留されている乱数M1又は乱数M2を読み出す(ステップS204)。
ステップS204において、当否判定部121は、特図保留制御部111に保留記憶されている順番で乱数M1又は乱数M2を読み出してもよいし、一方を他方に優先して読み出してもよい。
【0089】
ステップS204で乱数が読み出されることを契機として各判定処理が実行される(ステップS206)。
ここでステップS206に含まれる処理としては、具体的には、上述した当否判定部121による当否判定や特図選択部122による特別図柄の選択が少なくとも含まれる。また、(i)変短状態が付与されているか否か、(ii)演出図柄をリーチ目で停止させるか否か、(iii)特定の演出を行うか否か等の判定処理が、ステップS206の処理に含まれてもよい。
【0090】
そして、特図保留制御部111は、そのとき保留されている乱数M1又は乱数M2の数を特定する(ステップS208)。これにより、本処理手順で実行される図柄変動ゲームで読み出された乱数を除いた残りの乱数の数が保留数として特定される。
変動パターン決定部124は、ステップS206の処理結果及びステップS208で特定された保留数を用いて変動パターンを決定する(ステップS210)。
【0091】
ステップS202からステップS210までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部190からサブ制御基板200に対して出力されて(ステップS212)、その図柄変動開始処理は終了となる。当該コマンドには、図柄変動ゲームの実行の有無や遊技状態などをサブ制御基板200で判断可能とするための各種情報、例えば、変動パターンを示す情報、保留数、確変状態の有無、変短状態の有無などが含まれる。
【0092】
<或るキャラクターに係る画像のレイヤー構成について>
次に、演出動画に含まれうる或るキャラクターに係る画像のレイヤー構成について、
図9から
図18を用いて説明する。
【0093】
図9は、或るキャラクターの顔部分に係る画像の一具体例を示す図である。
図9に示すように、当該キャラクターの顔部分は、顔、髪及び耳が描かれているベース画像BAが下層レイヤーに配置され、目や眉が描かれているパーツ画像EY、鼻周辺が描かれているパーツ画像NO及び口周辺が描かれているパーツ画像MOがベース画像BAより上層レイヤーに配置されて構成されている。
【0094】
なお、
図9及び後述の
図10から
図17において、顔、髪及び耳とは一体の画像(ベース画像BA)であるものとして処理されることを前提として説明するが、それぞれが別の画像として処理されてもよい。
また、
図9及び後述の
図10から
図17において、目と眉とは一体の画像(パーツ画像EY)であるものとして処理されることを前提として説明するが、それぞれが別の画像として処理されてもよい。
【0095】
図10は、
図9に示すベース画像BAである。
図11は、或るキャラクターの目周辺になるパーツ画像EYの具体例を挙げた図である。
図11に示すように、
図10に示す一つのベース画像BAに対して、パーツ画像EYには開き目を描くパーツ画像EY1、閉じ目を描くパーツ画像EY3、及びパーツ画像EY1とパーツ画像EY3との中間の開き具合の目を描くパーツ画像EY2が用意されている。
共通のベース画像BAに重畳させて、パーツ画像EY1→パーツ画像EY2→パーツ画像EY3→パーツ画像EY2→パーツ画像EY1→・・・の順に単位時間ごとにパーツ画像EYを表示させることによって、キャラクターが瞬きしているように視認される演出動画を生成することができる。
【0096】
図12は、或るキャラクターの口周辺になるパーツ画像MOの具体例を挙げた図である。
図12に示すように、
図10に示す一つのベース画像BAに対して、パーツ画像MOには開口を描くパーツ画像MO1、閉口を描くパーツ画像MO3、及びパーツ画像MO1とパーツ画像MO3との中間の開き具合の口を描くパーツ画像MO2が用意されている。
共通のベース画像BAに重畳させて、パーツ画像MO1→パーツ画像MO2→パーツ画像MO3→パーツ画像MO2→パーツ画像MO1→・・・の順に単位時間ごとにパーツ画像MOを表示させることによって、キャラクターが口を開け閉めしているように視認される演出動画を生成することができる。また、キャラクターの口の開け閉めに合わせてキャラクターのセリフを表示出力又は音声出力することによってキャラクターが喋っているかのように認識させることができる。
【0097】
上記のような部位ごとに作成したパーツ画像(第二画像)を、ベース画像BA(第一画像)に重ね合わせたレイヤー構成によってキャラクターの顔部分に係る画像を生成しているので、全体にわたって作画をする必要がなく、作成に係る労力を低減することができる。
また、レイヤー合成する前に用意する画像データの容量は、全体にわたって作画した場合に比べて少量になるので、画像データに係る容量の圧縮を実現することができる。
【0098】
なお、
図11のパーツ画像EY及び
図12のパーツ画像MOは、三段階の目の開き具合が描かれているが、この段階を増やすことによって、より滑らかな目の瞬きを表すことができる。
また、
図11のパーツ画像EY及び
図12のパーツ画像MOは、単純な目や口の開け閉めが描かれているが、より多彩な開け具合のパーツ画像EY及びパーツ画像MOを用意することによって、より豊かな表情を表すことができる。
ベース画像BAに対するパーツ画像の種類を増やすことによって実現された多彩なキャラクターの表情の具体例を、
図13から
図17に示す。
【0099】
図13は、或るキャラクターのしらけ顔を描いた画像を示す図である。
具体的には、
図9に比べてパーツ画像EYに描かれた目の開き具合が縮小し、目の形状が角張り、目の輝きも少なくなっている。また、
図9に比べてパーツ画像MOに描かれた口角が下がっている。このような描画の変化によって、当該キャラクターの失望感を表すことができる。
【0100】
図14は、或るキャラクターが驚愕した顔を描いた画像を示す図である。
具体的には、
図9に比べてパーツ画像EYに描かれた目の開き具合が拡大し、黒目の部分は縮小している(目が点になっている)。また、
図9に比べてパーツ画像MOに描かれた口が上下方向に広がっている。このような描画の変化によって、当該キャラクターのびっくりした様子を表すことができる。
【0101】
図15は、或るキャラクターが照れた顔を描いた画像を示す図である。
具体的には、
図9に比べてパーツ画像EYに描かれた目の開き具合が縮小し、目の形状が角張っている。また、
図9に比べてパーツ画像MOに描かれた口が半開きになり、口角が左右方向に伸びている。更に、パーツ画像NOの周辺に頬が赤らんでいる様子が描かれているパーツ画像BLが追加されている。このような描画の変化によって、当該キャラクターの赤面した表情を表すことができる。
【0102】
なお、
図15において、パーツ画像BLとパーツ画像NOとは別の画像であるものとして説明したが、一体の画像として処理されてもよい。
【0103】
図16は、或るキャラクターのドヤ顔を描いた画像を示す図である。
具体的には、
図9に比べてパーツ画像EYに描かれた目の開き具合が縮小し、目の形状が角張っている。また、
図9に比べてパーツ画像MOに描かれた口角が左右方向に伸びてやや上がっている。このような描画の変化によって、当該キャラクターの不敵な笑みを表すことができる。
【0104】
図17は、別のキャラクターの顔部分に係る画像の一具体例を示す図である。ここで別のキャラクターとは、より具体的には、
図9に示したキャラクターがショートカットヘアになったものである。
パーツ画像EY、パーツ画像NO及びパーツ画像MOについては、
図9に示したものと共通している。一方で、ベース画像BAについては
図9に示したものと
図17に示したものとで異なる。即ち、
図9に示すキャラクターが含まれる一の演出動画と
図17に示すキャラクターが含まれる他の演出動画との対比において、パーツ画像EY、パーツ画像NO及びパーツ画像MOが第一画像に該当し、ベース画像BAが第二画像に該当するものと解しうる。
【0105】
なお、
図13から
図17に示す画像は、各表情における一態様を示すものであるが、複数種類のパーツ画像EYやパーツ画像MO(第二画像)を連続的に表示することによって、各表情を動かすことができることについては、
図9に示した画像と同様である。
【0106】
<或るキャラクターの表情に基づく予告演出の具体例について>
続いて、上記の
図9及び
図13から
図16に示す画像を用いた予告演出の具体例について、
図18から
図23を用いて説明する。
図18は、或るキャラクターの表情に基づく予告演出に関するタイムチャートである。
図19から
図23は、或るキャラクターの表情に基づく予告演出の一具体例を示す図である。
【0107】
図18には、パターンA、パターンB、パターンC、及びパターンDの四つのパターンに係る予告演出のタイムチャートが示されている。
各パターンの上段に示す帯は、メイン表示部81の表示領域における演出図柄の変動表示の態様とその表示期間を示している。また、各パターンの下段に示す帯は、上サブ表示部82の表示領域に表示される演出動画の態様とその表示期間を示している。
【0108】
ROM203には、パターンAからパターンDに係る予告演出において、上サブ表示部82に表示される演出動画はそれぞれが単独の動画ファイルとして記憶されている。そして、演出表示制御部211は、各パターンに応じた動画ファイルをROM203から読み出して、所定のタイミングで上サブ表示部82に表示させることができる。
【0109】
パターンAに係る予告演出は、メイン表示部81における演出図柄の通常変動表示(
図18においては「通常変動」と表記)によって開始される。より具体的には、メイン表示部81の表示領域には三列にわたる演出図柄群のスクロールが表示される(
図19(a)参照)。
当該予告演出において、8秒経過時から通常変動表示と並行して、
図9に示すキャラクターが登場するシーン(
図18においては「キャラ登場」と表記)が、上サブ表示部82の表示領域に表示される。
図示省略するが、当該シーンにおいてキャラクターの動作が描かれている画像は、キャラクター全体にわたって一つの画像として作画されており、各コマにおいて共通のレイヤーに配置されている。また、当該シーンにおいて各コマに割り当てられている画像を連続的に表示すると、キャラクターが登場する動画像として視認可能に構成されており、当該シーンの結末部分(11秒経過時の直前)において
図9に示す画像が上サブ表示部82に表示される(
図19(b)参照)。
【0110】
パターンAに係る予告演出において11秒経過した場合、左列の演出図柄の変動表示が仮停止する(
図18においては「左停止」と表記)と共に、上サブ表示部82に表示されている演出動画においてキャラクターの表情が
図13に示す画像(
図18においては「しらけ顔」と表記)に変化する(
図20(a)参照)。
「しらけ顔」はパターンAからパターンDの中で扱われるキャラクターの表情として最も信頼度が低い表情であり、主にバラケ目で停止する演出図柄の変動表示に対応している。ここで信頼度とは、その予告演出の結果として大当り遊技の当選が報知される期待度をいう。また、ここでバラケ目とは、リーチ状態を経ずに確定停止する演出図柄の組合せ(出目)のうち、後述のチャンス目を除くものをいう。
【0111】
パターンAに係る予告演出では、バラケ目に対応する「しらけ顔」に係る演出動画が上サブ表示部82に表示されるので、14秒経過時に左列に仮停止している演出図柄とは異なる種類の演出図柄が右列に仮停止した後に(
図18においては「右停止」と表記、
図20(b)参照)、15秒経過時に中央列の演出図柄が仮停止して(
図18においては「中停止」と表記、
図20(c)参照)、16秒経過時には三列にわたる演出図柄の組合せが確定停止する(
図18においては「確定」と表記)。
【0112】
パターンBに係る予告演出は、パターンAに係る予告演出と同様に、メイン表示部81における演出図柄の通常変動表示によって開始され(
図19(a)参照)、8秒経過時から通常変動表示と並行して、
図9に示すキャラクターが登場するシーンが上サブ表示部82の表示領域に表示され、当該シーンの結末部分において
図9に示す画像が上サブ表示部82に表示される(
図19(b)参照)。
なお、後述する通り、パターンBに係る予告演出は擬似連演出を伴うものであるため、通常変動表示は擬似連演出における一回目の変動サイクル(
図18においては「擬似1」と表記)に該当するものである。
【0113】
パターンBに係る予告演出において11秒経過した場合、左列の演出図柄の変動表示が仮停止すると共に、上サブ表示部82に表示されている演出動画においてキャラクターの表情が
図14に示す画像(
図18においては「驚愕」と表記)に変化する(
図21(a)参照)。
「驚愕」は「しらけ顔」に比べて信頼度が高い表情であり、主に擬似連演出を実行する演出図柄の変動表示に対応している。
【0114】
パターンBに係る予告演出では、擬似連演出に対応する「驚愕」に係る演出動画が上サブ表示部82に表示されるので、14秒経過時に右列の演出図柄が仮停止し(
図21(b)参照)、15秒経過時に中央列の演出図柄が仮停止した結果として三列にわたる演出図柄の組合せがチャンス目になる(
図21(c)参照)。
ここでチャンス目とは、予告演出の展開が遊技者にとって有利になることを示唆する特殊な演出図柄の組合せ(出目)である。チャンス目は遊技者に認識容易なものが好ましく、例えば
図21(c)では、順目の数字図柄の組合せによってチャンス目を構成している。
メイン表示部81にチャンス目が仮停止されると、擬似連演出における二回目の変動サイクル(
図18においては「擬似2」と表記)に係る演出図柄の変動がメイン表示部81において実行される。
【0115】
パターンCに係る予告演出は、パターンAに係る予告演出と同様に、メイン表示部81における演出図柄の通常変動表示によって開始され(
図19(a)参照)、8秒経過時から通常変動表示と並行して、
図9に示すキャラクターが登場するシーンが上サブ表示部82の表示領域に表示され、当該シーンの結末部分において
図9に示す画像が上サブ表示部82に表示される(
図19(b)参照)。
【0116】
パターンCに係る予告演出において11秒経過した場合、左列の演出図柄の変動表示が仮停止すると共に、上サブ表示部82に表示されている演出動画においてキャラクターの表情が
図15に示す画像(
図18においては「照れる」と表記)に変化する(
図22(a)参照)。
「照れる」は「しらけ顔」に比べて信頼度が高い表情であり、主に弱系リーチ演出(
図18においては「弱リーチ」と表記)を実行する演出図柄の変動表示に対応している。ここで弱系リーチ演出とは、後述する激熱リーチ演出に比べて信頼度が低いリーチ演出をいう。
【0117】
パターンCに係る予告演出では、弱系リーチ演出に対応する「照れる」に係る演出動画が上サブ表示部82に表示されるので、14秒経過時に右列の演出図柄が仮停止した結果として、メイン表示部81の表示がリーチ状態になる(
図22(b)参照)。
メイン表示部81の表示がリーチ状態になると、弱系リーチ演出に係る演出図柄の変動がメイン表示部81において実行される。
【0118】
パターンDに係る予告演出は、パターンAに係る予告演出と同様に、メイン表示部81における演出図柄の通常変動表示によって開始され(
図19(a)参照)、8秒経過時から通常変動表示と並行して、
図9に示すキャラクターが登場するシーンが上サブ表示部82の表示領域に表示され、当該シーンの結末部分において
図9に示す画像が上サブ表示部82に表示される(
図19(b)参照)。
【0119】
パターンDに係る予告演出において11秒経過した場合、左列の演出図柄の変動表示が仮停止すると共に、上サブ表示部82に表示されている演出動画においてキャラクターの表情が
図16に示す画像(
図18においては「ドヤ顔」と表記)に変化する(
図23(a)参照)。
「ドヤ顔」はパターンAからパターンDの中で扱われるキャラクターの表情として最も信頼度が高い表情であり、主に激熱リーチ演出(
図18においては「激熱リーチ」と表記)を実行する演出図柄の変動表示に対応している。
【0120】
パターンDに係る予告演出では、激熱リーチ演出に対応する「ドヤ顔」に係る演出動画が上サブ表示部82に表示されるので、14秒経過時に右列の演出図柄が仮停止した結果として、メイン表示部81の表示がリーチ状態になる(
図23(b)参照)。
メイン表示部81の表示がリーチ状態になると、激熱リーチ演出に係る演出図柄の変動がメイン表示部81において実行される。
【0121】
上記のように、パターンAからパターンDにおいて上サブ表示部82に表示される演出動画のいずれも、11秒経過時点におけるキャラクターの表情変化を遊技者が認識可能な区切りとし、当該区切りによって複数の期間に分割されている。
いずれの演出動画が表示される場合にも、8秒経過時から11秒経過時までの期間(一の期間)において表示されるキャラクターの動作を示す画像群(第一画像の群)は、各パターンにおいて共通しており、当該画像群は連続的に表示されるとキャラクターが登場する動画像として視認される点についても各パターンにおいて共通している。
また、いずれの演出動画が表示される場合にも、11秒経過後の期間(他の期間)において表示されるキャラクターの顔に係るベース画像BAの群(第一画像の群)は、各パターンにおいて共通しており、ベース画像BAの群が連続的に表示されると静止画像として視認される点についても各パターンにおいて共通している。
また、いずれの演出動画においてパーツ画像EYやパーツ画像MO等(第二画像)が配置されるレイヤーも、ベース画像BA(第一画像)が配置されるレイヤーより上層に位置しており、ベース画像BAの群が静止画像として視認される他の期間において、パーツ画像EYやパーツ画像MO等の群は連続的に表示されることによって当該静止画像に重畳している動画像として視認される点において共通している。
【0122】
上記のように、8秒経過時から11秒経過時までの期間(一の期間)において表示されるキャラクターの動作を示す画像群の最後に表示される画像と、11秒経過後の期間(他の期間)において表示されるキャラクターの顔に係るベース画像BAの群の最初に表示される画像と、は連続的に視認可能である。例えば、パターンAの予告演出に即していえば、
図19(b)において上サブ表示部82に表示されるキャラクターと、
図20において上サブ表示部82に表示されるキャラクターとは、顔の輪郭や髪型が共通しており、表示位置も略一致しているので、遊技者は当該キャラクターの表情の変化を違和感なく認識することができる。
なお、上記の実施態様においては、キャラクターの登場を表す画像群が表示される一の期間が、当該キャラクターの表情の変化を表す画像群が表示される他の期間より前に到来する場合について述べたが、一の期間と他の期間の順序が逆転しても同様である。換言すれば、一の期間は他の期間の後に連続して到来する期間である場合についても、他の期間の最後に表示される第一画像と、一の期間の最初に表示される第一画像と、が連続的に視認可能であることが好ましい。
ここで「連続的に視認可能である」とは、(i)一の期間と他の期間の時間的連続性が認められる場合において、(ii)一の期間の最後と他の期間の最初における表示内容の連続性又は表示位置の連続性のうち少なくとも一方が認められることである。
【0123】
上記のように、パターンAからパターンDの予告演出は、上サブ表示部82(所定の表示領域)に表示されている演出動画を構成するパーツ画像EYやパーツ画像MO等(第二画像)の種類に応じて、遊技者にとって有利な大当り遊技(特定遊技状態)に移行する期待度が異なる。
なお、ここで特定遊技状態は、本実施形態のように単なる大当り遊技に限られず、確変大当り(終了時に確変状態に移行する大当り遊技)や小当り遊技等も該当しうる。
【0124】
以上のような特徴を有しているので、パターンAからパターンDの予告演出を円滑に実行することができ、遊技者の興趣を高めることができる。
【0125】
<本発明の変形例について>
ここまで
図1から
図23を用いて説明される実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0126】
上述の実施形態は、パチンコ遊技機である遊技機10によって本発明を実施したが、回胴式遊技機によって本発明に係る演出を実行してもよい。
【0127】
上述の実施形態では、演出動画を表示する表示領域を上サブ表示部82に限定して説明したが、メイン表示部81に演出図柄の変動表示と共に表示させてもよいし、左サブ表示部83や右サブ表示部84に表示させてもよい。
【0128】
上述の実施形態では、複数のレイヤーに配置された画像を合成して生成された演出動画を予め記憶しているROM203から、演出動画を読み出して上サブ表示部82に表示させる態様を述べたが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、演出動画を表示させるごとに、レイヤー合成に係る処理を実行することによって、上述の実施形態と同様の演出動画を表示させることができる。より具体的に説明すれば、演出表示制御部211は、複数のレイヤーに配置した画像を合成することによって複数とおりの演出動画を生成して所定の表示領域に表示させ、ROM203は、演出表示制御部211による演出動画の生成に用いられる複数の画像を記憶しておく。そして、演出表示制御部211は、一の演出動画を生成する場合にも他の演出動画を生成する場合にも、互いに共通している第一画像(例えば、ベース画像BA)を読み出して、それぞれ同一又は異なるレイヤーに配置し、第一画像を配置するレイヤーとは異なる他のレイヤーに配置する第二画像(例えば、パーツ画像EYやパーツ画像MO等)については、一の演出動画を生成する場合と他の演出動画を生成する場合とに応じて異なる画像を読み出して、他のレイヤーに配置する。
このような構成によっても、上述の実施形態において説明した演出動画の表示を実現することができる。また、同構成を採用した場合、上述の実施形態の構成に比べて、一部のレイヤーに配置される画像(第一画像)の共有化が図られているので、少ない画像で多くのパターンの演出動画を生成することができる。即ち、ROM203に演出動画を表示するために保存する画像データの容量を削減することができる。
【0129】
上述の実施形態では、或るキャラクターを構成する画像を第一画像又は第二画像とする態様について述べたが、他の演出要素を構成する画像を第一画像又は第二画像としてもよい。
【0130】
例えば、
図24には、いわゆるセリフ予告演出に係る画像の一具体例が示されている。当該セリフ予告演出におけるメイン表示部81の表示領域には、キャラクターが描かれているキャラクター画像CAと、セリフ枠が描かれているセリフ枠画像SEと、キャラクターのセリフを文字情報として視認可能に描かれている文字画像W1及び文字画像W2と、が演出図柄の変動表示が配置されているレイヤーより上層のレイヤーに配置されて表示されている。
図24(a)に示すパターンのセリフ予告演出に係る演出動画(一の演出動画)と
図24(b)に示すパターンのセリフ予告演出に係る演出動画(他の演出動画)とは、キャラクター画像CAとセリフ枠画像SEとが共通しており、第一画像に該当する。また、
図24(a)に示すパターンのセリフ予告演出と
図24(b)に示すパターンのセリフ予告演出とは、文字画像W1及び文字画像W2が相違しており、第二画像に該当する。
一の演出動画が表示される場合にも他の演出動画が表示される場合にも、第二画像が示す文字情報によって信頼度(特定遊技状態に移行する期待度)が示唆されおり、文字画像W1に係る信頼度の方が文字画像W2に係る信頼度より低く設定されている。
なお、
図24に示すセリフ予告演出において文字画像W1に係る信頼度は零であってもよい。
【0131】
例えば、
図25には、キャラクターの背景表示による予告演出に係る画像の一具体例が示されている。より具体的には、当該予告演出においてメイン表示部81の表示領域には演出図柄の変動表示が表示されており、上サブ表示部82の表示領域にはハート型の背景表示H1又は背景表示H2と、背景表示H1又は背景表示H2に重ね合わせて表示されるキャラクター画像CAと、が表示されている。
図25(a)に示すパターンの予告演出に係る上サブ表示部82の演出動画(一の演出動画)と
図25(b)に示すパターンの予告演出に係る上サブ表示部82の演出動画(他の演出動画)とは、キャラクター画像CAが共通しており、第一画像に該当する。また、
図25(a)に示すパターンの予告演出に係る上サブ表示部82の演出動画と
図25(b)に示すパターンの予告演出に係る上サブ表示部82の演出動画とは、背景表示H1と背景表示H2とは形態が同等であって色彩が異なり、第二画像に該当する。
一の演出動画が表示される場合にも他の演出動画が表示される場合にも、第二画像の色彩によって信頼度(特定遊技状態に移行する期待度)が示唆されおり、背景表示H1に係る信頼度の方が背景表示H2に係る信頼度より低く設定されている。
【0132】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)複数のレイヤーに配置された画像を合成して構成される複数とおりの演出動画を記憶している記憶手段と、前記記憶手段から前記演出動画を読み出して所定の表示領域に表示させる演出表示制御手段と、を備え、前記記憶手段には、互いに共通している第一画像が、それぞれ同一又は異なるレイヤーに配置されている一の演出動画と他の演出動画とが記憶されており、前記第一画像が配置されたレイヤーとは異なるレイヤーに配置された第二画像が、前記一の演出動画と前記他の演出動画とによって異なる遊技機。
(2)複数のレイヤーに配置した画像を合成することによって複数とおりの演出動画を生成して所定の表示領域に表示させる演出表示制御手段と、前記演出表示制御手段による前記演出動画の生成に用いられる複数の画像を記憶している記憶手段と、を備え、前記演出表示制御手段は、一の演出動画を生成する場合にも他の演出動画を生成する場合にも、互いに共通している第一画像を読み出して、それぞれ同一又は異なるレイヤーに配置し、前記第一画像を配置するレイヤーとは異なる他のレイヤーに配置する第二画像については、前記一の演出動画を生成する場合と前記他の演出動画を生成する場合とに応じて異なる画像を読み出して、前記他のレイヤーに配置する遊技機。
(3)前記一の演出動画と前記他の演出動画とは、遊技者が認識可能な区切りによって複数の期間に分割している前記演出動画であり、前記一の演出動画が表示される場合にも前記他の演出動画が表示される場合にも、一の期間において表示される前記第一画像の群は連続的に表示されると動画像として視認され、前記一の期間とは異なる他の期間において表示される前記第一画像の群は連続的に表示されると静止画像として視認される(1)又は(2)に記載の遊技機。
(4)前記他の期間は前記一の期間の後に連続して到来する期間であって、前記一の期間の最後に表示される前記第一画像と、前記他の期間の最初に表示される前記第一画像と、が連続的に視認可能である、又は、前記一の期間は前記他の期間の後に連続して到来する期間であって、前記他の期間の最後に表示される前記第一画像と、前記一の期間の最初に表示される前記第一画像と、が連続的に視認可能である(3)に記載の遊技機。
(5)前記所定の表示領域に表示されている前記演出動画を構成する前記第二画像の種類に応じて、遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行する期待度が異なる(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
(a)前記一の演出動画において前記第二画像が配置されるレイヤーも、前記他の演出動画において前記第二画像が配置されるレイヤーも、前記第一画像が配置されるレイヤーより上層に位置し、前記第一画像の群が静止画像として視認される前記他の期間において、前記第二画像の群は連続的に表示されることによって当該静止画像に重畳している動画像として視認される(3)に記載の遊技機。
(b)前記第二画像として用いられる画像には、文字情報として視認可能な画像が含まれおり、前記一の演出動画が表示される場合にも前記他の演出動画が表示される場合にも、前記第二画像が示す文字情報によって前記期待度が示唆される(5)に記載の遊技機。
(c)前記第二画像として用いられる画像には、形態が同等であって色彩が異なる画像が含まれており、前記一の演出動画が表示される場合にも前記他の演出動画が表示される場合にも、前記第二画像の色彩によって前記期待度が示唆される(5)に記載の遊技機。