特許第6951831号(P6951831)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6951831
(24)【登録日】2021年9月29日
(45)【発行日】2021年10月20日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20211011BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20211011BHJP
   F21W 131/405 20060101ALN20211011BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20211011BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20211011BHJP
【FI】
   F21S2/00 340
   F21S2/00 350
   F21V33/00 300
   F21W131:405
   F21Y115:10
   F21Y115:20
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-155207(P2015-155207)
(22)【出願日】2015年8月5日
(65)【公開番号】特開2017-33872(P2017-33872A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2018年7月10日
【審判番号】不服2020-8953(P2020-8953/J1)
【審判請求日】2020年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】519147348
【氏名又は名称】株式会社ホタルクス
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100194515
【弁理士】
【氏名又は名称】南野 研人
(72)【発明者】
【氏名】藤原 信濃
【合議体】
【審判長】 一ノ瀬 覚
【審判官】 藤井 昇
【審判官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−56787(JP,A)
【文献】 特開2012−239597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDからなる光源と、前記光源が発する光を拡散する光拡散部と、前記光源が発する光と前記拡散部が拡散する光を混合して外部に導出するための光を導出可能な光透過性を有する導出部と前記光源に電気を供給する電源とを含む筐体を有し、
前記光源は、前記筐体における一つの面である光源の設置面に設けられ、
前記導出部は、前記筐体における前記光源の設置面に対向する前記導出部の設置面に設けられ、
前記光拡散部は、前記筐体において、前記光源の設置面と前記導出部の設置面とを結ぶ光拡散部の設置面に設けられ、
前記光源の設置面と前記導出部の設置面とが、非平行であり、かつ、前記光源の設置面と前記導出部の設置面との間の距離が前記拡散部の設置面に近づくにつれて短くなり、
前記光源の設置面及び前記光拡散部の設置面が、前記導出部の設置面に対する垂直方向に対して傾斜しており、
前記光源の設置面における前記光源は前記光拡散部の設置面側に偏在しているとともに、
前記光源の設置面と、前記導出部の設置面とのなす角度が、5〜25度であり、
前記光拡散部の設置面と、前記導出部の設置面に対する垂直方向とのなす角度が、5〜25度であって、
前記電源は、前記光源に対して前記光拡散部の反対側であって前記導出部を外れた、前記筐体によって形成された空間に配置されるとともに、
レンジフードまたはショーケースに設置される、
ことを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(発光ダイオード)を、傾斜を変えて複数列配置することで、対象物に光を集める照明器具が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−110787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の照明器具は、多くのLEDを必要とし、また、構造が複雑であるため、コストが増大する。
【0005】
そこで、本発明は、簡単な構造で、対象物に光を集めることが可能な照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の照明器具は、
光源と、光拡散部と、光源が発する光を外部に導出するための導出部とを含む筐体を有し、
前記光源は、前記筐体における一つの面に設けられ、
前記導出部は、前記筐体における前記光源の設置面に対向する面に設けられ、
前記光拡散部は、前記筐体において、前記光源の設置面と前記導出部の設置面とを結ぶ面に設けられ、
前記光源の設置面と前記導出部の設置面とが、非平行であり、
前記光拡散部の設置面が、前記導出部の設置面に対する垂直方向に対して傾斜していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡単な構造で、対象物に光を集めることが可能な照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態1の照明器具の構成の一例を示す断面図である。
図2図2(A)および(B)は、実施形態1の照明器具における光の導出について説明する断面図である。
図3図3は、実施形態1の照明器具の設置例を示す模式図である。
図4図4は、実施形態2の照明器具の設置例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の説明に限定されない。なお、以下の図1から図4において、同一部分には、同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、図面においては、説明の便宜上、各部の構造は適宜簡略化して示す場合があり、各部の寸法比等は、実際とは異なり、模式的に示す場合がある。
【0010】
[実施形態1]
本実施形態は、レンジフードに設置される照明器具の一例である。図1は、本実施形態の照明器具10の構成の一例を示す断面図である。図1に示すように、この照明器具10は、光源11と、光拡散部12と、光源11が発する光を外部に導出するための導出部13とを含む筐体15を有する。光源11は、筐体15における一つの面に設けられている。導出部13は、筐体15における光源11の設置面に対向する面に設けられている。光拡散部12は、筐体15において、光源11の設置面と導出部13の設置面とを結ぶ面に設けられている。光源11の設置面と導出部13の設置面とは、非平行である。光拡散部12の設置面は、導出部13の設置面に対する垂直方向に対して傾斜している。
【0011】
図1に例示する照明器具10は、さらに、光源11に電気を供給する電源14を有する。ただし、本実施形態の照明器具10において、電源14は、任意の構成部材である。本実施形態の照明器具10は、電源14を有することが好ましいが、有さなくともよい。電源14を有さない場合には、例えば、照明器具10外部の電源から、配線を介して光源11に電気を供給することが可能である。また、図1に例示する照明器具10では、電源14が、筐体15内部において、光源11および導出部13の左方に配置されているが、電源14は、例えば、光源11の上部等、光源11に電気を供給可能であれば、いかなる箇所に配置されてもよい。
【0012】
筐体15の形成材料としては、特に制限するものではないが、例えば、アルミニウム板、鋼板、樹脂板等があげられ、これらの中でも、アルミニウム板が好ましい。筐体15の厚さは、特に限定されないが、例えば、1〜2mmである。筐体15は、例えば、押出成形等により製造可能である。
【0013】
光源11としては、特に制限するものではないが、例えば、LED、LD(Laser Diode)、有機EL(Organic Electoro−Luminescence)、無機EL(Inorganic Electoro−Luminescence)等があげられ、これらの中でも、LEDが好ましい。LEDは、特に限定されず、従来公知のものを使用できるが、白色LEDであることが好ましい。光源11は、例えば、シリコーン樹脂等に内包され、前記シリコーン樹脂中に蛍光体が分散されていてもよい。このような態様においては、例えば、光源11を、青色LEDとし、前記蛍光体を、黄色蛍光体または赤・緑蛍光体の組み合わせとすることで、白色光を得ることができる。また、光源11を、近紫外LED(UV−LED)とし、前記蛍光体を、赤・緑・青蛍光体の組み合わせ(RGB蛍光体)とすることでも、白色光を得ることができる。
【0014】
導出部13の形成材料としては、光を導出可能な光透過性を有するものであればいかなるものでもよいが、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル等があげられる。導出部13は、筐体15における開口であってもよい。
【0015】
前述のとおり、筐体15において、光源11の設置面と導出部13の設置面とは、非平行である。光源11の設置面と、導出部13の設置面とのなす角度は、例えば、0度を超えて30度以下、5〜25度、10〜20度、10度である。
【0016】
また、前述のとおり、筐体15において、光拡散部12の設置面は、導出部13の設置面に対する垂直方向に対して傾斜している。光拡散部12の設置面と、導出部13の設置面に対する垂直方向とのなす角度は、例えば、0度を超えて30度以下、5〜25度、10〜20度である。
【0017】
つぎに、図2を用いて、本実施形態の照明器具10における光の導出について説明する。図2(A)に示す照明器具10では、光拡散部12の設置面と、導出部13の設置面に対する垂直方向とのなす角度が、25度であり、図2(B)に示す照明器具10では、光拡散部12の設置面と、導出部13の設置面に対する垂直方向とのなす角度が、10度である。図2(A)に示す照明器具10では、光源11から直接導出部13に到達した光と、光源11から発せられた後、光拡散部12で反射されて導出部13へと送られた光とが、筐体15の右端より左側に集められた状態で外部に導出されている。一方、図2(B)に示す照明器具10では、光拡散部12の設置面と、導出部13の設置面に対する垂直方向とのなす角度を10度と小さくしたことで、光拡散部12で反射されずに光源11から直接導出部13の設置面に到達する光が多くなるため、導出部13を光拡散部12側に広げることで、光の導出領域を、図2(A)に示す照明器具10よりも広げることができる。このように、本実施形態の照明器具10では、光拡散部12の設置面と、導出部13の設置面に対する垂直方向とのなす角度の大きさを変更することにより、光の導出領域を増減させ、対象物への集光度合を調整することが可能である。
【0018】
つぎに、図3を用いて、本実施形態の照明器具10の設置例について説明する。図3に示すように、本実施形態の照明器具10は、壁面22に設置されたレンジフード20に設置される。本実施形態の照明器具10によれば、例えば、光源11を同一平面上に配置する等の簡単な構造で、作業者40側への光の照射を抑え、作業台21に設置されたコンロ等の対象物に光を集めることが可能である。
【0019】
[実施形態2]
本実施形態は、ショーケースに設置される照明器具の一例である。図4を用いて、本実施形態の照明器具10の設置例について説明する。なお、本実施形態において、照明器具10自体は、実施形態1の照明器具10と同じであるので、説明を省略する。図4に示すように、本実施形態の照明器具10は、例えば、ショーケース30の天井に設置される。本実施形態の照明器具10によれば、例えば、光源11を同一平面上に配置する等の簡単な構造で、客50側への光の照射を抑え、ショーケース30内に設置された対象物31(例えば、店舗における商品、美術館・博物館等における展示物等)に光を集めることが可能である。
【0020】
図4には、照明器具10をショーケース30の天井に設置する例を示したが、照明器具10の設置箇所は天井に限定されず、例えば、ショーケース30の底面に照明器具10を設置し、ショーケース30の天井から吊り下げられた対象物31に光を集めることも可能である。
【0021】
実施形態1および2では、それぞれ、レンジフードおよびショーケースに設置された照明器具について説明したが、本願発明の照明器具の用途はこれらに限定されず、例えば、キッチンにおける棚下灯等、対象物に集光することが求められる種々の用途に利用可能である。
【0022】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本願発明によれば、簡単な構造で、対象物に光を集めることが可能な照明器具を提供することができる。本発明の照明器具は、例えば、レンジフード用、ショーケース用、キッチンにおける棚下灯用等、幅広い用途に利用可能である。
【符号の説明】
【0024】
10 照明器具
11 光源
12 光拡散部
13 導出部
14 電源
15 筐体
20 レンジフード
21 作業台
22 壁面
30 ショーケース
31 対象物
40 作業者
50 客

図1
図2
図3
図4