特許第6951906号(P6951906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6951906中止地点管理システム、中止地点通知システム、中止地点案内システムおよび中止地点管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6951906
(24)【登録日】2021年9月29日
(45)【発行日】2021年10月20日
(54)【発明の名称】中止地点管理システム、中止地点通知システム、中止地点案内システムおよび中止地点管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20211011BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20211011BHJP
   G08G 1/0962 20060101ALI20211011BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20211011BHJP
【FI】
   G08G1/00 A
   G08G1/09 F
   G08G1/0962
   B60W60/00
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-159242(P2017-159242)
(22)【出願日】2017年8月22日
(65)【公開番号】特開2019-40235(P2019-40235A)
(43)【公開日】2019年3月14日
【審査請求日】2020年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners 特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100167254
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 貴亨
(72)【発明者】
【氏名】小柴 定弘
(72)【発明者】
【氏名】前川 和輝
(72)【発明者】
【氏名】高畠 誠滋
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴大
(72)【発明者】
【氏名】木梨 伸悟
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕司
(72)【発明者】
【氏名】杉本 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】キン シン
(72)【発明者】
【氏名】榊原 浩晃
【審査官】 佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−141478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00−10/30
B60W 30/00−60/00
G08G 1/00−99/00
B60R 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転制御を実行中の通知車両が自動運転制御を行うための続行条件を満たす、自動運転可能な状態において、自動運転制御が運転者の操作に応じて中止された地点である手動中止地点を示す第1通知情報を当該通知車両から収集する中止地点収集部と、
前記手動中止地点を案内するための第1案内情報を、道路上を走行する案内車両に対して配信する案内情報配信部と、
を備える中止地点管理システム。
【請求項2】
前記中止地点収集部は、前記通知車両の状態が前記自動運転制御を行うための条件を満足しなくなったことによって前記自動運転制御が中止された地点である自動中止地点を示す第2通知情報を当該通知車両から収集し、
前記案内情報配信部は、前記自動中止地点を案内するための第2案内情報を、前記案内車両に対して配信する、
請求項1に記載の中止地点管理システム。
【請求項3】
前記案内車両において、前記手動中止地点よりも前記自動中止地点が強調して案内される、
請求項2に記載の中止地点管理システム。
【請求項4】
前記案内情報配信部は、
前記自動運転制御が中止された回数または確率が第1閾値以上である前記手動中止地点を案内するための前記第1案内情報を前記案内車両に対して配信し、
前記自動運転制御が中止された回数または確率が前記第1閾値とは値が異なる第2閾値以上である前記自動中止地点を案内するための前記第2案内情報を前記案内車両に対して配信する、
請求項2または請求項3のいずれかに記載の中止地点管理システム。
【請求項5】
通知車両において自動運転制御が運転者の操作に応じて中止されたことを検知する中止検知部と、
前記自動運転制御が運転者の操作に応じて中止された地点である手動中止地点を示す第1通知情報を中止地点管理システムに送信する通知情報送信部と、
を備える中止地点通知システム。
【請求項6】
通知車両において自動運転制御が運転者の操作に応じて中止された地点である手動中止地点を示す第1案内情報を中止地点管理システムから受信する案内情報受信部と、
前記第1案内情報に基づいて前記手動中止地点の案内を行う案内制御部と、
を備える中止地点案内システム。
【請求項7】
コンピュータを、
自動運転実行中の通知車両が自動運転制御を行うための続行条件を満たす、自動運転可能な状態において、自動運転制御が運転者の操作に応じて中止された地点である手動中止地点を示す第1通知情報を当該通知車両から収集する中止地点収集部、および
前記手動中止地点を案内するための第1案内情報を、道路上を走行する案内車両に対して配信する案内情報配信部、
として機能させるための中止地点管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中止地点管理システム、中止地点通知システム、中止地点案内システムおよび中止地点管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
位置検出精度が所定値以下となる地点に対して車両が接近した場合に、自動運転制御を禁止したり、運転者に報知したりする技術が知られている(特許文献1、参照。)。これにより、位置検出精度が所定値以下となり自動運転制御が困難となる地点を運転者が事前に知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−118603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、位置検出精度が所定値以下となる地点以外にも自動運転制御を継続することが望ましくない地点が存在し得る。具体的に、位置検出精度が所定値よりも大きい場合でも、他の運転者が不安を感じて手動運転に切り替えたり、他の運転者が好んで手動運転をしたいと考えたりするような地点では、自動運転制御を継続することは望ましくない。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、自動運転制御の続行可否を判断する機会を運転者に提供できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の目的を達成するため、本発明の中止地点管理システムは、通知車両において自動運転制御が運転者の操作に応じて中止された地点である手動中止地点を示す第1通知情報を当該通知車両から収集する中止地点収集部と、手動中止地点を案内するための第1案内情報を、道路上を走行する案内車両に対して配信する案内情報配信部と、を備える。
【0006】
前記の目的を達成するため、本発明の中止地点管理プログラムは、コンピュータを、通知車両において自動運転制御が運転者の操作に応じて中止された地点である手動中止地点を示す第1通知情報を当該通知車両から収集する中止地点収集部、手動中止地点を案内するための第1案内情報を、道路上を走行する案内車両に対して配信する案内情報配信部、として機能させる。
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明の中止地点通知システムは、通知車両において自動運転制御が運転者の操作に応じて中止されたことを検知する中止検知部と、自動運転制御が運転者の操作に応じて中止された地点である手動中止地点を示す第1通知情報を中止地点管理システムに送信する通知情報送信部と、を備える。
【0008】
前記の目的を達成するため、中止地点案内システムは、通知車両において自動運転制御が運転者の操作に応じて中止された地点である手動中止地点を示す第1案内情報を中止地点管理システムから受信する案内情報受信部と、第1案内情報に基づいて手動中止地点の案内を行う案内制御部と、を備える。
【0009】
運転者の操作に応じて自動運転制御が中止された手動中止地点は、運転者が自らの判断で自動運転制御を中止した地点である。例えば、手動中止地点は、他の運転者が自動運転制御に不安を感じたような地点であったり、運転者が好んで手動運転をしたいと考えた地点であったりする。このような手動中止地点を案内車両の運転者に案内することにより、自動運転制御の続行可否を判断する機会を案内車両の運転者に提供できる。
【0010】
本発明の中止地点管理システムおよび中止地点管理プログラムによれば、手動中止地点を通知車両から収集し、当該手動中止地点を案内車両に案内させることができる。本発明の中止地点通知システムによれば、手動中止地点を中止地点管理システムにて収集することができる。中止地点案内システムによれば、手動中止地点を案内車両にて案内させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】車両システムのブロック図である。
図2】中止地点通知処理のフローチャートである。
図3図3Aは中止地点管理処理のフローチャート、図3Bは中止地点案内処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)車両システムの構成:
(1−1)中止地点管理システムの構成:
(1−2)車載システム(中止地点通知システム・中止地点案内システム)の構成:
(2)車両システムの処理:
(2−1)中止地点通知処理:
(2−2)中止地点管理処理:
(2−3)中止地点案内処理:
(3)他の実施形態:
【0013】
(1)車両システムの構成:
図1は、車両システムのブロック図である。車両システムは、互いに通信可能な中止地点管理システム10と車載システム110と車両50によって構成されている。中止地点管理システム10は、サーバである。車載システム110は車両50に搭載された車載器である。図示しないが、多数の車両50のそれぞれに車載システム110が搭載されており、車載システム110のそれぞれが中止地点管理システム10と通信可能となっている。車両50は、本発明の通知車両と案内車両の双方に該当する。
【0014】
(1−2)中止地点管理システムの構成:
中止地点管理システム10は、制御部20と記録媒体30と通信部40とを備えている。制御部20は、CPUとRAMとROM等を備え、記録媒体30やROMに記憶された中止地点管理プログラム21を実行する。通信部40は、車両50と無線通信をするための無線通信回路である。
【0015】
記録媒体30は、地図データ30aと通知情報DB(データベース)30bと中止地点DB(データベース)30cとを記録している。地図データ30aは、ノードデータとリンクデータと案内データとを含む。ノードデータは、おもに交差点についての情報を示す。具体的に、ノードデータは、交差点に対応するノードの座標や交差点の形状を示す。リンクデータは、道路区間に対応するリンクについて区間長や旅行時間や制限速度等の各種情報を示す。道路区間は、長さ方向に連続する交差点で区切った道路の単位であり、リンクの両端にはノードが存在する。なお、3個以上のリンクが接続しているノードが交差点に対応する。
【0016】
通知情報DB30bは、通知車両としての車両50から送信された通知情報を蓄積したデータベースである。通知情報は、中止地点について種別(手動/自動)と位置とを示す情報である。中止地点とは、通知車両としての車両50にて自動運転制御が中止された地点である。種別が手動となっている中止地点は手動中止地点であり、種別が自動となっている中止地点は自動中止地点である。手動中止地点と自動中止点の詳細については後述する。
【0017】
中止地点DB30cは、複数の中止地点のそれぞれについて位置と中止回数と種別とを記録したデータベースである。中止地点DB30cは、通知情報DB30bに蓄積された通知情報を統計処理することによって作成されたデータベースである。中止回数とは、位置が同一かつ種別が同一の中止地点において自動運転制御が中止された回数である。中止地点の位置が同一とは、中止地点の位置同士が予め決められた距離(例えば30m)以内であることを意味する。なお、中止地点の位置が同一であっても種別が異なれば、それぞれ個別の中止地点として記録され、個別に中止回数がカウントされる。
【0018】
中止地点管理プログラム21は、中止地点収集モジュール21aと案内情報配信モジュール21bとを含む。中止地点収集モジュール21aと案内情報配信モジュール21bとは、それぞれコンピュータとしての制御部20を中止地点収集部と案内情報配信部として機能させるプログラムモジュールである。
【0019】
中止地点収集モジュール21aの機能により制御部20は、通知車両としての車両50において自動運転制御が運転者の操作に応じて中止された地点である手動中止地点を示す第1通知情報を当該車両50から収集する。また、中止地点収集モジュール21aの機能により制御部20は、通知車両としての車両50の状態が自動運転制御を行うための条件を満足しなくなったことによって自動運転制御が中止された地点である自動中止地点を示す第2通知情報を当該車両50から収集する。
【0020】
すなわち、中止地点収集モジュール21aの機能により制御部20は、中止地点について種別(手動/自動)と位置とを示す通知情報を通知車両としての車両50から受信する。そして、中止地点収集モジュール21aの機能により制御部20は、多数の車両50から受信した通知情報を通知情報DB30bに蓄積する。ここで、種別が手動となっている中止地点についての通知情報は第1通知情報に該当し、種別が手動となっている中止地点についての通知情報は第2通知情報に該当する。なお、通知情報は、複数の中止地点についての情報を一括して示してもよく、種別が手動の中止地点と種別が自動の中止地点の双方を示す通知情報は第1通知情報と第2通知情報の双方に該当する。
【0021】
案内情報配信モジュール21bの機能により制御部20は、手動中止地点を案内するための第1案内情報を、道路上を走行する案内車両としての車両50に対して配信する。案内情報配信モジュール21bの機能により制御部20は、通知情報DB30bに蓄積された通知情報を統計処理することにより、中止地点DB30cを生成する。すなわち、制御部20は、通知情報DB30bに蓄積された通知情報が示す中止地点が、中止地点DB30cが示す既存の中止地点と位置が同一かつ種別が同一であれば、当該既存の中止地点の中止回数に1を加算する。また、制御部20は、通知情報DB30bに蓄積された通知情報が示す中止地点が、中止地点DB30cが示す既存の中止地点と位置が同一かつ種別が同一でなければ、当該通知情報が示す中止地点を新たな中止地点として中止地点DB30cに記録する。新たに記録する中止地点の中止回数は1回となる。制御部20は、通知情報を中止地点DB30cの更新に使用すると、当該通知情報を通知情報DB30bから削除する。
【0022】
案内情報配信モジュール21bの機能により制御部20は、自動運転制御が中止された回数である中止回数が第1閾値以上である手動中止地点を案内するための第1案内情報を案内車両に対して配信する。案内情報配信モジュール21bの機能により制御部20は、中止地点DB30cに記録された手動中止地点のうち、中止回数が第1閾値以上となっている手動中止地点を抽出し、当該手動中止地点の位置を示す第1案内情報を案内車両としての車両50に配信する。第1閾値は、運転者によって設定された値であってもよい。
【0023】
案内情報配信モジュール21bの機能により制御部20は、自動中止地点を案内するための第2案内情報を、案内車両に対して配信する。具体的に、案内情報配信モジュール21bの機能により制御部20は、自動運転制御が中止された回数である中止回数が第1閾値とは値が異なる第2閾値以上である自動中止地点を案内するための第2案内情報を案内車両に対して配信する。案内情報配信モジュール21bの機能により制御部20は、中止地点DB30cに記録された自動中止地点のうち、中止回数が第2閾値以上となっている自動中止地点を抽出し、当該自動中止地点の位置を示す第2案内情報を案内車両としての車両50に配信する。第2閾値は、第1閾値の設定範囲よりも小さい値であり、予め決められた一定の値となっている。
【0024】
案内情報配信モジュール21bの機能により制御部20は、第1案内情報と第2案内情報とを統合することにより案内情報を生成し、当該案内情報を案内車両としての車両50に配信する。案内情報は、手動中止地点の位置と自動中止地点の位置とを示す情報である。むろん、第1案内情報と第2案内情報とが個別に送信されてもよい。
【0025】
(1−2)車載システム(中止地点通知システム・中止地点案内システム)の構成:
車載システム110は、車両50に搭載される。この車両50は、運転I/F部52と外部通信部53と車両ECU(Electronic Control Unit)54と車両制御系55と各種センサ56とを備える。運転I/F部52は、運転(自動運転制御も含む)に関する操作を入力したり運転に関する情報を出力したりする装置であり、ステアリングホイールやペダルやシフトレバー等の各種操作部やディスプレイやスピーカ等の各種出力部を含む。
【0026】
外部通信部53は、中止地点管理システム10と無線通信を行うための通信回路である。車両ECU54は、車両制御系55を制御するためのコンピュータである。なお、手動運転中において、車両ECU54は、運転I/F部52に対する操作に応じて車両制御系55を制御する。一方、自動運転中において、車両ECU54は、車載システム110からの指令に基づいて車両制御系55を制御する。車両制御系55とは、車両50を加速させたり減速させたり操舵させたりするための各種アクチュエータである。
【0027】
各種センサ56は、車両50の位置を検出するためのセンサであり、GPS受信部や車速センサやジャイロセンサや外部カメラ等である。GPS受信部や車速センサやジャイロセンサの出力信号に基づいて車両50の現在地を特定できる。車載システム110は、車両50の現在地に基づいて経路案内を行う。また、車載システム110は、外部カメラによって撮像された車両50の前方風景や後方風景を画像認識処理することによって、車両50の高精度認識位置を得る。車載システム110は、当該高精度認識位置に基づいて自動運転を行う。
【0028】
車載システム110は、制御部120と記録媒体130と通信部140とを備えている。制御部120は、CPUとRAMとROM等を備え、記録媒体130やROMに記憶された自動運転制御プログラム121を実行する。通信部140は、車両50の各部52〜56と通信をするための有線通信回路である。通信部140は、無線通信回路であってもよい。
【0029】
記録媒体130は、地図データ130aと運転支援計画130bとを記録している。地図データ130aは、中止地点管理システム10の地図データ30aよりも詳細に交差点や各道路区間の形状等について規定した地図データである。具体的に、地図データ130aは、レーン構造データやレーン形状データや路面ペイントデータ等を含む。レーン構造データは、道路区間ごとにレーン数や交差点付近におけるレーンの増設状況などを規定したデータである。レーン形状データは、レーンの幅やレーンの長さなどを規定したデータである。路面ペイントデータは、路面上に形成されたペイントの位置と内容とを示すデータである。運転支援計画130bは、道路上に設定された時系列の目標位置と、各目標位置における目標車速と目標加減速度と目標操舵角とを示す。
【0030】
自動運転制御プログラム121は、自動運転制御モジュール121aと中止地点検知モジュール121bと通知情報送信モジュール121cと案内情報受信モジュール121dと案内制御モジュール121eとを含む。中止地点検知モジュール121bと通知情報送信モジュール121cとは、それぞれコンピュータとしての制御部120を中止地点通知システムの中止地点検知部と通知情報送信部として機能させるプログラムモジュールである。案内情報受信モジュール121dと案内制御モジュール121eとは、それぞれコンピュータとしての制御部120を中止地点案内システムの案内情報受信部と案内制御部として機能させるプログラムモジュールである。
【0031】
自動運転制御モジュール121aの機能により制御部120は、車両50が走行する予定の走行予定経路上の道路区間のレーン構造データとレーン形状データとを取得し、レーン構造データとレーン形状データとに基づいて道路区間内において車両50を走行させる時系列の目標位置を走行予定経路上に設定する。また、制御部120は、各目標位置における目標車速と目標加減速度と目標操舵角を設定する。制御部120は、時系列の目標位置と、各目標位置における目標車速と目標加減速度と目標操舵角とを示す運転支援計画130bを作成する。例えば、走行予定経路は、運転者が設定した出発地から目的地まで接続する一連の道路区間によって構成され、公知の経路探索手法によって探索されてもよい。なお、車両50は、車載システム110の他に、走行予定経路を探索して案内するためのナビゲーションシステムを搭載していてもよい。
【0032】
自動運転制御モジュール121aの機能により制御部120は、運転支援計画130bが示す各目標位置における目標車速と目標加減速度と目標操舵角とが実現できるように車両制御系55をフィードバック制御する。具体的に、制御部120は、各種センサ56の外部カメラによって撮像された車両50の前方風景や後方風景を画像認識処理することによって車両50の高精度認識位置を得るとともに、当該高精度認識位置が、運転支援計画130bが示す目標位置に近づくように車両制御系55をフィードバック制御する。同様に、制御部120は、現実の加減速度と操舵角が、運転支援計画130bが示す目標加減速度と目標操舵角に近づくように車両制御系55をフィードバック制御する。制御部120は、車両制御系55におけるフィードバック制御の制御量を示す制御データを車両ECU54に出力することにより自動運転制御を実現させる。
【0033】
また、自動運転制御モジュール121aの機能により制御部120は、自動運転制御中において、車両50の状態が続行条件に合致しなくなった場合に、自動運転制御を中止する。本実施形態において、続行条件は、高精度認識位置の信頼度が閾値以上である場合に満足される。本実施形態において、制御部120は、前方風景や後方風景の画像認識処理によって、走行中のレーンが一意に特定できている場合には高精度認識位置の信頼度が閾値以上となり、走行中のレーンが一意に特定できていない場合には高精度認識位置の信頼度が閾値未満となることする。当該続行条件は一例に過ぎず、続行条件として他の条件が適用されてもよい。
【0034】
また、自動運転制御モジュール121aの機能により制御部120は、自動運転制御中において、運転I/F部52に対して予め決められた中止操作が受け付けられた場合にも、自動運転制御を中止する。中止操作とは、運転I/F部52として備えられた専用の操作部(タッチパネル上のスイッチ,機械スイッチ等)が操作されることであってもよい。さらに、中止操作とは、運転I/F部52として備えられた手動運転のための操作部(ステアリングホイール,ペダル,シフトレバー等)が自動運転制御中に操作されることであってもよい。
【0035】
以下、車載システム110が中止地点通知システムとして振る舞い、車両50が通知車両として振る舞う場合について説明する。中止地点検知モジュール121bの機能により制御部120は、通知車両としての車両50において自動運転制御が運転者の操作に応じて中止されたことを検知する。すなわち、中止地点検知モジュール121bの機能により制御部120は、運転I/F部52において中止操作が受け付けられたことを検知する。さらに、中止地点検知モジュール121bの機能により制御部120は、通知車両としての車両50の状態が自動運転制御を行うための続行条件を満足しなくなったことを検知する。
【0036】
通知情報送信モジュール121cの機能により制御部120は、自動運転制御が運転者の操作に応じて中止された地点である手動中止地点を示す第1通知情報を中止地点管理システム10に送信する。すなわち、通知情報送信モジュール121cの機能により制御部120は、中止操作が受け付けられた際における通知車両としての車両50の現在地の位置を中止地点の位置として示し、かつ、当該中止地点の種別として手動を示す第1通知情報を中止地点管理システム10に送信する。
【0037】
通知情報送信モジュール121cの機能により制御部120は、通知車両としての車両50の状態が自動運転制御を行うための続行条件を満足しなくなったことによって自動運転制御が中止された地点である自動中止地点を示す第2通知情報を中止地点管理システム10に送信する。すなわち、通知情報送信モジュール121cの機能により制御部120は、高精度認識位置の信頼度が閾値未満となった際における通知車両としての車両50の現在地の位置を中止地点の位置として示し、かつ、当該中止地点の種別として自動を示す第2通知情報を中止地点管理システム10に送信する。
【0038】
以下、車載システム110が中止地点案内システムとして振る舞い、車両50が案内車両として振る舞う場合について説明する。案内情報受信モジュール121dの機能により制御部120は、通知車両において自動運転制御が運転者の操作に応じて中止された地点である手動中止地点を示す第1案内情報を中止地点管理システム10から受信する。さらに、案内情報受信モジュール121dの機能により制御部120は、通知車両としての車両50の状態が自動運転制御を行うための続行条件を満足しなくなったことによって自動運転制御が中止された地点である自動中止地点を示す第2案内情報を中止地点管理システム10から受信する。本実施形態において、制御部120は、第1案内情報と第2案内情報とを個別に受信するのではなく、第1案内情報と第2案内情報とを統合した案内情報を中止地点管理システム10から受信する。
【0039】
案内制御モジュール121eの機能により制御部120は、第1案内情報に基づいて手動中止地点の案内を行う。具体的に、制御部120は、案内情報が示す手動中止地点のいずれかに案内車両としての車両50が接近している場合に、手動中止地点を案内するための案内メッセージを運転I/F部52としてのスピーカから出力させる。本実施形態において、中止地点に車両50が接近している場合とは、走行予定経路上の中止地点が車両50の前方に存在し、かつ、当該中止地点と車両50との距離が判定距離(例えば50m)以内となっていることである。
【0040】
さらに、案内制御モジュール121eの機能により制御部120は、第2案内情報に基づいて手動中止地点の案内を行う。案内情報が示す自動中止地点のいずれかに案内車両としての車両50が接近している場合に、自動中止地点を案内するための案内メッセージを運転I/F部52としてのスピーカから出力させる。
【0041】
ここで、案内制御モジュール121eの機能により制御部120は、手動中止地点よりも自動中止地点を強調して案内する。具体的に、制御部120は、手動中止地点に対しては手動運転への切替を提案する案内メッセージ(例えば"この先、手動運転への切替を推奨します"等)を出力し、自動中止地点に対しては警告音とともに手動運転への切替を予告する案内メッセージ(例えば"この先、手動運転を行って下さい"等)を出力する。
【0042】
以上説明した本実施形態の中止地点管理システム10によれば、手動中止地点を通知車両から収集し、当該手動中止地点を案内車両に案内させることができる。また、本実施形態の中止地点通知システムとしての車載システム110によれば、手動中止地点を中止地点管理システム10にて収集することができる。本実施形態の中止地点案内システムとしての車載システム110によれば、他の運転者が自動運転制御に不安を感じたり、他の運転者が好んで手動運転をしたいと考えたりした手動中止地点を案内車両にて案内させることができる。このような手動中止地点を案内車両の運転者に案内することにより、自動運転の続行可否を判断する機会を案内車両の運転者に提供できる。
【0043】
中止地点管理システム10は、通知車両としての車両50の状態が自動運転制御を行うための条件を満足しなくなったことによって自動運転制御が中止された地点である自動中止地点を示す第2通知情報を当該車両50から収集する。これにより、自動運転制御が運転者の操作に応じて中止された手動中止地点だけでなく、自動運転制御が自動で中止された自動動中止地点も案内できる。
【0044】
中止地点管理システム10は、自動運転制御が中止された回数である中止回数が第1閾値以上である手動中止地点を案内するための第1案内情報を案内車両に対して配信し、自動運転制御が中止された回数である中止回数が第1閾値とは値が異なる第2閾値以上である自動中止地点を案内するための第2案内情報を案内車両に対して配信する。これにより、案内のされやすさを手動中止地点と自動中止地点とで異ならせることができる。本実施形態のように、第1閾値を第2閾値よりも大きくすることにより、できるだけ自動運転制御を継続したいと考える傾向の強い案内車両の運転者に適した案内を実現できる。
【0045】
ここで、手動中止地点において手動運転に切り替えたいと感じる度合いは運転者に依存する。従って、ある通知車両の運転者が手動運転に切り替えたいと感じた手動中止地点において、案内車両の運転者が手動運転に切り替えたいと感じない場合もあり得る。そのため、手動中止地点を強調して案内しない(手動運転への切替を提案するに留める)ことにより、不必要に自動運転制御を中止しないようにすることができる。
【0046】
(2)車両システムの処理:
次に、中止地点管理システム10と車載システム110とが実行する処理について説明する。具体的に、中止地点通知システムとしての車載システム110が実行する中止地点通知処理と、中止地点管理システム10が実行する中止地点管理処理と、中止地点案内システムとしての車載システム110が実行する中止地点案内処理と、を順に説明する。
【0047】
(2−1)中止地点通知処理:
図2は、中止地点通知処理のフローチャートである。中止地点通知処理は、自動運転制御を実行中の通知車両において常に実行される処理である。まず、中止地点検知モジュール121bの機能により車載システム110の制御部120は、車両50の状態を取得する(ステップS100)。具体的に、制御部120は、車両50の状態として、高精度認識位置の信頼度(走行中のレーンが一意に特定できているか否か)を取得する。
【0048】
次に、中止地点検知モジュール121bの機能により車載システム110の制御部120は、車両50の状態が続行条件を満足するか否かを判定する(ステップS110)。すなわち、車載システム110の制御部120は、走行中のレーンが一意に特定できており、高精度認識位置の信頼度が閾値以上であるか否かを判定する。
【0049】
車両50の状態が続行条件を満足すると判定しなかった場合(ステップS110:N)、中止地点検知モジュール121bの機能により制御部120は、現在地を自動中止地点として記録する(ステップS120)。すなわち、制御部120は、車両50の状態が続行条件を満足しなくなった時点の車両50の現在地の位置を、種別が自動の中止地点の位置として記録媒体130に記録する。
【0050】
一方、車両50の状態が続行条件を満足すると判定した場合(ステップS110:Y)、中止地点検知モジュール121bの機能により制御部120は、運転I/F部52に対する操作を取得する(ステップS130)。次に、中止地点検知モジュール121bの機能により制御部120は、中止操作があったか否かを判定する(ステップS140)。すなわち、制御部120は、運転I/F部52において自動運転制御を中止するための中止操作が受け付けられたか否かを判定する。
【0051】
中止操作があったと判定した場合(ステップS140:Y)、中止地点検知モジュール121bの機能により制御部120は、現在地を手動中止地点として記録する(ステップS120)。すなわち、制御部120は、中止操作があった時点の車両50の現在地の位置を、種別が手動の中止地点の位置として記録媒体130に記録する。
【0052】
ステップS120またはステップS150にて中止地点を記録媒体130に記録すると、通知情報送信モジュール121cの機能により制御部120は、通知タイミングであるか否かを判定する(ステップS160)。すなわち、制御部120は、現在が通知情報を中止地点管理システム10に送信すべき通知タイミングであるか否かを判定する。本実施形態において、中止地点を検知した直後が通知タイミングであることとする。そのため、ステップS120またはステップS150を実行した場合、ステップS160の判定結果が必ずYesとなる。
【0053】
通知タイミングであると判定した場合(ステップS160:Y)、通知情報送信モジュール121cの機能により制御部120は、通知情報を送信する(ステップS170)。すなわち、制御部120は、記録媒体30に記録されている中止地点の位置と種別とを示す通知情報を生成し、当該通知情報を中止地点管理システム10に送信する。なお、ステップS120を実行した直後においては自動中止地点を示す第2通知情報が中止地点管理システム10に送信され、ステップS150を実行した直後においては手動中止地点を示す第1通知情報が中止地点管理システム10に送信されることとなる。
【0054】
なお、ステップS160における通知タイミングは、必ずしも中止地点を検知した直後でなくてもよく、例えば車両50が駐車したタイミングや車載システム110の電源がONまたはOFFとなるタイミング等であってもよい。この場合、ステップS160の判定結果がNoとなり得る。ステップS160の判定結果がNoとなった場合、ステップS120またはステップS150にて記録媒体130に記録した中止地点を保持したまま、制御部120は、ステップS100に戻る。これにより、制御部120は、通知タイミングが到来するまで中止地点を記録媒体130に蓄積していくことができる。
【0055】
そして、通知タイミングが到来した段階で、通知情報送信モジュール121cの機能により制御部120は、記録媒体130に蓄積された各中止地点を示す通知情報を生成し、当該通知情報を中止地点管理システム10に送信する。記録媒体130に蓄積された中止地点に手動中止地点が少なくとも1個含まれれば、第1通知情報に該当する通知情報が生成されることとなる。一方、記録媒体130に蓄積された中止地点に自動中止地点が少なくとも1個含まれれば、第2通知情報に該当する通知情報が生成されることとなる。さらに、記録媒体130に蓄積された中止地点に手動中止地点と自動中止地点とがそれぞれ少なくとも1個ずつ含まれれば、第1通知情報と第2通知情報の双方に該当する通知情報が生成されることとなる。
【0056】
なお、ステップS140において、中止操作があったと判定されなかった場合、制御部120は、ステップS100に戻る。すなわち、中止地点が検知されなかった場合、中止地点が検知されるまでステップS100〜S140の処理を繰り返して実行する。
【0057】
(2−2)中止地点管理処理:
図3Aは、中止地点管理処理のフローチャートである。中止地点管理処理は、中止地点管理システム10において常に実行される処理である。まず、中止地点収集モジュール21aの機能により制御部20は、通知情報を受信する(ステップS200)。すなわち、制御部20は、手動中止地点と自動中止地点の少なくとも一方を示す通知情報を、提供車両としての車両50から受信する。次に、中止地点収集モジュール21aの機能により制御部20は、通知情報を蓄積する(ステップS210)。すなわち、制御部20は、受信した通知情報を通知情報DB30bに蓄積する。これにより、多数の中止地点を収集することができる。
【0058】
次に、案内情報配信モジュール21bの機能により制御部20は、更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS220)。すなわち、制御部20は、現在が中止地点DB30cを更新すべき更新タイミングであるか否かを判定する。更新タイミングは、例えば一定期間が経過するごとのタイミングであってもよいし、通知情報DB30bに蓄積された通知情報が示す中止地点の個数が一定数に到達するごとのタイミングであってもよい。
【0059】
更新タイミングであると判定しなかった場合(ステップS220:N)、制御部20は、ステップS200に戻り、通知情報を蓄積する処理を繰り返して実行する。一方、更新タイミングであると判定した場合(ステップS220:Y)、案内情報配信モジュール21bの機能により制御部20は、中止地点DB30cを更新する。具体的に、制御部20は、通知情報DB30bに蓄積された通知情報が示す中止地点が、中止地点DB30cが示す既存の中止地点と位置が同一かつ種別が同一であれば、当該既存の中止地点の中止回数に1を加算する。また、制御部20は、通知情報DB30bに蓄積された通知情報が示す中止地点が、中止地点DB30cが示す既存の中止地点と位置が同一かつ種別が同一でなければ、当該通知情報が示す中止地点を新たな中止地点として中止地点DB30cに記録する。
【0060】
以上のようにして中止地点DB30cを更新すると、案内情報配信モジュール21bの機能により制御部20は、案内情報を生成する(ステップS240)。すなわち、制御部20は、中止地点DB30cが示す手動中止地点のうち中止回数が第1閾値以上である手動中止地点を案内するための第1案内情報と、中止地点DB30cが示す自動中止地点のうち中止回数が第2閾値以上である自動中止地点を案内するための第2案内情報とを生成する。そして、案内情報配信モジュール21bの機能により制御部20は、第1案内情報と第2案内情報とを統合することにより案内情報を生成する。なお、制御部20は、配信先の案内車両が走行する可能性が高い領域に存在する中止地点を案内するための案内情報を生成してもよい。例えば、制御部20は、配信先の案内車両から予め決められた距離以内に存在する中止地点を案内するための案内情報や、配信先の案内車両の走行予定経路上の中止地点を案内するための案内情報を生成してもよい。
【0061】
最後に、案内情報配信モジュール21bの機能により制御部20は、案内情報を送信する(ステップS250)。すなわち、制御部20は、案内情報を案内車両としての車両50に配信する。これにより、中止地点DB30cの更新が反映された案内情報を案内車両としての車両50に配信できる。なお、案内情報は、必ずしも中止地点DB30cの更新タイミングで配信されなくてもよい。例えば、制御部20は、車両50が自動運転制御を開始するタイミングで当該車両50の走行予定経路上の中止地点を案内するための案内情報を当該車両50に配信してもよい。
【0062】
(2−3)中止地点案内処理:
図3Bは、中止地点案内処理のフローチャートである。中止地点案内処理は、自動運転制御を実行中の案内車両において常に実行される処理である。まず、案内情報受信モジュール121dの機能により制御部120は、案内情報を受信する(ステップS300)。すなわち、制御部120は、第1案内情報と第2案内情報とを統合した案内情報を受信し、当該案内情報(不図示)を記録媒体130に記録する。
【0063】
次に、案内制御モジュール121eの機能により制御部120は、中止地点に接近したか否かを判定する(ステップS310)。具体的に、制御部120は、走行予定経路上の中止地点が車両50の前方に存在し、かつ、車両50との距離が判定距離(例えば50m)以内となっている場合に、中止地点に接近したと判定する。
【0064】
中止地点に接近したと判定しなかった場合(ステップS310:N)、案内制御モジュール121eの機能により制御部120は、ステップS310に戻り、中止地点に接近するまで待機する。一方、中止地点に接近したと判定した場合(ステップS310:Y)、案内制御モジュール121eの機能により制御部120は、手動中止地点であるか否かを判定する(ステップS320)。すなわち、制御部120は、接近中の中止地点の種別が手動であるか否かを判定する。
【0065】
手動中止地点であると判定した場合(ステップS320:Y)、案内制御モジュール121eの機能により制御部120は、手動中止地点の案内メッセージを出力する(ステップS330)。例えば、制御部120は、手動運転への切替を提案する案内メッセージ(例えば"この先、手動運転への切替を推奨します"等)を出力する。
【0066】
一方、手動中止地点であると判定しなかった場合(ステップS320:N)、案内制御モジュール121eの機能により制御部120は、自動中止地点の案内メッセージを出力する(ステップS340)。例えば、制御部120は、警告音とともに手動運転への切替を予告する案内メッセージ(例えば"この先、手動運転を行って下さい"等)を出力する。そして、自動運転制御モジュール121aの機能により制御部120は、自動運転制御を中止する(ステップS350)。なお、ステップS350における自動運転制御の中止は、通知情報による通知の対象とならない。
【0067】
(3)他の実施形態:
前記実施形態において、手動中止地点を案内対象とするか否かを判定する第1閾値よりも、自動中止地点を案内対象とするか否かを判定する第2閾値の方が小さい値に設定されたが、第2閾値の方が大きい値に設定されてもよい。むろん、第1閾値と第2閾値とが同じ値であってもよい。また、第1閾値と同様に第2閾値も運転者によって設定可能であってもよいし、第2閾値と同様に第1閾値も運転者によって設定不能であってもよい。
【0068】
また、本発明において、少なくとも手動中止地点についての案内を行えばよく、第1実施形態における自動中止地点に関する処理が省略されてもよい。例えば、自動中止地点については案内の対象とせず、制御部120が強制的に手動運転に切り替える構成を採用してもよい。また、必ずしも自動中止地点と自動中止地点の案内メッセージが異なっていなくてもよく、自動中止地点と手動中止地点の案内メッセージが同じであってもよい。さらに、自動中止地点と手動中止地点とは、画像によって案内されてもよく、例えば地図上のマーカによって案内されてもよい。
【0069】
通知車両と案内車両は、自動運転制御が可能、かつ、運転者による手動運転が可能な車両であればよく、単一の車両において手動中止地点を通知する機能と手動中止地点を案内する機能の双方が実現されてもよい。すなわち、単一の車両が通知車両と案内車両の双方に該当してもよい。また、手動中止地点を通知する中止地点通知システムと、手動中止地点を案内する中止地点案内システムとが単一の装置によって実現されてもよい。自動運転制御とは、加減速を自動で制御することであってもよいし、操舵を自動で制御することであってもよい。従って、手動中止地点は、加減速の自動制御が中止された地点であってもよいし、操舵の自動制御が中止された地点であってもよいし、加減速と操舵の双方の自動制御が中止された地点であってもよい。
【0070】
運転者の操作とは、自動運転制御を中止するための操作を受け付けるための専用の操作部が操作されることであってもよいし、手動運転の操作部(ステアリングホイール,ペダル,レバー等)が操作されることであってもよい。自動運転制御を中止するための操作とは、音声認識によって受け付けられた操作であってもよいし、画像認識によって受け付けられた操作であってもよい。
【0071】
中止地点収集部は、通知車両から第1通知情報を収集すればよく、多数の第1通知情報を収集するために、多数の通知車両から第1通知情報を収集してもよい。中止地点収集部は、自動運転制御が運転者の操作に応じて中止されるごとに第1通知情報を収集してもよいし、例えば一定期間ごとや通知車両が駐車するごとに第1通知情報を収集してもよい。
【0072】
案内情報配信部は、第1案内情報をいずれかの案内車両に対して配信すればよく、配信対象の案内車両を絞り込んでもよい。例えば、案内情報配信部は、手動中止地点を走行する予定の案内車両や当該手動中止地点との間の距離が閾値以下の案内車両に対して、当該手動中止地点を案内するための第1案内情報を配信してもよい。例えば、案内情報配信部は、第1通知情報を送信した通知車両と類似する案内車両に対して第1案内情報を配信してもよい。通知車両と案内車両とが類似するとは、通知車両と案内車両の運転者の性別や年齢や運転履歴等が類似することであってもよいし、通知車両と案内車両の車体形状や車種が類似することであってもよい。むろん、案内情報配信部は、案内車両や手動中止地点の位置関係に拘わらず、すべての案内車両に対して第1案内情報を配信してもよい。
【0073】
また、中止地点収集部は、通知車両の状態が自動運転制御を行うための条件を満足しなくなったことによって自動運転制御が中止された地点である自動中止地点を示す第2通知情報を当該通知車両から収集し、案内情報配信部は、自動中止地点を案内するための第2案内情報を、案内車両に対して配信してもよい。これにより、自動運転制御が運転者の操作に応じて中止された手動中止地点だけでなく、自動運転制御が自動で中止された自動動中止地点も案内できる。通知車両の状態とは、通知車両そのものの状態であってもよいし、通知車両の環境の状態であってもよい。例えば、通知車両の状態とは、通知車両の運動状態(加減速度、角加速度、速度)であってもよいし、通知車両を構成する部品の稼働状態(故障の有無)であってもよい。通知車両の状態とは、通知車両の自動運転制御のために行われている各種情報処理の状態であってもよい。具体的に、通知車両の状態とは、通知車両の現在地を特定する処理における当該現在地の信頼度であってもよい。また、通知車両の環境の状態とは、天気や気温等の天候の状態であってもよいし、渋滞状況等の道路の状態であってもよい。
【0074】
また、案内車両において、手動中止地点よりも自動中止地点が強調して案内されてもよい。ここで、手動中止地点において手動運転に切り替えたいと感じる度合いは運転者に依存する。従って、ある通知車両の運転者が手動運転に切り替えたいと感じた手動中止地点において、案内車両の運転者が手動運転に切り替えたいと感じない場合もあり得る。そのため、手動中止地点を強調して案内しないことにより、不必要に自動運転制御を中止しないようにすることができる。強調して案内するとは、手動運転への切替を運転者に強く促すメッセージを表示または音声出力することであってもよい。さらに、強調して案内するとは、手動運転へと強制的に切り替えることであってもよい。
【0075】
また、案内情報配信部は、自動運転制御が中止された回数または確率が第1閾値以上である手動中止地点を案内するための第1案内情報を案内車両に対して配信し、自動運転制御が中止された回数または確率が第1閾値とは値が異なる第2閾値以上である自動中止地点を案内するための第2案内情報を案内車両に対して配信してもよい。これにより、案内のされやすさを手動中止地点と自動中止地点とで異ならせることができる。例えば、第1閾値を第2閾値よりも大きくすることにより、できるだけ自動運転制御を継続したいと考える傾向の強い案内車両の運転者に煩わしさを感じさせない案内を実現できる。反対に、第1閾値を第2閾値よりも小さくすることにより、積極的に手動運転に切り替えたいと考える傾向の強い案内車両の運転者に好適な案内を実現できる。
【0076】
さらに、本発明のように、運転者の操作に応じて自動運転制御を中止した地点を管理する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような装置を備えたナビゲーションシステム、中止地点管理システムや方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0077】
10…中止地点管理システム、20…制御部、21…中止地点管理プログラム、21a…中止地点収集モジュール、21b…案内情報配信モジュール、30…記録媒体、30a…地図データ、30b…通知情報DB、30c…中止地点DB、40…通信部、50…車両、52…運転I/F部、53…外部通信部、54…車両ECU、55…車両制御系、56…センサ、110…車載システム、120…制御部、121…自動運転制御プログラム、121a…自動運転制御モジュール、121b…中止地点検知モジュール、121c…通知情報送信モジュール、121d…案内情報受信モジュール、121e…案内制御モジュール、130…記録媒体、130a…地図データ、130b…運転支援計画、140…通信部
図1
図2
図3