【実施例1】
【0014】
図1は本発明による液晶表示装置の例を示す分解斜視図である。
図1の液晶表示装置は、画像表示機能と、タッチパネルの機能と、NFC機能を有している。
図1において、液晶表示パネル6には、タッチパネル機能が組み込まれている。液晶表示パネル6の上に保護ガラス7が配置される。保護ガラス7において、表示領域20の周辺は、枠状の遮光領域25となっている。液晶表示パネル6の下側にはバックライト5が配置している。
【0015】
バックライト5の下側には、NFC用アンテナ4が配置されている。NFCは13.56MHzを中心とする周波数帯で動作し、他の電子機器との間でデータの転送を行うものである。NFCアンテナ4の下側には、液晶表示装置全体を動作させる回路や電池が搭載された回路基板2が配置されている。NFCは電磁誘導を利用するものであるから、回路基板とアンテナとの間の干渉を防止するために、NFCアンテナ4と回路基板2との間に磁性体シート3が配置される。そして、これらの部品は、メタルフレーム1に収容される。NFCのための電波は、液晶表示パネル側に放射される。
【0016】
図2は、液晶表示パネル6の斜視図である。
図2において、TFT基板100の上に対向基板200が配置している。TFT基板100と対向基板200は、周辺において、シール材によって接着し、TFT基板100と対向基板200の間に液晶が封入されている。TFT基板100と対向基板200が重なった領域に表示領域20が形成されている。
【0017】
TFT基板100は対向基板200よりも大きく形成され、TFT基板100が対向基板200と重なっていない部分に端子領域30が形成されている。端子領域30には、液晶表示パネル6を駆動させるためのドライバIC31、液晶表示パネル6やドライバIC31に信号を供給するためのフレキシブル配線基板32が接続している。
【0018】
図2において、タッチパネル用のRx配線が対向基板20の外側主面に形成されている。Rx配線は、x方向に延在し、y方向に配列している。Rx配線とタッチパネル駆動回路とを接続するために、対向基板200には、タッチパネル用フレキシブル配線基板33が接続している。
【0019】
タッチパネル用のTx配線はTFT基板100の液晶層と接する側に形成されている。Tx配線はy方向に延在し、x方向に配列している。Tx配線は液晶表示パネル6における対向電極を分割することによって形成されている。つまり、対向電極は液晶表示パネル6におけるコモン電極としての役割とタッチパネルのTx配線としての役割を有している。
【0020】
図2において、液晶表示パネル6の下層側であって、かつ、液晶表示パネル6の端子領域30と反対側にNFC用のアンテナ4が配置している。NFC用の電波はアンテナ4から液晶表示パネル6側に放射される。したがって、液晶表示パネル6において、端子部30と反対側の辺付近にNFCの電波に対するノイズ源が存在すると、NFCの誤動作を生じやすくなる。
【0021】
図3はTFT基板の平面図である。
図3において、走査線11がx方向に延在し、y方向に配列している。また、映像信号線12がy方向に延在し、x方向に配列している。走査線11と映像信号線12で囲まれた領域が画素13になっている。画素13内には、画素電極、TFT、画素電極およびTFTを接続するためのスルーホール等が形成されている。
【0022】
図3において対向電極110が複数の画素に共通に形成されている。通常の液晶表示パネルの場合、対向電極110は全画素に共通に形成されるが、インセルタッチパネル方式では、対向電極110を分割して、Tx電極の機能も持たせている。
図3においては、Tx電極は、x方向に4画素分の幅のストライプがy方向に延在している構成となっている。
【0023】
図3では、Tx電極の幅は、4画素分であるが、タッチパネルの分解能に応じて、多くすることも少なくすることも出来る。映像信号線12が画素13と画素13の境界を形成しているが、
図3では、x方向の4画素毎に、映像信号線12の上にスリット状に対向電極110が存在していない部分がy方向に延在している。この部分で、Tx電極同士を絶縁している。
【0024】
図3の対向電極110は、液晶表示パネルにおける画像表示をするときのコモン電極としての役割と、インセルタッチパネルにおけるTx電極としての役割を持っている。具体的には、1フレーム期間を表示期間とタッチパネルの期間に区切り、表示期間においては、対向電極110に対してコモン電圧Vcomを印加し、タッチパネル動作期間においては、タッチパネル動作のためのトランスファー電圧(Tx電圧)を供給する。
【0025】
図4は、この様子を示す等価回路である。
図5A及び
図5Bは
図4に対応するタイミングチャートである。
図4において、表示領域20には、Tx電極がn本、y方向に延在している。nは例えば35本である。Tx電極は対向電極を分割したものである。液晶表示装置には色々な回路が搭載されているが、
図4では、本発明に直接関係しない回路は省略されている。以後の図も同様である。
【0026】
図4において表示領域20の上側には、各Tx電極にコモン電圧Vcomを印加するための第1切り替えスイッチSW1が配置されている。SW1は各Tx電極と接続するN型TFTのアレイで形成されている。SW1を構成する各アレイは、Vgsw1電圧によって一括してスイッチングされる。
【0027】
図5AにVgsw1のタイミングチャートを示す。
図5Aにおいて、1フレーム期間tf内では、画像表示期間tdとタッチパネル動作期間ttとに分割している。分割期間は例えばtd:tt=2:1である。Vgsw1はtdの期間はHighになり、ttの期間はLowになる。
図4において、Vgsw1がHighになると、SW1が全てOnし、コモン電圧Vcomが全てのTx電極に供給される。Vgsw1がLowになると、画面上方からのコモン電圧Vcomは遮断される。
【0028】
図4に戻り、表示領域20の下側には、第2切り替えスイッチSW2が配置されている。第2切り替えスイッチSW2は、TFTで形成されたSW2n−1およびSW2n−2のペアが並列に各Tx電極に接続している構成である。TFTスイッチSW21−1のソースにはタッチパネル用のTx電圧Vtが供給され、SW21−1のドレインはTx電極に接続される。一方、TFTスイッチSW21−2のソースには画像表示用のコモン電圧Vcomが供給され、SW21−2のドレインはSW21−1と共通にTx電極に接続される。
【0029】
SW21−1とSW21−2のゲート電極には、共通に例えば、ゲート電極Vbg1が印加される。SW21−1とSW21−2のペアと同様のSW2は、各Tx1乃至Txn毎に接続されている。SW2の各ペアのゲート電極には、左から順番にゲート電圧Vbg1乃至Vbgnが印加される。
【0030】
一番左側のSW21−1とSW21−2のペアで動作を説明すると、次のとおりである。SW21−1はN型TFTで形成され、SW21−2はP型TFTで形成されている。SW21−1のソースにはタッチパネル用の電圧Vtが印加されており、SW21−2のソースにはコモン電圧Vcomが印加されている。
【0031】
ゲート電圧Vbg1がHighになると、SW21−1はOnになり、SW21−2はOffになる。そうすると、電極Tx1にはVtが印加される。ゲート電圧Vbg1がLowになると、SW21−1がOffなり、SW21−2がOnになる。したがって、Tx電極Tx1にはコモン電圧Vcomが印加される。左側から2番目以降のTFTSW2n−1とTFTSW2n−2のペア等の動作も同じである。
【0032】
図5Bに、タッチパネル動作期間ttにおける各スイッチングペアに印加されるゲート電圧のタイミングチャートを示している。ゲート電圧Vbg1乃至Vbgnは、画面上側の切り替えスイッチSW1に同期して電圧が印加される。すなわち、画面上側におけるスイッチSW1がOffになるタイミングで、Vbg1、Vbg2、Vbg3・・・のいずれかが順番選択され、選択されたTx電極にタッチパネル用のTx電圧Vtが印加される。
図5Bに示す、Vbg1、Vbg2・・・等のパルスはシフトレジスタを用いて形成される。
【0033】
図5Bに示す各電極Tx1、Tx2、Tx3等は、1フレームに1回または複数回選択され、Tx1乃至Txnの全ての電極が順番に選択される。
図5Bにおける選択パルスの周期tt1、パルス幅tt2は、電極Tx1、Tx2、Tx3等が1フレームに何回選択されるかによって変化させることが出来る。
【0034】
ところで、
図4において、Tx1にタッチパネル用のTx電圧Vtが印加されている間、ゲート電圧Vbg2乃至VbgnはLowになっている。したがって、電極Tx2乃至電極Txnには、コモン電圧Vcomが印加されているので、黒表示をすることが可能であり、画面のコントラストが低下することは無い。
【0035】
しかし、
図4の動作は次のような問題を有している。
図4において、スイッチSW1で画像表示期間tdとタッチパネル動作期間ttを切り替える時は、n本のTx電極全てについて、一斉にコモン電圧Vcomのオンオフを切り替えている。n本のTx電極全てについて、同時にコモン電圧Vcomのオンオフを切り替えると非常に大きなノイズが発生する。しかも、この大きなノイズは画像表示期間tdとタッチパネル動作期間ttを切り替える毎に発生する。
【0036】
NFC機能を内蔵する液晶表示装置では、このノイズがNFCの搬送波に重畳され、誤動作の原因になる。
図6におけるsin波は、NFCシグナルの搬送波であり、例えば、13.56MHzである。
図6において、縦軸は搬送波cwであり、横軸は時間tである。時刻t1において、第1スイッチsw1によって、各Tx電極からコモン電圧Vcomが遮断されると、Vnoiseが発生し、NFC搬送波は変調を受ける。すなわち、
図6に示すように、sin波の中心がVnoiseだけ移動し、これが誤動作の原因になる。
【0037】
図7は本発明の等価回路である。
図7の表示領域20の構成は
図4と同様である。すなわち、y方向に延在するTx電極がn本x方向に配列している。表示領域のy方向下側には、第2切り替えスイッチSW2が配置している。第2切り替えスイッチSW2の構成及び動作は
図4と同様である。
【0038】
図7において、表示領域のy方向上側には、第3スイッチSW3が配置している。
図7の第3スイッチSW3は
図4の第1スイッチSW1とは異なっている。第3スイッチSW3はN型TFTからなる、SW31乃至SW3nのTFTアレイで形成されている。SW31乃至SW3nの各ソースはVcomと接続し、SW31乃至SW3nの各ドレインは、各々Tx電極Tx1乃至Txnと接続している。
【0039】
SW31、SW32、SW33・・・SW3n等の各ゲートには各々Vug1、Vug2・・・Vugnが順次印加される。Vug1、Vug2・・・Vugnの各パルス電圧はシフトレジスタから電圧が供給される。SW3はN型TFTで形成されているので、Vug1、Vug2・・・VugnがLowになると、コモン電圧VcomがTx電極Tx1乃至Txnから遮断される。
【0040】
一方、
図7のy方向下側に配置している第2スイッチSW2の動作は
図4と同様である。
図7に示すVug1、Vug2・・・VugnはVbg1、Vbg2・・・Vbgnと各々連動して動作する。Vug1、Vug2・・・VugnとVbg1、Vbg2・・・Vbgnの関係を示すタイミングチャートは、
図11に示す。
【0041】
すなわち、表示領域20の上側に配置したSW3において、コモン電圧Vcomが遮断されると同時に表示領域20の下側に配置したSW2がOnになり、Tx電極にTx電圧Vtが印加される。
図7の特徴は、表示領域20の上側のスイッチSW3によって、画像表示期間tdとタッチパネル動作期間ttを切り替える毎に、全てのTx電極へのコモン電圧Vcomのオンオフが一斉に行われるのではなく、Tx電圧が印加されるTx電極でのみ、コモン電圧Vcomのオンオフが行われることである。したがって、
図7におけるスイッチSW3によって発生するノイズは、
図4におけるスイッチSW1によって発生するノイズの1/nになり、NFCの誤動作を防止することが出来る。
【0042】
図8は、
図7の具体的なレイアウトを示すTFT基板の平面図である。
図8において、表示領域20の左右には走査線駆動回路21が配置している。表示領域20の上側には、第3スイッチSW3と第3スイッチSW3に切り替え信号を供給する上側シフトレジスタUSRが配置している。BUFは、シフトレジスタに入力される信号のためのバッファーアンプである。表示領域20の下側には、第2スイッチSW2と第2スイッチSW2に切り替え信号を供給する下側シフトレジスタBSRが配置している。
【0043】
図8において、表示領域20には、対向電極110として、電極Tx1乃至電極Txnがy方向に延在し、x方向に配列している。表示領域20は、電極Tx1乃至電極Txnが敷き詰められている。電極Tx1乃至電極Txnは画像表示の期間は、全てにコモン電圧が印加される。一方、タッチパネル動作を行う期間は、電極Tx1から電極Txnのいずれかが選択され、Tx電圧が印加される。その他のTx電極にはコモン電圧が印加される。そして、1フレームに1回または複数回、電極Tx1から電極Txnの選択が行われる。
【0044】
図2に示すように、液晶表示パネル6はTFT基板100と対向基板200によって構成されている。走査線駆動回路21、第3スイッチSW3、上側シフトレジスタUSR、第2スイッチSW2、下側シフトレジスタBSR等は、TFT基板100と対向基板200が重なった領域に形成されている。TFT基板100は対向基板200よりも大きく形成され、TFT基板100と対向基板が重なっていない部分は端子領域30であるが、この部分にドライバIC31が配置している。ドライバIC31からは、シフトレジスタUSR、BSR等を制御するスタート信号SDST、クロック信号SDCK、リセット信号XDISC等が供給される。なお、ドライバICからは、画像形成のための映像信号が供給される。
【0045】
図9は、第3スイッチSW3およびこれを制御する上側シフトレジスタUSRの構成を示す回路である。
図9において、シフトレジスタSR31乃至SR3nの数は、Tx電極の数と同じである。シフトレジスタSR31乃至SR3nの各シフトレジスタのout端子から第3スイッチSW3を動作させる信号Vug1乃至Vugnが供給される。そして、第3スイッチSW31乃至SW3nのout端子が各々電極Tx1乃至Txnと接続している。
【0046】
図9において、XDSKはリセット信号であり、シフトレジスタUSRの動作、非動作を決める。SDCKはクロック信号であり、シフトレジスタUSRの動作のタイミングを規定する。
図9において、スタート信号SDSTが最初のシフトレジスタ単位SR31に印加されると、シフトレジスタ単位SR31からVug1が第3スイッチのSW31に供給される。
【0047】
第1シフトレジスタ単位SR31からの出力は第2シフトレジスタ単位SW32の入力になる。第2シフトレジスタ単位SR32からは、Vug2が第3スイッチのsw32に供給される。そして第2シフトレジスタ単位SR32からの出力は第3シフトレジスタ単位SR33の入力になる。このように、順次第3スイッチのSW31乃至SW3nにスイッチ信号Vug1乃至Vugnが供給される。
【0048】
図10は、第2スイッチSW2およびこれを制御する下側シフトレジスタBSRの構成を示す回路である。
図10において、下側シフトレジスタBSRにおけるシフトレジスタ単位SR21乃至SR2nはTx電極の数と同じ数が存在している。シフトレジスタBSRの各シフトレジスタ単位SR21乃至SR2nのout端子から第2スイッチSW2を動作させる信号Vbg1乃至Vbgnが供給される。そして、第2スイッチSW21乃至SW2nのout端子が各Tx電極Tx1乃至Txnと接続している。
【0049】
図10において、XDSKはリセット信号であり、各シフトレジスタBSRを動作させる。SDCKはクロック信号であり、各シフトレジスタSR21乃至SR2nにおける動作のタイミングを規定する。
図10において、スタート信号SDSTが最初のシフトレジスタ単位SR21に印加されると、シフトレジスタ単位SR21からVbg1が第2スイッチのSW21に供給される。
【0050】
第1のシフトレジスタ単位SR21からの出力は第2シフトレジスタ単位SR22の入力になる。第2シフトレジスタからは、Vbg2が第2スイッチのSW22に供給される。そして第2シフトレジスタ単位SR22からの出力は第3シフトレジスタ単位SR23の入力になる。このように、順次第2スイッチのSW21乃至SW2nにスイッチ信号Vbg1乃至Vbgnが供給される。
【0051】
図11は、
図8乃至
図10の動作を示すタイミングチャートである。
図11において、SDSTはシフトレジスタへのスタート信号であり、SDCKはクロック信号であり、XDISCはリセット信号である。SDST、SDCK、XDISCは上側シフトレジスタUSR、下側シフトレジスタBSRに共通に入力される。XDISCはHighの状態であり、シフトレジスタは動作可能な状態になっている。
図11では、表示期間dtとタッチパネル動作期間ttは同じとなっている。
【0052】
図11において、上側シフトレジスタUSRにスタート信号SDSTが印加されると、上側シフトレジスタ単位SR31が動作し、SR31の出力端子からゲート信号Vug1がSW31に出力される。ゲート信号Vug1はLow信号であるが、スイッチSW31はN型TFTで形成されているので、SW31のスイッチはOffになり、画面上側からのコモン電圧は遮断される。なお、信号Vug1は同時にシフトレジスタ単位SR32の入力端子に入力される。
【0053】
一方、下側のシフトレジスタBSRのシフトレジスタ単位SR21にスタート信号SDSTが印加されると、下側シフトレジスタ単位SR21が動作し、下側スイッチSW21にHighの信号が供給される。下側のスイッチSW21は
図7に示したような構成なので、Highのゲート信号が印加されると、コモン電圧Vcomは遮断され、タッチパネル用信号のTx信号が電極Tx1に供給される。なお、信号Vbg1は同時にシフトレジスタSR22の入力端子に入力される。
【0054】
上側シフトレジスタUSRからのLowパルスの上側スイッチSW3への印加、および、下側シフトレジスタBSRからのHighパルスの下側スイッチSW2への印加は同時に行われる。上側シフトレジスタUSRからのLowパルス、および、下側シフトレジスタBSRからのHighパルスの印加が終わると、次のクロック期間は画像表示の期間であり、電極Tx1乃至Txnのすべてにコモン電圧Vcomが印加される。
【0055】
電極Tx1にタッチパネル用電圧が印加されている間、電極Tx2乃至Txnにおいては、画面の上側からも下側からもコモン電圧Vcomが印加されている。すなわち、本構成においては、電極Tx1以外においては、画面の上側と下側からコモン電圧Vcomを印加できるので、画面上における輝度傾斜あるいはコントラストの傾斜を防止することが出来る。
【0056】
所定の期間、画像を表示した後、次のクロック信号が上側シフトレジスタUSRおよび下側シフトレジスタBSRに印加されると、電極Tx2において、同様な動作が行われ、電極Tx2に、タッチパネル用の電圧が印加される。この時も、電極Tx2以外は、コモン電圧が印加されている。
図11に示す動作においては、1フレーム期間においては、各Tx電極は1回または複数回、それぞれ選択される。
【0057】
図11では、1フレームを表示期間dtとタッチパネル期間ttを1:1で使用している例である。しかし、本発明の動作は、例えば、2/3の期間を画像表示に使用し、1/3の期間をタッチパネル動作に使用することも可能である。また、本発明は、1フレームを3以上の期間に分割することも可能である。
【0058】
図12は本発明の効果を示す図である。
図12の横軸tと縦軸cwは、
図6で説明したのと同様である。つまり、
図12におけるsin波は、NFCシグナルの搬送波であり、例えば、13.56MHzである。
図6において、縦軸は搬送波cwであり、横軸は時間tである。時刻t1において、第3スイッチSW3によって、各Tx電極からコモン電圧Vcomが遮断されると、Vnoiseが発生し、NFC搬送波は変調を受ける。しかし、このときのスイッチングによるノイズの発生源は、1個のTx電極に対応するスイッチング回路のみである。つまり、切り替え時に発生するノイズは
図6の場合の1/nになる。したがって、
図12に示すように、搬送波の受けるノイズによる変調を小さくすることが出来るので、NFCの誤動作を避けることが出来る。
【0059】
また、
図2に示すように、NFC用のアンテナは、液晶表示パネルの端子領域30と反対側の辺の付近に存在する場合が多い。このような場合、Tx電極に対する印加電圧の切り替えスイッチが画面上側に存在していると、NFCの通信電波に対するノイズがより深刻になる。この点、本発明は、画面上側の切り替えスイッチからのノイズを対策することが出来るので、さらに効果を上げることが出来る。
【0060】
なお、タッチパネル動作において、タッチパネル動作用の電圧が印加されている以外のTx電極にはコモン電圧Vcomが印加される。そして、本発明においては、コモン電圧Vcomを画面の上下から印加することができるので、画面上のコモン電圧Vcomの傾斜を防止することが出来、画面上のコントラストの傾斜を防止することが出来る。
【0061】
また、SW1、SW2、SW3の各N型TFTおよびP型TFTは、その組み合わせ含めて変更することも可能である。例えば、SW1をP型、SW2n−1をP型、SW2n−2をN型、SW3をP型にすることが可能である。その場合、
図11のタイミングチャートの波形は反転となる。
【0062】
以上の説明では、液晶表示装置について本発明を適用する場合を説明した。しかし、例えば、有機EL表示装置についても本発明を適用することが出来る。すなわち、有機EL表示装置においても、パネル中にタッチパネル機能を組み込むことが可能である。例えば、有機EL表示装置においては、カソードは全画素共通に形成されるが、このカソードを分割してタッチパネルの一方の電極とすることが出来る。
【0063】
このような場合も例えば、カソードを分割し、分割されたカソードに対し、カソード電圧とタッチパネル用の電圧を切り替えて使用することが出来る。このような有機EL表示装置において、NFC機能を組み込んだ場合、液晶表示装置の場合と同様なノイズの問題が生ずる。したがって、以上で説明した本発明の構成を有機EL表示装置の場合について適用することによって、誤動作の少ない、NFC機能とタッチパネル機能を有する有機EL表示装置を実現することが出来る。