特許第6952009号(P6952009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6952009
(24)【登録日】2021年9月29日
(45)【発行日】2021年10月20日
(54)【発明の名称】路盤改良工法
(51)【国際特許分類】
   E01C 23/00 20060101AFI20211011BHJP
   E01C 23/12 20060101ALI20211011BHJP
   E01C 19/48 20060101ALI20211011BHJP
【FI】
   E01C23/00 A
   E01C23/12 B
   E01C19/48 A
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-87637(P2018-87637)
(22)【出願日】2018年4月27日
(65)【公開番号】特開2019-190231(P2019-190231A)
(43)【公開日】2019年10月31日
【審査請求日】2020年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002185
【氏名又は名称】大成ロテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】平川 一成
(72)【発明者】
【氏名】湯川 誠二郎
【審査官】 荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−221404(JP,A)
【文献】 特開昭59−228504(JP,A)
【文献】 特開昭60−144402(JP,A)
【文献】 特開2015−017376(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0122235(US,A1)
【文献】 特開2003−301410(JP,A)
【文献】 特開2005−180126(JP,A)
【文献】 実開平04−126910(JP,U)
【文献】 実開昭55−088405(JP,U)
【文献】 実開平02−144009(JP,U)
【文献】 特許第3849124(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 23/00
E01C 23/12
E01C 19/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設路盤を改良する路盤改良工法であって、
前記既設路盤の上に安定材として新規加熱アスファルト混合物を供給する供給工程と、
スクリュースプレッダによって前記新規加熱アスファルト混合物を敷き拡げる敷き拡げ工程と、
前記既設路盤を破砕し、既設路盤材と前記新規加熱アスファルト混合物とを混合する破砕混合工程と、
を含むことを特徴とする路盤改良工法。
【請求項2】
舗装装置を少なくとも含んで機械編成を組み既設路盤を改良する路盤改良工法であって、
前記既設路盤の上に安定材として新規加熱アスファルト混合物を供給する供給工程と、
前記新規加熱アスファルト混合物を敷き拡げる敷き拡げ工程と、
前記既設路盤を破砕し、既設路盤材と前記新規加熱アスファルト混合物とを混合する破砕混合工程と、を含み、
前記舗装装置は、走行可能な車両本体と、前記既設路盤の上に前記新規加熱アスファルト混合物を供給する供給装置と、前記新規加熱アスファルト混合物を敷き拡げる敷き拡げ装置と、前記既設路盤を破砕し、前記既設路盤材と前記新規加熱アスファルト混合物とを混合する牽引式の破砕混合装置と、を備える
ことを特徴とする路盤改良工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路盤改良工法に関する。
【背景技術】
【0002】
既設のアスファルト舗装を破砕し、既設路盤材と安定材とを混合することにより、新たな安定処理路盤を構築する路盤改良工法が知られている(例えば、特許文献1参照)。当該路盤改良工法は、使用する安定材の種類により分類されており、代表的なものとしては、セメント安定処理工法、石灰安定処理工法、アスファルト乳剤安定処理工法、フォームドアスファルト安定処理工法等がある。
【0003】
セメント安定処理工法は、安定材として粉体状のセメントを用い、既設路盤材とセメントとを混合して路盤を改良する工法である。石灰安定処理工法は、安定材として粉体状の石灰を用い、既設路盤材と石灰とを混合して路盤を改良する工法である。アスファルト乳剤安定処理工法は、安定材として液体状のアスファルト乳剤を用い、既設路盤材とアスファルト乳剤とを混合して路盤を改良する工法である。フォームドアスファルト安定処理工法は、安定材として泡状のフォームドアスファルトを用い、既設路盤材とフォームドアスファルトとを混合して路盤を改良する工法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−301410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、セメント安定処理工法及び石灰安定処理工法では、既設路盤材とセメント又は石灰とを混合する過程で六価クロムが溶出するおそれが高く、環境負荷の点で問題がある。また、セメント安定処理工法及び石灰安定処理工法では、乾燥収縮によるクラックが生じやすいという問題がある。また、セメント安定処理工法及び石灰安定処理工法では、施工後に養生を必要とするので、早期の交通開放が困難になるという問題がある。
【0006】
アスファルト乳剤安定処理工法では、アスファルト中に残存する乳化剤や除去しきれなかった水等の影響によって強度が不十分になる場合がある。
フォームドアスファルト安定処理工法では、アスファルトローリーや散水車等が必要になるため、機械編成が大規模になり、早期の交通開放が困難になるという問題がある。その結果、大規模な交通規制が必要になるため、安全対策に費やす労力や経費が増大するという問題がある。
【0007】
本発明は、このような観点から創案されたものであり、環境負荷の低減、改良路盤の強度、改良路盤の撓み性及び早期開放性に優れる路盤改良工法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、既設路盤を改良する路盤改良工法であって、前記既設路盤の上に安定材として新規加熱アスファルト混合物を供給する供給工程と、前記新規加熱アスファルト混合物を敷き拡げる敷き拡げ工程と、前記既設路盤を破砕し、既設路盤材と前記新規加熱アスファルト混合物とを混合する破砕混合工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
かかる工法によれば、安定材として新規加熱アスファルト混合物を用いることで、六価クロムが溶出することは無いため、環境負荷の低減を図ることができる。また、既設路盤材に新規加熱アスファルト混合物を混合することにより、改良路盤の強度を高めることができるとともに、改良路盤の撓み性も向上させることができる。撓み性に優れるため、クラックの発生を抑制することができる。また、安定材として新規加熱アスファルト混合物を用いることで、施工後の養生が不要になり、機械編成も縮小できるため、早期の交通開放が可能になる。
【0010】
また、舗装装置を少なくとも含んで機械編成を組み前記既設路盤を改良する路盤改良工法であって、前記舗装装置は、走行可能な車両本体と、前記既設路盤の上に前記新規加熱アスファルト混合物を供給する供給装置と、前記新規加熱アスファルト混合物を敷き拡げる敷き拡げ装置と、前記既設路盤を破砕し、前記既設路盤材と前記新規加熱アスファルト混合物とを混合する牽引式の破砕混合装置と、を備えることが好ましい。
かかる工法によれば、一台の車両本体に、供給装置、敷き拡げ装置、牽引式の破砕混合装置が搭載される。これにより、敷き拡げ装置によって敷き拡げた新規加熱アスファルト混合物の上を自走式のスタビライザが走行しないため、スタビライザの履帯や車輪等に新規加熱アスファルト混合物が付着することがない。また、一台の車両本体に、敷き拡げ装置と破砕混合装置が搭載されるため、敷き拡げ装置と破砕混合装置との距離を短くして敷き拡げから混合までの時間を短縮することができる。これにより、新規加熱アスファルト混合物の温度低下を抑制して温度が高いうちに新規加熱アスファルト混合物と既設路盤材とを混合できるため、改良路盤の品質を向上させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、環境負荷の低減、改良路盤の強度、改良路盤の撓み性及び早期開放性に優れる路盤改良工法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第一実施形態に係る舗装装置を示す側面図である。
図2A】第一実施形態に係る路盤改良工法の切削工程を示す側面図である。
図2B】第一実施形態に係る路盤改良工法の二次切削工程を示す側面図である。
図2C】第一実施形態に係る路盤改良工法の供給工程、敷き拡げ工程及び破砕混合工程を示す側面図である。
図2D】第一実施形態に係る路盤改良工法の路盤整正工程を示す側面図である。
図2E】第一実施形態に係る路盤改良工法の路盤仕上工程を示す側面図である。
図3A】第二実施形態に係る路盤改良工法の切削工程を示す側面図である。
図3B】第二実施形態に係る路盤改良工法の供給工程、敷き拡げ工程及び破砕混合工程を示す側面図である。
図3C】第二実施形態に係る路盤改良工法の路盤整正工程を示す側面図である。
図3D】第二実施形態に係る路盤改良工法の路盤仕上工程を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、本発明の舗装装置をアスファルトフィニッシャに適用した場合を例にして説明する。なお、説明における「前後」及び「上下」は、車体前後方向及び車体上下方向を基準とし、「左右」は、運転席から見た左右方向(車幅方向)を基準とする。
【0014】
図1に示すように、アスファルトフィニッシャ(舗装装置)Aは、自走式の車両本体1と、ホッパ2と、搬送装置3と、敷き拡げ装置4と、牽引式のスタビライザ5と、を主に備えている。本実施形態では、アスファルトフィニッシャAの車体後方に、スクリード装置に替えてスタビライザ5を搭載している。
【0015】
車両本体1は、本実施形態では履帯式の走行車両を用いているが、タイヤ式の走行車両を用いてもよい。車両本体1は、車体フレーム、左右一対の履帯1a(片側のみ図示)、エンジンルーム1b、運転席1c等を含んで構成されている。履帯1aの前部は、ホッパ2の下方に配置されている。履帯1aの後部は、エンジンルーム1b及び運転席1cの下方に配置されている。
【0016】
ホッパ2は、舗装施工時にダンプトラックから安定材を受け取って収容する部材である。安定材は、新規加熱アスファルト混合物を用いる。ホッパ2は、車両本体1の前部に配置されている。ホッパ2は、エンジンルーム1b及び運転席1cに対して前方に配置されている。
【0017】
搬送装置(供給装置)3は、ホッパ2内の新規加熱アスファルト混合物を後方へ搬送して既設路盤R1の上に供給する装置である。搬送装置3は、左右の履帯1aの間において、ホッパ2の下方位置から後方へ向けて延設されている。搬送装置3の後端部3aは、搬出端を構成し、敷き拡げ装置4よりも前方に位置する。搬送装置3は、新規加熱アスファルト混合物を搬送可能な耐熱性を具備すれば特に制限されないが、例えば、バーフィーダ式コンベアやスクリュー式コンベア等を用いるのが好ましい。
【0018】
敷き拡げ装置4は、既設路盤R1の上に供給された新規加熱アスファルト混合物を車幅方向に敷き拡げるスクリュースプレッダによって構成されている。敷き拡げ装置4は、車両本体1の後部において、履帯1aの後方に配置されている。敷き拡げ装置4は、車幅方向に延びるスクリューを備えている。スクリューは、車幅方向に沿う軸周りに回転自在に配置されている。
【0019】
スタビライザ(破砕混合装置)5は、既設路盤R1を破砕し、既設路盤材と新規加熱アスファルト混合物とを混合する装置である。スタビライザ5は、車両本体1の両側面から後方へ延出するレベリングアーム6(片側のみ図示)に取り付けられており、敷き拡げ装置4のさらに後方に配置されている。スタビライザ5は、車幅方向に延設されている。既設路盤R1の破砕深さを調節する場合には、レベリングアーム6を作動させて、スタビライザ5の高さを調整すればよい。また、破砕混合しないときは、スタビライザ5を上げておくことで、スタビライザ5と路面との接触を防ぐことができる。
【0020】
スタビライザ5は、アスファルトフィニッシャAの走行に伴って移動する牽引式の装置である。スタビライザ5は、本実施形態ではロータドラム式を用いているが、チェーン式等の形態でもよい。スタビライザ5は、左右一対のアーム51(片側のみ図示)と、ロータドラム52と、フード53と、を主に備えている。
【0021】
アーム51は、車両本体1にフード53及びロータドラム52を取り付けるための金属製部材である。アーム51の基端部は、レベリングアーム6に回転可能に連結されている。アーム51の先端部は、フード53及びロータドラム52に連結されている。アーム51は、フード53及びロータドラム52を挟んで左右両側に一つずつ配置されている。アーム51の形状は特に制限されないが、本実施形態では側面視で長円形状を呈する。アーム51は、後方に向かうほど下り傾斜している。
【0022】
ロータドラム52は、車幅方向に延びる回転軸52aと、回転軸52aに回転可能に支持されたロータドラム本体52bと、ロータドラム本体52bの外周面に取り付けられた複数の歯52cと、を備えている。ロータドラム52の回転方向は、履帯1aの回転方向と逆向きに設定されている。
【0023】
回転軸52aは、ロータドラム52の回転中心となる金属製部材であって、円柱状を呈する。回転軸52aの左右の端部は、左右のアーム51に回転自在に軸支されている。回転軸52aは、ロータドラム本体52bの中心を左右に貫通している。図示は省略するが、ロータドラム52を回転させるためのモータ等の駆動手段は、チェーンやベルト等の駆動伝達機構を介して、回転軸52aに接続されている。ロータドラム52の回転に必要な動力は、既存のアスファルトフィニッシャAの残存油圧やスタビライザ5の上部に搭載する別のエンジン等から得ればよい。
【0024】
ロータドラム本体52bは、回転軸52aの回転に伴って回転する金属製部材である。ロータドラム本体52bは、車幅方向に延びる円柱状又は円筒状を呈する。
【0025】
歯52cは、既設路盤R1内に入り込んで当該既設路盤R1を破砕する部材である。歯52cは、既設路盤R1を破砕可能であれば特に制限されないが、例えば、ビットやタイン等によって構成されている。複数の歯52cは、ロータドラム本体52bの周方向かつ幅方向に間隔を空けて並設されている。
【0026】
フード53は、ロータドラム本体52bの上半部を覆う金属製部材であって、下側に開口する略半円筒状を呈する。言い換えると、ロータドラム本体52bの下半部は、フード53の下端開口から露出している。フード53は、ロータドラム本体52bの左右両側を覆う一対の側壁53a(片側のみ図示)を備えており、当該一対の側壁53aには、回転軸52aが左右に貫通している。フード53の側壁53aは、溶接やボルト等によって左右のアーム51に固定されている。スタビライザ5は、駆動手段の駆動力によって回転軸52a及びロータドラム本体52bを回転させながら歯52cによって既設路盤R1を破砕し、ロータドラム本体52bとフード53との間で既設路盤材と新規加熱アスファルト混合物とを混合する。
【0027】
本実施形態に係るアスファルトフィニッシャAは、基本的に以上のように構成されるものである。次に、図2A−2Eを主に参照して、本実施形態に係るアスファルトフィニッシャAを使用して、既設路盤R1を改良する工法について説明する。本実施形態に係る路盤改良工法では、切削工程と、二次切削工程と、供給工程と、敷き拡げ工程と、破砕混合工程と、路盤整正工程と、路盤仕上工程と、を行う。
【0028】
本実施形態では、施工方向前側から、ダンプトラック100、切削機110、ダンプトラック120、切削機130、ダンプトラック140、アスファルトフィニッシャA、モータグレーダ150、振動ローラ160、ダンプトラック170、切削機180の順に機械編成を組んで、既設路盤R1を改良する場合について説明する。なお、施工編成は図示のものに限定されない。
【0029】
図2Aに示す切削工程は、既設アスファルト舗装体の表層部及び基層部を切削する工程である。切削工程では、ダンプトラック100及び切削機110をともに走行させながら、切削機110によって既設アスファルト舗装体の表層部及び基層部を切削する。切削深さは、適宜設定すればよいが、本実施形態では40〜100mmに設定する。切削された既設アスファルト材は、切削機110に付設された搬送装置110aによって前方のダンプトラック100へと搬送される。
【0030】
図2Bに示す二次切削工程は、既設路盤R1の一部(余剰分)を切削する工程である。二次切削工程では、ダンプトラック120及び切削機130をともに走行させながら、切削機130によって既設路盤R1の一部を切削する。切削された既設路盤材は、切削機130に付設された搬送装置130aによって前方のダンプトラック120へと搬送される。なお、二次切削工程は、省いてもよい。
【0031】
図2Cに示す供給工程は、既設路盤R1の上に新規加熱アスファルト混合物を供給する工程である。供給工程では、ダンプトラック140及びアスファルトフィニッシャAをともに走行させながら、ダンプトラック140からホッパ2に投入された新規加熱アスファルト混合物を搬送装置3(図1参照)によって後方へ搬送して、後端部3aから既設路盤R1の上に新規加熱アスファルト混合物を投入する。なお、新規加熱アスファルト混合物の単位面積当たりの供給量は、例えば、搬送装置3の搬送速度やアスファルトフィニッシャAの走行速度等を変更することで調整可能である。
【0032】
図2Cに示す敷き拡げ工程は、新規加熱アスファルト混合物を敷き拡げる工程である。敷き拡げ工程では、ダンプトラック140及びアスファルトフィニッシャAをともに走行させながら、アスファルトフィニッシャAの敷き拡げ装置4によって既設路盤R1の上に供給された新規加熱アスファルト混合物を敷き拡げる。
【0033】
図2Cに示す破砕混合工程は、既設路盤R1を破砕し、既設路盤材と新規加熱アスファルト混合物とを混合する工程である。破砕混合工程では、ダンプトラック140及びアスファルトフィニッシャAをともに走行させながら、アスファルトフィニッシャAのスタビライザ5によって既設路盤R1を破砕し、既設路盤材と新規加熱アスファルト混合物とを混合する。具体的には、破砕混合工程では、図1に示す回転軸52a及びロータドラム本体52bを駆動手段の駆動力によって回転させて、歯52cによって既設路盤R1を破砕する。破砕された既設路盤材は、新規加熱アスファルト混合物とともに巻き上げられてフード53の下端開口の前側からフード53内に取り込まれる。フード53内に取り込まれた既設路盤材と新規加熱アスファルト混合物は、ロータドラム本体52bとフード53との間で混合されながらロータドラム本体52bの回転方向に沿って移動し、フード53の下端開口の後側から下方へと排出される。供給工程と敷き拡げ工程と破砕混合工程は、共通のアスファルトフィニッシャAによって行われる。
【0034】
図2Dに示す路盤整正転圧工程は、既設路盤材及び新規加熱アスファルト混合物を含む改良路盤R2を整正及び転圧する工程である。路盤整正転圧工程では、モータグレーダ150及び振動ローラ160をともに走行させながら、モータグレーダ150によって改良路盤R2を整地するとともに、振動ローラ160によって改良路盤R2を転圧する。
【0035】
図2Eに示す路盤仕上工程は、改良路盤R2の路盤面を切削して仕上げる工程である。路盤仕上工程では、ダンプトラック170及び切削機180をともに走行させながら、切削機180によって改良路盤R2の路盤面を切削する。切削された改良路盤材は、切削機180に付設された搬送装置180aによって前方のダンプトラック170へと搬送される。二次切削工程及び路盤仕上工程における切削深さの合計量と供給工程における新規加熱アスファルト混合物の供給量は、路盤仕上工程後の改良路盤R2の層厚が二次切削工程前の既設路盤R1の層厚と略同じ厚さになるように設定するのが好ましい。
【0036】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0037】
本実施形態によれば、安定材として新規加熱アスファルト混合物を用いることで、六価クロムが溶出することは無いため、環境負荷の低減を図ることができる。また、既設路盤材に新規加熱アスファルト混合物を混合することにより、改良路盤R2の強度を高めることができるとともに、改良路盤R2の撓み性も向上させることができる。撓み性に優れるため、クラックの発生を抑制することができる。また、安定材として新規加熱アスファルト混合物を用いることで、施工後の養生が不要になり、機械編成も縮小できるため、早期の交通開放が可能になる。
【0038】
また、本実施形態によれば、アスファルト混合物の敷き拡げに特化したアスファルトフィニッシャAにスタビライザ5を搭載することで、アスファルトフィニッシャAによって適量の新規加熱アスファルト混合物を供給しながら、スタビライザ5によって適量の新規加熱アスファルト混合物と既設路盤材とを混合することができるため、改良路盤R2の品質を向上させることができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
第一実施形態では、スクリード装置に替えて牽引式のスタビライザ5を既存のアスファルトフィニッシャAに搭載したが、例えば、搬送装置3、敷き拡げ装置4、牽引式のスタビライザ5を搭載した新規の舗装車両を製造して路盤改良に用いてもよい。
【0040】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について説明する。図3A−3Dに示すように、第二実施形態では、アスファルトフィニッシャ190に牽引式のスタビライザ5を搭載せず、自走式のスタビライザ200を用いて路盤改良を行う点が第一実施形態と相違する。第二実施形態では、第一実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0041】
図3Bに示すアスファルトフィニッシャ190は、車両本体190aと、ホッパ190bと、搬送装置(図示略)と、敷き拡げ装置190cと、レベリングアーム190dと、を主に備えている。当該車両本体190a等の構成は、第一実施形態と同様である。本実施形態のレベリングアーム190dには、新規加熱アスファルト混合物を敷き均すスクリード装置190eが取り付けられている。
【0042】
図3Bに示すスタビライザ200は、自走式の車両本体200aと、左右一対のアーム200b(片側のみ図示)と、ロータドラム200cと、フード200dと、を主に備えている。アーム200b、ロータドラム200c及びフード200dの構成は、第一実施形態と同様である。
【0043】
第二実施形態に係る路盤改良工法は、図3Aに示すダンプトラック100及び切削機110による切削工程と、図3Bに示すダンプトラック140及びアスファルトフィニッシャ190による供給工程及び敷き拡げ工程と、スタビライザ200による破砕混合工程と、図3Cに示すモータグレーダ150及び振動ローラ160による路盤整正工程と、図3Dに示すダンプトラック170及び切削機180による路盤仕上工程と、を行うものである。なお、第一実施形態の二次切削工程を行ってもよい。第二実施形態の切削工程、路盤整正工程及び路盤仕上工程は、第一実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0044】
図3Bに示すように、供給工程、敷き拡げ工程及び破砕混合工程では、施工方向前側からダンプトラック140、アスファルトフィニッシャ190、自走式のスタビライザ200の順に機械編成を組んでいる。供給工程、敷き拡げ工程及び破砕混合工程では、ダンプトラック140、アスファルトフィニッシャ190及び自走式のスタビライザ200をともに走行させながら、ダンプトラック140からホッパ190bに投入された新規加熱アスファルト混合物を搬送装置によって後方へ搬送して、搬送装置の後端部から既設路盤R1の上に新規加熱アスファルト混合物を投入する。続いて、アスファルトフィニッシャ190の敷き拡げ装置190cによって既設路盤R1の上に供給された新規加熱アスファルト混合物を敷き拡げた後、自走式のスタビライザ200によって既設路盤R1を破砕して既設路盤材と新規加熱アスファルト混合物とを混合する。
【0045】
以上説明した第二実施形態によっても、第一実施形態と同様に、安定材として新規加熱アスファルト混合物を用いることによる効果を奏することができる。
しかし、第二実施形態の路盤改良工法では、アスファルトフィニッシャ190によって敷き拡げた新規加熱アスファルト混合物の上を後続のスタビライザ200が走行するため、スタビライザ200の履帯や車輪等に新規加熱アスファルト混合物が付着するおそれがある。また、アスファルトフィニッシャ190によって敷き拡げ作業を行った後、後続のスタビライザ200によって混合作業を行うため、敷き拡げから混合までに時間を要する。これにより、外気による新規加熱アスファルト混合物の温度低下を招いてしまい、温度低下した新規加熱アスファルト混合物と既設路盤材とを混合するため改良路盤R2の品質が低下するおそれがある。この点、第一実施形態によれば、図1に示すように、一台の車両本体1に、搬送装置3、敷き拡げ装置4、牽引式のスタビライザ5が搭載される。これにより、敷き拡げ装置4によって敷き拡げた新規加熱アスファルト混合物の上を自走式のスタビライザが走行しないため、スタビライザの履帯や車輪等に新規加熱アスファルト混合物が付着することがない。また、一台の車両本体1に、敷き拡げ装置4とスタビライザ5が搭載されるため、第二実施形態の路盤改良工法に比べ、敷き拡げ装置4とスタビライザ5との距離を短くして敷き拡げから混合までの時間を短縮することができる。これにより、新規加熱アスファルト混合物の温度低下を抑制して温度が高いうちに新規加熱アスファルト混合物と既設路盤材とを混合できるため、改良路盤R2の品質を向上させることができる。
【0046】
また、第一実施形態によれば、アスファルトフィニッシャAに牽引式のスタビライザ5を搭載することで、一台の舗装車両が供給機能と敷き拡げ機能と破砕混合機能とを兼ねるため、第二実施形態のようにアスファルトフィニッシャ190とスタビライザ200とに分けて二台の舗装車両を用いる場合に比べ、舗装車両を一台分減らし、機械編成を簡素化することができる。これにより、施工時の安全対策に費やす労力や経費を軽減することができるとともに、施工期間も大幅に短縮することができる。
【符号の説明】
【0047】
A アスファルトフィニッシャ(舗装装置)
1 車両本体
2 ホッパ
3 搬送装置(供給装置)
4 敷き拡げ装置
5 スタビライザ(破砕混合装置)
R1 既設路盤
R2 改良路盤
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D