(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
なお、以下に示す各実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。以下の実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
【0023】
〔オフセット輪転機〕
本実施形態にかかるオフセット輪転機は、所謂、商業用オフセット輪転機であり、
図1及び
図2に示すように、ウェブの搬送方向上流側から、給紙部1、インフィード部2、印刷部3、乾燥部4、冷却部5、ウェブパス部6、及び縦折り装置7、断裁装置8、排紙装置9からなる下流側処理装置10を備えている。
【0024】
給紙部1は、ロール状の巻取紙11A,11Bが装着されるリールスタンド(図示略)を備えており、印刷稼働中に新,旧巻取紙を互いに接続して連続的に原紙ウェブ11(以下、単に「ウェブ」とも言う)を給送する。
図1中では、巻取紙11Bは使用中のものであり、巻取紙11Aは次の使用のために準備されたものである。ここでは、ウェブ11は、B4サイズの長辺幅の2倍幅のものが使用されている。
【0025】
インフィード部2は、巻取紙11A,11Bの何れかから連続的にウェブ11をインフィードローラによって引き出して、下流側の印刷部3に給送するとともに、下流側におけるウェブ11のテンション状態をコントロールする。
【0026】
印刷部3には、インキ色の異なる複数組の印刷装置31a〜31dがウェブ走行方向に沿って並設され、この印刷部3では、ウェブ11を各印刷装置31a〜31dへ順次通紙させることによって多色印刷(例えば、シアン、イエロー、マゼンタ及びブラックの4色印刷)ができるようになっている。
【0027】
印刷部3において印刷を終えたウェブ11は、次工程の乾燥部4で加熱乾燥された後、冷却部5にて冷却されウェブパス部6へ搬送される。
【0028】
ウェブパス部6には、ウェブ11を幅方向に2分して、例えば、B4サイズの長辺幅を有する2本のウェブ、すなわち、一枚ウェブ12a(第1ウェブ)及び一枚ウェブ12b(第2ウェブ)を形成する図示しないスリッタ装置が装備されている。
図1では、ウェブパス部6の下流側には1本のウェブのみを示しているが、これは一枚ウェブ12a及び一枚ウェブ12bの一方であり、一枚ウェブ12a及び一枚ウェブ12bの他方は図示していない。
【0029】
なお、一枚ウェブ12a及び一枚ウェブ12bは、ウェブパス部6の下流側で下流側処理装置10によって並列に処理できるように構成されている。したがって、下流側処理装置10には、一枚ウェブ12aを処理する第1処理部及び一枚ウェブ12bを処理する第2処理部で並列に備えられる。ただし、
図1では、一方の処理部に着目して下流側処理装置10を示している。
【0030】
また、ウェブパス部6には、それぞれの一枚ウェブ12a,12bについて、縦折り装置7に通過させる第1ウェブパスルートR1と、縦折り装置7に通過させない第2ウェブパスルートR2とが備えられる。R2については二点鎖線で示す。
第1ウェブパスルートR1を選択設定された場合には、一枚ウェブ12a,12bは縦折り装置7において縦折りされて二重ウェブ13a,13bの状態で断裁装置8に搬送される。なお、縦折り装置7は複数(例えば2台、
図1では1台のみ図示)備えられる。
第2ウェブパスルートR2を選択設定された場合には、一枚ウェブ12a,12bは縦折りされずに一枚ウェブのままで断裁装置8に搬送される。
【0031】
したがって、例えば一枚ウェブ12aの方は第1ウェブパスルートR1を通過させ、一枚ウェブ12bの方は第2ウェブパスルートR2を通過させた場合は、
図1及び
図3(a)に示すように、一枚ウェブ12aは2台の縦折り装置7のいずれかによって二重ウェブ13aに形成された後、下流側処理装置10によって折り丁15aに形成され、また、一枚ウェブ12bは下流側処理装置10によってペラ丁14bに形成されて、それぞれ排出される。
【0032】
また、例えば一枚ウェブ12a,12b共に第1ウェブパスルートR1を通過させた場合は、
図1及び
図3(b)に示すように、一枚ウェブ12a,12bは2台の縦折り装置7によって二重ウェブ13a,13bに形成された後、下流側処理装置10によって、それぞれ折り丁15a,15bに形成されて排出される。
【0033】
断裁装置8は、二重ウェブ13a,13b又は一枚ウェブ12a,12bを所定の長さに断裁する。
排紙装置9は、二重ウェブ13a,13bが断裁装置8によって断裁されて形成された折り丁15a,15b、又は、一枚ウェブ12a,12bが断裁装置8によって断裁されて形成されたペラ丁14a,14bを、一定のピッチで瓦状に積み重ねた状態で排出する。
以下、縦折り装置7、断裁装置8及び排紙装置9からなる下流側処理装置10についてさらに説明する。なお、特段の区別が必要な場合を除き、一枚ウェブ12a,12bを一枚ウェブ12、二重ウェブ13a,13bを二重ウェブ13として説明する。
【0034】
〔縦折り装置〕
図1に示すように、縦折り装置7は、一枚ウェブ12の進入口にガイドローラ71を備える。ガイドローラ71は、上流側から送られた一枚ウェブ12の搬送方向を鉛直下方向に変更する。ガイドローラ71の下流側には、三角板72が備えられる。三角板72は、その底辺部を一枚ウェブ12の搬送方向上流のガイドローラ71に向け、その頂点部を一枚ウェブ12の搬送方向の下流に向けて配置される。三角板72の頂点部の下流には、ガイドローラ71の軸方向に直角方向に配置されたフォーミングローラ73が備えられる。
【0035】
一枚ウェブ12は、ガイドローラ71にて搬送方向を鉛直下方向に変更された後に三角板72に進入し、そして、三角板72に沿って鉛直下方向に搬送される過程で、三角板72の頂点部に接する箇所を折り目として縦折りされる。これにより、一枚ウェブ12を1/2幅に縦折りした二重ウェブ13が形成される。
【0036】
ここで、縦折り装置7の詳細な構成例について説明する。
図4(a),(b)に示すように、縦折り装置7は、三角板72に進入する一枚ウェブ12の折り目が形成される箇所に液体を供給するソフトニング装置170を備える。ソフトニング装置170は、ノズル171と支持部172とからなる。ノズル171は、例えば水等の液体を先端から噴射するもので、一枚ウェブ12を縦折りする際、折り目に発生する割れを防止するものである。液体は図示しない供給源から供給される。
【0037】
支持部172は、三角板72のベース部72aに取り付けられており、三角板72の底辺部よりも幅広に形成される。支持部172の両端部には鉛直上方向に延びる一対の腕部173が備えられる。ここでは、
図4(b)に示すように、各腕部173の上端はガイドローラ71よりも高い位置で折れ曲がり、一枚ウェブ12の搬送方向の上流側へ延びている。
【0038】
一対の腕部173の先端の間には、一枚ウェブ12の幅方向と略平行に配置されたノズル支持軸174が備えられる。ノズル支持軸174には取付け部175を介してノズル171が支持されている。取付け部175は、ノズル支持軸174に対してその軸方向に移動可能に取り付けられており、ノズル171の幅方向の位置は、ノズル支持軸174の軸に沿って移動させ微調整が可能になっている。これにより、ノズル171の軸方向の位置を、ノズル171の先端が一枚ウェブ12の折り目が形成される箇所(符号16で示す想像線の箇所)に位置するように精度よく位置決めすることができる。
【0039】
また、
図4(b)に示すように、ガイドローラ71の上流側における一枚ウェブ12の傾斜角に合わせて、ノズル支持軸174に対するノズル171の取り付け角度が調整されており、一枚ウェブ12の表面に対して略垂直向きに、液体が噴射されるようになっている。
【0040】
このように三角板72に対して相対位置を微調整されたノズル171は三角板72と一体に移動可能に支持される。したがって、三角板72が処理する一枚ウェブ12のサイズに応じて幅方向等に移動した場合にも、ノズル171の先端が一枚ウェブ12の折り目が形成される箇所に正確に位置することになり、三角板72の移動に対して別途ノズル171を移動させることが不要となり、装置を簡素化し製造コストを低減できる。
【0041】
〔下流側ガイドローラ〕
図2に示すように、縦折り装置7と断裁装置8との間には、下流側ガイドローラ101,102と、ニッピングローラ110とが設けられている。なお、ガイドローラは、ウェブ11、一枚ウェブ12及び二重ウェブ13の搬送ルートを案内するローラであり、図示しないが縦折り装置7の上流側にも装備されている。ここでは、縦折り装置7の上流側のガイドローラを上流側ガイドローラと呼び、縦折り装置7の下流側のガイドローラ101,102を下流側ガイドローラと呼び区別する。また、下流側ガイドローラ101,102のうち、上流側に配置されたものを第1下流側ガイドローラ101、下流側に配置されたものを第2下流側ガイドローラ102とする。これらの下流側ガイドローラ101,102は、それぞれ円柱状に形成され、その軸方向を二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の幅方向と平行に配置されている。
【0042】
第1下流側ガイドローラ101は、フォーミングローラ73を経由して鉛直下方で斜め上流方向に傾斜した方向に搬送されてきた二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の搬送方向を鉛直下方向に変更する。第2下流側ガイドローラ102は、二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の搬送方向を鉛直下方向にから水平方向に変更する。なお、ここで言う「鉛直下方向」は厳密に鉛直線の下方を指すものではなく多少傾斜した方向も含むものとする。同様に、ここで言う「水平方向」は厳密な水平を指すものではなく多少傾斜した方向も含むものとする。
これら下流側ガイドローラ101,102により、縦折り装置7と断裁装置8の間の二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の搬送経路を変更して水平方向に向けて下流側の断裁装置8に送り出すが、これは、断裁装置8において断裁される二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の搬送方向に合わせるようにしたものである。
【0043】
新聞オフセット輪転機のような大型の輪転印刷機では、ウェブを鉛直下方向に搬送しながら折り機によって断裁及び横折りを行うが、商業用オフセット輪転機における小型の断裁装置ではウェブを水平方向に向けて搬送しながら断裁を行う。
このため、下流側処理装置10では、下流側ガイドローラ101,102によって二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の進行方向を水平方向に変更している。特に、第2下流側ガイドローラ102は、二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の進行方向を、鉛直下方向から水平方向に略90度変更している。このように二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の進行方向が急角度で変更する搬送経路は、小型の断裁装置8に特有の構成である。
【0044】
ところで、一般に、ガイドローラは、ウェブが巻き付く外径が小さいほど、また、ガイドローラでウェブの進行方向が大きく変更されるほど、また、ウェブが折れ曲がり難いほど、ウェブの変形や損傷を招きやすい。したがって、ウェブの変形や損傷を防止するには、ガイドローラの外径を大きくすればよいが、この場合、外径を大きくするほど装置が大型化し、重量増やコスト増を招く。そこで、ガイドローラの外径は、ウェブの変形や損傷を招き難い必要最小限の大きさに設定することが好ましい。
【0045】
二重ウェブ13は、縦折りされた箇所の剛性が高まるので、一枚ウェブ12に比べて折れ曲がり難く、かかる急角度で方向変更する搬送経路を通過する際、下流側ガイドローラ101,102に沿って折れ曲がることによって、縦折り箇所が変形して、折り目の付近に皺が発生しやすい。
そこで、下流側処理装置10では、下流側ガイドローラ101,102の外径を上流側ガイドローラの基準外径よりも大きく設定している。これにより、縦折りされた二重ウェブ13であっても、折り目箇所に皺が生じることを防止することができるようにしている。特に搬送経路が略90度曲がる第2下流側ガイドローラ102においても、皺の発生防止効果が得られるように外径を大きく設定している。
【0046】
なお、上流側ガイドローラの基準外径とは、主要な上流側ガイドローラの外径である。上流側ガイドローラは、縦折り箇所のように剛性の高い箇所のない一枚ウェブ12を処理するため、上流側ガイドローラの必要最小限の外径の大きさは下流側ガイドローラ101,102よりも当然ながら小さい。そこで、上流側ガイドローラの基準外径をこの必要最小限の大きさの外径に設定している。ただし、上流側ガイドローラの一部に基準外径以外(基準外径よりも大きい)の外径のものがあっても構わない。
第1下流側ガイドローラ101及び第2下流側ガイドローラ102の外径は、好ましくは、上流側ガイドローラの基準外径よりも1.2倍以上で且つ3倍以下の大きさに設定される。例えば、上流側ガイドローラの基準外径が70mmとすると、下流側ガイドローラ101,102の外径は123mmに設定することができる。
【0047】
〔ニッピングローラ〕
図2に示すように、ニッピングローラ110は、第1下流側ガイドローラ101と第2下流側ガイドローラ102の間に配設されており、二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の両面にそれぞれ接触するローラ対からなる。ニッピングローラ110は、第1下流側ガイドローラ101を経由して搬送された二重ウェブ13又は一枚ウェブ12をローラ対で挟持し、二重ウェブ13又は一枚ウェブ12に張力を付与して、下流側に供給する機能を有する。
ここで、ニッピングローラ110の構成例について詳細に説明する。
図5には、第1処理部の第1ニッピングローラ110aと、第2処理部の第2ニッピングローラ110bとが描かれている。第1ニッピングローラ110aと第2処理部の第2ニッピングローラ110bとは、二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の幅方向に並列して配置されている。
図5において、駆動ローラ111と2つの従動ローラ112a,113aとからなるローラ対が第1ニッピングローラ110aを構成し、また、駆動ローラ111と2つの従動ローラ112b,113bからなるローラ対が第2ニッピングローラ110bを構成する。つまり、第1ニッピングローラ110aと第2ニッピングローラ110bとで、1つの駆動ローラ111を供用している。
【0048】
図5に示すように、例えば第1ニッピングローラ110aには、二重ウェブ13a(ここでは、第1ウェブ)が供給されており、駆動ローラ111と2つの従動ローラ112a,113aとにより二重ウェブ13aが挟持される。従動ローラ112a,113aは、二重ウェブ13aの幅方向両縁に位置するように配置される。すなわち、一方の従動ローラ(例えば112a)が二重ウェブ13aの折り目のない開放側に位置し、他方の従動ローラ(例えば113a)が二重ウェブ13aの折り目側に位置する。
【0049】
一方、第2ニッピングローラ110bには一枚ウェブ12b(ここでは、第2ウェブ)が供給されており、駆動ローラ111と2つの従動ローラ112b,113bとにより一枚ウェブ12bが挟持される。この場合、従動ローラ112b,113bは、従動ローラ112a,113aよりも幅方向の相互間隔を離隔し、一枚ウェブ12bの幅方向両縁に位置するように配置される。
【0050】
すなわち、従動ローラ112a,113a,112b,113bは、その幅方向の配置(幅方向の相互間隔)を、二重ウェブ用の配置と、一枚ウェブ用の配置とで切り替え可能に構成される。例えば、第1ニッピングローラ110aにおいて、一枚ウェブを処理する場合には、
図5において二点鎖線で示すように、従動ローラ112aの幅方向の位置を移動し、一枚ウェブ用の配置に切り替える。
【0051】
図6(a),(b)を参照して、ニッピングローラ110の詳細な構成例を説明する。なお、第1ニッピングローラ110aと第2ニッピングローラ110bは同様の構成のため、第1ニッピングローラ110aを例に説明する。
駆動ローラ111は、図示しないフレームに回転可能に取り付けられており、一端に接続された図示しない駆動装置により、回転駆動される。
従動ローラ112a,113aは、それぞれ、支持シャフト114に取り付けられた支持部115を介して支持されており、且つ、各従動ローラ112a,113aの外周が駆動ローラ111の外周に当接するように配置される。
なお、支持部115の構成は、従動ローラ112a及び113aで共通であるため、各支持部115の対応する構成要素には共通の符号を付与した。
【0052】
支持シャフト114は、駆動ローラ111に対して平行に配置されている。支持部115は、その一端にて、支持シャフト114に取り付けられている。支持部115の他方の端は、支持シャフト114から駆動ローラ111に向かって延び、搖動軸117を介して搖動可能な軸受部116を備える。この軸受部116に、枢軸118を介して従動ローラ112a,113aが回転可能に取り付けられている。
【0053】
支持部115は、図示しない移動装置により、支持シャフト114に対して軸方向、すなわち、二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の幅方向に移動可能に構成されている。支持部115を幅方向に移動することで、駆動ローラ111に対する従動ローラ112a,113aの幅方向の位置を変更することができる。これにより、前述の通り、従動ローラ112a,113aの幅方向の配置を、二重ウェブ用の配置と一枚ウェブ用の配置とで切り替えることができる。
【0054】
また、
図6(b)に示すように、支持部115にはエアシリンダー120が備わり、エアシリンダー120はピストンロッド121の先端が軸受部116に当接するように配置されている。エアシリンダー120の伸縮に応じてピストンロッド121が前進又は後退すると、軸受部116が搖動軸117を中心に搖動しながら、各従動ローラ112a,113aが駆動ローラ111に対して接近又は離隔する。したがって、エアシリンダー120の伸縮により、各従動ローラ112a,113aの駆動ローラ111への押圧力、すなわち、処理対象のウェブの状態(二重ウェブ13であるか一枚ウェブ12であるか)に応じてニップ圧を調整することができる。この下流側処理装置10では、各従動ローラ112a,113aに対応するエアシリンダー120は、それぞれ対応する従動ローラ112a,113a毎に個別にニップ圧を調整するニップ圧調整装置を構成する。したがって、二重ウェブ13を処理する場合、各従動ローラ112a,113aに対応するエアシリンダー120は、二重ウェブ13の折り目側と二重ウェブ13の開放側とで、個別にニップ圧を調整可能である。
【0055】
図7は、ニップ圧制御系を示す空気圧回路図である。
図7において、従動ローラ112aに対応するエアシリンダーを符号120aで示し、従動ローラ113aに対応するエアシリンダーを符号120bで示す。空気圧回路は、空気の給排を切り替える1つの電磁式切替弁130と、エアシリンダー120a,120bそれぞれに対して個別に圧力調整できる圧力調整弁131a,131bと、エアシリンダー120a,120bそれぞれに対応して駆動ローラ111に対する従動ローラ112a,113aの着脱動作を緩やかにさせるスピードコントローラ132とからなり、電磁弁130を介して供給される圧縮空気を圧力調整弁131a,131bでそれぞれ調圧することにより、各エアシリンダー120a,120bのピストンロッド121の押圧力を、エアシリンダー120a,120b毎に個別に制御できる。
【0056】
〔断裁装置〕
図2に示すように、断裁装置8は、2つの鋸刃83を有する鋸胴81と、受胴82とを有している。鋸胴81と受胴82とは、二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の搬送経路を挟んで対向して配設されており、鉛直方向の上方側に鋸胴81が配設され、下方側に受胴82が配設される。
鋸胴81は、図示しない駆動装置に接続されており、この駆動装置の駆動により図示しない回転軸を中心に回転駆動される。2つの鋸刃83は、鋸胴81の外周面の回転方向に180°位相をずらせた位置にそれぞれ配設される。また、各鋸刃83は、その先端部を鋸胴81の外周面から突出させた状態で、鋸胴81の軸方向に沿って延びるように配設される。
【0057】
受胴82も、図示しない駆動装置に接続されており、この駆動装置の駆動により図示しない回転軸を中心に回転駆動される。受胴82には、鋸胴81の2つの鋸刃83の回転位相に対応する位置に、ゴム等の弾性体で構成された鋸刃受け84が配設されており、鋸刃83による二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の切断時に、その外表面を弾性変形させながら、二重ウェブ13又は一枚ウェブ12に反力を付与して、二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の厚み方向への鋸刃83の進入を促進する。これにより、鋸胴81と受胴82は、一定周期毎に、二重ウェブ13又は一枚ウェブ12を所定の長さに断裁し、所定の長さの折り丁15又はペラ丁14を形成する。
【0058】
〔排紙装置〕
図2に示すように、排紙装置9は、断裁装置8の下流に設けられた第1搬送コンベア91と、第1搬送コンベア91の下流に設けられ第1搬送コンベア91よりも搬送速度が遅い第2搬送コンベア94とを備える。
第1搬送コンベア91は、折り丁15及び/又はペラ丁14の搬送経路を挟んで上方に配設された上側高速搬送ベルト部92と、搬送経路を挟んで下方に上側高速搬送ベルト部92に対向するように配設された下側高速搬送ベルト部93とからなる。
【0059】
上側高速搬送ベルト部92は、複数(例えば4つ)のプーリ92a〜92dと、これらプーリ92a〜92dに掛け渡された無端ベルト92Aからなる。各プーリ92a〜92dは、その軸方向が二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の幅方向と同方向となるように配設される。また、下側高速搬送ベルト部93も、複数(例えば4つ)のプーリ93a〜93dと、これらプーリ93a〜93dに掛け渡された無端ベルト93Aからなる。各プーリ93a〜93dは、その軸方向が二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の幅方向と同方向となるように配設される。ここで、上側高速搬送ベルト部92の無端ベルト92Aと下側高速搬送ベルト部93の無端ベルト93Aとは、搬送経路を挟んで互いに接するように配設されている。
【0060】
第1搬送コンベア91においては、上側高速搬送ベルト部92のプーリ92a〜92dのいずれか1つと下側高速搬送ベルト部93のプーリ93a〜93dの何れか1つが、それぞれ図示しない駆動モータに接続され、この駆動モータによって、上側高速搬送ベルト部92と下側高速搬送ベルト部93がそれぞれ駆動される。上側高速搬送ベルト部92と下側高速搬送ベルト部93は、等速で駆動される。
【0061】
第2搬送コンベア94は、複数(例えば3つ)のプーリ94a〜94cと、これらプーリ94a〜94cに掛け渡された無端の平ベルト94Aからなる。各プーリ94a〜94cは、その軸方向が二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の幅方向と同方向となるように配設される。第2搬送コンベア94の下流には、排紙コンベア95が配設されている。
【0062】
第2搬送コンベア94は、プーリ94a〜94cのいずれか1つが図示しない駆動モータに接続され、この駆動モータによって駆動される。第2搬送コンベア94は、通常運転時には、第1搬送コンベア91に比べて低速で駆動される。
第2搬送コンベア94が第1搬送コンベア91に比べて低速で駆動されているので、第1搬送コンベア91から搬送された各折り丁15又は各ペラ丁14は、第2搬送コンベア94上に一定のピッチで瓦状に積み重なる。こうして、一定のピッチで瓦状に積み重ねられた折り丁15又はペラ丁14が、第2搬送コンベア94から排紙コンベア95に受け渡され、排紙コンベア95に載って排紙される。
【0063】
図2に示すように、下側高速搬送ベルト部93と第2搬送コンベア94の間、すなわち、第2搬送コンベア94の上流の上方には、ブラシローラ96が設けられている。ブラシローラ96は、第1搬送コンベア91から搬送コンベア94に折り丁15又はペラ丁14を受け渡す際に、比較的高速で搬送されてきた折り丁15又はペラ丁14を第2搬送コンベア94の平ベルト94A上に落とすとともに、第2搬送コンベア94の平ベルト94Aに折り丁15又はペラ丁14を押し当てることで、折り丁15又はペラ丁14の搬送速度を減少させる機能を果たす。
【0064】
ここで、排紙装置9の詳細構成例について説明する。
図8は、排紙装置9のブラシローラ96付近を拡大して示す模式図である。
ブラシローラ96は、搬送コンベア94の最上流側(プーリ94a近傍)の上方に配置さており、折り丁15又はペラ丁14の搬送経路の幅方向に延びるように配置されたローラ軸900と、このローラ軸900に取り付けられたブラシ910とからなる。ブラシ910は、ローラ軸900を挟んで180度対向した2箇所から毛先が突出するように構成される。ブラシローラ96には、ローラ軸900に沿って並んだ複数(例えば6つ)のブラシ910が備えられる。
【0065】
ブラシローラ96は、図示しない駆動装置により6つのブラシ910を
図8中で時計回りに回転させるように構成されている。また、ブラシローラ96の周速、即ち、ブラシ910の先端部分の周速は、第2搬送コンベア94の搬送面(平ベルト94A)の移動速度と等速か略等速に設定されている。なお、
図8において、下側高速搬送ベルト部93のプーリ93cと第2搬送コンベアのプーリ94aは
図8中で反時計回りに回転し、折り丁15又はペラ丁14は
図8中で右から左へ搬送されるものとする。
【0066】
図8に示すように、第2搬送コンベア94の搬送面(平ベルト94A)は、第1搬送コンベア91の下側高速搬送ベルト部93の搬送面よりも低い位置に配設される。断裁装置8により形成された各折り丁15又は各ペラ丁14は、順次、上側高速搬送ベルト部92の無端ベルト92Aと下側高速搬送ベルト部93の無端ベルト93Aとの間に挟持された状態で下流へ搬送され、下流に位置する第2搬送コンベア94に落下する。このとき、第2搬送コンベア94の入口にて、ブラシローラ96のブラシ910が時計回りに回転しているので、回転するブラシ910の先端が折り丁15又はペラ丁14に押し当てられ、第1搬送コンベア91により高速で搬送される折り丁15又はペラ丁14の搬送速度が減少するとともに、第1搬送コンベア91から第2搬送コンベア94の搬送面(平ベルト94A)上に、折り丁15又はペラ丁14を確実に落とすことができる。
【0067】
この下流側処理装置10では、ブラシローラ96は、処理対象の折り丁15又はペラ丁14に応じて、複数のブラシ910の配置を、
図9(a)に示すペラ丁用ブラシ配置と
図9(b)に示す折り丁用のブラシ配置とに、切り替え可能に構成される。
ここでは、個々のブラシ910はローラ軸900に沿って移動可能に装備されており、ペラ丁用ブラシ配置と折り丁用のブラシ配置との切り替えは、個々のブラシ910をローラ軸900に沿って移動することにより行われる。
図9(a)に示すペラ丁用ブラシ配置においては、6つのブラシ910は、B4サイズの長辺幅内に、比較的間隔を大きくして並べて配置される。なお、ここでは、6つのブラシ910を略等間隔で配置しているが、必ずしも等間隔である必要はない。
【0068】
これに対して、
図9(b)に示す折り丁用ブラシ配置においては、6つのブラシ910は、B5サイズの短辺幅内に、比較的間隔を小さくして並べて配置される。したがって、折り丁用ブラシ配置では、6つのブラシ910は、ペラ丁用ブラシ配置に比べて相互間隔を狭めて高密度に配置されることになる。
図9(b)に示す例でも、6つのブラシ910を略等間隔で配置しているが、必ずしも等間隔である必要はない。
【0069】
このように、折り丁用ブラシ配置では、ペラ丁用ブラシ配置に比べてブラシ910を高密度に配置するのは、折り丁15を確実に減速するためである。つまり、折り丁15はペラ丁14に比べて幅は1/2に小さくなるものの重量自体は等しいため、折り丁15を減速する際にブラシローラ96に折り丁15から加わる反力と、ペラ丁14を減速する際にブラシローラ96にペラ丁14から加わる反力とは等しくなる。したがって、ペラ丁用ブラシ配置をそのまま折り丁用ブラシ配置に用いると、ブラシ910の一部しか折り丁15の減速に寄与しなくなり、折り丁15を十分に減速できなくなる。そこで、折り丁用ブラシ配置では、ブラシ910を高密度に配置することで、ペラ丁14と等しいかほぼ等しい数のブラシ910を用いて折り丁15を減速するようにしているのである。
【0070】
別の一例として、個々のブラシ910は折り丁15又はペラ丁14の搬送経路に対して離接可能に装備される。すなわち、個々のブラシ910は折り丁15又はペラ丁14の搬送経路に対して上下方向位置を変更可能である。この場合、6つのブラシ910は、
図9(a)に示すようにB4サイズの長辺幅内に、略等間隔で並べて配置されており、ペラ丁用ブラシ配置においては、6つのブラシ910の全てを搬送経路に接する位置(下方の位置)に設定する。一方、折り丁用のブラシ配置においては、B5サイズの短辺幅に対応する一部のブラシ910(例えば
図9(a)において左端から3つのブラシ910)のみを搬送経路に接する位置(下方の位置)に設定し、その他のブラシ910を搬送経路から離れる位置(上方の位置)に退避させる。
【0071】
〔作用及び効果〕
上記の実施形態によれば、下流側ガイドローラ101,102の外径を、縦折り装置7よりも上流でウェブ11又は一枚ウェブ12の搬送を案内する上流側ガイドローラの基準外径よりも大きく設定することにより、二重ウェブ13の搬送工程で、縦折りした箇所の近傍に皺が発生することを抑制できる。
【0072】
また、ニッピングローラ110が、従動ローラ112、113毎に設けたエアシリンダー120により、二重ウェブ13の折り目側と二重ウェブ13の開放側とで、個別にニップ圧を調整可能に構成されているので、二重ウェブ13の搬送工程において、ニップ圧の過不足によって、縦折りした箇所の近傍に皺が発生するのを抑制できる。
【0073】
縦折り装置7にソフトニング装置170を備えることで、一枚ウェブ12を縦折りする工程において、折り目に発生する割れを防止することができる。
【0074】
また、ソフトニング装置170を、ノズル171が三角板72と一体移動可能に支持されるように構成することにより、ノズル171を移動させる装置が不要となるため製造コストを低減でき、且つ、縦折り位置を適切にソフトニングできる。
【0075】
また、ウェブパス部6において、一枚ウェブ12を縦折り装置7に通過させる第1ウェブパスルートR1と、一枚ウェブ12を縦折り装置7に通過させない第2ウェブパスルートR2とを備えることで、下流側処理装置10は、折り丁15とペラ丁14とを選択的に形成できる。
【0076】
また、ニッピングローラ110は、軸方向に移動可能な従動ローラ112a,113a,112b,113bを備えており、従動ローラ112a,113a,112b,113bの軸方向の移動により、二重ウェブ用の配置と、一枚ウェブ用の配置とで切り替え可能に構成されるので、二重ウェブ13及び一枚ウェブ12のいずれも適切にニッピングできる。
【0077】
また、排紙装置7が、断裁装置8から搬送される折り丁15又はペラ丁14の搬送速度を減速するブラシローラ96を備えており、ブラシローラ96が、前記折り丁を処理する折り丁用ブラシ配置と、前記ペラ丁を処理するペラ丁用ブラシ配置とに、切替可能であるため、折り丁15及びペラ丁14のいずれも適切に減速させることができる。
【0078】
また、下流側処理装置10が、上流に、処理対象のウェブの2倍幅の原紙ウェブ11を印刷後に幅方向に二分して、第1ウェブ12a及び第2ウェブ12bを形成するスリッタ装置を備えることで、形成した第1ウェブ12a及び第2ウェブ12bを並列に処理できる。また、縦折り装置7、断裁装置8及び排紙装置9がそれぞれ、第1ウェブ12aを処理する第1処理部を構成する第1縦折り装置7a、第1断裁装置8a、及び第1排紙装置9aと、第2ウェブ12bを処理する第2処理部を構成する第2縦折り装置7b、第2断裁装置8b、及び第2排紙装置9bとを備えることで、折り丁15及びペラ丁14を選択的に形成可能となる。これにより、例えばB4サイズのペラ丁及びB5サイズの折り丁を並列的に製造することが可能となる。
【0079】
〔その他〕
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲でかかる実施形態を適宜変形して実施することができる。
【0080】
〔変形例1〕
図10は断裁装置8の変形例を示す。断裁装置8は、鋸胴81及び受胴82の上流(断裁装置8の入口)に、処理対象の二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の下面を案内するガイド板85を備えており、このガイド板85に空気吹き出し口86が設けられている。空気吹き出し口86には図示しない空気供給源から圧縮空気が供給され、空気吹き出し口86は、上部を通過する二重ウェブ13又は一枚ウェブ12に向けて供給された圧縮空気を吹き出す。また、鋸胴81及び受胴82の下流(断裁装置8の出口)のガイド板87には、空気吸引孔88が設けられており、空気吸引孔88により空気を下方に吸引する。空気吹き出し口86から吹き出された圧縮空気と空気吸引孔88の吸引により、処理対象の二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の下面に薄い空気層を形成し、二重ウェブ13又は一枚ウェブ12の搬送を安定させることができる。
【0081】
〔変形例2〕
ブラシローラ96の変形例として、
図11に示すように、ブラシローラ96のブラシ920を、先端側(回転方向前側)の毛足が後端側の毛足より短くなるようにしてもよい。これにより、ブラシ910の先端の、折り丁15又はペラ丁14を抑える押圧面921が、毛足の延びる方向に対して直角ではなく傾斜する。この構成により、折り丁15又はペラ丁14にブラシ920の毛先が広範囲に接触して減速力を加えるので、折り丁15やペラ丁14に圧痕を発生させることなく、効果的に減速することが可能となる。
【0082】
また、別の例として、ニッピングローラ110は、二重ウェブ13を処理する二重ウェブ用の従動ローラと、一枚ウェブを処理する一枚ウェブ用の従動ローラとが交換可能に備えられていてもよい。この場合、二重ウェブ13を処理する場合は、二重ウェブ用の従動ローラを装着し、一枚ウェブ12を処理する場合は一枚ウェブ用の従動ローラに交換すればよい。ローラを交換するだけで、二重ウェブ13及び一枚ウェブ12のいずれも適切にニッピングできる。なお、例えば、二重ウェブ用の従動ローラの外表面の硬度は、一枚ウェブ用の従動ローラの外表面の硬度よりも高く構成される。
【0083】
また、別の例として、ブラシローラ96は、折り丁15を処理する折り丁用ブラシと、ペラ丁14を処理するペラ丁用ブラシとが、交換可能に備えられていてもよい。この場合、折り丁15を処理する場合は、折り丁用ブラシを装着し、ペラ丁14を処理する場合はペラ丁用ブラシに交換すればよい。ブラシを交換するだけで、折り丁15及びペラ丁14のいずれも適切に減速できる。なお、折り丁用ブラシは、例えば、ペラ丁用ブラシと比較して、ブラシの毛が固い、ブラシの毛の密度が高い、及び、幅方向に大きい、のうち少なくともいずれか一つの特徴を有する。