(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、前記3Dオブジェクトの前記第1の部位上及び前記ギャップ上の前記支持構造物上にレイヤごとに、前記3Dオブジェクトの第2の部位を印刷するために前記モデル材料を堆積するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明において、多数の具体的な細部が、本発明の網羅的な理解を提供するために記載される。しかしながら、本発明がこれらの具体的な細部がなくても実施可能であることが、当業者によって理解されるだろう。その他の例では、周知の方法、手順、及び部品は、本発明を曖昧にしないために、詳細には記載されていない。
【0010】
本発明の実施形態は、インクジェット印刷システムを用いて3Dモデルを印刷することに関する。複雑な形状を印刷するために、支持材料は、モデルの構築中にボディ材料を支持するために所望の区域に堆積される。支持材料及びボディ材料が同一レイヤで共に印刷されるとき、支持材料液滴及びボディ材料液滴を含む混合界面が形成される。印刷レイヤの固化後に、支持材料とボディ材料との間に形成される界面は、粗い。したがって、支持材料を除去し、ボディ構造を見せると、ボディの表面も粗く、マイクロクラックだらけであり、これは、機械的な強度の低下及び機械的な特性の劣化を招く。
【0011】
一般的なやり方では、単一スキャン中に共に堆積されるボディ材料及び支持材料の液滴は、混合界面を形成し、支持材料を除去すると、マイクロクラックが、印刷後のボディ部位に残される。表面マイクロクラックは、負荷下での微小な応力の増大及び印刷された部位の脆さの増大を招く。一般的なやり方の印刷方法の結果は、劣化した機械的特性及び細かい(例えば、平滑な)表面凹凸を有する。
【0012】
脆さの課題に加えて、得られる光沢のない表面(つまり、光沢のある表面と反対の粗い表面)の不規則な形態は、以下の問題を生じる:部分歪み、低い正確度、低い寸法安定性、高い水分吸収性、クリープの増大、非均一な見た目及び他の望まれない追加効果。上記の課題の少なくとも一部は、サンディング、ポリッシング及びラッカー塗装のような費用及び時間の掛かる前処理によって解決される。
【0013】
表面クラックは、ボディ材料液滴と支持材料液滴との間の重複及び/又は混合によって生じる。したがって、支持材料とモデル材料との間の直接接触の防止は、上述された課題を排除する。一部の実施形態において、3D印刷処理は、修正され、ボディ材料と支持材料との堆積間に遅延が導入される。このような処理は、最終的な印刷部位又はオブジェクトの性能及び見た目を非常に改善する。
【0014】
別の材料との混合界面なしに堆積されたモデル又は支持材料の自由表面は、平滑であり、より良い機械的特性を有する。時折、レイヤごとに堆積された固体/固体界面及び固体/液体界面は、機械的特性の低い、粗い界面(混合界面)で生じる。
【0015】
本発明の実施形態は、実質的に(3Dオブジェクトを形成する)ボディ材料と(支持構造物を形成する)支持材料との間に混合界面が形成されないように、支持構造物によって支持される3Dオブジェクトを印刷するためのシステム及び方法に関する。本発明の実施形態に係る印刷された3Dオブジェクトは、マイクロクラックが少なく、より良い機械的特性を有し、より平滑な表面を有する。3Dオブジェクト及び支持構造物の3Dデジタルデータは、3Dオブジェクトの水平断面を表す1以上のボディ領域と、付加的に、ボディ領域に隣接し、かつ支持構造物の対応する水平断面を表す1以上の支持領域と、を含むように生成されてもよい。
【0016】
3Dデジタルデータは、印刷中に支持領域からボディ領域を分離するために、ボディ領域と支持材料との間の垂直シフトを行うことによってシフトスライスの組を形成するように更に操作されてもよい。一部の実施形態において、単一スキャンにおいて、操作された3Dデジタルデータに従って3Dオブジェクト及び支持構造を印刷するとき、支持材料の液滴とボディ材料の液滴とは、異なる距離で進んでもよい。ボディ材料は、第1の高さの第1の水平スライスを形成するために堆積されてもよく、支持材料は、第2の高さで第2の水平スライスを形成するために堆積されてもよい。一部の実施形態において、第2の高さは、垂直シフトによって第1の高さよりも高くなってもよい。
【0017】
本発明の一部の実施形態に係る3Dオブジェクトを堆積するシステムの概略図を表す
図1を参照する。システム10は、印刷ユニット20、供給システム30、コントローラ40、ユーザインターフェース50、及び製造プラットフォーム又はトレイ60を含み得る。コントローラ40は、システム10の他の要素すべてを制御するように構成され得る。
【0018】
印刷ユニット20は1以上の印刷ヘッド22、例えば印刷ヘッド1〜nと、1以上の固化装置24、1以上のレベリング装置26とを含み得る。印刷ヘッド22は、任意のインクジェット法を用いて材料を堆積させるように構成され得る。印刷ユニット20は、X方向とY方向に平行に、及び/又はZ方向に垂直に移動し得る。
【0019】
印刷ヘッド22は、例えば一列又は2次元アレイに配置された2以上のノズルの例を含み得る。異なる印刷ヘッド22は、2以上の材料が、単一堆積スキャンで堆積されるように異なる材料を堆積する。例えば、印刷ヘッド1及び2は、支持材料を印刷するように構成され、印刷ヘッド3及び4は、ボディ材料を印刷するように構成される。印刷ヘッド22は、供給システム30から(堆積材料と共に)供給される。
【0020】
固化装置24は、堆積された材料を固化させ得る光、熱等を放出するように構成された任意の装置を含み得る。例えば、固化装置24は、堆積された材料を硬化させるための1以上の紫外線(UV)ランプを含み得る。レベリング装置26は、新しく形成されたレイヤ(層)を、レイヤの上を擦過して余分な材料を除去することで平滑化する及び/又は所望の厚さを確立するよう構成された任意の装置を含み得る。例えば、レベリング装置26はローラーであり得る。レベリング装置24は、レベリング中に発生した余剰の材料を収集するための廃材収集装置(図示せず)を含み得る。
【0021】
供給システム30は、複数のビルド材料を印刷ヘッド22に提供するように構成される2以上の材料コンテナ又はカートリッジを含み得る。一部の実施形態において、ボディ材料は、印刷ヘッド22からボディ材料の堆積前に2以上のベース材料を混合することによって形成されてもよい。ベース材料の各々は、供給システム30に含まれる異なるコンテナで保持されてもよい。2以上のベース材料は、印刷ヘッド22の供給前に追加コンテナで混合されてもよく、又は印刷ヘッド22と共に供給され、堆積処理中に共に混合されてもよい。それに代えて、2以上のベース材料の各々は、単一空間で異なる印刷ヘッド22から堆積され、堆積の後に共に混合されてもよい(例えば、異なるベース材料の複数の液滴は、同一のスポットで堆積されてもよい)。同様の処理は、支持材料が1以上のベース材料を混合することを含むとき、支持構造物を形成する材料について実施されてもよい。2以上のベース材料の混合処理及び供給システム30から印刷ヘッド22への材料供給の他の態様は、コントローラ40によって制御されてもよい。
【0022】
コントローラ40は、例えば中央処理装置(CPU)、チップ又は適切な演算又は計算装置であり得るプロセッサ42を含んでもよい。コントローラ40は、メモリ44、及びストレージユニット46を更に含みんでもよい。例えば、プロセッサ42は所望の方向に印刷ユニット20の移動を制御し得る。メモリ44は例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレート(DDR)メモリチップ、フラッシュメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、キャッシュメモリ、バッファ、短期記憶メモリユニット、長期記憶メモリユニット、又はその他の適切なメモリユニット又はストレージユニットを含み得る。メモリ44は、複数の、場合によっては異なるメモリユニットであり得る、又は含み得る。
【0023】
メモリ44は、実行可能コード、例えばアプリケーション、プログラム、プロセス、タスク、又はスクリプト、を含み得る。実行可能コードは、本発明の実施形態に従って装置10を制御して3Dオブジェクトを印刷するためのコード又は命令を含み得る。例えば、メモリ44は、例えば第1の組の印刷ヘッド22を用いて、3Dオブジェクトの第1の領域を形成し、例えば固化装置24を用いて、第1の領域に材料を固化するために、支持材料を堆積するコードを含んでもよい。コードは、第1の領域に材料が固化された後、第1の領域のみに水平に隣接する3Dオブジェクトの第2の領域にボディ材料を堆積することを更に含んでもよい。
【0024】
一部の実施形態では、メモリ44は、水平スライスの組を含む3D断面デジタルデータを生成するための命令を含んでもよい。命令は、スライスの少なくとも一部が、支持材料によって印刷されるべき支持領域及びボディ材料によって印刷されるべきボディ領域の両方を含むスライスを組み合わせるように、3Dデジタルデータに基づいてボディ及び支持材料を堆積することを含んでもよい。3Dオブジェクト及び支持構造物の断面スライスに対応する3Dデジタルデータは、ストレージユニット46に格納されてもよい。
【0025】
ストレージユニット46は、装置10によって印刷される3Dオブジェクト及び対応する支持構造の設計パラメータを含むファイルを格納してもよい。例えば、3Dオブジェクトの設計を含む3Dコンピュータ支援設計(CAD)ファイルがストレージユニット46に格納され得る。ファイルは、3Dオブジェクト及び支持構造物の対応する領域の異なる領域の大きさ及び位置を含んでもよい。
【0026】
装置10はユーザインターフェース50を更に含み得る。ユーザインターフェース50は、マウス、キーボード、タッチスクリーン又はタッチパッド、又は任意の適切な入力装置等の入力装置であり得る、又は含み得る。適切な数の入力装置がユーザインターフェース50に含まれてもよいことが認識されるであろう。ユーザインターフェース50は、1以上のディスプレイ、スピーカ及び/又は任意の他の適切な出力装置等のような出力装置を更に含んでもよい。任意の適切な数の出力装置がユーザインターフェース50に含まれ得ることが認識されるであろう。ブロック50に示されるように、任意の適用可能な入力/出力(I/O)装置がコントローラ40に接続され得る。例えば、有線又は無線ネットワークインターフェースカード(NIC)、モデム、プリンター、ファクシミリ機、ユニバーサルシリアルバス(USB)装置又は外付けハードドライブが、ユーザインターフェース50に含まれ得る。ユーザインターフェース50は、ユーザがストレージユニット46へ、本発明の一部の実施形態による型の堆積を制御するための命令をアップロードすること、及び/又は、堆積させる型の設計を含むファイル(例えばcomputer aided design(CAD)ファイル)をアップロード及び更新することを可能にする。
【0027】
トレイ60は、支持に適した、すなわち3Dオブジェクトのインクジェット印刷又はその他のアディティブマニュファクチャリングに耐える、任意のトレイであり得る。トレイ60はX−Yテーブルに取り付け又は接続され得て、例えばコントローラ40によって、印刷プロセスの要件に従ってX−Y面に移動するよう制御され得る。加えて又はそれに代えて、トレイ60は、Z方向に移動するように構成されてもよい。
【0028】
コントローラ40は、印刷ヘッド22の各々が、X−Y面での所定の位置及びZ方向における所定の高さで印刷材料(例えば、ボディ又は支持材料)の液滴を堆積するように、トレイと印刷ヘッドとの間の相対移動を生じるために印刷ユニット20及び/又はトレイ60を制御してもよい。
【0029】
本発明の一部の実施形態に係る3Dオブジェクトのための3Dオブジェクト及び支持構造物を印刷する方法のフローチャートである
図2を参照する。
図2の方法は、システム10又は他の適切なシステムによって実行されてもよい。水平スライスの組を含む3D断面デジタルデータは、例えば、コントローラ40によって、生成されてもよい(ボックス210)。このような断面デジタルデータのグラフィック表示は、
図3A及び3Bに示される。
図3A及び3Bは、3Dオブジェクト300及び支持構造物305の3Dデジタルデータにおける切断の図である。3Dデジタルデータは、5つの水平スライス310−350を含んでもよい。当業者によって理解されるべきなのは、
図3A−3Bに示される5つのスライスは、一例として与えられ、本発明は、任意の数のスライスに限定されないことである。
【0030】
一部の実施形態において、スライス310−350の各々は、3Dオブジェクト300の水平断面を表す1以上のボディ領域314−354を含み、少なくとも、スライスの一部の各々は、ボディ領域314−354に隣接し、かつ支持構造物305の対応する水平断面を表す1以上の支持領域312−352を更に含んでもよい。例えば、スライス310は、支持領域312と、ボディ領域314と、を含んでもよい。一部の実施形態において、各スライスは、1以上の堆積レイヤ、例えば、2以上の堆積レイヤを含む。
【0031】
図2に戻り、3D断面デジタルデータは、一連のシフトスライス310a−350a(
図3Bに示される)を形成するために、同一水平スライスのボディ領域314−354と支持領域312−352との間の垂直シフト360を実行することによって、例えば、コントローラ40によって操作されてもよい。シフトスライス310a−350aは、少なくとも、シフトスライスの一部の各々が、水平スライスの1つのボディ領域を水平スライスの別のものの支持領域と共に含むように、印刷デジタルデータを形成してもよい。例えば、シフトスライス320aは、水平スライス320に本来含まれるボディ領域324と、水平スライス330に本来含まれる支持領域332と、を含んでもよい。
【0032】
一部の実施形態において、本方法は、3Dオブジェクト300と支持構造物305との幾何学的関係に基づいてボディ領域314‐354と支持領域312−352との間の垂直シフト360(「Zギャップ」とも呼ばれる)のサイズを決定することを含む。例えば、幾何学的関係は、ボディ領域314‐354と支持領域312−352との間の界面を表す表面370と水平面との間に形成される角度α(
図3Bに図示される)であってもよい。一部の実施形態において、隣接するボディ領域と支持領域との角度αは70°までである。角度αが大きくなると、より大きな垂直シフト360を必要とする。別の例では、幾何学的関係は、ボディ領域と支持領域との間の曲率半径を含んでもよい。
【0033】
一部の実施形態において、3D断面デジタルデータは、
図5において詳細に図示及び説明される、一連の垂直カラム661−671を更に含んでもよい。一部の実施形態において、カラム661−671の各々は、3Dオブジェクトの垂直カラムを表すボディ領域610の1以上のスライスを含んでもよく、少なくとも、カラム661−671の各々は、ボディ領域に垂直に隣接し、かつ支持構造物の対応する垂直カラムを表す支持領域660の1以上のスライスを更に含んでもよい。一部の実施形態において、3Dデジタルデータを操作することは、全ての垂直隣接するボディ領域と支持領域との間ごとの印刷処理において遅延を各カラム661−671を追加することを更に含む。
【0034】
図2に戻り、コントローラ40は、ボディ材料及び支持材料を堆積するために印刷ユニット20の印刷ヘッド22を制御してもよい(ボックス230)。ボディ材料及び支持材料は、ボックス220の動作で形成された印刷デジタルデータに基づいて堆積されてもよい。一部の実施形態において、同一堆積スキャン中に、支持材料の液滴とボディ材料の液滴とは、異なる距離を進む。例えば、同一堆積スキャンにおいて、支持材料の液滴は、支持領域322を形成するために堆積され、ボディ材料の液滴は、ボディ領域314を形成するために堆積されてもよい。ボディ材料の液滴は、支持材料の液滴よりも印刷ヘッド22から長い距離を進んでもよい。ボディ材料の液滴は、それらの最終位置に到達するまで、「垂直シフト」360と等しい余剰距離を進んでもよい。
【0035】
一部の実施形態において、本方法は、スキャンの少なくともいくつかの後、堆積されたボディ材料及び堆積された支持材料を固化することを更に含む。例えば、1以上の固化装置24は、スライスが1より多い堆積レイヤを含むとき、各スキャンの後又はスライス全体の堆積後に、堆積された液滴を固化してもよい。一部の実施形態において、各スキャンは、単一レイヤを堆積することを含んでもよい。一部の実施形態において、追加スライスを堆積する前に、堆積された材料全体が固化され、支持材料とボディ材料との間の混合界面の形成を防いでもよい。
【0036】
本発明の一部の実施形態に係る印刷シーケンスは、
図4の3D断面デジタルデータのグラフィック表示に従ってよりよく理解される。例示的な3D断面デジタルデータは、例えば「I」字形状3Dオブジェクトと共に形成する、対応する複数のボディ領域401−409及び「I」字形状3Dオブジェクト用の支持構造物を共に形成する複数の支持領域421−427を含む、水平スライスの組を含んでもよい。3D断面デジタルデータの各領域のサイズ、大きさ及び位置は、コンピュータシミュレーションによって求められ、シミュレーションの結果は、3Dオブジェクトを印刷する装置と関連付けられたストレージユニット、例えば、装置10に含まれるストレージユニット46、にCADファイルとして格納されてもよい。
【0037】
一部の実施形態において、オブジェクト400は、例えば、
図2の方法に係る、本発明の一部の実施形態に従って印刷されてもよい。オブジェクト400は、レイヤごとに材料の堆積によって3Dオブジェクトを製造するように構成される装置、例えば、システム10、を用いて製造されてもよい。
【0038】
オブジェクト400は、支持材料の2以上のレイヤを含んでもよいベース領域420上に印刷されてもよい又は含んでもよい。2以上のレイヤは、印刷トレイ(例えば、トレイ60)に堆積され、「I」字形状3Dオブジェクトを印刷する前に固化されてもよい。
【0039】
一部の実施形態において、ボディ領域401は、固化領域420の上部に堆積されてもよい。ボディ領域401は、「I」字形状3Dオブジェクトを構築するためにボディ材料の1以上のレイヤを含んでもよい。領域401におけるレイヤは、液体状態で堆積されてもよく、例えば、支持領域421の堆積前に、固化装置24によって固化されてもよい。支持領域421は、支持材料の1以上のレイヤを含んでもよい。支持領域421のレイヤにおける材料は、ボディ材料と支持材料との間の混合界面が可能でないように、ボディ領域402の堆積前に固化されてもよい。領域402は、領域421に水平に隣接してもよい。
【0040】
一部の実施形態において、支持領域422を形成するための支持材料の同一スキャン液滴は、ボディ領域402を形成するボディ材料の液滴の堆積と同時に支持材料421の上部に堆積されてもよい。領域421−427の厚さのサイズにおける垂直シフトは、ボディ材料402と支持領域421との間に形成されてもよい。領域の交互の堆積及び固化処理は、両方が液体状態のとき、又はボディ材料と支持材料との両方の重複が交互に生じるとき、ボディ材料と支持材料との間の界面が可能でない限り、継続してもよい。例えば、領域403は、領域423と同一スキャンで堆積され、領域404は、領域424と同一スキャンで堆積され、領域405は、領域425と同一スキャンで堆積され、領域406は、領域426と同一スキャンで堆積され、領域407は、領域427と同一スキャンで堆積されてもよい。最後の2つの領域は、ボディ領域408及び409であってもよい。
【0041】
本発明の一部の実施形態に係る3D断面デジタルデータのグラフィック表示である
図5を参照する。3D断面デジタルデータは、複数の堆積スライスを含む垂直カラムを含んでもよく、各カラムは、各スライスでの単一堆積スポットに関連してもよい。3Dデジタルデータについての情報は、特定のスライスで、特定のカラムので場合に、堆積されるべきボディ材料又は支持材料を含んでもよい。各堆積スポット又はポイントは、インクの単一液滴であってもよく、又はインクの1より多い液滴を含んでもよい。例えば、モデル600は、(x方向に)11のカラム661−671に分割されてもよい。カラム661−671の各々は、ボディ材料スライス及び/又は支持材料スライスを含んでもよい。例えば、カラム661は、底部から上部へ、3つの支持スライス610と、6つのボディスライス620と、30の支持スライス360及び6つのボディスライス620を含んでもよい。一部の実施形態において、各スライスは、単一堆積レイヤを含んでもよい。
【0042】
一部の実施形態において、各カラムについて、支持材料とボディ材料との間の変位ポイントの数及び位置が決定されてもよい。変位ポイントは、印刷された材料が支持材料からボディ材料へ又はその逆に変化するポイントとして定義されてもよい。例えば、カラム661は、印刷された材料が支持材料からボディ材料へ又はその逆に変化する、3つの変位ポイント615、625及び635を有する。
【0043】
3Dデジタルデータは、3Dモデルを表すベクトルの2D行列を含んでもよく、各ベクトルは、単一カラムを予め設定する。ベクトルは、第1の材料での第1の変化までに第1の材料に属するスライスの数を底部から上部へカウントすること、その後、第2の変位ポイントまで第2の材料のレイヤの数をカウントすること、を含んでもよい。例えば、カラム661を表すベクトルは、以下の形態を有してもよい。
【0044】
{3−0, 6−1, 30−0, 6−1}
【0045】
数の各対での第1の数は、スライスの数を表し、第2の数は、スライスの材料、例えば、支持材料用の0、ボディ材料用の1、を表す。
【0046】
二次元モデル600のための例示的な行列は、以下のベクトルを含んでもよい:
【0047】
カラム 661: {3−0, 6−1, 30−0, 6−1}
【0048】
カラム 662: {3−0, 6−1, 30−0, 6−1}
【0049】
カラム 663: {3−0, 6−1, 30−0, 6−1}
【0050】
カラム 664: {3−0, 6−1, 30−0, 6−1}
【0051】
カラム 665: {3−0, 42−1}
【0052】
カラム 666: {3−0, 42−1}
【0053】
カラム 667: {3−0, 42−1}
【0054】
カラム 668: {3−0, 6−1, 30−0, 6−1}
【0055】
カラム 669: {3−0, 6−1, 30−0, 6−1}
【0056】
カラム 670: {3−0, 6−1, 30−0, 6−1}
【0057】
カラム 671: {3−0, 6−1, 30−0, 6−1}
【0058】
一部の実施形態において、印刷処理における遅延は、各カラムの各変位ポイントでのN印刷スライスの堆積遅延として変位ポイントにおいて導入されてもよい。堆積遅延は、第1の材料の堆積完了後、N堆積スライスに対して、特定ポイントで堆積される材料がないように、各変位ポイントで適用されてもよい。例えば、カラム661の堆積シーケンスは、N=7のとき、支持材料の3つのレイヤを堆積することを含み、以降の7堆積で堆積する材料がない。印刷ヘッドは、7スキャンに対してカラム661において材料を滴下せず、固化装置(例えば、装置24)のみが、7回堆積された支持材料を加熱又は放射し、支持材料を完全に固化又は硬化することを可能にすることを意味する。遅延の後、ボディ材料の6つのレイヤが堆積され、7レイヤの別の遅延が適用されてもよい。
【0059】
各スキャンは、所望の場所で材料の堆積、及び各レイヤの固化を含んでもよいことが理解される。そのため、特定の場所(例えば、カラム)での材料堆積が回避されるとき、固化処理のみが、その特定の場所で適用される。例えば、領域610において支持材料の始めの3つのレイヤを堆積した後、カラムに堆積されるべき材料がなく、固化装置のみがモデル全体を7回スキャンしてもよい。
【0060】
数値2によって表される7つのレイヤの遅延を含む、二次元モデル600についての例示的な行列は、カラム661−671に対応する以下のベクトルを含んでもよい:
【0061】
{3−0, 7−2, 6−1, 7−2, 30−0, 7−2, 6−1}
【0062】
{3−0, 7−2, 6−1, 7−2, 30−0, 7−2, 6−1}
【0063】
{3−0, 7−2, 6−1, 7−2, 30−0, 7−2, 6−1}
【0064】
{3−0, 7−2, 6−1, 7−2, 30−0, 7−2, 6−1}
【0068】
{3−0, 7−2, 6−1, 7−2, 30−0, 7−2, 6−1}
【0069】
{3−0, 7−2, 6−1, 7−2, 30−0, 7−2, 6−1}
【0070】
{3−0, 7−2, 6−1, 7−2, 30−0, 7−2, 6−1}
【0071】
{3−0, 7−2, 6−1, 7−2, 30−0, 7−2, 6−1}
【0072】
一部の実施形態において、求められたスライス及びカラムに応じてレイヤごとにオブジェクトを堆積することは、Nレイヤに対して材料を堆積しないことによって各変位ポイントでの遅延を適用することを含んでもよく、ここで各レイヤは単一スキャンで堆積される。例えば、変位ポイント625の後に堆積される次の7レイヤは、カラム661−664で材料を堆積しないことと、カラム665−667でボディ材料を堆積することと、カラム668−671で材料を堆積しないことと、各レイヤ後にボディ材料を固化することと、を含んでもよい。ポイント625の上の、8番目のレイヤの堆積は、カラム661−664で支持材料を堆積することと、カラム665−667でボディ材料を堆積することと、カラム668−671d再び支持材料を堆積することと、それに続いて、堆積された支持材料を完全に固化するために、更なる材料の堆積のない追加硬化スキャンと、を含んでもよい。カラム661−664及び668−671での支持材料は、カラム665−667でのボディ材料よりも短い7レイヤを滴下され、よって、一部の実施形態において、遅延は、垂直シフトと等しくてもよい。
【0073】
本発明の一部の実施形態は、ローラレス堆積処理に関連してもよい。一部の実施形態において、材料は、
図2−5に対して図示及び説明されるように、少なくとも2つの異なる高さで堆積される。2つの異なる高さで(例えば、垂直シフトで)2つの領域、例えば、領域322及び314、を共に堆積するとき、レベリング装置、例えばレベリング装置26を用いることによって、各堆積されたレイヤを平坦化することは困難な場合がある。一部の実施形態において、余剰材料の堆積及びレベリング装置の使用の必要性を回避するために、レイヤに含まれる全てが液滴ではないものが堆積される。例えば、装置10は、液滴が堆積される場所の80%のみでボディ材料又は支持材料の液滴を堆積してもよい。堆積されない「空洞」は、レイヤの80%で堆積された余剰材料からの材料で充填されてもよい。空洞の数及び位置は、余剰材料が実質的に堆積されないような数及び位置であってもよい。
【0074】
本発明の一部の実施形態に係る例示的なオブジェクト及び支持構造物の断面データのグラフィック表示の図である
図6A−6Cを参照する。オブジェクト1110、1120及び1130は、レイヤごとに、少なくとも2つの材料(例えば、ボディ材料及び支持材料)を用いて堆積されてもよい。オブジェクト1110は、従来の方法を用いて堆積されてもよく、各堆積において第1の材料領域1111及び第2の材料領域1115の両方が、同一高さで同時に堆積され、各堆積スキャンの後(又はいくつかの堆積スキャンごとに)、レベリング装置は、各隣接する領域1111及び1115が同一高さを有するように、堆積レイヤを平坦化してもよい。
【0075】
オブジェクト1120は、
図2に開示される堆積方法を用いて堆積されてもよい。前記方法は、第1の材料から第1の底部領域1111を堆積することと、各レイヤを平坦化及び硬化することと、その後、同一スキャンにおいて、第2の材料から第1の領域1125を堆積し、第2の材料から第2の領域111を堆積することと、を含んでもよい。領域1125において第2の領域が第1の領域1111の下に堆積されるので、レベリング装置は、堆積された第2の材料を平坦化することができない。液滴が堆積されたとき、液滴は、液滴の直径よりも大きな面積を平らにし、かつ占有し、近傍の堆積した液滴は、互いに重複し、表面に亘っていくつかの区域で余剰材料を形成する。この余剰材料は、各区域の制御された高さを維持するために除去されるべきである。余剰材料が除去されないとき、当該区域の高さは、制御されることができない。したがって、堆積シーケンスが、レベリング装置によって領域1125における余剰材料を除去せずに継続する場合、各領域1125は、余剰材料がレベリング装置によって除去された各領域1111よりも多くの堆積材料を含み、領域1111よりも高くなり、オブジェクト1120の非均一な最終高さを生じる。
【0076】
一部の実施形態において、この課題を解決するために、領域1125を形成する各レイヤにおいて堆積されることが期待される第2の材料の少なくとも一部は、堆積されず、空洞(材料が堆積されない場所)が「堆積される」。空洞の量は、平坦化が必要なく、かつ第2の材料から堆積される領域の少なくとも一部の高さが、第1の材料を用いて堆積される領域の高さと実質的に同様であるように算出されてもよい。
【0077】
空洞を用いて堆積されない材料の量は、レベリング装置によって除去される余剰材料の量と実質的に等しい。例えば、単一スキャンにおいて堆積される材料の15%をレベリング装置が除去した場合、材料の85%のみが、平坦化処理中に、(Zギャップにより)レベリング装置が直接接触しない領域に堆積される。すなわち、単一スキャンで滴下されると思われる第2の材料の液滴の15%は、空洞である。
【0078】
図6Cに示されるオブジェクト1130は、2つの異なる材料から堆積される2つの部位を含んでもよい。オブジェクト1130は、
図2に開示される方法を用いて堆積されてもよい。オブジェクト1130の左部分は、第1の材料の液滴の滴下によって堆積される領域1111を含んでもよく、右部分は、第2の材料の液滴の滴下によって堆積される領域1135及び1125を含んでもよい。領域1111のいずれかの堆積に続いて、レベリング装置は、堆積された材料を平坦化してもよい。第2の材料の第1の領域1135は、少なくとも1つの領域1111の堆積後に堆積されてもよく、したがって、レベリング装置によって平坦化されることができない。最終領域1135について領域1111と同一高さとなるために、対応する隣接領域1111と比べて領域1135に堆積される材料を少なくする。
【0079】
一部の実施形態において、領域1135での所定数の印刷スポットにおいて液滴が配置されず、空洞が形成される。空洞は、堆積される近傍液滴からの材料で充填されてもよい。堆積される材料の量は、平坦化処理後に領域1111に残された材料の量に比例してもよい。例えば、領域1111に堆積された第1の材料の80%が平坦化処理後に残された場合、第2の材料の元の量の80%のみが領域1135に堆積されてもよい。
【0080】
一部の実施形態において、余剰材料を低減する代替のアプローチは、領域1125のような領域で図示及び説明されるように取られてもよい。領域1125では、全ての材料が堆積されてもよい(つまり、空洞は印刷命令に導入されない)。印刷方法は、第2の材料の堆積された全ての領域の全体高さが、(領域1111を含む)第1の材料の堆積された全ての領域の全体高さを超えないように、低減された量の材料で所定数の領域(例えば、領域1135)及び完全な量の材料で追加所定数の領域(例えば、領域1125)を堆積するための命令を含んでもよい。堆積される第2の材料の最後のレイヤは、レベリング装置を用いて平坦化されてもよい。
【0081】
一部の実施形態において、空洞又は堆積されるべき液滴がない場所は、印刷オブジェクトの表面に亘って所定の面積に配置される。全ての液滴が堆積され、かつレベリング装置が堆積された液滴を平坦化しないとき、その結果は、例えば、
図7Aに示されるように、堆積されたオブジェクト又は領域の非均一な高さとなる。
図7Aは、本発明の一部の実施形態に係る例示的な印刷オブジェクトである。余剰材料の量は、堆積された領域の側部及び中央部に形成されてもよい。レベリング装置が堆積された材料を平坦化するとき、側部及び中央部の余剰材料は、除去されてもよい。レベリング装置を用いないとき(例えば、
図2の方法を適用するとき)にこのような非均一を防ぐために、
図7Aの印刷領域の側部及び中央部のように、より多くの余剰材料が堆積されるときに空洞が導入されてもよい。
【0082】
一部の実施形態において、空洞は、
図7Bに示されるような、予期される余剰堆積に続くプロファイルに従って配置されてもよい。
図7Bは、
図7Aの例示的な印刷オブジェクトの断面であり、かつ印刷オブジェクトの表面湾曲に一致する例示的なプロファイルのグラフ(グレイライン)である。式(1)は、断面のプロファイルに従うグラフの関数である:
【0084】
ここで、xはスキャン方向において印刷領域のエッジからの距離であり、Yはxの関数としてのプロファイルであり、A
1、A
2、L
1、L
2、n
1、n
2及びx
2は、既知の定数である。印刷命令に導入されるべき空洞の量は、式(1)の関数のような関数に従ってもよい。
【0085】
一部の実施形態において、角度α(
図3Bに示される)が70°、例えば、80°から90°、を超えるとき、堆積された支持材料レイヤと堆積されたボディ材料レイヤとの接触がなされないことを更に確実にするために、支持材料で堆積された領域とモデル材料で堆積された領域との間にギャップが形成されてもよい。ギャップは、水平ギャップ又は角度ギャップであってもよい。一部の実施形態において、所定の数のレイヤ又は所定の高さの堆積材料をギャップと共に堆積した後、ギャップは、堆積されたレイヤの少なくする一部が、前に堆積されたレイヤを超えて延び、負の角度を形成するように、追加支持材料又は追加モデル材料の堆積によって閉じられてもよい。
【0086】
既知の方法に係るオブジェクト印刷を示す
図8A及び本発明の一部の実施形態に係る3Dオブジェクトを示す
図8Bを参照する。
図8Aに示されるように、ボディ部分と支持部分との間にはギャップがない。オブジェクト700は、ベース部位702と、略垂直部位704と、上部位708と、を含んでもよい。部位702、704及び708は、第1の材料、例えば、ボディ材料を含んでもよい。部位704は、垂直である必要はなく、角度のある、例えば、ベース部位702に対して1−30°の、少なくとも1つの壁を含んでもよい。オブジェクト700は、第2の材料、例えば、支持材料を含む部位706を更に含んでもよい。一部の実施形態において、部位702、704及び708は、支持材料を含んでもよく、部位706は、モデル材料を含んでもよい。
【0087】
部位704及び706は、部位間にギャップが形成されないようにレイヤごとに同時に印刷されてもよい。一部の実施形態において、第1の材料及び第2の材料の両方が単一レイヤで同時に堆積されて、混合界面を形成するので、部位704と部位706と間の界面の質は、低いものであってもよい。このような混合インターフェースを防ぐために、ギャップは、部位間に形成されてもよい。ギャップが支持材料とボディ材料との間に形成されるように印刷されたオブジェクトの一例は、
図8Bで与えられる。
【0088】
オブジェクト720は、ベース部位722と、少なくとも1つの略垂直壁725を有する部位724と、を含んでもよい。一部の実施形態において、壁725は、ベース部位722の上面に対して、例えば1−30°の角度を有してもよい。オブジェクト720は、上部位728を更に含んでもよい。部位722、724及び728は、第1の材料、例えば、モデル材料を含んでもよい。オブジェクト720は、少なくとも1つの略水平壁727を有する部位726と、部位726の上に堆積される部位736と、を更に含んでもよい。一部の実施形態において、壁727は、ベース部位722の上面に対して、例えば、1−30°の角度を有してもよい。部位724及び726は、ギャップ730が壁725と壁727との間に形成されるようにレイヤごとに印刷又は堆積されてもよい。ギャップは、少なくとも100μm、例えば、200μm−500μm、の幅を有してもよい。表面品質上のギャップの幅の影響の例は、以下に説明される
図10の画像に示される。部位736は部位726の上部に堆積され、負の角度737で第2の材料を堆積することによってギャップ730が次第に閉じられる。負の角度737は、少なくとも1°、例えば、5°から25°の角度であってもよい。
【0089】
本発明の一部の実施形態に係る、様々な負の角度で印刷された支持材料からなるオブジェクトの画像を示す
図9を参照する。それぞれが略垂直部位及び負の角度を有する部位を有する8つの対が示される。8つの対は、ギャップが2つの部位間に形成され、負の角度を有する部位が堆積されたとき、対が閉じる可能性があるように、堆積された。各対に対して、負の角度は、各画像の下に記載されている。12.5°までで見ることができるのは、ギャップは、固まった構造物によって良好に閉じられている。25°を超える負の角度を有する部を堆積することは、ギャップが開いたままで、部位の部分的な破損を生じた。
【0090】
オブジェクト700及び720は、
図1のシステム10のようなインクジェット印刷システムを用いて印刷又は堆積されてもよい。オブジェクト720は、少なくとも2つの異なる材料、例えば、ボディ材料及び支持材料を基板に堆積することによって印刷されてもよい。第1の部位、例えば、部位724、は、第1の材料からレイヤごとに堆積され、第2の部位、例えば、部位726、は、第2の材料からレイヤごとに堆積されて、ギャップ(例えば、ギャップ730)は、第1の部位の表面(例えば、壁725)と第2の部位の表面(例えば、壁727)に形成されてもよい。一部の実施形態において、第1の部位及び第2の部位のレイヤは、同時に堆積されて、第1の部位のレイヤ及び第2の部位のレイヤの両方の単一堆積スキャンは、略同一高さで堆積される。ギャップは、200μmよりも大きくてもよい。
【0091】
第1及び第2の部位の所定の数のレイヤの後、堆積されたレイヤの少なくとも一部が、第2の部位の表面を超えて延び、(第1の部位の表面(例えば、壁725)に向かって)第3の部位に負の角度を形成するように、第2の部位(例えば、部位726)の上に第2の材料から第3の部位(例えば、部位736)をレイヤごとに印刷することによってギャップが閉じられてもよい。負の角度は、1°を超える、例えば、5°を超えてもよい。一部の実施形態において、第1の部位は、少なくとも、ギャップが閉じるまで、第3の部位の堆積と同時にレイヤごとに更に堆積されてもよい。
【0092】
一部の実施形態において、負の角度のサイズは、堆積中の第2の材料の粘度に基づいて決定されてもよい。第2の材料の粘度が大きくなると、負の角度の大きさが大きくなる。一部の実施形態において、負の角度のサイズは、第2の材料の液滴の表面張力に基づいて決定されてもよい。表面張力が大きくなると、負の角度が大きくなる。一部の実施形態において、負の角度のサイズは、堆積中の第2の材料の液滴の速度に基づいて決定されてもよい。
【0093】
一部の実施形態において、第2及び第3の部位(例えば、部位726及び736)は、最終的なモデルを形成するオブジェクトから除去されてもよい。
【0094】
ギャップが支持材料とボディ材料との間に形成されるように支持材料及びボディ材料の実験的な堆積の結果は、
図10に表される。
図10は、本発明の一部の実施形態に係る例示的な印刷オブジェクトの画像を含む。オブジェクト910−960は、内部バーを形成するためにボディ材料を用いて印刷され、各バーの垂直壁をカバーするために支持材料を用いて印刷された。オブジェクト910は、例えば、
図8Aに示されるように、ギャップが支持材料とモデル材料との間に形成されないように印刷された。オブジェクト920及び930は、オブジェクト920及び930の支持材料とボディ材料との間に、それぞれ、80μm及び160μmの狭いギャップで印刷された。オブジェクト910−930では、支持材料を除去することが不可能であり、スムースで、光沢のある、高品質なボディバーの表面を有する。オブジェクト940、950及び960は、それぞれ、250μm、350μm及び430μmのギャップが、オブジェクトのボディ部位と支持部位との間に形成されるように、印刷された。見ることができるように、スムースで、光沢のある、高品質な表面のボディ材料バーが得られた。
【0095】
一部の実施形態において、負の角度を有するオブジェクトの第3の部位を完了した後、バッファゾーンを形成するために追加の材料が堆積されてもよい。
図11A及び11Bは、本発明の一部の実施形態に係る2つの例示的な印刷オブジェクトを示す。オブジェクト1010及び1020は、それぞれ、ボディ部位1012及び1022、ギャップ1015及び1025、並びに支持部位1017及び1027を含んでもよい。ギャップ1015及び1025は、本発明の実施形態に係る負の角度を有してもよい。ギャップ1015及び1025は、ボディ部位と支持部位との間の接触においてバッファゾーンを印刷することによって閉じられてもよい。オブジェクト1010は、真っ直ぐなバッファゾーン1013を含んでもよく、オブジェクト1020は、角度のあるバッファゾーン1023を含んでもよい。バッファゾーン1013及び1023は、例としてのみ与えられる。本発明に係るバッファゾーンは、所望の形状を有してもよい。
【0096】
本明細書において本発明の特定の特徴が図示及び記載されてきたが、数々の変形、置換、変更、及び等価物が、当業者によって想到されるだろう。したがって、添付の請求の範囲は、このような変形及び変更を、本発明の真の意図に含まれるものとして包含するよう意図されることが理解される。