【文献】
SARKER, A. M. et al.,Visible Light Photopolymerization Employing 2,4-Diiodo-6-butoxy-3-fluorone and Tetraorganyl borate S,Journal of Polymer Science: Part A Polymer Chemistry,1996年,Vol.34, No.13,pp.2817-2824
【文献】
HOWELL, B. F. et al.,Pigmented Coatings Cured with Visible Light,Photopolymerization Fundamentals and Applications,Vol.673, Chapter16,1997年,pp.219-232,DOI: 10.1021/bk-1997-0673.ch016
【文献】
FUJITA, K. et al.,Synthesis and structural characterization of a new class of organoborato ligands containing imidazol,J. Chem. Soc., Dalton Trans.,2000年,pp.1255-1260,DOI:10.1039/b000467g
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
窒素に基づく原子価nの前記有機カチオンKが、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピリダジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、ピラジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピロリジニウムイオンであり、これらが、エーテル、エステル、アミドおよび/またはカルバメートなどのさらなる官能基を1または複数の側鎖中に有していてもよく、オリゴマーまたはポリマーまたは架橋形態であってもよいことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
リンに基づく原子価nの前記有機カチオンKが、任意の置換を有するテトラアルキルホスホニウム、トリアルキルアリールホスホニウム、ジアルキルジアリールホスホニウム、アルキルトリアリールホスホニウムまたはテトラアリールホスホニウム塩であり、これらが、カルボニル、アミド、および/またはカルバメートなどのさらなる官能基を1または複数の側鎖中に有していてもよく、オリゴマーまたはポリマーまたは架橋形態であってもよいことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
酸素に基づく原子価nの前記有機カチオンKが、ベンゾピリリウム、フラビリウム、ナフトキサンテニウムのような縮合形態を含む、任意の置換を有するピリリウムであるか、または上記の置換パターンを有するポリマーカチオンであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【発明の概要】
【0006】
しかしながら、上記の両方の方法は、さらなる反応工程において選択されたカチオンの添加をさらに必要とする。選択されたカチオンがトリアリールオルガノボレートの調製中に既に存在する場合には、さらなる反応工程が省かれ、手順および後処理が一層効率的になり得るので、工業的規模で経済的に実行可能な製造に有利である。さらに、別の方法では使用される溶媒中に生じる金属−アリールアンモニウム塩は、限られた溶解度しかなく、大量の沈殿物による反応エンタルピーの制御を妨げるので、試薬の濃度をさらに高めることになり得る。
【0007】
したがって、本発明が取り組む問題は、改良された空時収量がより良好な経済的実行可能性をもたらす、トリアリールオルガノボレートの製造方法を提供することであった。
【0008】
この目的は、本発明に従って、式
【化1】
【0009】
のトリアリールオルガノボレートを調製する方法であって、1当量の式B−R
1(OR
2)(OR
3)(I)の有機ボロン酸エステルを最初に、1/n当量の塩K
n+ nX
−(II)および3当量の金属Mと一緒に溶媒または溶媒混合物S1中に装入し、3当量のハロ芳香族R
4−Y(III)を加え、補助剤Lおよび任意に第二の有機溶媒または溶媒混合物S2を添加し、化合物
【化2】
【0010】
を有機相に分離する方法によって、達成された。
ここで、R
1は、ヒドロキシル−および/またはアルコキシ−および/またはアシルオキシ−および/またはハロゲン−置換されていてもよいC
1−〜C
22−アルキル、C
3−〜C
22−アルケニル、C
3−〜C
22−アルキニル、C
5−〜C
7−シクロアルキルまたはC
7−〜C
13−アラルキル基であり、
R
2およびR
3は独立して、分枝していてもよいC
1−〜C
22−アルキル基またはアルキル置換されていてもよいC
3−〜C
7−シクロアルキル基であるか、またはR
2およびR
3は一緒になって、アルキルによって置換されていてもよいか、および/または酸素原子が差し挟まれていてもよい2〜8員の炭素架橋を形成し、
R
4は、ハロゲン、C
1−〜C
4−アルキル、トリフルオロメチル、C
1−〜C
4−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、フェニルおよびフェノキシから選択される少なくとも1つの基で置換されていてもよいC
6−〜C
10−アリール基であり、
Kは、原子価nで任意の置換を有する、窒素、リン、酸素、硫黄および/またはヨウ素に基づく有機カチオンであり、ならびに
Lは、Mの塩MY(OR
2)、MY(OR
3)およびMXYと共にS1および/またはS2に難溶性の錯体を形成する補助剤であり、ここで、Lはルイス塩基性化合物、特に開鎖または環式または多環式のエーテルまたはポリエーテルまたは(ポリ)エーテルポリオール、アミン官能基化および/またはアルキルアミン官能基化アルコールまたはポリオールまたは(ポリ)エーテルポリオール、弱塩基性有機化合物、弱酸性マクロポーラスカチオン交換体および弱アルカリ性マクロポーラスカチオン交換体からなる群から選択されるものであり、
Mは、アルカリ金属、マグネシウム、カルシウムおよびアルミニウムから選択される任意の金属であり、
Xは、ハロゲン化物またはアルコキシドまたはアルキルスルフィドであり、
Yは、ヨウ素または臭素または塩素であり、
nは、1、2または3であり、
S1は、非プロトン性有機溶媒または非プロトン性溶媒の混合物であり、ならびに
S2は、非プロトン性有機溶媒または非プロトン性溶媒の混合物である。
【0011】
この方法において、3当量のハロ芳香族R
4−Y(III)を最初に装入した3当量の金属に添加すると、最初に装入した物質(I)および(II)と反応して、
【化3】
【0012】
オルガノボレート(IV)をもたらす有機金属試薬がその場で生成する。驚くべきことに、カチオンとしての窒素、リン、酸素、硫黄および/またはヨウ素に基づく原子価nの置換有機カチオンの使用は、それらが化学的に不活性であり、反応が公知の方法よりも高い空時収率で進行し、副反応がより少なく、したがって収率が増加し、より高い純度の標的生成物が非常に容易に達成可能であるため、反応に有益な効果を有することが見出されている。
【0013】
さらに、Mの塩MY(OR
2)、MY(OR
3)およびMXYと錯体を形成する補助剤Lの添加による、および任意にさらなる溶媒または溶媒混合物S2の添加による、反応混合物の後処理も有利であることが見出されている。LおよびS1および/またはS2を適切に選択することにより、難溶性錯体が得られ、これらは適切な方法、例えばデカンテーション、濾過、遠心分離などにより、有機相に溶解している、式
【化4】
【0014】
の所望のトリアリールオルガノボレートから簡単に分離することができる。
【0015】
式IVの本発明のトリアリールオルガノボレートは、好ましくはトリアリール(アルキル)ボレート、トリアリール(シクロアルキル)ボレート、トリアリール(アルケニル)ボレート、トリアリール(アルキニル)ボレートおよび/またはトリアリール(アラルキル)ボレートであり、さらに好ましくはトリアリール(アルキル)ボレートおよび/またはトリアリール(シクロアルキル)ボレートである。
【0016】
したがって、本発明は同様に、式IVの化合物
【化5】
【0017】
を調製するための方法であって、以下の工程を含む方法を提供する、
i)最初に、1当量の有機ボロン酸エステルB−R
1(OR
2)(OR
3)(I)を1/n当量の塩K
n+ nX
−(II)および3当量の金属Mと一緒に溶媒または溶媒混合物S1中に装入する工程、
ii)3当量のハロ芳香族R
4−Y(III)を添加する工程、その結果として、
iii)その場で生成された有機金属試薬が最初に装入した物質(I)および(II)と反応して、
【化6】
【0018】
を生じる工程、
iv)補助剤Lを添加する工程、および
v)任意に第2の有機溶媒S2を添加する工程(ここで化合物
【化7】
【0019】
は有機相中に残存している)、および
vi)金属塩MY(OR
2)、MY(OR
3)およびMXYを沈殿した固体錯体MY(OR
2)L、MY(OR
3)LおよびMXYLとして分離する工程。
【0020】
この反応は以下の反応スキームに従う:
【化8】
【0021】
好ましくは、R
1は、ヒドロキシル−および/またはアルコキシ−および/またはアシルオキシ−および/またはハロゲン置換されていてもよいC
2−〜C
18−アルキル、C
3〜C
18−アルケニル、C
3−〜C
18−アルキニル、C
5−〜C
6−シクロアルキルまたはC
7−〜C
13−アラルキル基であり、より好ましくは、R
1は、ヒドロキシル−および/またはアルコキシ−および/またはアシルオキシ−および/またはハロゲン置換されていてもよいC
4−〜C
16−アルキル、C
3−〜C
16−アルケニル、C
3−〜C
16−アルキニル、シクロヘキシルまたはC
7−〜C
13−アラルキル基である。
【0022】
好ましくは、R
2およびR
3は独立して、分枝していてもよいC
2−〜C
18−アルキル基であるか、またはR
2およびR
3は一緒になって4〜7員の置換されていてもよい炭素環を形成し、より好ましくは、R
2およびR
3は独立して、分枝していてもよいC
3−〜C
12−アルキル基であるか、またはR
2およびR
3は一緒になって4〜6員の置換されていてもよい炭素環を形成する。
【0023】
好ましくは、R
4は、ハロゲン、C
1−〜C
4−アルキル、トリフルオロメチル、C
1−〜C
4−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、フェニルおよび/またはフェノキシから選択される少なくとも1つの基により置換されていてもよいC
6−〜C
10−アリール基であり、より好ましくは、R
4は、ハロゲン、C
1−〜C
4−アルキル、トリフルオロメチル、C
1−〜C
4−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、フェニルおよび/またはフェノキシから選択される少なくとも1つの基により置換されていてもよいC
6−アリール基である。
【0024】
窒素に基づき、任意の置換を有する原子価nの有機カチオンKは、例えば、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピリダジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、ピラジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、1H−ピラゾリウムイオン、3H−ピラゾリウムイオン、4H−ピラゾリウムイオン、1−ピラゾリニウムイオン、2−ピラゾリニウムイオン、3−ピラゾリニウムイオン、イミダゾリニウムイオン、チアゾリウムイオン、1,2,4−トリアゾリウムイオン、1,2,3−トリアゾリウムイオン、ピロリジニウムイオン、キノリニウムイオンであり、これらは、エーテル、エステル、アミドおよび/またはカルバメートなどのさらなる官能基を1または複数の側鎖中に有していてもよく、そして、オリゴマーまたはポリマーまたは架橋形態であってもよいものを意味すると理解される。窒素に基づく原子価nの好ましい有機カチオンKは、例えばアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピリダジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、ピラジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピロリジニウムイオンであり、これらは、エーテル、エステル、アミドおよび/またはカルバメートなどのさらなる官能基を1または複数の側鎖中に有していてもよく、オリゴマーまたはポリマーまたは架橋形態であってもよい。窒素に基づく原子価nの特に好ましい有機カチオンKは、例えばアンモニウムイオン、ピリジニウムイオンおよびイミダゾリウムイオンであり、これらは、エーテル、エステル、アミドおよび/またはカルバメートなどのさらなる官能基を1または複数の側鎖中に有していてもよく、オリゴマーまたはポリマーまたは架橋形態であってもよい。ポリマーカチオンもまた、上記の置換パターンの意味の範囲内に含まれ得る。
【0025】
リンに基づき、任意の置換を有する原子価nの有機カチオンKは、例えば、配位数4のリン(IV)化合物、例えば任意の置換を有するテトラアルキルホスホニウム、トリアルキルアリールホスホニウム、ジアルキルジアリールホスホニウム、アルキルトリアリールホスホニウム、またはテトラアリールホスホニウム塩であり、これらは、エーテル、エステル、カルボニル、アミドおよび/またはカルバメートなどのさらなる官能基を1または複数の側鎖中に有していてもよく、そして、オリゴマーまたはポリマーまたは架橋形態であってもよいものを意味すると理解される。1、2または3個のホスホニウム(IV)原子を含有する5から8員の脂肪族、準芳香族または芳香族環式化合物であって、任意のアルキルまたはアリール置換基で置換されて、四価のリン原子を確立することができるものも同様に包含される。芳香族基はさらに、任意の数のハロゲン原子またはニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、エステルおよび/またはエーテル置換基を有していてもよい。炭素鎖またはモノ−および/またはポリエーテル鎖によって互いに架橋され、次いで単環式または多環式構造を形成するアルキル基およびアリール基も当然のことながら可能である。リンに基づく原子価nの好ましい有機カチオンKは、例えば、任意の置換を有するテトラアルキルホスホニウム、トリアルキルアリールホスホニウム、アルキルトリアリールホスホニウム、ジアルキルジアリールホスホニウムまたはテトラアリールホスホニウム塩であり、これらは、カルボニル、アミド、および/またはカルバメートなどのさらなる官能基を1または複数の側鎖中に有していてもよく、オリゴマーまたはポリマーまたは架橋形態であってもよい。芳香族基はさらに任意の数のハロゲン原子またはエステルおよび/またはエーテル置換基を有していてもよい。炭素鎖またはモノ−および/またはポリエーテル鎖によって互いに架橋され、次いで単環式または多環式構造を形成するアルキル基およびアリール基も当然のことながら可能である。リンに基づく原子価nの特に好ましい有機カチオンKは、例えば、任意の置換を有するテトラアルキルホスホニウム、トリアルキルアリールホスホニウム、ジアルキルジアリールホスホニウム、アルキルトリアリールホスホニウムまたはテトラアリールホスホニウム塩であり、これらは、カルボニル、アミド、および/またはカルバメートなどのさらなる官能基を1または複数の側鎖中に有していてもよく、オリゴマーまたはポリマーまたは架橋形態であってもよい。芳香族基はさらに任意の数のハロゲン原子を有していてもよい。炭素鎖またはモノ−および/またはポリエーテル鎖によって互いに架橋され、次いで単環式または多環式構造を形成するアルキル基およびアリール基も当然のことながら可能である。例えば、米国特許第3,125,555号に明記されているようなポリマーカチオンは、上記の置換パターンの意味の範囲内に含まれ得る。
【0026】
酸素に基づき、任意の置換を有する原子価nの有機カチオンKは、例えば、ベンゾピリリウム、フラビリウムナフトキサンテニウムのような縮合形態を含む、任意の置換を有するピリリウムを意味すると理解される。酸素に基づき、任意の置換を有する原子価nの好ましい有機カチオンKは、例えば、ベンゾピリリウム、フラビリウムのような縮合形態を含む、任意の置換を有するピリリウムである。ポリマーカチオンもまた、上記の置換パターンの意味の範囲内に含まれ得る。
【0027】
硫黄に基づき、任意の置換を有する原子価nの有機カチオンKは、同一または異なる置換されていてもよいC
1−〜C
22−アルキル、C
6−〜C
14−アリール、C
7−〜C
15−アリールアルキルまたはC
5−〜C
7−シクロアルキル基を有し、および/またはオリゴマーまたはポリマーの繰り返し連結単位を形成して、1≦n≦3のスルホニウム塩を生じる、硫黄のオニウム化合物を意味すると理解される。1、または2個のスルホニウム(III)原子を含有する5から8員の脂肪族、準芳香族または芳香族環式化合物であって、任意のアルキルまたはアリール置換基で置換されて、三価の硫黄原子を確立することができるものも同様に包含される。硫黄に基づく原子価nの好ましい有機カチオンKは、同一または異なる置換されていてもよいC
4−〜C
14−アルキル、C
6−〜C
10−アリール、C
7−〜C
12−アリールアルキルまたはC
5−〜C
6−シクロアルキル基を有し、および/またはオリゴマーまたはポリマーの繰り返し連結単位を形成して、1≦n≦3のスルホニウム
塩を生じる、硫黄のオニウム化合物
、さらにはチオピリリウムである。硫黄に基づく原子価nの特に好ましい有機カチオンKは、同一または異なる置換されていてもよいC
6−〜C
12−アルキル、C
6−〜C
10−アリール、C
7−〜C
12−アリールアルキルまたはC
5−〜C
6−シクロアルキル基を有し、および/またはオリゴマーまたはポリマーの繰り返し連結単位を形成して、1≦n≦3のスルホニウム
塩を生じる、硫黄のオニウム化合物
、さらにはチオピリリウムである。ポリマーカチオンもまた、上記の置換パターンの意味の範囲内に含まれ得る。
【0028】
ヨウ素に基づき、任意の置換を有する原子価nの有機カチオンKは、同一または異なる置換されていてもよいC
1−〜C
22−アルキル、C
6−〜C
14−アリール、C
7−〜C
15−アリールアルキルまたはC
5−〜C
7−シクロアルキル基を有し、および/またはオリゴマーまたはポリマーの繰り返し連結単位を形成して、1≦n≦3のヨードニウム塩を生じる、ヨウ素のオニウム化合物を意味すると理解される。ヨウ素に基づく原子価nの好ましい有機カチオンKは、同一または異なる置換されていてもよいC
4−〜C
14−アルキル、C
6−〜C
10−アリール、C
7−〜C
12−アリールアルキルまたはC
5−〜C
6−シクロアルキル基を有し、および/またはオリゴマーまたはポリマーの繰り返し連結単位を形成して、1≦n≦3のヨードニウム塩を生じる、ヨウ素のオニウム化合物である。ヨウ素に基づく原子価nの特に好ましい有機カチオンKは、同一または異なる置換されていてもよいC
4−〜C
12−アルキル、C
6−〜C
10−アリール、C
7−〜C
12−アリールアルキルまたはC
5−〜C
6−シクロアルキル基を有し、および/またはオリゴマーまたはポリマーの繰り返し連結単位を形成して、1≦n≦3のヨードニウム塩を生じる、ヨウ素のオニウム化合物である。ポリマーカチオンもまた、上記の置換パターンの意味の範囲内に含まれ得る。
【0029】
金属塩MY(OR
2)、MY(OR
3)およびMXYと共に、溶媒または溶媒混合物S1および/またはS2に難溶性の錯体を形成する補助剤Lは、液体または固体またはポリマー結合型であってよいルイス塩基性化合物を意味すると理解される(「ルイス塩基」という用語は、Pure&Appl.Chem.,66(5),1077−1184,1994の1136頁に従う)。この補助剤は、反応終了後に他の標準的な水性後処理の代わりに添加され、金属塩MY(OR
2)、MY(OR
3)およびMXYと共に濾過により除去可能な固体を形成する。そのような補助剤Lの例は、1,4−ジオキサンもしくはエタン−1,2−ジオールなどの、開鎖または環状または多環式のエーテルまたはポリエーテルまたは(ポリ)エーテルポリオールである。アミン−および/またはアルキルアミン−官能基化アルコール、ポリオールまたは(ポリ)エーテルポリオール、例えばアミノエタノール、メチルアミノエタノールまたはジメチルアミノエタノールを使用することも同様に可能である。弱酸性または弱アルカリ性のマクロポーラスカチオン交換体を使用することも可能であり、そのいくつかはアルカリ土類金属イオンの錯化のために選択的に開発されてきた。さらに、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの弱塩基性有機化合物、またはトリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィンなどの配位化合物を使用することが可能である。当然のことながら、補助剤の混合物を使用することも可能である。補助剤はさらに、準化学量論的、化学量論的または超化学量論的な比率で添加されてもよい。補助剤の接触時間は任意の長さ、好ましくは<24時間、より好ましくは<12時間、特に好ましくは<1時間、そして極めて好ましくは<0.1時間である。好ましい実施形態では、補助剤Lは、開鎖または環式または多環式のエーテルまたはポリエーテルまたは(ポリ)エーテルポリオール、アミン官能基化および/またはアルキルアミン官能基化アルコールまたはポリオールまたは(ポリ)エーテルポリオール、弱塩基性有機化合物、弱酸性マクロポーラスカチオン交換体および弱アルカリ性マクロポーラスカチオン交換体からなる群から選択されるルイス塩基性化合物である。さらに好ましい実施形態では、補助剤Lは、少なくとも1つの自由に利用可能な配位部位を有するルイス塩基性化合物またはそれらの混合物を含み、好ましくは開鎖または環状または多環式のエーテルまたはポリエーテルまたは(ポリ)エーテルポリオール、アミン−および/またはアルキルアミン−官能基化アルコールまたはポリオールまたは(ポリ)エーテルポリオール、弱塩基性有機化合物、弱酸性マクロポーラスカチオン交換体および弱アルカリ性マクロポーラスカチオン交換体からなる群から選択され、より好ましくは環状のエーテルまたはポリエーテルまたは(ポリ)エーテルポリオール、弱酸性マクロポーラスカチオン交換体および弱アルカリ性マクロポーラスカチオン交換体からなる群から選択され、さらにより好ましくは、環状エーテル、弱酸性マクロポーラスカチオン交換体および弱アルカリ性マクロポーラスカチオン交換体からなる群から選択される。
【0030】
非プロトン性有機溶媒または非プロトン性有機溶媒の混合物S1は、強塩基なしでは脱プロトン化されない溶媒を意味すると理解される(Reichardt,C.,Solvents and Solvent Effects in Organic Chemistry,3rd ed.;Wiley−VCH:Weinheim,(2003))。非プロトン性有機溶媒S1の例は、アルカン、アルケン、アルキン、ベンゼンおよび脂肪族および/または芳香族置換基を有する芳香族化合物、カルボン酸エステルおよび/またはエーテルである。好ましい非プロトン性有機溶媒S1は、アルカン、脂肪族および/または芳香族置換基を有する芳香族化合物および/またはエーテルである。使用されるものの例としては、ソルベントナフサ、トルエンもしくはキシレンなどの芳香族炭化水素、またはテトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルもしくはジメトキシエタンなどのエーテルが挙げられる。溶媒は極めて実質的に無水であるべきである。好ましい実施形態では、溶媒または溶媒混合物S1は補助剤Lとは異なり、これはS1とLが同じ物質ではないことを意味する。
【0031】
非プロトン性有機溶媒または非プロトン性有機溶媒の混合物S2は、強塩基なしでは脱プロトン化されない溶媒を意味すると理解される(Reichardt,C.,Solvents and Solvent Effects in Organic Chemistry,3rd ed.;Wiley−VCH:Weinheim,(2003))。非プロトン性有機溶媒S2の例は、アルカン、アルケン、アルキン、ベンゼンおよび脂肪族および/または芳香族置換基を有する芳香族化合物、カルボン酸エステルおよび/またはエーテルである。好ましい非プロトン性有機溶媒S2は、アルカン、脂肪族および/または芳香族置換基を有する芳香族化合物および/またはカルボン酸エステルである。使用されるものの例としてはソルベントナフサ、トルエンもしくはキシレンなどの芳香族炭化水素、または酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシプロピルもしくはプロピレングリコールジアセテートなどのエステルが含まれる。好ましい実施形態では、溶媒または溶媒混合物S2は補助剤Lとは異なり、これはS2とLが同じ物質ではないことを意味する。
【0032】
好ましくは、Mはマグネシウム、カルシウムまたはアルミニウムであり、より好ましくはMはマグネシウムである。
【0033】
好ましくは、Xはハロゲン化物またはアルコキシドであり、より好ましくはXはハロゲン化物であり、特に好ましくはXは塩化物または臭化物である。
【0034】
好ましくは、Yは臭素または塩素であり、より好ましくはYは臭素である。
【0035】
好ましくは、nは1または2であり、より好ましくはnは1である。
【0036】
本発明の文脈において、C
1〜C
22−アルキルは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピルまたは1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、ピナシル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、n−エイコシル、n−ドコシルである。同じことが、対応するアルキル基、例えばアラルキル/アルキルアリール、アルキルフェニルまたはアルキルカルボニル基にも当てはまる。
【0037】
対応するヒドロキシアルキルまたはアラルキル/アルキルアリール基中のアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基は、例えば、前述のアルキル基に対応するアルキル基、アルケニル基またはアルキニル基である。
【0038】
例としては、2−クロロエチル、ベンジル、アリル、2−ブテン−1−イル、プロパルギルである。
【0039】
本発明の文脈において、シクロアルキルは、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチルまたは異性体メンチルである。
【0040】
アリールは、6〜14個の骨格炭素原子を有する炭素環式芳香族基である。同じことが、アラルキル基としても知られるアリールアルキル基の芳香族部分、およびより複雑な基のアリール構成成分、例えばアリールカルボニル基にも当てはまる。
【0041】
アルキレンは、飽和の、分枝または非分枝炭化水素、例えばメチレン(−CH
2−)、エチレン(−CH
2CH
2−)、プロピレン(−CH
2CH
2CH
2−)などのジラジカルである。
【0042】
シクロペンチレンは、アルキル置換されていてもよいシクロペンタン環のジラジカルである。
【0043】
シクロヘキシレンは、アルキル置換されていてもよいシクロヘキサン環のジラジカルである。
【0044】
シクロヘプチレンは、アルキル置換されていてもよいシクロヘプタン環のジラジカルである。
【0045】
アリールジアルキレンは、飽和の、分枝または非分枝アルキルアリールアルキルのジラジカルであり、ここで、アリール環は、アルキル、アリール、ハロゲンで置換されていてもよく、例えばキシリレン(1,2−または1,3−または1,4−フェニレンビス(メチレン))であり得る。
【0046】
アリーレンはアリールのジラジカルである。
【0047】
ヘテロアリーレンは、ヘテロアリールのジラジカルである。
【0048】
アルキレン−シクロアルキレンは、アルキル基を介して一方の側で第一の基に結合し、シクロアルキル基を介して第二の基に結合している、アルキルシクロアルカンのジラジカルである。
【0049】
アルカンジシクロアルキレンは、ジシクロアルキルアルカンのジラジカル、例えばメチレンビス(シクロヘキサン−4,1−ジイル)である。
【0050】
アルカンジアリーレンは、ジアリールアルカンのジラジカル、例えば4−メチレンビス(4,1−フェニレン)である。
【0051】
C
6−〜C
14−アリールの例は、フェニル、o−、p−、m−トリル、o−、p−、m−エチルフェニル、ナフチル、フェナントレニル、アントラセニル、フルオレニル、o−、p−、m−フルオロフェニル、o−、p−、m−クロロフェニル、o−、p−、m−メトキシフェニル、o−、p−、m−トリフルオロメチルフェニル、o−、p−、m−トリフルオロメトキシフェニル、o−、m−またはp−ビフェニリル、o−、p−、m−フェノキシフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、4−メチル−3−フルオロフェニル、4−メチル−3−クロロフェニル、3,4,5−トリフルオロフェニルである。
【0052】
アリールアルキルおよびアラルキルは、それぞれ独立して、上で定義されたような直鎖、環状、分枝または非分枝のアルキル基であり、上で定義されたようなアリール基によって一置換、多置換または過置換されていてもよい。
【0053】
例としては、ベンジル、4−クロロベンジル、フェネチル、2−フェニル−1−プロピル、3−フェニル−1−プロピル、1−フェニル−2−プロピル、ジフェニルメチルである。
【0054】
アルキルで置換されていてもよく、および/または酸素原子が差し挟まれていてもよい2〜8員炭素架橋の例は、−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−O−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH(CH
3)−である。
【0055】
アルキルまたはアリールで置換されていてもよく、および/または酸素原子が差し挟まれていてもよい4〜14員の炭素三環式化合物の例は以下の通りである:
【化9】
【0056】
反応は、一般に高圧を用いずに実施される。したがってその場合、実際に使用される圧力は、少なくとも自生圧力である。
【0057】
反応は一般に−20℃〜100℃、好ましくは−10℃〜80℃、より好ましくは0℃〜70℃、特に好ましくは10℃〜65℃の温度で行われる。
【0058】
実際には、総量の最大10%の化合物(III)を添加することによって反応を開始し、次いで化合物(III)を、溶媒S1中10%〜90%、好ましくは15%〜75%、より好ましくは20%〜50%溶液として添加し、その間に温度Tが上記の範囲内で変化し、化合物(III)を均一に添加することによって反応を発熱制御下に保つことができる。反応の開始のために、ジブロモエタンまたはヨウ素などの当業者に公知の化合物を使用すること、または超音波によって金属表面Mを活性化することが、任意にさらに可能である。
【0059】
例えば撹拌により、反応の全期間にわたって混合物を確実に良好に混合し、適切な溶媒を選択することにより反応の良好な開始を可能にすることが有利である。
【0060】
本発明による方法によって、公知の方法と比較して明らかに良好な収率、例えば少なくとも1.5倍高い収率が得られる。
【0061】
本発明は同様に、本発明による方法により調製可能な、または調製されたトリアリールオルガノボレートを提供する。このようにして得ることができる、または得られるトリアリールオルガノボレートは、好ましくは<10000ppmのテトラアリールボレート
【化10】
【0062】
より好ましくは<5000ppmのテトラアリールボレート
【化11】
【0063】
特に好ましくは<1000ppmのテトラアリールボレート
【化12】
【0064】
を含有する。単位ppmは重量部に基づく。長期保存の場合、テトラアリールボレート
【化13】
【0065】
の存在は、本発明によるトリアリールオルガノボレートを含む未露光フォトポリマーフィルムの書き込み性の限定または未露光フォトポリマーフィルムのホログラフィック特性の喪失をもたらす。
【0066】
本発明は、ボレート成分が本発明による方法によって調製されていてもよい、または調製される以下の式(C)の化合物をさらに提供する、
【化14】
【0067】
(式中、
R
101は、分枝していてもよいC
14−〜C
22−アルキル基であるか、またはT
101とR
131とを合せて、およびT
102とR
132とを合せてそれぞれ少なくとも12個の炭素原子を含むことを条件としてさらにR
102として定義され、
R
102は、式
【化15】
【0068】
の基であり、
T
101は、2〜16個の炭素原子を有する架橋であり、その3分の1以下がOおよび/またはNR
200で置換されていてもよく、ここでOまたはNR
200の間に少なくとも2個の炭素原子が存在しなければならず、そして、分枝していてもよい鎖および/または5員もしくは6員環の形態で配置されていてよく、
R
131は、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
22−アルキル基、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
22−アルケニル基、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチル基、C
7−〜C
10−アラルキル基、非イオン性基で置換されていてもよいフェニル基または複素環基、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
22−アルコキシ基、シクロペントキシ、シクロヘキソキシまたはシクロヘプトキシ基、C
7−〜C
10−アラルコキシ基、非イオン性基により置換されていてもよいフェノキシ基またはヘテロアリールオキシ基、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
22−アルキルアミノ基、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノまたはシクロヘプチルアミノ基、C
7−〜C
10−アラルキルアミノ基、非イオン性基により置換されていてもよいフェニルアミノ基またはヘテロアリールアミノ基であり、
T
102は、1〜16個の炭素原子を有する架橋であり、これは分枝していてもよい鎖および/または5もしくは6員環の形態で配置されていてもよく、
R
132は、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
1−〜C
22−アルキル基、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチル基、C
7−〜C
10−アラルキル基、非イオン性基で置換されていてもよいフェニル基または複素環基であり、
AはNR
201または酸素であり、
R
200およびR
201は独立して水素またはC
1−〜C
4−アルキルであり、
R
103およびR
104は独立して、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
1−〜C
5−アルキル基であるか、
または
R
102は、式
【化16】
【0069】
の基であり、
T
101、R
131、T
102、R
132、R
200、R
201およびAは、T
101とR
131とを合せて、およびT
102とR
132とを合わせてそれぞれ少なくとも12個の炭素原子を含むことを条件として、上記の定義を有し、
R
101、R
103およびR
104は、N
+原子と一緒になって、C
1−〜C
8−アルキル、C
1−〜C
8−アルコキシ、C
5−〜C
7−シクロアルキル、ベンジルまたはフェニルから選択される1つの基で少なくとも置換されたイミダゾール環またはピリジン環を形成するか、
または
R
101は、分枝していてもよいC
14−〜C
22−アルキル基であるか、またはT
101とR
131とを合せて、およびT
102とR
132とを合せてそれぞれ少なくとも12個の炭素原子を含むことを条件としてさらにR
102として定義され、
R
102は、式
【化17】
【0070】
の基であり、
ならびに、T
101、R
131、T
102、R
132、R
200、R
201およびAは、上記の定義を有し、
R
103およびR
104は一緒になって、−(CH
2)
4−、−(CH
2)
5−または−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−架橋を形成し、
ならびに
R
1およびR
4は上記で定義した通りである)。
【0071】
以下の式(C)の化合物が好ましい
(式中、
R
101は、分枝していてもよいC
14−〜C
22−アルキル基であるか、またはT
101とR
131とを合せて、およびT
102とR
132とを合せてそれぞれ少なくとも12個の炭素原子を含むことを条件としてさらにR
102として定義され、
R
102は、式
【化18】
【0072】
の基であり、
T
101は、2〜9個の炭素原子を有する架橋であり、その3分の1以下がOおよび/またはNR
200で置換されていてもよく、ここでOまたはNR
200の間に少なくとも2個の炭素原子が存在しなければならず、そして分枝していてもよい鎖および/または5員もしくは6員環の形態で配置されていてよく、
R
131は、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
16−アルキル基、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
16−アルケニル基、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基、ベンジル、フェネチルもしくはフェニルプロピル基、非イオン性基で置換されていてもよいフェニル基または複素環基、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
16−アルコキシ基、シクロペントキシまたはシクロヘキソキシ基、ベンジルオキシ、フェネチルオキシもしくはフェニルプロポキシ基、非イオン性基により置換されていてもよいフェノキシ基またはヘテロアリールオキシ基、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
22−アルキルアミノ基、シクロペンチルアミノまたはシクロヘキシルアミノ基、ベンジルアミノ、フェネチルアミノもしくはフェニルプロピルアミノ基、非イオン性基により置換されていてもよいフェニルアミノ基またはヘテロアリールアミノ基であり、
T
102は、1〜9個の炭素原子を有する架橋であり、これは分枝していてもよい鎖および/または5もしくは6員環の形態で配置されてもよく、
R
132は、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
1−〜C
16−アルキル基、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基、ベンジル、フェネチルもしくはフェニルプロピル基、非イオン性基で置換されていてもよいフェニル基または複素環基であり、
AはNR
201または酸素であり、
R
200およびR
201は独立して、水素、メチルまたはエチルであり、
R
103およびR
104は独立して、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
1−〜C
5−アルキル基であるか、
または
R
102は、式
【化19】
【0073】
の基であり、
T
101、R
131、T
102、R
132、R
200、R
201およびAは、T
101とR
131とを合せて、およびT
102とR
132とを合わせてそれぞれ12個の炭素原子を含むことを条件として、上記の定義を有し、
R
101、R
103およびR
104は、N
+原子と一緒になって、C
1−〜C
6−アルキル、C
1−〜C
6−アルコキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジルまたはフェニルから選択される1つの基で少なくとも置換されたイミダゾール環またはピリジン環を形成するか、
または
R
101は、分枝していてもよいC
14−〜C
22−アルキル基であるか、またはT
101とR
131とを合せて、およびT
102とR
132とを合せてそれぞれ少なくとも12個の炭素原子を含むことを条件としてさらにR
102として定義され、
R
102は、式
【化20】
【0074】
の基であり、
ならびに、T
101、R
131、T
102、R
132、R
200、R
201およびAは、上記の定義を有し、
R
103およびR
104は一緒になって、−(CH
2)
4−、−(CH
2)
5−または−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−架橋を形成し、
ならびに
R
1およびR
4は上記で定義した通りである)。
【0075】
以下の式(C)の化合物が特に好ましい、
(式中、
R
101は、分枝していてもよい、C
14−〜C
22−アルキル基であり、
R
102は、式
【化21】
【0076】
の基であり、
T
101は、2〜8個の炭素原子を有し、1個または2個の酸素原子を含んでよく、2個の酸素原子の間に少なくとも2個の炭素原子が存在しなければならない形態の架橋、または式
【化22】
【0077】
の架橋であり、
R
131は、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
16−アルキル基、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基、ベンジル基、非イオン性基で置換されていてもよいフェニル基、またはフリル、チエニルもしくはピリジル基、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
16−アルコキシ基、シクロペントキシまたはシクロヘキソキシ基、ベンジルオキシ基、非イオン性基で置換されていてもよいフェノキシ基、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
22−アルキルアミノ基、シクロペンチルアミノまたはシクロヘキシルアミノ基、ベンジルアミノ基、非イオン性基で置換されていてもよいフェニルアミノ基またはピリジルアミノ基であり、
T
102は、2〜8個の炭素原子を有する分枝していてもよい鎖の形態の架橋であるか、または式
【化23】
【0078】
の架橋であり、
R
132は、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
1−〜C
16−アルキル基、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基、ベンジル基、非イオン性基で置換されていてもよいフェニル基またはピリジル基であり、
AはNR
201または酸素であり、
R
201は水素またはメチルであり、
R
103およびR
104は独立して、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
1−〜C
5−アルキル基であるか、
または
R
102は、式
【化24】
【0079】
の基であり、
T
101、R
131、T
102、R
132、R
201およびAは、T
101とR
131とを合せて、およびT
102とR
132とを合わせてそれぞれ12個の炭素原子を含むことを条件として、上記の定義を有し、
R
101、R
103およびR
104は、N
+原子と一緒になって、C
1−〜C
4−アルキル、C
1−〜C
4−アルコキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジルまたはフェニルから選択される1つの基で少なくとも置換されたイミダゾール環またはピリジン環を形成するか、
または
R
101は、分枝していてもよいC
14−〜C
22−アルキル基であり、
R
102は、式
【化25】
【0080】
の基であり、
T
101、R
131、T
102、R
132、R
201およびAは、上記の定義を有し、
R
103およびR
104は一緒になって、−(CH
2)
4−、−(CH
2)
5−または−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−架橋を形成し、
ならびに
R
1およびR
4は上記で定義した通りである)。
【0081】
R
131およびR
132はまた、2つ以上の結合を介して式
【化26】
【0082】
の基に結合している基を意味すると理解される。
【0083】
そのような二官能性またはオリゴ官能性のR
131の例は−(CH
2)
4−、−NH−(CH
2)
6−NH−、
【化27】
【0085】
そのような二官能性またはオリゴ官能性のR
132の例は、−(CH
2)
2−、−(CH
2)
4−、−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−、
【化28】
【0087】
架橋T
101の例は、−(CH
2)
2−、−(CH
2)
3−、−(CH
2)
4−、−CH
2CH(CH
3)−、−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−、−[(CH
2)
2−O−]
2(CH
2)
2−、−(CH
2)
4−O−CH
2−CH
2−、
【化29】
【0089】
架橋T
102の例は、−CH
2−、−(CH
2)
2−、−(CH
2)
3−、−(CH
2)
4−、−CH
2CH(CH
3)−、−(CH
2)
5−、−(CH
2)
6−
【化30】
【0091】
複素環基は、少なくとも1つのN、OまたはSを含んでいてもよい、ベンゾ縮合されていてもよい、および/または非イオン性基によって置換されていてもよい5員または6員芳香族または準芳香族の部分飽和環または飽和環を意味すると理解される。ヘテロアリールオキシおよびヘテロアリールアミノにおける複素環基にも同じことが意味される。
【0092】
例は、ピリジル、ベンゾチアゾリル、チエニル、ピペリジルである。
【0093】
非イオン性基は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、COO−アルキルを意味すると理解される。
【0094】
ハロゲン、アルキル、アルコキシの例は、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、メトキシである。
【0095】
本発明は、ボレート成分が本発明による方法によって調製されていてもよい、または調製される以下の式(CC)の化合物をさらに提供する、
【化31】
【0096】
(式中、
R
301およびR
301’は、それぞれ独立して、分枝していてもよいC
14−〜C
22−アルキル基であるか、またはT
301とR
331とを合せて、およびT
302とR
332とを合せてそれぞれ少なくとも12個の炭素原子を含むことを条件として、さらにR
302として定義され、
R
302は式
【化32】
【0097】
の基であり、
T
301は、2〜16個の炭素原子を有する架橋であり、その3分の1以下がOおよび/またはNR
400で置換されていてもよく、ここでOまたはNR
200の間に少なくとも2個の炭素原子が存在しなければならず、そして、分枝していてもよい鎖および/または5員もしくは6員環の形態で配置されていてよく、
R
331は、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
22−アルキレン基、シクロペンチレン、シクロヘキシレンまたはシクロヘプチレン基、C
8−〜C
12−アリールジアルキレン基、非イオン性基により置換されていてもよいアリーレン基またはヘテロアリーレン基、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
22−アルカンジオキシ基、シクロペンタンジオキシ、シクロヘキサンジオキシまたはシクロヘプタンジオキシ基、C
7−〜C
12−オキシアリールアルキルオキシ基、C
8−〜C
12−アリールジ(アルキルオキシ)基、非イオン性基により置換されていてもよいベンゼンジオキシ基またはヘテロアリールジオキシ基、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
22−アルカンジアミノ基、シクロペンタンジアミノ、シクロヘキサンジアミノまたはシクロヘプタンジアミノ基、C
8−〜C
12−アミノアリールアルキルアミノ基、非イオン性基により置換されていてもよいベンゼンジアミノ基またはヘテロアリーレンジアミノ基、アルキレン−シクロアルキレン基、アルカンジシクロアルキレン基またはアルカンジアリーレン基であり、
T
302は、1〜16個の炭素原子を有する架橋であり、これは分枝していてもよい鎖および/または5もしくは6員環の形態で配置されていてもよく、
R
332は、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
1−〜C
22−アルキレン基、シクロペンチレン、シクロヘキシレンまたはシクロヘプチレン基、C
8−〜C
12−アラルキレン基、非イオン性基で置換されていてもよいアリーレンまたはヘテロアリーレン基であり、
AはNR
401または酸素であり、
R
400およびR
401は独立して水素またはC
1−〜C
4−アルキルであり、
R
303、R
304、R
303’およびR
304’は独立して、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
1−〜C
5−アルキル基であるか、
または
R
302は式
【化33】
【0098】
の基であり、
T
301、R
331、T
302、R
332、R
400、R
401およびAは、T
301とR
331とを合せて、およびT
302とR
332とを合せてそれぞれ少なくとも12個の炭素原子を含むことを条件として、上記の定義を有し、
R
301、R
303およびR
304は、N
+原子と一緒になって、C
1−〜C
8−アルキル、C
1−〜C
8−アルコキシ、C
5−〜C
7−シクロアルキル、ベンジルまたはフェニルから選択される1つの基で少なくとも置換されたイミダゾール環またはピリジン環を形成し、および/または
R
301’、R
303’およびR
304’は、N
+原子と一緒になって、C
1−〜C
8−アルキル、C
1−〜C
8−アルコキシ、C
5−〜C
7−シクロアルキル、ベンジルまたはフェニルから選択される1つの基で少なくとも置換されたイミダゾール環またはピリジン環を形成するか、
または
R
301およびR
301’は、それぞれ独立して、分枝していてもよいC
14−〜C
22−アルキル基であるか、またはT
301とR
331とを合せて、およびT
302とR
332とを合せてそれぞれ少なくとも12個の炭素原子を含むことを条件として、さらにR
302として定義され、
R
302は式
【化34】
【0099】
の基であり、
ならびに
T
301、R
331、T
302、R
332、R
400、R
401およびAは、上記の定義を有し、
R
303およびR
304は一緒になって−(CH
2)
4−、−(CH
2)
5−または−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−架橋を形成し、および/または
R
303’およびR
304’は一緒になって−(CH
2)
4−、−(CH
2)
5−または−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−架橋を形成し、
ならびに、R
1およびR
4は上記の通りである)。
【0100】
以下の式(CC)の化合物が好ましい
(式中、
R
301およびR
301’は、それぞれ独立して、分枝していてもよいC
14−〜C
22−アルキル基であるか、またはT
301とR
331とを合せて、およびT
302とR
332とを合せてそれぞれ少なくとも12個の炭素原子を含むことを条件として、さらにR
302として定義され、
R
302は式
【化35】
【0101】
の基であり、
T
301は、2〜9個の炭素原子を有する架橋であり、その3分の1以下がOおよび/またはNR
400で置換されていてもよく、ここで2つのOまたはNR
400の間に少なくとも2個の炭素原子が存在しなければならず、そして分枝していてもよい鎖および/または5員もしくは6員環の形態で配置されていてよく、
R
331は、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
16−アルキレン基、シクロペンチレンまたはシクロヘキシレン基、キシレン、ベンゼンジエチレンもしくはベンゼンジプロピレン基、非イオン性基により置換されていてもよいアリーレン基またはヘテロアリーレン基、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
16−アルカンジオキシ基、シクロペンタンジオキシまたはシクロヘキサンジオキシ基、ベンゼンジ(メチルオキシ)、ベンゼンジ(エチルオキシ)もしくはベンゼンジ(プロピルオキシ)基、非イオン性基により置換されていてもよいベンゼンジオキシ基またはヘテロアリーレンジオキシ基、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
22−アルカンジアミノ基、シクロペンタンジアミノまたはシクロヘキサンジアミノ基、ベンゼンジ(メチルアミノ)、ベンゼンジ(エチルアミノ)もしくはベンゼンジ(プロピルアミノ)基、ベンゼンジアミノ基、メチルジシクロヘキシレン基、非イオン性基で置換されていてもよい4−メチレンビス(4,1−フェニレン)基またはヘテロアリーレンジアミノ基であり、
T
302は、1〜9個の炭素原子を有する架橋であり、これは分枝していてもよい鎖および/または5もしくは6員環の形態で配置されていてもよく、
R
332は、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
1−〜C
16−アルキレン基、シクロペンチレンまたはシクロヘキシレン基、キシリレン、ベンゼンジエチレンもしくはベンゼンジプロピレン基、非イオン性基で置換されていてもよいアリーレンまたはヘテロアリーレン基であり、
AはNR
401または酸素であり、
R
400およびR
401は独立して、水素、メチルまたはエチルであり、
R
303およびR
304は独立して、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
1−〜C
5−アルキル基であり、および/または
R
303’およびR
304’は独立して、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
1−〜C
5−アルキル基であるか、
または
R
302は式
【化36】
【0102】
の基であり、
T
301、R
331、T
302、R
332、R
400、R
401およびAは、T
301とR
331とを合せて、およびT
302とR
332とを合せてそれぞれ12個の炭素原子を含むことを条件として、上記の定義を有し、
R
301、R
303およびR
304は、N
+原子と一緒になって、C
1−〜C
6−アルキル、C
1−〜C
6−アルコキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジルまたはフェニルから選択される1つの基で少なくとも置換されたイミダゾール環またはピリジン環を形成し、および/または
R
301’、R
303’およびR
304’は、N
+原子と一緒になって、C
1−〜C
6−アルキル、C
1−〜C
6−アルコキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジルまたはフェニルから選択される1つの基で少なくとも置換されたイミダゾール環またはピリジン環を形成するか、
または
R
301およびR
301’は、それぞれ独立して、分枝していてもよいC
14−〜C
22−アルキル基であるか、またはT
301とR
331とを合せて、およびT
302とR
332とを合せてそれぞれ少なくとも12個の炭素原子を含むことを条件として、さらにR
302として定義され、
R
302は式
【化37】
【0103】
の基であり、
ならびに
T
301、R
331、T
302、R
332、R
400、R
401およびAは、上記の定義を有し、
R
303およびR
304は一緒になって−(CH
2)
4−、−(CH
2)
5−または−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−架橋を形成し、および/または
R
303’およびR
304’は一緒になって−(CH
2)
4−、−(CH
2)
5−または−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−架橋を形成し、
ならびに
R
1およびR
4は上記で定義した通りである)。
【0104】
以下の式(CC)の化合物が特に好ましい
(式中、
R
301およびR
301’はそれぞれ独立して、分枝していてもよいC
14−〜C
22−アルキル基であり、
R
302は式
【化38】
【0105】
の基であり、
T
301は、2〜8個の炭素原子を有し、1個または2個の酸素原子を含んでよく、ここで2個の酸素原子の間に少なくとも2個の炭素原子が存在しなければならない形態の架橋、または式
【化39】
【0106】
の架橋であり、
R
331は、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
16−アルキレン基、シクロペンチレンまたはシクロヘキシレン基、キシリレン基、非イオン性基により置換されていてもよいアリーレン基またはフリレン、チエニレンもしくはピリジレン基、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
16−アルカンジオキシ基、シクロペンタンジオキシまたはシクロヘキサンジオキシ基、ベンゼンジ(メチルオキシ)基、非イオン性基により置換されていてもよいベンゼンジオキシ基、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
4−〜C
22−アルカンジアミノ基、シクロペンタンジアミノまたはシクロヘキサンジアミノ基、ベンゼンジ(メチルアミノ)基、非イオン性基により置換されていてもよいベンゼンジアミノ基またはピリジンジアミノ基であり、
T
302は、2〜8個の炭素原子を有する分枝していてもよい鎖の形態の架橋、または式
【化40】
【0107】
の架橋であり、
R
332は、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
1−〜C
16−アルキレン基、シクロペンチレンまたはシクロヘキシレン基、キシリレン基、非イオン性基により置換されていてもよいアリーレン基またはピリジレン基であり、
AはNR
401または酸素であり、
R
401は水素またはメチルであり、
R
303およびR
304は独立して、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
1−〜C
5−アルキル基であり、および/または
R
303’およびR
304’は独立して、分枝していてもよい、および/または置換されていてもよいC
1−〜C
5−アルキル基であるか、
または
R
302は式
【化41】
【0108】
の基であり、
T
301、R
331、T
302、R
332、R
400、R
401およびAは、T
301とR
331とを合せて、およびT
302とR
332とを合せてそれぞれ少なくとも12個の炭素原子を含むことを条件として、上記の定義を有し、
R
301、R
303およびR
304は、N
+原子と一緒になって、C
1−〜C
4−アルキル、C
1−〜C
4−アルコキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジルまたはフェニルから選択される1つの基で少なくとも置換されたイミダゾール環またはピリジン環を形成し、および/または
R
301’、R
303’およびR
304’は、N
+原子と一緒になって、C
1−〜C
4−アルキル、C
1−〜C
4−アルコキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジルまたはフェニルから選択される1つの基で少なくとも置換されたイミダゾール環またはピリジン環を形成するか、
または
R
301およびR
301’はそれぞれ独立して、分枝していてもよいC
14−〜C
22−アルキル基であり、
R
302は式
【化42】
【0109】
の基であり、
ならびに
T
301、R
331、T
302、R
332、R
400、R
401およびAは、上記の定義を有し、
R
303およびR
304は一緒になって−(CH
2)
4−、−(CH
2)
5−または−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−架橋を形成し、および/または
R
303’およびR
304’は一緒になって−(CH
2)
4−、−(CH
2)
5−または−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−架橋を形成し、
ならびに
R
1およびR
4は上記で定義した通りである)。
【0110】
以下の式(CC)の化合物が非常に特に好ましい
(式中、
対としてのR
301とR
301’、R
302とR
302’、R
303とR
303’が同じであり、他の基が上記の定義を有する)。
【0112】
中のR
331およびR
332は、
式
【化44】
【0113】
の基に3つ以上の結合を介して結合している基も意味すると理解される。
【0114】
そのような二官能性またはオリゴ官能性のR
331の例は−(CH
2)
4−、−NH−(CH
2)
6−NH−、
【化45】
【0116】
そのような二官能性またはオリゴ官能性のR
332の例は−(CH
2)
2−、−(CH
2)
4−、−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−、
【化46】
【0118】
架橋T
301の例は、−(CH
2)
2−、−(CH
2)
3−、−(CH
2)
4−、−CH
2CH(CH
3)−、−(CH
2)
2−O−(CH
2)
2−、−[(CH
2)
2−O−]
2(CH
2)
2−、−(CH
2)
4−O−CH
2−CH
2−
【化47】
【0120】
架橋T
302の例は、−CH
2−、−(CH
2)
2−、−(CH
2)
3−、−(CH
2)
4−、−CH
2CH(CH
3)−、−(CH
2)
5−、−(CH
2)
6−、
【化48】
【0122】
複素環基は、少なくとも1つのN、OまたはSを含んでいてもよい、ベンゾ縮合されていてもよい、および/または非イオン性基によって置換されていてもよい5員または6員芳香族または準芳香族の部分飽和環または飽和環を意味すると理解される。ヘテロアリールオキシおよびヘテロアリールアミノにおける複素環基にも同じことが意味される。
【0123】
例は、ピリジル、ベンゾチアゾリル、チエニル、ピペリジルである。
【0124】
非イオン性基は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、シアノ、ニトロ、COO−アルキルを意味すると理解される。
【0125】
ハロゲン、アルキル、アルコキシの例は、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、メトキシである。
【0126】
本発明によるフォトポリマー配合物のマトリックスポリマーは、特に架橋状態であり得、より好ましくは三次元架橋状態であり得る。
【0127】
本発明は同様に、本発明による方法により調製可能な、または調製されたトリアリールオルガノボレートを提供する。
【0128】
本発明はさらに、光開始剤系における、本発明に従って調製可能な、または調製されたトリアリールオルガノボレートまたは式(C)の上記化合物または式(CC)の上記化合物の使用、ならびに本発明に従って調製されたトリアリールオルガノボレートを含む光重合性成分および光開始剤系を含むフォトポリマー組成物を提供する。さらに、ホログラフィック媒体およびそれから得られるホログラムは、上記のフォトポリマー組成物から到達可能である。
【0129】
対応するフォトポリマー配合物の適切なマトリックスポリマーは、特に架橋状態、より好ましくは三次元架橋状態にあり得る。
【0130】
マトリックスポリマーがポリウレタンであることも有利であり、この場合、ポリウレタンは、特に、少なくとも1種のポリイソシアネート成分a)と、少なくとも1種のイソシアネート反応性成分b)とを反応させることによって得ることができる。
【0131】
ポリイソシアネート成分a)は、好ましくは、少なくとも2個のNCO基を有する少なくとも1種の有機化合物を含む。これらの有機化合物は、特に、モノマージ−およびトリイソシアネート、ポリイソシアネートおよび/またはNCO−官能性プレポリマーであり得る。ポリイソシアネート成分a)はまた、モノマージ−およびトリイソシアネート、ポリイソシアネートおよび/またはNCO官能性プレポリマーの混合物を含有するか、またはそれらからなってよい。
【0132】
使用されるモノマージ−およびトリイソシアネートは、当業者にそれ自体よく知られている化合物のいずれか、またはこれらの混合物であり得る。これらの化合物は、芳香族、芳香脂肪族、脂肪族または脂環式の構造を有していてもよい。モノマージ−およびトリイソシアネートはまた、モノイソシアネート、すなわち1つのNCO基を有する有機化合物を少量で含んでもよい。
【0133】
適切なモノマージ−およびトリイソシアネートの例は、ブタン1,4−ジイソシアネート、ペンタン1,5−ジイソシアネート、ヘキサン1,6−ジイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート、HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートおよび/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,8−ジイソシアナト−4−(イソシアナトメチル)オクタン、ビス(4,4’−イソシアナトシクロヘキシル)メタンおよび/またはビス(2’,4−イソシアナトシクロへキシル)メタンおよび/または任意の異性体含量を有するこれらの混合物、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、異性体ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,4−および/または2,6−ジイソシアナト−1−メチルシクロヘキサン(ヘキサヒドロトリレン2,4−および/または2,6−ジイソシアネート、H
6−TDI)、フェニレン1,4−ジイソシアネート、トリレン2,4−および/または2,6−ジイソシアネート(TDI)、ナフチレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、ジフェニルメタン2,4’−および/または4,4’−ジイソシアネート(MDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(XDI)および/または類似の1,4異性体または前記化合物の任意の所望の混合物である。
【0134】
適切なポリイソシアネートは、ウレタン、ウレア、カルボジイミド、アシルウレア、アミド、イソシアヌレート、アロファネート、ビウレット、オキサジアジントリオン、ウレトジオンおよび/またはイミノオキサジアジンジオン構造を有する化合物であり、上記ジ−またはトリイソシアネートから得ることができる。
【0135】
より好ましくは、ポリイソシアネートはオリゴマー化された脂肪族および/または脂環式のジ−またはトリイソシアネートであり、特に上記の脂肪族および/または脂環式のジ−またはトリイソシアネートの使用が可能である。
【0136】
イソシアヌレート、ウレトジオンおよび/またはイミノオキサジアジンジオン構造を有するポリイソシアネート、およびHDIまたはこの混合物に基づくビウレットが特に好ましい。
【0137】
適切なプレポリマーは、ウレタンおよび/またはウレア基を含み、および上記に特定されたNCO基の修飾を介して形成されるさらなる構造を含んでもよい。この種のプレポリマーは、例えば、上述のモノマージ−およびトリイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートa1)とイソシアネート反応性化合物b1)との反応によって得ることができる。
【0138】
使用されるイソシアネート反応性化合物b1)は、アルコールまたはアミノまたはメルカプト化合物、好ましくはアルコールであり得る。これらは特にポリオールであってもよい。最も好ましくは、使用されるイソシアネート反応性化合物b1)は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ(メタ)アクリレートポリオールおよび/またはポリウレタンポリオールであってもよい。
【0139】
適切なポリエステルポリオールは、例えば、直鎖ポリエステルジオールまたは分枝ポリエステルポリオールであり、これらは、脂肪族、脂環式または芳香族のジ−またはポリカルボン酸またはこの無水物と、OH官能価が2価以上の多価アルコールとを反応させることによって公知の方法で得ることができる。適切なジカルボン酸またはポリカルボン酸の例は、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸もしくはトリメリット酸などの多塩基性カルボン酸、ならびに無水フタル酸、無水トリメリット酸もしくは無水コハク酸などの酸無水物、またはこれらの任意の所望の混合物である。ポリエステルポリオールはまた、ヒマシ油などの天然原料をベースにしていてもよい。同様に、ポリエステルポリオールは、ラクトンのホモポリマーまたはコポリマーをベースとすることも可能であり、これは、好ましくは、ブチロラクトン、ε−カプロラクトンおよび/またはメチル−ε−カプロラクトンなどのラクトンまたはラクトン混合物を、OH官能価が2以上の多価アルコールなどのヒドロキシ官能性化合物、例えば以下に指定する種類の化合物上に付加することによって得ることができる。
【0140】
適切なアルコールの例は、すべての多価アルコール、例えばC
2〜C
12ジオール、異性体シクロヘキサンジオール、グリセロールまた任意の所望の相互混合物である。
【0141】
適切なポリカーボネートポリオールは、有機カーボネートまたはホスゲンとジオールまたはジオール混合物とを反応させることによってそれ自体公知の様式で得ることができる。
【0142】
適切な有機カーボネートは、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートおよびジフェニルカーボネートである。
【0143】
適切なジオールまたは混合物は、ポリエステルセグメントの文脈において述べたOH官能価が2以上の多価アルコール、好ましくはブタン−1,4−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオールおよび/または3−メチルペンタンジオールを含む。ポリエステルポリオールをポリカーボネートポリオールに転化することも可能である。
【0144】
適切なポリエーテルポリオールは、ブロック構築体であってもよい、OH−またはNH−官能性出発分子への環状エーテルの重付加生成物である。
【0145】
適切な環状エーテルは、例えば、スチレンオキシド、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、ブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、およびこれらの任意の所望の混合物である。
【0146】
使用される開始剤は、ポリエステルポリオールの文脈において述べたOH官能価が2以上の多価アルコール、および第一級または第二級のアミンおよびアミノアルコールであってよい。
【0147】
好ましいポリエーテルポリオールは、プロピレンオキシドのみに基づく上述の型のもの、またはプロピレンオキシドとさらなる1−アルキレンオキシドとに基づくランダムまたはブロックコポリマーである。プロピレンオキシドホモポリマーならびにオキシエチレン、オキシプロピレンおよび/またはオキシブチレン単位を有するランダムまたはブロックコポリマーが特に好ましく、ここでオキシエチレン単位、オキシプロピレン単位およびオキシブチレン単位の総量に基づくオキシプロピレン単位の割合は、少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも45重量%を構成する。ここでオキシプロピレンおよびオキシブチレンは、それぞれの直鎖および分枝のC
3およびC
4異性体のすべてを含む。
【0148】
さらに、多官能性イソシアネート反応性化合物としてのポリオール成分b1)の適切な構成成分は、低分子量、すなわち分子量500g/molを有し、短鎖、すなわち2〜20個の炭素原子を含む、脂肪族、芳香脂肪族または脂環式のジ−、トリ−または多官能性アルコールである。
【0149】
これらは、例えば、上記化合物に加えて、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール、トリメチルペンタンジオール、位置異性体ジエチルオクタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ヘキサン−1,6−ジオール、シクロヘキサン−1,2−および1,4−ジオール、水素化ビスフェノールA、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンまたは2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルエステルであってよい。適切なトリオールの例は、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンまたはグリセロールである。適切な多官能性アルコールは、ジ(トリメチロールプロパン)、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールまたはソルビトールである。
【0150】
ポリオール成分が、二官能性のポリエーテル、またはポリエステル、またはポリエーテル−ポリエステルブロックコポリエステルまたは第一級OH官能基を有するポリエーテル−ポリエステルブロックコポリマーである場合、特に好ましい。
【0151】
アミンをイソシアネート反応性化合物b1)として使用することも同様に可能である。適切なアミンの例は、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソホロンジアミン(IPDA)、二官能性ポリアミン、例えばJeffamines(登録商標)、特に数平均モル質量≦10000g/molを有するアミン末端ポリマーである。前述のアミンの混合物も同様に使用することができる。
【0152】
イソシアネート反応性化合物b1)としてアミノアルコールを使用することも同様に可能である。適切なアミノアルコールの例は、異性体アミノエタノール、異性体アミノプロパノール、異性体アミノブタノールおよび異性体アミノヘキサノール、またはこれらの任意の所望の混合物である。
【0153】
上記のイソシアネート反応性化合物b1)はすべて、所望により互いに混合することができる。
【0154】
イソシアネート反応性化合物b1)が数平均モル質量≧200かつ≦10000g/mol、さらに好ましくは≧500かつ≦8000g/mol、最も好ましくは≧800かつ≦5000g/molを有することが好ましい。ポリオールのOH官能価は、好ましくは1.5〜6.0、より好ましくは1.8〜4.0である。
【0155】
ポリイソシアネート成分a)のプレポリマーは、特に、<1重量%、より好ましくは<0.5重量%、最も好ましくは<0.3重量%の遊離モノマージ−およびトリイソシアネートの残留含量を有してよい。
【0156】
ポリイソシアネート成分a)が、NCO基がコーティング技術から公知のブロッキング剤と完全に、または部分的に反応した有機化合物を、完全にまたは部分的に含んでいてもよい。ブロッキング剤の例は、アルコール、ラクタム、オキシム、マロン酸エステル、ピラゾールおよびアミン、例えばブタノンオキシム、ジイソプロピルアミン、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、3,5−ジメチルピラゾール、ε−カプロラクタムまたはこれらの混合物である。
【0157】
ポリイソシアネート成分a)が脂肪族結合NCO基を有する化合物を含む場合、脂肪族結合NCO基は、第一級炭素原子に結合する基を意味すると理解されることが特に好ましい。イソシアネート反応性成分b)は、好ましくは、少なくとも1.5個、好ましくは2〜3個のイソシアネート反応性基を有する少なくとも1種の有機化合物を含む。本発明の文脈において、イソシアネート反応性基は、好ましくは、ヒドロキシル基、アミノ基またはメルカプト基であるとみなされる。
【0158】
イソシアネート反応性成分は、特に、少なくとも1.5個、好ましくは2〜3個のイソシアネート反応性基の数平均を有する化合物を含むことができる。
【0159】
成分b)の適切な多官能性イソシアネート反応性化合物は、例えば、上記の化合物b1)である。
【0160】
さらに好ましい実施形態において、書き込みモノマーc)は、少なくとも1種の単官能性および/または1種の多官能性の書き込みモノマーを含むか、またはこれらからなる。さらに好ましくは、書き込みモノマーは、少なくとも1種の単官能性および/または1種の多官能性の(メタ)アクリレート書き込みモノマーを含むか、またはこれらからなり得る。最も好ましくは、書き込みモノマーは、少なくとも1種の単官能性および/または1種の多官能性のウレタン(メタ)アクリレートを含むか、またはこれらからなり得る。
【0161】
適切なアクリレート書き込みモノマーは、特に以下の一般式(V)の化合物である、
【化49】
【0162】
(式中、m≧1かつm≦4であり、そしてR
7は、非置換であるかまたはヘテロ原子で置換されていてもよい直鎖状、分枝状、環状または複素環式有機部分であり、および/またはR
8は、水素または非置換であるか、もしくはヘテロ原子で置換されていてもよい直鎖状、分枝状、環状または複素環式有機部分である)。より好ましくは、R
8は水素またはメチルであり、および/またはR
7は、非置換またはヘテロ原子で置換されていてもよい直鎖状、分枝状、環状または複素環式の有機基である。
【0163】
アクリレートおよびメタクリレートは、本文脈においてそれぞれアクリル酸およびメタクリル酸のエステルを指す。好ましい使用可能なアクリレートおよびメタクリレートの例は、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシエトキシエチルアクリレート、フェノキシエトキシエチルメタクリレート、フェニルチオエチルアクリレート、フェニルチオエチルメタクリレート、2−ナフチルアクリレート、2−ナフチルメタクリレート、1,4−ビス(2−チオナフチル)−2−ブチルアクリレート、1,4−ビス(2−チオナフチル)−2−ブチルメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、およびそれらのエトキシル化類似体化合物、またはN−カルバゾリルアクリレートである。
【0164】
ウレタンアクリレートは、本文脈において少なくとも1つのアクリル酸エステル基および少なくとも1つのウレタン結合を有する化合物を意味すると理解される。そのような化合物は、例えば、ヒドロキシ官能性アクリレートまたはメタクリレートをイソシアネート官能性化合物と反応させることによって得ることができる。
【0165】
この目的のために使用可能なイソシアネート官能性化合物の例は、モノイソシアネート、およびa)で挙げたモノマージイソシアネート、トリイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートである。適切なモノイソシアネートの例は、フェニルイソシアネート、異性体メチルチオフェニルイソシアネートである。ジ−、トリ−またはポリイソシアネートについては上で述べているが、さらにウレタン、ウレア、カルボジイミド、アシルウレア、イソシアヌレート、アロファネート、ビウレット、オキサジアジントリオン、ウレトジオン、イミノオキサジアジンジオン構造を有するトリフェニルメタン4,4’,4’’−トリイソシアネートおよびトリス(p−イソシアナトフェニル)チオホスフェートまたはこれらの誘導体およびこれらの混合物が挙げられる。ここでは芳香族ジ−、トリ−またはポリイソシアネートが好ましい。
【0166】
ウレタンアクリレートの調製に有用なヒドロキシ官能性アクリレートまたはメタクリレートには、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ポリ(ε−カプロラクトン)モノ(メタ)アクリレート、例えばTone(登録商標)M100(Dow、Schwalbach、DE)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、多価アルコールのヒドロキシ官能性モノ−、ジ−、またはテトラアクリレート、例えば、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、エトキシル化された、プロポキシル化された、またはアルコキシル化されたトリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールまたはこれらの工業的グレードの混合物などの化合物が挙げられる。2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートおよびポリ(ε−カプロラクトン)モノ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0167】
同様に、OH含量20〜300mg KOH/gを有する本質的に公知のヒドロキシル含有エポキシ(メタ)アクリレートまたはOH含量20〜300mg KOH/gを有するヒドロキシル含有ポリウレタン(メタ)アクリレートまたはOH含量20〜300mg KOH/gを有するアクリル化ポリアクリレートおよびこれらの相互混合物、ならびにヒドロキシル含有不飽和ポリエステルとの混合物、およびポリエステル(メタ)アクリレートとの混合物またはヒドロキシル含有不飽和ポリエステルとポリエステル(メタ)アクリレートとの混合物の使用が可能である。
【0168】
トリス(p−イソシアナトフェニル)チオホスフェートおよび/またはm−メチルチオフェニルイソシアネートと、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートおよび/またはヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのアルコール官能性アクリレートとの反応から得られるウレタンアクリレートが特に好ましい。
【0169】
書き込みモノマーは、α、β−不飽和カルボン酸誘導体、例えばマレエート、フマレート、マレイミド、アクリルアミドなどの不飽和化合物、およびさらにビニルエーテル、プロペニルエーテル、アリルエーテルおよびジシクロペンタジエニル単位を含有する化合物、およびさらにオレフィン性不飽和化合物、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンおよび/またはオレフィンを含むか、またはこれらからなることも同様に可能である。
【0170】
成分d)の光開始剤は、典型的には、書き込みモノマーの重合を引き起こすことができる化学線により活性化可能な化合物である。光開始剤は、単分子(I型)開始剤と二分子(II型)開始剤とに区別することができる。加えて、それらはフリーラジカル、アニオン性、カチオン性または混合型の重合のための、光開始剤としてのそれらの化学的性質によって区別される。
【0171】
フリーラジカル光重合のためのI型光開始剤(I型Norrish)は、単分子結合の切断を介した照射によりフリーラジカルを形成する。I型光開始剤の例は、トリアジン、オキシム、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、ビスイミダゾール、アロイルホスフィンオキシド、スルホニウム塩およびヨードニウム塩である。
【0172】
フリーラジカル重合のためのII型光開始剤(II型Norrish)は、増感剤としての色素と共開始剤とからなり、色素に適合する光の照射で二分子反応を行う。色素は最初に光子を吸収し、励起状態から共開始剤にエネルギーを伝達する。後者は、電子またはプロトン移動または直接的な水素引き抜きを介して重合を誘発するフリーラジカルを放出する。
【0173】
本発明の文脈において、II型光開始剤の使用が好ましい。
【0174】
この種の光開始剤系は原則として欧州特許出願第0223587号に記載されており、好ましくは1または複数の色素と式(IV)の本発明の化合物との混合物からなる。
【0175】
式(IV)の化合物と一緒に、II型光開始剤を形成する適切な色素は、国際公開第2012062655号に記載されているカチオン性色素であり、同様にそこに記載されているアニオンと組み合わされる。
【0176】
カチオン色素は、好ましくは以下のクラスのものを意味すると理解される:アクリジン色素、キサンテン色素、チオキサンテン色素、フェナジン色素、フェノキサジン色素、フェノチアジン色素、トリ(ヘテロ)アリールメタン色素、特にジアミノ−およびトリアミノ(ヘテロ)アリールメタン色素、モノ−、ジ−、トリ−およびペンタメチンシアニン色素、ヘミシアニン色素、外部カチオン性メロシアニン色素、外部カチオン性ニュートロシアニン色素、ゼロメチン色素−特にナフトラクタム色素、ストレプトシアニン色素。この種の色素は、例えば、H.Berneth 、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、Azine Dyes、Wiley−VCH Verlag、2008年、H.Berneth、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、Methine Dyes and Pigments、Wiley−VCH Verlag、2008年、T.Gessner,U.Mayer、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、Triarylmethane and Diarylmethane Dyes、Wiley−VCH Verlag、2000年に記載されている。
【0177】
フェナジン色素、フェノオキサジン色素、フェノチアジン色素、トリアミノ(ヘテロ)アリールメタン色素、特にジアミノ−およびトリアミノ(ヘテロ)アリールメタン色素、モノ−、ジ−、トリ−およびペンタメチンシアニン色素、ヘミシアニン色素、ゼロメチン色素−特にナフトラクタム色素、ストレプトシアニン色素が特に好ましい。
【0178】
カチオン性色素の例は、アストラゾンオレンジG、ベーシックブルー3、ベーシックオレンジ22、ベーシックレッド13、ベーシックバイオレット7、メチレンブルー、ニューメチレンブルー、アズールA、2,4−ジフェニル−6−(4−メトキシフェニル)ピリリウム、サフラニンO、アストラフロキシン、ブリリアントグリーン、クリスタルバイオレット、エチルバイオレットおよびチオニンである。
【0179】
好ましいアニオンは、特に、C
8−〜C
25−アルカンスルホネート、好ましくはC
13−〜C
25−アルカンスルホネート、C
3−〜C
18−ペルフルオロアルカンスルホネート、アルキル鎖中に少なくとも3個の水素原子を有するC
4−〜C
18−ペルフルオロアルカンスルホネート、C
9−〜C
25−アルカノエート、C
9−〜C
25−アルケノエート、C
8−〜C
25−アルキルサルフェート、好ましくはC
13−〜C
25−アルキルサルフェート、C
8−〜C
25−アルケニルサルフェート、好ましくはC
13−〜C
25−アルケニルサルフェート、C
3−〜C
18−ペルフルオロアルキルサルフェート、アルキル鎖中に少なくとも3個の水素原子を有するC
4−〜C
18−ペルフルオロアルキルサルフェート、少なくとも4当量のエチレンオキシドおよび/または4当量のプロピレンオキシドをベースとするポリエーテルサルフェート、ビスC
4−〜C
25−アルキルスルホスクシネート、C
5−〜C
7−シクロアルキルスルホスクシネート、C
3−〜C
8−アルケニルスルホスクシネートまたはC
7−〜C
11−アラルキルスルホスクシネート、少なくとも8個のフッ素原子で置換されたビス−C
2−〜C
10−アルキルスルホスクシネート、C
8−〜C
25−アルキルスルホアセテート、ハロゲン、C
4−〜C
25−アルキル、ペルフルオロ−C
1−〜C
8−アルキルおよび/またはC
1−〜C
12−アルコキシカルボニルの群からの少なくとも1つの基で置換されたベンゼンスルホネート、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、C
1−〜C
25−アルキル、C
1−〜C
12−アルコキシ、アミノ、C
1−〜C
12−アルコキシカルボニルまたは塩素により置換されていてもよいナフタレン−またはビフェニルスルホネート、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、C
1〜C
25−アルキル、C
1−〜C
12−アルコキシ、C
1−〜C
12−アルコキシカルボニルまたは塩素で置換されていてもよいベンゼン−、ナフタレン−またはビフェニルジスルホネート、ジニトロ、C
6−〜C
25−アルキル、C
4−〜C
12−アルコキシカルボニル、ベンゾイル、クロロベンゾイルまたはトルオイルにより置換されたベンゾエート、ナフタレンジカルボン酸のアニオン、ジフェニルエーテルジスルホネート、脂肪族C
1−〜C
8−アルコールまたはグリセロールのスルホン化または硫酸化された、少なくとも一不飽和されていてよいC
8−〜C
25−脂肪酸エステル、ビス(スルホ−C
2−〜C
6−アルキル)C
3−〜C
12−アルカンジカルボキシレート、ビス(スルホ−C
2−〜C
6−アルキル)イタコネート、(スルホ−C
2−〜C
6−アルキル)C
6−〜C
18−アルカンカルボキシレート、スルホ−C
2−〜C
6−アルキルアクリレートまたはメタクリレート、12個までのハロゲン基により置換されていてもよいトリスカテコールホスフェート、フェニルまたはフェノキシ基がハロゲン、C
1−〜C
4−アルキルおよび/またはC
1−〜C
4−アルコキシによって置換されていてもよいテトラフェニルボレート、シアノトリフェニルボレート、テトラフェノキシボレート、C
4−〜C
12−アルキルトリフェニルボレートの群からのアニオン、C
4−〜C
12−アルキルトリナフチルボレート、テトラ−C
1−〜C
20−アルコキシボレート、1または2個のC
1−〜C
12−アルキルまたはフェニル基によりホウ素原子および/または炭素原子が置換されていてもよい7,8−または7,9−ジカルバニドウンデカボレート(1−)または(2−)、ドデカヒドロジカルバドデカボレート(2−)またはB−C
1−〜C
12−アルキル−C−フェニルドデカヒドロジカルバドデカボレート(1−)であり、ナフタレンジスルホネートなどの多価アニオンの場合、A
−は一当量のこのアニオンを表し、アルカンおよびアルキル基は、分枝であっても、および/またはハロゲン、シアノ、メトキシ、エトキシ、メトキシカルボニルまたはエトキシカルボニルにより置換されていてもよい。
【0180】
色素のアニオンA
−が1〜30の範囲のAClogP、より好ましくは1〜12の範囲、特に好ましくは1〜6.5の範囲のAClogPを有する場合もまた好ましい。AClogPは、J.Comput.Aid.Mol.Des.2005年、19、453;Virtual Computational Chemistry Laboratory,http://www.vcclab.org.に従って、コンピュータにより計算される。
【0181】
光開始剤系は、さらなる共開始剤、例えばトリクロロメチル開始剤、アリールオキシド開始剤、ビスイミダゾール開始剤、フェロセン開始剤、アミノアルキル開始剤、オキシム開始剤、チオール開始剤または過酸化物開始剤を含有してもよい。
【0182】
さらに好ましい実施形態において、フォトポリマー配合物は、添加剤としてウレタンをさらに含有し、この場合ウレタンは特に少なくとも1個のフッ素原子で置換されていてもよい。
【0183】
好ましくは、ウレタンは以下の一般式(VI)を有することができる
【化50】
【0184】
(式中、o≧1かつo≦8であり、R
9、R
10およびR
11はそれぞれ、非置換であるか、またはヘテロ原子によって置換されていてもよい直鎖状、分枝状、環状または複素環式の有機部分であり、および/またはR
10、R
11はそれぞれ独立して水素であり、この場合、R
9、R
10、R
11基の少なくとも1つは少なくとも1個のフッ素原子で置換されていることが好ましく、R
9は少なくとも1個のフッ素原子を有する有機基であることがより好ましい)。より好ましくは、R
11は、非置換、またはヘテロ原子、例えばフッ素で置換されていてもよい直鎖状、分枝状、環状または複素環式の有機部分である。
【0185】
本発明はさらに、特にマトリックスポリマー、書き込みモノマーおよび本発明による方法によって得ることができるまたは得られる式(IV)の化合物または式(C)の化合物をさらに含む光開始剤系を含むフォトポリマー配合物を含むフォトポリマーを提供する。
【0186】
本発明によるフォトポリマー配合物(forulation)のさらに好ましい実施形態に関する上記の記載は、本発明によるフォトポリマーについても準用される。
【0187】
ホログラフィック媒体も同様に入手可能になり、特に本発明によるフォトポリマーを含むフィルムの形態で、または本発明によるフォトポリマー配合物を使用することによって入手可能となる。フォトポリマー組成物は、ホログラフィック媒体の製造にも使用可能である。
【0188】
ホログラフィック情報をそのようなホログラフィック媒体に露光することが可能である。
【0189】
本発明によるホログラフィック媒体は、可視および近UV範囲(300〜800nm)全体にわたる光学用途のための対応する露光プロセスによって処理して、ホログラムを得ることができる。視覚的ホログラムは、当業者に公知の方法によって記録することができるすべてのホログラムを含む。これらは、インライン(Gabor)ホログラム、軸外ホログラム、フルアパーチャートランスファー(full−aperture transfer)ホログラム、白色光透過ホログラム(「レインボーホログラム」)、Denisyukホログラム、軸外反射ホログラム、エッジリットホログラムおよびホログラフィックステレオグラムを含む。反射ホログラム、Denisyukホログラム、透過ホログラムが好ましい。
【0190】
本発明によるフォトポリマー配合物を用いて製造することができるホログラムの可能な光学機能は、レンズ、ミラー、偏向ミラー、フィルタ、拡散器レンズ、回折素子、拡散器、光ガイド、導波路、投影レンズおよび/またはマスクなどの光素子の光学機能に対応する。同様に、これらの光学機能の組み合わせを、互いに独立して1つのホログラムに組み合わせることも可能である。これらの光学素子は、ホログラムがどのように露光されたか、およびホログラムの寸法に応じて周波数選択性を示すことが多い。
【0191】
さらに、ホログラフィック媒体を用いて、ホログラフィック画像またはダイアグラム、例えば個人的な肖像画、機密文書のバイオメトリック表現、または、全般的に、広告、セキュリティラベル、ブランド保護、ブランディング、ラベル、デザイン要素、装飾品、イラスト、コレクション用カード、絵などの画像または画像構造を生成することも可能であり、さらに上記に詳述した製品との組み合わせを含むデジタルデータを表すことができる絵を生成することも可能である。ホログラフィック画像は、3次元画像の印象を有することができ、または照らされる角度および光源(移動する光源を含む)などに応じて、連続画像、ショートフィルムまたは多数の異なるオブジェクトを表すこともできる。このさまざまな可能な設計のために、ホログラム、特に体積ホログラムは、上述の用途のための魅力的な技術的解決策を構成する。
【0192】
ホログラフィック媒体は、インライン、軸外、フルアパーチャートランスファー、白色光透過、Denisyuk、軸外反射、またはエッジリットホログラムの記録のために使用することができ、さらに、光学素子、画像または画像表現の生成のためのホログラフィックステレオグラムの記録のために使用することができる。
【0193】
ホログラムは、本発明によるホログラフィック媒体から得ることができる。
【0194】
以下の実施例は本発明の例示に役立つが、それに限定するものではない。
【0195】
[実施例]
試験方法:
OH価:報告のOH価は、DIN 53240−2に従って決定した。
【0196】
NCO値:報告のNCO値(イソシアネート含有量)は、DIN EN ISO 11909に従って決定した。
【0197】
固形分含有量:報告の固形分は、DIN EN ISO 3251に従って測定した。
【0198】
屈折率変調Δn:ホログラフィック媒体のホログラフィック特性Δnは、国際公開第2015091427号に記載の、反射配置におけるツインビーム干渉によって決定しており、代表的な結果を
図1に示す。
【0199】
物質
使用した溶媒、試薬およびすべてのブロモ芳香族化合物は化学品供給業者から購入した。無水溶媒は、<50ppmの水を含有する。
【0200】
エチルボロン酸ピナコールエステル[82954−89−0]は、TCI Europe N.V.、Zwijndrecht、Belgiumから入手可能である。
【0201】
イソプロピルボロン酸ピナコールエステル[76347−13−2]は、ABCR GmbH&Co.KG、Karlsruhe Germanyから入手可能である。
【0202】
2−イソプロペニルボロン酸ピナコールエステル[126726−62−3]は、ABCR GmbH&Co.KG、Karlsruhe Germanyから入手可能である。
【0203】
1−ドデシルボロン酸ピナコールエステル[177035−82−4]は、ABCR GmbH&Co.KG、Karlsruhe Germanyから入手可能である。
【0204】
3−フェニル−1−プロピルボロン酸ピナコールエステル[329685−40−7]は、ABCR GmbH&Co.KG、Karlsruhe Germanyから入手可能である。
【0205】
ジイソプロピルアリルボロネート[51851−79−7]はABCR GmbH&Co.KG、Karlsruhe Germanyから入手可能である。
【0206】
(1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)シクロヘキサン[30169−75−6]は、ABCR GmbH&Co.KG、Karlsruhe Germanyから入手可能である。
【0207】
ジブロモボラン−ジメチルスルフィド錯体[55671−55−1]は、Aldrich Chemie、Steinheim、Germanyから入手可能である。
【0208】
1−オクタデセン[112−41−4]は、ABCR GmbH&Co.KG、Karlsruhe Germanyから入手可能である。
【0209】
Desmorapid Z ジブチルスズジラウレート[77−58−7]、Covestro AG、Leverkusen、Germanyの製品。
【0210】
Desmodur(登録商標)N 3900 Covestro AG、Leverkusen、DEの製品、ヘキサンジイソシアネートベースのポリイソシアネート、イミノオキサジアジンジオンの割合は少なくとも30%、NCO含有量:23.5%。
【0211】
Fomrez UL 28 ウレタン化触媒、Momentive Performance Chemicals、Wilton、CT、USAの市販製品。
【0212】
Lewatit(登録商標)MDS TP 208は、Lanxess Deutschland GmbH、Cologne、Germanyから入手可能である。
【0213】
2−ヘキシル−1,3,2−ジオキサボリナン[86290−24−6]は、1−ヘキセン、プロパン−1,3−ジオールおよびジブロモボラン−ジメチルスルフィド錯体から、Organometallics 1983年、2(10)、p.1311−16、DOI:10.1021/om5.0004a008に記載されているように調製した。
2−オクタデシル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランは、1−オクタデセン、プロパン−1,3−ジオールおよびジブロモボラン−ジメチルスルフィド錯体からOrganometallics 1983年、2(10)、p.1311−16、DOI:10.1021/om5.0004a008と同様に調製した。
【0214】
色素1(3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン−5−イウムビス(2−エチルヘキシル)スルホスクシネート)は、国際公開第2012062655号に記載されているように調製した。
【0215】
ポリオール1は、国際公開第2015091427号のポリオール1に記載されているように調製した。
【0216】
ウレタンアクリレート1(ホスホロチオイルトリス(オキシベンゼン−4,1−ジイルカルバモイルオキシエタン−2,1−ジイル)トリアクリレート、[1072454−85−3])は国際公開第2015091427号に記載されているように調製した。
【0217】
ウレタンアクリレート2(2−({[3−(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ)エチルプロパ−2−エノエート、[1207339−61−4])は、国際公開第2015091427号に記載されているように調製した。
【0218】
添加剤1、ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチル)−(2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイル)ビスカルバメート[1799437−41−4]は、国際公開第2015091427号に記載されているように調製した。
【0219】
使用した1/n Kn+カチオンの由来
表1に明記されている1/n K
n+カチオンは、記述した化学品供給業者から購入したか、または記述した出典に従って調製したか、または調製を以下に記載している。
【表1】
【0220】
市販されていないカチオン 1/n Kn+の調製
N−(2−((2−エチルヘキサノイル)オキシ)エチル)−N,N−ジメチルヘキサデカン−1−アミニウムブロミド(K−20)
5.00gのN,N−ジメチルエタノールアミンを最初氷浴で冷却した乾燥クロロホルム中に装入し、9.12gの2−エチルヘキサノイルクロリドを注意深く滴加して、混合物を室温で30分間撹拌した。30mlの飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、有機溶液を、それが塩化物を含まなくなるまで飽和炭酸水素ナトリウム溶液で抽出した。その後、有機相を30mlの水で洗浄し、溶液を乾燥させて、溶媒を減圧留去した。10.99gのアミノエステルが得られた。
【0221】
30mlのアセトニトリル中10.99gのアミノエステル溶液に15.58gの1−ブロモヘキサデカンを加えて、混合物を6時間加熱還流した。溶媒を減圧下でほぼ完全に留去し、沈殿した固体を単離し、無色の粘着性樹脂19.33gを得た。
【0222】
N−ベンジル−N,N−ジメチル−2−(2−(パルミトイルオキシ)エトキシ)エタン−1−アミニウムブロミド(K−21)
6.00gのN,N−2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシエタノールを最初氷浴で冷却した乾燥クロロホルム中に装入し、12.38gのヘキサデカノイルクロリドを注意深く滴加して、混合物を室温で30分間撹拌した。30mlの飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、有機溶液を、それが塩化物を含まなくなるまで飽和炭酸水素ナトリウム溶液で抽出した。その後、有機相を30mlの水で洗浄し、溶液を乾燥させて、溶媒を減圧留去した。14.68gのアミノエステルが得られた。
【0223】
30mlのアセトニトリル中14.68gのアミノエステル溶液に6.77gの臭化ベンジルを加え、混合物を6時間加熱還流した。溶媒を減圧下でほぼ完全に留去し、沈殿した固体を単離し、無色の粘着性樹脂8.23gを得た。
【0224】
2−(ベンゾイルオキシ)−N,N−ジメチル−N−(2−(パルミトイルオキシ)エチル)エタン−1−アミニウムブロミド(K−22)
6.00gのN,N−2−[2−(ジメチルアミノ)エトキシエタノールを最初氷浴で冷却した乾燥クロロホルム中に装入し、12.38gのヘキサデカノイルクロリドを注意深く滴加して、混合物を室温で30分間撹拌した。30mlの飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、有機溶液を、それが塩化物を含まなくなるまで飽和炭酸水素ナトリウム溶液で抽出した。その後、有機相を30mlの水で洗浄し、溶液を乾燥させて、溶媒を減圧留去した。14.68gのアミノエステルが得られた。
【0225】
30mlのアセトニトリル中14.68gのアミノエステル溶液に6.77gの臭化ベンジルを加え、混合物を6時間加熱還流した。溶媒を減圧下でほぼ完全に留去し、沈殿した固体を単離し、無色の粘着性樹脂8.23gを得た。
【0226】
N−(3−((2−エチルヘキシル)オキシ)−3−オキソプロピル)−N,N−ジメチルオクタデカン−1−アミニウムブロミド(K−23)
30mlのアセトニトリル中10.0gのN,N−ジメチル−β−アラニン2−エチルヘキシルエステル([184244−48−2]、米国特許第5565290号に記載されているように調製した)の溶液に15.0gの臭化オクタデシルを加え、混合物を6時間加熱還流した。溶媒を減圧下でほぼ完全に留去し、無色の油状物24.50gを得た。
【0227】
N−(2−((ヘキシルカルバモイル)オキシ)エチル)−N,N−ジメチルヘキサデカン−1−アミニウムブロミド(K−24)
29.4gのヘキシルイソシアネートと0.05gのDesmorapid Zとの混合物に、60℃で20.6gのN,N−ジメチルエタノールを滴加し、混合物をこの温度で8時間維持した。室温に冷却した後、50.0gのアミノウレタンを得た。
【0228】
50.0gのアミノウレタンを120mlのアセトニトリルに溶解し、70.6gの1−ブロモヘキサデカンを滴加して、混合物を12時間加熱還流した。沈殿した固体を単離し、冷エーテルで洗浄し、乾燥させて、無色の粘着性樹脂115.0gを得た。
【0229】
N
1,N
16−ジヘキサデシル−N
1,N
1,N
16,N
16,7,7,10−ヘプタメチル−4,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザヘキサデカン−1,16−ジアミニウムジブロミド(K−25)
27.0gのVestanat TMDI(EVONIK Deutschland製)と0.05gのDesmorapid Zとの混合物に、60℃で22.9gのN,N−ジメチルエタノールを滴加し、混合物をこの温度で8時間保持した。室温に冷却した後、50.0gのアミノウレタンを得た。
【0230】
11.7gのアミノウレタンを50mlのアセトニトリルに溶解し、18.3gの1−ブロモヘキサデカンを滴加して、混合物を12時間加熱還流した。沈殿した固体を単離し、冷エーテルで洗浄し、乾燥させて、無色の粘着性樹脂28.0gを得た。
【0231】
N−(2−((((5−(((2−(ヘキサデシルジメチルアンモニオ)エトキシ)カルボニル)アミノ)−1,3,3−トリメチルシクロヘキシル)メチル)カルバモイル)オキシ)エチル)−N,N−ジメチルヘキサデカン−1−アミニウムジブロミド(K−26)
27.7gのDesmodur I(COVESTRO Deutschlandの製品)と0.05gのDesmorapid Zとの混合物に、60℃で22.2gのN,N−ジメチルエタノールを滴加し、混合物をこの温度で8時間維持した。室温に冷却した後、50.0gのアミノウレタンを得た。
【0232】
11.9 gのアミノウレタンを50 mlのアセトニトリルに溶解し、18.1 gの1−ブロモヘキサデカンを滴加して、混合物を12時間加熱還流した。沈殿した固体を単離し、冷エーテルで洗浄し、乾燥させて、無色の粘着性樹脂29.3gを得た。
【0233】
N,N’−(((((メチレンビス(シクロヘキサン−4,1−ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(カルボニル))ビス(オキシ))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(N,N−ジメチルヘキサデカン−1−アミニウム)ジブロミド(K−27)
29.7gのDesmodur W(COVESTRO Deutschlandの製品)と0.05gのDesmorapid Zとの混合物に、60℃で20.2gのN,N−ジメチルエタノールを滴加し、混合物をこの温度で8時間維持した。室温に冷却した後、50.0gのアミノウレタンを得た。
【0234】
12.6gのアミノウレタンを50mlのアセトニトリルに溶解し、17.4gの1−ブロモヘキサデカンを滴加して、混合物を12時間加熱還流した。沈殿した固体を単離し、冷エーテルで洗浄し、乾燥させて、無色の粘着性樹脂28.9gを得た。
【0235】
N,N’−(((((4−メチル−1,3−フェニレン)ビス(アザンジイル))ビス(カルボニル))ビス(オキシ))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(N,N−ジメチルヘキサデカン−1−アミニウム)ジブロミド(K−28)
24.7gのDesmodur T80(COVESTRO Deutschlandの製品)と0.05gのDesmorapid Zとの混合物に、10℃で25.3gのN,N−ジメチルエタノールを滴加し、添加完了後、混合物を60℃で8時間維持した。室温に冷却した後、50.0gのアミノウレタンを得た。
【0236】
11.0gのアミノウレタンを50mlのアセトニトリルに溶解し、19.0gの1−ブロモヘキサデカンを滴加して、混合物を12時間加熱還流した。沈殿した固体を単離し、冷エーテルで洗浄し、乾燥させて、無色の粘着性樹脂27.2gを得た。
【0237】
N,N’−(((((メチレンビス(4,1−フェニレン))ビス(アザンジイル))ビス(カルボニル))ビス(オキシ))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(N,N)−ジメチルヘキサデカン−1−アミニウム)ジブロミド(K−29)
29.2gのDesmodur MDI(COVESTRO Deutschlandの製品)と0.05gのDesmorapid Zとの混合物に、10℃で20.8gのN,N−ジメチルエタノールを滴加し、添加完了後、混合物を60℃で8時間維持した。室温に冷却した後、50.0gのアミノウレタンを得た。
【0238】
12.4gのアミノウレタンを50mlのアセトニトリルに溶解し、17.6gの1−ブロモヘキサデカンを滴加して、混合物を12時間加熱還流した。沈殿した固体を単離し、冷エーテルで洗浄し、乾燥させて、無色の粘着性樹脂29.2gを得た。
【0239】
N−(2−(2−((ヘキシルカルバモイル)オキシ)エトキシ)エチル)−N,N−ジメチルヘキサデカン−1−アミニウムブロミド(K−30)
29.4gのヘキシルイソシアネートと0.05gのDesmorapid Zとの混合物に、60℃で25.6gの2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノールを滴加し、混合物をこの温度で8時間維持した。室温に冷却した後、50.0gのアミノウレタンを得た。
【0240】
13.8gのアミノウレタンを50mlのアセトニトリルに溶解し、16.2gの1−ブロモヘキサデカンを滴加して、混合物を12時間加熱還流した。沈殿した固体を単離し、冷エーテルで洗浄し、乾燥させて、融点220〜225℃の無色の固体25.0gを得た。
【0241】
N
1,N
22−ジヘキサデシル−N
1,N
1,N
22,N
22,10,10,13−ヘプタメチル−7,16−ジオキソ−3,6,17,20−テトラオキサ−8,15−ジアザドコサン−1,22−ジアミニウムジブロミド(K−31)
23.0gのVestanat TMDI(EVONIK Deutschlandの製品)と0.05gのDesmorapid Zとの混合物に、60℃で27.9gの2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノールを滴加し、混合物をこの温度で8時間維持した。室温に冷却した後、50.0gのアミノウレタンを得た。
【0242】
13.1gのアミノウレタンを50mlのアセトニトリルに溶解し、16.9gの1−ブロモヘキサデカンを滴加して、混合物を12時間加熱還流した。沈殿した固体を単離し、冷エーテルで洗浄し、乾燥させて、無色の粘着性樹脂27.5gを得た。
【0243】
N−(2−(2−(((3−(10,10−ジメチル−3−オキソ−4,7−ジオキサ−2,10−ジアザヘキサコサン−10−イウム−1−イル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル)カルバモイル)オキシ)エトキシ)エチル)−N,N−ジメチルヘキサデカン−1−アミニウムジブロミド(K−32)
22.7gのDesmodur I(COVESTRO Deutschlandの製品)と0.05gのDesmorapid Zとの混合物に、60℃で27.2gの2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノールを滴加し、混合物をこの温度で8時間維持した。室温に冷却した後、50.0gのアミノウレタンを得た。
【0244】
13.3gのアミノウレタンを50mlのアセトニトリルに溶解し、16.7gの1−ブロモヘキサデカンを滴加して、混合物を12時間加熱還流した。沈殿した固体を単離し、冷エーテルで洗浄し、乾燥させて、無色の粘着性樹脂29.3gを得た。
【0245】
N,N’−(((((((メチレンビス(シクロヘキサン−4,1−ジイル))ビス(アザンジイル))ビス(カルボニル))ビス(オキシ))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(オキシ))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(N,N−ジメチルヘキサデカン−1−アミニウム)ジブロミド(K−33)
24.8gのDesmodur W(COVESTRO Deutschlandの製品)と0.05gのDesmorapid Zとの混合物に、60℃で25.2gの2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノールを滴加し、混合物をこの温度で8時間維持した。室温に冷却した後、50.0gのアミノウレタンを得た。
【0246】
13.9gのアミノウレタンを50mlのアセトニトリルに溶解し、16.1gの1−ブロモヘキサデカンを滴加して、混合物を12時間加熱還流した。沈殿した固体を単離し、冷エーテルで洗浄し、乾燥させて、無色の粘着性樹脂25.9gを得た。
【0247】
N,N’−(((((((4−メチル−1,3−フェニレン)ビス(アザンジイル))ビス−(カルボニル))ビス(オキシ))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(オキシ))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(N,N−ジメチルヘキサデカン−1−アミニウム)ジブロミド(K−34)
9.90gのDesmodur T80(COVESTRO Deutschlandの製品)と0.05gのDesmorapid Zとの混合物に、10℃で、15.1gの2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノールを滴加し、添加完了後、混合物を60℃に8時間維持した。室温に冷却した後、25.0gのアミノウレタンを得た。
【0248】
12.6gのアミノウレタンを50mlのアセトニトリルに溶解し、17.4gの1−ブロモヘキサデカンを滴加して、混合物を12時間加熱還流した。沈殿した固体を単離し、冷エーテルで洗浄し、乾燥させて、無色の粘着性樹脂23.1gを得た。
【0249】
N,N’−(((((((メチレンビス(4,1−フェニレン))ビス(アザンジイル))ビス(カルボニル))ビス(オキシ))ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(オキシ)ビス(エタン−2,1−ジイル))ビス(N,N−ジメチルヘキサデカン−1−アミニウム)ジブロミド(K−35)
12.1gのDesmodur MDI(COVESTRO Deutschlandの製品)と0.05gのDesmorapid Zとの混合物に、10℃で12.9gの2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノールを滴加し、添加完了後、混合物を60℃で8時間保った。室温に冷却した後、25.0gのアミノウレタンを得た。
【0250】
13.8gのアミノウレタンを50mlのアセトニトリルに溶解し、16.2gの1−ブロモヘキサデカンを滴加して、混合物を12時間加熱還流した。沈殿した固体を単離し、冷エーテルで洗浄し、乾燥させて、無色の粘着性樹脂29.4gを得た。
【0251】
[実施例]
特に断りのない限り、すべてのパーセント数値は重量パーセントに基づく。
【0252】
原子価n=1のカチオンを有するトリアリールオルガノボレートの調製方法a1)
10.0mmolの特定のボロン酸エステル(I;R
1)、30.0mmolのマグネシウム削り屑および10.0mmolの塩(II)を、メカニカルスターラー、温度計、金属冷却器および均圧滴下ロートを備えた乾燥四つ口フラスコ中で、窒素雰囲気下において3.40gの無水トルエンおよび0.73gの無水テトラヒドロフランの混合物中に懸濁させ、30分間激しく撹拌した。適切なハロ芳香族(III、R
4)を、最初は希釈されていない形で反応の開始シグナルである発熱が生じるまでこの溶液に添加した。残りの全量の30.6mmolのハロ芳香族を10.0gの無水トルエンおよび10.0gの無水テトラヒドロフランで希釈し、内部温度が45℃を越えないような速度で滴加した。添加完了後、反応混合物を1時間またはマグネシウムの溶解が完了するまで加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、100gの1,4−ジオキサンを滴加した。一晩放置した後、沈殿した大量の結晶を濾別し、有機相を濃縮乾固し、残留物を100mlのi−プロパノールから再結晶化させた。実施例15、18、20および27および46〜52は、再結晶化せずに、純度>90%の油状物として単離した。この方法により調製した実施例1の単離収量は2.87g(理論値の72%)であったが、独国特許第19850139号に従って調製した実施例1は理論値の47%の収率で得られた。
【0253】
原子価n=1のカチオンを有するトリアリールオルガノボレートの調製方法a2)
10.0mmolの特定のボロン酸エステル(I;R
1)、30.0mmolのマグネシウム削り屑および10.0mmolの塩(II)を、メカニカルスターラー、温度計、金属冷却器および均圧滴下ロートを備えた乾燥四つ口フラスコ中で、窒素雰囲気下において3.40gの無水トルエンおよび0.73gの無水テトラヒドロフランの混合物中に懸濁させ、30分間激しく撹拌した。適切なハロ芳香族(III、R
4)を、最初は希釈されていない形で反応の開始シグナルである発熱が生じるまでこの溶液に添加した。残りの全量の30.6mmolのハロ芳香族を10.0gの無水トルエンおよび10.0gの無水テトラヒドロフランで希釈し、内部温度が45℃を越えないような速度で滴加した。添加完了後、反応混合物を1時間またはマグネシウムの溶解が完了するまで加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、100gのLewatit(登録商標)MDS TP 208を添加した。1時間後、樹脂を濾別し、有機相を濃縮乾固し、残留物を100mlのi−プロパノールから再結晶化させた。実施例15、18、20および27および46〜52は、再結晶化せずに、純度>90%の油状物として単離した。この方法により調製した実施例1の単離収量は2.87g(理論値の72%)であったが、独国特許第198 50 139号に従って調製した実施例1は理論値の47%の収率で得られた。
【0254】
実施例1〜92の組成および選択された物理的性質を表2に要約する。
【表2】
【0255】
原子価n=2のカチオンを有するトリアリールオルガノボレートの調製方法b1)
10.0mmolの特定のボロン酸エステル(I;R
1)、30.0mmolのマグネシウム削り屑および5.0mmolの塩(II)を、メカニカルスターラー、温度計、金属冷却器および均圧滴下ロートを備えた乾燥四つ口フラスコ中で、窒素雰囲気下において3.40gの無水トルエンおよび0.73gの無水テトラヒドロフランの混合物中に懸濁させ、30分間激しく撹拌した。適切なハロ芳香族(III、R
4)を、最初は希釈されていない形で反応の開始シグナルである発熱が生じるまでこの溶液に添加した。残りの全量の30.6mmolのハロ芳香族を10.0gの無水トルエンおよび10.0gの無水テトラヒドロフランで希釈し、内部温度が45℃を越えないような速度で滴加した。添加完了後、反応混合物を1時間またはマグネシウムの溶解が完了するまで加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、100gの1,4−ジオキサンを滴加した。一晩放置した後、沈殿した大量の結晶を濾別し、有機相を濃縮乾固し、残留物を100mlのi−プロパノールから再結晶化させた。
【0256】
原子価n=2のカチオンを有するトリアリールオルガノボレートの調製方法b2)
10.0mmolの特定のボロン酸エステル(I;R
1)、30.0mmolのマグネシウム削り屑および5.0mmolの塩(II)を、メカニカルスターラー、温度計、金属冷却器および均圧滴下ロートを備えた乾燥四つ口フラスコ中で、窒素雰囲気下において3.40gの無水トルエンおよび0.73gの無水テトラヒドロフランの混合物中に懸濁させ、30分間激しく撹拌した。適切なハロ芳香族(III、R
4)を、最初は希釈されていない形で反応の開始シグナルである発熱が生じるまでこの溶液に添加した。残りの全量の30.6mmolのハロ芳香族を10.0gの無水トルエンおよび10.0gの無水テトラヒドロフランで希釈し、内部温度が45℃を越えないような速度で滴加した。添加完了後、反応混合物を1時間またはマグネシウムの溶解が完了するまで加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、100gのLewatit(登録商標)MDS TP 208を添加した。1時間後、樹脂を濾別し、有機相を濃縮乾固し、残留物を100mlのi−プロパノールから再結晶化させた。
【0257】
実施例93〜107の組成および選択された物理的性質を表3に要約する。
【表3】
【0258】
実施例108(原子価n=3のカチオン)、方法c1:
1.70gの2−ヘキシル−1,3,2−ジオキサボリナン(10.0mmol;I;R
1=n−ヘキシル)、0.73g(30.0mmol)のマグネシウム削り屑および2.25gのN
1,N
1,N
1,N
3,N
3,N
3,N
5,N
5,N
5−ノナメチル−1,3,5−ベンゼントリメタンアミニウムトリヨージド(3.33mmol;K−36;II)を、メカニカルスターラー、温度計、金属冷却器および均圧滴下ロートを有する乾燥四つ口フラスコ中で、窒素雰囲気下において3.40gの無水トルエンおよび0.73gの無水テトラヒドロフランの混合物中に懸濁させ、30分間激しく撹拌した。1−ブロモ−3−クロロ−4−メチルベンゼン(III、R
4)を、最初は希釈されていない形で反応の開始シグナルである発熱が生じるまでこの溶液に添加した。残りの全量の6.29g(30.6mmol)の1−ブロモ−3−クロロ−4−メチルベンゼンを、10.0gの無水トルエンおよび10.0gの無水テトラヒドロフランで希釈し、内部温度が45℃を越えないような速度で滴加した。添加完了後、反応混合物を1時間またはマグネシウムの溶解が完了するまで加熱還流する。反応混合物を室温に冷却し、100gの1,4−ジオキサンを滴加した。一晩放置した後、沈殿した大量の結晶を濾別し、有機相を濃縮乾固し、残留物を100mlのi−プロパノールから再結晶化させた。
【0259】
11B NMR[δ/ppm]−10.6。
【0260】
実施例108(原子価n=3のカチオン)、方法c2
1.70gの2−ヘキシル−1,3,2−ジオキサボリナン(10.0mmol;I;R
1=n−ヘキシル)、0.73g(30.0mmol)のマグネシウム削り屑および2.25gのN
1,N
1,N
1,N
3,N
3,N
3,N
5,N
5,N
5−ノナメチル−1,3,5−ベンゼントリメタンアミニウムトリヨージド(3.33mmol;K−36;II)を、メカニカルスターラー、温度計、金属冷却器および均圧滴下ロートを有する乾燥四つ口フラスコ中で、窒素雰囲気下において3.40gの無水トルエンおよび0.73gの無水テトラヒドロフランの混合物中に懸濁させ、30分間激しく撹拌した。1−ブロモ−3−クロロ−4−メチルベンゼン(III、R
4)を、最初は希釈されていない形で反応の開始シグナルである発熱が生じるまでこの溶液に添加した。残りの全量の6.29g(30.6mmol)の1−ブロモ−3−クロロ−4−メチルベンゼンを、10.0gの無水トルエンおよび10.0gの無水テトラヒドロフランで希釈し、内部温度が45℃を越えないような速度で滴加した。添加完了後、反応混合物を1時間またはマグネシウムの溶解が完了するまで加熱還流する。反応混合物を室温に冷却し、100gのLewatit(登録商標)MDS TP 208を添加した。1時間後、樹脂を濾別し、有機相を濃縮乾固し、残留物を100mlのi−プロパノールから再結晶化させた。
【0261】
11B NMR[δ/ppm]−10.6。
【0262】
ホログラフィック特性を決定するための媒体の製造
実施例媒体I
3.38gのポリオール成分1を0.010gの実施例1、2.00gのウレタンアクリレート1、2.00gのウレタンアクリレート2、1.50gの添加剤1、0.10gの式(IV)のトリアリールアルキルボレート1、0.010gの色素1および0.35gのN−エチルピロリドンと、60℃で透明な溶液が得られるまで混合した。続いて、混合物を30℃に冷却し、0.65gのDesmodur(登録商標)N3900を添加し、混合物を再び混合した。最後に、0.01gのFomrez UL 28を添加し、混合物を再び短時間混合した。次いで、得られた流動塊をガラス板に塗布し、その上に第二のガラス板を被せた。この試験片を室温で12時間放置して硬化させた。
【0263】
実施例媒体II〜XX
その手順は、0.10gのトリアリールオルガノボレート1の代わりに0.10gの特定の式(IV)のトリアリールオルガノボレートを使用することを除いて、実施例媒体Iと同じであった。
【0264】
実施例媒体I〜XXの特性を表4に要約する。
【表4】
【0265】
実施例媒体I〜XXについて見出された値は、フォトポリマー配合物に使用された式(IV)の化合物がホログラフィック媒体に使用するのに非常に適していることを示している。