(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記集塵装置は、前記ダストカップに着脱可能に装着されるフィルター本体を有するフィルターユニットと、前記フィルターユニットを覆うように着脱可能に取り付けられるフィルターカバーとをさらに有し、
前記連動機構は、前記ダストカップの軸心方向に往復動可能に前記フィルターカバーに取り付けられた前記ハンドル部と、前記ハンドル部の前記軸心を中心とする回動動作によって前記フィルター本体を除塵する除塵部をさらに有する請求項1に記載の電気掃除機。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態1)
図1は本発明の電気掃除機における掃除機本体の実施形態1であって(A)は左前方から視た斜視図、(B)は左後方から視た斜視図である。また、
図2は実施形態1の掃除機本体の左側断面図であり、
図3は実施形態1における駆動装置からバッテリーを取り外した状態を示す斜視図である。また、
図4は実施形態1における駆動装置から集塵装置を取り外した状態を示す斜視図であり、
図5は実施形態1における駆動装置を左側上方から視た斜視図である。
【0020】
図1〜
図5に示すように、本発明の電気掃除機は、電動送風機30を内蔵した駆動装置10と、駆動装置10に着脱可能に装着される集塵装置50とを有する掃除機本体1を備え、掃除機本体1には、図示しないハンドルおよび操作部を有する可撓性ホース、延長パイプおよび吸込口体が接続される。
なお、本発明の電気掃除機は掃除機本体1に特徴を有するため、以下では主に掃除機本体1について説明する。
【0021】
<駆動装置の構成>
掃除機本体1において、駆動装置10は、集塵装置50を横倒し状態で上下方向に着脱させる上方開口凹形の集塵装置装着部12およびバッテリー20を上下方向に着脱させる上方開口凹形のバッテリー装着部13を有する筐体11と、筐体11の内部に設けられた前記電動送風機30と、筐体11に回転可能に設けられた左右一対の車輪15および前輪16とを備える。
【0022】
筐体11は、平面的に視て長円形の上端縁を有し、その上端縁の前部が平面視U形のハンドル部11aとなっている。また、筐体11の上端縁におけるハンドル部11aと反対側の後部には上方開口凹形のバッテリー装着部13が設けられ、バッテリー装着部13の前方には集塵装置50の底部を保持する保持板14が立設され、保持板14とハンドル部11aとの間が前後方向に延びる凹形の前記集塵装置装着部12となっている。なお、保持板14および筐体11の内部には、電動送風機30とリード線を介して電気的に接続される回路基板31が設けられている。
【0023】
また、筐体11は、図示しない可撓性ホースの基端部と接続可能な接続口11bをハンドル部11aの下方かつ集塵装置装着部12の前方に有し、集塵装置50の後述する空気流入口61cおよび空気排出口81a
2と接続可能な空気導出口11cおよび空気導入口11dを集塵装置装着部12の底部左後方および底部前部に有し、後壁部に排気口11eを有している。
また、空気導出口11cおよび空気導入口11dの周囲にはそれぞれパッキンが設けられると共に、筐体11の後壁部における排気口11eの周囲3箇所には駆動装置10を直立可能とする突起状の脚部11fが設けられている。
【0024】
駆動装置10の内部において、接続口11bと空気導出口11cとの間が空気の第1流通経路18aとなっており、空気導入口11dと電動送風機30との間が第2流通経路18bとなっており、電動送風機30と排気口11eとの間が第3流通経路18cとなっている。なお、電動送風機30は、集塵装置装着部12の前後方向中間位置の下部(空気導出口11cの横)に配置されると共に、第3流通経路18cは電動送風機30からバッテリー装着部13の左右両側に回り込んで排気口11eに達している。
【0025】
また、
図5に示すように、集塵装置装着部12において、空気導入口11dの左右両側には、集塵装置50の後述する一対のロック爪91bが係脱可能に係止する一対の係合凹部11gが設けられている。
【0026】
また、接続口11bには図示しない可撓性ホースの基端部に設けられた電気配線部の凹形端子と電気的に接続可能な凸形端子11b
1が設けられ、凸形端子11b
1はリード線を介して回路基板31と電気的に接続されている。
【0027】
保持板14の前面には集塵装置50の底部を嵌め入れる凹部が設けられると共に、バッテリー装着部13の前面を構成する保持板14の後面にはバッテリーロック機構14aが設けられている。
【0028】
図2と
図3に示すように、バッテリーロック機構14aは、係止爪14a
1と、係止爪14a
1を後方へ付勢するバネ14a
2と、係止爪14a
1を前方へ移動させる押しボタン14a
3とを有してなる。
【0029】
一方、バッテリー20は、バッテリー装着部13の前面に対面する面に設けられた切欠き凹部21と、バッテリー装着部13の奥部に設けられた図示しない端子と電気的に接続する図示しない電極とを有する。なお、バッテリー装着部13の端子は、リード線を介して回路基板31と電気的に接続されている。
【0030】
また、バッテリー装着部13の奥部には、バッテリー装着部13に装着されたバッテリー20の下端部と当接する押し上げバー17aと、押し上げバー17aを上方へ付勢するバネ17bとが設けられている。
【0031】
バッテリー20がバッテリー装着部13に装着された状態において、バッテリー20の切欠き凹部21にバッテリーロック機構14aの係止爪14a
1が係止する。これにより、バネ17bの付勢力に抗して押し上げバー17aが押し下げられ、バッテリー20の電極がバッテリー装着部13の端子に電気的に接続された状態に固定される。
【0032】
また、バッテリーロック機構14aの押しボタン14a
3を下方へ押すと、押しボタン14a
3の下端部が係止爪14a
1の傾斜面に摺接し、それによって係止爪14a
1が後方へ押し込まれてバッテリー20の切欠き凹部21から離脱する。すると、バネ17bにて上方へ付勢された押し上げバー17aによってバッテリー20が押し上げられる(バッテリー20の取り出しを補助する)ため、使用者はバッテリー20を掴んでバッテリー装着部13から簡単に引き抜くことができる。この際、例えば、人差し指で押しボタン14a
3を下方へ押しながら残りの指でバッテリー20の左右側面を挟んで持ち上げることができる、すなわち、ロック解除の操作方向とバッテリー20の取り出し方向が相互に逆向きとなっているため、片手かつ1ステップで簡単にバッテリー20を取り出すことができると共に、腰を屈めなくても上方から容易にバッテリー20を引き抜くことができる。
【0033】
<集塵装置の構成>
図6は実施形態1における集塵装置であって(A)は右側前方から視た斜視図、(B)は左側後方から視た斜視図である。また、
図7は実施形態1における集塵装置の右側断面図であり、
図8は実施形態1における集塵装置のフィルターカバーを開いた状態を示す斜視図である。また、
図9は実施形態1における集塵装置のダストカップを取り外した状態を示す斜視図であり、
図10は実施形態1における集塵装置の分解斜視図である。
【0034】
図6〜
図10に示すように、集塵装置50は、前記空気流入口および装着口を有するダストカップ60と、ダストカップ60の装着口に着脱可能に装着されるフィルター本体を有するフィルターユニット70と、フィルターユニット70を覆うように着脱可能に取り付けられる前記空気排出口81a
2を有するフィルターカバー80と、フィルターカバー80に取り付けられた連動機構90とを備える。
以下、集塵装置50の上部構成から下部構成について順に説明する。
【0035】
[フィルターカバーおよび連動機構の上部構成]
図11は実施形態1における集塵装置のフィルターカバーおよび連動機構の上部の構成部品を示す分解斜視図である。
図6〜
図11に示すように、フィルターカバー80は、上下方向の円筒ボス部81a
1を有するカバー本体81と、カバー本体81にネジ83にて取り付けられる押えカバー82とを有する。
【0036】
カバー本体81の外周部の一部にはカバー本体81の下部空間に連通する前記空気排出口81a
2が設けられると共に、カバー本体81の上面側における空気排出口81a
2の近傍には連動機構90のロック爪部材91を揺動可能に取り付ける取付凹部81bが設けられている。
さらに、カバー本体81の外周部の一部には、取付凹部81bの右側には軸受部81cが設けられると共に、取付凹部81bの左側にはロック部材81dおよびバネ81d
1が設けられている。なお、カバー本体81の円筒ボス部81a
1の周囲は連動機構90の後述するハンドル部92の下端部を収納する円環状のスペースとなっている。
【0037】
連動機構90において、ロック爪部材91は、板状部91aと、板状部91aの長手方向両端部に設けられたL形の一対の前記ロック爪91bと、板状部91aと一対のロック爪91bとの間であって前記長手方向と平行な同一軸心上に設けられた一対の軸部91cと、板状部91aの長手方向中間部にはロック爪91bとは反対側に突出した突片91dとを有する。
【0038】
連動機構90において、ハンドル部92は、外周面に周方向の凹周溝92a
1を有する円筒形のハンドル本体92aと、ハンドル本体92aの上部に取付られる蓋体92bとを有し、これらはネジ92cにて連結される。なお、ハンドル本体92aの中心孔92a
2の周囲には小径壁部92a
21が設けられており、ハンドル本体92aは二重壁構造となっている。
【0039】
さらに、連動機構90は、カバー本体81の円筒ボス部81a
1に上方および下方から挿入されるパッキン93a付きの第1連結軸93および第2連結軸94と、ハンドル本体92aの中心孔92a
2の上方から挿入されかつ第1連結軸93を挿通させるバネ95aと、ハンドル本体92aの中心孔92a
2を下方から挿通した第1連結軸93に結合するワッシャ付きネジ95bと、バネ97aを介して第2連結軸94にワッシャ付きネジ97bにて下方から取り付けられる後述する円筒形の第1ギア96とを有する。
【0040】
第1連結軸93、第2連結軸94および第1ギア96はワッシャ付きネジ97bにて一体的に回動可能に連結している(
図7)。
自由状態において、バネ95aはハンドル本体92aを下方のカバー本体81側へ付勢しているが、ハンドル本体92aはバネ95aの付勢力に抗して上方へ移動可能となっている。
また、自由状態において、バネ97aは第1ギア96を下方(ハンドル部92と反対側)へ付勢しているが、第1ギア96はバネ97aの付勢力に抗して上方(ハンドル部92側)へ移動可能となっている。
【0041】
連動機構90のロック爪部材91をフィルターカバー80に組み付ける際、カバー本体81の取付凹部81bにロック爪部材91を設置する。このとき、取付凹部81bに設けられた左右一対のリブの上端部の半円形切欠き部81e上に、ロック爪部材91の一対の軸部91cを載せる。その後、バネ99を介して押えカバー82をカバー本体81に取り付ける。
【0042】
このように構成された連動機構90の上部構成において、ロック爪部材91の突片91dの先端部がハンドル部92の凹周溝92a
1に係止している(
図7)。
自由状態において、バネ99はロック爪部材91をカバー本体81側へ付勢しているが、ハンドル部92を引き上げることによって凹周溝92a
1に係止した突片91dが引き上げられ、それによってバネ99の付勢力に抗して軸部91cを中心にロック爪部材91が揺動可能となっている。
図7の場合、ハンドル部92を引き上げると、ロック爪91bが下方へ揺動する。
【0043】
また、ハンドル部92を第1および第2連結軸93、94を中心に回動させると、回動する凹周溝92a
1に対してロック爪部材91の突片91dが相対的に摺動するようになっているため、突片91dによってハンドル部92の回動が妨げられることはない。
また、ハンドル部92を回動させると、その回動力は第1連結軸93に伝達され、第1連結軸93と一体に第2連結軸94および第1ギア96が回動する。
【0044】
このように構成されたフィルターカバー80および連動機構90の上部構成によって、第1ユニットAが構成されている(
図10)。
【0045】
[フィルターユニットの上部構成および連動機構の中間構成]
図12は実施形態1における集塵装置のフィルターユニットの上部および連動機構の中間部の構成部品を示す分解斜視図である。
図6〜
図10および
図12に示すように、フィルターユニット70の上部構成は、中央付近に円筒状の貫通孔71aを有するプリーツ形状のフィルター本体71と、フィルター本体71の外周部に着脱可能に装着されるパッキン72とを有する。
【0046】
連動機構90の中間構成は、フィルター本体71を除塵する除塵部191と、ハンドル部92および除塵部191と連結しかつフィルター本体71を気密に貫通する第3連結軸192と、第3連結軸192の先端に設けられた複数の突起部193とを有する。なお、第3連結軸192はパッキン194を介してフィルター本体71の貫通孔71aに挿通される。
【0047】
除塵部191は、フィルター本体71の貫通孔71aを挿通した第3連結軸192の上端部にワッシャ付きネジ195にて連結される中心孔を有する円形枠体191aと、円形枠体191aに複数の取付部材191c
1、191c
2にて取り付けられる複数の摺接子191bとを有する。
【0048】
円形枠体191aには、中心孔の上端周囲部に第1ギア96と噛合可能な第2ギア191a
1が設けられると共に、中心孔を中心として周方向等間隔に3つの取付孔部191a
2が設けられている。さらに、円形枠体191aには、指で摘んで円形枠体191aを回動させることができるよう摘み191a
3が設けられている。
【0049】
摺接子191bは、半球部の平坦面部に突起部が設けられた弾性部材である。
取付部材191c
1は、上端部に外鍔を有する円筒形の弾性部材であり、その下端部が取付孔部191a
2に上方から挿入され、取付部材191c
1の下端部の孔に摺接子191bの突起部が挿入固定されている。
取付部材191c
2は、取付孔部191a
2に上方から取り付けられて取付部材191c
1の抜け止めをする部材である。
【0050】
第3連結軸192は、フィルター本体71の取付孔部191a
2に挿入される円筒形の小径部192aと、小径部192aの下端部に連設された大径部192bと、小径部192aと大径部192bとの間に設けられた円環状凹部192cとを有し、円環状凹部192c内にリング状のパッキン194が圧入されている。
【0051】
このように構成されたフィルターユニット70の上部構成および連動機構90の中間構成によって、第2ユニットBが構成されている(
図10)。
【0052】
[フィルターユニットの下部構成および連動機構の下部構成]
図13は実施形態1における集塵装置のフィルターユニットの下部および連動機構の下部の構成部品を示す分解斜視図である。
【0053】
図6〜
図10および
図13に示すように、フィルターユニット70の下部構成は、後述するダストカップ60の装着口61a(
図10)に着脱可能に装着される空気流通孔73a(
図7)を有するカップ部73と、カップ部73における空気流通孔73aの空気流上流側にパッキン75を介してネジ76にて取り付けられる円筒形のメッシュ部74とを有し、カップ部73における空気流通孔73aの空気流下流側の開口部73a
1に前記フィルター本体71がパッキン72を介して着脱可能に取り付けられる。
【0054】
カップ部73は、開口部73a
1の外周部の一部に、フィルターカバー80の軸受部81c(
図10)に回動可能に嵌り込む軸部73bが設けられている。なお、軸受部81cに軸部73bが嵌り込むことによりヒンジ部が構成される。
また、カップ部73は、開口部73a
1の外周部における軸部81cとは反対側には、フィルターカバー80のロック部材81dと係脱可能に係止する係止凸部73dが設けられている。
【0055】
さらに、カップ部73の下部外周面の2箇所には係合溝73cが設けられており、カップ部73をダストカップ60の装着口61aに嵌め込んで周方向に回動することにより、カップ部73の後述する係合溝61d(
図10)にカップ部73の係合溝73cが係脱可能に係合する。
【0056】
メッシュ部74は、円筒形のメッシュ本体74aと、メッシュ本体74aを保持する円筒形の保持枠体74bとを有する。
保持枠体74b(
図13)は、カップ部73に取り付けられるすり鉢形の上部74b
1と、上部74b
1の下端部に連設される中間部74b
2と、中間部74b
2の下端部に連設される複数のスリットを有する下部74b
3とを有し、上部74b
1にネジ76の取付部74b
11が設けられている。
【0057】
連動機構の下部構成は、回動する前記突起部193(
図10)に当接して回動するようメッシュ部74内に回動可能に設けられた内側円筒枠部291と、回動する内側円筒枠部291に当接して回動するようメッシュ部74の外周面に沿って回動可能に設けられた外側円筒枠部292と、ダストカップ60内で回動可能なように外側円筒枠部292に分離可能に連結される螺旋圧縮部293とを有する。
【0058】
内側円筒枠部291は、その上端部に設けられた複数の上部突起291aと、下端部に設けられた複数の下部突起291bとを有している。
外側円筒枠部292は、メッシュ部74のメッシュ本体74aの外面を摺動可能な摺動枠部292aと、摺動枠部292aの下端部に連設された鍔部292bと、鍔部292bに設けられた複数の突起部292cとを有する。
【0059】
外側円筒枠部292において、鍔部292bの幅は外側円筒枠部292の内側から外側に亘る幅であり、鍔部292bの内周部に複数の突起部292cが上方へ突出している。これらの突起部292cは、連動機構の下部構成を組み立てた際に内側円筒枠部291の複数の下部突起291bと当接するように構成されている。
【0060】
螺旋圧縮部293は、外側円筒枠部292の下端部を収納する大径円筒部293aと、大径円筒部293aに連設された小径円筒部293bと、大径円筒部293aと小径円筒部293bの外周面に連続的に設けられた2つの螺旋羽根部293cとを有する。なお、2つの螺旋羽根部293cによって二重螺旋を構成しており、それらの下面には複数の小突起293c
1が設けられている。
【0061】
連動機構の下部構成を組み立てた際、外側円筒枠部292の鍔部292bは、大径円筒部293aと小径円筒部293bとの間の段部にて支持され、かつ大径円筒部293aの内周面に圧接する。これにより、螺旋圧縮部293は外側円筒枠部292と一体的に回動可能となっている。
【0062】
[ダストカップ]
図14は実施形態1における集塵装置のダストカップの構成部品を示す分解斜視図である。
図6〜
図10および
図14に示すように、ダストカップ60は、装着口61aおよび底部開口部61bを有する円筒外周壁部61と、円筒外周壁部61の底部開口部61bにヒンジ部63を介して開閉可能に取り付けられた底蓋部62とを有する。
【0063】
円筒外周壁部61は、その外周壁の一部に設けられた空気流入口61cと、装着口61aの開口端縁に沿った2箇所に設けられた係合溝61dと、底部開口部61bに設けられた前記ヒンジ部63を構成する軸受部63aと、底部開口部61bにおけるヒンジ部63とは反対側に設けられたロック部64とを有する。
【0064】
ロック部64は、円筒外周壁部61の底部開口部61bの外周面にネジ64aにて固定される固定部材64bと、固定部材64bと底部開口部61bの外周面との間に周方向スライド可能に取り付けられた係止爪64c
1を有する操作部材64cと、操作部材64cと固定部材64bとの間に設けられて操作部材64cを一周方向へ付勢するバネ64dとを有する。
【0065】
凹皿形の底蓋部62は、円筒外周壁部61と接合する開口端縁に沿って設けられたパッキン65を嵌め入れる円環溝62aと、開口端縁の外周面の一部に設けられたヒンジ部63を構成する軸部63bと、開口端縁の外周面における軸部63bとは反対側に設けられた係止凸部62bと、底面中央に設けられて小パッキン66を保持する凸部62cとを有する。
【0066】
底蓋部62の軸部63bが円筒外周壁部61の軸受部63aに取り付けられ、底蓋部62の係止凸部62bが円筒外周壁部61のロック部64の係止爪64c
1に係止することにより、ダストカップ60の底が閉じた状態となり、バネ64dの付勢力に抗して係止凸部62から係止爪64c
1が離脱する方向に操作部材64cを押すと底が開く。また、底蓋部62を閉じれば係止凸部62bが係止爪64c
1に係止し、バネ64dの付勢力によって閉状態が維持される。
【0067】
[掃除機本体の動作および集塵装置のメンテナンスについて]
図1と
図2に示すように、本発明の電気掃除機の掃除機本体1は、清掃時には、図示しないハンドルおよび操作部を有する可撓性ホース、延長パイプおよび吸込口体が接続される。
操作部にて電源をONにすると、電動送風機30が駆動し、被清掃面上のダストを空気と共に吸い込んで清掃する。吸込口体に吸い込まれたダストを含む空気は、延長パイプおよび可撓性ホースを介して掃除機本体1内に吸引される。
【0068】
以下、
図1〜
図10を参照しながら掃除機本体1内における空気の流れを説明する。なお、空気の流れは、
図2中の矢印F
1〜F
10の順となっている。
ダストを含む空気は、まず、駆動装置10の接続口11bに流入し(矢印F
1)、接続口11bと空気導出口11cの間の第1流通経路18aを通り(矢印F
2)、集塵装置50のダストカップ60の空気流入口61cに流入する(矢印F
3)。
【0069】
ダストカップ60内に流入したダストを含む空気は、ダストカップ60内を旋回し、この間に比較的大きなダストは遠心力によりダストカップ60の内周面側を旋回し、微細なダストを含む空気はメッシュ部74へ向かう(矢印F
4)。これにより、比較的大きなダストはダストカップ60内に捕捉される。
【0070】
メッシュ部74を通過した微細なダストを含む空気は、フィルターユニット70のカップ部73内に流入し(矢印F
5)、微細なダストはフィルター本体71にて捕捉され、微細なダストが除去され清浄化された空気はフィルター本体71を通過してフィルターカバー80内に流入し、フィルターカバー80の空気排出口81a
2から駆動装置10の空気導入口11dへ向かう(矢印F
6)。
【0071】
駆動装置10内に流入した清浄化された空気は、空気導入口11dと電動送風機30との間の第3流通経路18bを通り(矢印F
7)、電動送風機30を通過し、電動送風機30と排気口11eとの間の第3流通経路18cを通り(矢印F
8、F
9)、排気口11eから外部に排出される(矢印F
10)。
【0072】
次に、清掃後の集塵装置50のメンテナンスについて説明する。
集塵装置50のフィルター本体71とメッシュ部74の除塵およびダストカップ60内に溜まったダストの圧縮は、連動機構90のハンドル部92を所定方向に回すことにより同時に行われる。この際、除塵および圧縮は、集塵装置50を駆動装置10に装着したままの状態でも行われるが、適切な除塵および圧縮は、集塵装置50を駆動装置10から取り外し、集塵装置50を立てた状態で行うことが望ましい。
以下、駆動装置10から集塵装置50を取り外して行う除塵および圧縮について説明する。
【0073】
まず、駆動装置10に装着された集塵装置50を取り外す際は、集塵装置50のハンドル部92を手で掴んで引っ張ることにより、駆動装置10の一対の係合凹部11gに係合した集塵装置50の一対のロック爪91bが揺動して各係合凹部11gから離脱するため、使用者はハンドル部92を引き上げる1ステップの動作で集塵装置50を取り外すことができる。ハンドル部92のハンドル本体92aを手で掴みやすいように円筒形状の直径が下方に向かうにつれて小さくなっている。これにより、手で掴みやすいように凸部が形成されている。
【0074】
駆動装置10から取り外した集塵装置50を、床面などの安定した面上に立てた状態で載置し、ハンドル部92の蓋体92bの平坦面に示された矢印の方向にハンドル部92を回す(
図1(A))。これにより、連動機構90全体が回転する。
すなわち、ハンドル部92が回転することにより、ハンドル部92と連結した第1連結軸93、第2連結軸94および第1ギア96が回転し、第1ギア96と噛合した第2ギア191a
1を有する除塵部191の円形枠体191aが回転し、各摺接子191bが回転しながらプリーツ形状のフィルター本体71の上面側を摺接する。
【0075】
これによりフィルター本体71が振動し、下面側に付着した微細なダストが螺旋圧縮部293の内部スペースに落下し、フィルター本体71の除塵が行われる。
なお、ハンドル部92を回さずにフィルター本体71を除塵することもできる。この場合、
図8に示すように、ロック部81dを押して係止凸部73dからロック部81dを離脱させてロックを解除し、第1ユニットAを開け、除塵部191の摘み191a
3を回すことによって円形枠体191aを回してフィルター本体71を除塵する。その後、第1ユニットAを閉じると、第1ギア96が第2ギア191a
1に再度噛合する。
【0076】
円形枠体191aが回転することにより、円形枠体191aと連結した第3連結軸192および複数の突起部193が回転する。すると、回転する複数の突起部193に内側円筒枠部291の複数の上部突起291aが当接し、これにより内側円筒枠部291が回転し、内側円筒枠部291と連結した外側円筒枠部292および螺旋圧縮部293が回転する。
外側円筒枠部292が回転することにより、メッシュ部74のメッシュ本体74aの外面に付着したダストを拭い取って落下させる。これにより、メッシュ部74の除塵が行われる。
また、螺旋圧縮部293が回転することにより、ダストカップ60内の底部に溜まったダストが螺旋羽根部293cによって圧縮される。この際、螺旋羽根部293cの下面の複数の小突起293c1によってダストの塊を形成して効果的に圧縮することができる。
【0077】
ダストカップ60内に多量のダストが溜まり、溜まったダストが限界まで圧縮されると、ダストの塊によって螺旋圧縮部293が回転しにくくなり、連動機構90全体に過負荷がかかって破損するおそれがある。そのため、連動機構90に過負荷がかかると、第2連結軸192の複数の突起部193が内側円筒枠部291の複数の上部突起291aを乗り越えるように摺接し、連動機構90における第2連結軸部192からハンドル部92までの間が空回りするようになっている。
これにより、内側円筒枠部291、外側円筒枠部292および螺旋圧縮部293には回転力が伝わらなくなり、連動機構90の破損が防止される。なお、第2連結軸部192からハンドル部92までの間が空回りすることにより、フィルター本体71の除塵は行われる。
【0078】
また、前記のような連動機構90の空回りは「ガタガタ」といった音および振動を発生させるため、ダストカップ60内のダストが満杯であることを使用者に認識させ圧縮操作をストップさせることができると共に、ダストカップ60内のダストの廃棄時期であることを使用者に認識させることができる。
ダストカップ60内のダストを廃棄する際は、ロック部64の操作部材64cを押すことにより底蓋部62が開き、ダストカップ60内のダストが落下して廃棄される。
【0079】
また、集塵装置50は次のようにして分解洗浄することができる。
まず、
図9に示すように、第1、第2および第3ユニットA、B、Cが結合したユニット体Xからダストカップ60を回して取り外した後、
図10に示すように、第1、第2および第3ユニットA、B、Cを分解し、第2、第3ユニットB、Cおよびダストカップ60をそれぞれ水洗いする。
この際、第3ユニットCは、
図13に示すように、さらに各部品に分解することができるため、各部品を隅々まできれいに洗浄することができる。なお、メッシュ部74はパッキン75を介してカップ部73とネジ76にて結合しているため、これらの分解は推奨されない。
【0080】
(実施形態2)
実施形態2の掃除機本体は、集塵装置の連動機構が実施形態1とは異なる以外は、実施形態1と同様に構成される。
以下、実施形態2における実施形態1とは異なる点を主に説明する。
【0081】
実施形態1では、連動機構90の螺旋圧縮部293に過負荷がかかると、第3連結軸192の複数の突起部193が内側円筒枠部291の複数の上部突起291aを乗り越えるように摺接して空回りするため、連動機構90の破損が防止されるように構成された場合を例示した。
【0082】
これに対して、実施形態2では、連動機構90の螺旋圧縮部293に過負荷がかかると、第2ギア191a
1から第1ギア96が外れて空回りするため、連動機構90の破損が防止されるように構成される。この場合、第1および第2ギア96、191a
1は所定の負荷以上で噛合が外れるように設計される。また、螺旋圧縮部293に過負荷がかかっても第3連結軸192の複数の突起部193が内側円筒枠部291の複数の上部突起291aを乗り越えて空転しないように構成される。
【0083】
(実施形態3)
実施形態1では、駆動装置10にバッテリー20が着脱可能に装着される場合を例示したが、実施形態3では、バッテリーの代わりに、商用電源に接続可能なプラグを有するコードリールが駆動装置の後部に設けられる。
【0084】
(まとめ)
本発明の電気掃除機は、電動送風機を内蔵した駆動装置と、前記駆動装置に着脱可能に装着される集塵装置とを有する掃除機本体を備え、
前記集塵装置は、ダストカップと、前記ダストカップに着脱可能に装着される連動機構とを備え、
前記連動機構は、前記ダストカップの軸心方向に往復動可能に取り付けられたハンドル部と、前記ハンドル部の前記軸心方向の往復動作によって揺動するロック爪とを有し、
前記駆動装置は、前記集塵装置が装着される集塵装置装着部と、前記集塵装置装着部に設けられた係合凹部とを有し、
前記集塵装置装着部に装着された前記集塵装置の前記ロック爪に前記係合凹部が係合し、前記ハンドル部を前記軸心方向に引くことによって前記ロック爪が揺動して前記係合凹部から離脱するように構成されている。
【0085】
本発明の電気掃除機は、次のように構成されてもよく、それらが適宜組み合わされてもよい。
(1)前記集塵装置は、前記ダストカップに着脱可能に装着されるフィルター本体を有するフィルターユニットと、前記フィルターユニットを覆うように着脱可能に取り付けられるフィルターカバーとをさらに有し、
前記連動機構は、前記ダストカップの軸心方向に往復動可能に前記フィルターカバーに取り付けられた前記ハンドル部と、前記ハンドル部の前記軸心を中心とする回動動作によって前記フィルター本体を除塵する除塵部をさらに有してもよい。
この構成によれば、ハンドル部を回動させてフィルター本体の除塵を行うことができるため、掃除終了毎にフィルター本体を取り外して清掃する手間を省くことができ、かつ次回の清掃時にフィルター本体が目詰まりして吸引力が低下するのを抑制することができる。
また、連動機構のハンドルの回動操作によって除塵部を操作するよう構成されるため、除塵部を操作するための部材を別途設ける必要がなく、集塵装置の部品点数の削減、組み立て作業の効率化および軽量化を図ることができる。
【0086】
(2)前記ダストカップが前記フィルターユニットを装着する装着口を有し、
前記フィルターユニットが、前記ダストカップの前記装着口に着脱可能に装着される空気流通孔を有するカップ部と、前記カップ部における前記空気流通孔の空気流下流側に着脱可能に取り付けられる前記フィルター本体と、前記カップ部における前記空気流通孔の空気流上流側に取り付けられる円筒形のメッシュ部とを有し、
前記連動機構は、前記ハンドル部および前記除塵部と連結しかつ前記フィルター本体を気密に貫通する軸部と、前記カップ部内における前記軸部の先端に設けられた突起部と、回動する前記突起部に当接して回動するよう前記メッシュ部内に回動可能に設けられた内側円筒枠部と、回動する前記内側円筒枠部に当接して回動するよう前記メッシュ部の外周面に沿って回動可能に設けられた外側円筒枠部とを有してもよい。
この構成によれば、ハンドル部を回動させることにより、フィルター本体の除塵と同時に、回動する外側円筒枠部によってメッシュ部の外周面に付着したダストを除去することができるため、メンテナンス時の使用者の負担をより軽減することができる。
【0087】
(3)前記ダストカップ内で回動可能なように前記外側円筒枠部に分離可能に連結される螺旋圧縮部をさらに有し、
前記内側円筒枠部は、前記突起部と当接可能な上部突起を有し、
前記軸部の回動時に前記内側円筒枠部に過負荷がかかると前記突起部が前記上部突起を摺動するように構成されてもよい。
この構成によれば、回動する螺旋圧縮部によってダストカップ内のダストを圧縮することができるため、ダストカップ内に溜まったダストの廃棄回数を減らすことができ、これによってもメンテナンス時の使用者の負担をより軽減することができる。
また、ダストの圧縮が限界となって螺旋圧縮部に過負荷がかかると、軸部の突起部が内側円筒枠部の上部突起を摺動し、これにより軸部が空回りして連動機構の破損を防止することができる。この際、第1軸部が空回りすることにより使用者は螺旋圧縮部に過負荷がかかっていることを認識して圧縮操作をストップすることができる。さらに、軸部が空回りしても除塵部は回動するため、螺旋圧縮部が停止していてもフィルター本体の除塵を行うことができる。
【0088】
(4)前記ダストカップ内で回動可能なように前記外側円筒枠部に分離可能に連結される螺旋圧縮部をさらに有し、
前記軸部は、前記ハンドル部と前記除塵部との間の連結を解除可能として相互に噛合する第1ギアおよび第2ギアを有し、
前記軸部の回動時に前記内側円筒枠部に過負荷がかかると前記第1ギアと第2ギアとの噛合が外れて相対的に空転するように構成されてもよい。
この構成によれば、前記(2)と同様に、回動する螺旋圧縮部によってダストカップ内のダストを圧縮することができるため、ダストカップ内に溜まったダストの廃棄回数を減らすことができ、これによってもメンテナンス時の使用者の負担をより軽減することができる。
また、ダストの圧縮が限界となって螺旋圧縮部に過負荷がかかると、軸部の第1ギアが第2ギアから外れて空回りするため、連動機構の破損を防止することができる。この際、第1ギアが空回りすることにより使用者は螺旋圧縮部に過負荷がかかっていることを認識して圧縮操作をストップすることができる。
【0089】
(5)前記ダストカップが空気流入口を有すると共に、前記フィルターカバーが空気排出口を有し、
前記集塵装置装着部は、前後方向に延びる凹形に形成されると共に、前記集塵装置装着部に横倒し状態で装着された前記集塵装置の前記空気流入口および前記空気排出口と気密に接続される空気導出口および空気導入口を有してもよい。
この構成によれば、集塵装置を駆動装置に横倒し状態で装着することができるため、駆動装置における集塵装置装着部の下部に電動送風機を配置することが可能となる。この結果、掃除機本体の重心が前後方向中間の低い位置となり、清掃時の掃除機本体の走行が安定し、転倒しにくくなる。
【0090】
(6)前記集塵装置において、前記ロック爪は前記フィルターカバーにおける前記空気排出口の左右両側に一対設けられ、
前記駆動装置において、前記係合凹部は前記集塵装置装着部の前記空気流入口の左右両側に一対設けられてもよい。
この構成によれば、駆動装置と集塵装置との空気流通経路の接続側にロック機構が設けられるため、気密性が高められて好都合となる。
【0091】
(7)前記駆動装置は、バッテリーと、前記バッテリーを着脱可能に装着させるバッテリー装着部とを有し、
前記バッテリー装着部は、前記集塵装置装着部の後方に上方開口凹形に形成されてもよい。
この構成によれば、掃除機本体を持ち運びながら清掃することができる、腰を屈めなくても上方からバッテリーを容易に取り出すことができる、駆動装置内における電動送風機の後方に排気口に繋がる排気流路のスペースを確保することができる、掃除機本体の前後方向の長さを抑えてコンパクト化することができるといったメリットが得られる。
【0092】
(8)前記メッシュ部と内側円筒枠部と前記外側円筒枠部とが分離可能に構成されてもよい。
この構成によれば、メッシュ部の外周面と内周面をきれいに洗浄することができる。
【0093】
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。