(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御回路は、前記被充電機器が使用する前記バッテリを充電する充電チャネルに基づいて、複数対のジョイントから前記無線受信回路に電気的に接続される一対のジョイントを選択し、前記充電チャネルは第一充電チャネル又は第二充電チャネルである、
ことを特徴とする請求項6に記載の被充電機器。
前記被充電装置が前記第一充電チャネルを介して前記バッテリを充電する場合、前記制御回路は複数対のジョイントのうちの第一対のジョイントが前記無線受信回路に電気的に接続されるように制御することにより、前記無線受信回路は第一対のジョイントによって限定されるコイルを介して無線充電信号を受信し、
前記被充電装置が前記第二充電チャネルを介して前記バッテリを充電する場合、前記制御回路は複数対のジョイントのうちの第二対のジョイントが前記無線受信回路に電気的に接続されるように制御することにより、前記無線受信回路は第二対のジョイントによって限定されるコイルを介して無線充電信号を受信し、
前記第一対のジョイントによって限定されるコイルの巻数は、前記第二対のジョイントによって限定されるコイルの巻数よりも小さい、
ことを特徴とする請求項7に記載の被充電機器。
無線充電中に前記被充電機器と無線通信して、前記無線送信回路の送信電力を調整することにより、前記無線送信回路の送信電力が前記被充電機器のバッテリの現在必要とする充電電圧及び/又は充電電流と一致するようにすることをさらに備える、
ことを特徴とする請求項10に記載の無線充電装置の制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態に係わる無線充電装置10は、無線充電ベース又はシステムオンチップであることができる。以下、
図1を参照して、本発明の実施形態に係わる無線充電装置10を詳細に説明する。
【0014】
図1に示されたように、無線充電装置10は、無線送信回路12、送信コイル14及び制御回路16を備えることができる。以下、無線充電装置10内部の構成要素の形態及び機能について詳細に説明する。
【0015】
無線送信回路12は、送信コイル14を介して無線充電信号を送信することができる。具体的には、無線送信回路12は、高周波発振回路を含むことができる。無線送信回路12は、高周波発振回路に基づいて高周波発振信号を生成し、送信コイル14を介して外部に送信して、無線充電信号を形成することができる。
【0016】
送信コイル14は、複数対のジョイントを備え(送信コイル14の特定の位置から引き出されたワイヤによってジョイントを形成することができる)、各対のジョイントによって限定されるコイルの巻数は異なる。送信コイル14におけるジョイントの特定の位置は、実際の需要に応じて柔軟に設定することができる。例えば、ジョイントは、送信コイル14の以下の位置の中の1つ又は複数の位置に位置することができる:開始位置、終了位置、及び開始位置と終了位置との間の任意の位置である。送信コイル14の複数対のジョイントのそれぞれは、特定の巻数を有するコイルを限定することができる。一対のジョイントによって限定されるコイルは、一対のジョイントにおいて、一方のジョイントを開始位置として、他方のジョイントを終了位置とするコイルを指す。
【0017】
本発明の実施形態は、送信コイル14に含まれるジョイントの対数を具体的に限定しない。例えば、2対のジョイントを備えてもよく、又は3対以上のジョイントを備えてもよい。
【0018】
図2は、送信コイルの可能な設計方式を示している。
図2に示されたように、送信コイル14は、3つのジョイント、即ち
図2に示されたジョイント1、ジョイント2、及びジョイント3を備える。ジョイント2は、送信コイル14の開始位置(又は最奥の位置)に位置する。ジョイント1は、送信コイル14の終了位置(又は最外の位置)に位置する。ジョイント3は、送信コイル14の中間位置(即ち、開始位置と終了位置との間の位置)に位置する。
【0019】
図2に示されたように、送信コイル14は、2対のジョイント、即ちジョイント2とジョイント3によって形成された一対のジョイント(以下、「第一対のジョイント」という)、及びジョイント1とジョイント2によって形成された一対のジョイント(以下、「第二対のジョイント」という)を備える。送信コイル14がNターンコイルで巻かれてなることを例とすると(Nは1より大きい正整数である)、ジョイント1は送信コイル14の最外の位置に位置し、ジョイント2は送信コイル14の最奥の位置に位置するので、ジョイント1及びジョイント2は、Nターンコイル(即ち、送信コイル14のあらゆるコイル)を限定する。ジョイント3は送信コイル14の中間位置に位置するので、ジョイント2及びジョイント3によって限定されるコイルの巻数はNより小さい。
【0020】
制御回路16は、複数対のジョイントから無線送信回路12に電気的に接続される一対のジョイントを選択するために用いられる。無線送信回路12は複数対のジョイントの中のある一対のジョイントに電気的に接続されると、無線送信回路12はそれに電気的に接続されたこの一対のジョイントによって限定されるコイルを介して外部に無線充電信号を送信する。依然として、
図2を例とすると、無線送信回路12は第二対のジョイント(ジョイント1とジョイント2を含む)に電気的に接続されると、無線送信回路12は送信コイル14全体(Nターンコイルを含む)を介して外部に無線充電信号を送信し、無線送信回路12は第一対のジョイント(ジョイント2とジョイント3を含む)に電気的に接続されると、無線送信回路12はジョイント2とジョイント3の間に位置する送信コイル(Nターン未満)を介して外部に無線充電信号を送信する。
【0021】
上記の制御機能を実現できる限り、本発明の実施形態は制御回路16の形態を具体的に限定しない。一例として、制御回路16は、マイクロコントローラーユニット(microcontroller unit,MCU)及びスイッチ回路を備えることができる。スイッチ回路は、MCUの制御下で異なる各対のジョイントを切り替える。
【0022】
本発明の実施形態は、制御回路16が複数対のジョイントから無線送信回路12に電気的に接続される一対のジョイントを選択する方式を特に限定しない。例えば、制御回路16は先ず限定されたコイルの巻数が多い一対のジョイントを選択して動作し、もし無線送信装置10によって生成された熱が大き過ぎる場合、制御回路16は限定されたコイルの巻数が少ない一対のジョイントを選択して動作することにより、動作過程の発熱量を低減する。
【0023】
本発明の実施形態によって提供される送信コイル14は複数対のジョイントを含み、制御回路16は実際の需要によって複数対のジョイントから選択したり切り替えたりすることができ、無線充電過程の柔軟性を向上させる。
【0024】
以下、実施可能なジョイント選択方法を詳細に説明する。
【0025】
先ず、無線充電装置10は第一無線充電モード又は第二無線充電モードで動作可能である。無線充電装置10が第一無線充電モードで被充電機器を充電する充電速度は、無線充電装置10が第二無線充電モードで被充電機器を充電する充電速度よりも速い。
【0026】
換言すると、第二無線充電モードで動作する無線充電装置10と比較して、第一無線充電モードで動作する無線充電装置10によって被充電機器
30内の同じ容量のバッテリを完全に充電することに必要とする時間はさらに短い。
【0027】
第二無線充電モードは、通常の無線充電モードと呼ばれ、例えば、QI規格、PMA(power matters alliance)規格又はA4WP(alliance for wireless power)規格に基づく従来の無線充電モードであることができる。第一無線充電モードは急速無線充電モードであることができる。通常の無線充電モードは、無線充電装置10の送信電力がより小さい(通常15W未満、送信電力はほとんど5W又は10Wである)無線充電モードを指すことができる。通常の無線充電モードにおいて、大容量のバッテリ(例えば、3000mAバッテリである)を完全に充電するためには通常数時間かかる。急速無線充電モードにおいて、無線充電装置10の送信電力がより大きい(通常、15W以上である)。通常の無線充電モードと比較して、急速無線充電モードにおいて、無線充電装置
10が同じ容量のバッテリを完全に充電することに必要とする時間は大幅に短縮され、充電速度はさらに速い。
【0028】
無線充電装置10が第一無線充電モードで被充電機器を充電する場合、制御回路16は複数対のジョイントのうちの第一対のジョイントが無線送信回路12に電気的に接続されるように制御することにより、無線送信回路12は第一対のジョイントによって限定されるコイルを介して無線充電信号を送信する。無線充電装置10が第二無線充電モードで被充電機器を充電する場合、制御回路16は複数対のジョイントのうちの第二対のジョイントが無線送信回路12に電気的に接続されるように制御することにより、無線送信回路12は第二対のジョイントによって限定されるコイルを介して無線充電信号を送信する。第一対のジョイントによって限定されるコイルの巻数は、第二対のジョイントによって限定されるコイルの巻数よりも小さい。
【0029】
一例として、送信コイル14は
図2に示された送信コイルである。第二対のジョイントはジョイント1及びジョイント2に対応し、それは送信コイル14の全てのコイルを限定する。第一対のジョイントはジョイント2及びジョイント3に対応し、それは送信コイル14の一部分のコイルを限定する。無線充電装置10が第二無線充電モードで被充電機器を充電する場合、制御回路16はジョイント1及びジョイント2が無線送信回路12に電気的に接続されるように制御することができ、送信コイル14全体が動作状態にあることにする。無線充電装置10が第一無線充電モードで被充電機器を充電する場合、制御回路16はジョイント2及びジョイント3が無線送信回路12に電気的に接続されるように制御することができ、送信コイル14の一部分のコイルが動作状態にあることにする。
【0030】
一対のジョイントによって限定されるコイルの巻数が多ければ多いほど、コイルのインピーダンスが大きくなる可能性がある。無線充電装置10が第一無線充電モードで動作する場合、第一無線充電モードでの無線充電装置10の充電速度は速いので、動作状態にある送信コイルのインピーダンスが大きいと、送信コイルの発熱現象は非常に深刻になる。送信コイルの発熱量を低減するために、無線充電装置10が第一無線充電モードにある場合、本発明の実施形態は第一対のジョイントが動作するように制御することにより、動作状態にある送信コイルのインピーダンスと発熱量(コイルの巻数が少ないことによるインダクタンスの減少は、送信電圧を高める方式で補償することができる)を低減する。無線充電装置10が第二無線充電モードにある場合、本発明の実施形態は第二対のジョイントが動作するように制御する。
【0031】
無線充電装置10は、無線送信回路12、送信コイル14及び制御回路16に加えて、実際の需要に応じて他の機能を有する回路をさらに備えることができ、本発明の実施形態はこれに対して特に限定しない。以下、
図3〜
図4を参照して、無線充電装置10のいくつかの可能な実装形態を詳細に説明する。
【0032】
図3に示されたように、無線充電装置10は電圧変換回路18をさらに備えることができる。
【0033】
電圧変換回路18は、入力電圧を受信し、入力電圧を変換して、無線送信回路12の入力電圧及び入力電流を取得するために用いられる。制御回路16は、さらに、無線充電中に被充電機器と無線通信して、無線送信回路12の送信電力を調整することにより、無線送信回路12の送信電力が被充電機器のバッテリの現在の必要とする充電電圧及び/又は充電電流と一致するようにするために用いられる。
【0034】
電圧変換回路18を設置することにより、無線充電装置10は実際の需要に応じて無線送信回路12が受信する電圧を調整することができる。例えば、無線充電装置10は高電圧低電流方式を採用してエネルギーを伝送することを望む場合、このようなエネルギー伝送方式は無線送信回路12の入力電圧(例えば、10V又はは20Vである)に対する要求が高く、もし外部の電源装置の最大出力電圧が無線送信回路12の入力電圧要求に達することはできない場合、電圧変換回路18の設置は、無線送信回路12の入力電圧要求に達することはできない入力電圧が所望の入力電圧に達することにする。もちろん、代替案として、外部の電源装置の出力電圧が無線送信回路12の入力電圧要求に達することができる場合、電圧変換回路18を省略することもでき、従って無線充電装置10を簡素化することができる。
【0035】
図4に示されたように、無線充電装置10は充電インターフェース13をさらに備えることができる。充電インターフェース13は、外部の電源装置20に接続するために用いられる。上述した電圧変換回路18の入力電圧は、電源装置20が充電インターフェース13を介して提供する電圧であることができる。本実施形態において、制御回路16は、さらに、電源装置20と通信して、電源装置20の出力電圧及び/又は出力電流を調整することにより、無線送信回路12の送信電力を調整するために用いられる。
【0036】
選択的に、充電インターフェース13はUSBインターフェースであることができる。本発明は、充電インターフェース13のタイプを具体的に限定しない。選択的に、いくつかの実施形態において、充電インターフェース13はUSBインターフェースであることができる。USBインターフェースは、例えば、USB2.0インターフェース、マイクロUSBインターフェース、又はUSB TYPE−Cインターフェースであることができる。選択的に、他のいくつかの実施形態では、充電インターフェース13はlightningインターフェース、又は他のいかなるタイプの充電用パラレルインターフェース及び/又はシリアルインターフェースであることができる。
【0037】
本発明の実施形態は制御回路16と電源装置20との間の通信方式に対して具体的に制限しない。一実施形態において、制御回路16は、充電インターフェース以外の別の通信インターフェースによって電源装置20に接続され、且つこの通信インターフェースによって電源装置20と通信することができる。他の実施形態において、制御回路16は、無線方式で電源装置20と通信することができる。例えば、制御回路16は電源装置20と近距離無線通信(near field communication,NFC)を行うことができる。さらに別の実施形態において、制御回路16は充電インタフェース13によって電源装置20と通信することができ、追加の通信インタフェース又は他の無線通信モジュールを設置することを必要としなく、無線充電装置10を簡素化することができる。例えば、充電インタフェース13はUSBインタフェースであり、制御回路16はUSBインターフェースのデータ線(D+線及び/又はD−線など)によって電源装置20と通信することができる。別の例において、充電インターフェース13は、電力供給(power delivery,PD)通信プロトコルを支持するUSBインターフェース(USB TYPE−Cインターフェースなど)であることができる。制御回路16はPD通信プロトコルに基づいて電源装置20と通信することができる。
【0038】
図3に示された無線充電装置10は、外部の電源装置20から充電電力を受け取る。
図3の実施形態と異なり、
図4の実施形態は、電源装置20の機能を無線充電装置10の内部に統合することにより、無線充電に必要とするデバイスの数を減少し、無線充電装置10の統合度を向上させる。
【0039】
上述したように、本発明の実施形態に係わる無線充電装置を詳細に説明した。以下、具体的な実施形態と結合して、本発明の実施形態に係わる被充電機器を詳しく説明する。
【0040】
本発明の実施形態において、被充電機器はシステムオンチップ又は端末であることができる。この「端末」は、有線回線によって接続される装置及び/又は無線インタフェースを介して通信信号を受信/送信する装置であることができるが、それに限定されるものではない。有線回線は、例えば、公衆交換電話網(public switched telephone network, PSTN)、デジタル加入者線(digital subscriber line, DSL)、デジタルケーブル、直接接続ケーブル、及び/又は他のデータ接続ライン又はネットワーク接続ラインであることができる。無線インターフェースは、例えば、セルラーネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network,WLAN)、デジタルビデオ放送ハンドヘルド(digital video broadcasting handheld,DVB-H)ネットワークのようなデジタルテレビネットワーク、衛星ネットワーク、振幅変調周波数変調(amplitude modulation-frequency modulation, AM−FM)放送送信機、及び/又は他の通信端末と通信することであることができる。無線インタフェースを介して通信するように構成された端末は、「無線通信端末」、「無線端末」、及び/又は「移動端末」と呼ぶことができる。移動端末の例としては、衛星又はセルラー電話、パーソナル通信システム(personal communication system,PCS)端末(セルラー無線電話とデータ処理、ファックス及びデータ通信能力を組み合わせることができる)、パーソナルデジタルアシスタント(Persona Digital Assistant, PDA)(無線電話(radio telephone)、ページャ(pager)、インターネット/イントラネットアクセス(Internet/Intranet access)、ウェブブラウジング(web browsing)、ノートブック(notebook)、カレンダー(calendar)及び/又は全地球測位システム(global positioning system, GPS)受信機を備えることができる)及び/又は通常のラップトップ型又はハンドヘルド受信機、又は無線電話機能を備えた他の電子デバイスを備えるが、それに限定されるものではない。また、本発明の実施形態において、被充電機器又は端末は、パワーバンク(power bank)を備えることができる。このパワーバンクは、無線充電装置によって充電されることができ、従って他の電子装置に電力を供給するためにエネルギーを蓄積することができる。
【0041】
図5に示されたように、本発明の実施形態に係わる被充電機器30は、受信コイル32、無線受信回路34及び制御回路36を備えることができる。
【0042】
受信コイル32は、無線充電装置から送信する無線充電信号を受信するために用いられる。 受信コイル32は、複数対のジョイントを備え、各対のジョイントによって限定されるコイルの巻数は異なる。受電コイル32の特定の位置から引き出されたワイヤによってジョイントを形成することができる。受電コイル32におけるジョイントの特定の位置は、実際の需要に応じて柔軟に設定することができる。例えば、ジョイントは、受信コイル32の以下の位置の中の1つ又は複数の位置に位置することができる:開始位置、終了位置、及び開始位置と終了位置との間の任意の位置である。受信コイル32の複数対のジョイントのそれぞれは、特定の巻数を有するコイルを限定することができる。一対のジョイントによって限定されるコイルは、一対のジョイントにおいて、一方のジョイントを開始位置として、他方のジョイントを終了位置とするコイルを指す。
【0043】
本発明の実施形態は、受信コイル32に含まれるジョイントの対数を具体的に限定しない。例えば、2対のジョイントを備えてもよく、又は3対以上のジョイントを備えてもよい。
【0044】
受信コイル32は
図2に示された設計方式を採用することができる。
図2に示されたように、受信コイル32は、3つのジョイント、即ち
図2に示されたジョイント1、ジョイント2、及びジョイント3を備える。ジョイント2は、受信コイル32の開始位置(又は最奥の位置)に位置する。ジョイント1は、受信コイル32の終了位置(又は最外の位置)に位置する。ジョイント3は、受信コイル32の中間位置(即ち、開始位置と終了位置との間の位置)に位置する。
【0045】
図2に示されたように、受信コイル32は、2対のジョイント、即ちジョイント2とジョイント3によって形成された一対のジョイント(以下、「第一対のジョイント」という)、及びジョイント1とジョイント2によって形成された一対のジョイント(以下、「第二対のジョイント」という)を備える。受信コイル32がNターンコイルで巻かれてなることを例とすると(Nは1より大きい正整数である)、ジョイント1は受信コイル32の最外の位置に位置し、ジョイント2は受信コイル32の最奥の位置に位置するので、ジョイント1及びジョイント2は、Nターンコイル(即ち、受信コイル32のあらゆるコイル)を限定する。ジョイント3は受信コイル32の中間位置に位置するので、ジョイント2及びジョイント3によって限定されるコイルの巻数はNより小さい。
【0046】
無線受信回路34は、受信コイル32によって受信された無線充電信号を無線受信回路34の出力電圧及び出力電流に変換するために用いられる。無線受信回路34は、整流回路及び/又はフィルタリング回路のような整形回路を備えることができる。
【0047】
制御回路36は、複数対のジョイントから無線受信回路34に電気的に接続される一対のジョイントを選択するために用いられる。無線受信回路34は複数対のジョイントの中のある一対のジョイントに電気的に接続されると、無線受信回路34はそれに電気的に接続されたこの一対のジョイントによって限定されるコイルを介して無線充電信号を受信する。依然として、
図2を例とすると、無線受信回路34は第二対のジョイント(ジョイント1とジョイント2を含む)に電気的に接続されると、無線受信回路34は受信コイル32全体(Nターンコイルを含む)を介して無線充電信号を受信し、無線受信回路34は第一対のジョイント(ジョイント2とジョイント3を含む)に電気的に接続されると、無線受信回路34はジョイント2とジョイント3の間に位置する受信コイル(Nターン未満)を介して無線充電信号を受信する。
【0048】
上記の制御機能を実現できる限り、本発明の実施形態は制御回路36の形態を具体的に限定しない。一例として、制御回路36は、マイクロコントローラーユニット(microcontroller unit,MCU)及びスイッチ回路を備えることができる。スイッチ回路は、MCUの制御下で異なる各対のジョイントを切り替える。
【0049】
本発明の実施形態は、制御回路36が複数対のジョイントから無線受信回路34に電気的に接続される一対のジョイントを選択する方式を特に限定しない。例えば、制御回路36は先ず限定されたコイルの巻数が多い一対のジョイントを選択して動作し、もし被充電機器30によって生成された熱が大き過ぎる場合、制御回路36は限定されたコイルの巻数が少ない一対のジョイントを選択して動作することにより、動作過程の発熱量を低減する。
【0050】
本発明の実施形態によって提供される受信コイル32は複数対のジョイントを含み、制御回路36は実際の需要によって複数対のジョイントから選択したり切り替えたりすることができ、無線充電過程の柔軟性を向上させる。
【0051】
以下、実施可能なジョイント選択方法を詳細に説明する。
【0052】
先ず、
図6に示されたように、被充電機器30は、第一充電チャネル31及び検出回路33をさらに備えることができる。第一充電チャネル31に降圧回路312を設けることができる。降圧回路312は、Buck回路又はチャージポンプであることができる。第一充電チャネル31には降圧回路が設けられていなくてもよい。降圧回路312は、無線受信回路34の出力電圧を受信し、無線受信回路34の出力電圧に対して降圧処理を行って、第一充電チャネル31の出力電圧及び出力電流を獲得するために用いられ、第一充電チャネル31の出力電圧及び出力電流に基づいて被充電機器30のバッテリ35を充電する。
【0053】
検出回路33は、第一充電チャンネル31の電圧及び/又は電流を検出するために用いられる。
【0054】
制御回路36は、第一充電チャネル31の出力電圧及び/又は出力電流がバッテリ35の現在必要とする充電電圧及び/又は充電電流と一致するように、検出回路33によって検出された第一充電チャネル31の電圧及び又は電流に応じて無線充電装置と無線通信することにより、無線充電装置の送信電力を調整するために用いられる。
【0055】
選択的に、
図6に示されたように、被充電機器30は、第二充電チャンネル37をさらに備えることができる。第二充電チャンネル37に変換回路372を設置することができる。変換回路372は、無線受信回路34の出力電圧及び出力電流を受信し、無線受信回路34の出力電圧及び/又は出力電流に対して定電圧及び/又は定電流制御を行って、第二充電チャンネル37の出力電圧及び/又は出力電流がバッテリ35の現在必要とする充電電圧及び/又は充電電流と一致することにするために用いられ、且つ第二充電チャンネル37の出力電圧及び/又は出力電流に基づいてバッテリ35(単一のセルを含むことができ、互いに直列に接続された複数のセルを含むこともできる)を充電する。
【0056】
被充電装置30が第一充電チャネル31を介してバッテリ35を充電する場合、制御回路36は複数対のジョイントのうちの第一対のジョイントが無線受信回路34に電気的に接続されるように制御することにより、無線受信回路34は第一対のジョイントによって限定されるコイルを介して無線充電信号を受信する。被充電装置30が第二充電チャネル37を介してバッテリ35を充電する場合、制御回路36は複数対のジョイントのうちの第二対のジョイントが無線受信回路34に電気的に接続されるように制御することにより、無線受信回路34は第二対のジョイントによって限定されるコイルを介して無線充電信号を受信する。第一対のジョイントによって限定されるコイルの巻数は、第二対のジョイントによって限定されるコイルの巻数よりも小さい。
【0057】
一例として、受信コイル32は
図2に示された受信コイル32である。第二対のジョイントはジョイント1及びジョイント2に対応し、それは受信コイル32の全てのコイルを限定する。第一対のジョイントはジョイント2及びジョイント3に対応し、それは受信コイル32の一部分のコイルを限定する。被充電装置30が第二充電チャネル37を介してバッテリ35を充電する場合、制御回路36はジョイント1及びジョイント2が無線受信回路34に電気的に接続されるように制御することができ、受信コイル32全体が動作状態にあることにする。被充電装置30が第一充電チャネル31を介してバッテリ35を充電する場合、制御回路36はジョイント2及びジョイント3が無線受信回路34に電気的に接続されるように制御することができ、受信コイル32の一部分のコイルが動作状態にあることにする。
【0058】
上記の第一充電チャネル31及び第二充電チャネル37は、上述した無線充電装置の無線充電モードに対応することができる。例えば、無線充電装置10が第一無線充電モードで無線充電する場合、被充電装置30が第一充電チャネル31を介してバッテリ35を充電することができる。無線充電装置10が第二無線充電モードで無線充電する場合、被充電装置30が第二充電チャネル37を介してバッテリ35を充電することができる。
【0059】
本発明の実施形態において、制御回路36は、使用される充電チャネルに基づいて異なる各対のジョイントを切り替えることにより、無線充電の柔軟性を向上させることができる。
【0060】
制御回路36と無線充電装置は、ブルートゥース(bluetooth)、無線忠実度(wireless fidelity,Wi − Fi)、又は後方散乱(backscatter)変調(又は電力負荷変調)に基づいて互いに無線通信を行うことができ、本発明の実施形態はこれに対して制限しない。
【0061】
上述したように、
図1〜
図6を参照して、本願の装置の実施形態を詳細に説明した。以下、
図7〜
図8を参照して、本願の方法の実施形態を詳細に説明する。方法の実施形態は装置の実施形態と互いに対応するので、詳細に説明しなかった部分は上述した装置の実施形を参照することができる。
【0062】
図7は、本発明の実施形態に係わる無線充電装置の制御方法を示すフローチャートである。無線充電装置は上述した無線充電装置10であることができる。無線充電装置は、無線送信回路及び送信コイルを備えることができる。送信コイルは、複数対のジョイントを備え、各対のジョイントによって限定されるコイルの巻数は異なる。
【0063】
図7の制御方法は、ステップS710を備える。ステップS710において、複数対のジョイントから無線送信回路に電気的に接続される一対のジョイントを選択する。
【0064】
選択的に、無線充電装置は第一無線充電モード又は第二無線充電モードで動作可能である。無線充電装置が第一無線充電モードで被充電機器を充電する充電速度は、無線充電装置が第二無線充電モードで被充電機器を充電する充電速度よりも速い。
【0065】
本実施形態において、ステップS710は、無線充電装置が第一無線充電モードで被充電機器を充電する場合、複数対のジョイントのうちの第一対のジョイントが無線送信回路に電気的に接続されるように制御することにより、無線送信回路は第一対のジョイントによって限定されるコイルを介して無線充電信号を送信すること、無線充電装置が第二無線充電モードで被充電機器を充電する場合、複数対のジョイントのうちの第二対のジョイントが無線送信回路に電気的に接続されるように制御することにより、無線送信回路は第二対のジョイントによって限定されるコイルを介して無線充電信号を送信すること、を備えることができ、その中において、第一対のジョイントによって限定されるコイルの巻数は、第二対のジョイントによって限定されるコイルの巻数よりも小さい。
【0066】
図8は、本発明の実施形態に係わる被充電機器の制御方法を示すフローチャートである。被充電機器は上述した被充電機器30であることができる。被充電機器30は、受信コイル及び無線受信回路を備えることができる。受信コイルは、複数対のジョイントを備え、各対のジョイントによって限定されるコイルの巻数は異なる。
【0067】
図8の制御方法は、ステップS810を備える。ステップS810において、複数対のジョイントから無線受信回路に電気的に接続される一対のジョイントを選択する。
【0068】
選択的に、被充電機器は、第一充電チャネルをさらに備えることができる。第一充電チャネルには降圧回路が設けられている。降圧回路は、無線受信回路の出力電圧を受信し、無線受信回路の出力電圧に対して降圧処理を行って、第一充電チャネルの出力電圧及び出力電流を獲得するために用いられ、且つ第一充電チャネルの出力電圧及び出力電流に基づいて被充電機器のバッテリを充電する。
【0069】
図8の制御方法は、第一充電チャネルの電圧及び/又は電流を検出すること、第一充電チャネルの出力電圧及び/又は出力電流がバッテリの現在必要とする充電電圧及び/又は充電電流と一致するように、検出された第一充電チャネルの電圧及び又は電流に応じて無線充電装置と無線通信することにより、無線充電装置の送信電力を調整すること、をさらに備えることができる。
【0070】
選択的に、被充電機器は、第二充電チャンネルをさらに備えることができる。第二充電チャンネルには、変換回路が設置されている。変換回路は、無線受信回路の出力電圧及び出力電流を受信し、無線受信回路の出力電圧及び/又は出力電流に対して定電圧及び/又は定電流制御を行って、第二充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流がバッテリの現在必要とする充電電圧及び/又は充電電流と一致することにするために用いられ、且つ第二充電チャンネルの出力電圧及び/又は出力電流に基づいてバッテリを充電する。
【0071】
上述したステップS810は、被充電装置が第一充電チャネルを介してバッテリを充電する場合、複数対のジョイントのうちの第一対のジョイントが無線受信回路に電気的に接続されるように制御することにより、無線受信回路は第一対のジョイントによって限定されるコイルを介して無線充電信号を受信すること、被充電装置が第二充電チャネルを介してバッテリを充電する場合、複数対のジョイントのうちの第二対のジョイントが無線受信回路に電気的に接続されるように制御することにより、無線受信回路は第二対のジョイントによって限定されるコイルを介して無線充電信号を受信すること、を備えることができ、その中において、第一対のジョイントによって限定されるコイルの巻数は、第二対のジョイントによって限定されるコイルの巻数よりも小さい。
【0072】
選択的に、降圧回路は、Buck回路又はチャージポンプである。
【0073】
選択的に、被充電装置と無線充電装置は、ブルートゥース、無線忠実度、又は後方散乱変調に基づいて互いに無線通信を行う。
【0074】
留意されたいことは、衝突がないかぎり、本願に記載された各実施例及び/又は各実施例の技術的特徴は任意に互いに組み合わせることができ、組み合わせた後に得られる技術的方案も本願の保護範囲内にあるべきである。
【0075】
上述した実施形態において、全部又は一部はソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、又は任意の他の組み合わせによって実現することができる。ソフトウェアによって実現する場合、全部又は一部は、コンピュータプログラム製品の形式で実現することができる。コンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータにコンピュータプログラム命令をアップロードして実行される場合、本発明の実装形態のプロセス又は機能の全部または一部が実行される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラム可能な装置であることができる。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、又は1つのコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に送信することができる。例えば、コンピュータ命令は、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、デジタル加入者線(digital subscriber line, DSL)である)又は無線(赤外線、無線、マイクロ波などである)方式によって、あるウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンタに送信することができる。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータがアクセスすることができる任意の利用可能な媒体、又は1つ又は複数の利用可能な媒体統合を含むサーバ、データセンタなどのデータ記憶装置であることができる。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、ソフトディスク、ハードディスク、磁気テープである)、光学媒体(例えば、デジタルビデオディスク(digital video disc,DVD)である)、又は半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスク(solid state disk,SSD)である)などであることができる。
【0076】
本願に開示された実施例に基づいて記載される各例示のユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、又はコンピュータープログラムと電子ハードウェアとの組み合わせにより実現され得ることは、当業者とって明らかである。これらの機能は、ハードウェアにより実行されるか又はソフトウェアにより実行されるかについて、技術方案の特定の応用場合や設計の制限条件などによって決められる。当業者は、特定応用ごとに異なる方法を使用して記載される機能を実現できるが、これらの実現は、本発明の範囲を超えると見なされるべきではない。
【0077】
本願によって提供される幾つかの実施形態において、開示されるシステム、装置及び方法は、他の形態により実現され得ると理解されるべきである。例えば、上記に説明された装置の実施例は、例示するためのものに過ぎない。例えば、ユニットの分割は、ロジック機能の分割に過ぎず、実際に実現するときに別の分割形態を有してもよい。例えば、複数のユニット又は部品を組み合わせ、又は別のシステムに集積し、又は若干の特徴を無視し、又は実行しなくてもよい。さらに、図示又は検討する相互間の結合や直接結合や通信接続は、いくつかのインタフェース、装置、又はユニットの間接結合や通信接続であってもよく、電気、機械や他の形態であってもよい。
【0078】
分離部品として記載されたユニットは、物理的に分離してもよいし、分離しなくてもよい。ユニットとして表示される部品は、物理的なユニットであってもよいし、物理的なユニットではなくておもよい。即ち、一つの箇所に設置してもよいし、複数のネットワークユニットに設置してもよい。実際の要求に応じて一部又は全部のユニットを選択して本実施例の技術方案の目的を実現することができる。
【0079】
また、本発明に係る各実施例の各機能ユニットは、1つの処理ユニットに集積されてもよいし、物理的に分離された複数のユニットとして存在してもよいし、2つ以上のユニットは1つのユニットに集積してもよい。
【0080】
上述したのは、ただ本願の具体的な実施形態であり、本願の保護範囲はこれに限定されるものではない。当業者であれば、本願に開示された技術範囲内で変更又は置換を容易に想到しうることであり、全て本出願の範囲内に含まれるべきである。従って本願の保護範囲は特許請求の範囲によって決めるべきである。