(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ベルト装着デバイスは、前記ベルト装着デバイスの第1の層と、前記ベルト装着デバイスの第2の層とを含み、前記ベルト装着デバイスの前記第1の層及び前記第2の層は、内部取付手段を用いることによって、少なくとも部分的に前記ベルト装着デバイスの前記中央領域で互いに取り付けられる、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載のベルト装着デバイス。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、新規なベルト装着デバイスを開示する。更に、本発明は、ベルトのための新規な装着構成、及びベルト装着デバイスの新規な用途を開示する。更に、本発明は、抄紙機、板紙抄紙機又はパルプマシンにベルトを装着する新規な装着方法を開示する。
【0005】
本発明の目的は、改良されたベルト装着デバイス、装着構成、及び装着方法を提供することである。発明の態様は、独立項に記載されるものによって特徴付けられる。本発明の様々な実施形態は、従属項に開示されている。
【0006】
抄紙機、パルプマシン又は板紙抄紙機に適したベルトは、孔のような、ベルトの複数の取付点を含むことができる。
【0007】
ベルトを抄紙機、パルプマシン又は板紙抄紙機に装着するためのベルト装着デバイスが、
− ベルト装着デバイスをプルロープに取り付けるための取付点を含む第1の領域と、
− ベルト装着デバイスをベルトに取り外し可能に締結するための少なくとも1つの孔を含む第2の領域と、
− 第1の領域と第2の領域との間の中央領域とを含むことができる。
【0008】
ベルト装着デバイスは、直線形態と曲線形態との間で曲げ可能であることができる。曲線形態は、800mm以下の曲率半径を有する曲げられた形状を意味し、よって、ベルト装着デバイスは、直線形態と800mmの曲率半径を有する曲線形態との間で曲が可能であることができる。好ましくは、ベルト装着デバイスは、200mm〜800mmの間の任意の曲率半径に対して、より好ましくは、150mm〜800mmの間の任意の曲率半径に対して、幅方向において曲げ可能であることができる。有利には、ベルト装着デバイスは、直線形態と100mmから前記直線形態までの任意の曲率半径を有する曲線形態との間で、幅方向(1w)において曲げ可能である。よって、異なる直径を有する多くの種類のベルトと共にベルト装着デバイスを使用することができる。更に、曲げ可能なベルト装着デバイスは、折損することなく少なくとも前記曲率半径まで曲げられることができ、故に、ベルト装着デバイスは、容易に損傷しないことがある。
【0009】
ベルト装着デバイスの取付点の引張強さは、(少なくとも2940Nに対応する)少なくとも300kg、より好ましくは、少なくとも350kg、最も好ましくは、350kg〜800kgのような、少なくとも400kgであることができる。よって、ベルト装着デバイスは、ベルト装着プロセスのために使用されるのに十分なほどに強くあることができる。更に、ベルト装着デバイスの取付点の引張強さは、(8830N以下に対応する)900kg以下、より好ましくは、800kg以下、最も好ましくは、700kg以下、例えば、400kg〜600kgの間であることができる。よって、装着されるべきベルトを損傷から保護するためにベルト装着デバイスを使用することができる。
【0010】
ベルトが装着プロセス中に損傷させられるならば、ベルトは機械から取り外される必要がある場合がある。従って、別のベルトがその場所に装着される必要がある。これは非常に時間のかかる手順であり、故に、不適切な装着は、追加的な機械のダウンタイム(休止時間)をもたらすことがある。更に、ベルト自体は、典型的には、非常に高価である。その上、ベルトが装着プロセス中に破損させられるならば、個人の安全を熱に保証し得ない。
【0011】
新規な解決策のお陰で、例えば、ベルトの装着プロセス中の問題の故に、プルロープの引張力が所定の値を越えて増大させられるならば、ベルト装着デバイスの取付点を破壊するように、ベルト装着デバイスを構成することができる。よって、ベルト装着デバイスは、装着プロセス中のベルトの損傷を防止することができる。これはコストを減少させる。何故ならば、ベルト装着デバイスは、ベルトほど高価でないからである。更に、追加的な機械のダウンタイムが必要とされないことがある。何故ならば、ベルト装着デバイスは、新しいものに素早く変更されることがあるからである。
【0012】
更に、ベルト装着デバイスとベルト取付手段とを含む新規な構成は、ベルトの1つの取付点よりも良好な強度特性を有することができる。よって、新規な構成は、新規な構成のないベルトの取付点が損傷されるほど容易に損傷されないことがある。
【0013】
更に、ベルト装着デバイスは、ベルトの孔のような取付点について実質的に均一な張力を保証することができ、故に、装着プロセス中にベルトの取付点のいずれかに影響を及ぼす最大引張力を低減することができる。
【0014】
ベルトを抄紙機、パルプマシン又は板紙抄紙機に装着するための装着方法が、
孔の形態の少なくとも1つの取付点を有するベルトを提供するステップと、
ベルト装着デバイスを提供するステップであって、ベルト装着デバイスは、
− ベルト装着デバイスを引張手段に、例えば、プルロープに取り付けるための取付点を含む第1の領域と、
− ベルト装着デバイスをベルトの少なくとも1つの取付点に取り外し可能に締結するための少なくとも1つの孔を含む第2の領域と、
− 第1の領域と第2の領域との間の中央領域とを有する、
ベルト装着デバイスを提供するステップと、
ベルト装着デバイスの第2の領域の少なくとも1つの孔を用いることによってベルトをベルト装着デバイスの第2の領域に固定するステップと、
ベルト装着デバイスの前記第1の領域の前記取付点に前記引張手段を固定するステップと、
ベルトを抄紙機、パルプマシン、又は板紙抄紙機の所定の場所に装着するために、引張手段を所与の方向に引っ張るステップとを含み、
引張手段の引張力が所定の値を超えて増大するならば、ベルトの損傷を最小限に抑えるために、ベルト装着デバイスの第1の領域の取付点を破壊するステップを更に含む。
【0015】
よって、引張力が大きすぎるならば、ベルト装着デバイスの第1の領域の取付点は、破損することができる。即ち、取付点は、大きすぎる引張力がベルトを破損する前に破壊される。取付点が破損する所定の値は、ベルト装着デバイスの取付点の引張強さであり、故に、それは、好ましくは、300kg〜900kgの間の範囲、より好ましくは、少なくとも400kgであり、700kg以下である。
【0016】
ベルト装着デバイスの第1の領域の取付点は、孔を含むことができる。ある実施形態において、第1の領域の取付点は、2つの孔を含む。しかしながら、好ましくは、ベルト装着デバイスの第1の領域の取付点は、正確に1つの孔を含む開口を含む。
【0017】
ベルト装着デバイスの第2の領域は、少なくとも2つの孔を含むことができる。ベルト装着デバイスの第2の領域のために1個よりも多くの又は2個よりも多くの孔を使用することによって、ベルトをよりしっかりと固定することができる。しかしながら、ベルト装着デバイスの第2の領域の孔が多すぎるならば、ベルト装着デバイスの使用はより挑戦的であり得る。よって、好ましくは、ベルト装着デバイスの第2の領域は、3〜6個の孔、最も好ましくは、4個又は6個の孔を含む。ベルト装着デバイスの第2の領域の適切な偶数個の孔用いることによって、装着プロセス中の強度特性及び安定性を向上させることができる。
【0018】
ベルト装着デバイスの長さは、150〜400mmの範囲内であることができる。更に、ベルト装着デバイスの厚さは、少なくとも4mmであることができ、40mm以下であることができる。更に、ベルト装着デバイスの最も広い部分で決定されるベルト装着デバイスの幅は、150〜550mmの範囲内であることができる。更に、ベルト装着デバイスの第1の領域の取付点を介して決定される、ベルト装着デバイスの第1の領域の幅は、15〜200mmの範囲内であることができる。上述の寸法を用いることによって、ベルト装着デバイスを容易に使用することができ、装着プロセスの制御性を向上させることができる。
【0019】
ベルト装着デバイスは、少なくとも1個の層、例えば、2〜4個の層を含むことができる。好ましくは、ベルト装着デバイスは、2つの層、即ち、ベルト装着デバイスの第1の層及びベルト装着デバイスの第2の層を含むことができ、或いはそれらで構成されることができる。この場合、ベルト装着デバイスの第1の層及び第2の層は、好ましくは、内部取付手段を用いることによって、少なくとも部分的に中央領域上で互いに取り付けられることができる。これはベルト装着デバイスの安定性を向上させることができ、その上、装着されるべきベルトを前記層の間に固定することができる。
【0020】
内部取付手段は、
− 接着剤、及び/又は、
− ケーブルタイ、及び/又は、
− ロープ、及び/又は、
− ポリマクリップを含むことができる。
追加的に又は代替的に、第1及び第2の層は、
− 互いに面し合う層の表面を少なくとも部分的に溶解させること、及び/又は
− 前記層を加硫すること
によって互いに取り付けられることができる。
【0021】
ベルト装着デバイスは、
− ポリアミド、及び/又は、
− ポリエステル、及び/又は、
− ポリエチレン、及び/又は、
− シリコーン、及び/又は、
− ポリウレタン、及び/又は、
− 天然ゴム(NR)、及び/又は、
− 剛性ゴム(SR)、及び/又は、
− ポリテトラフロオロエチレン(PTFE)
を含むことができ、或いはそれらで構成され、
前記材料の量は、好ましくは、ベルト装着デバイスの総重量で計算される、少なくとも50重量%である。
【0022】
好ましくは、ベルト装着デバイスは、ポリウレタンを含み、ポリウレタンの量は、好ましくは、少なくとも50重量%である。最も好ましくは、ポリウレタンの量は、ベルト装着デバイスの総重量から計算される、少なくとも70重量%である。よって、ベルト装着デバイスの強度特性、並びに、弾性及び曲げ性を向上させることができる。
【0023】
ベルト装着デバイスの第2の領域の少なくとも孔、より好ましくは、少なくとも2個、3個又は4個の孔、最も好ましくは、全ての孔の幅は、10〜40mmの範囲内であることができる。更に、ベルト装着デバイスの第2の領域の少なくとも1つの孔、より好ましくは、少なくとも2個、3個又は4個の孔、最も好ましくは、全ての孔の長さは、10〜18mmの範囲内であることができる。ベルト装着デバイスの第2の領域の(複数の)孔のために前記寸法を使いることによって、ベルトをベルト装着デバイスにしっかりと固定することができる。
【0024】
更に、ベルト装着デバイスの第2の領域の少なくとも1個の孔、より好ましくは、少なくとも2個の孔は、同じ孔の長さの少なくとも1.3倍、好しくは、同じ孔の長さの1.3倍〜4.0倍である幅を有することができる。よって、異なって離間する取付点を有する異なる種類のベルトと共にベルト装着デバイスを使用することができる。
【0025】
更に、第2の領域の最も中心の(複数の)孔の幅は、ベルト装着デバイスの第2の領域の少なくとも1つの別の孔の幅よりも小さくあることができる。ある実施形態において、最も中心の(複数の)孔の幅は、装着デバイスの第2の領域の少なくとも1つ別の開口の長さの0.2〜1.0倍、好ましくは、装着デバイスの第2の領域の少なくとも1つ別の開口の長さの0.3〜0.8倍である。よって、異なって離間する取付点を有する異なる種類のベルトと共にベルト装着デバイスを使用することができ、それでもなお、装着されるべきベルトをベルト装着デバイスにしっかりと固定することができる。
【0026】
装着プロセス中、少なくとも1つのベルト装着デバイスを使用して1つのベルトを装着することができる。有利には、2〜4のような、少なくとも1つのベルト、より好ましくは、2〜3のベルト装着デバイス、最も好ましくは、正確に2個のベルト装着デバイスを装着するために、少なくとも2つのベルト装着デバイスが装着方法において使用される。
【0027】
本発明に従ったベルト装着デバイスをベルトに取り外し可能に取り付けることができ、故に、1つのベルト装着デバイスを使用して、抄紙機、板紙抄紙機及び/又はパルプマシンに幾つかのベルトを装着することができる。
【0028】
ベルト装着デバイスは、好ましくは、工場側でベルトの(複数の)取付点に取り付けられる。しかしながら、ベルトが製紙工場、パルプ工場又は板紙工場に輸送される前に、工場でベルト装着デバイスをベルトに取り付けることが可能である。
【0029】
新規な解決策のお陰で、異なる直径を有する異なる種類のベルトと共に新規なベルト装着デバイスを使用することができる。更に、新規なベルト装着デバイスは、曲げ可能である。即ち、新規なベルト装着デバイスは、使用されるベルトと同じ曲率半径まで、破断することなく、曲がることができる。
【0030】
以下、図面によって本発明を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図は概略的である。類似の部分は同じ参照番号で図中に示されている。
【0033】
この出願の全ての実施態様は例示的な例として提示されており、それらは限定的であると考えられてならない。
【0034】
この出願では、以下の参照番号が使用される。
【0035】
1 ベルト装着デバイス
1a ベルト装着デバイスの第1の層
1b ベルト装着デバイスの第2の層
1t ベルト装着デバイスの厚さ
1w ベルト装着デバイスの幅
1h ベルト装着デバイスの長さ
1c ベルト装着デバイスの中心線
2 締付けロープのようなベルト取付手段
3 ベルト装着デバイスの内部取付手段
4 ベルト装着デバイスの第1の領域
4w ベルト装着デバイスの第1の領域の幅
5 孔のようなベルト装着デバイスの第1の領域の取付点
5a 孔の形態のベルト装着デバイスの第1の領域の取付点
5D ベルト装着デバイスの第1の領域の取付点の直径
6 ベルト装着デバイスの第2の領域
6w ベルト装着デバイスの第2の領域の幅
7 ベルト装着デバイスの第2の領域の(複数の)孔
7h 第2の領域の孔の長さ
7w 第2の領域の孔の幅
7a ベルト装着デバイスの第2の領域の第1の孔、第2の領域の最も中心の孔
7b ベルト装着デバイスの第2の領域の第2の孔
7c ベルト装着デバイスの第2の領域の第3の孔
7d ベルト装着デバイスの第2の領域の第4の孔
8 ベルト装着デバイスの中央領域
8a ベルト装着デバイスの中央領域の孔
10 ベルト
10a 孔のようなベルトの取付点
α1,α2,β ベルト装着デバイスの2つの主側面の間の角度
F1 引張力
【0036】
この出願において、「ベルト」という用語は、抄紙機、パルプマシン又は板紙抄紙機(paper, pulp, board machine)に適したベルトを意味する。ベルト10は、典型的には、無端ループのように成形される。ベルト10は、典型的には、弾性フレームを含み、故に、ベルトは、十分な弾性、即ち、プレス後にその元の形状に戻る能力を有することができる。ベルト10は、例えば、繊維ウェブ(fiber web)から水を除去するために使用されることができる。ベルト10は、紙、パルプ又は板紙製造工場(paper, pulp or board mill)で異なる場所に配置されることができる。ある実施形態によれば、ベルト10は、抄紙機のシュープレス(shoe press)に装着される。
【0037】
この出願において、「ベルト装着デバイス」という用語は、抄紙機、パルプマシン又は板紙抄紙機内の所定の場所にベルト10を装着するために使用することができるデバイスを意味する。典型的には、ベルト装着デバイス1は、ベルト10を前記所定の場所に引っ張るために使用される。
【0038】
図5に示すように、ベルト装着デバイス1は、
第1の方向において観察されるときに、
− 第1の領域4、
− 第2の領域6、及び
− ベルト装着デバイスの第1の領域と第2の領域との少なくとも部分的に間の中央領域8を有する、
平面的な又は実質的に平面的な表面を有することができる。
【0039】
この出願において、「ベルト装着デバイスの第1の領域」は、ベルトが所定の場所に引っ張られるときのベルト装着デバイスの最前方部である、ベルト装着デバイス1の特定の部分を意味する。ベルト装着デバイス1の第1の領域4は、ベルト装着デバイス1の第1の領域4の取付点5を含む。
【0040】
この出願において、「ベルト装着デバイスの第2の領域」は、ベルトが所定の場所に引っ張られる装着プロセス中のベルト装着デバイス1の最後方部である、ベルト装着デバイスの特定の部分を意味する。ベルト装着デバイス1の第2の領域6は、ベルト装着デバイス1の第2の領域6の(複数の)孔7、7a、7b、7c、7dを含む。
【0041】
この出願において、「ベルト装着デバイスの中央領域」は、ベルト装着デバイスの第1の領域4とベルト装着デバイス1の第2の領域6との間にある、即ち、ベルト装着デバイスの第2の領域の(複数の)孔7とベルト装着デバイスの第1の領域の取付点5との間にある、ベルト装着デバイスの部分を意味する。
【0042】
この出願において、「装着構成」という用語は、ベルト装着デバイス1と、締付けロープのようなベルト取付手段2とを含む、構成を意味する。
【0043】
ベルト装着デバイスの第1の領域の取付点5、5aの引張強さは、ベルト装着デバイスの取付点5にスナップフックを取り付けて、(
図6aに示す)ベルト装着デバイスの第2の領域の孔7を用いることによってベルト装着デバイスを所定の場所にしっかりと保持しながら、引張力F1でスナップフックを引張ることによって、決定される。引張力F1は、ベルト装着デバイスの第1領域の取付点5が破損するまで、増大される必要がある。スナップフック、即ち、引張強さの決定中にベルト装着デバイス1に触れるスナップフックの少なくとも部分は、8mmの幅を有し、金属で作られる。引張強さは、室温(23℃)で決定される。ベルト装着デバイス1の第1の領域の取付点5、5aの引張強さは、取付点5、5aが破壊される引張力(kg)である。即ち、引張強さは、前記取付点5を破壊するのに必要とされる引張力F1(kg)である。換言すれば、取付点5の引張強さは、取付点5、5aが破壊する引張力F1(kg)である。
【0044】
ベルト装着デバイスの第1の層1a及び第2の層1bは、有利には、ベルト10の装着プロセス中に部分的に互いに取り付けられる。ベルト装着デバイスの第1の層1a及びベルト装着デバイスの第2の層1bをベルト装着デバイスの中央領域8に互いに取り付けることができる。最も有利には、第1の層1a及び第2の層1bは、ベルト装着デバイスの第2の領域6に互いに取り付けられない。よって、前記第1の層1aと前記第2の層1bとの間に装着されるべきベルト10をベルト装着デバイスの第2の領域6に締結することができる。
【0045】
ベルト装着デバイス1の中心線1cは、前記ベルト装着デバイスの長さ1hに対して平行であり、幅1wに対して垂直である。第2の領域7の1つの最も中心の孔のみがある場合、最も中心の孔7a、7bは、好ましくは、中心線1c上にある。
【0046】
好ましくは、中心線1cの両側に1つずつ、第2の領域7の2つの最も中心の孔7a、7bがあり、第2の領域の最も中心の孔7a、7bは、中心線までの同じ又は実質的に同じ(即ち、±10%、より好ましくは、±5%の)距離を有する。従って、ベルト装着デバイス1の安定性及び強度特性を向上させることができる。換言すれば、第2の領域の最も中心の孔7が中心線1c上にないならば、好ましくは、中心線1cに対して同じ距離を有する第2の領域6の2つの最も中心の孔7a、7bがある。これは、ベルトの装着プロセス中に、第2の領域の最も中心の孔7a、7bのために実質的に均一な張力を生じさせることができる。
【0047】
第2の領域の各孔7、7a、7b、7c、7dの中心から中心線1cまでの距離の和として計算される距離の合計は、中心線1cの両側で等しいか或いは実質的に等しい(即ち、±10%、より好ましくは、±5%である)ことができる。よって、ベルト装着デバイス1に取り付けられるベルト10の各孔10aは、実質的に均一な張力を有することができる。
【0048】
ベルト装着デバイスは、第2の領域の奇数の孔7、7a、7b、7c、7dを有することができる。しかしながら、第2の領域の(複数の)最も中心の孔に影響する力を減少させるために、ベルト装着デバイス1は、好ましくは、第2の領域の偶数の孔7、7a、7b、7c、7dを有する。
【0049】
装着プロセス中のベルト10への損傷を回避又は最小限に抑えるために、ベルト装着デバイス1を使用して前記ベルト10を装着することができる。ベルト装着デバイス1をベルト10の(複数の)取付点10aに取り付けることができる。
【0050】
有利には、ベルトの取付点10aは、孔の形態である。更に、ベルト装着デバイスの各孔は、装着プロセス中に引っ張るために使用されるベルト10の各孔10aが実質的に均一な張力を有するように、ベルトの1つの異なる取付点に取り付けられることができる。
【0051】
ベルト装着デバイスは、第1の方向において観察されるときに、三角形であることができる。三角形の形態を用いることによって、ベルト装着デバイスの制御性を向上させることができる。
【0052】
この出願において、「三角形の形態」は、ベルト装着デバイスが三角形であり得ること、即ち、ベルト装着デバイスが、第1の方向において観察されるときに、3つの主側面と、主側面の間の3つの角度とを有し得ることを意味し、或いは、ベルト装着デバイスが、第1の方向において観察されるときに、幾つかの角度を有し得るが、(
図2〜
図7に示す)3つの主側面を有することができ、3つの主側面は、ベルト装着デバイスの三角形の形態を形成することを意味する。よって、ベルト装着デバイスが幾つかの角度を有するとしても、ベルト装着デバイスは、第1の方向において観察されるときに、好ましくは、三角形に見える。これを
図2〜
図7に示されている。有利な実施形態において、2つの主側面の間の(
図2に示す)各角度α1、α2、βは、40°〜80°であり、より好ましくは、50°〜70°の間であり、最も好ましくは、55°〜65°の間である。前記角度α1+α2+βの合計は、好ましくは、180°である。即ち、三角形の内角の合計は、180°になる。ベルト装着デバイスの主側面の間の前記角度を使用することによって、ベルト装着デバイスの制御性を更に向上させることができる。
【0053】
ベルト装着デバイス1は、
図2〜
図5に示すように、長さ1hと、幅1wと、厚さ1tとを有する。長さ1hは、中心線1cに対して平行であり、長さ1hは、(ベルトが所定の場所に引っ張られるときのベルト装着デバイスの最前方側面である)最前方側面から(ベルトが所定の場所に引っ張られるときのベルト装着デバイスの最後方側面である)最後方側面まで決定されることができる。厚さ1tは、長さ1hに対して垂直な最小寸法である。幅1wは、長さ1h及び厚さ1tに対して垂直である。
【0054】
ベルト装着デバイスの長さ1hは、少なくとも150mm、より好ましくは少なくとも200mm、最も好ましくは少なくとも220mmであることができる。加えて、ベルト装着デバイスの長さ1hは、500mm以下、より好ましくは、400mm以下、最も好ましくは、300mm以下、例えば、250mm以下であることができる。よって、ベルト装着デバイスは、容易に制御されることができ、良好な強度特性を依然として有する。更に、ベルト装着デバイスは、従来的な引張り手段と共に使用されるのに十分な程に小さくあり得る。
【0055】
ベルト装着デバイスの最も広い部分で、典型的には、ベルト装着デバイスの第2の領域6で決定される、ベルト装着デバイスの幅1wは、少なくとも150mm、より好ましくは、少なくとも180mm、最も好ましくは、少なくとも200mmであることができる。加えて、ベルト装着デバイスの最も広い部分で、典型的には、ベルト装着デバイス1の第2の領域で決定される、ベルト装着デバイスの幅1wは、700mm以下、より好ましくは、550mm以下、例えば、500mm以下、最も好ましくは、400mm以下、例えば、300mm以下であることができる。よって、ベルト装着デバイス1は、容易に制御されることができ、良好な強度特性を依然として有する。更に、550mm以下、より好ましくは、400mm以下の極めて小さな最大幅を有するベルト装着デバイスは、より広いベルト装着デバイスよりもベルトに容易に取り付けられることができる。
【0056】
更に、前記適切な幅は、前記適切な長さと共に、ベルト装着デバイスの生産効率を向上させることがある。ある有利な実施形態において、ベルト装着デバイスの長さは、150〜400mmの範囲内にあり、ベルト装着デバイス1の最も広い部分で決定されるベルト装着デバイスの幅1wは、150〜550mmの範囲内にある。
【0057】
装着プロセスを更に向上させるために、ベルト装着デバイスの最も広い部分で決定される最も適切な幅、及び最も適切な長さは、両方とも、150mm〜400mmの間にあり、より好ましくは、200mm〜300mmにある。
【0058】
第1の領域4の取付点5の中心を介して測定されるベルト装着デバイスの第1の領域4の幅は、ベルト装着デバイスの最も広い部分で決定される幅1wよりも実質的に小さいことができる。更に、第1領域4の取付点5の中心を介して測定される第1領域4の幅は、第2領域6の最も中心の孔7aを介して測定される第2領域6の幅よりも実質的に小さいことができる。
【0059】
第1の領域の取付点5の中心を介して測定されるベルト装着デバイスの第1の領域の幅は、好ましくは、15〜200mmの範囲内にあり、より好ましくは、40mm〜150mmの範囲内にある。技術的効果は、第1領域の前記幅範囲を使用することによって、装着プロセスの制御がより容易なことであり、更に、ベルト装着デバイスが適切な強度特性を有し得ることである。
【0060】
ある有利な実施形態において、第1の領域4の幅4wは、第2の領域6の幅よりも少なくとも1.5倍小さく、より好ましくは、第2の領域6の幅よりも少なくとも2倍小さく、最も好ましくは、第2の領域6の最も中央の孔を介して測定される第2の領域6の幅よりも3〜10倍小さい。ベルト装着デバイス1の幅がベルト装着デバイスの第2の領域6でよりもベルト装着デバイスの第1の領域4でよりも小さい前記寸法のお陰で、ベルトをより容易に装着することができ、例えば、そうでない場合よりもベルトの装着プロセスをより容易に制御することができる。
【0061】
ベルト装着デバイスの平均厚さ1tは、少なくとも4mmであり、より好ましくは、少なくとも5mmであり、最も好ましくは、少なくとも7mmであり、例えば、7mm〜20mmの範囲内であることができる。よって、ベルト装着デバイスは、ベルト装着プロセスのために使用されるのに十分な程に強力であることができる。更に、ベルト装着デバイスの平均厚さは、少なくとも40mm以下、より好ましくは、20mm以下、最も好ましくは、15mm以下であることができる。よって、ベルト装着デバイスを容易に制御することができる。更に、前記厚さは、ベルト装着デバイスの製造プロセスの生産効率を向上させることができる。
【0062】
ベルト装着デバイスの前述の幅及び/又は長さ及び/又は厚さ、最も有利には、前述の幅及び長さ及び厚さを使用することによって、装着プロセス中にベルト装着デバイスを容易に制御することができる。従って、装着プロセスを効率的に行うことができ、総装着時間が短縮されることがある。更に、上述の寸法を有するベルト装着デバイスは、良好な生産効率を有して効率的に製造されることができる。
【0063】
装着プロセス中にベルトや抄紙機、パルプマシン又は板紙抄紙機を傷つけない(複数の)材料でベルト装着デバイス1を作ることができる。ベルト装着デバイス1は、(複数の)ポリマを含むことができる。ベルト装着デバイス1は、以下を含むことができ、或いは以下で構成されることができる。
− ポリアミド、及び/又は
− ポリエステル、及び/又は
− ポリエチレン、及び/又は
− シリコーン、及び/又は
− ポリウレタン、及び/又は
− 天然ゴム(NR)、及び/又は
− 合成ゴム。
前記材料の量は、ベルト装着デバイス1の総重量から計算され、好ましくは、少なくとも50重量%、より好ましくは、少なくとも60重量%、最も好ましくは、少なくとも70重量%である。これらの材料は、ベルト装着デバイス1の形成のために有利である。よって、ベルト装着デバイス1は、適切な強度特性、並びに亀裂を生じさせることなくベルトの装着中に曲げることができるように十分な弾性を有することができる。
【0064】
有利には、ベルト装着デバイス1は、ポリウレタンを含む。ポリウレタンの量は、ベルト装着デバイス1の総重量から計算され、有利には、少なくとも50%、より好ましくは、少なくとも70%、最も好ましくは、少なくとも80%である。ポリウレタンは、ベルト装着デバイスの弾性及び他の特性を向上させることができる。
【0065】
ベルト装着デバイス1は、補強構造を有することができる。補強構造は、補強ベース織物によって形成されることができる。これはベルト装着デバイス1の強度特性を向上させることができる。
【0066】
有利には、装着デバイスの第1の領域4の取付点5は、孔を含み、或いは孔で構成される。従って、ベルト装着デバイス1の第1の領域4の前記孔5aを用いることによって、ベルト装着デバイス1をプルロープ等の引張手段に固定することができる。
【0067】
有利な実施形態において、ベルト装着デバイスは、ベルト装着デバイスの第2の領域の少なくとも2つの孔7、7a、7b、7c、7dを含む。この場合、ベルト10の前記少なくとも2つの取付点10aを用いることによって、ベルト装着デバイス1をベルト10に締結することができる。前記少なくとも2つの孔を用いることによって、ベルト装着デバイス1の第1の領域4の取付点5の引張強さは、前記ベルト装着デバイス1のベルト10の1つの取付点10aに影響を与える強さの少なくとも1.2倍、より好ましくは、少なくとも1.5倍、最も好ましくは、少なくとも1.6倍であることができる。よって、ベルトが破損するようになる前にベルト装着デバイスが破損し得るようベルトを保護しているベルト装着デバイス1は、ベルト10の1つの取付点に10aとして、より良好な強度特性を有することがある。
【0068】
ベルト装着デバイス1の第1の領域4の取付点5は、ベルト装着デバイス1が破損する前に、(キログラムで測定される)少なくとも300kgの引張力、より好ましくは、少なくとも350kgの引張力、最も好ましくは、少なくとも400kgの引張力を取り扱うことができる。加えて、ベルト装着デバイス1の第1の領域4の取付点5は、好ましくは、ベルト装着デバイス1の第1の領域4の取付点5が破損する前に、(キログラムで測定される)800kg以下の、例えば、350〜800kgの範囲内の引張力を取り扱うことができる。前記引張力の技術的効果は、ベルト装着デバイスがベルトの装着のために使用されるために十分強いが、同時に、ベルトが破損する前にベルト装着デバイスが破損するよう、ベルト装着デバイスが、装着されるべきベルトよりも弱いことである。よって、何らかの問題があるならば、ベルト装着デバイス1は、ベルトを保護しており、故に、ベルトは傷つけられないことがある。ある有利な実施形態において、ベルト装着デバイス1の第1の領域4の取付点5の引張強さは、前記ベルト装着デバイス1に固定されるベルト10の取付点10aの数を乗じた、少なくとも300kgであり、200kg以下である。
【0069】
取付点5が孔である有利な実施形態において、取付点5の中心は、長さ方向1hにおいてベルト装着デバイスの最も近い縁から決定される、18mm〜50mm、より好ましくは、20mm〜35mm、最も好ましくは、22mm〜30mmであることができる。この場合、(
図3b及び
図4aに示す)ベルト装着デバイス1の第1の領域4の第1の取付点5の平均直径5Dは、少なくとも10mm、例えば、10mm〜30mmの間、好ましくは、15mm〜25mmの間であることができる。よって、ベルト装着デバイスは、プルロープと共に使用される良好な特性を有することができる。その上、装着プロセスを容易に制御することができる。第1の領域4の孔は、好ましくは、
図2に示すように、ベルト装着デバイス1の中心線1c上にある。取付点5が2つの孔を含むならば、孔は中心線1cの両側にあってよい。
【0070】
ベルト装着デバイス1の第2の領域6は、少なくとも1つの孔7を含むことができる。
図2〜
図4bは、4つの孔を例示しているが、より多くの又はより少ない孔が使用されてよい。
【0071】
ベルト装着デバイス1の第2の領域6は、少なくとも2つの孔、例えば、2〜8個の孔、より好ましくは、少なくとも3個の孔、例えば、3〜5個の孔、最も好ましくは、4〜6個の孔のような、少なくとも4個の孔を含むことができる。従って、第2領域の前記孔を用いることによって、ベルト10をベルト装着デバイス1にしっかりと固定することができる。
【0072】
最も有利には、ベルトは、締結手段2を用いることによって、ベルト装着デバイスの第1の層1aと第2の層1bとの間に固定される。よって、ベルト装着デバイスをベルトにしっかりと固定することが可能であり、故に、装着プロセス中のベルト装着デバイスの制御性を向上させることができる。
【0073】
代替的に、ベルト装着デバイス1と装着されるべきベルト10との間に空間があるよう、固定手段2を用いることによってベルトをベルト装着デバイスに取り付けることができる。この場合、ベルトとベルト装着デバイスとの間の前記空間は、好ましくは、20cm未満、より好ましくは、10cm以下、最も好ましくは、5cm以下である。従って、従来的な引張り手段を新規なベルト装着デバイスと共に使用することが可能である。しかしながら、ベルト装着デバイスの制御性は、ベルトがベルト装着デバイスの第1の層1aと第2の層1bとの間に固定される構成ほど良くないことがある。よって、最も好ましくは、ベルトは、
図4a、
図4b及び
図6bに示すように、ベルト装着デバイスの第1の層1aと第2の層1bとの間に固定される。
【0074】
ベルト装着デバイス1の第2の領域6の少なくとも1つの孔7、7a、7b、7c、7dの中心、最も好ましくは、ベルト装着デバイスの第2の領域の各孔の中心は、長さ方向1hにおいて測定される、ベルト装着デバイスの最も近い縁から10mm〜50mm、より好ましくは、12〜30mmの範囲内、最も好ましくは、ベルト装着デバイスの最も近い縁から14mm〜25mmであることができる。よって、ベルト装着デバイス1をベルト10にしっかりと締結することができる。
【0075】
ベルト装着デバイス1の第2の領域6は、ベルト装着デバイス1の第1の領域4よりも多くの孔を有することができ、故に、ベルトをベルト装着デバイス1にしっかりと締結することができ、ベルト10の損傷のリスクを低減することができる。更に、装着プロセスを容易に制御することができる。
【0076】
少なくとも1つの孔7、より好ましくは、第2の領域6の少なくとも2つの又は少なくとも3つの孔、最も好ましくは、ベルト装着デバイス1の第2の領域6の少なくとも4つの又は全ての孔の長っさ7hは、少なくとも10mm、例えば、10mm〜18mmの間、より好ましくは、少なくとも11mm、例えば、11mm〜16mm、最も好ましくは、13mm〜15mmのような、少なくとも12mm又は少なくとも13mmであることができる。(複数の)孔7の前記長さの技術的効果は、前記長さを用いることによって、例えば、装着ロープのような締結手段2を用いることによって、ベルト10をベルト装着デバイス1にしっかりと取り付けることが可能であるということである。更に、(複数の)孔7の長さ7hをベルト10の取付点10aと共に有効に使用することができる。
【0077】
ベルト装着デバイス1の第2の領域6の少なくとも孔7a、7b、7c、7d、より好ましくは、第2の領域6の少なくとも2つの又は少なくとも3つの孔、最も好ましくは、ベルト装着デバイス1の第2の領域6の少なくとも4つの又は全ての孔の幅7wは、少なくとも10mm、例えば、10mm〜40mm、より好ましくは、少なくとも11mm、例えば、11mm〜35mm、最も好ましくは、少なくとも12mm又は少なくとも13mm、例えば、13mm〜30mmの間であることができる。従って、例えば、装着ロープ2を用いることによって、ベルトをベルト装着デバイスにしっかりと取り付けることが可能である。
【0078】
(
図2に示す)第2の領域6の最も中心の(複数の)孔7a、7bの幅7wは、10mm以上、例えば、10mm〜30mm、より好ましくは、少なくとも11mm、例えば、11mm〜20mmの間、最も好ましくは、少なくとも12mm又は少なくとも13mm、例えば、12mm〜16mmの間、又は13mm〜15mmの間であることができる。更に、第2の領域6の(複数の)最も中心の孔7a、7bの幅は、ベルト装着デバイスの第2の領域6の少なくとも1つの別の孔7c、7dの幅よりも小さいことができる。よって、1つのベルト装着デバイス1を、異なる直径及び異なって離間した孔を有する異なる種類のベルト10と共に使用することができ、ベルト10をベルト装着デバイス1にしっかりと取り付けることができる。ある有利な例では、最も中心の孔でない領域である第2の領域6のそれらの(複数の)孔7c、7dの幅7wが、少なくとも15mm、例えば、15mm〜40mmの間、より好ましくは、少なくとも20mm、例えば、20mm〜35mmの間、最も好ましくは、少なくとも22mm、例えば、22mm〜30mmの間であることができる。よって、前記寸法を有するベルト装着デバイスの第2の領域の孔のお陰で、1つのベルト装着デバイスを、孔のような、異なる直径及び異なって離間した取付点を有する異なる種類のベルトと共に用いることができる。
【0079】
有利には、ベルト装着デバイス1の第2の領域6の少なくとも1つの孔の長さ7hは、ベルト装着デバイス1の第2の領域6の前記孔の幅7wよりも小さい。ベルト装着デバイスの第2の領域6は、1〜6個の孔のような、少なくとも1つの孔7、より好ましくは、2〜4個の孔のような、少なくとも2つの孔を有することができ、前記孔の幅7wは、前記孔の長さ7hの少なくとも1.3倍、例えば、1.4〜4.0倍、より好ましくは、1.4〜3.0倍である。
【0080】
ベルト装着デバイス1の第2の領域6は、幅方向において、第2の領域6の2つの隣接する孔7を有することができ、前記孔7の中心点は、互いから少なくとも30mm、例えば、30mm〜120mmの間、より好ましくは、互いから40mm〜100mmの間のような、互いから少なくとも40mm、最も好ましくは、互いから50mm〜80mmの間のような、互いから少なくとも50mmである。有利には、第2の領域の全ての孔7は、第2の領域6の2つの隣接する孔7の中心点の間の各距離が、少なくとも30mm、例えば、30mm〜120mmの間、より好ましくは、40mm〜100mmの間のような、少なくとも40mm、最も好ましくは、50mm〜80mmの間のような、少なくとも50mmであるように配置される。よって、ベルトは、前記距離を有する前記孔を用いることによって、ベルト装着デバイスにしっかりと固定されることがある。
【0081】
ベルト装着デバイスの第2の領域6は、少なくとも1つのそのような孔7、7a、7b、7c、7d、例えば、2〜4個の孔を有することができ、前記(複数の)孔の(複数の)中心点は、長さ方向1hにおいて測定される、ベルト装着デバイスの最も近い縁から14mm〜30mmのような、少なくとも14mmに配置され、より好ましくは、前記(複数の)孔7、7a、7b、7c、7dの(複数の)中心点は、長さ方向1hにおいて測定される、ベルト装着デバイスの最も近い縁から15mm〜25mmのような、少なくとも15mm、最も好ましくは、16mm〜20mmのような、少なくとも16mmに配置される。技術的効果は、ベルト装着デバイス1が良好な強度特性を有し、更に、ベルト装着デバイスが装着されるべきベルト10に容易に取り付けられる場合があることである。
【0082】
既に議論したように、ベルト装着デバイス1は、2つの層1a、1b、即ち、ベルト装着デバイスの第1の層1aと、ベルト装着デバイスの第2の層1bとを含むことができる。有利には、ベルト装着デバイスの前記層は、互いに同じ寸法又は実質的に同じ寸法を有する。従って、ベルト装着デバイス1の強度特性及び寸法安定性は、高レベルにあることができる。
【0083】
有利には、ベルト装着デバイス1の少なくとも第2の領域6は、2つの層を含む。更に、有利には、前記2つの層は、ベルト装着デバイスの第2の領域6に互いに取り付けられず、故に、
図4a〜
図4bに示すように、装着されるべきベルト10をベルト装着デバイスの前記2つの層1a、1bの間に固定することが可能である。よって、装着されるべきベルトをベルト装着デバイス1にしっかりと締結することができ、装着プロセス中のベルト装着デバイス1の過度な曲がりを回避することができる。従って、ベルト10の装着プロセスは、1つの層のみを有するベルト装着デバイス1を用いるよりも容易であることができる。
【0084】
(
図4a及び
図4bに示す)互いに取り付けられることが好ましい別個の部材からベルト装着デバイス1の第1の層1a及び第2の層1bを形成することができ、或いは(
図3a及び
図3bに示す)折り畳むことによって一体部品からそれらを形成することができる。
【0085】
ベルト装着デバイスの第1の層1a及びベルト装着デバイスの第2の層1bが折畳みによって一体部品から形成されるならば、ベルト装着デバイスの第1の領域の取付点5は孔を含むことができ、且つ/或いは取付点は(
図3aに示す)折り畳まれたループによって形成されることができる。
【0086】
ベルト装着デバイスの第1の層及びベルト装着デバイスの第2の層が、ベルト装着デバイスの層として互いに取り付けられる別個の部品であるならば、ベルト装着デバイスの第1の領域の取付点5は、好ましくは、(
図4a〜
図4bに示す)孔を含み、或いはそのような孔で構成される。
【0087】
有利には、ベルト装着デバイス1aの第1の層及びベルト装着デバイス1bの第2の層は、互いに取り付けられる別懇お部品である。よって、ベルト装着デバイス1は、製造及び使用がより容易であることができる。
【0088】
ベルト装着デバイス1の第1の層1a及びベルト装着デバイス1の第2の層1bを、少なくとも部分的に互いに取り付けることができる。有利には、ベルト装着デバイス1の第1の層1a及び第2の層1bは、ベルト装着デバイスの中央領域8上に部分的に互いに取り付けられる。
【0089】
第1の層1a及び第2の層1bは、例えば、内部取付手段3を用いることによって、ベルト装着デバイス1の中央領域8上に互いに取り付けられることができる。好ましくは、ベルト装着デバイスの第1の層1a及び第2の層1bは、少なくともベルト装着デバイスの第2の領域6上で互いに取り付けられない。従って、
図4a〜
図4bに示すように、ベルト装着デバイスの第1の層1aとベルト装着デバイスの第2の層1bとの間に装着されるべきベルトを固定することが可能である。よって、装着されるべきベルト10をベルト装着デバイス1にしっかりと締結することができる。更に、装着プロセス中のベルト装着デバイスの過度の制御のない曲げを回避することができる。その上、ベルトがベルト装着デバイスの前記層間に配置されない解決策を用いる場合よりも、第1の層1aと第2の層1bとの間にベルト10を有する第1の層1a及び第2の層1bを用いることによって装着プロセスをより容易に制御することができる。
【0090】
有利には、ベルト装着デバイスの中央領域8は、(
図2〜
図5に示す)ベルト装着デバイスの中央領域の(複数の)孔8aを含む。好ましくは、ベルト装着デバイスの中央領域8は、3〜8個の孔のような、少なくとも3つの孔、より好ましくは、ベルト装着デバイスの中央領域8aの4〜6個の孔8aのような、少なくとも4個の孔8aを含む。ベルト装着デバイスの中央領域8の前記孔8aを用いて、第1の層1a及び第2の層1bをベルト装着デバイスの中央領域8上に互いにしっかりと取り付けることができる。
【0091】
ベルト装着デバイス1の内部取付手段3を用いることによって、ベルト装着デバイスの第1の層1a及び第2の層1bを互いに締結することができる。内部取付手段3は、以下を含むことができる。
− 接着剤、及び/又は
− ケーブルタイ、及び/又は
− ロープ。
【0092】
代替的に又は追加的に、ベルト装着デバイスの第1の層及び第2の層は、以下によって互いに締結されることができる。
− 溶融、及び/又は
− 接着、及び/又は
− (複数の)金属クリップ及び/又は(複数の)ポリマクリップを使用すること、又は
− 前記層を加硫すること。
【0093】
ベルト装着デバイス1をベルト10に、好ましくは、前記ベルト10の少なくとも1つの孔に取り外し可能に取り付けることができる。有利には、ベルト装着デバイス1は、締結ロープのようなベルト取付手段2を使用することによってベルト10に取り外し可能に取り付けられる。
【0094】
新規な構成は、ベルト装着デバイス1と、締結ロープ2とを含むことができる。締結ロープ2は、第1の端と、第2の端とを有する。有利には、締結ロープ2の直径は、10〜15mmの間、より好ましくは、11〜14mmの間のような、少なくとも11mm、最も好ましくは、少なくとも12mm、例えば、12〜13mmの間である。締結ロープの前記直径の技術的利点は、ベルト10を安全な方法でベルト装着デバイス1に固定できることであり、故に、ベルトを損傷するリスクを低減することができる。有利には、新規な構成は、1〜2個の締結ロープ、最も好ましくは、正確に1個の締結ロープ2を含む。
【0095】
締結ロープ2は、良好な強度特性を有するが装着プロセス中にベルトを容易に損傷しない材料でなければならない。締結ロープ2は、以下の材料を含むことができ、或いは以下の材料で作られることができる。
− 金属、及び/又は
− ナイロン、及び/又は
− ポリエチレン(PE)、及び/又は
− ポリエステル。
【0096】
有利には、締結ロープ2は、締結ロープ2の乾燥重量から計算された、これらの(複数の)材料の少なくとも50重量%を含む。これらの材料は、ベルトを容易に損傷しないが、良好な強度特性を有する。
【0097】
有利には、締結ロープ2は、ナイロンを含み、或いはナイロンで構成される。ナイロンの量は、好ましくは、締結ロープ2の乾燥重量から計算された少なくとも50重量%、より好ましくは、少なくとも70重量%である。締結ロープ2は、2つの部分、即ち、シース及びコアを有することができる。シースは、ロープの外側層であり、外側層は、保護層である。シースは、例えば、ナイロン繊維を含むことができ、或いはナイロン繊維で構成されることができる。ロープのコアは、ロープの内側部分である。コアは、例えば、緊密に充填されたナイロンストリングを構成することができる。
【0098】
ベルト装着デバイス1の第2の領域6の(複数の)孔7,7a,7b,7c,7dは、有利には、ベルト装着デバイス1の第2の領域6の幅6w方向に平行に又は実質的に平行に配置される。
【0099】
ベルト装着デバイス1の第2の領域6の少なくとも1つの孔、より好ましくは、2〜6個の孔のような、少なくとも2つの孔、より好ましくは、3〜5個の孔のような、少なくとも3つの孔、最も好ましくは、4〜6個の孔のような、少なくとも4つの孔を用いて、ベルト10の取付点10aをベルト装着デバイス2の領域6の孔7,7a,7b,7c,7dに固定することができる。
【0100】
装着プロセス中、締結のために使用されるベルト装着デバイス1の第2の領域6の各孔7,7a,7b,7c,7dをベルト10の1つの取付点10aに配置することができる。好ましくは、孔の形態のベルト10の取付点10aは、(
図6bに示す)ベルトの装着プロセス中に個人の良好な強度特性及び安全を提供するために、ベルト装着デバイスの第1の層1aと第2の層1bとの間に配置される。有利には、締結ロープ2は、ベルト10をベルト装着デバイス1に固定するために使用される。
【0101】
ベルト10は、孔のような、幾つかの取付点10aを含むことができる。有利には、装着方法のために使用されるベルト10は、3〜90個の範囲内で、孔のような取付点を含み、好ましくは、それらのうちから1〜6個が、装着方法のために使用される各ベルト装着デバイスのために選択される。有利には、2〜4個のベルト装着デバイスが、装着方法のために使用され、有利には、ベルトの4〜24個の取付点、より好ましくは、8〜12個の取付点が、ベルトの装着プロセス中に使用される。
図7は、2つのベルト装着デバイスが装着方法のために使用される有利な例を例示している。
【0102】
ベルトの取付点10aは、10〜20mm、例えば、12〜16mmの範囲内の直径を有する孔であることができる。ベルト10がベルト装着デバイス1にしっかりと締結されるように、締結ロープ2のようなベルト取付手段2の直径を決定することができる。
【0103】
装着方法のために、ベルト10をベルト装着デバイス1に固定することができ、ベルト装着デバイス1をプルロープのような引張手段に固定することができる。有利には、ベルト10は、ベルト装着デバイス1の第2の領域6に固定され、プルロープは、ベルト装着デバイス1の第1の領域4に固定される。従って、(
図7に示す)プルロープのような引張手段を引っ張ることによってベルトを装着することが可能である。
【0104】
締結ロープ2がベルト装着デバイスの幅方向に従うよう、締結ロープ2は、ベルト10及びベルトを装着デバイスに固定するために使用されるベルト装着デバイス1の孔を通過させられることができる。有利には、締結ロープ2は、先ず、ベルト装着デバイス1及びベルト10の第1の孔を通過させられる。ベルト装着デバイスの第1の孔は、ベルト装着デバイスの側面エッジの最も近い孔7d、7cである。よって、締結ロープ2は、最後の孔が使用されるまで、先ず、ベルト装着デバイス1及びベルト10の第1の孔を通過させられ、次に、隣接する孔を通過させられ、次に、未だ使用されていない隣接する孔を通過させられるなどであり、然る後、締結ロープが最終的に固定される。固定された締結ロープ2は、
図4a、
図4b、
図6a及び
図7に示されている。
【0105】
ベルト10を抄紙機、板紙抄紙機又はパルプマシンに装着するための装着方法は、
− 少なくとも1つの取付点、好ましくは、複数の取付点を有し、各取付点は孔である、ベルト10を提供すること、
− ベルト装着デバイス1であって、
− ベルト装着デバイスをプルロープのような引張手段に取り付けるための取付点5を含む第1の領域4と、
− ベルト装着デバイス(1)をベルト(10)の少なくとも1つの取付点(10a)に取り外し可能に締結するための少なくとも1つの孔7、7a、7b、7c、7dを含む第2の領域6と、
− 第1の領域4と第2の領域6との間の中央領域8とを有する、
ベルト装着デバイスを提供すること、
− ベルト装着デバイス1の第2の領域の少なくとも1つの孔を用いることによってベルト10をベルト装着デバイス1の第2の領域6に固定すること、
− ベルト装着デバイス1の第1の領域4の取付点5に引張手段を固定すること、及び
− 抄紙機、パルプマシン、又は板紙抄紙機の所定の場所にベルト10を装着するために引張手段を所定の方向に引っ張ることを含むことができ、プルロープの引張力が所定の値を超えて増大するならば、本装着方法は、ベルトの損傷を最小限に抑えるために、ベルト装着デバイスの第1の領域4の取付点5を破壊することを更に含む。
【0106】
プルロープのような引張手段は、有利には、ベルト装着デバイス1の第1の領域の第1の取付点5に固定される。第1の取付点は、開口5aであることができる。ベルト装着デバイス1の第1の領域4の前記取付点は、好ましくは、ベルト装着デバイス1の中心線1c上に配置される。
【0107】
引張手段は、当業者によって知られている任意の適切な手段によってベルト装着デバイス1に固定されることができる。有利には、引張手段は、プルロープを含む。プルロープは、良好な強度特性を有することができ、故に、プルロープは、この目的に特に適することができる。プルロープは、目的に適した当業者によって知られている任意の種類のプルロープであることができる。
【0108】
有利には、ベルト10は、
図4a、
図4b、及び
図6bに示すように、ベルト10の装着プロセス中にベルト装着デバイス1の第1の側面1aと第2の側面1bとの間に固定される。よって、ベルト10の取付点10aを用いることによってベルトをベルト装着デバイス1にしっかりと固定することができる。
【0109】
ベルト装着デバイス1は、ベルトを引っ張ることによってベルトを抄紙機、パルプマシン又は板紙抄紙機に、例えば、機械のシュープレス上に装着する効果的な方法であることができる。
【0110】
(複数の)ベルト装着デバイス1は、ベルト10が製紙工場、パルプ工場又は板紙工場に出荷される前に、ベルト10に取り付けられることができる。有利には、(複数の)ベルト装着デバイス1は、前記ベルトの装着プロセス前又は中に工場でベルト10に取り付けられ、装着プロセス後に除去される。よって、取り外し可能に取り付けられることができるベルト装着デバイス1は、別のベルト10を装着するために工場で再使用されることができる。
【0111】
ベルト装着デバイスは、滑らかな表面を有することができ、或いは、ベルト装着デバイス1の少なくとも1つの表面は、例えば、ベルト装着デバイスの(複数の)外表面上の幾つかの平行な溝のような、幾つかの溝を有してよい。
【0112】
製紙工場、パルプ工場及び板紙工場は、取付点の間の異なる直径及び異なる間隔を有する異なる種類のベルトを使用することができる。多くの異なる種類のベルトに適するように新規なベルト装着デバイスを設計することができる。新規な解決策のお陰で、ベルト装着デバイスを使用してベルトに対する損傷を防止することができ、故に、ベルトに関する総コスト及びベルトの装着プロセスを削減することができる。
【0113】
更に、新規な改良された解決策のお陰で、ベルト10の取付点10aの損傷を最小限に抑えるか或いは回避することができる。
【0114】
その上、新規な解決策のお陰で、高額であることがあり且つ/或いは使用が困難であることがある追加的な特殊なツールの必要はないが、ベルト装着デバイスをそれ自体の取付手段と共に使用することができる。その上、ベルト装着デバイスは、製造及び使用が極めて容易であり得る実質的に単純なデバイスであり得る。更に、新規な解決策は、装着プロセス中に工場側で個人の安全を向上させることができる。