特許第6952207号(P6952207)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6952207
(24)【登録日】2021年9月29日
(45)【発行日】2021年10月20日
(54)【発明の名称】光起電力装置
(51)【国際特許分類】
   H01G 9/20 20060101AFI20211011BHJP
   H01L 51/44 20060101ALI20211011BHJP
【FI】
   H01G9/20 117
   H01L31/04 112C
   H01G9/20 111B
   H01G9/20 115A
   H01G9/20 303B
   H01G9/20 111D
   H01G9/20 109
【請求項の数】13
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-564059(P2020-564059)
(86)(22)【出願日】2019年5月10日
(65)【公表番号】特表2021-515991(P2021-515991A)
(43)【公表日】2021年6月24日
(86)【国際出願番号】EP2019062067
(87)【国際公開番号】WO2019219538
(87)【国際公開日】20191121
【審査請求日】2020年11月13日
(31)【優先権主張番号】1850573-5
(32)【優先日】2018年5月16日
(33)【優先権主張国】SE
(31)【優先権主張番号】18195678.0
(32)【優先日】2018年9月20日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517294325
【氏名又は名称】エクセジャー オペレーションズ エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(72)【発明者】
【氏名】リンドストロム,ヘンリク
(72)【発明者】
【氏名】フィリ,ジョヴァンニ
(72)【発明者】
【氏名】ニスフォーク,ヤリ
(72)【発明者】
【氏名】スンドクヴィスト,ダニエル
【審査官】 太田 一平
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/145975(WO,A1)
【文献】 特開2013−200958(JP,A)
【文献】 特表2002−503867(JP,A)
【文献】 特開2019−165073(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0076385(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0037089(US,A1)
【文献】 国際公開第2015/117795(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0174906(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0103408(US,A1)
【文献】 韓国特許第10−2014−0139127(KR,B1)
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0092727(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 9/20
H01L 51/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池ユニットの上面(2a)に配置された多孔質光吸収層(3)を備えた作用電極、
光吸収層(3)が第1導電層(4)の上に配置され、光吸収層(3)から光生成電子を取り出すための第1導電層(4)、
第1導電層(4)が多孔質基板(5)の一方の面に配置された、絶縁材料からなる多孔質基板(5)、
第2導電層(6)が多孔質基板(5)の反対面に形成された、太陽電池ユニットの底面(2b)に配置された第2導電層(6)を含む対向電極、
第2導電層(6)および光吸収層(3)の間で電荷を移動させるための導電媒体を含む
太陽電池ユニット(2)と、
第1導電層(4)と電気的に接触している第1導電体(7;7b)と、
第2導電層(6)と電気的に接触している第2導電体(8;8a、8b;8c)と、
前記太陽電池ユニットを封止し、前記太陽電池ユニットの上面(2a)を覆う少なくとも部分的に透明な上部シート(9a)と、前記太陽電池ユニットの底面(2b)を覆う下部シート(9b)とを備えた封止体(9)とを備え、第2導電体(8;8a、8b;8c)が第2導電層(6)と、太陽電池ユニット(2)の底面(2b)における封止体(9)の下部シート(9b)との間に配置され、第1導電体(7、7b)が、多孔質基板(5)と太陽電池ユニット(2)の底面(2b)における下部シート(9b)との間に配置され、前記第1導電体は、第2導電体層(6)と電気的に絶縁されており、多孔質基板(5)の部分(14)は、前記第1導電体と前記第1導電層との間に電気的接触を提供するために、第1導電体(7;7b)と第1導電層(4)との間に配置された導電材(12)を備えた光起電力装置。
【請求項2】
第1導電体(7、7b)と第2導電層(6)との間に絶縁ギャップ(11;11b)が形成されている、請求項1に記載の光起電力装置。
【請求項3】
第1導電体(7;7b)が多孔質基板(5)の部分(14)と機械的に接触し、前記多孔質基板の導電体(12)と電気的に接触している、請求項1または2に記載の光起電力装置。
【請求項4】
導電材(12)が第1導電体(7;7b)と第1導電層(4)との間に導電路を形成する、請求項1〜3のいずれか1つに記載の光起電力装置。
【請求項5】
導電材(12)が導電性粒子を含む、請求項1〜4のいずれか1つに記載の光起電力装置。
【請求項6】
第2導電層(6)が下部シート(9b)に面する底面(6a)を有し、第2導電体(8;8a、8b;8c)が底面(6a)と機械的かつ電気的に接触している、請求項1〜5のいずれか1つに記載の光起電力装置。
【請求項7】
第2導電層(6)がチタンまたはその合金を含み、第2導電体(8;8a、8b;8c)がチタンまたはその合金を含む、請求項1〜6のいずれか1つに記載の光起電力装置。
【請求項8】
多孔質基板(5)の導電材(12)がチタンまたはその合金を含み、第1導電体(8)がチタンまたはその合金を含む、請求項1〜7のいずれか1つに記載の光起電力装置。
【請求項9】
第1および第2導電体(7;7b、8)が導電箔を含む、請求項1〜8のいずれか1つに記載の光起電力装置。
【請求項10】
封止体(9)の下部シート(9b)が第1および第2導電体と電気的に接続するためのワイヤを受けるための複数の貫通開口部(16a−b)を含み、貫通開口部(16a−b)が第1および第2導電体(7b、8c)と接続するように配置されている、請求項1〜9のいずれか1つに記載の光起電力装置。
【請求項11】
第1および第2導電体(7b、8c)が、太陽電池ユニット(2)によって規定される領域内に配置され、貫通開口部(16a−b)が前記第1および第2導電体の下方に配置されている、請求項10に記載の光起電力装置。
【請求項12】
第1および第2導電体(7b,8c)が円形の形状を有する、請求項1〜11のいずれか1つに記載の光起電力装置。
【請求項13】
貫通開口部(16a−b)が第1および第2導電体(7b、8c)の中央部の下方に配置されている、請求項10に記載の光起電力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、光起電力装置に関する。より詳細には、本発明は、民生用の電子機器を充電するのに適した光起電力装置に関する。
【0002】
背景
光起電力装置は、光を電気に変換する機能を提供する。典型的な光起電力装置は、1つまたは複数の太陽電池を備える。太陽電池は、太陽放射を電気エネルギーに変換するためのよく知られた装置である。太陽電池は、太陽放射を収集するために通常の動作中に太陽に面する前面と、前面とは反対面の背面とを有する。
【0003】
従来の太陽電池の裏面では、金属板がベースから余分な電荷キャリアを収集し、前面では金属グリッドおよび金属ワイヤがエミッタから余分な電荷キャリアを収集する。このように、従来のシリコン系太陽電池は、前面接触エミッタを有する。太陽電池の前面に集電グリッドおよびワイヤを使用する上での問題は、良好な集電性と集光性との間にトレードオフがあることである。金属ワイヤのサイズを大きくすることで、導通性を高め、集電性を向上させることができる。しかし、金属グリッドおよびワイヤのサイズを大きくすることで、太陽電池の集光領域の多くが遮られてしまうため、太陽電池の効率が低下する。
【0004】
背面接触型太陽電池では、前面接触エミッタを太陽電池の背面に移動させることで、より高い効率を実現している。より高い効率は、太陽電池の前面の遮光が減少したことに起因している。背面接触型太陽電池にはいくつかの構造が存在する。全背面接触型太陽電池では、すべての金属接点および対応するエミッタが太陽電池の裏面に形成されている。外部の電気回路、例えば負荷は、太陽電池によって電力を供給されるように金属接点に接続されてもよい。
【0005】
US2014166095A1は、ハイブリッドエミッタデザインを有する背面接触型太陽電池の一例を示している。この太陽電池は、単結晶シリコン基板の背面に形成された薄い誘電体層を有する。太陽電池の一方のエミッタは、薄い誘電体層上に形成されたドープされた多結晶シリコンからなる。太陽電池の他方のエミッタは、単結晶シリコン基板に形成され、ドープされた単結晶シリコンからなる。太陽電池は、金属接点が対応するエミッタに接続することを可能にするために、材料のスタックを貫通するコンタクトホールを含む。金属接点は、すべて太陽電池の背面に形成される。例えば、金属接点は、エミッタ上に形成されたアルミニウムと、アルミニウム上に形成されたチタン‐タングステンを備えた拡散障壁と、拡散障壁上に形成された銅を有するシード層とを備えたものであってもよい。一般に、太陽電池には多数のエミッタが設けられており、それぞれが対応するコンタクトホールに接続されている。その結果、多数の孔が形成されることになる。また、材料のスタックを貫通して孔を開け、金属層、拡散障壁およびシード層をそれらの孔に充填するのに時間がかかる。したがって、この太陽電池の欠点は、コンタクトの製造が複雑でコストがかかることである。
【0006】
WO2013/149787A1は、背面接触型太陽電池の別の例を開示している。この太陽電池は、多孔質絶縁層と、多孔質絶縁層の上に形成された多孔質導電性金属層を含む作用電極と、多孔質導電性金属層の上に太陽に対向するように配置された吸着色素を含む光吸収層とを含む。前記光吸収層は、前記TiO粒子の表面に光吸収色素分子によって染色されたTiO金属酸化物粒子を含む。色素増感太陽電池は、多孔質絶縁層の反対面に配置された導電層を含む対向電極をさらに含む。作用電極と対向電極との間には電解質が充填されている。この太陽電池の利点は、製造が容易かつ迅速であり、それに応じて製造の費用効果が高いことである。この資料は、コンタクトをどのように配置すべきか、およびどのように製造することができるかについては開示していない。
【0007】
WO2015/117795は、多孔質絶縁基板と、多孔質絶縁基板の一方の面に印刷された多孔質第1導電層と、多孔質絶縁基板の他方の面に印刷された多孔質第2導電層とを備えた色素増感太陽電池を開示している。第1導電層上には、光吸収色素分子を含む光吸収層が成膜されている。例えば、第1および第2の多孔質導電層の厚さは20μm、多孔質導電性粉末層の厚さは16μm、光吸収層の厚さは60μmである。多孔質層の各々は、太陽電池を通る連続的な透明経路を形成するように配置された非透明部分と透明部分とを含む印刷パターンを有する。太陽電池は、第1導電層を外部電気回路に接続するために第1導電層に電気的に接続された第1の接続要素と、第2導電層を外部電気回路に接続するために第2導電層に電気的に接続された第2の接続要素とを備える。例えば、接続要素はバスバーである。接続要素は、層の側面全体に沿って延びていてもよい。非透明部分は第1の接続要素と電気的に接触しており、非透明部分は第2の接続要素と電気的に接触している。図に示された接続要素は、太陽電池の短辺側に配置されている。問題点は、太陽電池が非常に薄く、第1導電層と第2導電層が約20μmのみと非常に薄いため、接続要素を第1導電層および第2導電層に接続することが困難であることである。
【0008】
US2013/0037089A1は、太陽電池ユニットの上面に配置された光吸収層から光生成電子を取り出すための第1導電層と、太陽電池ユニットの底面に配置された第2導電層と、第1導電層と電気的に接触する第1導電体と、第2導電層と電気的に接触する第2導電体と、太陽電池ユニットを封止し、太陽電池ユニットの底面を覆う下部シートを備えた封止体(encapsulation)とを備えた色素増感太陽電池を開示している。第1導電体は、太陽電池ユニットの上面において封止体と太陽電池ユニットの間に配置され、第2導電体は、太陽電池ユニットの底面において封止体と太陽電池ユニットの間に配置されている。
【0009】
要約
本発明の目的は、上述の問題を少なくとも部分的に克服し、外部の装置に電力を供給するための改善された光起電力装置を提供することである。
【0010】
この目的は、請求項1で規定される光起電力装置によって実現される。
【0011】
光起電力装置は、太陽電池ユニットの上面に配置された多孔質の光吸収層を備えた作用電極と、前記光吸収層が第1導電層の上に配置され、前記光吸収層から光生成電子を取り出すための多孔質の第1導電層と、前記第1導電層が多孔質基板の一方の面に形成された、絶縁材料からなる多孔質基板と、第2導電層が前記多孔質基板の反対面に形成され、前記太陽電池ユニットの底面に配置された第2導電層を含む対向電極と、前記第2導電層と前記光吸収層との間で電荷を移動させるための導電媒体とを含む太陽電池ユニットを備える。前記光起電力装置は、前記第1導電層と電気的に接触する少なくとも1つの第1導電体と、前記第2導電層と電気的に接触する少なくとも1つの第2導電体と、前記太陽電池ユニットを囲む封止体とをさらに備え、前記太陽電池ユニットの上面を覆う少なくとも部分的に透明な上部シートと、前記太陽電池ユニットの底面を覆う下部シートとを備える。前記第1および第2導電体は、前記太陽電池ユニットの底面において、前記封止体と前記太陽電池ユニットとの間に配置されている。さらに、第1導電体は、第2導電層から電気的に絶縁されており、多孔質基板の一部は、第1導電体と第1導電層との間に電気的接触を提供するために、第1導電体と第1導電層との間に配置された導電材を備える。
【0012】
第2導電体は、第2導電層と前記封止体の下部シートとの間に配置され、第1導電体は、前記多孔質基板と前記封止体の下部シートとの間に配置される。
【0013】
第1導電体は、電流収集体として機能し、第1導電層からの電流を収集する。第2導電体は、電流分配体として機能し、第2導電層に電流を分配する。
【0014】
第1導電体を背面に配置することは、太陽電池の短辺側に接続部が配置される先行技術で行われているように、端部に配置するよりもはるかに簡単なプロセスである。背景で議論したように、短辺側は非常に薄く、第1導電体を配置するために必要とされる精度は非常に高く、装置の製造に非常に高い精度を課している。
【0015】
封止体と太陽電池ユニットの間に第1導電体と第2導電体を配置することで、封止体が適切な位置に第1導電体と第2導電体を保持し保護する。
【0016】
封止とは、太陽電池ユニットを密閉して囲み、太陽電池ユニットへの埃や湿気の侵入を防ぎ、装置からの液体や空気の流出を防ぐためのカバーを意味する。
【0017】
また、第1導電体および第2導電体は、太陽電池ユニットの底面に配置されている。したがって、その後、光起電力装置の上面には配線が見えなくなる。また、ヘッドセット、スマートフォンまたはタブレットなどの電子機器の表面、または電子機器のカバーに光起電力装置を配置することで、第1導電体と第2導電体を容易に隠すことができる。これにより、光起電力装置を電子機器の表面に配置したときに、第1導電体がユーザから見えないようにすることができる。これにより、光起電力装置を電子機器、または電子機器のカバーに一体化させることが可能となり、ユーザが光起電力装置に気づかないようにすることができる。このように、電子機器の表面全体を光起電力装置で実質的に覆うことができる。すなわち、電子機器の表面全体または電子機器のカバーは、電子機器の目に見える外観に影響を与えることなく、電力を生成するために使用することができる。
【0018】
多孔質基板は、第1導電体と第1導電層との間に配置された導電材を含む。第1導電体と第1導電層との間に配置された多孔質基板の一部は、第1導電体と第1導電層との間に電気的接触を提供するための導電材を含む。導電材は、第1導電体と第1導電層との間に導電路を形成する。多孔質基板の残りの部分は、電気的に絶縁されており、第1導電層と第2導電層との間の電気的絶縁を提供し、第1導電層と第2導電層との間の短絡を回避するため、いかなる導電材も含まない。
【0019】
先に説明したように、第1導電体は第1導電層と電気的に接触しており、これは、多孔質基板内の少なくとも1つの第1導電体の位置に導電材を配置することにより行ってもよい。例えば、多孔質基板の一部には、導電材で充填された1つ以上の孔が設けられる。導電材は、例えば、金属粒子である。
【0020】
いくつかの態様によれば、第1導電体と第2導電層との間に絶縁ギャップが形成される。第2導電層は、第1導電体と第2導電層との間に絶縁ギャップが形成されるように、第1導電体から離れた位置で終了する。すなわち、第2導電層は多孔質基板の全体を覆うものではなく、多孔質基板上に第2導電層が存在しない箇所には、第2導電層と第1導電体との間に距離を置いて少なくとも1つの第1導電体が配置されている。すなわち、少なくとも1つの第1導電体は、第2導電層が多孔質基板を覆わない場所では、多孔質基板全体を覆わない。
【0021】
いくつかの態様によれば、第1導電体は、導電材を含む多孔質基板の一部と機械的に接触している。第1導電体は、多孔質基板に隣接している。多孔質基板は、第1導電体に面する底面を有し、第1導電体は、多孔質基板の底面と機械的に接触し、多孔質基板内の導電材と電気的に接触している。
【0022】
いくつかの態様によれば、多孔質基板内の導電材は、第1導電層内と同じである。これにより、多孔質基板上に第1導電層が形成されると同時に、基板内の孔を充填することができるので、太陽電池の製造が容易になる。
【0023】
いくつかの態様によると、多孔質基板内の導電材は、チタンまたはその合金を含む。例えば、導電媒体が電解質である場合には、チタンは電解質に起因する腐食に抵抗することができるので、チタンを使用することは有利である。
【0024】
いくつかの態様によると、多孔質基板内の導電材は、チタンまたはその合金を含み、第1導電体はチタンまたはその合金を含む。これは、第1導電体および第1導電体層間の良好な電気的接続を提供するために、第1導電体が第1導電体層と物理的に接触して配置されている場合に有利である。
【0025】
いくつかの態様によれば、第2導電層は、下部シートに面する底面を有し、第2導電体は、第2導電層の底面と機械的かつ電気的に接触している。第2導電体と第2導電層の底面との間の接触面は、第2導電体および第2導電層の底面間に良好な電気的接触を提供する。第2導電体は、第2導電層に隣接している。いくつかの態様によれば、封止体は第2導電体を所定の位置に保持する。
【0026】
いくつかの態様によれば、第1および第2導電体層は、チタンまたはその合金を含む。チタンは、金属としては比較的低い導電性を有するが、第1および第2導電層内にチタンを使用することは、チタンが非腐食性であり、空気中の高温にも耐えることができるため、太陽電池ユニットの製造時に有利である。
【0027】
いくつかの態様によれば、第2導電層はチタンまたはその合金を含み、第2導電体はチタンまたはその合金を含む。これは、第2導電体および第2導電体層間の良好な電気的接続を提供するために、第2導電体が第2導電体層と物理的に接触して配置されている場合に有利である。太陽電池ユニットの製造時の高温のために、導電層のチタンまたはチタン合金上に薄い酸化物層が存在する。チタン上の酸化物層のために、銅や銀などの従来の導電性金属の導電体と第1および第2導電層との間の電気的接触を提供することが困難であることが判明している。驚くべきことに、チタンを含む導電体は、チタン上の酸化物層にもかかわらず、導電体と太陽電池ユニットの導電層との間に良好な電気的接続を提供することが発見されている。このように、チタンは比較的導電性が低いにもかかわらず、導電材としてチタンを用いることは有利である。
【0028】
いくつかの態様によれば、第1導電体は導電箔からなる。いくつかの態様によれば、第2導電体は導電箔からなる。好ましくは、箔は金属箔である。箔は、異なる形状に容易に切断することができる。箔は、広い接触面積を提供し、電子のスループットを増加させる幅を有する。これは、第1および第2導電体が、チタンまたはその合金のような比較的低い導電性を有する材料で作られている場合に有利である。
【0029】
いくつかの態様によれば、箔は、チタンまたはその合金を含む。
【0030】
いくつかの態様によれば、導電箔は、少なくとも3mmの幅を有する。これは、導電体がチタンまたはその合金のような比較的低い導電性を有する材料で作られている場合に有利である。その幅は、大きな接触面積のため、電子の流れを増加させるため、および取り扱いの容易さの両方のためである。それより薄い箔にすると、製造工程での取り扱いが難しくなる。
【0031】
いくつかの態様によれば、第1および第2導電体は、円形の形状を有する。このような形状とすることで、多孔質基板や第2導電層への導電体の取り付けが容易となる。
【0032】
いくつかの態様によれば、封止体は、光起電力装置を電子機器に接続するための第1および第2導電体に接続された複数の貫通部を含む。すなわち、光起電力装置によって生成された電力にアクセスするための貫通部が封止体内に存在する。なんらかの配線が貫通部を通ることになる。例えば、第1および第2導電体は、電子機器に電力を供給するための配線に接続するために、貫通部を通って封止体の外に延びていてもよい。あるいは、封止体の外側からの配線が貫通部を通って、第1および第2導電体に電気的に接続されるようにしてもよい。貫通部は、ガスや液体が貫通部を通過しないように、封止体を通過する配線の周囲に密着している。例えば、貫通部は、封止体を通過する配線の周囲に密着して設けられた封止体内の開口部である。
【0033】
いくつかの態様によれば、封止体の底部シートは、太陽電池ユニットによって生成された電力へのアクセスを提供するために、第1および第2導電体に接続して配置された複数の貫通部を有し、前記貫通部は、前記第1および第2導電体に電気的に接続するためのワイヤを受けるための貫通開口部を有する。これにより、貫通部を密封することが容易になる。
【0034】
いくつかの態様によれば、第1および第2導電体は、太陽電池ユニットによって規定された領域内に配置され、前記貫通開口部は、前記第1および第2導電体にワイヤを取り付けることを可能にするために、前記第1および第2導電体の下に配置されている。したがって、第1および第2導電体が太陽電池ユニットの外部に突出することがない。これにより、導線が太陽電池ユニットの外側に突出している場合に比べて、太陽電池の密封を容易に行うことができる。太陽電池によって規定される領域は、太陽電池ユニットの端部(edges)によって規定される。
【0035】
いくつかの態様によれば、第1および第2導電体は円形の形状を有し、貫通開口部は、第1および第2導電体の中央部の下に配置されている。
【0036】
いくつかの態様によれば、第1導電体と第1導電層との間に配置された多孔質基板の一部は、導電性粒子のような導電材で満たされた孔を有する。
【0037】
いくつかの態様によれば、導電材は、第1導電体と第1導電層との間の多孔質基板を通る導電路を形成するように、多孔質基板の孔に収容された導電性粒子を含む。これは、第1導電体および第1導電層間に配置された多孔質基板の一部に導電性粒子を浸透させることによって容易に実現することができる。これは、製造が容易になるので有利である。
【0038】
いくつかの態様によれば、第1および第2導電体は、細長いワイヤを備える。第1および/または第2導電体の少なくとも1つは、ワイヤである。あるいは、第1および第2導電体の各々は、細長いワイヤである。ワイヤは、安価で耐久性のあるものを選択してもよい。さらに、ワイヤは、非常に細くすることができ、したがって、太陽電池ユニットの上部に取り付けられるなら、光起電力装置の上面の外観を妨げない。
【0039】
いくつかの態様によれば、ワイヤは、高い電気伝導性を有する材料、例えば銀の細長い中心核(kernel)を有し、当該中心核は、チタンまたはその合金の覆いを有する。このようなワイヤは、高い電気伝導性を有するだけでなく、チタンを含む導電層との良好な電気的接続を提供する。
【0040】
一態様によれば、封止体は、透明なプラスチックで作られている。この特徴は、柔軟性があり、ねじれやすく、耐衝撃性に優れた光起電力装置を提供することに寄与する。
【0041】
図面の簡単な説明
ここで、添付の図面を参照して、本発明の異なる実施形態の説明により、本発明をより詳細に説明する。
【0042】
図1は、光起電力装置の底面に第1および第2導電体を有する例となる光起電力装置の上からの説明図である。
図2は、図1に示す光起電力装置の底面を示す。
図3は、第1および第2導電体を有しない封止体内の太陽電池ユニットの断面の一例を示す。
図4aは、封止体内に太陽電池ユニットを含み、太陽電池ユニットの底面に第1および第2導電体を有する光起電力装置の断面の一例を示す。
図4bは、封止体内に太陽電池ユニットを含み、太陽電池ユニットの底面に第1および第2導電体を有する光起電力装置の断面の別の例を示す。
図5は、下から見た光起電力装置の別の例を示す。
図6は、下から見た光起電力装置のさらに別の例を示す。
【0043】
詳細な説明
本開示の態様は、以下、添付の図面を参照して、より完全に説明される。しかしながら、光起電力装置は、多くの異なる形態で実現することができ、本明細書に記載された態様に限定されるものと解釈されるべきではない。図面中の同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0044】
本明細書で使用される用語は、本開示の特定の態様を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に別のことを示さない限り、同様に複数形を含むことが意図される。
【0045】
別段の規定がない限り、本明細書で使用されるすべての用語は、本開示が属する技術分野における通常の当業者の一人によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0046】
外部機器に電力を供給するのに適した光起電力装置1が提供される。
【0047】
図1は、太陽電池ユニット2と、第1導電体7と、第2導電体8とを有する第1の実施例の光起電力装置1を上から見た図である。図1において、第1導電体7は、太陽電池ユニット2の底面に配置されている。第2導電体8は、太陽電池ユニット2の底面に配置されている。
【0048】
図2は、図1に示したものと同じ光起電力装置1を下から見た図であり、すなわち、図2では、太陽電池ユニット2の底面2bが見えるようになっている。この図では、底面2bに第1導電体7と第2導電体8が見える。
【0049】
なお、これらの図では、第1導電体および第2導電体は、太陽電池ユニットを横断する長さを有するように図示されているが、以下でさらに説明するように、必ずしもそうではないことに留意すべきである。また、1つの第1導電体および1つの第2導電体のみが図示されているが、以下でさらに説明するように、いくつかあってもよい。
【0050】
光起電力装置は、太陽電池ユニット2を備える。図3は、太陽電池ユニット2の層を図示するために、第1および第2導電体を有しない太陽電池ユニット2の一例の断面図である。太陽電池ユニット2は、太陽電池ユニット2の上面2aに配置された多孔質の光吸収層3を備えた作用電極を有する。また、太陽電池ユニット2は、光吸収層3が第1導電層4の上に配置された光吸収層3から光生成電子を取り出すための多孔質の第1導電層4と、第1導電層4が多孔質基板5の一面に形成された絶縁性材料からなる多孔質基板5とを含む。太陽電池ユニット2は、太陽電池ユニットの底面2bに配置された第2導電層6を含む対向電極を有している。第2導電層6は、多孔質基板5の反対面に形成されている。第2導電層6は多孔質であってもよいが、これは必須ではない。一態様において、多孔質基板は、太陽電池ユニットの全体を貫通して連続的に延びている。太陽電池ユニット2はまた、第2の導電層6と光吸収層3との間で電荷を移動させるための導電媒体を含む。9aおよび9bは、封止体9の上部シートおよび下部シートを図示している。
【0051】
第1導電層4は、光吸収層3と直接電気的に接触している。多孔質基板5は、第1および第2導電層4、6の間に電気的絶縁を提供する。一態様において、多孔質基板は、多孔質基板の孔内に収容された導電性粒子のネットワークを含む第1の部分と、導電性粒子を含まない第2の部分を含む。第1および第2導電層4、6は、多孔質基板5によって物理的および電気的に分離されている。多孔質基板5の多孔性により、導電媒体が基板を通過できるようになる。例えば、多孔質基板5の厚さは、4μmより厚く100μm未満である。第1導電層4の多孔性により、第1導電層を導電媒体が通過できるようになる。
【0052】
多孔質光吸収層3は、例えば、第1導電層4上に堆積された多孔質TiO層である。TiO層は、TiO粒子の表面に色素分子を吸着させて染色したTiO粒子を含む。あるいは、多孔質光吸収層3は、ドープされた半導体材料の粒を含むものであってもよい。
【0053】
太陽電池ユニット2の上面2aは、光が作用電極の光吸収層3に当たるように、光に対向していることが好ましい。いくつかの態様によれば、光吸収層は、有機色素を吸着した多孔質TiOナノ粒子層である。有機色素の例として:N719、N907、B11、C101が挙げられる。また、他の有機色素を使用することもできる。ただし、光吸収層3は、ドープされた半導体材料の粒、例えば、Si、CdTe、CIGS、CIS、GaAsまたはペロブスカイトを含むものであってもよい。
【0054】
導電媒体としては、例えば、ヨウ化物(I)イオンと三ヨウ化物(I)イオンを含む従来の電解質またはそれに類する電解質、あるいはCuまたはCo錯体をベースとした電解質などがあげられる。固体状態の遷移金属ベースの錯体または有機高分子正孔導電体が既知の導電媒体である。いくつかの態様によれば、導電媒体は、PEDOTである。
【0055】
光起電力装置は、第1導電層4と電気的に接触する少なくとも1つの第1導電体7と、第2導電層6と電気的に接触する少なくとも1つの第2導電体8と、太陽電池ユニットを囲む封止体9とを備える。封止体9は、太陽電池ユニットの上面を覆う少なくとも部分的に透明な上部シート9aと、太陽電池ユニットの底面を覆う下部シート9bとを備える。光起電力装置はさらに、少なくとも1つの第1導電体7が、多孔質基板5と太陽電池ユニット2の底面2bの下部シート9bとの間に配置され、第1導電体7は第2導電層6から電気的に絶縁され、第1導電体7は多孔質基板5の細長い部分と機械的に接触しており、少なくとも1つの第2導電体8が、太陽電池ユニット2の底面2bで封止体9と太陽電池ユニット2との間に配置されている構成を有する。第1導電体7は第1導電層4に電気的に接続され、第2導電体8は第2導電層6に電気的に接続されている。
【0056】
上記による太陽電池ユニットは、大きくしたり、任意の形状に切断したりすることができる。また、第1導電体7を正面から見えないように裏側に配置している。図4aおよび4bは、底面2bに第1導電体7を配置した光起電力装置の一例の断面図を図示している。
【0057】
いくつかの態様によれば、少なくとも第1導電層4および多孔質基板5は、太陽電池ユニット2の全体を通って連続的に延びている。光吸収層3および第2導電層6は、少なくとも太陽電池ユニットの主要部分を通って連続的に延びている。一例では、図4a−bに示すように、第2導電層6の小さな部分を除去して、第1導電体7が太陽電池ユニット2の底面2bから第1導電層4と電気的に接触できるようにしてもよい。
【0058】
太陽電池ユニット2は、いくつかの態様によれば、第2導電層6と光吸収層3との間で電荷を移動させるための電解質で満たされている。電解質は、イオンを含み、例えば、ヨウ化物(I)イオンおよび三ヨウ化物(I)イオンまたは銅イオン(CuおよびCu2+)を含む。光吸収層がTiO粒子を含む場合、太陽光が色素によって集光され、光励起電子が生成され、この光励起電子がTiO粒子の伝導帯に入射し、第1導電層4によってさらに収集される。同時に、電解液中のイオンが第2導電層6から光吸収層3に電子を移動させる。第1導電体7が第1導電層4から電子を収集し、第2導電体8が第2導電層6に電子を供給することで、太陽電池ユニットが入射光子から連続的に発電することができるようになる。電解液は、第2導電層6と光吸収層3との間でイオンを移動させ、それによって第2導電層から光吸収層に電子を移動させるために、光吸収層3、第1導電層4、多孔質基板5の孔を貫通する。
【0059】
別の実施形態では、光起電力装置は、ドープされた半導体材料を含む光吸収層を備えたものであってもよく、導電媒体は、WO2018021952に示されているように、ドープされた半導体材料と物理的に接触しているPEDOT:PSSのような固体正孔/電子伝導体である。例えば、光吸収層は、ドープされた半導体材料の複数の粒を含み、粒は一部が導電媒体で覆われている。正孔/電子伝導体は、第2導電層6と電気的に結合し、第1導電層4と電気的に絶縁されている。
【0060】
封止体9は、太陽電池ユニット2の上面2aを覆う上部シート9aと、太陽電池ユニット2の底面2bを覆う下部シート9bとを備える。封止体9は、いくつかの態様によれば、太陽電池ユニット2および電解液を囲み、電解液のための液体バリアとして機能し、電解液が光起電力装置1から漏れるのを防止する。上部シート9aは透明であるか、または少なくとも太陽電池ユニット2の活性領域を覆う部分は透明であり、入射光が光吸収層3に透過するようになっている。また、太陽電池ユニット2の上面2aの上部シート9aは、光吸収層3を覆って光を透過させるようになっている。上部および下部シート9a−bは、例えば、高分子材料で形成されている。一態様によれば、封止体は、透明なプラスチックで作られている。この特徴は、柔軟性があり、ねじれやすく、そして耐衝撃性に優れた光起電力装置を提供することに寄与する。上部および下部シート9a−bは、周囲の大気から太陽電池ユニット2を保護するために、また、ある態様によれば、太陽電池ユニットの内部からの電解質の蒸発または漏出を防止するために、端部で封止されている。
【0061】
対向電極は、触媒層を備えたものであってもよい。あるいは、第2導電層6は、第2導電層に一体化された触媒粒子を含むものであってもよい。
【0062】
例えば、第1および第2の導電層4、6は、チタン、チタン合金、ニッケル合金、黒鉛、非晶質炭素、またはそれらの混合物を含む群から選択される材料で作られている。最も好ましくは、第1および第2導電層4、6は、チタンまたはチタン合金からなる。
【0063】
いくつかの態様によれば、第1および第2の導電層は、互いに結合した複数の導電性粒子によって形成することができる。導電性粒子は、金属または金属合金、例えば、チタンまたはアルミニウムまたはそれらの合金からなる金属粒子であることが適切である。第1導電層4の導電性粒子は互いに物理的および電気的に接触しており、第2導電層6の導電性粒子は互いに物理的および電気的に接触している。
【0064】
多孔質基材は、いくつかの態様によれば、織られたマイクロファイバーからなるシートである。別の例では、多孔質基材は、織られたマイクロファイバーの上に配置された不織布マイクロファイバーの層をさらに備える。多孔質基板の不織布および織られたマイクロファイバーは、ガラス繊維からなることが適切であり、これは、堅牢で柔軟な基板を提供する。
【0065】
一態様において、図1に示すように、第1導電層は非透明であり、太陽電池ユニット2の上面は均質に黒色である。
【0066】
図1図2に示すように、封止体9は、光起電力装置1を外部機器に接続し、それによって光起電力装置によって生成された電力にアクセスするために、第1導電体7および第2導電体8に接続して配置された複数の貫通部10a、10bを含む。例えば、貫通部は、封止体内の貫通開口部である。何らかの配線が開口部を通ることになる。例えば、第1および第2の導線は、外部機器に電力を供給するための配線に接続するために、貫通部を通って封止体の外に延びていてもよい。あるいは、封止体の外部からの配線が貫通部を通って、第1および第2導電体に電気的に接続されてもよい。貫通部は、ガスや液体が通過しないように配線の周囲に密着している。すなわち、貫通部は、配線の周囲を密閉している。なお、貫通部は、太陽電池ユニット2上に封止体を配置する際に、貫通孔を通過すべき配線や導体を所定の位置に配置しておくことで、貫通部を形成することができる。上部シート9aと下部シート9bは、例えば、太陽電池ユニット2の上にひとまとめにされる(put together)粘着フィルムである。あるいは、上部および下部シートは、柔軟性のあるプラスチック材料で形成されており、そのプラスチック材料を溶融させることにより、上部および下部シートの端部同士が接着されている。接着前にシート間に配線/導電体がすでに配置されており、シートの端部に突出している場合には、接着時に貫通部10a、10bが形成される。あるいは、貫通部は、太陽電池ユニットの封止後に作られた封止体の貫通孔を含む。貫通孔は、貫通孔内に配線/導電体が配置された後に封止される。貫通部の位置は、第1および第2導電体の位置に依存する。
【0067】
第2導電層6は、いくつかの態様によれば、底部シート9bに面する底面6aを有し、少なくとも1つの第2導電体8は、底面6aと機械的かつ電気的に接触している。この例では、第2導電体と底面との間の接触面は、それらの間の良好な電気的接触を提供し、電子をより広い面積にわたって戻すことができるので、電子を太陽電池ユニット2に戻す際に有益である細長い表面である。細長い部分の長さは、太陽電池ユニットの大きさ、および使用される第2導電体の数に依存する。いくつかの態様によれば、少なくとも1つの第2導電体8は、太陽電池ユニットの長さLの少なくとも50%の長さに沿って、好ましくは長さLの少なくとも70%の長さに沿って、最も好ましくは長さLの少なくとも90%の長さに沿って、第2導電層6の側方から側方に延びている。第2導電層と第2導電体との間の良好な接触により、太陽電池ユニットの効率を高めることができる。太陽電池ユニットの大きさに応じて、1つ以上の第2導電体を使用してもよい。より大きな太陽電池ユニットの場合、より長い第2導電体8を使用してもよい。また、複数の第2導電体を使用してもよい。第2導電体は、太陽電池ユニット1がより多くの電力を生産するために常に補充されるように、第2導電層6に十分な電子を供給する必要がある。
【0068】
第2導電層6の位置は、太陽電池ユニットのサイズおよび形状に応じて選択することができる。いくつかの態様によれば、第2導電体8は、太陽電池ユニット2の底面2bの端部に沿って延びている。これは、太陽電池ユニットが不規則な形状ではない場合に有益でありうる。形状が不規則であるか、または太陽電池ユニットが大きい場合、第2導電体8は、太陽電池ユニット2の底面2bの表面を横切って配置されてもよい。
【0069】
第2導電体に関しては、第1導電体7の長さおよび位置も変化させることができる。いくつかの態様によれば、少なくとも1つの第1導電体7は、長さの少なくとも50%に沿って、好ましくは長さの少なくとも70%に沿って、最も好ましくは長さの少なくとも90%に沿って、太陽電池ユニットの側方から側方に延びている。ここでも長さは、太陽電池ユニットのサイズおよび形状に依存する。長さのより多くを覆う第1導電体は、一般に、受光面を覆わない場合、より効率的な太陽電池ユニットを与えるが、長さはまた、設計および製造技術などの他の要因に依存する。
【0070】
少なくとも1つの第1導電体7は、図1、2、4a、および4bに示すように、太陽電池ユニット2の底面2bに配置されている。少なくとも1つの第1導電体は、図1に示すように、上面からは全く見えないように太陽電池ユニットの裏側に配置されている。このように、いくつかの態様によれば、少なくとも1つの第1導電体7は、多孔質基板5と太陽電池ユニット2の底面2bの下部シート9bとの間に配置され、少なくとも1つの第1導電体7は、第2導電層6と電気的に絶縁されており、ここで、少なくとも1つの第1導電体7は、多孔質基板5の細長い部分と機械的に接触している。少なくとも1つの第1導電体は、太陽電池ユニットを短絡させないように、第2導電層と電気的に絶縁されている。第1導電体7は、異なる方法で第1導電層4と電気的に接触するように配置することができる。例えば、第1導電体7と第1導電層4との間に配置された多孔質基板5の一部は、導電材12を含む。導電材は、例えば金属である。
【0071】
図4aは、第1の導電層4に電気的に接触する第1導電体7を配置する方法の一例を示している。多孔質基板5の部分14は、導電材12を含む。部分14は、第1導電体と第1導電層との電気的接触を提供するために、第1導電体7と第1導電層4との間に配置されている。多孔質基板5の残りの部分は、電気的に絶縁されており、第1および第2導電層の間に電気的絶縁を提供し、第1および第2導電層との間の短絡を回避するため、いかなる導電材も含まない。
【0072】
この実施例では、導電材12は、多孔質基板の孔内に収容された導電性粒子を含み、多孔質基板を貫通して第1導電体7と第1導電層4との間に導電路を形成している。これは、第1導電体と第1導電層との間に導電性粒子を多孔質基板に浸透させることで実現できる。導電性粒子の大きさは、多孔質基板の孔の大きさよりも小さいので、多孔質基板の孔に導電性粒子を収容することができる。そして、導電性粒子は、多孔質基板の絶縁材料を介して導電ネットワークを形成する。導電ネットワークは、少なくとも1つの第1導電体7および第1導電層4と電気的に接触している。
【0073】
図4bは、第1導電体7を第1導電層4と電気的に接触するように配置する方法の別の例を示している。この例では、第1導電体7と第1導電層4との間に配置された多孔質基板5の部分14は、導電性材料、例えば導電性粒子で満たされた1つ以上の貫通孔を有する。基板の孔は、例えば、レーザーまたは針によって実現することができる。孔は、基板上に第1導電層を塗布する前に形成することができる。そして、基板上に第1導電層を塗布する際に、孔に導電材を充填する。この場合、導電材12は、第1導電層で使用されるのと同じ導電材である。いくつかの態様によれば、第2導電層6は、第1導電層と第2導電層との間の短絡を防止するために、第1導電層7と第2導電層6との間に絶縁ギャップ11が形成されるように、第1導電層7から離れた位置で終了する。
【0074】
いくつかの態様によれば、導電材12は、第2導電層6で使用されるのと同じ材料である。いくつかの態様によれば、導電材12は、第1の導電層4で使用されるのと同じ材料である。導電材12は、金属、金属合金、または他の導電材、例えば、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、炭素系材料、導電性酸化物、導電性窒化物、導電性炭化物、導電性珪素、またはそれらの混合物からなることができる。例えば、導電性粒子は、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、グラフェン、グラファイト、カーボンブラックまたはカーボンナノチューブなどの炭素系材料、導電性酸化物、導電性窒化物、導電性炭化物、導電性珪化物またはそれらの混合物を含む群から選択される材料で作られている。
【0075】
少なくとも1つの第1導電体7が底面2bに配置されている場合、少なくとも1つの第1の導体7は、第2導電層6と電気的に絶縁されている。いくつかの態様によれば、図4aおよび4bに示すように、第1導電体7と第2導電層6との間に絶縁ギャップ11が形成される。すなわち、第2導電層6は多孔質基板の全体を覆っておらず、多孔質基板5上に第2導電層6が存在しない場所には、少なくとも1つの第1導電体7が第2導電層6と第1導電体7との間に距離を置いて配置されている。すなわち、第2導電層6が多孔質基板を覆わない場所では、少なくとも1つの第1導電体7が多孔質基板5の全体を覆うことはない。また、絶縁ギャップ11には、絶縁ギャップの絶縁性を高めるために絶縁材料を充填してもよい。
【0076】
第1導電体は、図4aに示すように、多孔質基板の端部に沿って配置することもできるし、例えば図4b、図5および6に示すように、多孔質基板の表面上の任意の位置に配置することもできる。
【0077】
第1および第2導電体の形状は様々であってもよい。例えば、矩形状であってもよいし、円形状であってもよい。
【0078】
いくつかの態様によれば、第1および第2の導電層4、6は、チタンまたはその合金を含む。チタンは金属としては比較的低い導電性を有するが、非腐食性であり、空気中で高温に耐えることができるので、第1および第2の導電層にチタンを使用することは有利であり、これは太陽電池ユニットの製造時に有利である。ある態様によれば、第2導電体8は、チタンまたはその合金で作られている。別の態様によれば、第1導電体7は、チタンまたはその合金で作られている。これは、第1および第2導電体が、導電体と導電層との間の良好な電気的接続を提供するために、第1および第2導電体が第1および第2導電層と物理的に接触して配置されている場合に有利である。太陽電池ユニットの製造時の高温のために、第2導電層のチタンまたはチタン合金上に薄い酸化物層が存在する。チタン上の酸化物層のために、銅や銀などの従来の導電性金属の導電体と第1および第2導電層の間の電気的接触を提供することが困難であることが判明している。驚くべきことに、チタンを含む導電体は、チタン上の酸化物層にもかかわらず、太陽電池ユニットの導電層との良好な電気的接続を提供することが発見されている。このように、チタンは比較的低い電気伝導率を有するにもかかわらず、第1および第2導電体の導電材としてチタンを使用することは有利である。
【0079】
いくつかの態様によれば、第2導電体8は導電箔を含む。いくつかの態様によれば、第1導電体7は導電箔を備える。箔は広い接触面積を提供し、これは、導電体がチタンまたはその合金のような比較的低い導電性を有する材料で作られている場合に有利である。いくつかの態様によれば、導電箔は、少なくとも3mmの幅を有する。これは、導電体がチタンまたはその合金のような比較的低い導電性を有する材料で作られている場合に有利である。幅は、大きな接触面積のため、電子の流れを増加させるため、および取り扱いの容易さの両方のためである。箔が薄いと、製造工程での取り扱いが難しくなる。箔の一つの選択肢は、ワイヤを使用することである。一つの態様において、第1および第2導電体7、8は、チタンまたはその合金を含むものであってもよい。あるいは、第1および第2の導電体7、8は、ニッケル、クロム、またはそれらの合金を含むものであってもよい。
【0080】
あるいは、第1導電体7および第2導電体8は細長いワイヤを備える。ワイヤは、安価で耐久性に優れたものであってもよい。ワイヤは、箔よりも細く、光起電力装置の外観を乱すことなく、太陽電池ユニットの前側に使用することができる。一態様によれば、ワイヤは、高い電気伝導性を有する材料、例えば銀などの金属の細長い中心核を有し、当該中心核は、チタンまたはその合金の覆いを有する。このようなワイヤは、高い電気伝導性を有するだけでなく、チタンを含む導電層との良好な電気的接続を提供する。
【0081】
図5は、下から見た光起電力装置1’の別の例を示す。光起電力装置1’は、絶縁ギャップ11によって部分的に囲まれた第1導電体7を備える。第2導電層6は、第1導電体7と第2導電層6との間に絶縁ギャップ11が形成されるように、第1導電体7から離れた位置で終了する。第1導電体7は、図4a−bに示すのと同様に、多孔質基板の表面に取り付けられる。この例では、第1導電体7は、細長い形状をしており、太陽電池ユニットによって規定される領域18aの外側、すなわち太陽電池ユニットの端部20の外側に突出している。この例では、太陽電池は長方形であり、それに応じて、太陽電池ユニットによって規定される領域18aは長方形である。この例では、光起電力装置1’は、第2導電層6の底面に取り付けられた2つの第2導電体8a−bを備える。2つの第2導電体8a−bは、細長い形状をしており、太陽電池ユニットによって規定される領域の外側に突出している。なお、第1および第2導電体の数は様々であってもよい。
【0082】
図6は、下から見た光起電力装置1”のさらに別の例を示す。光起電力装置1’は、絶縁ギャップ11bで囲まれた第1導電体7bを備える。第1導電体7bは、図4a−bに示されているのと同様に、多孔質基板5の表面に取り付けられている。この例では、第1導電体7bは円形であり、絶縁ギャップ11bは環状である。この例では、第1導電体7bは、太陽電池ユニットの端部22から離れた位置に配置されている。したがって、第1導電体7bは、太陽電池ユニットによって規定される領域18b内に配置される。この例では、太陽電池ユニットは円形であり、それに応じて、太陽電池ユニットによって規定される領域は円形である。光起電力装置1’は、第2導電層の底面に取り付けられた第2導電体8cを備える。この例では、第2導電体8cは、円形の形状を有している。この例では、第2の導体8cは、太陽電池ユニットの端部22から離れた位置に配置されている。したがって、第1および第2導電体7b、8cは、太陽電池ユニットによって規定される領域18b内に配置される。したがって、第1および第2導電体7b、8cは、太陽電池ユニットの外にはみ出していない。
【0083】
第2導電層6は、封止体9の下部シート9bによって覆われている。下部シート9bは、第1および第2導電体7b、8cと電気的に接続するための配線を受けるための2つの貫通開口部(16a−b)を含む。貫通開口部16a−bは、第1および第2導電体7b、8cの下方に配置されている。以下の用語は、例えば図4bに示すように、上面が太陽に面した状態で使用される太陽電池ユニットに関するものである。この例では、貫通開口部16a−bは、第1および第2導電体7b、8cの中心部の下に配置されている。当該中心部は、円形の導電体の中心を含む。第1および第2導電体7b、8cが太陽電池ユニットによって規定される領域18b内に配置されているという事実のために、貫通開口部の封止が容易になる。図1図2および図5に示すように、導電体が太陽電池ユニットの領域外に延びている場合には、貫通開口部を封止することはより困難である。
【0084】
太陽電池ユニット2は、任意の大きさや形状で製造することができる。大きさの制限は、主に太陽電池ユニットの扱いやすさに由来する。第1導電体は、太陽電池ユニットの上面を横切って延びる視認可能ば第1導電体がないように配置することができるので、太陽電池ユニットの上面の表面が視覚的に均質なものとなる。また、太陽電池ユニットの底面に第1導電体を配置した場合には、太陽電池ユニットの上面を横切って延びる視認可能な第1導電体が存在しない。このため、装置の上面の外観が均一になり、第1導電体によって遮られたり、色の変化があったりすることがない。これにより、電子機器の外観を損なうことなく、光起電力装置を電子機器に組み込むことが可能となる。ユーザーは、光起電力装置の存在に気づかないことさえある。
【0085】
活性領域とは、太陽電池ユニットが光にさらされたときに電力を生成するために貢献する太陽電池ユニットの領域を意味する。太陽電池のサイズ、すなわち、太陽電池ユニットの長さと幅は、それが電力を供給するために適応している外部機器に応じて変化する可能性がある。したがって、太陽電池ユニットの活性領域は、電力の必要性に応じて変化してもよい。例えば、太陽電池ユニットのサイズは、1cmの活性領域では1x1cmと、1mの活性領域では1x1mの間で変化してもよい。
【0086】
太陽電池ユニット2およびその製造方法には、いくつかの可能なバリエーションがある。ここに開示された詳細に加えて、公開された特許出願WO2013149787(A1)およびWO2014184379(A1)、ならびに未公開のEP出願EP17209762.8には、太陽電池ユニット2の製造方法が記載されている。したがって、これら3つの文献は、参照により本明細書に開示されている。
【0087】
したがって、本開示の光起電力装置1は、上記参照文献のいずれかに開示された方法に従って提供される太陽電池ユニットを有する。
【0088】
前記方法は、太陽電池ユニットの上面2aに配置された多孔質の光吸収層3と、光吸収層3が第1導電層4の上に配置された光吸収層3から光生成電子を取り出すための多孔質の第1導電層4と、第1導電層4が多孔質基板5の一方の面に形成され、絶縁材料からなる多孔質基板5と、第2導電層6が多孔質基板5の反対面に形成され、太陽電池ユニットの底面に配置された第2導電層6を含む対向電極と、第2導電層6と光吸収層3との間で電荷を移動させるための導電媒体とを備えた作用電極とを含む太陽電池ユニット2を提供することを含む。それゆえ、これらのステップおよびその変形例は、上記の参照文献で議論されている。
【0089】
前記方法はさらに、少なくとも1つの第1導電体7を下部シート9bに取り付け、少なくとも1つの第2導電体8を下部シート9bに取り付け、太陽電池ユニット2の上面を覆うように上部シート9aを配置し、太陽電池ユニットの底面を覆うように下部シート9bを配置して、上部シート9aおよび下部シート9bが太陽電池ユニット2を囲う封止体9を形成することを含む。少なくとも1つの第1導電体7は、封止体9が形成される際に前記第1導電層4と電気的に接触するように下部シート9bに取り付けられ、少なくとも1つの第2導電体8は、封止体9が形成される際に第2導電層6と電気的に接触するように下部シート9bに取り付けられる。このようにして、上述した光起電力装置が製造される。この方法は、第1導電体と導電層との間に接着材を介在させる必要がない装置の製造方法を提供する。また、薄い第1導電体を封止体シート9a、9bに取り付ける際の取り扱いも容易である。すなわち、本発明の光起電力装置を製造する際には、太陽電池ユニットを設け、第1導電体と第2導電体とを太陽電池ユニット上に配置する場合には、まず、上部シート9aおよび下部シート9bを太陽電池ユニット上に配置する際に、第1導電体および第2導電体が太陽電池ユニット上のそれぞれの位置に一緒に配置するように、下部シート9b上の対応する位置に配置するようにしている。
【0090】
本発明は、開示された実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲の範囲内で変形、修正されてもよい。例えば、光起電力装置は、封止体と太陽電池ユニットとの間に配置された1つ以上の第2導電体を含んでいてもよい。また、光起電力装置は、封止体と太陽電池ユニットとの間に配置された1つ以上の第1導電体を備えたものであってもよい。貫通部の数は様々であってもよい。第1導電体と第2導電体のそれぞれに少なくとも1つの貫通部がある。しかしながら、第1導電体と第2導電体のそれぞれに対して複数の貫通部を有することも可能である。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6