(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
美しくてボリューム感のある胸はほとんどの女性の共通する願いである。インプラントバッグを用いた豊胸手術は、このような女性たちの願いを叶える簡単ながら効果的な方法の一つである。
【0003】
インプラントバッグを用いた豊胸手術は、胸にインプラントバッグが入るスペースを確保し、確保されたスペースにインプラントバッグを入れて胸のボリュームを増やす方法である。
【0004】
このようなインプラントバッグは、多くの場合凝集力の強いシリコンであるコーヒーシヴゲル(Cohesive Gel)で製造されている。コーヒーシヴゲルは、従来のシリコンゲルの短所を補い、外皮が丈夫で、手術後の形が自然に形成される長所をもっている(特許文献1−3参照)。
【0005】
インプラントバッグを用いた豊胸手術後に発生する最も多い副作用はインプラントバッグの破損と拘縮である。
【0006】
インプラントバッグが破損してシリコン成分が長い時間体内に残留すると乳腺組織に浸透して授乳をしづらくなり、乳癌の検診に障害を与える恐れがある。さらに、破損によってシリコンが脇のリンパ腺に浸透する場合もあるが、この場合浸透したシリコンの不完全な除去及び除去後のリンパ浮腫、全身へのシリコンの拡散現象などが起こる恐れがある。
【0007】
拘縮は、インプラントバッグを取り囲み新たに形成された被膜が厚くなることで発生する現象を言い、手術後の初期2年以内に主に発生し、最も多い副作用の一つである。拘縮が発生すると、形の変形と痛みを伴い、ひどい場合にはインプラントバッグを除去して被膜を除去する再手術を受けることもある。
【0008】
インプラントバッグを挿入した後に発生する二つの代表的な副作用を診断するためには患者が来院して医者の診察と共に超音波やMRIのような映像医学的検査を実施し、正確な診断を受ける必要がある。特に症状がなくても、豊胸手術後には毎年超音波検査を受けるのが患者への勧告となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、インプラントバッグを体内に挿入した後にインプラントバッグの異常を効果的に感知するためのセンサーを内蔵するインプラントバッグ用パッチを提供することを一つの目的とする。
【0011】
さらに、インプラントバッグを体内に挿入した後にインプラントバッグの異常を効果的に感知するためのセンサー内蔵パッチを備えるインプラントバッグを提供することをもう一つの目的とする。
【0012】
さらに、インプラントバッグを体内に挿入した後にインプラントバッグの異常を効果的に感知するためのインプラントバッグの異常感知装置を提供することをもう一つの目的とする。
【0013】
さらに、インプラントバッグを体内に挿入した後にインプラントバッグの異常を効果的に感知するためのセンサー内蔵パッチを備えるインプラントバッグの製造方法を提供することをもう一つの目的とする。
【0014】
本発明の解決課題は以上で言及されたものに限定されず、言及されていない他の解決課題は下記の記載から当該技術分野における通常の知識を有した者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の少なくとも一つの実施例においては、ゲル状態の充填剤を充填したインプラントバッグの配置時に前記インプラントバッグの内側を向く第1面を形成する第1バリアと、前記第1バリアに接して前記第1面の反対の面である第2面を形成する第2バリアと、前記第1バリアの前記第1面または前記第1バリアと前記第2バリアとの間に配置されたセンサーモジュールと、を備え、前記センサーモジュールは、前記インプラントバッグに加わる圧力を感知するための少なくとも一つ以上の圧力センサーと、前記圧力センサーが感知した圧力信号を外部に送信するためのコントローラと、外部から無線で電力を受信して前記コントローラに電力を供給するための無線電力受信部と、を含む、インプラントバッグ用パッチを提供する。
【0016】
本発明の少なくとも一つの実施例においては、外皮を形成するシェルと、前記シェルの内部に注入されたゲル状態の充填剤と、少なくとも一つ以上の請求項1に記載のインプラントバッグ用パッチと、を備える、インプラントバッグを提供する。
【0017】
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記シェルは、前記シェルの内部に前記充填剤を注入するための注入口を含み、前記インプラントバッグ用パッチは、前記シェルの内部に前記充填剤を注入した後に前記注入口を封止するように配置される。
【0018】
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記インプラントバッグ用パッチは、前記充填剤が注入された前記シェルの外側面の一部に前記第1バリアが前記シェルの外側面に接するように配置される。
本発明の少なくとも一つの実施例においては、前記インプラントバッグに備えられた前記インプラントバッグ用パッチの前記センサーモジュールに無線で電力を送信するための無線電力送信部と、前記センサーモジュールから前記圧力信号を受信し、受信した前記圧力信号に基づいて前記インプラントバッグの異常を感知するための異常感知部と、前記異常感知部が前記インプラントバッグの異常を感知すると、外部にアラームを発するためのアラーム発生部と、を備える、インプラントバッグの異常感知装置を提供する。
【0019】
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記異常感知部は、前記インプラントバッグが体内に挿入された際の初期圧力値をメモリに格納し、前記センサーモジュールから受信した前記圧力信号の圧力値と前記メモリに格納された前記初期圧力値とを比較し、比較の結果前記圧力信号の前記圧力値と前記初期圧力値との差が所定の値を超えると、前記インプラントバッグの異常を感知する。
【0020】
本発明の少なくとも一つの実施例においては、充填剤を注入するための注入口を有するインプラントバッグのシェルを形成する工程と、前記注入口を介して前記シェルの内部にゲル状態の充填剤を注入する工程と、前記シェルの内部に前記充填剤を注入した後に、第1バリア、前記第1バリアに接するように構成された第2バリア、及び前記第1バリアの表面または前記第1バリアと前記第2バリアとの間にセンサーモジュールを有するパッチにより、前記第1バリアが前記シェルの内側に向いて前記第2バリアが前記シェルの外側を向くように前記注入口を封止する工程と、を備える、インプラントバッグの製造方法を提供する。
【0021】
本発明の少なくとも一つの実施例においては、シェルの内部にゲル状態の充填剤が注入されたインプラントバッグの一部に、第1バリア、前記第1バリアに接するように構成された第2バリア、及び前記第1バリアの表面または前記第1バリアと前記第2バリアとの間にセンサーモジュールを、前記第1バリアが前記シェルの外側面に接するように配置する工程を備える、インプラントバッグの製造方法を提供する。
【0022】
本発明の少なくとも一つの実施例において、前記センサーモジュールは、前記インプラントバッグに加わる圧力を感知するための少なくとも一つ以上の圧力センサーと、前記圧力センサーが感知した圧力信号を外部に送信するためのコントローラと、外部から無線で電力を受信して前記コントローラに電力を供給するための無線電力受信部と、を含む。
【0023】
本明細書でそれぞれの実施例は互いに独立的に記載されている場合であっても、それぞれの実施例は相互組合せが可能であり、組合せによる実施例も本発明の権利範囲に含まれる。
【0024】
上述した要約は単に説明のためのものであり、如何なる形でも限定を意図するものではない。上述した説明様態、実施例、及び特徴に加え、追加の様態、実施例、及び特徴が図面及び詳細な説明を参照することで明確になるはずである。
【発明の効果】
【0025】
本発明の少なくとも一つの実施例によれば、施術後にインプラントバッグの異常を効果的に感知するためのセンサーを内蔵するインプラントバッグ用パッチを提供できるという効果を奏する。
【0026】
さらに、本発明の少なくとも一つの実施例によれば、施術後にインプラントバッグの異常を効果的に感知するためのセンサー内蔵パッチを備えるインプラントバッグを提供できるという効果を奏する。
【0027】
さらに、本発明の少なくとも一つの実施例によれば、施術後にインプラントバッグの異常を効果的に感知するためのインプラントバッグの異常感知装置を提供できるという効果を奏する。
【0028】
さらに、本発明の少なくとも一つの実施例によれば、施術後にインプラントバッグの異常を効果的に感知するためのセンサー内蔵パッチを備えるインプラントバッグの製造方法を提供できるという効果を奏する。
【0029】
本発明の効果は以上で言及されたものなどに限定されず、言及されていない他の効果は下記の記載から当該技術分野における通常の知識を有した者に明確に理解できるはずである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照し、本発明の少なくとも一つの実施例に係る流体ディスペンサーについて詳しく説明する。
【0032】
本発明の少なくとも一つの実施例に係るインプラントバッグは、例えば、シリコン材質で製造し、胸や尻などの成形に用いられるインプラントバッグで、体内に挿入することで一定の形を作って維持する。
【0033】
本明細書では豊胸手術に用いられるインプラントバッグを例に挙げて説明しているが、本発明の少なくとも一つの実施例に係る圧力センサーを備えるインプラントバッグ用のパッチこれを含むインプラントバッグ、及びインプラントバッグの異常感知装置は、シェルの内部にゲル状態の充填剤を注入し、特定の目的で体内に挿入するほとんどのインプラントバッグに適用することができる。
【0034】
図1は、胸に挿入したインプラントバッグに加わる圧力を説明するための模式図である。
【0035】
図1では、豊胸手術に用いられる豊胸用インプラントバッグを例に挙げて説明する。インプラントバッグを用いた豊胸手術は、胸にインプラントバッグが入るスペースを確保し、確保されたスペースにインプラントバッグを入れて胸のボリュームを増やす方法である。
【0036】
図1に示すように、胸100にインプラントバッグ110を挿入すると、特定の外圧が加えられない状態で、人体の外側から加えられる圧力A、人体の内側から加えられる圧力B、及び重力による圧力Cがインプラントバッグ110に作用する。
【0037】
通常、インプラントバッグのシェル(外皮)は内部にシリコンゲルが注入され、インプラントバッグの底(背面、
図1でBの付近)に位置するパッチによって封止し、一定の張力と膨張力を維持する。しかし、インプラントバッグの一部が破損(破裂)したりA側の皮膚に拘縮が発生したりすると、A、B、及びCの部位に加わる圧力が変化する。
【0038】
最近広く使用されるコーヒーシヴゲル(Cohesive Gel)インプラントバッグの場合、施術後に一部が破損しても特別な症状のない破裂(Silent Rupture)がほとんどを占める。コーヒーシヴゲルは、インプラントバッグが破損してもゲル状態を維持するからである。
【0039】
インプラントバッグの破損(破裂)の診断は、現在Magnetic Resonance Imaging (MRI)の映像を用いる検査が最も正確な方法である。しかし、MRI検査もある程度の偽陽性率(破損がなくてもあると判断)と偽陰性率(破損があってもないと判断)を示す上に、費用の面でも負担になり得る。
【0040】
人体は体内に異物が入ると周辺に被膜を形成するが、このような被膜が形成し過ぎて硬くなるのを拘縮と言う。
【0041】
胸にインプラントバッグが挿入されると、血液中の血小板が活性化し、Transforming Growth Factor β (TGF−β)という物質を分泌する。TGF−βは、炎症が発生するインプラントバッグ周囲の単核球(Monocyte)を呼び集める役割をする。単核球は白血球の一種で、炎症部位でマクロファージ(Macrophage)に分化して再びTGF−βを分泌する。これは結局炎症部位の繊維化(Fibroblast)を起こし、これによって合成されたコラーゲンが拘縮を発生させる。
【0042】
図2は、本発明の少なくとも一つの実施例に係るインプラントバッグ110の模式図である。
【0043】
図2に示すように、本発明の少なくとも一つの実施例に係るインプラントバッグ110は、アナトミカル型またはラウンド型の外皮を形成するシェル111、シェル111の内部に注入(充填)されたゲル状態の充填剤であるシリコンゲル112、及びシリコンゲル112を注入するための注入口113を封止するパッチ200で構成される。
【0044】
本発明の少なくとも一つの実施例に係るパッチ200は、インプラントバッグ110に加わる圧力を感知する圧力センサーを含む。
【0045】
図3は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る圧力センサーを備えたパッチ200の模式図である。
図4は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る圧力センサーを備えたパッチ400の模式図である。
【0046】
図3に示すパッチ200は、ゲル状態の充填剤が注入されたインプラントバッグ110に付着または配置時にインプラントバッグ110の内側を向く第1面を形成する第1(内側)バリア211、第1バリア211に接して第1面の反対面である第2面(インプラントバッグ110の外側を向く面)を形成する第2(外側)バリア212、及び第1バリア211の表面(第1面)に配置されたセンサーモジュール300を備える。
【0047】
図4に示すパッチ400は、第1バリア211と第2バリア212の間にセンサーモジュール300が配置される。
【0048】
図3及び
図4では説明の便宜のため、パッチ200、400の第1バリア211と第2バリア212を分けて示しているが、パッチ200、400は第1バリア211と第2バリア212が当接する状態の単一部材で第1バリア211はパッチ200、400の内側面、第2バリア212はパッチ200、400の外側面を構成すると言える。
【0049】
従って、
図3に示すパッチ200は、第1バリア211と第2バリア212が当接する状態の単一部材を形成した後に第1バリア211の外側面の一部にセンサーモジュール300を付着することで形成し、
図4に示すパッチ400は、パッチ400の形成時にパッチ400の内部にセンサーモジュール300が内蔵されるように形成することができる。
【0050】
図5は、本発明の少なくとも一つの実施例に係るセンサーモジュール300の詳細図である。
【0051】
図5に示すように、センサーモジュール300は、二枚の保護フィルム310、330の間に基板320を挟んだフィルムの形態で、基板320にはインプラントバッグに加わる圧力を感知するための少なくとも一つ以上の圧力センサー323、圧力センサー323が感知した圧力信号を外部に送信するためのコントローラ322、及び外部から無線で電力を受信してコントローラ322に電力を供給するための無線電力受信部321で構成される。
【0052】
圧力センサー323は、所定の圧力や力が加えられるとこれに比例する信号を生成する素子で、加えられる圧力または力によって屈折するダイアフラム(Diaphram)センサー、二つの導体板の間に導電性ポリマーを挿入して導体板を介して導電性ポリマーに力が加えられると導電性ポリマーの抵抗が変化するForce Sensing Resistor (FSR)、圧力が加えられると電圧が発生する圧電素子(Piezoelectric Element)などを用いて構成することができる。
【0053】
圧力センサーの代わりに、インプラントバッグのシェルの張力の変化を感知するテンションセンサーを用いることも可能であるが、このような張力の変化もインプラントバッグの破損または拘縮による圧力の変化に比例する物理量であるので、本明細書ではテンションセンサーも圧力センサーの一種とみなす。
【0054】
本発明の少なくとも一つの実施例において、センサーモジュール300は、無線電力受信部321が無線で受信した電力を格納するバッテリー324をさらに備える。
【0055】
即ち、本発明の少なくとも一つの実施例に係るセンサーモジュール300は、バッテリー無しで外部から無線で電力を受信するときにのみ動作する形態でもよいし、バッテリーを備えて無線で電力を充電してバッテリーの電力が放電するまで常時動作する形態でも良い。
【0056】
図6及び
図7は、本発明の少なくとも一つの実施例に係るインプラントバッグの異常感知装置600、700の模式図である。
【0057】
本発明の少なくとも一つの実施例に係る胸インプラントバッグは、
図2に示すように、シリコン材質のシェル111、シェル111内部に充填されたシリコンゲル112、及び少なくとも一つ以上のパッチ200、400で構成される。
【0058】
図6に示すインプラントバッグの異常感知装置600は、胸インプラントバッグに備えられたセンサーモジュール300に無線で電力を送信し、センサーモジュール300から圧力信号を受信し、受信した圧力信号に基づいてインプラントバッグの異常を判断して出力する。
【0059】
インプラントバッグの異常感知装置600は、無線通信が可能で、無線で電力を送信可能なコンピューター、Personal Digital Assistant (PDA)のようなディジタルパッド、スマートフォンなどを含む。
【0060】
図7に示すインプラントバッグの異常感知装置700は、スマートウォッチの形態で、ユーザーが着用可能で、インプラントバッグに備えられたセンサーモジュール300に無線で電力を送信し、センサーモジュール300から圧力信号を受信し、受信した圧力信号に基づいてインプラントバッグの異常を判断して出力する。
【0061】
本発明の少なくとも一つの実施例において、インプラントバッグの異常感知装置600、700は、インプラントバッグが胸に挿入されたときの初期圧力をメモリ(不図示)に格納し、格納された初期圧力とセンサーモジュール300から受信した圧力信号が表す圧力との差が所定の値を超えるとインプラントバッグの異常を出力する。
【0062】
即ち、インプラントバッグの破損や皮膚の拘縮によって圧力に変化が生じると、圧力の変化量に基づいてインプラントバッグの破損または皮膚の拘縮をユーザーに知らせることで、タイムリーにインプラントバッグの除去などが行えるようにする。こうすることで、豊胸手術を受けた女性は施術後に長く安全に美しい胸を維持することに不安を感じないし、定期的に超音波検査やMRI検査をしなくてはならない煩わしさも解消することができる。
【0063】
図8は、本発明の少なくとも一つの実施例に係る圧力センサーを内蔵するパッチ200、400の付着例を示す模式図である。
【0064】
図1に示すように、胸にインプラントバッグを挿入すると、特定の外圧が加えられない状態では人体の外側から加えられる圧力A、人体の内側から加えられる圧力B、及び重力による圧力Cがインプラントバッグ110に加えられる。従って、A、B、及びCの部位の少なくとも一か所以上にパッチ200、400を配置することで、インプラントバッグに異常(破損や拘縮による異常)が発生した場合に圧力の変化を感知してユーザーにインプラントバッグの異常を知らせることができる。
【0065】
図8に示すように、Bの位置には第1バリア211のインプラントバッグの内側を向く面にセンサーモジュール300が配置されたパッチ200または第1バリア211と第2バリア212の間にセンサーモジュール300が配置されたパッチ400を付着することができるし、A及びCの位置にはセンサーモジュール300が直接皮膚組織に接しないようにパッチ400を付着することができる。
【0066】
異常感知装置600、700は、例えば、インプラントバッグの複数の位置(例えば
図1に示したA、B、C)に関連付けて、初期圧力をメモリに格納する。異常感知装置600、700は、例えば、複数の位置に設けられたセンサーモジュール300から受信した複数の圧力信号のいずれかと、それぞれの位置に関連付けてメモリに格納された初期圧力との差が所定の値を超えるとインプラントバッグの異常を出力してもよい。
【0067】
異常感知装置600、700は、一つのセンサーモジュール300から受信した圧力信号に異常があると判定するための閾値となる所定の値を、複数のセンサーモジュール300から受信した圧力信号に異常があると判定するための閾値となる所定の値よりも大きくしてもよい。異常感知装置600、700がこのように構成されていることで、異常の度合いが大きい場合には一箇所に異常があるだけでも異常が発生したことを出力し、異常の度合いが小さく、一箇所の異常であれば許容される範囲である場合に異常が発生したことを出力しないので、必要以上に異常の発生を出力することを防げる。
【0068】
また、異常感知装置600、700は、複数の位置ごとに異なる閾値を用いて異常の有無を判定してもよい。異常感知装置600、700は、例えばインプラントバッグの下部(例えば
図1における位置C)の閾値を、他の位置の閾値よりも小さくまたは大きく設定する。異常感知装置600、700がこのように構成されていることで、位置による圧力の変化の傾向の違いを考慮して、位置に適した異常の判定を行うことができる。
【0069】
図9は、本発明の少なくとも一つの実施例に係るインプラントバッグの異常感知装置600、700についてより具体的に説明するための機能ブロック図である。
【0070】
図9に示すように、本発明の少なくとも一つの実施例に係るインプラントバッグの異常感知装置600、700は、インプラントバッグ110に備えられたインプラントバッグ用のパッチ200、400のセンサーモジュール300に無線で電力を送信するための無線電力送信部910、センサーモジュール300から圧力信号を受信し、受信した圧力信号に基づいてインプラントバッグ110の異常を感知するための異常感知部920、及び異常感知部920がインプラントバッグ110の異常を感知すると、外部にアラームを発生するためのアラーム発生部930で構成される。
【0071】
本発明の少なくとも一つの実施例において、異常感知部920は、インプラントバッグ110が体内に挿入されたときの初期圧力値をメモリ(不図示)に格納し、センサーモジュール300から受信した圧力信号の圧力値と格納された初期圧力値を比較し、比較の結果受信した圧力信号の圧力値と格納された初期圧力値との差が所定の値を超えるとインプラントバッグ110の異常と判断する。
【0072】
本発明の少なくとも一つの実施例において、異常感知部920がインプラントバッグ110の異常を感知すると、アラーム発生部930は、ユーザーが視覚または聴覚で認知可能な手段を介してアラームを出力する。
【0073】
即ち、アラーム発生部930は、異常感知部920がインプラントバッグ110の異常を感知すると、ディスプレイ(不図示)を介して視覚的にユーザーにインプラントバッグ110の異常を知らせ、アラームサウンドを介して聴覚的にユーザーにインプラントバッグ110の異常を知らせる。
【0074】
このように圧力センサーを内蔵するインプラントバッグは、次のような方法で製造することができる。
【0075】
図10及び
図11は、本発明の少なくとも一つの実施例に係るインプラントバッグの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0076】
図10に示す例で、本発明の少なくとも一つの実施例に係るインプラントバッグの製造方法は、充填剤を注入するための注入口を有するインプラントバッグのシェルを形成する工程(ステップS1010)、注入口を介してシェルの内部にゲル状態の充填剤を注入する工程(ステップS1020)、及びシェルの内部に充填剤を注入した後に、第1バリア、第1バリアに接するように構成された第2バリア、及び第1バリアの表面または第1バリアと第2バリアの間にセンサーモジュールを配置したパッチを用いて、第1バリアがシェルの内側に向いて第2バリアがシェルの外側を向く方向に注入口を封止する工程(ステップS1030)を含む。
【0077】
この方法はインプラントバッグの製造段階でセンサーモジュールが配置されたパッチを用いてインプラントバッグを製造する方法であり、センサーモジュールが配置されてない一般的なパッチを用いて製造したインプラントバッグに対しては次のような方法を用いることができる。
【0078】
図11に示す例で、本発明の少なくとも一つの実施例に係るインプラントバッグの製造方法は、シェルの内部にゲル状態の充填剤が注入されたインプラントバッグの一部に、第1バリア、第1バリアに接するように構成された第2バリア、及び第1バリアの表面または第1バリアと第2バリアの間にセンサーモジュールを配置したパッチを、第1バリアがシェルの外側面に接するように付着する工程を含む。
【0079】
このようなインプラントバッグの製造方法において、センサーモジュールは、インプラントバッグに加えられる圧力を感知する少なくとも一つ以上の圧力センサー、圧力センサーが感知した圧力信号を外部に送信するコントローラ、及び外部から無線で電力を受信してコントローラに電力を供給する無線電力受信部を含む。
【0080】
このようなインプラントバッグの製造方法において、センサーモジュールは、無線電力受信部が無線で受信した電力を格納するためのバッテリーをさらに含んでも良い。
【0081】
このように、本発明の少なくとも一つの実施例に係る胸インプラントバッグは、バッテリーを内蔵した生体挿入型のセンサータッグまたは無電池生体挿入型センサータッグを用いて、インプラントバッグに加えられる圧力をモニタリングし、圧力の変化量が予め設定された臨界値以上になるとインプラントバッグの異常感知装置にインプラントバッグの異常を知らせる信号を送出する。
【0082】
例えば、無線通信及び無線電力送受信は、Ultra High Frequency (UHF)帯域のRFID通信装置に自己共振方式を追加して実現できるし、Near Field Communication (NFC)を用いて実現することも可能である。本明細書では、上記のようなフィルムタイプのセンサーモジュールの実現に必要な内容に関しては詳細な説明を省略する。
【0083】
上述のように、本発明の少なくとも一つの実施例によれば、施術後にインプラントバッグの異常を効果的に感知するためのセンサーを内蔵するインプラントバッグ用パッチを提供できる。
【0084】
さらに、本発明の少なくとも一つの実施例によれば、施術後にインプラントバッグの異常を効果的に感知するためのセンサー内蔵パッチを備えるインプラントバッグを提供できる。
【0085】
さらに、本発明の少なくとも一つの実施例によれば、施術後にインプラントバッグの異常を効果的に感知するためのインプラントバッグの異常感知装置を提供できる。
【0086】
さらに、本発明の少なくとも一つの実施例によれば、施術後にインプラントバッグの異常を効果的に感知するためのセンサー内蔵パッチを備えるインプラントバッグの製造方法を提供できる。
【0087】
即ち、本発明の少なくとも一つの実施例によれば、患者は手術の直後からまたは手術後一定時間が経過してもインプラントバッグの状態をリアルタイムで迅速かつ容易に感知することができ、漠然とした恐れをもって病院に行かなくても良いので、より質の良い暮らしができる。さらに、病院に行く必要性をより早くて正確に認知するのに大きな助けになる。
【0088】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【解決手段】インプラントバッグ用パッチは、ゲル状態の充填剤を充填したインプラントバッグに配置時に前記インプラントバッグの内側を向く第1面を形成する第1バリアと、前記第1バリアに接して前記第1面の反対の面である第2面を形成する第2バリアと、前記第1バリアの前記第1面または前記第1バリアと前記第2バリアとの間に配置されたセンサーモジュールと、を備える。前記センサーモジュールは、前記インプラントバッグに加わる圧力を感知するための少なくとも一つ以上の圧力センサーと、前記圧力センサーが感知した圧力信号を外部に送信するためのコントローラと、外部から無線で電力を受信して前記コントローラに電力を供給するための無線電力受信部と、を含む。