(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来技術に存在する技術的問題に対し、インテリジェントマルチカーエレベータシステムを提供し、複数の独立して動作する乗りかごを1本の昇降路に配置可能であるため、輸送効率が大幅に向上し、建築スペースと建築コストが効果的に節約される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
インテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、少なくとも2つの昇降路と、切り替え機構と、動力機構と、複数の乗りかごを含む。前記昇降路には、乗りかごが走行するための軌道が設けられる。隣接する前記昇降路の間に切り替え機構が設けられる。前記乗りかごは、切り替え機構によって、隣接する昇降路間で位置を切り替えられる。前記乗りかごは、動力機構の駆動によって昇降路内または昇降路間で上下に移動しまたは切り替えられる。前記乗りかごは、動力機構の駆動によって任意のフロアに停止し、利用者が乗り降りする。
【0006】
上記技術手段のさらなる改良として、前記システムは、少なくとも2つの隣接する昇降路を含む。前記複数の乗りかごは、同時に昇降路内で上方向または下方向に移行可能である。フロア毎に切り替え機構が設けられている。
【0007】
前記少なくとも2つの昇降路のうち、少なくとも1つが上昇通路であり、少なくとも1つが下降通路である。フロア毎に、上昇エレベータ出入り口と下降エレベータ出入り口がそれぞれ設けられる。前記上昇エレベータ出入り口と下降エレベータ出入り口は、それぞれ昇降路の両側に位置する。
【0008】
各前記昇降路内に走行軌道が設けられる。前記乗りかごは、動力機構の駆動によって、走行軌道に沿って上昇または下降する。
【0009】
前記切り替え機構は、昇降路にヒンジ接続される切り替え軌道を含む。前記切り替え軌道は、昇降路の長手方向に複数設けられる。上下に隣接する切り替え軌道は、エンドツーエンドに接続される。フロア毎に切り替え軌道が設けられている。
【0010】
前記切り替え機構は、切り替えドライバをさらに含む。前記切り替え軌道は、ペアで設けられる。各切り替え軌道に1つの切り替えドライバが設けられる。前記切り替え軌道の中間部分は、昇降路にヒンジ接続される。前記切り替え軌道は、切り替えドライバによって回転駆動され、隣接する昇降路内の軌道に接離する。
【0011】
前記切り替え軌道は、円弧状である。
【0012】
前記切り替えドライバは、昇降路に固定された油圧ジャッキである。
【0013】
前記走行軌道と切り替え軌道は、ともにラックレールである。前記ラックレールは、スチールフレームと、固定溝と、ラックで構成される。前記スチールフレームの片側にラックが配置され、反対側に固定溝が配置される。前記ラックは、動力機構と噛み合い、前記固定溝は、動力機構と噛み合う。
【0014】
前記システムは、移送機構をさらに含む。階のフロアには、複数のエレベータ出入り口が設けられる。前記移送機構は、階に設けられる。複数の前記乗りかごは、移送機構によって複数のエレベータ出入り口間で移動する。
【0015】
前記移送機構は、移送チェッカーと複数の移送軌道を含む。各エレベータ出入り口は、1つの移送チェッカーに対応する。前記昇降路は、複数のエレベータ出入り口の側面に接続される。前記移送チェッカーは、移送軌道で移動する。前記乗りかごは、移送チェッカーによってエレベータ出入り口と昇降路との間で移動する。
【0016】
前記システムは、階のフロアの下の最下層に位置する最下層メンテナンス機構をさらに含む。前記最下層メンテナンス機構は、円形軌道と移送チェッカーを含む。前記昇降路は、円形軌道に位置する。前記乗りかごは、昇降路に沿って円形軌道に下降する。前記乗りかごは、移送チェッカーによって円形軌道で移動する。前記乗りかごは、走行しないときに円形軌道に止まる。
【0017】
前記最下層メンテナンス機構は、円形軌道の両側に連通するメンテナンス軌道をさらに含む。
【0018】
前記移送軌道、円形軌道およびメンテナンス軌道は、いずれもラックレールである。前記ラックレールは、スチールフレームと、固定溝と、ラックで構成される。前記スチールフレームの片側にラックが配置され、反対側に固定溝が配置される。前記ラックは、動力機構と噛み合い、前記固定溝は、動力機構と噛み合う。
【0019】
前記移送チェッカーの底部に全方向走行輪が設けられている。
【0020】
前記動力機構は、メイン動力機構と切り替え動力機構とを含む。前記メイン動力機構は、モータ、ギア、クローラーベアリング、支持プレートおよび取付ブラケットを含む。前記支持プレートは、取付ブラケットに取り付けられる。前記モータとクローラーベアリングは、支持プレートに取り付けられる。前記ギアは、モータによって駆動される。前記ギアは、ラックと噛み合う。前記クローラーベアリングは、固定溝と噛み合う。前記切り替え動力機構は、ローラーガイドレール、スプリングおよび位置決め装置を含む。前記取付ブラケットは、ローラーガイドレールのスライドバーに固定される。前記ローラーガイドレールのスライダーは、乗りかごに固定される。前記スライドバーは、スライダでスライド可能に配置される。前記スプリングは、一端がスプリング固定プレートによって乗りかごに固定され、他端が位置決め装置に固定接続される。前記位置決め装置は、スライドバーに接続され、スライドバーの摺動または固定を制御する。
【0021】
前記支持プレートと取付ブラケットとの間に緩衝器が設けられている。
【0022】
前記位置決め装置は、乗りかごに取り付けられた軌道剪断ロックと、スライドバーに固定されたプッシュブロックを含む。前記スプリングの他端は、プッシュブロックに固定される。前記軌道剪断ロックは、プッシュブロックのスプリングに接続される側に位置し、プッシュブロックの移動を制限する。
【0023】
前記動力機構は、乗りかごの相対する両側にそれぞれ4つ、各側に2つ、対称に設けられている。
【0024】
前記システムは、フロアの最上階に位置する最上階軌道機構をさらに含む。前記最上階軌道機構は、楕円形で閉じた最上階軌道および複数の最上階チェッカーを含む。前記最上階軌道は、昇降路に接続される。前記最上階チェッカーは、最上階軌道でスライド可能である。前記乗りかごは、最上階チェッカーによって各昇降路間で位置を切り替えられる。
【0025】
上記技術手段の一つの実施形態として、前記昇降路は、2つ設けられ、そのうちの一方が上昇通路であり、他方が下降通路であり、前記切り替え機構は、2つの昇降路の間に設けられ、前記乗りかごは、切り替え機構によって上昇通路または下降通路の間で切り替えられる。
【0026】
上記技術手段の第3の実施形態として、前記昇降路は、3つ設けられ、上昇通路と、下降通路と、上昇通路と下降通路の間に位置する補助的通路を含み、隣接する2つの前記昇降路の間に切り替え機構が設けられ、前記乗りかごは、切り替え機構によって、上昇通路と補助的通路の間で切り替えられ、または、下降通路と補助的通路の間で切り替えられる。
【0027】
前記上昇通路と補助的通路の間の切り替え機構と、下降通路と補助的通路の間の切り替え機構とは、エンドツーエンドに接続されている。
【0028】
上記技術手段の第4の実施形態として、前記昇降路は、4つ設けられ、順に、上昇通路と、補助的上昇通路と、補助的下降通路と、下降通路を含み、隣接する2つの前記昇降路の間に切り替え機構が設けられ、前記乗りかごは、切り替え機構によって、上昇通路と補助的上昇通路の間、下降通路と補助的下降通路の間、または、補助的上昇通路と補助的下降通路の間で切り替えられる。
【0029】
隣接する前記昇降路内の切り替え機構は、エンドツーエンドに接続されている。
【0030】
上記技術手段の第5の実施形態として、前記昇降路は、6つ設けられ、順に、上昇通路と、補助的上昇通路と、上昇快速通路と、下降快速通路と、補助的下降通路と、下降通路を含み、隣接する2つの前記昇降路の間に切り替え機構が設けられ、前記乗りかごは、切り替え機構によって、隣接する昇降路の間で切り替えられる。
【0031】
前記切り替え機構は、プーリーおよびスライドレールアセンブリを含む。前記スライドレールアセンブリは、少なくとも2つでスリーブ接続されたスライドレールからなる。すべての前記スライドレールの長さは、隣接する昇降路の幅以上である。前記スライドレールは、スライドレールによって駆動され、他のスライドレールに対して伸び出しまたは戻るようにスライドする。前記プーリーは、スライドレールに摺動可能に設けられている。
【0032】
上記技術手段の第6の実施形態として、メイン軌道機構と、サブ軌道機構と、移送機構と、最下層メンテナンス機構をさらに含み、前記切り替え機構は、メイン軌道機構とサブ軌道機構を接続し、前記乗りかごは、切り替え機構によって、メイン軌道機構とサブ軌道機構の間で切り替えられ、前記移送機構は、地上の階のフロアに位置し、複数の前記乗りかごは、移送機構によって階の複数のエレベータ入口で移動し、前記最下層メンテナンス機構は、地面下に位置する地下室に設けられ、メイン軌道機構とサブ軌道機構の底部に位置し、階の各エレベータ入口に接続し、前記乗りかごは、動力機構に駆動されて上下に走行しまたは切り替えられ、走行する場合、前記複数の乗りかごは、同時にメイン軌道機構内で上下し、各前記乗りかごは、切り替え機構によって、それぞれメイン軌道機構からサブ軌道機構に切り替えられ、利用者が乗り降りする。
【0033】
前記メイン軌道機構は、上昇メイン軌道および下降メイン軌道を含む。前記サブ軌道機構は、上昇サブ軌道および下降サブ軌道を含む。前記上昇サブ軌道および下降サブ軌道は、上昇メイン軌道および下降メイン軌道の間に位置する。フロアへのアクセス通路は、上昇サブ軌道および下降サブ軌道の間に位置する。
【0034】
前記切り替え機構は、複数の円弧状の切り替え軌道と切り替えドライバを含む。前記切り替え軌道は、乗りかごの上昇または下降方向に沿ってペアで離間して設けられる。ペアとして用いられる場合、そのうちの一方の切り替え軌道は、上昇メイン軌道の中間部分または下降メイン軌道の中間部分に位置し、他方の切り替え軌道は、上昇サブ軌道の中間部分または下降サブ軌道の中間部分に位置する。各切り替え軌道に1つの切り替えドライバが設けられる。前記切り替え軌道の中間部分は、昇降路にヒンジ接続される。前記切り替え軌道は、切り替えドライバによって回転駆動され、メイン軌道機構とサブ軌道機構に接離する。
【0035】
前記メイン軌道機構とサブ軌道機構は、フロア数に応じてn個のユニットに分けられる。各ユニットの上端と下端に切り替え機構が設けられる。上端と下端の切り替え軌道は、対称に配置されている。
【0036】
前記上昇メイン軌道、下降メイン軌道、上昇サブ軌道、下降サブ軌道および切り替え軌道は、いずれもラックレールである。前記ラックレールは、スチールフレームと、固定溝と、ラックで構成される。前記スチールフレームの片側にラックが配置され、反対側に固定溝が配置される。前記ラックは、動力機構と噛み合い、前記固定溝は、動力機構と噛み合う。
【0037】
前記移送機構は、移送チェッカーと複数の移送軌道を含む。階に複数のエレベータ入口が設けられる。複数の前記エレベータ入口は、2列に配置される。各エレベータ入口に1つの移送チェッカーが設けられる。前記メイン軌道機構は、移送軌道の中間部分に接続される。前記移送チェッカーは、移送軌道で移動する。各前記移送チェッカーは、移送軌道を介してメイン軌道機構に接続される。前記乗りかごは、移送チェッカーによって各エレベータ入口に搬送される。
【0038】
前記最下層メンテナンス機構は、円形軌道と移送チェッカーを含む。前記昇降路は、円形軌道に位置する。前記乗りかごは、昇降路に沿って円形軌道に下降する。前記乗りかごは、移送チェッカーによって円形軌道で移動する。前記乗りかごは、走行しないときに円形軌道に止まる。
【0039】
前記最下層メンテナンス機構は、円形軌道に沿って設けられた2つのメンテナンス軌道をさらに含む。
【0040】
前記移送軌道、円形軌道およびメンテナンス軌道は、いずれもラックレールである。前記ラックレールは、スチールフレームと、固定溝と、ラックで構成される。前記スチールフレームの片側にラックが配置され、反対側に固定溝が配置される。前記ラックは、動力機構と噛み合い、前記固定溝は、動力機構と噛み合う。
【0041】
前記移送チェッカーの底部に全方向走行輪が設けられている。
【0042】
前記動力機構は、メイン動力機構と切り替え動力機構とを含む。前記メイン動力機構は、モータ、ギア、クローラーベアリング、支持プレートおよび取付ブラケットを含む。前記支持プレートは、取付ブラケットに取り付けられる。前記モータとクローラーベアリングは、支持プレートに取り付けられる。前記ギアは、モータによって駆動される。前記ギアは、ラックと噛み合う。前記クローラーベアリングは、固定溝と噛み合う。前記切り替え動力機構は、ローラーガイドレール、スプリングおよび位置決め装置を含む。前記取付ブラケットは、ローラーガイドレールのスライドバーに固定される。前記ローラーガイドレールのスライダーは、乗りかごに固定される。前記スライドバーは、スライダでスライド可能に配置される。前記スプリングは、一端がスプリング固定プレートを介して乗りかごに固定され、他端が位置決め装置に固定接続される。前記位置決め装置は、スライドバーに接続され、スライドバーの摺動または固定を制御する。
【0043】
前記支持プレートと取付ブラケットとの間に緩衝器が設けられている。
【0044】
前記位置決め装置は、乗りかごに取り付けられた軌道剪断ロックと、スライドバーに固定されたプッシュブロックを含む。前記スプリングの他端は、プッシュブロックに固定される。前記軌道剪断ロックは、プッシュブロックのスプリングに接続される側に位置し、プッシュブロックの移動を制限する。
【0045】
前記動力機構は、乗りかごの相対する両側にそれぞれ4つ、各側に2つ、対称に設けられている。
【0046】
前記エレベータは、最上階軌道機構をさらに含む。前記最上階軌道機構は、楕円形で閉じた最上階軌道および複数の最上階チェッカーを含む。前記最上階軌道は、メイン軌道機構とサブ軌道機構に接続される。前記最上階チェッカーは、最上階軌道でスライド可能である。前記メイン軌道機構、サブ軌道機構は、最上階チェッカーを介して接続されている。
【0047】
前記メイン軌道機構とサブ軌道機構は、フロア数に応じてn個のユニットに分けられる。各ユニットに切り替え機構が設けられている。
【0048】
前記メイン軌道機構は、上昇メインチェーン軌道および下降メインチェーン軌道を含む。前記上昇メインチェーン軌道および下降メインチェーン軌道には、複数の乗りかごリフティングプラットフォームが固定されて設けられる。各乗りかごは、1つの乗りかごリフティングプラットフォームに対応する。前記乗りかごは、メイン軌道機構にある場合、乗りかごリフティングプラットフォームによって昇降する。
【0049】
上記技術手段の第7の実施形態として、前記サブ軌道機構は、上昇サブ機構と下降サブ機構を含み、上昇サブ機構と下降サブ機構は、上昇メインチェーン軌道および下降メインチェーン軌道の間に位置し、フロアへのアクセス通路は、上昇サブ機構と下降サブ機構の間に位置し、前記サブ軌道機構は、牽引装置を含み、各ユニットに1つの牽引装置が設けられ、前記牽引装置は、牽引ボックス、牽引ロープおよび吊り下げボックスを含み、前記牽引ボックスは、各ユニットの上部に固定され、前記牽引ロープは、一端が牽引ボックスに巻き付けられ、他端が吊り下げボックスに固定接続され、前記吊り下げボックスの乗りかごリフティングプラットフォームに面する側には、乗りかごの出入り口が設けられ、前記牽引ボックスは、牽引ロープを介して吊り下げボックスを昇降させる。
【0050】
前記切り替え機構は、ばね板を含む。前記ばね板は、吊り下げボックスの側面にヒンジ接続される。前記ばね板は、吊り下げボックスに近接しまたは乗りかごリフティングプラットフォームに接続するように、シリンダーによって回転駆動される。
【0051】
前記サブ軌道機構は、牽引ロープの一端に固定されて接続されたカウンターウェイトをさらに含む。
【0052】
前記乗りかごリフティングプラットフォームには、位置決め溝が設けられ、前記乗りかごの底部には、位置決め溝に組み合わせられて位置決められる位置決め突起が設けられている。
【0053】
前記乗りかごリフティングプラットフォームおよび吊り下げボックスのそれぞれには、乗りかごの移動をプッシュするための油圧ジャッキが設けられている。
【0054】
前記メイン軌道機構は、補助的固定ガイドレールをさらに含む。前記乗りかごには、安定化支持フレームが設けられる。前記安定化支持フレームは、一端が乗りかごにヒンジ接続され、他端が補助的固定ガイドレールに組み合わせられて接続される。前記安定化支持フレームは、補助的固定ガイドレールに沿って摺動する。前記安定化支持フレームは、シリンダーに回転駆動されて補助的固定ガイドレールに接離する。
【0055】
前記上昇メインチェーン軌道と下降メインチェーン軌道は、4つ設けられ、乗りかごの4つのコーナーにそれぞれ配置される。各前記上昇メインチェーン軌道または下降メインチェーン軌道は、1つの補助的固定ガイドレールが対応付けられて配置されている。
【0056】
前記移送機構は、移送チェッカー、複数の移送軌道および補助的移送昇降路を含む。階に複数のエレベータ入口が設けられる。複数の前記エレベータ入口は、2列に配置される。すべてのエレベータ入口の扉は、すべて対向に設けられるのではない。前記メイン軌道機構とサブ軌道機構は、列のエレベータ入口の間に垂直に位置する。前記サブ軌道機構は、上昇メインチェーン軌道と下降メインチェーン軌道の間に位置する。前記補助的移送昇降路は、2つ設けられ、上昇メインチェーン軌道と下降メインチェーン軌道の外側にそれぞれ設けられる。前記各エレベータ入口に1つの移送チェッカーが設けられる。前記サブ軌道機構は、エレベータ入口との間、または、補助的移送昇降路を介してエレベータ口との間で、移動軌道を介して接続される。前記移送チェッカーは、移送軌道で移動する。前記乗りかごは、移送チェッカーによって各エレベータ入口に搬送される。
【0057】
前記補助的移送昇降路は、最下部のフロアユニットに位置する。前記補助的移送昇降路には、牽引装置と切り替え機構が設けられている。
【0058】
前記エレベータは、最上階軌道機構をさらに含む。前記最上階軌道機構は、楕円形で閉じた最上階軌道と、2つの補助的リフティング昇降路と、少なくとも1つの最上階チェッカーを含む。前記最上階チェッカーは、最上階軌道で摺るように設けられる。前記上昇サブ機構、下降サブ機構および補助的リフティング昇降路は、最上階チェッカーを介して接続されている。
【0059】
前記補助的リフティング昇降路は、2つ設けられ、最上部のフロアユニットに位置する。前記補助的リフティング昇降路は、メイン軌道機構の外側に位置する。前記補助的リフティング昇降路には、牽引装置と切り替え機構が設けられている。
【0060】
前記フロア毎に乗りかごリフティングプラットフォームが設けられている。
【0061】
前記システムは、重量検出モジュールとセンシングモジュールと処理モジュールと安全モジュールとを含んだインテリジェント制御システムをさらに含む。乗りかごに取り付けられた重量検出モジュールは、各時間帯、各フロアの乗りかごの重量を記録し、データを処理モジュールに伝送して記憶し、データベースを確立する。センシングモジュールは、乗りかごの走行速度、温度を検出し、検出したデータを処理モジュールに伝送する。処理モジュールは、データベースのデータに基づいて分析し、ラッシュアワーと高頻度フロアを特定し、走行する乗りかごの数を割り当てる。プロセッサは、システムに故障の発生を判断すると、信号を安全モジュールに送信する。安全モジュールは、走行させる乗りかごの数を減らす。
【発明の効果】
【0062】
本発明のインテリジェントマルチカーエレベータシステムは、乗客や貨物を搬送する高層住宅ビル、オフィスビル、大型ショッピングモールなどの場所でのエレベータ輸送システムに適用し、従来のエレベータに比較し、以下の利点を有する。
(1)本発明のインテリジェントマルチカーエレベータシステムは、輸送効率が高く、1台の乗りかごが複数の昇降路で走行し、同一昇降路内に複数の乗りかごが同時に走行可能であり、各乗りかごが互いに干渉せず、ラッシュアワーの待ち時間を大幅に短縮させる。1棟の50階の建築物を例とし、各ユニットが4フロアからなるとする。各パラメータに基づき、最大エレベータ走行速度を4m/sに設計するのであれば、緊急ブレーキ加速度は、約5m/s
2であり、各乗りかごの最小安全距離は、約4mである。2本昇降路並行型エレベータは、最少で同時に14台の乗りかごが走行可能であり、輸送量が普通のエレベータの7倍に相当する。3本昇降路並行型エレベータは、最少で同時に27台の乗りかごが走行可能であり、輸送量が普通のエレベータの9倍に相当する。4本昇降路並行型エレベータは、最少で同時に40台の乗りかごが走行可能であり、輸送量が普通のエレベータの10倍に達する。
(2)本発明のインテリジェントマルチカーエレベータシステムは、乗客や貨物を搬送する高層住宅ビル、オフィスビル、大型ショッピングモールなどの場所でのエレベータ輸送機構に適用し、輸送効率が高く、同じ昇降路に同時に複数の乗りかごが走行可能であり、各乗りかごが互いに干渉せず、ラッシュアワーの待ち時間を大幅に短縮させる。1棟の80階の建築物を例とし、安全距離を2フロアに設定すると、上昇ユニットと下降ユニットは、それぞれ20個設定可能であり、各ユニットでは同時に2つの乗りかごが走行可能であり、サブ軌道では、同時に80台の乗りかごが走行可能であり、メイン軌道では、同時に80台の乗りかごが走行可能であり、1つのエレベータにおける乗りかごの最大数は、160台に達する。
(3)本発明のインテリジェントマルチカーエレベータシステムは、高い安全性能を有し、ギア駆動システムを採用して、牽引ロープが破損して乗りかごが落下する危険性を根本的に防止し、輸送力が大きく、構造が安定しており、安全で信頼可能であり、日常の点検やメンテナンスおよび緊急時の迅速な対応が便利であり、安全性能が保証できる。
(4)本発明のインテリジェントマルチカーエレベータシステムは、コストが低く、占有する建物面積が少なく、建物面積および建物コストを節約する。
(5)本発明のインテリジェントマルチカーエレベータシステムは、妨害や混雑の場合、または、ある昇降路にエレベータの故障が生じた場合でも、走行可能であり、時間を節約し、動作効率が高い。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。なお、ここに記載される具体的な実施形態は、単に本発明の説明と解釈に用いられるものであり、本発明を制限するために用いられない。
【0065】
(実施例1)
図1、
図2および
図9〜
図20に示されている本発明のインテリジェントマルチカーエレベータシステムの第1の実施形態として、2つの隣接する昇降路9と、切り替え機構4と、動力機構7と、複数の乗りかご1を含む。複数の乗りかご1は、同時に昇降路9内で上方向または下方向に移行可能であり、フロア毎に切り替え機構4が設けられている。乗りかご1は、切り替え機構4によって、2つの昇降路9間で切り替えられる。乗りかご1は、動力機構7の駆動によって上下に移動しまたは切り替えられる。乗りかご1は、動力機構7の駆動によって任意のフロアに停止し、利用者が乗り降りする。
【0066】
本実施例において、すべての軌道は、ペアで設けられている。
【0067】
本実施例において、2つの昇降路9のうち、一方が上昇通路11であり、他方が下降通路12である。フロア毎に、上昇エレベータ出入り口と下降エレベータ出入り口がそれぞれ設けられ、上昇エレベータ出入り口と下降エレベータ出入り口は、それぞれ昇降路9の両側に位置する。各昇降路9内に走行軌道が設けられ、乗りかご1は、動力機構7の駆動によって、走行軌道に沿って上昇または下降する。
【0068】
図15〜17に示すように、本実施例において、切り替え機構4は、切り替え軌道41と切り替えドライバ42を含む。切り替え軌道41は、円弧状であり、両端が斜角状である。各切り替え軌道41に1つの切り替えドライバ42が設けられる。切り替えドライバ42は、昇降路9に固定された油圧ジャッキである。切り替え軌道41は、ペアで設けられ、一方の切り替え軌道41の中間部分は、上昇通路11の昇降路9にヒンジ接続され、他方の切り替え軌道41の中間部分は、下降通路12の昇降路9にヒンジ接続される。切り替え軌道41は、昇降路9の長手方向に複数設けられ、上下に隣接する切り替え軌道41は、エンドツーエンドに接続され、フロア毎に切り替え軌道41が設けられている。
図16(a)と
図16(b)に示すように、切り替え軌道41は、油圧ジャッキによって回転駆動され、回転して展開する際に2つの昇降路9内の対応する走行軌道に接続し、回転して回収する際に2つの昇降路9内の走行軌道との接続が解除される。すべての切り替え軌道41が走行軌道に接続した場合、すべての切り替え軌道41は、連続する「S」字型を形成し、かつ、隣接する切り替え軌道41は、エンドツーエンドに接続される。
【0069】
本実施例において、走行軌道と切り替え軌道41は、ともにラックレールである。ラックレールは、スチールフレーム23と、固定溝24と、ラック25で構成される。スチールフレーム23の片側にラック25が配置され、反対側に固定溝24が配置される。ラック25は、動力機構7と噛み合い、固定溝24は、動力機構7と噛み合う。エレベータ給電、信号軌道は、固定溝24の片側に取り付けられる。ラックレール毎に、それぞれ動力機構7に接続する2本の給電/信号線軌道が取り付けられる。
【0070】
図17(a)〜
図17(c)に示すように、乗りかご1が上昇通路11から下降通路12に切り替えようとする場合、動力機構7は、制御信号を受信する。油圧ジャッキは、切り替え軌道41の切り替え支点に作用し、切り替え軌道41が展開するようにプッシュし、上昇通路11と下降通路12を連通させる。乗りかご1が下降通路12に移行してから、油圧ジャッキから切り替え軌道41に印加されるプッシュ力が徐々に小さくなり、切り替え軌道41が回収され、上昇通路11と下降通路12が正常な動作に復帰する。
【0071】
図20に示すように、本実施例において、システムは、送機構5をさらに含む。移送機構5は、1階に設けられる。移送機構5は、移送チェッカー51と複数の移送軌道52を含む。1階のフロアには、複数のエレベータ出入り口が設けられる。各エレベータ出入り口は、1つの移送チェッカー51に対応する。上昇通路11と下降通路12は、複数のエレベータ出入り口の側面に接続される。移送チェッカー51は、移送軌道52で移動する。乗りかご1は、移送チェッカー51によってエレベータ出入り口と上昇通路11または下降通路12との間で移動する。移送チェッカー51の底部に全方向走行輪が設けられ、複数方向で動作可能であり、曲がる際に、乗りかご1が回転せず、乗りかご1は、移送軌道52の2本の垂直方向の軌道で移送する際に水平動作を維持する。乗りかご1は、上昇する際に移送チェッカー51によって各エレベータ出入り口から移送軌道52に沿って上昇通路11まで搬送されて上昇する。下降する際に、乗りかご1は、下降通路12に沿って1階に達してから、移送チェッカー51によって各エレベータ出入り口まで搬送されて、利用者が降りる。
【0072】
図19に示すように、本実施例において、システムは、1階のフロアの下の最下層に位置する最下層メンテナンス機構6をさらに含む。地下に駐車場が設けられた場合、最下層は、駐車場の下の階である。最下層メンテナンス機構6は、一番下の階に位置する必要がある。最下層メンテナンス機構6は、円形軌道61と移送チェッカー51を含む。上昇通路11と下降通路12は、円形軌道61に接続する。乗りかご1は、下降通路12から円形軌道61まで下降し、移送チェッカー51によって円形軌道61を移動する。乗りかご1は、走行しないときに円形軌道61に止まる。上昇する必要がある場合、乗りかご1は、移送チェッカー51によって円形軌道61に沿って上昇通路11まで搬送され、ランダム的に各上昇通路11に振り分けられる。
【0073】
本実施例において、最下層メンテナンス機構6は、円形軌道61の両側に連通するメンテナンス軌道62をさらに含む。乗りかご1は、故障したり点検・メンテナンスが必要であったりする場合、メンテナンス軌道62まで搬送され、ほかの乗りかご1の走行を干渉しない。
【0074】
本実施例において、移送軌道52、円形軌道61およびメンテナンス軌道62は、いずれもラックレールである。ラックレールは、スチールフレーム23と、固定溝24と、ラック25で構成される。スチールフレーム23の片側にラック25が配置され、反対側に固定溝24が配置される。ラック25は、動力機構7と噛み合い、固定溝24は、動力機構7と噛み合う。
【0075】
図9〜
図12に示すように、本実施例において、動力機構7は、メイン動力機構と切り替え動力機構とを含む。メイン動力機構は、モータ71、ギア72、クローラーベアリング73、支持プレート74および取付ブラケット75を含む。取付ブラケット75は、「L」型スチール板である。支持プレート74は、取付ブラケット75の片側に取り付けられる。支持プレート74と取付ブラケット75との間に緩衝器741が設けられている。モータ71とクローラーベアリング73は、支持プレート74に取り付けられる。ギア72は、モータ71によって駆動される。ギア72は、ラック25と噛み合う。クローラーベアリング73は、固定溝24と噛み合う。ギア72の伝動バー側に安定化ベアリングが取り付けられ、走行プロセスの安定化を保証する。支持プレート74におけるクローラーベアリング73の両端には、電源と信号を受信するためのコントローラが設けられる。
【0076】
切り替え動力機構は、ローラーガイドレール76、スプリング77および位置決め装置を含む。取付ブラケット75の他側は、ローラーガイドレール76のスライドバー761に固定される。ローラーガイドレール76のスライダ762は、乗りかご1に固定される。スライドバー761は、スライダ762でスライド可能に配置される。スプリング77は、一端がスプリング固定プレート771によって乗りかご1に固定され、他端が位置決め装置に固定接続される。位置決め装置は、スライドバー761に接続され、スライドバー761の摺動または固定を制御して安全に軌道を切り替えることを確保する。
【0077】
本実施例において、位置決め装置は、乗りかご1に取り付けられた軌道剪断ロック78と、スライドバー761に固定されたプッシュブロック79とを含む。スプリング77の他端は、プッシュブロック79に固定される。軌道剪断ロック78は、プッシュブロック79のスプリング77に接続される側に位置し、プッシュブロック79の移動を制限する。
【0078】
切り替え動力機構は、2つ設けられる。取付ブラケット75は、2つのスライドバー761に固定される。スライダ762は、4つ設けられ、各スライドバー761に2つ設けられる。取付ブラケット75は、2つのスライダ762の間に位置する。スライドバー761の移動でメイン動力機構を動かせる。軌道の切り替えの際に、軌道剪断ロック78を動かし、スライドバー761のロックを解除し、切り替え軌道41からギア72とクローラーベアリング73への圧力によって、メイン動力機構全体をスライドさせ、メイン動力機構は、スプリング77を圧縮させ、切り替え動力機構は、切り替え軌道41の斜角部分での走行中に収縮が完了する。乗りかご1が切り替え軌道41の他側の斜角部分に走行すると、軌道から切り替え動力機構への圧力が徐々に小さくなり、メイン動力機構によってスプリング77を伸長させ、メイン動力機構が元の位置に復帰するようにプッシュする。
【0079】
本実施例において、
図11に示すように、動力機構7は、乗りかご1の相対する両側にそれぞれ4つ、各側に2つ、対称に設けられている。各メイン動力機構に1つの加速度センサが取り付けられ、ギア72の振動をリアルタイムに監視し、エレベータの各構成部品の動作状況を把握し、軌道と各乗りかご1のメイン動力機構の異常を発見し、故障の位置決めを行い、適時の点検とメンテナンスに有利であり、エレベータの安全性を保証する。4つの動力機構7のうち、1(
図11では丸数字)号動力機構7のコントローラは、電源の+極に接続し、2(
図11では丸数字)号動力機構7のコントローラは、電源の−極に接続し、3(
図11では丸数字)号動力機構7のコントローラは、信号線の+極に接続し、4(
図11では丸数字)号動力機構7のコントローラは、信号線の−極に接続する。
【0080】
図18に示すように、本実施例において、システムは、フロアの最上階に位置する最上階軌道機構8をさらに含む。最上階軌道機構8は、楕円形で閉じた最上階軌道81および複数の最上階チェッカー82を含む。最上階軌道81は、上昇通路11と下降通路12に接続される。最上階チェッカー82は、最上階軌道81でスライド可能である。乗りかご1は、最上階チェッカー82によって各昇降路9間で位置を切り替えられる。上昇する乗りかご1は、上昇通路11で最上階に達すると、最上階チェッカー82によって下降通路12に移送され、乗りかごの走行サイクルが実現される。
【0081】
本発明のシステムは、さらにインテリジェント制御システムを含む。インテリジェント制御システムは、重量検出モジュールと、センシングモジュールと、処理モジュールと、安全モジュールとを含む。乗りかご1に取り付けられた重量検出モジュールは、各時間帯、各フロアの乗りかごの重量(すなわち利用者量)を記録し、データを処理モジュールに伝送して記憶し、データベースを確立する。センシングモジュールは、乗りかごの走行速度、温度を検出し、検出したデータを処理モジュールに伝送する。処理モジュールは、データベースのデータに基づいて分析し、ラッシュアワーと高頻度フロアを特定し、走行する乗りかご1の数を割り当て、輸送効率を向上させる。プロセッサは、システムが故障発生したと判断すると、信号を安全モジュールに送信する。安全モジュールは、走行させる乗りかご1の数を減らす。
【0082】
処理モジュールは、乗りかご1および各軌道に対する夜間または早朝でのセルフ検査を制御する。乗りかご1が利用者を乗せないまま軌道で一回の完全なサイクルを完了し、各乗りかご1が各軌道で一回走行し、システム全体の各部分がすべて一回動作することを保証する。センシングモジュールのセンサ検出によって、エレベータの走行状況を把握し、システムの異常部材を発見し、安全問題に対応する。乗りかご1の並行は、上昇、下降軌道と上昇、下降利用者出入り軌道の並行、各ユニットの間の並行および上下の並行を含む。乗りかご1が上昇/下降走行軌道で走行し、利用者が呼び出しボタンを押すと、乗りかご1が上昇/下降利用者出入り軌道に入り、利用者が乗り降りし、上昇/下降走行軌道内のほかの乗りかごが通常通りに走行する。乗りかご1は、あるユニットで利用者が乗り降りする際に、ほかのユニット内の乗りかご1の走行に影響を与えない。上昇走行軌道と下降走行軌道とは独立であり、各乗りかご1の上昇時に、他方の下降走行軌道内の乗りかご1の走行は干渉されない。
【0083】
ある部分の軌道に故障が生じると、エレベータシステムは安全モードに移行する。安全モジュールは、走行させる乗りかご1の数を減らす。故障箇所の近くでは、切り替え軌道41またはほかの非常用切り替え軌道41が連通し、非常用出入口が開放し、乗りかご1がほかの軌道に切り替えて故障箇所を避け、エレベータシステムが引き続き走行する。
【0084】
2本昇降路のマルチカー並行エレベータシステムは、走行時に、その軌跡として、
図1に示すように、2つの昇降路9には複数の乗りかご1が同時に走行する。
【0085】
上昇:乗りかご1が上昇通路11で1階から利用者を乗せて上へ走行する場合、1つ前の乗りかご1が4階に止まり、利用者が乗り降りする。当該乗りかご1が3階近くまで走行すると、切り替え軌道41が展開して上昇通路11と下降通路12を連通する。乗りかご1が下降通路12に入り、3階での切り替え軌道41が回収され、乗りかご1が下降通路12で上へ走行する。6階での切り替え軌道41が展開し、乗りかご1が切り替え軌道41に沿って上昇通路11に戻り、利用者を指定フロアに送り届ける。途中でほかの乗りかごに阻まれた場合、同様に切り替え軌道41によって下降通路12に変更し、妨害となる乗りかご1を避け、すべての利用者を送り届けた後に上昇して最上階軌道81に入る。最上階チェッカー82内のラックと上昇通路11内の走行軌道が繋ぐため、乗りかご1が最上階チェッカー82に走行する。最上階チェッカー82は、最上階軌道81に沿って走行し、乗りかご1を下降通路12まで搬送する。
【0086】
下降時:乗りかご1が下降通路12内で50階から利用者を乗せて下へ走行する場合、1つ前の乗りかご1が46階に止まり、利用者が乗り降りする。当該乗りかご1が47階の近くまで走行すると、切り替え軌道41が展開して上昇通路11と下降通路12を連通する。乗りかご1が上昇通路11に入り、47階での切り替え軌道41が回収され、乗りかご1が上昇通路11内で下へ走行する。44階での切り替え軌道41が展開し、乗りかご1が切り替え軌道41に沿って下降通路12に戻り、利用者を指定フロアに送り届ける。途中でほかの乗りかごに阻まれた場合、同様に切り替え軌道41によって上昇通路11に変更して妨害を避ける。乗りかご1が引き続き利用者を乗せて1階または地下駐車場まで下降する。乗りかご1に利用者がいないことを確認してから引き続き最下層メンテナンス機構6まで下降する。乗りかご1が下降通路12の入り口で移送チェッカー51によって円形軌道61に沿って上昇通路11まで搬送され、1階まで上昇すると、エレベータ出入り口で利用者を乗せ、引き続き上昇して走行し、1つの乗りかご1の1回のサイクルが完了する。乗りかご1の数は、実際のニーズに応じて調整される。各乗りかご1は、独立に走行し、互いに干渉せず、繰り返して走行する。乗りかご1に故障があると、メンテナンス軌道62に搬送される。乗りかご1のメンテナンスおよび点検作業は、単独のメンテナンス軌道62で行われ、システム全体の走行への干渉が避けられる。
【0087】
(実施例2)
図3と
図4には、本発明のインテリジェントマルチカーエレベータシステムの第2の実施形態が示されている。実施例1との相違点として、本実施例では、昇降路9が3つ設けられていることにある。
【0088】
本実施例において、昇降路9は、3つ設けられ、上昇通路11と、下降通路12と、上昇通路11と下降通路12の間に位置する補助的通路13を含む。隣接する2つの昇降路9の間に切り替え機構4が設けられる。乗りかご1は、切り替え機構4によって、上昇通路11と補助的通路13の間で切り替えられ、または、下降通路12と補助的通路13の間で切り替えられる。
【0089】
本実施例において、すべての切り替え軌道41が走行軌道に接続した場合、すべての切り替え軌道41は、連続する「S」字型を形成し、かつ隣接する切り替え軌道41は、エンドツーエンドに接続される。
【0090】
本実施例において、乗りかご1の上昇または下降プロセスにおいて、妨害を避ける必要があると、上昇または下降する乗りかご1を切り替え軌道41によって補助的通路13に切り替える。
【0091】
(実施例3)
図5と
図6には、本発明のインテリジェントマルチカーエレベータシステムの第3の実施形態が示されている。実施例1との相違点として、本実施例では、昇降路9が4つ設けられていることにある。
【0092】
本実施例において、昇降路9は、4つ設けられ、順に、上昇通路11と、補助的上昇通路14と、補助的下降通路15と、下降通路12を含む。隣接する2つの昇降路9の間に切り替え機構4が設けられる。乗りかご1は、切り替え機構4によって、上昇通路11と補助的上昇通路14の間、下降通路12と補助的下降通路15の間、または、補助的上昇通路14と補助的下降通路15の間で切り替えられる。
【0093】
本実施例において、隣接する昇降路9内の切り替え機構4は、エンドツーエンドに接続されている。
【0094】
本実施例において、乗りかご1の上昇プロセスにおいて、妨害を避ける必要があると、上昇する乗りかご1を切り替え軌道41によって補助的上昇通路14に切り替える。乗りかご1の下降プロセスにおいて、妨害を避ける必要があると、下降する乗りかご1を切り替え軌道41によって補助的下降通路15に切り替える。補助的上昇通路14と補助的下降通路15とは、極めて渋滞し、または補助的上昇通路14と補助的下降通路15のうちの1つの通路に乗りかご1の故障が生じた場合のみにおいて連通する。
【0095】
(実施例4)
図7と
図8には、本発明のインテリジェントマルチカーエレベータシステムの第4の実施形態が示されている。実施例1との相違点として、本実施例では、昇降路9が6つ設けられていることにある。
【0096】
本実施例において、昇降路9は、6つ設けられ、順に、上昇通路11と、補助的上昇通路14と、上昇快速通路16と、下降快速通路17と、補助的下降通路15と、下降通路12を含む。隣接する2つの昇降路9の間に切り替え機構4が設けられる。乗りかご1は、切り替え機構4によって、隣接する昇降路9の間で切り替えられる。
【0097】
本実施例において、隣接する昇降路9内の切り替え機構4は、エンドツーエンドに接続されている。
【0098】
本実施例において、乗りかご1の上昇プロセスにおいて、妨害を避ける必要があると、上昇する乗りかご1を切り替え軌道41によって補助的上昇通路14に切り替える。乗りかご1の下降プロセスにおいて、妨害を避ける必要があると、下降する乗りかご1を切り替え軌道41によって補助的下降通路15に切り替える。利用者が1階から最上階フロア近くまで上昇しまたは最上階フロア近くから1階まで下降する場合、乗りかご1を上昇快速通路16または下降快速通路17に切り替えて直接上昇または下降する。上昇快速通路16と下降快速通路17とは、極めて渋滞しまたは上昇快速通路16と下降快速通路17のうちの1つの通路に乗りかご1の故障が生じた場合のみにおいて連通する。
【0099】
(実施例5)
図21〜
図23は、本発明のインテリジェントマルチカーエレベータシステムの第5の実施形態が示されている。実施例1との相違点として、本実施例では、切り替え機構4の構造が異なる。
【0100】
各乗りかご1は、4つの動力ユニット、1つの伸縮可能なスライドレール44および複数のプーリー45からなる。乗りかご1は、プーリー45を介してスライドレール44に固定され、左右にスライド可能である。スライドレール44は、伸縮可能であり、異なる軌道間の切り替えが実現される。4つの動力ユニットは、2組に分けられる。元の軌道では、そのうちの1組と噛み合い、リスティングの動力を提供する。軌道の切り替えプロセスでは、もう1組が目標軌道と噛み合う。噛み合うプロセスでは、無動力状態である。噛み合いが完了した後に、動力を提供し始め、乗りかご1の動力源を担う。元の動力ユニットは、動力の提供を停止し、元の軌道との噛み合いを解除し、スライドレール44を回収して軌道の切り替えを完了させる。
【0101】
(実施例6)
図24〜
図27は、本発明のインテリジェントマルチカーエレベータシステムの第6の実施形態が示されている。本実施例のインテリジェントマルチカーエレベータシステムは、メイン軌道機構2と、サブ軌道機構3と、切り替え機構4と、移送機構5と、最下層メンテナンス機構6と、動力機構7と、複数の乗りかご1を含む。切り替え機構4は、メイン軌道機構2とサブ軌道機構3を接続する。乗りかご1は、切り替え機構4によって、メイン軌道機構2とサブ軌道機構3の間で切り替えられる。移送機構5は、地上の1階のフロアに位置する。複数の乗りかご1は、移送機構5によって1階の複数のエレベータ入口で移動する。最下層メンテナンス機構6は、地面下に位置する地下室に設けられ、メイン軌道機構2とサブ軌道機構3の底部に位置し、1階の各エレベータ入口に接続する。乗りかご1は、動力機構7に駆動されて上下に走行しまたは切り替えられる。走行する場合、複数の乗りかご1は、同時にメイン軌道機構2内で上下する。各乗りかご1は、切り替え機構4によって、それぞれメイン軌道機構2からサブ軌道機構3に切り替えられ、利用者が乗り降りする。
【0102】
本実施例において、すべての軌道は、ペアで設けられている。
【0103】
本実施例において、メイン軌道機構2とサブ軌道機構3は、フロア数に応じてn個のユニットに分けられ、各ユニットのフロア数は、実際の応用状況に応じて決められる。各ユニットの上端と下端に切り替え機構4が設けられ、上端と下端の切り替え軌道41は、対称に配置されている。
【0104】
本実施例において、メイン軌道機構2は、上昇メイン軌道21および下降メイン軌道22を含む。サブ軌道機構3は、上昇サブ軌道31および下降サブ軌道32を含む。上昇サブ軌道31および下降サブ軌道32は、上昇メイン軌道21および下降メイン軌道22の間に位置する。フロアは、上昇サブ軌道31および下降サブ軌道32の間に位置する。複数の乗りかご1は、同時に上昇メイン軌道21および下降メイン軌道22で走行可能である。
【0105】
本実施例において、切り替え機構4は、複数の切り替え軌道41と切り替えドライバ42を含む。切り替え軌道41は、円弧状であり、両端が斜角状であり、乗りかご1の上昇または下降方向に沿ってペアで離間して設けられる。ペアとして用いられる場合、そのうちの一方の切り替え軌道41は、上昇メイン軌道21の中間部分または下降メイン軌道22の中間部分に位置し、他方の切り替え軌道41は、上昇サブ軌道31の中間部分または下降サブ軌道32の中間部分に位置する。各切り替え軌道41に1つの切り替えドライバ42が設けられる。切り替え軌道41の中間部分は、昇降路にヒンジ接続される。切り替えドライバ42には、油圧ジャッキが用いられる。
図16(a)と
図16(b)に示すように、切り替え軌道41は、油圧ジャッキによって回転駆動され、展開時にメイン軌道機構2とサブ軌道機構3に接続し、回転して回収する場合、メイン軌道機構2とサブ軌道機構3から離れ、メイン軌道機構2とサブ軌道機構3の昇降路内に垂直に固定される。
【0106】
本実施例において、上昇メイン軌道21、下降メイン軌道22、上昇サブ軌道31、下降サブ軌道32および切り替え軌道41は、いずれもラックレールである。ラックレールは、スチールフレーム23と、固定溝24と、ラック25で構成される。スチールフレーム23の片側にラック25が配置され、反対側に固定溝24が配置される。ラック25は、動力機構7と噛み合い、固定溝24は、動力機構7と噛み合う。エレベータ給電、信号軌道は、固定溝24の片側に取り付けられる。ラックレール毎に、それぞれ動力機構7に接続する2本の給電/信号線軌道が取り付けられる。
【0107】
図17(a)〜
図17(c)に示すように、乗りかご1がメイン軌道機構2からサブ軌道機構3に切り替えようとする場合、動力機構7は、制御信号を受信する。油圧ジャッキは、切り替え軌道41の切り替え支点に作用し、切り替え軌道41が展開するようにプッシュし、メイン軌道機構2とサブ軌道機構3を連通させる。乗りかご1がサブ軌道機構3に移行してから、油圧ジャッキから切り替え軌道41に作用するプッシュ力が徐々に小さくなり、切り替え軌道41が回収され、メイン軌道機構2とサブ軌道機構3が正常な動作に復帰する。
【0108】
本実施例において、移送機構5は、移送チェッカー51と複数の移送軌道52を含む。1階に複数のエレベータ入口が設けられる。複数のエレベータ入口は、2列に配置される。各エレベータ入口に1つの移送チェッカー51が設けられる。メイン軌道機構2は、移送軌道52の中間部分に接続される。移送チェッカー51は、移送軌道52で移動する。各移送チェッカー51は、移送軌道52を介してメイン軌道機構2に接続される。乗りかご1は、移送チェッカー51によって各エレベータ入口に搬送される。移送チェッカー51の底部に全方向走行輪が設けられ、複数方向で動作可能であり、曲がる際に、乗りかご1は回転せず、乗りかご1は、2本の垂直方向の軌道で移送する際に水平動作を維持する。乗りかご1は、上昇する際に、移送チェッカー51によって各エレベータ出入り口から移送軌道52に沿って上昇メイン軌道21まで搬送され上昇する。下降する乗りかご1は、下降メイン軌道22に沿って1階に達してから、移動チェッカー51によって各エレベータ出入り口まで搬送されて、利用者が降りる。
【0109】
本実施例において、最下層メンテナンス機構6は、円形軌道61と移送チェッカー51を含む。メイン軌道機構2は、円形軌道61の中間部分に接続する。下降する乗りかご1は、1階での停止後に1階から引き続き地下室の円形軌道61まで下降する。地下室に達した後に、乗りかご1は、軌道の入り口から移送チェッカー51によって円形軌道61に沿って他側の円形軌道61まで搬送され、ランダム的に各上昇通路に振り分けられる。
【0110】
本実施例において、最下層メンテナンス機構6は、円形軌道61の両側に垂直に設けられた2つのメンテナンス軌道62をさらに含む。乗りかご1は、故障したり点検やメンテナンスが必要になったりすると、メンテナンス軌道62まで搬送され、ほかの乗りかご1の走行に干渉しない。
【0111】
本実施例において、移送軌道52、円形軌道61およびメンテナンス軌道62は、いずれもラックレールである。ラックレールは、スチールフレーム23と、固定溝24と、ラック25で構成される。スチールフレーム23の片側にラック25が配置され、反対側に固定溝24が配置される。ラック25は、動力機構7と噛み合い、固定溝24は、動力機構7と噛み合う。
【0112】
本実施例において、動力機構7は、メイン動力機構と切り替え動力機構とを含む。メイン動力機構は、モータ71、ギア72、クローラーベアリング73、支持プレート74および取付ブラケット75を含む。取付ブラケット75は、「L」型スチール板である。支持プレート74は、取付ブラケット75の片側に取り付けられる。支持プレート74と取付ブラケット75との間に緩衝器741が設けられている。モータ71とクローラーベアリング73は、支持プレート74に取り付けられる。ギア72は、モータ71によって駆動される。ギア72は、ラック25と噛み合う。クローラーベアリング73は、固定溝24と噛み合う。ギア72の伝動バー側に安定化ベアリングが取り付けられ、走行プロセスの安定化を保証する。支持プレート74におけるクローラーベアリング73の両端には、電源と信号を受信するためのコントローラが設けられる。
【0113】
切り替え動力機構は、ローラーガイドレール76、スプリング77および位置決め装置を含む。取付ブラケット75の他側は、ローラーガイドレール76のスライドバー761に固定される。ローラーガイドレール76のスライダー762は、乗りかご1に固定される。スライドバー761は、スライダ762でスライド可能に配置される。スプリング77は、一端がスプリング固定プレート771によって乗りかご1に固定され、他端が位置決め装置に固定接続される。位置決め装置は、スライドバー761に接続され、スライドバー761の摺動または固定を制御して、軌道の切り替えが安全に行われることを確保する。
【0114】
本実施例において、位置決め装置は、乗りかご1に取り付けられた軌道剪断ロック78と、スライドバー761に固定されたプッシュブロック79を含む。スプリング77の他端は、プッシュブロック79に固定される。軌道剪断ロック78は、プッシュブロック79のスプリング77に接続される側に位置し、プッシュブロック79の移動を制限する。
【0115】
切り替え動力機構は、2つ設けられる。取付ブラケット75は、2つのスライドバー761に固定される。スライダ762は、4つ設けられ、各スライドバー761に2つ設けられる。取付ブラケット75は、2つのスライダ762の間に位置する。スライドバー761の移動でメイン動力機構を動かせる。軌道の切り替えの際に、軌道剪断ロック78を動かせ、スライドバー761のロックを解除し、切り替え軌道41からギア72とクローラーベアリング73への圧力によって、メイン動力機構全体をスライドさせ、メイン動力機構は、スプリング77を圧縮させ、切り替え動力機構は、切り替え軌道41の斜角部分での走行中に収縮を完了する。乗りかご1が切り替え軌道41の他側の斜角部分まで走行すると、軌道から切り替え動力機構への圧力が徐々に小さくなり、メイン動力機構によってスプリング77を伸長させ、メイン動力機構が元の位置に復帰するようにプッシュする。
【0116】
本実施例において、動力機構7は、乗りかご1の相対する両側にそれぞれ4つ、各側に2つ、対称に設けられている。各メイン動力機構に1つの加速度センサが取り付けられ、ギア72の振動をリアルタイムに監視し、エレベータの各構成部品の動作状況を把握し、軌道と各乗りかご1のメイン動力機構の異常を発見し、故障の位置決めを行う。4つの動力機構7のうち、1号動力機構7のコントローラは、電源の+極に接続し、2号動力機構7のコントローラは、電源の−極に接続し、3号動力機構7のコントローラは、信号線の+極に接続し、4号動力機構7のコントローラは、信号線の−極に接続する。
【0117】
本実施例において、エレベータは、最上階軌道機構8をさらに含む。最上階軌道機構8は、楕円形で閉じた最上階軌道81および複数の最上階チェッカー82を含む。最上階軌道81は、メイン軌道機構2、サブ軌道機構3に接続される。最上階チェッカー82は、最上階軌道81でスライド可能である。メイン軌道機構2、サブ軌道機構3は、最上階チェッカー82を介して接続される。上昇する乗りかご1は、上昇サブ軌道31で最上階に達すると、最上階チェッカー82によって下降サブ軌道32に移送され、乗りかごの走行サイクルが実現される。
【0118】
各ユニットに4フロアが設けられ、底部ユニットが2階から設けられ、1〜5階を例として本発明のインテリジェントマルチカーエレベータの走行方法を説明する。
【0119】
1階に2〜5階行きの利用者がいる場合、乗りかご1は、上昇メイン軌道21で7階近くまで走行する。切り替え軌道41が展開して上昇メイン軌道21と上昇サブ軌道31を連通する。乗りかご1が上昇サブ軌道31に入り、5階から下へ順に停止して利用者が乗り降りし、切り替え軌道41が回収する。停止が終了すると、2階での切り替え軌道41が展開し、乗りかご1が上昇メイン軌道21に戻り引き続き上昇し、最上階のユニットに至るまで、次のユニットに達して利用者が乗り降りする。
図24に示すように、乗りかご1は、走行ユニット内で利用者の乗り降りが終了すると、n階の切り替え軌道41まで走行すると、再び切り替え軌道41によって上昇サブ軌道31に入り、最上階ユニットに行く利用者を輸送する。すべての利用者の輸送が完了すると、乗りかご1は、n−3階で上昇メイン軌道21に切り替え、上昇して最上階軌道81に入る。最上階チェッカー82内のラックが上昇メイン軌道21につなぐため、乗りかご1は、最上階チェッカー82に入り、下降サブ軌道32まで搬送される。乗りかご1は、n−1階まで下降すると、切り替え軌道41に入って1つのユニット内の走行を完了させる。引き続き下降して最後のユニットでの走行を終了させて1階に達する。乗りかご1は、下降サブ軌道32まで走行し、移送チェッカー51によって1階のエレベータ入口まで移送されて利用者を降ろす。乗りかご1に利用者がいないことを確認してから1階から地下室への通路に沿って引き続き下降する。乗りかご1は、軌道入り口から移送チェッカー51によって円形軌道61に沿って他側の軌道に搬送され、ランダム的に1階に上昇する各通路に振り分けられる。図示のように、1階に達すると、乗りかご1は、エレベータ入口で利用者を乗せ、移送軌道52に沿って上昇メイン軌道21まで搬送され、引き続き上昇して走行し、1階のサイクルを完了させる。乗りかご1の数は、実際のニーズに応じて決められる。各乗りかご1は、独立に走行し、互いに干渉せず、繰り返して走行する。乗りかご1に故障が生じると、メンテナンス軌道62に搬送され、ほかの乗りかご1の走行が干渉されない。
【0120】
1棟の80階の建築物を例とし、各乗りかご1に対し10人を乗せられると設定し、各ユニットが4フロアからなるとし、各乗りかご1が2つのユニットに止まるとする。各パラメータに基づき、エレベータの最高走行速度を4m/sと設計すると、緊急ブレーキ加速度は、約5m/s
2であり、各乗りかご1の最小安全距離は、約4mである。通常、エレベータの扉開閉時間が約2sであり、一人当たりのエレベータ出入り時間が1sである。満載の場合、エレベータへ利用者の乗り時間は、14sであり、降りる時間は、42sであり、軌道の切り替えに10sを要し、乗りかご1がメイン軌道2で80s走行し、サブ軌道機構3で16s走行する。よって、1つの乗りかご1が1階から最上部の2つのユニットに走行するまで、約162sがかかり、利用者が目的フロアに達するまでの平均所要時間が94sであり、2秒おきに1つの乗りかご1が安全に上昇可能である。すると、5分間で150個/回の走行ができ、最大搬送量が1500人/回に達する。
【0121】
(実施例7)
図28〜
図33には、本発明のインテリジェントマルチカーエレベータの第7の実施形態が示されている。
【0122】
本実施例において、メイン軌道機構2とサブ軌道機構3は、フロア数に応じてn個のユニットに分けられ、各ユニットに含まれるフロアは、実際のニーズに応じて決められる。各ユニットに切り替え機構4が設けられている。
【0123】
本実施例において、メイン軌道機構2は、上昇メインチェーン軌道26および下降メインチェーン軌道27を含む。上昇メインチェーン軌道26および下降メインチェーン軌道27には、複数の乗りかごリフティングプラットフォーム28が固定されて設けられる。各フロアに1つの乗りかごリフティングプラットフォーム28が設けられる。各乗りかご1は、1つの乗りかごリフティングプラットフォーム28に対応する。乗りかご1は、メイン軌道機構2にある場合、乗りかごリフティングプラットフォーム28によって昇降する。乗りかごリフティングプラットフォーム28には、位置決め溝281が設けられ、乗りかご1の底部には、位置決め溝281に組み合わせられて位置決められる位置決め突起が設けられている。
【0124】
本実施例において、メイン軌道機構2は、補助的固定ガイドレール29をさらに含む。乗りかご1には、安定化支持フレーム18が設けられる。安定化支持フレーム18は、一端が乗りかご1にヒンジ接続され、他端が補助的固定ガイドレール29に組み合わせられて接続される。安定化支持フレーム18は、補助的固定ガイドレール29に沿って摺動する。安定化支持フレーム18は、シリンダーに回転駆動されて補助的固定ガイドレール29に接離する。走行時に、乗りかご1上の安定化支持フレーム18は、補助的固定ガイドレール29と噛み合い、乗りかご1の走行の安定性を保証する。乗りかご1がメイン軌道機構2から離れようとする場合、安定化支持フレーム18は、上へ90°回転して、補助的固定ガイドレール29とのロックを解除する。
【0125】
本実施例において、上昇メインチェーン軌道26と下降メインチェーン軌道27は、4つ設けられ、乗りかご1の4つのコーナーにそれぞれ配置され、各上昇メインチェーン軌道26または下降メインチェーン軌道27は、1つの補助的固定ガイドレール29が対応付けられて配置されている。
【0126】
本実施例において、サブ軌道機構3は、上昇サブ機構と下降サブ機構を含む。上昇サブ機構と下降サブ機構は、上昇メインチェーン軌道26および下降メインチェーン軌道27の間に位置する。フロアは、上昇サブ機構と下降サブ機構の間に位置する。サブ軌道機構3は、牽引装置を含む。各ユニットに1つの牽引装置が設けられる。牽引装置は、牽引ボックス33、牽引ロープ34および吊り下げボックス35を含む。牽引ボックス33は、各ユニットの上部に固定される。牽引ロープ34は、一端が牽引ボックス33に巻き付けられ、他端が吊り下げボックス35に固定接続される。吊り下げボックス35の乗りかごリフティングプラットフォーム28に面する側には、乗りかご1の出入り口が設けられる。牽引ボックス33は、牽引ロープ34を介して吊り下げボックス35を昇降させる。サブ軌道機構3は、牽引ロープ34の一端に固定されて接続されたカウンターウェイト36をさらに含む。
【0127】
本実施例において、切り替え機構4は、ばね板43を含む。ばね板43は、吊り下げボックス35の側面にヒンジ接続される。ばね板43は、吊り下げボックス35に近接しまたは展開して乗りかごリフティングプラットフォーム28に接続するように、シリンダーによって回転駆動される。
【0128】
本実施例において、乗りかごリフティングプラットフォーム28および吊り下げボックス35のそれぞれには、乗りかご1のメイン軌道機構とサブ軌道機構3内の切り替えをプッシュするための油圧ジャッキが設けられている。
【0129】
本実施例において、移送機構5は、移送チェッカー51、複数の移送軌道52および補助的移送昇降路53を含む。1階に複数のエレベータ入口が設けられる。複数のエレベータ入口は、2列に配置される。すべてのエレベータ入口の扉は、すべて対向に設けられるのではない。メイン軌道機構2とサブ軌道機構3は、2列のエレベータ入口の間に垂直に位置する。サブ軌道機構3は、上昇メインチェーン軌道26と下降メインチェーン軌道27の間に位置する。補助的移送昇降路53は、2つ設けられ、上昇メインチェーン軌道26と下降メインチェーン軌道27の外側にそれぞれ設けられる。各エレベータ入口に1つの移送チェッカー51が設けられる。サブ軌道機構3は、エレベータ入口との間、または、補助的移送昇降路53を介してエレベータ口との間で、移動軌道52を介して接続される。移送チェッカー51は、移送軌道52で移動する。乗りかご1は、移送チェッカー51によって各エレベータ入口に搬送される。
【0130】
本実施例において、補助的移送昇降路53は、最下部のフロアユニットに位置し、補助的移送昇降路53には、牽引装置と切り替え機構4が設けられている。
【0131】
本実施例において、エレベータは、最上階軌道機構8をさらに含む。最上階軌道機構8は、楕円形で閉じた最上階軌道81と、2つの補助的リフティング昇降路83と、少なくとも1つの最上階チェッカー82を含む。最上階チェッカー82は、最上階軌道81で摺るように設けられる。上昇サブ機構、下降サブ機構および補助的リフティング昇降路83は、最上階チェッカー82を介して接続されている。
【0132】
本実施例において、補助的リフティング昇降路83は、2つ設けられ、最上部のフロアユニットに位置する。補助的リフティング昇降路83は、メイン軌道機構2の外側に位置する。補助的リフティング昇降路83には、牽引装置と切り替え機構4が設けられている。
【0133】
図28と
図29に示すように、乗りかご1が上昇メインチェーン軌道26内で等速で上昇する。n階〜n+3階から利用者の呼び出しがあり、または、乗りかご1の中にn階〜n+3階に行く利用者がいる場合、上昇サブ機構内の吊り下げボックス35は、上昇メインチェーン軌道26と同じ速度まで加速する。ばね板43は、展開して乗りかごリフティングプラットフォーム28に連通してロックする。安定化支持フレーム18は、上へ回転して補助的固定ガイドレール29とのロックを解除する。乗りかご1は、乗りかごリフティングプラットフォーム28から吊り下げボックス35内にプッシュされ、バネ板43が回収する。乗りかご1は、n+3階までリフティングされると、順に下へ走行して、利用者が乗り降りする。n階で利用者の乗り降りが完了すると、吊り下げボックス35は、上昇メインチェーン軌道26とは相対的に静止するまで加速する。ばね板43は、展開する。乗りかご1は、メイン軌道2内に戻るようにプッシュされ、補助的固定ガイドレール29とロックされ、引き続きほかのユニットまで上昇する。下降時に、走行方法が同じである。
【0134】
図30に示すように、乗りかご1が最上階に近いユニットまで走行すると、最上階ユニット内にエレベータを呼び出す利用者がいなくかつ最上階ユニットに行く利用者が乗りかご1にいないと、乗りかご1は、上昇する補助的リフティング昇降路83に入り、最上階軌道81までリフティングされ、最上階チェッカー82によって、下降する補助的リフティング昇降路83まで搬送され、下降メインチェーン軌道27に切り替えられて下降する。最上階ユニット内にエレベータを呼び出す利用者がありかつ最上階ユニットに行く利用者が乗りかご1にいると、乗りかご1は、上昇サブ機構に入って利用者を輸送する。輸送完了後に、乗りかご1が空であることを確保する。その後、乗りかご2は、上昇サブ機構内で最上階軌道81までリフティングされる。
【0135】
図31に示すように、乗りかご1は、一番下のユニットまで下降すると、一番下のユニットに行く利用者が乗りかご1の中にいなければ、下降する補助的移送昇降路53に入って1階まで走行する。一番下のユニットに行く利用者が乗りかご1の中にあるのであれば、乗りかご1は、下降サブ機構に入って利用者を輸送し、それから1階に到達する。
【0136】
(実施例8)
本発明のインテリジェントマルチカーエレベータシステムの第8の実施形態は、リニアモータを動力機構とする。
【0137】
以上は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明に対するあらゆる形式上の制限ではない。本発明は、好適な実施例によって以上開示されているが、本発明を限定することを目的としてない。よって、本発明の技術手段の内容を逸脱せず、本発明の実質的な技術に基づいて以上の実施例に対して為したあらゆる簡単な修正、均等変化及び修飾は、すべて本発明の技術手段による保護範囲に含まれるべきである。
【0138】
(付記)
(付記1)
インテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
少なくとも2つの昇降路(9)と、切り替え機構(4)と、動力機構(7)と、複数の乗りかご(1)を含み、
前記昇降路(9)には、乗りかご(1)が走行するための軌道が設けられ、
隣接する前記昇降路(9)の間に切り替え機構(4)が設けられ、
前記乗りかご(1)は、切り替え機構(4)によって、隣接する昇降路(9)間で位置を切り替えられ、
前記乗りかご(1)は、動力機構(7)の駆動によって昇降路(9)内または昇降路(9)間で上下に移動しまたは切り替えられ、
前記乗りかご(1)は、動力機構(7)の駆動によって任意のフロアに停止し、利用者が乗り降りすることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0139】
(付記2)
付記1に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
少なくとも2つの隣接する昇降路(9)を含み、
前記複数の乗りかご(1)は、同時に昇降路(9)内で上方向または下方向に移行可能であり、
フロア毎に切り替え機構(4)が設けられていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0140】
(付記3)
付記2に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記少なくとも2つの昇降路(9)のうち、少なくとも1つが上昇通路(11)であり、少なくとも1つが下降通路(12)であり、
フロア毎に、上昇エレベータ出入り口と下降エレベータ出入り口がそれぞれ設けられ、
前記上昇エレベータ出入り口と下降エレベータ出入り口は、それぞれ昇降路(9)の両側に位置することを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0141】
(付記4)
付記2に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
各前記昇降路(9)内に走行軌道が設けられ、
前記乗りかご(1)は、動力機構(7)の駆動によって、走行軌道に沿って上昇または下降することを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0142】
(付記5)
付記4に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記切り替え機構(4)は、昇降路(9)にヒンジ接続される切り替え軌道(41)を含み、
前記切り替え軌道(41)は、昇降路(9)の長手方向に複数設けられ、
上下に隣接する切り替え軌道(41)は、エンドツーエンドに接続され、
フロア毎に切り替え軌道(41)が設けられていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0143】
(付記6)
付記5に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記切り替え機構(4)は、切り替えドライバ(42)をさらに含み、
前記切り替え軌道(41)は、ペアで設けられ、
各切り替え軌道(41)に1つの切り替えドライバ(42)が設けられ、
前記切り替え軌道(41)の中間部分は、昇降路にヒンジ接続され、
前記切り替え軌道(41)は、切り替えドライバ(42)によって回転駆動され、隣接する昇降路(9)内の軌道に接離することを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0144】
(付記7)
付記6に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記切り替え軌道(41)は、円弧状であることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0145】
(付記8)
付記6に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記切り替えドライバ(42)は、昇降路(9)に固定された油圧ジャッキであることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0146】
(付記9)
付記5に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記走行軌道と切り替え軌道(41)は、ともにラックレールであり、
前記ラックレールは、スチールフレーム(23)と、固定溝(24)と、ラック(25)で構成され、
前記スチールフレーム(23)の片側にラック(25)が配置され、反対側に固定溝(24)が配置され、
前記ラック(25)は、動力機構(7)と噛み合い、前記固定溝(24)は、動力機構(7)と噛み合うことを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0147】
(付記10)
付記2に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
移送機構(5)をさらに含み、
1階のフロアには、複数のエレベータ出入り口が設けられ、
前記移送機構(5)は、1階に設けられ、
複数の前記乗りかご(1)は、移送機構(5)によって複数のエレベータ出入り口間で移動することを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0148】
(付記11)
付記10に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記移送機構(5)は、移送チェッカー(51)と複数の移送軌道(52)を含み、
各エレベータ出入り口は、1つの移送チェッカー(51)に対応し、
前記昇降路(9)は、複数のエレベータ出入り口の側面に接続され、
前記移送チェッカー(51)は、移送軌道(52)で移動し、
前記乗りかご(1)は、移送チェッカー(51)によってエレベータ出入り口と昇降路(9)との間で移動することを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0149】
(付記12)
付記10に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
1階のフロアの下の最下層に位置する最下層メンテナンス機構(6)をさらに含み、
前記最下層メンテナンス機構(6)は、円形軌道(61)と移送チェッカー(51)を含み、
前記昇降路(9)は、円形軌道(61)に位置し、
前記乗りかご(1)は、昇降路(9)に沿って円形軌道(61)に下降し、
前記乗りかご(1)は、移送チェッカー(51)によって円形軌道(61)を移動し、
前記乗りかご(1)は、走行しないときに円形軌道(61)に止まることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0150】
(付記13)
付記12に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記最下層メンテナンス機構(6)は、円形軌道(61)の両側に連通するメンテナンス軌道(62)をさらに含むことを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0151】
(付記14)
付記13に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記移送軌道(52)、円形軌道(61)およびメンテナンス軌道(62)は、いずれもラックレールであり、
前記ラックレールは、スチールフレーム(23)と、固定溝(24)と、ラック(25)で構成され、
前記スチールフレーム(23)の片側にラック(25)が配置され、反対側に固定溝(24)が配置され、
前記ラック(25)は、動力機構(7)と噛み合い、前記固定溝(24)は、動力機構(7)と噛み合うことを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0152】
(付記15)
付記12に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記移送チェッカー(51)の底部に全方向走行輪が設けられていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0153】
(付記16)
付記9または15に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記動力機構(7)は、メイン動力機構と切り替え動力機構とを含み、
前記メイン動力機構は、モータ(71)、ギア(72)、クローラーベアリング(73)、支持プレート(74)および取付ブラケット(75)を含み、
前記支持プレート(74)は、取付ブラケット(75)に取り付けられ、
前記モータ(71)とクローラーベアリング(73)は、支持プレート(74)に取り付けられ、
前記ギア(72)は、モータ(71)によって駆動され、
前記ギア(72)は、ラック(25)と噛み合い、
前記クローラーベアリング(73)は、固定溝(24)と噛み合い、
前記切り替え動力機構は、ローラーガイドレール(76)、スプリング(77)および位置決め装置を含み、
前記取付ブラケット(75)は、ローラーガイドレール(76)のスライドバー(761)に固定され、
前記ローラーガイドレール(76)のスライダー(762)は、乗りかご(1)に固定され、
前記スライドバー(761)は、スライダ(762)でスライド可能に配置され、
前記スプリング(77)は、一端がスプリング固定プレート(771)によって乗りかご(1)に固定され、他端が位置決め装置に固定接続され、
前記位置決め装置は、スライドバー(761)に接続され、スライドバー(761)の摺動または固定を制御することを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0154】
(付記17)
付記16に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記支持プレート(74)と取付ブラケット(75)との間に緩衝器(741)が設けられていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0155】
(付記18)
付記16に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記位置決め装置は、乗りかご(1)に取り付けられた軌道剪断ロック(78)と、スライドバー(761)に固定されたプッシュブロック(79)を含み、
前記スプリング(77)の他端は、プッシュブロック(79)に固定され、
前記軌道剪断ロック(78)は、プッシュブロック(79)のスプリング(77)に接続される側に位置し、プッシュブロック(79)の移動を制限することを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0156】
(付記19)
付記16に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記動力機構(7)は、乗りかご(1)の相対する両側にそれぞれ4つ、各側に2つ、対称に設けられていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0157】
(付記20)
付記2に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
フロアの最上階に位置する最上階軌道機構(8)をさらに含み、
前記最上階軌道機構(8)は、楕円形で閉じた最上階軌道(81)および複数の最上階チェッカー(82)を含み、
前記最上階軌道(81)は、昇降路(9)に接続され、
前記最上階チェッカー(82)は、最上階軌道(81)でスライド可能であり、
前記乗りかご(1)は、最上階チェッカー(82)によって各昇降路(9)間で位置を切り替えられることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0158】
(付記21)
付記3に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記昇降路(9)は、2つ設けられ、そのうちの一方が上昇通路(11)であり、他方が下降通路(12)であり、
前記切り替え機構(4)は、2つの昇降路(9)の間に設けられ、
前記乗りかご(1)は、切り替え機構(4)によって上昇通路(11)または下降通路(12)の間で切り替えられることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0159】
(付記22)
付記3に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記昇降路(9)は、3つ設けられ、上昇通路(11)と、下降通路(12)と、上昇通路(11)と下降通路(12)の間に位置する補助的通路(13)を含み、
隣接する2つの前記昇降路(9)の間に切り替え機構(4)が設けられ、
前記乗りかご(1)は、切り替え機構(4)によって、上昇通路(11)と補助的通路(13)の間で切り替えられ、または、下降通路(12)と補助的通路(13)の間で切り替えられることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0160】
(付記23)
付記22に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記上昇通路(11)と補助的通路(13)の間の切り替え機構(4)と、下降通路(12)と補助的通路(13)の間の切り替え機構(4)とは、エンドツーエンドに接続されていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0161】
(付記24)
付記3に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記昇降路(9)は、4つ設けられ、順に、上昇通路(11)と、補助的上昇通路(14)と、補助的下降通路(15)と、下降通路(12)を含み、
隣接する2つの前記昇降路(9)の間に切り替え機構(4)が設けられ、
前記乗りかご(1)は、切り替え機構(4)によって、上昇通路(11)と補助的上昇通路(14)の間、下降通路(12)と補助的下降通路(15)の間、または、補助的上昇通路(14)と補助的下降通路(15)の間で切り替えられることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0162】
(付記25)
付記24に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
隣接する前記昇降路(9)内の切り替え機構(4)は、エンドツーエンドに接続されていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0163】
(付記26)
付記3に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記昇降路(9)は、6つ設けられ、順に、上昇通路(11)と、補助的上昇通路(14)と、上昇快速通路(16)と、下降快速通路(17)と、補助的下降通路(15)と、下降通路(12)を含み、
隣接する2つの前記昇降路(9)の間に切り替え機構(4)が設けられ、
前記乗りかご(1)は、切り替え機構(4)によって、隣接する昇降路(9)の間で切り替えられることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0164】
(付記27)
付記4に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記切り替え機構(4)は、プーリー(45)およびスライドレールアセンブリを含み、
前記スライドレールアセンブリは、少なくとも2つでスリーブ接続されたスライドレール(44)からなり、
すべての前記スライドレール(44)の長さは、隣接する昇降路(9)の幅以上であり、
前記スライドレール(44)は、スライドレールによって駆動され、他のスライドレール(44)に対して伸び出しまたは戻るようにスライドし、
前記プーリー(45)は、スライドレール(44)に摺動可能に設けられていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0165】
(付記28)
付記1に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
メイン軌道機構(2)と、サブ軌道機構(3)と、移送機構(5)と、最下層メンテナンス機構(6)をさらに含み、
前記切り替え機構(4)は、メイン軌道機構(2)とサブ軌道機構(3)を接続し、
前記乗りかご(1)は、切り替え機構(4)によって、メイン軌道機構(2)とサブ軌道機構(3)の間で切り替えられ、
前記移送機構(5)は、地上の1階のフロアに位置し、
複数の前記乗りかご(1)は、移送機構(5)によって1階の複数のエレベータ入口で移動し、
前記最下層メンテナンス機構(6)は、地面下に位置する地下室に設けられ、メイン軌道機構(2)とサブ軌道機構(3)の底部に位置し、1階の各エレベータ入口に接続し、
前記乗りかご(1)は、動力機構(7)に駆動されて上下に走行しまたは切り替えられ、
走行する場合、前記複数の乗りかご(1)は、同時にメイン軌道機構(2)内で上下し、
各前記乗りかご(1)は、切り替え機構(4)によって、それぞれメイン軌道機構(2)からサブ軌道機構(3)に切り替えられ、利用者が乗り降りすることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0166】
(付記29)
付記28に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記メイン軌道機構(2)は、上昇メイン軌道(21)および下降メイン軌道(22)を含み、
前記サブ軌道機構(3)は、上昇サブ軌道(31)および下降サブ軌道(32)を含み、
前記上昇サブ軌道(31)および下降サブ軌道(32)は、上昇メイン軌道(21)および下降メイン軌道(22)の間に位置し、
フロアへのアクセス通路は、上昇サブ軌道(31)および下降サブ軌道(32)の間に位置することを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0167】
(付記30)
付記29に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記切り替え機構(4)は、複数の円弧状の切り替え軌道(41)と切り替えドライバ(42)を含み、
前記切り替え軌道(41)は、乗りかご(1)の上昇または下降方向に沿ってペアで離間して設けられ、
ペアとして用いられる場合、そのうちの一方の切り替え軌道(41)は、上昇メイン軌道(21)の中間部分または下降メイン軌道(22)の中間部分に位置し、他方の切り替え軌道(41)は、上昇サブ軌道(31)の中間部分または下降サブ軌道(32)の中間部分に位置し、
各切り替え軌道(41)に1つの切り替えドライバ(42)が設けられ、
前記切り替え軌道(41)の中間部分は、昇降路にヒンジ接続され、
前記切り替え軌道(41)は、切り替えドライバ(42)によって回転駆動され、メイン軌道機構(2)とサブ軌道機構(3)に接離することを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0168】
(付記31)
付記30に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記メイン軌道機構(2)とサブ軌道機構(3)は、フロア数に応じてn個のユニットに分けられ、
各ユニットの上端と下端に切り替え機構(4)が設けられ、
上端と下端の切り替え軌道(41)は、対称に配置されていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0169】
(付記32)
付記30に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記上昇メイン軌道(21)、下降メイン軌道(22)、上昇サブ軌道(31)、下降サブ軌道(32)および切り替え軌道(41)は、いずれもラックレールであり、
前記ラックレールは、スチールフレーム(23)と、固定溝(24)と、ラック(25)で構成され、
前記スチールフレーム(23)の片側にラック(25)が配置され、反対側に固定溝(24)が配置され、
前記ラック(25)は、動力機構(7)と噛み合い、前記固定溝(24)は、動力機構(7)と噛み合うことを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0170】
(付記33)
付記28に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記移送機構(5)は、移送チェッカー(51)と複数の移送軌道(52)を含み、
1階に複数のエレベータ入口が設けられ、
複数の前記エレベータ入口は、2列に配置され、
各エレベータ入口に1つの移送チェッカー(51)が設けられ、
前記メイン軌道機構(2)は、移送軌道(52)の中間部分に接続され、
前記移送チェッカー(51)は、移送軌道(52)で移動し、
各前記移送チェッカー(51)は、移送軌道(52)を介してメイン軌道機構(2)に接続され、
前記乗りかご(1)は、移送チェッカー(51)によって各エレベータ入口に搬送されることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0171】
(付記34)
付記33に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記最下層メンテナンス機構(6)は、円形軌道(61)と移送チェッカー(51)を含み、
前記昇降路(9)は、円形軌道(61)に位置し、
前記乗りかご(1)は、昇降路(9)に沿って円形軌道(61)に下降し、
前記乗りかご(1)は、移送チェッカー(51)によって円形軌道(61)を移動し、
前記乗りかご(1)は、走行しないときに円形軌道(61)に止まることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0172】
(付記35)
付記34に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記最下層メンテナンス機構(6)は、円形軌道(61)に沿って設けられた2つのメンテナンス軌道(62)をさらに含むことを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0173】
(付記36)
付記35に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記移送軌道(52)、円形軌道(61)およびメンテナンス軌道(62)は、いずれもラックレールであり、
前記ラックレールは、スチールフレーム(23)と、固定溝(24)と、ラック(25)で構成され、
前記スチールフレーム(23)の片側にラック(25)が配置され、反対側に固定溝(24)が配置され、
前記ラック(25)は、動力機構(7)と噛み合い、
前記固定溝(24)は、動力機構(7)と噛み合うことを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0174】
(付記37)
付記33に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記移送チェッカー(51)の底部に全方向走行輪が設けられていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0175】
(付記38)
付記32または36に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記動力機構(7)は、メイン動力機構と切り替え動力機構とを含み、
前記メイン動力機構は、モータ(71)、ギア(72)、クローラーベアリング(73)、支持プレート(74)および取付ブラケット(75)を含み、
前記支持プレート(74)は、取付ブラケット(75)に取り付けられ、
前記モータ(71)とクローラーベアリング(73)は、支持プレート(74)に取り付けられ、
前記ギア(72)は、モータ(71)によって駆動され、
前記ギア(72)は、ラック(25)と噛み合い、
前記クローラーベアリング(73)は、固定溝(24)と噛み合い、
前記切り替え動力機構は、ローラーガイドレール(76)、スプリング(77)および位置決め装置を含み、
前記取付ブラケット(75)は、ローラーガイドレール(76)のスライドバー(761)に固定され、
前記ローラーガイドレール(76)のスライダー(762)は、乗りかご(1)に固定され、
前記スライドバー(761)は、スライダ(762)でスライド可能に配置され、
前記スプリング(77)は、一端がスプリング固定プレート(771)を介して乗りかご(1)に固定され、他端が位置決め装置に固定接続され、
前記位置決め装置は、スライドバー(761)に接続され、スライドバー(761)の摺動または固定を制御することを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0176】
(付記39)
付記38に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記支持プレート(74)と取付ブラケット(75)との間に緩衝器(741)が設けられていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0177】
(付記40)
付記38に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記位置決め装置は、乗りかご(1)に取り付けられた軌道剪断ロック(78)と、スライドバー(761)に固定されたプッシュブロック(79)を含み、
前記スプリング(77)の他端は、プッシュブロック(79)に固定され、
前記軌道剪断ロック(78)は、プッシュブロック(79)のスプリング(77)に接続される側に位置し、プッシュブロック(79)の移動を制限することを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0178】
(付記41)
付記38に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記動力機構(7)は、乗りかご(1)の相対する両側にそれぞれ4つ、各側に2つ、対称に設けられていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0179】
(付記42)
付記28に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
最上階軌道機構(8)をさらに含み、
前記最上階軌道機構(8)は、楕円形で閉じた最上階軌道(81)および複数の最上階チェッカー(82)を含み、
前記最上階軌道(81)は、メイン軌道機構(2)とサブ軌道機構(3)に接続され、
前記最上階チェッカー(82)は、最上階軌道(81)でスライド可能であり、
前記メイン軌道機構(2)、サブ軌道機構(3)は、最上階チェッカー(82)を介して接続されていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0180】
(付記43)
付記28に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記メイン軌道機構(2)とサブ軌道機構(3)は、フロア数に応じてn個のユニットに分けられ、
各ユニットに切り替え機構(4)が設けられていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0181】
(付記44)
付記43に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記メイン軌道機構(2)は、上昇メインチェーン軌道(26)および下降メインチェーン軌道(27)を含み、
前記上昇メインチェーン軌道(26)および下降メインチェーン軌道(27)には、複数の乗りかごリフティングプラットフォーム(28)が固定されて設けられ、
各乗りかご(1)は、1つの乗りかごリフティングプラットフォーム(28)に対応し、
前記乗りかご(1)は、メイン軌道機構(2)にある場合、乗りかごリフティングプラットフォーム(28)によって昇降することを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0182】
(付記45)
付記44に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記サブ軌道機構(3)は、上昇サブ機構と下降サブ機構を含み、
上昇サブ機構と下降サブ機構は、上昇メインチェーン軌道(26)および下降メインチェーン軌道(27)の間に位置し、
フロアへのアクセス通路は、上昇サブ機構と下降サブ機構の間に位置し、
前記サブ軌道機構(3)は、牽引装置を含み、
各ユニットに1つの牽引装置が設けられ、
前記牽引装置は、牽引ボックス(33)、牽引ロープ(34)および吊り下げボックス(35)を含み、
前記牽引ボックス(33)は、各ユニットの上部に固定され、
前記牽引ロープ(34)は、一端が牽引ボックス(33)に巻き付けられ、他端が吊り下げボックス(35)に固定接続され、
前記吊り下げボックス(35)の乗りかごリフティングプラットフォーム(28)に面する側には、乗りかご(1)の出入り口が設けられ、
前記牽引ボックス(33)は、牽引ロープ(34)を介して吊り下げボックス(35)を昇降させることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0183】
(付記46)
付記45に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記切り替え機構(4)は、ばね板(43)を含み、
前記ばね板(43)は、吊り下げボックス(35)の側面にヒンジ接続され、
前記ばね板(43)は、吊り下げボックス(35)に近接しまたは乗りかごリフティングプラットフォーム(28)に接続するように、シリンダーによって回転駆動されることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0184】
(付記47)
付記45に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記サブ軌道機構(3)は、牽引ロープ(34)の一端に固定されて接続されたカウンターウェイト(36)をさらに含むことを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0185】
(付記48)
付記45に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記乗りかごリフティングプラットフォーム(28)には、位置決め溝(281)が設けられ、
前記乗りかご(1)の底部には、位置決め溝(281)に組み合わせられて位置決められる位置決め突起が設けられていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0186】
(付記49)
付記45に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記乗りかごリフティングプラットフォーム(28)および吊り下げボックス(35)のそれぞれには、乗りかご(1)の移動をプッシュするための油圧ジャッキが設けられていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0187】
(付記50)
付記45に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記メイン軌道機構(2)は、補助的固定ガイドレール(29)をさらに含み、
前記乗りかご(1)には、安定化支持フレーム(18)が設けられ、
前記安定化支持フレーム(18)は、一端が乗りかご(1)にヒンジ接続され、他端が補助的固定ガイドレール(29)に組み合わせられて接続され、
前記安定化支持フレーム(18)は、補助的固定ガイドレール(29)に沿って摺動し、
前記安定化支持フレーム(18)は、シリンダーに回転駆動されて補助的固定ガイドレール(29)に接離することを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0188】
(付記51)
付記50に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記上昇メインチェーン軌道(26)と下降メインチェーン軌道(27)は、4つ設けられ、乗りかご(1)の4つのコーナーにそれぞれ配置され、
各前記上昇メインチェーン軌道(26)または下降メインチェーン軌道(27)は、1つの補助的固定ガイドレール(29)が対応付けられて配置されていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0189】
(付記52)
付記46に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記移送機構(5)は、移送チェッカー(51)、複数の移送軌道(52)および補助的移送昇降路(53)を含み、
1階に複数のエレベータ入口が設けられ、
複数の前記エレベータ入口は、2列に配置され、
すべてのエレベータ入口の扉は、すべて対向に設けられるのではなく、
前記メイン軌道機構(2)とサブ軌道機構(3)は、2列のエレベータ入口の間に垂直に位置し、
前記サブ軌道機構(3)は、上昇メインチェーン軌道(26)と下降メインチェーン軌道(27)の間に位置し、
前記補助的移送昇降路(53)は、2つ設けられ、上昇メインチェーン軌道(26)と下降メインチェーン軌道(27)の外側にそれぞれ設けられ、
前記各エレベータ入口に1つの移送チェッカー(51)が設けられ、
前記サブ軌道機構(3)は、エレベータ入口との間、または、補助的移送昇降路(53)を介してエレベータ口との間で、移動軌道(52)を介して接続され、
前記移送チェッカー(51)は、移送軌道(52)で移動し、
前記乗りかご(1)は、移送チェッカー(51)によって各エレベータ入口に搬送されることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0190】
(付記53)
付記52に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記補助的移送昇降路(53)は、最下部のフロアユニットに位置し、
前記補助的移送昇降路(53)には、牽引装置と切り替え機構(4)が設けられていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0191】
(付記54)
付記45に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記エレベータは、最上階軌道機構(8)をさらに含み、
前記最上階軌道機構(8)は、楕円形で閉じた最上階軌道(81)と、2つの補助的リフティング昇降路(83)と、少なくとも1つの最上階チェッカー(82)を含み、
前記最上階チェッカー(82)は、最上階軌道(81)で摺るように設けられ、
前記上昇サブ機構、下降サブ機構および補助的リフティング昇降路(83)は、最上階チェッカー(82)を介して接続されていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0192】
(付記55)
付記54に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記補助的リフティング昇降路(83)は、2つ設けられ、最上部のフロアユニットに位置し、
前記補助的リフティング昇降路(83)は、メイン軌道機構(2)の外側に位置し、
前記補助的リフティング昇降路(83)には、牽引装置と切り替え機構(4)が設けられていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0193】
(付記56)
付記44〜55のいずれか一つに記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
前記フロア毎に乗りかごリフティングプラットフォーム(28)が設けられていることを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。
【0194】
(付記57)
付記1に記載のインテリジェントマルチカーエレベータシステムにおいて、
重量検出モジュールとセンシングモジュールと処理モジュールと安全モジュールとを含んだインテリジェント制御システムをさらに含み、
乗りかご(1)に取り付けられた重量検出モジュールは、各時間帯、各フロアの乗りかごの重量を記録し、データを処理モジュールに伝送して記憶し、データベースを確立し、
センシングモジュールは、乗りかごの走行速度、温度を検出し、検出したデータを処理モジュールに伝送し、
処理モジュールは、データベースのデータに基づいて分析し、ラッシュアワーと高頻度フロアを特定し、走行する乗りかご(1)の数を割り当て、
プロセッサは、システムに故障の発生を判断すると、信号を安全モジュールに送信し、
安全モジュールは、走行させる乗りかご(1)の数を減らすことを特徴とするインテリジェントマルチカーエレベータシステム。