(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6952303
(24)【登録日】2021年9月30日
(45)【発行日】2021年10月20日
(54)【発明の名称】環状エステル類の製造方法
(51)【国際特許分類】
C07D 319/12 20060101AFI20211011BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20211011BHJP
【FI】
C07D319/12
!C07B61/00 300
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-149601(P2017-149601)
(22)【出願日】2017年8月2日
(65)【公開番号】特開2019-26613(P2019-26613A)
(43)【公開日】2019年2月21日
【審査請求日】2020年3月11日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)平成29年2月14日に京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科が発行した「平成28年度 修士論文発表会要旨集」 (2)平成29年2月16日、17日に開催された「京都工芸繊維大学大学院 平成28年度 博士前期課程 修士論文発表会(工芸科学研究科 バイオベースマテリアル学専攻)」
(73)【特許権者】
【識別番号】000004307
【氏名又は名称】日本曹達株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504255685
【氏名又は名称】国立大学法人京都工芸繊維大学
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100102255
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 誠次
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100188352
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 一弘
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【弁理士】
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100198074
【弁理士】
【氏名又は名称】山村 昭裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145920
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(72)【発明者】
【氏名】安孫子 淳
(72)【発明者】
【氏名】米田 奈穂
(72)【発明者】
【氏名】高橋 栄治
【審査官】
早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−239601(JP,A)
【文献】
特開2012−140383(JP,A)
【文献】
特表2016−507545(JP,A)
【文献】
特表2011−516697(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/133377(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0142461(US,A1)
【文献】
Arican, Mehmet Onur; Mert, Olcay,Synthesis and properties of novel diisopropyl-functionalized polyglycolide-PEG copolymers,RSC Advances,2015年,5(87),,71519-71528
【文献】
Cohen-Arazi, Naomi; Domb, Abraham J.; Katzhendler, Joshua,Poly(α-hydroxy alkanoic acid)s Derived From α-Amino Acids,Macromolecular Bioscience ,2013年,13(12),,1689-1699
【文献】
Liu, Tianqi; Simmons, Tara L.; Bohnsack, David A.; MacKay, Michael E.; Smith, Milton R., III; Baker, Gregory L.,Synthesis of Polymandelide: A Degradable Polylactide Derivative with Polystyrene-like Properties,Macromolecules (Washington, DC, United States) ,2007年,40(17),,6040-6047
【文献】
Simmons, Tara L.; Baker, Gregory L.,Poly(phenyllactide): Synthesis, Characterization, and Hydrolytic Degradation,Biomacromolecules,2001年,2(3),,658-663
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 319/12
C07B 61/00
CAplus/REGISTRY(STN)
CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2,6−ジクロロピリジン、2,5−ジクロロピリジン、2−クロロピリジン、3,5−ジクロロピリジン又はピラジンである含窒素芳香族化合物
及びトリフェニルホスフィンから選ばれる少なくとも1種と
トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸である有機酸からなる塩であ
る触媒の存在下に、式〔I〕
【化1】
(式〔I〕中、Rは、フェニル基、ベンジル基、C3〜8のシクロアルキル基、または、直鎖若しくは分岐のC2〜20のアルキル基を示す。)で表されるα−ヒドロキシカルボン酸を反応させることを含む式〔II〕
【化2】
(式〔II〕中、Rは、それぞれ独立に、フェニル基、ベンジル基、C3〜8のシクロアルキル基、または、直鎖若しくは分岐のC2〜20のアルキル基を示す。)で表される環状エステル類の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環状エステル類の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1,4−ジオキサン−2,5−ジオン誘導体(以下、環状エステル類と記載することがある)は、ポリマー原料等として有用な化合物である。該環状エステル類の製造方法として、ヒドロキシカルボン酸化合物を環状エステル類に変換する方法が知られている(特許文献1など)。
【0003】
特許文献2では、ヒドロキシカルボン酸に、トリアリールカルベニウムカチオンと1価のアニオンからなるトリアリールカルベニウム化合物を作用させることを特徴とする環状エステル類の製造方法が提案されている。
【0004】
特許文献3では、ヒドロキシカルボン酸を、特定の酸性ゼオライトと接触させる工程を有し、且つ、0.5〜20バールの圧力で実行することを特徴とする環状エステル類の製造方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表平7−504916号
【特許文献2】特開2008−239601号
【特許文献3】特表2016−507545号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1〜3に記載されている製造方法では、下記式(1)中のRが、水素原子やメチル基である場合には、効率良く環状エステル類が得られるようである。しかし、Rが水素原子やメチル基以外の置換基である場合、α−ヒドロキシカルボン酸化合物の反応性が大きく変わるため、収率良く環状エステル類を得ることができないという問題があった。本発明の課題は、様々な置換基を有するα−ヒドロキシカルボン酸を原料に用いた場合であっても、収率良く環状エステル類を得ることができる製造方法を提供することにある。
【0007】
【化1】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、含窒素芳香族化合物または三置換ホスフィンから選ばれる少なくとも1種と有機酸からなる塩であり、かつ、0.3mmol/Lメタノール溶液にしたときのpHが2以下である触媒の存在下に、α−ヒドロキシカルボン酸を反応させることを含む環状エステル類の製造方法を見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
(1)含窒素芳香族化合物または三置換ホスフィンから選ばれる少なくとも1種と有機酸からなる塩であり、かつ、0.3mmol/Lメタノール溶液にしたときのpHが2以下である触媒の存在下に、式〔I〕
【化2】
(式〔I〕中、Rは、フェニル基、ベンジル基、C3〜8のシクロアルキル基、または、直鎖若しくは分岐のC2〜20のアルキル基を示す。)で表されるα−ヒドロキシカルボン酸を反応させることを含む式〔II〕
【化3】
(式〔II〕中、Rは、それぞれ独立に、フェニル基、ベンジル基、C3〜8のシクロアルキル基、または、直鎖若しくは分岐のC2〜20のアルキル基を示す。)で表される環状エステル類の製造方法。
(2)含窒素芳香族化合物が、対応する共役酸のpKaが2以下の含窒素芳香族化合物である(1)に記載の製造方法。
(3)含窒素芳香族化合物が、2,6−ジクロロピリジン、3,5−ジクロロピリジン、2,5−ジクロロピリジン、2−クロロピリジン、または、ピラジンである(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)三置換ホスフィンが、対応する共役酸のpKaが3以下の三置換ホスフィンである(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)三置換ホスフィンが、トリフェニルホスフィンである(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)有機酸が、トリフルオロメタンスルホン酸である(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の製造方法によれば、特定のα−ヒドロキシカルボン酸から、特定の1,4−ジオキサン−2,5−ジオン誘導体を効率良く製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の製造方法は、特定の触媒の存在下に、式〔I〕で表されるα−ヒドロキシカルボン酸(以下、α−ヒドロキシカルボン酸〔I〕と記載することがある)を反応させることを含む式〔II〕で表される環状エステル類(以下、環状エステル類〔II〕と記載することがある)の製造方法である。
【0012】
(α−ヒドロキシカルボン酸〔I〕)
本発明の製造方法で用いるα−ヒドロキシカルボン酸〔I〕は以下で表される。
【化4】
【0013】
式〔I〕中、Rは、フェニル基、ベンジル基、C3〜8のシクロアルキル基、または、直鎖若しくは分岐のC2〜20のアルキル基を示す。これらのうち、直鎖若しくは分岐のC2〜20のアルキル基が好ましい。
C3〜8のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。
直鎖若しくは分岐のC2〜20のアルキル基としては、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基などを挙げることができる。
【0014】
α−ヒドロキシカルボン酸〔I〕として、具体的には、2−ヒドロキシ−2−フェニル酢酸、2−ヒドロキシ−3−フェニルプロパン酸、2−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸、2−ヒドロキシ−ヘキサン酸、2−ヒドロキシ−4−メチルペンタン酸、2−ヒドロキシ−3−メチルペンタン酸、2−ヒドロキシヘプタン酸、2−ヒドロキシオクタン酸、2−ヒドロキシノナン酸、2−ヒドロキシデカン酸、2−ヒドロキシウンデカン酸、2−ヒドロキシドデカン酸、2−ヒドロキシトリデカン酸などを挙げることができる。
【0015】
本発明の製造方法において、α−ヒドロキシカルボン酸〔I〕は2種以上を用いてもよい。
【0016】
α−ヒドロキシカルボン酸〔I〕は、公知の化合物を用いることができる。α−ヒドロキシカルボン酸〔I〕は、式〔I〕中の*で示す位置に不斉炭素原子を有する。本発明で使用するα−ヒドロキシカルボン酸〔I〕は、前記不斉炭素についてのR体、S体、ラセミ体およびそれらの混合物すべてを包含する。
本発明の製造方法に使用するα−ヒドロキシカルボン酸〔I〕は、水分含有量を少なくするために、使用前に脱水処理をしておくのが好ましい。具体的には、水分含有量が10質量%以下のものを使用するのが好ましく、1質量%以下のものを使用するのがより好ましく、実質的に水分を含まないものを使用するのがさらに好ましい。脱水処理する方法としては、トルエン、キシレン等の水と共沸する溶媒を用いて共沸脱水処理をする方法や、脱水剤で処理をする方法などが挙げられる。
【0017】
(環状エステル類〔II〕)
本発明の製造方法で製造する環状エステル類〔II〕は、以下で表される。
【化5】
【0018】
式〔II〕中、Rは、それぞれ独立に、フェニル基、ベンジル基、C3〜8のシクロアルキル基、または、直鎖若しくは分岐のC2〜20のアルキル基を示す。式〔II〕中の各Rは、同一の構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
【0019】
C3〜8のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。
直鎖若しくは分岐のC2〜20のアルキル基としては、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基などを挙げることができる。
【0020】
環状エステル類〔II〕として、具体的には、3,6−ジフェニル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,6−ジベンジル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,6−ジシクロヘキシル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,6−ジエチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,6−ジプロピル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,6−ジイソプロピル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,6−ジブチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,6−ジイソブチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,6−ジ−sec−ブチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,6−ジヘプチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,6−ジペンチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,6−ジヘキシル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,6−ジオクチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,6−ジノニル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,6−ジデシル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,6−ジウンデシル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3−エチル−6−イソブチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3−イソブチル−6−イソプロピル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3−イソブチル−6−プロピル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3−ベンジル−6−イソブチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3−シクロヘキシル−6−イソブチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンなどを挙げることができる。
【0021】
環状エステル類〔II〕は、式〔II〕中の*で示す位置に2つの不斉炭素原子を有する。本発明で製造する環状エステル類〔II〕は、前記不斉炭素についてのR体、S体、ラセミ体およびそれらの混合物すべてを包含する。
【0022】
(触媒)
本発明の製造方法で使用する触媒は、含窒素芳香族化合物または三置換ホスフィンから選ばれる少なくとも1種と有機酸からなる塩である。また、前記塩は、0.3mmol/Lメタノール溶液にしたときのpHが2以下を示すものである。このような触媒を用いることにより、副反応を少なくして、収率良く環状エステル類〔II〕を得ることができる。
【0023】
本発明の製造方法で用いる含窒素芳香族化合物は、対応する共役酸のpKaが2以下の含窒素芳香族化合物であるのが好ましい。対応する共役酸のpKaが2以下の含窒素芳香族化合物としては、2,6−ジクロロピリジン(−3.02)、2,5−ジクロロピリジン(−2.25)、2−クロロピリジン(0.14)、3,5−ジクロロピリジン(0.32)、または、ピラジン(1.22)などを挙げることができる。なお、カッコ内の数字は対応する共役酸のpKaを意味する。
【0024】
本発明の製造方法で用いる三置換ホスフィンは、対応する共役酸のpKaが3以下の三置換ホスフィンであるのが好ましい。対応する共役酸のpKaが3以下の三置換ホスフィンとしては、トリフェニルホスフィン(2.73)を挙げることができる。なお、カッコ内の数字は対応する共役酸のpKaを意味する。
【0025】
本発明の製造方法で用いる有機酸は、含窒素芳香族化合物または三置換ホスフィンから選ばれる少なくとも1種と塩を形成する限り特に制限されない。それらのうち、含窒素芳香族化合物または三置換ホスフィンから選ばれる少なくとも1種と塩を形成したときに、その塩が、0.3mmol/Lメタノール溶液にしたときのpHが2以下となるものが好ましい。有機酸として具体的には、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などを挙げることができる。
【0026】
本発明の製造方法で用いる触媒として、具体的には、ピラジニウムトリフルオロメタンスルホネート(1.6)、2−クロロピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート(1.4)、トリフェニルホスホニウムトリフルオロメタンスルホネート(1.4)、2,5−ジクロロピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート(1.3)、2,6−ジクロロピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート(1.0)などを挙げることができる。なお、カッコ内の数字は、0.3mmol/Lメタノール溶液にしたときのpHを示す。
【0027】
本発明において触媒の使用量は特に限定されないが、α−ヒドロキシカルボン酸〔I〕に対して、20モル%以下が好ましく、15モル%以下がより好ましい。
【0028】
(有機溶媒)
本発明の製造方法で使用する有機溶媒は、特に限定されないが、原料であるα−ヒドロキシカルボン酸〔I〕や、目的物である環状エステル類〔II〕を溶解する溶媒が好ましい。本発明の製造方法の反応は、平衡反応であるため目的物の生成側に平衡を偏らせるためには、反応系内から水分を除去する必要がある。そのため、本発明で使用する有機溶媒は、水と混ざりにくく、また、水と共沸しやすい溶媒を選択するのが好ましい。水と混ざりにくいという観点からは、炭化水素系溶媒であるのが好ましく、さらに、水と共沸するため効率的に系内から水を除去できるという観点からは、炭化水素系溶媒の中でもトルエン、キシレンが好ましい。
【0029】
(反応温度など)
反応は、70℃〜反応溶媒の沸点の範囲で行うのが好ましい。
【0030】
(精製工程)
反応後、反応溶液を通常採用される方法で処理することにより、環状エステル類〔II〕の粗生成物を得ることができる。得られた粗生成物は、再結晶等の有機合成反応において通常採用される精製方法により精製することができる。
【0031】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜に変更を加えて実施することが勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【実施例】
【0032】
[実施例1〜4]
dl-ロイシン酸(東京化成社製)、トリフェニルホスホニウムトリフルオロメタンスルホネートをトルエンに表1の量関係となるように加えた。トラップをトルエンで満たしたDean-Stark管を装着して、9時間還流させた。反応溶液の一部をスポイトで採取し、NMRチューブに移してCDCl
3を加え、NMRを測定した。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
実施例1〜4の結果から、反応系を0.1M以下の基質濃度とすることにより、副生成物であるオリゴマーの生成比が低下することがわかる。
【0034】
[実施例5〜13]および[比較例1〜3]
dl-ロイシン酸(東京化成社製)、触媒(基質1モルに対し触媒が3モル%となる量)をキシレンに表2の量関係となるように加えた。トラップをキシレンで満たしたDean-Stark管を装着して、還流させた。反応溶液の一部をスポイトで採取し、NMRチューブに移してCDCl
3を加え、NMRを測定した。結果を表2に示す
【0035】
【表2】
実施例5〜12および比較例1〜4の結果から、触媒のpHが2以下であるとき収率が良いことがわかった。また、使用する含窒素芳香族化合物の対応する共役酸のpKaが2以下であるとき収率が良く、使用する三置換ホスフィンのpKaが3以下であるとき収率が良いことがわかる。
【0036】
[実施例14〜16]
各α−ヒドロキシ酸(反応系中の基質濃度が0.06Mとなる量)、2,6−ジクロロピリジニウムトリフルオロメタンスルホネート(基質1モルに対し触媒が3モル%となる量)をキシレンに加えた。トラップをキシレンで満たしたDean-Stark管を装着して、還流させた。反応溶液の一部をスポイトで採取し、NMRチューブに移してCDCl
3を加え、NMRを測定した。結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
[実施例17、18]
dl-バリン酸(反応系中の基質濃度が0.06Mとなる量)、2,6−ジクロロピリジニウムトリフルオロメタンスルホネートをトルエンに表4の量関係となるように加えた。トラップをトルエンで満たしたDean-Stark管を装着して、還流させた。反応溶液の一部をスポイトで採取し、NMRチューブに移してCDCl
3を加え、NMRを測定した。結果を表4に示す。
【表4】