特許第6952382号(P6952382)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6952382吊りボルト取付具、釘打機、釘打機用鍔部
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6952382
(24)【登録日】2021年9月30日
(45)【発行日】2021年10月20日
(54)【発明の名称】吊りボルト取付具、釘打機、釘打機用鍔部
(51)【国際特許分類】
   B25C 7/00 20060101AFI20211011BHJP
   F16L 3/14 20060101ALI20211011BHJP
【FI】
   B25C7/00 Z
   F16L3/14 B
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2021-18250(P2021-18250)
(22)【出願日】2021年2月8日
【審査請求日】2021年2月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521059480
【氏名又は名称】有限会社ミスズダイヤモンド
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】特許業務法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077919
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100172638
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 隆治
(74)【代理人】
【識別番号】100153899
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100159363
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 淳子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 次郎
【審査官】 山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−042758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25C 7/00
F16L 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファスナーにより天井に取り付けられる吊りボルト取付具であって、
前記ファスナーを挿入するためのファスナー挿入孔を備え、前記ファスナー挿入孔を介して前記天井に打ち込まれる前記ファスナーにより前記天井に固定される第1水平部と、
前記第1水平部よりも下方に位置し、吊りボルトを装着するための吊りボルト装着部を備えた第2水平部と、
前記第1水平部及び前記第2水平部に対して傾斜し又は垂直であり、前記第1水平部と前記第2水平部とを接続する延在部と、
前記第1水平部と前記延在部との間に一体的に設けられ、前記第1水平部から前記延在部へ向かって垂直に延びた板状の第1補強部と、
前記第2水平部と前記延在部との間に一体的に設けられ、前記第2水平部から前記延在部へ向かって垂直に延びた板状の第2補強部とを有することを特徴とする吊りボルト取付具。
【請求項2】
前記第1補強部を挿入可能なスリットが形成された鍔部を前記ファスナーの射出口に備えた釘打機によって前記ファスナーが前記ファスナー挿入孔に打ち込まれることにより、前記ファスナーの軸部が前記ファスナー挿入孔から突出して前記天井に突き刺さり、前記ファスナーの頭部は前記第1水平部に係合して前記第1水平部を前記天井に押し付け固定することを特徴とする請求項1に記載の吊りボルト取付具。
【請求項3】
前記ファスナー挿入孔に前記ファスナーを打ち込み可能に備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吊りボルト取付具。
【請求項4】
吊りボルト取付具をファスナーにより天井に取り付けるために、前記吊りボルト取付具に備えられたファスナー挿入孔を介して前記天井に前記ファスナーを打ち込むための釘打機であって、
前記ファスナーを挿入するための前記ファスナー挿入孔を備えた前記第1水平部と、前記第1水平部よりも下方に位置し吊りボルトを装着するための吊りボルト装着部を備えた第2水平部と、前記第1水平部及び前記第2水平部に対して傾斜し又は垂直であり前記第1水平部と前記第2水平部とを接続する延在部と、前記第1水平部と前記延在部との間に一体的に設けられ前記第1水平部から前記延在部へ向かって垂直に延びた板状の第1補強部と、前記第2水平部と前記延在部との間に一体的に設けられ前記第2水平部から前記延在部へ向かって垂直に延びた板状の第2補強部とを有する前記吊りボルト取付具の前記第1補強部を挿入可能なスリットが形成された鍔部を前記ファスナーの射出口に備えたことを特徴とする釘打機。
【請求項5】
吊りボルト取付具をファスナーにより天井に取り付けるために、前記吊りボルト取付具に備えられたファスナー挿入孔を介して前記天井に前記ファスナーを打ち込むための釘打機の前記ファスナーの射出口に装着される釘打機用鍔部であって、
前記ファスナーを挿入するための前記ファスナー挿入孔を備えた前記第1水平部と、前記第1水平部よりも下方に位置し吊りボルトを装着するための吊りボルト装着部を備えた第2水平部と、前記第1水平部及び前記第2水平部に対して傾斜し又は垂直であり前記第1水平部と前記第2水平部とを接続する延在部と、前記第1水平部と前記延在部との間に一体的に設けられ前記第1水平部から前記延在部へ向かって垂直に延びた板状の第1補強部と、前記第2水平部と前記延在部との間に一体的に設けられ前記第2水平部から前記延在部へ向かって垂直に延びた板状の第2補強部とを有する吊りボルト取付具の前記第1補強部を挿入可能なスリットが形成されていることを特徴とする釘打機用鍔部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊りボルト取付具、釘打機、釘打機用鍔部に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、空気調和機、照明器具、配管等の様々な構造物を懸吊支持するための吊りボルトの天井への取り付けは、吊りボルト用の取付金具を天井にピンで固定し、この取付金具に対して吊りボルトを装着することで行われている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−42758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来の取付金具は、天井にピンで固定する際に破損したり、吊りボルトで引っ張られて変形してしまうおそれがあった。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、変形破損しにくい吊りボルト取付具、該吊りボルト取付具に好適な釘打機、釘打機用鍔部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、
ファスナーにより天井に取り付けられる吊りボルト取付具であって、
前記ファスナーを挿入するためのファスナー挿入孔を備え、前記ファスナー挿入孔を介して前記天井に打ち込まれる前記ファスナーにより前記天井に固定される第1水平部と、
前記第1水平部よりも下方に位置し、吊りボルトを装着するための吊りボルト装着部を備えた第2水平部と、
前記第1水平部及び前記第2水平部に対して傾斜し又は垂直であり、前記第1水平部と前記第2水平部とを接続する延在部と、
前記第1水平部と前記延在部との間に一体的に設けられ、前記第1水平部から前記延在部へ向かって垂直に延びた板状の第1補強部と、
前記第2水平部と前記延在部との間に一体的に設けられ、前記第2水平部から前記延在部へ向かって垂直に延びた板状の第2補強部とを有することを特徴とする吊りボルト取付具を提供する。
【0007】
また本発明は、
吊りボルト取付具をファスナーにより天井に取り付けるために、前記吊りボルト取付具に備えられたファスナー挿入孔を介して前記天井に前記ファスナーを打ち込むための釘打機であって、
前記ファスナーを挿入するための前記ファスナー挿入孔を備えた前記第1水平部と、前記第1水平部よりも下方に位置し吊りボルトを装着するための吊りボルト装着部を備えた第2水平部と、前記第1水平部及び前記第2水平部に対して傾斜し又は垂直であり前記第1水平部と前記第2水平部とを接続する延在部と、前記第1水平部と前記延在部との間に一体的に設けられ前記第1水平部から前記延在部へ向かって垂直に延びた板状の第1補強部と、前記第2水平部と前記延在部との間に一体的に設けられ前記第2水平部から前記延在部へ向かって垂直に延びた板状の第2補強部とを有する前記吊りボルト取付具の前記第1補強部を挿入可能なスリットが形成された鍔部を前記ファスナーの射出口に備えたことを特徴とする釘打機を提供する。
【0008】
また本発明は、
吊りボルト取付具をファスナーにより天井に取り付けるために、前記吊りボルト取付具に備えられたファスナー挿入孔を介して前記天井に前記ファスナーを打ち込むための釘打機の前記ファスナーの射出口に装着される釘打機用鍔部であって、
前記ファスナーを挿入するための前記ファスナー挿入孔を備えた前記第1水平部と、前記第1水平部よりも下方に位置し吊りボルトを装着するための吊りボルト装着部を備えた第2水平部と、前記第1水平部及び前記第2水平部に対して傾斜し又は垂直であり前記第1水平部と前記第2水平部とを接続する延在部と、前記第1水平部と前記延在部との間に一体的に設けられ前記第1水平部から前記延在部へ向かって垂直に延びた板状の第1補強部と、前記第2水平部と前記延在部との間に一体的に設けられ前記第2水平部から前記延在部へ向かって垂直に延びた板状の第2補強部とを有する吊りボルト取付具の前記第1補強部を挿入可能なスリットが形成されていることを特徴とする釘打機用鍔部を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、変形破損しにくい吊りボルト取付具、該吊りボルト取付具に好適な釘打機、釘打機用鍔部を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1(a)及び図1(b)は本発明の第1実施形態に係る吊りボルト取付具の構成を示す正面図及び斜視図である。
図2図2(a)、図2(b)及び図2(c)は本発明の第1実施形態に係る吊りボルト取付具に好適な釘打機の構成を示す側面図、斜視図及び図2(a)の矢視拡大図である。
図3図3は本発明の第1実施形態に係る吊りボルト取付具の使用状態を示す図である。
図4図4(a)及び図4(b)は本発明の第2実施形態に係る吊りボルト取付具の構成を示す正面図及び斜視図である。
図5図5(a)及び図5(b)は本発明の第1実施形態に係る吊りボルト取付具に好適な釘打機の構成を示す側面図及び該釘打機の射出口及び鍔部の構成を示す拡大断面図である。
図6図6は本発明の第2実施形態に係る吊りボルト取付具の使用状態を示す図である。
図7図7(a)、図7(b)、図7(c)、図7(d)、図7(e)、図7(f)、図7(g)及び図7(h)は本発明の第1実施形態に係る吊りボルト取付具の正面図、背面図、平面図、底面図、図7(c)のA−A断面図、右側面図、左側面図及び使用状態を示す参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の各実施形態に係る吊りボルト取付具、該吊りボルト取付具に好適な釘打機、釘打機用の鍔部を添付図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1(a)及び図1(b)に示す第1実施形態に係る吊りボルト取付具1は、コンクリート等の天井に固定して吊りボルトを装着するためのものである。
吊りボルト取付具1は、金属製で矩形の板部材を側方から見て略Z形に折り曲げてなり、詳細には第1水平部4と、第1水平部4よりも図1(a)において下方に位置する第2水平部5と、第1水平部4と第2水平部5の端部同士を接続する斜め方向へ延びた延在部6とからなる。
【0012】
第1水平部4は、吊りボルト取付具1を天井に固定した際に天井に当接する部分である。第1水平部4の下面中央には、略円錐状の突起が一体的に設けられており、該突起の中心を貫通するファスナー挿入孔7が形成されている。ファスナー挿入孔7は、吊りボルト取付具1を天井に固定するためのピン、釘、ネジ等のファスナーを挿入するためのものである。
【0013】
本実施形態に係る吊りボルト取付具1のファスナー挿入孔7にはピン9が打ち込み可能に取り付けられている。即ち、予め吊りボルト取付具1のファスナー挿入孔7にピン9がセッティングされた状態となっており、後述する釘打機15を用いて容易にピン9を打ち込むことができる。また、吊りボルト取付具1とピン9とを1つの物品として取り扱うことができる。本実施形態においてピン9は、金属製の釘9aと、釘9aの頭部に取り外し可能に取り付けられた筒状部9bからなり、筒状部9bには所定の薬剤(化学物質)が収納されている。
【0014】
第2水平部5は、吊りボルトを装着するための吊りボルト装着部11が形成されている。詳細には、第2水平部5の上面中央に略円柱状の突起が一体的に設けられており、該突起の中心を貫通する貫通孔11aが設けられており、該貫通孔11aの内周面に吊りボルトの雄ネジ部に螺合可能な雌ネジ部11bが形成されている。なお、第2水平部5の略円柱状の突起は、第2水平部5の上面に限られず下面或いは両面に設けられていてもよい。第2水平部5の先端には、図1(a)上方へ向かって延びた折り返し部12が一体的に設けられている。
なお、延在部6は、第1水平部4及び第2水平部5に対して傾斜しているが、第1水平部4及び第2水平部5に対して垂直でもよい。
【0015】
第1水平部4と延在部6との間には、2つの第1補強部13、13が一体的に設けられている。第1補強部13、13は、第1水平部4の幅方向における両端から延在部6の幅方向における両端へ向かってそれぞれ垂直に延びた板状部材であって、側方から見て三角形状をしている。
【0016】
第2水平部5と延在部6との間には、2つの第2補強部14、14が一体的に設けられている。第2補強部14、14は、上述の第1補強部13、13と同様、第2水平部5の幅方向における両端から延在部6の幅方向における両端へ向かってそれぞれ垂直に延びた板状部材であって、側方から見て三角形状をしている。
【0017】
図2(a)に示す釘打機15は、本実施形態に係る吊りボルト取付具1を天井に固定する際に、吊りボルト取付具1を押さえながら吊りボルト取付具1のピン9を天井に打ち込むために用いられるものである。
釘打機15は、使用者が把持するための円柱形状の把持部16と、把持部16の先端に設けられており把持部16と同心の円筒部17と、円筒部17の先端に着脱自在に取り付けられている金属製の鍔部18とからなる。
【0018】
円筒部17は、吊りボルト取付具1のピン9の筒状部9bに収納された薬剤を反応させるための不図示の針状部材を内蔵している。
【0019】
鍔部18は、吊りボルト取付具1を押さえるためのものであり、図2(b)に示すように円板形状の大径部21と、大径部21と同心で大径部21よりも径の小さな円板形状の小径部22とからなる。大径部21と小径部22とは一体であり、中心に円筒部17先端の縮径部分と螺嵌する貫通口23が形成されている。大径部21には、外周部を部分的に切り欠いた切欠部21aが設けられており、さらに切欠部21aから貫通口23へ向かって2本の平行なスリット21b、21bが形成されている。スリット21b、21bの幅及びスリット21b、21b同士の間隔は、吊りボルト取付具1の第1補強部13、13をスリット21b、21bに挿入可能な大きさに設計されている。
【0020】
上記構成の吊りボルト取付具1と釘打機15を用い、使用者はまず吊りボルト取付具1のピン9を釘打機15の円筒部17内に射出口17aより挿入しつつ吊りボルト取付具1の第1補強部13、13を鍔部18のスリット21b、21bに挿入する。使用者はこの状態を維持したまま吊りボルト取付具1を天井2の所望の位置に配置し、天井2へ向かって把持部16を押し込むことにより、円筒部17内部で上述の針状部材がピン9の筒状部9bに突き刺さる。これにより筒状部9b内の薬剤が爆発してピン9を筒状部17から射出する推進力が生じる。この推進力によりピン9の釘9aは天井2に打ち込まれ、吊りボルト取付具1を天井2に固定することができる。使用者はこのようにして天井2に固定した吊りボルト取付具1の吊りボルト装着部11に吊りボルト3を装着することで、天井2への吊りボルト3の取り付けを行うことができる(図3参照)。
【0021】
本実施形態に係る吊りボルト取付具1は、第1補強部13、13及び第2補強部14、14を設けたことにより、シンプルな構造でありながら強度を効果的に向上することができる。このため、天井2にピン9で固定する際に変形、破損したり、吊りボルト装着部11に装着された吊りボルト3で引っ張られ変形してしまうおそれがない。
また、本実施形態に係る吊りボルト取付具1は、ファスナー挿入孔7にピン9が打ち込み可能に取り付けられていることにより、天井2に固定する際にボルト取付具1の裏表を混同してしまうおそれもない。
【0022】
釘打機15は、鍔部18にスリット21b、21bを設けたことにより、上述のように吊りボルト取付具1の第1補強部13、13をスリット21b、21bに挿入することができる。これにより、鍔部18で吊りボルト取付具1をしっかりと保持することができる。また、鍔部18において吊りボルト取付具1がピン9を中心として回転してしまうことを防ぐこともでき、吊りボルト取付具1を天井2の所望の位置に所望の向きで容易に配置することが可能となる。
【0023】
(第2実施形態)
図4(a)に示す第2実施形態に係る吊りボルト取付具30は、上記第1実施形態に係る吊りボルト取付具1からピン9を排除したものである。なお、本実施形態に係る吊りボルト取付具30及び後述する図5(a)に示す釘打機31について、上記第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成について詳述する。
【0024】
釘打機31は、不図示のエアコンプレッサに接続して圧縮空気の力で釘を打ち込む工具であり、天井に吊りボルト取付具30を固定する際に、吊りボルト取付具30を押さえながらピンを天井に打ち込むために用いられる。
釘打機31は、図5(a)及び図5(b)に示すように釘32を射出する射出口33、射出口33から釘32を射出させるためのシリンダやピストンからなる出力部34、釘32を収納するマガジン35、マガジン35から出力部34へ釘32を供給する供給部36、使用者が把持するための把持部37、使用者が操作するトリガー38等で構成されており、それぞれの内部構成は公知であるため説明を省略する。
【0025】
釘打機31において射出口33は、図5(b)に示すように釘打機31本体部分に固定された円筒状の内筒部33aと、内筒部33aに摺動可能に外嵌された円筒状の外筒部33bとによって構成されている。外筒部33bの先端には、金属製の鍔部40が着脱自在に螺嵌されている。
【0026】
鍔部40は、吊りボルト取付具30を押さえるためのものであり、上記第1実施形態における釘打機15の鍔部18と同様に、円板形状の大径部21と、大径部21と同心で大径部21よりも径の小さな円板形状の小径部22とからなる。大径部21と小径部22とは一体であり、その中心には釘打機31の外筒部33bに外嵌する貫通口23が形成されている。大径部21には、外周部を部分的に切り欠いた切欠部21aが設けられており、さらに切欠部21aから貫通口23へ向かって2本の平行なスリット21b、21bが形成されている(図5(b)中不図示)。スリット21b、21bの幅及びスリット21b、21b同士の間隔は、吊りボルト取付具30の第1補強部13、13をスリット21b、21bに挿入可能な大きさに設計されている。
【0027】
上記構成の吊りボルト取付具30と釘打機31を用い、使用者はまず釘打機31の鍔部40のスリット21b、21bに吊りボルト取付具30の第1補強部13、13を挿入する。使用者はこの状態を維持したまま吊りボルト取付具30を天井2の所望の位置に配置する。そして使用者は吊りボルト取付具30とともに釘打機31の射出口33を天井2に向かって押し当ててトリガー38を引く。これによって射出口33から釘32が射出されて天井2に打ち込まれ、吊りボルト取付具30を天井2に固定することができる。使用者はこのようにして天井2に固定した吊りボルト取付具30の吊りボルト装着部11に吊りボルト3を装着することで、天井2への吊りボルト3の取り付けを行うことができる(図6参照)。
【0028】
本実施形態に係る吊りボルト取付具30及び釘打機31は、上記第1実施形態に係る吊りボルト取付具1及び釘打機31と同様の効果を奏することができる。
【0029】
上記各実施形態によれば、変形破損しにくい吊りボルト取付具1、30、該吊りボルト取付具1、30に好適な釘打機15、31を実現することができる。
なお、上記各実施形態において吊りボルト取付具1、30には第1補強部13、13と第2補強部14、14が2つずつ設けられている。しかしながらこれに限られず、第1補強部13と第2補強部14を少なくとも1つずつ設けた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0030】
1、30 吊りボルト取付具
2 天井
3 吊りボルト
4 第1水平部
5 第2水平部
6 延在部
7 ファスナー挿入孔
9 ピン
9a、32 釘
11 吊りボルト装着部
13 第1補強部
14 第2補強部
15、31 釘打機
17a、33 射出口
18、40 鍔部
21b スリット
【要約】
【課題】変形破損しにくい吊りボルト取付具、該吊りボルト取付具に好適な釘打機、釘打機用鍔部を提供する。
【解決手段】ファスナー9を挿入するためのファスナー挿入孔7を備えた第1水平部4と、吊りボルト3を装着するための吊りボルト装着部11を備えた第2水平部5と、第1水平部4と第2水平部5とを接続する延在部6と、第1水平部4から延在部6へ向かって垂直に延びた第1補強部13と、第2水平部5から延在部6へ向かって垂直に延びた第2補強部14とを有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7