【文献】
SAKATA, K., et al.,"Development of a Monitoring System of Digital Signage to Improve Dependability of Displaying Conten,IPSJ Journal, [CD-ROM],日本,2012年03月15日,Vol.53, No.3,pages 987-996,ISSN:1882-7837
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コンテンツ表示スケジュールは、所定の時間帯で設定することができ、設定された各々の時間帯に対して、前記コンテンツを1又は複数含むことができることを特徴とする、請求項3に記載のコンテンツ表示システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、一例として、本発明におけるコンテンツ表示装置を含むデジタルサイネージシステムについて説明する。
【0017】
[1. 第1実施形態]
[1.1 全体構成]
まず、本実施形態のデジタルサイネージシステム1の全体構成について、
図1に基づいて説明する。
図1に示すように、デジタルサイネージシステム1には、コンテンツ管理装置である管理サーバ10に、ネットワークを介してコンテンツ表示装置である表示装置20が接続されている。表示装置20は、
図1に示すように複数接続されても良い。また、
図1においては、表示装置20は、管理サーバ10と同一ネットワークに接続されていることとして説明しているが、インターネット等の外部ネットワークを介して接続されていてもよい。
【0018】
[1.2 機能構成]
つづいて、管理サーバ10及び表示装置20の機能構成について説明する。
【0019】
[1.2.1 管理サーバ]
管理サーバ10の機能構成について、
図2に基づいて説明する。管理サーバ10は、制御部110と、通信部120と、表示部130と、記憶部140と、ハッシュ値計算部160とを備えて構成されている。
【0020】
制御部110は、管理サーバ10の全体を制御するための機能部である。制御部110は、記憶部140に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えばCPU(Central Processing Unit)等により構成されている。
【0021】
通信部120は、他の装置と通信を行うための機能部である。例えば、有線LANにより通信可能な機能部であったり、無線LANにより通信可能な機能部であったりする。通信方式としては、Ethernet(登録商標)やIEEE802.11a/b/g/nであっても良いし、LTE(登録商標)通信網やWiMAX(登録商標)のような通信網であっても良い。
【0022】
表示部130は、各種情報を表示したり、スケジュール作成画面を表示したりするための機能部である。例えば、LCD(liquid crystal display)や、有機ELディスプレイ、プロジェクタ等により構成されている。
【0023】
記憶部140は、管理サーバ10の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部140は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
【0024】
ここで、記憶部140には、サイネージデータ格納領域142と、ハッシュ値格納領域144と、代替コンテンツデータ格納領域148とが確保されており、さらにサイネージ管理プログラム150が記憶されている。
【0025】
以下、記憶部140に格納するデータについて説明する。サイネージデータ格納領域142は、サイネージデータが格納される領域である。本実施形態におけるサイネージデータとは、管理サーバ10から表示装置20へ送信されるデータであり、コンテンツデータと、コンテンツデータを表示装置20で表示するスケジュールであるコンテンツ表示スケジュールを含むものである。
【0026】
ここで、サイネージデータ格納領域142には、具体的にはコンテンツを表示するスケジュールを定義したコンテンツ表示スケジュール1420と、表示装置20で表示するコンテンツの具体的なデータであるコンテンツデータ1422とが格納される。また、コンテンツ表示スケジュール1420は、どのコンテンツを、どの端末で、どの時間帯に表示するかを設定したものであり、カレンダースケジュールテーブル1420aと、タイムスケジュールテーブル1420bと、番組テーブル1420cとで構成されている。
【0027】
カレンダースケジュールテーブル1420aについて、
図3を参照して説明する。カレンダースケジュールテーブル1420aには、カレンダースケジュールが記憶されており、一例として、表示装置20を識別するための表示装置ID(例えば、「Sig1)」と、コンテンツを表示する日を指定した日付(例えば、「2017年4月1日」)と、タイムスケジュールを示すタイムスケジュール名(例えば、「休日用タイムスケジュール(出口付近)」)とが記憶されている。
【0028】
また、カレンダースケジュールは、表示装置ID及び日付に対して、1のタイムスケジュールを割り当てるものなので、例えば表示装置IDが「Sig1」である表示装置20に対して、休日と平日とで別のタイムスケジュールを割り当てることができる。また、同じ日付であっても、異なる表示装置20に対して、別のタイムスケジュールを割り当てることが可能である。例えば表示装置IDが「Sig1」である表示装置20が建物の出口付近にあり、表示装置IDが「Sig2」である表示装置20が建物の構内にある場合、それぞれ別のタイムスケジュールを割り当てることが可能である。
【0029】
タイムスケジュールテーブル1420bについて、
図4を参照して説明する。タイムスケジュールテーブル1420bには、タイムスケジュールが記憶されており、一例として、タイムスケジュールを示すタイムスケジュール名(例えば、「休日用タイムスケジュール(出口付近)」)と、時間帯(例えば、「08:00〜08:59」)と、番組名(例えば、「旅行CM」)とが記憶されている。
【0030】
すなわち、タイムスケジュールは、1日の中に1又は複数の所定の時間帯を設定し、設定した時間帯に対して1の番組を割り当てるものである。したがって、タイムスケジュールには複数の番組が割り当てられることが一般的であるが、1の番組のみが割り当てられてもよい。
【0031】
番組テーブル1420cについて、
図5を参照して説明する。番組テーブル1420cには、番組が記憶されており、番組名(例えば、「旅行CM1」)と、表示枠(例えば、表示枠1「(0,0)−(909,1079)」)と、表示枠に割り当てられたコンテンツ情報(例えば、「CM1−MOVIE1.WMV CM1−MOVIE2.WMV」)とが記憶されている。
【0032】
すなわち、番組は、表示装置20がコンテンツを表示する表示領域を1又は複数の領域(以下、「表示枠」という)に分割し、各表示枠に対し1又は複数のコンテンツを割り当てたものである。
【0033】
また、本実施形態におけるコンテンツ表示装置は、複数の表示枠を設定することにより、ある時間帯において、同時に複数のコンテンツを表示することを可能とするものである。例えば、
図6に示すように、表示領域「(0,0)−(1919,1079)」を、表示枠1「(0,0)−(909,1079)」と、表示枠2「(910,0)−(1919,1079)」との2つの表示領域(表示枠)に分けている。
【0034】
なお、説明の都合上、
図5の番組テーブル1420cにおいては、表示枠として座標を記憶させているが、別に表示枠の設定テーブルを記憶していてもよい。この場合、番組テーブル1420cには、表示枠を特定する情報を記憶すれば良い。
【0035】
また、本実施形態においては、表示領域の中に複数の表示枠があることを前提に説明するが、表示領域だけ(すなわち、表示枠が1つの状態)であってもよいことは勿論である。
【0036】
コンテンツ情報は、管理サーバ10から、表示装置20へ配信されるコンテンツに関する情報が記憶されている。表示装置20は、表示枠において、コンテンツ情報に基づいてコンテンツデータを表示することとなる。コンテンツ情報としては、例えばコンテンツデータのファイル名が記憶される。また、コンテンツデータの表示時間が併せて記憶されても良い。
【0037】
図7に基づき、コンテンツ表示スケジュール1420の一例を説明する。コンテンツ表示スケジュール1420は、カレンダースケジュールテーブル1420aと、タイムスケジュールテーブル1420bと、番組テーブル1420cとが含まれており、それらを結合した図となっている。
図7は、表示装置ID「Sig1」で示される表示装置20が「2017年4月1日」に「休日用タイムスケジュール(出口付近)」というコンテンツ表示スケジュールに基づいてコンテンツを表示することを示している。
【0038】
また、
図7に示すタイムスケジュールには3つの番組が含まれ、それぞれの番組には、所定の表示枠及び表示枠毎に割り当てたコンテンツを指定していることを示している。このように、コンテンツ表示スケジュールを多段階にすることで、番組の変更や、タイムスケジュールの変更を柔軟に行うことが可能となる。
【0039】
コンテンツデータ1422は、サイネージデータの一部であるコンテンツデータである。コンテンツデータは、表示装置20で表示可能なデータであり、管理サーバ10から表示装置20へサイネージデータに含まれて配信される。
【0040】
ここで、コンテンツデータとしては、表示装置20で表示可能なデータであり、動画や静止画である。動画は、例えば、Audio Video Interleave(aviファイル)、Windows Media Video(wmvファイル)、MPEG(mpgファイル)等の何れの動画フォーマットであっても良い。また、静止画は、JPEG(jpgファイル)、Portable Network Graphics(pngファイル)、Graphics Interchange Format(gifファイル)等の何れの画像フォーマットであっても良い。また、静止画と組み合わせて音声データが記憶されても良い。なお、他にもテキストデータであってもよい。
【0041】
ハッシュ値格納領域144は、コンテンツ表示スケジュールハッシュ値テーブル1440と、コンテンツデータハッシュ値テーブル1442とを格納するものである。また、コンテンツ表示スケジュールハッシュ値テーブル1440は、カレンダースケジュールハッシュ値テーブル1440aと、タイムスケジュールハッシュ値テーブル1440bと、番組ハッシュ値テーブル1440cとを格納する。
【0042】
ハッシュ値格納領域144は、正当性確認情報の一つであるハッシュ値について格納するテーブルである。具体的には、コンテンツ表示スケジュール1420に基づいて、ハッシュ値計算部160により算出されるハッシュ値が、コンテンツ表示スケジュールハッシュ値テーブル1440に記憶される。
【0043】
詳細に説明すると、カレンダースケジュールテーブル1420aに格納されているカレンダースケジュールに基づいて算出されたハッシュ値が、カレンダースケジュールハッシュ値テーブル1440aに格納される。例えば、ハッシュ値として「aa00」が算出されれば、カレンダースケジュールに対応づけて当該ハッシュ値が格納される。
【0044】
同様に、タイムスケジュールテーブル1420bに格納されているタイムスケジュールに基づいて算出されたハッシュ値がタイムスケジュールハッシュ値テーブル1440bに、番組テーブル1420cに格納されている番組に基づいて算出されたハッシュ値が番組ハッシュ値テーブル1440cにそれぞれ格納される。
【0045】
また、コンテンツデータ1422に基づいて算出されたハッシュ値が、コンテンツデータハッシュ値テーブル1442に格納される。
【0046】
代替コンテンツデータ格納領域148には、代替コンテンツデータとして動画又は静止画が格納されている。ここで、代替コンテンツデータとは、表示装置20が格納するサイネージデータの正当性が確認できなかった場合に、代わりとして表示するデータである。代替コンテンツデータは、表示装置20で表示可能な動画又は静止画のデータであり、管理サーバ10から表示装置20へ送信される。
【0047】
サイネージ管理プログラム150は、制御部110が記憶部140から読み出して実行することにより、サイネージ管理処理を実現するプログラムである。サイネージ管理処理によって、コンテンツデータの登録、コンテンツ表示スケジュールの作成、表示装置20へのサイネージデータの配信、サイネージデータの正当性の確認等が実現される。
【0048】
ハッシュ値計算部160は、入力されたデータに対して、それに対応するハッシュ値を計算するための機能部である。ハッシュ値は、ハッシュ関数を用いて求める。ここでハッシュ関数とは、与えられた入力データから、一定長のデータに要約するための関数をいう。ハッシュ関数としては、いずれかの公知の方法を用いればよく、例えば、MD5、SHA−2、SHA−3等を用いることができる。
【0049】
[1.2.2 表示装置]
表示装置20の機能構成について、
図8に基づいて説明する。表示装置20は、デジタルサイネージとして設置ロケーションで実際の表示を行う装置であり、制御部210と、通信部220と、表示部230と、記憶部240と、ハッシュ値計算部260と、外部IF部270とを備えて構成されている。
【0050】
制御部210は、表示装置20の全体を制御するための機能部である。制御部210は、記憶部240に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えばCPU(Central Processing Unit)等により構成されている。
【0051】
通信部220は、主に管理サーバ10と通信を行うための機能部である。例えば、有線
LANにより通信可能な機能部であったり、無線LANにより通信可能な機能部であったりする。通信方式としては、EthernetやIEEE802.11a/b/g/nであっても良いし、LTE通信網やWiMAXのような通信網であっても良い。
【0052】
表示部230は、コンテンツ表示スケジュールに従ってコンテンツデータを表示するための機能部である。例えば、LCD(liquid crystal display)や、有機ELディスプレイ、プロジェクタ等により構成されている。
【0053】
記憶部240は、表示装置20の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部240は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
【0054】
記憶部240には、サイネージデータ格納領域242と、表示データハッシュ値格納領域246と、代替コンテンツデータ格納領域248とを確保し、さらにサイネージ表示プログラム250を記憶する。
【0055】
サイネージデータ格納領域242には、管理サーバ10から配信されるサイネージデータが格納される。サイネージデータ格納領域242には、コンテンツ表示スケジュール2420と、コンテンツデータ2422とが格納されている。
【0056】
コンテンツ表示スケジュール2420は、管理サーバ10から送信されるコンテンツ表示スケジュール1420が格納されることとなる。すなわち、カレンダースケジュールテーブル1420aがカレンダースケジュールテーブル2420aに、タイムスケジュールテーブル1420bがタイムスケジュールテーブル2420bに、番組テーブル1420cが番組テーブル2420cにそれぞれ格納される。
【0057】
これらのコンテンツ表示スケジュール2420は、管理サーバ10における当該表示装置20に対応するコンテンツ表示スケジュールを抽出したものであり、データ構成については、管理装置で説明したために省略する。
【0058】
また、コンテンツデータ2422は、管理サーバ10から配信されたコンテンツデータである。当該コンテンツデータも、管理サーバ10が記憶しているコンテンツデータの中から、表示装置20で表示するコンテンツデータが含まれることになる。また、代替コンテンツデータ格納領域248も、管理サーバ10から配信される代替コンテンツデータが格納される。代替コンテンツは、表示装置20毎に異なれば、管理サーバ10に記憶された代替コンテンツデータの中から表示装置20に応じた代替コンテンツが送信される。また、代替コンテンツはシステム全体で共通であれば、管理サーバ10に記憶された代替コンテンツデータと、表示装置20において記憶される代替コンテンツデータとは同一となる。
【0059】
表示データハッシュ値格納領域246は、ハッシュ値計算部260において算出されたハッシュ値が、それぞれ格納される領域である。すなわち、コンテンツ表示スケジュール2420のハッシュ値が、コンテンツ表示スケジュールハッシュ値テーブル2460に記憶される。
【0060】
具体的には、カレンダースケジュールテーブル2420aに格納されているカレンダースケジュールから算出されるハッシュ値がカレンダースケジュールハッシュ値テーブル2460aに、タイムスケジュールテーブル2420bに格納されているタイムスケジュールから算出されるハッシュ値がタイムスケジュールハッシュ値テーブル2460bに、番組テーブル2420cに格納されている番組から算出されるハッシュ値が番組ハッシュ値テーブル2460cにそれぞれ記憶される。
【0061】
また、コンテンツデータ2422に対応するハッシュ値が、コンテンツデータハッシュ値テーブル2462にそれぞれ格納される。
【0062】
これらのハッシュ値は、表示装置20で表示しようとしているサイネージデータに関するハッシュ値となり、本実施形態では、番組の再生前に算出し、表示データハッシュ値格納領域246に格納している。
【0063】
ハッシュ値計算部260は、入力されたデータに対して、それに対応するハッシュ値を計算するための機能部である。ハッシュ値は、ハッシュ関数を用いて求める。ここでハッシュ関数とは、与えられた入力データから、一定長のデータに要約するための関数をいう。ハッシュ関数としては、いずれかの公知の方法を用いればよく、例えば、MD5、SHA−1、SHA−256等を用いることができる。
【0064】
なお、表示装置20が格納するサイネージデータの正当性を確認するために、コンテンツデータ等のハッシュ値を算出し、算出したハッシュ値を管理サーバ10に送信する。したがって、ハッシュ値計算部260で用いられるハッシュ関数は、管理サーバ10のハッシュ値計算部160で用いられているハッシュ関数と同じものにし、管理サーバ10で正当性を確認できるようにしなければならない。
【0065】
外部IF(interface)部270は、外部機器が接続可能なIF部である。例えば、USB(Universal Serial Bus)により、各種装置が接続可能である。例えば、メンテナンス用にキーボードやマウスや、USBメモリ等が接続可能である。
【0066】
[1.3 処理の流れ]
つづいて、本実施形態における処理の流れについて説明する。
【0067】
[1.3.1 サイネージ管理処理]
図9はサイネージ管理処理について説明するフローチャートである。サイネージ管理処理は、制御部110が、記憶部140からサイネージ管理プログラム150を読み出して実行することにより実現する処理である。
【0068】
まず、管理者の操作が行われると(ステップS1002)、その操作が何であるかを判定する。
【0069】
まず、終了操作であったか否かを判定する(ステップS1004)。終了操作であった場合は本処理を終了する(ステップS1004;Yes)。終了操作としては、電源OFFの操作であったり、プログラムを終了する操作であったりする。
【0070】
次に、代替コンテンツデータ格納操作であったか否かを判定する(ステップS1006)。代替コンテンツデータ格納操作の場合は、予め用意した代替コンテンツデータを代替コンテンツデータ格納領域148に格納する(ステップS1006;Yes→ステップS1008)。格納される代替コンテンツデータは、例えば管理者が用意した他の記憶媒体に格納されているコンテンツデータとすることが考えられる。
【0071】
さらに、サイネージデータ格納操作であったか否かを判定する(ステップS1010)。サイネージデータ格納操作であった場合は、サイネージデータ格納処理を実行する(ステップS1010;Yes→ステップS1012)。サイネージデータ格納処理については後述する。
【0072】
つづいて、管理サーバ10から表示装置20へ未配信データを配信する時間であるかを判定する(ステップS1014)。ここで、未配信データとは、サイネージデータ及び代替コンテンツデータのうち、管理サーバ10から表示装置20へ配信していないコンテンツデータをいう。未配信データを配信する時間であれば、未配信データ配信処理を行う(ステップS1014;Yes→ステップS1016)。未配信データ配信処理については後述する。
【0073】
つづいて、管理サーバ10は、正当性確認要求信号を表示装置20から受信した場合に、正当性確認処理を実行する(ステップS1018;Yes→ステップS1020)。ここで、正当性確認要求信号とは、表示装置20が表示するサイネージデータ(コンテンツ表示スケジュール及びコンテンツデータ)の正当性の有無の確認を、管理サーバ10に求めるために送信される信号である。正当性確認処理の動作については後述する。
【0074】
[1.3.2 サイネージデータ格納処理]
つづいて、サイネージデータ格納処理について
図10を参照して説明する。
【0075】
まず、管理者の操作が行われると(ステップS1052)、その操作がサイネージデータ格納処理の終了操作であったか否かを判定する(ステップS1054)。サイネージデータ格納処理の終了操作としては、サイネージデータの格納を行う機能を終了させる操作である。このような操作がされた場合には、本処理を終了する(ステップS1054;Yes)。
【0076】
つづいて、コンテンツデータの格納を行う(ステップS1056)。コンテンツデータの格納とは、予め用意されたコンテンツデータをサイネージデータ格納領域142にコンテンツデータ1422として格納することである。予め用意されたコンテンツデータとしては、例えば、管理者が用意した他の記憶媒体に格納されているコンテンツデータとすること考えられる。また、コンテンツデータをサイネージデータ格納領域142に格納するときに、当該コンテンツデータのハッシュ値を算出し、コンテンツデータハッシュ値テーブル1442に、コンテンツ名と対応付けて、算出したハッシュ値を格納してもよい。
【0077】
つづいて、番組を作成する(ステップS1058)。番組の作成は、番組名と、その番組内で表示する表示枠と、それぞれ表示枠に表示するコンテンツとを指定することで行う。作成した番組は、番組テーブル1420cに格納される。また、番組を番組テーブル1420cに格納するときに、当該番組のハッシュ値を算出し、番組ハッシュ値テーブル1440cに、番組名と対応付けて、算出したハッシュ値を格納してもよい。
【0078】
つづいて、タイムスケジュールを作成する(ステップS1060)。タイムスケジュールの作成は、タイムスケジュール名と、時間帯と、その時間帯に割り当てる番組名とを指定することで行う。作成したタイムスケジュールは、タイムスケジュールテーブル1420bに格納される。また、タイムスケジュールをタイムスケジュールテーブル1420bに格納するときに、当該タイムスケジュールのハッシュ値を算出し、タイムスケジュールハッシュ値テーブル1440bに、タイムスケジュール名と対応付けて、算出したハッシュ値を格納してもよい。
【0079】
つづいて、カレンダースケジュールを作成する(ステップS1062)。カレンダースケジュールの作成は、表示装置IDと、日付と、その日付に割り当てるタイムスケジュール名とを指定することで行う。作成したカレンダースケジュールは、カレンダースケジュールテーブル1420aに格納される。また、カレンダースケジュールをカレンダースケジュールテーブル1420aに格納するときに、当該カレンダースケジュールのハッシュ値を算出し、カレンダースケジュールハッシュ値テーブル1440aに、表示装置IDと日付とを対応付けて、算出したハッシュ値を格納してもよい。
【0080】
[1.3.3 未配信データ配信処理]
つづいて、未配信データ配信処理について
図11を参照して説明する。
【0081】
まず、未配信データの配信先である表示装置20の代替コンテンツデータ格納領域248がROM化されていないかを判定する(ステップS1102)。代替コンテンツデータ格納領域248がROM化されていないかの判定は、例えば管理サーバ10が管理対象である表示装置20の代替コンテンツデータ格納領域248がROMであるかの情報を記憶し、配信先の表示装置20の情報を読み出して判定したり、表示装置20の代替コンテンツデータ格納領域248の構成を問い合わせる信号を送信し、その信号を用いて判定したりすることが考えられる。
【0082】
配信先の表示装置20の代替コンテンツ格納領域がROM化されていない場合は、管理サーバ10の代替コンテンツデータ格納領域148に格納されている代替コンテンツデータのうち、未配信の代替コンテンツデータが存在するかを判定する(ステップS1102;Yes→ステップS1104)。未配信の代替コンテンツデータが存在する場合は、未配信の代替コンテンツデータを表示装置20へ配信する(ステップS1104;Yes→ステップS1106)。
【0083】
つづいて、管理サーバ10のサイネージデータ格納領域142に格納されているサイネージデータ(コンテンツ表示スケジュール及びコンテンツデータ)のうち、未配信のサイネージデータが存在するかを判定する(ステップS1108)。未配信のサイネージデータが存在する場合は、未配信のサイネージデータを表示装置20へ配信する(ステップS1108;Yes→ステップS1110)。
【0084】
つづいて、上述した処理を、管理サーバ10が管理している表示装置20全てについて行ったかを判定する(ステップS1112)。管理サーバ10が管理対象とする、全ての表示装置20について上述した処理を行った場合は、未配信データ配信処理を終了する。それ以外の場合は、上述した処理を行っていない表示装置20について、同様に上述した処理を行う。
【0085】
[1.3.4 正当性確認処理]
つづいて、正当性確認処理について
図12を参照して説明する。
【0086】
正当性確認処理は、表示装置20から正当性確認要求信号を受信して実行される処理である。表示装置20から送信される正当性確認要求信号には、正当性の確認対象となるデータを識別する識別子と、その識別子によって特定されるデータのハッシュ値とが1又は複数含まれるものとする。ここで、データを識別する識別子によって識別されるものは、端末装置IDと日付、タイムスケジュール名、番組名、コンテンツ名のいずれかである。また、端末装置IDと日付によってカレンダースケジュールが特定され、タイムスケジュール名によってタイムスケジュールが特定され、番組名によって番組が特定され、コンテンツ名によりコンテンツデータが特定される。
【0087】
まず、正当性確認要求信号から、識別子と、その識別子によって識別されるデータのハッシュ値(第1のハッシュ値)とを1つ抽出する。(ステップS1152)。
【0088】
つづいて、抽出した識別子に基づいて、ハッシュ値格納領域144から識別子と一致するレコードを特定し、ハッシュ値(第2のハッシュ値)を読み出す(ステップS1154)。ここで、識別子によって特定されるデータが特定されるので、例えば、識別子がコンテンツ名であれば、コンテンツデータハッシュ値テーブル1442から、抽出した識別子と一致するレコードが特定され、当該レコードに含まれるハッシュ値を読み出す。
【0089】
つづいて、2つのハッシュ値、正当性確認要求信号から抽出した第1のハッシュ値と、ハッシュ値格納領域144から読み出された第2のハッシュ値とが一致するかを判定する(ステップS1156)。
【0090】
2つのハッシュ値が一致した場合は、正当性確認要求信号から抽出した識別子により特定されるデータについて、正当性が確認できたこととなる。この場合は、そのデータの正当性確認結果を「再生許可」とする(ステップS1156;Yes→ステップS1158)。
【0091】
一方、2つのハッシュ値が一致しなかった場合は、正当性確認要求信号から抽出した組に含まれる識別子により特定されるデータについて、正当性が確認できないこととなる。この場合は、そのデータの正当性確認結果を「再生不許可」とする(ステップS1156;No→ステップS1160)。
【0092】
つづいて、上述した処理を、正当性確認要求信号に含まれる識別子とハッシュ値とを全て抽出したかを判定する(ステップS1162)。正当性確認要求信号に含まれる全てのハッシュ値について上述した処理を行っていない場合は(ステップS1162;No)、ステップS1152に処理が戻る。
【0093】
全ての正当性確認要求信号に含まれるハッシュ値を抽出した場合は(ステップS1162;Yes)、正当性確認要求信号を送信した表示装置20に対して、正当性確認結果を含む正当性確認応答信号を送信する(ステップS1164)。
【0094】
なお、送信元の表示装置20の特定は、例えば、正当性確認要求信号の送信元のアドレス(例えば、IPアドレス、MACアドレス等)を用いたり、正当性確認応答信号に含めた表示装置IDを利用したりすることが考えられる。
【0095】
なお、正当性確認処理において、管理サーバ10と表示装置20とで送受信するデータは、正当性確認のために必要な情報を表現できる形式であれば、どのように形式でも良い。
【0096】
ここで、
図13に送受信するデータをXML形式で表現した例を示す。
図13(a)は、正当性確認要求信号に含まれるデータである。このXMLでは、programタグの要素が番組のハッシュ値を表現し、contentタグの要素がコンテンツデータのハッシュ値を表現している。また、programタグ、contentタグにはname属性を付与することとし、name属性の属性値として、データを特定する識別子を記述することとしている。
【0097】
また、
図13(b)は、正当性確認応答信号に含まれるデータである。こちらもprogramタグ、contentタグを有するが、
図13(a)とは異なり、それぞれの要素は正当性確認結果を表現している。
図13(b)の8行目は、CM1-PIC2.JPGというコンテンツ名のコンテンツデータが、再生不許可(invalid)であることを表している。したがって、後述するサイネージ表示処理によれば、表示装置20は、番組「旅行CM1」を表示するときは、CM1-PIC2.JPGの代わりに代替コンテンツデータを表示することとなる。
【0098】
[1.3.5 サイネージ表示処理]
つづいて、サイネージ表示処理について
図14を参照して説明する。サイネージ表示処理は、制御部210が、記憶部240からサイネージ表示プログラム250を読み出して実行することにより実現する処理である。
【0099】
まず、管理者の操作が行われると(ステップS1202)、その操作がサイネージ表示処理の終了操作であったか否かを判定する(ステップS1204)。サイネージ表示処理の終了操作としては、サイネージ表示処理を行う機能を終了させる操作である。このような操作がされた場合には、本処理を終了する(ステップS1204;Yes)。
【0100】
つづいて、管理サーバ10から配信されるデータがあるかを判定する(ステップS1206)管理サーバ10から配信されるサイネージデータがあれば、配信データ受信処理を行う(ステップS1206;Yes→ステップS1208)。なお、配信データ受信処理については後述する。
【0101】
つづいて、コンテンツ表示スケジュール2420に沿って、番組を表示装置20において表示する処理である番組表示処理を行う(ステップS1210)。番組表示処理については後述する。
【0102】
つづいて、コンテンツ表示スケジュール2420に定義されたスケジュールにおいて規定した終了時間に至ったか又はコンテンツ受信処理のみを目的としてコンテンツ表示処理が実行されたかどうかを判定する(ステップS1212)。前記した条件に該当する場合は、本処理は終了する(ステップS1212;Yes)。それ以外の場合は、サイネージ表示処理を継続する(ステップS1212;No)。
【0103】
[1.3.6 配信データ受信処理]
つづいて、配信データ受信処理について
図15を参照して説明する。
【0104】
まず、表示装置20は、管理サーバ10から代替コンテンツデータの配信があったかを判定する(ステップS1252)。代替コンテンツデータの配信があった場合は(ステップS1252;Yes)、表示装置20は書き換え防止技術を使用しているかを判定し(ステップS1254)、書き換え防止技術を使用していた場合は一時的に書き換え防止技術の無効化をする(ステップS1254;Yes→ステップS1256)。
【0105】
ここで、書き換え防止技術とは、例えば書き換えを防止する領域を仮想的にROM化する技術や、EWF(Enhanced Write Filter)、FBWF(File-Based Writer Filter)といった公知の技術が利用されている。
【0106】
つづいて、管理サーバ10から配信された代替コンテンツデータを、代替コンテンツデータ格納領域248に格納する(ステップS1258)。
【0107】
つづいて、書き換え防止技術を無効にしていた場合は(ステップS1260;Yes)、書き換え防止技術を再び有効にする(ステップS1262)。これにより、代替コンテンツデータ格納領域248に格納した代替コンテンツデータが書き換えを防ぐことができる。
【0108】
つづいて、サイネージデータの配信があったかを判定する(ステップS1264)。サイネージデータの配信があった場合は(ステップS1264;Yes)、配信されたサイネージデータを受信し、サイネージデータ格納領域242に格納する(ステップS1266)。
【0109】
このように、本実施形態における代替コンテンツデータは、書き換え防止技術を適用可能な代替コンテンツデータ格納領域248に格納することができる。したがって、外部IF部270から、第三者が異なるコンテンツデータで上書きしようとしても、代替コンテンツデータの正当性は保証されることとなる。
【0110】
[1.3.7 番組表示処理]
つづいて、番組表示処理について
図16を参照して説明する。
【0111】
はじめに、コンテンツ表示スケジュール2420を参照し、次に表示すべき番組の割り当てがあるか否かを判定する(ステップS1302)。具体的には、現在の時刻と、カレンダースケジュールテーブル2420aに記憶されているカレンダースケジュールと、タイムスケジュールテーブル2420bに記憶されているタイムスケジュールとを比較して、次に表示すべき番組の割当てが有るかを判定する。次の番組の割当てがなければ、番組表示処理は終了する(ステップS1302;No)。
【0112】
次の番組の割当てがある場合は(ステップS1302;Yes)、次の番組のハッシュ値と、次の番組で表示されるコンテンツデータのハッシュ値とを算出する(ステップS1304)。番組のハッシュ値は、番組名と対応付けて、番組ハッシュ値テーブル2460cに格納される。また、コンテンツデータのハッシュ値は、コンテンツ名と対応付けて、コンテンツデータハッシュ値テーブル2462に格納される。
【0113】
つづいて、管理サーバ10に対して、算出されたハッシュ値を含めて正当性確認要求信号を送信する(ステップS1306)。このとき、正当性確認要求信号には、算出されたハッシュ値と、ハッシュ値に対応するコンテンツ名や、番組を識別するための識別子とが含まれるものとする。
【0114】
本実施形態においては、正当性確認要求信号の送信を、番組を再生する直前としている。番組を再生する直前とは、例えば、番組の開始時刻の3分前、5分前といった、番組の開始時刻から所定の時間を遡ったときとしても良いし、ターンアラウンドタイムを考慮して、動的に決定しても良い。
【0115】
つづいて、管理サーバ10から正当性確認応答信号を受信したら(ステップS1308;Yes)、正当性確認応答信号に含まれる正当性確認結果を抽出し、正当性確認結果によって以下の処理を行う(ステップS1310)。
【0116】
次に表示する番組や、コンテンツの正当性確認結果が全て再生許可であれば、次の番組の開始時刻から次の番組を表示装置20で表示する(ステップS1310;Yes→ステップS1312)。それ以外の場合は(ステップS1310;No)、どのデータが再生不許可だったかによって、挙動を下記の通りにする。なお、具体的には、正当性確認要求信号に含めていた識別子に対応するハッシュ値(算出されたハッシュ値)と、管理サーバ10に格納されているハッシュ値が一致しているか否かによって判定されている。
【0117】
番組の識別子に対応する正当性確認結果が「再生不許可」の場合、すなわち、番組の正当性が確認できない場合は(ステップS1314;Yes)、当該番組を表示する時間帯は、番組自体を代替コンテンツデータに差し替える(ステップS1316)。差し替えの方法としては、本来の番組の開始時間から、終了時間までは、画面全体を領域とする表示枠を1つ設定し、その表示枠では代替コンテンツを一定の順番で表示することが考えられる。また、表示枠の中に表示される番組を、代替コンテンツとして差し替えて表示しても良い。
【0118】
つづいて、コンテンツの識別子に対応する正当性確認結果が「再生不許可の場合」、すなわち一部のコンテンツデータの正当性が確認できなかった場合は(ステップS1314:No)、正当性が確認できなかったコンテンツデータを代替コンテンツに差し替える(ステップS1318)。
【0119】
この場合、正当性が確認できたコンテンツデータはそのまま表示される。したがって、ある時点において、コンテンツデータと代替コンテンツデータとが混在して表示装置20に表示される場合があってもよい。
【0120】
本実施形態においては、番組を再生する直前に番組とコンテンツデータの正当性の確認を行っているが、これを個別に行っても良い。すなわち、番組は番組を再生する直前に行い、コンテンツデータはコンテンツデータを表示する直前に行っても良い。コンテンツデータを表示する直前とは、例えば、コンテンツデータの表示がされる3分前、5分前といった時としても良いし、ターンアラウンドタイムを考慮して、動的に決定しても良い。
【0121】
コンテンツデータを表示する直前にコンテンツデータの正当性を確認することで、番組を再生する直前にコンテンツデータの正当性を確認する場合に比べて、よりサイネージデータの正当性が保証されることが期待できる。
【0122】
[1.4 動作例]
続いて、第1実施形態における動作例を、
図17を用いて説明する。
図17(a)は表示装置20の代替コンテンツデータを示している。また、
図17(b)はタイムスケジュールの一部を表しており、割り当てられた番組のハッシュ値(
図17では「番組ハッシュ値」と記載している)も併記している。このうち、「管理サーバ」の下に示したタイムスケジュールが、管理サーバ10が格納しているタイムスケジュールである。
【0123】
ここで、管理サーバ10が格納している番組を番組C152、番組C154、番組C156とする。また、表示装置20に格納された番組(すなわち、管理サーバ10から配信されたはずの番組)を番組C162、番組C164、番組C166とする。
【0124】
本来は、管理サーバ10で格納している番組は、表示装置20で表示する番組と一致する。したがって、番組C152の番組のハッシュ値(管理サーバ10に格納されているハッシュ値)は、番組C162の番組のハッシュ値(表示装置20で算出されたハッシュ値)と等しい。
【0125】
ここで、番組C164は、第三者によって書き換えられた番組であったとする。このとき、番組C164の番組のハッシュ値が、番組C154のハッシュ値とは異なることとなる。したがって、番組C164を表示する前に、正当性確認応答信号を確認すると、正当性確認結果は「再生不許可」となる。したがって、番組C164は表示装置20では表示されず、その番組が本来表示されるべき時間帯は、代替コンテンツデータを表示することとなる。
【0126】
以上より、実際の表示装置20が実際に行う表示は、
図17(b)の「実際の表示」の番組C174に示すように、CM1の番組の終了時刻から、CM3の番組の開始時刻までは、代替コンテンツデータを表示することとなる。
【0127】
なお本実施形態では、番組とコンテンツデータの正当性を確認するが、正当性確認要求信号内のリストに、タイムスケジュールやカレンダースケジュールの正当性を確認するための識別子とその識別子で指し示されるデータのハッシュ値とを追加することで、タイムスケジュールやカレンダースケジュールの正当性を確認できる。
【0128】
すなわち、サイネージデータにおいて、コンテンツ表示スケジュール2420に含まれるスケジュールのハッシュ値と、管理サーバ10に格納されているハッシュ値とを比較することが可能である。この場合、例えば、タイムスケジュールに基づくハッシュ値の場合は、表示装置20が所定のタイミング(例えば、1日1回午前9時といった時刻)でデータの正当性を確認することとしてもよい。
【0129】
このように、本実施形態によれば、表示装置20でサイネージデータを表示する場合に、正当性確認情報を利用することで、表示する番組やコンテンツが管理サーバ10から配信されたものであるか否かを確認することができる。また、更に本来配信されたサイネージデータに含まれる番組やコンテンツが格納されている場合には、代替コンテンツを表示するといった処理を行うことができる。
【0130】
また、代替コンテンツは、書換え可能な領域に記憶されていることから、第三者によって書き換えられる可能性が極めて低い。これにより、管理者としては不適切なコンテンツを表示装置20に表示させないといった管理を行うことができるようになる。
【0131】
また、上述した実施形態では、第三者による番組やコンテンツデータの改竄を例に説明したが、データの破損・欠落といった場合にも対応できることは勿論である。
【0132】
[2.第2実施形態]
つづいて、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態と構成は同じであるが、管理サーバ10側でサイネージデータの整合性が確認できなかった場合に、当該サイネージデータを再配信する実施形態である。
【0133】
本実施形態は、第1実施形態の
図12の処理を
図18の処理に置き換え、第1実施形態の
図11の処理を
図19の処理に置き換えた実施形態である。ここで、第2実施形態における管理サーバ10及び表示装置20について、第1実施形態の管理サーバ10及び表示装置20の機能構成は、第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。また、
図11及び
図12の処理と同一の処理については、同一の符号を付すことで、その詳細な説明を省略する。
【0134】
図18のステップS1156では、正当性確認要求信号から抽出したハッシュ値(すなわち、表示装置20において算出されたハッシュ値)と、ハッシュ値格納領域144から読み出されたハッシュ値(すなわち、管理サーバ10において算出されたハッシュ値)とが一致するかを判定する。ここで、2つのハッシュ値が一致しなかった場合は、その正当性確認要求信号から抽出した識別子から特定されるデータの再配信の予約を行う(ステップS2002)。
【0135】
ここで、再配信の予約をするデータとしては、正当性が確認出来なかった番組やコンテンツデータだけでもよいし、サイネージデータ全体を再配信の予約を行っても良い。また、コンテンツデータの場合は、正当性が確認出来なかったコンテンツデータの再配信の予約を行い、コンテンツスケジュールデータの場合は、サイネージデータの再配信を予約を行ってもよい。
【0136】
再配信の予約をされた場合は、
図19の未配信データ配信処理のステップにおいて、再配信が予約されたデータ(例えば、サイネージデータ)が存在するかの判定において、存在することとなり(ステップS2052;Yes)、管理サーバ10から表示装置20へ、データが再配信されることとなる(ステップS2054)。
【0137】
なお、再配信については、それ以外にも例えば、所定時間毎に再配信を行うか否かを管理サーバ10で確認してもよい。また、表示装置20から、再配信信号を管理サーバ10に送信し、割り込み処理としてその都度実行してもよい。
【0138】
これにより、本来表示されるべき番組やコンテンツデータが表示装置20に送信され、正当性が確認できなかったデータを修復することができる。この場合、同じ番組に対する次回以降の正当性確認要求に対して、全て再生許可となる可能性が高まると考えられる。これにより、代替コンテンツデータを表示する機会を減らし、表示装置20の信頼性を高める効果が期待できる。
【0139】
[3.第3実施形態]
つづいて、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態と構成は同じであるが、管理サーバ10側でサイネージデータの整合性が確認できなかった回数が、所定の回数を超えた場合に、正当性確認応答信号を送信した送信元の表示装置20のリカバリ処理を行う実施形態である。
【0140】
本実施形態は、第1実施形態の
図12の処理を
図20の処理に置き換えた実施形態である。ここで、第3実施形態における管理サーバ10及び表示装置20について、第1実施形態の管理サーバ10及び表示装置20の機能構成は、第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。また、
図12の処理と同一の処理については、同一の符号を付すことで、その詳細な説明を省略する。
【0141】
図20のステップS1156では、正当性確認要求信号から抽出したハッシュ値(第1のハッシュ値)と、ハッシュ値格納領域144から読み出されたハッシュ値(第2のハッシュ値)とが一致するかを判定する。ここで、2つのハッシュ値が一致しなかった場合は、その正当性確認要求信号を送信した表示装置20の再生不許可と判定した回数を示す再生不許可回数に1を加算する(ステップS3002)。再生不許可と判定した回数については、例えば管理サーバ10の記憶部140に、表示装置IDと、その表示装置IDで特定される表示装置20に対して再生不許可と判定した回数とを対応付けたテーブルを格納しても良い。
【0142】
つづいて、再生不許可回数が所定の回数を超えたかを判定する(ステップS3004)。再生不許可回数が所定の回数以下であれば、正当性確認結果を再生不許可とする(ステップS3004;No→ステップS1160)。また、再生不許可回数が所定の回数を超えた場合は、再生不許可判定回数が所定の回数を超えた表示装置20に対して、リカバリ処理を実行する制御を行う(ステップS3004;Yes→ステップS3006)。
【0143】
ここで、再生不許可回数として判定する回数は、リカバリ処理を行うべきか否かを判定するための回数であり、例えば、3回、4回といった単純な累積回数であっても良いし、単位時間(例えば、1時間等)の間に再生不許可となる回数の閾値であってもよい。また、上述した実施形態では回数で説明しているが、間隔であってもよい。例えば、前回2つのハッシュ値が不一致となってから10分以内に再び不一致となった場合には、ステップS3006を実行しても良い。
【0144】
また、リカバリ処理としては、例えば、リカバリの対象とする表示装置20に対して、表示装置20が表示すべきサイネージデータ全てを、管理サーバ10が配信することが考えらえる。
【0145】
つづいて、リカバリ処理が完了したら、再生不許可回数を0に戻し、その後正当性が確認できなかった場合に常にリカバリ処理が起こることを防止する(ステップS3008)。
【0146】
これにより、表示装置20のサイネージデータが、大規模に書き換えられる等の理由により正当性が確認できない状態が続いても、サイネージデータ全てを配信することで、サイネージデータの回復が図られ、表示装置20の信頼性を高める効果が期待できる。
【0147】
[4.第4実施形態]
つづいて、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、その日に再生するサイネージデータの正当性の確認を、その日に一回だけ行う実施形態である。すなわち、サイネージデータの正当性の確認を行う時刻の基準を決め、そこから24時間という時間間隔を経過したときに、その日に再生するサイネージデータの正当性の確認を行う実施形態である。例えば、毎日午前5時にサイネージデータの正当性を確認したいのであれば、正当性を確認する基準とする時刻を午前5時とすれば良い。
【0148】
本実施形態は、第1実施形態の
図16の処理を
図21の処理に置き換えた実施形態である。ここで、第4実施形態における管理サーバ10及び表示装置20について、第1実施形態の管理サーバ10及び表示装置20の構成と同様な構成のものは同一の符号を付することで説明を省略する。また、
図16処理と同一の処理については、同一の符号を付すことで、その詳細な説明を省略する。
【0149】
まず、正当性確認時期であるかを判定する(ステップS4002)。正当性確認時期とは、正当性の確認を行う時をいい、具体的には、基準とした時刻から24時間という時間間隔を経過した後であって、初めて正当性の確認を行う時を言う。
【0150】
正当性確認時期であれば、当日表示するサイネージデータのハッシュ値を算出する(ステップS4002;Yes→ステップS4004)。ここで、当日表示するサイネージデータのハッシュ値は、コンテンツスケジュールと、コンテンツデータとの全てのハッシュ値を算出しても良いし、当日表示する全てのコンテンツデータのハッシュ値のみを算出しても良い。
【0151】
つづいて、算出されたハッシュ値と、ハッシュ値に対応する識別子とを含めた正当性確認要求信号を、管理サーバ10に送信する(ステップS4006)。管理サーバ10から正当性確認応答信号を受信したら、その正当性確認結果を記憶する(ステップS4008)。正当性確認結果の記憶先としては、例えば記憶部240が考えられる。また、正当性確認結果は、コンテンツ表示スケジュール2420によって規定される当日再生する全ての番組が再生されるまでは、記憶する必要がある。
【0152】
つづいて、次の番組の割当てがある場合は(ステップS1302)、その番組を表示するために必要なサイネージデータについて、記憶している正当性確認応答信号の正当性確認結果を参照する。正当性確認結果が全て再生許可であれば、次の番組を開始時刻から再生する(ステップS4010;Yes→ステップS1312)。正当性確認結果が全て再生許可ではなかった場合は、(ステップS4010;No→ステップS1314)、正当性が確認できなかったサイネージデータを代替コンテンツに差し替えて番組を再生する
これにより、番組開始前の正当性確認のための処理がなくすことができる。この場合、複数の表示装置20を管理している場合で、番組が切り替わるタイミングが集中していたとしても、正当性確認要求信号及び正当性確認応答信号によってネットワークが輻輳することを防ぐ効果が期待できる。
【0153】
なお、本実施形態において、サイネージデータの正当性の確認をその日に一回だけ行う場合について説明したが、一日に2回以上確認しても良い。具体的には、サイネージデータの正当性の確認を行う時間間隔を12時間とすれば良い。さらに頻繁に正当性を確認したい場合は、時間間隔として3時間や6時間という時間を設定しても良い。また、基準となる時刻を設けずに、表示装置20の電源を投入してから所定の時間間隔を経過した後(例えば1時間)に正当性を確認することとしても良い。
【0154】
また、サイネージデータの正当性の確認を行う時間間隔が24時間よりも短い場合は、ステップS4004においてハッシュ値を算出する対象とするサイネージデータを、次の正当性確認時期までに再生されるサイネージデータに限定しても良い。
【0155】
[5.第5実施形態]
つづいて、第5実施形態について説明する。第5実施形態は、正当性確認情報として、サイネージデータのハッシュ値以外を利用する場合の実施形態である。
【0156】
すなわち、正当性確認情報を確認する情報として、ハッシュ値の代わりにファイルサイズを利用することが考えられる。例えば、管理サーバ10に格納されたコンテンツ表示スケジュールと、表示装置20に格納されたコンテンツ表示スケジュール2420とのデータサイズ(例えば、ファイルサイズ)を比較することにより、表示装置20におけるデータの正当性が確認できるか否かを行うことができる。
【0157】
また、コンテンツデータについても、管理サーバ10に格納されているコンテンツデータと、表示装置20において格納されているコンテンツデータとのファイルサイズを比較することにより、コンテンツデータの正当性を確認することができる。
【0158】
すなわち、管理サーバ10は、ファイルサイズが異なる場合は正当性が確認できないとして正当性確認結果を再生不許可とする。また、管理サーバ10は、ファイルサイズが同じの場合は、正当性が確認できないとして正当性確認結果を再生許可とする。
【0159】
なお、正当性確認情報は、管理サーバ10と、表示装置20とのサイネージデータ(コンテンツ表示スケジュール、コンテンツデータ)とが一致しているか否かを確認するための情報であればよい。例えば、ファイルのタイムスタンプ(日付)や、ファイルIDといった識別情報、付加された権利情報等を利用しても良い。また、それらの情報を組み合わせて利用しても良いことは勿論である。
【0160】
[6.効果]
上述した各実施形態により、第三者によるサイネージデータの改ざん等が行われることにより、意図しないサイネージデータがコンテンツ表示装置に格納されたとしても、改ざんされたサイネージデータに基づく番組は表示されないこととなる。そして、改ざんされたコンテンツデータの代わりに、代替コンテンツデータが表示されることとなる。これにより、改ざんされたコンテンツを表示しないだけでなく、いわゆる放送事故と呼ばれる状態を回避することができるため、広告機材としての信頼を確保することができる。
【0161】
また、サイネージデータを表示する前にサイネージデータの正当性を確認することにより、コンテンツ管理装置からコンテンツ表示装置へ、確実にサイネージデータが配信されたことが検証できるため、結果的に運用上の精度向上につなげることができる。
【0162】
また、サイネージデータが正しく表示されているかどうかを、管理者が目視などにより監視することなく、自動的に確認できるため、管理者の負担を軽減することが期待できる。
【0163】
[7.変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【0164】
また、上述した実施形態では、表示装置に各機能部を有することとして説明したが、表示制御装置に、HDMI(登録商標)等を介して接続された表示装置にコンテンツデータを表示するシステムであってもよい。この場合、表示制御装置に、サイネージデータや、ハッシュ値が記憶され、1又は複数の表示装置に対してコンテンツデータを表示するといった構成にすることができる。
【0165】
また、上述した実施形態では、表示装置20で算出されたハッシュ値は表示データハッシュ値格納領域246に格納されることとして説明しているが、この格納は一時的な格納であってもよい。すなわち、コンテンツ表示スケジュールのハッシュ値又はコンテンツデータのハッシュ値を算出し、そのまま管理サーバ10に送信することとしても良い。
【0166】
また、上述した実施形態は、それぞれの実施形態を組み合わせて実行することができることは勿論である。例えば、第1実施形態と第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせて実行することで、代替コンテンツデータが表示される機会を減らすことが期待できる。
【0167】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、HDDやSSD(solid state drive)などの
記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0168】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。