(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
原子力発電所の施設に設置され、耐環境性能が要求される安全系の電気・計装品(以下、「EQ(Environmental Qualification)機器」という。)は、火力発電所を含む他の発電所や上下水道施設に設置されている機器と異なり、設置場所の温度と放射線量とが示す環境に耐え得る耐環境性能の検証が要求され、検証寿命の範囲内で使用されることが求められる。そこで、原子力発電所の耐環境性能が要求される機器は、検証寿命の範囲内で使用されていることを管理することが要求される。また、耐環境性能に関連する環境情報を含んで管理することが望まれる。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、適切に機器の管理と保全とを行うことができる
EQ機器管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の管理装置は、原子力発電所の施設に設置されているEQ機器の管理情報を記憶するデータベースと、前記データベースに記憶された前記管理情報を出力する出力部と、前記データベースから前記管理情報を取得して、前記出力部に対して出力させる制御部と、を備え、前記機器は、前記機器が設置されている環境の温度及び放射線量に対する耐環境性能を有し、前記管理情報は、前記耐環境性能を含むことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、適切に機器の管理と保全とを行うことができる。
【0008】
本発明の管理装置において、前記管理情報は、前記機器が設置されている環境の温度及び放射線量を含む環境情報と、前記環境情報に基づいて算出された、前記機器が設置されている環境における前記機器の寿命とを含む、ことが好ましい。この構成によれば、適切に機器の環境情報と寿命とを含む管理情報の管理と保全とを行うことができる。
【0009】
本発明の管理装置において、前記制御部は、前記データベースから前記寿命を含む前記管理情報を取得して、前記機器と前記機器に接続されている他の機器との接続状態と寿命とを示す概念図を前記出力部に対して出力させる、ことが好ましい。この構成によれば、機器と他の機器との接続状態と寿命とを把握しやすい概念図を出力することができる。
【0010】
本発明の管理装置は、前記出力部が出力した前記管理情報に対する選択操作を検出する入力検出部を備え、前記管理情報は、前記機器が設置されている前記施設における場所情報を含み、前記制御部は、前記出力部に対して前記場所情報を含む前記施設の配置図を出力させ、前記入力検出部で前記配置図における前記場所情報に対する選択操作を検出すると、前記データベースから前記場所情報に関連する前記機器の前記管理情報を取得して、前記出力部に対して出力させる、ことが好ましい。この構成によれば、配置図を介して、機器を容易に検索することができる。
【0011】
本発明の管理装置において、前記管理情報は、前記データベースの更新者と更新日付とを含む、ことが好ましい。この構成によれば、データベースで記憶している機器の管理情報の妥当性を容易かつ正確に説明することができる。
【0012】
本発明の管理方法は、原子力発電所の施設に設置されているEQ機器の管理情報をデータベースに記憶するデータベース生成ステップと、前記データベースから前記管理情報を取得して、前記管理情報を出力する出力部に対して出力させる出力ステップと、を含み、前記機器は、前記機器が設置されている環境の温度及び放射線量に対する耐環境性能を有し、前記管理情報は、前記耐環境性能を含むことを特徴とする。
【0013】
この方法によれば、適切に機器の管理と保全とを行うことができる。
【0014】
本発明の管理プログラムは、原子力発電所の施設に設置されているEQ機器の管理情報をデータベースに記憶するデータベース生成ステップと、前記データベースから前記管理情報を取得して、前記管理情報を出力する出力部に対して出力させる出力ステップと、をコンピューターに実行させ、前記機器は、前記機器が設置されている環境の温度及び放射線量に対する耐環境性能を有し、前記管理情報は、前記耐環境性能を含むことを特徴とする。
【0015】
このプログラムによれば、適切に機器の管理と保全とを行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、適切に機器の管理と保全とを行うことができる管理装置、管理方法及び管理プログラムを実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではなく、適宜変更して実施可能である。
【0019】
図1は、本実施形態に係る管理装置の一例を示すブロック図である。管理装置1は、原子力発電所の施設に設置され、耐環境性能が要求される安全系の電気・計装品であるEQ機器を管理する。機器は、原子力発電所において事故時環境が悪化するエリアに設置されている。事故時環境が悪化するエリアは、例えば、原子力発電所の施設のうち、格納容器内と主蒸気室である。機器は、例えば、電動弁駆動部、ケーブル、接続箱、電気ペネトレーション、計器を含む。機器は、設置されている環境の温度及び放射線量に対する耐環境性能を有する。本実施形態では、機器は、設置されている環境の温度と放射線量とに対する耐環境性能を有する。管理装置1は、ディスプレイ(出力部)2と、プリンタ(出力部)3と、記憶部4と、制御部5とを有する。
【0020】
ディスプレイ2は、制御部5の制御信号に基づいて管理情報を表示する。ディスプレイ2は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro−Luminescence Display)などである。本実施形態では、ディスプレイ2は、タッチパネルである。ディスプレイ2は、例えば、指やペンなどによってディスプレイ2に対して行われる各種動作を検出する入力検出部21を有する。入力検出部21は、検出した入力情報を制御部5に伝送する。
【0021】
プリンタ3は、制御部5の制御信号に基づいて管理情報を印刷する。プリンタ3は、例えば、インクジェットプリンタ、レーザプリンタなどである。
【0022】
記憶部4は、制御部5における情報処理を実行するために用いられる各種プログラム及び各種データベースを記憶する。本実施形態では、記憶部4は、マスタリストデータベース41と、環境測定結果データベース42と、機器リストデータベース43とを記憶する。
【0023】
図2を参照して、マスタリストデータベース41について説明する。
図2は、マスタリストデータベースの一例を示すデータ構成図である。マスタリストデータベース41は、系統に関する情報を記憶する。マスタリストデータベース41は、系統4111と機器名称4112と設置場所4113と動作要求の有無4114と要求機能4115と必要な電気・計装品4116と耐環境性能検証要否4117と安全重要度4118と機能4119と関連エビデンス有無4120と備考4121と登録日4122と登録者4123とを含む。
【0024】
系統4111は、系統の種類を記憶する。本実施形態では、系統4111は、「一次冷却系統」、「化学体積系統」、「計装関連」である。機器名称4112は、当該系統に設置される機器の名称を記憶する。本実施形態では、機器の名称は、機器の設備番号を含む。設置場所4113は、当該機器の設置場所を記憶する。本実施形態では、設置場所は、当該機器が設置されている建屋である。動作要求の有無4114は、当該機器の動作要求の有無を記憶する。要求機能4115は、当該機器に要求する機能を記憶する。必要な電気・計装品4116は、当該機能の実装に必要な機器を記憶する。本実施形態では、機器は、「電動弁駆動部」、「ケーブル」、「接続箱」、「電気ペネトレーション」、「計器」などの機器を含む。耐環境性能検証要否4117は、当該機器の耐環境性能検証の要否を記憶する。安全重要度4118は、当該機能の安全の重要度を記憶する。機能4119は、当該機器の機能を記憶する。関連エビデンス有無4120は、例えば、系統図、試験結果などを含む当該機能のエビデンスの有無を記憶する。関連エビデンス有無4120が「有」の場合、例えば、関連エビデンスのデータをファイルで保存する。備考4121は、当該機能に関する特記事項を記憶する。登録日4122は、当該管理情報の登録日を記憶する。登録者4123は、当該管理情報の登録者を記憶する。
【0025】
図3を参照して、環境測定結果データベース42について説明する。
図3は、環境測定結果データベースの一例を示すデータ構成図である。環境測定結果データベース42は、原子力発電所の施設における環境測定結果を記憶する。環境測定結果データベース42は、番号4211と測定場所4212と最高温度(℃)4213と最低温度(℃)4214と平均温度(℃)4215と温度シール温度(℃)4216と線量率(mGy/h)4217と関連エビデンス有無4218と登録日4219と登録者4220とを含む。
【0026】
番号4211は、測定場所を特定する番号を記憶する。測定場所4212は、環境測定を行う場所の場所情報を記憶する。最高温度4213は、当該測定場所における最高温度を記憶する。最低温度4214は、当該測定場所における最低温度を記憶する。平均温度4215は、当該測定場所における平均温度を記憶する。温度シール温度4216は、当該測定場所に貼り付けられた温度シールが示す温度を記憶する。線量率4217は、当該測定場所における線量率を記憶する。関連エビデンス有無4218は、例えば、系統図、試験結果などを含む当該管理情報のエビデンスの有無を記憶する。関連エビデンス有無4218が「有」の場合、例えば、関連エビデンスのデータをファイルで保存する。登録日4219は、当該管理情報の登録日を記憶する。登録者4220、当該管理情報の登録者を記憶する。
【0027】
図4を参照して、機器リストデータベース43について説明する。
図4は、機器リストデータベースの一例を示すデータ構成図である。機器リストデータベース43は、機器の管理情報を記憶する。管理情報には、設備番号4311と名称4312と設備を構成する各機器4313〜4319と機器リストデータベース43の更新者と更新日付を含む。
【0028】
設備を構成する各機器は、電動装置4313と動力ケーブル4314と動力ケーブル接続部/現場接続箱接続部4315と制御用ケーブル4316と制御用ケーブル接続部/現場接続箱接続部4317と電気ペネ端子箱接続部4318と電気ペネ4319とを含む。
【0029】
設備番号4311は、機器を識別する番号を記憶する。名称4312は、当該機器の名称を記憶する。電動装置4313は、当該機器を構成する電動装置データベース441へのポインタを記憶する。動力ケーブル4314は、当該機器を構成する動力ケーブルデータベースへのポインタを記憶する。動力ケーブル接続部/現場接続箱接続部4315は、当該機器を構成する動力ケーブル接続部/現場接続箱接続部データベースへのポインタを記憶する。制御用ケーブル4316は、当該機器を構成する制御用ケーブルデータベースへのポインタを記憶する。制御用ケーブル接続部/現場接続箱接続部4317は、当該機器を構成する制御用ケーブル接続部/現場接続箱接続部データベースへのポインタを記憶する。電気ペネ端子箱接続部4318は、当該機器を構成する電気ペネ端子箱接続部データベースへのポインタを記憶する。電気ペネ4319は、当該機器を構成する電気ペネデータベースへのポインタを記憶する。備考4320は、当該機器に関する特記事項を記憶する。最終更新日4321は、当該管理情報の最終更新日付を記憶する。最終更新者4322は、当該管理情報の最終更新者を記憶する。
【0030】
設備を構成する各機器として電動装置データベース441を
図5として一例に示す。電動装置データベース441は、電動装置の管理情報を記憶する。電動装置データベース441は、型番4411とメーカ4412と設置場所4413と設置環境温度(℃)4414と設置環境線量(Gy/h)4415と設置年4416と想定環境(温度・線量)4417と評価寿命4418と判定4419と活性化エネルギー(kcal/mol・K)4420と適合4421とを含む。
【0031】
型番4411は、電動装置の型番を記憶する。メーカ4412は、当該電動装置のメーカを記憶する。設置場所4413は、当該電動装置の設置場所を記憶する。本実施形態では、設置場所は、建屋と階層とを含む。設置環境温度4414は、設置環境の温度を記憶する。設置環境温度4414は、環境測定後更新する。設置環境線量4415は、設置環境の線量を記憶する。設置環境線量4415は、環境測定後更新する。設置年4416は、当該電動装置の設置年を記憶する。言い換えると、設置年4416は、当該電動装置の交換実績である。想定環境(温度・線量)4417は、設置環境の想定される温度と線量とを記憶する。評価寿命4418は、設置環境に基づいて算出した寿命を記憶する。評価寿命4418は、環境測定後及び機器更新後更新する。判定4419は、当該寿命に対する判定を記憶する。判定4419は、環境測定後及び機器更新後更新する。本実施形態では、判定4419は、寿命が例えば5年以上である場合「○」と記憶する。本実施形態では、判定4419は、寿命が例えば3年以上5年未満である場合「△」と記憶する。本実施形態では、判定4419は、寿命が例えば1年未満である場合「×」と記憶する。活性化エネルギー4420は、当該電動装置で使用している材料に対する活性化エネルギーを記憶している。適合4421は、当該電動装置の寿命と要求とに適合しているかを記憶する。本実施形態では、適合4421は、適合している場合「○」を、適合していない場合「×」を記憶する。
【0032】
図1に戻って、制御部5は、メモリ及びCPUにより構成される。制御部5は、専用のハードウェアにより実現されるものであっても、制御部5の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。制御部5は、マスタリストデータベース41と環境測定結果データベース42と機器リストデータベース43とを管理する。制御部5は、ディスプレイ2に各画面を表示し、各画面間の遷移を制御する。
【0033】
制御部5は、マスタリスト用登録部51と、マスタリスト用出力部52と、環境測定用登録部53と、環境測定用出力部54と、機器リスト用登録部55と、機器リスト用出力部56と、概念図出力部57と、配置図出力部58とを有する。
【0034】
マスタリスト用登録部51は、マスタリストデータベース41の管理情報を編集する。編集とは、管理情報の新規登録、編集、削除を含む。本実施形態では、マスタリスト用登録部51は、ディスプレイ2に表示した、図示しない情報登録画面を介して入力された入力情報に基づいてマスタリストデータベース41の管理情報を編集する。情報登録画面は、マスタリストデータベース41の各管理情報を入力可能である。
【0035】
マスタリスト用出力部52は、マスタリストデータベース41から管理情報を取得してマスタリストの帳票を生成し、ディスプレイ2に表示する。マスタリスト用出力部52は、図示しない帳票設定画面を介して帳票に含むデータ項目を設定することが可能である。作成する帳票の形式は、あらかじめ記憶部4に記憶されている。ディスプレイ2に表示した帳票は、プリンタ3で印刷可能である。
【0036】
環境測定用登録部53は、環境測定結果データベース42の管理情報を編集する。本実施形態では、環境測定用登録部53は、ディスプレイ2に表示した、図示しない情報登録画面を介して入力された入力情報に基づいて環境測定結果データベース42の管理情報を編集する。情報登録画面は、環境測定結果データベース42の各管理情報を入力可能である。
【0037】
環境測定用出力部54は、環境測定結果データベース42から管理情報を取得して環境測定結果の帳票を生成し、ディスプレイ2に表示する。環境測定用出力部54は、図示しない帳票設定画面を介して帳票に含むデータ項目を設定することが可能である。作成する帳票の形式は、あらかじめ記憶部4に記憶されている。ディスプレイ2に表示した帳票は、プリンタ3で印刷可能である。
【0038】
機器リスト用登録部55は、機器リストデータベース43の管理情報を編集する。本実施形態では、機器リスト用登録部55は、ディスプレイ2に表示した、図示しない情報登録画面を介して入力された入力情報に基づいて機器リストデータベース43の管理情報を編集する。情報登録画面は、機器リストデータベース43の各管理情報を入力可能である。
【0039】
機器リスト用出力部56は、機器リストデータベース43から管理情報を取得して機器リストの帳票を生成し、ディスプレイ2に表示する。機器リスト用出力部56は、図示しない帳票設定画面を介して帳票に含むデータ項目を設定することが可能である。作成する帳票の形式は、あらかじめ記憶部4に記憶されている。ディスプレイ2に表示した帳票は、プリンタ3で印刷可能である。
【0040】
概念図出力部57は、機器リストデータベース43から管理情報を取得して設備データ概念図(概念図)110(
図9参照)を出力する。より詳しくは、概念図出力部57は、機器リストデータベース43から機器の寿命を含む管理情報を取得して、機器と接続されている機器との接続状態と寿命とを示す設備データ概念
図110を設備データ概念図画面230(
図9参照)に表示する。
【0041】
配置図出力部58は、機器が設置されている施設の配置
図120(
図10参照)を出力する。より詳しくは、配置図出力部58は、図示しない選択画面を介して配置
図120を出力する場所を建屋と階層とで指定可能である。そして、配置図出力部58は、マスタリストデータベース41と環境測定結果データベース42と機器リストデータベース43とから場所情報を含む管理情報を取得して配置
図120(
図10参照)を出力する。
【0042】
図6を参照して、画面200について説明する。
図6は、マスタリストを一覧表示する画面の一例を示す説明図である。画面200は、検索条件入力部201と系統表示部202と系統一覧表示部203とを有する。画面200は、新規登録ボタン200Aと対象編集ボタン200Bと対象削除ボタン200Cとリスト出力ボタン200Dと設備配置図ボタン200Eと関連機器リストボタン200Fとを有する。
【0043】
検索条件入力部201は、検索条件を入力可能である。本実施形態では、検索条件として、施設区分と系統と機器種類と機器番号とキーワードとを指定可能である。施設区分は、機器が設置されている施設の区分である。施設区分は、例えば、設計基準事故対処施設または重大事故等対処施設のいずれかを指定可能である。系統は、機器が設置されている系統を指定可能である。機器種類は、機器の種類を指定可能である。機器番号は、機器の番号を指定可能である。
【0044】
系統表示部202は、マスタリストデータベース41に基づいて、系統の一覧を表示する領域である。
【0045】
系統一覧表示部203は、マスタリストデータベース41に基づいて、検索条件を満たす系統の管理情報をマスタリストの一覧として表示する領域である。
【0046】
新規登録ボタン200Aは、押下するとマスタリストデータベース41の管理情報の情報登録画面を表示する。対象編集ボタン200Bは、系統一覧表示部203に表示されたいずれかの系統を選択した状態で押下すると当該系統の管理情報を編集する情報登録画面を表示する。対象削除ボタン200Cは、系統一覧表示部203に表示されたいずれかの系統を選択した状態で押下すると当該系統の管理情報を削除する削除画面を表示する。リスト出力ボタン200Dは、押下するとマスタリスト用出力部52を起動して、系統一覧表示部203に表示された系統の管理情報をマスタリストの帳票として出力する。設備配置図ボタン200Eは、押下すると配置図出力部58を起動して、関連する機器の配置を示す配置
図120を設備配置図表示画面240(
図10参照)に表示する。関連機器リストボタン200Fは、系統一覧表示部203に表示されたいずれかの系統を選択した状態で押下すると機器リストデータベース43に基づいて当該系統に関連する機器リストを画面220(
図8参照)に表示する。
【0047】
図7を参照して、画面210について説明する。
図7は、環境測定結果を一覧表示する画面の一例を示す説明図である。画面210は、検索条件入力部211と測定一覧表示部212と結果一覧表示部213とを有する。画面210は、新規登録ボタン210Aと対象編集ボタン210Bと対象削除ボタン210Cとリスト出力ボタン210Dと設備配置図ボタン210Eとを有する。
【0048】
検索条件入力部211は、検索条件を入力可能である。本実施形態では、検索条件として、施設区分と設置場所とキーワードとを指定可能である。施設区分は、画面200の検索条件入力部201と同様である。設置場所は、選択画面を介して機器の設置場所を建屋と階層とで指定可能である。
【0049】
測定一覧表示部212は、環境測定結果データベース42に基づいて、環境測定の一覧を表示する領域である。本実施形態では、環境測定を行った定期検査の一覧を表示する。
【0050】
結果一覧表示部213は、環境測定結果データベース42に基づいて、検索条件を満たす環境測定結果の一覧を表示する領域である。
【0051】
新規登録ボタン210Aは、押下すると環境測定結果データベース42の管理情報の情報登録画面を表示する。対象編集ボタン210Bは、結果一覧表示部213に表示されたいずれかの環境測定結果を選択した状態で押下すると当該環境測定結果の管理情報を編集する情報登録画面を表示する。対象削除ボタン210Cは、結果一覧表示部213に表示されたいずれかの環境測定結果を選択した状態で押下すると当該環境測定結果の管理情報を削除する削除画面を表示する。リスト出力ボタン210Dは、押下すると環境測定用出力部54を起動して、結果一覧表示部213に表示された環境測定結果の管理情報を帳票として出力する。設備配置図ボタン210Eは、設備配置図ボタン200Eと同様の機能を有する。
【0052】
図8を参照して、画面220について説明する。
図8は、機器リストを一覧表示する画面の一例を示す説明図である。画面220は、検索条件入力部221と機器種類一覧表示部222と機器一覧表示部223とを有する。画面220は、新規登録ボタン220Aと対象編集ボタン220Bと対象削除ボタン220Cとリスト出力ボタン220Dと設備配置図ボタン220Eと関連マスタリストボタン220Gと設備データ概念図ボタン220Hとを有する。
【0053】
検索条件入力部221は、検索条件を入力可能である。本実施形態では、検索条件として、施設区分と機器種類と機器番号と構成品種類と設置場所とメーカと型式と余寿命とキーワードとを指定可能である。施設区分と機器種類と機器番号とは、画面200の検索条件入力部201と同様である。構成品種類は、構成品の種類を指定可能である。設置場所は、画面210の検索条件入力部211と同じである。メーカは、機器のメーカを指定可能である。型式は、機器の型式を指定可能である。余寿命は、機器の余寿命を指定可能である。
【0054】
新規登録ボタン220Aは、押下すると機器リストデータベース43の管理情報の情報登録画面を表示する。対象編集ボタン220Bは、機器一覧表示部223に表示されたいずれかの機器を選択した状態で押下すると当該機器の管理情報を編集する情報登録画面を表示する。対象削除ボタン220Cは、機器一覧表示部223に表示されたいずれかの機器を選択した状態で押下すると当該機器の管理情報を削除する削除画面を表示する。リスト出力ボタン220Dは、押下すると機器リスト用出力部56を起動して、機器一覧表示部223に表示された機器の管理情報を機器リストの帳票として出力する。設備配置図ボタン220Eは、設備配置図ボタン200Eと同様の機能を有する。関連マスタリストボタン220Gは、機器一覧表示部223に表示されたいずれかの機器を選択した状態で押下すると当該機器に関連するマスタリストを画面200に表示する。設備データ概念図ボタン220Hは、機器一覧表示部223に表示されたいずれかの機器を選択した状態で押下すると、概念図出力部57を起動して、当該機器の設備データ概念
図110を設備データ概念図画面230に表示する。
【0055】
図9を参照して、設備データ概念図画面230について説明する。
図9は、設備データ概念図を表示する画面の一例を示す説明図である。
図9は、電動弁111の設備データ概念
図110である。設備データ概念
図110には、選択された電動弁111を構成する機器として電動装置112とケーブル接続部/現場箱接続部113と現場接続箱114とケーブル115と電気ペネ端子箱接続部116と電気ペネ接続箱117と電気ペネ118とが図示されている。設備データ概念
図110には、電動装置112とケーブル接続部/現場箱接続部113とケーブル115と電気ペネ端子箱接続部116と電気ペネ118のそれぞれの寿命が示されている。各機器の寿命は、例えば、各機器を囲む楕円の色や線種、太さなどを変えて表示する。本実施形態では、各機器の寿命に応じて、各機器を囲む楕円の線種を変えている。
【0056】
図10を参照して、設備配置図表示画面240について説明する。
図10は、配置図を表示する画面の一例を示す説明図である。配置
図120には、機器の配置場所と環境測定を行う測定場所とが示されている。配置
図120において配置場所および測定場所に対して選択操作を実行すると、当該場所に関連する機器を機器一覧表示部223に表示した画面220を表示する。例えば、設備配置図表示画面240に表示された配置
図120において配置場所を選択操作すると、入力検出部21が選択操作を検出する。そして、制御部5は、機器リストデータベース43に基づいて、当該配置場所に配置された機器を機器一覧表示部223に表示した画面220を表示する。例えば、設備配置図表示画面240に表示された配置
図120において測定場所を選択操作すると、入力検出部21が選択操作を検出する。そして、制御部5は、機器リストデータベース43に基づいて、当該測定場所に対応する機器を機器一覧表示部223に表示した画面220を表示する。
【0057】
次に、
図11ないし
図14を用いて、管理装置1を用いた管理方法について説明する。
図11は、本実施形態に係る管理装置における管理方法の概略を示すフロー図である。
図12は、本実施形態に係る管理装置における管理方法の概略を示すフロー図である。
図13は、本実施形態に係る管理装置における管理方法の概略を示すフロー図である。
図14は、本実施形態に係る管理装置における管理方法の概略を示すフロー図である。
【0058】
図11に示すように、管理装置1は、制御部5で、データベース生成ステップS1と出力ステップS2とを含む管理方法を実行する。データベース生成ステップS1の実行前にマスタリストデータベース41が生成され、データベース生成ステップS1の実行後に環境測定結果データベース42が生成されるものとする。
【0059】
図12を参照してデータベース生成ステップS1について説明する。制御部5は、情報登録画面に対して入力された入力情報を取得する(ステップS11)。
【0060】
制御部5は、機器リスト用登録部55で、取得した入力情報に基づいて機器リストデータベース43の管理情報を登録する(ステップS12)。
【0061】
図13を参照して出力ステップS2について説明する。制御部5は、帳票設定画面に対して入力された入力情報を取得する(ステップS21)。
【0062】
制御部5は、機器リスト用出力部56で、機器リストデータベース43の管理情報から機器リストを取得する(ステップS22)。機器リストは、帳票設定画面において設定されたデータ項目を含む。
【0063】
制御部5は、機器リスト用出力部56で、機器リストの帳票を出力する(ステップS23)。より詳しくは、制御部5は、機器リスト用出力部56で、取得した機器リストから帳票を生成して出力する。
【0064】
図14を参照して、配置図出力部58における処理について説明する。制御部5は、選択画面に対して入力された入力情報を取得する(ステップS31)。
【0065】
制御部5は、配置図出力部58で、設備配置情報を取得する(ステップS32)。本実施形態では、選択された建屋と階層に対応する設備配置情報を取得する。配置
図120には、選択された建屋と階層に対応する施設の模式的な平面図と、機器の配置場所と環境測定を行う測定場所とを示す。
【0066】
制御部5は、配置図出力部58で、配置
図120をディスプレイ2に表示する(ステップS33)。
【0067】
以上のように、本実施形態は、耐環境性能が要求される機器の環境情報と寿命と交換実績とを含む管理情報を機器リストデータベース43で管理することができる。本実施形態は、機器の環境情報と寿命と交換実績とを含む管理情報を検索することができる。本実施形態は、機器リストデータベース43の管理情報を機器リスト用登録部55で編集することができる。本実施形態は、機器リストを一覧としてディスプレイ2に表示したり、帳票としてプリンタ3で印刷したりすることができる。
【0068】
本実施形態は、原子力発電所の施設における環境測定結果の管理情報を環境測定結果データベース42で管理することができる。本実施形態は、機器が設置されている環境の環境測定結果を検索することができる。本実施形態は、環境測定結果データベース42の管理情報を環境測定用登録部53で編集することができる。
【0069】
このようにして、本実施形態は、適切に機器の管理と保全とを行うことができる。本実施形態は、原子力発電所の機器について、耐環境性能に関連する環境情報を含んで管理することができる。
【0070】
本実施形態によれば、機器リストデータベース43の管理情報の関連エビデンスの閲覧と登録とを行うことができる。これにより、本実施形態は、機器リストデータベース43に記憶している管理情報の妥当性を容易かつ正確に説明することができる。
【0071】
本実施形態によれば、設備データ概念
図110によって、機器と機器に接続されている他の機器の寿命を含む管理情報を視覚的に出力することができる。本実施形態は、一つの機器の寿命に加えて接続されている他の機器の寿命を色等で識別可能な態様で合わせて表示するので、機器の寿命と交換時期とをより把握しやすい設備データ概念
図110を出力することができる。
【0072】
本実施形態は、機器リストデータベース43には管理情報として最終更新日4321と最終更新者4322とを含んで記憶する。これにより、本実施形態は、機器リストデータベース43に記憶している管理情報の妥当性を容易かつ正確に説明することができる。
【0073】
本実施形態によれば、設備配置図表示画面240に表示された配置
図120に示された設置場所や測定場所を選択操作すると、選択した場所に設置されている機器の管理情報を閲覧することができる。これにより、本実施形態は、機器の検索を容易に行うことができる。
【0074】
さて、これまで本実施形態に係る管理装置、管理方法及び管理プログラムについて説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0075】
マスタリスト用登録部51は、マスタリストデータベース41の登録情報または編集情報をファイルで受け取り、受け取ったファイルに基づいて、マスタリストデータベース41を編集してもよい。環境測定用登録部53は、環境測定結果データベース42の登録情報または編集情報をファイルで受け取り、受け取ったファイルに基づいて、環境測定結果データベース42を編集してもよい。機器リスト用登録部55は、機器リストデータベース43の登録情報または編集情報をファイルで受け取り、受け取ったファイルに基づいて、機器リストデータベース43を編集してもよい。