(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本出願の態様および利点は、以下の続く説明において記載されるか、またはこの説明から明白であり得るか、または本発明の実践を通して知ることができる。以下では詳細な参照を行って本発明の実施形態を提示し、これらのうちの1つまたは複数の例が、添付の図面において例示される。詳細な説明は、数字による指定を使用して図面における特徴を参照する。本発明の実施形態の同様のまたは類似の部分を参照するために、図面および説明において同様のまたは類似の指定を使用する場合がある。諒解されるであろうが、各例は、本発明の限定ではなく本発明の説明として提供される。実際には、その範囲または趣旨から逸脱することなく本発明において修正および変形を行い得ることが、当業者には明らかとなるであろう。たとえば、ある実施形態の一部として例示または記載される特徴を、別の実施形態に対して使用して、さらに別の実施形態を生むことができる。本発明が、付属の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内に収まるような修正形態および変形形態を包含することが、意図されている。本明細書において記述される範囲および境界値は、規定された境界値内に配されたあらゆる下位範囲を含み、そうではないと述べられていない限りはこれらの境界値自体を含むことを、理解されたい。加えて、一部の用語は、本発明ならびにその構成要素下位システムおよび部分について説明するように選択されている。可能な限りにおいて、これらの用語は、本技術分野にとって一般的な専門用語に基づいて選ばれている。さらに、そのような用語が多くの場合、様々な解釈を受けることが諒解されるであろう。たとえば、本明細書において単一の構成要素として言及され得るものが、別の箇所で複数の構成要素から成るものとして参照され得るか、または、本明細書において複数の構成要素を含むものとして参照され得るものが、別の箇所では単一の構成要素として言及され得る。したがって、本発明の範囲を理解する際には、使用される特定の専門用語にだけでなく、それに伴う説明および文脈、ならびに、用語がいくつかの図と関連している様式を含む、参照され記載されている構成要素の構造、構成、機能、および/または用法、ならびに、当然ながら付属の特許請求の範囲における専門用語の精確な用法にも、注意を払うべきである。さらに、続く例は特定の型のガスタービンまたはタービンエンジンに関連して提示されているものの、本出願の技術は、関連技術における当業者には理解されるであろうが、限定されることなく、他の範疇のタービンエンジンにも適用可能であり得る。したがって、そうではないと述べられていない限りは、本明細書における「ガスタービン」という用語の用法は、様々な型のタービンエンジンに本発明を適用できるものとして広くかつ限定的に意図されていることが、理解されるべきである。
【0011】
ガスタービンがどのように動作するかの性質を所与として、それらの機能の特定の態様について説明する際に、いくつかの用語が特に有用であることがわかる。理解されるであろうが、そのような用語は、ガスタービンまたはその主要な下位システム−たとえば圧縮機、燃焼器、もしくはタービン−のうちの1つを説明または特許請求する際に、ならびに、これらの中で使用するための構成要素または下位構成要素を説明または特許請求するために、の両方において使用することができる。後者の場合、これらの専門用語は、これらの構成要素を、これらがガスタービンエンジンまたは主要な下位システム内で適正に設置されかつ/または機能している場合の状態として説明していると理解されるべきである。これらの用語およびそれらの定義は、そうではないと特定的に述べられていない限り、以下の通りである。
【0012】
「前方」および「後方」という用語は、ガスタービンの配向に対する方向、より具体的には、エンジンの圧縮機区域およびタービン区域の相対的な位置付けを指す。したがって、そのように使用される場合、「前方」という用語は圧縮機端を指し、一方、「後方」はタービン端を指す。これらの用語の各々を、エンジンの中心軸に沿った移動の方向または相対位置を示すために使用できることが、諒解されるであろう。上述したように、これらの用語を、ガスタービンまたはその主要な下位システムのうちの1つの、ならびにこれらの中に位置付けられた構成要素または下位構成要素に関する、属性を説明するために使用できる。したがって、たとえば、ステータブレードなどの構成要素が「前方面」を有するものとして説明または特許請求されるとき、これは、ガスタービンの配向(すなわち、圧縮器が前方端部として指定されタービンが後方端部として指定されている)によって規定されるような前方向に向かって面する面を指すものとして、理解され得る。別の例としてタービンのような主要な下位システムを取り上げると(かつ
図1に示すもののような典型的なガスタービン配置構成を想定すると)、前方向および後方向は、作動流体がタービン内に入る場所であるタービンの前方端部、および、作動流体がタービンから出る場所であるタービンの後方端部に対して、規定することができる。
【0013】
「下流」および「上流」という用語は、本明細書においては、指定された導管または流路内での、これを通って移動する流れの方向(以下「流れ方向」)に対する位置を示すものとして使用される。したがって、「下流」という用語は、指定された導管を通って流体が流れている方向を指し、一方「上流」は、これと反対の方向を指す。これらの用語は、正常なまたは予期される動作を所与として、導管を通る流れ方向を指すものとして解釈することができる。諒解されるであろうが、ガスタービンの圧縮機区域およびタービン区域内では、作動流体は下流へと、通常はガスエンジンの中心の共通の軸を中心に画定される、環状の形状の作動流体流路を通って導かれる。したがって、エンジンの圧縮機区域およびタービン区域内では、「流れ方向」という用語は、本明細書で使用される場合、期待されるまたは正常な動作の状態の間にエンジンの作動流体流路を通る作動流体の理想的な流れの方向を表す、基準方向を指す。したがって、圧縮機区域およびタービン区域内では、「流れ方向」という専門用語は、ガスタービンの中心軸と平行でありかつ下流のまたは後方の方向に配向される流れを指している。
【0014】
したがって、たとえば、ガスタービンの作動流体流路を通る作動流体の流れは、圧縮機を通して流れ方向に従って加圧された空気として始まり、燃料とともに燃焼されて燃焼器内で燃焼ガスになり、最後にこれがタービンを通過する際に流れ方向に従って膨張するものとして説明することができる。同様に、作動流体の流れは、ガスタービンの前方のまたは上流の端部に向かう前方のまたは上流の場所において始まり、全体に下流のまたは後方の方向へと移動し、最後にガスタービンの後方のまたは下流の端部に向かう後方のまたは下流の場所において終わるものとして説明することができる。
【0015】
圧縮機ブレードおよびタービンロータブレードなどのガスタービンの多くの構成要素が動作中に回転するので、エンジン内での期待される回転に従う下位構成要素または下位領域の相対的な位置付けを叙述するために、回転の前側となる(rotationally lead)および回転の後側となる(rotationally trail)という用語を使用する場合がある。したがって、諒解されるであろうが、これらの用語は、圧縮機またはタービン内での回転の方向(以下「回転方向」)に従い、位置を区別することができる。本明細書で使用される場合、そのような回転方向は、ガスタービンの正常なまたは予期される動作を所与として構成要素に関して期待される回転の方向として理解することができる。
【0016】
加えて、ガスタービンの構成、特に共通のシャフトまたはロータを中心とした圧縮機区域およびタービン区域の配置構成、ならびに多くの燃焼器の型に共通の円筒形の構成を所与として、軸に対する位置を説明する用語が、本明細書において規則的に使用され得る。この点に関して、「放射方向」という用語が、軸に対して垂直な移動または位置を指すことが諒解されるであろう。これに関連して、中心軸からの相対距離を説明することが要求される場合がある。そのような場合、たとえば、第1の構成要素が第2の構成要素よりも中心軸に近いところに存在する場合、第1の構成要素は、第2の構成要素から「放射方向内側」または「機内側」のいずれかであるとして説明されることになる。他方で、第1の構成要素が中心軸からより遠くに存在する場合、第1の構成要素は、第2の構成要素から「放射方向外側」または「機外側」のいずれかであるとして説明されることになる。本明細書で使用される場合、「軸方向」という用語は軸と平行な移動または位置を指し、一方、「周方向」は、軸の周囲の移動または位置を指す。そうではないと述べられていないかまたは明白に文脈上明らかでない限りは、これらの用語は、これらの用語がガスタービンの圧縮機区域および/またはタービン区域内で機能する一体でない構成要素−ロータブレードまたはステータブレードなど−の属性を説明または特許請求している場合であっても、各々を通って延在するロータによって規定されるような、ガスタービンの圧縮機区域および/またはタービン区域の中心軸に関連するものとして解釈されるべきである。そうではないと述べられているときは、これらの用語を、たとえば従来の円筒形のまたは「缶」燃焼器が通常周囲に配される長手軸などの、ガスタービン内の特定の構成要素または下位システムの長手軸に関連して使用する場合がある。
【0017】
最後に、「ロータブレード」という用語は、それ以上特定されない場合、圧縮機またはタービンのいずれかの回転するブレードを指すものであり、したがって、圧縮機ロータブレードおよびタービンロータブレードの両方を含み得る。「ステータブレード」という用語は、それ以上特定されない場合、圧縮機またはタービンのいずれかの固定的なブレードを指すものであり、したがって、圧縮機ステータブレードおよびタービンステータ子ブレードの両方を含み得る。「ブレード」という用語は、一般にいずれの型のブレードを指すのにも使用することができる。したがって、それ以上特定されない場合、「ブレード」という用語は、圧縮機ロータブレード、圧縮機ステータブレード、タービンロータブレード、およびタービンステータブレードなどを含む、あらゆる型のタービンエンジンブレードを含んでいる。
【0018】
背景として、ここで図を詳細に参照すると、
図1から
図3は、本発明によるかまたは本発明を中で使用できる、例示のガスタービンを例示している。本発明がこの種の用法に限定されない場合のあることが、当業者には理解されるであろう。述べたように、本発明を、発電および航空機において使用されるエンジン、蒸気タービンエンジン、ならびに当業者であれば認識するような他の型のロータリエンジンなどの、ガスタービン内で使用することができる。提供される例はしたがって、そうではないと述べられていない限りは、限定的であることを意味しない。
図1は、ガスタービン10を概略的に表したものである。一般に、ガスタービンは、圧縮空気の気流中での燃料の燃焼によって生み出された高温ガスの加圧された流れから、エネルギーを抽出することによって動作する。
図1に例示するように、ガスタービン10を、共通のシャフトまたはロータによって下流のタービン区域またはタービン12に機械的に結合される軸流圧縮機 11、および圧縮機11とタービン12との間に位置付けられた燃焼器13を有するように構成することができる。
図1に例示するように、ガスタービンを、共通の中心軸19を中心に形成することができる。
【0019】
図2は、
図1のガスタービンにおいて使用できる例示の多段軸流圧縮機11の図を例示している。図示されるように、圧縮機11は複数の段を有することができ、これらの各々は、圧縮機ロータブレード14の列および圧縮機ステータブレード15の列を含む。したがって、第1の段は、中心シャフトを中心に回転する圧縮機ロータブレード14の列を含むことができ、これに、動作中固定されたままである圧縮機ステータブレード15の列が続く。
図3は、
図1のガスタービンにおいて使用できる例示のタービン区域またはタービン12の部分的な図を例示している。タービン12も、複数の段を含み得る。3つの例示の段が例示されているが、より多数またはより少数が存在し得る。各段は、動作中固定されたままである複数のタービンノズルまたはステータブレード17を含むことができ、これに、動作中シャフトを中心に回転する複数のタービンバケットまたはロータブレード16が続く。タービンステータブレード17は一般に、互いから周方向に離間され、回転の軸を中心にして外側ケーシングに固定される。タービンロータブレード16を、中心軸を中心に回転するように、タービンホイールまたはロータディスク(図示せず)上に装着することができる。タービンステータブレード17およびタービンロータブレード16が、タービン12を通る高温ガス経路または作動流体流路内に存在することが、諒解されるであろう。作動流体流路内での燃焼ガスまたは作動流体の流れの方向を、矢印で示す。
【0020】
ガスタービン10に関する動作の1つの例では、軸流圧縮機11内での圧縮機ロータブレード14の回転により、空気の流れを圧縮することができる。燃焼器13において、圧縮空気が燃料と混合され点火されるとき、エネルギーが放出され得る。この結果生じる燃焼器13からの高温ガスまたは作動流体の流れは次いで、タービンロータブレード16にわたって導かれ、このことにより、シャフトを中心としたタービンロータブレード16の回転が誘起される。このようにして、作動流体の流れのエネルギーは、回転するブレード、およびロータブレードとシャフトとの間の接続が与えられる場合は回転するシャフトの、機械的エネルギーへと変換される。次いでシャフトの機械的エネルギーを使用して、必要な供給量の圧縮空気が生み出されるように圧縮機ロータブレード14の回転を駆動することができ、またたとえば、電気を生み出すために発電機を駆動することができる。
【0021】
背景説明の目的で、
図4から
図8は、従来のシュラウドを設けたタービンロータブレード16の図を提供する。諒解されるであろうが、これらの図は、後の参照のために、そのようなロータブレードの一般的な構成を例示し、またそのようなブレード内の構成要素および領域の間の空間的関係を叙述し、同時にさらに、その内側および外側の設計に影響する幾何学的制約および他の基準を説明するために、提供されている。この例のブレードはロータブレードであるが、そうではないと述べられていない限り、本発明は、ガスタービン内の他の型のブレードにも適用可能であることが諒解されるであろう。上述したように、そのような構成要素の説明は、ガスタービンエンジンおよびより具体的には作動流体流路の配向および機能に基づいて意味が導出される、専門用語を含む場合があり、したがって、その文脈で理解されるべきである。たとえば、適用可能である場合、ロータブレードまたは他の構成要素に関連する説明は、これがエンジン内で予期されるまたは正常な条件下で適正に設置され動作していることを前提としている場合がある。
【0022】
ここで
図4に特に注目すると、ロータブレード16は、ロータディスクに装着されるように構成される根元21を含み得る。根元21はたとえば、ロータディスクの周囲の対応するダブテールスロット内に装着されるように構成された、ダブテール22を含み得る。根元21は、ダブテール22とプラットフォーム24との間に延在する、胴部23をさらに含み得る。プラットフォーム24は、示されるように、根元21とエーロフォイル25との間の結合部を全体に形成し、このエーロフォイルは、タービン12を通る作動流体の流れを捕え、所望の回転を誘起する、ロータブレード16の作用構成要素である。プラットフォーム24は、エーロフォイル25の機内側端部を画定し得る。プラットフォーム24は、タービン12を通る作動流体流路の機内側の境界の一部分も画定し得る。
【0023】
ロータブレードのエーロフォイル25は通常、凹状正圧面26、および周方向または側方において対向する凸状負圧面27を含む。正圧面26および負圧面27は、軸方向において、対向する前縁28と後縁29との間にそれぞれ、かつ、放射方向において、プラットフォーム24との結合部に画定され得る機内側端部と先端シュラウド41を含み得る機外側先端部との間に、延在することができる。エーロフォイル25は、所望の空力学的性能を促進するように設計される、湾曲したまたは輪郭決定された形状を含み得る。ロータブレード16は、動作中に冷却剤が中を通って循環される1つまたは複数の冷却チャネルを有する、内側冷却構成をさらに含み得る。そのような冷却チャネルは、ロータブレード16の根元21を通って形成される供給源への接続部から、放射方向外向きに延在し得る。冷却チャネルは、直線状、曲線状、またはこれらの組み合わせであってよく、冷却剤が中を通ってロータブレード16から作動流体流路内へと排出される、1つまたは複数の出口ポートまたは表面ポートを含み得る。
【0024】
本明細書で使用される場合、ロータブレード16およびその構成要素は、タービン12の配向特徴に従って説明することができる。そのような場合、ロータブレード16がタービン12内に適正に設置されていることが前提とされていることを諒解されたい。そのような配向特徴は、タービン12の中心軸19に対して規定される放射方向、軸方向、および周方向を含み得る。前方向および後方向は、作動流体が燃焼器13からタービン12内に入る場所であるタービン12の前方端部、および、作動流体がタービン12から出る場所であるタービンの後方端部に対して規定することができる。回転方向は、動作中のタービン13の中心軸19を中心としたロータブレード16の期待される回転の方向に対して規定することができる。諒解されるであろうが、これらの配向特徴に従い、封止レール42を、先端シュラウド41の機外側表面44から放射方向とほぼ整列された軸に沿って、高さを規定するように突出するものとして、説明することができる。封止レール42は、周方向とほぼ整列された軸に沿って、長さを規定するように延在し得る。例示されるように、長さに対して、封止レール42は、軸方向とほぼ整列された軸に沿って延びる、薄い厚さを有し得る。
【0025】
ここで
図5および
図6を特に参照すると、先端シュラウド41を、エーロフォイル25の機外側端部の近くにまたは機外側端部に、位置付けることができる。先端シュラウド41は一般に、軸方向および周方向に延在する平面状の構成要素含むことができ、これはその中心向かってエーロフォイル25によって支持される。説明上の目的で、本明細書で使用される場合、先端シュラウド41は、機内側表面45および機外側表面44、ならびにシュラウド縁部または縁部46を含む。機内側表面45は全体に、先端シュラウド41の薄い放射方向厚さを挟んで機外側表面44と対置される。先端シュラウド41の縁部46は、機内側表面45を機外側表面44に接続する。本明細書で使用される場合、先端シュラウド41の縁部46は、先端シュラウド41の周縁外形または形状を画定する。
【0026】
先端シュラウド41は、機外側表面44から突出する1つまたは複数の封止レールも含み得る。提示されているように、
図5は、単一の封止レール42を有する先端シュラウド41を示しており、一方、
図6の先端シュラウド41は、2重の封止レール42を有するものを示している。以下に提示されるように、封止レール42の任意のものに関して示される構成を、これらの構成の各々とともに用いることができる。一般に、封止レール42は、先端シュラウド41の機外側表面44から放射方向外向きに延在する、フィン様の突出部である。例示されるように、封止レール42は、先端シュラウド41の対向する端部間に周方向に延在することができ、したがって、ロータブレード16の回転の方向または「回転方向」に対して整列されているものとして説明することができる。封止レール42は、先端シュラウド41の機外側表面44の周方向長さの実質的に全体にわたって延在し得る。本明細書で使用される場合、先端シュラウド41の周方向長さは、回転方向50における先端シュラウド41の長さである。以下でさらに説明するように、1つまたは複数の封止レール42の各々は、カッター歯43を含み得る。
【0027】
記述上の目的で、本明細書で使用される場合、封止レール42は対向するレール面を含み、この場合、前方レール面56はガスタービンの前方向に対応し、後方レール面57は後方向に対応する。先端シュラウド41上に2つの封止レール42が設けられる事例では、前方封止レール76と後方封止レール77とは同様に区別される。諒解されるであろうが、前方レール面56は、タービン13を通る作動流体の流れ方向に向かってまたはこの方向へと面を向け、一方、後方レール面57は、この方向から離れるように面を向ける。示されるように、封止レール42は、ほぼ矩形の外形を有し得る。したがって、前方レール面56および後方レール面57は、矩形形状を有し得る。さらに、封止レール42の前方レール面56および後方レール面57は、周方向に狭いレール縁部に沿って接続することができ、これらは本明細書で使用される場合、対向するほぼ平行な機外側レール縁部および機内側レール縁部、ならびに対向するほぼ平行な回転の前側となるレール縁部および回転の後側となるレール縁部と呼称される。具体的には、機内側レール縁部58を、封止レール42と先端シュラウド41の機外側表面44との間の接合部において画定することができる。機外側レール縁部59は、先端シュラウド41の機外側表面44から放射方向にオフセットされている。諒解されるであろうが、この放射方向のオフセットは一般に、封止レール42の放射方向高さを表す。諒解されるであろうが、回転の前側となるレール縁部62は、エーロフォイル25の負圧面27の上に張り出す先端シュラウド41の縁部46から、放射方向に突き出る。このように構成される場合、回転の前側となるレール縁部62は、これが、動作中にロータブレード16が回転する際に封止レール42の「前側となる」ため、このように呼称される。封止レール42の反対側の端部において、回転の後側となるレール縁部63は、エーロフォイル25の正圧面26の上に張り出す先端シュラウド41の縁部46から、放射方向に突き出る。回転の後側となるレール縁部63はしたがって、これが、動作中にロータブレード16が回転する際に封止レール42の「後側となる」ため、このように呼称される。
【0028】
本明細書で使用される場合、封止レール42は、重なり合わない周方向の区域を有するものとして説明され、これは、カッター歯43の周方向の長さおよび位置と一致するカッター歯区域70に関連して画定され得る。したがって、
図5および
図6に示すように、本明細書で使用される場合、封止レール42の回転の前側となる区域72および回転の後側となる区域73を、カッター歯43の各側に画定することができる。具体的には、例示されるように、回転の前側となる区域72は、カッター歯区域70から回転の前側となるレール縁部62まで延在し、一方、回転の後側となる区域73は、カッター歯区域70から回転の後側となるレール縁部63まで延在する。以下でわかるように、これらの指定された周方向の区域は、本発明の例示の実施形態を記載するために、
図9から
図20に関連して使用されることになる。
【0029】
先端シュラウド41は、先端シュラウド41およびエーロフォイル25の末広がりになる表面の間の滑らかな表面移行部、ならびに先端シュラウド41と封止レール42との間の滑らかな表面移行部を提供するように構成される、隅肉領域を含み得る。したがって、先端シュラウド41の構成は、先端シュラウド41の機外側表面44と、封止レール42の前方レール面56および後方レール面57の各々との間に形成される、機外側隅肉領域を含み得る。先端シュラウド41は、先端シュラウド41の機内側表面45と、エーロフォイル25の正圧面26および負圧面27との間に形成される、機内側隅肉領域をさらに含み得る。これらの隅肉領域は、普通であれば急激なまたは急勾配の角度の移行部を有するであろういくつかの平面状表面間で、滑らかに湾曲する移行部を提供するように構成することができる。諒解されるであろうが、そのような隅肉領域は、空力学的性能を改善すること、ならびに普通であればこれらの領域において発生するであろう応力集中を拡散することができる。
【0030】
諒解されるであろうが、封止レール42は通常、タービンの段にわたる漏出を抑止するために使用される。これは、この漏出がエンジン効率に対してマイナスの影響を及ぼすからである。ここで
図7を特に参照すると、シュラウドを設けたタービンロータブレードの封止レール41とロータブレードの段を取り囲む固定的な構造65との間に形成された例示のインタフェースの、側面図が提供されている。示されるように、封止レール42は放射方向に延在して、先端シュラウド41と作動流体流路の機外側の境界を画定する周囲の固定的な構造65との間に存在する放射方向の間隙66を狭めている。いくつかの従来の設計では、固定的な構造65は、放射方向の間隙66を挟んで先端シュラウド41と直接対置される、摩耗性のシュラウドまたはハニカムシュラウド67を含み得る。動作時、封止レール42は、ハニカムシュラウド67内へと放射方向に延在して、これに経路を切り通すことができる。そのような場合、カッター歯43は、ハニカムシュラウド67に封止レール42の幅よりも僅かに広い溝を切削するために設けられている。諒解されるであろうが、ハニカムシュラウド67は封止の安定性を高めるために設けることができ、また、カッター歯43の使用により、このより広い経路を開けることによる固定的な部品と回転する部品との間の溢出およびこすれを低減することができる。全体的には、カッター歯43は、封止レール42の周方向長さに沿って幅の大きくなった領域である。より具体的には、カッター歯43は、軸方向に厚くした封止レール42の狭い周方向の区域を含み得る。例示されるように、この軸方向に厚くした領域は、先端シュラウド41の機外側表面44と封止レール42の機外側縁部との間に、放射方向に延在し得る。カッター歯43を、これがエーロフォイル25の外形の上に支持されるように、封止レール42の中心または中央領域の近くに位置付けることができる。カッター歯43の他の場所も可能である。
【0031】
ここで
図8を特に参照すると、先端シュラウド41は、接触表面または縁部が、隣接する先端シュラウド41上に形成される同様の表面または縁部に係合する場所である、接触インタフェースを含むように構成することができる。このことはたとえば、漏出または有害な振動のを低減するために行うことができる。
図8は、ロータブレードの先端シュラウド41の機外側の図を提供しており、これは、これらが組み立てられた状態において呈し得るものである。記述上の目的で、本明細書で使用される場合、先端シュラウド41の縁部46は、ロータブレードの回転方向50に対して指定される、回転の前側となる接触縁部および回転の後側となる接触縁部を含む。この場合、示されるように、回転の前側となる位置にある先端シュラウド41は、これに対して回転の後側となる位置にある先端シュラウド41の回転の前側となる接触縁部に接触または密に近接する、回転の後側となる接触縁部を有する。隣り合う先端シュラウド41間のこの接触の領域を一般に、接触インタフェースと呼ぶ場合がある。この例示の構成の外形を所与として、接触インタフェースは、「Z−notch」インタフェースと呼ぶこともできるが、他の構成も可能である。より一般的には、この接触インタフェースを形成する際に、先端シュラウド41の縁部46を、隣り合う先端シュラウド41の対応する切り欠きのある区域と所望の様式で接触または係合することを意図した切り欠きのある区域を有するように構成することができる。
図8にさらに示すように、機外側に離れて見た先端シュラウド41の外形は、ホタテ貝形状を含み得るが、他の構成も可能である。諒解されるであろうが、例示のホタテ貝形状は、漏出を低減し、同時に先端シュラウドの重量を最小化するという観点において、良好な性能を示すものである。
【0032】
ここで
図9から
図20に目を向けると、本発明がいくつかの例示の実施形態と関連して論いることになる。以下でわかるように、これらの実施形態は、たとえばそこで生じる先端を越える漏出に有利な影響を与えるために使用され得る、ロータブレードの先端シュラウドに関するいくつかの新しい構成を提案している。具体的には、本明細書において提供される特定の方法で先端を越える漏出を増加させることにより、性能の特定の側面が向上し得ることが発見されている。これらの利益には、動作中にロータブレードのこの特定の領域が受ける温度および他の応力を低減することが含まれる。いくつかの場合には、これらの応力低減は本質的に僅かずつである場合があるが、これらはそれでもなお、これらが影響するブレードの領域に起因して、大きな性能利益につながり得る。諒解されるであろうが、ロータブレードのこの放射方向外側部分−エーロフォイルの放射方向外側先端部およびそこに支持される先端シュラウドを含む−は、構成要素の寿命を決定するのに非常に重要な部分である。この領域の、この寿命を限定するという側面に起因して、特定の応力源の控え目なまたは僅かずつでさえある低減が、構成要素寿命を延ばすという観点においては、釣り合わないほどの利益につながり得る。
【0033】
より具体的には、以下でわかるように、本明細書において提案されるいくつかの封止レール構成は、先端を越える漏出のレベルを上げることを可能にするように形成される。この漏出はその場合、本発明の構成によって誘起される特定の漏出流路に沿って導かれ運ばれる。そのような漏出は通常、エンジン効率に対してマイナスの効果を有するが、ロータブレードの有用寿命に対する結果的な利益は、増加した漏出の流れが計測および/または制御される限り、このマイナスの効果を相殺して余りある場合のあることが発見されている。たとえば、この相殺の利益を可能にする1つの要因は、上述のように、ロータブレードの有用寿命が多くの場合、この放射方向外側領域の耐久性によって限定されることである。すなわち、この領域がここで生じる極度の動作応力にどのように耐えるかが、通常、ロータブレードの有用寿命を決定する際の大きな要因である。諒解されるであろうが、ロータブレードのこの領域における高い応力レベルは、この領域におけるエーロフォイルの狭さ、より高い回転速度、先端シュラウドの重量、応力の集中する幾何学形状、および先端シュラウドが支持する側であるエーロフォイルから外向きに片持ち梁式に支持される様式を含む、いくつかの要因によってもたらされる。結果として、この領域は、たとえばホットスポットが局所的に発達するときなど、寿命を限定する損傷をより受け易い。本明細書において提案されるように先端を越えるさらなる漏出を可能にすることによって、そのような局所的なホットスポットの発生を大幅に低減、または防止さえできることが発見されている。本発明の構成の他の利点には、特定の有害な振動性反応の緩和を含む、機械的応力の低減が含まれる。別の利益は、本発明が封止レールの部分を除去することによって先端シュラウドの重量を低減するように使用され得る様式に関する。
【0034】
ここでいくつかの提示された図に特に注目すると、本発明の封止レールを様々な型の先端シュラウドと併せてどのように使用し得るかを示す、いくつかの例が提供されている。
図9から
図16に例示するように、本発明の封止レールが、2重の封止レール構成を有する先端シュラウドに関連して示されている。
図17から
図20に示すように、代替の封止レール構成が、単一の封止レールを有する先端シュラウドに関連して示されている。そうではないと述べられていない限りは、
図9から
図20に関連して提供されている異なる封止レール構成の各々を、単一のまたは2重の封止レール配置構成の一部として使用できることが理解されるべきである。したがって、2重の封止レール構成における封止レールの任意のものに関連して示されている、これらの封止レール構成を、単一の封止レール構成の一部として単独で使用できる。そうではないと述べられていない限り、単一の封止レール先端シュラウドに適用されるものとして図に示されている任意の封止レール構成を、2重の封止レール配置構成における封止レールに関して使用することもできることが、さらに理解されるべきである。
【0035】
これに応じて、本発明は、1つまたは複数の封止レール42を有する先端シュラウド41を含み、この場合、これらの封止レール42のうちの少なくとも1つは、本明細書において提示されているように、先端を越える漏出のレベルを上げることを可能にするように構成される、漏出間隙78を形成する。以下でわかるように、いくつかの実施形態によれば、漏出間隙78は、周方向に画定される区域にわたって封止レール42の高さを低減することによって形成され、その例が、
図9から
図14および
図17から
図20の例示の実施形態に示されている。他の実施形態によれば、
図15および
図16に示すように、漏出間隙78は、封止レール42の厚さを通って延在するポートを介して形成される。
【0036】
ここで
図9から
図14に特に注目すると、いくつかの例示の先端シュラウド41が、2重の封止レール構成を有して示されており、この場合、漏出間隙78は、周方向に画定される区域内でこれらの封止レール42のうちの少なくとも1つの高さを減らすことによって形成される。以下でわかるように、この型の封止レール構成が規定され具体的に説明されることになる1つの様式は、本明細書において参照により、封止レール42の「高さ区域」を指定することである。本明細書で使用される場合、そのような「高さ区域」は、封止レールの周方向に画定された基準区域を表すことになり、封止レール42の周方向長さに沿って周方向に規定された限度内で生じるものとして説明されることになる。これらの「高さ区域」は、周方向において、封止レール42の長さの全体を、2つの重なり合わない区域、すなわち、漏出間隙78が形成される高さ区域を指すことになる、第1の高さ区域81、および、漏出間隙を含まない高さ区域を指すことになる、第2の高さ区域82へと分割する(参照のみのためである)ことが、理解されるべきである。理解されるであろうが、説明の目的で、封止レール42の高さを低減して漏出間隙78を形成することを意図しているこれらの高さ区域において、封止レール42の最大の(低減されていない)高さの輪郭が、点線で提供されている。このようにして、封止レール42のこの特定の高さ区域内での高さ低減の場所および程度を、明確に図示することができる。以下でも提示されるように、2重の封止レール配置構成内の封止レールを、前方封止レールおよび後方封止レールを参照することを介した相対的な前方および後方の位置付けに従って区別することによって、本発明の特定の封止レール構成についてさらに説明することができる。単一の封止レールに関してより具体的に説明するために、回転の前側となる縁部区域および後側となる縁部区域も参照する場合がある。これらは既に記載したように、動作中のロータブレードの回転方向およびこれらの間に位置付けられるカッター歯区域の場所に対して規定される。
【0037】
こうして、
図9から
図11の例に示すように、特定の好ましい実施形態によれば、本発明の漏出間隙78は、前方封止レール76または後方封止レール77のいずれかの上に形成することができ、これは他方上には存在しなくてもよい。したがって、
図9および
図10では、漏出間隙78は後方封止レール77上に示されており、前方封止レール76上には存在しないが、これに対し
図11では、漏出間隙78は前方封止レール76上に示されており、後方封止レール76上には存在しない。上述したように、漏出間隙78の型および位置付けに関して、
図9から
図11に示す封止レール構成を、ただ1つの封止レールを有する先端シュラウドの封止レール上で用いることができる。
【0038】
図9では、漏出間隙78を、後方封止レール76の回転の前側となる縁部区域72上に形成されるものとして、より具体的に説明することができる。提供される例では、漏出間隙78は、後方封止レール76のその他の区域または残りの部分と比較して明白に低減された高さを有する、後方封止レール76の回転の前側となる縁部区域72を介して形成される。この構成は別法として、既に検討した第1の高さ区域81および第2の高さ区域82参照して説明することができる。諒解されるであろうが、この例における第1の高さ区域81は、回転の前側となる縁部区域72のほぼ全体として規定することができ、また第2の高さ区域82は、カッター歯区域70および回転の後側となる縁部区域73の両方のほぼ全体として規定される。代替の配置構成(図示せず)では、漏出間隙78は代わりに、回転の後側となる縁部区域73上に形成され得る。したがって、第1の高さ区域81および第2の高さ区域82に関して本発明の可能な実施形態を一般的に説明する際に、第1の高さ区域81は、回転の前側となる区域72または回転の後側となる区域73のいずれか一方を含むことができ、その場合第2の高さ区域82は、回転の前側となる区域81および回転の後側となる区域82の残りの一方、ならびにカッター歯区域の、両方を含んでいる。示されるように、第1の高さ区域81内の封止レール42の低減された高さは、実質的に一定であってよい。しかしながら、
図17から
図20に提示されているように、他の可能な構成には、第1の高さ区域81内で変動する封止レール高さが含まれる。第2の高さ区域82内の封止レール42の高さは、実質的に一定であってよい。
【0039】
漏出間隙78の性質を規定する際に、第1の高さ区域81の明白に低減された高さを、第2の高さ区域82の高さに対して規定することができる。好ましい実施形態によれば、第1の高さ区域81の明白に低減された高さは、第2の高さ区域の高さの90%未満の高さである。他の実施形態によれば、明白に低減された高さは、カッター歯43またはカッター歯区域70の高さに対して規定され得る。たとえば、明白に低減された高さは、カッター歯区域43内の封止レール42の高さの40%から90%の間の高さであってよい。さらに他の実施形態によれば、以下に提示されるように、この明白に低減された高さは、カッター歯区域43内の封止レール42の高さの50%から80%の間の高さである。
【0040】
他の実施形態によれば、漏出間隙78は、回転の前側となる区域72および後側となる区域73の各々上の高さの低減された区域として形成することができる。この型の実施形態の例が、
図10および
図11に提供されている。諒解されるであろうが、
図10では、後方封止レール77がこの様式で構成されているが、
図11では、これは前方封止レール76である。各例示の構成において、回転の前側となる区域72内の封止レール42の高さは、カッター歯区域70内の封止レール42の高さと比較して、明白に低減されているとともに、回転の後側となる区域73内の封止レール42の高さは、カッター歯区域70内の封止レール42の高さと比較して、明白に低減されている。好ましい実施形態によれば、回転の前側となる区域72および回転の後側となる区域73は、カッター歯区域70内の封止レール42の高さの40%から90%の間の封止レール高さを各々有し得る。他の実施形態によれば、回転の前側となる区域72および回転の後側となる区域73は、カッター歯区域70内の封止レール42の高さの50%から80%の間の封止レール高さを各々有し得る。
図10に例示するように、回転の前側となる区域72および回転の後側となる区域73内の封止レール42の高さの低減は、各々がほぼ等しくなるように構成することができる。別法として、
図11に例示するように、これらの区域内の封止レールの相対高さは、オフセットされてよいかまたは異なっていてよい。たとえば、
図11に示すように、回転の前側となる区域72内の封止レール42の高さは、回転の後側となる区域73の封止レール42の高さよりも大きい。
【0041】
図12から
図14に例示するように、本発明の代替の実施形態は、漏出間隙78が前方封止レール76および後方封止レール77の各々上の高さの低減された周方向区域として形成される事例を含む。これらの構成は、既に説明した原理に従って形成することができる。例示の実施形態によれば、
図12に示すように、前方封止レール76および後方封止レール77の両方の回転の後側となる区域73が、高さの低減された区域の形態の漏出間隙78を含むように構成される。
図13に例示するように、前方封止レール76の回転の後側となる区域73および後方封止レール77の回転の前側となる区域72は、高さの低減された区域の形態の漏出間隙78を含むように構成することができる。
図14に例示するように、別の実施形態によれば、前方封止レール76および後方封止レール77の両方の回転の前側となる区域72および後側となる区域73が、高さの低減された区域の形態の漏出間隙78を含むように構成される。他の可能な構成も可能である。
【0042】
図15および
図16に例示するように、本発明の代替の実施形態は、漏出間隙78が、上で検討した高さの低減された区域の代わりに、封止レール42を通して画定された1つまたは複数のポートとして形成される場合を含む。そのようなポートは一般に、前方レール面56を通して形成された入口と後方レール面57を通して形成された出口との間に、封止レール42の厚さを通って軸方向に延在する囲まれた通路として画定することができる。そのような場合、例示されるように、カッター歯区域70、回転の前側となる区域72、および回転の後側となる区域73内の、封止レール42の高さは、実質的に一定な低減されないものであってよい。例示の実施形態によれば、漏出間隙78は、前方封止レール76および後方封止レール77の少なくとも一方の回転の前側となる区域72および回転の後側となる区域73のうちの少なくとも1つを通して形成されているポートのうちの少なくとも1つを含む。
図15の例示の実施形態によれば、漏出間隙78は、前方封止レール76および後方封止レール77の両方の回転の前側となる区域72および回転の後側となる区域73の各々を通して形成されている単一のポートを含む。代替の実施形態によれば、漏出間隙78は、ポートがいずれかの封止レールの様々な区域の任意のものを通して形成されている複数の事例を含み得る。これの例が
図16に提供されており、これには、漏出間隙78が、後方封止レール77の回転の前側となる区域72および回転の後側となる区域73を通して形成されている複数のポートを含む、配置構成が含まれる。示されるように、前方封止レール76は、これが漏出間隙78を含まないように、手を加えないままとされてよい。
【0043】
先の例では、例示の漏出間隙78を形成する高さの低減された区域は、一定の高さを有するものとして示されていた。他の実施形態によれば、
図17から
図20に示すように、漏出間隙78を、本明細書において「形状形成された外形」と呼ばれることになる好ましい輪郭または形状に従う周方向位置に従って封止レール高さが変動する、高さの低減された封止レール区域として形成することもできる。
図17から
図20において提供される実施形態の各々は、形状形成された外形を回転の前側となる区域72および回転の後側となる区域73の両方上に含まれているものとして例示しているが、これが例示に過ぎないことが諒解されるであろう。形状形成された外形を、封止レール42の回転の前側となる区域72および回転の後側となる区域73の一方のみに含めることができ、残りの封止レール区域は、たとえばカッター歯区域70の高さに等しくてよい、一定の高さを有することが、理解されるべきである。加えて、例示の状形成された外形が、単一の封止レール42を有する先端シュラウド41に関連して例示されているが、本発明の可能な実施形態が、そのような形状形成された外形を2重の封止レール構成を有する先端シュラウド41に対して使用することを含むことが、理解されるべきである。2重の封止レール配置構成を有する先端シュラウドに関連して検討した既出の漏出間隙構成の任意のものを、単一の封止レールのみを有する先端シュラウドに対して使用できることが、さらに理解されるべきである。
【0044】
図17に示すように、1つの好ましい実施形態によれば、漏出間隙78は、シュラウド縁部46に沿って凹状である、封止レール42の形状形成された外形によって形成される。この例では、機外側レール縁部59は、これがカッター歯43と回転の前側となるレール縁部62または後側となるレール縁部63との間に延びる際に、沈み込みその後最大の高さまで戻る、凹状の表面として構成される。
図18に示すように、形状形成された外形の代替の構成は、封止レールがカッター歯43から離れる方向に延びるにつれ、封止レール42の高さが滑らかに狭まるかまたは先細となる、機内側傾斜外形を含む。
図19および
図20に示すように、他の好ましい実施形態によれば、形状形成された外形は、シュラウド縁部46に沿った起伏のあるまたは波形のものを含む。この波形の外形は、
図19の例示の実施形態のように、滑らかに湾曲することができるか、または、
図20の例示の実施形態のように、本質的により矩形性の高いものとすることができる。他の実施形態も可能である。
【0045】
当業者は諒解するであろうが、いくつかの例示の実施形態に関連して上に説明された、多くの様々な特徴および構成を、さらに選択的に適用して、本発明のその他の可能な実施形態を形成することができる。簡潔さのために、また当業者の能力を考慮に入れて、可能な形態の全てを提供してはいない、または、詳細に議論してはいないが、以下のいくつかの請求項によってまたはその他の様式で包含される、全ての組み合わせおよび可能な実施形態は、本出願の一部であることが意図される。加えて、本発明のいくつかの例示の実施形態の上記の説明から、当業者は、改善、変更、および修正を認識するであろう。当技術範囲内のそのような改善、変更、および修正も、付属の特許請求の範囲によって対象とされることが意図される。さらに、前述したことが、本出願の説明された実施形態のみに関連すること、ならびに、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物によって規定されるような本出願の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書において多数の変更および修正を行い得ることが、明らかなはずである。