特許第6952549号(P6952549)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6952549自動改札機、改札システム、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6952549
(24)【登録日】2021年9月30日
(45)【発行日】2021年10月20日
(54)【発明の名称】自動改札機、改札システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20211011BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20211011BHJP
【FI】
   G07B15/00 G
   G06K19/06 037
   G06K19/06 112
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-180060(P2017-180060)
(22)【出願日】2017年9月20日
(65)【公開番号】特開2019-57020(P2019-57020A)
(43)【公開日】2019年4月11日
【審査請求日】2020年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古用 晋一朗
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−063873(JP,A)
【文献】 特開2012−098864(JP,A)
【文献】 特開2013−196408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
G06Q 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入場側改札機および/または出場側改札機として機能する自動改札機であって、
利用者の端末装置に表示された画像から前記端末装置に対応付けられた識別情報と、前記利用者または特定の駅で入出場可能であることを示す効力情報に対応付けられた識別情報とを含む情報を読み取る読取部と、
前記読取部の処理結果に基づいて、利用者の入場または出場を許可するか否かを判定する判定部と、
前記自動改札機が入場側改札機として機能する場合において、前記判定部により入場が許可された場合、前記読取部により読取られた前記端末装置に対応付けられた識別情報から得られる通信アドレスを用いて、記利用者によって出場時に利用される情報を前記端末装置に送信するための処理を実行する制御部と、を備え、
前記判定部は、前記自動改札機が出場側改札機として機能する場合に、前記端末装置に送信された前記出場時に利用される情報に対して、前記利用者が所定の端末操作を行うことで配信される前記利用者または前記効力情報に対応付けられた識別情報と、前記読取部の処理結果とに基づいて、前記利用者の出場を許可するか否かを判定する、
自動改札機。
【請求項2】
前記通信アドレスは、前記端末装置に対して設定された電話番号に対応する通信アドレスである、
請求項1に記載の自動改札機。
【請求項3】
前記出場時に利用される情報は、所定のアクセス先を示す情報である、
請求項1または2に記載の自動改札機。
【請求項4】
前記制御部は、前記出場時に利用される情報を前記端末装置に送信することをサーバ装置に依頼する処理を、記利用者によって出場時に利用される情報を前記端末装置に送信するための処理として実行する、
請求項1からのうちいずれか1項に記載の自動改札機。
【請求項5】
入場側改札機および/または出場側改札機として機能する自動改札機であって、
通信機能を有さない媒体に表示された画像から利用者の端末装置の通信アドレスと、前記利用者または特定の駅で入出場可能であることを示す効力情報に対応付けられた識別情報とを含む情報を読み取る読取部と、
前記読取部の処理結果に基づいて、利用者の入場または出場を許可するか否かを判定する判定部と、
前記自動改札機が入場側改札機として機能する場合において、前記判定部により入場が許可された場合、前記読取部により読取られた情報から得られる通信アドレスを用いて、記利用者によって出場時に利用される情報を前記端末装置に送信するための処理を実行する制御部と、を備え、
前記判定部は、前記自動改札機が出場側改札機として機能する場合、前記端末装置に送信された前記出場時に利用される情報に対して、前記利用者が所定の端末操作を行うことで配信される前記利用者または前記効力情報に対応付けられた識別情報と、前記読取部の処理結果とに基づいて、前記利用者の出場を許可するか否かを判定する、
自動改札機。
【請求項6】
請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の自動改札機と、
前記自動改札機により送信された通信アドレスを受信し、受信した通信アドレスに対して、予め記憶された特定の駅で入場可能であることを示す入場用の効力情報または特定の駅で出場可能であることを示す出場用の効力情報が対応付けられている場合に、前記利用者によって出場時または入場時に利用される情報を前記端末装置に送信するサーバ装置と、
を備える改札システム。
【請求項7】
請求項6に記載の改札システムで利用される端末装置のコンピュータに、
前記改札システムで入場側改札機として機能する自動改札機に前記端末装置の利用者の入場が許可された後、前記改札システムのサーバ装置により送信された前記利用者によって出場時に利用される情報を用いて、前記利用者または特定の駅で入出場可能であることを示す効力情報に対応付けられた識別情報を、前記利用者が出場する自動改札機に送信するか否かを問い合わせる画像を表示部に表示させ、
前記画像が表示された後に前記利用者の所定の操作を受け付けた場合、前記サーバ装置に、前記利用者または前記効力情報に対応付けられた識別情報を前記利用者が出場する自動改札機に送信することを指示させ、
前記指示した後に前記端末装置に対応付けられた識別情報と、前記利用者または前記効力情報に対応付けられた識別情報とを含む情報をエンコードした画像を生成させ、
前記生成した画像を前記表示部に表示させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、自動改札機、改札システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動改札機を通過するのに必要な各種情報がエンコードされたQRコード(登録商標)などの画像を、端末装置の表示画面に表示させたものを乗車券として利用する技術が知られている。自動改札機の側では、画像をカメラなどで撮像し、画像解析によって各種情報を読み取って通過可否の判定を行う。この種の乗車券を使用させる場合、コピーによる不正利用を抑制する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−155371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、不正利用を抑制することができる自動改札機、改札システム、およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の自動改札機は、入場側改札機および/または出場側改札機として機能する。自動改札機は、読取部と、判定部と、制御部とを持つ。読取部は、利用者の端末装置に表示された画像から前記端末装置に対応付けられた識別情報と、前記利用者または特定の駅で入出場可能であることを示す効力情報に対応付けられた識別情報とを含む情報を読み取る。判定部は、前記読取部の処理結果に基づいて、利用者の入場または出場を許可するか否かを判定する。制御部は、前記自動改札機が入場側改札機として機能する場合において、前記判定部により入場が許可された場合、前記読取部により読取られた前記端末装置に対応付けられた識別情報から得られる通信アドレスを用いて、記利用者によって出場時に利用される情報を前記端末装置に送信するための処理を実行する。また、判定部は、前記自動改札機が出場側改札機として機能する場合に、前記端末装置に送信された前記出場時に利用される情報に対して、前記利用者が所定の端末操作を行うことで配信される前記利用者または前記効力情報に対応付けられた識別情報と、前記読取部の処理結果とに基づいて、前記利用者の出場を許可するか否かを判定する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態における改札システム1を示す図。
図2】自動改札機30を上方から見た図。
図3】自動改札機30の機能構成を示す図。
図4】センタサーバ装置70の機能構成を示す図。
図5】決済サーバ装置90の機能構成を示す図。
図6】端末装置100の構成の一例を示す図。
図7】改札システム1によって行われる処理の概要を示す図。
図8】改札システム1により実行される処理を示すシーケンス図。
図9】管理テーブル82の内容の一例を示す図。
図10】端末装置100により実行される処理の流れを示すフローチャート。
図11】入場駅の自動改札機30により実行される処理の流れを示すフローチャート。
図12】センタサーバ装置70により実行される処理の流れを示すフローチャート。
図13】第2の実施形態の改札システム1により実行される処理を示すシーケンス図。
図14】所定の画像IMの一例を示す図。
図15】端末装置100により実行される処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の自動改札機、改札システム、およびプログラムを、図面を参照して説明する。実施形態の改札システムは、例えば鉄道やバスなどの公共交通機関において、駅の入出場やバスの乗降車の管理を行うシステムである。以下の説明では、改札システムが鉄道において適用される例について説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
[全体構成]
各実施形態において共通の構成から説明する。図1は、第1の実施形態における改札システム1を示す図である。改札システム1は、例えば、A駅システム10Aと、B駅システム10Bと、センタサーバ装置70と、決済サーバ装置90と、端末装置100とを備える。なお、改札システム1は、A駅システム10A、およびB駅システム10Bの他に、複数の駅システムを含んでもよい。以下、A駅システム10Aと、B駅システム10Bとを区別しない場合は、単に「駅システム10」と称する。また、図示する例では、A駅システム10Aに含まれる構成を符号の末尾に「A」を付し、B駅システム10Bに含まれる構成を符号の末尾に「B」を付して示している。いずれの駅システムに含まれる構成であるか区別しない場合は、「A」または「B」を省略して示す。
【0009】
また、駅システム10は、例えば、駅サーバ20や複数の自動改札機30(30A−1〜30A−N(「N」は任意の自然数)、および30B−1〜30B−N)の他、券売機、駅務機器等を備える。駅サーバ20は、ネットワークNWを介してセンタサーバ装置70から取得した情報を、専用線を介して自動改札機30に送信したり、自動改札機30から専用線を介して取得した情報を、ネットワークNWを介してセンタサーバ装置70に送信したりする。ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)や、WAN(Wide Area Network)、Wi−Fi網等を含む。
【0010】
[自動改札機]
図2は、自動改札機30を上方から見た図である。自動改札機30は、所定の情報がエンコードされたコード画像が表示された媒体を乗車券として扱う自動改札機である。上記のコードは、例えば、QRコード等の二次元コードや、バーコード等の一次元コード等である。なお、上記のコードは、機械(自動改札機30)によって内容が認識可能であると共に、人が視認することによって内容が認識できないものであれば如何なる態様であってもよい。
【0011】
自動改札機30は、筐体31と、リーダ32と、通過センサ38−1から38−4と、上面表示部40と、正面表示部42と、扉44および45と、制御部50とを備える。リーダ32は、「読取部」の一例である。
【0012】
自動改札機30のリーダ32は、例えば筐体31の一端に設けられる。リーダ32は、図2のa方向に通過しようとする利用者によって提示された画像にエンコードされた情報を読み取って、読み取った情報を制御部50に出力する。
【0013】
リーダ32は、例えば、接近検出センサと、光学読取部と、ライトとを備える。接近検出センサは、利用者が端末装置100の表示部に表示された画像をリーダ32に提示する際に、検出面に端末装置100が接近した場合に、物体が接近している旨を示す検出信号を制御部50に出力する。これにより、接近検出センサは、端末装置100がリーダ32に提示されたことを検出する。接近検出センサは、例えば、赤外線センサやステレオカメラ等により実現される。
【0014】
光学読取部は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を備えたカメラを含む。また、光学読取部は、バーコードリーダのように受光素子と増幅器、情報解読部(デコード部)等を備えるものであってもよい。
【0015】
光学読取部は、利用者によって、リーダ32に提示された画像を撮像する。光学読取部は、撮像した画像を制御部50に出力する。ライトは、光学読取部が画像を撮像する際に、画像に向けて光を照射する。
【0016】
通過センサ38−1から38−4は、例えば自動改札機30の通路側の側面に複数設けられる。複数の通過センサ38−1から38−4は、自動改札機30により形成された通路内の利用者を検出する。通過センサ38−1から38−4は、例えば赤外線センサや、光センサなどで実現される。通過センサ38−1から38−4は、対向する補機に設けられた通過センサと連携して通路内の利用者を検出するものであってもよい。なお、自動改札機30は、任意の数の通過センサを備えてよい。以下、通過センサを他の通過センサと区別しない場合は、ハイフン(−)以下の符号を省略し、単に通過センサ38と表記する。
【0017】
上面表示部40は、リーダ32に画像が提示された場合に、制御部50によって処理された結果を表示する。正面表示部42は、図2のa方向に通過可能であるか否かを示すマークや図形、文字等を表示する。正面表示部42の表示内容または表示の有無は、制御部50によって決定される。
【0018】
自動改札機30の制御部50は、扉44および対向する補機の扉45を開放状態または閉止状態に制御することで、図2のa方向に通過しようとしている利用者の通過を許可または禁止する。
【0019】
図3は、自動改札機30の機能構成を示す図である。自動改札機30の制御部50は、例えば、改札機側記憶部52と、画像処理部58と、改札処理部60と、制御部62と、改札機側通信部66とを備える。画像処理部58、改札処理部60、および制御部62は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがプログラムを実行することで実現されてよい。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェアで実現されてもよい。
【0020】
改札機側記憶部52は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SDカード等の不揮発性の記憶媒体と、RAM(Random Access Memory)、レジスタ等の揮発性の記憶媒体とによって実現される。改札機側記憶部52は、プロセッサが実行するプログラム、自機が入場用または出場用の改札機であるかを示す情報等を格納する。
【0021】
画像処理部58は、光学読取部により撮像された画像から得られる電子情報に対してデコード等の処理を行い、ビット列などで表されるコンピュータが認識可能な情報に変換する。電子情報とは、例えば、画像の画素情報を配列化した情報である。画像処理部58は、上記処理により二次元コードや、一次元コード等に符号化された情報の内容を読み取る。なお、このような画像解析の機能を、光学読取部が備えてもよい。
【0022】
改札処理部60は、端末装置100に表示された画像から読み取った情報に基づいて利用者の入場判定、または出場判定を行う。
【0023】
制御部62は、改札処理部60の判定結果に基づいて、利用者の通過を許可、または禁止する制御を実行する。利用者の通過を禁止する制御をする場合、制御部62は、扉44、45を閉止状態にしたり、正面表示部42に通過を許可しないことを示す情報を表示させたりする。利用者の通過を許可する制御をする場合、制御部62は、扉44、45を開放状態にしたり、正面表示部42に通過を許可することを示す情報を表示させたりする。
【0024】
改札機側通信部66は、センタサーバ装置70と通信する。改札機側通信部66は、制御部50の処理結果や、改札機側記憶部52に記憶された情報等をセンタサーバ装置70に送信する。
【0025】
なお、自動改札機30は、利用者の一方向の通過のみを許可するものに限らず、利用者の双方向の通過を許可するものであってもよい。
【0026】
[センタサーバ装置]
図4は、センタサーバ装置70の機能構成を示す図である。センタサーバ装置70は、例えば、センタサーバ側通信部72と、情報処理部74と、センタサーバ側記憶部80とを備える。
【0027】
センタサーバ側通信部72は、自動改札機30、決済サーバ装置90、および端末装置100と通信する。情報処理部74は、自動改札機30により送信された情報を受信し、受信した情報から得られる通信アドレスを用いて、端末装置100に、利用者によって出場時または入場時に利用される情報を送信する処理を実行する。
【0028】
センタサーバ側記憶部80は、情報処理部74により実行されるプログラムや、各駅に設定された自動改札機の識別情報(改札機ID)、管理テーブル82等が記憶されている。管理テーブル82については後述する。
【0029】
[決済サーバ装置]
図5は、決済サーバ装置90の機能構成を示す図である。決済サーバ装置90は、例えば、決済サーバ側通信部92と、決済管理部94と、決済サーバ側記憶部96とを備える。決済サーバ側通信部92は、センタサーバ装置70と情報を送受信する。決済管理部94は、センタサーバ装置70の依頼に基づいて、決済処理を行い、決済サーバ側通信部92を用いて、決済処理の結果をセンタサーバ装置70に送信する。また、決済管理部94は、例えば、センタサーバ装置70により送信された決済に関する情報を後述する決済情報98として管理する。
【0030】
決済サーバ側記憶部96は、決済管理部94により実行されるプログラムや、決済情報98等が記憶されている。決済情報98とは、利用者の氏名や、決済の方法(例えばクレジットカードによる決済や、銀行口座による決済、電子マネーによる決済等)、決済方法に対応する情報(銀行口座番号や、クレジットカード番号等)である。
【0031】
[端末装置]
図6は、端末装置100の構成の一例を示す図である。端末装置100は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯型の端末装置である。端末装置100は、例えば、タッチパネル部102と、端末側通信部104と、端末処理部106と、コード生成部108と、端末側記憶部110とを備える。タッチパネル部102は、利用者による入力操作を受け付ける操作部と、画像を表示する表示部と、が一体として形成されている。なお、端末装置100は、タッチパネル部102に代えて(或いは、加えて)、例えば、ボタン、キーボード、マウス、マイク、タッチパネル等の操作部と、表示部とを備えてもよい。
【0032】
端末側通信部104は、図示しない無線基地局により仲介されるセルラー網やWi−Fi網、専用回線、プロバイダ、インターネット等を介してセンタサーバ装置70と通信する。
【0033】
端末処理部106およびコード生成部108は、CPU等のプロセッサが端末側記憶部110に記憶されたプログラム(例えば改札処理アプリ112)を実行することにより実現される。プログラムは、例えば、ネットワークNWを介してアプリケーションサーバからダウンロードされてもよいし、SDカードなどの可搬型記憶媒体に格納されたものが端末装置100にインストールされてもよい。利用者が、最初に改札処理アプリ112を利用またはダウンロード等する際に、利用者は、表示部に表示された画像において、タッチパネル部102を操作して、氏名の入力や、所定の処理を実行可能させるためのパスワード、鉄道の運賃の決済の方法の選択などの利用者登録を行う。利用者は、選択した決済方法に応じて、クレジットカード番号や、銀行口座の番号等の入力を行う。
【0034】
また、改札処理アプリ112の処理が実行されることにより、端末装置100の端末側記憶部110に記憶されたSIMカード(Subscriber Identity Module Card)の識別情報に対応付けられた電話番号を取得する。利用者登録された情報および電話番号は、アプリケーションサーバを介して、センタサーバ装置70および決済サーバ装置90に送信され、各サーバ装置の記憶部に記憶される。なお、センタサーバ装置70が、アプリケーションサーバと同等の機能を有してもよい。
【0035】
コード生成部108は、利用者の電話番号および効力情報をエンコードしたコード(例えばQRコード)を含むコード画像を生成し、生成したコード画像をタッチパネル部102の表示部に表示させる。効力情報とは、利用者が利用することができる駅(例えば入場可能な駅、または出場可能な駅)、利用可能な期間(例えば発行日当日のみ有効)などの情報である。端末側記憶部110は、プロセッサが実行する改札処理アプリ112等のプログラムを格納する。
【0036】
例えば、利用者は、改札処理アプリ112を起動させて、所定の操作を行うことにより、定期券や乗車券、一日乗車券、回数券などを購入することができる。例えば、定期券を購入する際に、利用者は、所定の操作を行って、利用区間や利用期間等を選択操作することにより、定期券を購入することができる。上述した所定の操作に伴って利用者により入力された情報(例えば、利用区間や、電話番号、決済に関する情報等)は、センタサーバ装置70に送信される。センタサーバ装置70は、送信された情報を取得し、取得した情報に基づいて、効力情報と電話番号とを対応付けてセンタサーバ側記憶部80に記憶させ、効力情報を管理する。
【0037】
[改札システムの処理の概要]
図7は、改札システム1によって行われる処理の概要を示す図である。入場駅において、利用者は、所定の操作によって改札処理アプリ112を起動させると、改札処理アプリ112が起動することによって端末装置100の表示部に入場用コード画像が表示される。入場用コード画像とは、端末装置100の電話番号、および入場用の効力情報がエンコードされたコードを含む画像である。入場用の効力情報とは、入場可能な駅の情報、および当該駅に入場可能な期間を示す情報等である。利用者が、自動改札機30のリーダ32にコード画像を翳すと、自動改札機30がコード画像にエンコードされた情報を取得する。そして、自動改札機30は、入場用の効力情報に基づいて利用者の入場を許可すると、取得した電話番号をセンタサーバ装置70に送信する。
【0038】
センタサーバ装置70は、取得した電話番号を用いて、端末装置100に出場用の効力情報を含むメッセージを、SMSを利用して送信する(ショートメッセージサービスを用いた送信を行う)。端末装置100は、センタサーバ装置70からSMSのメッセージを受信すると、自動的に出場用コード画像を表示部に表示させる。出場用コード画像とは、端末装置100の電話番号、および出場用の効力情報がエンコードされたコードを含む画像である。出場用の効力情報とは、出場可能な駅の情報、および当該駅から出場可能な期間を示す情報等である。そして、利用者は、出場駅の自動改札機30のリーダ32にコード画像を翳すことにより、出場駅を出場することができる。
【0039】
例えば、SMSのメッセージには、例えば、効力情報が含まれることを示す情報が含まれている。端末装置100は、効力情報を含まないメッセージであるか否かを上記の情報を用いて判定し、効力情報を含むメッセージを受信した場合に、自動的に出場用コードを生成し、出場用コード画像を表示部に表示させる。また、端末装置100は、所定の送信先であるか否かによって、効力情報を含まないメッセージであるか否かを判定してもよい。
【0040】
図8は、改札システム1により実行される処理を示すシーケンス図である。本処理は、利用者が改札処理アプリ112を利用して定期券を購入した後に、定期券を利用する場合の一例である。また、本処理では、端末装置100は、既に入場用の効力情報をセンタサーバ装置70から取得しているものとする。
【0041】
まず、端末装置100の改札処理アプリ112が所定の操作がされて起動すると、端末装置100は、表示部に入場用コード画像を表示させる(ステップS100)。利用者は、入場駅に入場する際に入場駅の自動改札機30のリーダ32に入場用コード画像を翳す。
【0042】
入場用コード画像がリーダ32に翳されると、自動改札機30のリーダ32が、端末装置100の表示部に表示された入場用コード画像を読み取り、入場用コード画像にエンコードされた入場用の効力情報と、電話番号とを取得する(ステップS102)。次に、自動改札機30の改札処理部60が、利用者が入場することができるか否かを判定して入場を許可すると、自動改札機30の制御部62が、取得した電話番号をセンタサーバ装置70に送信する(ステップS104)。
【0043】
次に、センタサーバ装置70の情報処理部74が、電話番号を受信し、管理テーブル82を参照して、受信した電話番号に対応する出場用の効力情報を取得し(ステップS106)、取得した出場用の効力情報を含むメッセージを、ステップS102で取得した電話番号を有する端末装置100にSMSを利用して送信する(ステップS108)。これにより、利用者の端末装置100の表示部には出場時にリーダ32に翳す出場用コード画像が表示される。
【0044】
図9は、管理テーブル82の内容の一例を示す図である。管理テーブル82は、利用者により改札処理アプリ112が操作され、端末装置100からセンタサーバ装置70に送信された情報や、利用者の交通機関の利用に関する情報が登録された情報である。管理テーブル82には、例えば、電話番号に対して、ユーザを一意に特定する識別情報(ユーザID)や、定期乗車券の利用区間、定期乗車券の利用期間、定期外乗車券の利用区間、定期外乗車券の利用区間、支払方法(クレジットカード支払や口座引き落とし)等が対応付けられている。なお、管理テーブル82には、ユーザIDに代えて、券IDが用いられてもよい。この場合、例えば、1つの券IDに対して、1つの種類(例えば、定期乗車券または定期外乗車券)の効力情報が対応付けられる。
【0045】
次に、端末装置100の端末処理部106は、センタサーバ装置70から出場用の効力情報を受信すると、自動的に出場用コード画像を生成し、生成した出場用コード画像を自動的に端末装置100の表示部に表示させる(ステップS110)。
【0046】
利用者が出場用コード画像を出場駅の自動改札機30のリーダ32に翳すと、自動改札機30のリーダ32が、端末装置100の表示部に表示された出場用コード画像を読み取り、画像にエンコードされた出場用の効力情報と、電話番号とを取得する(ステップS112)。次に、自動改札機30の改札処理部60が、利用者が出場することができるか否かを判定して出場を許可すると、自動改札機30の制御部62が、取得した電話番号をセンタサーバ装置70に送信する(ステップS114)。また、センタサーバ装置70は、利用者が出場したことを示す情報を自動改札機30から取得した場合、利用された効力情報が利用されたことを示す情報を駅サーバ10に配信してもよい。そして、駅サーバ10は、自動改札機30等の駅務機器に当該効力情報が無効であることを送信する。これにより出場用の効力情報が再度利用されることを抑制することができる。
【0047】
次に、センタサーバ装置70の情報処理部74が、電話番号を受信し、受信した電話番号に対応する入場用の効力情報を取得し(ステップS116)、取得した入場用の効力情報を含むメッセージを、ステップS112で取得した電話番号を有する端末装置100にSMSを利用して送信する(ステップS118)。これにより、利用者は、入場時にリーダ32に翳す入場用コード画像を表示部に表示させることができる。
【0048】
上述したように、利用者は、出場用コード画像を生成するための情報を、利用者が入場駅を入場した後に取得するため、コピーなどによる不正使用を抑制することができる。また、利用者は、端末装置100に表示されるコード画像を自動改札機30に翳すことにより、入出場を行うことができるため、利用者にとっての利便性が向上する。
【0049】
図10は、端末装置100により実行される処理の流れを示すフローチャートである。まず、端末装置100は、改札処理アプリ112が起動したか否かを判定する(ステップS200)。改札処理アプリ112が起動すると、コード生成部108が、入場用コード画像を生成し、端末処理部106が、生成した入場用コード画像を表示部に表示させる(ステップS202)。利用者が、入場用コード画像を用いて入場駅に入場した後、端末処理部106は、センタサーバ装置70から出場用の効力情報を含むメッセージをSMSで受信したか否かを判定する(ステップS204)。出場用の効力情報を含むメッセージをSMSで受信すると、コード生成部108が、出場用コード画像を生成し、端末処理部106が、生成した出場用コード画像を表示部に表示させる(ステップS206)。これにより、本フローチャートの1ルーチンの処理は終了する。
【0050】
上述した処理により、端末装置100は、利用者によって複雑な操作がされなくても、入場時または出場時に利用するコード画像を表示部に表示させることができる。
【0051】
図11は、入場駅の自動改札機30により実行される処理の流れを示すフローチャートである。まず、自動改札機30は、端末装置100の表示部に表示された入場用コード画像がリーダ32に翳されたか否かを判定する(ステップS300)。入場用コード画像がリーダ32に翳されると、画像処理部58が、入場用コード画像から入場用の効力情報および電話番号を取得する(ステップS302)。次に、改札処理部60が、取得した入場用の効力情報に基づいて、入場を許可するか否かを判定する(ステップS304)。入場を許可しないと判定された場合、制御部62が、扉44、45を閉止状態に制御する(ステップS306)。入場を許可すると判定された場合、制御部62が、扉44、45を開放状態に制御する(ステップS308)。次に、制御部62が、ステップS302で取得した電話番号をセンタサーバ装置70に送信する(ステップS310)。これにより本フローチャートの1ルーチンの処理は終了する。
【0052】
上述したように、自動改札機30は、利用者により翳された入場用コード画像から入場用の効力情報および電話番号を取得して入場判定を行い、出場用の効力情報を端末装置100に送信させるために、電話番号をセンタサーバ装置70に送信する。これにより、利用者にとっての利便性を低下させずに、不正利用を抑制することができる。
【0053】
なお、出場駅の自動改札機30においても、上記の処理と同等の処理が行われるが、この場合、自動改札機30は、入場用の効力情報に代えて、出場用の効力情報を取得し(ステップS302)、取得した出場用の効力情報に基づいて、利用者が駅構内から出場することができるか否かを判定する。
【0054】
図12は、センタサーバ装置70により実行される処理の流れを示すフローチャートである。まず、情報処理部74は、入場駅の自動改札機30から電話番号を取得したか否かを判定する(ステップS400)。電話番号を取得したと判定した場合、情報処理部74は、管理テーブル82を参照して、取得した電話番号に対応付けられた出場駅(利用区間)の情報を取得する(ステップS402)。
【0055】
次に、情報処理部74は、取得した出場駅(利用区間)の情報および出場可能な期間の情報を含むメッセージを、取得した電話番号の端末装置100にSMSを利用して送信する(ステップS404)。これにより、端末装置100は、出場用コード画像を表示部に表示させることができる。
【0056】
次に、情報処理部74は、出場駅の自動改札機30から電話番号を取得したか否かを判定する(ステップS406)。電話番号を取得したと判定した場合、情報処理部74は、管理テーブル82を参照して、取得した電話番号に対応付けられた入場駅(利用区間)の情報を取得する(ステップS408)。
【0057】
次に、情報処理部74は、取得した入場駅(利用区間)の情報および入場可能な期間の情報を含むメッセージを、ステップS406で取得した電話番号の端末装置100にSMSを利用して送信する(ステップS410)。これにより、端末装置100は、入場用コード画像を表示部に表示させることができる。そして、本フローチャートの1ルーチンの処理は終了する。
【0058】
なお、上記の例では、電話番号をコード画像にエンコードするものとして説明したが、これに限られない。例えば、端末装置100の電子メールのアドレスや、所定の識別情報がコード画像にエンコードされてもよい。例えば、電子メールのアドレスがコード画像にエンコードされる場合、電子メールによって効力情報が端末装置100に送信される。
また、所定の識別情報がコード画像にエンコードされる場合、センタサーバ装置70は、予めセンタサーバ側記憶部80に記憶された識別情報に対応付けられた電話番号や電子メールアドレスを用いて、効力情報を端末装置100に送信する。
【0059】
また、利用者が所定の区間について利用することができる乗車券を、改札処理アプリ112を利用して購入した場合、コード画像にエンコードされた効力情報が一度利用されると、その後、利用された効力情報は無効化される。これにより、コード画像が不正利用されることが防止される。
【0060】
また、コード画像にエンコードされた効力情報は、所定の路線内の駅や所定の地域内の駅で入出場することができるものであってもよい。この場合、センタサーバ装置70は、当該効力情報を利用して入場または出場した駅の履歴に基づいて、所定の路線内や所定の地域内から飛び出した、区間外乗車分の運賃を利用者に対応付けて課金してもよい。課金された金額は、決済サーバ装置90で管理され、即日または後日、利用者に請求される。
【0061】
以上説明した第1の実施形態によれば、自動改札機30は、リーダ32により読取られた識別情報から得られる通信アドレスを用いて、端末装置100に、利用者によって出場時に利用される効力情報を送信する処理を実行することにより、不正利用を抑制することができる。
【0062】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、センタサーバ装置70は、端末装置100に入場用の効力情報または出場用の効力情報を送信するものとしたが、第2の実施形態では、所定のアクセス先を示す情報(例えばURL)を送信する。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、第1と第2の実施形態は組み合わされて実施されてもよい。
【0063】
第2の実施形態では、コード画像には、所定の識別情報(ユーザID)および電話番号がエンコードされたコードが含まれる。すなわち第2の実施形態では、入場時と出場時に用いるコード画像は同一である。ユーザIDは、「第2の識別情報」の一例である。
【0064】
図13は、第2の実施形態の改札システム1により実行される処理を示すシーケンス図である。本処理は、利用者が改札処理アプリ112を利用して定期券を購入した後に、定期券を利用する例である。また、本処理では、入場駅の自動改札機30は、入場が許可されるユーザIDをセンタサーバ装置70から取得しているものとする。
【0065】
まず、端末装置100の改札処理アプリ112が所定の操作がされて起動すると、端末装置100は、表示部にコード画像を表示させる(ステップS500)。利用者は、入場駅に入場する際に入場駅の自動改札機30のリーダ32にコード画像を翳す。
【0066】
コード画像がリーダ32に翳されると、自動改札機30のリーダ32が、端末装置100の表示部に表示されたコード画像を読み取り、コード画像にエンコードされたユーザIDと、電話番号とを取得する(ステップS502)。次に、自動改札機30の改札処理部60が、利用者が入場することができるか否かを判定して入場を許可すると、自動改札機30の制御部62が、取得した電話番号をセンタサーバ装置70に送信する(ステップS504)。なお、入場が許可されるユーザIDは、予めセンタサーバ装置70から自動改札機30に配信されている。
【0067】
次に、センタサーバ装置70の情報処理部74が、電話番号を受信し、管理テーブル82を参照して、受信した電話番号に対して出場用の効力情報が対応付けられているか否かを確認し(ステップS506)、出場用の効力情報が対応付けられている場合、取得した電話番号を有する端末装置100に所定のURLを含むメッセージを、SMSを利用して送信する(ステップS508)。所定のURLとは、利用者が、出場駅となり得る自動改札機30にユーザIDを配信することを指示することができる所定のアクセス先を示す情報である。
【0068】
次に、端末装置100の端末処理部106は、センタサーバ装置70から所定のURLを受信すると、自動的に所定のURLを有するウエブサイトにアクセスし、所定の画像を表示部に表示させる(ステップS510)。図14は、所定の画像IMの一例を示す図である。所定の画像IMとは、出場駅となり得る自動改札機30にユーザIDを配信するか否かを、利用者に問い合わせる画像である。例えば、利用者が画像IMに規定された規定領域をタップ操作すると、ユーザIDを自動改札機30に配信することを指示する情報がセンタサーバ装置70に送信される。
【0069】
規定領域が利用者によってタップ操作されると、端末処理部106は、ユーザIDを自動改札機30に配信するようにセンタサーバ装置70に指示する(ステップS512)。次に、センタサーバ装置70は、ユーザIDを自動改札機30に配信することの指示を取得すると、出場駅となり得る自動改札機30(駅サーバ20)にユーザIDを配信する(ステップS514)。出場駅となり得るとは、利用者の定期券の区間内の駅や、利用者の乗車券の区間内の駅である。自動改札機30は、取得したユーザIDを記憶装置に記憶する(ステップS516)。
【0070】
なお、利用者が区間外の駅において精算処理を行うことを可能にするために、利用者の定期券の区間外、または利用者の乗車券の区間外の駅サーバ20にユーザID、利用者が入場した駅の情報、入場時刻、および利用可能な区間の情報が送信されてもよい。この場合、駅サーバ20から利用者が入場した駅の情報、および利用可能な区間の情報を取得した精算機や、駅務機器は、入場時刻から所定時間(例えば2時間)内に限り、利用者の交通機関の利用に関して精算処理を行う。
【0071】
ステップS512の指示後、端末処理部106は、表示部に電話番号およびユーザIDをエンコードしたコード画像を表示させる(ステップS518)。利用者は、出場駅から出場する際に出場駅の自動改札機30のリーダ32にコード画像を翳す。
【0072】
利用者がコード画像を出場駅の自動改札機30のリーダ32に翳すと、自動改札機30のリーダ32が、端末装置100の表示部に表示されたコード画像を読み取り、画像にエンコードされたユーザIDと、電話番号とを取得する(ステップS520)。次に、自動改札機30の改札処理部60が、利用者が出場することができるか否かを判定して出場を許可すると(ユーザIDが配信されていると判定すると)、自動改札機30の制御部62が、取得した電話番号をセンタサーバ装置70に送信する(ステップS522)。
【0073】
次に、センタサーバ装置70の情報処理部74が、電話番号を受信し、管理テーブル82を参照して、受信した電話番号に対して入場用の効力情報が対応付けられているか否かを確認し(ステップS524)、入場用の効力情報が対応付けられている場合、取得した電話番号を有する端末装置100に所定のURLを含むメッセージを、SMSを利用して送信する(ステップS526)。利用者が、ステップS510およびステップS512で説明したようにユーザIDの自動改札機30への配信をセンタサーバ装置70に指示すると、センタサーバ装置70にユーザIDが配信される。そして、利用者は、所定の操作によって入場時にリーダ32に翳すコード画像を表示部に表示させ、表示させたコード画像を入場駅の自動改札機30のリーダ32に読み取らせることにより入場駅に入場することができる。
【0074】
上述したように、センタサーバ装置70は、所定のURLの情報を含むメッセージを、SMSを利用して端末装置100に送信する。そして、端末装置100が、所定のURLにアクセスし、利用者により所定の操作が行われることにより、入場駅または出場駅となり得る駅の自動改札機30にユーザIDが配信されることにより、不正利用を抑制することができる。
【0075】
図15は、端末装置100により実行される処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、入場駅に入場する際、または出場駅を出場する際に実行される処理である。まず、端末装置100は、改札処理アプリ112が起動したか否かを判定する(ステップS600)。改札処理アプリ112が起動すると、コード生成部108が、ユーザIDおよび電話番号をエンコードしたコード画像を生成し、端末処理部106が、生成したコード画像を表示部に表示させる(ステップS602)。利用者が、コード画像を用いて入場駅に入場した後(または出場駅を出場した後)、端末装置100は、センタサーバ装置70から所定のURLを含むメッセージをSMSで受信したか否かを判定する(ステップS604)。所定のURLを含むメッセージをSMSで受信すると、端末装置100の端末処理部106は、自動的にURLにアクセスして、所定の画像を表示部に表示させる(ステップS606)。なお、自動的に代えて、利用者によって所定の操作がされた場合に、URLにアクセスしてもよい。
【0076】
次に、端末処理部106は、表示部に表示された所定の画像において、ユーザIDを自動改札機30に配信することを指示する操作がされたか否かを判定する(ステップS608)。ユーザIDを自動改札機30に配信することを指示する操作がされた場合、端末処理部106は、センタサーバ装置70にユーザIDを配信することを指示する(ステップS610)。これにより、本フローチャートの1ルーチンの処理は終了する。
【0077】
上述した処理により、端末装置100が、所定のURLにアクセスした後に所定の操作を行われると、ユーザIDが入場駅または出場駅となり得る駅の自動改札機30に配信されることにより、不正利用を抑制することができる。
【0078】
なお、上述した第2の実施形態では、端末装置100の表示部にコード画像が表示されるものとして説明したが、これに代えて(または加えて)、紙等の媒体にコード画像が表示されてもよい。この場合、利用者は、媒体に表示されたコード画像を自動改札機30に翳し、端末装置100に対して上述したような操作を行うことで自動改札機30を通過することができる。
【0079】
また、上述した第2の実施形態では、自動改札機30が、コード画像にエンコードされたユーザIDがセンタサーバ装置70により配信されている場合に、入場または出場を許可するものとしたが、これに代えて、上位装置(例えばセンタサーバ装置70)がユーザIDに基づいて、入場または出場を許可することができるか否かを判定してもよい。この場合、自動改札機30は、上位装置にユーザIDを送信し、当該ユーザIDに対応する利用者の入場または出場を許可することができるか否かの判定を上位装置に依頼する。そして、自動改札機30は、上位装置から判定結果に基づいて、利用者の入場または出場を制御する。この場合、上位装置は、ユーザIDや、利用可能な区間、利用可能な期間等を管理する。
【0080】
以上説明した第2の実施形態によれば、自動改札機30は、リーダ32により読取られた識別情報から得られる通信アドレスを用いて、端末装置100に所定のアクセス先を示す情報を送信する処理を実行することにより、不正利用を抑制することができる。
【0081】
また、第2の実施形態では、利用者によって画像IMに規定された規定領域がタップ操作されることにより、出場駅となり得る駅の自動改札機30にユーザIDが配信されるものとして説明したが、これに代えて(または加えて)、センタサーバ装置70は、上記のタップ操作がされると、端末装置100に効力情報を含むメッセージを端末装置100にSMS等を利用して送信してもよい。
【0082】
なお、端末装置100は、例えばBluetooth(登録商標)などの無線通信を用いて自動改札機30と通信して、効力情報または所定のURLを取得してもよい。この場合、コード画像には、自動改札機30とペアリングのための識別情報がエンコードされている。
【0083】
なお、第1または第2の実施形態において、効力情報は、センタサーバ装置70に代えて、端末装置100において保持および管理されてもよい。この場合、入場用の効力情報によって利用者の入場が許可されると、自動改札機30が、取得した電話番号をセンタサーバ装置70に送信する。センタサーバ装置70は、自動改札機30により送信された電話番号を取得すると、取得した電話番号を用いて、端末装置100に、効力情報を表示部に表示することを許可する通知を行う。端末装置100は、例えば、この通知を取得すると、自装置が保持している効力情報がエンコードされたコードを含む出場用コード画像を自動的に表示部に表示させる。
【0084】
また、効力情報が端末装置100において保持および管理され、且つ2つの種類(例えば、定期乗車券および定期外乗車券)の効力情報が保持されている場合、利用者は、所定の操作によって利用する効力情報を選択し、選択した効力情報がエンコードされたコードを含む入場用コード画像を表示部に表示させてもよい。
【0085】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、利用者の端末装置100に表示された画像から端末装置100に対応付けられた識別情報(例えば電話番号)を読み取る読取部(リーダ32、画像処理部58)と、読取部の処理結果に基づいて、利用者の入場を許可することができるか否かを判定する改札処理部60と、改札処理部60により入場が許可された場合、読取部により読取られた識別情報から得られる通信アドレスを用いて、端末装置100に利用者によって出場時に利用される情報を送信する処理を実行する制御部62とを持つことにより、不正利用を抑制することができる。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0087】
1…改札システム、30…自動改札機、31…筐体、32…リーダ、38…通過センサ、40…上面表示部、42…正面表示部、44および45…扉、50…制御部、52…改札機側記憶部、58…画像処理部、60…改札処理部、62…制御部、66…改札機側通信部、70…センタサーバ装置、72…センタサーバ側通信部、74…情報処理部、80…センタサーバ側記憶部、82…管理テーブル、90…決済サーバ装置、92…決済サーバ側通信部、94…決済管理部、96…決済サーバ側記憶部、98…決済情報、100…端末装置、102…タッチパネル部、104…端末側通信部、106…端末処理部、108…コード生成部、110…端末側記憶部、112…改札処理アプリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15