特許第6952574号(P6952574)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6952574
(24)【登録日】2021年9月30日
(45)【発行日】2021年10月20日
(54)【発明の名称】鉄道車両の衝撃緩衝装置
(51)【国際特許分類】
   B61F 19/04 20060101AFI20211011BHJP
   B61D 15/06 20060101ALI20211011BHJP
【FI】
   B61F19/04
   B61D15/06
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-209927(P2017-209927)
(22)【出願日】2017年10月31日
(65)【公開番号】特開2019-81453(P2019-81453A)
(43)【公開日】2019年5月30日
【審査請求日】2020年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000196587
【氏名又は名称】西日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田口 真
(72)【発明者】
【氏名】畑 晋一郎
(72)【発明者】
【氏名】城戸 宏之
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 健伸
【審査官】 立花 啓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−067311(JP,A)
【文献】 特開2007−320442(JP,A)
【文献】 特開2015−174521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61F 19/04
B61D 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先頭車両の前側下部に配置され、前方から衝突する動物に対する衝撃を緩和する衝撃緩衝装置であって、
台枠に支持されるフロントスカートと、
前記フロントスカートを前方から覆うように前記フロントスカートから前方に所定間隔をあけて配置され、前記フロントスカートよりも軽量であり、前記動物の想定体重の0.5〜1.5倍の質量に設定された衝撃板と、
前記衝撃板が前記フロントスカートから前記所定間隔をあけた位置で前記フロントスカートに向けて近接変位可能に前記衝撃板を前記フロントスカートに連結する連結機構と、を備える、鉄道車両の衝撃緩衝装置。
【請求項2】
前記連結機構は、前記衝撃板が前記フロントスカートに向けて移動するように前記衝撃板を前記フロントスカートに連結する連結部材と、前記衝撃板が前記スカートから前記所定間隔をあけた位置に保持されるように前記衝撃板を付勢する弾性部材とを有する、請求項1に記載の鉄道車両の衝撃緩衝装置。
【請求項3】
前記連結機構は、前記衝撃板に後方に向けた荷重が作用したとき、前記連結機構の塑性変形を起こすことなく前記衝撃板を前記フロントスカートに近接させる、請求項1又は2に記載の鉄道車両の衝撃緩衝装置。
【請求項4】
前記連結部材は、回動動作により前記衝撃板を前記フロントスカートに近接させるヒンジを有する、請求項3に記載の鉄道車両の衝撃緩衝装置。
【請求項5】
前記連結機構は、前記フロントスカート及び前記衝撃板よりも軽量である、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の鉄道車両の衝撃緩衝装置
【請求項6】
前記衝撃板の質量は、30〜90kgの値に設定されている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の鉄道車両の衝撃緩衝装置。
【請求項7】
前記衝撃板及び前記フロントスカートは、上方から見た平面視において、車幅方向外方に向かうにつれて後方に向かう傾斜板部を有する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の鉄道車両の衝撃緩衝装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の先頭車両の前側下部に配置され、前方から衝突する動物に対する衝撃を緩和する衝撃緩衝装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、鹿等の動物が鉄道車両に衝突した場合に、その衝撃で車両床下機器が損傷することや、衝突した動物の撤去処理に時間が掛かることで運転再開が遅延することなどを防止するため、先頭車両の前側下部に配置されたフロントスカートにエアバックやスポンジゴム等の緩衝材を取り付けた衝撃緩衝装置が提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5667785号公報
【特許文献2】特許第5832268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、エアバックを設けた衝撃緩衝装置は、インフレータ等の部品を搭載する必要があり高コストになると共に、エアバックが車体の素材との統一感に欠けるために鉄道車両の美観が低下する。また、緩衝材を設けた衝撃緩衝装置は、スポンジゴム等の高分子材料が日光の紫外線を浴びて劣化するために耐久性が低くなると共に、これも緩衝材が車体の素材との統一感に欠けるために鉄道車両の美観が低下する。
【0005】
そこで本発明は、低コストにて耐久性及び美観を向上させながら、鉄道車両の運転再開の遅延を防止するために、衝突する動物に対する衝撃を緩和する衝撃緩衝装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る鉄道車両の衝撃緩衝装置は、先頭車両の前側下部に配置され、前方から衝突する動物に対する衝撃を緩和する衝撃緩衝装置であって、台枠に支持されるフロントスカートと、前記フロントスカートを前方から覆うように前記フロントスカートから前方に所定間隔をあけて配置され、前記フロントスカートよりも軽量の衝撃板と、前記衝撃板が前記フロントスカートから前記所定間隔をあけた位置で前記フロントスカートに向けて近接変位可能に前記衝撃板を前記フロントスカートに連結する連結機構と、を備える。
【0007】
本発明者らの研究によれば、衝突時の動物の重症度の評価指標であるSI値(Severity Index)は、衝突加速度に依存するが、動物と衝突する部材の質量が重い場合に衝突加速度が大きくなることでSI値が大きくなって動物の重症度が上がるとの知見を得た。その点、前記構成によれば、衝撃緩衝装置に動物が前方から衝突する際、先ず動物は軽量の衝撃板に一次衝突し、衝撃板がフロントスカートに近接して二次衝突するまでは動物からの荷重を軽量の衝撃板が受けるので、衝撃の大きい一次衝突においてSI値を減少させて動物の重症度を下げることができる。また、簡素な構成で足りるため、低コスト化を図ることができる。また、衝撃板は車体の素材と同種の材料にすることが可能であるため、耐久性及び美観の低下を防止できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、低コストにて耐久性及び美観を向上させながら、鉄道車両の運転再開の遅延を防止するために、衝突する動物に対する衝撃を緩和する衝撃緩衝装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る鉄道車両の衝撃緩衝装置の斜視図である。
図2図1に示す衝撃緩衝装置の前方から見た正面図である。
図3図1に示す衝撃緩衝装置の上方から見た拡大平面図である。
図4】衝撃板の質量とSI値との関係を示すシミュレーション結果である。
図5】実施例及び比較例における動物に作用する衝撃加速度と時間との関係を示すシミュレーション結果である。
図6】第2実施形態に係る鉄道車両の衝撃緩衝装置の上方から見た拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る鉄道車両1の衝撃緩衝装置10の斜視図である。図2は、図1に示す衝撃緩衝装置10の前方から見た正面図である。図3は、図1に示す衝撃緩衝装置10の上方から見た拡大平面図である。図1乃至3に示すように、衝撃緩衝装置10は、鉄道車両1の走行中に前方から衝突した動物に対する衝撃を緩和するためのもので、鉄道車両1の先頭車両の車体2の台枠3の前側下部に配置されている。台枠3の前側下部の車幅方向中央には連結器4が設けられている(図1では図示省略)。衝撃緩衝装置10は、左右一対のフロントスカート11、左右一対の衝撃板12、及び連結機構13を備える。
【0012】
一対のフロントスカート11は、正面視で連結機構13の左右両側に配置され、互いに対称な形状を有する一対の板状体である。なお、左右一対のフロントスカート11は、連結器4の下方で互いに接続されていてもよい。フロントスカート11は、台枠3の下方空間を前方から覆っている。フロントスカート11は、金属製である。一対のフロントスカート11の各々は、ブラケット(図示せず)を介して台枠3により支持されている。即ち、フロントスカート11は、台枠3に対して剛に接続されている。
【0013】
フロントスカート11は、法線が前方に向くように配置された前板部11aと、前板部11aの車幅方向外端に連続し、車幅方向外方に向かうにつれて後方に向かう傾斜板部11bと、傾斜板部11bの車幅方向外端に連続し、後方に向けて延びる側板部11cとを有する。本実施形態では、前板部11aも、車幅方向外方に向かうにつれて後方に向かうように若干傾斜し、傾斜板部11bは、その前板部11aよりも大きく傾斜している。一例として、フロントスカート11は、上面視において台枠3の前端縁3aに沿う形状を有し先頭車同士が連結した状態で、急曲線やS字カーブを通過する際に車両間の連結器4や車両間のジャンパ連結器との干渉を防ぐために台枠3の前端縁3aよりも後方に位置する。
【0014】
一対の衝撃板12は、正面視で連結機構13の左右両側に配置され、互いに対称な形状を有する一対の板状体である。なお、左右一対の衝撃板12は、連結器4の下方で互いに接続されていてもよい。衝撃板12は、正面視で一対のフロントスカート11を前方から夫々覆うようにフロントスカート11から前方に所定間隔L(例えば、5〜15cm)をあけて配置されている。衝撃板12は、金属製である。衝撃板12は、フロントスカート11よりも軽量である。
【0015】
衝撃板12は、フロントスカート11のうち正面視で衝撃板12と重なる部分に対し、上方から見た平面視において略相似な形状を有する。衝撃板12は、法線が前方に向くように配置された前板部12aと、前板部12aの車幅方向外端に連続し、車幅方向外方に向かうにつれて後方に向かう傾斜板部12bとを有する。即ち、衝撃板12は、上方から見た平面視において、フロントスカート11の前板部11a及び傾斜板部11bと略相似な形状を有する。
【0016】
連結機構13は、少なくとも1つの連結部材21と、少なくとも1つの弾性部材22とを備える。本実施形態では、連結部材21が2つであり、弾性部材22が1つである。衝撃板12は、連結機構13によりフロントスカート11に弾性的に接続されている。衝撃板12は、台枠3には固定されておらず、連結機構13を介してフロントスカート11に支持されている。連結機構13は、フロントスカート11及び衝撃板12よりも軽量である。このように、連結機構13は、軽量であり衝撃板12をフロントスカート11に剛結しないので、フロントスカート11と衝撃板12との間の力学的な独立性が保たれる。
【0017】
連結部材21は、衝撃板12がフロントスカート11に向けて平行移動して近接変位可能なように衝撃板12をフロントスカート11に連結する。一例として、連結部材21は、フロントスカート11の前面に固定される第1取付部21aと、衝撃板12の後面に固定される第2取付部21bと、第1取付部21aと第2取付部21bとの間に設けられる連結板部21cと、第1取付部21aと連結板部21cとを鉛直線周りに回動可能に接続する第1ヒンジ部21dと、第2取付部21bと連結板部21cとを鉛直線周りに回動可能に接続する第2ヒンジ部21eとを有する。
【0018】
連結板部21cは、衝撃板12がフロントスカート11から前方に所定間隔Lをあけた通常位置に配置された状態で、レール方向(前後方向)に対して所定角θだけ傾斜している。本実施形態では、連結部材21は、フロントスカート11の前板部11aと衝撃板12の前板部12aとの間に介設されているが、フロントスカート11の傾斜板部11bと衝撃板12の傾斜板部12bとの間に介設されてもよい。
【0019】
弾性部材22は、フロントスカート11と衝撃板12との間に挟まれており、衝撃板12がフロントスカート11から所定間隔Lをあけた通常位置に保持されるように衝撃板12を付勢する。弾性部材22は、例えば、コイルバネや板バネ等のバネであるが、弾性復元力を有するものであれば他のものでもよい。例えば、弾性部材22は、ゴム緩衝器でもよいし弾性機能を有する油圧ダンパでもよい。本実施形態では、弾性部材22は、フロントスカート11の傾斜板部11bと衝撃板12の傾斜板部12bとの間に介設されているが、フロントスカート11の前板部11aと衝撃板12の前板部12aとの間に介設されてもよい。
【0020】
鉄道車両1の走行中に線路に侵入した動物Aが衝撃緩衝装置10に衝突する際には、動物Aは先ず衝撃板12に一次衝突する。そして、一次衝突により衝撃板12に作用した後方荷重により、連結部材21がヒンジ21d,21eにおいて回動し、連結部材21が塑性変形を起こすことなくフロントスカート11に向けた衝撃板12の円滑な後方移動を許容する。そして、衝撃板12がフロントスカート11に二次衝突し、動物Aの衝突荷重が受け止められる。
【0021】
そのとき、フロントスカート11及び衝撃板12は、傾斜板部11b及び傾斜板部12bを有するため、衝突した動物Aを前方に向けて跳ね返さずに車幅方向外方に逃がすことができ、動物Aの傷害を減らすことができる。また、連結部材21が塑性変形することなく衝撃板12がフロントスカート11に向けて後方変位するので、一次衝突において動物Aに対して連結部材21及びフロントスカート11からの反力が作用することが防がれる。
【0022】
数式1に示すSI値(Severity Index)は、衝突時の動物の重症度の評価指標であり、この値が小さいと衝突した動物に与える衝撃が小さいことを意味する。なお、数式1において、aは加速度、tは時間を意味する。
【0023】
【数1】
SI値は、衝突加速度に依存するが、動物Aと衝突する部材の質量差が小さい場合にもSI値が小さくなって動物Aの重症度を軽減できるとの知見に基づき、衝撃緩衝装置10では、衝撃板12の質量をフロントスカート11の質量よりも軽量にしている。
【0024】
それゆえ、衝撃緩衝装置10に動物Aが前方から衝突する際、先ず動物Aは軽量の衝撃板12に一次衝突し、衝撃板12がフロントスカート11に近接して二次衝突するまでは動物Aからの荷重を軽量の衝撃板12が受けるので、衝撃の大きい一次衝突においてSI値を減少させて動物Aの重症度を下げることができ、鉄道車両1の運転再開の遅延を防止できる。
【0025】
また、衝撃緩衝装置10は、エアバック等のように複雑な構成が不要であるため、低コスト化を図ることができる。さらに、衝撃板12は車体2の素材と同種の材料である金属からなるため、耐久性及び美観の低下を防止できる。
【0026】
また、動物Aが衝撃板12に一次衝突してから連結部材21の動作により衝撃板12が後方に向けて平行移動してフロントスカート11に二次衝突した後は、衝撃板12への荷重が無くなると弾性部材22により衝撃板12が元の通常位置に復帰するので、車両の運転再開のための作業を削減できる。また、フロントスカート11が損傷していない場合には衝撃緩衝装置10を再利用し得るため、衝撃緩衝装置10のランニングコストを低減できる。
【0027】
図4は、衝撃板12の質量とSI値との関係を示すシミュレーション結果である。このコンピュータシミュレーションでは、有限要素法を用い、台枠3、フロントスカート11及び衝撃板12をメッシュ化した有限要素モデルを解析モデルとし、衝撃板12の質量を変化させて衝突時のSI値を夫々求めた。衝撃板12に衝突させる動物相当の障害物モデルの質量は60kgとした。解析モデルにおいて衝撃板12は、動物との衝突で曲がらないように、剛体としてモデル化した。図4の結果によれば、衝撃板12の質量は、衝突する障害物の質量と同一に設定したときが最もSI値が低くなることが分かった。よって、衝撃緩衝装置10では、衝突した動物の重症度を効果的に低減するために、衝撃板12の質量は、動物Aの想定体重(例えば、60kg)の0.5〜1.5倍の質量、好ましくは1.0倍の質量に設定されている。
【0028】
図5は、実施例1,2及び比較例における動物に作用する衝撃加速度と時間との関係を示すシミュレーション結果である。このコンピュータシミュレーションでは、有限要素法を用い、台枠3、フロントスカート11及び衝撃緩衝装置10をメッシュ化した有限要素モデルを解析モデルとし、実施例1,2及び比較例の3つにおいて動物相当の障害物に作用する衝撃加速度の時系列データを求めた。実施例1は、前述した実施形態の衝撃緩衝装置10の構成である。実施例2は、前述した実施形態の衝撃緩衝装置10において傾斜板部11b及び傾斜板部12bのような傾斜面を設けないようにした構成である。比較例は、衝撃板12及び連結機構13を設けずにフロントスカート11のみとした構成である。図5に示すように、実施例1及び2では、比較例に比べ、衝撃の大きい一次衝突においてSI値の因子である衝撃加速度が減少していることが分かる。特に、実施例1は、実施例2よりも一次衝突及び二次衝突の両方における衝撃加速度が減少していることが分かる。
【0029】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係る鉄道車両101の衝撃緩衝装置110の上方から見た拡大平面図である。図6に示すように、衝撃緩衝装置110は、フロントスカート111、衝撃板112、及び連結機構113を備える。フロントスカート111は、台枠3の前端部3aよりも後方に退避した位置に配置されて台枠3に支持されている。フロントスカート111は、台枠3の前端縁3aに比べ、全体的に車幅方向外方に向かうにつれて後方に向かうように傾斜している。
【0030】
衝撃板112は、フロントスカート111を前方から夫々覆うようにフロントスカート111から前方に間隔をあけて配置されている。衝撃板112は、金属製であり、フロントスカート111よりも軽量である。衝撃板112は、フロントスカート111のうち正面視で衝撃板112と重なる部分に対し、上方から見た平面視において略相似な形状を有する。即ち、衝撃板112は、全体的に車幅方向外方に向かうにつれて後方に向かうように傾斜している。衝撃板112も、台枠3の前端縁3aよりも後方に配置されている。
【0031】
連結機構113は、衝撃板112をフロントスカート111に弾性的に接続する。連結機構113は、一対の連結部材21と、1つの弾性部材22とを備える。弾性部材22は、一対の連結部材21の間に配置されている。衝撃板112は、台枠3には固定されておらず、連結機構113を介してフロントスカート111に支持されている。連結部材21及び弾性部材22の構成は、第1実施形態と同じである。このような構成によれば、連結器4の連結スペースを確保しつつ、衝撃板12に衝突した動物を円滑に車幅方向外方に逃がすことができ、動物Aの傷害を減らすことができる。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【符号の説明】
【0032】
1,101 鉄道車両
2 車体
10,110 衝撃緩衝装置
11,111 フロントスカート
11b 傾斜板部
12,112 衝撃板
12b 傾斜板部
13,113 連結機構
21 連結部材
21d 第1ヒンジ部
21e 第2ヒンジ部
22 弾性部材
A 動物
図1
図2
図3
図4
図5
図6