特許第6952651号(P6952651)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6952651
(24)【登録日】2021年9月30日
(45)【発行日】2021年10月20日
(54)【発明の名称】幼児用三輪車
(51)【国際特許分類】
   B62K 9/02 20060101AFI20211011BHJP
   B62J 25/00 20200101ALI20211011BHJP
   B62M 3/08 20060101ALI20211011BHJP
【FI】
   B62K9/02
   B62J25/00
   B62M3/08 C
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-110817(P2018-110817)
(22)【出願日】2018年6月11日
(65)【公開番号】特開2019-214221(P2019-214221A)
(43)【公開日】2019年12月19日
【審査請求日】2020年3月27日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年1月31日〜平成30年2月4日までニュルンベルク エキシビション センター(ドイツ)で開催された2018Nuremberg International Toy Fair(2018ニュルンベルク国際玩具見本市)にて発表
(73)【特許権者】
【識別番号】500434875
【氏名又は名称】怡合国際企業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100068663
【弁理士】
【氏名又は名称】松波 祥文
(72)【発明者】
【氏名】施 明和
【審査官】 中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−088076(JP,A)
【文献】 特開平10−119860(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3116514(JP,U)
【文献】 特開2010−260458(JP,A)
【文献】 特開2018−108807(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 9/00 − 9/02
B62K 15/00 − 17/00
B62J 25/00
B62M 3/00
B62M 3/08
B62H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪にペダルを備えたハンドルフレームと左右の後輪をサドルを取着した車体フレームに取り付け、該車体フレームの前方位置に車体前部フレームの一端を嵌め込み、中間位置に車体後部フレームの先端を嵌め込んで連結し、該車体前部フレームと前方位置で枢設し、該車体後部フレームと後方位置で枢設する車体中間フレームの前方、後方の枢設位置で折り畳み可能とするとともに、該車体後部フレームに、自力でペダルをこぐことができない幼少時に使用する足載せステップ機構を付設した幼児用三輪車において、
該足載せステップ機構は、該車体後部フレームの後部位置で枢設する基盤フレームと、該基盤フレームの先端位置で枢設する足載せステップ基盤とから構成され、該基盤フレームは、前記後部位置に設けた2ヶ所の溝にロック片を嵌め込んで使用時と不使用時の2ヶ所で固定するストッパーを設け、該足載せステップ基盤は、前方にペダルのクランク軸を嵌合するための嵌合孔とペダルのクランク軸の先端を挿入するための挿入孔を設け、後方に足載せステップ基盤を使用時と不使用時に対応する位置で固定する固定片を設け、幼少時においては、前記足載せステップ基盤を使用時に対応する位置に固定し、前輪の車軸から取り外したクランク軸のついたペダルを足載せステップの基盤に固着し、足載せステップとして流用することを特徴とする幼児用三輪車。
【請求項2】
幼児が自力でペダルをこぐことができるようになったら、前記足載せステップ基盤を不使用時に対応する位置に固定し、足載せステップの基盤から取り外したペダルを前輪の車軸に固定することを特徴とする請求項1記載の幼児用三輪車。
【請求項3】
前記ペダルは、クランク軸と固定リングを備え、クランク軸の先端は、揺動片を両側に備え、揺動片の所定位置に突片と先端に操作部を設け、前記ペダルを前輪の車軸又は足載せステップの基盤の挿入孔に取り付ける際に、突片によって車軸又は足載せステップの基盤の挿入孔に固定し、揺動片の後方から固定リングを差込んで抜けを防止したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の幼児用三輪車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、幼児用三輪車の改良に関し、三輪車を折り畳んで収納、保管スペースを大幅に改善するとともに、部品を共用化して省資源化を図った幼児用三輪車に関する。
【背景技術】
【0002】
集合住宅や高層住宅等の多くの家庭では、幼児用三輪車を住宅の玄関に入れて保管したり、或いは、玄関先に保管したりしている。また、幼児が戸外や公園等で三輪車遊びをする度ごとに、それをエレベータや階段を利用して屋外へ持ち出したり、使用後には、再び、玄関先や玄関、或いは、ベランダ等に設置、保管したりしている。また、三輪車を自動車のトランク等に積み込んで行楽に出かけるような場合もある。
【0003】
そのような場合、幼児用三輪車といえどもそれなりの収納、保管スペースを必要とすることから、限られた広さしかない住宅の玄関や玄関先等を手狭なものとし、玄関を出入りする際の障害ともなる。また、三輪車を自動車のトランク等に各種の荷物と一緒に収納して行楽に出かけるような場合、やはりその嵩張りが障害となる場合が屡々である。その上、三輪車を持ち運ぶ際、特に、階段を登り降りして持ち運ぶような場合、それを年少者が運ぶには、両手に抱えて持ち上げており、安定した形態で運び難いものとなっている。
【0004】
本出願人は、過去に、三輪車を折り畳んで、その設置、保管スペース等を大幅に省スペース化し、その折り畳み操作や使用状態への形態変化を簡単に行えるようにすると共に、使用時には、確実にロックして安全な使用を可能とする、等の独自な機構を備えた折り畳み三輪車を出願して特許権を取得した(特許第3631669号)。
【0005】
一方で、従来の幼児用三輪車にあっては、後部に装備した操作杆を押して三輪車を走行させているが、走行時に前輪と一体になったペダルのクランク軸が回転し、ペダルに載せた幼児の足も一緒に回転するので、怪我につながる虞があり、安全面で改善する余地が残されている。また、自力でペダルをこぐことができない幼少時には、車体フレームの下方に、足載せステップをペダルとは別個に設けた幼児用三輪車が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−247072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された幼児用三輪車は、幼児の成長に伴って不要となる連動機構や操作杆を取外すことはできるものの、自力でペダルをこぐことができない幼少時に不要となるペダルがあるため、怪我につながる虞がある。また、同時に使用することはないペダルと足載せステップを備えることは経済上好ましくない等の不具合があった。本発明は、折り畳み三輪車であって、上記の不具合を解決するものであり、自力でペダルをこぐことができない幼少時にペダルを取り外し、足載せステップとして流用することにより部品の共用化を図り、経済効果を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、請求項1の幼児用三輪車は、次のように構成した。すなわち、前輪にペダルを備えたハンドルフレームと左右の後輪をサドルを取着した車体フレームに取り付け、該車体フレームの前方位置に車体前部フレームの一端を嵌め込み、中間位置に車体後部フレームの先端を嵌め込んで連結し、該車体前部フレームと前方位置で枢設し、該車体後部フレームと後方位置で枢設する車体中間フレームの前方、後方の枢設位置で折り畳み可能とするとともに、該車体後部フレームに、自力でペダルをこぐことができない幼少時に使用する足載せステップ機構を付設した幼児用三輪車において、
該足載せステップ機構は、該車体後部フレームの後部位置で枢設する基盤フレームと、該基盤フレームの先端位置で枢設する足載せステップ基盤とから構成され、該基盤フレームは、前記後部位置に設けた2ヶ所の溝にロック片を嵌め込んで使用時と不使用時の2ヶ所で固定するストッパーを設け、該足載せステップ基盤は、前方にペダルのクランク軸を嵌合するための嵌合孔とペダルのクランク軸の先端を挿入するための挿入孔を設け、後方に足載せステップ基盤を使用時と不使用時に対応する位置で固定する固定片を設け、幼少時においては、前記足載せステップ基盤を使用時に対応する位置に固定し、前輪の車軸から取り外したクランク軸のついたペダルを足載せステップの基盤に固着し、足載せステップとして流用することを特徴としている。
【0011】
また、請求項2の幼児用三輪車は、請求項1記載の幼児用三輪車であって、幼児が自力でペダルをこぐことができるようになったら、前記足載せステップ基盤を不使用時に対応する位置に固定し、足載せステップの基盤から取り外したペダルを前輪の車軸に固定することを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項3の幼児用三輪車は、請求項1または請求項2に記載の幼児用三輪車であって、前記ペダルは、クランク軸と固定リングを備え、クランク軸の先端は、揺動片を両側に備え、揺動片の所定位置に突片と先端に操作部を設け、前記ペダルを前輪の車軸又は足載せステップの基盤の挿入孔に取り付ける際に、突片によって車軸又は足載せステップの基盤の挿入孔に固定し、揺動片の後方から固定リングを差込んで抜けを防止したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の幼児用三輪車は、車体フレームの前方位置に車体前部フレームを、中間位置に車体後部フレームを連結し、該車体前部フレームと該車体後部フレームとを車体中間フレームで連結し、その前方と後方の枢設位置で折り畳み可能とするとともに、該車体後部フレームに、足載せステップ機構を付設した幼児用三輪車において、該足載せステップ機構は、該車体後部フレームの後部位置で枢設する基盤フレームと、該基盤フレームの先端位置で枢設する足載せステップ基盤とから構成され、該基盤フレームは、前記後部位置に設けた2ヶ所の溝にロック片を嵌め込んで使用時と不使用時の2ヶ所で固定するストッパーを設け、該足載せステップ基盤は、前方にペダルのクランク軸を嵌合するための嵌合孔とペダルのクランク軸の先端を挿入するための挿入孔を設け、後方に足載せステップ基盤を使用時と不使用時に対応する位置で固定する固定片を設け、幼少時においては、前記足載せステップ基盤を使用時に対応する位置に固定し、前輪の車軸から取り外したクランク軸のついたペダルを足載せステップの基盤に固着し、足載せステップとして流用するようにしたので、部品の共用化が図られ、経済効果を高めることができる。
【0018】
また、請求項3の幼児用三輪車によれば、ペダルは、クランク軸と固定リングを備え、クランク軸の先端は、揺動片を両側に備え、揺動片の所定位置に突片と先端に操作部を設け、ペダルを前輪の車軸又は足載せステップ基盤の挿入孔に取り付ける際に、突片によって車軸又は足載せステップ基盤の挿入孔に固定し、揺動片の後方から固定リングを差込んでストッパーとするので、ペダルが容易に抜けないようにして安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る幼児用三輪車の全体斜視図である。
図2】ペダルの斜視図である。
図3】ペダルを前輪に固定した斜視図である。
図4】足載せステップ機構を示した斜視図である。
図5】足載せステップ機構の使用時(a)と不使用時(b)の要部斜視図である。
図6】ペダルを足載せステップ基盤に固定した斜視図である。
図7】ペダルを抜いた後に挿入する孔隠しの斜視図である。
図8】幼児用三輪車の折り畳み機構部分の要部分解図である。
図9】幼児用三輪車の折り畳み時における足載せステップの動作説明図である。
図10】(a)は自力でペダルをこぐことができない幼少時において幼児用三輪車の後部に操作杆を装備した斜視図、(b)は操作杆の先端の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0021】
以下、本発明に係る幼児用三輪車の実施形態を図面に基づいて順次説明する。先ず、幼児用三輪車の全体構成を説明する。図1において、Hは幼児用三輪車のハンドルフレームであって、中間付近の上下2ヶ所で支持された左右一対のハンドルマストM1、M2の下端部に前輪R1を嵌め込み、当該ハンドルマストM1、M2の上方部を左右外側方向へ折り曲げ、その両端部にハンドルグリップG1、G2を嵌着固定している。
【0022】
ハンドルマストM1、M2はハンドルパイプPの上下2ヶ所に枢動された中間金具により左右の間隔が固定維持される。D1、D2は前輪R1の車軸Q1、Q2に取り付けたペダル、J1、J2はクランク軸、U1、U2は固定リングである。Sは車体フレーム10に取着された硬質合成樹脂製のサドル、Tは背凭れであって、サドルSの後部に立脚した2本の柱により保持される。Nは幼児用三輪車の後部に取付けた小物入れ、R2、R3は後輪、61はサドルSの後方に設けられ折り畳み動作を開始する操作片である。図10において、Wは日除け、Zは自力でペダルをこぐことができない幼少時において幼児用三輪車を操作する操作杆である。Iは自力でペダルをこぐことができない幼少時に、サドルSに座った幼児が転落するのを防ぐガード部材であり、前記ガード部材Iは背凭れTの側面に取付けた回動部材I1、I2に固定され、図の上方へ回動可能となっている。
【0023】
ペダルD1、D2は、図2に示すように、クランク軸J1、J2と固定リングU1、U2を備え、クランク軸J1、J2の先端は揺動片Y1、Y2を両側に備え、揺動片Y1、Y2の所定位置には突片Y3、Y4が設けられ、揺動片Y1、Y2の先端には操作部が設けられる。ペダルD1、D2を前輪R1に固定するには、図3に示すように、クランク軸J1、J2の先端を揺動片Y1、Y2の突片Y3、Y4が車軸Q1、Q2に固定されるまで挿入し、揺動片Y1、Y2の後方から固定リングU1、U2を差込んで容易に抜けないようにする。
【0024】
足載せステップ機構Eは、図4に示すように、車体後部フレーム50の後部位置55で枢設する基盤フレームFと基盤フレームFの先端位置で枢設する足載せステップ基盤Aとで構成される。基盤フレームFには前後に摺動し一方にロック片Lを有するストッパーXが挿入され、車体後部フレーム50の後部位置55には前記ロック片Lが嵌め込まれる2ヶ所の溝56、57を設ける。足載せステップ基盤Aの前方には、ペダルD1、D2のクランク軸J1、J2を嵌合する嵌合孔B1、B2とクランク軸J1、J2の先端を挿入する挿入孔C1、C2が設けられ、後方には、足載せステップ基盤Aを使用時と不使用時に対応する位置で固定する固定片K(図5参照)が設けられる。
【0025】
図5(a)は、足載せステップ機構Eの使用時における形態を示した図であり、基盤フレームFのストッパーXのロック片Lを車体後部フレーム50の後部位置55に設けた2ヶ所の溝56、57の内、使用時に対応する溝56に嵌め込んで使用時に対応する位置に固定し、足載せステップ基盤Aを後方に設けた固定片Kにより使用時に対応する位置に固定する。
【0026】
図5(b)は、足載せステップ機構Eの不使用時における形態を示した図であり、基盤フレームFのストッパーXのロック片Lを車体後部フレーム50の後部位置55に設けた2ヶ所の溝56、57の内、不使用時に対応する溝57に嵌め込んで不使用時に対応する位置に固定し、足載せステップ基盤Aを後方に設けた固定片Kにより不使用時に対応する位置に固定する。
【0027】
図6は、足載せステップ機構Eの使用時にペダルD1、D2を足載せステップ基盤Aに固定して足載せステップとした形態を示した図であり、足載せステップ基盤Aの前方に設けた嵌合孔B1、B2にペダルD1、D2のクランク軸J1、J2を嵌め込み、挿入孔C1、C2にクランク軸J1、J2の先端に備わった揺動片Y1、Y2を挿入し、所定位置に設けられた突片Y3、Y4によって挿入孔C1、C2に固定し、更に揺動片Y1、Y2の後方から固定リングU1、U2を差込んでストッパーとする。
【0028】
次に、自力でペダルをこぐことができない幼少時における幼児用三輪車の動作について説明する。その場合においては、前輪R1にペダルD1、D2があっても使用しないので、前輪R1からペダルD1、D2を取外す。即ち、クランク軸J1、J2の揺動片Y1、Y2に嵌め込んだ固定リングU1、U2を移動させ、揺動片Y1、Y2の先端に設けた操作部を摘んで突片Y3、Y4を解除したうえで車軸Q1、Q2から引き抜きペダルD1、D2を取外す。
【0029】
自力でペダルをこぐことができない幼少時においては、足載せステップ機構Eを使用するので、車体後部フレーム50の後部位置55に設けた2ヶ所の溝56、57の内、使用時に対応する溝56に基盤フレームFのストッパーXのロック片Lを嵌め込んで使用時に対応する位置に固定し、足載せステップ基盤Aを後方に設けた固定片Kにより使用時に対応する位置に固定する。その状態で前輪R1から取外したペダルD1、D2を足載せステップ基盤Aに固着する。即ち、足載せステップ基盤Aの前方に設けた嵌合孔B1、B2にペダルD1、D2のクランク軸J1、J2を嵌め込み、挿入孔C1、C2にクランク軸J1、J2の先端に備わった揺動片Y1、Y2を挿入し、所定位置に設けられた突片Y3、Y4によって挿入孔C1、C2に固定し、更に揺動片Y1、Y2の後方から固定リングU1、U2を差込んでストッパーとする。
【0030】
自力でペダルをこぐことができるようになったら、足載せステップ機構Eは使う必要がなくなるので、足載せステップ基盤AからペダルD1、D2を取外す。即ち、クランク軸J1、J2の揺動片Y1、Y2に嵌め込んだ固定リングU1、U2を移動させ、揺動片Y1、Y2の先端に設けた操作部を摘んで突片Y3、Y4を解除したうえで挿入孔C1、C2から引き抜き、同時に、嵌合孔B1、B2からクランク軸J1、J2を引き抜き、足載せステップ基盤AからペダルD1、D2を取外す。
【0031】
車体後部フレーム50の後部位置55に設けた2ヶ所の溝56、57の内、使用時に対応する溝56から基盤フレームFのストッパーXのロック片Lを抜き、不使用時に対応する溝57に嵌め込んで基盤フレームFを不使用時に対応する位置に固定し、足載せステップ基盤Aの後方に設けた固定片Kにより、足載せステップ基盤Aを不使用時に対応する位置に固定する。その状態で、足載せステップ基盤Aから取外したペダルD1、D2を前輪R1の車軸Q1、Q2に固定する。即ち、クランク軸J1、J2の先端を前輪R1の車軸Q1、Q2に挿入し、揺動片Y1、Y2の所定位置に設けられた突片Y3、Y4により車軸に固定されたら揺動片Y1、Y2の後方から固定リングU1、U2を差込んで容易に抜けないように固定する。
【0032】
図7は、ペダルD1、D2を前輪R1の車軸Q1、Q2から抜いた後に、軸孔に挿入する孔隠しVを示す。前記孔隠しVには、揺動片V1、V2を備え、揺動片V1、V2の所定位置に設けられた突片V3、V4によって容易に抜けないように固定する。孔隠しVは足載せステップ基盤AからペダルD1、D2を抜いた後に挿入孔C1、C2に挿入する孔隠しとしても使用する。
【0033】
本発明の幼児用三輪車は、玄関先等で保管する場合に、保管スペース等を大幅に省スペース化するため、足載せステップ機構Eの使用、不使用に係らず折り畳むことが可能となった。図8は折り畳み機構部分の要部を示した分解図であり、10は両端を直角に折り曲げたコの字状の車体フレームであり、表側にサドルSを取着し、裏側は直角に折り曲げられた内側の前方位置11に車体前部フレーム30の一端31を嵌め込み、中間位置12に車体後部フレーム50の先端51を嵌め込み、ボルト・ナットにより折り畳み自在に連結支持している。車体前部フレーム30はハンドルパイプPの中間付近から後ろ下がりの状態に突出形成され、先端に車体中間フレーム40の前方41を挿入するステー32を有する。車体後部フレーム50は幼児用折り畳み三輪車の後端部の左右両側位置に配置した後輪R2、R3を回転自在に軸支し略コの字状に折り曲げた補強パイプ60の中間から前方に突出形成され、先端51に係止孔52とU字状の連結孔53と車体中間フレーム40の後方42を挿入するステー54を有する。車体中間フレーム40は車体前部フレーム30と車体後部フレーム50を連結するもので、前方41を車体前部フレーム30のステー32に挿入し、後方42を車体後部フレーム50のステー54に挿入して枢動自在に連結する。
【0034】
足載せステップ機構Eの使用時に幼児用三輪車を折り畳む場合、足載せステップ機構Eを使用時における位置から不使用時における位置に変更する。即ち、図9に示すように、基盤フレームFのストッパーXのロック片Lを車体後部フレーム50の後部位置55に設けた2ヶ所の溝56、57の内、不使用時に対応する溝57に嵌め込んで不使用時に対応する位置に固定し、足載せステップ基盤Aを後方に設けた固定片Kにより不使用時に対応する位置に固定する。この状態から幼児用三輪車を折り畳むには、サドルSの後方に設けられた操作片61の下方を上に引き上げ、サドルSの後方を持ち上げると、車体前部フレーム30と車体中間フレーム40の前方の枢設位置と車体後部フレーム50と車体中間フレーム40の後方の枢設位置で折り畳まれる。足載せステップ機構Eは不使用時における位置に固定されているので、折り畳み動作に支障はない。
【0035】
足載せステップ機構Eの不使用時に幼児用三輪車を折り畳む場合、既に足載せステップ機構Eは不使用時における位置に変更されているので、折り畳み動作に支障はない。
【0036】
幼児用三輪車の後部には操作杆Zの挿入部62が設けられ、図10(a)に示すように、操作杆Zの先端を挿入することにより、図示しない連動機構を介して、自力でペダルをこぐことができない幼少時において幼児用三輪車を操作可能とする。操作杆Zの先端は、図10(b)に示すように、揺動片Z1、Z2を備え、揺動片Z1、Z2の所定位置に設けられた突片Z3、Z4によって容易に抜けないように固定する。これにより操作杆Zは幼児用三輪車に対しワンタッチで装着することが可能となる。なお、操作杆Zの不使用時、挿入部62は蓋体62aによって閉鎖されている(図1参照)。
【0037】
以上説明したように、本発明によれば、前輪にペダルを備えたハンドルフレームと左右の後輪とを、サドルを取着した車体フレームによりフレーム構成してなる幼児用三輪車において、車体フレームを、ハンドルフレームの中間付近から後ろ下がりの状態で突設した車体前部フレームと、左右の後輪を回転自在に軸支し略コの字状に折り曲げた補強パイプの中間から前方に突出した車体後部フレームと、車体前部フレームと前方位置で枢設し、車体後部フレームと後方位置で枢設する車体中間フレームとにより形成し、車体中間フレームの前方、後方の枢設位置で折り畳むと共に、車体後部フレームに、ペダルを足載せステップとするための足載せステップ機構を付設したので、幼少時に使用しないペダルを足載せステップとして流用できるので、ペダルの共用化を図り、経済効果を高めることが出来る。
【符号の説明】
【0038】
H ハンドルフレーム
M1、M2 ハンドルマスト
G1、G2 ハンドルグリップ
P ハンドルパイプ
R1 前輪
Q1、Q2 車軸
D1、D2 ペダル
J1、J2 クランク軸
Y1、Y2 揺動片
Y3、Y4 突片
U1、U2 固定リング
R2、R3 後輪
V 孔隠し
V1、V2 揺動片
V3、V4 突片
E 足載せステップ機構
F 基盤フレーム
L ロック片
X ストッパー
A 足載せステップ基盤
B1、B2 嵌合孔
C1、C2 挿入孔
K 固定片
S サドル
T 背凭れ
W 日除け
Z 操作杆
Z1、Z2 揺動片
Z3、Z4 突片
I ガード部材
I1、I2 回動部材
N 小物入れ
10 車体フレーム
11 前方位置
12 中間位置
13 楕円孔
30 車体前部フレーム
31 一端
32 ステー
40 車体中間フレーム
41 前方
42 後方
50 車体後部フレーム
51 先端
52 係止孔
53 U字状の連結孔
54 ステー
60 補強パイプ
61 操作片
62 挿入部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10