特許第6952807号(P6952807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6952807硫黄含有化合物を捕捉するための小型接触システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6952807
(24)【登録日】2021年9月30日
(45)【発行日】2021年10月20日
(54)【発明の名称】硫黄含有化合物を捕捉するための小型接触システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/18 20060101AFI20211011BHJP
   B01D 53/14 20060101ALI20211011BHJP
   C10L 3/10 20060101ALI20211011BHJP
   C01B 17/16 20060101ALI20211011BHJP
【FI】
   B01D53/18
   B01D53/14 210
   B01D53/14 220
   C10L3/10
   C01B17/16 Z
【請求項の数】14
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2019-570901(P2019-570901)
(86)(22)【出願日】2018年4月11日
(65)【公表番号】特表2020-524077(P2020-524077A)
(43)【公表日】2020年8月13日
(86)【国際出願番号】US2018027137
(87)【国際公開番号】WO2018236456
(87)【国際公開日】20181227
【審査請求日】2019年12月20日
(31)【優先権主張番号】62/522,432
(32)【優先日】2017年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517002476
【氏名又は名称】エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ラムクマール シュウェタ
(72)【発明者】
【氏名】シャットー ドナルド ピー
(72)【発明者】
【氏名】ノースロップ ピー スコット
(72)【発明者】
【氏名】フィルブルック ショーン ティー
【審査官】 壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0335002(US,A1)
【文献】 特表2013−509300(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102643695(CN,A)
【文献】 特開2009−067990(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0149224(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/14−18
C10L 3/00−3/12
C01B 15/00−23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2S、メルカプタン、及び/又は他の硫黄含有化合物を天然ガスストリームから除去するための硫化水素(H2S)捕捉システムであって、
腐食剤を含む液体捕捉剤ストリームと、
パイプ内にインラインで位置付けられ、前記天然ガスストリーム及び前記液体捕捉剤ストリームを受け入れる並流接触システムと、
を備え、
前記並流接触システムは、
液滴発生器及び物質移動セクションを含む並流接触器であって、前記液滴発生器が、前記液体捕捉剤ストリームから液滴を発生させて該液滴を前記天然ガスストリーム内に分散させるように構成され、前記物質移動セクションが、液相及び蒸気相を有する混合二相流を提供するように構成され、前記液相が前記天然ガスストリームから吸収されたH2S、メルカプタン、及び/又は他の硫黄含有化合物を有する前記液体捕捉剤ストリームを含み、前記蒸気相が前記天然ガスストリームを含む、並流接触器と、
前記蒸気相を前記液相から分離するように構成された分離システムと、
を含み、
前記分離システムに存在する前記液相は、前記並流接触システムにより受け入れられた前記液体捕捉剤ストリームを含み、
前記硫化水素(H2S)捕捉システムは、
前記並流接触システムによって受け入れられる前に前記液体捕捉剤ストリームの一部を除去するための使用済み捕捉剤ラインと、
前記並流接触システムによって受け入れられる前に前記液体捕捉剤ストリーム内に新鮮な捕捉剤液を注入するための新鮮な捕捉剤ラインと、
前記使用済み捕捉剤ラインに接続された捕捉剤再生器を更に備え、
該捕捉剤再生器が、前記液体捕捉剤ストリームの前記除去された部分からH2S、メルカプタン、メルカプチド、二硫化物、及び/又は他の硫黄含有化合物を除去して、再生捕捉剤を生成するように構成され、前記再生捕捉剤を前記新鮮な捕捉剤ラインを通って前記液体捕捉剤ストリームに戻すように更に構成されている、
ことを特徴とするH2S捕捉システム。
【請求項2】
液体捕捉剤を貯蔵する貯蔵タンクを更に備える、請求項1に記載のH2S捕捉システム。
【請求項3】
前記貯蔵タンクは第1の貯蔵タンクであり、前記液相が前記並流接触システムから出た後に前記液相を貯蔵する第2の貯蔵タンクを更に備える、請求項2に記載のH2S捕捉システム。
【請求項4】
前記貯蔵タンクは、前記液滴発生器に接続された出口と前記分離システムの液体出口に接続された入口とを有する第1の貯蔵タンクであり、前記液滴発生器に接続された出口と前記分離システムの前記液体出口に接続された入口とを有する第2の貯蔵タンクを更に備える、請求項2に記載のH2S捕捉システム。
【請求項5】
前記第1の貯蔵タンクの前記出口は、第1の隔離弁を通って前記液滴発生器に接続され、前記第2の貯蔵タンクの前記出口は、第2の隔離弁を通って前記液滴発生器に接続され、前記第1の貯蔵タンクの前記入口は、第3の隔離弁を通って前記分離システムの前記液体出口に接続され、前記第2の貯蔵タンクの前記入口は、第4の隔離弁を通って前記分離システムの前記液体出口に接続される、請求項4に記載のH2S捕捉システム。
【請求項6】
前記液滴発生器は、
前記パイプ内にインラインで前記液滴発生器を固定する環状支持リングと、
前記環状支持リングから延びる複数のスポークであって、該複数のスポークは、前記液体捕捉剤ストリームが前記複数のスポークを通って該複数のスポークの上に配置された注入オリフィスから外に流れることができるように構成された複数の液体チャネルを有する、複数のスポークと、
前記複数のスポークによって支持されるガス入口コーンであって、該ガス入口コーンは、
前記天然ガスストリームの第1の部分が、前記ガス入口コーンの中空セクションを通り、前記複数のスポークに含まれるガス出口スロットを通って流れることができ、
前記天然ガスストリームの前記第1の部分とは別個の前記天然ガスストリームの第2の部分が、前記ガス入口コーンの周り及び前記複数のスポークの間を流れることができる、
ように構成されたガス入口コーンと、
を含み、前記ガス入口コーンの下流部分は、鈍端コーン及び先細端コーンのうちの1つを含む、請求項1に記載のH2S捕捉システム。
【請求項7】
前記並流接触システムの前記分離システムが、サイクロン分離器を含む、請求項1に記載のH2S捕捉システム。
【請求項8】
前記並流接触システムは、直列に接続され、最後の並流接触システムを含む複数の並流接触システムのうちの1つであり、
前記複数の並流接触システムの各々は、
液滴発生器及び物質移動セクションを含む並流接触器であって、前記液滴発生器が、前記液体捕捉剤の液滴を発生させて前の並流接触システムから受け入れたガスストリーム内に前記液滴を分散させるように構成され、前記物質移動セクションが、蒸気相及び液相を有する混合二相流を提供するように構成された、並流接触器と、
前記蒸気相を前記液相から分離するように構成された分離システムであって、前記蒸気相が処理済ガスストリームを含み、前記液相が、前の並流接触システムの並流接触器において液滴が発生した液体を含む、分離システムと、
を含む、請求項1〜の何れかに記載のH2S捕捉システム。
【請求項9】
2S、メルカプタン、及び/又は他の硫黄含有化合物を天然ガスストリームから除去する方法であって、
パイプ内にインラインで位置付けられて液滴発生器及び物質移動セクションを含む並流接触システムにおいて前記天然ガスストリーム及び液体捕捉剤ストリームを受け入れる段階を含み、前記液体捕捉剤ストリームは腐食剤を含み、
前記方法は、さらに、
前記液滴発生器を用いて、前記液体捕捉剤ストリームから液滴を発生させて該液滴を前記天然ガスストリーム内に分散させる段階と、
前記物質移動セクションを用いて、蒸気と液相とを有する混合二相流を提供する段階と、を含み、
前記液相は、前記天然ガスストリームから吸収されたH2S、メルカプタン、及び/又は他の硫黄含有化合物を有する前記液体捕捉剤ストリームを含み、前記蒸気相は、天然ガスストリームを含み、
前記方法は、さらに、
分離システムにおいて前記蒸気相を前記液相から分離する段階を含み、
前記分離システムに存在する前記液相は、前記並流接触システムにより受け入れられた前記液体捕捉剤ストリームを含み、
前記方法は、
前記並流接触システムによって受け入れられる前に、前記液体捕捉剤ストリームの一部を除去する段階と、
前記並流接触システムによって受け入れられる前に、前記液体捕捉剤ストリーム内に新鮮な捕捉剤液を注入する段階と、
捕捉剤再生器において、前記液体捕捉剤ストリームの前記除去された部分からH2S、メルカプタン、メルカプチド、二硫化物、及び/又は他の硫黄含有化合物を除去し、これにより再生捕捉剤を生成する段階と、
前記再生捕捉剤を前記液体捕捉剤ストリームに戻す段階と、を更に含む、
方法。
【請求項10】
前記液体捕捉剤ストリームを第1の貯蔵タンクに貯蔵する段階と、
前記液相が前記並流接触システムから出た後に前記液相を第2の貯蔵タンクに貯蔵する段階と、
を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記液体捕捉剤ストリームを第1の貯蔵タンクに貯蔵する段階と、
前記第1の貯蔵タンクの出口を前記液滴発生器に接続する段階と、
前記第1の貯蔵タンクの入口を前記分離システムの液体出口に接続する段階と、
第2の貯蔵タンクの出口を前記液滴発生器に接続する段階と、
前記第2の貯蔵タンクの入口を前記分離システムの前記液体出口に接続する段階と、
を更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の貯蔵タンクの前記出口は、第1の隔離弁を通って前記液滴発生器に接続され、前記第2の貯蔵タンクの前記出口は、第2の隔離弁を通って前記液滴発生器に接続され、前記第1の貯蔵タンクの前記入口は、第3の隔離弁を通って前記分離システムの前記液体出口に接続され、前記第2の貯蔵タンクの前記入口は、第4の隔離弁を通って前記分離システムの前記液体出口に接続される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記液滴発生器は、
前記パイプ内にインラインで前記液滴発生器を固定する環状支持リングと、
前記環状支持リングから延びる複数のスポークであって、該複数のスポークは、前記液体捕捉剤ストリームが前記複数のスポークを通って該複数のスポークの上に配置された注入オリフィスから外に流れることを可能にする複数の液体チャネルを有する、複数のスポークと、
前記複数のスポークによって支持されるガス入口コーンであって、
前記天然ガスストリームの第1の部分が、前記ガス入口コーンの中空セクションを通り、前記複数のスポークに含まれるガス出口スロットを通って流れることを可能にし、
前記天然ガスストリームの前記第1の部分とは別個の前記天然ガスストリームの第2の部分が、前記ガス入口コーンの周り及び前記複数のスポークの間を流れることを可能にする、
ガス入口コーンと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記並流接触システムは、直列に接続され、最後の並流接触システムを含む複数の並流接触システムのうちの1つであり、
前記複数の並流接触システムの各々は、
液滴発生器及び物質移動セクションを含む並流接触器であって、前記液滴発生器が、前記液体捕捉剤の液滴を発生させて前の並流接触システムから受け入れたガスストリーム内に前記液滴を分散させ、前記物質移動セクションが、蒸気相及び液相を有する混合二相流を提供する、並流接触システムと、
前記蒸気相を前記液相から分離する分離システムであって、前記蒸気相が処理済ガスストリームを含み、前記液相が、前の並流接触システムの並流接触器において液滴が発生する液体を含む、分離システムと、
を含む、請求項9〜13の何れかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、「硫黄含有化合物を捕捉するための小型接触システム及び方法」という名称の2017年6月20日出願の米国特許出願第62/522,432号の優先権の利益を主張し、本出願の全体は引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の技術は、ガス処理のための方法及びシステムを提供する。より具体的には、本発明の技術は、小型並流接触システムを用いるガスストリームから硫化水素及び/又はメルカプタンを含む硫黄含有化合物を除去又は捕捉する方法及びシステムを提供する。
【背景技術】
【0003】
本セクションは、本発明の技術の例示的な実施例に関連付けることができる当技術分野の種々な態様を導入することを意図している。この説明は、本発明の技術の特定の態様のより良好な理解を容易にするフレームワークを提供するのを支援すると考えられる。従って、本セクションは、必ずしも従来技術の受容としてではなく、この観点から読むべきであると理解すべきである。
【0004】
硫化水素(H2S)捕捉は、天然ガスストリームなどのガスストリームからH2Sを除去するためのプロセスである。再生不能な固体又は液体吸着剤によるH2S捕捉は、典型的には、ガスストリームから低レベルのH2Sの除去のためには経済的である。一部の商用硫化水素捕捉剤(スカベンジャー)は、トリアジン、腐食剤、アルカリ、亜硝酸塩、ホルムアルデヒド、エタンジオール、硫化アミン、その他を含む。トリアジンは、H2S及び低分子量メルカプタン除去のために石油及びガス業界で広範に用いられる液体ベースの捕捉剤のうちの1つであるが、腐食剤はより少ない範囲で用いられる。バッチ接触塔又は連続接触システムを用いて、パイプラインへの直接注入を含む、トリアジン捕捉剤の適用に用いる幾つかのプロセスがある。パイプラインへのトリアジンの直接注入は、少なくとも資本投資を必要とするが、トリアジンとガスとの間の無効な接触のために、より高いトリアジン注入率を必要とする。加えて、トリアジンの直接パイプライン注入は、パイプラインの内壁上にスケールを形成し、スケールを除去する絶え間ない要求は、稼働コスト及び休止時間を更に増大させる。バッチ接触塔では、ガスストリームは、固体媒体において下方に及びトリアジン捕捉剤において気泡の形態で上方に流れる。これは、直接注入よりも良好であり、関連する資本コストはリーズナブルであるが、バッチ接触塔は、頻繁に変更する必要があり、これにより休止時間が増大する。リードラグ配列における2つの塔の使用は、休止時間を短縮したが、資本コストが2倍になる。これらの塔の使用はまた、施設で貯蔵すべき化学物質の大きな投資を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第62/522,432号
【特許文献2】米国特許出願公開第US2016/0199774号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(多くの場合浸水システムと呼ばれる)連続接触システムは、これらが可撓性であるとして用いられる現在最もよく見られるプロセスであり、典型的なリードラグバッチ接触塔プロセスよりも資本コストが低く、連続的及び自動的に作動するように設計されている。連続接触システムはまた、他のプロセスと比較して、使用する溶剤の量が少ない。図1は、天然ガスストリーム102又は他のガスストリームからH2Sを分離するのにトリアジンを用いる公知の連続接触システム100を概略的に示している。新鮮なトリアジン供給タンク106からの新鮮なトリアジンストリーム104は、並行の第1及び第2のポンプ108、110を用いて圧送され、注入点111において天然ガスストリーム102の中に噴霧又は注入される。複合ガス/トリアジンストリームは、接触器112に送られ、該接触器は、トリアジンが反応するのに十分な接触時間を提供するように設計され、ガスストリーム中のH2Sと反応してこれで濃縮される。天然ガスストリーム102及び(使用済みトリアジンとしても公知の)濃縮トリアジン中にガスを含む混合ストリーム114は、次に分離器116に送られ、ここで使用済みトリアジンストリーム117は、分離器の底部から出て使用済みトリアジンタンク118に貯蔵される。分離されたガスストリーム120は、分離器116の上部から出る。分析器122は、分離ガスストリーム120をサンプリングして第1及び第2のポンプ108、110を制御し、所望の量の新鮮なトリアジンを天然ガスストリーム102に提供する。トリアジンの動作に起因して、分離ガスストリーム120は、ガスストリーム102よりも実質的に低いH2S含有量を有する。システム100は、他の公知の捕捉技術よりも小さなトリアジンを必要とするが、接触器112及び分離器116は、大型で重量のある容器である。遠隔陸上用途、陸上及び浮遊用途の上側施設、並びに海中処理など、高さ及び/又は重量を抑えた特性を必要とするか又はこれから恩恵を受ける状況におけるこのような容器の使用は、システム100の使用を禁止する場合がある。必要なことは、公知の捕捉技術に関連する資本コスト及び消費を節減するガスストリームからH2Sを除去するための方法及び装置である。また必要なことは、高さ及び/又は重量を抑えた特性を必要とする又はこれから恩恵を受ける状況において用いることができるガスストリームからH2Sを除去するための方法及び装置である。
【0007】
典型的にはトリアジンを用いるH2S捕捉に関連する運転上の問題は、水溶液中に固体を形成する傾向があるジチアジンの形成を含む。ジチアジンは、温度の変化によりジチアジンで過飽和になる溶液から固体を形成する。これらの固体は、より低い捕捉効率及びプラッギングにつながる機器の壁又はパイプの上に堆積する可能性がある。ジチアジンの形成を阻止するための一般的な方法は、トリアジンの能力の最大ではないにせよほとんどを用いること、及び(バッチ操作のために)トリアジン溶剤を切り替える、又はH2Sの漏出が始まるとき(連続システムのための)構成を増やすことである。必要なことは、ガスと溶剤の接触時間を制限する接触システム設計であり、これにより固体層を減少させる。
【0008】
腐食剤はまた、再生不能なH2S捕捉剤であるが、O2と不可逆的に反応する場合がある。従って、ガスと腐食剤との間の接触時間を短縮することは、かなりのCO2を含有する用途において重要になる。亜硝酸塩、ポリオール、及び他の化学物質はまた、H2S捕捉剤として用いられている。
【0009】
トリアジン又は腐食剤で有利に除去することができる他の汚染物質は、メルカプタンである。メルカプタンは、一部の原料ガスにおいて1,000又は2,000ppmのレベルに発生する場合があるが、これらは、アミンによって大部分はピックアップされない。物理溶剤又は混成溶剤(化学及び物理溶剤の混合物)は、メルカプタンを原料ガスから除去するのに用いられる場合がある。しかしながら、これらの溶剤は、かなりの量の重質炭化水素を共吸収する傾向があり、ガスの著しいBTU損失をもたらす。これに代えて、大孔径のモルシーブに続いてアミンを用いて、これらの有機硫黄化合物を除去することができるが、この複合プロセスは操作が複雑である。他方では、腐食剤は、程度の差こそあれトリアジンと同様にメルカプタンと直接反応する。必要なことは、腐食剤又は他の硫黄捕捉剤を用いてガスストリームからメルカプタンを除去する方法である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
開示された態様は、H2S、メルカプタン、及び/又は他の硫黄含有化合物を天然ガスストリームから除去するための硫化水素(H2S)捕捉システムを含む。並流接触システムは、パイプ内にインラインで位置付けられ、天然ガスストリーム及び液体捕捉剤ストリームを受け入れる。並流接触システムは、液滴発生器及び物質移動セクションを含む並流接触器を含む。液滴発生器は、液体捕捉剤ストリームから液滴を発生させて液滴を天然ガスストリーム内に分散させる。物質移動セクションは、蒸気相及び液相を有する混合二相流を提供する。液相は、天然ガスストリームから吸収されたH2S、メルカプタン、及び/又は他の硫黄含有化合物を有する液体捕捉剤ストリームを含み、蒸気相は天然ガスストリームを含む。分離システムは蒸気相を液相から分離する。
【0011】
開示された態様はまた、H2S、メルカプタン、及び/又は他の硫黄含有化合物を天然ガスストリームから除去する方法を含む。天然ガスストリーム及び液体捕捉剤ストリームは、パイプ内のインラインで位置付けられた並流接触システムで受け入れられる。並流接触システムは、液滴発生器及び物質移動セクションを含む。液滴発生器を用いて、液滴は、液体捕捉剤ストリームから発生して天然ガスストリーム内に分散される。物質移動セクションを用いて、蒸気相及び液相を有する混合二相流が提供される。液相は、天然ガスストリームから吸収されたH2S、メルカプタン、及び/又は他の硫黄含有化合物を有する液体捕捉剤ストリームを含む。蒸気相は天然ガスストリームを含む。蒸気相は液相から分離される。
【0012】
本発明の技術の利点は、以下の詳細な説明及び添付図面を参照することによってより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】公知のH2S捕捉システムの概略図である。
図2】開示された態様による並流接触システムを用いるH2S捕捉システムの概略図である。
図3】開示された態様による並流接触システムの詳細概略図である。
図4A】開示された態様による液滴発生器の正面図である。
図4B図4Aの液滴発生器の側面斜視図である。
図4C】開示された態様による図4Aの液滴発生器の断面側面斜視図である。
図4D】他の開示された態様による液滴発生器の別の断面側面斜視図である。
図5】開示された態様による複数の並流接触システムを用いるH2S捕捉システムの概略図である。
図6】他の開示された態様による複数の並流接触システムを用いるH2S捕捉システムの概略図である。
図7】開示された態様によるH2S捕捉システムの概略図である。
図8】依然として他の開示された態様によるH2S捕捉システムの概略図である。
図9】依然として他の開示された態様によるH2S捕捉システムの概略図である。
図10】更に他の開示された態様によるH2S捕捉システムの概略図である。
図11】依然として他の開示された態様によるH2S捕捉システムの側正面図である。
図12】開示された態様によるガスストリームからH2Sを捕捉する方法のプロセス流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な説明セクションにおいて、本発明の技術の非限定的な実施例が説明されている。しかしながら、以下の説明が本発明の技術の特定の実施例又は特定の用途に特有である限り、これは、例示的な目的のために過ぎず、単に例示的な実施例の説明を提供することが意図される。それに応じて、技術は、以下で説明する具体的な実施例に限定されることなく、むしろ、添付の請求項の真の精神及び範囲に含まれる全ての代替形態、修正、及び均等物を含む。
【0015】
最初に、参照しやすいように、本出願で用いる特定の用語及びこれに関連して用いるときのこれらの意味を列挙する。更に、本発明の技術は、同じ又は類似の目的を果たす全ての均等物、同義語、新しい展開、及び用語又は技術が本特許請求の範囲内にあると考えられるので、以下に示す用語の使用法によって制限されない。
【0016】
「酸性ガス」は、水に溶解するとき酸性溶液を生成するあらゆるガスを指す。酸性ガスの非限定的な実施例は、硫化水素(H2S)、二酸化炭素(CO2)、二酸化硫黄(SO2)、二硫化炭素(CS2)、硫化カルボニル(COS)、メルカプタン(RSH)、又はこれらの混合物を含む。
【0017】
「他の硫黄含有化合物」は、二硫化炭素(CS2)、硫化カルボニル(COS)、メルカプタン(RSH)、又はこれらの混合物を含む。
【0018】
本明細書で用いられる場合、「腐食剤」は水酸化ナトリウム(NaOH)を意味する。
【0019】
「並流接触器」は、ガスストリーム及び別個の溶剤ストリームをガスストリーム及び溶剤ストリームがほぼ同じ方向に流れながら互いに接触するように受け入れる容器を指す。
【0020】
用語「並流」又は「並流して」は、プロセスストリームが同じ方向に流れる幾つかのサブセクションに分けることができる単位作動内のプロセスストリームの内部配列を指す。
【0021】
本明細書で用いられる場合、用語「施設」は、石油及びガス田収集システム、処理プラットホームシステム、及びウェルプラットホームシステムを包含する一般用語として用いられる。
【0022】
用語「ガス(気体)」は「蒸気」と同義的に用いられ、液体又は固体状態と区別してガス状態の物質又は物質の混合物と定義される。同様に、用語「液体」は、ガス又は固体状態と区別して液体状態の物質又は物質の混合物を意味する。
【0023】
「炭化水素」は、水素及び炭素元素を主として含む有機化合物であるが、窒素、硫黄、酸素、金属、又はあらゆる数の他の元素が少量存在し得る。本明細書で用いる場合、炭化水素は、一般的に、天然ガス、石油、又は化学処理施設において見出される成分を指す。
【0024】
流体処理機器に関して用語「直列」は、実質的に一定の下流方向に流れを維持しながら流体分離を受けた流体ストリームが機器の1つの品目から次の品目に移動するように、2又は3以上のデバイスが流線に沿って配置されることを意味する。同様に、用語「インライン」は、流体混合及び分離デバイスの2又は3以上の構成要素が、順次接続されるか、又はより好ましくは単一管状デバイスに一体化されることを意味する。同様に、用語「並列」は、ストリームが、デバイスの各々を通って流れるストリームの一部分と共に2又は3以上のデバイス間で分けられることを意味する。
【0025】
用語「ストリーム」は、発生源などの第1の点からストリームを処理するデバイスなどの第2の点まで流れている物質を示す。ストリームは、あらゆる相又は物質を含むことができるが、一般的にはガス又は液体である。ストリームは、ライン又はパイプで搬送されてここで用いることができ、ライン又はパイプへの参照はまた、ラインが運んでいるストリームを指し、逆も同様である。
【0026】
「メルカプタン」は、ヒドロカルビル基Rが水素原子のうちの1つに置き換わるH2Sの置換形態である。これらの一般式はRSHである。メルカプタンの特性は、実質的に炭化水素鎖の長さにより決まる。水溶液中のメルカプタンは酸と同様に作用するが、H2Sよりもかなり弱い。従って、炭化水素鎖の長さを延ばすことによって、メルカプタンは、物理又は化学溶剤がH2S及び又はCO2を取り出すことが好ましいので、炭化水素ガスストリームからのこれらの除去を特に困難にする炭化水素のように挙動する。
【0027】
「天然ガス」は、原油田から又は地下ガス担持層から得られる多成分ガスを指す。天然ガスの組成及び圧力はかなり変化する可能性がある。典型的な天然ガスストリームは、主成分としてメタン(CH4)を含有し、すなわち、天然ガスストリームの50モル%よりも多くがメタンである。天然ガスストリームはまた、エタン(H26)、重質炭化水素(例えば、C3−C20炭化水素)、1又は2以上の酸性ガス、又はこれらの何れかの組み合わせを含有することができる。天然ガスはまた、水、窒素、硫化鉄、ワックス、原油、又はこれらの何れかの組み合わせなどの少量の汚染物質を含有する可能性がある。天然ガスストリームは、毒物として作用する場合がある化合物を除去するように実質的に精製することができる。
【0028】
「捕捉」は、再生不能な物質による汚染物質の除去を指す。
【0029】
「H2S捕捉剤」は、H2S及び/又は他の硫黄含有化合物を除去するのに用いる液体又は固体の再生不能な吸着剤である。H2S捕捉剤の非限定的な実施例は、ポリアミン(トリアジンなど)、腐食剤、アルカリ、亜硝酸塩、ホルムアルデヒド、エタンジオール、硫化アミン、その他を含む。「H2S捕捉システム」は、H2S捕捉剤を用いてH2S及び/又は他の硫黄含有化合物を除去する。
【0030】
物質の数量又は量或いはその具体的な特性を参照して用いるときの「実質的」は、物質又は特性を提供することが意図された効果を提供するのに十分な量を指す。許容可能な正確な偏位度は、場合によっては特定の状況により決まる場合がある。
【0031】
本発明の技術は、連続接触プロセス又はシステムにおいて1又は2以上の並流接触システムを用いて天然ガスストリームなどのガスストリームからH2S及び関連するメルカプタンの捕捉を提供する。本明細書で開示される並流接触システムは、インラインデバイス、又は並行のインラインデバイスのバンドルから主として構成されたステージを含み、何れの場合も、デバイス及び/又はバンドルは、従来の接触器又は分離器よりも小さな直径を有する。
【0032】
図1のシステム100などの公知の連続接触システムは、天然ガスストリームにおいて下降流液体の同伴を回避するのに比較的低速を必要とする。更に、相対的に長い距離は、天然ガスストリーム102からのH2Sの遊離に有用である。ガスストリームの流量に応じて、接触器112は、直径4メートル以上として30メートル以上高くすることができる。高圧用途に対して、接触器容器は厚い金属壁を有する。その結果、接触器112は大きくて非常に重くなる可能性があり、同じような理由で、分離器116は同様の寸法にすることができる。大きくて重い接触器及び分離器を有することは、海洋ガス処理用途に対しては一般的に望ましくなく、他の用途に対して実現不可能な場合がある。
【0033】
開示された態様は、並流フロースキームで配列された1又は2以上の並流接触システムを用い、捕捉吸着剤をガスストリームと接触させて濃縮吸着剤をガスストリームから分離する。具体的には、開示された態様は、トリアジンベースの捕捉剤を有する1又は2以上の非並流接触システムを用いて、H2S及び関連するメルカプタンを天然ガスから除去する。1つの態様では、1又は2以上の並流接触システムは、パイプ内で直列に接続することができる。天然ガスストリームとすることができるガスストリーム及び吸着剤は、各並流接触システム内で共に、すなわち並流して移動することができる。一般に、並流接触器は、公知の接触器及び分離器で用いる流体速度よりもはるかに高い流体速度で作動することができ、並流接触システムは、パッキン又はトレイを含むことができる公知の捕捉接触器よりも小さくなる傾向がある。更に並流接触システムは、同等の処理能力の従来の圧力容器よりも小さく、従って、モジュール設計/構成、海洋配備、海中用途、北極用途、遠隔用途、ボトルネック解消用途、及び視覚公害が要因となり得る用途により適している。多くの場合、直列に2〜3並流接触システムを用いて、H2Sを天然ガスストリームから効果的に捕捉することができる。
【0034】
図2は、開示された態様による並流接触システム300を用いるH2S捕捉システム200の概略図である。システム200は、液体捕捉剤又はトリアジンなどのH2S捕捉剤を用いて、天然ガスストリーム202又は他のガスストリームからH2Sを分離する。本明細書で説明して図に示した態様における、具体的な液体捕捉剤の言及は非限定的である。本明細書で説明した態様及び図においてあらゆる好適なH2S捕捉剤を使用することは、開示の範囲内である。新鮮なトリアジン供給タンク206からの新鮮なトリアジンストリーム204は、並流接触システム300に関連する液滴発生器308を用いて天然ガスストリーム202の中に注入するように、並行の第1及び第2のポンプ208、210を用いて圧送される。並流接触システム300は、本明細書で更に説明するように、トリアジンが天然ガスストリーム中のH2Sの一部又は全てと反応して吸収するのに十分な接触時間を与える。ここで吸収したH2Sを有するトリアジンは、使用済みトリアジンタンク218に送られた使用済みトリアジンストリーム217として並流接触システム300から出る。使用済みトリアジンは、公知の原理により貯蔵され又はそうでなければ処分することができる。ここでそれから除去されたH2Sを有する天然ガスストリームは、処理済ガスストリーム220として並流接触システム300から出る。
【0035】
図3は、更に詳細に並流接触システム300を示す。並流接触システム300は、天然ガスストリーム202などのガスストリーム内の成分の分離を提供することができる。並流接触システム300は、パイプ304内にインラインで位置決めされた並流接触器302を含むことができる。並流接触器302は、天然ガスストリーム202から硫化水素(H2S)の分離のために天然ガスストリーム202などの流動ガスストリームと、新鮮なトリアジンストリーム204などの液滴ストリームの効率的接触を可能にする複数の構成要素を含むことができる。
【0036】
並流接触器302は、液滴発生器308及び物質移動セクション310を含むことができる。図3に示すように、天然ガスストリーム202は、パイプ304を通って液滴発生器308の中に流入することができる。新鮮なトリアジンストリーム204はまた、例えば、液滴発生器308において流路316に連結された中空空間314を通って液滴発生器308の中に流入することができる。
【0037】
流路316から、新鮮なトリアジンストリーム204は、注入オリフィス318を通って微細液滴として天然ガスストリーム202の中に放出され、次いで、物質移動セクション310の中に流入される。これは、物質移動セクション310内に処理ガスストリーム320の発生をもたらすことができる。処理ガスストリーム320は、気相に分散する小さな液滴を含むことができる。H2S捕捉プロセスに対して、液滴は、新鮮なトリアジンストリーム204の中に吸収されて溶解された天然ガスストリーム202からのH2S分子を含むことができる。
【0038】
処理ガスストリーム320は、物質移動セクション310からサイクロン分離器323及びコレクタ324を含む分離システム322に流れることができる。これに代えて、分離システムは、メッシュスクリーン又は沈降容器を含むことができる。好ましくは、インラインサイクロン分離器を用いて、小型化及び小径の利益を実現することができる。サイクロン分離器323は、液滴を気相から除去する。前述のように、新鮮なトリアジンストリーム204の中に吸収され又は溶解されたH2Sを含むことができる液体トリアジン液滴は、使用済みトリアジンストリーム217として収集された液体を使用済みトリアジンタンク218(図2)に向けるコレクタ324に差し向けられる。ガスパージライン332は、コレクタ324から延びることができ、コレクタに存在するガスを分離システム322の中に再注入するように作動する。1つの態様では、このガスは、分離システム322の内側にあるノズル333又はエダクターを用いて再注入される。H2Sに富んだトリアジンが分離されている処理済ガスストリーム220は、パイプ304とインライン配向で分離システム322から出る。重量パーセントで測定されたときの処理済ガスストリーム220中のH2Sの量は、天然ガスストリーム202中のH2Sの量より少量である。
【0039】
図4Aは、開示された態様による液滴発生器308の正面図である。液滴発生器308は、並流接触器内、例えば、図3の並流接触システム300に関して説明した並流接触器302において実施することができる接触デバイスである。液滴発生器308の正面図は、液滴発生器の上流図を表す。
【0040】
液滴発生器308は、外側環状支持リング環状支持リング、外側環状支持リング402から延びる複数のスポーク404、及びガス入口コーン406を含むことができる。管状支持リング402は、パイプ内にインラインで液滴発生器308を固定することができる。加えて、スポーク404は、支持体をガス入口コーン406も提供することができる。
【0041】
環状支持リング402は、フランジ接続として或いはパイプの内側の取り外し可能又は固定スリーブとして設計することができる。加えて、環状支持リング402は、図4C及び4Dに関して更に説明する液体給送システム及び中空チャネルを含むことができる。新鮮なトリアジンストリーム204などの液体ストリームは、環状支持リング402において中空チャネルを介して液滴発生器308に給送することができる。中空チャネルは、液滴発生器308の周辺に沿って液体ストリームの均等分布を可能にすることができる。
【0042】
環状支持リング402内の小さな液体チャネルは、流路を新鮮なトリアジンストリームに提供して、スポーク404内の液体注入オリフィス408を通って流れることができる。液体注入オリフィス408は、各スポーク404の前縁の上又は近くに位置付けることができる。スポーク404の上の液体注入オリフィス404の配置は、スポーク404の間に向けられたガスストリームにトリアジンストリームを均一に分配することを可能にすることができる。具体的には、新鮮なトリアジンストリームは、スポーク404の間の隙間を通って流れる天然ガスストリーム202の一部によって接触することができ、小液滴に剪断して気相に同伴することができる。
【0043】
天然ガスストリームの一部分は、スポークの間を物質移動セクションに流れるが、ガスストリームの残りの部分は、ガス入口412を通ってガス入口コーン306の中に流入する。ガス入口コーン406は、パイプの断面部分を遮断することができる。スポーク404は、天然ガスストリームをガス入口コーン406から外へ流出することを可能にするガス出口スロット410を含む。これは、それがパイプを通って流れると天然ガスストリームの速度を上げることができる。ガス入口コーン406は、所定量の天然ガスストリームをスポーク404の上のガス出口スロット410に向けることができる。
【0044】
スポーク404を通って注入された新鮮なトリアジンストリームの幾分かは、液膜としてスポーク404の表面の上に堆積する場合がある。天然ガスストリームがガス入口コーン406を通って流れて、スポーク404の上のガス出口スロット410から外へ向けられると、天然ガスストリームは、液膜の大半をスポーク404の表面から掃引し又は吹き飛ばすことができる。これは、気相の中への新鮮なトリアジンストリームの分散を高めることができる。更に、天然ガスストリームの流れの障害及びガス出口スロットを通る天然ガスストリームガスの出口によって作り出される剪断効果は、乱流放散率の増加を有するゾーンを提供することができる。これは、新鮮なトリアジンストリームと天然ガスストリームとの間の物質移動率を高めるより小さな液滴の発生をもたらすことができる。
【0045】
液滴発生器308の種々の構成要素の寸法は、天然ガスストリームが高速で流れるように変えることができる。これは、環状支持リング402の直径の急激な縮小又は環状支持リング402の直径の漸次的な縮小の何れかにより達成することができる。液滴発生器308の外壁は、僅かに収束する形状とすることができ、天然ガスストリーム及び新鮮なトリアジンストリームが下流パイプの中に吐出される点で終端する。これは、液滴発生器308から除去されたあらゆるトリアジン膜の剪断及び再同伴を可能にすることができる。更に、半径方向内向きリング、溝状面、又は他の好適な機器は、天然ガスストリーム及び新鮮なトリアジンストリームが下流パイプの中に吐出される点の近くの液滴発生器308の外径上に含めることができる。これは、気相内の液体同伴の程度を高めることができる。
【0046】
液滴発生器308の下流端は、パイプ(図示せず)のセクションの中に吐出することができる。パイプのセクションは、パイプの直線部又はパイプの同心膨張部とすることができる。ガス入口コーン406は、鈍端コーン又は先細端コーンで終端することができる。他の態様では、ガス入口コーン406は、液滴発生のために複数の場所を提供するコーンに沿って複数の同心隆起部を含むことができる隆起コーンで終端することができる。加えて、何れかの数のガス出口スロット410は、液滴発生器308からトリアジン膜の除去を可能にするようにコーン自体の上に設けることができる。
【0047】
図4Bは、液滴発生器308の側面斜視図である。同様の番号が付けられた品目は、図4Aに関して説明した通りである。図4Bに示すように、ガス入口コーン406の上流部分は、上流方向に環状支持リング402及びスポーク404よりもパイプの中に更に延びることができる。ガス入口コーン406の下流部分はまた、下流方向に環状支持リング402及びスポーク404よりもパイプの中に更に延びることができる。下流方向のガス入口コーン406の長さは、図4C及び4Dに関して更に説明するように、ガス入口コーン406の端部におけるコーンのタイプにより決まる。
【0048】
図4Cは、開示された態様による液滴発生器308の断面側面斜視図である。同様の番号が付けられた品目は、図4A及び4Bに関して説明した通りである。図4Cにより、液滴発生器308のガス入口コーン406は、先細端コーン414で終端する。ガス入口コーン406を先細端コーン414で終端することで、液滴発生器308よって生じるパイプにおいて全体の圧力低下を低減することができる。
【0049】
図4Dは、別の開示された態様による液滴発生器308aの断面側面斜視図である。同様の番号が付けられた品目は、図4A〜4Cに関して説明した通りである。図4Dにより、液滴発生器308aのガス入口コーン406aは、鈍端コーン416で終端する。ガス入口コーン406aを鈍端コーン316で終端することで、パイプの中心において液滴形成を促すことができる。
【0050】
2S捕捉システム200は、1つの並流接触システム300を使用する。一部の環境では、1つよりも多くの並流接触システムを用いることが望ましい場合がある。図5は、開示の別の態様によるH2S捕捉システム500を示す。H2S捕捉システム200のように、H2S捕捉システム500は、トリアジンなどの液体H2S捕捉剤を用いて、天然ガスストリーム502又は他のガスストリームからH2Sを分離する。複数の並流接触システム503a、503b,...503nは、直列に配列される。本明細書の数値参照文字と併せて文字命名法(すなわち、「a」、「b」、「n」、その他)の使用は、参照しやすさのためだけであって制限されていない。例えば、当業者は、例示のセットの並流接触システム503a〜503nが、種々の態様では、2つ、4つ、5つ、又はそれ以上の並流接触システムを含むことができることを理解するであろう。3つの並流接触システムは図5に示されている。全てであるが最後の並流接触システム(すなわち、503a、503b)を出たガスストリームは、次のそれぞれの並流接触システム(すなわち、503b、503n)に入力したガスストリームであり、最後の並流接触システム503nを出たガスストリームは、それから除去されたH2Sの全て又は一部を有する処理済ガスストリーム520である。新鮮なトリアジン供給タンク506からの新鮮なトリアジンストリーム504は、それぞれの並流接触システム503a、503b,...503nに関連する液滴発生器509a、509b,...509nの各々の中に注入するように、並行の第1及び第2のポンプ508、510を用いて圧送される。液体トリアジン/H2S混合物は、貯蔵及び/又は処分するように使用済みトリアジンタンク518に送られた使用済みトリアジンストリーム517として各並流接触システム503a、503b,...503nから出る。
【0051】
2S捕捉システム500は、新鮮なトリアジンストリーム504が並流接触システム503a、503,...503nの各々の液滴発生器に給送されるので、並行の液体給送構成と呼ばれる場合がある。図6は、向流液体給送構成と呼ばれる場合がある開示の依然として別の態様によるH2S捕捉システム600を示す。H2S捕捉システム200及び500のように、H2S捕捉システム600は、トリアジンなどの液体H2S捕捉剤を用いてH2Sを天然ガスストリーム602又は他のガスストリームから分離する。複数の並流接触システム603a、603b,...603nは直列に配列される。3つの並流接触システムは図6に示されているが、より多数の又はより少数の並流接触システムの使用は、本発明の開示の範囲内である。全てであるが最後の並流接触システム(すなわち、603a、603b)を出たガスストリームは、次のそれぞれの並流接触システム(すなわち、603b、603n)に入力したガスストリームであり、最後の並流接触システム603nを出たガスストリームは、それから除去されたH2Sの全て又は一部を有する処理済ガスストリーム620である。新鮮なトリアジン供給タンク606からの新鮮なトリアジンストリーム604は、最後の並流接触システム603nに関連する液滴発生器609nの各々の中に注入するように、並行の第1及び第2のポンプ608、610を用いて圧送される。最後の並流接触システム603nを出た液体トリアジン/H2S混合ライン611nは、ポンプ622nを用いて圧送され、冷却器(図示せず)を用いて任意に冷却され、かつそれと共に前の直列の並流接触システム(これは図6では第2の並流接触システム603bである)の液滴発生器609bの中に入力される。第2の並流接触システム603bを出た液体トリアジン/H2S混合ライン611bは、ポンプ622bを用いて圧送され、冷却器(図示せず)を用いて任意に冷却され、かつ第1の並流接触システム603aの液滴発生器609aの中に入力される。第1の並流接触システム603aを出た液体トリアジン/H2S混合物617は、貯蔵及び/又は処分するように使用済みトリアジンタンク618に送られた使用済みトリアジンストリーム617である。フラッシュタンク(図示せず)は、それぞれのポンプ622b、622nの前にライン611b、611nの各々に配置することができる。ポンプ622b、622nにおける空洞化の回避に加えて、少量の二酸化炭素は、(特にセミリーン捕捉剤を低圧まで降下させる場合)フラッシュすることができ、少量の捕捉剤はこうして回復することができる可能性がある。
【0052】
図7は、開示の別の態様によるH2S捕捉システム700を示す。H2S捕捉システム700は、天然ガスストリーム702からH2Sの除去のために再生不能な液体H2S捕捉剤化学物質、例えばトリアジンを再循環させながら、それに関連する1又は2以上の小型並流接触システムが作動することを許容する。図7に示すように、第1及び第2のタンク706、718は、再生不能な液体H2S捕捉剤を貯蔵するのに提供される。ポンプ708によって表される1又は2以上のポンプは、並流接触システム703によって表される1又は2以上の並流接触システムの液滴発生器709の中に注入するように貯蔵タンクからの液体捕捉剤を加圧する。ポンプ708は、第1/及び/又は第2の隔離弁732、734を開放/閉鎖することによって第1又は第2のタンク706、718の何れかから吸引するように構成することができる。並流接触システム703における天然ガスストリーム702と相互に作用した後、液体捕捉剤は、第3及び/又は第4の隔離弁738、740を開放/閉鎖することによって第1のタンク706又は第2のタンク718の何れかに戻る。従って、H2S捕捉システム700は、以下のモードで作動することができる:
モード1:第1のタンクの再循環:第1のタンク706からの液体は並流接触システム703に送られ、並流接触システム703からの液体は第1のタンク706に戻る。
モード2:第2のタンクの再循環:第2のタンク718からの液体は並流接触システム703に送られ、並流接触システム703からの液体は第2のタンク718に戻る。
モード3:第1のタンクの貫流:第1のタンク706からの液体は並流接触システム703に送られ、並流接触システム703からの液体は第2のタンク718に送られる。
モード4:第2のタンクの貫流:第2のタンク718からの液体は並流接触システム703に送られ、並流接触システム703からの液体は第1のタンク706に送られる。
【0053】
上記モード1及び2は、モード3及び4と比較して液体捕捉剤のより大きな化学的利用を可能にする。例えば、モード3では、第1のタンク706は「新鮮な化学的」貯蔵タンクであり、第2のタンク718は「使用済み腐食剤」又は「廃棄物」貯蔵タンクである。第2のタンクに貯蔵された「廃」液は、天然ガスを処理するのに用いられているが、液体捕捉剤は、ある程度の捕捉能力を保持して天然ガスストリーム702を更に処理することができる。上で説明したモード1では、「廃」液を再利用して、液体捕捉剤の捕捉能力が枯渇しているこのような点まで天然ガスストリームを処理し、液体捕捉剤のより大きな利用をもたらす。
【0054】
2S捕捉システム700の別の特徴は、第1及び第2の貯蔵タンク706、718を利用することによって処理済ガスの連続化学的処理を実現することができるということである。具体的には、第1及び第2のタンク706、718によって、プロセスを連続的に操作することができるが、タンクはセミバッチ操作中である。例えば、上で検討したモード1では、第1のタンク706中の液体捕捉剤がもっぱら用いられて、長期にわたって消費されることになる。第1及び第3の隔離弁732、738が開放して、第2及び第4の弁734、740は閉鎖している。第1のタンク706で作動しながら、第2のタンク718は、新鮮な液体捕捉剤で充填することができる。第1のタンク706中の液体捕捉剤の有用作動寿命に近づくと、第1及び第3の隔離弁732、738が閉鎖されて、第2及び第4の隔離弁734、740は開放される。このように、第2のタンク718からの新鮮な液体捕捉剤は、並流接触システム703によって用いるようにポンプ708によって圧送することができる。次いで、第1のタンク706中の使用済み液体捕捉剤は、除去されて新鮮な液体捕捉剤に置き換えることができる。第2のタンク718中の液体捕捉剤の有用作動寿命に近づくと、タンクは、第1のタンク706が稼働中に戻されるように、隔離弁の開放/閉鎖によってこの場合も同様に切り替えられる。このサイクルは、停止するのに捕捉プロセスの必要なく無限に繰り返すことができる。
【0055】
多くの活性アミン系は、50ppmをはるかに下回るレベルのLNGの仕様までCO2を、場合によっては2〜3ppmまでCO2(及び2〜3ppmH2S)を除去する。処理ガス中のこれらの非常に低レベルのH2S及びCO2によって、腐食剤は、捕捉剤として効果的に用いられて、重炭酸塩及び二硫化物の不可逆的損失が比較的少ないメルカプタンなどの有機硫黄化合物を除去することができる。図8は、天然ガスストリーム802及び他のガスストリームからメルカプタン及び他の硫黄含有化合物の除去のために用いることができる、並流接触システム803を含むH2S捕捉システム800を示す。システム800は、液体H2S捕捉剤及び好ましくは、腐食剤を用いて、メルカプタン及び/又は他の硫黄含有化合物を天然ガスストリーム802から分離する。腐食性ストリーム804は、前に開示の原理による並流接触システム803の液滴発生器809において天然ガスストリーム802と組み合わされる。並流接触システム803及び液滴発生器809は、構成及び動作が前の図でそれぞれ開示した並流接触システム及び液滴発生器と類似している。並流接触システム803は、十分な接触時間を腐食剤に提供して、天然ガスストリーム802中のメルカプタン及び/又は他の硫黄含有化合物の一部又は全てを反応させて吸収する。それから除去されたメルカプタン及び/又は硫黄含有化合物を有する処理済ガスストリーム820は、並流接触システムから出る。ここでメルカプタンを含み、使用済み腐食剤と呼ばれる場合がある腐食剤は、並流接触システム803を出て、ポンプ810によって圧送された後液滴発生器809に向け戻され、冷却器、熱交換器、又は冷却要素811によって冷却される。使用済み腐食性ライン812は、貯蔵又はそうでなければ処分すべき腐食性ストリーム804から使用済み腐食剤を選択的に引き抜くことを許容する。新鮮な腐食性ライン814は、新鮮な腐食剤を腐食性ストリーム804の中に注入して、天然ガスストリーム802においてメルカプタン又は他の硫黄含有化合物を捕捉するために必要な量に腐食性ストリーム804を維持することを許容する。
【0056】
高いpHの腐食剤とメルカプタンとの間の反応は、メルカプチドを生成する。従って、腐食剤からメルカプチドを除去することによって腐食剤を再循環させて及び再利用することが可能である。図9は、開示の別の態様によるH2S捕捉システム900を示し、ここで、腐食剤は再生可能及び/又は再循環可能である。H2S捕捉システム900は、前述のようにH2S捕捉システム800と類似しており、天然ガスストリームからメルカプタン及び他の硫黄含有化合物の除去に特に適している。腐食性ストリーム904は、前に開示した原理による並流接触システム903の液滴発生器909において天然ガスストリーム902と組み合わされる。並流接触システム903及び液滴発生器909は、前の図で開示したそれぞれ並流接触システム及び液滴発生器に対して構成及び作動が類似している。並流接触システム903は、腐食剤が反応してメルカプチドを生成するのに十分な時間を提供する。メルカプチド及び/又は他の硫黄含有化合物を含まない処理済ガスストリーム920は、並流接触システムから出る。並流接触システム903を出た使用済み腐食剤の一部又は全ては、再生器906に向けることができ、ここで空気はメルカプチドと反応して二硫化物を形成する。二硫化物は、腐食剤とは異なる液相を形成し、腐食剤から容易に静かに移されて二硫化物ストリーム907を形成することができる。メルカプタン、メルカプチド、及び/又はそれから除去された二硫化物を有している再生された(又は新鮮な)腐食性ストリームは、並流接触システム903において再利用するように腐食性ストリーム904に戻ることができる。ポンプ910及び冷却器、熱交換器又は冷却要素911をまた用いて、天然ガスストリーム902と接触又は混合するために適切な温度及び圧力に腐食性ストリーム904を維持することができる。
【0057】
図8及び9は、単一並流接触システムを含むH2S捕捉システムを開示する。開示のH2S捕捉システムの何れかにおいて、直列に又は並列での何れかで複数の並流接触システムを含むことは開示の範囲内である。図10は、天然ガスストリーム1002又は他のガスストリームからメルカプタン又は他の硫黄含有化合物を除去するための複数の並流接触システム、示した態様では、第1及び第2の並流接触システム1003a、1003bを含む多段H2S捕捉システム1000を示す。多段H2S捕捉システム1000は、前述のようなH2S捕捉システム800、900と類似している。第1の腐食性ストリーム1004aは、前に開示した原理による第1の並流接触システム1003aの液滴発生器1009aにおいて天然ガスストリーム1002と組み合わされる。メルカプタン、メルカプチド、及び/又はそれから除去された他の硫黄含有化合物を有している第1の処理済ガスストリーム1020aは、並流接触システムから出る。ここでメルカプタンを含む腐食剤は、第1の並流接触システム1003aを出て、ポンプ1010aによって圧送された後液滴発生器1009aに向け戻されて冷却器、熱交換器、又は冷却要素1011aによって冷却される。
【0058】
第2の腐食性ストリーム1004bは、示した態様では第2の並流接触システム1003bであるそれと直列の次の並流接触システムの液滴発生器1009bにおいて第1の処理済ガスストリーム1020aと組み合わされる。前に開示した原理により働く第2の並流接触システム1003bは、メルカプタン、メルカプチド及び/又は他の硫黄含有化合物を含まない第2の処理済ガスストリーム1020bを出力する。ここでメルカプタン、メルカプチド、及び/又は他の硫黄含有化合物を含む腐食剤は、第2の並流接触システム1003bを出て、ポンプ1010bによって圧送された後液滴発生器1009bに向け戻されて冷却器、熱交換器、又は冷却要素1011bによって冷却される。
【0059】
第1及び第2の腐食性ストリーム1004a、1004bは、それぞれ第1及び第2の並流接触システム1003a、1003bにおいて独立して循環するように概念的に構成される。しかしながら、使用済み腐食剤を除去して新鮮な腐食剤をシステム1000の中に注入するために、第1及び第2の腐食性ストリーム1004a、1004bを接続することができる。使用済み腐食性ストリーム1012は、貯蔵、再生、又はそうでなければ処分すべき第1の腐食性ストリーム1004aから選択的に引き抜くことができ、新鮮な腐食性ストリーム1014は第2の腐食性ストリーム1004bの中に注入することができる。弁1022は、腐食剤が引き抜かれ及び/又は注入されるとき、第1及び第2の腐食性ストリーム1004a、1004bを別個に接続するように作動することができ、その結果、両腐食性ストリームは、天然ガスストリーム1002及び/又は第1の処理済ガスストリーム1020a中のメルカプタン及び/又は他の硫黄含有化合物を効果的に捕捉するように十分な容量及び新鮮さに維持することができるようになる。
【0060】
開示された並流接触システムは、これまで直列に配列されたと示されているが、複数の並流接触システムは、H2S捕捉システムにおいて並列で配置することができる。このような並列配列は、並流接触システムが単一圧力境界内にあるように、複数の並流接触システムをより大きなパイプ又は容器内に配置することを許容することができる。このような配列は、「複数の並流接触器を用いる流体ストリームからの不純物の分離」という名称の共同所有の米国特許出願公開第US2016/0199774号においてより完全に説明されおり、この出願の開示は引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0061】
本明細書で開示される並流接触システムは、水平に配置されていると図に示されている。本明細書で開示したH2S捕捉システムが、要望通り又は要求に応じて1又は2以上の垂直に配向された並流接触システムを用いるのは本発明の開示の範囲内である。このような垂直に配向された並流接触システムは、H2S捕捉システムの設置面積を削減することができ、これにより空間が価値をもつ用途又は状況においてその実用性を増す。
【0062】
開示された態様は、これまで連続接触システムにおいてH2S捕捉運転に対する並流接触システムの使用及び利益を立証している。捕捉プロセスに基づいて直接注入の効率を高めるように、開示の並流接触システムの一部を用いることも可能である。図11は、液滴発生器1108が据え付けられた天然ガスパイプライン1100の一部分を概略的に示す。液滴発生器1108は、前述の液滴発生器308と類似している。液滴発生器1108は、前に開示したようなトリアジンなどの液体捕捉剤と天然ガスストリーム1104を混合する。次いで、液体捕捉剤は、液滴発生器の下流の適切な距離に配置された排水管1109を通って天然ガスパイプライン1100から出ることができる。液滴発生器は、天然ガスストリームと液体捕捉剤との間の混合効率を改善し、これにより用途に必要な液体捕捉剤の量を減少させる。
【0063】
図12は、開示された態様による天然ガスストリームからH2S、メルカプタン、及び/又は硫黄含有化合物を除去する方法1200である。ブロック1202において、天然ガスストリーム及び液体捕捉剤ストリームは、パイプ内にインラインで位置付けられた並流接触システムで受け入れられる。並流接触システムは、液滴発生器及び物質移動セクションを含む。ブロック1204において、液滴発生器を用いて、液滴は、液体捕捉剤ストリームから発生して天然ガスストリーム内に分散される。ブロック1206において、物質移動セクションを用いて、蒸気相及び液相を有する混合二相流が提供される。液相は、天然ガスストリームから吸収されたH2S、メルカプタン、及び/又は他の硫黄含有化合物を有する液体捕捉剤ストリームを含み、蒸気相は天然ガスストリームを含む。ブロック1208において、蒸気相は液相から分離される。
【0064】
開示された態様は、多くの方法で変えることができる。例えば、小型並流接触システムは、直列に互いに接続されていると図に示されているが、追加の折り返しの柔軟性に対して、小型並流接触システムのうちの1又は2以上は、互いに並列で接続することができる。本明細書で開示される分離システムはまた、変えることができる。開示の単一サイクロン分離器の代わりに、インライン防曇サイクロンを用いることができる。他の公知のミスト除去デバイスは、サイクロン分離器に置き換えることができる。本明細書で説明する本方法、プロセス、及び/又は機能は、適切にプログラムされたコンピュータシステムによって実施及び/又は制御することができる。加えて、非トリアジンH2S捕捉剤は、開示された態様と共に用いることができる。
【0065】
更に、所与の実施例に備えられた必ずしも全てではないが一部の特徴を含む、本明細書で説明する種々の実施例からの特徴を共に組み合わせることができることが企図される。更に、あらゆる特定の実施例の特徴は、本発明の技術の進歩を実装するのに必ずしも必要ない。
【0066】
開示された態様は、公知の連続接触システム(図1)の大口径の接触器及び分離器に置き換えることができる。開示された態様の利点は、並流接触システムが、水平に配向され、垂直に配向され、或いは要求に応じて又は要望通り混合配向にして既存のプロット又はモジュールスペースの制限を最も良く満たすことができるということである。開示された態様の他の利点は、スペースが限られた改造及びボトルネック解消の機会に資本コストの節減及び場合によっては処理能力の向上を通して見ることができる。典型的な接触器又は分離器は、例えば、4.2mの直径、約12.6mの高さ(フラッシュゾーンを含む)及び105mmの壁厚を有することができ、開示の並流接触システムは、24インチ(60.96cm)の直径を有するパイプに封入することができる。これは、公知の接触器及び分離器と比べて輸送、丁寧及び構造支持における追加の節約は言うまでもなく、資本支出の約75%節減をもたらすことができる。
【0067】
本開示の態様は、以下の番号が付けられた段落に示す方法及びシステムのあらゆる組み合わせを含むことができる。これは、上記説明から任意の数の変形形態を想定することができるので、全ての可能な態様の完全なリストと考えるべきではない。
1.H2S、メルカプタン、及び/又は他の硫黄含有化合物を天然ガスストリームから除去するための硫化水素(H2S)捕捉システムであって、
液体捕捉剤ストリームと、
パイプ内にインラインで位置付けられ、天然ガスストリーム及び液体捕捉剤ストリームを受け入れる並流接触システムと
を備え、並流接触システムは、
液滴発生器及び物質移動セクションを含む並流接触器であって、液滴発生器が、液体捕捉剤ストリームから液滴を発生させて該液滴を天然ガスストリーム内に分散させるように構成され、物質移動セクションが、液相及び蒸気相を有する混合二相流を提供するように構成され、液相が天然ガスストリームから吸収されたH2S、メルカプタン、及び/又は他の硫黄含有化合物を有する液体捕捉剤ストリームを含み、蒸気相が天然ガスストリームを含む、並流接触器と、
蒸気相を液相から分離するように構成された分離システムと、
を含む、H2S捕捉システム。
2.液体捕捉剤ストリームを貯蔵する貯蔵タンクを更に備える、段落1のH2S捕捉システム。
3.貯蔵タンクは第1の貯蔵タンクであり、液相が並流接触システムから出た後に液相を貯蔵する第2の貯蔵タンクを更に備える、段落2のH2S捕捉システム。
4.貯蔵タンクは、液滴発生器に接続された出口と、分離システムの液体出口に接続された入口とを有する第1の貯蔵タンクであり、液滴発生器に接続された出口と分離システムの液体出口に接続された入口とを有する第2の貯蔵タンクを更に備える、段落2のH2S捕捉システム。
5.第1の貯蔵タンクの出口は、第1の隔離弁を通って液滴発生器に接続され、第2の貯蔵タンクの出口は、第2の隔離弁を通って液滴発生器に接続され、第1の貯蔵タンクの入口は、第3の隔離弁を通って分離システムの液体出口に接続され、第2の貯蔵タンクの入口は、第4の隔離弁を通って分離システムの液体出口に接続される、段落4のH2S捕捉システム。
6.捕捉液は、トリアジン及び腐食剤のうちの1つである、段落1のH2S捕捉システム。
7.液滴発生器は、
パイプ内にインラインで液滴発生器を固定する環状支持リングと、
環状支持リングから延びる複数のスポークであって、該複数のスポークは、液体捕捉剤ストリームが複数のスポークを通って該複数のスポークの上に配置された注入オリフィスから外に流れることができるように構成された複数の液体チャネルを有する、複数のスポークと、
複数のスポークによって支持されるガス入口コーンであって、該ガス入口コーンは、
天然ガスストリームの第1の部分が、ガス入口コーンの中空セクションを通り、複数のスポークに含まれるガス出口スロットを通って流れることができ、
天然ガスストリームの第1の部分とは別個の天然ガスストリームの第2の部分が、ガス入口コーンの周り及び複数のスポークの間を流れることができる、
ように構成されたガス入口コーンと、
を含む、段落1のH2S捕捉システム。
8.ガス入口コーンの下流部分は、鈍端コーン及び先細端コーンのうちの1つを含む、段落6のH2S捕捉システム。
9.並流接触システムの分離システムがサイクロン分離器を含む、段落1〜8の何れかのH2S捕捉システム。
10.並流接触システムは、直列に接続され、最後の並流接触システムを含む複数の並流接触システムのうちの1つであり、
複数の並流接触システムの各々は、
液滴発生器及び物質移動セクションを含む並流接触器であって、液滴発生器が、液体捕捉剤の液滴を発生させて前の並流接触システムから受け入れたガスストリーム内に液滴を分散させるように構成され、物質移動セクションが、蒸気相及び液相を有する混合二相流を提供するように構成された、並流接触器と、
蒸気相を液相から分離するように構成された分離システムであって、蒸気相が処理済ガスストリームを含み、液相が、前の並流接触システムの並流接触器において液滴が発生した液体を含む、分離システムと、
を含む、段落1〜9の何れかのH2S捕捉システム。
11.分離システムから出た液相は、並流接触システムによって受け入れられた液体捕捉剤ストリームを含む、段落1のH2S捕捉システム。
12.並流接触システムによって受け入れられる前に液体捕捉剤ストリームの一部を除去するための使用済み捕捉剤ラインと、
並流接触システムによって受け入れられる前に液体捕捉剤ストリーム内に新鮮な捕捉剤液を注入するための新鮮な捕捉剤ラインと、
を更に備え、
液体捕捉剤ストリームが腐食剤を含む、段落11のH2S捕捉システム。
13.使用済み捕捉剤ラインに接続された捕捉剤再生器を更に備え、該捕捉剤再生器が、液体捕捉剤ストリームの除去された部分からH2S、メルカプタン、メルカプチド、二硫化物、及び/又は他の硫黄含有化合物を除去して、再生捕捉剤を生成するように構成され、再生捕捉剤を新鮮な捕捉剤ラインを通って液体捕捉剤ストリームに戻すように更に構成されている、段落12のH2S捕捉システム。
14.H2S、メルカプタン、及び/又は他の硫黄含有化合物を天然ガスストリームから除去する方法であって、
パイプ内にインラインで位置付けられて液滴発生器及び物質移動セクションを含む並流接触システムにおいて天然ガスストリーム及び液体捕捉剤ストリームを受け入れる段階と、
液滴発生器を用いて、液体捕捉剤ストリームから液滴を発生させて液滴を天然ガスストリーム内に分散させる段階と、
物質移動セクションを用いて、天然ガスストリームから吸収されたH2S、メルカプタン、及び/又は他の硫黄含有化合物を有する液体捕捉剤ストリームを含む液相と、天然ガスストリームを含む蒸気相と、を有する混合二相流を提供する段階と、
蒸気相を液相から分離する段階と、
を含む方法。
15.液体捕捉剤ストリームを貯蔵タンクに貯蔵する段階を更に含む、段落14の方法。
16.貯蔵タンクは第1の貯蔵タンクであり、
液相が並流接触システムから出た後に、該液相を第2の貯蔵タンクに貯蔵する段階を更に含む、段落15の方法。
17.貯蔵タンクは第1の貯蔵タンクであり、
第1の貯蔵タンクの出口を液滴発生器に接続する段階と、
第1の貯蔵タンクの入口を分離システムの液体出口に接続する段階と、
第2の貯蔵タンクの出口を液滴発生器に接続する段階と、
第2の貯蔵タンクの入口を分離システムの液体出口に接続する段階と、
を更に含む、段落15の方法。
18.第1の貯蔵タンクの出口は、第1の隔離弁を通って液滴発生器に接続され、第2の貯蔵タンクの出口は、第2の隔離弁を通って液滴発生器に接続され、第1の貯蔵タンクの入口は、第3の隔離弁を通って分離システムの液体出口に接続され、第2の貯蔵タンクの入口は、第4の隔離弁を通って分離システムの液体出口に接続される、段落17の方法。
19.捕捉液はトリアジン及び腐食剤のうちの1つである、段落14の方法。
20.液滴発生器は、
パイプ内にインラインで液滴発生器を固定する環状支持リングと、
環状支持リングから延びる複数のスポークであって、該複数のスポークは、液体捕捉剤ストリームが複数のスポークを通って該複数のスポークの上に配置された注入オリフィスから外に流れることを可能にする複数の液体チャネルを有する、複数のスポークと、
複数のスポークによって支持されるガス入口コーンであって、
天然ガスストリームの第1の部分が、ガス入口コーンの中空セクションを通り、複数のスポークに含まれるガス出口スロットを通って流れることを可能にし、
天然ガスストリームの第1の部分とは別個の天然ガスストリームの第2の部分が、ガス入口コーンの周り及び複数のスポークの間を流れることを可能にする、
ガス入口コーンと、
を含む、段落14の方法。
21.並流接触システムは、直列に接続され、最後の並流接触システムを含む複数の並流接触システムのうちの1つであり、
複数の並流接触システムのうちの各々は、
液滴発生器及び物質移動セクションを含む並流接触器であって、液滴発生器が、液体捕捉剤の液滴を発生させて前の並流接触システムから受け入れたガスストリーム内に液滴を分散させ、物質移動セクションが、蒸気相及び液相を有する混合二相流を提供する、並流接触システムと、
蒸気相を液相から分離する分離システムであって、蒸気相が処理済ガスストリームを含み、液相が、前の並流接触システムの並流接触器において液滴が発生する液体を含む、分離システムと、
を含む、段落14〜20の何れかの方法。
22.分離システムから出た液相は、並流接触システムによって受け入れられた液体捕捉剤ストリームを含む、段落14の方法。
23.並流接触システムによって受け入れられる前に、液体捕捉剤ストリームの一部を除去する段階と、
並流接触システムによって受け入れられる前に、腐食剤を含む液体捕捉剤ストリーム内に新鮮な捕捉剤液を注入する段階と、
を更に含む、段落22の方法。
24.捕捉剤再生器において、液体捕捉剤ストリームの除去された部分からH2S、メルカプタン、メルカプチド、二硫化物、及び/又は他の硫黄含有化合物を除去し、これにより再生捕捉剤を生成する段階と、
再生捕捉剤を液体捕捉剤ストリームに戻す段階と、
を更に含む、段落23の方法。
【0068】
本発明の技術は、種々な修正及び代替形態を受け入れることができるが、上で説明した実施例は非限定的である。この技術は、本明細書で開示した特定の実施形態に限定することを意図するものではない点をこの場合も同様に理解すべきである。実際に、本発明の技術は、添付の請求項の精神及び範囲に含まれる全ての代替形態、修正形態、及び均等物を含む。
【符号の説明】
【0069】
517 使用済みトリアジンストリーム
700 H2S捕捉システム
702 天然ガスストリーム
703 並流接触システム
706 第1のタンク
708 ポンプ
709 液滴発生器
718 第2のタンク
732 第1の隔離弁
734 第2の隔離弁
738 第3の隔離弁
740 第4の隔離弁
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12