(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6952891
(24)【登録日】2021年9月30日
(45)【発行日】2021年10月27日
(54)【発明の名称】2×3および1×3スライド用のカルーセル
(51)【国際特許分類】
G02B 21/34 20060101AFI20211018BHJP
G01N 35/04 20060101ALI20211018BHJP
【FI】
G02B21/34
G01N35/04 E
【請求項の数】17
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-518680(P2020-518680)
(86)(22)【出願日】2018年10月4日
(65)【公表番号】特表2021-501349(P2021-501349A)
(43)【公表日】2021年1月14日
(86)【国際出願番号】US2018054462
(87)【国際公開番号】WO2019071042
(87)【国際公開日】20190411
【審査請求日】2020年8月27日
(31)【優先権主張番号】62/568,206
(32)【優先日】2017年10月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503293765
【氏名又は名称】ライカ バイオシステムズ イメージング インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Leica Biosystems Imaging, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ニューバーグ
(72)【発明者】
【氏名】プレンタッシュ ジェロセヴィッチ
【審査官】
森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−121762(JP,A)
【文献】
実開平4−21950(JP,U)
【文献】
特開2011−27727(JP,A)
【文献】
特開2007−315970(JP,A)
【文献】
実開平1−112460(JP,U)
【文献】
米国特許第5367401(US,A)
【文献】
米国特許第5768033(US,A)
【文献】
中国実用新案第203376200(CN,U)
【文献】
中国実用新案第201141938(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00 − 37/00
G02B 21/00 − 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルスライドスキャン装置カルーセルであって、前記デジタルスライドスキャン装置カルーセルは、
下面、上面および外縁を有する基部と、
前記基部の上方に配置された複数の取り外し可能なラックスペーサと、
を備え、
前記基部の外縁は、上面視の視点において略円形であり、
それぞれの取り外し可能なラックスペーサは、左側面、右側面、外側面、内側面、上部および底部を有し、
それぞれの取り外し可能なラックスペーサは、前記基部に取り付けられるとともに、前記基部から取り外されるように構成され、
第1のラックスペーサと第2のラックスペーサを含む第1の隣接するラックスペーサの対は、前記基部、前記第1のラックスペーサの左側面および前記第2のラックスペーサの右側面により3辺を境界付けられた第1の1×3ラックスロットを画定し、
第3のラックスペーサと第4のラックスペーサを含む第2の隣接するラックスペーサの対は、前記基部、前記第3のラックスペーサの左側面および前記第4のラックスペーサの右側面により3辺を境界付けられた第1の2×3ラックスロットを画定する、
デジタルスライドスキャン装置カルーセル。
【請求項2】
前記第1の1×3ラックスロットを画定する前記第1のラックスペーサの前記左側面と前記第2のラックスペーサの前記右側面とは、実質的に平行である、
請求項1に記載のデジタルスライドスキャン装置カルーセル。
【請求項3】
前記第1の1×3ラックスロットは、上面視で前記基部の前記上面に略長方形の領域を画定する、
請求項2に記載のデジタルスライドスキャン装置カルーセル。
【請求項4】
前記第1の1×3ラックスロットは、1×3スライドラックを保持するように構成され、前記1×3スライドラックは、各々のサイズが1×3の複数のガラススライドを支持するように構成されている、
請求項3に記載のデジタルスライドスキャン装置カルーセル。
【請求項5】
前記第1のラックスペーサおよび前記第2のラックスペーサの各々は、略くさび形である、
請求項2に記載のデジタルスライドスキャン装置カルーセル。
【請求項6】
前記第1のラックスペーサおよび前記第2のラックスペーサは、前記基部に接続され、前記基部から上方に延びる、
請求項2に記載のデジタルスライドスキャン装置カルーセル。
【請求項7】
前記第1のラックスペーサは、前記基部の中央部分の近位の内部部分を含み、前記第1のラックスペーサの前記内部部分から前記第2のラックスペーサに向かって前記第1の1×3ラックスロットに延びる第1のラックストッパーをさらに含む、
請求項2に記載のデジタルスライドスキャン装置カルーセル。
【請求項8】
前記第2のラックスペーサは、前記基部の中央部分の近位の内部部分を含み、前記第2のラックスペーサの前記内部部分から前記第1のラックスペーサに向かって前記第1の1×3ラックスロットに延びる第2のラックストッパーをさらに含む、
請求項7に記載のデジタルスライドスキャン装置カルーセル。
【請求項9】
前記第1のラックストッパーおよび前記第2のラックストッパーは、前記第1の1×3ラックスロットに配置された1×3スライドラックと係合するように構成される、
請求項8に記載のデジタルスライドスキャン装置カルーセル。
【請求項10】
前記第1の2×3ラックスロットを画定する第3のラックスペーサの前記左側面と第4のラックスペーサの前記右側面は、実質的に平行である、
請求項1に記載のデジタルスライドスキャン装置カルーセル。
【請求項11】
前記第1の2×3ラックスロットは、上面視で前記基部の前記上面に略長方形の領域を画定する、
請求項10に記載のデジタルスライドスキャン装置カルーセル。
【請求項12】
前記第1の2×3ラックスロットは、2×3スライドラックを保持するように構成され、前記2×3スライドラックは、各々のサイズが2×3の複数のガラススライドを支持するように構成されている、
請求項11に記載のデジタルスライドスキャン装置カルーセル。
【請求項13】
前記第3のラックスペーサおよび前記第4のラックスペーサの各々は、略くさび形である、
請求項10に記載のデジタルスライドスキャン装置カルーセル。
【請求項14】
前記第3のラックスペーサおよび前記第4のラックスペーサは、前記基部に接続され、前記基部から上方に延びる、
請求項13に記載のデジタルスライドスキャン装置カルーセル。
【請求項15】
前記第3のラックスペーサは、前記基部の中央部分の近位の内部部分を含み、前記第3のラックスペーサの前記内部部分から前記第4のラックスペーサに向かって前記第1の2×3ラックスロットに延びる第3のラックストッパーをさらに含む、
請求項10に記載のデジタルスライドスキャン装置カルーセル。
【請求項16】
前記第4のラックスペーサは、前記基部の中央部分の近位の内部部分を含み、前記第4のラックスペーサの前記内部部分から前記第3のラックスペーサに向かって前記第1の2×3ラックスロットに延びる第4のラックストッパーをさらに含む、
請求項15に記載のデジタルスライドスキャン装置カルーセル。
【請求項17】
前記第3のラックストッパーおよび前記第4のラックストッパーは、前記第1の2×3ラックスロットに配置された2×3スライドラックと係合するように構成され、前記2×3スライドラックは、各々のサイズが2×3の複数のガラススライドを支持するように構成される、
請求項16に記載のデジタルスライドスキャン装置カルーセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年10月4日に出願された米国仮特許出願第62/568,206号の優先権を主張し、これは参照により全文が記載されているように本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、デジタルスライドスキャン装置に関し、より詳細には、様々なサイズのスライドラック(例えば、デジタル病理学用のスライドガラスを格納する1×3および2×3スライドラック)を支持するカルーセルに関する。
【背景技術】
【0003】
デジタル病理学は、物理的なスライドから生成された情報の管理を可能にするコンピュータ技術によって可能になる画像ベースの情報環境である。デジタル病理学は、部分的には、物理顕微鏡スライド上で標本をスキャンし、コンピュータモニターで、保存、表示、管理、および分析ができるデジタルスライド画像を作成するプラクティスであるバーチャルな顕微鏡検査によって可能とされている。デジタル病理学分野は、スライド全体を撮像する能力によって爆発的に発展し、現在、がんなどの重要な病気の診断、予後診断、および予測を、より良く、速く、安価に、実現する上で、診断医学の最も有望な手段の1つとみなされている。
【0004】
物理的なスライドガラスの大部分は76×26mm(1×3インチ)である。ただし、一部のスライドガラスは76×52mm(2×3インチ)である。これらの大きなスライドガラスは倍幅である。デジタルスライドスキャン装置は通常、一度に1つのスライドをスキャンする。一部のデジタルスライドスキャン装置は、デジタルスライドスキャン装置が数十または数百のスライドガラスを中断なしに連続して処理できるよう、1つ以上のスライドラックを保持するように変更されている。しかしながら、従来のデジタルスライドスキャン装置は、中断なしに、様々なサイズのスライドラックを保持したり、様々なサイズのスライドガラスをインターリーブスキャンしたりすることはできない。したがって、必要なのは、上記説明されたような従来のシステムにおいて発見されたそれらの重要な課題を解決するシステムおよび方法である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本明細書では、様々なサイズのスライドラックを保持するように構成されたデジタルスライドスキャン装置で使用するためのスライドラックカルーセルについて説明する。スライドラックカルーセルは、基部の上面から上方に延びる複数のスライドラックスペーサを支持するように構成された基部を含む。複数のスライドラックスペーサは、様々なサイズのスライドラックスペーサを含んでもよい。隣接するスライドラックスペーサ同士は、所定のサイズのスライドラックスロットを画定する。カルーセルの基部に取り付けられる複数のスライドラックスペーサの配置およびサイズに基づいて、複数のスライドラックスロットサイズをカルーセル上に選択的に構成することができる。したがって、スライドラックカルーセルの基部に、所望の数の1×3スライドラックスロットと所望の数の2×3スライドラックスロットを構成できる。
【0006】
一実施形態では、デジタルスライドスキャン装置カルーセルは、下面、上面、および外縁を有する基部を含み、基部の外縁は、上面視の視点において略円形である。カルーセルは、基部の上方に配置された複数のラックスペーサもまた含み、各ラックスペーサは、左側面、右側面、外側面、内側面、上部および底部を有する。第1のラックスペーサと第2のラックスペーサを含む第1の隣接するラックスペーサの対は、基部、第1のラックスペーサの左側面、および第2のラックスペーサの右側面により3辺を境界付けられた第1の1×3ラックスロットを画定する。さらに、第3のラックスペーサと第4のラックスペーサを含む第2の隣接するラックスペーサの対は、基部、第3のラックスペーサの左側面、および第4のラックスペーサの右側面により3辺を境界付けられた第1の2×3ラックスロットを画定する。
【0007】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付図面を検討した後、当業者にとってさらに容易に明らかになるであろう。
【0008】
本発明の構造および動作は、以下の詳細な説明および添付図面の検討から理解され、図面では、同一の参照符号は同一の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態によるラックスペーサコネクタを備えた例示的なスライドラックカルーセル基部を示す上面図である。
【
図2】一実施形態による、取り外し可能なラックスペーサが基部に接続された例示的なスライドラックカルーセル基部を示す上面図である。
【
図3】一実施形態による、スライドガラスを含む例示的な1×3スライドラックを示す上面図である。
【
図4】一実施形態による、スライドガラスを含む例示的な2×3スライドラックを示す上面図である。
【
図5】一実施形態による、スライドガラスを有する異なるサイズのスライドラックによって占有される様々なサイズのラックスロットを画定する異なるサイズのラックスペーサを有する例示的なスライドラックカルーセル基部を示す斜視図である。
【
図6】
図6Aは、本明細書で説明される様々な実施形態と関連して使用されてもよい、実施例のプロセッサ使用可能デバイス550を例示するブロック図であり、
図6Bは、単一の線形配列を有する実施例のラインスキャンカメラを例示するブロック図であり、
図6Cは、3つの線形配列を有する実施例のラインスキャンカメラを例示するブロック図であり、
図6Dは、複数の線形配列を有する実施例のラインスキャンカメラを例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に開示される実施形態は、所望の数の1×3ラックスロットを所望の数の2×3ラックスロットと組み合わせて有するように構成可能なスライドラックカルーセルを提供する。この説明を読んだ後、当業者にとって、様々な代替的な実施形態および代替的な適用において発明をどのように実施することができるかが明らかになるであろう。しかし、本発明の様々な実施形態が本明細書で説明されるが、これらの実施形態は、例としてのみ提示され、限定ではないことが理解されよう。それ故、様々な代替的な実施形態のこの詳細な説明は、添付の特許請求の範囲に示された本発明の範囲または広さを限定するものと解釈されるべきではない。
【0011】
図1は、一実施形態によるラックスペーサコネクタ110を備えた例示的なスライドラックカルーセル基部100を示す上面図である。図示の実施形態では、基部100の上面120は、複数のラックスペーサを取り付けるように構成された複数のラックスペーサコネクタ110を有する。一実施形態では、カルーセル基部100の周辺縁部130の形状は略円形である。一実施形態では、略円形の基部100はリングの形態である。
【0012】
図2は、実施形態による1つ以上のコネクタ110によって基部100に取り付けられた取り外し可能なラックスペーサ210を備えた基部100を有する例示的なスライドラックカルーセル200を示す上面図である。図示の実施形態では、各ラックスペーサ210は、第1の側面に第1のラックストッパー240を備え、第2の側面に第2のラックストッパー240を備える。単一のラックスペーサの第1および第2のラックストッパー240の各々は、異なるラックスロット(220、230)に面している。したがって、第1のラックスペーサ210の第1のラックストッパー240と第2のラックスペーサ210の第2のラックストッパー240は互いに向き合う。有利には、特定のラックスロット(220、230)の第1のラックストッパー240と第2のラックストッパー240との間の距離は、特定のラックスロット(220、230)の幅よりも小さく、それに応じて、特定のラックスロット(220、230)が保持するように構成されているラックスライドの幅よりも小さい。このようにして、対向する第1のラックストッパー240と第2のラックストッパー240の組み合わせは、スライドラックがスライドラックカルーセル200の中心に向かってさらに移動することを防ぐ。
【0013】
有利には、複数のラックスペーサ210のうちの1つ以上は、異なるサイズを有し、カルーセル200の基部100から取り外されるように構成される。したがって、一対のラックスペーサ210は、1×3ラックスロット220または2×3ラックスロット230を画定することができる。
【0014】
図3は、一実施形態に係る、スライドガラス310を含む例示的な1×3スライドラック300を示す上面図である。図示の実施形態では、スライドラック300は、各々のサイズが1×3の複数のスライドガラス310を支持するように構成されている。スライドラック300の幅は、スライドガラス310の1×3サイズよりわずかに大きい。これはスライドラック300の上面図であるが、スライドラックの高さは様々であってよく、したがって、異なる1×3スライドラック300は異なる最大数のスライドガラス310を保持するように構成できることを理解されたい。
【0015】
図4は、一実施形態に係る、スライドガラス410を含む例示的な2×3スライドラック400を示す上面図である。図示の実施形態では、スライドラック400は、各々のサイズが2×3である複数のスライドガラス410を支持するように構成されている。スライドラック400の幅は、スライドガラス410の2×3サイズよりわずかに大きい。これはスライドラック400の上面図であるが、スライドラック400の高さは様々であってよく、したがって、異なる2×3スライドラック400は異なる最大数のスライドガラス410を保持するように構成できることを理解されたい。
【0016】
図5は、一実施形態に係る、スライドガラスを有する異なるサイズのスライドラック(300、400)によって占有される異なるサイズのラックスロット(350、450)を画定する、異なるサイズのラックスペーサ500を有する基部100を有する例示的なスライドラックカルーセル200を示す斜視図である。図示の実施形態では、カルーセル200は、異なるサイズを有する複数のラックスペーサ500を含む。ラックスペーサ500は一般にくさび形である。隣接するラックスペーサ500の各対の、対向する側面同士は、略平行であり、それにより、上面視の視点において略長方形のラックスロット(350、450)を画定する。カルーセル200の図示の構成は、各々が1×3スライドラック300を保持するように構成される複数の1×3サイズのラックスロット350と、各々が2×3スライドラック400を保持するように構成される複数の2×3サイズのラックスロット450を含む。個々のスライドラック(300、400)は、1×3でも2×3でも、様々な高さを有し、異なる最大数のスライドガラスを収容できる。
【0017】
実施例
一実施形態では、カルーセルは、オペレータがカルーセルの少なくとも一部にアクセスできるように構成された開口部を備えたハウジングを有するデジタルスライドスキャン装置に展開されている。有利には、取り外し可能なラックスペーサが、ハウジングの開口部を通して挿入され、カルーセルの基部に取り付けられるように構成されている。また、取り外し可能なラックスペーサはカルーセルの基部から取り外し、ハウジングの開口部を通して取り除かれるように構成されている。このようにして、デジタルスライドスキャン装置のカルーセルは、必要に応じて異なるサイズのスライドラックを保持するように再構成できる。
【0018】
一実施形態では、デジタルスライドスキャン装置カルーセルは、下面、上面、および外縁を有する基部を含み、基部の外縁は、上面視の視点において略円形である。カルーセルは、また、基部に接続され、基部から上方に延びる複数のラックスペーサも含む。各ラックスペーサには、左側面、右側面、外側面、内側面、上部、下部がある。一対の隣接するラックスペーサは、特定のサイズのラックスロットを画定する。例えば、第1の隣接するラックスペーサの対は、基部、第1のラックスペーサの左側面、および第2のラックスペーサの右側面により3辺を境界付けられた第1の1×3ラックスロットを画定する、第1のラックスペーサと第2のラックスペーサを含む。さらに、第2の隣接するラックスペーサの対は、基部、第3のラックスペーサの左側面、および第4のラックスペーサの右側面により3辺を境界付けられた第1の2×3ラックスロットを画定する、第3のラックスペーサと第4のラックスペーサを含む。
【0019】
一実施形態では、第1の1×3ラックスロットを画定する第1のラックスペーサの左側面と第2のラックスペーサの右側面は実質的に平行である。例えば、第1のラックスペーサおよび第2のラックスペーサの各々は、略くさび形であってもよい。さらに、この実施形態では、第1の1×3ラックスロットは、上面視で略長方形である。また、この実施形態では、第1の1×3ラックスロットは、1×3スライドラックを保持するようにも構成される。
【0020】
一実施形態では、第1の2×3ラックスロットを画定する第3のラックスペーサの左側面と第4のラックスペーサの右側面は実質的に平行である。例えば、第1のラックスペーサおよび第2のラックスペーサの各々は、略くさび形であってもよい。さらに、この実施形態では、第1の2×3ラックスロットは、上面視で略長方形である。また、この実施形態では、第1の2×3ラックスロットは、2×3スライドラックを保持するようにも構成される
【0021】
図6Aは、本明細書で説明される様々な実施形態と関連して使用されてもよい、実施例のプロセッサ使用可能デバイス550を例示するブロック図である。当業者によって理解されるように、デバイス550の代替的な形式もまた使用されてもよい。図示された実施形態では、デバイス550は、デジタル撮像デバイス(本明細書では、また、スキャンシステム、スキャンシステム、スキャン装置、デジタルスキャン装置、デジタルスライドスキャン装置などとも呼ばれる)として提示され、1つ以上のプロセッサ555、1つ以上のメモリ565、1つ以上のモーションコントローラ570、1つ以上のインタフェースシステム575、1つ以上の試料590を有する1つ以上のスライドガラス585をそれぞれ支持する1つ以上の可動ステージ580、試料を照明する1つ以上の照明システム595、光軸に沿って移動する光路605をそれぞれ画定する1つ以上の対物レンズ600、1つ以上の対物レンズポジショナ630、1つ以上の任意選択の落射照明システム635(例えば、蛍光スキャンシステム)、1つ以上の焦点調節光学系610、並びに、それぞれが別々の視野625を試料590および/またはスライドガラス585上に画定する、1つ以上のラインスキャンカメラ615および/または1つ以上の追加カメラ620(例えば、ラインスキャンカメラまたはエリアスキャンカメラ)、を含む。スキャンシステム550の様々な要素は、1つ以上の通信バス560を介して通信可能に結合される。スキャンシステム550の様々な要素の各々は1つ以上であってもよいが、簡便さのため、これらの要素は、適切な情報を伝えるために複数で説明する必要がある場合を除き、本明細書では単数形で説明する。
【0022】
1つ以上のプロセッサ555は、例えば、命令を並列に処理することが可能な中央処理装置(「CPU」)および別個のグラフィックプロセシングユニット(「GPU」)を含んでもよく、または1つ以上のプロセッサ555は、命令を並列に処理することが可能なマルチコアプロセッサを含んでもよい。追加の別個のプロセッサも、特定の構成要素を制御し、または画像処理などの特定の機能を実行するために設けられてもよい。例えば、追加のプロセッサは、データ入力を管理する補助プロセッサ、浮動小数点演算を実行する補助プロセッサ、信号処理アルゴリズムの高速実行に適切なアーキテクチャを有する特殊目的プロセッサ(例えば、デジタルシグナルプロセッサ)、メインプロセッサに従属するスレーブプロセッサ(例えば、バックエンドプロセッサ)、ラインスキャンカメラ615、ステージ580、対物レンズ225、および/またはディスプレイ(図示せず)を制御する追加のプロセッサを含んでもよい。そのような追加のプロセッサは、別個の離散プロセッサであってもよく、またはプロセッサ555と統合されてもよい。
【0023】
メモリ565は、プロセッサ555によって実行されることができるプログラムに対してデータおよび命令の記憶をもたらす。メモリ565は、例えば、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、ハードディスクドライブ、リムーバブルストレージなどを含む、データおよび命令を記憶する1つ以上の揮発性および/または不揮発性のコンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。プロセッサ555は、メモリ565に記憶された命令を実行し、通信バス560を介してスキャンシステム550の様々な要素と通信して、スキャンシステム550の全体的な機能を実行するように構成される。
【0024】
1つ以上の通信バス560は、アナログ電気信号を搬送するように構成された通信バス560およびデジタルデータを搬送するように構成された通信バス560を含んでもよい。したがって、1つ以上の通信バス560を介したプロセッサ555、モーションコントローラ570、および/またはインタフェースシステム575からの通信は、電気信号およびデジタルデータの両方を含んでもよい。プロセッサ555、モーションコントローラ570、および/またはインタフェースシステム575はまた、無線通信リンクを介して、スキャンシステム550の様々な要素のうちの1つ以上と通信するように構成されてもよい。
【0025】
動き制御システム570は、(例えば、X−Y平面内の)ステージ580、および/または、(例えば、対物レンズポジショナ630を介し、X−Y平面に直交するZ軸に沿う)対物レンズ600の、X、Y、および/またはZ運動を、正確に制御し連係させるように構成されている。動き制御システム570はまた、スキャンシステム550におけるいずれかの他の移動部分の移動を制御するように構成される。 例えば、蛍光発光スキャンの実施形態では、動き制御システム570は、落射照明システム635において光学フィルタなどの移動を連係するように構成される。
【0026】
インタフェースシステム575は、スキャンシステム550が他のシステムおよび人的操作と連動することを可能にする。例えば、インタフェースシステム575は、オペレータに情報を直接提供し、および/またはオペレータからの直接入力を可能にするユーザインタフェースを含んでもよい。インタフェースシステム575はまた、スキャンシステム550と、直接接続された1つ以上の外部デバイス(例えば、プリンタ、着脱可能記憶媒体)またはネットワーク(図示せず)を介してスキャンシステム550に接続された画像サーバシステム、オペレータステーション、ユーザステーション、および管理サーバシステムなどの外部デバイスとの間の通信およびデータ転送を促進するように構成される
【0027】
照明システム595は、試料590の一部を照射するように構成される。照明システムは、例えば、光源および照明光学系を含んでもよい。光源は、光出力を最大化するための凹面反射鏡と、熱を抑えるためのKG−1フィルタを備えた可変強度ハロゲン光源で構成することができる。光源は、あらゆるタイプのアーク灯、レーザ、またはその他の光源を備えることもできる。光源はまた、いずれかのタイプのアークランプ、レーザ、または他の光源であってもよい。一実施形態では、照明システム595は、ラインスキャンカメラ615および/またはカメラ620が試料590を透過する光エネルギーを感知するように、透過モードで試料590を照明する。代わりに、または組み合わせて、照明システム595はまた、反射モードにおいて試料590を照射するように構成されてもよく、その結果、ラインスキャンカメラ615および/またはカメラ620は、試料590から反射された光エネルギーを検知する。照明システム595は、光学顕微鏡検査の任意の既知のモードでの顕微鏡試料590からのデータ取得に適するように構成されてもよい。
【0028】
一実施形態では、スキャンシステム550は任意選択で、蛍光発光スキャンのためにスキャンシステム550を最適化する落射照明システム635を含む。蛍光発光スキャンは、蛍光発光分子を含む試料590のスキャンであり、蛍光発光分子は、特定の波長(励起)で光を吸収することができる光子敏感分子である。それらの光子敏感分子はまた、より高い波長(放射)で光を放射する。このフォトルミネセンス現象の効率性が非常に低いことを理由に、放射される光の量が非常に少ないことが多い。この少ない量の放射される光は典型的には、試料590をスキャンおよびデジタル化するための従来の技術(例えば、透過モード顕微鏡検査)を妨げる。有利なことに、スキャンシステム550の任意選択の蛍光発光スキャンシステムの実施形態では、複数の線形センサ配列を含むラインスキャンカメラ615(例えば、時間遅延統合(「TDI」)ラインスキャンカメラ)の使用は、ラインスキャンカメラ615の複数の線形センサ配列の各々に試料590の同一の領域を暴露することによって、ラインスキャンカメラの光への感度を増大させる。これは特に、放射された少ない光によりわずかな蛍光発光試料をスキャンするときに有益である。
【0029】
したがって、蛍光発光スキャンシステムの実施形態では、ラインスキャンカメラ615は好ましくは、モノクロTDIラインスキャンカメラである。有利なことに、モノクロ画像は、それらが試料に存在する様々なチャネルからの実信号の更なる正確な表現を提供することを理由に、蛍光発光顕微鏡検査において理想である。当業者によって理解されるように、蛍光発光試料590は、異なる波長で光を放射する複数の蛍光染料によりラベル付けされることができ、異なる波長は、「チャネル」とも称される。
【0030】
さらに、最低の信号レベルおよび最高の信号レベルの様々な蛍光発光試料が、検知するラインスキャンカメラ615についての広いスペクトルの波長を提示することを理由に、ラインスキャンカメラ615が検知することができる最低の信号レベルおよび最高の信号レベルが同様に広いことが望ましい。したがって、蛍光発光スキャンの実施形態では、蛍光発光スキャンシステム550において使用されるラインスキャンカメラ615は、モノクロの10ビットの64個の線形配列TDIラインスキャンカメラである。ラインスキャンカメラ615についての様々なビット深度がスキャンシステム550の蛍光発光スキャンの実施形態による使用のために採用されることができることに留意されるべきである。
【0031】
可動ステージ580は、プロセッサ555またはモーションコントローラ570の制御下での正確なX−Y移動のために構成される。可動ステージは、また、プロセッサ555またはモーションコントローラ570の制御下でZ運動用に構成されてもよい。可動ステージは、ラインスキャンカメラ615および/またはエリアスキャンカメラによる画像データキャプチャ中に試料を所望の場所に配置するように構成されている。可動ステージはまた、試料590をスキャン方向に実質的に一定の速度まで加速し、その後、ラインスキャンカメラ615による画像データキャプチャ中に実質的に一定の速度を維持するようにも構成されている。一実施形態では、スキャンシステム550は、高精度で緊密に連係されたX−Yグリッドを使用して、可動ステージ580上の試料590の位置決めを支援することができる。一実施形態では、可動ステージ580は、X軸とY軸の両方で使用される高精度エンコーダを備えたリニアモータに基づくX−Yステージである。例えば、非常に正確なナノメートルエンコーダは、スキャン方向における軸上で、およびスキャン方向に垂直な方向における軸上で、且つスキャン方向と同一の平面上で使用することができる。ステージはまた、試料590がその上に配置されたスライドガラス585を支持するように構成される。
【0032】
試料590は、光学顕微鏡検査によって検査されてもよい、いずれかのものであることができる。例えば、顕微鏡スライドガラス585は、組織および細胞、染色体、DNA、タンパク質、血液、骨髄、尿、バクテリア、気泡、生検材料、または死亡しもしくは生存しているかのいずれかであり、着色されもしくは着色されていないかのいずれかであり、ラベル付けされもしくはラベル付けされていないかのいずれかである、いずれかの他のタイプの生物材料を含む標本についての観察用の基板として頻繁に使用される。試料590はまた、マイクロ配列として一般的に知られているいずれかの試料および全ての試料を含む、いずれかのタイプのスライドまたは他の基板上に堆積されたいずれかのタイプのDNA、cDNAもしくはRNAなどのDNA関連材料、またはタンパク質の配列であってもよい。試料590はマイクロタイタープレート(例えば96ウェルプレート)であってよい。試料590の他の例は、集積回路ボード、電気泳動レコード、ペトリ皿、フィルム、半導体材料、法医学材料、または機械加工部品を含む。
【0033】
対物レンズ600は、一実施形態では、非常に正確なリニアモータを使用して、対物レンズ600によって画定される光軸に沿って対物レンズ600を移動させる対物レンズポジショナ630に取り付けられる。例えば、対物レンズポジショナ630のリニアモータは、50ナノメートルのエンコーダを含んでもよい。X、Y、および/またはZ軸におけるステージ580および対物レンズ600の相対位置は、情報と命令を記憶するためにメモリ565を使用するプロセッサ555の制御下で、モーションコントローラ570を使用して閉ループ方式で連係され制御され、命令は、スキャンシステム550全体の動作のための、コンピュータ実行可能な、プログラムされたステップを含む。
【0034】
一実施形態では、対物レンズ600は、望ましい最高空間分解能に対応する開口数を有する平面アポクロマート(「APO」)無限補正対物レンズであり、対物レンズ600は、透過モード照明顕微鏡検査、反射モード照明顕微鏡検査、および/または落射照明モード蛍光発光顕微鏡検査(例えば、Olympus40X、0.75NAもしくは20X、0.75NA)に適切である。有利なことに、対物レンズ600は、色収差および球面収差を補正することが可能である。対物レンズ600が無限に補正されることを理由に、焦点調節光学系610は、対物レンズ600の上で光学経路605内に配置されることができ、対物レンズを通過する光ビームは平行光ビームとなる。焦点調節光学系610は、対物レンズ600によって捕捉された光信号をラインスキャンカメラ615および/またはエリアスキャンカメラ620の光応答要素に集束させ、フィルタ、倍率変更レンズ、などの光学コンポーネントを含むことができる。焦点調節光学系610と組み合わされた対物レンズ600は、スキャンシステム550の全体倍率を提供する。一実施形態では、焦点調節光学系610は、チューブレンズおよび任意選択の2Xの倍率変換器を包含してもよい。有利なことに、2Xの倍率変換器は、本来の20Xの対物レンズ600が40Xの倍率で試料590をスキャンすることを可能にする。
【0035】
ラインスキャンカメラ615は、少なくとも1つの画素の線形配列(「ピクセル」)を含む。ラインスキャンカメラはモノクロまたはカラーであってよい。カラーラインスキャンカメラは典型的には、少なくとも3つの線形配列を有し、モノクロラインスキャンカメラは、単一の線形配列または複数の線形配列を有してもよい。カメラの一部としてパッケージ化され、または撮像電子モジュールにカスタム統合されているかに関わらず、いずれかのタイプの単数または複数の線形配列も使用することができる。 例えば、3つの線形配列(「赤−緑−青」すなわち「RGB」)カラーラインスキャンカメラまたは96個の線形配列モノクロTDIも使用されてもよい。TDIラインスキャンカメラは典型的には、標本の前に撮像された領域から明度データを合計することによって、出力信号における大幅に良好な信号対雑音比(「SNR」)をもたらし、統合ステージの数の平方根に比例したSNRにおける増大を得る。TDIラインスキャンカメラは、複数の線形配列を含み、例えば、24個、32個、48個、64個、96個、またはそれよりも多い偶数の線形配列を有するTDIラインスキャンカメラが利用可能である。スキャンシステム550はまた、512個の画素を有するもの、1024個の画素を有するもの、および4096個もの画素を有するその他を含む、様々なフォーマットにおいて製造された線形配列を支持する。同様に、様々な画素サイズを有する線形配列も、スキャンシステム550において使用することができる。いずれかのタイプのラインスキャンカメラ615の選択のための突出した要件は、ステージ580の動きがラインスキャンカメラ615のライン速度と同期されることができ、その結果、試料590のデジタル画像の捕捉の間、ステージ580がラインスキャンカメラ615に対する動くことができることである。
【0036】
ラインスキャンカメラ615によって生成された画像データは、メモリ565の一部に記憶され、試料590の少なくとも一部の連続するデジタル画像を生成するようにプロセッサ555によって処理される。連続するデジタル画像はさらに、プロセッサ555によって処理されることができ、改正された連続するデジタル画像もメモリ565に記憶されることができる。
【0037】
2つ以上のラインスキャンカメラ615を備えた実施形態では、ラインスキャンカメラ615の少なくとも1つは、撮像センサとして機能するように構成された他のラインスキャンカメラ615の少なくとも1つと組み合わせて動作する焦点調節センサとして機能するように構成できる。焦点調節センサは、撮像センサと同じ光軸上に論理的に配置することができ、または焦点調節センサは、スキャンシステム550のスキャン方向に関して、撮像センサの前または後に論理的に配置することができる。焦点調節センサとして機能する少なくとも1つのラインスキャンカメラ615を備えたこのような実施形態では、焦点調節センサによって生成された画像データはメモリ565の一部に記憶され、1つ以上のプロセッサ555によって処理されて焦点情報を生成する。これにより、スキャンシステム550は、試料590と対物レンズ600との間の相対距離を調整して、スキャン中に試料への焦点を維持することができる。さらに、一実施形態では、焦点調節センサとして機能する少なくとも1つのラインスキャンカメラ615は、焦点調節センサの複数の個々のピクセルの各々が光路605に沿って異なる論理的高さに配置されるように向けることができる。
【0038】
動作中、スキャンシステム550の様々な構成要素およびメモリ565に記憶されたプログラムされたモジュールは、スライドガラス585上に配置された試料590の自動スキャンおよびデジタル化を可能にする。スライドガラス585は、試料590をスキャンするためのスキャンシステム550の可動ステージ580上に固定して配置される。プロセッサ555の制御の下、可動ステージ580は、ラインスキャンカメラ615による検知のために実質的に一定の速度に試料590を加速させ、ステージの速度は、ラインスキャンカメラ615のライン速度と同期される。画像データのストライプをスキャンした後、可動ステージ580は、試料を減速させ、実質的に完全停止に至らせる。可動ステージ580は次いで、画像データの後続のストライプ、例えば、隣接するストライプのスキャンのために試料590を位置付けるようにスキャン方向に直交して移動する。追加のストライプはその後、試料590の全体部分または試料590全体がスキャンされるまでスキャンされる。
【0039】
例えば、試料590のデジタルスキャンの間、試料590の連続するデジタル画像は、画像ストライプを形成するように共に組み合わされた複数の連続する視野として取得される。複数の隣接する画像ストライプは同様に、試料590の一部または全体の連続するデジタル画像を形成するように共に組み合わされる。試料590のスキャンは、垂直画像ストライプまたは水平画像ストライプを取得することを含んでもよい。試料590のスキャンは、上から下、下から上、またはその両方(双方向)のいずれかであってもよく、試料上のいずれかのポイントにおいて開始してもよい。代わりに、試料590のスキャンは、左から右、右から左、またはその両方(双方向)のいずれかであってもよく、試料上のいずれかのポイントにおいて開始してもよい。加えて、画像ストライプが隣接する方式または連続する方式において取得される必要はない。さらに、試料590の結果として生じる画像は、試料590の全体または試料590の一部のみの画像であってもよい。
【0040】
一実施形態では、コンピュータ実行可能命令(例えば、プログラムされたモジュールおよびソフトウェア)がメモリ565に記憶され、実行されるとき、スキャンシステム550が本明細書で説明される様々な機能を実行することを可能にする。この説明では、用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、プロセッサ555による実行のためのコンピュータ実行可能命令を記憶し、スキャンシステム550に提供するために使用されるいずれかの媒体を指すものとして使用される。それらの媒体の例は、メモリ565、および、例えば、ネットワーク(図示せず)を介して直接または間接的のいずれかでスキャンシステム550と通信可能に結合されたいずれかの着脱可能または外部記憶媒体(図示せず)を含む。
【0041】
図6Bは、電荷結合素子(「CCD」)配列として実装されてもよい、単一の線形配列640を有するラインスキャンカメラを例示する。単一の線形配列640は、複数の個々の画素645を含む。例示される実施形態では、単一の線形配列640は、4096個の画素を有する。代替的な実施形態では、線形配列640は、さらに多くのまたはさらに少ない画素を有してもよい。例えば、線形配列の共通フォーマットは、512個、1024個、および4096個の画素を含む。画素645は、線形配列640についての視野625を定めるために線形方式において配列される。視野625のサイズは、スキャンシステム550の倍率に従って変化する。
【0042】
図6Cは、各々がCCD配列として実装されてもよい、3つの線形配列を有するラインスキャンカメラを例示する。3つの線形配列は、カラー配列650を形成するように組み合わせる。一実施形態では、カラー配列650内の各々の個々の線形配列は、異なる色明度、例えば、赤、緑、または青を検出する。カラー配列650内の各々の個々の線形配列からのカラー画像データは、カラー画像データの単一の視野625を形成するように組み合わされる
【0043】
図6Dは、各々がCCD配列として実装されてもよい、複数の線形配列を有するラインスキャンカメラを例示する。複数の線形配列は、TDI配列655を形成するように組み合わせる。有利なことに、TDIラインスキャンカメラは、標本の前に撮像された領域から明度データを合計することによって、その出力信号における大幅に良好なSNRをもたらし、線形配列(統合ステージとも称される)の数の平方根に比例したSNRにおける増大を得る。TDIラインスキャンカメラは、より幅広い数の線形配列を含んでもよく、例えば、共通フォーマットのTDIラインスキャンカメラは、24個、32個、48個、64個、96個、120個、およびそれよりも多い偶数の線形配列を含む。
【0044】
開示される実施形態の上記説明は、いずれかの当業者が発明を作成または使用することを可能にするために提供される。それらの実施形態に対する様々な修正は、当業者にとって容易に明らかであり、本明細書で説明された一般的な原理は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく他の実施形態に適用されることができる。よって、本明細書で提示される説明および図面は、本発明の現時点で好ましい実施形態を表し、したがって、本発明によって広く考慮される主題を表すことが理解されることになる。さらに、本発明の範囲は、当業者にとって明白なることができる他の実施形態を完全に包含し、したがって、本発明の範囲は限定されないことが理解されよう。