(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記還元性物質が、亜硫酸(塩)、重亜硫酸(塩)、ピロ亜硫酸(塩)、亜二チオン酸(塩)、三チオン酸(塩)、四チオン酸(塩)、チオ硫酸(塩)、ロンガリット、チオ酢酸(塩)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ジメチルスルホキサイド、二酸化チオ尿素、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、亜リン酸(塩)及び次亜リン酸(塩)からなる群より選ばれる1種以上である、請求項6に記載の梱包方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、ヒドロキシ置換芳香族化合物、例えば、ジヒドロキシナフタレン(ナフタレンジオール)は一般的に乾燥して用いられる。しかし、その際に同時に劣化を起こし、純度にばらつきが発生するといった問題が顕在化しており、ヒドロキシ置換芳香族化合物、例えば、ジヒドロキシナフタレンの乾燥方法の改善が求められている。
また、従来、一般的にヒドロキシ置換芳香族化合物、例えば、ジヒドロキシナフタレンは保管・運搬の際に梱包されているが、その際に同時に劣化を起こし、純度にばらつきが発生するといった問題が顕在化しており、ヒドロキシ置換芳香族化合物、例えば、ジヒドロキシナフタレンの梱包方法について改善が求められている。
本発明の目的は、乾燥工程におけるヒドロキシ置換芳香族化合物、例えば、ジヒドロキシナフタレンの劣化を抑制し、かつ工業的に有利なヒドロキシ置換芳香族化合物(例えば、ジヒドロキシナフタレン)の製造方法を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、ヒドロキシ置換芳香族化合物、例えば、ジヒドロキシナフタレンの保管・運搬の際の劣化を抑制し、かつ工業的に有利な梱包方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ヒドロキシ置換芳香族化合物(例えば、ジヒドロキシナフタレン)を特定の条件下で乾燥することにより、ヒドロキシ置換芳香族化合物(例えば、ジヒドロキシナフタレン)の劣化を抑制し、高純度のヒドロキシ置換芳香族化合物(例えば、ジヒドロキシナフタレン)を安定的に製造できることを見出し、本発明に至った。
また、本発明者らは上記第二の課題を解決するため鋭意検討した結果、ヒドロキシ置換芳香族化合物(例えば、ジヒドロキシナフタレン)を特定の条件下で梱包することにより、保管・運搬の際の劣化を抑制し高純度を維持したまま保管・運搬できることを見出し、本発明に至った。
【0006】
すなわち、本発明はつぎの通りである。
[1]
ヒドロキシ置換芳香族化合物を、酸素濃度が20体積%未満の雰囲気にて乾燥する工程を含む、ヒドロキシ置換芳香族化合物の製造方法。
[2]
前記ヒドロキシ置換芳香族化合物が、下記式(A
0)及び/又は(B
0)で表されるヒドロキシ置換芳香族化合物である、[1]に記載のヒドロキシ置換芳香族化合物の製造方法。
【化1】
(上記式(A
0)中、n
0は0〜9の整数であり、m
0は0〜2の整数であり、p
0は0〜9の整数であり、Raは各々独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン基、炭素数1〜40の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリール基、又は炭素数2〜40のアルケニル基及びそれらの組み合わせからなる群であり、該アルキル基、該アリール基又は該アルケニル基はエーテル結合、ケトン結合、あるいはエステル結合を含んでいてもよい。
上記式(B
0)中、n
1は0〜9の整数であり、p
1は0〜9の整数であり、R
bは各々独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン基、炭素数1〜40の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリール基、又は炭素数2〜40のアルケニル基及びそれらの組み合わせからなる群であり、該アルキル基、該アリール基又は該アルケニル基はエーテル結合、ケトン結合、あるいはエステル結合を含んでいてもよい。)
[3]
前記ヒドロキシ置換芳香族化合物が、下記式(A)及び/又は(B)で表されるヒドロキシ置換芳香族化合物である、[1]に記載のヒドロキシ置換芳香族化合物の製造方法。
【化2】
(上記式(A)中、n
0は0〜9の整数であり、m
0は0〜2の整数であり、p
0は0〜9の整数であり、R
0は各々独立して、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜15のアリール基、又は炭素数2〜15のアルケニル基であり、
上記式(B)中、n
1は0〜9の整数であり、p
1は0〜9の整数であり、R
1は各々独立して、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜15のアリール基、又は炭素数2〜15のアルケニル基である。)
[4]
前記ヒドロキシ置換芳香族化合物が、下記式(A−1)で表される化合物、下記式(A−2)で表される化合物、下記式(A−3)で表される化合物、下記式(A−4)で表される化合物、及び下記式(B−1)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上である、[1]に記載のヒドロキシ置換芳香族化合物の製造方法。
【化3】
(上記式(A−1)〜(A−4)中、n
0は0〜9の整数であり、上記式(B−1)中、n
1は0〜9の整数である。)
[5]
前記ヒドロキシ置換芳香族化合物が、下記式(1)で表される化合物である、[1]に記載の製造方法。
【化4】
[6]
前記乾燥工程が、還元性物質の存在下で行われる、[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]
前記還元性物質が、亜硫酸(塩)、重亜硫酸(塩)、ピロ亜硫酸(塩)、亜二チオン酸(塩)、三チオン酸(塩)、四チオン酸(塩)、チオ硫酸(塩)、ロンガリット、チオ酢酸(塩)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ジメチルスルホキサイド、二酸化チオ尿素、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、亜リン酸(塩)及び次亜リン酸(塩)からなる群より選ばれる1種以上である、[6]に記載の製造方法。
[8]
ヒドロキシ置換芳香族化合物を、酸素濃度が20体積%未満の雰囲気にて梱包する工程を含む、ヒドロキシ置換芳香族化合物の梱包方法。
[9]
前記ヒドロキシ置換芳香族化合物が、下記式(A
0)及び/又は(B
0)で表されるヒドロキシ置換芳香族化合物である、[8]に記載のヒドロキシ置換芳香族化合物の梱包方法。
【化5】
(上記式(A
0)中、n
0は0〜9の整数であり、m
0は0〜2の整数であり、p
0は0〜9の整数であり、Raは各々独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン基、炭素数1〜40の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリール基、又は炭素数2〜40のアルケニル基及びそれらの組み合わせからなる群であり、該アルキル基、該アリール基又は該アルケニル基はエーテル結合、ケトン結合、あるいはエステル結合を含んでいてもよい。
上記式(B
0)中、n
1は0〜9の整数であり、p
1は0〜9の整数であり、R
bは各々独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン基、炭素数1〜40の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリール基、又は炭素数2〜40のアルケニル基及びそれらの組み合わせからなる群であり、該アルキル基、該アリール基又は該アルケニル基はエーテル結合、ケトン結合、あるいはエステル結合を含んでいてもよい。)
[10]
前記ヒドロキシ置換芳香族化合物が、下記式(A)及び/又は(B)で表されるヒドロキシ置換芳香族化合物である、[8]に記載のヒドロキシ置換芳香族化合物の梱包方法。
【化6】
(上記式(A)中、n
0は0〜9の整数であり、m
0は0〜2の整数であり、p
0は0〜9の整数であり、R
0は各々独立して、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜15のアリール基、又は炭素数2〜15のアルケニル基であり、
上記式(B)中、n
1は0〜9の整数であり、p
1は0〜9の整数であり、R
1は各々独立して、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜15のアリール基、又は炭素数2〜15のアルケニル基である。)
[11]
前記ヒドロキシ置換芳香族化合物が、下記式(A−1)で表される化合物、下記式(A−2)で表される化合物、下記式(A−3)で表される化合物、下記式(A−4)で表される化合物、及び下記式(B−1)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上である、[8]に記載のヒドロキシ置換芳香族化合物の梱包方法。
【化7】
(上記式(A−1)〜(A−4)中、n
0は0〜9の整数であり、上記式(B−1)中、n
1は0〜9の整数である。)
[12]
前記ヒドロキシ置換芳香族化合物が、下記式(1)で表される化合物である、[8]に記載の梱包方法。
【化8】
[13]
梱包容器内に前記ヒドロキシ置換芳香族化合物と乾燥剤とを共存させる工程を含む、[8]〜[12]のいずれかに記載の梱包方法。
[14]
梱包容器内に前記ヒドロキシ置換芳香族化合物と還元性物質とを共存させる工程を含む、[8]〜[13]のいずれかに記載の梱包方法。
[15]
梱包容器内に前記ヒドロキシ置換芳香族化合物と脱酸素剤とを共存させる工程を含む、[8]〜[14]のいずれかに記載の梱包方法。
[16]
前記還元性物質が、亜硫酸(塩)、重亜硫酸(塩)、ピロ亜硫酸(塩)、亜二チオン酸(塩)、三チオン酸(塩)、四チオン酸(塩)、チオ硫酸(塩)、ロンガリット、チオ酢酸(塩)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ジメチルスルホキサイド、二酸化チオ尿素、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、亜リン酸(塩)及び次亜リン酸(塩)からなる群より選ばれる1種以上である、[14]に記載の梱包方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、乾燥工程におけるヒドロキシ置換芳香族化合物(例えば、ジヒドロキシナフタレン)の変質や劣化を抑制し、高純度のヒドロキシ置換芳香族化合物(例えば、ジヒドロキシナフタレン)を安定的に製造できる。
また、本発明により、ヒドロキシ置換芳香族化合物(例えば、ジヒドロキシナフタレン)の保管・運搬の際の劣化を抑制し、高純度を安定的に維持可能な梱包方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態(以下「本実施形態」とも記す。)について詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施形態のみに限定されない。
【0009】
<ヒドロキシ置換芳香族化合物の製造方法>
本実施形態のヒドロキシ置換芳香族化合物の製造方法は、ヒドロキシ置換芳香族化合物を、酸素濃度が20体積%未満の雰囲気にて乾燥する工程を含む。
本実施形態の製造方法において、前記ヒドロキシ置換芳香族化合物は、フェノール性ヒドロキシ基を少なくとも1個有する芳香族化合物であれば特に限定されないが、例えば、下記式(A
0)及び/又は(B
0)で表されるヒドロキシ置換芳香族化合物であることが好ましい。
【0010】
【化9】
(上記式(A
0)中、n
0は0〜9の整数であり、m
0は0〜2の整数であり、p
0は0〜9の整数であり、Raは各々独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン基、炭素数1〜40の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリール基、又は炭素数2〜40のアルケニル基及びそれらの組み合わせからなる群であり、該アルキル基、該アリール基又は該アルケニル基はエーテル結合、ケトン結合、あるいはエステル結合を含んでいてもよい。
上記式(B
0)中、n
1は0〜9の整数であり、p
1は0〜9の整数であり、R
bは各々独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン基、炭素数1〜40の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリール基、又は炭素数2〜40のアルケニル基及びそれらの組み合わせからなる群であり、該アルキル基、該アリール基又は該アルケニル基はエーテル結合、ケトン結合、あるいはエステル結合を含んでいてもよい。)
【0011】
また、本実施形態の製造方法において、前記ヒドロキシ置換芳香族化合物は、下記式(A)及び/又は(B)で表されるヒドロキシ置換芳香族化合物であることがより好ましい。
【0012】
【化10】
(上記式(A)中、n
0は0〜9の整数であり、m
0は0〜2の整数であり、p
0は0〜9の整数であり、R
0は各々独立して、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜15のアリール基、又は炭素数2〜15のアルケニル基であり、
上記式(B)中、n
1は0〜9の整数であり、p
1は0〜9の整数であり、R
1は各々独立して、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜15のアリール基、又は炭素数2〜15のアルケニル基である。)
【0013】
本実施形態の製造方法において、前記ヒドロキシ置換芳香族化合物は、下記式(A−1)で表される化合物、下記式(A−2)で表される化合物、下記式(A−3)で表される化合物、下記式(A−4)で表される化合物、及び下記式(B−1)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上であることがさらに好ましい。
【0014】
【化11】
(上記式(A−1)〜(A−4)中、n
0は0〜9の整数であり、上記式(B−1)中、n
1は0〜9の整数である。)
【0015】
本実施形態の製造方法において、前記ヒドロキシ置換芳香族化合物は、下記式(1)で表される化合物であることが特に好ましい。
【0017】
ヒドロキシ置換芳香族化合物、例えば、ジヒドロキシナフタレンは二量体を生成し易いという問題があったが、該化合物を酸素濃度が20体積%未満の雰囲気にて乾燥することにより、該化合物の酸化による二量体等の副生成物の生成を抑制し、安定的に高純度の該化合物を製造することが可能になる。
【0018】
本実施形態の製造方法において、乾燥工程の酸素濃度は10体積%未満が好ましく、5体積%未満がより好ましく、1体積%未満がさらに好ましい。乾燥工程の酸素濃度が低いほど、ヒドロキシ置換芳香族化合物、例えば、ジヒドロキシナフタレンの変質を抑制し得る。乾燥工程の酸素濃度の下限は、特に限定されないが、例えば、0.01体積%である。
【0019】
酸素濃度を低下させる方法は、公知の方法が適用でき、特に限定されないが、例えば、酸素以外のガスを主成分とするガスを乾燥機内に供給する方法を挙げることができる。乾燥機を減圧して真空下で行う方法も挙げることができる。
【0020】
酸素濃度の確認は、公知の方法で実施でき、特に限定されないが、例えば、乾燥機に窒素ガスをフローして、ベントから排出されるガスの酸素濃度を、酸素濃度計にて測定する方法を挙げることができる。乾燥機に酸素濃度計を設置する方法も挙げることができる。
【0021】
乾燥温度はヒドロキシ置換芳香族化合物、例えば、ジヒドロキシナフタレンの変質を抑制できれば特に限定されないが、通常、10〜230℃の範囲が好ましい。
乾燥温度が10℃以上の温度であれば未乾燥物が生じにくい傾向にある。また、乾燥温度が230℃未満の温度であればヒドロキシ置換芳香族化合物、例えば、ジヒドロキシナフタレンの変質が起こりにくい傾向にある。より好ましい乾燥温度は、50〜100℃、さらに好ましい乾燥温度は、60〜90℃である。
乾燥時間は特に限定されないが、通常、30分〜1週間が好ましい。より好ましくは、45分〜1日、さらに好ましくは1時間〜12時間である。また、乾燥圧力は減圧、常圧及び加圧のいずれでも適用し得る。
【0022】
本実施形態の製造方法で使用されるヒドロキシ置換芳香族化合物は、下記式(1)で表される化合物であることが特に好ましい。
【0024】
ここで、上記式(1)で表される化合物は、特に限定されないが、原料の供給性の観点から、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレ及び2,7−ジヒドロキシナフタレンからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
【0025】
また、上記式(1)で表される化合物は、特に限定されないが、該化合物を原料として得られる化合物又は樹脂の耐熱性の観点から、2,6−ジヒドロキシナフタレ及び2,7−ジヒドロキシナフタレンからなる群より選ばれる1種以上がより好ましい。
【0026】
上記式(1)で表される化合物は、特に限定されないが、該化合物を原料として得られる化合物又は樹脂のさらなる耐熱性の観点から、2,6−ジヒドロキシナフタレンがさらに好ましい。
【0027】
上記式(1)で表される化合物は、製造メーカー及び試薬メーカー等公知の手段にて容易に入手できる。また、公知の手法を応用して適宜合成することができ、その合成手法は特に限定されない。
【0028】
本実施形態の製造方法においてヒドロキシ置換芳香族化合物は単独で使用してもよいが、2種以上混合して使用することもできる。また、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、各種界面活性剤、各種架橋剤、各種酸発生剤、各種安定剤等を含有したものであってもよい。
【0029】
本実施形態の製造方法では、前記乾燥工程が、還元性物質の存在下で行われることが好ましい。すなわち、ヒドロキシ置換芳香族化合物を還元性物質の存在下で乾燥することが好ましい。ヒドロキシ置換芳香族化合物に還元性物質を添加した後、乾燥工程に供すると更に劣化を抑制することができる場合がある。還元性物質としては、特に限定されないが、例えば、亜硫酸(塩)、重亜硫酸(塩)、ピロ亜硫酸(塩)、亜二チオン酸(塩)、三チオン酸(塩)、四チオン酸(塩)、チオ硫酸(塩)、ロンガリット、チオ酢酸(塩)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ジメチルスルホキサイド、二酸化チオ尿素等の含イオウ原子還元性物質;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類;亜リン酸(塩)、次亜リン酸(塩)等の含リン原子還元性物質などを挙げることができる。これらの中でも、安価且つ工業的に入手し易くしかも効果の高い重亜硫酸(塩)の使用が好ましい。
これらの還元性物質は1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0030】
本実施形態の製造方法において、これら還元性物質の使用量は、ヒドロキシ置換芳香族化合物100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.05〜3質量部、さらに好ましくは0.1〜1質量部である。また、これら還元性物質を使用した場合、酸素濃度が比較的高い場合でも、熱劣化の全くないヒドロキシ置換芳香族化合物(例えば、ジヒドロキシナフタレン)を得ることが可能な場合がある。そのため安価な製品を製造する場合には有効な手段となり得る。
【0031】
<ヒドロキシ置換芳香族化合物の梱包方法>
本実施形態のヒドロキシ置換芳香族化合物の梱包方法は、ヒドロキシ置換芳香族化合物を、酸素濃度が20%未満の雰囲気にて梱包する工程を含む。
【0032】
本実施形態の梱包方法において、前記ヒドロキシ置換芳香族化合物は、フェノール性ヒドロキシ基を少なくとも1個有する芳香族化合物であれば特に限定されないが、例えば、下記式(A
0)及び/又は(B
0)で表されるヒドロキシ置換芳香族化合物であることが好ましい。
【0033】
【化14】
(上記式(A
0)中、n
0は0〜9の整数であり、m
0は0〜2の整数であり、p
0は0〜9の整数であり、Raは各々独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン基、炭素数1〜40の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリール基、又は炭素数2〜40のアルケニル基及びそれらの組み合わせからなる群であり、該アルキル基、該アリール基又は該アルケニル基はエーテル結合、ケトン結合、あるいはエステル結合を含んでいてもよい。
上記式(B
0)中、n
1は0〜9の整数であり、p
1は0〜9の整数であり、R
bは各々独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン基、炭素数1〜40の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜40のアリール基、又は炭素数2〜40のアルケニル基及びそれらの組み合わせからなる群であり、該アルキル基、該アリール基又は該アルケニル基はエーテル結合、ケトン結合、あるいはエステル結合を含んでいてもよい。)
【0034】
また、本実施形態の梱包方法において、前記ヒドロキシ置換芳香族化合物は、下記式(A)及び/又は(B)で表されるヒドロキシ置換芳香族化合物であることがより好ましい。
【0035】
【化15】
(上記式(A)中、n
0は0〜9の整数であり、m
0は0〜2の整数であり、p
0は0〜9の整数であり、R
0は各々独立して、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜15のアリール基、又は炭素数2〜15のアルケニル基であり、
上記式(B)中、n
1は0〜9の整数であり、p
1は0〜9の整数であり、R
1は各々独立して、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜15のアリール基、又は炭素数2〜15のアルケニル基である。)
【0036】
本実施形態の梱包方法において、前記ヒドロキシ置換芳香族化合物は、下記式(A−1)で表される化合物、下記式(A−2)で表される化合物、下記式(A−3)で表される化合物、下記式(A−4)で表される化合物、及び下記式(B−1)で表される化合物からなる群より選ばれる1種以上であることがさらに好ましい。
【0037】
【化16】
(上記式(A−1)〜(A−4)中、n
0は0〜9の整数であり、上記式(B−1)中、n
1は0〜9の整数である。)
【0038】
また、本実施形態の梱包方法において、前記式(A)で表されるヒドロキシ置換芳香族化合物は、下記式(1)で表される化合物であることが特に好ましい。
【0040】
ヒドロキシ置換芳香族化合物、例えば、ジヒドロキシナフタレンは二量体を生成し易いという問題があったが、該化合物を酸素濃度が20体積%未満の雰囲気にて梱包することにより、該化合物の酸化による二量体等の副生成物の生成を抑制し、高純度を維持したまま保管・輸送することが可能になる。
【0041】
本実施形態の梱包方法において、梱包工程の酸素濃度は10体積%未満が好ましく、5体積%未満がより好ましく、1体積%未満がさらに好ましい。梱包工程の酸素濃度が低いほど、ヒドロキシ置換芳香族化合物、例えば、ジヒドロキシナフタレンの変質を抑制することができる。梱包工程の酸素濃度の下限は、特に限定されないが、例えば、0.01体積%である。
【0042】
酸素濃度を低下させる方法は、公知の方法が適用でき、特に限定されないが、例えば、梱包容器に窒素ガスをフローして、又は減圧してその後窒素ガスを導入することで、ガス置換を行う方法を挙げることができる。もしくは減圧して真空下で行う方法も挙げることができる。梱包容器を減圧してその後窒素ガスを導入する方法ことが簡便かつ確実で好ましい。
【0043】
本実施形態の梱包方法で使用されるヒドロキシ置換芳香族化合物は、下記式(1)で表される化合物であることが特に好ましい。
【0045】
ここで、上記式(1)で表される化合物は、特に限定されないが、原料の供給性の観点から、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレ及び2,7−ジヒドロキシナフタレンからなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
【0046】
また、上記式(1)で表される化合物は、特に限定されないが、該化合物を原料として得られる化合物又は樹脂の耐熱性の観点から、2,6−ジヒドロキシナフタレ及び2,7−ジヒドロキシナフタレンからなる群より選ばれる1種以上がより好ましい。
【0047】
上記式(1)で表される化合物は、特に限定されないが、該化合物を原料として得られる化合物又は樹脂のさらなる耐熱性の観点から、2,6−ジヒドロキシナフタレンがさらに好ましい。
【0048】
上記式(1)で表される化合物は、製造メーカー及び試薬メーカー等公知の手段にて容易に入手できる。また、公知の手法を応用して適宜合成することができ、その合成手法は特に限定されない。
【0049】
本実施形態の梱包方法において、ヒドロキシ置換芳香族化合物は単独で使用してもよいが、2種以上混合して使用することもできる。また、ヒドロキシ置換芳香族化合物は、各種界面活性剤、各種架橋剤、各種酸発生剤、各種安定剤等を含有したものであってもよい。
【0050】
本実施形態の梱包方法において、梱包形態は、公知の形態が適用でき、特に限定されない。例えば、梱包用の容器としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン若しくはポリエチレンテレフタレート等を素材とする樹脂フィルム袋、アルミ袋、それらの多層フィルム袋又はそれらの組み合わせ等が挙げられる。さらに劣化を抑制する観点から、アルミラミネートしたフィルムを使用することが好ましい。
また、封は、輪ゴム、ガムテープやビニールテープあるいはヒートシール等の方法により行うことができるが、さらに劣化を抑制する観点から、ヒートシールが好ましい。
【0051】
製品の保護及び内容物の表示等のために外装材を用いることもできる。外装材としては、公知の形態が適用でき、特に限定されないが、例えば、段ボール、ファイバードラム、ペール缶、金属缶、ガラス容器等が挙げられる。また、それらの蓋の固定には、ビニールテープ、かしめあるいは金属バンド等が用いられる。
【0052】
本実施形態の梱包方法において、梱包容器内にヒドロキシ置換芳香族化合物と乾燥剤とを共存させる工程を含むことが、ヒドロキシ置換芳香族化合物の変質抑制の観点からより好ましい。乾燥剤としては、公知のものが使用でき、特に限定されないが、例えば、シリカゲル、酸化アルミニウム等が挙げられる。
これらの乾燥剤は1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0053】
本実施形態の梱包方法において、梱包容器内にヒドロキシ置換芳香族化合物と還元性物質とを共存させる工程を含むことが、該化合物の変質抑制の観点からより好ましい。ヒドロキシ置換芳香族化合物に還元性物質を添加した後、乾燥工程に供すると更に劣化を抑制することができる場合がある。また、還元性物質をヒドロキシ置換芳香族化合物に添加せずに梱包容器内に配置することでも効果がある場合がある。
【0054】
上記還元性物質としては、特に限定されないが、例えば、亜硫酸(塩)、重亜硫酸(塩)、ピロ亜硫酸(塩)、亜二チオン酸(塩)、三チオン酸(塩)、四チオン酸(塩)、チオ硫酸(塩)、ロンガリット、チオ酢酸(塩)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ジメチルスルホキサイド、二酸化チオ尿素等の含イオウ原子還元性物質;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン類;亜リン酸(塩)、次亜リン酸(塩)等の含リン原子還元性物質などを挙げることができる。これらの中でも、安価且つ工業的に入手し易く、しかも効果の高い重亜硫酸(塩)の使用が好ましい。
これらの還元性物質は1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0055】
本実施形態の梱包方法において、これら還元性物質の使用量は、ヒドロキシ置換芳香族化合物100質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲が好ましく、0.05〜3質量部の範囲がより好ましく、0.1〜1質量部の範囲がさらに好ましい。
また、これら還元性物質を使用した場合、酸素濃度が比較的高い場合でも、熱劣化の全くないヒドロキシ置換芳香族化合物(例えば、ジヒドロキシナフタレン)を得ることが可能な場合があるため、安価な製品を製造する場合には特に有効な手段となり得るものである。
【0056】
本実施形態の梱包方法において、梱包した容器内にヒドロキシ置換芳香族化合物と脱酸素剤とを共存させる工程を含むことが、該化合物の変質抑制の観点からより好ましい。脱酸素剤としては、特に限定されないが、鉄を主成分とする無機系脱酸素剤、フェノール類、アスコルビン酸、グリセリン、糖アルコールまたは不飽和脂肪酸を主成分とするものが挙げられる。これらの中でも、安価且つ工業的に入手し易く、しかも効果の高い鉄を主成分とする無機系脱酸素剤が好ましい。このような無機系脱酸素剤としては、例えば、三菱ガス化学(株)社製エージレス等の製品名で知られるもの挙げられる。
これらの脱酸素剤は1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0057】
本実施形態の梱包方法において、これら脱酸素剤の使用量は、ヒドロキシ置換芳香族化合物100質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲が好ましく、0.05〜3質量部の範囲がより好ましく、0.1〜1質量部の範囲がさらに好ましい。
また、これら脱酸素剤を使用した場合、梱包時の酸素濃度が比較的高い場合でも、梱包後に速やかに酸素濃度を低減することが可能となり、設備投資を行わず品質の優れた製品を製造する場合に特に有効な手段となり得るものである。
【実施例】
【0058】
以下、実施例を挙げて、本実施形態をさらに具体的に説明する。但し、本実施形態は、これらの実施例に限定されない。
【0059】
加熱減量測定法:各乾燥機にナフタレンジオール約1gを取り、所定の乾燥条件で乾燥し、次式により算出した。
加熱減量(%)=(A−B)/A×100
A:採取したナフタレンジオールの重量(g)
B:乾燥後の重量(g)
【0060】
(実施例1)
含水率10質量%かつ純度89.0%の2,6−ジヒドロキシナフタレン粗体1gを、ESPEC社製真空乾燥機(VACUUM OVEN LCV−233)に入れ、真空下、80℃で24時間乾燥を行った。その際の酸素濃度は1体積%未満であった。
その結果、加熱減量は10質量%であり、純度99.0%の2,6−ジヒドロキシナフタレン0.9gを得た。
2,6−ジヒドロキシナフタレンの劣化を抑制して乾燥することができた。
【0061】
(実施例2)
含水率10質量%かつ純度89.0%の2,6−ジヒドロキシナフタレン粗体1gを、TABAI社製熱風乾燥機(HIGH−TEMP OVEN PHH−100)に入れ、窒素気流下、80℃で24時間乾燥を行った。その際の酸素濃度は1体積%未満であった。
その結果、加熱減量は10質量%であり、純度99.0%の2,6−ジヒドロキシナフタレン0.9gを得た。
2,6−ジヒドロキシナフタレンの劣化を抑制して乾燥することができた。
【0062】
(実施例3)
含水率10質量%かつ純度89.0%の2,6−ジヒドロキシナフタレン粗体1gを、YAMATO社製ロータリーエバポレーター(Rotary Evaporator RE200)に入れ、真空下、バス温度100℃で24時間乾燥を行った。その際の酸素濃度は1体積%未満であった。
その結果、加熱減量は10質量%であり、純度99.0%の2,6−ジヒドロキシナフタレン0.9gを得た。
2,6−ジヒドロキシナフタレンの劣化を抑制して乾燥することができた。
【0063】
(実施例4)
含水率12.4質量%かつ純度87.2%の9,10−ジヒドロキシアントラセン粗体2gを、ESPEC社製真空乾燥機(VACUUM OVEN LCV−233)に入れ、真空下、80℃で24時間乾燥を行った。その際の酸素濃度は1体積%未満であった。
その結果、加熱減量は11.6質量%であり、純度98.2%の9,10−ジヒドロキシアントラセン1.7gを得た。
9,10−ジヒドロキシアントラセンの劣化を抑制して乾燥することができた。
【0064】
(実施例5)
含水率11.8質量%かつ純度88.0%の4,4−ビフェノール粗体2gを、ESPEC社製真空乾燥機(VACUUM OVEN LCV−233)に入れ、真空下、80℃で24時間乾燥を行った。その際の酸素濃度は1体積%未満であった。
その結果、加熱減量は11.6質量%であり、純度98.0%の4,4−ビフェノール1.7gを得た。
4,4−ビフェノールの劣化を抑制して乾燥することができた。
【0065】
(実施例6)
含水率12.2質量%かつ純度87.6%の1−ヒドロキシピレン粗体2gを、ESPEC社製真空乾燥機(VACUUM OVEN LCV−233)に入れ、真空下、80℃で24時間乾燥を行った。その際の酸素濃度は1体積%未満であった。
その結果、加熱減量は11.9質量%であり、純度98.0%の1−ヒドロキシピレン1.7gを得た。
1−ヒドロキシピレンの劣化を抑制して乾燥することができた。
【0066】
(実施例7)
含水率10.2質量%かつ純度89.6%のレゾルシノール(1、3−ジヒドロキシベンゼン)粗体2gを、ESPEC社製真空乾燥機(VACUUM OVEN LCV−233)に入れ、真空下、80℃で24時間乾燥を行った。その際の酸素濃度は1体積%未満であった。
その結果、加熱減量は9.9質量%であり、純度99.8%のレゾルシノール1.7gを得た。
レゾルシノールの劣化を抑制して乾燥することができた。
【0067】
(比較例1)
含水率10質量%かつ純度89.0%の2,6−ジヒドロキシナフタレン粗体1gを、TABAI社製熱風乾燥機(HIGH−TEMP OVEN PHH−100)に入れ、大気流下、80℃で24時間乾燥を行った。その際の酸素濃度は20.8体積%であった。
その結果、加熱減量は10質量%であったが、純度95.1%の2,6−ジヒドロキシナフタレン0.9gを得た。
乾燥はできたものの、2,6−ジヒドロキシナフタレンは劣化した。
【0068】
(比較例2)
含水率10質量%かつ純度89.0%の2,6−ジヒドロキシナフタレン粗体1gを、東京硝子器械社製ホットスターラー(HOT STIRRER F−17HSD)上にて、大気下、100℃で24時間乾燥を行った。その際の酸素濃度は20.8体積%であった。
その結果、加熱減量は10質量%であったが、純度90.0%の2,6−ジヒドロキシナフタレン0.9gを得た。
乾燥はできたものの、2,6−ジヒドロキシナフタレンは劣化した。
【0069】
(実施例1−1)
RPシステムアルミ袋(三菱ガス化学社製;寸法600mm×700mm)に、純度99%の2,6−ジヒドロキシナフタレンを10kg入れ、RPシステムアルミ袋を脱気、ヒートシールを行い、封をした。その際のRPシステムアルミ袋内の酸素濃度は1体積%未満であった。
1週間25℃環境下にて保管し、その後、袋から2,6−ジヒドロキシナフタレンを取り出し純度を測定したところ、純度99%と変化無く良好であった。
なお、前記RPシステムアルミ袋とは、透過度がほぼゼロで、無酸素無水分の環境とする包装に用いられる袋であり、例えば、以下のサイトにより確認することができる。
http:www.mgc.co.jp/seihin/a/rpsystem/bag.html
【0070】
(実施例1−2)
RPシステムアルミ袋(三菱ガス化学社製;寸法600mm×700mm)に、純度99%の2,6−ジヒドロキシナフタレンを10kg入れ、酸素吸収剤として市販されているRP剤(三菱ガス化学社製)を10個同封、ヒートシールを行い、封をした。1週間25℃環境下にて保管し、その際のRPシステムアルミ袋内の酸素濃度は1体積%未満であった。
その後、袋から2,6−ジヒドロキシナフタレンを取り出し純度を測定したところ、純度99%と変化無く良好であった。
【0071】
(実施例1−3)
RPシステムアルミ袋(三菱ガス化学社製;寸法600mm×700mm)に、純度99%の2,6−ジヒドロキシナフタレンを10kg入れ、酸素吸収剤として市販されているRP剤(三菱ガス化学社製)を8個同封、ヒートシールを行い、封をした。1週間25℃環境下にて保管し、その際のRPシステムアルミ袋内の酸素濃度は3体積%であった。
その後、袋から2,6−ジヒドロキシナフタレンを取り出し純度を測定したところ、純度99%と変化無く良好であった。
【0072】
(実施例1−4)
RPシステムアルミ袋(三菱ガス化学社製;寸法600mm×700mm)に、純度99%の2,6−ジヒドロキシナフタレンを10kg入れ、酸素吸収剤として市販されているRP剤(三菱ガス化学社製)を6個同封、ヒートシールを行い、封をした。1週間25℃環境下にて保管し、その際のRPシステムアルミ袋内の酸素濃度は6体積%であった。
その後、袋から2,6−ジヒドロキシナフタレンを取り出し純度を測定したところ、純度98.4%と良好であった。
【0073】
(実施例1−5)
RPシステムアルミ袋(三菱ガス化学社製;寸法600mm×700mm)に、純度99%の2,6−ジヒドロキシナフタレンを10kg入れ、酸素吸収剤として市販されているRP剤(三菱ガス化学社製)を3個同封、ヒートシールを行い、封をした。1週間25℃環境下にて保管し、その際のRPシステムアルミ袋内の酸素濃度は11体積%であった。
その後、袋から2,6−ジヒドロキシナフタレンを取り出し純度を測定したところ、純度98%と良好であった。
【0074】
(比較例1−1)
RPシステムアルミ袋(三菱ガス化学社製)に、純度99%の2,6−ジヒドロキシナフタレンを10kg入れ、RPシステムアルミ袋を脱気せずに、ヒートシールを行い、封をした。その際のRPシステムアルミ袋内の酸素濃度は20.8体積%であった。
1週間25℃環境下にて保管し、その後、袋から2,6−ジヒドロキシナフタレンを取り出し純度を測定したところ、純度95%と劣化が認められ不良であった。